(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161518
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】排気システム
(51)【国際特許分類】
F01N 3/08 20060101AFI20231030BHJP
F01N 3/02 20060101ALI20231030BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
F01N3/08 C
F01N3/02 201
B01D53/94 222
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 245
B01D53/94 280
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071977
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】玉木 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】内藤 一哉
(72)【発明者】
【氏名】間所 和彦
(72)【発明者】
【氏名】大西 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】島村 遼一
(72)【発明者】
【氏名】松山 翔
(72)【発明者】
【氏名】倉田 怜
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智博
【テーマコード(参考)】
3G091
3G190
4D148
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB01
3G091AB14
3G091BA14
3G091BA15
3G091DA08
3G091DB10
3G091HA05
3G091HA39
3G190AA02
3G190DD01
3G190EA25
3G190EA32
4D148AA06
4D148AA13
4D148AA18
4D148AB01
4D148AB02
4D148AB09
4D148CD03
4D148CD10
4D148DA01
4D148DA02
4D148DA08
4D148DA13
4D148DA20
4D148EA03
(57)【要約】
【課題】プラズマリアクターによって消費される電力を抑制できる排気システムを提供する。
【解決手段】
排気システム14は、エンジン101と接続される触媒コンバーター2と、触媒コンバーター2の下流側に接続される排気管3と、排気管3の途中に介在されるプラズマリアクター4と、制御装置6とを備える。制御装置6は、触媒コンバーター2内の温度が、触媒コンバーター2内の触媒が活性化する温度以上であり、かつ、エンジン101が、粒子状物質の発生が想定される条件で作動している場合と、触媒コンバーター2内の温度が、触媒コンバーター2内の触媒が活性化する温度以上であり、エンジン101が、粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており、かつ、空燃比がリーンである場合とにプラズマリアクター4に放電させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと接続される触媒コンバーターと、
前記触媒コンバーターの下流側に接続される排気管と、
前記排気管の途中に介在されるプラズマリアクターと、
制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記触媒コンバーター内の温度が、前記触媒コンバーター内の触媒が活性化する温度以上であり、かつ、前記エンジンが、粒子状物質の発生が想定される条件で作動している場合と、
前記触媒コンバーター内の温度が、前記触媒コンバーター内の触媒が活性化する温度以上であり、前記エンジンが、粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており、かつ、空燃比がリーンである場合と
に前記プラズマリアクターに放電させる、排気システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記触媒コンバーター内の温度が、前記触媒コンバーター内の触媒が活性化する温度以上であり、前記エンジンが、粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており、空燃比がストイキオメトリまたはリッチである場合、前記プラズマリアクターの放電を停止させる、請求項1に記載の排気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの排気ラインにプラズマ処理装置を設け、エンジン始動時及び加速時にプラズマ処理装置を作動させるプラズマ生成制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載されるような排気ラインにおいて、さらなる省エネルギー化が要望されている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、プラズマリアクターによって消費される電力を抑制できる排気システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明[1]は、エンジンと接続される触媒コンバーターと、前記触媒コンバーターの下流側に接続される排気管と、前記排気管の途中に介在されるプラズマリアクターと、制御装置とを備え、前記制御装置は、前記触媒コンバーター内の温度が、前記触媒コンバーター内の触媒が活性化する温度以上であり、かつ、前記エンジンが、粒子状物質の発生が想定される条件で作動している場合と、前記触媒コンバーター内の温度が、前記触媒コンバーター内の触媒が活性化する温度以上であり、前記エンジンが、粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており、かつ、空燃比がリーンである場合とに前記プラズマリアクターに放電させる、排気システムを含む。
【0007】
このような構成によれば、制御装置は、エンジンが粒子状物質の発生が想定される条件で作動している場合と、エンジンが粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており、かつ、空燃比がリーンである場合とに、プラズマリアクターに放電させる。
【0008】
エンジンが粒子状物質の発生が想定される条件で作動している場合にプラズマリアクターが放電することにより、プラズマリアクターによって消費される電力を抑制しつつ、粒子状物質を処理できる。
【0009】
また、空燃比がリーンである場合にプラズマリアクターが放電することにより、排気ガス中の酸素を利用して、プラズマリアクターの電極パネルに吸着した粒子状物質を分解できる。
【0010】
そのため、排気ガス中に酸素が存在しており、粒子状物質の分解に有利な条件で、プラズマリアクターが放電することにより、効率よく電極パネルに吸着した粒子状物質を分解できる。
【0011】
その結果、プラズマリアクターによって消費される電力を抑制しつつ、電極パネルに吸着した粒子状物質を処理できる。
【0012】
本発明[2]は、前記制御装置は、前記触媒コンバーター内の温度が、前記触媒コンバーター内の触媒が活性化する温度以上であり、前記エンジンが、粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており、空燃比がストイキオメトリまたはリッチである場合、前記プラズマリアクターの放電を停止させる、上記[1]の排気システムを含む。
【0013】
このような構成によれば、プラズマリアクターの放電を停止させることにより、プラズマリアクターによる電力の消費を抑制できる。
【0014】
また、空燃比がストイキオメトリであり、排気ガス中に酸素が含有されている状態で、プラズマリアクターに放電させると、排気ガス中に窒素酸化物(NOx)が発生する場合がある。
【0015】
この点、空燃比がストイキオメトリまたはリッチである場合にプラズマリアクターの放電が停止することにより、空燃比がストイキオメトリである場合の窒素酸化物(NOx)の発生を、抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の排気システムによれば、プラズマリアクターによって消費される電力を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の排気システムの一実施形態を備える車両の概略構成図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す排気システムの制御について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.排気システムの構成
図1に示すように、排気システム1は、例えば、車両100に搭載される。
【0019】
車両100は、エンジン101と、バッテリー102を含む電気システムと、エンジン101に吸気するための図示しない吸気システムと、エンジン101に燃料を供給するための図示しない燃料噴射システムと、エンジン101から排気するための排気システム1とを備える。
【0020】
排気システム1は、触媒コンバーター2と、排気管3と、プラズマリアクター4と、電源装置5と、制御装置6と、触媒温度センサ7と、A/Fセンサ8とを備える。
【0021】
(1)触媒コンバーター
触媒コンバーター2は、エンジン101と接続される。具体的には、触媒コンバーター2は、触媒の一例としての三元触媒を内部に有する三元触媒コンバーターである。触媒コンバーター2は、内部の触媒により、排気ガスに含まれる有害成分(炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO))を分解する。
【0022】
(2)排気管
排気管3は、触媒コンバーター2と接続される。排気管3は、排気ガスが流れる方向において、触媒コンバーター2の下流側に接続される。エンジン101から排出され、触媒コンバーター2を通過した排気ガスは、排気管3を通過して車外に排出される。
【0023】
(3)プラズマリアクター
プラズマリアクター4は、排気管3の途中に介在される。プラズマリアクター4は、排気ガスに含まれる有害成分を分解する。プラズマリアクター4は、誘電体バリア放電型のプラズマリアクターである。
【0024】
詳しくは、プラズマリアクター4は、複数の電極パネル41を有する。複数の電極パネル41は、排気管3が延びる方向と直交する方向において、互いに間隔を隔てて並ぶ。各電極パネル41は、排気管3が延びる方向に延びる。各電極パネル41は、平板形状を有する。排気ガスは、各電極パネル41の間を通過する。
【0025】
各電極パネル41は、導体層と、導体層を覆う誘電体層とを有する。導体層は、例えば、タングステンなどの金属(導体)から作られる。誘電体層は、例えば、酸化アルミニウムなどのセラミックス(誘電体)から作られる。
【0026】
各電極パネル41に電力が供給されると、各電極パネル41の間で放電(誘電体バリア放電)が生じる。これにより、各電極パネル41の間の気体が、プラズマ状態となる。すなわち、プラズマリアクター4内にプラズマが発生する。すると、排気ガスに含まれる有害成分は、プラズマによって分解される。プラズマリアクター4を通過した排気ガスは、排気管3を通過して、車外に排出される。
【0027】
(4)電源装置
電源装置5は、バッテリー102からの電力をプラズマリアクター4の各電極パネル41に供給可能である。電源装置5は、バッテリー102と電気的に接続される。また、電源装置5は、各電極パネル41と電気的に接続される。電源装置5は、オン状態またはオフ状態に切り替え可能である。電源装置5がオン状態である場合、電源装置5は、電極パネル41に電力を供給可能である。また、電源装置5がオフ状態である場合、電源装置5は、電極パネル41に電力を供給しない。
【0028】
(5)制御装置
制御装置6は、車両100における電気的な制御を実行するECU(Electronic Control Unit)であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを備える。制御装置6は、バッテリー102と電気的に接続される。制御装置6は、車両100のイグニッションスイッチがオンされたときに、バッテリー102から電力が供給されることにより、起動する。
【0029】
制御装置6は、電源装置5に電気的に接続される。制御装置6は、電源装置5に所定の電気信号を送ることにより、電源装置5をオン状態またはオフ状態に切り替える。すなわち、制御装置6は、電源装置5を制御する。言い換えると、制御装置6は、電源装置5を介して、プラズマリアクター4を制御する。
【0030】
また、制御装置6は、図示しないアクセルペダルと電気的に接続される。制御装置6は、アクセルペダルの位置に応じた電気信号(アクセル指示値)を受信可能である。また、制御装置6は、エンジン101の冷却水の温度を測定するセンサ(図示せず)と電気的に接続される。また、制御装置6は、触媒温度センサ7およびA/Fセンサ8と電気的に接続される。
【0031】
(6)センサ
触媒温度センサ7は、触媒コンバーター2に取り付けられる。触媒温度センサ7は、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)を測定する。
【0032】
A/Fセンサ8は、エンジン101と触媒コンバータ2との間に取り付けられる。A/Fセンサ8は、排気ガス中の酸素濃度を測定する。
【0033】
2.排気システムの制御
次に、
図2を参照して、排気システム1の制御について説明する。
【0034】
車両100のイグニッションスイッチがオンされると、制御装置6が起動する。さらに、セルモーターが回ると、エンジン101が始動する(S1)。エンジン101が始動すると、エンジン101からの排気ガスが、触媒コンバーター2に流入する。
【0035】
しかし、エンジン101が始動した直後では、触媒コンバーター2内の触媒は、活性化しておらず、有害成分を分解する能力が低い。そのため、排気ガス中の有害成分(粒子状物質および炭化水素)が、触媒コンバーター2で分解されずに、排気管3に流入する。
【0036】
そこで、エンジン101が始動すると、制御装置6は、電源装置5をオフ状態からオン状態に切り替える(プラズマリアクター4:オン状態)(S2)。
【0037】
すると、排気ガス中の粒子状物質および炭化水素は、プラズマリアクター4によって分解される。
【0038】
制御装置6は、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)が触媒活性温度T1未満である場合(S3:NO)、プラズマリアクター4をオン状態に維持する。
【0039】
触媒活性温度T1は、触媒コンバーター2内の触媒が活性化する温度である。触媒活性温度T1は、例えば、300℃である。
【0040】
そして、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)が触媒活性温度T1以上になると、触媒コンバーター2内の触媒が活性化する。そのため、触媒コンバーター2内の触媒によって、排気ガス中の粒子状物質および炭化水素を分解できる。
【0041】
そのため、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)が触媒活性温度T1以上である場合、触媒コンバーター2を通過した排気ガスは、粒子状物質および炭化水素をほとんど含有しない。
【0042】
そこで、制御装置6は、粒子状物質の処理が必要である場合に、プラズマリアクター4に放電させ、粒子状物質の処理が必要無い場合に、プラズマリアクター4の放電を停止する。
【0043】
詳しくは、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)が触媒活性温度T1以上になった場合(S3:YES)、制御装置6は、エンジン101が粒子状物質の発生が想定される条件で作動しているか否か、判定する(S4)。
【0044】
エンジン101が粒子状物質の発生が想定される条件で作動しているか否かは、具体的には、エンジン101の冷却水の温度、図示しないアクセルペダルからのアクセル指示値、A/Fセンサ8に基づく空燃比から、判定される。
【0045】
なお、以下の説明において、「空燃比」とは、燃料がガソリンである場合の空燃比である。空燃比がリッチである場合とは、空燃比が理論空燃比(14.7)未満であることをいう。空燃比がリーンである場合とは、空燃比が理論空燃比を超過していることをいう。空燃比がストイキオメトリである場合とは、空燃比が理論空燃比と近似していることをいう。
【0046】
具体的には、エンジン101の冷却水の温度が所定温度よりも低く、アクセル指示値が所定値よりも高く、空燃比がリッチである場合、制御装置6は、エンジン101が粒子状物質の発生が想定される条件で作動していると判断する(S4:YES)
この場合、粒子状物質の処理が必要であるため、制御装置6は、プラズマリアクター4をオン状態にする(S5)。
【0047】
つまり、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)が触媒活性温度T1以上であり(S3:YES)、かつ、エンジン101が、粒子状物質の発生が想定される条件で作動している場合(S4:YES)、制御装置6は、プラズマリアクター4に放電させる(S5)。
【0048】
一方、エンジン101が粒子状物質の発生が想定される条件で作動しておらず(S4:NO)、かつ、空燃比がストイキオメトリまたはリッチである場合(S6:NO)、粒子状物質の処理は必要無いので、制御装置6は、プラズマリアクター4をオフ状態にする(S7)。
【0049】
つまり、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)が触媒活性温度T1以上であり(S3:YES)、エンジン101が、粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており(S4:NO)、空燃比がストイキオメトリまたはリッチである場合(S6:NO)、制御装置6は、プラズマリアクター4の放電を停止させる(S7)。
【0050】
これにより、プラズマリアクター4による電力の消費を抑制し、省エネルギー化を図ることができる。
【0051】
また、空燃比がリッチではなく、排気ガス中に酸素が含有されている状態で、プラズマリアクター4に放電させると、排気ガス中に窒素酸化物(NOx)が発生する場合がある。この点、空燃比がストイキオメトリまたはリッチである場合にプラズマリアクター4の放電が停止することにより、空燃比がストイキオメトリである場合の窒素酸化物(NOx)の発生を、抑制できる。
【0052】
制御装置6は、プラズマリアクター4の放電を停止した後、再度、エンジン101が粒子状物質の発生が想定される条件で作動しているか否か、判定する(S4)。
【0053】
なお、エンジン101が粒子状物質の発生が想定される条件で作動しておらず(S4:NO)、かつ、空燃比がリーンである場合に(S6:YES)、制御装置6は、プラズマリアクター4をオン状態にする(S8)。
【0054】
つまり、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)が触媒活性温度T1以上であり(S3:YES)、エンジン101が、粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており(S4:NO)、かつ、空燃比がリーンである場合(S6:NO)、制御装置6は、プラズマリアクター4に放電させる(S8)。
【0055】
空燃比がリーンである場合、排気ガス中の酸素濃度が高い。そのため、空燃比がリーンである場合にプラズマリアクター4に放電させることにより、排気ガス中の酸素を利用して、プラズマリアクター4の電極パネル41に吸着した粒子状物質を分解できる。
【0056】
そして、エンジン101が停止すると(S9:YES)、制御装置6は、プラズマリアクター4をオフ状態にする(S10)。
【0057】
なお、エンジン101が停止しない場合(S9:NO)、制御装置6は、再度、触媒コンバーター2内の温度T(S/C)をモニターする(S3)。つまり、エンジン101が停止するまで(S9:NO)、制御装置6は、プラズマリアクター4を制御し続ける。
【0058】
3.作用効果
(1)排気システム1によれば、
図2に示すように、制御装置6は、エンジン101が粒子状物質の発生が想定される条件で作動している場合(S4:YES)と、エンジン101が粒子状物質の発生が想定されない条件で作動しており(S4:NO)、かつ、空燃比がリーンである場合(S6:YES)とに、プラズマリアクター4に放電させる。
【0059】
そのため、エンジン101が粒子状物質の発生が想定される条件で作動している場合にプラズマリアクター4が放電することにより、プラズマリアクター4によって消費される電力を抑制しつつ、粒子状物質を処理できる。
【0060】
また、空燃比がリーンである場合にプラズマリアクター4が放電することにより、排気ガス中の酸素を利用して、プラズマリアクター4の電極パネル41に吸着した粒子状物質を分解できる。
【0061】
そのため、排気ガス中に酸素が存在しており、粒子状物質の分解に有利な条件で、プラズマリアクター4が放電することにより、効率よく、電極パネル41に吸着した粒子状物質を分解できる。
【0062】
その結果、プラズマリアクター4によって消費される電力を抑制しつつ、電極パネル41に吸着した粒子状物質を処理できる。
【0063】
(2)排気システム1によれば、
図2に示すように、プラズマリアクター4の放電を停止させることにより、プラズマリアクター4による電力の消費を抑制できる。
【0064】
また、空燃比がストイキオメトリであり、排気ガス中に酸素が含有されている状態で、プラズマリアクター4に放電させると、排気ガス中に窒素酸化物(NOx)が発生する場合がある。
【0065】
この点、空燃比がストイキオメトリまたはリッチである場合にプラズマリアクター4の放電が停止することにより、空燃比がストイキオメトリである場合の窒素酸化物(NOx)の発生を、抑制できる。
【符号の説明】
【0066】
1 排気システム
2 触媒コンバーター
3 排気管
4 プラズマリアクター
6 制御装置