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▶ 遠藤 豊道の特許一覧

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  • 特開-建築物内部の壁構造 図1
  • 特開-建築物内部の壁構造 図2
  • 特開-建築物内部の壁構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161522
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】建築物内部の壁構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/07 20060101AFI20231030BHJP
   E04F 13/18 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
E04F13/07 B
E04F13/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022071982
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】513131660
【氏名又は名称】遠藤 豊道
(74)【代理人】
【識別番号】100097629
【弁理士】
【氏名又は名称】竹村 壽
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 豊道
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA02
2E110AA26
2E110AA28
2E110AA52
2E110AA65
2E110AA70
2E110AB04
2E110AB23
2E110AB42
2E110AB43
2E110BA02
2E110BB04
2E110CA03
2E110CA04
2E110DA12
2E110DC21
2E110GA32W
2E110GA33Y
2E110GA34Y
2E110GB02W
2E110GB42W
2E110GB46W
(57)【要約】
【課題】建築物の内部において、腐食性の少ない水廻り領域の壁構造を提供する。
【解決手段】建築物内部の壁面を構成し、下地基材20と、下地基材20の表面に形成された内装表面材10とからなる。内装表面材10は、クロムステンレスシート13と合成樹脂シート11とから構成されている。内装表面材10は、クロムステンレスシート13の下面に形成された接着剤層12により、下地基材20上に貼り付けて固定する。下地基材にタイルを張り付ける事も出来る。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏ボード、モルタルなどの下地基材と、前記下地基材の表面に形成された内装表面材とからなり、前記内装表面材は、前記下地基材に接着されたクロムステンレスシートと前記クロムステンレスシートに接着された合成樹脂シートとから構成されていることを特徴とする建築物内部の壁構造。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物内部の水廻り領域に用いられる錆難い耐腐食性の高い壁構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、公共建築物、住宅、幼稚園、保育所等の建築物は、必要に応じて内部のリホームを行い、建築物の寿命を長くしている。リホームによって、建築物内部の壁面や床面などの表面を新しい内装材に張り替え、以前と異なる環境にすることが出来る。さらに、近年では、エレベータのような磁性材料から構成された壁面を有する建築物内部の構造物の表面にマグネットを取付けた表面部材を磁力により貼り付けて壁面を構成する施工方法が知られている。
出願人は、先に、短時間に簡単に施工が出来るマグネットシートを用いた内装施工方法に係る発明について出願した(特許文献1参照)。これは、合成樹脂シートとマグネットシートとから構成された内装フィルム及び磁性材料から構成された下地を用意し、建築物内部の天井、床面又は壁面の所定の領域の内装を施す領域を定め、これら内装を施す領域の表面上に形成された下地上に内装フィルムを磁力により取付ける方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-227783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来建築物の内部構造の壁を構成する部分(壁構造)は、石膏ボード等を下地基材とし、その表面に、塩化ビニール等の合成樹脂シートからなる内装表面材を貼り付けている。
下地基材としては、石膏ボード、珪酸カルシウム板などの無機系ボード類、シナベニヤ、ラワンベニヤなどの木材、モルタル、焼付塗装鋼鈑、ステンレス、電気亜鉛めっき鋼鈑などの鋼鈑類、メラミン化粧板、ポリエステル化粧板などの化粧版、ガラス、人造大理石、アクリルなどのプラスチックが用いられている。
そして、両者の間には両者間の接着を強化するプライマー(接着強化剤)が施されている。この内装表面材を建築物内部の所定の部屋に装着するには、所定のサイズの内装表面材を複数準備して、当該部屋の所定の位置に張付けてその部屋の壁面を形成している。
現在は、部屋の利用も多様化して壁面も様々な形で利用されるようになってきている。例えば、住宅内の洗面所などに子供用の洗面具を置く箇所を設ける場合は、その成長に合わせてその箇所の位置を合わせて移動させる必要がある。
更に、建築基準法においては、壁構造は不燃性であることが定められているが、従来は下地基材が不燃性を有していた。
【0005】
本発明は、このような事情によりなされたものであり、建築物内部の水廻り領域に用いられる錆難い耐腐食性の高い壁構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建築物内の壁構造の一態様は、建築物内部の壁面を構成し、石膏ボード、モルタルなどの下地基材と、前記下地基材の表面に形成された内装表面材とからなり、前記内装表面材は、前記下地基材に接着されたクロムステンレスシートと前記クロムステンレスシート上に接着された合成樹脂シートとから構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、錆が生じ難いクロムステンレスを内装表面材に用いているので、内装は長寿命である。また、内装表面材自体が不燃性であるので、壁構造の不燃性を下地基材に依存する必要はない。また、この内装表面材は、クロムステンレスが使用されているので、洗面具などの用具をマグネットの利用により壁面に保持することができ、これら用具を保持できる領域のみに内装表面材を使用することも出来る。また、本発明の内装表面材を使用するとリホーム時における配管の調整が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係る内装表面材の斜視図。
図2】実施例1に係る内装表面材が建築物の所定領域の部屋の下地基材上に形成される工程を説明する斜視図。
図3】実施例2に係る内装表面材を下地基材上に形成する工程を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を参照して発明の実施の形態を説明する。
【実施例0010】
この実施例の壁構造は、図2に示すように、建築物内部の壁面を構成し、石膏ボード、モルタルなどの下地基材20と、所定の下地基材20の表面に形成されたシートもしくはフィルム状の材料から形成された内装表面材10とから構成されている。
図1に示すように、内装表面材10は、クロムステンレスシート13とこのシート13に接着された塩化ビニールなどの合成樹脂シート11とから構成されている。内装表面材10は、合成樹脂シート11の下面に形成された接着剤(図示せず)をシート13の表面に貼り付けて形成し、内装表面材10は、シート13の下面に形成された接着剤層12により、下地基材20上に貼り付けて固定する。
クロムステンレスシート13は、この実施例では0.8mm厚であり、0.7~0.9mm厚程度が適当である。したがって、内装表面材10の厚さは、1mm厚以下のであり、従来の内装表面材の厚さ5mmより薄いものが用いられる。
【0011】
図1及び図2を参照して、壁構造の形成方法を説明する。
建築物内部の壁面を構成する石膏ボード、モルタルなどの下地基材20を用意する。次に、下地基板20上に内装フィルム10を接着剤層12(図1参照)により接合する。
図2には建築物の壁面1に囲まれた水廻り領域の1室の部屋が示されている。
【0012】
図2(b)は、建築物内部にある1つの部屋を示している。この部屋の壁面は、石膏ボード、モルタルなどの下地基材20から構成され、表面は、内装表面材10で被覆されている。
磁性を有する内装表面材が、合成樹脂シートの四隅を傷めずに、容易に建築物の所定領域の部屋に壁面を形成することが出来る。
部屋の内装表面材10が形成された壁面には、磁石が吸着され、小物などを支持する容器が取付けられる。
【実施例0013】
次に、図3を参照して、実施例2に係る壁構造の形成方法を説明する。
建築物内部の壁面を構成する石膏ボード、モルタルなどの下地基材30上にはタイル20が形成されている。
タイル壁は表面が凹凸であり、フラットではない。タイル壁の場合、石膏ボード、モルタルなどの下地基材上に接着剤を用いてタイルを並べて貼り付ける。タイル間の継ぎ目(目地)は、接着剤が上がって来ず、壁面表面は凹凸になっている。
【0014】
建築物の壁面に囲まれた水廻り領域の1室の1つの壁面にはタイル20が形成されており、表面は、凹凸状になっている。まず、表面の汚れを落とし、次に、内装表面材10を凹凸状の壁面表面に密着させて貼り付けて前記1室の壁を完成させる。
磁性を有する内装表面材が、容易に建築物の所定領域の部屋に壁面を形成することが出来る。部屋の内装表面材10が形成された壁面には、マグネットが吸着され、小物などを支持する容器が形成される。
載せるマグネットを吸着させることができる。
【0015】
以上、実施例1,2に於いて説明したように、本発明の内装表面材及び下地基材を用いた施工方法によれば、錆が生じ難いクロムステンレスを用いているので、この内装表面材を用いた水廻り領域の壁構造は長寿命である。また、内装表面材に不燃性を持たせることにより、壁構造の不燃性を容易に得ることが出来る。また、内装表面材は、マグネットを吸着して物を保持する容器を保持することが出来、これら用具を保持できる領域のみに内装表面材を使用することも可能である。また、本発明の内装表面材を使用すると配管の調整が容易である。リホーム時において、従来の内装表面材は、5mm厚と厚いので、配管の位置調整が必要になる場合があるが、この内装表面材は厚いので、その作業に時間がかかる。しかし、本発明の内装表面材は、1mm厚以下と薄いので、このような調整が必要なときは、繋ぎ調整金具などを用いて容易に作業を実施できる。
【符号の説明】
【0016】
10・・・内装表面材
11・・・合成樹脂シート
12・・・接着剤層
13・・・クロムステンレスシート
20・・・下地基材、タイル
30・・・下地基材
31・・・接着剤



図1
図2
図3