(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161532
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】串料理調理器具及び串料理の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23P 30/10 20160101AFI20231030BHJP
【FI】
A23P30/10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022081162
(22)【出願日】2022-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】505115935
【氏名又は名称】兼岩 忠信
(72)【発明者】
【氏名】兼岩 忠信
【テーマコード(参考)】
4B048
【Fターム(参考)】
4B048PE17
4B048PL08
4B048PR01
4B048PR11
(57)【要約】
【課題】バリエーション豊富な食材をどこでも自由に食べやすい串料理を、製造容易で生産性が高く、製造可能な調理器具提供する。
【解決手段】串料理調理器具を構成する串料理型枠は、上下両側に開口部を備え、具材収容部から前記串料理型枠の外側に通じるスリットである串置きスリットを備えた構成とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
串料理調理器具(1)であり、該串料理調理器具(1)は、串料理の調理の際に用いられ、貫通穴である具材収容部(3)を備えた型枠からなり、該型枠は、串料理型枠(2)であり、該串料理型枠(2)は、前記具材収容部(3)から前記串料理型枠(2)の外側に通じるスリットである串置きスリット(4)を備え、前記具材収容部(3)に調理具材(7)を収容して用いられ、且つ、前記串置きスリット(4)に串(5)を挿通して載置して用いられることを特徴とする串料理調理器具(1)。
【請求項2】
串料理調理器具(1)であり、該串料理調理器具(1)は、串料理の調理の際に用いられ、具材収容部(3)を備えた型枠からなり、該型枠は、串料理型枠(2)であり、該串料理型枠(2)は、前記具材収容部(3)から前記串料理型枠(2)の外側に通じるスリットである串置きスリット(4)を備え、
前記具材収容部(3)は、収容底(9)を備え、該収容底(9)は底穴(8)を備え、
前記具材収容部(3)に調理具材(7)を収容して用いられ、且つ、前記串置きスリット(4)に串(5)を挿通して載置して用いられることを特徴とする串料理調理器具(1)。
【請求項3】
前記具材収容部(3)が、抜きテーパーを備えたことを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の串料理調理器具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、串料理製造の道具及び串料理の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、串料理については、串に具材を刺して調理するのが一般的である。
【0003】
しかしながら、串に料理の具材を設ける工程は、具材自体に係る具材を刺し難い具材を串に刺した様態にして串を持って食べやすい調理方法と調理器具が求められている。
【0004】
また、誰にでも安定的に串に刺した様態で調理できる調理方法と調理器具が求められている。
【0005】
このような現状に鑑み、本発明者以外にも従来から種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、発明の名称を「串焼き用調理具」とする技術が開示され、公知技術となっている(特許文献1参照)。
具体的には、「適宜大きさの焼き網体1に、対向脚体を設けると共に、対向脚体の接地側に適宜間隔で串載せ凹部23、31を設け、更には対向脚体の対向間隔と相違する対向間隔で、対向脚体を連結する対向載置部3を設け、焼き網体1を上方にして対向脚体を下方にして使用する場合には、焼き網体1上で焼き調理(遠火調理)を行うことができ、用具を上下逆転し焼き網体1を下方にして使用する場合は、串載せ凹部23,31に食品素材を串刺しした調理対象を差し渡すことで串焼き調理を行うことができる。」というものであるが、上記課題を解決するものではない。
【0006】
また、特許文献2には、発明の名称を「串焼き器」とする技術が開示され、公知技術となっている(特許文献2参照)。
具体的には、「串焼き器の中央位置に配置され、食材を加熱する熱源となる熱源部2と、熱源部2を垂直軸で回転させる熱源回転手段と、熱源部2の周囲において串を垂直軸で回転可能に保持する串保持手段3と、串保持手段3に保持されている串を回転させる回転動力を伝達する回転動力伝達手段13と、を有する。」というものであるが、上記課題を解決するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-72167
【特許文献2】特許第6886218号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
バリエーション豊富な食材をどこでも自由に食べやすい串料理を、製造容易で生産性が高く、製造可能な調理器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、串料理調理器具であり、該串料理調理器具は、串料理の調理の際に用いられ、貫通穴である具材収容部を備えた型枠からなり、該型枠は、串料理型枠であり、該串料理型枠は、前記具材収容部から前記串料理型枠の外側に通じるスリットである串置きスリットを備えた構成を採用する。
【0010】
また、本発明は、串料理調理器具であり、該串料理調理器具は、串料理の調理の際に用いられ、具材収容部を備えた型枠からなり、該型枠は、串料理型枠であり、該串料理型枠は、前記具材収容部から前記串料理型枠の外側に通じるスリットである串置きスリットを備え、前記具材収容部は、収容底を備え、該収容底は穴を備えた構成を採用する。
【0011】
また、本発明は、前記具材収容部が、抜きテーパーを備えた構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る串料理調理器具及び串料理の製造方法によれば、誰でも容易に、つまり、お年寄りや、体の機能に障碍を持った人でも容易に串料理、つまり例えば、串揚げ、串焼き、串蒸し等の串の周りに具材を設けた料理の調理を容易にすることが可能となり、より多くの人の調理場や、調理工場、家庭での調理を容易にすることが可能であり、つまりは、例えば、障碍を持った人の就労の場を提供することも可能となるというような、優れた効果を発揮する。
【0013】
本発明に係る串料理調理器具及び串料理の製造方法によれば、串に刺すことが困難な具材、例えば、ミンチ状の肉や、あるいは、ご飯類、スープ状の具材においても、凍結後小麦等で覆うこと等によって、串に刺したような状態で調理することが可能であり、ついては、調理具材の幅が広がり、また、串を刺した状態であるので食べやすいという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明に係る
図1のバリエーションを示す構成の説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る串料理調理器具1は、型材である。
以下、図面に基づいて本発明を説明する。
尚、以下の図において説明される構成は、係る構成の説明の為の一例に過ぎず、以下の図に示される構成に限定されるものでは無く、本発明の技術的思想の範囲内において、すなわち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0016】
図1は、本発明に係る串料理調理器具1の構成の説明図である。
【0017】
図1(a)は、係る串料理調理器具1の上面図であり、
図1(b)は
図1(a)と略同等の構成の正面図、
図1(c)は
図1(a)と同等の構成のA-A‘での断面図、
図1(d)は
図1(a)と同等の構成の具材収容部3に抜きテーパーが設けられた構成の例の説明図、
図1(e)は係る具材収容部3に調理具材7が収容された例を示す上面図による説明図、
図1(f)は、係る具材収容部3に調理具材7が収容された例を示すB-B‘での断面図による説明図であり、且つ、置板6に係る串料理型枠2と調理具材7が載置された状態を示している。
【0018】
係る串料理調理器具1は、具材収容部3を備え、係る具材収容部3は、貫通穴であり、型枠である串料理型枠2に備えられた貫通穴であり、係る具材収容部3に、調理具材7を収容して係る調理具材7の形状を整えるものであり、
図1でいうと、具材収容部3の略楕円形状に、係る調理具材7の形状を整えるものである。
【0019】
また、係る略楕円状の具材収容部3を形成する串料理型枠2の一部にスリットが設けられており、係るスリットは、串置きスリット4であり、係る串置きスリット4に、
図1(f)に示される様に、具材収容部3に収容された調理具材7の中に突き刺された様にして係る串5を設けて用いられ、係る串5が、係る調理具材7の適切な位置、つまり、例えば本図に示される様に、略中心に配置される様にして係る串置きスリット4が設けられた構成であり、係る串置きスリット4によって、係る串5の位置を安定的に適切な位置に保持することが可能となり、係る串料理の品質を安定的にすることが可能となり、つまり、係る串料理のサイズと形状を一定にすることによって、使用される調理具材7の量を一定量に安定させることが可能となり、また、係る調理具材7の火の通りを一定とすることが可能で、調理された串料理の品質を、誰が調理しても安定させることが可能な構成となり、有用である。
【0020】
係る調理具材7は、例えば、餃子の具材の様なミンチ肉を主にした様な具材でも良いし、お好み焼きの具材の様に小麦粉に様々な肉や野菜を混ぜ込んだ具材でも良いし、串焼きや串揚げや串カツの様に、食肉や魚介類、野菜を串5に刺して、更にその周りに、例えばミンチ状の具材で覆うような調理や、串5で食べるカレーライス等、つまり、カレーなどで味付けをしたご飯を更に焼いたり揚げたりして串5で手軽に食すことも容易に可能な構成となり、料理の幅が広がり、有用である。
【0021】
係る具材収容部3に収容された具材は、主には、係る串料理型枠2に収容された状態で、
図1(f)に示される様な置板6に載置された状態でオーブンで焼いたり、あるいは、冷凍または冷蔵し、冷凍または冷蔵した後係る串料理型枠2から係る調理具材7を取り外してから焼いたり、揚げたり、蒸したり、燻製にして調理されるものであり、係る串料理型枠2の具材収容部3に収容された調理具材7に設けられた串5によって、係る調理具材7を係る串料理型枠2から外した後も、係る串5を持って係る調理具材7を保持可能となり、食べ易く、また、調理のバリエーションも広げることが可能であり、有用である。
【0022】
つまり、例えばミンチ肉やお好み焼きの具材の様に、バラバラになり易い素材を食す為には、一般的には、鉄板の上にそのまま載せて焼いたり、団子状に丸めたり、餃子の様に皮で包んだりして調理するのが一般的で、いずれも調理後は皿などの器に盛って、箸やスプーンやフォーク等の食器、或いは、直接手で持って食べるのが一般的であるが、
図1に示される様に、串料理型枠2の具材収容部3に収容することによって、容易に形が整えることが可能であり、係る置板6によって、例えば、崩れやすい調理具材7が崩れず、係る調理具材7の形状を保持することが可能な構成となり、更に、串5と一緒に調理することが可能であることによって、係る串5が係る具材がバラバラになるのを抑止するつなぎともなり、且つ、串5を持ったまま食べられるので、手も汚さず、他の食器も不要で、祭りなど屋外でも食し易く、有用である。
また、図面には示されていないが、係る置板6は、蝶番等の開閉具を備えて、開閉可能な構成としても良いし、クリップ等で係る置板6と係る串料理型枠2を挟持して保持可能な構成としても、係る置板6から誤って串料理型枠2がずれ落ちたりするような事故を避けることが可能な構成となり有用である。
【0023】
また、係る具材収容部3は、貫通穴であることによって、例えば係る串料理型枠2に装着した状態での調理後や、冷凍あるいは冷蔵後に係る串料理型枠2から、係る具材収容部3に収容された調理具材7を下側から押して外し易く、有用である。
尚、ここでいう下側は、串置きスリット4が設けられた側の具材収容部3の開口部を表側とし、係る具材収容部3の反対側の開口部であり、
図1(c)において示される下側を指す。
また、ここでいう串料理とは、串5に刺した状態の具材を串5に刺した状態で調理され、串5に刺した状態で係る食材を食すことが可能な料理のことをいう。
但し、本願の構成の串料理においては、係る串料理型枠2に係る調理具材7を収容した状態で加熱調理し、加熱調理後に係る串置きスリット4にて一定の位置から、係る調理具材7に串5を突き刺す調理方法としてもよく、そうすることによって、串が焼けてしまうことを抑制することが可能な構成となり、有用である。
【0024】
尚、
図1(d)は、具材収容部3に設けられた抜きテーパーによって、係る具材収容部3に収容された調理具材7を外し易くすることが可能な構成であり、有用であり、係る抜きテーパーによって小さくなった開口部側から押すことによって、係る具材収容部3に収容された調理具材7が、より容易に係る具材収容部3から外すことが可能な構成となり、有用である。
【0025】
抜きテーパーとは、係る具材収容部3の側面に一方向に向かって設けられた傾斜である。
図1(e)及び
図1(f)において、ドット模様で示された領域が、具材収容部3に収容された調理具材7を示している。
【0026】
尚、
図1(f)の図面において、調理具材7及び串料理型枠2と、置板6との間に空間がある様に記載されているが、説明の便宜上係る空間を備えて記載されているに過ぎず、実際には、係る調理具材7及び串料理型枠2は、直接係る置板6に載置して用いられるものである。
【0027】
尚、
図1(f)においては、係る置板6には1つの串料理型枠2が載置されている状態を示しているに過ぎないが、一般的には、複数の串料理型枠2を置板6に載置して係る調理具材7をまとめて冷凍したり調理することによって、調理の効率を高めることが可能な構成となり有用である。
【0028】
また、係る置板6ごと火等で熱をかけて係る具材収容部3に収容された調理具材7を調理しても
【0029】
また、図面には示されていないが、係る置板6を、係る串料理型枠2の上側からも抑えるようにして載置することによって、係る置板6ごと火にかけて係る具材収容部3に収容された調理具材7を調理する際に、係る置板6ごと係る串料理型枠2をひっくり返す等して火にかけて、係る調理具材7の両側から加熱することが可能な構成としても良い。
【0030】
係る置板6の素材は、ポリアセタールや、ポリアセチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等のプラスチックでも良いし、天然ゴムや合成ゴムでも良いし、鉄やアルミニウム、銅等の金属でも良いし、木でも良いし、紙でも良いし、ガラスでも良いし、陶磁器でも良く、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0031】
係る串料理型枠2の素材は、ポリアセタールや、ポリアセチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等のプラスチックでも良いし、天然ゴムや合成ゴムでも良いし、鉄やアルミニウム、銅等の金属でも良いし、木でも良いし、紙でも良いし、ガラスでも良いし、陶磁器でも良く、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0032】
具材収容部3の形状は、略楕円形状でも良いし、星形でも良いし、ハート形でも良いし、円形でも、方形でも、三角形等その他多角形でも良く、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0033】
図2は、
図1に示された係る貫通穴形状の具材収容部3が、係る具材収容部3の底に備えられた底に穴が設けられた構成の例である。
図2(a)は
図1(c)で示される断面図において、係る具材収容部3が、穴を備えた底を備えた構成の例であり、係る穴を底穴8とし、係る底を収容底9とする。また、
図2(b)は、
図2(a)の構成と同等の構成における上面図である。
尚、
図2(a)は、
図2(b)のC-C’断面における断面図である。
【0034】
係る収容底9を備えることによって、係る具材収容部3の底の形状もデザインして形作ることが可能な構成となり、また、係る収容底9が底穴8を備えたことによって、係る具材収容部3に収容された調理具材7を、係る底穴8から指などで押し出すことによって、係る調理具材7を係る串料理型枠2から取り外す際に取り外し易い構成となり、有用である。
【0035】
係る底穴8の形状は、円形でも、星形でも、ハート形でも、楕円形状でも、その他異形でも良く、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定せず、また、その底穴8の数も、1つでも2つでもそれ以上でも良く、係る収容底9側から押し出すことが可能な底穴8であれば良く、限定しない。
【0036】
尚、
図1の構成の具材収容部3は、係る具材収容部3の下側の略全面が開口している構成であるので、係る具材収容部3の下側のどこからでも全面的に係る具材収容部3に収容された調理具材7を押すことが可能であるので、一部が開口した
図2の構成と比較して、係る調理具材7を係る具材収容部3から離型し易く、つまり、係る調理具材7が離型の際に崩れ難く、有用である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、容易にバリエーション豊富な食材の串料理を提供することが可能な魅力的な発明品となり、産業上利用可能性は極めて高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 串料理調理器具
2 串料理型枠
3 具材収容部
4 串置きスリット
5 串
6 置板
7 調理具材
8 底穴
9 収容底