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特開2023-161572コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集)
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  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図1
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図2
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図3
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図4
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図5
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図6A
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図6B
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図7
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図8
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図9
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図10
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図11
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図12
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図13
  • 特開-コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集) 図14
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161572
(43)【公開日】2023-11-07
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及びコンピュータ実装方法(仮想対話システム動的コンテキスト収集)
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20231030BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070409
(22)【出願日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】17/728,450
(32)【優先日】2022-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルチ マヒンドル
(72)【発明者】
【氏名】シン ジョウ
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5B175GC03
5B175HB03
5B175KA13
(57)【要約】
【課題】正確かつ有効なコンテキスト解決を対象とする効率的かつ正確なコンテキスト収集を仮想対話システムに受けさせることが望ましい。
【解決手段】問題診断及び解決のためにコンテキストを動的かつ最適に収集するために仮想対話環境とインターフェースするシステム、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータ実装方法が提供される。コンテキストモデルは、コンテキストエンティティ、及び1つ又は複数の対応するコンテキスト収集メカニズムを識別するために活用される。コンテキストモデルは、問題診断を解決する実行を選択的に受ける、識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数の動的選択を容易にするためにリアルタイムにおいて実装される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリに動作可能に結合されたプロセッサ及び前記プロセッサに動作可能に結合された人工知能(AI)プラットフォームを備え、前記AIプラットフォームは、仮想対話エージェントとインターフェースする1つ又は複数のツールを有し、前記1つ又は複数のツールは:
自然言語処理(NLP)を利用して、前記仮想対話エージェントから1つ又は複数のコンテキストエンティティを識別することを含む、問題診断のために仮想対話環境からコンテキストデータを動的に収集するように構成された収集マネージャ;
前記収集マネージャに動作可能に結合され、収集すべきコンテキストエンティティ及び1つ又は複数の対応するコンテキスト収集メカニズムのセットを識別するためにコンテキストモデルを活用するように構成されたディレクタ;
前記ディレクタに動作可能に結合され、前記活用されたコンテキストモデルに応答して、前記識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を動的に選択するように構成された選択マネージャ;及び
前記選択マネージャに動作可能に結合され、前記選択及び識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を選択的に実行するように構成された実行マネージャ
を更に含む、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記選択された1つ又は複数のコンテキスト収集メカニズムに基づいて制御信号を動的に構成するように構成された前記実行マネージャ、及び動作可能に結合された物理的ハードウェアデバイス、ソフトウェアによって制御されるプロセス、又はそれらの組み合わせに対して前記制御信号を発行するように更に構成された前記ディレクタを更に備え、前記制御信号は、前記動作可能に結合されたデバイス、前記ソフトウェア、又はこれらの組み合わせの物理状態を選択的に制御するように構成されている、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記コンテキストモデルの前記活用は、前記ディレクタが前記識別されたコンテキストエンティティに関連付けられた前記識別された収集メカニズムの収集シーケンスを識別することを更に含む、請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記コンテキストモデルの前記活用は、前記収集されたコンテキストデータから症状をフィルタリングし、各コンテキストタイプのエントロピーを計算し、前記計算されたエントロピーに応答してコンテキストタイプを選択するように構成された前記ディレクタを更に備える、請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
1つ又は複数のコンテキスト収集メカニズムの選択の前記動的決定は、前記選択マネージャが:
選択されたコンテキストタイプを収集することに関係付けられた2つ又はそれよりも多い収集メカニズムを識別し;
前記識別された収集メカニズムの各々について信頼度値を学習する回帰モデルを活用し;及び
前記2つ又はそれよりも多い識別された収集メカニズムについて収集シーケンスを決定する
ことを含む、請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記選択マネージャが、第1の収集メカニズムに関連付けられた第1のコンテキスト値及び第2の収集メカニズムに関連付けられた第2のコンテキスト値の一貫性を含む、一貫性コンテキスト値を解析することを含む、前記決定された収集シーケンスを交差検証し、前記一貫性解析に応答して前記収集シーケンスの順序を選択的に調整することを更に備える、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記識別された収集メカニズムのうちの少なくとも1つを前記仮想対話環境に提示するように構成された前記収集マネージャ、及び前記ディレクタが、解決を達成するための質問の前記提示を最小化するために1つ又は複数の後続の収集メカニズムを動的に最適化することを更に備える、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
仮想対話エージェントインターフェースをサポートするように構成されたコンピュータプログラムであって、プロセッサに:
自然言語処理(NLP)を利用して、仮想対話エージェントから1つ又は複数のコンテキストエンティティを識別することを含む、問題診断のために仮想対話環境からコンテキストデータを動的に収集する手順;
収集すべきコンテキストエンティティ及び1つ又は複数の対応するコンテキスト収集メカニズムのセットを識別するためにコンテキストモデルを活用する手順;
前記活用されたコンテキストモデルに応答して、前記識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を動的に選択する手順;及び
前記識別及び選択されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を選択的に実行する手順
を実行させるための、コンピュータプログラム。
【請求項9】
前記プロセッサに、前記選択された1つ又は複数のコンテキスト収集メカニズムに基づいて制御信号を動的に構成する手順、及び動作可能に結合された物理的ハードウェアデバイス、ソフトウェアによって制御されるプロセス、又はそれらの組み合わせに対して前記制御信号を発行する手順を更に実行させ、前記制御信号は、前記動作可能に結合されたデバイス、前記ソフトウェア、又はこれらの組み合わせの物理状態を選択的に制御するように構成されている、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記コンテキストモデルを活用する手順は、前記識別されたコンテキストエンティティに関連付けられた前記識別された収集メカニズムのデータ収集シーケンスを識別する手順を更に含む、請求項8又は9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記プロセッサに、収集メカニズム信頼度を学習する手順、及び前記学習された信頼度をコンテキスト収集のために使用する手順を更に実行させる、請求項8又は9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
1つ又は複数のコンテキスト収集メカニズムの選択の前記動的決定は:
選択されたコンテキストタイプを収集することに関係付けられた2つ又はそれよりも多い収集メカニズムを識別すること;
前記識別された収集メカニズムの各々について信頼度値を学習する回帰モデルを活用すること;及び
前記2つ又はそれよりも多い識別された収集メカニズムについて収集シーケンスを決定すること
を含む、請求項8又は9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記プロセッサに、
第1の収集メカニズムに関連付けられた第1のコンテキスト値及び第2の収集メカニズムに関連付けられた第2のコンテキスト値の一貫性を含む、一貫性コンテキスト値を解析することを含む、前記決定された収集シーケンスを交差検証する手順、及び前記一貫性解析に応答して前記収集シーケンスの順序を選択的に調整する手順
をさらに実行させる、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記プロセッサに、前記識別された収集メカニズムのうちの少なくとも1つを前記仮想対話環境に提示する手順、及び解決を達成するための質問の前記提示を最小化するために1つ又は複数の後続の収集メカニズムを動的に最適化する手順を更に実行させる、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
自然言語処理(NLP)を利用して、仮想対話エージェントから1つ又は複数のコンテキストエンティティを識別することを含む、問題診断のために仮想対話環境からコンテキストデータを動的に収集する段階;
収集すべきコンテキストエンティティ及び1つ又は複数の対応するコンテキスト収集メカニズムのセットを識別するためにコンテキストモデルを活用する段階;
前記活用されたコンテキストモデルに応答して、前記識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を動的に選択する段階;及び
前記識別及び選択されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を選択的に実行する段階
を備える
コンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記選択された1つ又は複数のコンテキスト収集メカニズムに基づいて制御信号を動的に構成する段階、及び動作可能に結合された物理的ハードウェアデバイス、ソフトウェアによって制御されるプロセス、又はそれらの組み合わせに対して前記制御信号を発行する段階を更に備え、前記制御信号は、前記動作可能に結合されたデバイス、前記ソフトウェア、又はこれらの組み合わせの物理状態を選択的に制御するように構成されている、請求項15に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記コンテキストモデルの活用は、症状をコンテキストでフィルタリングする段階、各コンテキストタイプのエントロピーを計算する段階、及び前記計算されたエントロピーに応答してコンテキストタイプを選択する段階を含む、前記識別されたコンテキストエンティティに関連付けられた前記識別された収集メカニズムのデータ収集シーケンスを識別する段階を更に有する、請求項15又は16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
コンテキスト収集メカニズムを動的に決定する段階は:
選択されたコンテキストタイプを収集することに関係付けられた2つ又はそれよりも多い収集メカニズムを識別する段階;
前記識別された収集メカニズムの各々について信頼度値を学習する回帰モデルを活用する段階;及び
前記2つ又はそれよりも多い識別された収集メカニズムについて収集シーケンスを決定するために前記学習された信頼度値を使用する段階
を有する、請求項15又は16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
第1の収集メカニズムに関連付けられた第1のコンテキスト値及び第2の収集メカニズムに関連付けられた第2のコンテキスト値の一貫性を解析することを含む、前記決定された収集シーケンスを交差検証する段階、及び前記収集シーケンスの順序を選択的に調整する段階を更に備える、請求項18に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
前記識別された収集メカニズムのうちの少なくとも1つを前記仮想対話環境に提示する段階、及び解決を達成するための質問の前記提示を最小化するために1つ又は複数の後続の収集メカニズムを動的に最適化する段階を更に備える、請求項18に記載のコンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態のうちの1つ又は複数は、例えば、「チャットボット」等の自動化仮想対話エージェントを利用する仮想対話システム、及び関係付けられたコンピュータプログラム製品及びコンピュータ実装方法に関する。特定の例示的な実施形態では、対応する自動化仮想対話エージェントインタラクションは、コンテンツ及びデータ収集及び解決を対象とするコンテンツ収集メカニズムを識別するために評価され、解決は、機械学習(ML)及び関連付けられたML技法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
自動化仮想対話エージェントは、自動化仮想対話エージェントと、典型的には、消費者又はクライアント等のユーザ又は更には別の対話エージェントとの間で自然言語(NL)インタラクションを行うためのプラットフォームとして人工知能(AI)を使用する。インタラクションは、製品販売、顧客サービス、情報取得、又は他のタイプのインタラクション又は取引を伴い得る。チャットボットは、多くの場合テキスト(例えば、オンラインで又はテキストによって)又は聴覚(例えば、電話によって)のいずれかの対話を通してユーザとインタラクトする。当該技術分野において、チャットボットは、ユーザとAIプラットフォームとの間の質問-回答コンポーネントとして機能することが既知である。質問(又はクエリ)及び回答(又は応答)の品質は、質問理解、質問変換、及び回答解決の品質から導出される。品質標準を達成しない頻繁な理由は、一般には、対応する応答を要請するための不適切又は非効率的のいずれかの質問生成において見出される。これは、質問を、回答にマッピングする同等の知識表現に有効に変換するための知識の欠落に起因する場合があり、又は、AIプラットフォーム又はチャットボット内の非効率性に起因する場合がある。例えば、類義語又は概念関係の欠落は、顧客又はクライアントによって入力された質問が、回答がデータセット又はデータベース内で利用可能である既知の質問と同等であるか又はこれに関係付けられると判断するAIプラットフォームの能力を制限し得る。
【0003】
チャットボットは、一般に、問題診断を含む、問題を解決するのに使用される。例えば、情報技術(IT)場所において、チャットボットは、機器を用いて技術的問題を診断するために利用され得る。特定の単語又はフレーズとともに使用され、その意味を説明することに役立つ単語として定義されるコンテキストは、技術的であるか又は他のものであるかを問わず、問題を診断する際に重要である。誤ったコンテキスト収集は、問題診断を誤った解決に逸脱させ得る。同様に、不完全なコンテキスト収集は、問題診断に関連付けられた時間及び労力を増大させる。そして、不完全なコンテキスト収集は、ユーザとの不必要な会話を引き起こし、ユーザエクスペリエンスを損なうか又はこれに悪影響を与える。したがって、正確かつ有効なコンテキスト解決を対象とする効率的かつ正確なコンテキスト収集を仮想対話システムに受けさせることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
正確かつ有効なコンテキスト解決を対象とする効率的かつ正確なコンテキスト収集を仮想対話システムに受けさせることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態は、対話システムの性能を改善するシステム、コンピュータプログラム製品、及び方法を含む。この発明の概要は、発明を実施するための形態において以下で更に説明される代表的な概念の選択を簡略化された形態で導入するために提供されている。この発明の概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は不可欠な特徴を識別することを意図しているわけでもなく、特許請求される主題の範囲を限定する任意の方法において使用されることを意図しているわけでもない。
【0006】
1つの態様では、メモリに動作可能に結合されたプロセッサ、及びプロセッサに動作可能に結合された人工知能(AI)プラットフォームを有するコンピュータシステムが提供される。AIプラットフォームは、仮想対話エージェントとインターフェースする、及び一実施形態では問題診断を解決する1つ又は複数のツールを含む。AIプラットフォームにおいて埋め込まれたツールは、収集マネージャ、ディレクタ、選択マネージャ、及び実行マネージャを含む。収集マネージャは、問題診断のために仮想対話環境からコンテキストデータを動的に収集するように構成されている。例示的な実施形態では、収集マネージャは、自然言語処理(NLP)を利用して、仮想対話エージェントから1つ又は複数のコンテキストエンティティを識別する。ディレクタは、収集すべきコンテキストエンティティ及び1つ又は複数の対応するコンテキスト収集メカニズムのセットを識別するためにコンテキストモデルを活用するように構成されている。選択マネージャは、活用されたコンテキストモデルに応答して、識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を動的に選択するように構成されている。1つ又は複数の識別された収集メカニズムの適用は、実行マネージャを介して容易にされ、実行マネージャは、選択及び識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を選択的に実行するように構成されている。
【0007】
別の態様では、コンピュータプログラム製品には、単数又は複数のコンピュータ可読記憶媒体、及び当該単数又は複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラムコードが提供される。プログラムコードは、仮想対話エージェントの性能を改善するためにコンピュータプロセッサによって実行可能である。プログラムコードは、問題診断のために仮想対話環境からコンテキストデータを動的に収集するために提供される。例示的な実施形態では、問題診断は、自然言語処理(NLP)を利用して、仮想対話エージェントから1つ又は複数のコンテキストエンティティを識別する。プログラムコードは、収集すべきコンテキストエンティティ及び1つ又は複数の対応するコンテキスト収集メカニズムのセットを識別するためにコンテキストモデルを活用するために更に提供され、これを行うように構成されている。プログラムコードは、活用されたコンテキストモデルに応答して、識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を動的に選択するために更に提供され、これを行うように構成されている。1つ又は複数の識別された収集メカニズムの適用は、選択及び識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を選択的に実行するように構成されたプログラムコードを介して容易にされる。
【0008】
更に別の態様では、仮想対話エージェントの性能を改善するコンピュータ実装方法が提供される。方法は、問題診断のために仮想対話環境からコンテキストデータを動的に収集するように構成されている。例示的な実施形態では、問題診断は、自然言語処理(NLP)を利用して、仮想対話エージェントから1つ又は複数のコンテキストエンティティを識別する。コンテキストモデルは、収集すべきコンテキストエンティティ及び1つ又は複数の対応するコンテキスト収集メカニズムのセットを識別するために活用される。識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数は、活用されたコンテキストモデルに応答して動的に選択される。1つ又は複数の識別された収集メカニズムの適用は、選択及び識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数の選択的実行を介して容易にされる。
【0009】
これらの及び他の特徴及び利点は、添付図面と併せて読まれると、本例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書において参照される図面は、本明細書の一部を形成し、参照によって本明細書に組み込まれる。図面において示されている特徴は、別段明示されない限り、全ての実施形態ではなく幾つかの実施形態のみの例示であることを意図される。
【0011】
図1】ネットワーク環境における人工知能プラットフォームコンピューティングシステムを示すシステム図である。
【0012】
図2図1において図示及び説明されたような人工知能プラットフォームツール、及びそれらの関連付けられたアプリケーションプログラムインターフェースを示すブロック図である。
【0013】
図3】仮想対話環境とインターフェースし、有効な問題診断及び解決のためにコンテキストを動的かつ最適に収集する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0014】
図4】ドメインコンテキストモデルを構築する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0015】
図5】コンテキスト収集メカニズムを解析する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0016】
図6A】収集すべきコンテンツ及び対応する収集シーケンスを動的に決定する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図6B】コンテキストのサンプルグループ化を示すブロック図である。
【0017】
図7】コンテキスト収集メカニズムを動的に決定する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0018】
図8】(A)収集メカニズム信頼度学習の方法の一実施形態を示すフローチャートである。(B)信頼度学習において利用される例示の使用ログを示すブロック図である。
【0019】
図9】例示的な実施形態では収集されたコンテキストの交差検証を含む、収集されたコンテンツを確認する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0020】
図10】問題精緻化を実証する動的チャットボットインタラクションの一例を示すブロック図である。
【0021】
図11】問題精緻化を実証する動的チャットボットインタラクションの別の例を示すブロック図である。
【0022】
図12図1図11に関して上記で説明されたシステム及びプロセスを実装する、クラウドベースサポートシステムのコンピュータシステム/サーバの一例を示すブロック図である。
【0023】
図13】クラウドコンピュータ環境を示すブロック図である。
【0024】
図14】クラウドコンピューティング環境によって提供される機能抽象化モデル層のセットを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書において概して説明されるとともに図において図示されるような本実施形態のコンポーネントは、多種多様な異なる構成において配置及び設計され得ることが容易に理解されるだろう。それゆえ、装置、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、図において提示されているように、実施形態の範囲を、特許請求されるものとして限定するようには意図されておらず、選択された実施形態を代表するにすぎない。
【0026】
本明細書全体を通して、「選択される実施形態(a select embodiment)」、「1つの実施形態(one embodiment)」、「例示的な実施形態(an exemplary embodiment)」、又は「一実施形態(an embodiment)」に対する言及は、その実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体を通した様々な箇所における「選択される実施形態」、「1つの実施形態では(in one embodiment)」、「例示的な実施形態では(in an exemplary embodiment)」、又は「一実施形態では(in an embodiment)」というフレーズの出現は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。本明細書において説明される実施形態は、互いに組み合わされるとともに、互いの特徴を含むように修正されてよい。さらに、様々な実施形態の説明される特徴、構造、又は特性は、任意の適した方法において組み合わされるとともに修正されてよい。
【0027】
示されている実施形態は、図面を参照することによって最も良好に理解され、図面において、全体を通して、同様の部分は同様の符号によって指定される。以下の説明は、単に例示として意図され、本明細書において特許請求されるような実施形態と一貫しているデバイス、システム、製品、及びプロセスの特定の選択される実施形態を単に示している。
【0028】
人工知能コンピュータシステムの分野において、自然言語システム(IBM Watson(登録商標)人工知能コンピュータシステム若しくは他の自然言語システム、又はその組み合わせ等)は、システムによって取得された知識に基づいて自然言語を処理する。自然言語を処理するために、システムは、知識のデータベース又はコーパスから導出されたデータを用いてトレーニングされ得るが、結果として得られる成果は、多様な理由で誤り又は不正確である可能性がある。
【0029】
人工知能(AI)のサブセットである機械学習(ML)は、アルゴリズムを利用して、データから学習し、このデータに基づいて予測を作成する。AIとは、機械が情報に基づいて判断を行うことが可能である場合の知能を指し、所与のトピックにおける成功の機会を最大化する。より具体的には、AIは、データセットから学習して問題を解決するとともに、関連する推奨を提供することが可能である。認知コンピューティングは、コンピュータ科学と認知科学とを混合したものである。認知コンピューティングは、データ最小値、視覚認識、及び自然言語処理を使用して、問題を解決するとともに人間のプロセスを最適化する、自己学習アルゴリズムを利用する。
【0030】
AI及び関連付けられた推論の中核には、類似性の概念が存在する。自然言語及びオブジェクトを理解するプロセスは、困難であり得る関係性の視点からの推論を必要とする。静的構造及び動的構造を含む構造が、所与の確定的な入力のために決定された出力又はアクションを規定する。より具体的には、決定された出力又はアクションは、構造内の表現又は固有の関係に基づいている。この構成は、状況及び条件を選択するために十分であり得る。しかしながら、動的構造は、本質的に変化を受け、出力又はアクションは、これに応じて変化を受け得ることが理解される。オブジェクトを効率的に識別し、自然言語を理解し、この識別及び理解並びに構造に対する変化に対するコンテンツ応答を処理するための既存の解決策は、実用レベルでは極めて困難である。
【0031】
本明細書においてチャットボットと称される、自動化仮想エージェントは、事前計算されたフレーズ及び聴覚又はテキストベース信号を使用することによってインタラクティブな人間の会話をシミュレートする人工知能(AI)プログラムである。チャットボットは、顧客サービスサポートのために電子プラットフォームにおいてますます使用されている。一実施形態では、チャットボットは、インテリジェント仮想エージェントとして機能し得る。各チャットボットエクスペリエンスは、ユーザアクション及び対話システムアクションから構成される通信のセットから構成され、当該エクスペリエンスは、識別的挙動パターンを有する。
【0032】
当該技術分野において、チャットボットは、しばしば、問題又は問題記述に関する質問又はステートメントを受信し、これらの問題の解決のための静的手法は、提示された問題を、知識ベースにおける既知の問題と照合することを対象とすることが既知である。しかしながら、問題及び対応する解決策又は修復アクションは、本質的に漸進的であり、進展を受け得る。本明細書において図示及び説明されているように、チャットボットプラットフォームは、動的な方法において問題識別、診断、及び解決を活用して、静的手法に関連付けられた制限を克服するために、MLと組み合わされる。例示的な実施形態では、AI及びML技術は、物理的ハードウェアデバイス、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとインターフェースするために統合される。AI及びML統合の詳細は、以下で詳細に説明される。
【0033】
図1を参照すると、人工知能(AI)プラットフォーム及び対応するコンピュータシステム(100)の概略図が示されている。示されているように、ネットワーク接続、例えば、コンピュータネットワーク(105)を介して複数のコンピューティングデバイス(180)、(182)、(184)、(186)、(188)、及び(190)と通信するサーバ(110)が提供される。サーバ(110)は、バスを介してメモリと通信する処理ユニット、例えば、プロセッサを有して構成されている。サーバ(110)は、対話システム(160)、対応する仮想対話エージェント(162)、例えば、チャットボット、及びコンテキストモデル、例えば、データソースに動作可能に結合されたAIプラットフォーム(150)を有して示されている。知識グラフは、当該技術分野において、ノード、エッジ、及びラベルの形式のコンポーネントを有するエンティティの意味ネットワークとして既知である。コンテキストモデルは、メタレベルにおいて知識グラフと同様であるが、エンティティ、例えば、コンテキスト、名称、説明、タイプ、及び異なるエンティティ間の関係の定義を含み、インスタンスレベルにおいて、コンテキストモデルは、エンティティの実際の値を含む。一実施形態では、コンテキストモデルは、知識ベース(170)に記憶されてよい。同様に、一実施形態では、知識ベース(170)に記憶された複数のコンテキストモデルが存在し得る。コンピューティングデバイス(180)、(182)、(184)、(186)、(188)、及び(190)には、視覚ディスプレイ、オーディオインターフェース、オーディオ-ビデオインターフェース、又はユーザが仮想エージェント、例えば、チャットボット(162)の表現とインターフェースすることを可能にするように構成された他のタイプのインターフェースが設けられてよい。
【0034】
AIプラットフォーム(150)は、コンピューティングデバイス(180)、(182)、(184)、(186)、(188)、及び(190)のうちの1つ又は複数からの仮想対話エージェント(162)とのインタラクションをサポートするネットワーク(105)に動作可能に結合されている。より具体的には、コンピューティングデバイス(180)、(182)、(184)、(186)、(188)、及び(190)は、互いに、及び、1つ又は複数の有線若しくは無線又はその両方のデータ通信リンクを介して他のデバイス又はコンポーネントと通信し、ここで、各通信リンクは、ワイヤ、ルータ、スイッチ、送信機、受信機等のうちの1つ又は複数を含んでよい。このネットワーク化された構成では、サーバ(110)及びネットワーク接続(105)は、通信の検出、認識、及び解決を可能にする。サーバ(110)の他の実施形態は、本明細書において示されているもの以外のコンポーネント、システム、サブシステム若しくはデバイス、又はその組み合わせとともに使用されてよい。
【0035】
本明細書において、AIプラットフォーム(150)は、また、本明細書において情報のコーパスとも称される知識ベース(170)に動作可能に結合されて示されている。示されているように、知識ベース(170)は、1つ又は複数のコンテキストモデルを記憶するように構成されている。本明細書において示されている例では、知識ベース(170)は、各々が1つ又は複数のコンテキストモデルを記憶又は受信するように構成された、本明細書において例示としてライブラリ(172)及びライブラリ(172)として示されている、複数のライブラリを有して示されている。図1において2つのライブラリが示されているものの、知識ベース(170)はより少ない又はより多くのライブラリを含んでよいことが理解されるべきである。さらに、ライブラリ、例えば、ライブラリ(172)及びライブラリ(172)は、ともに組み合わされてよい。ライブラリであるライブラリ(172)及びライブラリ(172)は、複数の知識ドメインにわたって存在してよい。各ライブラリには、1つ又は複数のコンテキストモデルが装入される。例示として本明細書において示されているように、モデル(174)、モデル(174)、...、モデル(174)として表されている複数のコンテキストモデルが存在してよく、モデル(174)はライブラリ(172)に記憶されているものとして示され、モデル(174)...モデルN(174)はライブラリ(172)に記憶されているものとして示されている。ここで示されているライブラリ及びモデルの量は、例示のためのものであり、限定とみなされるべきではない。
【0036】
AIプラットフォーム(150)は、本明細書において、対話システム(160)の性能及び対応する自動化仮想対話エージェント、例えば、チャットボット(162)エクスペリエンスを改善することを対象とするコンテキスト解決をサポートする複数のツールを有して示されている。コンテキスト解決をサポートするツールは、収集マネージャ(152)、ディレクタ(154)、選択マネージャ(156)、及び実行マネージャ(158)を含む。ツール及びそれらの対応する機能の詳細は、以下で詳細に図示及び説明される。
【0037】
当該技術分野において、チャットボットは、AI及び自然言語処理(NLP)を使用して、顧客の質問を理解するとともに応答を自動化し、それによって人間の会話をシミュレートするコンピュータプログラムであることが理解される。本明細書において図示及び説明されているように、ツール(152)~(158)は、提示された質問の解決に効率的かつ有効に到達するために、仮想対話エージェント(162)、及び関連付けられたエクスペリエンスを向上する。収集マネージャ(152)は、問題診断のためにコンテキストデータを動的に収集するために対話システム(160)とインターフェースするように構成されている。例示的な実施形態では、問題診断は、情報技術(IT)問題を対象とし得るが、このカテゴリは、限定とみなされるべきではない。対話システム(160)、及びより具体的には仮想対話エージェント(162)は、ユーザとの自然言語通信をサポートする。収集マネージャ(152)は、自然言語処理(NLP)を利用して、仮想エージェント(162)からの1つ又は複数のコンテキストエンティティを識別する。図3において図示及び説明されているように、例示的な実施形態では問題記述の形式である入力データが、仮想対話エージェント(162)に提示される。エージェント(162)とユーザとの間の対話は、本質的に動的である。収集マネージャ(152)は、動的な方法において、すなわち、リアルタイムで、対話からコンテキストデータを収集するように動作する。
【0038】
エージェント(162)によってユーザから受信された入力は、収集シーケンス、例えば、いずれを収集すべきか及びそれが収集されるべき順序を動的に決定するのに使用される。本明細書において示されているように、ディレクタ(154)は、収集すべきコンテキストエンティティ及び1つ又は複数のコンテキスト収集メカニズムのセットを識別するためにコンテキストモデルを活用するように機能する。一実施形態では、ディレクタ(154)は、知識ベース(170)からコンテキストモデルを選択し、当該選択は、ユーザ入力に関連付けられた初期トピックに基づいている。例示的な実施形態では、ディレクタ(154)は、コンテキストモデル選択を、代替的なコンテキストモデルに変更してよい。図4において以下で図示及び説明されるように、報告された問題及び解決のセットを含む履歴チケットが、コンテキストモデルを構築する際に利用される。履歴チケットから三つ組が作成され、各三つ組は、問題、コンテキスト、及び解決を含む。コンテキストモデルは、しばしば以前の仮想エージェントインタラクションから、報告された問題及び対応する解決の履歴チケットに基づいて構築される。したがって、ディレクタ(154)によるコンテキストモデルの活用は、履歴コンテキスト及び対応する解決に基づいて、収集すべきエンティティ及び1つ又は複数の収集メカニズムのセットを識別する。
【0039】
ユーザによって提示又は別様にサブミットされた問題は、異なる形式のデータ収集、例えば、収集メカニズム、及び収集メカニズムを呼び出すための順序を要求し得ることが理解される。図6Aにおいて図示及び説明されるように、プロセスは、対応する収集メカニズムに関連付けられたデータを収集するためのシーケンスを動的に決定するために提供される。収集シーケンシングに加えて又はその一部として、ディレクタ(154)によって管理される機械学習コンポーネントが存在する。深層学習は、反復的な方法においてデータから学習するためにニューロンを連続層に組み込む機械学習の方法である。ニューラルネットワークは、神経系が動作する方法のモデルである。基本単位は、ニューロンと称され、当該ニューロンは、典型的には複数の層に編成される。人工ニューラルネットワーク(ANN)内で、ニューロンは、数学的関数のためのプレースホルダである。ニューロンは、入力を受信し、当該入力に対して数学的関数を適用し、それによって、出力を生成する。ニューロン間の接続は、重みによって特徴付けられ、重みは、接続の重要性を表す。ニューラルネットワークは、ニューロンの抽象バージョンに類似する多くの相互接続された処理ユニットをシミュレートすることによって機能する。典型的には、ニューラルネットワークにおいて、入力フィールドを表すユニットを有する入力層、1つ又は複数の隠れ層、及びターゲットフィールドを表す単数又は複数のユニットを有する出力層を含む3つの部分が存在する。ユニットは、異なる接続強度又は重みを有して接続される。入力データは、第1の層に提示され、値は、各ニューロンから、次の層における幾つかのニューロンに伝播される。基本レベルにおいて、ニューラルネットワークの各層は、出力及び入力に動作可能に結合された1つ又は複数の演算子又は関数を含む。提供された入力を用いて各ニューロンの活性化関数を評価する出力は、本明細書において、活性化値(activations)と称される。深層学習複素ニューラルネットワーク(deep learning complex neural network)は、人間の脳がどのように機能するかを模倣し、それによって、トレーニングデータが利用可能である場合に不十分に定義された抽象化及び問題をサポートするようにコンピュータをトレーニングすることができるように設計される。ニューラルネットワーク及び深層学習は、多くの場合、画像認識、音声、及びコンピュータビジョンアプリケーションにおいて使用される。
【0040】
機械学習は、データを改善、記述するとともに、成果を予測するためにデータから反復的に学習する多様なアルゴリズムを使用する。トレーニングデータセットは、入力パターンの、対応する所望の出力パターンとのペアのセットである。各ペアは、ネットワークがどのように特定の入力に応答すると想定されるのかを表す。機械学習(ML)モデルは、対応する機械学習アルゴリズムがトレーニングセットを用いてトレーニングされると生成される出力である。トレーニングが完了し、MLモデルに入力が提供された後、MLモデルは、出力を生成する。例示的な実施形態では、ディレクタ(154)によって利用されるANNは、入力又は入力特徴の関数として出力変数を予測するための、回帰ANN、例えば、回帰アルゴリズムを利用するANNである。収集メカニズムに関して、コンテキストモデルの形式のANNは、1つ又は複数の収集メカニズムの信頼度値を計算する。ディレクタ(154)は、信頼度を学習し、学習された信頼度を収集メカニズムごとに適用するためにANNとインターフェースする。異なる収集メカニズムの信頼性に関する信頼度学習の詳細は、図8の(A)及び図8の(B)において図示及び説明される。例示的な実施形態では、収集メカニズムは、API、使用ログ等を含んでよく、モデルは、収集すべきデータに関してメカニズムごとに信頼度値を計算する。一実施形態では、同じデータを収集するために利用可能な異なるメカニズムが存在し得る。ディレクタ(154)に動作可能に結合されている選択マネージャ(156)は、ディレクタ(154)によって識別されるとともにコンテキストモデルからの出力に応答して、コンテキスト収集メカニズムのうちの少なくとも1つを動的に選択するように機能する。例示的な実施形態では、ディレクタ(154)は、収集シーケンスを動的に決定し、当該収集シーケンスは、各コンテキストタイプのエントロピーの計算、及び計算されたエントロピーに基づいたコンテキストタイプの選択を含む。一実施形態では、最高スコアを有するコンテキストタイプは、ディレクタ(154)によって識別されるとともに選択マネージャ(156)によって選択され、一実施形態では、選択マネージャ(156)は、学習された信頼度値及び計算されたエントロピーを活用して、関連付けられた収集メカニズムを使用するためのシーケンスを決定する。エントロピー計算及びコンテキストタイプ選択を含む収集シーケンス決定の詳細は、図6A及び図6Bにおいて図示及び説明される。
【0041】
実行マネージャ(158)は、コンテキストを収集するための識別された収集メカニズムのうちの1つ又は複数を選択的に実行するように構成されており、当該収集メカニズムは、一実施形態では選択マネージャ(156)によって決定されたような収集シーケンスに基づいて実行される。収集メカニズムの信頼度レベルは、経時的に学習され、一実施形態では、学習された信頼度レベルは、収集メカニズムの順序又はシーケンスを調整するのに使用されてよい。当該技術分野において、収集メカニズムは、経時的に特性を達成するか、又は一実施形態では、性能特性を有することが理解される。一実施形態では、収集メカニズムにおけるデータ更新の頻度は異なってよい。例えば、第1の収集メカニズムは、ほぼリアルタイムでより容易に利用可能なデータを有してよいが、それは、より長い時間フレーム、例えば、毎晩、毎週等において、競合の解決とともに再計算され、したがってより一貫したデータであり得る。例示的な実施形態では、そのような特性は、収集メカニズムの選択又は識別、並びに収集シーケンス決定の順序に影響を与え得る。収集シーケンス決定の態様では、選択マネージャ(156)は、収集されたコンテキストを交差検証するように構成されている。交差検証の詳細は、図9において図示及び説明される。交差検証をサポートすることにおいて、選択マネージャ(156)は、異なる収集メカニズムから取得されたコンテキスト値の一貫性を解析する。一実施形態では、2つ又はそれよりも多い収集メカニズムが、同じデータを収集するために利用されてよい。収集されたデータは理論上一貫しているべきであるが、収集されたデータは、実際には一貫していない場合がある。例えば、第1の収集メカニズムは、第1の値を返してよく、かつ第1の収集メカニズムと異なる第2の収集メカニズムは、返された第1の値と異なる第2の値を返してよい。第1及び第2のコンテキスト値が一貫している場合、値及び対応する収集メカニズムは最終決定され、第1及び第2のコンテキスト値が一貫していない場合、それらは更なる解析を受ける。例示的な実施形態では、一貫していないコンテキスト値及び対応する収集メカニズムを解決するためにヒューマンインザループ(human-in-the loop)が活用されてよい。
【0042】
ツール(152)~(158)の適用に関して、仮想対話エージェント(162)は、提示された問題と、本明細書において問題とも称される既知の症状との間で効率的かつ有効に一致を精緻化するために動的ユーザインタラクションをサポートするツールを活用する。仮想対話エージェント(162)は、変化を受ける場所(venue)又はインターフェースを提供する。ディレクタ(154)は、仮想対話エージェント(162)の動的性質をサポートするように構成されており、例示的な実施形態では、ディレクタ(154)は、第1の収集メカニズムから返されたコンテキストに応答して1つ又は複数の後続の収集メカニズムを動的に最適化する。ディレクタ(154)によって管理又は実装される最適化(154)は、解決を達成するための質問の提示を最小化することを対象とする。より具体的には、最適化は、提示される問題に対する解決を識別しながら、仮想対話エージェント(162)とユーザとの間の対話を削減することを対象とする。最適化の詳細は、図6A及び図6Bにおいて図示及び説明されている。
【0043】
対話システム(160)は、仮想エージェントと、人間又はソフトウェアであり得るユーザ(例えば、エンドユーザ)等の非仮想エージェントと、潜在的にはAI仮想エージェントとの間の通信をサポートするように構成されたインタラクティブAIインターフェースである。発生するインタラクションは、会話又は対話インタラクションと称されるものを生成し、そのような会話又は対話インタラクションのコンテンツはユーザと仮想エージェントとの間のものである。
【0044】
AIプラットフォーム(150)は、本明細書において対話システム(160)及びその仮想対話エージェント(162)に動作可能に結合されているものとして示されており、当該AIプラットフォームは、ネットワーク(105)を介して様々なソースから入力(102)を受信するように構成されている。例えば、対話システム(160)は、ネットワーク(105)を介して入力を受信し、1つ又は複数の収集メカニズムを活用して、出力又は応答コンテンツとしてコンテキストを取得してよい。作成された出力又は応答コンテンツは、コンピュータネットワーク(105)を介して、同じソース若しくは別の単数又は複数のソース、又はその両方に出力(104)として返されてよい。
【0045】
ネットワーク(105)と通信する様々なコンピューティングデバイス(180)、(182)、(184)、(186)、(188)、及び(190)は、AIプラットフォーム(150)、対話システム(160)及び対応するエージェント(162)と、収集マネージャ(152)、ディレクタ(154)、選択マネージャ(156)、及び実行マネージャ(158)を含む対応するツールとに対するアクセスポイントを含んでよい。コンピューティングデバイスのうちの幾つかは、AIプラットフォーム(150)、及び一実施形態では仮想対話最適化をサポートするツール(152)、(154)、(156)、及び(158)による使用のためのデバイスを含んでよい。ネットワーク(105)は、AIプラットフォーム(150)がローカル及びグローバル、例えばインターネットを含む任意のサイズの環境において動作し得るように、様々な実施形態においてローカルネットワーク接続及びリモート接続を含んでよい。加えて、AIプラットフォーム(150)は、ドキュメント、ネットワークアクセス可能ソース若しくは構造化データソース又はその組み合わせから抽出されるか、又はこれらにおいて表される多様な知識を利用可能にすることができるバックエンドシステムとして機能する。このようにして、幾つかのプロセスには、AIプラットフォーム(150)が装入され、AIプラットフォーム(150)は、リクエストを受信し、これに応じて応答する入力インターフェースも含む。
【0046】
示されているように、ユーザは、ネットワーク(105)へのネットワーク接続又はインターネット接続を介してAIプラットフォーム(150)及び動作可能に結合された対話システム(160)にアクセスしてよく、自然言語(NL)入力を対話システム(160)にサブミットしてよく、当該対話システムから、AIプラットフォーム(150)は、動作可能に結合された知識ベース(170)、及びAIプラットフォーム(150)を含むツールを活用することによって入力に関係付けられた出力応答を有効に決定してよい。
【0047】
対話システム(160)によって作成又はイネーブルされる対話イベントは、サーバ(110)、及び対応するAIプラットフォーム(150)によって処理されてよい。幾つかの例示的な実施形態では、サーバ(110)は、Armonk,New York所在のInternational Business Machines Corporationから入手可能であるIBM Watson(登録商標)システムであってよく、これは、以降で説明される例示的な実施形態のメカニズムで拡張される。選択マネージャ(158)は、識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を実行する。例示的な実施形態では、識別された問題を有する物理デバイス(176)は、ネットワーク接続を介してサーバ(110)に動作可能に結合されている。収集メカニズムによって生成されたコンテキストは、提示された問題に対する解決策又は訂正を識別する。実行マネージャ(158)は、生成されたコンテキスト及び識別された解決策に関連付けられた、物理的ハードウェアデバイス(176)、ソフトウェアによって制御されるプロセス、又は物理的ハードウェアデバイス及びソフトウェアの組み合わせに対する制御信号を動的に生成するように構成されている。物理的ハードウェアデバイス(176)は、本明細書において、ネットワーク(105)を介してサーバ(110)に動作可能に結合されて示されている。一実施形態では、デバイス(176)は、サーバ(110)又はシステム(180)、(182)、(184)、(186)、(188)、及び(190)のうちの1つ又は複数に動作可能に結合されてよい。例示的な実施形態では、制御信号は、動作可能に結合された物理的ハードウェアデバイス(176)、又は一実施形態では、ソフトウェアによって制御されるプロセス、又は物理的ハードウェアデバイス及びソフトウェアの組み合わせを選択的に制御し、制御信号は、デバイス(176)の物理的機能の態様を選択的に修正する。一実施形態では、デバイス(176)は、内部コンポーネント、又は一実施形態では第2の物理的デバイスに動作可能に結合された第1の物理的デバイスであってよく、発行される第1の信号は、内部コンポーネント又は第2のデバイスの動作状態を修正してよい。例えば、第1のデバイス(176)は、製品ディスペンサであってよく、制御信号は、第2のデバイスが分配される製品を受け取る速度に対応するために製品分配速度を修正又は制御してよい。一実施形態では、実行マネージャ(158)は、生成されたコンテキストに基づいて制御アクションを計算し、計算された制御アクションと協調するか、又は同等である制御信号を構築又は構成する。例示的な実施形態では、制御アクションは、フィードバック信号として適用して、イベント注入を直接制御し、イベント又はデバイス(176)の動作状態を実現する尤度を最大化してよい。
【0048】
AIプラットフォーム(150)を利用することができる情報ハンドリングシステムのタイプは、ハンドヘルドコンピュータ/携帯電話(180)等の小型ハンドヘルドデバイスから、メインフレームコンピュータ(182)等の大型メインフレームシステムの範囲に及ぶ。ハンドヘルドコンピュータ(180)の例としては、携帯情報端末(PDA(登録商標))、MP4プレーヤ等のパーソナルエンターテインメントデバイス、ポータブルテレビジョン、及びコンパクトディスクプレーヤが挙げられる。情報ハンドリングシステムの他の例としては、ペン又はタブレットコンピュータ(184)、ラップトップ、又はノートブックコンピュータ(186)、パーソナルコンピュータシステム(188)、及びサーバ(190)が挙げられる。示されているように、様々な情報ハンドリングシステムが、コンピュータネットワーク(105)を使用してともにネットワーク化され得る。様々な情報ハンドリングシステムを相互接続するのに使用され得るコンピュータネットワーク(105)のタイプとしては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、他の無線ネットワーク、及び情報ハンドリングシステムを相互接続するのに使用され得る他の任意のネットワークトポロジが挙げられる。情報ハンドリングシステムの多くは、ハードドライブ等の不揮発性データストア若しくは不揮発性メモリ又はその両方を含む。情報ハンドリングシステムの幾つかは、別個の不揮発性データストアを使用してよい(例えば、サーバ(190)は、不揮発性データストア(190)を利用し、メインフレームコンピュータ(182)は、不揮発性データストア(182)を利用する)。不揮発性データストア(182)は、様々な情報ハンドリングシステムの外部にあるコンポーネントであり得るか、又は、情報ハンドリングシステムのうちの1つの内部にあり得る。
【0049】
AIプラットフォーム(150)をサポートするために利用される情報ハンドリングシステムは、多くの形式を取ってよく、それらのうちの幾つかが図1において示されている。例えば、情報ハンドリングシステムは、デスクトップ、サーバ、ポータブル、ラップトップ、ノートブック、又は他のフォームファクタコンピュータ又はデータ処理システムの形式を取ってよい。加えて、情報ハンドリングシステムは、携帯情報端末(PDA)、ゲーミングデバイス、ATMマシン、携帯電話デバイス、通信デバイス、又はプロセッサ及びメモリを含む他のデバイス等の他のフォームファクタを取ってよい。
【0050】
アプリケーションプログラムインターフェース(API)は、当該技術分野において、2つ又はそれよりも多いアプリケーション間のソフトウェア仲介として理解される。図1において図示及び説明されたAIプラットフォーム(150)に関して、収集マネージャ(152)、ディレクタ(154)、選択マネージャ(156)、及び実行マネージャ(158)を含むAIプラットフォームツールのうちの1つ又は複数及びそれらの関連付けられた機能をサポートするために1つ又は複数のAPIが利用されてよい。図2を参照すると、AIプラットフォーム及びその関連付けられたAPIを示すブロック図(200)が提供される。示されているように、複数のツールがAIプラットフォーム(205)内に埋め込まれ、ツールは、API(212)に関連付けられた収集マネージャ(252)、API(222)に関連付けられたディレクタ(254)、API(232)に関連付けられた選択マネージャ(256)、API(242)に関連付けられた実行マネージャ(258)を含む。APIの各々は、1つ又は複数の言語及びインターフェース仕様において実装されてよい。
【0051】
API(212)は、問題診断を支援してコンテンツを動的に収集するために仮想対話環境とインターフェースするためのサポートを提供する。例示的な実施形態では、API(212)は、コンテキストエンティティ識別のためにNLPを利用する。API(222)は、収集すべきコンテキストエンティティ及び1つ又は複数のコンテキスト収集メカニズムのセットの識別のためにコンテキストモデルを活用する機能的サポートを提供する。例示的な実施形態では、API(222)は、コンテキスト収集メカニズムの収集シーケンスを決定又は別様に識別する。API(232)は、コンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を動的に選択する機能的サポートを提供する。例示的な実施形態では、API(232)は、識別された収集メカニズムの各々について信頼度値を学習する回帰モデルを活用し、学習された信頼度値を利用して、収集シーケンスを決定する。API(242)は、識別されたコンテキスト収集メカニズムのうちの1つ又は複数を選択的に実行する機能的サポートを提供する。示されているように、API(212)、(222)、(232)、及び(242)の各々は、APIオーケストレータ(260)に動作可能に結合されている。APIオーケストレータは、調整層としても知られ、これは、当該技術分野において、別個のAPIをトランスペアレントにともにスレッド化するための抽象化層として機能するものとして理解されている。一実施形態では、別個のAPIの機能は、結合されるか又は組み合わされてよい。したがって、本明細書において示されるAPIの構成は、限定とみなされるべきではない。したがって、本明細書において示されているように、ツールの機能は、それらのそれぞれのAPIによって具現化又はサポートされてよい。
【0052】
図3を参照すると、仮想対話環境とインターフェースし、有効な問題診断及び解決のためにコンテキストを動的かつ最適に収集するプロセスを示すフロー図(300)が提供される。図示及び説明されているように、構築コンポーネント(310)及びランタイムコンポーネント(350)を含む、コンテンツ収集及び解決を対象とする2つの主要な構成要素が存在する。構築コンポーネント(310)は、ドメインコンテキストモデルを構築すること(320)及びコンテンツ収集メカニズム(330)を解析することの態様を含む。例示的な実施形態では、ドメインは、アクティビティ又は知識の領域(sphere)であり、ドメインコンテンツモデルは、特定のドメインを代表するコンテキストモデルである。一実施形態では、第1のドメインは、第1のドメインコンテキストモデルを有してよく、第1のドメインと異なる第2のドメインは、第1のドメインコンテキストモデルと異なる第2のドメインコンテンツモデルを有してよい。ドメインコンテキストモデルを構築するために利用される入力データは、履歴データ(322)及び在庫データ(324)を含む。入力(322)及び(324)を使用して、ドメインコンテキストモデル(326)が構築される。ドメインコンテキストモデルを構築する方法及び関連付けられた段階の詳細は、図4において図示及び説明される。
【0053】
ドメインコンテキストモデルを構築することに加えて、構築コンポーネント(310)は、コンテンツ収集メカニズムを解析することをサポートする(330)。示されているように、収集メカニズム解析(330)は、テクニカルサポート及びビジネスプロセスワークフロー(332)及び1つ又は複数のサービスからのコンテキスト(334)の形式の入力データを利用する。例示的な実施形態では、1つ又は複数のサービス(334)は、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、製品カタログ、履歴使用ログデータ、プロファイルデータ、及びユーザデータからのコンテキストを含むが、これに限定されない。コンテキスト収集メカニズム(330)を解析することの詳細は、図5において図示及び説明される。コンテンツ収集メカニズム解析(330)は、コンテキスト収集メカニズム(340)の識別情報の形式の出力を生成する。したがって、コンテキストモデル(326)及びコンテキスト収集メカニズムの識別情報は、ランタイムコンポーネント(350)において利用される構築コンポーネント(310)の態様である。
【0054】
示されているように、ランタイムコンポーネント(350)は、本明細書において、問題、又は一実施形態では症状、記述(352)の形式の入力データの受信として示されている仮想対話エージェントとインターフェースする。当該技術分野において、症状は、問題の条件の兆候とみなされ得る特徴であることが理解される。入力データ(352)を使用して、ランタイムコンポーネント(350)は、収集すべきコンテンツ及びコンテンツを収集するためのシーケンスを動的に決定する(354)。示されているように、コンテンツ収集決定は、ドメインコンテキストモデルを活用する(326)。例示的な実施形態では、NLPは、問題記述を評価し、対応するドメインコンテキストモデルを識別するために利用される。コンテンツ収集シーケンスの動的決定の詳細は、図6A及び図6Bにおいて図示及び説明される。段階(354)における収集シーケンス決定に後続して、コンテンツ収集メカニズムが識別又は別様に決定される(356)。示されているように、コンテンツ収集メカニズムは、段階(340)からの出力の形式で識別され、段階(356)において活用される。コンテンツ収集メカニズムの決定の詳細は、図7において図示及び説明される。段階(356)に後続して、識別又は決定されたコンテキスト収集メカニズムを使用してコンテキストが収集され(358)、これには、収集されたコンテキストの確認が後続する(360)。問題精緻化の詳細は、図9において図示及び説明される。当該技術分野において、問題記述提示(352)及び収集されたコンテンツは一貫していない場合があることが理解される。一実施形態では、同じコンテキストであるべきであるものを収集するために複数のコンテンツ収集メカニズムが利用される。例えば、第1の収集メカニズムが第1のコンテンツを収集するために利用されてよく、第2の収集メカニズムが第1のコンテンツを収集するために利用されてよい等である。この例を使用すると、(360)における第1のコンテンツの確認は、収集された第1のコンテンツの一貫性を評価するために第1及び第2の収集メカニズムの各々によって収集される第1のコンテンツの評価である。例示的な実施形態では、コンテキストを精緻化するためにヒューマンインザループが利用されてよい。
【0055】
示されているように、問題精緻化のイベントにおいて、プロセスは、コンテキスト収集シーケンシングのために段階(354)に戻る。同様に、問題解決のイベントにおいて、収集メカニズムによって生成されたコンテキストは、提示された問題に対する解決策又は訂正を識別する。例示的な実施形態では、制御信号は、解決策又は訂正を例証するように動的に構成されており、制御信号は、生成されたコンテキスト及び識別された解決策に関連付けられた、物理的ハードウェアデバイス、ソフトウェアによって制御されるプロセス、又は物理的ハードウェアデバイス及びソフトウェアの組み合わせとインターフェースするように生成される。例示的な実施形態では、制御信号は、動作可能に結合された物理的ハードウェアデバイス、又は一実施形態では、ソフトウェアによって制御されるプロセス、又は物理的ハードウェアデバイス及びソフトウェアの組み合わせを選択的に制御し、制御信号は、デバイスの物理的機能の態様を選択的に修正する。識別された解決策又は訂正、及び一実施形態では識別された解決策又は訂正に到達するために行われる任意の精緻化は、対応する使用ログ(362)において記憶される。
【0056】
異なる収集メカニズムは、異なる結果、例えば、異なるコンテンツを返してよく、異なる結果は、対応する品質特性を有する。例えば、第1のAPIの形式の第1の収集メカニズムは、第1のコンテンツを返してよく、第2の収集メカニズムは、第2のコンテンツを返してよく、第1及び第2のAPIは、異なる収集メカニズムであり、第1及び第2のコンテンツは、異なるコンテンツである。本明細書において示されているように、収集メカニズムの値、例えば、収集メカニズムの信頼度は学習を受ける(364)。本明細書において示されているように、使用ログ(362)は、収集メカニズム学習のためのデータとして利用される。例示的な実施形態では、段階(364)における学習態様は、収集メカニズムの値をリソースとして検証する。例えば、一実施形態では、段階(364)における学習態様は、異なる収集メカニズムの信頼性又は信頼性係数の形式の出力を提供する。段階(364)における信頼度学習は、コンテキスト収集メカニズムの識別、選択、及び適用に学習を動的に適用するために、段階(356)におけるコンテンツ収集メカニズムの識別又は決定とインターフェースする。収集メカニズム信頼度学習の詳細は、図8の(A)及び図8の(B)において図示及び説明される。したがって、本明細書において示されているように、チャットボット及び問題診断を対象とする2つの主要な構成要素が存在し、主要な構成要素のうちの1つは、コンテキストモデルを構築することを対象とし、主要な構成要素のうちの別のものは、動的、例えば、ランタイムのコンテキスト収集評価及び精緻化に関してコンテキストモデルを活用することを対象とする。
【0057】
図4を参照すると、ドメインコンテキストモデルを構築するプロセスを示すフローチャート(400)が提供される。例示として本明細書において示されているように、入力(410)は、履歴チケットの形式であり、これは、例示的な実施形態では、それぞれ報告された問題及び対応する解決を含む。一実施形態では、履歴チケット等の入力(410)は、以前のチャットボットエクスペリエンスから取得又は別様に受信又はドキュメント化される。段階(410)における入力は、履歴チケットに限定されず、一実施形態では、段階(410)における入力は、フォーラムデータ、システム変更データ、又はこれらの組み合わせの形式であってよい。入力データ形式に関わらず、入力(410)は、症状記述(420)、解決データ(422)、及びコンテキスト(424)を含む埋め込み症状データを取得するために活用される。一実施形態では、症状記述(420)は、対応する履歴チケット入力内のタイトルから取得される。同様に、一実施形態では、自然言語処理(NLP)は、入力(410)から症状記述(420)を識別する。症状記述(420)の例は、「電力なし」及び「バッテリが検出されない」であってよいが、これらに限定されない。解決データ(422)は、履歴入力チケットにおける症状がどのように解決されたか、例えば、断定されたかを対象とする。症状記述(420)と同様に、NLPは、対応する解決データを識別するために活用されてよい(422)。症状記述例に対応する解決データ(422)の例は、それぞれ、「バッテリ交換」及び「バッテリラッチを締める」であってよいが、これらに限定されない。段階(424)において取得又は識別されたコンテキストは、入力から抽出される(410)。例示的な実施形態では、コンテキスト(424)は、1つ又は複数の履歴チケット内のタイトル若しくは問題記述又はその両方から取得又は抽出される。コンテキストの例としては、オペレーティングシステム、ブランド、バージョン等が挙げられるが、これらに限定されない。コンテキスト(424)は、段階(426)において示されているように、更なる処理を受ける。例示として本明細書において示されているように、nグラム抽出、すなわち、音声解析のn個のアイテム及び部分の連続シーケンスがコンテキストに適用される(426)。nグラム抽出から取得されるコンテキスト(426)の例は、「ピンが曲がっている」、「赤いライト」、「緑のライト」、「ライトなし」等であってよいが、これらに限定されない。したがって、履歴チケットの処理は、対応する症状、解決、及びコンテキストを生成する。
【0058】
段階(420)として示されている症状記述、段階(422)として示されている解決、及び段階(426)として示されているコンテキストの中から、関連付け(430)が作成される。一実施形態では、関連付け(430)は、症状、解決、及びコンテキストのコンポーネントのスティッチング(stitching)とも称される。例えば、関連付け(430)は、{症状,コンテキスト,解決}(432)の1つ又は複数のタプルを作成してよい。コンテキストモデル(440)は、限定されないが、製品ファミリ、製品バージョン、製品ブランド、オペレーティングシステム、ファームウェアバージョン、エラーコード、及びライト状態等のコンテキスト関連付け(430)の周りで構築される。一実施形態では、コンテキストモデルは、知識グラフと同様である。メタレベルにおいて、コンテキストモデルは、エンティティ(コンテキスト)、名称、記述、タイプ、異なるエンティティ間の関係の定義であり、インスタンスレベルにおいて、それは、エンティティの実際の値を含む。
【0059】
図3において図示及び説明されたように、構築コンポーネント(310)の2つの態様が存在し、これは、図4において図示及び説明されたようにコンテキストモデルを構築すること、及びコンテキスト収集メカニズムを解析することを含む。図5を参照すると、コンテキスト収集メカニズムを解析するプロセスを示すフロー図(500)が提供される。示されているように、入力(510)が、コンテキストを収集する異なるメカニズム(506)及びプロファイルデータ(508)の形式で提供される。コンテキスト収集メカニズムの例としては、ワークフロー、フロー図若しくは記述された段階又はその組み合わせ等のビジネス送達プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、プロファイルデータ(508)の例としては、API、システム、ユーザデータ、及び履歴通信が挙げられるが、これらに限定されない。入力(510)は、コンテキスト収集メカニズム解析器(520)によって受信されるか又はこれを受ける。本明細書において示されているように、情報の異なる要素は、収集メカニズムモデル(530)において表され、これは、解析器(520)に動作可能に結合されている。本明細書において示されている例示的なモデル(530)では、コンテキスト(532)は、収集メカニズム(534)によって受信される。コンテキスト(532)を使用して、収集メカニズム(534)は、収集条件(540)、信頼度(542)、コスト(544)、タイプ(546)、構成(548)、及びフェーズ(550)を識別する。例示的な実施形態では、収集条件(540)は、APIのための入力パラメータの形式であってよく、信頼度(542)は、所与のコンテキストソースからコンテンツをフェッチする尤度を表す値であってよく、コスト(544)は、応答時間及び正確性を含むコンテンツソースを使用することに関連付けられた値であってよく、タイプ(546)は、コンテンツソースタイプを表し、構成(548)は、コンテキストソース仕様を表し、フェーズ(550)は、コンテンツを収集することができる状態を表す。本明細書において示されているように、例示的な実施形態では、収集メカニズムモデル(530)は、JavaScript Object Notation(JSON)(570)において表される。例示的な実施形態では、構築時間における収集メカニズムの信頼度値は、図3の段階(390)において示されているように、更新又は精緻化を受けてよい。したがって、収集メカニズムは、コンテンツの動的評価をサポートするために解析を受ける。
【0060】
図6Aを参照すると、フローチャート(600)は、収集すべきコンテンツ及び対応する収集シーケンスを動的に決定するプロセスを示すために提供される。特定のシーケンス、パターン、又は方法に従って、人物又は物の互いに対する構成又は配置として順序が定義される。シーケンス決定プロセスは、様々なコンテキストが様々な収集メカニズムから収集されるべき順序を対象とする。本明細書においてユーザ問題又は記述とも称されるユーザによって話された問題は、チャットボットインターフェースを介して識別され、対応する問題記述は、既知の問題解決との照合を受ける(602)。一実施形態では、段階(602)において提示される問題記述は、サブジェクト及び対応する問題を含む。段階(602)から抽出されたデータは、既知のコンテキストを用いるフィルタリングを受ける(604)。当該技術分野において、コンテキストは、対応するエンティティ、及び以降で状態と称されるエンティティ状態を有することが理解される。例えば、バッテリケース又は開口は、ラッチ及びラッチの状態を有してよい。同様に、バッテリを検出するためにピンが利用されてよく、ピンの状態が曲げられ得る。段階(604)に後続して、コンテキストタイプは、エンティティ、状態、及びカウントによってグループ化され(606)、カウントは、解決と組み合わされた症状である。図6Bを参照すると、ブロック図(640)は、コンテキストのサンプルグループ化を示すために提供される。この例において示されているように、エンティティは、対応する状態(652)、(654)、及び(656)を有するエラーコード(650)であってよく、各状態は、それぞれ、カウント(652)、(654)、及び(656)を有する。別の例では、エンティティは、(662)、(664)、及び(666)として示されているライト色である対応する状態を有するバッテリライト(660)であってよく、各状態は、それぞれカウント(662)、(664)、及び(666)を有する。
【0061】
段階(606)に後続して、各コンテキストタイプのスコアが計算され(608)、スコアは、データ収集優先順位付けのためのインジケータを表す。例示的な実施形態では、スコアは、エントロピーを使用して各コンテキストタイプから評価される。エラーコードエンティティ(650)の例を使用して、エントロピースコアは、以下のように評価される:
【数1】
同様に、エラーコードエンティティ(660)の例を使用して、エントロピースコアは、以下のように評価される:
【数2】
段階(608)におけるスコア評価の後、コンテキストタイプは、順序又はランク付け(610)を受け、一実施形態では、コンテキストタイプは、エントロピースコアに基づいた順序において編成される。一実施形態では、より高いスコア、例えば、より高いエントロピースコアを有するコンテキストタイプは、段階(610)において選択される。最高から最低のエントロピースコアの順序においてコンテキストタイプを選択することによって、プロセスは、最大情報を収集するコンテキストを選択し、それによって、他のタイプのコンテキストに関する質問を尋ねる必要性を低減し、当該他のタイプのコンテキストは、一実施形態では、より低いエントロピースコアに関連付けられ得る。例示的な実施形態では、順序編成は、最高エントロピースコアを有するコンテキストの選択から開始し、これには、降順におけるコンテキスト選択が後続する。一実施形態では、順序は、異なる編成を有してよく、したがって、降順の編成は、限定とみなされるべきではない。本明細書において示されている例を使用して、ライト状態コンテキストは、エラーコードコンテキストの後に二次的に収集されることになる。したがって、本明細書において示されているように、評価は、様々なコンテキスト入力が様々な収集メカニズムから収集されるべきである順序を決定するために利用される。
【0062】
本明細書において図示及び説明されているように、同じ又は同様のコンテンツを収集するために2つ又はそれよりも多いコンテキスト収集メカニズムが利用可能であるか、若しくは利用され、又はその両方であってよい。より具体的には、収集メカニズムは、同じデータを収集する異なるツールを表す。1つの収集メカニズムは、第2の収集メカニズムよりも正確又は関連したコンテキストを返すために評価されてよいことが理解される。図7を参照すると、フローチャート(700)は、コンテキスト収集メカニズムを動的に決定するプロセスを示すために提供される。示されているように、このプロセスは、図6A及び図6Bにおいて図示及び説明されるように、最高エントロピースコア(702)を有するコンテキストタイプを活用する。例示として、0.46の最高エントロピースコアは、エラーコードエンティティのためのものである。収集メカニズムモデル(704)は、図5において説明されたように、関係付けられた収集メカニズム(704)を取得するために段階(702)において識別されるコンテキストタイプとともに活用される。一実施形態では、収集メカニズムモデルは、収集メカニズムの知識ベースである。例示的な実施形態では、収集メカニズムモデルは、JSONフォーマットである。モデルは、満たされていない1つ又は複数の収集条件を除去するためにフィルタリング又はフィルタリングプロセスを受け(706)、これには、1つ又は複数の残りの収集メカニズム及びそれらの対応する収集信頼度値を計算又は更新することが後続する(708)。一実施形態では、モデルにおける各収集メカニズムは、対応する信頼度値を有する。例示的な実施形態では、信頼度値は、初期的に履歴データから学習されるか、システム使用に基づいて学習されるか、又は一実施形態では内容領域専門家(SME:subject matter expert)によって手動で構成される。収集メカニズム信頼度学習の詳細は、図8の(A)及び図8の(B)において図示及び説明される。段階(708)における信頼度値更新に後続して、少なくとも1つの収集メカニズムが、対応する信頼度値に基づいて選択される(710)。一実施形態では、段階(710)における選択は、選択の前に収集メカニズムに関連付けられたコストも考慮し、コストは、データ収集にアクセスし、関連付けられたデータを処理することを犠牲にすることを対象とする。例示的な実施形態では、収集メカニズムの選択は、最大信頼度値及び低い又はより低いコストでメカニズムを最適化することを含む。段階(710)から選択されたメカニズムを使用して、関係付けられたサービスが、コンテキストを収集し(712)、収集されたコンテキストを確認する(714)ために呼び出される。収集されたコンテキストを確認することの詳細は、図9において図示及び説明される。したがって、本明細書において示されているように、適切な収集メカニズムを決定する態様は、信頼度及び対応するコストの両方を活用する動的プロセスである。
【0063】
図7において図示及び説明されているように、コンテキスト収集メカニズムの決定及び選択は、学習コンポーネントを含む。図8の(A)を参照すると、フローチャート(800)は、一実施形態ではデータ収集を優先順位付けするために利用される収集メカニズム信頼度学習のためのプロセスを示すために提供される。当該技術分野において、データロギングは、特定の傾向を解析するか又はデータベースイベント又はアクションを記録するために或る期間にわたってデータを収集及び記憶するプロセスであることが理解される。データロギングは、データ、ファイル、又はアプリケーションが記憶デバイス又はアプリケーション上で記憶、アクセス、又は修正される全てのインタラクションの追跡を可能にする。使用ログは、データロギングを含むコンピュータファイルである。本明細書において示されているように、問題診断を有する使用ログは、入力として受信され(802)、解析を受ける(804)。図8の(B)を参照すると、例示の使用ログ(850)が示されている。この例では、ログ(850)は、問題(860)、解決(862)、重大度(864)、及びコンテキスト(866)及びコンテキスト(866)を示している。コンテキスト(866)は、収集メカニズム0,0(8680,0)及び収集メカニズム0,1(8680,1)を有して示され、コンテキスト(866)は、収集メカニズム1,0(8681,0)を有して示される。使用ログにおいて示されている収集メカニズムの各々は、対応する信頼度値を有し、これは、一実施形態では、構築時間において作成されたか又は割り当てられた静的値、及び対応するメカニズムとともに収集されたコンテキストが提示された問題を解決するのに使用されるものと同じであるか否かを示すフィールドエントリであってよい。例示として、収集メカニズム0,0(8680,0)は、信頼度0,0(8700,0)及びフィールドエントリ0,0(8720,0)を有して示され、収集メカニズム0,1(8680,1)は、信頼度0,1(8700,1)及びフィールドエントリ0,1(8720,1)を有して示され、収集メカニズム1,0(8681,0)は、信頼度1,0(8701,0)及びフィールドエントリ1,0(8721,0)を有して示される。
【0064】
解析された使用ログを使用して、信頼度モデルは、トレーニングを受ける(806)。例示的な実施形態では、モデルには、事前定義された特徴重み等の情報(806)、及び独立変数及び従属変数等の導出されたデータ(806)が提供される。一実施形態では、独立変数の例としては、問題、解決、重大度、コンテキスト、使用されるメカニズム、及び使用される収集メカニズムの静的信頼度が挙げられるが、これらに限定されず、従属変数の一例としては、信頼度値が挙げられるが、これに限定されない。例示的な実施形態では、段階(806)における信頼度モデルトレーニングは、独立変数と従属変数との間の関係を決定するために、本明細書において回帰モデルとも称される図1において図示及び説明されたANNである。段階(806)における信頼度モデルのトレーニングは、1つ又は複数のコンテキスト収集メカニズム(808)の信頼度値を計算する。例示的な実施形態では、コンテキスト収集メカニズムは、モデルによって評価されたようなそれらの対応する信頼度値に基づいて、順序付け、ソート、又は優先順位付けを受ける(810)。したがって、本明細書において示されているように、収集メカニズムは、データログを活用して、対応する信頼度値を識別する。
【0065】
図3において図示及び説明されたように、決定されたコンテキスト収集メカニズムは、精緻化を受け得るコンテキストを収集する(358)ために利用される。図9を参照すると、フローチャート(900)は、例示的な実施形態では収集されたコンテキストの交差検証を含む、収集されたコンテンツを確認するプロセスを示すために提供される。示されているように、入力データは、コンテキストの形式である(910)。本明細書において示されている例では、収集されたコンテキストは、(910)、(910)、...、(910)において示されている。本明細書において示されている収集されたコンテキストの量は、例示のためのものであり、限定とみなされるべきではない。例示として、各コンテキストは、値及び対応する収集メカニズムを有して示されている。例えば、(910)における収集されたコンテキストは、メカニズムA(916)とともに収集されたコンテキストC(914)の値V(912)を有して示され、(910)における収集されたコンテキストは、メカニズムB(916)とともに収集されたコンテキストC(914)の値V(912)を有して示され、...、(910)における収集されたコンテキストは、メカニズム(916)とともに収集されたコンテキストC(914)の値V(912)を有して示されている。例示的な実施形態では、異なる収集メカニズムが、同じ又は一貫したデータを収集することを対象とするべきである。(910)、(910)、...、(910)からの入力データを使用して、コンテキストの値は、一貫性について解析される(920)。例示的な実施形態では、段階(920)における解析には、V(912)、V(912)、...、V(912)の一貫性の評価(922)が後続する。段階(922)において、解析されたコンテキストの値が一貫していると判断された場合、コンテキストC(914)の値V(912)は、最大信頼度を有するものとして自動的に最終決定又は指定される(924)。反対に、段階(922)において、解析されたコンテキストの値が一貫していないと判断された場合、コンテキスト値は、関係付けられたメカニズム信頼度に従って更なる解析を受ける(926)。例示的な実施形態では、段階(926)におけるコンテキスト値の解析は、重複した値を除去すること(926)、重複していない値の各々を最高信頼度と照合すること(926)、及び最大信頼度及び信頼度の分散を計算すること(926)を含む。
【0066】
段階(926)におけるコンテキスト値の評価に後続して、信頼度間の分散が閾値(threshold又はthreshold value)を超えるか否かが判断される(928)。例示的な実施形態では、閾値は、構成可能である。段階(928)における判断に対する否定応答には、単一のコンテキスト値が最大信頼度にマッピングされるか否かを判断すること(930)が後続する。段階(930)における判断に対する肯定応答には、段階(930)において活用及び識別された単一のコンテキストの値を最大信頼度を有するものとして自動的に最終決定すること(924)が後続する。反対に、段階(928)における判断に対する肯定応答又は段階(930)における判断に対する否定応答のいずれかに後続して、高い最大信頼度を有する複数のコンテキスト値が存在すると判断される。これらのシナリオのいずれかには、コンテキスト精緻化(932)が後続する。例示的な実施形態では、コンテキスト精緻化(932)は、ヒューマンインザループを活用して、チャットボットインターフェースを介してユーザと介入及び通信する。したがって、本明細書において図示及び説明されているように、確認プロセスは、異なる収集メカニズムから返されるコンテキスト値の一貫性を解析することによって収集されたコンテキストの異なる形式を交差検証する。
【0067】
図10を参照すると、ブロック図(1000)は、問題精緻化を実証する例示の動的チャットボットインタラクションを示すために提供される。初期導入テキストが(1010)において示されている。この例では、導入対話は、情報技術(IT)テクニカルサポート及びサポートされる態様を識別する。導入テキスト(1010)には、受信者への、機械シリアルナンバーを入力又は別様に提供するためのリクエストが後続する(1012)。提供されたシリアルナンバー(1014)を使用して、チャットボットは、ドメインコンテキストモデルを活用し、対応する機械ブランド(1016)及び保証インジケーション(1016)を含む製品情報(1016)を識別する。一実施形態では、APIは、機械ブランドを識別するために活用される。問題のコンテキストを更に識別するために、対話は、装置(1018)のためのケース番号のエントリをリクエストするチャットボットテキストを有して示されており、これには、問題記述(1022)を要請するための受信者(1020)及びチャットボットテキストからのエントリが後続する。(1024)において、「バッテリが検出されない」を示す問題記述が示されている。対話の残りは、収集シーケンス及び対応する収集メカニズムを決定するために(350)において示されているランタイムコンポーネントを活用する。識別されたコンテキストタイプを使用して、チャットボットは、バッテリが堅固に係止されているか否かを識別するための質問をユーザに提示する(1026)。一実施形態では、提示された質問は、図6A及び図6Bにおいて図示及び説明されたように、収集シーケンス決定から識別される。この例では、バッテリ係止がエラーの根拠ではないことが示され(1028)、後続の質問は、チャットボットプラットフォームを介してユーザに提示される(1030)。一実施形態では、(1030)における後続の質問は、収集シーケンスにおける次の質問からのものである。したがって、この例示の対話は、1つ又は複数の収集メカニズムの利用を介して問題の動的精緻化を実証する。
【0068】
図11を参照すると、ブロック図(1100)は、問題精緻化を実証する動的チャットボットインタラクションの別の例を示すために提供される。初期導入テキストが(1110)において示されている。この例では、導入対話は、テクニカルサポート及びサポートされる態様を識別する。導入テキスト(1110)には、受信者への、機械シリアルナンバー(1112)を入力又は別様に提供するためのリクエストが後続する。提供されたシリアルナンバー(1114)を使用して、チャットボットは、ドメインコンテキストモデルを活用し、シリアルナンバーが認識されていないことを識別するか又は示す(1116)。一実施形態では、APIは、機械シリアルナンバーを識別するために活用される。問題のコンテキストを更に識別するために、対話は、装置(1118)のためのケース番号のエントリをリクエストするチャットボットテキストを有して示されており、これには、問題記述(1122)を要請するための受信者(1120)及びチャットボットテキストからのエントリが後続する。(1124)において、「電力なし」を示す問題記述が示されている。対話の残りは、収集シーケンス及び収集メカニズムを決定するために(350)において示されているランタイムコンポーネントを活用する。識別されたコンテキストタイプを使用して、チャットボットは、装置ブランドを識別するための質問をユーザに提示する(1126)。一実施形態では、提示された質問は、図6A及び図6Bにおいて図示及び説明されたように、収集シーケンス決定から識別される。この例では、段階(1126)において提示される質問は、(1126)、(1126)、(1126)、及び(1126)の4つの選択肢として示されている多項選択である。一実施形態では、提示される質問は、異なる量の選択肢を含むか、又は一実施形態では1つのみの選択肢を提示してよい。ユーザ選択は、口頭の発話(1128)、例えば、この例では装置ブランドの選択を有する選択肢(1126)として示されている。ブランド選択を使用して、シーケンスにおける次の収集メカニズムが識別される。この例では、次の収集メカニズムは、(1130)において示されており、本明細書において潜在的なエラーコードとして示されている。段階(1126)と同様に、次の収集メカニズム(1130)は、多項選択(1130)及び(1130)として提示される。この例における選択は、(1130)として(1132)において示され、これには、この例ではユーザが選択することができる症状(1134)、(1134)、及び(1134)のセットからの適切な症状の第3の選択肢を対象とする症状(1134)を確認するリクエストが後続する。
【0069】
図1図11において図示及び説明されたように、コンテキストモデルは、コンテキスト収集シーケンス及び1つ又は複数の対応する収集メカニズムを動的に把握してコンテキストを収集するとともに、既知の問題の範囲を提示された問題に関係付けられたものとして更に狭め、より具体的には、問題解決を高めるために収集される必要があるものを識別するために活用される。収集マネージャ(152)及びディレクタ(154)によってサポートされ、かつ図8の(A)及び図8の(B)において図示及び説明されるような学習態様は、提示された又は識別された問題の解決を達成するための質問の提示を最小化する、すなわち、チャットボット対話の最小化のために収集メカニズム選択及び適用を動的に最適化する。
【0070】
本明細書において図示及び説明される実施形態は、対話システム及び対応する自動化仮想エージェントの性能を強化するためのインテリジェントコンピュータプラットフォームとの使用のためのコンピュータシステムの形式であってよい。ツール(152)、(154)、(156)、及び(158)及びそれらの関連付けられた機能の態様は、単一のロケーションのコンピュータシステム/サーバにおいて具現化されてもよいし、又は一実施形態では、コンピューティングリソースを共有するクラウドベースシステムにおいて構成されてもよい。図12を参照すると、図1図11に関して上記で説明されたシステム、ツール、及びプロセスを実装するための、以降クラウドベースサポートシステム(1210)と通信するホスト(1202)と称される、コンピュータシステム/サーバ(1202)の一例を示すブロック図(1200)が提供される。一実施形態では、ホスト(1202)は、クラウドコンピューティング環境のノードである。ホスト(1202)は、多数の他の汎用又は専用コンピューティングシステム環境又は構成とともに動作可能である。ホスト(1202)との使用に適し得る周知のコンピューティングシステム、環境若しくは構成、又はその組み合わせの例としては、パーソナルコンピュータシステム、サーバコンピュータシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、セットトップボックス、プログラマブルコンシューマエレクトロニクス、ネットワークPC、ミニコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、及び上記システム、デバイス及びこれらの均等物のうちの任意のものを含むファイルシステム(例えば、分散記憶環境及び分散クラウドコンピューティング環境)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
ホスト(1202)は、コンピュータシステムによって実行される、プログラムモジュール等のコンピュータシステム実行可能命令の一般的文脈において説明され得る。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、ロジック、データ構造等を含み得る。ホスト(1202)は、分散クラウドコンピューティング環境において実施されてよく、ここで、タスクは、通信ネットワークを通してリンクされているリモート処理デバイスによって実行される。分散クラウドコンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶デバイスを含むローカルコンピュータシステム記憶媒体及びリモートコンピュータシステム記憶媒体の両方に位置し得る。
【0072】
図12において示されているように、ホスト(1202)は、汎用コンピューティングデバイスの形式において示されている。ホスト(1202)のコンポーネントは、1つ又は複数のプロセッサ又は処理ユニット(1204)、例えば、ハードウェアプロセッサ、システムメモリ(1206)、及びシステムメモリ(1206)を含む様々なシステムコンポーネントをプロセッサ(1204)に結合するバス(1208)を含んでよいが、これらに限定されない。バス(1208)は、メモリバス又はメモリコントローラ、ペリフェラルバス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、及び多様なバスアーキテクチャのうちの任意のものを使用するプロセッサ又はローカルバスを含む、任意の幾つかのタイプのバス構造のうちの1つ又は複数を表す。限定ではなく例示として、そのようなアーキテクチャは、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、拡張ISA(EISA)バス、ビデオエレクトロニクススタンダードアソシエーション(VESA)ローカルバス、及びペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バスを含む。ホスト(1202)は、典型的には、多様なコンピュータシステム可読媒体を含む。そのような媒体は、ホスト(1202)によってアクセス可能である任意の利用可能な媒体であってよく、それは、揮発性及び不揮発性の両方の媒体、取り外し可能及び取り外し不能媒体を含む。
【0073】
システムメモリ(1206)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)(1230)若しくはキャッシュメモリ(1232)又はその両方等の揮発性メモリの形式のコンピュータシステム可読媒体を含むことができる。単に例示として、記憶システム(1234)が、取り外し不能不揮発性磁気媒体(図示せず、典型的には"ハードドライブ"と呼ばれる)との間で読み出し及び書き込みを行うために提供され得る。示されていないが、取り外し可能不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピーディスク」)との間で読み出し及び書き込みを行うための磁気ディスクドライブ、及びCD-ROM、DVD-ROM又は他の光学媒体等の取り外し可能不揮発性光ディスクとの間で読み出し又は書き込みを行うための光ディスクドライブが提供され得る。そのような場合、各々が1つ又は複数のデータ媒体インターフェースによってバス(1208)に接続され得る。
【0074】
プログラムモジュール(1242)のセット(少なくとも1つ)を有するプログラム/ユーティリティ(1240)、並びにオペレーティングシステム、1つ又は複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、及びプログラムデータが、限定ではなく例示として、システムメモリ(1206)内に記憶されてよい。オペレーティングシステム、1つ又は複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、及びプログラムデータの各々、又はこれらの何らかの組み合わせは、ネットワーキング環境の実装を含んでよい。プログラムモジュール(1242)は、概して、リクエスト及びアクション記述を動的に解釈及び理解し、対応する領域知識を有効に拡張する実施形態の機能若しくは方法論又はその両方を実行する。例えば、プログラムモジュール(1242)のセットは、図1において示されたように、ツール(152)、(154)、(156)、及び(158)を含んでよい。
【0075】
また、ホスト(1202)は、キーボード、ポインティングデバイス等のような1つ又は複数の外部デバイス(1214);ディスプレイ(1224);ユーザがホスト(1202)とインタラクトすることを可能にする1つ又は複数のデバイス;若しくはホスト(1202)が1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(例えば、ネットワークカード、モデム等)、又はその組み合わせと通信してよい。そのような通信は、入力/出力(I/O)インターフェース(1222)を介して行うことができる。さらにまた、ホスト(1202)は、ネットワークアダプタ(1220)を介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)、一般的ワイドエリアネットワーク(WAN)若しくはパブリックネットワーク(例えば、インターネット)又はその組み合わせ等の1つ又は複数のネットワークと通信することができる。示されているように、ネットワークアダプタ(1220)は、バス(1208)を介してホスト(1202)の他のコンポーネントと通信する。一実施形態では、分散ファイルシステム(図示せず)の複数のノードは、I/Oインターフェース(1222)を介して、又はネットワークアダプタ(1220)を介して、ホスト(1202)と通信する。示されていないが、他のハードウェア若しくはソフトウェアコンポーネント又はその両方を、ホスト(1202)と併せて使用することができることが理解されるべきである。例としては:マイクロコード、デバイスドライバ、冗長処理ユニット、外部ディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライブ、及びデータアーカイバル記憶システム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0076】
この文書において、「コンピュータプログラム媒体」、「コンピュータ使用可能媒体」、及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、概して、RAM(1230)、キャッシュ(1232)、及び取り外し可能記憶ドライブ及びハードディスクドライブに設置されたハードディスク等の記憶システム(1234)を含むメインメモリ(1206)等の媒体を指すように使用される。
【0077】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)は、メモリ(1206)に記憶される。コンピュータプログラムは、ネットワークアダプタ(1220)等の通信インターフェースを介して受信されてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、実行時、コンピュータシステムが、本明細書において論述されるような本実施形態の機能を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行時、処理ユニット(1204)が、コンピュータシステムの機能を実行することを可能にする。したがって、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステムのコントローラを表す。
【0078】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持及び記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は前述のものの任意の適した組み合わせであってよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、次のもの:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ダイナミック又はスタティックランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、磁気記憶デバイス、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、機械的にエンコードされたデバイス、例えば、パンチカード又は命令を記録した溝内の隆起構造、及び前述したものの任意の適した組み合わせを含む。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書において使用される場合、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波路又は他の送信媒体を通して伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通して送信される電気信号等の一時的信号それ自体とは解釈されるべきではない。
【0079】
本明細書において説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、それぞれのコンピューティング/処理デバイスに、或いは、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク若しくは無線ネットワーク、又はその組み合わせを介して、外部コンピュータ又は外部記憶デバイスに、ダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ若しくはエッジサーバ、又はその組み合わせを含んでよい。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、当該コンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために転送する。
【0080】
本実施形態の動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード若しくはオブジェクトコードのいずれかであってよく、1つ又は複数のプログラミング言語は、Java(登録商標)、Smalltalk(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来的な手続き型プログラミング言語とを含む。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で完全に実行されてもよいし、スタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に実行されてもよいし、部分的にユーザのコンピュータ上で、かつ、部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよいし、又は、リモートコンピュータ又はサーバ又はサーバのクラスタ上で完全に実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてもよいし、その接続が、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行われてもよい。幾つかの実施形態では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路は、実施形態の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行して、電子回路をパーソナライズしてよい。
【0081】
本明細書において説明される機能ツールは、マネージャとしてラベル付けされている。マネージャは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス等のようなプログラマブルハードウェアデバイスにおいて実装されてよい。マネージャは、様々なタイプのプロセッサによって処理のためのソフトウェアにおいて実装されてもよい。実行可能コードの識別されたマネージャは、例えば、コンピュータ命令の1つ又は複数の物理的又は論理ブロックを含んでよく、当該コンピュータ命令は、例えば、オブジェクト、手順、機能、又は他の構築物として編成され得る。それにもかかわらず、識別されたマネージャの実行ファイルは、物理的にともに位置する必要はなく、論理的にともに結合されると、マネージャを含み、マネージャの述べられた目的を達成する、異なるロケーションにおいて記憶される異種の命令を含んでよい。
【0082】
実際、実行可能コードのマネージャは、単一の命令、又は多くの命令とすることができ、さらには、異なるアプリケーションの中から幾つかの異なるコードセグメントにわたって、かつ幾つかのメモリデバイスにわたって分散されてよい。同様に、動作データは、本明細書においてマネージャ内で識別及び図示されてよく、任意の適した形式において具現化され、任意の適したタイプのデータ構造内で編成されてよい。動作データは、単一のデータセットとして収集されてもよいし、又は異なる記憶デバイスを含む異なるロケーションにわたって分散されてよく、少なくとも部分的に、システム又はネットワーク上の電子信号として存在してよい。
【0083】
ここで図13を参照すると、例示的なクラウドコンピューティングネットワーク(1300)が示されている。示されているように、クラウドコンピューティングネットワーク(1300)は、クラウド消費者によって使用されるローカルコンピューティングデバイスが通信し得る、1つ又は複数のクラウドコンピューティングノード(1310)を有するクラウドコンピューティング環境(1350)を備える。これらのローカルコンピューティングデバイスの例としては、携帯情報端末(PDA)又は携帯電話(1354A)、デスクトップコンピュータ(1354B)、ラップトップコンピュータ(1354C)若しくは自動車コンピュータシステム(1354N)、又はその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ノード(1310)内の個々のノードは、更に互いに通信してよい。ノードは、本明細書の上記で説明されたようなプライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、又はハイブリッドクラウド、又はこれらの組み合わせ等の、1つ又は複数のネットワークにおいて物理的に又は仮想的にグループ化されてよい(図示せず)。これにより、クラウドコンピューティング環境(1300)は、インフラストラクチャ、プラットフォーム、若しくはソフトウェア、又はその組み合わせを、クラウド消費者がそのためにローカルコンピューティングデバイス上にリソースを維持する必要がないサービスとして提供することが可能になる。図13において示されているコンピューティングデバイス(1354A~N)のタイプは、単に例示を意図し、クラウドコンピューティング環境(1350)は、任意のタイプのネットワーク、若しくはネットワークアドレス指定可能接続(例えば、ウェブブラウザを使用して)、又はその両方を介して、任意のタイプのコンピュータ化デバイスと通信することができることが理解される。
【0084】
ここで図14を参照すると、図13のクラウドコンピューティングネットワークによって提供される機能抽象化層(1400)のセットが示されている。図14において示されているコンポーネント、層、及び機能は、単に例示を意図するものであり、実施形態がそれらに限定されないことが事前に理解されるべきである。示されているように、次の層及び対応する機能:ハードウェア及びソフトウェア層(1410)、仮想化層(1420)、管理層(1430)、及びワークロード層(1440)が提供される。
【0085】
ハードウェア及びソフトウェア層(1410)は、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを備える。ハードウェアコンポーネントの例としては、メインフレーム、1つの例ではIBM(登録商標)zSeries(登録商標)システム;RISC(縮小命令セットコンピュータ)アーキテクチャベースサーバ、1つの例ではIBM pSeries(登録商標)システム;IBM xSeries(登録商標)システム;IBM BladeCenter(登録商標)システム;記憶デバイス;ネットワーク及びネットワーキングコンポーネントが挙げられる。ソフトウェアコンポーネントの例としては、ネットワークアプリケーションサーバソフトウェア、1つの例ではIBM WebSphere(登録商標)アプリケーションサーバソフトウェア;及びデータベースソフトウェア、1つの例ではIBM DB2(登録商標)データベースソフトウェアが挙げられる。(IBM、zSeries、pSeries、xSeries、BladeCenter、WebSphere、及びDB2は、世界中の多くの法域で登録されている、International Business Machines Corporationの商標である)。
【0086】
仮想化層(1420)は、仮想エンティティの次の例:仮想サーバ;仮想ストレージ;仮想プライベートネットワークを含む仮想ネットワーク;仮想アプリケーション及びオペレーティングシステム;及び仮想クライアントが提供され得る抽象化層を提供する。
【0087】
一例では、管理層(1430)は、次の機能:リソースプロビジョニング、計測及び価格設定、ユーザポータル、サービス水準管理、及びSLA計画及び履行を提供してよい。リソースプロビジョニングは、クラウドコンピューティング環境内でタスクを実行するために利用されるコンピューティングリソース及び他のリソースの動的な調達を提供する。計測及び価格設定は、リソースがクラウドコンピューティング環境内で利用されるときのコスト追跡、及び、これらのリソースの消費に対する課金又はインボイス作成を提供する。1つの例では、これらのリソースは、アプリケーションソフトウェアライセンスを含んでよい。セキュリティは、クラウド消費者及びタスクに対する識別情報検証、並びに、データ及び他のリソースに対する保護を提供する。ユーザポータルは、消費者及びシステムアドミニストレータに対してクラウドコンピューティング環境へのアクセスを提供する。サービス水準管理は、要求されるサービス水準が満たされるように、クラウドコンピューティングリソース割り当て及び管理を提供する。サービス水準合意(SLA)計画及び履行は、将来の要件がSLAに従って予期されるクラウドコンピューティングリソースの事前の取り決め及び調達を提供する。
【0088】
ワークロード層(1440)は、クラウドコンピューティング環境が利用され得る機能の例を提供する。この層から提供され得るワークロード及び機能の例としては:マッピング及びナビゲーション;ソフトウェア開発及びライフサイクル管理;仮想クラスルーム教育配信;データ解析処理;取引処理;及び仮想対話システム評価及び強化が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
本実施形態の特定の実施形態が図示及び説明されているが、当業者であれば、本明細書における教示に基づいて、実施形態及びそのより広範な態様から逸脱することなく変形及び修正が行われ得ることが明らかとなろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、実施形態の真の趣旨及び範囲内にある全てのそのような変形及び修正をその範囲内に包含する。さらに、実施形態は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解されたい。導入される請求項の要素の具体的な数が意図される場合、そのような意図は特許請求の範囲において明示的に列挙され、かつそのような列挙が存在しなければ、そのような限定は存在しないことが当業者によって理解されるであろう。非限定的な例のために、理解の一助として、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の要素を導入するための「少なくとも1つ(at least one)」及び「1つ又は複数(one or more)」という導入フレーズの使用を含む。しかしながら、そのようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の要素の導入が、そのような導入される請求項の要素を含む任意の特定の請求項を、そのような要素を1つのみ含む実施形態に限定するものであることを示唆するものとして解釈されるべきではない。これは、同じ請求項が、導入フレーズ「1つ又は複数」又は「少なくとも1つ」及び「a」又は「an」等の不定冠詞を含む場合であっても然りであり、同じことが、請求項内での定冠詞の使用についても当てはまる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」という用語は、いずれか又は両方(又は参照される用語又は表現の1つ又は任意の組み合わせ又は全て)を意味する。
【0090】
本実施形態は、システム、方法、若しくはコンピュータプログラム製品、又はその組み合わせであってよい。加えて、本実施形態の選択された態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又はソフトウェア若しくはハードウェア又はその両方の態様を組み合わせる実施形態の形式を取ってよく、これらは全て、本明細書において「回路」、「モジュール」又は「システム」と総称され得る。さらに、本実施形態の態様は、プロセッサに、本実施形態の態様を実行させるコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又は複数の媒体)において具現化されたコンピュータプログラム製品の形式を取ってよい。このように具現化されて、開示されるシステム、方法、若しくはコンピュータプログラム製品、又はその組み合わせは、仮想対話システム評価及び強化をサポートするために動作可能である。
【0091】
本実施形態の態様は、本明細書において、実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図若しくはブロック図又はその両方を参照して説明されている。フローチャート図若しくはブロック図、又はその両方の各ブロック、及び、フローチャート図若しくはブロック図、又はその両方のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装することができることが理解されよう。
【0092】
これらのコンピュータ可読プログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供して機械を生成してよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート若しくはブロック図、又はその両方の単数又は複数のブロックで指定された機能/動作を実装する手段を作成するようになる。また、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、当該命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置若しくは他のデバイス、又はその組み合わせに対し、特定の方式で機能するよう命令することができ、それにより、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート若しくはブロック図、又はその両方の単数又は複数のブロックで指定された機能/動作の態様を実装する命令を含む製品を含むようになる。
【0093】
また、コンピュータ可読プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスにロードして、一連の動作段階をコンピュータ、他のプログラマブル装置又は他のデバイス上で実行させ、コンピュータ実装プロセスを生成してもよく、それにより、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で実行される命令は、フローチャート若しくはブロック図、又はその両方の単数又は複数のブロックで指定された機能/動作を実装するようになる。
【0094】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本実施形態の様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。これに関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定される論理機能を実装する1つ又は複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、又は部分を表し得る。幾つかの代替的な実装では、ブロックに記載される機能が、図に記載される順序と異なる順序で行われてよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよいし、ブロックは、関与する機能に依存して逆の順序で実行される場合もあり得る。ブロック図若しくはフローチャート図、又はその両方の各ブロック、及びブロック図若しくはフローチャート図、又はその両方におけるブロックの組み合わせは、指定された機能若しくは動作を実行するか、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する専用ハードウェアベースシステムによって実装することができることにも留意されたい。
【0095】
本明細書において特定の実施形態が例示の目的で説明されているが、実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることを理解されたい。したがって、実施形態の保護の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14