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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161599
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】疑似刀剣及び疑似刀剣システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/02 20060101AFI20231031BHJP
   G01V 11/00 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
A63B69/02 G
G01V11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072005
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北田 宏明
(72)【発明者】
【氏名】木原 尚志
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB03
2G105BB09
2G105BB16
2G105DD02
2G105EE02
2G105FF02
2G105GG03
2G105HH04
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、突きをより正確に検知できる疑似刀剣を提供することである。
【解決手段】疑似刀剣は、X軸方向に延びている刀剣本体と、刀剣本体のX軸の負方向の端部に連結されているグリップ部と、刀剣本体のX軸の正方向の端部に設けられ、かつ、刀剣本体のX軸の正方向に物体が位置するか否かの判定に用いられる第1物体検知信号を出力する第1物体検知センサと、刀剣本体に設けられ、かつ、刀剣本体が変形したか否かの判定に用いられる変形検知信号を出力する変形検知センサと、を備えている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X軸方向に延びている刀剣本体と、
前記刀剣本体のX軸の負方向の端部に連結されているグリップ部と、
前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部に設けられ、かつ、前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置するか否かの判定に用いられる第1物体検知信号を出力する第1物体検知センサと、
前記刀剣本体に設けられ、かつ、前記刀剣本体が変形したか否かの判定に用いられる変形検知信号を出力する変形検知センサと、
を備えている、
疑似刀剣。
【請求項2】
前記刀剣本体は、
前記X軸方向に延びている筐体と、
前記筐体の前記X軸の正方向に連結されており、かつ、前記筐体より変形しやすい緩衝材と、
を含んでいる、
請求項1に記載の疑似刀剣。
【請求項3】
前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部には、前記X軸の負方向に窪む第1凹部が設けられており、
前記第1物体検知センサは、前記第1凹部に設けられている、
請求項2に記載の疑似刀剣。
【請求項4】
前記変形検知センサは、前記緩衝材に設けられており、かつ、前記緩衝材が変形したか否かの判定に用いられる前記変形検知信号を出力する、
請求項2又は請求項3に記載の疑似刀剣。
【請求項5】
前記変形検知センサは、前記筐体の前記X軸の正方向の端部に設けられており、
前記筐体には空洞が設けられており、
前記空洞は、前記X軸方向に見て、前記変形検知センサと重なっている、
請求項2又は請求項3に記載の疑似刀剣。
【請求項6】
前記疑似刀剣は、
前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部に設けられ、かつ、前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置するか否かの判定に用いられる第2物体検知信号を出力する第2物体検知センサを、
更に備えており、
前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部には、前記X軸の負方向に窪む第2凹部が設けられており、
前記第2物体検知センサは、前記第2凹部に設けられており、
前記第1凹部と前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の中心と前記第2凹部とは、前記X軸方向に見て、この順に第1直線上に並んでいる、
請求項3に記載の疑似刀剣。
【請求項7】
前記X軸方向に見て、前記第1物体検知センサから前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の外縁までの距離は、前記第1物体検知センサから前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の中心までの距離より短く、
前記X軸方向に見て、前記第2物体検知センサから前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の外縁までの距離は、前記第2物体検知センサから前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の中心までの距離より短い、
請求項6に記載の疑似刀剣。
【請求項8】
前記第1物体検知センサは、可動部を有さない、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の疑似刀剣。
【請求項9】
前記変形検知センサは、可動部を有さない、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の疑似刀剣。
【請求項10】
前記疑似刀剣は、
判定装置を、
更に備えており、
前記判定装置は、前記第1物体検知信号に基づいて前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置すると判定し、かつ、前記変形検知信号に基づいて前記刀剣本体が変形したと判定した場合には、前記疑似刀剣による突きが発生したと判定する、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の疑似刀剣。
【請求項11】
前記判定装置は、前記第1物体検知信号に基づいて前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置しないと判定した場合、又は、前記変形検知信号に基づいて前記刀剣本体が変形しないと判定した場合には、前記疑似刀剣による突きが発生しなかったと判定する、
請求項10に記載の疑似刀剣。
【請求項12】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の前記疑似刀剣と、
判定装置と、
備えており、
前記判定装置は、前記第1物体検知信号に基づいて前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置すると判定し、かつ、前記変形検知信号に基づいて前記刀剣本体が変形したと判定した場合には、前記疑似刀剣による突きが発生したと判定する、
疑似刀剣システム。
【請求項13】
前記判定装置は、前記第1物体検知信号に基づいて前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置しないと判定した場合、又は、前記変形検知信号に基づいて前記刀剣本体が変形しないと判定した場合には、前記疑似刀剣による突きが発生しなかったと判定する、
請求項12に記載の疑似刀剣システム。
【請求項14】
X軸方向に延びている刀剣本体と、
前記刀剣本体のX軸の負方向の端部に連結されているグリップ部と、
前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部に設けられ、かつ、前記刀剣本体の前記X軸の正方向に端部が物体に接触したか否かの判定に用いられる物体検知信号を出力する複数の物体検知センサと、
を備えており、
前記X軸方向に見て、前記複数の物体検知センサから前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部の外縁までの距離のそれぞれは、前記複数の物体検知センサから前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部の中心までの距離より短い、
疑似刀剣。
【請求項15】
前記複数の物体検知センサの重心は、前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部の中心と一致する、
請求項14に記載の疑似刀剣。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疑似刀剣及び疑似刀剣システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の疑似刀剣に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のフェンシング用具が知られている。このフェンシング用具は、刀身部分及びトゥシュ検出器を備えている。トゥシュ検出器は、刀身部分の先端に設けられている。トゥシュ検出器は、相手の身体に対して刀身部分が衝突したことを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭64-86988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のフェンシング用具において、突きをより正確に検知したいとういう要望がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、突きをより正確に検知できる疑似刀剣及び疑似刀剣システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る疑似刀剣は、
X軸方向に延びている刀剣本体と、
前記刀剣本体のX軸の負方向の端部に連結されているグリップ部と、
前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部に設けられ、かつ、前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置するか否かの判定に用いられる第1物体検知信号を出力する第1物体検知センサと、
前記刀剣本体に設けられ、かつ、前記刀剣本体が変形したか否かの判定に用いられる変形検知信号を出力する変形検知センサと、
を備えている。
【0007】
本発明の一形態に係る疑似刀剣は、
X軸方向に延びている刀剣本体と、
前記刀剣本体のX軸の負方向の端部に連結されているグリップ部と、
前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部に設けられ、かつ、前記刀剣本体の前記X軸の正方向に端部が物体に接触したか否かの判定に用いられる物体検知信号を出力する複数の物体検知センサと、
を備えており、
前記X軸方向に見て、前記複数の物体検知センサから前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部の外縁までの距離のそれぞれは、前記複数の物体検知センサから前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部の中心までの距離より短い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、突きをより正確に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、疑似刀剣10の模式図である。
図2図2は、疑似刀剣10の断面図である。
図3図3は、疑似刀剣10の断面図である。
図4図4は、判定装置20が実行するフローチャートである。
図5図5は、疑似刀剣10aの断面図である。
図6図6は、疑似刀剣10bの断面図である。
図7図7は、疑似刀剣10cの断面図である。
図8図8は、疑似刀剣10cのX軸の正方向の端部をX軸方向に見た図である。
図9図9は、疑似刀剣システム1のブロック図である。
図10図10は、疑似刀剣10eの断面図である。
図11図11は、疑似刀剣10fのX軸の正方向の端部をX軸方向に見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
[疑似刀剣10の構造]
以下に、本発明の第1実施形態に係る疑似刀剣10の構造について説明する。図1は、疑似刀剣10の模式図である。図2及び図3は、疑似刀剣10の断面図である。図2及び図3では、X軸に平行な断面を示した。X軸は、刀剣本体11が延びる方向である。
【0011】
疑似刀剣10は、例えば、刀剣のおもちゃである。疑似刀剣10は、図1及び図2に示すように、刀剣本体11、グリップ部13、判定装置20、第1物体検知センサ22及び変形検知センサ24を備えている。
【0012】
刀剣本体11は、X軸方向に延びている。刀剣本体11は、緩衝材12及び筐体14を含んでいる。筐体14は、X軸方向に延びている。筐体14の材料は、例えば、樹脂や金属等の硬い材料である。
【0013】
緩衝材12は、筐体14のX軸の正方向に連結されている。緩衝材12は、筐体14のX軸の正方向の端部を覆っている。緩衝材12は、刀剣本体11のX軸の正方向の端部である。緩衝材12のX軸方向の長さは、筐体14のX軸方向の長さより短い。緩衝材12は、筐体14より変形しやすい。緩衝材12の材料は、例えば、スポンジなどの多孔質材料である。緩衝材12の材料のヤング率は、筐体14の材料のヤング率より小さい。
【0014】
グリップ部13は、刀剣本体11のX軸の負方向の端部に連結されている。グリップ部13は、ユーザにより保持される。
【0015】
第1物体検知センサ22は、刀剣本体11のX軸の正方向の端部に設けられている。本実施形態では、第1物体検知センサ22は、緩衝材12に設けられている。緩衝材12のX軸の正方向の端部には、X軸の負方向に窪む第1凹部G1が設けられている。第1物体検知センサ22は、第1凹部G1に設けられている。第1物体検知センサ22は、第1凹部G1の底面に位置している。これにより、第1物体検知センサ22は、刀剣本体11のX軸の正方向の端から5mm以上離れている。また、第1物体検知センサ22は、X軸方向に見て、刀剣本体11のX軸の正方向の端部の中央に位置している。
【0016】
第1物体検知センサ22は、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置するか否かの判定に用いられる第1物体検知信号Sig1を出力する。より詳細には、第1物体検知センサ22は、赤外線センサである。従って、第1物体検知センサ22は、可動部を有さない。第1物体検知センサ22は、赤外線発光部及び赤外線受光部を有している。赤外線発光部は、例えば、赤外線LEDである。赤外線受光部は、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタである。赤外線発光部は、図2に示すようにX軸の正方向に向かって赤外線を放射する。図2では、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置していない。従って、赤外線は、X軸の正方向に進行する。その結果、赤外線受光部は、赤外線を受光しない。この場合、第1物体検知信号Sig1は、第1基準電位を有している。
【0017】
一方、図3では、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置している。従って、赤外線は、物体100においてX軸の負方向に反射する。その結果、赤外線受光部は、赤外線を受光する。赤外線受光部が受光する赤外線の強度は、第1物体検知センサ22と物体100との距離に依存する。より詳細には、赤外線受光部が受光する赤外線の強度は、第1物体検知センサ22と物体100との距離が短くなると、強くなる。第1物体検知信号Sig1は、赤外線受光部が受光する赤外線の強度に依存する電圧を有している。第1物体検知信号Sig1の電圧は、第1物体検知信号Sig1の電位と第1基準電位との差である。
【0018】
変形検知センサ24は、刀剣本体11に設けられている。変形検知センサ24は、刀剣本体11が変形したか否かの判定に用いられる変形検知信号Sig2を出力する。本実施形態では、変形検知センサ24は、緩衝材12に設けられている。変形検知センサ24は、緩衝材12に埋め込まれている。そして、変形検知センサ24は、緩衝材12が変形したか否かの判定に用いられる変形検知信号Sig2を出力する。
【0019】
変形検知センサ24は、圧電センサである。圧電センサは、例えば、PVDFやPLLA等の圧電フィルムを含んでいる。図2に示すように、物体100が緩衝材12に接触していない状態では、緩衝材12に変形が発生していない。従って、変形検知信号Sig2は、第2基準電位を有している。
【0020】
一方、図3に示すように、物体100が緩衝材12に接触している状態では、緩衝材12がX軸方向に圧縮される。これにより、変形検知センサ24は、X軸方向に圧縮される。これにより、変形検知センサ24の圧電フィルムに分極が発生する。そして、変形検知センサ24は、変形検知センサ24のX軸方向の圧縮量に応じた大きさの電圧を有する変形検知信号Sig2を出力する。変形検知信号Sig2の電圧は、変形検知信号Sig2の電位と第2基準電位との差である。
【0021】
また、物体100が緩衝材12に接触している状態では、緩衝材12がX軸方向に圧縮されるが、一様に圧縮されない場合がある。この時、変形検知センサ24は、X軸方向に圧縮されるが、一様に圧縮されない。X軸方向の圧縮応力の分布により、X軸に垂直な平面方向に伸びや縮みが生じ、前記伸びや縮み量はX軸方向の圧縮量に比例する。このため、PLLAのような、X軸に垂直な平面方向の伸びや縮みにより分極が発生する圧電体であっても、変形検知信号Sig2を出力することができる。
【0022】
判定装置20は、第1物体検知信号Sig1及び変形検知信号Sig2に基づいて、疑似刀剣10による突きが発生したか否かを判定する。判定装置20は、例えば、CPU(Central Controll Unit)である。判定装置20は、例えば、グリップ部13に埋め込まれている。
【0023】
[判定装置20の動作]
以下に、判定装置20の動作について図面を参照しながら説明する。図4は、判定装置20が実行するフローチャートである。判定装置20は、図示しない記憶装置が記憶しているプログラムを実行することにより、フローチャートを実行する。
【0024】
本処理は、疑似刀剣10の電源が投入されることにより開始される。判定装置20は、第1物体検知信号Sig1及び変形検知信号Sig2を取得する(ステップS1)。
【0025】
次に、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1に基づいて、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置するか否かを判定する(ステップS1)。より詳細には、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧が第1所定電圧より大きくなったか否かを判定する。第1所定電圧は、物体100が刀剣本体11のX軸の正方向の端に接触するときの第1物体検知信号Sig1の電圧に設定される。また、第1所定電圧は、物体100が刀剣本体11のX軸の正方向の端に接触するときの第1物体検知信号Sig1の電圧より僅かに高い値に設定されてもよい。これにより、判定装置20は、第1物体検知センサ22のX軸の正方向の近くに物体100が位置しているか否かを判定する。より正確には、判定装置20は、第1物体検知センサ22のX軸の正方向に位置する物体100が刀剣本体11に接触しているか否かを判定する。物体100が位置する場合、本処理はステップS3に進む。物体100が位置しない場合、本処理はステップS4に進む。
【0026】
物体100が位置する場合、判定装置20は、変形検知信号Sig2に基づいて、刀剣本体11が変形したか否かを判定する(ステップS3)。より詳細には、判定装置20は、変形検知信号Sig2の電圧が第2所定電圧より高くなったか否かを判定する。第2所定電圧は、突きにより刀剣本体11に変形が発生しているときの変形検知信号Sig2の電圧に設定される。刀剣本体11が変形した場合、本処理はステップS3に進む。刀剣本体11が変形しない場合、本処理はステップS4に進む。
【0027】
刀剣本体11が変形した場合、判定装置20は、疑似刀剣10による突きが発生したと判定する。このように、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1に基づいて刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置すると判定し、かつ、変形検知信号Sig2に基づいて刀剣本体11が変形したと判定した場合には、疑似刀剣10による突きが発生したと判定する。本実施形態では、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1に基づいて刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が接触したと判定し、かつ、変形検知信号Sig2に基づいて刀剣本体11に十分な荷重が加わったと判定した場合には、疑似刀剣10による突きが発生したと判定する。この後、本処理は終了する。
【0028】
ステップS4において、判定装置20は、疑似刀剣10による突きが発生しなかったと判定する。このように、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1に基づいて刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置しないと判定した場合、又は、変形検知信号Sig2に基づいて刀剣本体11が変形しなかったと判定した場合には、疑似刀剣10による突きが発生しなかったと判定する。この後、本処理は、ステップS1に戻る。
【0029】
[効果]
疑似刀剣10によれば、突きをより正確に検知できる。より詳細には、疑似刀剣10の突きは、疑似刀剣10のX軸の正方向の端部が疑似刀剣10のX軸の正方向に位置する物体100に接触することにより、発生する。そのため、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置すること、及び、刀剣本体11が変形することが、疑似刀剣10の突きの発生の条件である。そこで、第1物体検知センサ22は、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置するか否かの判定に用いられる第1物体検知信号Sig1を出力する。変形検知センサ24は、刀剣本体11が変形したか否かの判定に用いられる変形検知信号Sig2を出力する。これにより、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1及び変形検知信号Sig2に基づいて、疑似刀剣10による突きの発生を判定できる。そして、疑似刀剣10によれば、以下に説明するように、判定装置20による誤判定が抑制される。
【0030】
判定装置20は、物体100がX軸に対して斜め方向から疑似刀剣10に接触したときに、疑似刀剣10による突きが発生したと誤判定しない。より詳細には、物体100がX軸に対して斜め方向から疑似刀剣10に接触したときには、物体100は、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置しない。そのため、第1物体検知信号Sig1は、第1所定電圧より低い電圧を有する。その結果、判定装置20は、変形検知信号Sig2の電圧が第2所定電圧より高くても、疑似刀剣10による突きが発生しなかったと判定する。よって、疑似刀剣10では、誤判定の発生が抑制される。
【0031】
また、第1物体検知センサ22は、刀剣本体11のX軸の正方向の端から5mm以上離れている。これにより、疑似刀剣10による突きが発生したときに、第1物体検知センサ22が物体100に接触することが抑制される。
【0032】
また、第1物体検知センサ22は、可動部を有さない。これにより、疑似刀剣10による突きが発生したときに、物体100が第1物体検知センサ22に接触することにより、第1物体検知センサ22が破損することが抑制される。
【0033】
また、第1物体検知センサ22は、第1凹部G1に設けられている。これにより、疑似刀剣10による突きが発生したときに、第1物体検知センサ22が物体100に接触することが抑制される。よって、疑似刀剣10による突きが発生したときに、第1物体検知センサ22の姿勢が衝撃によって変化することが抑制される。その結果、疑似刀剣10では、判定装置20による誤判定が抑制される。
【0034】
また、変形検知センサ24は、可動部を有さないことが好ましい。これにより、疑似刀剣10による突きが発生したときに、物体100が疑似刀剣10に接触することにより生じる、緩衝材12の変形によって、変形検知センサ24が破損することが抑制される。
【0035】
また、緩衝材12は、筐体14より変形しやすい。そこで、変形検知センサ24は、緩衝材12に設けられている。変形検知センサ24の変形量が大きくなる。そのため、変形検知信号Sig2の電圧が高くなる。よって、判定装置20は、疑似刀剣10による突きの発生を判定しやすくなる。
【0036】
また、刀剣本体11は、緩衝材12を含んでいる。そのため、ユーザは、防具を身につけなくてもよい。
【0037】
(第1変形例)
第1変形例に係る疑似刀剣10aについて図面を参照しながら説明する。図5は、疑似刀剣10aの断面図である。
【0038】
疑似刀剣10aは、変形検知センサ24が設けられている位置において疑似刀剣10と相違する。より詳細には、変形検知センサ24は、筐体14のX軸の正方向の端部に設けられている。これにより、変形検知センサ24は、筐体14が変形したか否かの判定に用いられる変形検知信号Sig2を出力する。このような変形検知センサ24は、歪ゲージである。歪ゲージは、ピエゾ抵抗素子を含んでいる。歪ゲージに力が加わると、歪量に応じて、歪ゲージの抵抗値が変化する。そして、判定装置20は、歪ゲージの抵抗値の変化量が所定値より大きくなった場合に、筐体14が変形したと判定する。なお、疑似刀剣10aのその他の構造は、疑似刀剣10と同じであるので説明を省略する。
【0039】
(第2変形例)
第2変形例に係る疑似刀剣10bについて図面を参照しながら説明する。図6は、疑似刀剣10bの断面図である。
【0040】
疑似刀剣10bは、筐体14には空洞Spが設けられている点において疑似刀剣10aと相違する。空洞Spは、X軸方向に見て、変形検知センサ24と重なっている。これにより、筐体14において変形検知センサ24が設けられている部分が変形しやすくなる。よって、変形検知センサ24の変形量が大きくなる。そのため、変形検知信号Sig2の電圧が高くなる。以上より、判定装置20は、疑似刀剣10bによる突きの発生を判定しやすくなる。疑似刀剣10bのその他の構造は、疑似刀剣10aと同じであるので説明を省略する。
【0041】
(第3変形例)
第3変形例に係る疑似刀剣10cについて図面を参照しながら説明する。図7は、疑似刀剣10cの断面図である。図8は、疑似刀剣10cのX軸の正方向の端部をX軸方向に見た図である。
【0042】
疑似刀剣10cは、第2物体検知センサ42を更に備えている点において疑似刀剣10と相違する。第2物体検知センサ42は、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置するか否かの判定に用いられる第2物体検知信号Sig3を出力する。そこで、第2物体検知センサ42は、刀剣本体11のX軸の正方向の端部に設けられている。より詳細には、緩衝材12のX軸の正方向の端部には、X軸の負方向に窪む第2凹部G2が設けられている。第2物体検知センサ42は、第2凹部G2に設けられている。
【0043】
ここで、第1凹部G1と緩衝材12のX軸の正方向の端部の中心Cと第2凹部G2とは、X軸方向に見て、この順に第1直線L1上に並んでいる。また、X軸方向に見て、第1物体検知センサ22から緩衝材12のX軸の正方向の端部の外縁Eまでの距離D1は、第1物体検知センサ22から緩衝材12のX軸の正方向の端部の中心Cまでの距離D2より短い。X軸方向に見て、第2物体検知センサ42から緩衝材12のX軸の正方向の端部の外縁Eまでの距離D3は、第2物体検知センサ42から緩衝材12のX軸の正方向の端部の中心Cまでの距離D4より短い。
【0044】
判定装置20は、第1物体検知センサ22の第1物体検知信号Sig1及び第2物体検知センサ42の第2物体検知信号Sig3に基づいて、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置するか否かを判定する。具体的には、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧及び第2物体検知信号Sig3の電圧が第1所定電圧より高くなった場合には、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置すると判定する。換言すれば、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧又は第2物体検知信号Sig3の電圧のいずれか一方のみが第1所定電圧より高くなった場合には、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置しないと判定する。疑似刀剣10cのその他の構造は、疑似刀剣10と同じであるので説明を省略する。
【0045】
疑似刀剣10cによれば、判定装置20による誤判定が抑制される。より詳細には、第1凹部G1と緩衝材12のX軸の正方向の端部の中心Cと第2凹部G2とは、X軸方向に見て、この順に第1直線L1上に並んでいる。第1物体検知センサ22は、第1凹部G1に設けられている。第2物体検知センサ42は、第2凹部G2に設けられている。この場合、物体100がX軸に対して斜め方向から疑似刀剣10に接触した場合、第1物体検知センサ22の第1物体検知信号Sig1の電圧のみ又は第2物体検知センサ42の第2物体検知信号Sig3の電圧のみが第1所定電圧より高くなる。この場合には、判定装置20は、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置しないと判定する。そして、判定装置20は、疑似刀剣10による突きが発生しなかったと判定する。その結果、疑似刀剣10cによれば、判定装置20による誤判定が抑制される。
【0046】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る疑似刀剣システム1について図面を参照しながら説明する。図9は、疑似刀剣システム1のブロック図である。
【0047】
疑似刀剣システム1は、疑似刀剣10d及び処理装置200を備えている。疑似刀剣10dは、判定装置20の代わりに通信装置60を備えている点において疑似刀剣10と相違する。通信装置60は、第1物体検知信号Sig1及び変形検知信号Sig2を処理装置200へ送信する。疑似刀剣10dのその他の構造は、疑似刀剣10と同じであるので説明を省略する。
【0048】
処理装置200は、例えば、ゲーム機やパーソナルコンピュータ等である。処理装置200は、判定装置202及び通信装置204を備えている。通信装置204は、通信装置60から送信されてきた第1物体検知信号Sig1及び変形検知信号Sig2を受信する。判定装置202は、第1物体検知信号Sig1及び変形検知信号Sig2に基づいて、疑似刀剣10による突きが発生したか否かを判定する。判定装置202が行う動作は、判定装置20が行う動作と同じであるので説明を省略する。
【0049】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る疑似刀剣10eについて図面を参照しながら説明する。図10は、疑似刀剣10eの断面図である。疑似刀剣10eのX軸の正方向の端部をX軸方向に見た図については、図8を援用する。
【0050】
疑似刀剣10eは、変形検知センサ24を備えていない点において疑似刀剣10cと相違する。すなわち、疑似刀剣10eは、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42(複数の物体検知センサ)を備えている。
【0051】
第1物体検知センサ22は、刀剣本体11のX軸の正方向に端部が物体100に接触したか否かの判定に用いられる第1物体検知信号Sig1を出力する。第2物体検知センサ42は、刀剣本体11のX軸の正方向に端部が物体100に接触したか否かの判定に用いられる第2物体検知信号Sig3を出力する。
【0052】
第1凹部G1と緩衝材12のX軸の正方向の端部の中心Cと第2凹部G2とは、X軸方向に見て、この順に第1直線L1上に並んでいる。また、X軸方向に見て、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42(複数の物体検知センサ)から刀剣本体11のX軸の正方向の端部の外縁Eまでの距離D1,D3のそれぞれは、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42(複数の物体検知センサ)から刀剣本体11のX軸の正方向の端部の中心Cまでの距離D2,D4より短い。そして、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42の重心は、刀剣本体11のX軸の正方向の端部の中心Cと一致している。
【0053】
判定装置20は、第1物体検知センサ22の第1物体検知信号Sig1及び第2物体検知センサ42の第2物体検知信号Sig3に基づいて、刀剣本体11のX軸の正方向の端部が物体に接触したか否かを判定する。すなわち、判定装置20は、第1物体検知センサ22の第1物体検知信号Sig1及び第2物体検知センサ42の第2物体検知信号Sig3に基づいて、疑似刀剣10eによる突きが発生したか否かを判定する。
【0054】
具体的には、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧及び第2物体検知信号Sig3の電圧が第1所定電圧より高くなった場合には、刀剣本体11のX軸の正方向の端部が物体100に接触したと判定する。この場合、判定装置20は、疑似刀剣10eによる突きが発生したと判定する。
【0055】
一方、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧又は第2物体検知信号Sig3の電圧のいずれか一方のみが第1所定電圧より高くなった場合には、刀剣本体11のX軸の正方向に端部が物体100に接触しなかったと判定する。また、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧及び第2物体検知信号Sig3の電圧の両方が第1所定電圧より高くない場合にも、刀剣本体11のX軸の正方向に端部が物体100に接触しなかったと判定する。この場合、判定装置20は、疑似刀剣10eによる突きが発生しなかったと判定する。疑似刀剣10eのその他の構造は、疑似刀剣10cと同じであるので説明を省略する。
【0056】
疑似刀剣10eによれば、突きをより正確に判定できる。より詳細には、第1物体検知センサ22は、X軸方向に見て、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42(複数の物体検知センサ)から刀剣本体11のX軸の正方向の端部の外縁Eまでの距離D1,D3のそれぞれは、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42(複数の物体検知センサ)から刀剣本体11のX軸の正方向の端部の中心Cまでの距離D2,D4より短い。このように、疑似刀剣10cでは、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42は、刀剣本体11のX軸の正方向の外縁E近傍に位置している。これにより、物体100がX軸の正方向から疑似刀剣に接触した場合、第1物体検知信号Sig1の電圧及び第2物体検知信号Sig3の電圧の両方が第1所定電圧より高くなる。この場合、判定装置20は、疑似刀剣10eによる突きが発生したと判定する。一方、物体100がX軸の正方向に対して斜め方向から疑似刀剣に接触した場合、第1物体検知信号Sig1の電圧又は第2物体検知信号Sig3の電圧のいずれか一方のみが第1所定電圧より高くなる。この場合、判定装置20は、疑似刀剣10eによる突きが発生したと判定しない。このように、疑似刀剣10eによれば、突きをより正確に判定できる。
【0057】
(変形例)
以下に変形例に係る疑似刀剣10fについて図面を参照しながら説明する。図11は、疑似刀剣10fのX軸の正方向の端部をX軸方向に見た図である。
【0058】
疑似刀剣10fは、第3物体検知センサ62を更に備えている点において疑似刀剣10eと相違する。そして、第3物体検知センサ62の構造は、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42と同じであるので説明を省略する。また、第1物体検知センサ22、第2物体検知センサ42及び第3物体検知センサ62は、上下方向に見て、正三角形の頂点に位置している。これにより、第1物体検知センサ22、第2物体検知センサ42及び第3物体検知センサ62の重心は、緩衝材12のX軸の正方向の端部の中心Cと一致している。
【0059】
判定装置20は、第1物体検知センサ22の第1物体検知信号Sig1、第2物体検知センサ42の第2物体検知信号Sig3及び第3物体検知センサ62の第3物体検知信号Sig4に基づいて、刀剣本体11のX軸の正方向の端部が物体に接触したか否かを判定する。すなわち、判定装置20は、第1物体検知センサ22の第1物体検知信号Sig1、第2物体検知センサ42の第2物体検知信号Sig3及び第3物体検知センサ62の第3物体検知信号Sig4に基づいて、疑似刀剣10eによる突きが発生したか否かを判定する。
【0060】
具体的には、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧、第2物体検知信号Sig3の電圧及び第3物体検知信号Sig4の電圧が第1所定電圧より高くなった場合には、刀剣本体11のX軸の正方向の端部が物体100に接触したと判定する。この場合、判定装置20は、疑似刀剣10fによる突きが発生したと判定する。
【0061】
一方、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧、第2物体検知信号Sig3の電圧及び第3物体検知信号Sig4の電圧の内のいずれか1つ又は2つのみが第1所定電圧より高くなった場合には、刀剣本体11のX軸の正方向に端部が物体100に接触しなかったと判定する。また、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1の電圧、第2物体検知信号Sig3の電圧及び第3物体検知信号Sig4の電圧の全てが第1所定電圧より高くない場合にも、刀剣本体11のX軸の正方向に端部が物体100に接触しなかったと判定する。この場合、判定装置20は、疑似刀剣10fによる突きが発生しなかったと判定する。疑似刀剣10fのその他の構造は、疑似刀剣10eと同じであるので説明を省略する。
【0062】
(その他の実施形態)
本発明に係る疑似刀剣は、疑似刀剣10,10a~10fに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。また、疑似刀剣10,10a~10fの構造を任意に組み合わせてもよい。
【0063】
なお、第1物体検知センサ22は、照度センサであってもよい。刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置する場合、照度センサが検知する照度が低くなる。従って、第1物体検知信号Sig1の電圧が低下する。判定装置20は、この第1物体検知信号Sig1の電圧の低下を検知することにより、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置することを検知する。なお、第2物体検知センサ42も、照度センサであってもよい。
【0064】
なお、第1物体検知センサ22は、超音波センサであってもよい。この場合、第1物体検知センサ22のそれぞれは、超音波送信部、超音波受信部及び時間計測部を含んでいる。超音波送信部は、超音波をX軸の正方向に発生する。超音波受信部は、物体100において反射した超音波を受信する。時間計測部は、超音波発生部が超音波を発生してから超音波受信部が超音波を受信するまでの時間を計測する。そして、時間計測部は、この時間を第1物体検知信号Sig1として出力する。判定装置20は、この時間が所定時間より短い場合には、刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置すると判定する。なお、第2物体検知センサ42も、超音波センサであってもよい。
【0065】
なお、第1物体検知信号Sig1、第2物体検知信号Sig3及び変形検知信号Sig2は、電圧ではなく電荷や電流を有していてもよい。
【0066】
なお、第1物体検知センサ22及び第2物体検知センサ42は、静電容量センサであってもよい。
【0067】
なお、疑似刀剣10aにおいて、歪ゲージの抵抗値の代わりに、歪ゲージの抵抗値に相当する値が用いられてもよい。例えば、歪ゲージが組み込まれホイートストンブリッジにより、抵抗値を電圧に変換してもよい。この電圧は、増幅されてもよい。
【0068】
なお、変形検知センサ24は、気圧センサであってもよい。
【0069】
なお、3個以上の物体検知センサが設けられてもよい。
【0070】
なお、刀剣本体11は、緩衝材12を含んでいなくてもよい。
【0071】
なお、第1所定電圧は、物体100が刀剣本体11のX軸の正方向の端に接触するときの第1物体検知信号Sig1の電圧より僅かに低くてもよい。判定装置20は、物体100が刀剣本体11のX軸の正方向の端に接触していなくても、物体100が刀剣本体11のX軸の正方向の端の近傍に位置し、かつ、刀剣本体11が変形していれば、疑似刀剣10による突きが発生したと判定できるからである。
【0072】
なお、疑似刀剣10では、判定装置20は、第1物体検知信号Sig1に基づいて刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置しないとステップS2において判定した場合、又は、変形検知信号Sig2に基づいて刀剣本体11が変形しなかったとステップS3において判定した場合には、疑似刀剣10による突きが発生しなかったと判定する。しかしながら、判定装置20は、以下の(a)及び(b)の判定を行ってもよい。
(a)
ステップS2:第1物体検知信号Sig1に基づいて刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置する。
ステップS3:変形検知信号Sig2に基づいて刀剣本体11が変形しなかった。
判定結果:突きの強度不足(疑似刀剣10による突きが発生したが、突きの強度が弱い)
(b)
ステップS2:第1物体検知信号Sig1に基づいて刀剣本体11のX軸の正方向に物体100が位置しない。
判定結果:突き発生せず
なお、疑似刀剣10e,10fは、4つ以上の物体検知センサを備えていてもよい。
【0073】
なお、疑似刀剣システム1に疑似刀剣10e,10fが適用されてもよい。
【0074】
本発明は、以下の構造を有する。
【0075】
(1)
X軸方向に延びている刀剣本体と、
前記刀剣本体のX軸の負方向の端部に連結されているグリップ部と、
前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部に設けられ、かつ、前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置するか否かの判定に用いられる第1物体検知信号を出力する第1物体検知センサと、
前記刀剣本体に設けられ、かつ、前記刀剣本体が変形したか否かの判定に用いられる変形検知信号を出力する変形検知センサと、
を備えている、
疑似刀剣。
(2)
前記刀剣本体は、
前記X軸方向に延びている筐体と、
前記筐体の前記X軸の正方向に連結されており、かつ、前記筐体より変形しやすい緩衝材と、
を含んでいる、
(1)に記載の疑似刀剣。
(3)
前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部には、前記X軸の負方向に窪む第1凹部が設けられており、
前記第1物体検知センサは、前記第1凹部に設けられている、
(2)に記載の疑似刀剣。
(4)
前記変形検知センサは、前記緩衝材に設けられており、かつ、前記緩衝材が変形したか否かの判定に用いられる前記変形検知信号を出力する、
(2)又は(3)に記載の疑似刀剣。
(5)
前記変形検知センサは、前記筐体の前記X軸の正方向の端部に設けられており、
前記筐体には空洞が設けられており、
前記空洞は、前記X軸方向に見て、前記変形検知センサと重なっている、
(2)又は(3)に記載の疑似刀剣。
(6)
前記疑似刀剣は、
前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部に設けられ、かつ、前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置するか否かの判定に用いられる第2物体検知信号を出力する第2物体検知センサを、
更に備えており、
前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部には、前記X軸の負方向に窪む第2凹部が設けられており、
前記第2物体検知センサは、前記第2凹部に設けられており、
前記第1凹部と前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の中心と前記第2凹部とは、前記X軸方向に見て、この順に第1直線上に並んでいる、
(3)に記載の疑似刀剣。
(7)
前記X軸方向に見て、前記第1物体検知センサから前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の外縁までの距離は、前記第1物体検知センサから前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の中心までの距離より短く、
前記X軸方向に見て、前記第2物体検知センサから前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の外縁までの距離は、前記第2物体検知センサから前記緩衝材の前記X軸の正方向の端部の中心までの距離より短い、
(6)に記載の疑似刀剣。
(8)
前記第1物体検知センサは、可動部を有さない、
(1)ないし(7)のいずれかに記載の疑似刀剣。
(9)
前記変形検知センサは、可動部を有さない、
(1)ないし(8)のいずれかに記載の疑似刀剣。
(10)
前記疑似刀剣は、
判定装置を、
更に備えており、
前記判定装置は、前記第1物体検知信号に基づいて前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置すると判定し、かつ、前記変形検知信号に基づいて前記刀剣本体が変形したと判定した場合には、前記疑似刀剣による突きが発生したと判定する、
(1)ないし(9)のいずれかに記載の疑似刀剣。
(11)
前記判定装置は、前記第1物体検知信号に基づいて前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置しないと判定した場合、又は、前記変形検知信号に基づいて前記刀剣本体が変形しないと判定した場合には、前記疑似刀剣による突きが発生しなかったと判定する、
(10)に記載の疑似刀剣。
(12)
(1)ないし(9)のいずれかに記載の前記疑似刀剣と、
判定装置と、
備えており、
前記判定装置は、前記第1物体検知信号に基づいて前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置すると判定し、かつ、前記変形検知信号に基づいて前記刀剣本体が変形したと判定した場合には、前記疑似刀剣による突きが発生したと判定する、
疑似刀剣システム。
(13)
前記判定装置は、前記第1物体検知信号に基づいて前記刀剣本体の前記X軸の正方向に物体が位置しないと判定した場合、又は、前記変形検知信号に基づいて前記刀剣本体が変形しないと判定した場合には、前記疑似刀剣による突きが発生しなかったと判定する、
(12)に記載の疑似刀剣システム。
(14)
X軸方向に延びている刀剣本体と、
前記刀剣本体のX軸の負方向の端部に連結されているグリップ部と、
前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部に設けられ、かつ、前記刀剣本体の前記X軸の正方向に端部が物体に接触したか否かの判定に用いられる物体検知信号を出力する複数の物体検知センサと、
を備えており、
前記X軸方向に見て、前記複数の物体検知センサから前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部の外縁までの距離のそれぞれは、前記複数の物体検知センサから前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部の中心までの距離より短い、
疑似刀剣。
(15)
前記複数の物体検知センサの重心は、前記刀剣本体の前記X軸の正方向の端部の中心と一致する、
(14)に記載の疑似刀剣。
【符号の説明】
【0076】
1:疑似刀剣システム
10,10a~10f:疑似刀剣
11:刀剣本体
12:緩衝材
13:グリップ部
14:筐体
20:判定装置
22:第1物体検知センサ
24:変形検知センサ
42:第2物体検知センサ
60,204:通信装置
62:第3物体検知センサ
100:物体
200:処理装置
202:判定装置
C:中心
E:外縁
G1:第1凹部
G2:第2凹部
L1:第1直線
Sp:空洞
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11