(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161612
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】超音波プローブ、アタッチメント及び超音波診断装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072037
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】西久保 雄一
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601FF05
4C601GA02
4C601GA06
4C601GA07
(57)【要約】
【課題】超音波プローブを安定的に支えて、超音波プローブの姿勢や向きを適正に維持することを可能とする。
【解決手段】被検体に超音波を送信して反射波を受信する検出面を有する本体部21と、当該本体部21に装着可能なアタッチメント3とを備え、アタッチメント3は、断面の形状が凹状となる曲面に沿った湾曲部33,34を備える。
また、本体部21から外部に延出されたケーブル22を有し、二つの湾曲部の間にケーブル22を通す挿通部313,323を有してもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に超音波を送信して反射波を受信する検出面を有する本体部と、当該本体部に装着可能なアタッチメントとを備え、
前記アタッチメントは、断面の形状が凹状となる曲面に沿った湾曲部を備える
超音波プローブ。
【請求項2】
前記湾曲部は、凹状の底部が互いに対向する向きで二つ設けられている
請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記本体部から外部に延出されたケーブルを有し、
前記二つの湾曲部の間に前記ケーブルを通す挿通部を有する
請求項2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記ケーブルは、前記本体部における前記検出面の反対側から前記検出面の中心軸と同一軸上を通って外部に延出されている
請求項3に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記挿通部は、前記湾曲部の前記曲面の幅方向の一方に向かって開口している
請求項4に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記二つの湾曲部の凹状の底部同士の間隔は、前記曲面の幅方向の一方が他方よりも広く、
前記挿通部は、前記曲面の幅方向の一方に向かって開口している
請求項5に記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記二つの湾曲部の凹状の底部同士の間隔が可変である
請求項6に記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記ケーブルの通過位置における前記二つの湾曲部の凹状の底部同士の間隔が前記ケーブルの外径よりも狭い
請求項7に記載の超音波プローブ。
【請求項9】
前記ケーブルの通過位置には、前記二つの湾曲部の前記凹状の底部を貫通した開口部を有する
請求項8に記載の超音波プローブ。
【請求項10】
前記アタッチメントは、一部または全部が可撓性を有する材料からなる
請求項9に記載の超音波プローブ。
【請求項11】
前記本体部に、施術の目的位置を示すマーキングを設けた
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項12】
被検体に超音波を送信して反射波を受信する検出面を有する超音波プローブの本体部に装着可能なアタッチメントであって、
断面の形状が凹状となる曲面を有する湾曲部を備える
アタッチメント。
【請求項13】
請求項1に記載の超音波プローブを備える
超音波診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブ、アタッチメント及び超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の医療の現場、例えば、整形外科やリハビリ領域において、診断やリハビリ効果を確認するために超音波診断装置の使用が注目されている。
例えば、診断や治療効果判定でエコーを使用する際に、患者の腕や脚を動かすストレステストをしつつ、患者の腕や脚に超音波診断装置の超音波プローブを患者の体表に安定的に当てる必要性が求められる。
このような場合でも、超音波プローブを患者の体表に安定的に適正に当てる必要がある。
【0003】
従来の超音波診断装置は、超音波プローブの向きを調節するために、プローブの外部にアタッチメントを装着していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の超音波プローブは、つまみがあるに過ぎず、超音波プローブを安定的に支えるための配慮が不十分であり、超音波プローブの姿勢や向きを適正に維持することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、超音波プローブにおいて、
被検体に超音波を送信して反射波を受信する検出面を有する本体部と、当該本体部に装着可能なアタッチメントとを備え、
前記アタッチメントは、断面の形状が凹状となる曲面に沿った湾曲部を備える構成とする。
【0007】
また、本発明は、
被検体に超音波を送信して反射波を受信する検出面を有する超音波プローブの本体部に装着可能なアタッチメントであって、
断面の形状が凹状となる曲面を有する湾曲部を備える構成とする。
【0008】
また、本発明は、超音波診断装置であって、上記の超音波プローブを備える構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、超音波プローブの姿勢や向きを適正に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の外観構成を示す図である。
【
図2】超音波診断装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】超音波探触子の超音波探触子本体の斜視図である。
【
図4】アタッチメントを装着した状態の超音波探触子の斜視図である。
【
図7】
図5のW-W線に沿った台座部の断面図である。
【
図8】アタッチメントを回転角度90°とした状態の超音波探触子本体の斜視図である。
【
図9】台座部のガイド溝に回転角度-45°と+45°の位置決め孔を形成したアタッチメントの正面図である。
【
図10】アタッチメントを回転角度45°とした状態の超音波探触子本体の斜視図である。
【
図11】アタッチメントの好適な材質を示した図表である。
【
図12】超音波探触子本体の筐体の好適な材質を示した図表である。
【
図13】第2の実施の形態の超音波探触子を正面上方から見た斜視図である。
【
図14】
図13の超音波探触子を斜め右上方から見た分解斜視図である。
【
図15】第3の実施の形態の超音波探触子の斜視図である。
【
図17】第4の実施の形態の超音波探触子の一部の図示を省略した分解平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して本発明に係る第1~第4の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1~
図12を参照して、本発明に係る第1の実施の形態の超音波診断装置100の装置構成を説明する。
図1は第1の実施の形態の超音波診断装置100の外観構成を示す図である。
図2は超音波診断装置100の概略構成を示すブロック図である
【0013】
本実施の形態の超音波診断装置100は、病院などの医療施設の診察室などに移動可能に設置され、医師、技師などの操作者に操作される超音波診断装置である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、超音波診断装置100は、超音波診断装置本体1と、超音波プローブとしての超音波探触子2を備える。超音波探触子2は、患者の生体などの被検体内に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体内で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波探触子2は、本体部としての超音波探触子本体21と、ケーブル22と、コネクター23と、後述するアタッチメント3(
図4参照)とを有する。超音波探触子本体21は、超音波を送受信する超音波探触子2のヘッダ部である。ケーブル22は、超音波探触子本体21及びコネクター23の間に接続され、超音波探触子本体21用の駆動信号及び超音波の受信信号が流れるケーブルである。コネクター23は、超音波診断装置本体1のレセプタクルのコネクター(図示略)に接続するためのプラグのコネクターである。
【0015】
超音波診断装置本体1は、コネクター23、ケーブル22を介して、超音波探触子本体21と接続され、超音波探触子本体21に電気信号の駆動信号を送信することによって超音波探触子本体21に被検体に対して送信超音波を送信させるとともに、超音波探触子本体21にて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子2で生成された電気信号である受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像データとして画像化する。
【0016】
超音波探触子本体21は、先端側に振動子2aを備える。振動子2aは、超音波を送受信する圧電体であり、例えば、方位方向(走査方向)に一次元アレイ状に複数配列されている。また、振動子2aの個数は、任意に設定することができる。また、本実施の形態では、超音波探触子2としてリニア走査方式の電子スキャンプローブを採用するものとするが、電子走査方式あるいは機械走査方式の何れを採用してもよく、また、リニア走査方式、セクタ走査方式あるいはコンベックス走査方式の何れの方式を採用することもできる。超音波診断装置本体1と超音波探触子2(超音波探触子本体21)との通信は、ケーブル22を介する有線通信に代えて、UWB(Ultra Wide Band)などの無線通信により行うこととしてもよい。
【0017】
超音波診断装置本体1は、例えば、操作入力部11と、送信部12と、受信部13と、画像生成部14と、画像処理部15と、表示制御部16と、表示部17と、制御部18と、記憶部19と、を備える。
【0018】
操作入力部11は、押しボタン、エンコーダー(回転つまみ)、レバースイッチ、ジョイスティック、トラックボール、キーボード、タッチパッドや、それらを組み合わせたマルチファンクションスイッチなどの操作要素を有する。操作入力部11は、各操作要素を介して操作者からの各種操作入力を受け付け、その操作情報を制御部18に出力する。
【0019】
送信部12は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2に電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子2に送信超音波を発生させる回路である。また、送信部12は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備える。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、振動子2a毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させ、送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。上述のように構成された送信部12は、例えば、超音波探触子2に配列された複数(例えば、192個)の振動子2aのうちの連続する一部(例えば、64個)を駆動して送信超音波を発生させる。そして、送信部12は、送信超音波を発生させる毎に駆動する振動子2aを方位方向(走査方向)にずらすことで走査(スキャン)を行う。
【0020】
受信部13は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2から電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部13は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備える。増幅器は、受信信号を、振動子2a毎に対応した個別経路毎に、予め設定された増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をアナログ-デジタル変換(A/D変換)するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子2a毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成するための回路である。
【0021】
画像生成部14は、制御部18の制御に従って、受信部13からの音線データに対して包絡線検波処理や対数圧縮などを実施し、ダイナミックレンジやゲインの調整を行って輝度変換することにより、受信エネルギーとしての輝度値を有する画素からなるB(Brightness)モード画像データを生成することができる。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。画像生成部14は、画像モードがBモードの超音波画像データとしてのBモード画像データの他、A(Amplitude)モード、M(Motion)モード、ドプラ法による画像モード(カラードプラモードなど)など、他の画像モードの超音波画像データが生成できるものであってもよい。
【0022】
画像処理部15は、制御部18の制御に従って、設定中の各種画像パラメーターに応じて、画像生成部14から出力されたBモード画像データに画像処理を施す。また、画像処理部15は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーによって構成された画像メモリー部151を備える。画像処理部15は、制御部18の制御に従って、画像処理を施したBモード画像データをフレーム単位で画像メモリー部151に記憶する。フレーム単位での画像データを超音波画像データあるいはフレーム画像データということがある。画像処理部15は、制御部18の制御に従って、上述したようにして生成された画像データを順に表示制御部16に出力する。
【0023】
表示制御部16は、制御部18の制御に従って、画像処理部15から受信した画像データを表示用の画像信号に変換し、表示部17に出力する。
【0024】
表示部17は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイなどの表示パネルを有し、当該表示パネルの表示画面上に各種表示情報を表示する。表示部17は、制御部18の制御に従って、表示制御部16から出力された画像信号に従って、表示パネルの表示画面上に超音波画像の表示を行い、また各種表示情報の表示を行う。
【0025】
制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROMに記憶されているシステムプログラムなどの各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波診断装置100の各部の動作を制御する。ROMは、半導体などの不揮発メモリーなどにより構成され、超音波診断装置100に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な各種処理プログラムや、ガンマテーブルなどの各種データなどを記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0026】
記憶部19は、超音波画像データなどの情報を書き込み及び読み出し可能に記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの記憶部である。
【0027】
[アタッチメントを備える超音波探触子]
図3は超音波探触子2の超音波探触子本体21の斜視図、
図4はアタッチメント3を装着した状態の超音波探触子本体21の斜視図である。
図面を参照して、着脱可能なアタッチメント3を備える超音波探触子2(超音波プローブ)の具体例を説明する。アタッチメント3は、超音波診断装置100の使用者が超音波探触子2の超音波探触子本体21を手で持つ場合に、そのホールド性や取扱性を向上させるための補助具である。
【0028】
まず、超音波探触子本体21の外部形状について説明する。
図3に示すように、超音波探触子本体21は、左右方向に長い直方体からなる筐体211を有し、当該筐体211の下面は、ほぼ全体が被検体に超音波を送信し且つ反射波を受信する検出面212(有効開口部)となっている。この検出面212は、長方形であって、その全体に図示しない音響レンズがはめ込まれている。そして、検出面212に対する直交方向下側に向かって超音波を送信する。
【0029】
ここで、筐体211の検出面212の中心を長方形状の検出面212の二本の対角線の交差位置(重心)と定義する。検出面212の中心は、表示部17に表示される超音波画像の中心と一致する。
さらに、検出面212の中心軸Cを、当該検出面212の中心を通り、当該検出面212から超音波を送信する方向(検出面212に対して垂直な方向)に平行な直線と定義する。
なお、超音波探触子の検出面は、平面ではなく、中央部が突出した曲面で構成される場合があるが、その場合には、中央の突出部によって定まる揺動角の中心方向に下した検出面の正射影に基づく平面の中心(重心)を通り、当該検出面から超音波を送信する方向に平行な直線を中心軸とする。
【0030】
筐体211の前面、後面、左側面及び右側面の各面には、超音波診断に伴って行われる施術の目的位置を示すマーキングMが付されている。各面のマーキングMは、検出面212の中心を前後左右方向から認識できるように、前面、後面、左側面及び右側面の各面の下部における幅方向の中央位置で下方を指し示すように形成されている。
【0031】
例えば、被検体の超音波画像を観察しながら穿刺等の施術行為が行われる場合があるが、穿刺の目的位置が超音波画像の中心となるように超音波探触子本体21を位置決めし、各面のマーキングMの示す位置を参考にすることで検出面212の中心を狙ってより正確に穿刺を行うことができる。
なお、マーキングMは、インクや塗料で付しても良いし、立体的な刻印であってもよく、視覚的に認識可能なあらゆる方法で形成することができる。
【0032】
検出面212とは反対側となる筐体211の上面は、下面(検出面)と同一形状であって、上面と下面は互いに平行である。そして、上面の中心(重心)を通る垂線と下面(検出面)の中心軸Cは同一軸上となっている。
そして、筐体211の上面には、円筒状の回転軸213が中心軸Cと同心で設けられ、当該回転軸213の内側を通って前述したケーブル22が外部上方に向かって延出されている。従って、ケーブル22も中心軸Cと同心となっている。
【0033】
超音波探触子本体21の回転軸213は、アタッチメント3を装着する際の取付位置となる。アタッチメント3を装着するために、回転軸213の外周面上には、中心軸Cを中心とする円周の半径方向(例えば、前方)に突出した嵌合突起214が設けられている。
【0034】
[アタッチメント]
図5はアタッチメント3の正面図、
図6は
図5のV-V線に沿った断面図である。
図4~
図6に示すように、アタッチメント3は、下部に位置する底板部31と、上部に位置する天板部32と、底板部31から天板部32に渡って左側と右側とにそれぞれ設けられた湾曲部33,34と、底板部31の上面の左右方向中央部に立設された円筒状の台座部35とを有する。
アタッチメント3は、上記底板部31、天板部32、湾曲部33,34及び台座部35が、可撓性を有する材料により一体的に形成されている。なお、アタッチメント3の形成材料については後述する。
【0035】
底板部31は、
図6に示すように、左右方向の中央部でわずかに屈曲した左右方向に長尺な略長方形状の平板からなり、超音波探触子本体21にアタッチメント3を装着した状態で、底板部31の底面は超音波探触子本体21の筐体211の上面に当接する。
底板部31の左端部311は、左方であって前方にわずかに傾斜した方向に延出され、右端部312は、右方であって前方にわずかに傾斜した方向に延出されている。底板部31の左端部311と右端部312のそれぞれの傾斜角度は、後述する左右の湾曲部33,34の開き角度θの1/2に相当する。
【0036】
また、底板部31は、左右方向の中央部において、平面視で略U字状となる切り欠き部313が形成されている。この切り欠き部313は、後方に向かって開口しており、超音波探触子本体21にアタッチメント3を装着する際には、切り欠き部313の開口端から前方に向かってケーブル22が挿入される。
切り欠き部313の開口端から最深部(前端部)までの左右方向の幅は、一様であって、ケーブル22の外径と一致又はわずかに広い。さらに、切り欠き部313の最深部の内縁形状は、ケーブル22の外径と一致又はわずかに大きな内径の半円弧状となっている。
超音波探触子本体21にアタッチメント3を装着した状態で、ケーブル22は、切り欠き部313の半円弧状の最深部と同心となるように配置される。
【0037】
円筒状の台座部35は、その内径が超音波探触子本体21の回転軸213の外径と略一致しており、台座部35の下方から超音波探触子本体21の回転軸213を挿入することができる。この場合、台座部35の内径は、回転軸213の外径に対して僅かに大きくしても良い。また、アタッチメント3が可撓性を有する材料からなる場合、台座部35の内径は、回転軸213の外径に対して僅かに小さくしても良い。
台座部35は、前述した底板部31の切り欠き部313の半円弧状の最深部と同心となる配置で設けられている。また、台座部35における、前述した切り欠き部313と平面視で重合する範囲については、切り欠き部313と同様に後方に向かって切り欠かれている。
従って、台座部35に超音波探触子本体21の回転軸213を挿入する際には、ケーブル22が台座部35の切り欠かれた部分を通ることができるため、超音波探触子本体21に対するアタッチメント3の装着を円滑に行うことができる。
【0038】
また、超音波探触子本体21とアタッチメント3との間には、超音波探触子本体21に対してアタッチメント3を固定装着するための連結構造が設けられている。
なお、「固定装着」とは、意図的に力を加えて回転等の操作を行わない限り、超音波探触子本体21に対してアタッチメント3が、回動や揺動等による向きや姿勢の変化を生じない状態で装着されることをいう。
【0039】
上記連結構造は、前述した超音波探触子本体21の回転軸213に設けられた嵌合突起214と、台座部35に形成された嵌合突起214の保持構造とからなる。
嵌合突起214の保持構造は、
図5に示すように、台座部35の周方向に沿って形成されたガイド溝351と、ガイド溝351の両端部に形成された位置決め孔352,353と、ガイド溝351の出入口354とを有する。
【0040】
図7は
図5のW-W線に沿った台座部35の断面図である。この図に示すように、ガイド溝351は、台座部35の前方から左方にかけて中心軸C回りに90°の角度範囲で台座部35の内周面から外周面に貫通して形成されている。
このガイド溝351は、超音波探触子本体21側の嵌合突起214を台座部35の周方向に沿って上記90°の角度範囲で移動させるためのものである。但し、ガイド溝351の上下幅は、超音波探触子本体21側の嵌合突起214の外径よりもわずかに狭く設定されており、台座部35の形成材料の可撓性によって嵌合突起214の移動が可能となっている。
【0041】
そして、ガイド溝351の一方の端部となる前端部と他方の端部となる左端部とには、台座部35の内周面から外周面に貫通形成された位置決め孔352,353が連接されている。これらの位置決め孔352,353の内径は、嵌合突起214の外径と一致している。
従って、超音波探触子本体21の回転軸213をアタッチメント3の台座部35に挿入した状態で中心軸C回りに相対的に回転操作することにより、ガイド溝351に沿って嵌合突起214を移動させ、位置決め孔352又は353に到達すると、嵌合突起214は位置決め孔352又は353に嵌合し、超音波探触子本体21及びアタッチメント3を相対的に回転しないように固定装着状態にすることができる。
なお、固定装着状態において、台座部35の可撓性による変形を生じる程度に大きな力を加えると、アタッチメント3を回転させることができる。
【0042】
上記嵌合突起214が位置決め孔352に嵌合した場合には、
図4及び
図6に示すように、超音波探触子本体21の筐体211の長手方向とアタッチメント3の底板部31の長手方向とが平面視でいずれも左右方向を向いて合致した状態で超音波探触子本体21に対してアタッチメント3が固定装着される。
この状態を基準角度とし、超音波探触子本体21に対するアタッチメント3の回転角度が0°の状態であるものとする。
【0043】
また、上記嵌合突起214が位置決め孔353に嵌合した場合には、
図8に示すように、超音波探触子本体21の筐体211の長手方向とアタッチメント3の底板部31の長手方向とが平面視で直交した状態で超音波探触子本体21に対してアタッチメント3が固定装着される。
以下の記載において、基準角度を0°として、超音波探触子本体21に対するアタッチメント3が反時計方向にn°回転した状態を「回転角度n°」の状態という。
【0044】
このように、嵌合突起214は、超音波探触子本体21に設けられた凸部に相当し、二つの位置決め孔352,353は、アタッチメント3に設けられた凸部を受け入れる凹部に相当する。
また、嵌合突起214と二つの位置決め孔352,353は、中心軸C回りの二つの回転角度で超音波探触子本体21に対してアタッチメント3を拘束する拘束部として機能する。
【0045】
なお、位置決め孔352,353の内径は、ガイド溝351の上下幅よりも大きく、嵌合突起214の外径よりもわずかに小さくしてもよい。また、位置決め孔352,353の内径は、嵌合突起214の外径よりもわずかに大きくしてもよい。
【0046】
また、ガイド溝351には、当該ガイド溝351に対して超音波探触子本体21の嵌合突起214を出し入れするための出入口354が設けられている。この出入口354は、ガイド溝351の周方向における中間位置から下方に向かって底板部31の下面まで達した溝状の切欠きであり、その左右幅は嵌合突起214の外径よりもわずかに広く設定されている。
従って、超音波探触子本体21にアタッチメント3を装着する際には、出入口354を通して嵌合突起214をガイド溝351まで送り込むことができる。また、超音波探触子本体21からアタッチメント3を取り外す際には、出入口354を通して嵌合突起214をガイド溝351から下方に送り出すことができる。
【0047】
なお、上記連結構造では、拘束部としての位置決め孔が0°と90°で拘束する場合を例示したが、拘束する回転角度は任意に変更可能である。また、拘束部としての位置決め孔は、二つに限らず、三つ以上設けてもよい。
図9は、台座部35のガイド溝351に、回転角度-45°と+45°の位置決め孔352,353を形成した場合を例示する。
【0048】
この場合、ガイド溝351は、台座部35の前方から左方に45°及び右方に45°の範囲で中心軸C回りに90°の角度範囲で形成され、ガイド溝351の左端部と右端部とにそれぞれ位置決め孔352,353が形成される。また、出入口354は、ガイド溝351の左右方向中央部から下方に向かって形成される。
そして、
図10の実線に示すように、アタッチメント3を超音波探触子本体21に対して、基準位置から反時計方向に45°回転することで嵌合突起214が位置決め孔352に嵌合し、回転角度45°の状態とすることができる。
また、
図10の二点鎖線に示すように、アタッチメント3を超音波探触子本体21に対して、基準位置から時計方向に45°回転することで嵌合突起214が位置決め孔352に嵌合し、回転角度-45°の状態とすることができる。
【0049】
なお、台座部35の内周面上に中心軸C側に突出した嵌合突起を設け、回転軸213の外周面上に周方向に沿ったガイド溝と位置決め孔を設ける構成としてもよい。その場合、嵌合突起の出入口は、ガイド溝から上方に向かって溝状に形成することが好ましい。
また、超音波探触子本体21の上面とアタッチメント3の底板部31又は台座部35の底面の一方に嵌合突起、他方にガイド溝及び位置決め孔を設ける構成としてもよい。
【0050】
天板部32は、
図4に示すように、左右方向の中央部でわずかに屈曲した左右方向に長尺な略長方形状の平板からなる。
天板部32の左端部321は、左方であって前方にわずかに傾斜した方向に延出され、右端部322は、右方であって前方にわずかに傾斜した方向に延出されている。天板部32の左端部321と右端部322のそれぞれの傾斜角度は、後述する左右の湾曲部33,34の開き角度θ(
図6参照)の1/2に相当する。
【0051】
また、天板部32は、左右方向の中央部において、平面視で略U字状となる切り欠き部323が形成されている。この切り欠き部323は、後方に向かって開口しており、超音波探触子本体21にアタッチメント3を装着する際には、切り欠き部323の開口端から前方に向かってケーブル22が挿入される。
切り欠き部323の開口端から最深部(前端部)までの左右方向の幅は、ケーブル22の外径と一致又はわずかに広い。さらに、切り欠き部323の最深部の内縁形状は、ケーブル22の外径と一致又はわずかに大きな内径の半円弧状となっている。
超音波探触子本体21にアタッチメント3を装着した状態で、ケーブル22は、切り欠き部323の半円弧状の最深部と同心となるように配置される。
なお、切り欠き部323の開口端から最深部近傍までの左右方向の幅をケーブル22の外径よりわずかに狭くして、ケーブル22を切り欠き部323の半円弧状の最深部で拘束可能としてもよい。
【0052】
また、前述した底板部31の切り欠き部313と天板部32の切り欠き部323は、「二つの湾曲部の間にケーブルを通す挿通部」に相当する。
【0053】
湾曲部33,34は、切り欠き部313と切り欠き部323とに通されたケーブル22の左側と右側とに設けられている。
左側の湾曲部33は、底板部31の左端部311の上面から天板部32の左端部321の下面に渡って設けられた湾曲した帯状体である。
また、右側の湾曲部34は、底板部31の右端部312の上面から天板部32の右端部322の下面に渡って設けられた湾曲した帯状体である。
【0054】
それぞれの湾曲部33,34は、いずれも、前後方向に垂直な断面の形状がケーブル22側に向かって凹状(略U字状)となり、湾曲部33,34の幅方向の全長に渡って断面形状が一定となっている。
なお、湾曲部33,34の「幅方向」とは、略前後方向を示す。より厳密には、湾曲した帯状の湾曲部33,34を平面状に引き延ばしたときに、長尺方向に直交する短尺方向を示す。
【0055】
なお、
図6に示すように、左側の湾曲部33の凹状(略U字状)の底部における幅方向は、厳密には、後方であって幾分左側に傾斜した方向であり、右側の湾曲部34の凹状(略U字状)の底部における幅方向は、厳密には、後方であって幾分右側に傾斜した方向である。
ここで、左右の湾曲部33,34の凹状(略U字状)の底部におけるそれぞれの幅方向の間の角度を「湾曲部33,34の開き角度θ」とする。
湾曲部33,34の開き角度θは、5~20°程度が好ましく、10°程度がより好ましい。
このように、左右の湾曲部33,34において0°を超える開き角度が設定されることにより、湾曲部33,34の凹状の底部同士の間隔を、前側を狭く、後側を広くすることができる。
【0056】
[アタッチメントの材質]
図11はアタッチメント3の好適な材質を示した図表、
図12は超音波探触子本体21の筐体211の好適な材質を示した図表である。
前述したように、アタッチメント3は、可撓性を有する材質を選択すること好ましい。例えば、アタッチメント3の構成部分の厚さが1.5~2.0[mm]である場合に指の力で撓ませることができる程度の可撓性を有することが好ましい。
具体的な材質の例としては、アタッチメント3は、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミド等の樹脂を選択することが好ましい。また、アタッチメント3の材料は、樹脂に限らず、これらと同程度の可撓性を有する他の材料を採用してもよい。また、他の材料は、有機材料、無機材料のいずれであってもよい。
図11に示すように、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミドの曲げ強さは、それぞれ、420~560[kg/cm
2]、910[kg/cm
2]、880~980[kg/cm
2]程度であり、上記材料に限らず、曲げ強さ400~1000[kg/cm
2]程度の材質が好ましい。
また、
図11に示すように、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミドの衝撃強さは、アイゾット衝撃強さで、それぞれ、3.3~33[kg・cm/cm]、6.5~7.6[kg・cm/cm]、5.5~10.9[kg・cm/cm]程度であり、上記材料に限らず、衝撃強さ3~35[kg/cm
2]程度の材質が好ましい。
また、
図11に示すように、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミドの硬度は、ロックウェル硬さで、それぞれ、85~110(Rスケール)、78~80(Mスケール)、108~118(Rスケール)程度であり、上記材料に限らず、硬度はRスケールで80~120又はMスケールで70~90程度の材質が好ましい。
【0057】
超音波探触子本体21は、内部の故障が生じない限り、長期使用が想定され、これ対して、着脱可能なアタッチメント3は、使用による摩耗等の劣化の発生に伴い、廃棄交換することが想定されている。
このため、上記アタッチメント3が超音波探触子本体21の筐体211、回転軸213及び嵌合突起214の材質よりも柔らかく、アタッチメント3に対して筐体211、回転軸213及び嵌合突起214が傷や摩耗等が生じにくい材質を選択することが好ましい。
例えは、アタッチメント3が
図11の材質を選択する場合、筐体211、回転軸213及び嵌合突起214は、ポリフェニレンエーテル等の樹脂を選択することが好ましい。
図12に示すように、ポリフェニレンエーテルの曲げ強さは、673~979[kg/cm
2]程度、衝撃強さは、アイゾット衝撃強さで、27[kg・cm/cm]程度、硬度は、ロックウェル硬さで、118~120(Rスケール)程度である。
筐体211、回転軸213及び嵌合突起214は、ポリフェニレンエーテルに限らず、硬度がアタッチメント3の材質より高い材質を選択することが好ましい。また、筐体211の材料は、樹脂が好ましいが、これに限定されず、上記と同程度の硬度を有する他の材料を採用してもよい。また、他の材料は、金属、セラミックを含む有機材料、無機材料のいずれであってもよい。さらに、上記の硬度を有する材料は、アタッチメント3との接触部分を含む範囲に部分的に使用してもよい。
【0058】
[超音波診断時のアタッチメントの利用]
超音波診断において、アタッチメント3を利用して超音波探触子本体21を片手で保持する場合について説明する。
この場合、予め、アタッチメント3を超音波探触子本体21に装着してからこれらを手で保持しても良いし、先に、アタッチメント3を手で保持してから超音波探触子本体21に装着してもよい。
【0059】
予め、アタッチメント3を超音波探触子本体21に装着する場合には、超音波探触子本体21の前方からアタッチメント3の上下の切り欠き部313,323の最深部までケーブル22を挿入してから、超音波探触子本体21の回転軸213をアタッチメント3の台座部35の下方から挿入する。
このとき、回転軸213の嵌合突起214を、出入口354を通じてガイド溝351内に導入し、位置決め孔352又は353のいずれかに嵌合するようにアタッチメント3を回転させる。
被検体の姿勢や操作者の位置に応じて、アタッチメント3の回転角度を0°又は90°のいずれにすべきかを選択し、当該選択に応じて、嵌合突起214を位置決め孔352又は353のいずれかに嵌合させる。
そして、アタッチメント3の各湾曲部33,34に対して、凹状の底部同士の間隔が狭くなっている前側から二本の指Fを後方に向かって個別に挿入することで、二本の指Fの間でケーブル22を挟むようにして超音波探触子本体21を保持することができ、被検体の目的位置に適正な向きで検出面212を当てて、超音波診断を行うことができる。
【0060】
また、先に、アタッチメント3を手で保持する場合には、アタッチメント3の各湾曲部33,34に対して、凹状の底部同士の間隔が狭くなっている前側から二本の指Fを後方に向かって個別に挿入する。
そして、超音波探触子本体21の前方からアタッチメント3の上下の切り欠き部313,323の最深部までケーブル22を挿入してから、超音波探触子本体21の回転軸213をアタッチメント3の台座部35の下方から挿入する。さらに、回転軸213の嵌合突起214を位置決め孔352又は353のいずれかに嵌合させる。
これにより、二本の指Fの間でケーブル22を挟むようにして超音波探触子本体21を保持することができ、被検体の目的位置に適正な向きで検出面212を当てて、超音波診断を行うことができる。
【0061】
[第1の実施の形態の技術的効果]
上記超音波診断装置100の超音波探触子2は、超音波探触子本体21の上部に固定装着可能であって、断面の形状が凹状となる曲面に沿った湾曲部33,34を備えるアタッチメント3を備えている。
このため、湾曲部33,34の内側に指Fを挿入して超音波探触子2を保持することができ、手の動きに合わせて超音波探触子本体21の検出面212の向きを自在に変えつつもしっかりと超音波探触子2を保持することができる。
これにより、患者の姿勢や患者と使用者との位置関係等による影響を受ける場合でも、超音波探触子2の姿勢や向きを適正に維持して超音波診断を行うことが可能となる。
特に、診断や治療効果判定で超音波診断装置100を使用する際に、患者の腕や脚等の被検体を動かすストレステストをしつつ、適正且つ良好に超音波探触子本体21を被検体に当てることが可能となる。
【0062】
また、指Fを湾曲部33,34に挿入して超音波探触子2を保持することにより、検出面212の向きを掌の向きに合わせることができ、さらに、検出面212の中心を掌の中心に近づけて保持することができるので、超音波探触子2の姿勢や向きが極めて調整し易くなり、より良好な超音波診断を行うことが可能となる。
【0063】
また、アタッチメント3の湾曲部33,34は、凹状の底部が互いに対向する向きで二つ設けられているので、二本の指Fをそれぞれ湾曲部33,34に挿入して、指Fで挟んで超音波探触子2を保持することができ、さらに良好に超音波探触子2の姿勢や向きを適正に維持して超音波診断を行うことが可能となる。
【0064】
また、アタッチメント3は、二つの湾曲部33,34の間にケーブル22を通す二つの切り欠き部313,323を備えているので、ケーブル22が二本の指Fに挟まれた配置となり、ケーブル22により前後左右のいずれの方向から張力を受ける場合でも、超音波探触子2の姿勢を維持しやすくなり、良好に超音波診断を行うことが可能となる。
【0065】
また、超音波探触子2のケーブル22は、超音波探触子本体21における検出面212の反対側から検出面212の中心軸Cと同一軸上を通って外部に延出されているので、検出面212の中心に近い位置で超音波探触子2を保持することができ、良好に超音波探触子2の姿勢や向きを調整し、安定的に保持して超音波診断を行うことが可能となる。
【0066】
また、アタッチメント3は、二つの切り欠き部313,323が湾曲部33,34の曲面の幅方向の一方(後方)に向かって開口しているので、湾曲部33,34の開口端からケーブル22を挿入することができ、超音波探触子2に対するアタッチメント3の装着を容易に行うことが可能となる。
【0067】
また、アタッチメント3は、二つの湾曲部33,34の凹状の底部の間隔が曲面の幅方向の一方(後側)が他方(前側)よりも広く設定されており、二つの切り欠き部313,323は後方に向かって開口している。
このため、アタッチメント3の前側から各湾曲部33,34に指Fを容易に挿入して超音波探触子2を保持することが可能となる。また、二つの切り欠き部313,323は、二つの湾曲部33,34の凹状の底部の間隔の広い方に開口しているので、アタッチメント3に二本の指Fを挿入した状態で、指Fの間にケーブル22が入るように、アタッチメント3を超音波探触子2に装着することができ、装着作業を容易且つ円滑に行うことが可能となる。
【0068】
また、アタッチメント3は、可撓性を有する材質で形成されており、二つの切り欠き部313,323内のケーブル22の保持位置とのなる最深部の幅が可変である。
従って、二つの切り欠き部313,323の幅がケーブル22の外径と厳格に一致していない場合でも、アタッチメント3を超音波探触子2に容易に装着することが可能となる。
また、二つの切り欠き部313,323の最深部の幅をケーブル22の外径よりも幾分狭く設定することにより、ケーブル22を挟み込んで保持することができる。
【0069】
また、アタッチメント3は、可撓性を有する材質で形成されているので、指Fがアタッチメント3にフィットし易く、超音波探触子2を安定的に保持することが可能となる。
また、二つの湾曲部33,34の凹状の底部同士の間隔が可変となるので、二つの湾曲部33,34の開き角度θを可変とすることができ、操作者の手の指Fに対してアタッチメント3を良好にホールドさせることができ、良好に超音波探触子2の姿勢や向きを調整し、安定的に保持して超音波診断を行うことが可能となる。
また、アタッチメント3は、可撓性を有する材質である場合、超音波探触子本体21の筐体211側の傷や摩耗の発生を抑制することができ、超音波診断装置100の長寿命化を図ることが可能となる。一方、アタッチメント3は、筐体211よりも傷や摩耗が生じやすくなるが、超音波探触子2に対して着脱可能であって交換が容易であるため、超音波診断装置100の長期間の利用コストを低減することができる。
【0070】
また、超音波探触子2は、超音波探触子本体21に、施術の目的位置を示すマーキングMが設けられているので、検出面212を被検体側に向けた状態でも、検出面212の中心位置を認識し易く、穿刺等の施術をより正確に行うことが可能となる。
【0071】
また、アタッチメント3は、超音波探触子本体21に対して検出面212に直交する中心軸C回りに角度調節可能に装着されているので、患者の姿勢や患者と使用者との位置関係等による影響を受けて検出面212を適正な向きや姿勢を採りにくくなる場合でも、アタッチメント3に対し超音波探触子2を相対的に適正な角度に調整することで、良好な超音波診断を行うことが可能となる。
特に、診断や治療効果判定で超音波診断装置100を使用する際に、患者の腕や脚等の被検体を動かすストレステストをしつつ、適正且つ良好に超音波探触子本体21を被検体に当てることが可能となる。
【0072】
また、アタッチメント3は、切り欠き部313,323に通されたケーブル22を中心に相対的に角度調節可能であるため、ケーブル22にねじれや張力を加えることなく、アタッチメント3の角度を調節することが可能となる。従って、アタッチメント3の相対的な角度調節を行っても、ケーブル22のねじれによる応力や張力の影響を抑制することが可能となる。
【0073】
また、アタッチメント3は、超音波探触子本体21に対して検出面212に直交する中心軸C回りに角度調節可能であるため、アタッチメント3の相対的な角度調節を行った場合でも、検出面212の中心位置が一定に維持され、目標位置を見失いにくく、調節前後の超音波診断の影響を抑制することが可能となる。
【0074】
また、超音波探触子2は、超音波探触子本体21とアタッチメント3との間に、所定の回転角度でアタッチメント3を拘束する位置決め孔352,353を備えているので、調節後のアタッチメント3の中心軸C回りの角度を効果的に維持することが可能となる。
また、位置決め孔352,353は、嵌合突起214を受け入れる構造であって、超音波探触子本体21に対するアタッチメント3の中心軸C回りの回転方向に沿ったガイド溝351の二個所に設けられているので、簡易な構造によって中心軸C回りの二つの角度にアタッチメント3を調節することが可能となる。
【0075】
[第2の実施の形態]
本発明に係る第2の実施の形態を説明する。
図13は超音波プローブとして超音波探触子2Aを正面上方から見た斜視図、
図14は斜め右上方から見た斜視図である。
この超音波探触子2Aは、超音波探触子2に替えて超音波診断装置100に装備して利用することができる。
この超音波探触子2Aにおいて、既に説明した超音波探触子2と同一の構成については同符号を付して説明を省略し、主に、超音波探触子2と異なる点について説明する。
【0076】
超音波探触子2Aは、超音波探触子本体21とケーブル22とアタッチメント3Aとを有する。
なお、超音波探触子2Aにおける超音波探触子本体21は、回転軸213の丈が
図3に示したものよりも幾分高く設定されている点のみが異なる。
【0077】
アタッチメント3Aは、下部に位置する底板部31Aと、上部に位置する天板部32Aと、底板部31Aから天板部32Aに渡って左側と右側とにそれぞれ設けられた湾曲部33A,34Aと、底板部31Aの左右方向中央部に立設された円筒状の台座部35Aとを有する。
アタッチメント3Aは、上記底板部31A、天板部32A、湾曲部33A,34A及び台座部35Aが、前述した
図11に示す可撓性を有するいずれかの材料により一体的に形成されているが、特に可撓性が高いポリプロピレンによって形成することが好ましい。
【0078】
さらに、底板部31Aは、左端部311Aと右端部312Aとが分離して、円筒状の台座部35Aを介して連結されている。
同様に、天板部32Aは、左端部321Aと右端部322Aとが分離して、これらの間に形成された円筒状のリング部324Aで連結されている。
円筒状の台座部35Aと円筒状のリング部324Aは、いずれも、円周における後部が除去されており、除去部分が前述したアタッチメント3の切り欠き部313,323に相当する構造となっている。従って、後方から台座部35Aと半円状のリング部324Aの内側にケーブル22を挿入することができる。このアタッチメント3Aでは、台座部35A及びリング部324Aが「二つの湾曲部の間にケーブルを通す挿通部」に相当する。
【0079】
底板部31Aと天板部32Aは、いずれも、左端部311A,321Aと右端部312A,322Aとが、全周の一部が除去された円筒状の台座部35A,リング部324Aで連結されている。このため、底板部31Aと天板部32Aは、台座部35A,リング部324Aが径方向に拡縮する方向に容易に変形する。
また、変形容易であるため、超音波探触子本体21に対するアタッチメント3Aの装着も容易に行うことができる。特に、台座部35A,リング部324Aが撓みやすい構造であるため、径方向に広がるように撓ませることにより、超音波探触子本体21の回転軸213をアタッチメント3Aの下方から挿入するだけでなく、後方から台座部35Aの内側に押し込むように装着することもできる。
【0080】
また、台座部35Aは、その内径が超音波探触子本体21の回転軸213の外径と略一致しており、台座部35Aの下方から超音波探触子本体21の回転軸213を挿入することができる。
アタッチメント3Aを超音波探触子2に装着した状態で、台座部35A及びリング部324Aは、回転軸213及びケーブル22と同心となる。
【0081】
左右の湾曲部33A,34Aは、前述したアタッチメント3の湾曲部33,34とほぼ同一の構成である。但し、前後方向(幅方向)における回転軸213及びケーブル22の通過位置において、左右の湾曲部33A,34Aの凹状の底部の相互の間隔が、回転軸213の外径よりも狭く、さらには、ケーブル22の外径よりも狭くなっている。
このため、左右の湾曲部33A,34Aの凹状の底部には、左右方向に貫通する開口部331A,341Aが形成されている。これらの開口部331A,341Aは、いずれも、上下方向に沿った長円状であり、回転軸213の外周面が嵌合して、左右の湾曲部33A,34Aを撓ませることなく、湾曲部33A,34Aの間を通すことができる。
【0082】
また、台座部35Aには、前述した台座部35と同じように、ガイド溝351、位置決め孔352,353、出入口354が形成されている。
【0083】
上記のように、超音波探触子2Aは、アタッチメント3Aの底板部31Aと天板部32Aの左端部311A,321Aと右端部312A,322Aとが、全周の一部が除去された円筒状の台座部35A及びリング部324Aで連結されている。
このため、左右の湾曲部33A,34Aにおける凹状の底部同士の間隔を容易に可変とすることができる。そして、二つの湾曲部33A,34Aの開き角度θ(
図6参照)をアタッチメント3よりも容易に可変とすることができ、操作者の手の指Fに対してアタッチメント3Aをさらに良好にホールドさせることができ、さらに良好に超音波探触子2Aの姿勢や向きを調整し、安定的に保持して超音波診断を行うことが可能となる。
【0084】
また、アタッチメント3Aは、左右の湾曲部33A,34Aに開口部331A,341Aが形成されているので、二つの湾曲部33A,34Aの開き角度θをより小さい角度にまで調整することが可能となる。
さらに、各開口部331A,341Aを通じて、指Fが超音波探触子本体21の回転軸213に直接的に触れることができるので、超音波探触子本体21の向きをより強固に保持することが可能となる。
【0085】
[第3の実施の形態]
本発明に係る第3の実施の形態を説明する。
図15は超音波プローブとして超音波探触子2Bの斜視図、
図16は
図15のX-X線に沿った部分断面図である。
この超音波探触子2Bは、超音波探触子2に替えて超音波診断装置100に装備して利用することができる。
この超音波探触子2Bにおいて、既に説明した超音波探触子2と同一の構成については同符号を付して説明を省略し、主に、超音波探触子2と異なる点について説明する。
【0086】
超音波探触子2Bは、超音波探触子本体21Bとケーブル22とアタッチメント3Bとを有する。
超音波探触子本体21Bは、回転軸213に替えて平面視の断面形状が正方形となる柱状の立設部213Bが、筐体211の上面であって長手方向の中央部に設けられている。立設部213Bは、その中央部をケーブル22が挿通されている。ケーブル22は、中心軸Cと同心であり、中心軸Cは、立設部213Bの断面となる正方形の中心を通るように設定されている。
【0087】
立設部213Bの前後左右の四面には、いずれも、楔状の凸部214Bが形成されている。各凸部214Bは、後述するアタッチメント3Bを超音波探触子2Bに装着するための拘束部を構成する。
この拘束部は、超音波探触子本体21Bに対するアタッチメント3Bの回転角度0°又は180°と回転角度90°又は270°の状態で拘束することができる。
即ち、立設部213Bの左右の面に設けられた二つの凸部214Bは、アタッチメント3Bを回転角度0°又は180°で拘束し、立設部213Bの前後の面に設けられた二つの凸部214Bは、アタッチメント3Bを回転角度90°又は270°で拘束する。
【0088】
なお、
図15及び
図16は、超音波探触子本体21Bに対してアタッチメント3Bが回転角度90°で拘束されている状態を示している。
図15及び
図16の方向矢印は、超音波探触子2Bの前後左右方向を示しており、基準角度ではないアタッチメント3Bの前後左右と一致しない。但し、以下の説明においては、アタッチメント3Bについて前後左右という場合には、基準角度(回転角度0°)を向いている状態での前後左右を示すものとする。
【0089】
各凸部214Bは、前後左右の各面に対して、上から下に向かって突出量が大きくなるように形成され、各凸部214Bの先端面は、傾斜面となっている。この傾斜した構造は、超音波探触子2Bの立設部213Bに対する上からのアタッチメント3Bの装着を容易とする。また、装着後のアタッチメント3Bの上方への不慮の脱落を抑制する。
【0090】
アタッチメント3Bは、下部に位置する底板部を有しておらず、上部に位置する天板部32と、天板部32の左端部321と右端部322とからそれぞれ垂下した湾曲部33,34と、各湾曲部33,34の下部から鉛直下方に延びる一対の連結板35B,36Bと、湾曲部33,34の凹状の底部同士を連結する前後の連結部37Bとを有する。なお、後側(
図15では右側に位置している)の連結部37Bの図示は省略している。
アタッチメント3Bは、上記各構成が、前述した
図11に示す可撓性を有するいずれかの材料により一体的に形成されている。
【0091】
天板部32及び湾曲部33,34は、前述したアタッチメント3と同一の構成である。
但し、アタッチメント3Bは、各湾曲部33,34の下端部を連結する底板部を有さないので、替わりに前後の連結部37Bが、各湾曲部33,34の凹状の底部の前側及び後側の間隔を一定に維持している。
【0092】
一対の連結板35B,36Bは、左右方向から見て矩形の平板状であり、互いに平板面が平行に対向している。一対の連結板35B,36Bの隙間幅は、超音波探触子本体21Bの立設部213Bの前後及び左右の幅と略一致している。
さらに、一対の連結板35B,36Bのそれぞれの対向面には、立設部213Bに形成された凸部214Bが嵌合する凹部351B,361Bが形成されている。
【0093】
従って、アタッチメント3Bは、一対の連結板35B,36Bの凹部351B,361Bが、超音波探触子本体21Bの左右の面に形成された凸部214Bに嵌合するように上から装着することにより、回転角度0°又は180°の状態で超音波探触子本体21Bに連結することができる。
また、アタッチメント3Bは、一対の連結板35B,36Bの凹部351B,361Bが、超音波探触子本体21Bの前後の面に形成された凸部214Bに嵌合するように上から装着することにより、回転角度90°又は270°の状態で超音波探触子本体21Bに連結することができる。
なお、アタッチメント3Bを超音波探触子本体21Bから外す際には、アタッチメント3Bの可撓性により、一対の連結板35B,36Bが離隔するように間隔を広げることで、凹部351B,361Bと凸部214Bの嵌合状態を解除することができる。
【0094】
超音波探触子本体21Bとアタッチメント3Bとを連結する拘束部は、超音波探触子本体21Bの立設部213Bにおける、超音波探触子本体21Bに対するアタッチメント3Bの中心軸C回りの回転方向に直交する二つの直径方向(前後方向と左右方向)の両側に設けられた二組の凸部214Bと、二つの組の凸部214Bに対して選択的に嵌合可能な一対の連結板35B,36Bに設けられた一組の凹部351B,361Bとを有する。
このため、アタッチメント3Bの中心軸C回りの回転角度を0°と90°と180°と270°とに効果的に維持することが可能となる。
また、簡易な構造によって中心軸C回りの二つの角度にアタッチメント3Bを調節することが可能となる。
【0095】
なお、立設部213Bの前後左右の四面の向きは、前後左右に限定されず、中心軸Cを中心として四面全体を異なる角度(例えば、45°と135°と225°と315°)に向けてもよい。
また、立設部213Bの四面に凸部214Bを設け、アタッチメント3Bの一対の連結板35B,36Bに個別に凹部351B,361Bを設ける例を示したが、立設部213Bの四面のそれぞれに凹部を形成し、一対の連結板35B,36Bに個別に凸部を設ける構成としてもよい。
【0096】
[第4の実施の形態]
本発明に係る第4の実施の形態を説明する。
図17は超音波プローブとしての超音波探触子2Cの一部の図示を省略した平面図である。
この超音波探触子2Cは、超音波探触子2に替えて超音波診断装置100に装備して利用することができる。
この超音波探触子2Cにおいて、既に説明した超音波探触子2と同一の構成については同符号を付して説明を省略し、主に、超音波探触子2と異なる点について説明する。
【0097】
超音波探触子2Cは、超音波探触子本体21Cとケーブル22とアタッチメント3Cとを有する。
超音波探触子本体21Cは、回転軸213に替えて平面視の断面形状が正多角形、例えば、正八角形となる柱状の立設部213Cが、筐体211の上面であって長手方向の中央部に設けられている。立設部213Cは、その中央部をケーブル22が挿通されている。
立設部213Cは、平面視の中心を中心軸Cが通るように配置され、ケーブル22は、中心軸Cと同心となるように挿通されている。
また、立設部213Cは、全高に渡って断面形状が一様に正八角形となっている。
【0098】
アタッチメント3Cは、下部に位置する底板部31と、上部に位置する天板部32(図示略)と、天板部32の左端部321と右端部322とからそれぞれ底板部31の左端部311と右端部312とに至る湾曲部33,34と、底板部31の左右方向中央部に立設された円筒状の台座部35Cとを有する。
アタッチメント3Cは、上記各構成が、前述した
図11に示す可撓性を有するいずれかの材料により一体的に形成されている。
【0099】
アタッチメント3Cは、台座部35Cの内側に立設部213Cと同一の断面形状であってサイズも等しい正八角形状の挿入孔351Cが上下方向に貫通形成されている。この台座部35Cの挿入孔351Cには、超音波探触子本体21Cの立設部213Cを下から挿入することができる。
また、底板部31の後端部中央と台座部35Cは、後部が除去されており、前述したアタッチメント3の切り欠き部313に相当する構造となっている。従って、後方から台座部35Cと挿入孔351Cの内側に超音波探触子2Cのケーブル22を挿入することができる。このアタッチメント3Cでは、台座部35C及び切り欠き部323が「二つの湾曲部の間にケーブルを通す挿通部」に相当する。
【0100】
上記超音波探触子2Cでは、超音波探触子本体21Cの立設部213Cが凸部、アタッチメント3Cの台座部35Cの挿入孔351Cが凹部に相当する拘束部を構成している。
そして、立設部213C及び挿入孔351Cは、いずれも、超音波探触子本体21Cに対するアタッチメント3Cの中心軸C回りの回転中心と同一軸上に中心を有する正八角形の断面形状となっている。
このため、超音波探触子本体21Cに対してアタッチメント3Cを中心軸C回りで45°ずつ回転角度を調節することが可能である。
【0101】
このように、超音波探触子2Cは、アタッチメント3Cの中心軸C回りの回転角度を45°ずつ調整し、調整後の角度を効果的に維持することが可能となる。
また、簡易な構造によって中心軸C回りの八方向の角度にアタッチメント3Cを調節することが可能となる。
【0102】
[その他]
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。例えば、実施形態において、単一の部材により一体的に形成された構成要素は、複数の部材に分割されて互いに連結又は固着された構成要素に置換してもよい。また、複数の部材が連結されて構成された構成要素は、単一の部材により一体的に形成された構成要素に置換してもよい。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0103】
各実施形態において、アタッチメント3~3Cが二つの湾曲部を有する構成を例示したが、湾曲部は、最低で一つのみでもよい。例えば、ケーブル22の通過位置を挟んで一方に湾曲部、他方には平坦部を有する構成としてもよい。その場合でも、湾曲部に指(例えば、人差し指)を挿入し、平坦部に別の指(例えば、親指)を当てることで、アタッチメントを介して超音波探触子本体を良好に保持することが可能である。
また、二つの湾曲部を有する構成の場合、左右の湾曲部は、非対称であってもよい。
【0104】
また、アタッチメント3Aでは、各湾曲部33A、34Aに開口部331A、341Aを設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、各湾曲部33A、34Aの凹状の底部におけるケーブル22側に、回転軸213の外周面又はケーブル22の外周面が嵌合する凹部を形成してもよい。
【符号の説明】
【0105】
100 超音波診断装置
1 超音波診断装置本体
2,2A,2B,2C 超音波探触子(超音波プローブ)
21,21B,21C 超音波探触子本体(本体部)
211 筐体
212 検出面
213 回転軸
213B 立設部
213C 立設部(凸部)
214 嵌合突起(凸部)
214B 凸部
22 ケーブル
3~3C アタッチメント
31,31A 底板部
32,32A 天板部
33,33A,34,34A 湾曲部
35,35A,35C 台座部
35B,36B 連結板
37B 連結部
313,323 切り欠き部
324A リング部
331A,341A 開口部
351 ガイド溝
351B,361B 凹部
351C 挿入孔(凹部)
352,353 位置決め孔
354 出入口
C 中心軸
F 指
M マーキング
n 回転角度
θ 開き角度