(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161740
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】反射型光電センサおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
G01J 1/02 20060101AFI20231031BHJP
H01L 31/12 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
G01J1/02 P
H01L31/12 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072263
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 彬史
【テーマコード(参考)】
2G065
5F889
【Fターム(参考)】
2G065AB09
2G065AB22
2G065BA04
2G065BA07
2G065BA09
2G065BB21
5F889AB01
5F889CA21
5F889GA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】低コストで組立精度の良い反射型光電センサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1基板10と、第2基板20と、発光素子30と、受光素子40と、レンズ50とを備えた反射型光電センサ1。符号60は筐体連結部60であり、符号70はこれらを固定するネジである。この反射型光電センサ1は、発光素子30の照射光を対象物に照射し、対象物で反射した反射光を受光素子40で受光する。この反射型光電センサ1は、第1基板10と第2基板20とを積層させた積層体Lが発光素子30および受光素子40の実装位置を把握するための実装認識部を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、前記第1基板に積層される第2基板と、前記第1基板に実装される発光素子と、前記第1基板に前記発光素子と同一面上に実装される受光素子とを有し、
前記第2基板に、前記発光素子および受光素子を収容する収容孔が形成されており、
前記第1基板と前記第2基板とを積層させた積層体が、前記発光素子および受光素子の実装認識部を備えている、
反射型光電センサ。
【請求項2】
前記実装認識部が前記第2基板の表面に設けられた認識孔から構成されている、
請求項1記載の反射型光電センサ。
【請求項3】
前記実装認識部が、前記第2基板を貫通する前記認識孔と、前記認識孔から露出する前記第2基板と反対の光学特性を持つ第1基板の露出部とから構成されている、
請求項2記載の反射型光電センサ。
【請求項4】
前記認識孔が、前記収容孔または筐体の位置決めピンを挿入するピン孔である、
請求項2記載の反射型光電センサ。
【請求項5】
前記第1基板に、ネジを通す第1ネジ孔が形成されており、
前記第2基板に、前記第1基板に積層させたとき、前記第1ネジ孔と同軸の第2ネジ孔が形成されており、
前記認識孔が第2ネジ孔である、
請求項2記載の反射型光電センサ。
【請求項6】
前記第2ネジ孔が、前記第1ネジ孔より大きい、
請求項5記載の反射型光電センサ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の反射型光電センサの製造方法であって、
前記第1基板に前記第2基板を積層させる工程と、
前記第1基板に前記第2基板を積層後、前記実装認識部に基づいて前記発光素子および前記受光素子を前記第1基板に実装する工程とを有する、
反射型光電センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型光電センサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に示すように、基板と、その基板表面の同一面上に配置された発光素子および受光素子と、その基板に組付けられるホルダと、そのホルダに配置されるレンズとを備えた反射型光電センサが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1の反射型光電センサは、基板の上に光学素子を実装し、その後、ホルダを組み付け、そのホルダにレンズを組み付け、最後に筐体に固定して製造される。この場合、光学素子の実装およびホルダの組付けは基板を基準として行われるのに対し、レンズの組付けおよび筐体への固定はホルダを基準として行われる。そのため、基板を基準とした工程と、ホルダを基準とした工程の公差が重畳されて最終製品としてのバラツキが生じるおそれがある。
また特許文献1の反射型光電センサの場合、ホルダおよびレンズは用途に応じた成型品が採用されるため、各成型品を成形するための金型が必要となり、イニシャルコストが大きくなる。
本発明はこのような事情を鑑みて研究・開発されたものであり、低コストで組立精度の高い反射型光電センサおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の反射型光電センサは、第1基板と、前記第1基板に積層される第2基板と、前記第1基板に実装される発光素子と、前記第1基板に前記発光素子と同一面上に実装される受光素子とを有し、前記第2基板に、前記発光素子および受光素子を収容する収容孔が形成されており、前記第1基板と前記第2基板とを積層させた積層体が、前記発光素子および受光素子の実装認識部を備えていることを特徴としている。ここで「実装認識部」とは、発光素子および受光素子の実装装置が実装位置を把握できるように、センサやカメラ等によって検出される被検出部を言う。
【0006】
本発明の反射型光電センサは、第2基板に形成した収容孔で発光素子および受光素子を収容しているため、従来のようにホルダを成形する必要がなく、イニシャルコストを低くすることができる。また反射型光電センサの小型化が可能である。
本発明の反射型光電センサは、第1基板と第2基板とを積層させた積層体が発光素子および受光素子の実装認識部を備えているため、積層体(実装認識部)を基準として発光素子および受光素子を第1基板上に実装させることができる。そのため、光学素子の実装以降の他の部品の組付け、例えば、レンズや筐体の組付けを、光学素子と同じ積層体を基準として行うことにより、各組付けによって生じる組立誤差の重畳を最小限に抑えることができる。
【0007】
本発明の反射型光電センサであって、前記実装認識部が前記第2基板の表面に設けられた認識孔から構成されているものが好ましい。
本発明の反射型光電センサであって、前記実装認識部が、前記第2基板を貫通する前記認識孔と、前記認識孔から露出する前記第2基板と反対の光学特性を持つ第1基板の露出部とから構成されているものが好ましい。ここで「反対の光学特性」とは、一方が少なくとも特定の波長の光を反射し、他方がその光を吸収あるいは透過することを言う。この場合、光学センサで実装認識部を検出することができる。
本発明の反射型光電センサであって、前記認識孔が、前記収容孔または筐体の位置決めピンを挿入するピン孔であるものが好ましい。
本発明の反射型光電センサであって、前記第1基板に、ネジを通す第1ネジ孔が形成されており、前記第2基板に前記第1基板に積層させたとき、前記第1ネジ孔と同軸の第2ネジ孔が形成されており、前記認識孔が第2ネジ孔であるものが好ましい。特に、前記第2ネジ孔が、前記第1ネジ孔より大きいものが好ましい。
【0008】
本発明の反射型光電センサの製造方法は、本発明の反射型光電センサの前記第1基板に前記第2基板を積層させる工程と、前記第1基板に前記第2基板を積層後、前記実装認識部に基づいて前記発光素子および前記受光素子を前記第1基板に実装する工程とを有することを特徴としている。本発明の製造方法によれば、光学素子以外の他部品の組付け、例えば、レンズや筐体の組付けを光学素子の実装認識部を基準として行うことにより、組立誤差の重畳を最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の反射型光電センサは、低コストであり、かつ、生産において組立誤差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の反射型光電センサの第1の実施形態の概略を示す側面断面図である。
【
図2】
図2aは
図1の反射型光電センサの第1基板の一部を示す拡大側面断面図であり、
図2bはその第1基板を示す平面図であり、
図2cは
図1の反射型光電センサの第2基板を示す平面図であり、
図2dは積層体の一部を拡大した側面断面図であり、
図2eは積層体に光学センサを照射した状態の一部の概略を示す平面図である。
【
図3】
図3aは本発明の反射型光電センサの第2の実施形態を示す側面図であり、
図3bは積層体の一部を拡大した側面断面図であり、
図3cは積層体に光学センサを照射した状態の一部の概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例]
次に、本発明の反射型光電センサを実施形態に基づいて説明する。
【0012】
「反射型光電センサ(第1の実施形態)」
図1の反射型光電センサ1は、第1基板10と、第2基板20と、発光素子30と、受光素子40と、レンズ50とを備えている。また符号60は筐体連結部60であり、符号70はこれらを固定するネジである。この反射型光電センサ1は、発光素子30の照射光を対象物に照射し、対象物で反射した反射光を受光素子40で受光する。
この反射型光電センサ1において、
図2d、
図2eに示すように、第1基板10と第2基板20とを積層させた積層体Lが、発光素子30および受光素子40の実装位置を把握するための実装認識部(第2基板20のピン孔23)を備えている。
【0013】
「第1基板10」
第1基板10は、
図2aに示すように、第1基板本体10aの表面に配線パターンを構成する金属箔10b(例えば、銅箔)が設けられ、さらにその上にレジスト層10cが設けられた矩形状の回路基板である。
図2dに示すように、第1基板10において、第2基板20のピン孔23に相当する位置にピン孔23より若干大きい範囲(
図2bの符号16)でレジスト層10cが設けられておらず、金属箔10bが露出している。
このようにピン孔23に相当する位置において金属箔10bを露出させることにより、後述するようにこの露出した部位が第2基板20のピン孔23と共に実装認識部を構成する。
なお符号17a、bは、それぞれ発光素子30と受光素子40の実装位置を示す。このように反射型光電センサ1は、発光素子30および受光素子40とは、同一面上にして第1基板10に実装される。
【0014】
また第1基板10には、ネジを通すための第1ネジ孔11が形成されている。この実施形態では、第1ネジ孔11を2つ設けているが、第1基板10、第2基板20および筐体連結部60をネジで固定することができれば、第1ネジ孔11の数は特に限定されるものではない。
【0015】
「第2基板20」
第2基板20は、金属箔が設けられていない矩形状のものである。なお、第1基板10より長さを短くしているが幅を同じとしている。このように幅を同じとすることにより、精度良く重ね合わせることができる。第2基板20は、発光素子30の照射光の波長が透過せずに吸収する材料によって構成されている。
第2基板20には、
図2cに示すように、第2基板20を貫通する発光素子30を収容する発光素子用収容孔21と、第2基板20を貫通する受光素子40を収容する受光素子用収容孔22とが形成されている。このように発光素子用収容孔21と受光素子用収容孔22とを別とすることにより、それぞれ発光素子30および受光素子40を独立した空間に配置することができる。そのため、発光素子30の照射光が、受光素子用収容孔22に入って受光素子40に届くことがない。
第2基板20には、後述する筐体連結部60に形成された位置決めピン61を挿入するための第2基板20を貫通するピン孔23と、ネジを通すための第2基板20を貫通する第2ネジ孔24とが形成されている。ピン孔23および第2ネジ孔24は、それぞれ2つずつ形成されている。しかし、その数は、特に限定されるものではない。例えば、ピン孔23の断面形状を、例えば、多角形等の円以外とすることによりピン孔23を1つとしてもよい。
【0016】
「積層体L」
上述するように第1基板10と第2基板20とが構成されているため、第1基板10と第2基板20とを積層した積層体Lにおいて、第2基板20のピン孔23から第1基板10のレジスト層10cが設けられていない領域(符号16)の一部(露出部)が露出する(
図2d参照)。そのため、
図2eに示すように、光学センサ等の検出装置で積層体Lを上方から照射したとき、第2基板20において照射光は吸収され、ピン孔23から見える第1基板10の露出部(実施例では金属箔10b)において照射光は反射される。このとき、この反射領域の形状は、第1基板10と第2基板20の重ね合わせの精度に関わらず同じ形状(第2基板20のピン孔23の円形)となる。
つまり、光学素子の実装機は、第1基板10と第2基板20の重ね合わせの精度に関わらず第2基板20の位置を正確に把握できる。よって、発光素子30および受光素子40を正確に実装することができる。
このように第2基板20のピン孔23(認識孔)と、ピン孔23から見える第1基板10の露出部によって、反射型光電センサ1の実装認識部が構成されている。反射型光電センサ1では、2つのピン孔23を有しているが、少なくとも一方を実装認識部とすればよいが、実装精度を高めるため両方を実装認識部とするのが好ましい。
【0017】
「発光素子30、受光素子40」
発光素子30は、電気信号を光に変換するものである。例えば、発光ダイオード(LED)や垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL;Vertical Cavity Surface Emitting Laser)が好ましく挙げられる。
受光素子40は、受けた光を電気信号に変換するものである。例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタが好ましく挙げられる。
【0018】
「レンズ50」
レンズ50は、
図1に戻って、発光レンズ部51と、受光レンズ部52とを備えている。発光レンズ部51は、発光素子用収容孔21の開口部を閉じ、かつ、その開口部と係合するように設けられている。そして、発光レンズ部51は、発光素子30の照射光を対象物に向かって集光する。一方、受光レンズ部52は、受光素子用収容孔22の開口部を閉じ、かつ、その開口部と係合するように設けられている。そして、受光レンズ部52は、受光素子40に向かって反射光を集光する。
このようにレンズ50は、発光素子用収容孔21および受光素子用収容孔22を閉じるように第2基板20に固定される。なお、発光レンズ部51と受光レンズ部52とを一体とせず、別々に固定してもよい。
【0019】
「筐体連結部60」
筐体連結部60は、反射型光電センサ1と、それを収容する筐体(図示せず)とを連結する部品である。筐体連結部60には、反射型光電センサ1の第2基板20のピン孔23に挿入される位置決めピン61と、ネジを通すための第3ネジ孔62とが形成されている(
図1参照)。
つまり、位置決めピン61を第2基板20のピン孔23に挿入し、かつ、第1基板10の第1ネジ孔11、第2基板20の第2ネジ孔24および筐体連結部60の第3ネジ孔62にネジ70を通すことにより、第1基板10、第2基板20および筐体連結部60を固定することができる。
【0020】
次に、反射型光電センサ1の製造方法について説明する。
反射型光電センサ1の製造方法は、第1基板10に第2基板20を積層させる工程と、積層体Lの実装認識部(ピン孔23)に基づいて発光素子30および受光素子40を第1基板10に実装する工程と、積層体Lの実装認識部(ピン孔23)に基づいてレンズ50を第2基板20に組み付ける工程と、積層体Lの実装認識部(ピン孔23)に基づいて筐体連結部60を第2基板20に組み付ける工程と、ネジを第1基板10の第1ネジ孔11、第2基板20の第2ネジ孔24および筐体連結部60の第3ネジ孔61に通して、第1基板10、第2基板20および筐体連結部60を固定する工程とを有する。
【0021】
第1基板10に第2基板20を積層する工程は、例えば、第1基板10と第2基板20とを型に入れることによって行うことができる。
積層体Lの実装認識部(ピン孔23)に基づいて発光素子30および受光素子40を第1基板10に実装する工程は、例えば、光学センサ等の検出装置によって実装認識部を検出し、それに基づいて各光学素子を実装機にて実装する。
積層体Lの実装認識部(ピン孔23)に基づいてレンズ50を第2基板20に組み付ける工程は、例えば、前工程である各光学素子の実装工程において、第2基板20の位置が確認できているため、前工程で得た情報に基づいて、レンズ50の組付けを装置にて行う。しかし、再度、検出装置によって実装認識部を検出してもよい。
積層体Lの実装認識部(ピン孔23)に基づいて筐体連結部60を第2基板20に組み付ける工程は、例えば、前工程である各光学素子の実装工程の情報に基づいて、筐体連結部60の組付けを装置にて行う。なお、この工程でも、独自に、検出装置によって実装認識部を検出してもよい。
【0022】
このように反射型光電センサ1は、第2基板のピン孔23と、第1基板10の露出部とによって、発光素子30および受光素子40の実装認識部が構成されているため、第1基板10と第2基板20の重ね合わせの精度に関わらず、発光素子30および受光素子40を正確に実装することができる。また実装認識部(ピン孔23)は、レンズ50の組付位置および筐体連結部60の組付位置も特定することができるため、その実装認識部に基づいて各組付けを行うことによって、各組立誤差の重畳を最小限に抑えることができる。
なお、上記製造方法では、レンズ50および筐体連結部60を光学素子の実装認識部に基づいて組付け位置を特定しているが、積層体Lの第2基板20の他の領域または形状等を組付けの認識部としてもよい。いずれの場合も、第2基板20を基準とすることになるため、各組立誤差の重畳を最小限に抑えることができる。
【0023】
「反射型光電センサ2(第2の実施形態)」
図3aの反射型光電センサ2は、第2基板20の第2ネジ孔24を実装認識部としている。詳しくは、
図3bに示すように、第2基板20の第2ネジ孔24が第1基板10の第1ネジ孔11より径が大きくなっており、第1基板10の第1ネジ孔11の開口部周辺の金属箔10bが露出している。他の構成は、第2基板20のピン孔23に相当する位置(符号16)にレジスト層が設けられている点を除いて、実質的に
図1の反射型光電センサ1と同じものである。
【0024】
反射型光電センサ2は、第2基板20の第2ネジ孔24が第1基板10の第1ネジ孔11より径が大きくなっているため、第1基板10と第2基板20とを積層した積層体Lにおける第2ネジ孔24から、第1基板10の第1ネジ孔11の外周部が環状の露出部L1として見える(ネジ孔自体は光を反射しないため環状部分よりも内側の中心部分からの反射光がない)。この環状の露出部L1は、第1基板10と第2基板20の重ね合わせの精度によって環状部分の太さが周方向で均一でなくなる等、その見え方が変わるが、重ね合わせの精度に関わらず露出部L1の外周(外形)は同じとなる。そのため、光学センサ等の検出装置で積層体Lを照射したとき、反射が見られる環状の露出部の外形を検出することにより、第1基板10と第2基板20の重ね合わせの精度に関わらず、発光素子30および受光素子40の実装位置を正確に実装機に認識させることができる。このように第2基板20の第2ネジ孔24と、第2ネジ孔24から見える第1基板10の環状の露出部L1によって、反射型光電センサ2の実装認識部は構成されている。そのため、
図1の反射型光電センサ1と同様に、各光学素子の実装、レンズ50および筐体連結部60の組付けを安定して正確にできる。
さらに、反射型光電センサ2は、第2基板20の第2ネジ孔24を第1基板10の第1ネジ孔11より大きくしているため、第1基板10と第2基板20の張り合わせ誤差によってネジ孔の一部が塞がることも防止できる。
【0025】
[他の変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
図1の反射型光電センサ1では、第2基板20のピン孔23を実装認識部としているが、実装認識部は、第2基板の表面に設けられ積層体Lの表面に現れれば特に限定されるものではない。
例えば、変形例として、発光素子用収容孔21または受光素子用収容孔22を実装認識部としてもよい。この場合、
図2bの符号16の領域にはレジスト層11cが設けられ、実装領域(
図2bの符号17a、17b)で検出装置の光が反射するようにする。
また変形例として、実装認識部の専用の認識孔を第2基板20に設けてもよい。その場合、この専用の認識孔は、第2基板20を貫通させても、貫通させなくてもよい。貫通させる場合は、それに対応する第1基板の領域においてレジスト層をなくしたりして、光が反射するようにする。一方、貫通させない場合は、その認識孔の底部に検出装置の光が反射するように金属箔を設けたり、マーク等を設ける。
さらなる変形例として、第2基板20の表面に、穴加工を設けずに光学センサの照射光を反射するマークを設けてもよい。
【0026】
図3の反射型光電センサ2では、第2基板20の第2ネジ孔24を第1基板10の第1ネジ孔11より大きくしているが、逆に、第1基板10の第1ネジ孔11を第2基板20の第2ネジ孔24より大きくしてもよい。この場合、積層体Lの下方から検出装置の光を照射し、積層体Lの上方で検出装置の光を受光させることにより、第1基板10および第2基板20の張り合わせの精度に関わらず第2基板20の第2ネジ孔23の形状を検出することができる。
【0027】
上述した実施形態では、第2基板20を検出装置の光を透過せずに吸収させていたが、検出装置の光を反射するようにしてもよい。その場合、第1基板の露出部において光を吸収するようにする。つまり、第2基板20の認識孔と、第1基板の露出部とは、反対の光学特性を有するようにする。
上述した実施形態では、発光素子用収容孔21と受光素子用収容孔22とを別々に設けているが、一つの収容孔とし、例えば、発光素子30と受光素子40とを収容する空間を遮光壁等で区切るようにしてもよい。
上述した実施形態では、検出装置として光学センサを用いているが、カメラ等によって全体の形状を認識させ、検出装置の制御部で実装認識部の形状や色を認識させるようにしてもよい。
上述した実施形態において、レンズ部50の発光面または対象物の反射面に偏光素子を設けてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1、2 反射型光電センサ
10 第1基板
10a 第1基板本体
10b 金属箔
10c レジスト層
11 第1ネジ孔
16 露出範囲
17a 発光素子の実装位置
17b 受光素子の実装位置
20 第2基板
21 発光素子用収容孔
22 受光素子用収容孔
23 ピン孔
24 第2ネジ孔
30 発光素子
40 受光素子
50 レンズ
51 発光レンズ部
52 受光レンズ部
60 筐体連結部
61 位置決めピン
62 第3ネジ孔
70 ネジ
L 積層体
L1 露出部