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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161747
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】シート搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/04 20060101AFI20231031BHJP
   B65H 29/62 20060101ALI20231031BHJP
   B65H 9/00 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
B65H43/04
B65H29/62 Z
B65H9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072273
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】上田 浩司
【テーマコード(参考)】
3F048
3F053
3F102
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA13
3F048BB02
3F048CA02
3F048CA05
3F048CC02
3F048DA06
3F048DC12
3F048EB22
3F048EB28
3F053EA02
3F053ED18
3F053LA02
3F053LB03
3F102AA02
3F102AB01
3F102BA02
3F102BA04
3F102BA06
3F102BB04
3F102CA03
3F102EA08
3F102EA14
(57)【要約】
【課題】重送シートなどの不適シートを収納部に収納するまでの時間を短縮して自動再開までのユーザーの待ち時間が短いシート搬送装置を提供する。
【解決手段】シートを案内する搬送路と、搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、搬送路においてシートの幅方向位置を規制して該シートを整合させる整合手段と、搬送路を搬送されるシートの重送を検出する重送検出手段D084,D085と、重送検出手段D084,D085によって検出された重送シートを収納する収納部D080と、搬送路から重送シートを収納部D080へと案内する案内手段D081,D082と、を備えたシート搬送装置D001において、整合手段は、重送検出手段によって検出された重送シートやこれに続く搬送経路上の残留シートに対しては、このようなシートの幅サイズに応じた整合を行わないようにする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを案内する搬送路と、
前記搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、
前記搬送路においてシートの幅方向位置を規制して該シートを整合させる整合手段と、
前記整合手段のシート搬送方向上流側で、前記搬送路を搬送されるシートの重送を検出する重送検出手段と、
前記整合手段のシート搬送方向下流側で、前記重送検出手段によって検出された重送シートを収納する収納部と、
を備えたシート搬送装置において、
前記整合手段は、前記重送検出手段によってシートの重送が検出された場合、当該重送シートに対する前記整合を行わないことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記整合手段は、シートの幅方向の端部を規制する規制位置とシートの幅方向端部から離れた退避位置に移動可能な一対の規制部材を有し、
前記重送検出手段によって前記シートの重送が検出された場合、
当該重送シートの幅が、前記重送の検出時点における前記規制部材の前記幅方向の位置よりも狭い場合は、前記規制部材を当該位置に維持し、
当該重送シートの幅が、前記重送の検出時点における前記整合手段の前記幅方向の位置よりも広い場合は、当該幅方向の位置からシートの幅方向端部の退避位置方向へ移動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、前記重送検出手段によってシートの重送が検出された時点において、前記整合手段のシート搬送方向上流側で、前記搬送路に残留する残留シートを前記重送シートと共に前記収納部へ順次搬送し、
前記整合手段は、前記収納部へと搬送される前記残留シートの整合を行わないことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記整合手段は、シートの幅方向の端部を規制する規制位置とシートの幅方向端部から離れた退避位置に移動可能な一対の規制部材を有し、
前記重送検出手段によって前記シートの重送が検出された場合、
前記残留シートの幅が、前記整合手段の前記幅方向の現位置よりも狭い場合は、前記整合手段の当該位置に維持し、
前記残留シートの幅が、前記整合手段の前記幅方向の現位置よりも広い場合は、当該幅方向の位置からシートの幅方向端部の退避位置の方向へ移動させる、
ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記搬送路から分岐して前記収納部にシートを案内する案内手段を設け、
前記案内手段よりもシート搬送方向下流側の前記搬送路でシートの詰まりを検出するジャム検出手段を備え、
前記ジャム検出手段がシートの詰まりを検出した時点で、前記案内手段よりもシート搬送方向上流側の前記搬送路にある残留シートを前記収納部へ順次搬送し、前記整合手段は、前記収納部へと搬送される前記残留シートの整合を行わないことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記規制部材の規制位置は、前記整合手段に搬送されるシートの幅に応じて設定され、前記規制部材の退避位置は、前記整合手段に搬送されるシートの最大幅よりもシート幅方向外側の位置に設定されていることを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置にシートを供給する給紙装置に関し、特に、給紙装置内におけるシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に対してシートを供給する給紙装置が複数接続されたシステムにおいて、画像形成装置に近い側に接続された給紙装置(給紙A)は、画像形成装置に遠い側に接続された給紙装置(給紙B)から給紙されたシートを画像形成装置に受け渡す中継搬送部を備えている構成が知られている。
【0003】
この中継搬送部には、画像形成装置に遠い側に接続された給紙装置(給紙B)から給紙されたシートを、画像形成装置に向かって施設された搬送ベルトと搬送ベルトの上部に設置された搬送コロユニットとの間に挟み込み、シートを搬送する構成が知られている(例えば、「特許文献1」を参照)。
【0004】
ここで、このような中継搬送部には、搬送されるシートの姿勢の規制または、斜行の補正を目的にしたシートの搬送方向に平行するシート両端縁に作用する規制ガイドが設けられている。この規制ガイドは、シートの搬送方向に直交するシート幅方向に移動可能に構成され、搬送するシートの幅に応じて適切な位置に移動し、画像形成装置にシートが斜行した状態で搬送されないようにしている。
【0005】
また、画像形成装置と給紙装置から構成される画像形成システムにおいては、給紙装置内を搬送されるシートが重送されていることを検知した場合若しくは給紙装置内を搬送していたシートが、画像形成装置に受け渡すのに不適なシートであると認識した場合に、画像形成装置に受け渡すのに不適なシートを、本体に向けてシートを搬送する搬送路から分岐したエスケープ部に排出するようにした装置が知られている。
【0006】
このような、重送されたシートを画像形成装置に搬送しないようにするエスケープ部を備えた給紙装置及びこれを備える画像形成システムにおいては、ユーザーの操作を介さずに重送等されたシートをエスケープ部に排出し、後続するシートの給紙を継続することでシステムのダウンタイム(システムの動作停止時間)を削減するように制御されている。
【0007】
複数の給紙装置が接続されて、エスケープ部を備えた給紙装置の例として、画像形成システム構成において、最下流に配置される給紙装置の下流側にエスケープ部を備えた画像形成システムが知られている(例えば、「特許文献2」を参照)。
【0008】
この複数の給紙装置が接続された画像形成システムにおいては、給紙装置内のシート搬送装置は、シートを案内する搬送路と、該搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、給紙装置から給紙される搬送路におけるシートが斜行した状態で画像形成装置内に搬入されないようにするためにシートの幅方向位置を規制して該シートを整合させる整合手段と、搬送路を搬送されるシートが一枚ずつ搬送されずに二枚以上重なって搬送されてしまう重送を検出する重送検出手段と、該重送検出手段によって検出された重送シートを収納する収納部(エスケープ部)と、搬送路から重送シートを収納部へと案内する案内手段と、を備えて構成されている。
【0009】
そして、このようなシート搬送装置の例としては、無端状の搬送ベルトと、該搬送ベルトの搬送面にシートを押圧する球体と、搬送ベルトによって搬送されるシートの幅方向を整合させる一対の規制ガイドと、シートを整合しつつ搬送する中継搬送装置を備えた構成の装置が開示されている。このようなシート搬送装置においては、搬送されるシートの幅方向を規制して該シートを整合させる整合手段としての規制ガイドが設けられており、この規制ガイドは、シートの幅方向サイズの外側の退避位置(整合しない位置)とシートの幅方向サイズによるガイド位置(規制位置)とに選択的に移動可能であって、搬送されるシートの1枚ごとに退避位置とガイド位置を移動するように構成されたシート搬送装置が知られている(例えば、「特許文献3」を参照)。
【0010】
ここで、上述したように、重送シートを自動的に画像形成装置に供給しないで排出するためのエスケープ部(収納部)が備えられ、エスケープ部は、重送シートだけではなく、重送が発生した際に搬送路内に残される残留シートや、画像形成装置でジャムが生じた際にシート搬送装置の搬送路内に残された残留シートを自動的にエスケープ部に排出する。これは、ユーザーの操作を介すことなく、不適な重送シートや残留シートなどの不適なシートをエスケープ部に排出し、後続するシートの搬送を継続することによってシステムのダウンタイムを極力短縮するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007-217096号公報
【特許文献2】特開2007-279168号公報
【特許文献3】特開2021-107288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、例えば特許文献3において開示されたシート搬送装置のように、エスケープ部に重送シートや残留シートを排出する場合、これらの重送シートや残留シートを1枚ごとに整合させると、ジャム解除などの自動再開までに時間が掛かり、ユーザーの待ち時間(システムのダウンタイム)が長くなるという問題があった。特に、サイズの異なるシートが搬送される場合には、整合手段である規制ガイドが移動する距離が長くなるため、このためのシステムの動作時間が長くなっていたのである。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、重送シートなどの不適シートを収納部に収納するまでの時間を短縮して自動再開までのユーザーの待ち時間を短くすることができるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、シートを案内する搬送路と、前記搬送路に沿ってシートを搬送する搬送手段と、前記搬送路においてシートの幅方向位置を規制して該シートを整合させる整合手段と、前記整合手段のシート搬送方向上流側で、前記搬送路を搬送されるシートの重送を検出する重送検出手段と、前記整合手段のシート搬送方向下流側で、前記重送検出手段によって検出された重送シートを収納する収納部と、を備えたシート搬送装置において、前記整合手段は、前記重送検出手段によってシートの重送が検出された場合、当該重送シートに対する前記整合を行わないことを特徴とするシート搬送装置を提供するものである。
【0015】
ここで、前記整合手段は、シートの幅方向の端部を規制する規制位置とシートの幅方向端部から離れた退避位置に移動可能な一対の規制部材を有し、前記重送検出手段によって前記シートの重送が検出された場合、当該重送シートの幅が、前記重送の検出時点における前記規制部材の前記幅方向の位置よりも狭い場合は、前記規制部材を当該位置に維持し、当該重送シートの幅が、前記重送の検出時点における前記整合手段の前記幅方向の位置よりも広い場合は、当該幅方向の位置からシートの幅方向端部の退避位置方向へ移動させる。
【0016】
また、前記搬送手段は、前記重送検出手段によってシートの重送が検出された時点において、前記整合手段のシート搬送方向上流側で、前記搬送路に残留する残留シートを前記重送シートと共に前記収納部へ順次搬送し、前記整合手段は、前記収納部へと搬送される前記残留シートの整合を行わないようにする。
【0017】
ここで、前記整合手段は、シートの幅方向の端部を規制する規制位置とシートの幅方向端部から離れた退避位置に移動可能な一対の規制部材を有し、前記重送検出手段によって前記シートの重送が検出された場合、前記残留シートの幅が、前記整合手段の前記幅方向の現位置よりも狭い場合は、前記整合手段の当該位置に維持し、前記残留シートの幅が、前記整合手段の前記幅方向の現位置よりも広い場合は、当該幅方向の位置からシートの幅方向端部の退避位置の方向へ移動させる。
【0018】
さらに、本シート搬送装置においては、前記搬送路から分岐して前記収納部にシートを案内する案内手段を設け、前記案内手段よりもシート搬送方向下流側の前記搬送路でシートの詰まりを検出するジャム検出手段を備え、前記ジャム検出手段がシートの詰まりを検出した時点で、前記案内手段よりもシート搬送方向上流側の前記搬送路にある残留シートを前記収納部へ順次搬送し、前記整合手段は、前記収納部へと搬送される前記残留シートの整合を行わないことを特徴とする。
【0019】
そして、前記規制部材の規制位置は、前記整合手段に搬送されるシートの幅に応じて設定され、前記規制部材の退避位置は、前記整合手段に搬送されるシートの最大幅よりもシート幅方向外側の位置に設定されている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、重送シートを収納部へと収納する際には、該重送シートの整合手段による整合を行わないようにしたため、重送シートを収納部に収納するまでの時間が短縮され、自動再開までのユーザーの待ち時間も短縮されてユーザーの利便性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】画像形成装置と多段給紙装置とスルーパスユニットを介して多段給紙装置をさらに重連した全体構成を示す側断面図を示す。
図2】多段給紙装置とスルーパスユニットの全体構成の側断面図を示す。
図3】収納庫周辺の説明図である。
図4】収納庫の駆動説明図である。
図5】スルーパスユニットの説明図であって、(a)はスルーパスの構成を示す上面図を示し、(b)はスルーパスの搬送構成を示す断面図を示す。
図6】スルーパス搬送モード(高精度)の説明図であって、(a)はシート受入時の状態を示し、(b)は斜行シート受入時の状態を示し、(c)はシート斜行補正時の状態を示す。
図7】スルーパスシート受入時の説明図であって、(a)は異幅シート受入時の状態(小→大)を示し、(b)は異幅シート受入時の状態(大→小)を示す。
図8】スルーパス搬送モード(高速1)の説明図である。
図9】本発明の制御手順を示すフローチャートを示す。
図10】スルーパス搬送モード(高速2)の説明図であって、(a)は異幅シート受入順の説明図(小)であり、(b)は異幅シート受入順の説明図(小→中)であり、(c)は異幅シート受入順の説明図(中→大)である。
図11】スルーパス搬送モード(高速3)の説明図であって、(a)は異幅シート受入順の説明図(保持)であり、(b)は異幅シート受入順の説明図(規制位置拡大)であり、(c)は異幅シート受入順の説明図(規制板の内側入れ込み)であり、(d)は規制板を内側に入れ込んだ際の断面図である。
図12】本発明に関する制御ブロック図を示す。
図13】スルーパスユニットの構成を示す構成図である。
図14】スルーパス奥規制板の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、画像形成装置H001と、多段給紙装置D001と、スルーパスユニットD200及び重連多段給紙装置D501を備えた画像形成システムを示す全体構成図であり、図2は、多段給紙装置D001及び重連多段給紙装置D501の詳細構成の説明図、図5は、スルーパスユニットD200の詳細構成説明図である。
【0024】
[画像形成システム]
図1に示す画像形成システムは、画像形成装置H001と多段給紙装置D001とから構成されている。そして、画像形成装置H001の本体受入口H023に多段給紙装置D001の給紙装置排出口D016が連結されており、画像形成装置H001は、多段給紙装置D001からシートを受け取り、このシートに画像形成処理を施して本体排出口H011から画像形成されたシートを排出するように構成されている。
【0025】
また、図1に示す画像形成システムを構成する多段給紙装置D001には、スルーパスユニットD200が設けられるとともに、重連多段給紙装置D501が接続されている。そして、重連多段給紙装置D501は、重連給紙装置排出口D516を介してスルーパスユニットD200のスルーパス搬送経路D204に接続されている。
【0026】
さらに、スルーパスユニットD200のスルーパス搬送経路D204は、多段給紙装置D001の給紙装置排出口D016に続く経路に連結されており、画像形成装置H001は、重連多段給紙装置D501の各収納庫、すなわち、重連上段収納庫D502、重連中段収納庫D503、重連下段収納庫D504から給紙されたシートを受け取り、このシートに画像形成処理を施して本体排出口H011から画像形成されたシートを排出するように構成されている。なお、スルーパスユニットD200にはスルーパス搬送経路D204を搬送されるシートの幅方向の端縁を整合する整合手段を備えている。
【0027】
次に、重連多段給紙装置D501は、多段給紙装置D001と同様の装置構成であるため、以下、その詳細は多段給紙装置D001を用いて説明する。
【0028】
[画像形成装置]
画像形成装置H001について、図1を参照しつつ説明すると、この画像形成装置H001は、給紙部H002、多段給紙装置D001、重連多段給紙装置D501からシートを画像形成部H005に送り、画像形成部H005でシートに画像形成した後、本体排出口H011から画像が形成されたシートを排出するように構成されている。給紙部H002においては、複数サイズのシートが給紙カセットH003,H004に収納されており、指定されたシートが1枚ずつ分離して画像形成部H005へと給送される。
【0029】
画像形成部H005には、例えば、静電ドラムH006と、その周囲に配置されたレーザー発光器H007、現像器H008、転写チャージャH009、定着器H010が配置されている。そして、この画像形成部H005は、静電ドラムH006上にレーザー発光器H007によって静電潜像を形成し、この静電潜像に現像器H008でトナーを付着して静電潜像をトナー像として可視像化し、このトナー像を転写チャージャH009でシート上に転写し、転写されたトナー像を定着器H010でシートに加熱定着して所望の画像を形成する。このようにして画像形成されたシートは、本体排出口H011から順次搬出される。
【0030】
なお、両面印刷の際は、定着器H010から表面側に画像形成されたシートを、スイッチバック経路H013を介して表裏反転した後、循環経路H012を経由し、再び画像形成部H005に給送してシートの裏面側に画像を形成する。そして、このように両面印刷されたシートは、本体排出口H011から搬出される。
【0031】
画像読取装置H014においては、プラテンH015上にセットされた原稿シートをスキャンユニットH016で走査し、光電変換素子(例えば、CCD)によって電気的に読み取る。そして、読み取られた画像データは、画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ記憶部H017に転送され、前記レーザー発光器H007に画像信号を送る。また、原稿送り装置H018では、原稿スタッカH019に収容された原稿シートをプラテンH015に給送する。また、画像形成装置H001には、上記スキャンユニットH016で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ貯蔵部H020に蓄積される。画像データは、データ貯蔵部H020からバッファメモリH022に転送され、このバッファメモリH022から順次レーザー発光器H007にデータ信号が移送されるように構成されている。
【0032】
コントロールパネルH021からは、画像形成条件、例えば、シートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などの印刷条件が設定される。
【0033】
[多段給紙装置]
多段給紙装置D001は、図1及び図2に示すように、画像形成装置H001に本体受入口H023と給紙装置排出口D016を介してシートを給送するように接続されている。多段給紙装置D001から画像形成装置H001に給送するシートは、上段収納庫D002、中段収納庫D003及び下段収納庫D004に収納されている。各収納庫に収納されているシートは、多段給紙装置D001内の中継搬送部D005を経由して画像形成装置H001に給送される。
【0034】
また、多段給紙装置D001には、上段収納庫D002及び中段収納庫D003から給紙されたシートが複数枚重なって給紙されたことを検知する上中段重送検知ユニットD084と、下段収納庫D004から給紙されたシートが複数枚重なって給紙されたことを検知する下段重送検知ユニットD085とが設けられており、重送が検知されたシートを排出するための排紙ユニットD080が備えられている。
【0035】
ここで、重送検知ユニットD084は、例えば、超音波を利用し、一枚のシートを通過する超音波の受信レベルが重送シートの場合は明確に低下することを検知することによって行われる。尚、上中段重送検知ユニットD084と下段重送検知ユニットD085は、重送検出手段を構成しており、排紙ユニットD080は、収納部(エスケープ部)を構成している。
【0036】
[シートの搬送経路]
多段給紙装置D001の上段収納庫D002には、中継搬送上経路D012が接続されており、この中継搬送上経路D012は、中継搬送部D005内を略鉛直方向に延びる経路を経て、略水平に給紙装置排出口D016に向かう水平搬送路D015に接続されている。
【0037】
また、多段給紙装置D001の中段収納庫D003には、中継搬送中経路D013が接続されており、この中継搬送中経路D013は、前述の上段収納庫D002からの搬送経路と共通の中継搬送部内を略鉛直方向に延びる経路を経て、略水平に給紙装置排出口D016に向かう水平搬送路D015に接続されている。
【0038】
さらに、多段給紙装置D001の下段収納庫D004には、中継搬送中経路D014が接続されており、この中継搬送中経路D014は、略水平に給紙装置排出口D016に向かう水平搬送路D015に接続されている。
【0039】
[収納庫]
上段収納庫D002、中段収納庫D003、下段収納庫D004の各収納庫には、それぞれ、シートが載置される上段載置台D006、中段載置台D007、下段載置台D008がそれぞれ設けられている。各載置台D006,D007,D008は、鉛直方向に昇降可能に構成されており、シートの載置量に応じてシートの紙面位置を給紙位置に適正に保持している。
【0040】
図3は多段給紙装置D001から上段収納庫D002が装置手前側に引き出されている様子を示す図である。上段収納庫D002は、シートを補充する場合などに、上段収納庫開ボタンD050を押すことによって図3に示すように多段給紙装置D001から引き出される。
【0041】
上段収納庫D002の上段載置台D006には、様々なサイズのシートを収納することができ、シートの長さ方向を規制する上段長さ規制板D051とシートの幅方向を規制する上段幅規制板手前D052及び上段幅規制板奥D053をそれぞれ収納するシートのサイズに合わせた位置に移動させることによって上段載置台D006にシートを載置することができる。なお、ここでは、上段収納庫D002を用いて説明したが、中段収納庫D003及び下段収納庫D005も同様に構成されている。
【0042】
上段収納庫D002から中継搬送部D005の中継搬送路上経路D012に向けてシートを1枚ずつ繰り出すために、上段収納庫D002には、上段給紙ユニットD009が設けられている。図4に示すように、上段給紙ユニットD009は、上段収納庫D002に収納されたシートの上面に接地する上段給紙ローラーD017と、上段給紙ローラーD017のシート搬送方向上流に位置する上段搬送ローラーD054と、上段搬送ローラーD054のシートを挟んで対向して位置する上段分離ローラーD055と、これらのローラーを駆動する上段給紙モーターD056とから構成されている。
【0043】
[載置台昇降ユニット]
上段収納庫D002には、上段載置台D006を装置の鉛直方向に昇降させる上段昇降ユニットD057が設けられている。図4に示すように、上段昇降ユニットD057は、上段載置台D006に連結されたワイヤーを巻き取る上段巻取り部材D061と、上段巻取り部材D061を駆動する上段昇降モーターD058とから構成されている。
【0044】
上段載置台D006の上昇動作は、上段昇降モーターD058を駆動して上段巻取り部材D061をワイヤー巻取り方向に回転させ、上段載置台D006と上段巻取り部材D061との距離を短くして引き上げることで実現される。上段載置台D006の下降動作は、上段昇降モーターD058を上昇動作とは逆方向に駆動して、上段巻取り部材D061をワイヤー戻し方向に回転させて、上段載置台D006と上段巻取り部材D061との距離を長くすることによって実現される。
【0045】
上段収納庫D002には、上段載置台D006が下降可能な最下限位置を検知するための上段下限検知センサーD060が設けられている。上段下限検知センサーD060が上段載置台D006の最下限位置までの下降を検知すると、上段昇降モーターD058は下降動作を停止する。
【0046】
[上段収納庫からの給紙動作]
図4に示すように、多段給紙装置D001から上段収納庫D002が引き出された状態で、上段収納庫D002の上段載置台D006にシートが載置される。シートが載置された後、上段収納庫D002が多段給紙装置D001に格納される。
【0047】
上段収納庫D002が多段給紙装置D001に格納されたことを検出すると、上段載置台D002は、上段昇降ユニットD057によってシートの上面が上段紙面検知センサーD059によって検出される位置まで上昇する。ここで、シート上面が上段紙面検知センサーD059によって検出される位置は、シート上面が上段給紙ユニットD009の上段給紙ローラーD017に接する位置になっている。
【0048】
多段給紙装置D001は、画像形成装置H001のコントロールパネルH021から設定された条件に基づいて給紙命令を受けることによって各収納庫からの給紙動作を開始する。
【0049】
上段収納庫D002からの給紙命令を受けた場合、多段給紙装置D001では、上段給紙モーターD056を駆動して上段給紙ローラーD017を給紙方向に回転させる。上段給紙ローラーD017は、上段収納庫D002に載置されたシートを1枚だけ送り出し、上段搬送ローラーD054及び上段分離ローラーD055にシートを受け渡すように構成されている。
【0050】
その後、シートは、中継搬送部D005の縦搬送上1ローラーD020及び縦搬送上2ローラーD021によって、中継搬送上経路D012を搬送され、さらに、縦搬送下1ローラーD022及び縦搬送下2ローラーD023によって中継搬送部D005内を略鉛直方向に延びる経路を搬送され、水平搬送1ローラーD025及び水平搬送2ローラーD026によって水平搬送路D015を搬送され、給紙出口排出口D016から画像形成装置H001の本体受入口H023に搬送される。
【0051】
本体受入口H023によって受け入れられたシートは、上述の通り、画像形成装置H001内で画像形成処理が施され、本体排出口H011から排出される。
【0052】
ここまで、上段収納庫D002からの給紙について説明してきたが、中段収納庫D003及び下段収納庫D004からの給紙についても同様の構成であり、同様に制御することによって給紙が実現される。
【0053】
中段収納庫D003の中段載置台D007に載置されたシートの給紙は、中段給紙ユニットD010の中段給紙ローラーD018によって中継搬送中経路D013に搬送され、上段収納庫D002からの給紙時と同様に、縦搬送下1ローラーD022及び縦搬送下2ローラーD023によって中継搬送部D005内を略片直方向に延びる経路を搬送され、水平搬送1ローラーD025及び水平搬送2ローラーD026によって水平搬送路D015を搬送され、給紙出口排出口D016から画像形成装置H001の本体受入口H023に搬送される。
【0054】
下段収納庫D004の下段載置台D008に載置されたシートの給紙は、下段給紙ユニットD011の下段給紙ローラーD019によって中継搬送下経路D014に搬送され、上段収納庫D002及び中段収納庫D003からの給紙時と同様に、水平搬送1ローラーD025及び水平搬送2ローラーD026によって水平搬送路D015を搬送され、給紙出口排出口D016から画像形成装置H001の本体受入口H023に搬送される。
【0055】
[重送検知ユニット]
上段収納庫D002から給紙されたシートが搬送される中継搬送上経路D012と、中段収納庫D003から給紙されたシートが搬送される中継搬送中経路D013とが合流する搬送路上には、給紙されたシートが複数枚重なった状態で搬送されていることを検出する上中段重送検知ユニットD084が設けられている。
【0056】
また、下段収納庫D004から給紙されたシートが搬送される中継搬送下経路D014には、下段収納庫D004から給紙されたシートが複数枚重なった状態で搬送されていることを検出する下段重送検知ユニットD085が設けられている。
【0057】
さらに、重連多段給紙装置D501から給紙されたシートが搬送されるスルーパス搬送経路D203には、重連多段給紙装置D501から給紙されたシートが複数枚重なった状態で搬送されていることを検出するスルーパス重送検知ユニットD209が設けられている。ここで、スルーパス重送検知ユニットD209は、重送検出手段を構成している。
【0058】
これらの重送検出手段を構成する上中段重送検知ユニットD084と下段重送検知ユニットD085及びスルーパス重送検知ユニットD209は、複数枚のシートが重なった状態で検出されるように構成されたものであれば良く、例えば、シートの搬送回路を挟んで一対に構成されたセンサー対(不図示)の発光側と受光側とから構成され、シートが通過したときの受光側の受光レベルに応じて、搬送されたシートが単枚であるか複数枚であるかを判断するようにしたものであっても良い。
【0059】
[排紙ユニットへの排出]
中継搬送部D005の下方部分には、収納部(エスケープ部)を構成する排紙ユニットD080が設けられている。この排紙ユニットD080には、上段収納庫D002、中段収納庫D003及び下段収納庫D004から給紙されたシートのうち、画像形成装置H001に受け渡さないで排出したいシート、具体的には、重送シートや残留シートなどの不適シーは、スルーパスユニットD200の整合手段による整合を受けることなくそのまま排出される。
【0060】
ここで、本願において、重送シートや残留シートなどの不適シートに対して「整合手段による整合を行わない」の意味は、文字通り、重送シートや残留シートの横幅に応じた「整合制御」を行わないとの意味であり、詳しくは、多段給紙装置D001の重送検出ユニットD209、重連多段給紙装置D501の上中段重送検知ユニットD084、下段重送検知ユニットD085のいずれかによってシートの重送が検出された場合、重送シートや残留シートの幅が、整合手段のシート幅方向の現位置よりも狭い場合は、整合手段のその時の現在位置に維持し、重送シートや残留シートの幅が、整合手段の現在位置よりも広い場合は、当該幅方向の位置からシートの幅方向端部の退避位置の方向へ移動させることを意味する。
【0061】
すなわち、排出ユニットD080に整合されることなく排出されるシートは、重送検出手段である重送検出ユニットD209、上中段重送検知ユニットD084、下段重送検知ユニットD085のいずれかによって複数枚のシートが重なって搬送されたことが検出された重送シート、画像形成装置H001内のシート搬送部でシートの搬送不良(ジャム)などが発生したことが不図示のジャム検出手段によって検出することによって動作が停止した際に多段給紙装置D001、重連多段給紙装置D501の搬送経路に残留する残留シート、或いは多段給紙装置D001の上中段重送検知ユニットD084、下段重送検知ユニットD085、重送検出ユニットD209、重連多段給紙装置D501の上中段重送上中段重送検知ユニットD084、下段重送検知ユニットD085のいずれかによって重送シートが検出された時点で重連多段給紙装置D501内に残留する残留シートである。
【0062】
排出ユニットD080へのシートの排出は、水平搬送路D015から分岐された排出部分岐経路D082を介して行われる。水平搬送路D015から排出部分岐経路D082への搬送の切り替えは、案内手段を構成する搬送路切替部材D081によって行われる。そして、排出部分岐路D082に導かれたシートは、排出ユニットD080に備えられた排出トレイD083に排出されて積載される。
【0063】
重連多段給紙装置D501は、図1に示すように、多段給紙装置D001の中継搬送部D005の下方部分に設けられている排紙ユニットD080に相当する排紙ユニットは設けられていない。そのため、重連多段給紙装置D501の重連上段収納庫D502、重連中段収納庫D503及び重連下段収納庫D504から給紙されたシートのうち、画像形成装置H001に受け渡さないで排出したいシートは、スルーパスユニットD200のスルーパス搬送経路D204を経て多段給紙装置D001の中継搬送部D005の下方部分に設けられている排紙ユニットD080に排出される。
【0064】
図5(a)はスルーパスユニットD200を装置上面から見た説明図である。図5(a)の白抜き矢印は、スルーパス搬送経路D204によって搬送されるシートの搬送方向を示している。スルーパス搬送経路D204は、シート受入口D220からシートの搬送方向に対して上流に接続された重連多段給紙装置D501の重連給紙装置排出口D516から排出されたシートを受け取り、スルーパス搬送経路D204の搬送手段であるスルーパス搬送ベルトD206とスルーパス搬送コロD210とでシートを挟み込んだ状態でスルーパス搬送ベルトD206をスルーパス搬送ベルトモーターD217で駆動することによってシートを搬送する。
【0065】
スルーパスユニットD200には、シートの搬送方向と平行に整合手段を構成する規制部材であるスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212が設けられている。また、シート規制ガイド移動手段として、このスルーパス奥規制板D211は、スルー奥規制板モーターD215とスルーパス奥規制板ワイヤーD213を介して連結されており、スルー奥規制板モーターD215を駆動することによって、スルーパス搬送経路D204上を搬送されるシートの幅方向に移動可能に構成されている。
【0066】
同様に、スルーパス手前規制板D212は、スルー手前規制板モーターD216にスルーパス手前規制板ワイヤーD214を介して連結されており、スルー手前規制板モーターD216を駆動することによって、スルーパス搬送経路D204上を搬送されるシートの幅方向に移動可能に構成されている。
【0067】
スルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212には、スルーパス搬送経路D204上を搬送されるシートの端縁部の下方を支える奥規制板シート支持部D218と手前規制板シート支持部D219が備えられており、搬送されるシートの幅に応じた位置にスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212を移動させることによって、図5(b)に示すように、奥規制板シート支持部D218及び手前規制板D219でシートSの端縁部を支えながら該シートSを搬送すること。本装置では、シートの幅を認識するシート幅認識手段として、重連上段収納庫D502、重連中段収納庫D503及び重連下段収納庫D504などのスルーパス搬送経路D204を通過するシートが給紙された収納庫内に設けられたセンサー(不図示)によって構成されるシートサイズ検知手段、画像形成装置H001との通信で伝達されるシート幅情報などによってシート幅を認識する。
【0068】
スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212は、重連搬送経路D203から搬送されるスルーパス搬送経路D204を搬送中のシートに当接させることによって、シートの搬送姿勢を規制する整合手段を構成している。
【0069】
[スルーパス規制板制御]
スルーパスユニットD200のスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212は、スルーパス搬送経路D204上を搬送するシートの幅に応じて、その都度、好適な位置に移動させている。図6(a)は、スルーパスユニットD200で搬送方向上流側から搬送されてくるシートSを受け入れる際の制御説明図である。シート幅SWのシートSを受け入れる場合、スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212の規制板幅Wは、シート幅SWより所定量広いシート幅SW<幅Wの関係になるように制御される。
【0070】
また、規制板幅Wは、スルーパスユニットD200でシートSを受け入れる場合、図6(a)に示すように、シートSの幅の両端縁部を奥規制板シート支持部D218と手前規制板シート支持部D219で支える位置に制御されている。
【0071】
ここで、シートガイド450、460は、図13のスルーパスユニットの構成図に示すように、スルーパス搬送ベルトD206で搬送されるシートの下面を支持するガイド面450A、460Aを有する。ガイド面450a、460aは、シートの剛性が低い薄紙などはスルーパス搬送ベルトD206とスルーパス奥規制板D211、スルーパス手前規制板D212で支持されていない、自重で垂れ下がる部分を支持する。また、シートの端部がスルーパス奥規制板D211、スルーパス手前規制板D212に支持されずにスルーパス搬送ベルトD206により搬送された際にもシートの端部側を支持する。このシートガイド450、460のガイド面450a、460aには、帯状の導電性部材500が貼り付けられている。帯状の導電性部材は、シートの搬送方向に沿って複数設けられており、スルーパス搬送ベルトD206で搬送されるシートは帯状の導電性部材に接触しながら搬送する。このように、シートに接触する帯状の導電性部材を設けることで、シートの搬送抵抗を低減でき、また静電気の発生を抑えることができる。本実施形態においては、帯状の導電性部材をポリエチレン樹脂材の上にアルミ箔を貼り合わせた部材とし、ガイド面450a、460aに両面テープで貼り付けている。
【0072】
さらに、図14(a)、図14(b)は、スルーパス奥規制板D211の構成を示す構成図であり、この図14(a)、図14(b)を用いてスルーパス奥規制板D211を詳しく説明する。なお、図14(a)、図14(b)では、片側の規制部材であるスルーパス奥規制板D211のみを示すが、他側の規制部材であるスルーパス手前規制板D212も同様の構成である。図14(a)に示すように、スルーパス奥規制板D211は、搬送されるシートの幅方向の端縁を規制する側縁規制部1と、シートの幅方向の端部の上面を規制する上面規制部2と、シートの幅方向の端部の下面を支持する支持部3と、を備える。スルーパス奥規制板D211は図14(b)に示すように、ベース部材81と、このベース部材81のシート搬送方向上流に取り付けられた上流側規制部材82と、ベース部材81における上流側規制部材82の下流に取り付けられた下流側規制部材83と、で構成される。ベース部材81は、シート搬送方向の上流側の上面規制部(第1の上面規制部)81aを有する。また、ベース部材81には、スルーパス奥規制板D211をシート幅方向に移動させるためにスルーパス奥規制板D211とスルーパス奥規制板ワイヤーD213を連結する連結部材90や移動するスルーパス奥規制板D211が2つのシャフト91、92によって支持されるための支持部材85、86が取り付けられている。上流側規制部材82は、シート搬送方向上流側でシートの端縁を規制する側縁規制部(第1の側縁規制部)82a及びシートの底面を支持する支持部(第1の支持部)82bと、を有している。下流側規制部材83は、第1の側縁規制部82aの下流でシートの端縁を規制する端縁規制部(第2の端縁規制部)83a及び第1の上面規制部81aの下流でシートの上面を規制する上面規制部(第2の上面規制部)83b、第1の支持部82bの下流でシートの下面を支持する支持部(第2の支持部)83cと、を有する。本実施の形態では、下流側規制部材83を1枚の板金で、その下流側をコの字に折り曲げ、第2の端縁規制部83a、第2の上面規制部83b、第2の支持部83cを構成している。
【0073】
スルーパスユニットD200に搬送されてくるシートSの姿勢は、図6(b)に示すように、搬送方向に対して斜走した状態で搬送されてくることも想定される。そこで、スルーパスユニットD200に搬送されたシートSの搬送位置を規制し或いは斜走を補正するために、図6(c)で示すように、シートSが所定量搬送された後、スルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212を規制板幅Wが狭まる方向に移動させてシートSの両端縁部に作用させるように制御している。
【0074】
[画像形成装置H001に搬送する場合]
スルーパスユニットD200で受け入れたシートSは、上述のようにスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212によって搬送位置と斜走状態を補正して、給紙装置排出口D016(第1排出路)から画像形成装置H001に受け渡す。スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212の移動は、シートを受け入れる毎に受け入れるシート幅に応じて実施される。
【0075】
スルーパスユニットD200に連続して搬送されてくるシートの幅が同一である場合は、シート幅SWの変化がないため、規制板幅Wの変化は、受入位置での規制板幅Wと規制位置での規制板幅Wの往復の範囲に限定される。しかし、シート幅SWに変化がある場合は、シート幅に応じた位置にスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を移動する必要があり、また、移動させるタイミングも考慮する必要がある。
【0076】
図7(a)は、スルーパスユニットD200に連続してシートが搬送される様子を示したものであり、シートS1に次いで搬送されてくるシートS2においては、シート幅SW1とシート幅SW2が異なり、シート幅SW1<シート幅SW2の関係である場合の説明図である。この場合、シートS2を受け入れるために、規制板幅WをシートS2のシート幅SW2より広い受入位置に移動させる必要があるが、シート幅SW1のシートS1がスルーパス搬送経路D204上を搬送中の間はシートSの端縁部を奥規制板シート支持部D218と手前規制板シート支持部D219とで支える必要があるため、シートS1の後端がスルーパス搬送経路D204を通過し終わった後に、スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を移動させるように制御している。
【0077】
同様に、図7(b)に示す関係のように、スルーパスユニットD200にシートS2に次いで搬送されてくるシートS1において、シート幅SW1とシート幅SW2が異なり、シート幅SW1<シート幅SW2の関係にある場合も、先行するシートS2の後端がスルーパス搬送経路D204を通過し終わった後に、スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を移動させるように制御してシートの姿勢を保っている。ここで、スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212の2つの規制部材は、シートを整合させる整合手段を構成している。
【0078】
[排紙ユニットD080に排出する場合]
上述のように、中継搬送部D005の下方部分には、排紙ユニットD080が設けられている。そして、スルーパスユニットD200のスルーパス搬送経路D204を介して重連多段給紙装置D501の重連上段収納庫D502、重連中段収納庫D503及び重連下段収納庫D504から給紙されたシートのうち、画像形成装置H001に受け渡さないで排出したいシート(重送シートや残留シート)は、スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212によって整合されることなく、排出部分岐経路D082(第2排出路)を経てそのまま排紙ユニットD080へと排出される。
【0079】
本画像形成システムでは、スルーパスユニットD200のスルーパス搬送経路D204を搬送するシートが複数枚重なって搬送されてことが検出された重送シートや、画像形成装置H001内のシート搬送部で搬送不良等が発生したことによって動作が停止した際に多段給紙装置D001内の搬送経路に残留したシートを排紙ユニットD080に整合を省略して排紙することによって、一時的に停止した給紙搬送動作をユーザーの作業を要することなく再開させることによって、ユーザーの作業負担は勿論、システムの停止時間を短縮することによってユーザーの利便性を高めている。
【0080】
スルーパスユニットD200のスルーパス搬送経路D204を通過して排紙ユニットD080に排出されるシートに対しても、シート幅に応じて、スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212との位置を制御することによって、シートの姿勢や斜行を補正した高精度の搬送を実現することができるが、特に図7(a),(b)で示したシート幅の異なるシートが連続した場合、排紙ユニットD080にすべてのシートを排出するまでの処理時間を要してしまうといった課題がある。
【0081】
また、本スルーパスユニットD200のスルーパス搬送経路D204は、スルーパス搬送ベルトD206とスルーパス搬送コロD210とでシートを挟み込んだ状態でスルーパス搬送ベルトD206をスルーパス搬送ベルトモーターD217で駆動することによってシートを搬送するように構成されており、シートを搬送するのみであれば、スルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212がシートに対して作用する必要はなく、さらに、奥規制板シート支持部D218及び手前規制板シート支持部D219でシートの端部を支持しなくても、シートを搬送することが可能な構成となっている。
【0082】
そこで、本発明においては、スルーパスユニットD200の制御において、スルーパス搬送経路D204を連続して通過するシートの幅が異なる場合、スルーパス搬送経路D204を通過して画像形成装置H001に搬送されるシートに対するスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212の制御は、シートの姿勢や斜行を補正した高精度の搬送を実現する制御とし、スルーパス搬送経路D204を通過して、排紙ユニットD080に排出されるシートに対するスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212の制御はシートを効率良く搬送する制御とするというように制御を搬送先に応じて異ならせている。
【0083】
図8は、本発明における排紙ユニットD080に排出されるシートS1とシートS2をスルーパスユニットD200で搬送する際の説明図である。排紙ユニットD080に排紙するシートS1とシートS1に次いで排紙ユニットD080に排紙するシートS2のシート幅SW2の関係がシート幅SW1<シート幅SW2である場合、シートS1の後端がスルーパス搬送経路D204を通過中にスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212をシートS2のシート幅SW2に応じた位置に移動させる。
【0084】
シート幅が広いシートS2が先行し、シートS2に次いでシートS1が搬送される場合は、シートS2が搬送後もシートS1のシート幅SW1の位置にスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を移動させることなくシート幅SW2の位置のままシートS1を搬送している。
【0085】
図8ではシート幅SW1とシート幅SW2の2つのシートの関係を示したが、シート幅SW3のシート3が存在し、シート幅SW1<シート幅SW3<シート幅SW2の関係が成立する場合、シートS1、シートS2及びシートS3がスルーパス搬送経路D204を通過して排紙ユニットD080に排紙される場合、スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を3つのシートのうちの最大幅のシート幅SW2に応じた位置に移動させた状態ですべてのシートを搬送するように制御している。
【0086】
つまり、スルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212の制御は、図9のフローチャートに示すように実現している。すなわち、まず、スルーパス搬送経路D204を通過するシートの幅と次いでスルーパス搬送経路D204を通過するシートの幅が異なるかの判断を行い(ステップST01)、異ならない場合は、搬送先によらず、シート幅に応じた位置にスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を移動させ(ステップST6)、高精度の搬送を行う(ST07)。その後、搬送するシートがなくなるまでシートが排出される度にシート幅に応じた位置にスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を移動させ(ST06)、高精度の搬送を繰り返す(ST08)。
【0087】
一方、シート幅が異なる場合は、排出先が排紙ユニットD080か否かの判断を行い(ST02)、排紙ユニットD080でない場合には、シート幅に応じた位置にスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を移動させて(ST06)、高精度の搬送を行う。排出先が排紙ユニットD080であった場合、排紙ユニットに排紙されるシートのうち、シート幅が最大のシートに応じた位置にスルーパス奥規制板D211とスルーパス手前規制板D212を移動させて(ST03)、シートを排紙ユニットD080に排紙する(ST04)。その後、排紙ユニットD080に排紙するシートがなくなるまで排紙ユニットD080への排紙を繰り返す(ST05)。
【0088】
なお、スルーパス搬送経路D204を通過して排紙ユニットD080に排紙されるシートであっても可能な限り高精度での搬送を実現するために、図10(a)に示すように、シートS1を搬送中に可能な限りシートS1のシート幅SW1に応じた位置にスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212を位置させた状態で搬送しても良い。この場合、スルーパス搬送経路D204を通過して排紙ユニットD080に排紙されるシートが複数枚存在すると、シート幅が狭いシートからシート幅が広いシートの順番でスルーパス搬送経路D204にシートを排出する。
【0089】
シートS1のシート幅SW1とシートS2のシート幅SW2及びシートS3のシート幅SW3がシート幅SW1<シート幅SW3<シート幅SW2の関係にある場合、まず、シート幅が最小のシートS1をスルーパス搬送経路D204に搬送する。このときのスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212の位置は、シート幅SW1に応じた位置(図10(a))とする。次に、スルーパス搬送経路D204には、2番目に幅が小さいシートS3を搬送する。このときのスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212の位置は、シート幅SW3に応じた位置(図10(b))とする。その後、シート幅が最大のシートS2をスルーパス搬送経路D204に搬送する。このときのスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212の位置は、シート幅SW2に応じた位置とする(図10(c))。
【0090】
このように、受入順制御手段によってスルーパスユニットD200に受け入れるシートの受入順をシート幅が小さい順番でシートをスルーパス搬送経路D204に搬送することによって、奥規制板シート支持部D218と手前規制板シート支持部D219で一定区間シートを支持した状態でシートを搬送することができる。
【0091】
しかし、本画像形成システムの構成上、スルーパス搬送経路D204を通過して排紙ユニットD080に排出される先頭のシートは、すでにスルーパス搬送経路D204上に到達していたり、すぐに到達する位置に搬送されていたりする場合があり、スルーパス搬送経路D204を通過して排紙ユニットD080に排紙する先頭のシートが必ずしもシート幅最小であるとは限らない(図11(a))。
【0092】
このような場合、図11(b)に示すように、スルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212の規制板幅Wを搬送中のシートS2のシート幅SW2より広い位置に奥規制板シート支持部D218と手前規制板シート支持部D219をシートS2の端部を支えない位置に移動させる。その後、スルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212をシートS2に次いでスルーパス搬送経路D204に搬送されるシートS1のシート幅SW1に応じた位置に移動させる(図11(c))。
【0093】
このとき、図11(d)に示すように、スルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212は、シートS2より上部に位置するが、シートS2の搬送には影響がなく、シートS1を受け入れることができる。シートS1以降にスルーパス搬送経路D204に搬送されるシートを、幅が小さい順に排出することによって奥規制板シート支持部D218と手前規制板シート支持部D219で一定区間シートを支持した状態でシートを搬送することができる。
【0094】
また、スルーパス搬送経路D204を通過してシート排紙ユニットD080にシートを排出する場合、スルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212をシートに作用しない位置でシートを搬送する場合、シートの搬送速度を、スルーパス搬送経路D204を通過してシートを画像形成装置に受け渡す場合より遅く制御することによって搬送時の斜走の増幅を抑えるように制御しても良い。
【0095】
[制御構成の説明]
上述した画像形成装置のシステム制御構成を図12のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成装置のシステムは、画像形成装置H001の画像形成制御部C000と多段給紙装置D001の多段給紙装置制御部(CPU)C002と重連多段給紙制御部C026を備えている。画像形成制御部C000は、入力部C001を備えている。そして、この入力部C001に設けられたコントロールパネルH021から「印刷条件」や「多段給紙装置の給紙位置」などの設定を行う。
【0096】
なお、重連多段給紙制御部C026は、多段給紙装置制御部C002と略同様の構成であるため、これについての説明は省略する。
【0097】
多段給紙装置制御部(CPU)C002は、各収納庫に載置されたシートの状況や、上述の指定された多段給紙装置D001の給紙位置に応じて該多段給紙装置D001を動作させる。この多段給紙装置D001を制御する制御部(CPU)C002は、動作プログラムを記憶した不揮発性記憶部(ROM)C003と、制御データを記憶する揮発性記憶部(RAM)C004とを備えている。
【0098】
また、この多段給紙装置制御部(CPU)C002には、各種センサー入力部C008から上段載置台D006に載置されたシートの上面位置を検出する上段紙面検知センサーD059や上段載置台D006が最下限位置まで下降したことを検出する上段下限検知センサーD060などの信号が入力される。
【0099】
さらに、多段給紙装置制御部(CPU)C002には、各種スイッチ入力部C009から上段収納庫開ボタンなどの各収納庫の開処理を実施するためのスイッチ(ボタン)の信号が入力される。
【0100】
この多段給紙装置制御部(CPU)C002は、上段収納庫D002の上段載置台D006を昇降動作させる上段昇降モーターD058、中段収納庫D003の中段載置台D007を昇降動作させる中段昇降モーターC017、下段収納庫D004の下段載置台D008を昇降動作させる下段昇降モーターC018を制御する載置台制御部C005を備えている。
【0101】
また、この多段給紙装置制御部(CPU)C002は、上段給紙ユニットD009の上段給紙ローラーD017、上段搬送ローラーD054、上段分離ローラーD055を駆動する上段給紙モーターC056、中段給紙ユニットD010の中段給紙ローラーD010などのローラーを駆動する中継給紙モーターC019、下段給紙ユニットD011の下段給紙ローラーD019などのローラーを駆動する下段給紙モーターC020を制御する給紙ユニット制御部C006を備えている。
【0102】
多段給紙装置制御部(CPU)C002は、中継搬送部D005の中継搬送上経路D012上のシートを搬送する縦搬送上1ローラーD020と、縦搬送上2ローラーD021とを駆動する縦パス搬送上モーターC021、中継搬送下搬送経路D013上のシートを搬送する縦搬送下ローラーD022と、縦搬送下ローラーD023とを駆動する縦搬送下モーターC022、中継搬送下経路D014上のシートを搬送する下段搬送ローラーD024を駆動する下段搬送モーターC023、水平搬送路D015上のシートを搬送する水平搬送1ローラーD025と水平搬送2ローラーD026とを駆動する水平搬送モーターC024を制御する中継搬送制御部C007を備えている。
【0103】
さらに、多段給紙装置制御部(CPU)C002は、スルーパスユニットD200のスルーパス搬送経路D204上のシートを搬送するスルーパス搬送ベルトD206を駆動するスルーパス搬送ベルトモーターD217、スルーパス搬送経路D204上のシートを規制するスルーパス奥規制板D211を駆動するスルー奥規制板モーター、スルーパス手前規制板D212を駆動するスルー手前規制板モーターD216を制御するスルーパス制御部C025を備えている。
【0104】
以上のように、上述した実施態様によれば、スルーパスユニットD200の制御において、スルーパス搬送経路D204を通過して画像形成装置H001に搬送されるシートに対するスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212の制御は、シートの姿勢や斜行を補正した高精度の搬送を実現する制御とする。
【0105】
一方で、スルーパス搬送経路D204を通過して排紙ユニットD080に排出されるシートに対するスルーパス奥規制板D211及びスルーパス手前規制板D212の制御は、シートに対しては搬送機能を満足する最低限の制御とし、効率優先の搬送制御を実現することによって、排紙ユニットD080への排出処理時間を最小化し、システムの停止時間を短縮することによって自動再開までのユーザーの待ち時間も短縮されてユーザーの利便性が高められる。
【0106】
なお、ここまでは多段給紙装置D001内のスルーパスユニットD200を使用して説明を行ってきたが、本発明の適用はシート搬送装置に限定されず、シートの搬送を実現する各種システムにおいても有効である。
【0107】
また、本発明は前述した実施の形態に限定されず、本発明を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。これまでの実施の形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
H001:画像形成装置
D001:多段給紙装置
D005:中継搬送部
D012:中継搬送上経路(搬送路)
D013:中継搬送中経路(搬送路)
D014:中継搬送下経路(搬送路)
D015:水平搬送経路(搬送路)
D017:上段給紙ローラー(搬送手段)
D018:中段給紙ローラー(搬送手段)
D019:下段給紙ローラー(搬送手段)
D020:縦搬送上1ローラー(搬送手段)
D021:縦搬送上2ローラー(搬送手段)
D022:縦搬送下1ローラー(搬送手段)
D023:縦搬送下2ローラー(搬送手段)
D024:下段搬送ローラー(搬送手段)
D025:水平搬送1ローラー(搬送手段)
D026:水平搬送2ローラー(搬送手段)
D052:上段幅規制板手前(規制部材:整合手段)
D053:上段幅規制板奥(規制部材:整合手段)
D054:上段搬送ローラー(搬送手段)
D055:上段分離ローラー(搬送手段)
D080:排紙ユニット(収納部)
D081:搬送路切替部材(案内手段)
D082:排出部分岐経路(案内手段)
D084:上中段重送検知ユニット(重送検出手段)
D085:下段重送検知ユニット(重送検出手段)
D200:スルーパスユニット
D203、D204:スルーパス搬送経路(搬送路)
D205:スルー搬送1ローラー(搬送手段)
D206:スルーパス搬送ベルト(搬送手段)
D207:スルー搬送2ローラー(搬送手段)
D209:スルーパス重送検知ユニット(重送検出手段)
D210:スルーパス搬送コロ(搬送手段)
D211:スルーパス奥規制板(規制部材:整合手段)
D212:スルーパス手前規制板(規制部材:整合手段)
D501:重連多段給紙装置

図1
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