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特開2023-161770訪問介護スケジュール作成支援プログラム、訪問介護スケジュール作成支援方法、訪問介護スケジュール作成支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161770
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】訪問介護スケジュール作成支援プログラム、訪問介護スケジュール作成支援方法、訪問介護スケジュール作成支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20231031BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20231031BHJP
   G06Q 10/109 20230101ALI20231031BHJP
【FI】
G06Q50/22
G06Q10/06
G06Q10/10 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072315
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松村 崇史
(72)【発明者】
【氏名】林 千晴
(72)【発明者】
【氏名】中村 優作
(72)【発明者】
【氏名】規矩智 涼平
(72)【発明者】
【氏名】柴田 愛
(72)【発明者】
【氏名】野田 貴紀
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049AA13
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】スケジュールの精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】被介護者に対して過去に提供された介護サービスにおける介護内容毎の介護時間を含む介護履歴情報と、訪問予定の被介護者に関する被介護者情報と、に基づき訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成し、作成された前記スケジュール情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる、訪問介護スケジュール作成支援プログラムである。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者に対して過去に提供された介護サービスにおける介護内容毎の介護時間を含む介護履歴情報と、訪問予定の被介護者に関する被介護者情報と、に基づき訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成し、
作成された前記スケジュール情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる、訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
【請求項2】
前記スケジュール情報は、
前記訪問予定の被介護者毎の介護内容に応じた個別の介護時間を示す情報を含み、
前記個別の介護時間は、前記介護履歴情報に含まれる介護内容毎の介護時間の平均値である、請求項1記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
【請求項3】
前記スケジュール情報は、
前記訪問予定の被介護者毎の介護内容と対応した標準介護時間を含み、
前記標準介護時間と、前記個別の介護時間とを比較可能な態様で出力する、請求項2記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
【請求項4】
前記訪問予定の被介護者を訪問する際の出発地点の入力を受け付けて、
訪問における移動ルートを示すマップ情報を出力する、処理を前記コンピュータに実行させる、請求項1乃至3の何れか一項に記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
【請求項5】
前記スケジュール情報に含まれる訪問介護スケジュールにおける矛盾の有無を判定し、
前記矛盾が存在する場合に、前記スケジュール情報と共にアラートを出力する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
【請求項6】
コンピュータによる訪問介護スケジュール作成支援方法であって、前記コンピュータが、
被介護者に対して過去に提供された介護サービスにおける介護内容毎の介護時間を含む介護履歴情報と、訪問予定の被介護者に関する被介護者情報と、に基づき訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成し、
作成された前記スケジュール情報を出力する、訪問介護スケジュール作成支援方法。
【請求項7】
被介護者に対して過去に提供された介護サービスにおける介護内容毎の介護時間を含む介護履歴情報と、訪問予定の被介護者に関する被介護者情報と、に基づき訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成するスケジュール作成部と、
作成された前記スケジュール情報を出力する出力部と、を有する、訪問介護スケジュール作成支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問介護スケジュール作成支援プログラム、訪問介護スケジュール作成支援装置、訪問介護スケジュール作成支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、担当者が複数の訪問先を巡回する際のスケジュールの作成を支援する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-149582号公報
【特許文献2】特開2010-176371号公報
【特許文献3】特開2020-123022号公報
【特許文献4】特開2018-055554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術では、訪問先における作業時間が増減することが考慮されていないことが前提である。例えば荷物を運搬する場合に、荷物を受け渡すのに数十分以上も増減することは生じにくい。このため、訪問介護サービスでは、精度の高いスケジュールを作成することが困難であった。
【0005】
1つの側面では、本発明は、スケジュールの精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様では、被介護者に対して過去に提供された介護サービスにおける介護内容毎の介護時間を含む介護履歴情報と、訪問予定の被介護者に関する被介護者情報と、に基づき訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成し、作成された前記スケジュール情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる、訪問介護スケジュール作成支援プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
スケジュールの精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】訪問介護スケジュール作成支援システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】スケジュール作成支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】被介護者データベースの一例を示す図である。
図4】介護スタッフデータベースの一例を示す図である。
図5】介護履歴データベースの一例を示す図である。
図6】スケジュール作成支援装置の有するスケジュール作成支援部の機能を説明する図である。
図7】訪問介護スケジュール作成支援システムの動作を説明するシーケンス図である。
図8】スケジュール情報を作成する処理を説明するフローチャートである。
図9】端末装置の表示例を示す第一の図である。
図10】端末装置の表示例を示す第二の図である。
図11】端末装置の表示例を示す第三の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、訪問介護スケジュール作成支援システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0010】
本実施形態の訪問介護スケジュール作成支援システム100は、スケジュール作成支援装置200と、端末装置300とを含む。スケジュール作成支援装置200と端末装置300とは、ネットワーク等を介して接続される。
【0011】
本実施形態のスケジュール作成支援装置200は、例えば、訪問介護サービスを提供するサービス提供者等によって管理される情報処理装置であってよい。
【0012】
本実施形態の端末装置300は、例えば、主に、訪問介護サービスを提供する介護スタッフ等により利用される端末装置であってよい。具体的には、端末装置300は、各介護スタッフが所持しているタブレット型の端末装置や、スマートフォン等であってよい。
【0013】
訪問介護サービスとは、介護スタッフが被介護者の自宅等を直接訪問して提供される介護サービスであり、入浴や食事など様々な介護サービスを含む。また、訪問介護サービスでは、被介護者毎に提供される介護サービスの内容が異なる場合がある。また、訪問介護サービスでは、介護サービスの内容に応じて、介護スタッフの訪問時間が異なる場合がある。
【0014】
また、本実施形態における介護サービスの提供時間とは、介護スタッフが訪問予定である被介護者の自宅等において介護作業が行われている時間を示す。したがって、介護サービスの提供時間には、介護スタッフの移動時間等は含まれない。
【0015】
以下の説明では、介護サービスの提供時間を、介護時間と表現する場合がある。また、本実施形態では、介護時間には、介護スタッフが被介護者の同居家族等に対し、介護作業に関する説明を行う時間が含まれてよい。また、以下の説明では、訪問介護サービスにおいて、介護スタッフによって被介護者に提供される介護サービスの内容を介護内容と表現する場合がある。
【0016】
本実施形態では、訪問介護における以下の2点に着目して、介護スタッフの訪問介護スケジュールを作成する。
【0017】
1点目は、訪問介護における介護時間は、被介護者の個々の要因や、介護を行う介護スタッフの人数等によって変動する、という点である。
【0018】
被介護者の個々の要因としては、被介護者の家族構成、被介護者の容態、被介護者の住居の構造等が挙げられる。
【0019】
例えば、被介護者宅に複数人の同居家族がいる場合には、同居家族に対する説明にかかる時間が増大し、介護時間が増大する可能性がある。
【0020】
また、例えば、被介護者の認知機能が低下している場合等には、被介護者と介護スタッフとの意思の疎通に時間がかかり、介護時間が増大する可能性がある。また、例えば、被介護者の住居の敷地が広大である場合や、住居の構造が複雑である場合等には、介護スタッフや被介護者の移動時間が長くなり、介護時間が増大する可能性がある。
【0021】
2点目は、訪問介護では、同じ被介護者に対して、繰り返し介護サービスを提供する場合が多い、という点である。
【0022】
この場合、被介護者の介護時間には、被介護者特有の傾向が現れていることが想定される。
【0023】
そこで、本実施形態では、訪問予定の被介護者に対して過去に提供された介護サービスの履歴を示す介護履歴情報を参照し、介護スタッフが訪問する予定である被介護者の介護時間の傾向に基づき、介護スタッフ毎の訪問介護スケジュールを作成する。
【0024】
本実施形態のスケジュール作成支援装置200は、被介護者データベース210、介護スタッフデータベース220、介護履歴データベース230、スケジュール作成支援部240を有する。
【0025】
被介護者データベース210は、被介護者に関する被介護者情報が格納される。被介護者情報は、被介護者を特定する情報や、被介護者に対して提供される、介護スタッフの訪問予定等を含む。
【0026】
介護スタッフデータベース220は、介護スタッフに関する介護スタッフ情報が格納される。介護スタッフ情報は、介護スタッフが訪問する予定の被介護者や、提供する介護サービスの内容を含む。
【0027】
介護履歴データベース230は、過去に被介護者に提供された介護サービスの履歴を示す介護履歴情報が格納される。各データベースの詳細は後述する。
【0028】
スケジュール作成支援部240は、各データベースを参照して、介護スタッフ毎に、被介護者の介護時間の傾向を取り入れた訪問介護スケジュールを作成する。
【0029】
具体的には、スケジュール作成支援部240は、被介護者の介護履歴情報に基づき、被介護者毎の介護時間を決定し、決定された介護時間を用いて、介護スタッフの訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成する。
【0030】
したがって、本実施形態によれば、被介護者毎の個々の要因による、介護時間の変動を加味したスケジュール情報を作成することができ、訪問介護スケジュールの精度を向上させることができる。
【0031】
なお、本実施形態のスケジュール情報とは、介護スタッフが一日に訪問する予定である被介護者の一覧と、各被介護者に対して介護サービスの提供にかかる時間(介護時間)と、を含む。なお、本実施形態のスケジュール情報に含まれる介護時間は、介護サービスの提供を開始する開始時刻及び終了時刻と、で表現する。また、本実施形態のスケジュール情報に含まれる介護時間は、被介護者の介護履歴情報に基づき決定された、被介護者毎の介護時間である。
【0032】
また、本実施形態のスケジュール情報は、訪問予定の被介護者を訪問する順番と、訪問する際の移動ルートを示す情報とを含んでもよい。
【0033】
また、図1の例では、被介護者データベース210、介護スタッフデータベース220、介護履歴データベース230がスケジュール作成支援装置200に設けられるものとしたが、これに限定されない。これらの各データベースは、一部又は全部がスケジュール作成支援装置200の外部に設けられていてもよい。
【0034】
また、本実施形態では、スケジュール作成支援部240は、スケジュール作成支援装置200が有するものとしたが、スケジュール作成支援部240は、複数の情報処理装置によって実現されてもよい。
【0035】
次に、スケジュール作成支援装置200のハードウェア構成について説明する。図2は、スケジュール作成支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0036】
本実施形態のスケジュール作成支援装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26及びインターフェース装置27を含むコンピュータである。
【0037】
入力装置21は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置22は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ(表示装置)等により実現される。インターフェース装置27は、LANカード等を含み、ネットワークに接続するために用いられる。
【0038】
スケジュール作成支援装置200が有するスケジュール作成支援部240を実現させるスケジュール作成支援プログラムは、スケジュール作成支援装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。スケジュール作成支援プログラムは、例えば、記録媒体28の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。スケジュール作成支援プログラムを記録した記録媒体28は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0039】
記録媒体28に記録されたスケジュール作成支援プログラムは、スケジュール作成支援プログラムを記録した記録媒体28がドライブ装置23にセットされると、記録媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされたスケジュール作成支援プログラムは、インターフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
【0040】
補助記憶装置24は、スケジュール作成支援装置200の有する被介護者データベース210、介護スタッフデータベース220、介護履歴データベース230等を実現するものであり、スケジュール作成支援装置200にインストールされたスケジュール作成支援プログラムを格納すると共に、スケジュール作成支援装置200による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、スケジュール作成支援装置200の起動時に補助記憶装置24からスケジュール作成支援プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納されたスケジュール作成支援プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0041】
なお、本実施形態の端末装置300も、演算処理装置と記憶装置とを有するコンピュータであり、その基本的なハードウェア構成は、スケジュール作成支援装置200と同様であるから、説明を省略する。
【0042】
次に、図3乃至図5を参照して、スケジュール作成支援装置200の有する各データベースについて説明する。
【0043】
図3は、被介護者データベースの一例を示す図である。本実施形態の被介護者データベース210は、情報の項目として、被介護者ID、氏名、住所、年齢、性別、介護内容、訪問予定日時等を含み、項目「被介護者ID」と、その他の項目とが対応付けられている。
【0044】
本実施形態では、被介護者データベース210において、項目「被介護者ID」の値と、その他の項目の値とを対応付けた情報が被介護者情報である。
【0045】
なお、被介護者情報には、図3に示す項目以外の項目が含まれてもよいし、図3に示す全ての項目が含まれなくてもよい。
【0046】
また、本実施形態の被介護者情報は、例えば、被介護者が訪問介護サービスを提供する事業者等と契約を締結した場合等に、予め入力される情報であってよい。
【0047】
項目「被介護者ID」の値は、被介護者を特定するための識別情報である。項目「氏名」、「住所」、「年齢」、「性別」の値は、被介護者の氏名、住所、年齢、性別を示す。項目「介護内容」の値は、介護スタッフによって被介護者に提供される介護サービスの内容を示す。
【0048】
項目「訪問予定日時」は、さらに、項目「日付け」、「介護時間(標準介護時間)」と対応付けられている。項目「日付け」の値は、被介護者IDで特定される被介護者に対して、訪問介護が行われる日を示す。項目「介護時間(標準介護時間)」の値は、対応する介護内容にかかる標準的な介護時間を予定した開始時刻と終了時刻で表現したものである。標準的な介護時間とは、介護者と被介護者との間で介護計画を作成する際に設定される介護時間である。また、標準的な介護時間では、被介護者の個々の要因が除外されていてよい。
【0049】
図3では、例えば、被介護者ID「1」で特定される氏名が「AAaa」の被介護者に対し、10月25日(金)に、「身体介護1」の介護サービスが提供される予定であり、この介護サービスにかかる介護時間は、8時から8時半までの30分と予定とされている。
【0050】
また、図3では、例えば、被介護者ID「2」で特定される氏名が「FFaa」の被介護者に対し、10月25日(金)に、「身体介護1」の介護サービスが提供される予定であり、この介護サービスにかかる介護時間は、9時から10時半までの90分と予定とされている。
【0051】
図4は、介護スタッフデータベースの一例を示す図である。本実施形態の介護スタッフデータベース220は、情報の項目として、スタッフID、氏名、連絡先、勤務日、勤務時間、被介護者ID等を含み、項目「スタッフID」と、その他の項目とが対応付けられている。本実施形態では、介護スタッフデータベース220において、項目「スタッフID」の値と、その他の項目の値とを含む情報が介護スタッフ情報である。
【0052】
なお、介護スタッフ情報には、図4に示す項目以外の項目が含まれてもよいし、図4に示す全ての項目が含まれなくてもよい。
【0053】
また、本実施形態の介護スタッフ情報は、訪問介護サービスを提供する事業者等において、予め入力されている情報であってよい。
【0054】
項目「スタッフID」の値は、介護スタッフを特定するための識別情報である。項目「氏名」、「連絡先」の値は、介護スタッフの氏名と連絡先を示す。項目「勤務日」、「勤務時間」の値は、介護スタッフが勤務する日と勤務する時間帯を示す。項目「被介護者ID」の値は、介護スタッフが勤務日に訪問する予定の被介護者の被介護者IDを示す。
【0055】
図4では、スタッフID「101」であり、氏名「TTtt」の介護スタッフは、10月25日に、被介護者ID「1」、「2」、「3」で特定される被介護者を訪問する予定とされている。
【0056】
図5は、介護履歴データベースの一例を示す図である。介護履歴データベース230は、情報の項目として、被介護者ID、訪問日、介護内容、介護時間、スタッフ人数等を含み、項目「被介護者ID」と、その他の項目とが対応付けられている。本実施形態では、介護履歴データベース230において、項目「被介護者ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報が介護履歴情報である。
【0057】
なお、介護履歴情報には、図5に示す項目以外の項目が含まれてもよいし、図5に示す全ての項目が含まれなくてもよい。
【0058】
項目「訪問日」の値は、被介護者IDで特定される被介護者を介護スタッフが訪問した日を示す。言い換えれば、項目「訪問日」の値は、被介護者IDで特定される被介護者に対し介護サービスが提供された日を示す。項目「介護内容」の値は、対応する訪問日に、被介護者IDで特定される被介護者に対して提供された介護サービスの内容を示す。
【0059】
項目「介護時間」の値は、被介護者IDで特定される被介護者に対して介護内容が示す介護サービスを提供したときの介護時間を示す。項目「スタッフ人数」の値は、介護サービスの提供した介護スタッフの人数を示す。言い換えれば、項目「スタッフ人数」の値は、被介護者を訪問した介護スタッフの人数を示す。
【0060】
図5では、被介護者ID「1」で特定される被介護者に対し、10月4日に介護内容「身体介護1」の介護サービスが提供され、このときの介護時間は30分であり、対応した介護スタッフは1名であったことがわかる。また、図5では、被介護者ID「2」で特定される被介護者に対し、10月4日に介護内容「身体介護1」の介護サービスが提供され、このときの介護時間は100分であり、対応した介護スタッフは2名であったことがわかる。
【0061】
次に、図6を参照して、本実施形態のスケジュール作成支援装置200の有するスケジュール作成支援部240の機能について説明する。
【0062】
図6は、スケジュール作成支援装置の有するスケジュール作成支援部の機能を説明する図である。
【0063】
本実施形態のスケジュール作成支援部240は、入力受付部241、訪問先一覧取得部242、履歴取得部243、介護時間算出部244、スケジュール作成部245、矛盾判定部246、マップ生成部247、表示制御部248を有する。
【0064】
入力受付部241は、スケジュール作成支援装置200に対する各種の入力を受け付ける。具体的には、入力受付部241は、端末装置300からの訪問介護スケジュールの表示要求(出力要求)等を受け付ける。
【0065】
訪問先一覧取得部242は、訪問介護スケジュールの表示要求を受け付けると、介護スタッフデータベース220を参照し、介護スタッフ毎の訪問先の一覧を示す情報を取得する。
【0066】
履歴取得部243は、端末装置300から、被介護者に対する介護サービスの提供が完了したこと示す通知を受け付けると、被介護者の介護時間を含む介護履歴情報を取得し、介護履歴データベース230に格納する。
【0067】
介護時間算出部244は、介護履歴データベース230を参照し、被介護者毎の介護時間を算出する。具体的には、履歴取得部243は、介護履歴データベース230を参照し、被介護者の介護内容毎の介護時間の平均値を算出する。
【0068】
スケジュール作成部245は、訪問先一覧取得部242で取得された訪問先の一覧を示す情報と、介護時間算出部244により算出された被介護者毎の介護時間とを用いて、介護スタッフの訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成する。
【0069】
矛盾判定部246は、スケジュール作成部245が作成した訪問介護スケジュールに矛盾がないか否かを判定する。
【0070】
具体的には、例えば、矛盾判定部246は、同一の介護スタッフが同時に複数の訪問先を訪問する予定を含む場合や、訪問先への到着予定時刻までに到着することが不可能である場合等に、訪問介護スケジュールに矛盾があると判定する。また、例えば、矛盾判定部246は、スケジュール情報に含まれる介護の開始時刻又は終了時刻が、介護スタッフの勤務時間(図4)の時間内ではない場合等に、訪問介護スケジュールに矛盾があると判定する。
【0071】
マップ生成部247は、スケジュール作成部245が作成したスケジュール情報に基づき、介護スタッフの移動ルートと訪問先を示すマップ情報を生成する。
【0072】
表示制御部248は、スケジュール作成部245により作成されたスケジュール情報を端末装置300に表示させる。また、表示制御部248は、矛盾判定部246により訪問介護スケジュールに矛盾があると判定された場合に、警告を示す情報を端末装置300に表示させる。また、表示制御部248は、マップ生成部247が生成したマップ情報を端末装置300に表示させる。
【0073】
つまり、表示制御部248は、言い換えれば、端末装置300に対して各種の情報を出力する出力部の一例である。
【0074】
次に、図7を参照して、本実施形態の訪問介護スケジュール作成支援システム100の動作について説明する。図7は、訪問介護スケジュール作成支援システムの動作を説明するシーケンス図である。
【0075】
訪問介護スケジュール作成支援システム100において、端末装置300は、介護スタッフによるログイン操作を受け付ける(ステップS701)。このとき、端末装置300には、介護スタッフのスタッフID等が入力されてよい。
【0076】
続いて、端末装置300は、スケジュール作成支援装置200に対して、スケジュール情報の表示要求(出力要求)を送信する(ステップS702)。このとき、表示要求には、介護スタッフのスタッフIDが含まれてよい。
【0077】
スケジュール作成支援装置200のスケジュール作成支援部240は、入力受付部241により、スケジュール情報の表示要求を受け付けると、訪問先一覧取得部242により、表示要求に含まれるスタッフIDに基づき、介護スタッフの訪問先の一覧を示す情報を取得する(ステップS703)。
【0078】
具体的には、訪問先一覧取得部242は、介護スタッフデータベース220を参照し、表示要求に含まれるスタッフIDと対応付けられた被介護者IDを、訪問先の一覧を示す情報として取得する。以下の説明では、訪問先の一覧を示す情報を、訪問先一覧情報と表現する場合がある。
【0079】
続いて、スケジュール作成支援部240は、スケジュール作成部245により、表示要求を行った介護スタッフの訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成する(ステップS704)。ステップS704の処理の詳細は、後述する。
【0080】
続いて、スケジュール作成支援部240は、表示制御部248により、端末装置300に対してスケジュール情報の表示指示を送信する(ステップS705)。
【0081】
端末装置300は、スケジュールの表示指示を受け付けて、スケジュール画面を表示させる(ステップS706)。なお、ステップS706で表示されるスケジュール画面には、介護スタッフの現在位置(出発地点)の入力欄と、マップ情報の表示指示を行うための操作ボタンとが含まれる。スケジュール画面の詳細は、後述する。
【0082】
端末装置300は、スケジュール画面において、出発地点の入力を受け付ける(ステップS707)。続いて、端末装置300は、スケジュール画面において、マップの表示指示を受け付ける(ステップS708)。
【0083】
続いて、端末装置300は、マップの表示要求をスケジュール作成支援装置200に送信する(ステップS709)。
【0084】
スケジュール作成支援装置200のスケジュール作成支援部240は、この表示要求を受け付けて、マップ生成部247によりマップ情報を生成し(ステップS710)、表示制御部248により、端末装置300にマップ情報の表示指示を送信する(ステップS711)。
【0085】
端末装置300は、マップ情報の表示指示を受け付けて、マップ情報を表示させる(ステップS712)。
【0086】
次に、図8を参照して、本実施形態のスケジュール作成部245によるスケジュール情報の作成について説明する。
【0087】
図8は、スケジュール情報を作成する処理を説明するフローチャートである。図8では、図7のステップS704の処理の詳細を示している。
【0088】
本実施形態のスケジュール作成部245は、ステップS703において、介護スタッフの訪問先一覧情報が取得されると、介護履歴データベース230を参照し、訪問先である被介護者毎の介護履歴情報を取得する(ステップS801)。
続いて、スケジュール作成支援部240は、被介護者毎の介護履歴情報を取得したか否かを判定する(ステップS802)。言い換えれば、スケジュール作成支援部240は、訪問先である被介護者が新規の被介護者であるか否かを判定する。
ステップS802において、被介護者の介護履歴情報が取得されなかった場合、スケジュール作成支援部240は、介護内容が類似する他の被介護者の介護時間の平均値を、訪問先の被介護者の介護時間に設定し(ステップS803)、後述するステップS806へ進む。具体的には、スケジュール作成支援部240は、介護内容が類似する被介護者の介護時間の平均値を、予定された介護開始時刻に追加して、介護終了時刻を算出する。
ステップS802において、被介護者の介護履歴情報が取得された場合、スケジュール作成支援部240は、介護時間算出部244により、取得した介護履歴情報に含まれる介護時間の平均値を算出する(ステップS804)。
【0089】
具体的には、スケジュール作成支援部240は、取得した介護履歴情報から、表示要求を行った介護スタッフが行う予定の介護内容と対応する介護時間を抽出する。そして、介護時間算出部244は、抽出された介護時間の平均値を算出する。
なお、ここで、取得した介護履歴情報に、表示要求を行った介護スタッフが行う予定の介護内容と同じ介護内容の介護履歴情報が含まれない場合には、被介護者の介護履歴情報から、この介護内容と対応する介護時間を算出してもよい。
【0090】
続いて、スケジュール作成支援部240は、ステップS804で算出した平均値と、被介護者毎の被介護者情報とを用いて、被介護者毎の介護時間を決定する(ステップS805)。
【0091】
具体的には、スケジュール作成支援部240は、被介護者情報に含まれる予定された介護開始時刻と、当該介護開始時刻及び介護内容毎の介護時間の平均値を用いて算出された介護収量時刻と、被介護者の介護時間に決定してもよい。
【0092】
続いて、スケジュール作成支援部240は、訪問先一覧情報に含まれる全ての被介護者について、介護時間を決定する処理を行ったか否かを判定する(ステップS806)。ステップS806において、全ての被介護者に対して介護時間を決定する処理が行われていないと判定された場合、スケジュール作成支援部240は、ステップS801へ戻る。
【0093】
ステップS806において、全ての被介護者に対して介護時間を決定する処理が行われた場合、スケジュール作成支援部240は、スケジュール作成部245により、決定された介護時間と被介護者情報とを用いて、介護スタッフのスケジュール情報を作成する(ステップS807)。
【0094】
続いて、スケジュール作成支援部240は、矛盾判定部246により、作成されたスケジュール情報が示す訪問介護スケジュールに矛盾がないか否かを判定する(ステップS808)。
【0095】
ステップS808において、矛盾がない場合、スケジュール作成支援部240は、表示制御部248により、スケジュール情報の表示指示を端末装置300に送信する(ステップS809)。言い換えれば、スケジュール作成支援部240は、スケジュール情報を端末装置300へ出力する。
【0096】
また、ステップS808において、矛盾がある場合、スケジュール作成支援部240は、スケジュール作成部245により、矛盾が生じていることを示すアラート(警告)をスケジュール情報に付与し、アラートと共にスケジュール情報を端末装置300に表示させる(ステップS810)。言い換えれば、スケジュール作成支援部240は、スケジュールに矛盾が生じていることを示すアラートと共にスケジュール情報を端末装置300へ出力する。
【0097】
このように、本実施形態では、被介護者の介護履歴情報を参照し、これから提供する予定である介護サービスの内容に対応した被介護者毎の介護時間を算出する。言い換えれば、本実施形態では、被介護者の過去の介護サービスの提供実績から、被介護者の傾向に応じた介護時間を算出する。
【0098】
そして、本実施形態では、被介護者に提供される予定の介護サービスに応じて算出された、被介護者毎の介護時間を用いて、介護スタッフの訪問介護スケジュールを作成する。
【0099】
このため、本実施形態によれば、訪問介護スケジュールにおいて予定された介護時間と、実際の介護時間とが乖離することを抑制でき、訪問介護スケジュールの精度を向上させることができる。
【0100】
さらに、本実施形態では、スケジュールに矛盾が生じている際には、アラートを出力する。したがって、本実施形態によれば、介護スタッフの割り振り等の検討を促すことができる。
【0101】
次に、図9乃至図11を参照して、本実施形態の端末装置300の表示例について説明する。
【0102】
図9は、端末装置の表示例を示す第一の図である。図9に示す画面301は、例えば、図7のステップS706で端末装置300に表示されるスケジュール画面の一例である。
【0103】
また、図9に示す画面301では、スタッフID「101」で特定される介護スタッフがスケジュール情報の表示要求を行った場合に、スタッフID「101」で特定される介護スタッフの端末装置300に表示されたスケジュール画面の一例である。
【0104】
画面301は、表示領域302、入力欄303、操作ボタン304、表示領域305を含む。
【0105】
表示領域302には、スケジュール情報が表示される。具体的には、表示領域302には、スタッフID「101」の介護スタッフが10月25日(金)に訪問する予定である被介護者の一覧と、各被介護者に対して介護サービスの提供を開始する開始時刻と、介護サービスの提供にかかる時間(介護時間)と、の一覧が表示されている。
【0106】
ここで、スタッフID「101」の介護スタッフが10月25日(金)に訪問する予定である被介護者は、被介護者ID「1」、「2」、「3」のそれぞれで特定される被介護者である(図4参照)。したがって、表示領域302には、3名の被介護者に関する情報が表示されている。
【0107】
具体的には、表示領域302aには、被介護者ID「1」を含む被介護者情報と、介護時間302a1とが表示される。介護時間302a1とは、介護時間算出部244によって算出された、被介護者毎の個別(この場合被介護者ID「1」の被介護者)の介護時間を示す情報である。
図9においては、介護時間302a1は、ステップS805において、介護時間算出部244が算出した被介護者毎の介護時間であり、予定された介護開始時刻と、当該介護開始時刻及び介護内容毎の介護時間の平均値を用いて算出された介護終了時刻とで表現される。
【0108】
表示領域302に表示される被介護者情報には、被介護者ID「1」で特定される被介護者の氏名、住所、年齢、性別が表示される。また、表示領域302に表示される被介護者情報には、10月25日(金)にこの被介護者が提供される予定である介護内「身体介護1」と対応した標準介護時間302a2が含まれる。
このように、画面301には、標準介護時間(図9においては、標準介護時間302a2)と、個別の介護時間(図9においては、個別の介護時間を示す情報である介護時間302a1)とが比較可能な態様で表示されている。
【0109】
同様に表示領域302bには、被介護者ID「2」を含む被介護者情報と、介護時間302b1とが表示される。介護時間302b1とは、介護時間算出部244によって算出された、被介護者毎の個別(この場合被介護者ID「2」の被介護者)の介護時間を示す情報である。
また、表示領域302bに表示される被介護者情報には、10月25日(金)にこの被介護者が提供される予定である介護内容「身体介護1」と対応した標準介護時間302b2が含まれる。
【0110】
同様に表示領域302cには、被介護者ID「3」を含む被介護者情報と、介護時間302c1とが表示される。介護時間302c1とは、介護時間算出部244によって算出された、被介護者毎の個別(この場合被介護者ID「3」の被介護者)の介護時間を示す情報である。
また、表示領域302cに表示される被介護者情報には、10月25日(金)にこの被介護者が提供される予定である介護内容「身体介護1」と対応した標準介護時間302c2が含まれる。
【0111】
ここで、表示領域302aに表示された介護時間302a1は8時から8時28分までの28分間であり、標準介護時間302a2である30分間よりも短い。
【0112】
この介護時間302a1は、介護履歴データベース230から抽出された、被介護者ID「1」と介護内容「身体介護1」を含む介護履歴情報の介護時間の平均値である。
【0113】
表示領域302bに表示された介護時間302b1は9時から10時50分までの110分間であり、標準介護時間302b2である90分間よりも長い。
【0114】
この介護時間302b1は、介護履歴データベース230から抽出された、被介護者ID「2」と介護内容「身体介護1」を含む介護履歴情報の介護時間の平均値である。
【0115】
表示領域302cに表示された介護時間302c1は11時から11時25分までの25分間であり、標準介護時間302c2である30分間よりも短い。
【0116】
この介護時間302c1は、介護履歴データベース230から抽出された、被介護者ID「3」と介護内容「身体介護1」を含む介護履歴情報の介護時間の平均値である。
【0117】
画面301では、表示領域302に表示されたスケジュール情報から、被介護者ID「1」、「3」で特定される被介護者は、標準介護時間内に介護作業を終えることができる傾向であることがわかる。また、画面301では、被介護者ID「2」で特定される被介護者は、介護作業を終えるまでに標準介護時間以上の時間がかかる傾向であることがわかる。
【0118】
このように、本実施形態の画面301では、被介護者毎に予定された介護内容の標準介護時間と共に、被介護者毎の介護履歴情報から算出した個別の介護時間が表示される。
【0119】
また、表示領域302dは、介護スタッフが訪問する予定である被介護者の人数と、訪問が完了した被介護者の人数とが表示される。
【0120】
画面301の例では、訪問する予定である被介護者の人数が3人であり、訪問が完了した被介護者の人数は0人である。
【0121】
また、本実施形態では、被介護者毎の個別の介護時間を参照して、マップ情報が生成される。
【0122】
画面301において、入力欄303は、介護スタッフの現在位置(出発地点)が入力される。操作ボタン304は、入力欄303に入力された出発地点を起点とした移動ルートを示すマップ情報を表示させるための操作ボタンである。表示領域305は、介護スタッフに対する連絡事項等が表示される。
【0123】
本実施形態の端末装置300では、画面301の入力欄303に出発地点が入力されて、操作ボタン304が選択されると、表示領域302に表示されたスケジュール情報に基づいて生成されたマップ情報が表示される。
【0124】
また、本実施形態では、端末装置300において、被介護者への訪問が完了したことを示す操作が行われると、画面301を、被介護者の訪問実績情報を入力する入力画面に遷移させる。具体的には、訪問実績情報の入力画面では、訪問した被介護者を特定する情報、介護内容、介護時間等が入力される。また、本実施形態では、訪問実績情報を、被介護者の介護履歴情報として、介護履歴データベース230に格納してよい。
【0125】
さらに、本実施形態では、訪問実績情報が入力された被介護者を、訪問する予定である被介護者の一覧から消去し、訪問実績が入力された被介護者の住所を出発地点として、新たにスケジュール情報が作成されてもよい。
【0126】
言い換えれば、本実施形態のスケジュール作成支援部240は、被介護者の訪問が完了したことを示す通知を受け付けると、訪問先一覧情報を更新し、更新された訪問先一覧情報を用いて、新たにスケジュール情報を作成する。
【0127】
図10は、端末装置の表示例を示す第二の図である。図10に示す画面301Aは、例えば、図7のステップS712において端末装置300に表示される画面の一例である。
【0128】
画面301Aには、マップ情報307が表示されている。マップ情報307は、例えば、介護スタッフの現在位置Pを出発地点として入力欄303に入力し、操作ボタン304を選択する操作が行われた場合に、画面301上にポップアップ表示されてもよい。
【0129】
マップ情報307では、介護スタッフが訪問する予定である訪問先と、訪問先への移動ルートRと、各訪問先への到着予定時刻が表示されている。
【0130】
本実施形態では、このように、移動ルートと、訪問先への到着予定時刻とを表示させることで、介護スタッフが自身で移動ルートを検討する必要がなくなり、介護スタッフを効率的に移動させることができる。
【0131】
図11は、端末装置の表示例を示す第三の図である。図11に示す画面301Bは、介護スタッフにより2番目の訪問先までの訪問介護が完了した状態で、新たにスケジュール情報が作成された場合を示している。
【0132】
画面301Bは、表示領域302A、入力欄303、操作ボタン304、表示領域305を含む。
【0133】
表示領域302Aでは、表示領域302a、302bにおいて、被介護者ID「1」、「2」で特定される被介護者のそれぞれの訪問実績を入力された後に作成されたスケジュール情報が表示されている。
【0134】
具体的には、図11では、表示領域302aにおいて、1番目の訪問先である被介護者ID「1」で特定される被介護者の訪問介護における実際の介護時間302a3が表示されている。また、図11では、表示領域302bにおいて、2番目の訪問先である被介護者ID「2」で特定される被介護者の訪問介護における実際の介護時間302b3が表示されている。
介護時間302a3、302b3は、介護スタッフの操作により入力された実際の介護時間である。
また、図11の例では、2番目の訪問先である被介護者ID「2」で特定される被介護者の訪問介護において、実際の介護時間が、予定されていた介護時間である110分を超えた場合を示している。
【0135】
具体的には、図11では、被介護者ID「2」で特定される被介護者の介護時間が、9時から11時までの120分であったとする。
【0136】
この場合、スケジュール作成支援部240は、被介護者ID「2」で特定される被介護者の住所が出発地点となり、次の訪問先は、被介護者ID「3」で特定される被介護者の住所となる。
【0137】
このとき、被介護者ID「3」で特定される被介護者に対して予定されている介護サービスの予定開始時刻は11時である。
【0138】
しかし、11時の時点では、介護スタッフの現在位置は、被介護者ID「2」で特定される被介護者の住所であり、介護サービスの予定開始時刻である11時に、被介護者ID「3」で特定される被介護者の介護サービスを開始することができない。
【0139】
この場合、スケジュール作成支援部240は、矛盾判定部246により、スケジュール情報に矛盾が生じるものと判定する。
【0140】
そして、スケジュール作成支援部240は、表示領域302cにおいて、スケジュール情報に矛盾があることを示すアラート302eを表示させる。
【0141】
本実施形態では、このように、アラートを表示させることで、他の介護スタッフに対して応援を依頼したり、訪問先の被介護者に対して連絡を行う、といった対応を介護スタッフに促すことができる。このため、本実施形態では、訪問介護サービスの利用者(被介護者やその家族等)のサービスに対する満足度を向上させることができる。
【0142】
このように、本実施形態では、訪問介護スケジュールを、被介護者の傾向に応じた介護時間を用いて作成し、移動ルートを示すマップ情報を生成する。したがって、本実施形態によれば、実際の介護時間と、訪問介護スケジュール情報に含まれる介護時間との乖離を抑えた、精度の高い訪問介護スケジュールを作成することができる。
【0143】
さらに、本実施形態では、被介護者毎に個別の介護時間を予め予定することで、被介護者に適した十分な介護を行うことができ、介護サービスの品質を向上させることができる。
【0144】
なお、本実施形態では、被介護者毎の個別の介護時間を、介護履歴情報に含まれる介護時間の平均値(実際にかかった介護時間の平均値)としたが、個別の介護時間の算出方法は、これに限定されない。本実施形態における、被介護者毎の個別の介護時間とは、被介護者の介護履歴情報に表れる被介護者の介護時間の傾向が反映された介護時間であればよい。
【0145】
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
被介護者に対して過去に提供された介護サービスにおける介護内容毎の介護時間を含む介護履歴情報と、訪問予定の被介護者に関する被介護者情報と、に基づき訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成し、
作成された前記スケジュール情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる、訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
(付記2)
前記スケジュール情報は、
前記訪問予定の被介護者毎の介護内容に応じた個別の介護時間を示す情報を含み、
前記個別の介護時間は、前記介護履歴情報に含まれる介護内容毎の介護時間の平均値である、付記1記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
(付記3)
前記スケジュール情報は、
前記訪問予定の被介護者毎の介護内容と対応した標準介護時間を含み、
前記標準介護時間と、前記個別の介護時間とを比較可能な態様で出力する、付記2記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
(付記4)
前記訪問予定の被介護者を訪問する際の出発地点の入力を受け付けて、
訪問における移動ルートを示すマップ情報を出力する、処理を前記コンピュータに実行させる、付記1乃至3の何れか一項に記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
(付記5)
前記スケジュール情報に含まれる訪問介護スケジュールにおける矛盾の有無を判定し、
前記矛盾が存在する場合に、前記スケジュール情報と共にアラートを出力する、付記1乃至4の何れか一項に記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
(付記6)
前記スケジュール情報は、
前記訪問予定の被介護者に対する訪問が完了したことを示す通知を受け付ける度に更新される、付記1乃至5の何れか一項に記載の訪問介護スケジュール作成支援プログラム。
(付記7)
コンピュータによる訪問介護スケジュール作成支援方法であって、前記コンピュータが、
被介護者に対して過去に提供された介護サービスにおける介護内容毎の介護時間を含む介護履歴情報と、訪問予定の被介護者に関する被介護者情報と、に基づき訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成し、
作成された前記スケジュール情報を出力する、訪問介護スケジュール作成支援方法。
(付記8)
被介護者に対して過去に提供された介護サービスにおける介護内容毎の介護時間を含む介護履歴情報と、訪問予定の被介護者に関する被介護者情報と、に基づき訪問介護スケジュールを示すスケジュール情報を作成するスケジュール作成部と、
作成された前記スケジュール情報を出力する出力部と、を有する、訪問介護スケジュール作成支援装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0146】
100 訪問介護スケジュール作成支援システム
200 スケジュール作成支援装置
210 被介護者データベース
220 介護スタッフデータベース
230 介護履歴データベース
240 スケジュール作成支援部
241 入力受付部
242 訪問先一覧取得部
243 履歴取得部
244 介護時間算出部
245 スケジュール作成部
246 矛盾判定部
247 マップ生成部
248 表示制御部
300 端末装置


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11