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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161802
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/50 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
E06B9/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072375
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】390020101
【氏名又は名称】セイキ住工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】守谷 将人
(72)【発明者】
【氏名】辻 和孝
(72)【発明者】
【氏名】堀内 太一朗
(57)【要約】
【課題】巻取ローラの回転を滑らかにして操作性を高めると共に、巻取ボックスに対するスクリーン巻取ユニットの着脱を容易にしてメンテナンス性を高めたスクリーン装置を得る。
【解決手段】建物開口部の一端に配設された巻取ボックス6の長手方向の一端及び他端に第1ブラケット11及び第2ブラケット12を設け、各ブラケット11,12にベアリング受け24とベアリング押さえ25とをそれぞれ設け、スクリーン巻取ユニット2における巻取ローラ4の両端部にそれぞれベアリング13を取り付けて、該ベアリング13を、前記ブラケット11,12のベアリング受け24とベアリング押さえ25との間に挟持させることにより、前記巻取ローラ4を前記巻取ボックス6の内部に回転自在且つ取り外し可能に支持させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部の一端に配設された巻取ボックスと、該巻取ボックスの内部に着脱可能に取り付けられたスクリーン巻取ユニットとを有し、
前記スクリーン巻取ユニットは、前記建物開口部を開閉するスクリーンと、該スクリーンを巻き取ったり繰り出したりする巻取ローラとを有し、
前記巻取ローラの軸方向の一端及び他端には、転がり軸受としてのベアリングがそれぞれ取り付けられ、
前記巻取ボックスの長手方向の一端に設けられた第1ブラケット及び他端に設けられた第2ブラケットには、ベアリング受けと、該ベアリング受けに着脱自在のベアリング押さえとがそれぞれ設けられ、
前記巻取ローラの一端のベアリングを、前記巻取ボックスの第1ブラケットのベアリング受けとベアリング押さえとの間に挟持すると共に、前記巻取ローラの他端のベアリングを、前記巻取ボックスの第2ブラケットのベアリング受けとベアリング押さえとの間に挟持することにより、前記巻取ローラが前記巻取ボックスの内部に回転自在且つ取り外し可能に支持されている、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
前記ベアリングは、同心状に配置された環状の内輪および外輪と、これら内輪と外輪との間に介設された転動体とからなっていて、前記内輪の内部に前記巻取ローラの一端及び他端のローラ軸を圧入することにより前記巻取ローラの両端部にそれぞれ取り付けられ、前記外輪が前記ベアリング受けと前記ベアリング押さえとの間に挟持されていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
【請求項3】
前記ベアリング受け及びベアリング押さえは、前記ベアリングの外輪の外周面が当接する半円状の当接面をそれぞれ有し、
前記ベアリング受けは、前記巻取ボックスの第1ブラケット及び第2ブラケットの互いに向き合う内面に取り付けられ、
前記ベアリング押さえは、前記ベアリング受けに着脱自在に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
【請求項4】
前記ベアリング受けは、半円状をした部材からなっていて、両端部に前記ベアリング押さえを取り付けるための取付面を有し、該取付面に螺子孔が形成されており、
前記ベアリング押さえは、半円状をした本体部と、該本体部の両端部に連なる取付部とを有し、該取付部に螺子挿通孔が形成され、該螺子挿通孔に挿通した取付螺子を前記ベアリング受けの螺子孔に螺着することにより該ベアリング受けに取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のスクリーン装置。
【請求項5】
前記第1ブラケット及び第2ブラケットに取り付けられた前記ベアリング受け同士及びベアリング押さえ同士は、それぞれ互いに同一構成を有し、前記第1ブラケット及び第2ブラケットの何れに対しても取付可能であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に取り付けて遮光や断熱あるいは防虫等の目的で使用されるスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物開口部に取り付けて遮光や断熱あるいは防虫等の目的で使用されるスクリーン装置は、例えば特許文献1に示すように公知である。
この種のスクリーン装置は、建物開口部の一端に配置した巻取ボックスの内部に巻取ローラを回転自在に取り付け、この巻取ローラに巻き付けたスクリーンを、この巻取ローラから繰り出したり該巻取ローラに巻き取ったりすることにより該スクリーンで前記建物開口部を開閉するもので、前記巻取ローラの内部にはコイルばねが内蔵され、前記スクリーンを繰り出す時の該巻取ローラの回転により前記コイルばねが捻られて弾性力を蓄積し、蓄積した弾性力で前記巻取ローラを逆回転させることにより前記スクリーンを自動的に巻き取るように構成されている。
また、前記巻取ローラは、前記巻取ボックスの長さ方向の両端部に設けられたブラケットに回転自在に支持されているが、その支持構造は、通常、巻取ローラ及びブラケットの一方と他方とに設けた軸受孔と回転軸との嵌合による摺動軸受としての構造であるため、前記スクリーンの繰り出し及び巻き取りに伴って前記巻取ローラが回転する際に、前記軸受孔と回転軸との間のギャップによるがたつきが生じて騒音を発生したり、がたつきによる回転抵抗の増大によって円滑な操作を行いにくいという問題を生じ易かった。また、前記巻取ローラは、メンテナンス時に前記巻取ボックスから取り外しにくいため、メンテナンス性に難点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-346707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、巻取ローラの回転を滑らかにしてスクリーン開閉時の操作性を高めると共に、巻取ボックスに対するスクリーン巻取ユニットの着脱を容易にしてメンテナンス性を高めたスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明のスクリーン装置は、建物開口部の一端に配設された巻取ボックスと、該巻取ボックスの内部に着脱可能に取り付けられたスクリーン巻取ユニットとを有し、前記スクリーン巻取ユニットは、前記建物開口部を開閉するスクリーンと、該スクリーンを巻き取ったり繰り出したりする巻取ローラとを有し、前記巻取ローラの軸方向の一端及び他端には、転がり軸受としてのベアリングがそれぞれ取り付けられ、前記巻取ボックスの長手方向の一端に設けられた第1ブラケット及び他端に設けられた第2ブラケットには、ベアリング受けと、該ベアリング受けに着脱自在のベアリング押さえとがそれぞれ設けられ、前記巻取ローラの一端のベアリングを、前記巻取ボックスの第1ブラケットのベアリング受けとベアリング押さえとの間に挟持すると共に、前記巻取ローラの他端のベアリングを、前記巻取ボックスの第2ブラケットのベアリング受けとベアリング押さえとの間に挟持することにより、前記巻取ローラが前記巻取ボックスの内部に回転自在且つ取り外し可能に支持されていることを特徴とする。
【0006】
本発明において、前記ベアリングは、同心状に配置された環状の内輪および外輪と、これら内輪と外輪との間に介設された転動体とからなっていて、前記内輪の内部に前記巻取ローラの一端及び他端のローラ軸を圧入することにより前記巻取ローラの両端部にそれぞれ取り付けられ、前記外輪が前記ベアリング受けと前記ベアリング押さえとの間に挟持されていることが望ましい。
【0007】
また、本発明において、前記ベアリング受け及びベアリング押さえは、前記ベアリングの外輪の外周面が当接する半円状の当接面をそれぞれ有し、前記ベアリング受けは、前記巻取ボックスの第1ブラケット及び第2ブラケットの互いに向き合う内面に取り付けられ、前記ベアリング押さえは、前記ベアリング受けに着脱自在に取り付けられていることが好ましい。
【0008】
前記ベアリング受けは、半円状をした部材からなっていて、両端部に前記ベアリング押さえを取り付けるための取付面を有し、該取付面に螺子孔が形成されており、前記ベアリング押さえは、半円状をした本体部と、該本体部の両端部に直角に連なる取付部とを有し、該取付部に螺子挿通孔が形成され、該螺子挿通孔に挿通した取付螺子を前記ベアリング受けの螺子孔に螺着することにより該ベアリング受けに取り付けられていても良い。
【0009】
本発明において好ましくは、前記第1ブラケット及び第2ブラケットに取り付けられた前記ベアリング受け同士及びベアリング押さえ同士が、それぞれ同一構成を有し、前記第1ブラケット及び第2ブラケットの何れに対しても取付可能であることである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のスクリーン装置は、前記巻取ローラをベアリングを介して巻取ボックスに回転自在に支持させたので、スクリーンの開閉時の前記巻取ローラの回転が非常にスムーズに行われ、摺動軸受けを用いた従来のスクリーン装置のようながたつきや騒音の発生といった問題が発生しない。また、前記ベアリング押さえを前記ベアリング受けから分離してベアリング13を取り外すことにより、前記巻取ローラを含むスクリーン巻取ユニットを巻取ボックスから簡単に取り外すことができるので、前記スクリーンや巻取ローラ等が破損した場合の交換を容易に行うことができ、メンテナンス性にも勝れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るスクリーン装置の第1実施形態を示す正面図である。
図2図1の要部拡大斜視図である。
図3図2の分解図である。
図4】巻取ボックスの底部の斜視図である。
図5】ベアリングの平面図である。
図6】本発明に係るスクリーン装置の第2実施形態を示す正面図である。
図7図7の要部拡大斜視図である。
図8図7の分解図である。
図9】コイルばねの作用を説明するため、巻取ローラとワイヤドラムとを分離して示す模式図であって、スクリーンが全開状態にあるときの図である。
図10】スクリーンが半開状態にあるときの模式図である。
図11】スクリーンが全閉状態にあるときの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図4は本発明に係るスクリーン装置の第1実施形態を示すもので、この第1実施形態のスクリーン装置1Aは、スクリーン3を横移動させて建物開口部を開閉する横開き式のスクリーン装置であって、図1及び図2に示すように、前記建物開口部に取り付けられた矩形のスクリーン枠5に、巻取ローラ4で前記スクリーン3を巻き取るように構成されたスクリーン巻取ユニット2を着脱自在に取り付けたものである。
【0013】
なお、本発明において、巻取ローラ4にスクリーン3を巻き取って建物開口部を開放することを「スクリーンを開放する」と言い、巻取ローラ4からスクリーン3を繰り出して建物開口部を閉鎖することを「スクリーンを閉じる」あるいは「スクリーンを閉鎖する」と言う。したがって、「スクリーン3を開閉する」というのは、「スクリーンで建物開口部を開閉する」ことである。
【0014】
前記スクリーン枠5は、前記建物開口部の左右方向の一端側に縦向きに配設された巻取ボックス6と、該巻取ボックス6の上端及び下端から前記建物開口部の上辺及び下辺に沿ってそれぞれ水平に延びる上横枠杆7及び下横枠杆8と、前記建物開口部の左右方向の他端側に縦向きに配設された縦枠杆9とを有している。
【0015】
前記スクリーン巻取ユニット2は、前記スクリーン3及び巻取ローラ4と、該巻取ローラ4に内蔵されて捻りにより蓄積される弾性力を該巻取ローラ4にスクリーン3を巻き取る際の回転力として伝達するコイルばね10とを有するもので、前記巻取ローラ4の軸方向の一端(上端)は、前記巻取ボックス6の長手方向(上下方向)の一端(上端)に設けられた第1ブラケット11に、ベアリング13を介して正逆回転自在に支持され、前記巻取ローラ4の軸方向の他端(下端)は、前記巻取ボックス6の長手方向の他端(下端)に設けられた第2ブラケット12に、ベアリング13を介して正逆回転自在に支持されている。
【0016】
前記スクリーン3の先端部には、開閉操作のための可動桟14が連結されている。この可動桟14の上下端は、前記上横枠杆7及び下横枠杆8に形成されたガイド溝内に嵌合し、前記スクリーン3の開閉操作時に前記上横枠杆7及び下横枠杆8によって案内される。
【0017】
また、前記スクリーン3の上端及び下端は、前記上横枠杆7及び下横枠杆8内にそれぞえ収容されたインナーレール(不図示)のスリット内に嵌合し、開閉時に該スリットに沿って移動するようになっており、前記クリーン3の上端及び下端には、係止部材19が取り付けられ、この係止部材19が前記スリットの内縁に係止しており、これにより、前記スクリーン3の閉鎖時に該スクリーン3に風圧等が作用しても、該スクリーン3が撓んで上下端が前記上横枠杆7及び下横枠杆8から外れるのが防止される。
【0018】
前記係止部材19としては、例えば、スライドファスナーの互いに噛合する一対の務歯のうちの一方の務歯を使用することができる。前記スクリーン3と前記可動桟14との連結にも同様の務歯が使用され、該可動桟14に上下方向に形成されたスリット内に前記スクリーン3の先端部が挿入され、該先端部に取り付けた務歯からなる係止部材19が前記スリットの内縁に係止することにより前記スクリーン3と前記可動桟14とが連結されている。
【0019】
前記巻取ローラ4は、図3から明かなように、前記スクリーン3が巻かれる円筒状をしたローラ本体4aと、該ローラ本体4aの上端部に同軸で連なる円柱状の第1ローラ軸4bと、前記ローラ本体4aの下端部に同軸で連なる円筒状の第2ローラ軸4cとを有し、前記第1ローラ軸4b及び第2ローラ軸4cの外径は前記ローラ本体4aの外径はより小さい。
【0020】
前記巻取ローラ4の内部には、その下半部に丸棒状のばね軸21が同軸状かつ該巻取ローラ4に対して相対的に回転自在なるように収容されると共に、該ばね軸21を取り巻くように前記コイルばね10が収容され、該コイルばね10の一端(下端)は前記ばね軸21に係止し、該コイルばね10の他端(上端)は、ばね受け22を介して前記巻取ローラ4のローラ本体4aの内面に係止している。
【0021】
前記ばね軸21の下端部21aは、断面形状が長方形をなす角軸状をしていて、前記巻取ローラ4の第2ローラ軸4cの下端部から下方に突出し、図4に示すように、巻取ボックス6の下端部の第2ブラケット12に設けられた軸受部材23の角穴23aに係合し、前記スクリーン3の開閉時に前記巻取ローラ4が回転しても、該ばね軸21は前記巻取ローラ4と一緒に回転しないようになっている。これにより、前記スクリーン3を前記巻取ローラ4から繰り出して閉鎖する際に、該巻取ローラ4が前記ばね軸21に対して相対的に回転することにより前記コイルばね10が捻られて付勢力が蓄積され、その付勢力は、前記巻取ローラ4にスクリーン3の巻取方向に作用するため、前記スクリーン3の開放時に該スクリーン3は、前記巻取ローラ4に自動的に巻き取られる。
【0022】
前記第2ブラケット12には、調整子28が、該第2ブラケット12の上下両面側からドライバ等の工具で回転操作可能なるように設けられており、この調整子28を回転させると、前記第2ブラケット12に設けた不図示の歯車を介して前記軸受部材23が回転することにより、前記ばね軸2が回転して前記コイルばね10の巻き数が増減調整されるように構成されている。
【0023】
前記ベアリング13は、図5に示すように、同心状に配置された環状の内輪13a及び外輪13bと、これら内輪13aと外輪13bとの間に介設されたボールあるいはローラからなる複数の転動体13cとからなるもので、前記内輪13aの内部に、前記巻取ローラ4の前記第1ローラ軸4bの端部及び第2ローラ軸4cの端部をそれぞれ圧入することにより、該巻取ローラ4の上下両端部にそれぞれ前記ベアリング13が取り付けられており、該ベアリング13の前記外輪13bを、前記巻取ボックス6の第1ブラケット11及び第2ブラケット12にそれぞれ取付螺子27で取り付けられたベアリング受け24と、該ベアリング受け24に取付螺子26で着脱自在に取り付けられたベアリング押さえ25との間に挟持することにより、前記巻取ローラ4が、前記巻取ボックス6の内部に回転自在かつ着脱自在なるように支持されている。
【0024】
図4に示すように、前記ベアリング受け24は、半円状をした部材からなっていて、前記ベアリング13の外輪13bの外周面が当接する半円状の当接面24aを有し、前記巻取ボックス6の上端の前記第1ブラケット11及び下端の前記第2ブラケット12の互いに向き合う内面にそれぞれ前記取付螺子27により固定され、該ベアリング受け24の両端の取付面24bに、前記ベアリング押さえ25を取り付ける取付螺子26を螺着するための螺子孔24cが形成されている。
【0025】
一方、前記ベアリング押さえ25は、前記ベアリング13の外輪13bの外周面が当接する半円状の当接面25bを有する半円状をした本体部25aと、該本体部25aの両端に形成された取付部25cとを有し、該取付部25cに螺子挿通孔25dが形成されており、該ベアリング押さえ25と前記ベアリング受け24との間に前記ベアリング13の外輪13bを挟持した状態で、前記該螺子挿通孔25dに挿通した取付螺子26を前記ベアリング受け24の両端の取付面24bに形成された前記螺子孔24cに螺着することにより、該ベアリング押さえ25が前記該ベアリング受け24に着脱自在に取り付けられており、図3に示すように、前記取付螺子26を取り外して前記ベアリング押さえ25を前記ベアリング受け24から分離することにより、前記巻取ローラ4即ちスクリーン巻取ユニット2を、前記ベアリング13と一緒に前記巻取ボックス6から取り外すことができる。この場合、前記スクリーン3は、その先端部を前記可動桟14から分離したあと、上下の横枠杆7,8内を摺動させて該横枠杆7,8の端部から抜き取ることにより、前記巻取ローラ4と一緒に前記巻取ボックス6から取り外すことができる。しかし、前記可動桟14を、前記スクリーン3から取り外すことなく、該スクリーン3と一緒に前記スクリーン枠5から取り外すようにすることもできる。
前記巻取ローラ4及びスクリーン3を前記巻取ボックス6に取り付けるときは、前記取り外す場合と逆の操作を行えば良い。
【0026】
なお、前記巻取ボックス6の前面には、ヒンジにより開閉自在あるいは分離自在のカバーが取り付けられていて、通常は、該カバーで該巻取ボックス6の前面は覆われており、メンテナンス時や前記スクリーン巻取ユニット2の着脱時等に前記カバーが開放されるように構成されているが、該カバーの図示は省略されている。
【0027】
前記第1実施形態のスクリーン装置1Aにおいて、前記スクリーン3を巻取ローラ4に全て巻き取った全開状態から、前記巻取ローラ4から繰り出して全閉位置まで移動させると、コイルばね10が捻られることにより付勢力が蓄積される。前記スクリーン3を巻取ローラ4から完全に繰り出して建物開口部を全閉状態にしたとき、前記コイルばね10に蓄積される付勢力は最大になる。
全閉位置にある前記スクリーン3を前記巻取ローラ4に巻き取って開放するときは、前記コイルばね10に蓄積された付勢力が前記巻取ローラ4にスクリーン3の巻取方向に作用するため、該スクリーン3は、前記巻取ローラ4によって自動的に巻き取られる。
【0028】
前記スクリーン装置1Aにおいて、前記巻取ローラ4はベアリング13を介して巻取ボックス6に回転自在に支持されているので、前記スクリーン3の開閉時の該巻取ローラ4の回転は非常にスムーズに行われ、摺動軸受けを用いた従来のスクリーン装置のようながたつきや騒音の発生等の問題が発生しない。
また、前記スクリーン装置1Aのメンテナンス時には、前記ベアリング押さえ25を前記ベアリング受け24から取り外してベアリング13を取り外すことにより、前記巻取ローラ4を含むスクリーン巻取ユニット2をベアリング13と共に前記巻取ボックス6から簡単に取り外すことができるので、前記スクリーン3や巻取ローラ4等が破損した場合の修理や交換等を容易に行うことができ、メンテナンス性に勝れる。
【0029】
図6図8は本発明に係るスクリーン装置の第2実施形態を示すもので、この第2実施形態のスクリーン装置1Bは、スクリーン3を開閉するときの操作力を平均化するための操作力調整機構を有する点で、前記第1実施形態のスクリーン装置1Aと相違している。
【0030】
この第2実施形態のスクリーン装置1Bにおいて、巻取ローラ4の上端の第1ローラ軸4bおよび下端の第2ローラ軸4cに前記ベアリング13がそれぞれ取り付けられ、このベアリング13の外輪13bを、巻取ボックス6の上下端の第1ブラケット11及び第2ブラケット12に設けたベアリング受け24とベアリング押さえ25との間に挟持することにより、前記巻取ローラ4が巻取ボックス6に回転自在且つ着脱可能に支持されている点、及び、スクリーン3及び可動桟14の上下端が上下の横枠杆7,8に移動自在に支持されている点は、前記第1実施形態のスクリーン装置1Aと同様であるので、両者の主要な同一構成部分に第1実施形態のスクリーン装置1Aと同じ符号を付してその説明は省略し、スクリーン装置1Aと相違するその他の構成について以下に説明する。
【0031】
前スクリーン装置1Bにおいて、前記第1ローラ軸4bは円筒状をなし、第2ローラ軸4cは円柱状をなしていて、前記第1ローラ軸4bの内部にばね軸29が回転自在に嵌合している。該ばね軸29の下端部はローラ本体4aの内部まで延在し、該ばね軸29の上端部は、前記第1ローラ軸4bの上端部から上方に延出して巻取ボックス6の上端の第1ブラケット11の上方に突出している。このため、前記第1ブラケット11には、前記巻取ローラ4を着脱する際に、ベアリング13の上方に突出する前記第1ローラ軸4bの上端部を出し入れするための切欠部11aが形成されている。
【0032】
前記ばね軸29の上端部には、円錐台状をしたワイヤドラム30が取り付けられ、該ワイヤドラム30にワイヤ31の一端が連結されている。前記ワイヤ31は、接続部32より基端側の単線部31aと、前記接続部32より先端側の複線部31bとを有し、前記単線部31aは、1本のワイヤからなり、スクリーンの開閉操作に伴って前記ワイヤドラム30に巻き取られたり繰り出されたりする部分である。一方、前記複線部31bは、2本のワイヤ31c,31dからなっていて、該複線部の2本のワイヤ31c,31dは、スクリーン枠5に設けたガイドプーリ33に順次掛け回されたあと、一方のワイヤ31cの先端部は、縦枠杆9側から前記可動桟14の前面上端部に連結され、他方のワイヤ31dの先端部は、縦枠杆9側から前記可動桟14の前面下端部に連結されている。
【0033】
なお、図7及び図8から分かるように、前記巻取ローラ4は、時計回りの回転によって前記スクリーン3を巻き取るように構成され、前記ワイヤドラム30は、反時計回りの回転によって前記ワイヤ31を大径端30a側から小径端30b側に向けて螺旋状に巻き取るように構成されている。このため、該ワイヤドラム30の外周面には、巻き取られた前記ワイヤ31が嵌合する螺旋溝30cが、前記大径端30a側から小径端30b側に向けて螺旋状に連なるように形成されている。
また、前記スクリーン3とワイヤ31とは、前記スクリーン3が前記巻取ローラ4に完全に巻き取られたとき、前記ワイヤ31が前記ワイヤドラム30から完全に繰り出され、前記スクリーン3が前記巻取ローラ4から完全に繰り出されたとき、前記ワイヤ31が前記ワイヤドラム30に完全に巻き取られるように関係付けられている。
【0034】
前記ローラ本体4aの内部には、前記ばね軸29を取り巻くようにコイルばね10が収容され、該コイルばね10の一端(下端)は前記ばね軸29に連結され、前記コイルばね10の他端(上端)は前記第1ローラ軸4b(したがって巻取ローラ4)に連結されている。
そして、前記コイルばね10には、前記スクリーンの全開状態、即ち、図9に模式的に示すように前記スクリーン3が前記巻取ローラ4に全て巻き取られると共に、前記ワイヤ31がワイヤドラム30から全て繰り出された全開状態(初期状態)で、該コイルばね10の巻き回数を増やすことによって初期捻りが加えられており、この初期捻りによって前記巻取ローラ4及びばね軸29には前記コイルばね10が巻き戻される方向の付勢力が作用するため、前記巻取ローラ4は、前記スクリーン3を巻き取る方向である矢印a方向に付勢され、前記ばね軸29は、前記ワイヤドラム30がワイヤ31を巻き取る方向である矢印b方向に付勢されている。
【0035】
次に、図9図11を参照して前記第2実施形態のスクリーン装置1Bの作用について説明する。この図9図11は、分かり易くするため、同軸に設けられている前記巻取ローラ4とワイヤドラム30とを互いに分離して示すと共に、前記コイルばね10の巻回数を少なくして示す模式図である。
【0036】
前記スクリーン装置1Bにおいて、図9のようにスクリーン3を全開にした初期状態から、前記可動桟14を図の左方(矢印m方向)に移動させてスクリーン3を巻取ローラ4から繰り出すと、該巻取ローラ4が矢印b方向に回転するため、前記コイルばね10が捻られ、その付勢力によりばね軸29及びワイヤドラム30が矢印b方向に回転する。このため、図10及び図11に示すように、前記ワイヤドラム30が、前記可動桟14の移動量に対応する長さのワイヤ31を、該ワイヤドラム30の大径端30a側から小径端30b側に向けて螺旋状に巻き取る。このとき、前記巻取ローラ4とばね軸29との回転差によって前記コイルばね10の捻り回数(巻回数)は増減することがあるが、前記巻取ローラ4によるスクリーン3の巻径と前記ワイヤドラム30によるワイヤ31の巻径とは、スクリーン3のどのような開閉位置においても両者間に大きな差が生じないように関係付けられているため、前記コイルばね10の巻回数が大幅に増減することはなく、このため、前記スクリーン3を図19の全開位置から図10の半開位置を経て図11の全閉位置まで繰り出す際の操作力は平均化され、大きく変化することはない。
【0037】
また、前記スクリーン3を図11の全閉位置から図9の全開位置に移動させるために前記可動桟14を図の右方(矢印n方向)に移動させてスクリーン3を巻取ローラ4に巻き取るときは、前記ワイヤ31がワイヤドラム30から引き出されるため、該ワイヤドラム30及びばね軸29が矢印a方向に回転してコイルばね10が捻られ、その付勢力により巻取ローラ4が矢印a方向に回転して前記スクリーン3を巻き取る。このとき、前記ワイヤドラム30と巻取ローラ4との回転差によって前記コイルばね10の捻り回数は増減することがあるが、前記スクリーン3の閉鎖操作時と同様に、前記巻取ローラ4によるスクリーン3の巻径と前記ワイヤドラム30によるワイヤ31の巻径とは、スクリーン3のどのような開閉位置においても両者間に大きな差が生じないように関係付けられているため、前記コイルばね10の巻回数が大幅に増減することはなく、このため、前記スクリーン3を図11の全閉位置から図10の半開位置を経て図9の全開位置まで巻き取る際の操作力は平均化され、大きく変化することはない。
従って、前記ばね軸29及びコイルばね10と、前記ワイヤドラム30及びワイヤ31は、前記操作力調整機構を構成するものである。
【0038】
なお、前記第1及び第2実施形態は、スクリーン3を横移動させて建物開口部を開閉する横開き式のスクリーン装置であるが、本発明は、スクリーン3を上下に昇降させて建物開口部を開閉する縦開き式のスクリーン装置にも適用することができる。この場合、巻取ボックスは建物開口部の上端部又は下端部に配設され、巻取ローラは、この巻取ボックスの内部にベアリングを介して水平な軸線を中心に回転自在なるように取り付けられる。
また、本発明は、前述したようなコイルばねの付勢力により巻取ローラを回転させてスクリーンを巻き取る方式のものに限らず、ボールチェーンで巻取ローラを回転操作することによりスクリーンを開閉する、手動操作式のスクリーン装置にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1A,1B スクリーン装置
2 スクリーン巻取ユニット
3 スクリーン
4 巻取ローラ
4b 第1ローラ軸
4c 第2ローラ軸
6 巻取ボックス
10 コイルばね
11 第1ブラケット
12 第2ブラケット
13 ベアリング
13a 内輪
13b 外輪
13c 転動体
24 ベアリング受け
24a 当接面
24b 取付面
25 ベアリング押さえ
25a 本体部
25b 当接面
25c 取付部
25d 螺子挿通孔
26,27 取付螺子
図1
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