(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161815
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】基板搬送ロボットシステムおよび基板搬送ロボット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20231031BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H01L21/68 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072399
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】橋崎 知
(72)【発明者】
【氏名】北野 真也
(72)【発明者】
【氏名】金丸 亮介
(72)【発明者】
【氏名】山下 雄大
(72)【発明者】
【氏名】長澤 知也
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BB03
5F131CA32
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB76
5F131DB82
5F131GA14
5F131GA33
5F131HA09
5F131HA12
5F131KA12
5F131KB04
5F131KB52
(57)【要約】
【課題】基板の搬送時間の増大を抑制しつつ、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得可能な基板搬送ロボットシステムを提供する。
【解決手段】この基板搬送ロボットシステム100は、基板1を搬送する基板搬送ハンド20と、撮影部30と、制御部60とを備える。そして、制御部60は、基板1の搬送中に撮影部30によって基板搬送ハンド20より下方から撮影された画像に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する基板搬送ハンドと、
撮影部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記基板の搬送中に前記撮影部によって前記基板搬送ハンドより下方から撮影された画像に基づいて、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する、基板搬送ロボットシステム。
【請求項2】
上方から見て、前記基板搬送ハンドによる前記基板の搬送経路とオーバーラップする位置において、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板を、前記撮影部によって前記基板搬送ハンドよりも下方から撮影する、請求項1に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項3】
前記撮影部は、前記基板搬送ハンドよりも下方に配置される、請求項1に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項4】
前記基板の外周端と前記基板搬送ハンドとが下方から見てオーバーラップする部分における前記基板の外形形状を検出するセンサ部をさらに備え、
前記制御部は、前記基板の搬送中に前記撮影部により下方から撮影された画像、および、前記基板の搬送中における前記センサ部の検出結果に基づいて、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する、請求項1に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項5】
前記センサ部は、
前記基板の外周端と前記基板搬送ハンドとが下方から見てオーバーラップする部分に対して、レーザ光を照射する照射部と、
前記照射部から照射されたレーザ光を検出する検出部とを含む、請求項4に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項6】
前記基板搬送ハンドが取り付けられ、前記基板搬送ハンドより下方に配置される水平多関節ロボットアームをさらに備え、
前記撮影部は、前記水平多関節ロボットアームに配置されている、請求項3に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項7】
前記水平多関節ロボットアームは、
第1アームと、
前記第1アームの上方に配置されるとともに、前記第1アームに対して接続される第2アームとを含み、
前記撮影部は、前記第2アームの上面に配置されている、請求項6に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項8】
前記基板搬送ハンドは、
前記第2アームの上方に配置される第1ハンドと、
前記第1ハンドの上方に配置される第2ハンドとを含み、
前記基板の搬送中において、前記第1ハンドおよび前記第2ハンドのうちの一方が前記基板を収納する基板収納部に侵入する際に、前記基板を保持した状態の前記第1ハンドおよび前記第2ハンドのうちの他方を、前記第2アームの上方にオーバーラップする退避位置に退避させており、
前記制御部は、前記基板の搬送中に、前記退避位置に退避した際の前記基板を下方から撮影した画像に基づいて、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する、請求項7に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項9】
前記基板搬送ハンドが取り付けられ、前記基板搬送ハンドより下方に配置される水平多関節ロボットアームと、
前記水平多関節ロボットアームの下方に配置され、前記水平多関節ロボットアームが取り付けられるベース部と、をさらに備え、
前記撮影部は、
前記基板搬送ハンドより下方に配置される前記ベース部において、上方から見て、前記基板搬送ハンドによる前記基板の搬送経路とオーバーラップする位置に配置されている、請求項3に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項10】
前記撮影部は、
前記基板搬送ハンドより下方の床面において、上方から見て、前記基板搬送ハンドによる前記基板の搬送経路とオーバーラップする位置に配置されている、請求項3に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項11】
前記制御部は、取得した前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を、前記基板が搬送される搬送先装置を制御する制御装置に対して出力する、請求項1に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項12】
前記制御部は、前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得に加えて、前記基板搬送ハンドによる前記基板の搬送中において、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板を前記撮影部により下方から撮影する制御を行う、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の基板搬送ロボットシステム。
【請求項13】
基板を搬送する基板搬送ハンドと、
前記基板搬送ハンドより下方に配置される撮影部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記基板の搬送中に前記撮影部により下方から撮影された画像に基づいて、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する、基板搬送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、基板搬送ロボットシステムおよび基板搬送ロボットに関し、特に、基板搬送ハンドを備える基板搬送ロボットシステムおよび基板搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を保持する保持部を備える搬送システムが知られている。たとえば、特許文献1参照。
【0003】
上記特許文献1には、液晶FPD(Flat Panel Display)用基板などの基板を保持する保持部を備え、保持部によって保持された基板を搬送する搬送システムが開示されている。上記特許文献1に記載の搬送システムは、保持部の上方に配置されるカメラによって、保持部によって保持された状態の基板が撮影される。そして、カメラによって撮影された画像に基づいて、保持部によって保持される基板の欠けの存在が判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には記載されていないが、半導体ウエハなどの基板を基板搬送ロボットによって搬送する搬送システムにおいては、基板の搬送先の処理装置における基板に対する処理のために、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報が必要となる場合がある。基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する方法として、基板搬送ロボットによる基板の搬送途中に、基板のノッチまたはオリエンテーションフラットを検出するアライナに基板を載置して、基板のノッチまたはオリエンテーションフラットを検出することによって、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得することが考えられる。しかしながら、基板の搬送途中に、アライナに基板を載置して、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する場合には、基板の搬送を中断してアライナによる検出を行うので、基板の搬送時間が増大してしまうという問題点がある。そのため、基板の搬送時間の増大を抑制しつつ、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得可能な基板搬送ロボットシステムおよび基板搬送ロボットが望まれている。
【0006】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この開示の1つの目的は、基板の搬送時間の増大を抑制しつつ、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得可能な基板搬送ロボットシステムおよび基板搬送ロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示の第1の局面による基板搬送ロボットシステムは、基板を搬送する基板搬送ハンドと、基板搬送ハンドより下方に配置される撮影部と、制御部と、を備え、制御部は、基板の搬送中に撮影部により下方から撮影された画像に基づいて、基板搬送ハンドによって搬送される基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する。
【0008】
この開示の第2の局面による基板搬送ロボットは、基板を搬送する基板搬送ハンドと、基板搬送ハンドより下方に配置される撮影部と、制御部と、を備え、制御部は、基板の搬送中に撮影部により下方から撮影された画像に基づいて、基板搬送ハンドによって搬送される基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する。
【0009】
この開示の第1の局面による基板搬送ロボットシステムおよび第2の局面による基板搬送ロボットは、上記のように、撮影部と、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する制御部とを備える。制御部は、基板の搬送中に撮影部によって前記基板搬送ハンドより下方から撮影された画像に基づいて、基板搬送ハンドによって搬送される基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する。これにより、基板の搬送の途中においてアライナによって検出する場合と異なり、基板の搬送を中断することなく、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得できる。その結果、基板の搬送時間の増大を抑制しつつ、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得できる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、基板の搬送時間の増大を抑制しつつ、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態による基板搬送ロボットシステムおよび半導体製造装置の構成を示す全体図である。
【
図2】上方から見た第1実施形態による基板搬送ロボットを示した図である。
【
図3】第1実施形態による半導体製造装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態による基板搬送ロボットの構成を示す側面図である。
【
図5】下方から見た第1実施形態による下ハンドを示した図である。
【
図6】上方から見た第1実施形態による下ハンドを示した図である。
【
図7】下ハンドに取り付けられるレーザセンサの構成を示す側面図である。
【
図8】上ハンドに取り付けられるレーザセンサの構成を示す側面図である。
【
図9】第2実施形態による基板搬送ロボットの構成を示す側面図である。
【
図10】第3実施形態による基板搬送ロボットの構成を示す側面図である。
【
図11】変形例による撮影部の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示を具体化した本開示の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1から
図8までを参照して、第1実施形態による基板搬送ロボットシステム100の構成について説明する。
【0014】
基板搬送ロボットシステム100は、
図1に示すように、基板搬送ロボット101を含む。基板搬送ロボット101は、半導体製造装置110内において、基板1を搬送するロボットである。また、半導体製造装置110は、基板処理部102と、処理部内搬送ロボット103と、基板収納部104と、製造装置制御部105とを備える。
【0015】
基板搬送ロボット101は、複数の基板1を収納する基板収納部104から基板1の搬送を行う。また、基板搬送ロボット101は、基板収納部104への基板1の搬入を行う。基板収納部104は、たとえば、FOUP(Front Opening Unify Pod)を含む。また、基板1は、たとえば、シリコンウエハ、SiCウエハ、化合物半導体ウエハ、または、サファイアウエハなどである。
【0016】
基板1は、基板搬送ロボット101によって基板処理部102へ搬送される。基板処理部102へ搬送された基板1は、基板処理部102の内部に配置される処理部内搬送ロボット103によって搬送される。基板処理部102は、基板1に対して化学的または物理的な処理が行われる複数のチャンバ102aを含む。基板処理部102の内部は、真空状態に保たれている。処理部内搬送ロボット103は、真空環境下において動作可能なロボットである。基板処理部102へ搬送された基板1は、処理部内搬送ロボット103によって、チャンバ102aへ搬送される。また、製造装置制御部105は、基板処理部102による基板1に対する処理の制御などを含む半導体製造装置110全体の制御を行う。製造装置制御部105は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)などを備えるコンピュータである。
【0017】
なお、本明細書中において、基板搬送ロボット101および基板収納部104が隣り合う方向をX方向とする。そして、基板搬送ロボット101に対して、基板収納部104が配置される方向をX1方向、基板搬送ロボット101に対して、基板処理部102が配置される方向をX2方向とする。また、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。また、XZ面に垂直な方向をY方向とし、Y方向における一方側をY1方向、Y方向における他方側をY2方向とする。
【0018】
図2に示すように、基板搬送ロボットシステム100の基板搬送ロボット101は、水平多関節ロボットアーム10と、基板1を搬送する基板搬送ハンド20と、撮影部30と、センサ部40と、ベース部50と、制御部60とを備える。基板搬送ハンド20は、水平多関節ロボットアーム10に取り付けられる。そして、水平多関節ロボットアーム10は、第1アーム11と、第1アーム11に対して接続される第2アーム12とを含む。
【0019】
撮影部30は、第2アーム12に取り付けられている。撮影部30は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどのイメージセンサと、広角レンズとを有する2次元カメラからなる。なお、撮影部30は、3次元カメラから構成されてもよい。
【0020】
基板搬送ハンド20は、第2アーム12の上方に配置される下ハンド21と、下ハンド21の上方に配置される上ハンド22とを含む。下ハンド21および上ハンド22は、水平多関節ロボットアーム10の第2アーム12に取り付けられている。なお、下ハンド21は、第1ハンドの一例である。また、上ハンド22は、第2ハンドの一例である。
【0021】
ベース部50は、水平多関節ロボットアーム10に取り付けられる。具体的には、第1アーム11の一方端部が、第1関節51を介してベース部50に接続されている。また、第2アーム12の一方端部が、第2関節52を介して第1アーム11の他方端部に接続されている。第2アーム12の他方端部には、第3関節53を介して基板搬送ハンド20が接続されている。また、第2アーム12の第3関節53近傍には、撮影部30が配置されている。第1関節51、第2関節52および第3関節53の各関節には、回転駆動の駆動源であるサーボモータと、サーボモータの出力軸の回転位置を検出する回転位置センサとが配置されている。また、基板搬送ロボット101は、水平多関節ロボットアーム10をZ方向に昇降させる昇降軸部を備えている。昇降軸部には、サーボモータと、サーボモータの出力軸の回転位置を検出する回転位置センサとが配置されている。
【0022】
第2アーム12の他方端部には、第3関節53を介して、下ハンド21および上ハンド22を含む基板搬送ハンド20が接続されている。下ハンド21は、ハンド基部21aと、ハンド基部21aに取り付けられたブレード21bとを備える。上ハンド22は、ハンド基部22aと、ハンド基部22aに取り付けられたブレード22bとを備える。ブレード21bおよび22bは、基板1を支持する薄板状の支持板である。ブレード21bおよび22bは、先端が二股に分かれた形状を有している。ブレード21bおよび22bは、略円形状の基板1の裏面の外周縁部を下方から支持する。基板搬送ロボット101は、予めティーチングされた搬送経路に基づいて、基板収納部104に収容された基板1を、基板搬送ハンド20の下ハンド21および上ハンド22によって搬送する。
【0023】
第1実施形態では、基板搬送ハンド20は、基板1の搬送中において、下ハンド21および上ハンド22のうちの一方が基板1を収納する基板収納部104に侵入する際に、基板1を保持した状態の下ハンド21および上ハンド22のうちの他方を、第2アーム12の上方にオーバーラップする退避位置に退避させている。具体的には、
図2に示すように、基板搬送ハンド20は、基板1の搬送中において、上ハンド22が基板収納部104に侵入する際に、基板1を保持した状態の下ハンド21を、第2アーム12の上方にオーバーラップする退避位置に退避させている。また、基板搬送ロボット101は、基板1の搬送中において、下ハンド21および下ハンド21が搬送する基板1と、上ハンド22および上ハンド22が搬送する基板1とが干渉することを避けるために、基板1の搬送中において、第2アーム12の上方にオーバーラップする退避位置に、基板1を支持した状態の上ハンド22を退避させる動作も行う。
【0024】
そして、基板搬送ロボットシステム100は、上方から見て、基板搬送ハンド20による基板1の搬送経路とオーバーラップする位置において、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1を、撮影部30によって基板搬送ハンド20よりも下方から撮影する。
【0025】
また、センサ部40は、下ハンド21に取り付けられるレーザセンサ41と、上ハンド22に取り付けられるレーザセンサ42とを含む。レーザセンサ41および42は、それぞれブレード21bおよび22bの根本に取り付けられている。レーザセンサ41および42は、たとえば、レーザラインセンサを含む。
【0026】
図3に示すように、レーザセンサ41は、レーザ光を照射する照射部41aと、照射部41aから照射されたレーザ光を検出する検出部41bとを含む。また、レーザセンサ42は、レーザ光を照射する照射部42aと、照射部42aから照射されたレーザ光を検出する検出部42bとを含む。
【0027】
第1実施形態において、制御部60は、基板搬送ロボット101の動作を制御する。制御部60は、たとえば、CPUおよびROMなどを備えるコンピュータである。また、制御部60は、SSD(Solid State Drive)などのフラッシュメモリを含む記憶装置を有している。制御部60は、予め記憶装置に記憶されているプログラムおよびパラメータに基づいて基板搬送ロボット101の各部の動作を制御する。
【0028】
そして、制御部60は、基板1の搬送中に撮影部30により下方から撮影された画像に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。制御部60は、
図2に示すように、基板1の搬送中に、退避位置に退避した際の基板1を下方から撮影した画像に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。第1実施形態では、制御部60は、基板1の搬送中に撮影部30により下方から撮影された画像、および、基板1の搬送中におけるセンサ部40の検出結果に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。
【0029】
第1実施形態では、制御部60は、取得した基板1におけるノッチNの位置情報を、
図3に示すように、基板1が搬送される基板処理部102を制御する製造装置制御部105に対して出力する。なお、基板処理部102は、搬送先装置の一例である。また、製造装置制御部105は、制御装置の一例である。
【0030】
第1実施形態では、制御部60は、基板1におけるノッチNの位置情報を取得に加えて、基板搬送ハンド20による基板1の搬送中において、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1を撮影部30により下方から撮影する制御を行う。具体的には、制御部60は、
図2に示すように、ブレード21bの先端が、第2関節52が配置される方向を向くように、下ハンド21を折り返すようにして、基板1を支持した状態のブレード21bを退避させた際に、撮影部30による基板1の撮影を行う。また、制御部60は、下ハンド21と同様に、ブレード22bの先端が、第2関節52が配置される方向を向くように、上ハンド22を折り返すようにして、基板1を支持した状態のブレード22bを退避させた際に、撮影部30による基板1の撮影を行う。
【0031】
図4に示すように、基板収納部104は、複数の基板1を収納する。複数の基板1は、基板収納部104内において、上下方向に並んで配置されている。複数の基板1は、互いに所定の間隔を隔てた状態で配置されている。
【0032】
水平多関節ロボットアーム10は、基板収納部104から基板1を搬送する基板搬送ハンド20より下方に配置される。水平多関節ロボットアーム10の下方には、ベース部50が配置される。第2アーム12は、第1アーム11の上方に配置される。基板搬送ロボット101では、Z1方向側から、上ハンド22、下ハンド21、第2アーム12、第1アーム11、ベース部50が、この順で配置されている。
【0033】
そして、撮影部30は、下ハンド21および上ハンド22を含む基板搬送ハンド20より下方に配置される。第1実施形態において、撮影部30は、水平多関節ロボットアーム10に配置されている。具体的には、撮影部30は、第2アーム12の上面12aに配置されている。撮影部30は、第2アーム12に埋設されており、Z2方向側から基板1を撮影する。すなわち、第2アーム12に埋設された撮影部30によって基板1が下方から撮影される。
【0034】
(基板におけるノッチの位置情報の取得)
制御部60は、
図5に示すように、撮影部30によって、基板1の下方から撮影した画像、および、センサ部40の検出結果に基づいて、基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。
【0035】
レーザセンサ41および42を含むセンサ部40は、基板1の外周端1aと基板搬送ハンド20とが下方から見てオーバーラップする部分における基板1の外形形状を検出する。具体的には、
図6に示すように、レーザセンサ41は、基板1の外周端1aと、基板搬送ハンド20の下ハンド21とが下方から見てオーバーラップする部分における基板1の外形形状を検出する。
【0036】
図7に示すように、照射部41aおよび検出部41bは、Z方向において、互いに基板1を挟むように配置されている。照射部41aは、基板1の外周端1aと、基板搬送ハンド20の下ハンド21とが下方から見てオーバーラップする部分に対して、レーザ光を照射する。照射部41aは、ハンド基部21aとブレード21bと隣り合う方向に沿ったライン状にレーザ光を照射する。そして、照射部41aと検出部41bとの間にノッチNが存在する場合には、レーザ光が基板1によって遮られないので、検出部41bによって、照射部41aから照射されるレーザ光が検出される。これにより、レーザセンサ41は、レーザセンサ41が取り付けられた部分において、ノッチNの有無を検出可能である。そして、制御部60は、レーザセンサ41の検出結果から基板1におけるノッチNの位置情報を取得できる。
【0037】
また、レーザセンサ42は、レーザセンサ41と同様に、基板1の外周端1aと、基板搬送ハンド20の下ハンド21とが下方から見てオーバーラップする部分における基板1の外形形状を検出する。
図8に示すように、照射部42aおよび検出部42bは、Z方向において、互いに基板1を挟むように配置されている。照射部42aは、照射部41aと同様に、基板1の外周端1aと、基板搬送ハンド20の上ハンド22とが下方から見てオーバーラップする部分に対して、レーザ光を照射する。照射部42aは、ハンド基部22aとブレード22bと隣り合う方向に沿ったライン状にレーザ光を照射する。レーザセンサ41と同様に、レーザセンサ42は、基板1の外周端1aと、基板搬送ハンド20の上ハンド22とが下方から見てオーバーラップする部分における基板1の外形形状を検出する。そして、制御部60は、レーザセンサ42の検出結果から基板1におけるノッチNの位置情報を取得できる。
【0038】
第1実施形態では、制御部60は、基板1におけるノッチNの位置情報に加えて、撮影部30によって撮影した画像に基づいて、下ハンド21のブレード21bによって支持される基板1の位置ずれ、および、上ハンド22のブレード21bによって支持される基板1の位置ずれも取得している。これにより、制御部60は、下ハンド21および上ハンド22の各々による基板1の支持ミスの有無を判定できる。
【0039】
(基板搬送ロボットの動作)
次に、基板搬送ロボット101の制御部60による下ハンド21によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報の取得の一例について説明する。
【0040】
まず、制御部60は、水平多関節ロボットアーム10を移動させることにより、下ハンド21を、基板収納部104に侵入させ、基板収納部104に収納される基板1の下方に移動させる。基板収納部104に侵入した下ハンド21は、制御部60の制御によって、水平多関節ロボットアーム10が上方に移動させられることにより、上方に移動して、基板1を下方から支持する。
【0041】
次に、制御部60は、水平多関節ロボットアーム10を移動させることにより、下ハンド21を基板収納部104から退避させる。そして、
図2に示すように、基板搬送ロボット101は、上ハンド22を基板収納部104に侵入させるとともに、基板1を支持した状態の下ハンド21の先端が第2関節52近傍に位置するように、第3関節53を回動軸として下ハンド21を回動させる。これにより、下ハンド21によって搬送される基板1が、撮影部30の上方にオーバーラップするように配置される。
【0042】
そして、制御部60は、撮影部30を制御して、下ハンド21によって搬送される基板1を撮影する。また、制御部60は、レーザセンサ41を制御して、下ハンド21によって搬送される基板1の外形形状を検出する。
【0043】
そして、制御部60は、下ハンド21および上ハンド22による基板1の搬送を行いながら、撮影部30により基板1の下方から撮影された画像、および、基板1の搬送中におけるレーザセンサ41の検出結果に基づいて、下ハンド21によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。
【0044】
なお、上ハンド22によって搬送される基板1は、撮影部30の上方にオーバーラップするように配置される際に、制御部60の制御によって撮影部30による撮影が行なわれる。また、制御部60は、レーザセンサ42によって、上ハンド22によって搬送される基板1の外形形状を検出する。そして、制御部60は、下ハンド21および上ハンド22による基板1の搬送を行いながら、撮影部30により基板1の下方から撮影された画像、および、基板1の搬送中におけるレーザセンサ42の検出結果に基づいて、上ハンド22によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。
【0045】
[第1実施形態の効果]
基板搬送ロボットシステム100および基板搬送ロボット101は、撮影部30と、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する制御部60とを備える。制御部60は、基板1の搬送中に撮影部30によって前記基板搬送ハンド20より下方から撮影された画像に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。これにより、基板1の搬送の途中においてアライナによって検出する場合と異なり、基板1の搬送を中断することなく、基板1におけるノッチNの位置情報を取得できる。その結果、基板1の搬送時間の増大を抑制しつつ、基板1におけるノッチNの位置情報を取得できる。
【0046】
基板搬送ロボットシステム100は、上方から見て、基板搬送ハンド20による基板1の搬送経路とオーバーラップする位置において、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1を、撮影部30によって基板搬送ハンド20よりも下方から撮影する。これにより、基板搬送ハンド20による基板1の搬送経路を、撮影部30の位置に合わせて変更する必要がない。その結果、撮影部30の位置に応じた搬送経路の変更に起因する基板1の搬送時間の増大を抑制できる。
【0047】
撮影部30は、基板搬送ハンド20よりも下方に配置される。これにより、基板搬送ハンド20の上方に撮影部30を配置する場合に比べて、基板搬送ロボット101の高さ方向におけるサイズの増大を抑制できる。
【0048】
基板搬送ロボットシステム100は、基板1の外周端1aと基板搬送ハンド20とが下方から見てオーバーラップする部分における基板1の外形形状を検出するセンサ部40を備える。そして、制御部60は、基板1の搬送中に撮影部30により下方から撮影された画像、および、基板1の搬送中におけるセンサ部40の検出結果に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。これにより、基板1の搬送中におけるセンサ部40の検出結果に基づいて、基板1の外周端1aと基板搬送ハンド20とが下方から見てオーバーラップする部分におけるノッチNの位置情報も、制御部60によって取得できる。その結果、基板1におけるノッチNの位置情報をより詳細に取得できる。
【0049】
センサ部40は、基板1の外周端1aと基板搬送ハンド20とが下方から見てオーバーラップする部分に対して、レーザ光を照射する照射部41aおよび42aと、照射部41aおよび42aのそれぞれから照射されたレーザ光を検出する検出部41bおよび42bとを含む。これにより、制御部60は、照射部41aおよび42aのそれぞれから照射されたレーザ光を検出する検出部41bおよび42bの検出結果に基づいて、基板1の外周端1aと基板搬送ハンド20とが下方から見てオーバーラップする部分におけるノッチNの位置情報を取得できる。
【0050】
基板搬送ロボットシステム100は、基板搬送ハンド20が取り付けられ、基板搬送ハンド20より下方に配置される水平多関節ロボットアーム10を備える。そして、撮影部30は、水平多関節ロボットアーム10に配置されている。これにより、基板搬送ハンド20より下方に配置される水平多関節ロボットアーム10に撮影部30が配置されるので、基板搬送ハンド20の上方に撮影部30を備える場合に比べて、基板搬送ロボット101の高さ方向におけるサイズの増大を抑制できる。
【0051】
水平多関節ロボットアーム10は、第1アーム11と、第1アーム11の上方に配置されるとともに、第1アーム11に対して接続される第2アーム12とを含む。そして、撮影部30は、第2アーム12の上面12aに配置されている。これにより、第1アーム11の上方に配置される第2アーム12の上面12aに撮影部30が配置されるので、第1アーム11に遮られることなく、基板1を下方から撮影できる。その結果、基板1の搬送中において、第1アーム11の位置に関わらず、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1を下方から撮影できる。
【0052】
基板搬送ハンド20は、第2アーム12の上方に配置される下ハンド21と、下ハンド21の上方に配置される上ハンド22とを含む。そして、基板搬送ハンド20は、基板1の搬送中において、下ハンド21および上ハンド22のうちの一方が基板1を収納する基板収納部104に侵入する際に、基板1を保持した状態の下ハンド21および上ハンド22のうちの他方を、第2アーム12の上方にオーバーラップする退避位置に退避させている。そして、制御部60は、基板1の搬送中に、退避位置に退避した際の基板1を下方から撮影した画像に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する。これにより、第2アーム12に配置される撮影部30と、基板1との相対位置が変化しない状態において、基板1を下方から撮影した画像に基づいて、基板1におけるノッチNの位置情報を取得できる。その結果、撮影部30と基板1との相対位置が変化している際に基板1を下方から撮影した画像に基づいて、基板1におけるノッチNの位置情報を取得する場合に比べて、精度よく撮影した画像に基づいて、基板1におけるノッチNの位置情報を取得できる。これにより、基板1におけるノッチNの位置情報を精度よく取得できる。
【0053】
制御部60は、取得した基板1におけるノッチNの位置情報を、基板1が搬送される基板処理部102を制御する製造装置制御部105に対して出力する。これにより、製造装置制御部105は、基板1に対して、制御部60が取得した基板1におけるノッチNの位置情報に応じた処理を、基板処理部102によって行うことができる。
【0054】
制御部60は、基板1におけるノッチNの位置情報を取得に加えて、基板搬送ハンド20による基板1の搬送中において、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1を撮影部30により下方から撮影する制御を行う。これにより、基板1におけるノッチNの位置情報を取得する制御部60とは別個の制御部によって、撮影部30による撮影の制御を行う場合に比べて、基板搬送ロボットシステム100の複雑化を抑制できる。
【0055】
[第2実施形態]
図9を参照して、第2実施形態による基板搬送ロボットシステム200の構成について説明する。
【0056】
図9に示すように、第2実施形態による基板搬送ロボットシステム200の基板搬送ロボット201は、第2アーム12に撮影部30を備える第1実施形態による基板搬送ロボットシステム100の基板搬送ロボット101とは異なり、水平多関節ロボットアーム10に取り付けられるベース部50に撮影部230を備える。第2実施形態では、撮影部230は、基板搬送ハンド20より下方に配置されるベース部50において、上方から見て、基板搬送ハンド20による基板1の搬送経路とオーバーラップする位置に配置されている。撮影部230は、ベース部50の上面50aに配置されている。撮影部230は、X方向において、基板収納部104と第1関節51との間に配置されている。そして、基板搬送ロボットシステム200は、ベース部50に配置される撮影部230によって、基板収納部104から搬出された基板1を下方から撮影している。
【0057】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0058】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態による基板搬送ロボットシステム200では、上記第1実施形態と同様に、基板1の搬送時間の増大を抑制しつつ、基板1におけるノッチNの位置情報を取得できる。
【0059】
基板搬送ロボットシステム200は、基板搬送ハンド20が取り付けられ、基板搬送ハンド20より下方に配置される水平多関節ロボットアーム10と、水平多関節ロボットアーム10の下方に配置され、水平多関節ロボットアーム10に取り付けられるベース部50とを備える。そして、撮影部230は、基板搬送ハンド20より下方に配置されるベース部50において、上方から見て、基板搬送ハンド20による基板1の搬送経路とオーバーラップする位置に配置されている。これにより、基板搬送ハンド20より下方に配置されるベース部50に撮影部30が配置されるので、基板搬送ハンド20の上方に撮影部30を備える場合に比べて、基板搬送ロボット201の高さ方向におけるサイズの増大を抑制できる。
【0060】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0061】
[第3実施形態]
図10を参照して、第3実施形態による基板搬送ロボットシステム300の構成について説明する。
【0062】
図10に示すように、第3実施形態による基板搬送ロボットシステム300は、第2アーム12に撮影部30を備える第1実施形態による基板搬送ロボットシステム100とは異なり、床面106に配置される撮影部330を備える。撮影部330は、基板搬送ハンド20より下方の床面106において、上方から見て、基板搬送ハンド20による基板1の搬送経路とオーバーラップする位置に配置されている。撮影部330は、X方向において、基板収納部104と、基板搬送ロボット301のベース部50との間に配置されている。そして、基板搬送ロボットシステム300は、床面106に配置される撮影部330によって、基板収納部104から搬出された基板1を下方から撮影している。
【0063】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0064】
[第3実施形態の効果]
第3実施形態による基板搬送ロボットシステム300では、上記第1および第2実施形態と同様に、基板1の搬送時間の増大を抑制しつつ、基板1におけるノッチNの位置情報を取得できる。
【0065】
撮影部30は、基板搬送ハンド20より下方の床面106において、上方から見て、基板搬送ハンド20による基板1の搬送経路とオーバーラップする位置に配置されている。これにより、基板搬送ハンド20より下方の床面106に撮影部30が配置されるので、基板搬送ハンド20の上方に撮影部30を備える場合に比べて、基板搬送ロボット301の高さ方向におけるサイズの増大を抑制できる。
【0066】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0067】
また、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態のうち、2つ以上の実施形態が組み合わされてもよい。
【0068】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更および変形例が含まれる。
【0069】
たとえば、上記第1実施形態では、制御部60は、基板1の搬送中に撮影部30により撮影された画像に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、制御部は、基板の搬送中に撮影部により撮影された画像に基づいて、基板搬送ハンドによって搬送される基板におけるオリエンテーションフラットの位置情報を取得してもよい。
【0070】
また、上記第1実施形態では、第2アーム12に撮影部30が1つ配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、撮影部は、第2アームに複数配置されてもよい。また、
図11に示す変形例による基板搬送ロボットシステム400および基板搬送ロボット401のように、複数の基板収納部104に対応して、撮影部430が複数配置されてもよい。
図11に示す例では、3つの基板収納部104に対応して、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサなどを含む撮影部430が、床面106上に3つ配置されている。
【0071】
また、上記第1実施形態では、基板搬送ロボットシステム100、200および300は、上方から見て、基板搬送ハンド20による基板1の搬送経路とオーバーラップする位置において、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1を、撮影部30によって基板搬送ハンド20よりも下方から撮影する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、上方から見て、基板搬送ハンドによる基板の搬送経路にオーバーラップしない位置に撮影部を配置して、搬送経路を通る基板が撮影されてもよい。すなわち、撮影部は、基板の搬送経路の真下ではなく、斜め下方向から基板を撮影してもよい。
【0072】
また、上記第1実施形態では、制御部60は、基板1の搬送中に撮影部30により下方から撮影された画像、および、基板1の搬送中におけるセンサ部40の検出結果に基づいて、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板の搬送中に撮影により下方から撮影された画像のみに基づいて、基板搬送ハンドによって搬送される基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報として、ノッチまたはオリエンテーションフラットが基板搬送ハンドにオーバーラップする位置に存在するかを否かが制御部により取得されてもよい。また、基板搬送ハンドに透光性の部材を用いることによって、撮影部によって下方から撮影した画像のみに基づいて、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報が制御部により取得されてもよい。
【0073】
また、上記第1実施形態では、レーザセンサ41および52は、レーザラインセンサを含む例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、センサ部は、TOF(Time of Flight)センサ、または、LiDAR(Light Detection And Ranging)センサを含んでもよい。この場合、検出部は、照射部によって照射され、基板から反射したレーザ光を検出可能な位置に配置される。たとえば、照射部および検出部は、基板に対向するように配置、かつ、互いに隣り合うように配置される。そして、照射部によって照射され、基板から反射したレーザ光を検出部が検出することによって、基板の外形形状が検出される。また、センサ部は、照度センサなどレーザ光を用いないセンサを含んでもよい。
【0074】
また、上記第1実施形態では、基板搬送ロボットシステム100の基板搬送ロボット101は、第1アーム11と第2アーム12とを含む水平多関節ロボットアーム10を備える例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送ロボットシステムの基板搬送ロボットは、レールに沿って基板搬送ハンドを移動させる直動機構型の基板搬送ロボットであってもよい。
【0075】
また、上記第1実施形態では、撮影部30は、第2アーム12の上面12aに配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、撮影部は、第2アームの側面に配置され、下方から基板を撮影してもよい。
【0076】
また、上記第1実施形態では、基板搬送ハンド20は、基板1の搬送中において、上ハンド22が基板収納部104に侵入する際に、基板1を保持した状態の下ハンド21を、第2アーム12の上方にオーバーラップする退避位置に退避させ、退避位置に退避した際の基板1を下方から撮影した画像に基づいて、下ハンド21によって搬送される基板1におけるノッチNの位置情報を取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送ハンドは、基板の搬送中において、第2ハンドの下方に配置される第1ハンドが基板収納部に侵入する際に、基板を保持した状態の第2ハンドを、第2アームの上方にオーバーラップする退避位置に退避させ、退避位置に退避した際の基板を下方から撮影した画像に基づいて、第2ハンドによって搬送される基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得してもよい。
【0077】
また、上記第1実施形態では、基板搬送ハンド20は、下ハンド21および下ハンド21を含む例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送ロボットは、基板搬送ハンドを1つのみ備えるシングルハンドのロボットであってもよいし、3つ以上の基板搬送ハンドを備えるロボットでもよい。
【0078】
また、上記第1実施形態では、基板1におけるノッチNの位置情報を取得に加えて、基板搬送ハンド20による基板1の搬送中において、基板搬送ハンド20によって搬送される基板1を撮影部30により下方から撮影する制御を行う例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送ロボットシステムおよび基板搬送ロボットは、撮影部による撮影の制御を行う制御部と、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する制御部とを別個に備えてもよい。
【0079】
また、上記第1実施形態では、基板搬送ロボット101が、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する制御部60を備える例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送ロボットシステムにおいて、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する制御部は、基板搬送ロボット101の外部に備えられてもよい。すなわち、基板搬送ロボットシステムは、基板搬送ロボットの全体を制御する制御部と、基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する制御部とを別個に備えてもよい。
【0080】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0081】
また、上記第1実施形態では、撮影部30は、基板搬送ハンド20よりも下方に配置される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、撮影部は、少なくとも撮影時において、基板搬送ハンドよりも下方に配置されていればよい。すなわち、撮影部は、撮影時以外においては、基板搬送ハンドと同じ高さ位置、または、基板搬送ハンドよりも高い高さ位置に配置され、撮影時において、基板搬送ハンドよりも下方に移動してもよい。
【0082】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0083】
(項目1)
基板を搬送する基板搬送ハンドと、
撮影部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記基板の搬送中に前記撮影部によって前記基板搬送ハンドより下方から撮影された画像に基づいて、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する、基板搬送ロボットシステム。
【0084】
(項目2)
上方から見て、前記基板搬送ハンドによる前記基板の搬送経路とオーバーラップする位置において、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板を、前記撮影部によって前記基板搬送ハンドよりも下方から撮影する、項目1に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0085】
(項目3)
前記撮影部は、前記基板搬送ハンドよりも下方に配置される、項目1または2に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0086】
(項目4)
前記基板の外周端と前記基板搬送ハンドとが下方から見てオーバーラップする部分における前記基板の外形形状を検出するセンサ部をさらに備え、
前記制御部は、前記基板の搬送中に前記撮影部により下方から撮影された画像、および、前記基板の搬送中における前記センサ部の検出結果に基づいて、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する、項目1から項目3までのいずれか1項に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0087】
(項目5)
前記センサ部は、
前記基板の外周端と前記基板搬送ハンドとが下方から見てオーバーラップする部分に対して、レーザ光を照射する照射部と、
前記照射部から照射されたレーザ光を検出する検出部とを含む、項目4に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0088】
(項目6)
前記基板搬送ハンドが取り付けられ、前記基板搬送ハンドより下方に配置される水平多関節ロボットアームをさらに備え、
前記撮影部は、前記水平多関節ロボットアームに配置されている、項目1から項目5までのいずれか1項に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0089】
(項目7)
前記水平多関節ロボットアームは、
第1アームと、
前記第1アームの上方に配置されるとともに、前記第1アームに対して接続される第2アームとを含み、
前記撮影部は、前記第2アームの上面に配置されている、項目6に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0090】
(項目8)
前記基板搬送ハンドは、
前記第2アームの上方に配置される第1ハンドと、
前記第1ハンドの上方に配置される第2ハンドとを含み、
前記基板の搬送中において、前記第1ハンドおよび前記第2ハンドのうちの一方が前記基板を収納する基板収納部に侵入する際に、前記基板を保持した状態の前記第1ハンドおよび前記第2ハンドのうちの他方を、前記第2アームの上方にオーバーラップする退避位置に退避させており、
前記制御部は、前記基板の搬送中に、前記退避位置に退避した際の前記基板を下方から撮影した画像に基づいて、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する、項目7に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0091】
(項目9)
前記基板搬送ハンドが取り付けられ、前記基板搬送ハンドより下方に配置される水平多関節ロボットアームと、
前記水平多関節ロボットアームの下方に配置され、前記水平多関節ロボットアームが取り付けられるベース部と、をさらに備え、
前記撮影部は、
前記基板搬送ハンドより下方に配置される前記ベース部において、上方から見て、前記基板搬送ハンドによる前記基板の搬送経路とオーバーラップする位置に配置されている、項目1から項目5までのいずれか1項に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0092】
(項目10)
前記撮影部は、
前記基板搬送ハンドより下方の床面において、上方から見て、前記基板搬送ハンドによる前記基板の搬送経路とオーバーラップする位置に配置されている、項目1から項目5までのいずれか1項に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0093】
(項目11)
前記制御部は、取得した前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を、前記基板が搬送される搬送先装置を制御する制御装置に対して出力する、項目1から項目10までのいずれか1項に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0094】
(項目12)
前記制御部は、前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得に加えて、前記基板搬送ハンドによる前記基板の搬送中において、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板を前記撮影部により下方から撮影する制御を行う、項目1から項目11までのいずれか1項に記載の基板搬送ロボットシステム。
【0095】
(項目13)
基板を搬送する基板搬送ハンドと、
前記基板搬送ハンドより下方に配置される撮影部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記基板の搬送中に前記撮影部により下方から撮影された画像に基づいて、前記基板搬送ハンドによって搬送される前記基板におけるノッチまたはオリエンテーションフラットの位置情報を取得する、基板搬送ロボット。
【符号の説明】
【0096】
1 基板
1a (基板の)外周端
10 水平多関節ロボットアーム
11 第1アーム
12 第2アーム
12a (第2アームの)上面
20 基板搬送ハンド
21 下ハンド(第1ハンド)
22 上ハンド(第2ハンド)
30、230、330、430 撮影部
40、41、42 センサ部
41a、42a 照射部
41b、42b 検出部
50 ベース部
60 制御部
100、200、300、400 基板搬送ロボットシステム
101、201、301、401 基板搬送ロボット
102 基板処理部(搬送先装置)
104 基板収納部
105 製造装置制御部(制御装置)
106 床面
N ノッチ