(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161823
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20231031BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20231031BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H05K9/00 R
H05K5/03 C
G06F1/16 312E
G06F1/16 312L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072412
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲塚▼崎 遥
【テーマコード(参考)】
4E360
5E321
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB02
4E360BA04
4E360BB02
4E360BB22
4E360BC06
4E360BC16
4E360BD03
4E360CA02
4E360EA18
4E360GA02
4E360GA34
4E360GB46
4E360GC02
4E360GC08
5E321AA02
5E321AA14
5E321BB53
5E321CC22
5E321GG05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シールドを容易に開閉可能な電子機器を得る。
【解決手段】電子機器であるパーソナルコンピュータにおいて、筐体、キーボード及びタッチパッドを有する基部11は、基板41と、電子部品42と、導電性のシールド44と、を備える。電子部品は、基板に実装される。シールドは、カバー71と、カバーと一体に設けられたフック72と、を有する。フックは、カバーが電子部品を覆う第1の位置と、カバーが第1の位置よりも電子部品から離間した第2の位置との間で回動可能なように基板に引っ掛けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装された電子部品と、
カバーと、前記カバーと一体に設けられたフックと、を有し、前記フックは前記カバーが前記電子部品を覆う第1の位置と前記カバーが前記第1の位置よりも前記電子部品から離間した第2の位置との間で回動可能なように前記基板に引っ掛けられた、導電性のシールドと、
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記基板は、前記電子部品が実装された第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面と、前記第1の面に沿う第1の方向に向く縁と、前記縁から突出した突起と、を有し、
前記フックは、前記突起が通る孔が設けられ、前記突起又は前記第2の面に当接することで当該フックが前記基板から前記第1の面が向く方向に取り外されることを制限する、
請求項1の電子機器。
【請求項3】
前記シールドは、前記フックから離間した位置で前記カバーと一体に設けられた取付部を有し、前記取付部は前記基板に取り外し可能に取り付けられることで前記シールドの回動を制限する、
請求項2の電子機器。
【請求項4】
前記フックは、前記第1の方向における前記カバーの端部に設けられ、
前記シールドが前記第1の位置から前記第2の位置へ回動するときに前記第1の方向の反対の第2の方向における前記カバーの端部が前記基板から離間する、
請求項3の電子機器。
【請求項5】
前記基板は、前記第1の面に設けられたグランド端子を有し、
前記シールドは、前記フックから突出するとともに前記グランド端子に当接する当接部を有し、当該当接部が前記グランド端子に押し付けられるように弾性変形した状態で前記フックにおいて前記基板に引っ掛けられるとともに前記取付部で前記基板に取り付けられる、
請求項4の電子機器。
【請求項6】
前記基板を収容する筐体、
をさらに具備し、
前記筐体は、前記突起の前記第1の方向における端よりも前記縁に近い制限部を有し、
前記縁は、前記制限部に向き、
前記フックの少なくとも一部は、前記縁と前記制限部との間に位置する、
請求項2の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ラップトップコンピュータのような電子機器は、例えば、電子部品に向かう、又は電子部品から放出される電磁波を遮蔽するための、シールドを有する。例えば、シールドとしての金属板が電子部品を覆う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば電子部品の交換又は修理のような作業のため、電子部品を覆うシールドが取り外され、又は開かれることがある。もしシールドの開閉が容易であれば、電子部品に対する作業が容易となり得る。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、シールドを容易に開閉可能な電子機器を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る電子機器は、基板と、電子部品と、導電性のシールドとを備える。前記電子部品は、前記基板に実装される。前記シールドは、カバーと、前記カバーと一体に設けられたフックと、を有し、前記フックは前記カバーが前記電子部品を覆う第1の位置と前記カバーが前記第1の位置よりも前記電子部品から離間した第2の位置との間で回動可能なように前記基板に引っ掛けられる。
【0007】
前記電子機器では、前記基板は、前記電子部品が実装された第1の面と、前記第1の面の反対側の第2の面と、前記第1の面に沿う第1の方向に向く縁と、前記縁から突出した突起と、を有し、前記フックは、前記突起が通る孔が設けられ、前記突起又は前記第2の面に当接することで当該フックが前記基板から前記第1の面が向く方向に取り外されることを制限する。
【0008】
前記電子機器では、前記シールドは、前記フックから離間した位置で前記カバーと一体に設けられた取付部を有し、前記取付部は前記基板に取り外し可能に取り付けられることで前記シールドの回動を制限する。
【0009】
前記電子機器では、前記フックは、前記第1の方向における前記カバーの端部に設けられ、前記シールドが前記第1の位置から前記第2の位置へ回動するときに前記第1の方向の反対の第2の方向における前記カバーの端部が前記基板から離間する。
【0010】
前記電子機器では、前記基板は、前記第1の面に設けられたグランド端子を有し、前記シールドは、前記フックから突出するとともに前記グランド端子に当接する当接部を有し、当該当接部が前記グランド端子に押し付けられるように弾性変形した状態で前記フックにおいて前記基板に引っ掛けられるとともに前記取付部で前記基板に取り付けられる。
【0011】
前記電子機器は、前記基板を収容する筐体、をさらに備える。前記筐体は、前記突起の前記第1の方向における端よりも前記縁に近い制限部を有し、前記縁は、前記制限部に向き、前記フックの少なくとも一部は、前記縁と前記制限部との間に位置する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、シールドを容易に開閉することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るパーソナルコンピュータ(PC)を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の基部の内部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態のシールドが開かれた基部の内部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の基部の一部を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態のシールドを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態のフックを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る基部の内部の一部を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第3の実施形態に係る基部の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、
図1乃至
図6を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0015】
図1は、第1の実施形態に係るパーソナルコンピュータ(PC)10を示す斜視図である。
図1に示すように、PC10は、ラップトップコンピュータである。なお、PC10は、この例に限られず、他の種類のPCであっても良い。
【0016】
PC10は、電子機器の一例である。なお、電子機器は、PC10に限られず、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ゲーム機、ウェアラブル機器、又は他の電子機器であっても良い。
【0017】
PC10は、基部11と、表示部12と、ヒンジ13とを有する。基部11及び表示部12のそれぞれは、略矩形の板状に形成される。ヒンジ13は、基部11と表示部12とを互いに相対的に回動可能に連結する。
【0018】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、基部11の幅に沿って設けられる。Y軸は、基部11の長さ(奥行)に沿って設けられる。Z軸は、基部11の厚さに沿って設けられる。
【0019】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。
【0020】
基部11は、筐体21と、キーボード22と、タッチパッド23とを有する。筐体21は、略直方体の箱状に形成される。筐体21は、上面21aを有する。なお、本実施形態における上下左右前後のような方向を示す表現は、
図1におけるPC10の姿勢を基準とする便宜上の表現であり、位置、姿勢、向き、使用態様、及び他の種々の条件について限定するものではない。
【0021】
上面21aは、略平坦に形成され、略+Z方向に向く。上面21aに、キーボード22及びタッチパッド23が設けられる。PC10は、キーボード22及びタッチパッド23により、ユーザからの入力操作を受ける。
【0022】
筐体21は、アッパカバー25と、ロアカバー26とを有する。アッパカバー25とロアカバー26とは、例えばネジによって、取り外し可能に互いに結合される。アッパカバー25は、上面21aを有する。ロアカバー26は、上面21aの反対に位置する筐体21の底面を有する。なお、筐体21は、この例に限られない。
【0023】
表示部12は、筐体31と、表示装置32とを有する。筐体31は、略直方体の箱状に形成される。筐体31は、前面31aを有する。前面31aに、表示開口31bが設けられる。表示開口31bは、筐体31の内部と外部とを連通する孔である。なお、表示開口31bは、透明又は透光性のパネルに覆われても良い。
【0024】
表示装置32は、表示部12の筐体31に収容される。表示装置32は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイであり、画像を表示する。筐体31の表示開口31bは、表示装置32を露出させ、外部から画像を視認可能にする。
【0025】
+Y方向における基部11の筐体21の端部は、ヒンジ13によって、表示部12の筐体31に回動可能に連結される。このため、PC10は、筐体21の上面21aと筐体31の前面31aとが向かい合うように閉じられることと、上面21aから表示部12が立ち上がるように開かれることが可能である。
【0026】
図2は、第1の実施形態の基部11の内部を示す斜視図である。
図3は、第1の実施形態のシールド44が開かれた基部11の内部を示す斜視図である。
図2及び
図3は、例えば、ロアカバー26を取り外した状態における基部11を示している。
【0027】
図3に示すように、基部11は、基板41と、二つのソケット42と、二つのデュアルインラインメモリモジュール(Dual Inline Memory Module;DIMM)43と、シールド44と、ネジ45とを有する。ソケット42は、電子部品の一例である。
【0028】
基部11の筐体21は、基板41、ソケット42、DIMM43、シールド44、及びネジ45を収容する。また、基部11は、例えば、筐体21に収容されたCPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージ、バッテリ、及び種々の部品を更に有しても良い。
【0029】
基板41は、例えば、プリント回路板(PCB)である。基板41に、ソケット42と、CPUのような種々の電子部品とが実装される。さらに、本実施形態の基板41には、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)アンテナのようなアンテナが実装される。PC10は、当該アンテナを介して外部の装置と通信することができる。
【0030】
図4は、第1の実施形態の基部11の一部を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、基板41は、第1の面41aと、第2の面41bと、第1の縁41cとを有する。第1の縁41cは、縁の一例である。
【0031】
第1の面41aは、X-Y平面に沿って略平坦に設けられ、略-Z方向に向く。第1の面41aに、ソケット42が実装される。第2の面41bは、第1の面41aの反対側に位置する。第2の面41bは、X-Y平面に沿って略平坦に設けられ、略+Z方向に向く。
【0032】
図2に示すように、基板41は、第2の縁41dをさらに有する。第1の縁41c及び第2の縁41dのそれぞれは、基板41の外縁の一部である。第1の縁41c及び第2の縁41dのそれぞれは、略X方向に延び、略+Y方向に向く。言い換えると、第1の縁41cと第2の縁41dとは、略平行に設けられる。+Y方向は、第1の面41aに沿う方向であり、第1の方向の一例である。
【0033】
基板41は、本体50と、三つの第1の突起51と、二つの第2の突起52とを有する。第2の突起52は、突起の一例である。本体50、第1の突起51、及び第2の突起52のそれぞれは、基板41の一部であり、第1の面41aの一部及び第2の面41bの一部を有する。
【0034】
本体50の第1の面41aに、ソケット42が実装される。
図4に示すように、本体50は、基板41の第1の縁41cを有する。例えば、第1の縁41cは、+Y方向における本体50の端に設けられる。なお、第1の縁41cはこの例に限られない。
【0035】
ソケット42は、第1の縁41cの近傍において、本体50の第1の面41aに実装される。三つの第1の突起51と二つの第2の突起52とは、ソケット42の近傍に設けられる。
【0036】
三つの第1の突起51と二つの第2の突起52とは、第1の縁41cから略+Y方向に突出している。
図2に示すように、第1の突起51と第2の突起52とは、間隔を介してX方向に交互に配置される。このため、二つの第2の突起52のそれぞれは、三つの第1の突起51のうち隣り合う二つの間に位置する。
【0037】
第1の突起51は、基板41の第2の縁41dを有する。例えば、第2の縁41dは、+Y方向における第1の突起51の端に設けられる。本実施形態において、三つの第1の突起51に設けられた第2の縁41dは、互いの延長線上に配置される。なお、第2の縁41dはこの例に限られない。
【0038】
三つの第1の突起51のうち隣り合う二つの間に、凹部55が設けられる。凹部55は、三つの第1の突起51のうち隣り合う二つの間の空間であり、第2の縁41dから略-Y方向に窪む。本実施形態において、第1の縁41cは、凹部55の底を形成する。
【0039】
二つの第2の突起52のそれぞれは、二つの凹部55のうち対応する一つに位置し、当該凹部55の底である第1の縁41cから突出している。X方向における二つの第2の突起52のそれぞれの幅は、X方向における三つの第1の突起51のそれぞれの幅よりも短い。X方向における二つの第2の突起52の幅は、互いに略等しい。なお、第1の突起51及び第2の突起52の幅は、この例に限られない。
【0040】
隣り合う第1の突起51と第2の突起52との間に、スリット56が設けられる。スリット56は、隣り合う第1の突起51と第2の突起52との間の空間である。凹部55に第2の突起52が設けられることで二つのスリット56が形成され、一つの凹部55に二つのスリット56含まれる。本実施形態において、基板41には、四つのスリット56が設けられる。第1の縁41cは、凹部55の底を形成するのみならず、スリット56の底を形成する。
【0041】
本体50は、複数のグランド端子58をさらに有する。複数のグランド端子58は、例えば、基板41におけるグランドプレーンであり、又は基板41におけるグランドプレーンに電気的に接続される。複数のグランド端子58は、例えば、フレームグランドのために設けられる。なお、グランド端子58は、この例に限られない。
【0042】
複数のグランド端子58は、第1の面41aに設けられる。
図3に示すように、複数のグランド端子58は、全体として、二つのソケット42を囲むような枠状に形成される。グランド端子58の一部は、ソケット42と、第1の突起51及び第2の突起52と、の間に位置する。なお、グランド端子58の形状は、この例に限られない。
【0043】
本体50に、挿通孔59が設けられる。挿通孔59は、例えば、複数のグランド端子58のうち一つが設けられた位置において、本体50に設けられる。挿通孔59は、本体50を略Z方向に貫通し、第1の面41a及び第2の面41bに開口する。
【0044】
図4に示すように、アッパカバー25は、上壁61と、ボス62と、後壁63と、四つのリブ64とを有する。リブ64は、制限部の一例である。上壁61、ボス62、後壁63、及びリブ64は、例えばアルミニウム合金又はマグネシウム合金のような金属により一体に形成される。なお、上壁61、ボス62、後壁63、及びリブ64は、互いに異なる部品であっても良いし、他の材料で作られても良い。また、アッパカバー25のうちWWANアンテナを覆う部分は、例えば合成樹脂によって作られる。
【0045】
上壁61は、筐体21の上面21aを有し、キーボード22及びタッチパッド23を取り付けられる。上壁61は、内面61aを有する。内面61aは、上面21aの反対側に設けられ、筐体21の内部に向く。内面61aは、例えば間隔を介して、基板41の第2の面41bに向く。
【0046】
ボス62は、上壁61の内面61aから突出している。ボス62は、例えば、略円筒状に形成される。ボス62の内側に、ネジ穴62aが設けられる。ネジ穴62aの内面に、雌ネジが形成される。ネジ穴62aは、基板41の挿通孔59に連通している。
【0047】
後壁63は、+Y方向における上壁61の端から、略-Z方向に延びている。後壁63は、Z方向において基板41を横断するように延び、基板41の第1の縁41c及び第2の縁41dを覆う。なお、Z方向における後壁63の長さは、上壁61と基板41との間の距離よりも短くても良い。
【0048】
四つのリブ64のそれぞれは、上壁61及び後壁63に接続される。言い換えると、四つのリブ64のそれぞれは、上壁61及び後壁63から突出している。
図2に示すように、四つのリブ64のそれぞれは、四つのスリット56のうち対応する一つに挿入されている。このため、複数のリブ64のそれぞれは、第1の突起51及び第2の突起52の+Y方向における端よりも、第1の縁41cに近い。第1の突起51の+Y方向における端は、第2の縁41dである。また、第1の縁41cは、間隔を介してリブ64に向く。複数のリブ64は、第1の縁41cから離間している。また、複数のリブ64は、第1の突起51及び第2の突起52から離間している。
【0049】
図3に示すように、ソケット42は、DIMM43が取り付けられる電子部品である。二つのソケット42のそれぞれに、挿入口42aが設けられる。挿入口42aにDIMM43が挿入されることで、ソケット42は、当該DIMM43と基板41とを互いに電気的に接続する。
【0050】
DIMM43は、例えば、PCBと、当該PCBに実装された複数のDRAMとを有する。DIMM43は、当該DIMM43の端子がソケット42の挿入口42aに挿入されることで、当該ソケット42を介して基板41に電気的に接続される。
【0051】
本体実施形態において、二つのソケット42のそれぞれの挿入口42aは、+X方向又は-X方向に向く。このため、二つのDIMM43のそれぞれは、対応するソケット42にX方向に挿抜される。例えば、一方のDIMM43は、一方のソケット42に+X方向に挿入され、当該ソケット42から-X方向に抜かれる。他方のDIMM43は、他方のソケット42に-X方向に挿入され、当該ソケット42から+X方向に抜かれる。
【0052】
第1の面41aに沿う方向において、二つのソケット42のそれぞれの挿入口42aは、当該ソケット42から第1の縁41cに向かう方向とは異なる方向に向かって開口している。すなわち、二つのソケット42のそれぞれの挿入口42aは、上述のようにX方向に向いても良いし、-Y方向に向いても良い。一方、本実施形態では、二つのソケット42のそれぞれは、挿入口42aが+Y方向に向くようには配置されない。なお、挿入口42aが向く方向は、この例に限られない。
【0053】
図5は、第1の実施形態のシールド44を示す斜視図である。シールド44は、例えば、アルミニウム又はステンレス鋼のような金属により作られ、導電性を有する。シールド44は、例えば、射出成型された金属板により形成される。なお、シールド44は、他の方法によって形成されても良い。シールド44は、カバー71と、二つのフック72と、取付部73とを有する。カバー71、フック72、及び取付部73は、一体に設けられる。
【0054】
カバー71は、二つのソケット42と、二つのDIMM43とを覆う。カバー71は、他の部品をさらに覆っても良い。
図3に示すように、カバー71は、上壁81と、後壁82と、前壁83と、二つの側壁84とを有する。
【0055】
図5に示すように、上壁81は、X-Y平面に沿う略矩形の板状に形成される。
図4に示すように、上壁81は、内面81aを有する。内面81aと、基板41の第1の面41aとは、間隔を介して向かい合う。さらに、内面81aは、二つのソケット42及び二つのDIMM43に向く。
【0056】
後壁82は、+Y方向における上壁81の縁から、略+Z方向に延びている。前壁83は、-Y方向における上壁81の縁から、略+Z方向に延びている。二つの側壁84のそれぞれは、X方向における上壁81の縁から、略+Z方向に延びている。二つの側壁84は、前壁83に接続される。一方の側壁84は、後壁82に接続される。+Z方向における後壁82、前壁83、及び側壁84の端部は、例えば、グランド端子58に当接する。
【0057】
図6は、第1の実施形態のフック72を示す斜視図である。二つのフック72は、互いに略同一の形状を有する。なお、二つのフック72は、互いに異なる形状を有しても良い。
図6に示すように、二つのフック72のそれぞれは、略L字状に形成され、第1の部分91と、第2の部分92とを有する。
【0058】
第1の部分91は、おおよそX-Y平面に沿う略矩形の板状に形成される。第1の部分91は、例えば、カバー71の後壁82から、略+Y方向に延びている。このため、フック72は、+Y方向におけるカバー71の端部に設けられる。
【0059】
図4に示すように、第1の部分91は、内面91aと、外面91bとを有する。内面91aは、略平坦に形成され、略+Z方向に向く。外面91bは、内面91aの反対側に位置する。外面91bは、略平坦に形成され、略-Z方向に向く。
【0060】
第2の部分92は、おおよそX-Z平面に沿う略矩形の板状に形成される。第2の部分92は、例えば、+Y方向における第1の部分91の端から、略+Z方向に延びている。第2の部分92は、内面92aと、外面92bとを有する。内面92aは、略平坦に形成され、略-Y方向に向く。外面92bは、内面92aの反対側に位置する。外面92bは、略平坦に形成され、略+Y方向に向く。
【0061】
図6に示すように、二つのフック72のそれぞれには、孔93が設けられる。孔93は、第1の部分91及び第2の部分92を貫通し、第1の部分91の内面91a及び外面91bと、第2の部分92の内面92a及び外面92bとに開口している。孔93は、+Z方向における第2の部分92の端部から離間している。
【0062】
図4に示すように、二つの第2の突起52のそれぞれは、二つのフック72のうち対応する一つの孔93を通って延びている。従って、二つのフック72は、基板41の二つの第2の突起52に直接的に引っ掛けられている。
【0063】
フック72が基板41に引っ掛けられることで、第1の部分91の内面91aは、例えば、本体50の第1の面41aに向く。さらに、第2の部分92の内面92aは、例えば、第1の縁41cに向く。内面92aは、第1の縁41cに当接している。なお、内面92aは、第1の縁41cから離間していても良い。第2の部分92に含まれる孔93の縁93aは、第2の突起52の第2の面41bに当接している。
【0064】
フック72の第2の部分92の一部は、基板41の第1の縁41cと、リブ64との間に位置する。このため、第2の部分92の外面92bは、例えば、筐体21の後壁63及びリブ64に向く。外面92bは、後壁63及びリブ64から離間している。
【0065】
別の表現によれば、
図6に示すように、二つのフック72のそれぞれは、第1の端部94と、第2の端部95と、二つの柱部96とを有する。第1の端部94は、第1の部分91に含まれ、後壁82から略+Y方向に延びている。第2の端部95は、第2の部分92に含まれる。
【0066】
二つの柱部96は、第1の端部94と第2の端部95との間を、スリット56を通って延びている。言い換えると、柱部96の一方の端部が第1の端部94に接続され、柱部96の他方の端部が第2の端部95に接続される。二つの柱部96は、第1の部分91及び第2の部分92に含まれる。二つの柱部96の間に、孔93が設けられる。
【0067】
第2の端部95は、+Z方向における柱部96の端部から略X方向に延び、二つの柱部96の+Z方向における端部を接続している。第2の端部95は、第2の突起52の第2の面41bに当接する。
【0068】
シールド44は、複数の当接部98をさらに有する。複数の当接部98のそれぞれは、フック72の第1の部分91(第1の端部94)の内面91aから突出した、略円錐台状の突起である。なお、当接部98は、この例に限られない。
【0069】
図4に示すように、複数の当接部98のそれぞれは、内面91aから、基板41のグランド端子58に向かって突出し、グランド端子58に当接する。このため、内面91aは、基板41の第1の面41aから離間している。
【0070】
図2に示すように、取付部73は、X-Y平面に沿う板状に形成される。取付部73は、例えば、カバー71の前壁83から、略-Y方向に延びている。このため、取付部73は、-Y方向におけるカバー71の端部に設けられ、二つのフック72から離間している。なお、取付部73は、側壁84のようなカバー71の他の部分から延びていても良い。
【0071】
図4に示すように、取付部73に、挿通孔73aが設けられる。挿通孔73aは、略Z方向に取付部73を貫通し、基板41の挿通孔59に連通する。ネジ45は、取付部73の挿通孔73a及び基板41の挿通孔59を通って、ボス62のネジ穴62aに挿入される。これにより、取付部73は、ネジ45によって、基板41に取り外し可能に取り付けられる。なお、取付部73は、この例に限られず、爪のような他の手段によって基板41に取り外し可能に取り付けられても良い。
【0072】
取付部73は、グランド端子58に当接する。さらに、取付部73は、ネジ45を介して、グランド端子58及び筐体21のアッパカバー25に電気的に接続されても良い。
【0073】
フック72は、シールド44が
図2に示す閉じ位置Pcと
図3に示す開き位置Poとの間で回動可能なように、基板41の第2の突起52に引っ掛けられている。言い換えると、シールド44は、第2の突起52を支点として、閉じ位置Pcと開き位置Poとの間で回動可能である。閉じ位置Pcは、第1の位置の一例である。開き位置Poは、第2の位置の一例である。
【0074】
通常、シールド44は、
図2に示す閉じ位置Pcに位置する。このため、上述のシールド44に係る記載は、閉じ位置Pcに位置するシールド44を説明している。
図2に示すように、閉じ位置Pcにおいて、カバー71は二つのソケット42及び二つのDIMM43を覆う。このため、シールド44は、DIMM43から放出される電磁波を遮蔽し、例えばWWANアンテナに当該電磁波に起因するノイズが入力されることを抑制できる。また、閉じ位置Pcにおいて、取付部73は、挿通孔73aが基板41の挿通孔59に連通するように配置され、ネジ45によって基板41に取り付けられる。
【0075】
さらに、
図4に示すように、閉じ位置Pcにおいて、フック72の孔93の縁93a(第2の端部95)が第2の突起52の第2の面41bに当接する。フック72の孔93の縁93a(第2の端部95)は、第2の突起52の第2の面41bに当接することで、フック72が基板41から-Z方向に取り外されることを制限する。
【0076】
さらに、閉じ位置Pcにおいて、当接部98がグランド端子58に当接する。これにより、シールド44がグランド端子58に電気的に接続される。また、Z方向において、+Z方向における当接部98の端と、フック72の孔93の縁93a(第2の端部95)と、の間の距離は、基板41の厚さよりも短い。このため、シールド44は、当接部98がグランド端子58に押し付けられるように弾性変形した状態で、フック72において基板41の第2の突起52に引っ掛けられるとともに、取付部73で基板41に取り付けられる。
【0077】
シールド44は、略X方向に延びる回転軸まわりに、基板41に対して回転可能である。
図3に示すように、開き位置Poにおいて、カバー71は、閉じ位置Pcよりもソケット42及びDIMM43から離間している。また、開き位置Poにおいて、シールド44の前壁83は、閉じ位置Pcよりも基板41から離間している。
【0078】
シールド44が閉じ位置Pcから開き位置Poへ回動するときに、-Y方向におけるカバー71の端部に設けられた前壁83及び取付部73が、基板41から離間する。-Y方向は、第2の方向の一例である。シールド44が閉じ位置Pcに位置するとき、取付部73は、ネジ45によって基板41に取り付けられることで、シールド44の回動を制限する。なお、シールド44は、他の方向に回転可能であっても良い。
【0079】
開き位置Poにおいても、フック72の孔93の縁93a(第2の端部95)は、第2の突起52の第2の面41bに当接する。また、縁93aが第2の突起52に当接する代わりに、フック72の第2の部分92が、本体50の第2の面41bに当接しても良い。これにより、フック72は、基板41から-Z方向に取り外されることを制限する。
【0080】
フック72の孔93は、第2の部分92のみならず、第1の部分91にも設けられる。このため、シールド44は、第1の部分91が略Z方向に延び、第2の突起52が孔93のうち第1の部分91に設けられた部分を通って延びるような位置まで、回動することができる。
【0081】
開き位置Poにおいて、ネジ45は、シールド44から取り外されている。このため、シールド44は、基板41に対してY方向に若干移動することができる。しかし、リブ64は、フック72の一部(柱部96)に当接することで、フック72の孔93から第2の突起52が抜けることを制限する。
【0082】
+Y方向における第2の突起52の端と、アッパカバー25の後壁63との間の間隔が、フック72の厚さよりも短くても良い。この場合、リブ64が省略されたとしても、第2の突起52は、フック72の孔93から抜けることを抑制できる。
【0083】
シールド44は、開き位置Poにおいて、二つのソケット42及び二つのDIMM43を露出させる。このため、ユーザは、シールド44が開き位置Poに位置するとき、ソケット42に対するDIMM43の挿抜作業を行うことができる。
【0084】
ソケット42の挿入口42aは、開き位置Poに位置するシールド44に向いていない。このため、ソケット42に対するDIMM43の挿抜作業において、DIMM43は、シールド44に干渉することが抑制される。
【0085】
例えばユーザは、DIMM43を交換するとき、まず筐体21のロアカバー26をアッパカバー25から取り外す。これにより、基板41及びシールド44が露出する。このとき、シールド44が閉じ位置Pcに位置するため、二つのソケット42及び二つのDIMM43はシールド44に覆われている。
【0086】
次に、ユーザは、ネジ45をアッパカバー25、基板41、及びシールド44から取り外す。これにより、シールド44は、閉じ位置Pcから開き位置Poへ回動可能となる。ユーザは、シールド44を閉じ位置Pcから開き位置Poへ回動させ、二つのソケット42及び二つのDIMM43を露出させる。
【0087】
ユーザは、露出したDIMM43をソケット42から取り外し、新しいDIMM43をソケット42の挿入口42aに挿入する。次に、ユーザは、開き位置Poのシールド44を閉じ位置Pcへ回動させ、ネジ45によってシールド44を基板41に取り付ける。次に、ユーザは、ロアカバー26をアッパカバー25に取り付け、DIMM43の交換作業を終える。以上のように、ユーザは、簡易な手順でDIMM43を交換することができる。
【0088】
以上説明された第1の実施形態に係るPC10において、導電性のシールド44は、カバー71と、カバー71と一体に設けられたフック72と、を有する。フック72は、カバー71がソケット42を覆う閉じ位置Pcと、カバー71が閉じ位置Pcよりもソケット42から離間した開き位置Poと、の間でシールド44が回動可能なように基板41に引っ掛けられる。すなわち、シールド44は、クリップやヒンジのような他の部品を介することなく、開閉可能に基板41に取り付けられることができる。これにより、PC10は、クリップやヒンジのような他の部品との着脱作業をすることなくシールド44を容易に開閉可能となり、シールド44により電磁波を遮蔽されたソケット42及びDIMM43に対する作業を容易にすることができる。例えば、PC10は、DIMM43の交換を容易にすることができる。また、PC10は、クリップやヒンジのような他の部品が不要であるため、コストを低減することができる。
【0089】
例えば、従来、シールドがクリップのような部品を介して、基板に取り付けられることがある。この場合、ユーザは、クリップからシールドを一旦取り外すと、当該クリップに再度シールドを取り付けることが困難であることがある。しかし、本実施形態のPC10においては、シールド44は、クリップのような他の部品を介することなく、基板41に取り付けられることができる。このため、PC10は、クリップのような他の部品との着脱作業をすることなくシールド44を容易に開閉可能となり、ソケット42及びDIMM43に対する作業を容易にすることができる。
【0090】
また、シールド44は、当該シールド44を基板41に固定するための構造を簡易化することができるため、コストを低減することができるとともに、基板41における実装の自由度を向上させることができる。さらに、PC10は、金属板でありながら固定のための構造を簡易化されたシールド44によりソケット42及びDIMM43を覆うことができるため、例えば電磁波吸収シートに比べてシールド44による電磁波の遮蔽性能を高くすることができ、DIMM43の性能を安定化することができる。
【0091】
基板41は、ソケット42が実装された第1の面41aと、第1の面41aの反対側の第2の面41bと、第1の面41aに沿う+Y方向に向く第1の縁41cと、第1の縁41cから突出した第2の突起52と、を有する。フック72に、第2の突起52が通る孔93が設けられる。フック72は、第2の突起52又は第2の面41bに当接することで、フック72が基板41から第1の面41aが向く-Z方向に取り外されることを制限する。これにより、PC10は、シールド44が基板41から望まぬ脱落をしてしまうことを抑制できる。
【0092】
シールド44は、フック72から離間した位置でカバー71と一体に設けられた取付部73を有する。取付部73は、基板41に取り外し可能に取り付けられることで、シールド44の回動を制限する。これにより、PC10は、シールド44が勝手に開いてしまうことを抑制でき、ソケット42及びDIMM43が放出する電磁波を確実に遮蔽することができる。
【0093】
フック72は、+Y方向におけるカバー71の端部に設けられる。シールド44が閉じ位置Pcから開き位置Poへ回動するときに、+Y方向の反対の-Y方向におけるカバー71の端部が基板41から離間する。すなわち、シールド44は、第1の面41aと略平行な回転軸まわりに回動する。これにより、PC10は、シールド44が第1の面41aと直交する回転軸まわりに回転する場合に比べ、回動するシールド44が第1の面41aに実装された部品に干渉することを抑制できる。
【0094】
基板41は、第1の面41aに設けられたグランド端子58を有する。シールド44は、当接部98を有する。当接部98は、フック72から突出するとともにグランド端子58に当接する。シールド44は、当接部98がグランド端子58に押し付けられるように弾性変形した状態で、フック72において基板41に引っ掛けられるとともに取付部73で基板41に取り付けられる。これにより、シールド44が確実にグランド接続を確保できる。
【0095】
筐体21は、第2の突起52の+Y方向における端よりも基板41に近いリブ64を有する。第1の縁41cは、リブ64に向く。フック72の少なくとも一部は、第1の縁41cとリブ64との間に位置する。これにより、リブ64は、フック72に当接することで、フック72が+Y方向に移動することを制限する。従って、リブ64は、フック72の孔93から第2の突起52が抜けること、ひいてはシールド44が基板41から望まぬ脱落をしてしまうことを抑制できる。PC10は、シールド44の脱落を抑制することで、シールド44が紛失されることを抑制できる。
【0096】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、
図7を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0097】
図7は、第2の実施形態に係る基部11の内部の一部を示す斜視図である。
図7に示すように、第2の実施形態のシールド44は、複数の当接部98の代わりに、複数の当接部298を有する。当接部298は、以下に記載される点を除いて、当接部98と実質的に等しい。
【0098】
当接部298は、シールド44を、例えば曲げ加工することによって形成される。当接部298は、+Z方向における後壁82の端と、第1の部分91との間に設けられ、第1の部分91の内面91aから突出している。当接部298は、略X方向に延びている。なお、当接部298は、フック72の他の部分に設けられても良い。
【0099】
以上説明された第1の実施形態及び第2の実施形態のように、当接部98,298は、略円錐台状の突起や、曲げ加工によって形成された略X方向に延びる突起のような、種々の形状に形成されても良い。当接部の形状は、当接部98,298の形状に限られず、他の形状であっても良い。
【0100】
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、
図8を参照して説明する。
図8は、第3の実施形態に係る基部11の一部を示す斜視図である。
図8に示すように、第3の実施形態の基部11は、基板41の代わりに、基板341を有する。基板341は、以下に記載される点を除いて、基板41と実質的に等しい。基板341は、本体50及び三つの第1の突起51を有するが、第2の突起52を省略される。このため、基板341には、凹部55が設けられるが、スリット56は設けられない。
【0101】
第3の実施形態のシールド44は、二つのフック72の代わりに、二つのフック372を有する。二つのフック372のそれぞれは、第1の部分391と、第2の部分392と、二つの爪393とを有する。フック372、第1の部分391、及び第2の部分392は、以下に記載される点を除いて、フック72、第1の部分91、及び第2の部分92と実質的に等しい。
【0102】
閉じ位置Pcにおいて、二つのフック372のそれぞれの第2の部分392は、基板341の二つの凹部55のうち対応する一つを通って延びている。二つの爪393は、+Z方向における第2の部分392の端部から、X方向に突出している。
【0103】
閉じ位置Pcにおいて、フック372の爪393が第1の突起51の第2の面41bに当接する。従って、二つのフック372は、基板41に引っ掛けられる。爪393は、第1の突起51の第2の面41bに当接することで、フック372が基板41から-Z方向に取り外されることを制限する。
【0104】
Z方向において、+Z方向における当接部98の端と、爪393と、の間の距離は、基板341の厚さよりも短い。このため、シールド44は、当接部98がグランド端子58に押し付けられるように弾性変形した状態で、フック372において基板41の第2の突起52に引っ掛けられるとともに、取付部73で基板341に取り付けられる。
【0105】
開き位置Poにおいて、二つのフック372のそれぞれの第1の部分391が、基板341の二つの凹部55のうち対応する一つを通って延びている。さらに、開き位置Poにおいて、第2の部分392が本体50の第2の面41bに当接する。これにより、フック372は、基板41から-Z方向に取り外されることを制限する。
【0106】
開き位置Poにおいて、第1の部分391の一部は、基板41の第1の縁41cとリブ64との間に位置する。このため、リブ64は、フック372の第1の部分391の一部に当接することで、基板341の凹部55からフック372が抜けることを制限する。
【0107】
以上説明された第1の実施形態乃至第3の実施形態のように、フック72,372は、基板41の第2の突起52がフック72に設けられた孔93に通されることによって基板41に引っ掛けられても良いし、フック372が基板341に設けられた凹部55に通されることによって基板341に引っ掛けられても良い。基板へフックを引っ掛ける方法は、基板41,341へフック72,372を引っ掛ける方法に限られず、他の方法であっても良い。
【0108】
以上の複数の実施形態において、ソケット42が電子部品の一例である。しかし、電子部品は、電源回路に含まれる種々の部品又はSSDのような、他の電子部品であっても良い。シールドは、DIMM43又はSSDのようなノイズとなり得る電磁波を放出する電子部品を覆っても良いし、電磁波から保護されるべき電子部品を覆っても良いし、他の種々の電子部品を覆っても良い。
【0109】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0110】
上述の本発明の実施形態は、発明の範囲を限定するものではなく、発明の範囲に含まれる一例に過ぎない。本発明のある実施形態は、上述の実施形態に対して、例えば、具体的な用途、構造、形状、作用、及び効果の少なくとも一部について、発明の要旨を逸脱しない範囲において変更、省略、及び追加がされたものであっても良い。
【符号の説明】
【0111】
10…パーソナルコンピュータ(PC)、21…筐体、41,341…基板、41a…第1の面、41b…第2の面、41c…第1の縁、42…ソケット、44…シールド、52…第2の突起、58…グランド端子、64…リブ、71…カバー、72,372…フック、73…取付部、93…孔、98,298…当接部、Pc…閉じ位置、Po…開き位置。