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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161829
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】食品焼き機
(51)【国際特許分類】
   A22C 11/00 20060101AFI20231031BHJP
   A47J 37/04 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
A22C11/00
A47J37/04 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072423
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】522139785
【氏名又は名称】豊岡 五十鈴
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 五十鈴
【テーマコード(参考)】
4B011
4B040
【Fターム(参考)】
4B011BA02
4B040AA01
4B040AA08
4B040AC02
4B040AD04
4B040AE13
4B040CA02
4B040CB02
4B040EA10
(57)【要約】
【課題】食品を焼くときに利用することができ、作業の効率化や、操作する人員も省力で行うことができ、例えば、イベント出店等にも適した小型化や簡易化もできる食品の焼き機を提供する。
【解決手段】食品(豚足9)を金網で挟んで支持する支持手段4と、支持手段4を回転させる回転手段5と、支持手段4に挟まれた食品(豚足9)を加熱する加熱手段21、22と、を有する、食品焼き機10。支持手段4は、直方体状の網かご41を用いたものとし、加熱手段21、22は、ガスバーナーであり、かつ、支持手段4の上側に配置され、支持手段4に対して複数の向きから加熱するものとすることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を金網で挟んで支持する支持手段と、
前記支持手段を回転させる回転手段と、
前記回転手段で回転されている前記支持手段に挟まれた食品を加熱する加熱手段と、を有する、食品焼き機。
【請求項2】
前記食品が、豚足であり、
前記支持手段が、底面に網を配置した直方体状のものを用いたものであり、
前記加熱手段が、ガスバーナーであり、かつ、前記支持手段の上側に配置され、前記支持手段に対して複数の向きから加熱するものであり、
前記支持手段の下側に水を収容し、前記豚足を加熱することで生じる油分の受け部を有する、請求項1に記載の食品焼き機。
【請求項3】
前記加熱手段が、バネで、上方のフレームに取り付けられており、前記加熱手段を、加熱位置に係止するための係止部を有し、
前記加熱手段を前記係止部から外すことで、前記加熱手段が前記バネにより上方に退避するものである、請求項2に記載の食品焼き機。
【請求項4】
前記支持手段および前記加熱手段を、並列して複数配置したものである請求項3に記載の食品焼き機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豚足などの食品焼き機に関する。
【背景技術】
【0002】
肉類や魚類などを中心に多くの食品は、保存性や安全性、嗜好性などの観点から、加熱して食べられることも多い。加熱手段も様々なものが開示されているが加熱手段の一つとして焼き機などを用いて、食品を焼いて食べられることも多い。従来の焼き機は、上火や下火で、平面に据え置いた網や、串棒にさして焼いている。業務用なども含めて、多くの種類の焼き機が実用化や提案などされている。
【0003】
例えば、特許文献1は、ベーコン、ロースハム、焼豚及びボンレスハムからなる群から選択される1種以上の食肉製品を製造するための食肉製品製造装置であって、原料肉塊を進行方向に押圧する供給部材と前記原料肉塊を上方から押圧する第一押圧部材とを有する第一押圧部と、前記原料肉塊を上方及び/又は側方から押圧する第二押圧部材を有する第二押圧部と、前記原料肉塊にマイクロ波を照射する照射部又はジュール加熱を行う加熱手段と前記原料肉塊を絞る鼓型ローラとを有する第一加熱手段と、前記原料肉塊にマイクロ波を照射する照射部又はジュール加熱を行う加熱手段と前記原料肉塊を成型する円柱型ローラとを有する第二加熱手段と、前記原料肉塊にスチーム加熱を行う最終加熱手段とを備える食肉製品製造装置が開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-166439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加熱手段を有する量産に適したものとしては、搬送コンベアに食品を置き、加熱手段を有する庫内を通して、処理することもある。しかし、このような搬送コンベアを用いる場合、一般的には、庫内への入り口と出口が別々のため、作業を行うために複数の人が作業しないといけない。また、搬送中に食品を動かしにくいため、上面のみ、または下面のみの加熱となるか、またはこれらを組み合わせて両面を焼くようなものとなる。
【0006】
また搬送の途中に食品を返す場合もあるが、食品の種類や形状によっては難しい操作となり、均一に焼けない場合もある。また、上面に配置した加熱手段と、下面に配置した加熱手段のみでは、食品の上面と下面は焼けても、側面を焼くことができない。さらに、処理にかかる時間が把握しにくいものや、長時間かかるものの場合、搬送時間を確保するために装置の大型化が必要となったり、加熱中の状態が把握できず、生焼けとなったり、焦げたりする場合もある。
【0007】
他方で、特許文献1のように加工を前提とした食品もあるが、このような装置は加工が困難な形状の食品では採用できない。また、串棒にさしてその周囲に加熱手段を設けて焼くこともあるが、串にさすだけでも十分な安定性がある食品にしか適用できない。
【0008】
係る状況下、本発明は、様々な食品を焼くことができる焼き機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
【0010】
<1> 食品を金網で挟んで支持する支持手段と、前記支持手段を回転させる回転手段と、前記回転手段で回転されている前記支持手段に挟まれた食品を加熱する加熱手段と、を有する、食品焼き機。
<2> 前記食品が、豚足であり、前記支持手段が、底面に網を配置した直方体状のものを用いたものであり、前記加熱手段が、ガスバーナーであり、かつ、前記支持手段の上側に配置され、前記支持手段に対して複数の向きから加熱するものであり、前記支持手段の下側に水を収容し、前記豚足を加熱することで生じる油分の受け部を有する、前記の食品焼き機。
<3> 前記加熱手段が、バネで、上方のフレームに取り付けられており、前記加熱手段を、加熱位置に係止するための係止部を有し、前記加熱手段を前記係止部から外すことで、前記加熱手段が前記バネにより上方に退避するものである、前記の食品焼き機。
<4> 前記支持手段および前記加熱手段を、並列して複数配置したものである前記の食品焼き機。
【発明の効果】
【0011】
本発明の焼き機は、様々な食品を焼くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の焼き機の正面方向の断面視した概要図である。
図2】本発明の焼き機の正面視した概要図である。
図3】本発明の焼き機の側面方向の断面視した概要図である。
図4】本発明の焼き機の使用状態例を説明するための概要図である。
図5】本発明の焼き機の正面方向の各構造の位置を説明するための概要図である。
図6】本発明の焼き機の使用状態例を説明するための概要図である。
図7】本発明の焼き機の他の実施形態に係る正面方向の断面視した概要図である。
図8】本発明の焼き機の製造例に係る像である。
図9】本発明の焼き機の製造例に係る像である。
図10】本発明の焼き機の製造例に係る像である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
【0014】
[本発明の焼き機]
本発明の焼き機は、食品を金網で挟んで支持する支持手段と、前記支持手段を回転させる回転手段と、前記支持手段に挟まれた食品を加熱する加熱手段と、を有する。本発明の焼き機によれば、様々な食品を焼くことができる。
【0015】
[焼き機10]
図1は、本発明の焼き機の正面方向の断面視した概要図である。図2は、本発明の焼き機の正面視した概要図である。図3は、本発明の焼き機の側面方向の断面視した概要図である。図4は、本発明の焼き機の使用状態例を説明するための概要図である。図3図2に示すAA矢視図に相当する概要図であり、図1図3に示すBB矢視図に相当する概要図である。
【0016】
焼き機10は、焼き機10で焼く食品の例として豚足9を焼くための機器である。焼き機10は、支持手段4と、回転手段5と、加熱手段21、22とを有する。
【0017】
[加熱手段21、22]
加熱手段21、22は、支持手段4に挟まれた豚足9を加熱する手段である。加熱手段21、22は、食品に応じて、その加工のための加熱温度に適したものを採用することができる。加熱手段21、22は、特に、ガスバーナーであることが好ましい。このために図3にも示すように、加熱手段21、22は、ガスボンベ23にガス配管24で接続され、ガスボンベ23から供給されるガスを用いた火で加熱することができる。このようなものとして、例えば、シュバンクバーナーを使用することができる。ガスバーナーは、約600℃での焼き加工もすることができ、いわゆるパリッとしたような香ばしい焼き上がりを達成したいときにも適している。
【0018】
加熱手段21、22の幅や奥行は、支持手段4の大きさに合わせて、適宜設定できる。例えば、使用者の操作しやすさや使用時の管理しやすさなどを考慮して、200~400mm程度の幅で、奥行300mm~800mm程度とすることができる。回転する支持手段4と接触しないように配置され、支持手段4が回転して最も近いところを通るときに、その隙間が、2~5cmや、2~3cm程度となるように配置することが好ましい。これは、支持棒50を軸として、支持手段4が回転したときの立体である円柱の側面と、加熱手段21、22の表面との直線距離である隙間ととらえることもできる。
【0019】
図5は、本発明の焼き機の正面方向の各構造の位置を説明するための概要図である。図5に示すように支持手段4が支持棒50を軸に回転したときの、支持棒50からの支持手段4最端部の軌跡はc1の周である。このc1を基に、加熱手段21側の隙間はL1とc11の隙間のg1であり、加熱手段22側の隙間はL2とc12の隙間のg2である。
【0020】
また、加熱手段21、22は、支持手段4の鉛直方向の上側に配置されることが好ましい。上側から加熱することで、加熱に伴い、豚足9などの食品から、ドリップなどとも呼ばれるような脂や水分、肉汁などの滴り落ちる液が発生する場合も、加熱手段21、22にこれらが落下して接触することがない。このため、加熱手段21、22は、焦げなどが付着しにくくなり、使用中の煙も減り、清掃もしやすくなる。
【0021】
また、加熱手段21、22のように、加熱手段は、支持手段4に対して複数の向きから加熱するものであることが好ましい。加熱手段21、22は、支持手段4全体を上側から覆うように正面視したとき、ハ字状に配置されている。支持手段4が回転するため、加熱手段21、22のように、支持手段4に対して、複数の向きから加熱することで、単位時間あたりの加熱効率が高くなり、豚足9を短い時間で加工することができる。例えば、正面視したとき、水平方向を基準となる0度とし、右回りを正の角度、左回りを負の角度として設計するときを例として説明する。
【0022】
図5は、本発明の焼き機の正面方向の各構造の位置を説明するための概要図である。ここでは、連結部31と、加熱手段21、22、支持手段4の位置関係を正面視した向きを中心に説明する。連結部31の中央の板部は、水平方向と並行のほぼ0度のものとして配置することができる(図5のL0)。ここで水平相当として、水平±5度以下や、水平±3度以下としてもよい。次に、加熱手段21、加熱手段22は、加熱手段の最前面が、水平方向に配置されている連結部31の板部とのなす劣角が、所定の範囲となるように設計してもよい。
【0023】
すなわち、図5において、水平方向の連結部31の板部と加熱手段21とはL0とL1がなす角度θ1、連結部31と加熱手段22とは、L0とL2とがなす角度θ2を所定の範囲とすることができる。例えば、θ1やθ2は、それぞれ、10~60度や、20~50度、30~45度程度とすることができる。加熱手段21、22は、それぞれ連結部31に対して、劣角をなす位置が逆となるように、正面視したとき、逆回転側となる位置に配置されている。これにより、支持手段4が回転するとき、それぞれ異なる向きから、常時、食品の豚足9の表面全体を効率よく加熱することができる。
【0024】
[支持手段4]
支持手段4は、食品である豚足9を金網で挟んで支持する部分である。支持手段4は、底面に網を配置した直方体状の網かご41を用いたものとすることができる。なお、この網かご41の側面は網状でもよいし、板状のフレーム等としてもよい。この網かご41に、食品を配置して、蓋として、平面状の金網である網42を取り付ける。これにより、豚足9を金網で挟んで支持した状態となる。豚足9が、柔らかくてもその形状をしっかり留めたまま焼き上げることができる。蓋となる網42は、網かご41に溝を設けておき、スライドさせて取り付けることができる。また、食品の大きさにばらつきがあるときに対応しやすいように、取り付け用の溝の高さを2段以上、例えば2~5段程度設け、任意の溝に蓋を付けて使用することもできる。また、支持手段4の金網などを用いる各部は、食品を取り出すときにはがれやすく焦げ付きを防止しやすいように、離型処理したものとしてもよい。例えば、フッ素樹脂コーティングを行ったものなどを用いてもよい。
【0025】
支持手段4は、食品の大きさに合わせて高さや幅、奥行きを調整することができ、例えば、高さ30~120mmや、40~80mm程度とすることができる。また、幅100~400mmや、150~300mm程度とすることができる。また、奥行300~1000mmや、400~600mm程度とすることができる。これらは、食品を同時に焼く数や、使用者の操作性などを考慮して設定することができる。
【0026】
[回転手段5]
回転手段5は、支持手段4を回転させる部分である。支持手段4は、正面視したとき、右回りや左回りに回転させることができ、この回転する支持手段4の円の外部から、焼き機10の回転手段5は、歯車51、モーター52、歯車53、回転ベルト54を有する。支持手段4は、直方体状の網かご41に、支持棒50が取り付けられている。この支持棒50の手前側(図3の左側)の先端に歯車51が設けられている。焼き機10の手前側(図3の左側)には、モーター52と、歯車53、回転ベルト54が設けられており、モーター52の回転に伴い、歯車53、回転ベルト54も回転する。この回転ベルト54と、歯車51とが接しており、回転ベルト54の回転に合わせて歯車51も逆方向に回転する。例えば回転ベルト54が左回りの場合、歯車51は右回りで回転する。この歯車51の回転に伴い、支持棒50が回転することで、支持棒50に取り付けられている支持手段4も回転する。
【0027】
回転手段5により、支持手段4が回転することで、豚足9を焼き状態に合わせて返したりする必要がなくなり、均一に全体を焼き上げることができる。回転速度は、任意の速度とすることができる。例えば、支持手段4の回転速度が、5~30回転/分や、10~15回転/分程度となるように回転することができる。食品を焼き上げながら回転を行うため、回転速度は非常に遅いものでよい。
【0028】
図6(a)、(b)、(c)は、本発明の焼き機の使用状態例を説明するための概要図である。一部前述した説明のように、回転手段5により、モーター52、歯車53、回転ベルト54の回転を歯車51に伝達させて、網かご41、網42による支持手段4を回転させる。
【0029】
[食品(豚足9)]
焼き機10は、焼いて加工する各種食品に利用することができる。本実施例では、豚足9を典型例として説明する。食品としては、例えば、肉類や、魚介類、野菜類、イモ類などを対象とすることができる。特に、豚足は、ゼラチン質が多く返したりすると崩れてしまいやすく、個別に不規則な形状をしており、毛を焼き切ることで食感や見た目もよりよくなることから、焼き機10による加工に適している。また、豚足9は、柔らかくなるよう下処理を加えた豚足は肉全体を支える必要があり、骨が多く従来の串に刺した加工も難しい観点などからも、本発明の焼き機10が適している。
【0030】
[受け部61]
焼き機10は、受け部61を有することが好ましい。受け部61は、支持手段4の鉛直方向の下側に設けることが好ましい。受け部61は、水62を収容したものであることが好ましい。このような受け部61により、豚足を加熱することで生じる、油分やドリップなどを回収することができる。受け部61は、水を張っておくことで、油分などが固着したり、燃えて煙などの原因となることも防止でき、水62と合わせて、流動性が高い状態で効率よく回収することができる。焼き機10の使用後などに、受け部61に収容されている水は、配管63を介して、弁64を開放して、回収容器65に回収することができる。
【0031】
[係止部34、係止部84]
焼き機10は、加熱手段21、22の位置を固定するための係止部34、係止部84を有することが好ましい。加熱手段21、22は、連結部31に固定されている。この連結部31の手前には持手部33が設けられている。また、連結部31の上部は、バネ32により、上方のフレームである天板フレーム83に取り付けられている。図4に示すように、加熱手段21、22は、未使用時は、バネ32で、使用者の手前側(図4の左側)が上方に引き上げられている。この状態で、使用者は、広がった空間から、支持手段4を出し入れすることができる。
【0032】
焼き機10の使用時は、加熱手段21、22を支持手段4に近づけるために、持手部33を持って、加熱手段21、22を引き下げて、連結部31に取り付けられている係止部34を、側部フレーム82の手前側に取り付けられた係止部84にはめて、加熱位置に固定する。このように、バネ32を設けることで、支持手段4を、加熱位置に配置するときや、取り出すとき、加熱手段21、22を係止部84から外すことで加熱手段21、22を、上方に退避することができる。退避状態で加熱手段21、22を安定して待機させておくために、上方にも待機用係止部(図示せず)を設けてもよい。
【0033】
焼き機10は、使用者が操作しやすく、各種構成が適した位置に配置するための、フレーム等を用いて設計できる。焼き機10は、脚部81により高さを調整しており、受け部61を設けている。受け部61の側面に側部フレーム82を設け、上部に天板フレームを設けている。
【0034】
焼き機10は、さらに、各種の構成を追加することができる。空気の循環や、煙の排出のために、ファン71を設けることができる。また、回転速度や、焼き時間、ファンの送風量などの制御を行うために、制御盤72を設けることができる。
【0035】
焼き機10を使用する流れとしては、例えば、次のように行うことができる。
まず、加熱手段21、22を上に引き上げた状態でバーナーの火をつけて加熱する。次に、支持手段4の網かご41内に豚足9を並べて、豚足9の大きさに合わせた溝に蓋として網42をスライドさせて取り付ける。次に、支持手段4につけられた支持棒50を、焼き機10の奥側(図4の右側)と手前側(図4の左側)とに架け渡すように配置する。次に、持手部33を持って、加熱手段21、22を引き下げて、係止部34、84をかけて、加熱位置に配置する。次に、回転手段5を回転させて、支持手段4を回転させながら、豚足9を所定の時間焼く。そして、焼きあがったら、回転手段5の回転を止めて、係止部34、84を外して加熱手段21、22を上に引き上げて、支持手段4を取出し、蓋の網42を外して、焼きあがった豚足9を得ることができる。
【0036】
図7は、本発明の焼き機の他の実施形態に係る正面方向の断面視した概要図である。図1~5により説明した焼き機10の支持手段4や加熱手段21、22を、一つのユニットとして、これを2ユニット以上のように、例えば2~8ユニットや、3~5ユニットのように複数配置したものとすることもできる。図7の焼き機11は、3ユニット配置したものである。これらを並列に配置しておくことで、共通する回転手段(図7に図示なし)により、同時に回転させながら焼くこともできる。
【0037】
本発明の焼き機は、食品を焼くとき、焼き機の手前側で操作できるため、作業の効率化や、操作する人員削減に適している。また、イベント出店等でも持っていけるよう小型化や、簡易化にも適している。また、心棒を中心に網カゴが360度自動回転することで食品を返しながら焼く手間を省くことができ、表、裏に加えて、側面など周囲全体を同時に焼くことができる。また、熱源の火を上に据え付けることで、肉汁がバーナーに直接かかることを防ぎ機械の耐久性も上がる。
【0038】
図8は、本発明の焼き機の製造例に係る像である。加熱手段と、支持手段とを、3ユニット並列に配置したものを斜め正面側から撮影した像である。図9は、本発明の焼き機の製造例に係る像である。加熱手段と、支持手段の1ユニットを拡大して撮影した像である。ここでは、加熱手段を上部に退避した状態で、支持手段を加熱位置に配置した状態である。図10は、本発明の焼き機の製造例に係る像である。加熱手段を加熱位置に下げて、支持手段が回転している途中の状態を拡大して撮影した像である。図8~10に係る製造例の焼き機により、豚足を香ばしく、焼き上がりも優れたものとして、焼くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、食品を焼くときに利用することができ、作業の効率化や、操作する人員も省力で行うことができ、例えば、イベント出店等にも適した小型化や簡易化もでき、産業上有用である。
【符号の説明】
【0040】
10、11 焼き機
21、22 加熱手段
23 ガスボンベ
24 ガス配管
31 連結部
32 バネ
33 持手部
34 係止部
4 支持手段
41 網かご
42 網
5 回転手段
50 支持棒
51、53 歯車
52 モーター
54 回転ベルト
61 受け部
62 水
63 配管
64 弁
65 回収容器
71 ファン
72 制御盤
81 脚部
82 側部フレーム
83 天板フレーム
84 係止部
9 豚足
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10