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特開2023-161846コンテンツ処理システムおよびコンテンツ処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161846
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】コンテンツ処理システムおよびコンテンツ処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20231031BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072450
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和久田 恭祐
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】顧客が商材導入後の状態を具体的にイメージできるように営業活動の効率化を図る。
【解決手段】コンテンツ処理システムにおいて、サーバ装置20は、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データ29cとが現場単位で関連付けられた複数のデータを格納するARサービス用データ格納部203と、クライアント側端末10から送信された現場映像に基づいて、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像の中から現場映像に最も類似した過去現場映像を特定する現場環境特定部202と、過去現場映像に関連付けられている商材の合成用データ29cを用いて、ARコンテンツを作成するAR処理部204と、ARコンテンツをクライアント側端末10へ送信するARコンテンツ送信部205と、を備える、クライアント側端末10は、現場映像にARコンテンツを重畳して表示する映像合成/出力部105を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客現場に配置可能なクライアント側端末とサーバ装置とがネットワークを介して接続されたコンテンツ処理システムであって、
前記クライアント側端末が、
前記顧客現場において撮影された現場映像を取得する映像取得部と、
前記現場映像を前記サーバ装置へ送信する映像送信部と、
前記サーバ装置から送信された商材表示用コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記現場映像に前記商材表示用コンテンツを合成して前記現場映像に商材の映像が重畳された合成映像を作成し、ディスプレイに表示可能となるよう出力する映像合成/出力部と、を備え
前記サーバ装置が、
前記クライアント側端末から送信された前記現場映像を受信する映像受信部と、
過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データとが現場単位で関連付けられた複数のデータを格納するデータ格納部と、
前記現場映像に基づいて、当該現場映像に最も類似した過去現場映像を特定する現場環境特定部と、
前記現場環境特定部により特定された過去現場映像に関連付けられている商材の合成用データを用いて、前記商材表示用コンテンツを作成するコンテンツ作成部と、
前記商材表示用コンテンツを前記クライアント側端末へ送信するコンテンツ送信部と、を備えることを特徴とするコンテンツ処理システム。
【請求項2】
前記コンテンツ作成部が、前記現場環境特定部により特定された過去現場映像に関連付けられている改善率データを前記商材表示用コンテンツに埋め込み、
前記映像合成/出力部が、前記商材の映像とともに前記改善率データを表示する前記合成映像を作成することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ処理システム。
【請求項3】
前記改善率データが、過去に商材が導入された現場において、商材導入前の業務効率または生産効率に対する商材導入後の業務効率または生産効率を示す数値であることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ処理システム。
【請求項4】
前記商材表示用コンテンツが拡張現実コンテンツであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコンテンツ処理システム。
【請求項5】
前記クライアント側端末が、商材を指定可能として、指定された商材に関する商材指定情報を出力する操作受付部を備え、
前記サーバ装置の前記現場環境特定部が、前記商材指定情報に示される商材に関する過去現場映像の中から前記現場映像に最も類似した過去現場映像を特定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコンテンツ処理システム。
【請求項6】
過去に商材が導入された過去導入実績データを参照して、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データとが関連付けられた現場単位のデータを作成するデータ作成装置を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコンテンツ処理システム。
【請求項7】
前記データ作成装置が、特定の現場において商材を導入する前の業務効率または生産効率を示す数値データである導入前データと、前記特定の現場において商材を導入した後の業務効率または生産効率を示す数値データである導入後データと、に基づいて、前記特定の現場において商材導入前の業務効率または生産効率に対する商材導入後の業務効率または生産効率を示す数値である改善率データを算出することを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ処理システム。
【請求項8】
顧客現場に配置可能なクライアント側端末とサーバ装置とがネットワークを介して接続されたコンテンツ処理システムにおけるコンテンツ処理方法であって、
前記クライアント側端末が、前記顧客現場において撮影された現場映像を取得する映像取得ステップと、
前記クライアント側端末が、前記現場映像を前記サーバ装置へ送信する映像送信ステップと、
前記サーバ装置が、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データとが現場単位で関連付けられた複数のデータを参照して、前記現場映像に基づいて、当該現場映像に最も類似した過去現場映像を特定する現場環境特定ステップと、
前記サーバ装置が、前記現場映像特定ステップで特定した過去現場映像に関連付けられている商材の合成用データを用いて、商材表示用コンテンツを作成するコンテンツ作成ステップと、
前記サーバ装置が、前記商材表示用コンテンツを前記クライアント側端末へ送信するコンテンツ送信ステップと、
前記クライアント側端末が、前記現場映像に前記サーバ装置から受信した前記商材表示用コンテンツを合成して前記現場映像に商材の映像が重畳された合成映像を作成する映像合成ステップと
前記クライアント側端末が、前記映像合成ステップで作成した前記合成映像をディスプレイに表示可能となるよう出力する映像出力ステップと、
を有することを特徴とするコンテンツ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に対して提案する商材に係るコンテンツを処理するためのコンテンツ処理システムおよびコンテンツ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、営業担当者が商談中に顧客に対して商材を紹介する際に、説明資料を提示したり、営業担当者が持参したPC等で商材使用時のデモンストレーション映像を見せたりすることで、商材の具体的なイメージを顧客に伝えることが行われている。デモンストレーション映像は、商材の導入につながるように、商材の概要や特徴をわかりやすく映像化したものである。
【0003】
例えば下記の特許文献1には、営業担当者による営業活動を支援する技術として、営業担当者に対して顧客の嗜好と説明資料を構成するコンテンツとを営業手法として提案する技術が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の技術では、コンテンツに対して、コンテンツの評判が良く利用回数が多いほど高く算出されるスコアが関連付けられており、当該スコアの高いものから所定の件数のコンテンツが営業担当者に対して提案される。特許文献1における説明資料はパワーポイントファイルやPDFファイル等の形式で格納されたものであり、コンテンツはパワーポイントの章単位の説明内容に該当するものであることが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6533416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、商材の説明資料やデモンストレーション映像では、顧客が商材導入後の状態を具体的にイメージすることは必ずしも容易ではないという問題がある。また、商材を導入する態様として複数のパターンが存在する場合、複数のパターンのいずれが顧客の環境に適切であるかを見極めることは容易ではないという問題がある。
【0007】
顧客が商材導入後の状態を具体的にイメージできない場合、営業担当者がその説明に労力および時間を要してしまう可能性がある。さらに、顧客が具体的なイメージを持てずに商材の導入を諦めて商談が成立しない場合や、顧客が誤ったイメージを持ったまま商材を導入してしまい、結果的に営業担当者や商材の提供元に不信感を覚える場合が生じてしまう可能性もある。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、顧客が商材導入後の状態を具体的にイメージできるようにして、営業活動の効率化を図ることが可能なコンテンツ処理システムおよびコンテンツ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係るコンテンツ処理システムは、顧客現場に配置可能なクライアント側端末とサーバ装置とがネットワークを介して接続されたコンテンツ処理システムであって、
前記クライアント側端末が、
前記顧客現場において撮影された現場映像を取得する映像取得部と、
前記現場映像を前記サーバ装置へ送信する映像送信部と、
前記サーバ装置から送信された商材表示用コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記現場映像に前記商材表示用コンテンツを合成して前記現場映像に商材の映像が重畳された合成映像を作成し、ディスプレイに表示可能となるよう出力する映像合成/出力部と、を備え
前記サーバ装置が、
前記クライアント側端末から送信された前記現場映像を受信する映像受信部と、
過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データとが現場単位で関連付けられた複数のデータを格納するデータ格納部と、
前記現場映像に基づいて、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像の中から前記現場映像に最も類似した過去現場映像を特定する現場環境特定部と、
前記現場環境特定部により特定された過去現場映像に関連付けられている商材の合成用データを用いて、前記商材表示用コンテンツを作成するコンテンツ作成部と、
前記商材表示用コンテンツを前記クライアント側端末へ送信するコンテンツ送信部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記のコンテンツ処理システムによれば、顧客環境からアクセス可能なサーバ装置に商材のデモ環境を配置し、デモ環境において商材を導入した際の仮想的環境を再現することで、顧客が商材の導入環境をバーチャルに体験できるようになる。特に、デモ環境において、AR(拡張現実:Augmented Reality)技術やVR(仮想現実:Virtual Reality)技術等を用いて仮想的環境を再現することで、顧客は商材の導入環境を具体的にイメージできるようになるとともに、営業担当者による商材の説明に要する労力および時間を削減でき、営業活動の効率化が実現される。また、過去に導入された商材の配置パターン等に応じて、同一の商材であっても複数の配置パターンに対応する複数の合成用データ29cを準備しておくことで、顧客の現場環境に合わせた適切なARコンテンツを柔軟に提供することができるようになる。さらに、クラウド上のサーバ装置にデモ環境を配置することで、専用アプリケーション等を必要とせずに簡易なシステム環境で、商材を導入した際の仮想的環境を再現することができるようになる。
【0011】
本発明に係るコンテンツ処理システムは、上記の構成において、前記コンテンツ作成部が、前記現場環境特定部により特定された過去現場映像に関連付けられている改善率データを前記商材表示用コンテンツに埋め込み、
前記映像合成/出力部が、前記商材の映像とともに前記改善率データを表示する前記合成映像を作成してもよい。
【0012】
上記のコンテンツ処理システムによれば、新規顧客環境に商材を導入した場合の業務効率または生産効率の改善率を、商材表示用コンテンツとともに表示することができ、これにより、顧客は商材を導入した状態に加えて商材の導入した際の効果を具体的にイメージできるようになる。
【0013】
本発明に係るコンテンツ処理システムは、上記の構成において、前記改善率データが、過去に商材が導入された現場において、商材導入前の業務効率または生産効率に対する商材導入後の業務効率または生産効率を示す数値であってもよい。
【0014】
上記のコンテンツ処理システムによれば、新規顧客環境に商材を導入した場合の業務効率または生産効率の改善率を、具体的な数値によって顧客に提供することができるようになる。
【0015】
本発明に係るコンテンツ処理システムは、上記の構成において、前記商材表示用コンテンツが拡張現実コンテンツであってもよい。
【0016】
上記のコンテンツ処理システムによれば、特にAR技術を用いて、ARコンテンツとして作成した商材表示用コンテンツを現場映像に重畳表示させることができるようになる。
【0017】
本発明に係るコンテンツ処理システムは、上記の構成において、前記クライアント側端末が、商材を指定可能として、指定された商材に関する商材指定情報を出力する操作受付部を備え、
前記サーバ装置の前記現場映像特定部が、前記商材指定情報に示される商材に関する過去現場映像の中から前記現場映像に最も類似した過去現場映像を特定してもよい。
【0018】
上記のコンテンツ処理システムによれば、顧客が求めている商材を正確に特定して、その商材に関するARコンテンツを提供することができるようになる。
【0019】
本発明に係るコンテンツ処理システムは、上記の構成において、過去に商材が導入された過去導入実績データを参照して、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データとが関連付けられた現場単位のデータを作成するデータ作成装置を有してもよい。
【0020】
上記のコンテンツ処理システムによれば、過去に商材が導入された現場ごとの導入実績に基づいて、商材表示用コンテンツの作成に用いられる合成用データを準備することができるようになる。
【0021】
本発明に係るコンテンツ処理システムは、上記の構成において、前記データ作成装置が、特定の現場において商材を導入する前の業務効率または生産効率を示す数値データである導入前データと、前記特定の現場において商材を導入した後の業務効率または生産効率を示す数値データである導入後データと、に基づいて、前記特定の現場において商材導入前の業務効率または生産効率に対する商材導入後の業務効率または生産効率を示す数値である改善率データを算出してもよい。
【0022】
上記のコンテンツ処理システムによれば、商材とともに表示可能な改善率データを導入前データおよび導入後データに基づいて算出し、過去の商材導入実績に係る具体的かつ正確な改善率データを顧客に提供することができるようになる。
【0023】
また、上記の目的を達成するため、本発明に係るコンテンツ処理方法は、顧客現場に配置可能なクライアント側端末とサーバ装置とがネットワークを介して接続されたコンテンツ処理システムにおけるコンテンツ処理方法であって、
前記クライアント側端末が、前記顧客現場において撮影された現場映像を取得する映像取得ステップと、
前記クライアント側端末が、前記現場映像を前記サーバ装置へ送信する映像送信ステップと、
前記サーバ装置が、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データとが現場単位で関連付けられた複数のデータを参照して、前記現場映像に基づいて、当該現場映像に最も類似した過去現場映像を特定する現場環境特定ステップと、
前記サーバ装置が、前記現場環境特定ステップで特定した過去現場映像に関連付けられている商材の合成用データを用いて、商材表示用コンテンツを作成するコンテンツ作成ステップと、
前記サーバ装置が、前記商材表示用コンテンツを前記クライアント側端末へ送信するコンテンツ送信ステップと、
前記クライアント側端末が、前記現場映像に、前記サーバ装置から受信した前記商材表示用コンテンツを合成して前記現場映像に商材の映像が重畳された合成映像を作成し、ディスプレイに表示可能となるよう出力する映像合成/出力ステップと、
を有することを特徴とする。
【0024】
上記のコンテンツ処理方法によれば、顧客環境からアクセス可能なサーバ装置に商材のデモ環境を配置し、デモ環境において商材を導入した際の仮想的環境を再現することで、顧客が商材の導入環境をバーチャルに体験できるようになる。特に、デモ環境においてAR/VR技術等を用いて仮想的環境を再現することで、顧客は商材の導入環境を具体的にイメージできるようになるとともに、営業担当者による商材の説明に要する労力および時間を削減でき、営業活動の効率化が実現される。また、クラウド上のサーバ装置にデモ環境を配置することで、専用アプリケーション等を必要とせずに簡易なシステム環境で、商材を導入した際の仮想的環境を再現することができるようになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るコンテンツ処理装置およびコンテンツ処理方法によれば、顧客が商材導入後の状態を具体的にイメージできるようにして、営業活動の効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるクライアント側端末のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。
図3】本発明の実施形態におけるサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。
図4】本発明の実施形態におけるデータベース管理システムのハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。
図5】本発明の実施形態におけるARサービス用データ作成装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。
図6】本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システムを構成するデータベース管理システムおよびARサービス用データ作成装置に実装された機能の一例を示す機能ブロック図である。
図7】本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システムを構成するクライアント側端末およびサーバ装置に実装された機能の一例を示す機能ブロック図である。
図8】本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システムで実行されるARサービス用データ作成処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システムで実行されるARコンテンツ提供処理の一例を示すシーケンス図である。
図10図9のステップS20における現場情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
図11図9のステップS30におけるARコンテンツ送信処理の一例を示すフローチャートである。
図12図9のステップS40におけるAR表示処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態において、クライアント側端末に接続されたヘッドマウントディスプレイ上の表示画面の一例を示す図であり、(a)はカメラで撮影された現場映像が表示された表示画面を示す図、(b)はカメラで撮影された現場映像にARコンテンツを重畳した合成映像が表示された表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0028】
<システム構成>
図1を参照しながら、本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1の構成の一例を示す図である。本発明に係るコンテンツ処理システムは、図1に示す構成に限定されるものではない。
【0029】
図1に示すコンテンツ処理システム1は、一例として、クライアント側端末10、サーバ装置20、データベース管理システム30、ARサービス用データ作成装置40を備えて構成されている。
【0030】
クライアント側端末10は、顧客に対する営業活動の一環として顧客と商談を行う営業担当者等または顧客自身が操作可能な端末である。クライアント側端末10は、例えば、持ち運び可能なノート型パーソナルコンピュータやタブレット端末等の可搬型端末であり、営業担当者が所有および管理して、顧客先に赴いた際に使用可能なものであってもよく、顧客自身が所有および管理するものであってもよい。クライアント側端末10は、通常複数台存在しており、図1には2台のクライアント側端末10が図示されている。
【0031】
クライアント側端末10は、インターネット等のネットワーク50に接続し、同じくネットワーク50に接続されたサーバ装置20を含む他の装置と当該ネットワーク50を介して通信できるように構成されている。クライアント側端末10は、特に現場映像等の現場情報をサーバ装置20へ送信するとともに、ARコンテンツをサーバ装置20から受信できるようになっている。
【0032】
なお、本明細書では、AR技術を利用した場合について説明するが、VR技術を用いてもよい。本明細書におけるARコンテンツは、本発明の商材表示用コンテンツを構成する。
【0033】
サーバ装置20は、営業担当者の営業活動を支援するための営業支援機能を実現するサーバ装置である。サーバ装置20は、インターネット等のネットワーク50に接続し、同じくネットワーク50に接続されたクライアント側端末10を含む他の装置と当該ネットワーク50を介して通信できるようになっている。
【0034】
サーバ装置20は、例えばクラウド上に配置されるWebサーバとしての機能を有するとともに、ARサービスを提供するARサーバとしても機能を有し、クライアント側端末10に対してARコンテンツを提供できるように構成されている。サーバ装置20は、認証/認可機能を有して特定のクライアント側端末10のみに対してアクセス権限を付与することが好ましく、当該特定のクライアント側端末10と間の通信は秘匿化されることが好ましい。また、サーバ装置20は1台の装置によって構成されていてもよく、複数の装置に機能が分散された分散サーバ構成であってもよい。
【0035】
データベース管理システム30は、顧客である複数の企業に関する情報(顧客データ)を管理する装置である。データベース管理システム30は、認証/認可機能を有して特定の装置のみからアクセス可能なように構成されている。本実施形態におけるデータベース管理システム30は、ARサービス用データ作成装置40からのアクセスを受け付け、要求されたデータをARサービス用データ作成装置40へ提供できるようになっている。
【0036】
ARサービス用データ作成装置40は、データベース管理システム30で管理されているデータを参照および利用して、サーバ装置20によりクライアント側端末10へ提供するARサービス用データ(サーバ装置20により参照されるARコンテンツの元データ)を作成する装置である。本実施形態におけるARサービス用データ作成装置40は、データベース管理システム30にアクセスして、ARサービス用データの作成に必要なデータをデータベース管理システム30から取得できるようになっている。また、ARサービス用データ作成装置40は、ARサービス用データをサーバ装置20が参照可能な位置(例えば、図3に示すサーバ装置20のストレージ28内)に格納できるようになっている。
【0037】
データベース管理システム30およびARサービス用データ作成装置40は、クライアント側端末10から見えないバックエンドに配置されている。図1には、データベース管理システム30とARサービス用データ作成装置40との間の通信、およびARサービス用データ作成装置40とサーバ装置20との間の通信が、VPN(仮想専用ネットワーク:Virtual Private Network)を利用してネットワーク50を介して行われる構成が図示されているが、社内LAN(ローカルエリアネットワーク:Local Area Network)等の専用ネットワークを介して行われてもよい。
【0038】
<クライアント側端末10の構成>
図2を参照しながら、本発明の実施形態におけるクライアント側端末10の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態におけるクライアント側端末10のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。本発明に係るクライアント側端末は、図2に示す構成に限定されるものではない。
【0039】
クライアント側端末10は、上述したように可搬型端末によって実現可能である。クライアント側端末10は、一例として図2に示すように、プロセッサ11、メモリ12、通信部13、操作入力部14、モニタ15、マイク(マイクロホン)16、カメラ17、ストレージ18を有しており、各構成要素がバス10aを介して接続された構成となっている。
【0040】
プロセッサ11は、プログラムにより記述された様々な命令を実行し、クライアント側端末10において様々な機能を実現および制御するハードウェアである。プロセッサ11は、例えばCPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)、特定の目的に特化したデータ処理を行うDSP(デジタル信号プロセッサ:Digital Signal Processor)またはGPU(グラフィックスプロセッシングユニット:Graphics Processing Unit)等であってもよい。
【0041】
メモリ12は、クライアント側端末10で実行されるプログラムや処理対象データを一時的に記憶する揮発性メモリである。メモリ12は、例えばRAM(ランダムアクセスメモリ:Random Access Memory)等の主記憶装置である。
【0042】
通信部13は、クライアント側端末10が他の装置と通信を行うための機能を有している。本実施形態では、クライアント側端末10は、通信部13によりネットワーク50を通じてサーバ装置20と通信を行うことができるようになっている。
【0043】
操作入力部14は、クライアント側端末10のユーザからの情報の入力を受け付ける機能を有しており、例えばマウスおよびキーボード等の入力デバイスを表している。操作入力部14およびモニタ15は、それぞれの機能が一体化したタッチパネル型ディスプレイであってもよい。
【0044】
マイク16は収音機能を有しており、カメラ17は撮影機能を有している。クライアント側端末10のユーザは、マイク16およびカメラ17を用いて顧客の現場環境や商談の様子等を録音および撮影することが可能である。ただし、本実施形態におけるクライアント側端末10は、必ずしもマイク16を備える必要はない。また、クライアント側端末10には、例えばスピーカ等を始めとする他の様々なデバイスが適宜設けられていてもよい。
【0045】
クライアント側端末10は、サーバ装置20から受信したARコンテンツをカメラ17で撮影した映像に重畳してモニタ15に表示することが可能なように構成されている。ARコンテンツが重畳された映像に関する臨場感および没入感を向上させるため、モニタ15およびカメラ17は、ヘッドマウントディスプレイであることが好ましい。本実施形態で用いるヘッドマウントディスプレイは、ユーザの頭部に装着可能であるとともに、頭部の動き(位置、向き、速度および加速度等)を検出する加速度センサおよびジャイロセンサを備えており、ユーザの動きに合わせてARコンテンツが重畳された映像の表示態様が変更されるものであることが好ましい。
【0046】
ストレージ18は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ:Hard Disk Drive)等の磁気ディスク、SSD(ソリッドステートドライブ:Solid State Drive)等の半導体メモリ、光磁気ディスクならびに光ディスク等により実現される補助記憶装置である。
【0047】
ストレージ18は、所望の処理手順がプログラム命令として記述されたプログラムやデータを記憶することができるようになっている。例えば図2に示すように、ストレージ18には、Webブラウザプログラム18a、映像取得プログラム18b、映像送信プログラム18c、ARコンテンツ受信プログラム18d、映像合成/出力プログラム18e、操作受付プログラム18f等の各種プログラムや、音声データ19a、映像データ19b等の各種データが格納される。なお、音声データ19aおよび映像データ19bは、特定のデジタルマルチメディアコンテナフォーマットに基づいて単一のファイルに格納されてもよい。
【0048】
プロセッサ11は、ストレージ18から各プログラムを適宜読み出してメモリ12上に展開し、プログラム命令を実行することで、各プログラムに対応する機能をクライアント側端末10において実現できるようになっている。例えばクライアント側端末10は、Webブラウザプログラム18aを実行することで、Webサーバ機能を有するサーバ装置20から受信したWebページを表示し、ユーザが操作入力部14を用いて入力したテキストデータ、カメラ17で撮影された映像データ19b等をサーバ装置20へ送信することができるようになっている。
【0049】
ストレージ18には、上記以外の様々なプログラムや様々なデータが記憶されてもよい。一例として、ストレージ18には、クライアント側端末10の動作に必要なオペレーションシステムプログラム、マイク16で収音した音声をファイル形式の音声データ19aに加工する録音処理プログラム、カメラ17で撮影した映像をファイル形式の映像データ19bに加工する撮影処理プログラム等を始めとする様々なプログラムや、通信設定情報や通信履歴情報、ユーザが入力した商談結果データ等を始めとする様々なデータが記憶されてもよい。
【0050】
なお、クライアント側端末10は、例えばWebブラウザを用いて、サーバ装置20から提供されるAR環境にアクセスするだけでARコンテンツの利用およびAR表示等が行えるようになっていることが好ましい。この場合、クライアント側端末10は、例えばモニタ15およびカメラ17を備えた一般的なパーソナルコンピュータやタブレット端末であってもよい。
【0051】
<サーバ装置20の構成>
図3を参照しながら、本発明の実施形態におけるサーバ装置20の構成について説明する。図3は、本発明の実施形態におけるサーバ装置20のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。本発明に係るサーバ装置は、図3に示す構成に限定されるものではない。
【0052】
サーバ装置20は、上述したようにクラウド上に配置されるサーバ装置によって実現可能である。サーバ装置20は、一例として図3に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信部23、操作入力部24、モニタ25、ストレージ28を有しており、各構成要素がバス20aを介して接続された構成となっている。
【0053】
プロセッサ21は、プログラムにより記述された様々な命令を実行し、サーバ装置20において様々な機能を実現および制御するハードウェアである。プロセッサ21は、例えばCPU、特定の目的に特化したデータ処理を行うDSPまたはGPU等であってもよい。
【0054】
メモリ22は、サーバ装置20で実行されるプログラムや処理対象データを一時的に記憶する揮発性メモリである。メモリ22は、例えばRAM等の主記憶装置である。
【0055】
通信部23は、サーバ装置20が他の装置と通信を行うための機能を有している。本実施形態では、サーバ装置20は、通信部23によりネットワーク50を通じてクライアント側端末10と通信を行うことができるようになっている。
【0056】
操作入力部24は、サーバ装置20のユーザからの情報の入力を受け付ける機能を有しており、例えばマウスおよびキーボード等の入力デバイスを表している。また、モニタ25は、ユーザに対して視覚的な情報の出力を行う機能を有しており、表示画面を備えている。操作入力部24およびモニタ25は、それぞれの機能が一体化したタッチパネル型ディスプレイであってもよい。
【0057】
なお、サーバ装置20には、例えばマイク(マイクロホン)、カメラ、スピーカ等を始めとする他の様々なデバイスが適宜設けられていてもよい。
【0058】
ストレージ28は、例えば、HDD等の磁気ディスク、SSD等の半導体メモリ、光磁気ディスクならびに光ディスク等により実現される補助記憶装置である。ストレージ28は、例えばサーバ装置20とは別体のネットワークストレージ装置に配置されていてもよい。本実施形態におけるストレージ28は、このようなネットワークストレージ装置上のストレージ等、サーバ装置20がアクセス可能な任意のデータ記憶装置を包含するものである。
【0059】
ストレージ28は、所望の処理手順がプログラム命令として記述されたプログラムやデータを記憶することができるようになっている。例えば図3に示すように、ストレージ28には、Webサーバプログラム28a、ARサービスプログラム28b、映像受信プログラム28c、現場環境特定プログラム28d、AR処理プログラム28e、ARコンテンツ送信プログラム28f、指定情報受信プログラム28g等の各種プログラムや、商材識別情報29a、過去現場特徴データ29b、合成用データ29c、改善率データ29d等の各種データが格納される。
【0060】
プロセッサ21は、ストレージ28から各プログラムを適宜読み出してメモリ22上に展開し、プログラム命令を実行することで、各プログラムに対応する機能をサーバ装置20において実現できるようになっている。サーバ装置20は、特に、Webサーバとして機能するためのWebサーバプログラム28a、およびWebベースのARサービス環境を構築するためのARサービスプログラム28bを実行することで、クライアント側端末10に対してAR環境(WebAR)を提供することができるようになっている。クライアント側端末10は、例えばWebブラウザを用いて、このAR環境にアクセスするだけでARコンテンツの利用およびAR表示等が行えることが好ましい。
【0061】
ストレージ28には、上記以外の様々なプログラムや様々なデータが格納されてもよい。一例として、ストレージ28には、サーバ装置20の動作に必要なオペレーションシステムプログラム等の様々なプログラムが格納されていてもよい。
【0062】
<データベース管理システム30の構成>
図4を参照しながら、本発明の実施形態におけるデータベース管理システム30の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態におけるデータベース管理システム30のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。本発明に係るデータベース管理システムは、図4に示す構成に限定されるものではない。
【0063】
データベース管理システム30は、一例として図4に示すように、プロセッサ31、メモリ32、通信部33、操作入力部34、モニタ35、ストレージ38を有しており、各構成要素がバス30aを介して接続された構成となっている。
【0064】
プロセッサ31は、プログラムにより記述された様々な命令を実行し、データベース管理システム30において様々な機能を実現および制御するハードウェアである。プロセッサ31は、例えばCPU、特定の目的に特化したデータ処理を行うDSPまたはGPU等であってもよい。
【0065】
メモリ32は、データベース管理システム30で実行されるプログラムや処理対象データを一時的に記憶する揮発性メモリである。メモリ32は、例えばRAM等の主記憶装置である。
【0066】
通信部33は、データベース管理システム30が他の装置と通信を行うための機能を有している。本実施形態では、データベース管理システム30は、通信部33を介してARサービス用データ作成装置40と通信を行うことができるようになっている。
【0067】
操作入力部34は、データベース管理システム30のユーザからの情報の入力を受け付ける機能を有しており、例えばマウスおよびキーボード等の入力デバイスを表している。また、モニタ35は、ユーザに対して視覚的な情報の出力を行う機能を有しており、表示画面を備えている。操作入力部34およびモニタ35は、それぞれの機能が一体化したタッチパネル型ディスプレイであってもよい。
【0068】
ストレージ38は、例えば、HDD等の磁気ディスク、SSD等の半導体メモリ、光磁気ディスクならびに光ディスク等により実現される補助記憶装置である。ストレージ38は、例えばデータベース管理システム30により管理される別体のネットワークストレージ装置に配置されていてもよい。本実施形態におけるストレージ38は、このようなネットワークストレージ装置上のストレージ等、データベース管理システム30が管理可能な任意のデータ記憶装置を包含するものである。
【0069】
ストレージ38は、所望の処理手順がプログラム命令として記述されたプログラムやデータを記憶することができるようになっている。例えば図4に示すように、ストレージ38には、データベース管理プログラム38a等の各種プログラムが格納される。
【0070】
プロセッサ31は、ストレージ38から各プログラムを適宜読み出してメモリ32上に展開し、プログラム命令を実行することで、各プログラムに対応する機能をデータベース管理システム30において実現できるようになっている。データベース管理システム30は、特に、データベースとして機能するためのデータベース管理プログラム38aを実行することで、様々なデータ同士を相互に関連付けて管理することができるようになっている。
【0071】
ストレージ38には、上記以外の様々なプログラムや様々なデータが格納されてもよい。一例として、ストレージ38には、データベース管理システム30の動作に必要なオペレーションシステムプログラム等の様々なプログラムが格納されていてもよい。
【0072】
データベース管理システム30は、様々な手段により収集および蓄積された顧客データを格納する顧客データベース39aを有している。顧客データベース39aに格納されるデータとしては、例えば顧客情報39a1、過去現場映像データ39a2、導入前データ39a3、および導入後データ39a4等が挙げられる。
【0073】
顧客情報39a1は、例えば顧客の識別番号、名称、業種、各顧客に対して実際に導入(販売)された商材の識別番号や導入日等の顧客に関連した各種情報を含んでいる。過去現場映像データ39a2は、商材が導入された顧客の環境を撮影した映像データである。導入前データ39a3は、商材が実際に導入される前の業務効率を示す数値化されたデータである。導入後データ39a4は、商材が実際に導入された後の業務効率を示す数値化されたデータである。なお、業務効率には、例えば、製品の売上高や利益、工場の生産ラインにおける生産効率(生産物の歩留まり率)等が含まれる。
【0074】
なお、本明細書における「過去」は、特定の商材を販売しようとしている顧客相手(特定の商材を導入しようとしている顧客)を現在の顧客とした場合に、それ以前(過去)に当該特定の商材を導入した顧客を意味している。したがって、本明細書における「過去現場」は、過去に特定の商材を導入した顧客の現場であって、当該特定の商材が実際に導入された現場を意味している。
【0075】
データベース管理システム30は、顧客に提供可能な商材に係るデータを格納する商材データベース39bを有している。商材データベース39bに格納されるデータとしては、例えば商材情報39b1、各商材の商材グラフィックスデータ39b2等が挙げられる。
【0076】
データベース管理システム30に格納されているデータは、相互に関連付けられて格納および管理されている。例えば顧客の名称に基づいて、その顧客に対して実際に導入された商材や顧客の環境を撮影した過去現場映像データ39a2、商材導入前後の業務効率を示す導入前データ39a3および導入後データ39a4を特定することができるようになっている。また、例えば商材の名称に基づいて、その商材が実際に導入された顧客や顧客の環境を撮影した過去現場映像データ39a2、商材導入前後の業務効率を示す導入前データ39a3および導入後データ39a4を特定することができるようになっている。
【0077】
<ARサービス用データ作成装置40の構成>
図5を参照しながら、本発明の実施形態におけるARサービス用データ作成装置40の構成について説明する。図5は、本発明の実施形態におけるARサービス用データ作成装置40のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。本発明に係るARサービス用データ作成装置は、図4に示す構成に限定されるものではない。
【0078】
ARサービス用データ作成装置40は、一例として図5に示すように、プロセッサ41、メモリ42、通信部43、操作入力部44、モニタ45、ストレージ48を有しており、各構成要素がバス40aを介して接続された構成となっている。ARサービス用データ作成装置40は、本発明のデータ作成装置を構成する。
【0079】
プロセッサ41は、プログラムにより記述された様々な命令を実行し、ARサービス用データ作成装置40において様々な機能を実現および制御するハードウェアである。プロセッサ41は、例えばCPU、特定の目的に特化したデータ処理を行うDSPまたはGPU等であってもよい。
【0080】
メモリ42は、ARサービス用データ作成装置40で実行されるプログラムや処理対象データを一時的に記憶する揮発性メモリである。メモリ42は、例えばRAM等の主記憶装置である。
【0081】
通信部43は、ARサービス用データ作成装置40が他の装置と通信を行うための機能を有している。本実施形態では、ARサービス用データ作成装置40は、通信部43を介してサーバ装置20およびデータベース管理システム30と通信を行うことができるようになっている。
【0082】
操作入力部44は、ARサービス用データ作成装置40のユーザからの情報の入力を受け付ける機能を有しており、例えばマウスおよびキーボード等の入力デバイスを表している。また、モニタ45は、ユーザに対して視覚的な情報の出力を行う機能を有しており、表示画面を備えている。操作入力部44およびモニタ45は、それぞれの機能が一体化したタッチパネル型ディスプレイであってもよい。
【0083】
ストレージ48は、例えば、HDD等の磁気ディスク、SSD等の半導体メモリ、光磁気ディスクならびに光ディスク等により実現される補助記憶装置である。ストレージ48は、例えばARサービス用データ作成装置40により管理される別体のネットワークストレージ装置に配置されていてもよい。本実施形態におけるストレージ48は、このようなネットワークストレージ装置上のストレージ等、ARサービス用データ作成装置40が管理可能な任意のデータ記憶装置を包含するものである。
【0084】
ストレージ48は、所望の処理手順がプログラム命令として記述されたプログラムやデータを記憶することができるようになっている。例えば図5に示すように、ストレージ48には、過去現場特徴データ作成プログラム48a、合成用データ作成プログラム48b、改善率データ作成プログラム48cの各種プログラムが格納される。
【0085】
プロセッサ41は、ストレージ48から各プログラムを適宜読み出してメモリ42上に展開し、プログラム命令を実行することで、各プログラムに対応する機能をARサービス用データ作成装置40において実現できるようになっている。
【0086】
ストレージ48には、上記以外の様々なプログラムや様々なデータが格納されてもよい。一例として、ストレージ48には、ARサービス用データ作成装置40の動作に必要なオペレーションシステムプログラム等の様々なプログラムや、ARサービス用データ作成装置40で作成したARサービス用データ等を始めとする様々なデータが格納されてもよい。
【0087】
<データベース管理システム30およびARサービス用データ作成装置40の機能>
図6は、本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1を構成するデータベース管理システム30およびARサービス用データ作成装置40に実装された機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0088】
図6に示すように、データベース管理システム30およびARサービス用データ作成装置40は、それぞれの通信部33および通信部43を介して相互に通信できるように構成されている。また、ARサービス用データ作成装置40はARサービス用データを作成し、通信部33およびサーバ装置20の通信部23を通じて、サーバ装置20のストレージ28内にARサービス用データを格納させることができるように構成されている。
【0089】
<データベース管理システム30の機能>
図6に示すように、データベース管理システム30は、データベース管理部301を有している。
【0090】
データベース管理部301は、データベース管理システム30に格納されたデータベースの管理を行う機能を有する。本実施形態では、データベース管理部301は、顧客データベース39a、商材データベース39bの管理を行い、ARサービス用データ作成装置40からの要求によって指定されたデータを読み出して、通信部33を通じて、当該読み出したデータをARサービス用データ作成装置40に提供できるようになっている。データベース管理部301は、プロセッサ31がストレージ38からデータベース管理プログラム38aを適宜読み出してメモリ32上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0091】
<ARサービス用データ作成装置40の機能>
図6に示すように、ARサービス用データ作成装置40は、過去現場特徴データ作成部401、合成用データ作成部402、改善率データ作成部403を有している。
【0092】
過去現場特徴データ作成部401は、データベース管理システム30が管理する顧客データベース39aおよび商材データベース39bに含まれるデータに基づいて過去現場特徴データ29bを作成する機能、およびサーバ装置20のストレージ28内に過去現場特徴データ29bを格納させる機能を有する。過去現場特徴データ作成部401は、プロセッサ41がストレージ48から過去現場特徴データ作成プログラム48aを適宜読み出してメモリ42上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0093】
過去現場特徴データ29bは、商材が実際に導入された顧客現場の特徴を示すデータである。過去現場特徴データ29bは、ARサービス用データを構成する。
【0094】
一例として、過去現場特徴データ作成部401は、特定の商材に関して、その商材が導入された顧客現場を撮影した映像データである過去現場映像データ39a2をデータベース管理システム30から読み出し、その過去現場映像データ39a2から抽出された映像または静止画像を過去現場特徴データ29bとして出力してもよい、この場合、過去現場特徴データ29bは、過去現場映像データ39a2から抽出された映像または静止画像となる。過去現場特徴データ29bが抽出された映像または静止画像を含むデータである場合には、後述するようにサーバ装置20の現場環境特定部202は、複数の映像または静止画像同士を比較してこれらの類似度を判定する映像比較機能を備えることが好ましい。
【0095】
また、別の一例として、過去現場特徴データ作成部401は、映像内に含まれる特徴点を抽出する映像解析機能を備えている。当該映像解析機能は、映像データ処理における既存技術を適用することができる。過去現場特徴データ作成部401は、特定の商材に関して、その商材が導入された顧客現場を撮影した映像データである過去現場映像データ39a2をデータベース管理システム30から読み出し、過去現場映像データ39a2を解析して、そこに映っている様々な撮像対象物の特徴点を抽出することができるようになっている。この場合には、過去現場特徴データ29bは、過去現場映像データ39a2に映っている様々な撮影対象物の特徴点を含むデータとなる。過去現場特徴データ29bが撮影対象物の特徴点を含むデータである場合には、後述するようにサーバ装置20の現場環境特定部202は、映像内に含まれる特徴点を抽出する映像解析機能を備えることが好ましい。
【0096】
過去現場特徴データ作成部401は、過去現場映像データ39a2ごと(すなわち現場ごと)に過去現場特徴データ29bを作成するように構成されている。したがって、同一の商材であっても、その商材の導入先である顧客が異なり、これに伴って過去現場映像データ39a2が異なる場合には、複数の過去現場特徴データ29bが作成される。過去現場特徴データ29bは、商材を識別する商材識別情報29aに関連付けられた状態で、サーバ装置20のストレージ28内に格納される。
【0097】
合成用データ作成部402は、データベース管理システム30が管理する顧客データベース39aおよび商材データベース39bに含まれるデータに基づいて合成用データ29cを作成する機能、およびサーバ装置20のストレージ28内に合成用データ29cを格納させる機能を有する。合成用データ作成部402は、プロセッサ41がストレージ48から合成用データ作成プログラム48bを適宜読み出してメモリ42上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0098】
合成用データ29cは、サーバ装置20からクライアント側端末10へ提供されるARコンテンツを含むデータである。合成用データ29cは、ARサービス用データを構成する。
【0099】
合成用データ作成部402は、商材グラフィックスデータ39b2から、ARコンテンツとして利用可能な3DCG(3次元コンピュータグラフィックス:3D Computer Graphics)データ等の合成用データ29cを作成するARコンテンツ作成機能を備えている。当該ARコンテンツ作成機能は、ARコンテンツ作成処理における既存技術を適用することができる。合成用データ作成部402は、商材グラフィックスデータ39b2をデータベース管理システム30から読み出して加工し、サーバ装置20で実現されるAR環境(例えばWebAR環境等)において、ARコンテンツに利用可能な合成用データ29cを作成することができるようになっている。ARコンテンツに利用可能な合成用データ29cのデータ形式等は特に限定されないが、例えば3DCGデータを用いることができる。
【0100】
合成用データ作成部402は、過去現場映像データ39a2ごと(すなわち現場ごと)に合成用データ29cを作成するように構成されている。したがって、同一の商材であっても異なる現場に導入された場合にはそれぞれ各現場単位で異なるセットとなるため、同一の商材に対して複数パターンの合成用データ29cが作成される。例えば、1つの商材(生産ライン等に配置される機材)の配線の向きの違い、縦置き/横置き等の違い、1つの商材が複数のパーツで構成されている場合には各パーツの配置位置の違い等があり、これらの違いに応じて各状態(パターン)の合成用データ29cが作成される。合成用データ29cは、商材を識別する商材識別情報29aに関連付けられた状態で、サーバ装置20のストレージ28内に格納される。
【0101】
改善率データ作成部403は、データベース管理システム30が管理する顧客データベース39aおよび商材データベース39bに含まれるデータに基づいて改善率データ29dを作成する機能、およびサーバ装置20のストレージ28内に改善率データ29dを格納させる機能を有する。改善率データ作成部403は、プロセッサ41がストレージ48から改善率データ作成プログラム48cを適宜読み出してメモリ42上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0102】
改善率データ29dは、商材導入前後の業務効率の改善率が数値化されたデータである。改善率データ29dは、ARサービス用データを構成する。
【0103】
改善率データ作成部403は、特定の商材を導入した特定の顧客に関して、その商材が実際に導入される前の業務効率を示す数値化されたデータである導入前データ39a3、およびその商材が実際に導入された後の業務効率を示す数値化されたデータである導入後データ39a4をデータベース管理システム30から読み出し、導入前データ39a3および導入後データ39a4からを改善率データ29dを算出できるようになっている。改善率データ作成部403は、例えば、導入後データ39a4を導入前データ39a3で除して100を掛けた値(すなわち、100×導入後データ/導入前データ(%))を算出して、その算出結果を改善率データ29dとしてもよい。
【0104】
改善率データ作成部403は、顧客に実際に導入された商材ごとに改善率データ29dを作成するように構成されている。改善率データ29dは、商材を識別する商材識別情報29aおよび過去現場特徴データ29bに関連付けられた状態で、サーバ装置20のストレージ28内に格納される。
【0105】
なお、ARサービス用データ作成装置40は、複数のデータ処理装置で構成されていてもよい。例えば、過去現場特徴データ作成部401を備えるデータ処理装置と、合成用データ作成部402を備えるデータ処理装置と、改善率データ作成部403を備えるデータ処理装置とが、それぞれ別体のデータ処理装置として設けられてもよい。
【0106】
<クライアント側端末10およびサーバ装置20の機能>
図7は、本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1を構成するクライアント側端末10およびサーバ装置20に実装された機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0107】
図7に示すように、クライアント側端末10およびサーバ装置20は、それぞれの通信部13および通信部23がネットワーク50に接続されており、ネットワーク50を介して相互に通信できるように構成されている。
【0108】
<クライアント側端末10の機能>
クライアント側端末10は、ディスプレイ(HMD)101、映像取得部(カメラ)102、映像送信部103、ARコンテンツ受信部104、映像合成/出力部105、操作受付部106を有している。
【0109】
ディスプレイ101は、顧客がARコンテンツを含む様々な情報を視認可能な表示装置である。ディスプレイ101は、図2に示すモニタ15に対応する。上述したようにユーザの臨場感および没入感を向上させるために、カメラ17を備えたヘッドマウントディスプレイを用いることが好ましい。
【0110】
映像取得部102は、カメラ17により顧客現場の映像を撮像する機能を有する。映像取得部102は、プロセッサ11がストレージ18から映像取得プログラム18bを適宜読み出してメモリ12上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0111】
映像送信部103は、映像取得部102で撮像された現場の映像データ(現場映像)をサーバ装置20へ送信する機能を有する。映像送信部103からサーバ装置20へ送信される現場の映像データは、サーバ装置20が合成用データ29cを選択する際の基準データとして用いられる。映像送信部103は、プロセッサ11がストレージ18から映像送信プログラム18cを適宜読み出してメモリ12上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0112】
ARコンテンツ受信部104は、サーバ装置20から送信されたARコンテンツを受信する機能を有する。ARコンテンツ受信部104は、プロセッサ11がストレージ18からARコンテンツ受信プログラム18dを適宜読み出してメモリ12上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0113】
映像合成/出力部105は、サーバ装置20から受信したARコンテンツと、映像取得部102で取得した映像とを合成して出力し、ディスプレイ101に表示させる機能を有する。映像合成/出力部105は、プロセッサ11がストレージ18から映像合成/出力プログラム18eを適宜読み出してメモリ12上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0114】
映像合成/出力部105は特別なアプリケーションを準備せず、例えば一般的なブラウザに実装された機能を用いてもよい。これにより、ブラウザ等に表示可能な一般的なWebARと同様、カメラ17により撮影された映像にARコンテンツを重畳表示させることができる。また、映像合成/出力部105は、操作受付部106から供給されるARコンテンツの操作に関する情報に基づいて、ディスプレイ101におけるARコンテンツの表示態様を変更できるようになっている。
【0115】
操作受付部106は、商材や合成用データ29cの指定情報、重畳されたARコンテンツの向きや大きさ等を調整するための操作等を受け付ける機能を有する。操作受付部106で受け付ける操作には、図2に示す操作入力部14からの入力に加えて、ディスプレイ101がヘッドマウントディスプレイの場合には、ジャイロセンサや加速度センサにより検出される頭部の動きも含まれる。操作受付部106は、プロセッサ11がストレージ18から操作受付プログラム18fを適宜読み出してメモリ12上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0116】
操作受付部106で受け付けた操作が、ARコンテンツの操作に関する情報である場合には映像合成/出力部105へ供給される。また、例えばブラウザ上に商材や合成用データ29cの一覧を表示し、顧客または営業担当者が商材や合成用データ29cを指定できるようにしてもよく、操作受付部106において、上記のように一覧から選択された商材や合成用データ29cの指定情報を受け付けた場合には、その指定情報はサーバ装置20へ送信される。
【0117】
<サーバ装置20の機能>
サーバ装置20は、映像/操作受信部201、現場環境特定部202、ARサービス用データ格納部203、AR処理部204、ARコンテンツ送信部205、指定情報受信部206を有している。
【0118】
映像/操作受信部201は、クライアント側端末10から送信された商材や合成用データ29cの指定情報、またはクライアント側端末10で撮影された現場の映像データを受信する機能を有する。映像/操作受信部201は、プロセッサ21がストレージ28から映像/操作受信プログラム28cを適宜読み出してメモリ22上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。映像/操作受信部201は、本発明の映像受信部を構成する。
【0119】
現場環境特定部202は、クライアント側端末10で撮影された現場の映像データから、その現場の映像データに含まれる現場映像に最も類似した過去現場映像を特定して、AR処理部204へ通知する機能を有する。現場環境特定部202は、プロセッサ21がストレージ28から現場環境特定プログラム28dを適宜読み出してメモリ22上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。
【0120】
現場環境特定部202は、一例として、複数の映像または静止画像同士を比較してこれらの類似度を判定する映像比較機能を備えている。当該映像比較機能は、映像データ処理における既存技術を適用することができる。
【0121】
ARサービス用データに含まれる過去現場特徴データ29bが、過去現場映像データ39a2から抽出された映像または静止画像を含むデータである場合には、現場環境特定部202は、クライアント側端末10から受信した現場映像と、過去現場特徴データ29bに含まれる映像または静止画像とを比較するように構成される。そして、現場環境特定部202は、現場映像との一致度(類似度)が高い映像または静止画像を含む過去現場特徴データ29bを特定し、この特定した過去現場特徴データ29bに関連付けられている合成用データ29cをAR処理部204へ通知する。
【0122】
また、現場環境特定部202は、別の一例として、映像内に含まれる特徴点を抽出する映像解析機能を備えている。当該映像解析機能は、映像データ処理における既存技術を適用することができる。
【0123】
ARサービス用データに含まれる過去現場特徴データ29bが、過去現場映像データ39a2に映っている様々な撮影対象物の特徴点を含むデータである場合には、現場環境特定部202は、クライアント側端末10から受信した現場映像に映っている様々な撮影対象物の特徴点を抽出するように構成される。そして、現場環境特定部202は、現場映像に映っている様々な撮影対象物の特徴点との一致度が高い特徴点を含む過去現場特徴データ29bを特定し、この特定した過去現場特徴データ29bに関連付けられている合成用データ29cをAR処理部204へ通知する。
【0124】
なお、指定情報受信部206において商材の指定情報をクライアント側端末10から受信している場合には、現場環境特定部202は、この指定情報に含まれる特定の商材に関連付けられている複数の過去現場特徴データ29bを抽出して、抽出した過去現場特徴データ29bの中から、現場映像に映っている様々な撮影対象物の特徴点との一致度が高い特徴点を含む過去現場特徴データ29b、または現場映像との一致度(類似度)が高い映像または静止画像を含む過去現場特徴データ29bを特定することが好ましい。
【0125】
ARサービス用データ格納部203は、ARコンテンツの作成に用いられる各種情報を格納する機能を有する。ARサービス用データ格納部203は、図3のストレージ28に対応し、ARサービス用データ作成装置40で作成されたARサービス用データが格納される。ARサービス用データ格納部203は、本発明のデータ格納部を構成する。
【0126】
ARサービス用データは、過去に商材が導入された現場ごとの導入実績に基づいて作成されたデータであり、商材識別情報29a、過去現場特徴データ29b、合成用データ29c、改善率データ29dが過去現場単位でセットになった情報群である。ARサービス用データは、複数の過去現場のそれぞれに関して作成され、ARサービス用データ格納部203には、複数のARサービス用データが格納されている。なお、同一の商材であっても異なる現場に導入された場合にはそれぞれ各現場単位で異なるセットとなるため、同一の商材に対して複数パターンの合成用データ29cが準備されている。
【0127】
AR処理部204は、合成用データ29cから商材のARコンテンツを作成する機能を有する。AR処理部204は、プロセッサ21がストレージ28からAR処理プログラム28eを適宜読み出してメモリ22上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。AR処理部204は、本発明のコンテンツ作成部を構成する。
【0128】
AR処理部204は、過去現場特徴データ29bに関連付けられていると現場環境特定部202が判断した合成用データ29cをARサービス用データ格納部203から読み出し、この合成用データ29cから商材表示用コンテンツであるARコンテンツを作成することができる。
【0129】
また、指定情報受信部206において合成用データ29cの指定情報をクライアント側端末10から受信している場合には、現場環境特定部202は、この指定情報に含まれる合成用データ29cをARサービス用データ格納部203から読み出し、この合成用データ29cから商材表示用コンテンツであるARコンテンツを作成してもよい。
【0130】
さらに、AR処理部204は、合成用データ29cを用いてARコンテンツを作成する際に、この合成用データ29cに関連付けられた状態でARサービス用データ格納部203に格納されている改善率データ29dを読み出して、改善率データ29dに含まれる数値が表示可能となるようにARコンテンツ内に埋め込んでもよい。
【0131】
ARコンテンツ送信部205は、AR処理部204で作成したARコンテンツをクライアント側端末10へ送信する機能を有する。ARコンテンツ送信部205は、プロセッサ21がストレージ28からARコンテンツ送信プログラム28fを適宜読み出してメモリ22上に展開し、プログラム命令を実行することで実現される。ARコンテンツ送信部205は、本発明のコンテンツ送信部を構成する。
【0132】
指定情報受信部206は、クライアント側端末10から送信された商材や合成用データ29cの指定情報を受信する機能を有する。クライアント側端末10では、上述したようにユーザが商材や合成用データ29cを指定できるように構成されてもよく、指定情報受信部206は、指定情報に含まれる商材や合成用データ29cを現場環境特定部202またはAR処理部204に適宜供給できるようになっている。
【0133】
<コンテンツ処理システム1で実行される処理>
次に、本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1で実行される処理について説明する。
【0134】
コンテンツ処理システム1で実行される処理は、バックエンドで実行されるARサービス用データ作成処理と、クライアント側端末10においてARコンテンツを利用するARコンテンツ提供処理と、に大別される。
【0135】
まず、ARサービス用データ作成処理について説明する。図8は、本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1で実行されるARサービス用データ作成処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示す各処理は、主にARサービス用データ作成装置40により実行される。
【0136】
図8において、ARサービス用データ作成装置40は、データベース管理システム30と連携して、特定の商材に関して、その商材が導入された顧客現場を撮影した映像データである過去現場映像データ39a2を読み出す(ステップS11)。
【0137】
次いで、ARサービス用データ作成装置40は、ステップS11で読み出した過去現場映像データ39a2を解析して、過去現場映像データ39a2の映像に映っている様々な撮像対象物の特徴点を映像の特徴点として抽出する(ステップS12)。
【0138】
次いで、ARサービス用データ作成装置40は、ステップS12で抽出した映像の特徴点を過去現場特徴データ29bとして、サーバ装置20のARサービス用データ格納部203に格納する(ステップS13)。
【0139】
なお、過去現場特徴データ29bは、商材が実際に導入された顧客現場の特徴を示すデータであればよく、過去現場映像データ39a2の映像から抽出された映像の特徴点を過去現場特徴データ29bとする方法に限定されるものではない。例えば上述したように、過去現場映像データ39a2から抽出された映像または静止画像を過去現場特徴データ29bとして、サーバ装置20のARサービス用データ格納部203に格納してもよい。
【0140】
次いで、ARサービス用データ作成装置40は、データベース管理システム30と連携して、特定の商材に関する商材グラフィックスデータ39b2を読み出す(ステップS14)。
【0141】
次いで、ARサービス用データ作成装置40は、ステップS11で読み出した過去現場映像データ39a2の映像に映っている商材の配置パターン等を解析する。そして、ARサービス用データ作成装置40は、特定の商材に関する商材グラフィックスデータ39b2を利用しながら、過去現場映像データ39a2の映像に映っている過去現場に配置された商材の状態をARコンテンツで再現する合成用データ29cを作成する(ステップS15)。なお、ここでは、商材グラフィックスデータ39b2を利用して、過去現場に配置された商材を再現する合成用データ29cを作成しているが、例えば、あらかじめ複数の合成用データ29cを準備しておき、これら複数の合成用データ29cの中から、過去現場の配置に近い状態を再現する合成用データ29cを選択してもよい。
【0142】
次いで、ARサービス用データ作成装置40は、ステップS15で作成した合成用データ29cを、サーバ装置20のARサービス用データ格納部203に格納する(ステップS16)。
【0143】
次いで、ARサービス用データ作成装置40は、データベース管理システム30と連携して、ステップS11で読み出した過去現場映像データ39a2に映る顧客の現場に関連した導入前データ39a3および導入後データ39a4を読み出す(ステップS17)。
【0144】
次いで、ARサービス用データ作成装置40は、ステップS11で読み出した導入前データ39a3および導入後データ39a4に基づいて、改善率データ29dを算出する(ステップS18)。改善率データ29dは、例えば、導入後データ39a4を導入前データ39a3で除して100を掛けた値(すなわち、100×導入後データ/導入前データ(%))である。
【0145】
次いで、ARサービス用データ作成装置40は、ステップS18で算出した改善率データ29dを、サーバ装置20のARサービス用データ格納部203に格納する(ステップS19)。
【0146】
次に、ARコンテンツ提供処理について説明する。
【0147】
図9は、本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1で実行されるARコンテンツ提供処理の一例を示すシーケンス図である。
【0148】
図9において、クライアント側端末10は、顧客現場の情報を現場情報としてサーバ装置20へ送信する現場情報送信処理を実行する(ステップS20)。サーバ装置20は、クライアント側端末10が送信した現場情報に基づいて適切な合成用データ29cを特定して、特定した合成用データ29cを用いたARコンテンツをクライアント側端末10へ送信するARコンテンツ送信処理を実行する(ステップS30)。クライアント側端末10は、クライアント側端末10が送信したARコンテンツを実際の現場映像に重畳表示するAR表示処理を実行する(ステップS40)。
【0149】
図10は、図9のステップS20における現場情報送信処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す各処理はクライアント側端末10により実行される。
【0150】
図10において、クライアント側端末10は、カメラ17により顧客現場の映像(現場映像)の撮影を開始する(ステップS21)。ステップS21で撮影される現場の映像データは、サーバ装置20が合成用データ29cを適切に選択するための判断材料として用いられるものである。
【0151】
クライアント側端末10は、顧客現場に導入の提案を行う商材(販売対象の商材)の指定情報を取得する(ステップS22)。商材の指定情報には、商材を具体的に識別する識別情報等が含まれる。例えば、クライアント側端末10が商材の一覧情報を表示し、顧客や営業担当者が操作入力部14を用いて商材の一覧情報の中から所望の商材を指定した情報であってもよい。なお、ステップS22における商材の指定情報の取得処理は、ステップS21における顧客現場の映像の撮影処理の前に行われてもよい。
【0152】
次いで、クライアント側端末10は、ステップS21で撮影した顧客現場の映像とステップS22で指定された商材の指定情報とをサーバ装置20へ送信する(ステップS23)。
【0153】
図11は、図9のステップS30におけるARコンテンツ送信処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す各処理はサーバ装置20により実行される。
【0154】
図11において、サーバ装置20は、図10のステップS22でクライアント側端末10が送信した現場映像および商材の指定情報を受信する(ステップS31)。
【0155】
サーバ装置20は、ARサービス用データ格納部203に格納されている複数のARサービス用データを参照し、商材の指定情報で指定された特定の商材に関して、現場映像に最も類似した過去現場特徴データ29bを特定する(ステップS32)。
【0156】
ARサービス用データは、上述したように、商材識別情報29a、過去現場特徴データ29b、合成用データ29c、改善率データ29dが過去現場単位でセットになった情報群である。サーバ装置20は、例えば、商材識別情報29aを参照して、商材の指定情報で指定された商材に対応するARサービス用データを絞り込む。このとき、商材の指定情報で指定された商材に対応するARサービス用データが1つのみに絞り込まれた場合には、このARサービス用データが特定される。
【0157】
一方、絞り込まれたARサービス用データが複数存在する場合には、ステップS31で受信した現場映像と、過去現場特徴データ29bとのマッチングを行ってARサービス用データの更なる絞り込みを行う。過去現場特徴データ29bが、過去現場映像の特徴点を含むデータである場合には、現場環境特定部202は、ステップS31で受信した現場映像内に含まれる特徴点を抽出して、現場映像と最も一致度が高い特徴点を含む過去現場特徴データ29bを特定する。また、過去現場特徴データ29bが、過去現場映像の映像または静止画像を含むデータである場合には、現場環境特定部202は、ステップS31で受信した現場映像と、過去現場映像との映像比較処理を行って、現場映像と最も一致度が高い映像または静止画像を含む過去現場特徴データ29bを特定する。
【0158】
次いで、サーバ装置20は、ステップS32で特定した過去現場特徴データ29bに関連付けられている合成用データ29cを特定する(ステップS33)。
【0159】
そして、サーバ装置20は、ステップS33で特定した合成用データ29cと、その合成用データ29cに関連付けられている改善率データ29dとをARサービス用データ格納部203から読み出す(ステップS34)。
【0160】
サーバ装置20は、ステップS34で読み出した合成用データ29cおよび改善率データ29dを用いて、ARコンテンツを作成する(ステップS35)。ARコンテンツには、商材のAR素材と、改善率データ29dに含まれる改善率の数値とが含まれ、クライアント側端末10のディスプレイ101上で、商材のAR素材および改善率が表示可能となるように作成される。なお、ARコンテンツには必ずしも改善率の数値が含まれる必要はなく、商材のAR素材のみを表示させるARコンテンツが作成されてもよい。
【0161】
サーバ装置20は、ステップS35で作成したARコンテンツをクライアント側端末10へ送信する(ステップS36)。
【0162】
図12は、図9のステップS40におけるAR表示処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す各処理はクライアント側端末10により実行される。
【0163】
図12において、クライアント側端末10は、図11のステップS36でサーバ装置20が送信したARコンテンツを受信する(ステップS41)。
【0164】
次いで、クライアント側端末10は、カメラ17による撮影で取得される現場映像に、ステップS41で受信したARコンテンツを合成して、現場映像にARコンテンツが重畳表示された表示用映像(合成映像)を作成する(ステップS42)。
【0165】
次いで、クライアント側端末10は、ステップS43で作成した表示用映像をディスプレイ101上に表示する(ステップS43)。
【0166】
上記のステップS42およびステップS43における処理は、その後、例えばユーザによって終了指示が入力される等の終了条件を満たすまで継続して行われる(ステップS44)、これにより、現場映像にARコンテンツが重畳表示された合成映像がディスプレイ101上に表示され続けるようになる。なお、クライアント側端末10は、サーバ装置20がARコンテンツを作成するために、ステップS23において現場映像をサーバ装置20へ送信するが、AR表示処理において現場映像にARコンテンツが重畳表示された合成映像を表示する際には、現場映像をサーバ装置20へ送信する必要はない。
【0167】
AR表示処理において、現場映像にARコンテンツが重畳表示された合成映像は、カメラ17を備えたヘッドマウントディスプレイを用いて表示されることが好ましく、商材の導入を検討している顧客がこのヘッドマウントディスプレイを装着することが好ましい。ヘッドマウントディスプレイは、装着者(ここでは顧客)の頭部の動きに追従して合成映像を表示することができるようになっている。顧客は、ヘッドマウントディスプレイを用いて、カメラ17で撮影された現場映像に商材のARコンテンツが重畳表示された合成映像を視認することで、顧客現場に実際に商材が導入された際の状態(仮想的な導入環境)をバーチャルに体験することができるようになる。
【0168】
図13は、本発明の実施形態において、クライアント側端末10に接続されたヘッドマウントディスプレイ上の表示画面の一例を示す図であり、(a)はカメラ17で撮影された現場映像が表示された表示画面を示す図、(b)はカメラ17で撮影された現場映像にARコンテンツを重畳した合成映像が表示された表示画面を示す図である。
【0169】
図13(a)に示す表示画面には、カメラ17で撮影された現場映像そのもの、すなわちARコンテンツが重畳されていない現場映像が表示されている。一方、図13(b)に示す表示画面には、カメラ17で撮影された現場映像(図13(a)に示す表示画面の表示状態)に、商材のARコンテンツが重畳表示された合成映像が表示されている。
【0170】
合成映像には、商材のAR素材からなる商材画像が含まれている。これにより、顧客はヘッドマウントディスプレイの表示画面に表示される合成映像を見ることで、顧客現場に商材が配置された状態を具体的にイメージすることができるようになる。また、ヘッドマウントディスプレイを装着している頭部を動かしたり、クライアント側端末10およびヘッドマウントディスプレイを操作したりすることで、カメラ17の向き(すなわち、現場映像の撮影方向)や、現場映像に重畳表示された商材画像、位置、大きさ等を自在に変更できるようになっており、顧客現場に商材が配置された所望の状態となるように表示画面を調整することができる。
【0171】
また、このAR表示には、サーバ装置20が顧客現場の映像データとのマッチングによって複数の合成用データ29cの中から特定した合成用データ29cが用いられている。これにより、例えば商材に複数の配置パターンが存在する場合等であっても、顧客現場に適した配置パターンの商材を当該顧客現場に重畳して表示することができる。
【0172】
さらに、合成映像において、改善率データ29dに含まれる改善率の数値が表示されてもよい。例えば、図13(b)に示すように商材画像の近傍に改善率が数値として表示されることで、顧客は、商材を導入した場合のメリットを具体的にイメージすることができる。
【0173】
上述したように、本実施形態におけるコンテンツ処理システム1では、商材の導入前に、顧客が自己の現場環境において商材を導入した状態をバーチャルに体験できるようになる。これにより、顧客は商材の導入環境を具体的にイメージできるようになるとともに、営業担当者による商材の説明に要する労力および時間を削減でき、営業活動の効率化が実現される。また、過去に導入された商材の配置パターン等に応じて、特定の商材に関して複数の配置パターンに対応した複数の合成用データ29cを準備しておき、現場環境の映像とのマッチング処理によって、顧客の現場環境に合わせた適切なARコンテンツを提供することができる。また、クラウド上のサーバ装置20にデモ環境を配置することで、専用アプリケーション等を必要とせずに簡易なシステム環境で、商材を導入した際の仮想的環境を再現することができる。
【0174】
また、顧客は、AR表示において、商材が実際に導入されたことによる業務効率または生産効率の改善度を、具体的に数値化された改善率によって確認することができ、商材を導入した状態に加えて、商材の導入した際の効果を具体的にイメージできるようになる。
【0175】
本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1の作用について説明する。
【0176】
本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1は、顧客現場に配置可能なクライアント側端末10とサーバ装置20とがネットワーク50を介して接続されて構成されている。
【0177】
クライアント側端末10は、顧客現場において撮影された現場映像を取得する映像取得部102と、現場映像をサーバ装置20へ送信する映像送信部103と、サーバ装置20から送信されたARコンテンツを受信するARコンテンツ受信部104と、現場映像にARコンテンツを合成して現場映像に商材の映像が重畳された合成映像を作成し、ディスプレイ101に表示可能となるよう出力する映像合成/出力部105と、を備える。
【0178】
また、サーバ装置20は、クライアント側端末10から送信された現場映像を受信する映像/操作受信部201と、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データ29cとが現場単位で関連付けられた複数のデータを格納するARサービス用データ格納部203と、現場映像に基づいて、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像の中から現場映像に最も類似した過去現場映像を特定する現場環境特定部202と、現場環境特定部202により特定された過去現場映像に関連付けられている商材の合成用データ29cを用いて、ARコンテンツを作成するAR処理部204と、ARコンテンツをクライアント側端末10へ送信するARコンテンツ送信部205と、を備える。
【0179】
上記の構成によれば、顧客環境からアクセス可能なサーバ装置20に商材のデモ環境を配置し、デモ環境において商材を導入した際の仮想的環境を再現することで、顧客が商材の導入環境をバーチャルに体験できるようになる。特に、デモ環境においてAR/VR技術等を用いて仮想的環境を再現することで、顧客は商材の導入環境を具体的にイメージできるようになるとともに、営業担当者による商材の説明に要する労力および時間を削減でき、営業活動の効率化が実現される。また、過去に導入された商材の配置パターン等に応じて、同一の商材であっても複数の配置パターンに対応する複数の合成用データ29cを準備しておくことで、顧客の現場環境に合わせた適切なARコンテンツを柔軟に提供することができるようになる。さらに、クラウド上のサーバ装置20にデモ環境を配置することで、専用アプリケーション等を必要とせずに簡易なシステム環境で、商材を導入した際の仮想的環境を再現することができる。
【0180】
本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1において、AR処理部204が、現場環境特定部202により特定された過去現場映像に関連付けられている改善率データ29dをARコンテンツに埋め込み、映像合成/出力部105が、商材の映像とともに改善率データ29dを表示する合成映像を作成してもよい。
【0181】
上記の構成によれば、新規顧客環境に商材を導入した場合の業務効率または生産効率の改善率を、商材のARコンテンツとともに表示することができ、これにより、顧客は商材を導入した状態に加えて商材の導入した際の効果を具体的にイメージできるようになる。
【0182】
本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1において、改善率データ29dが、過去に商材が導入された現場において、商材導入前の業務効率または生産効率に対する商材導入後の業務効率または生産効率を示す数値であってもよい。
【0183】
上記の構成によれば、新規顧客環境に商材を導入した場合の業務効率または生産効率の改善率を、具体的な数値によって顧客に提供することができる。
【0184】
本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1において、クライアント側端末10が、商材を指定可能として、指定された商材に関する商材指定情報を出力する操作受付部106を備え、サーバ装置20の現場環境特定部202が、商材指定情報に示される商材に関する過去現場映像の中から現場映像に最も類似した過去現場映像を特定してもよい。
【0185】
上記の構成によれば、顧客が求めている商材を正確に特定して、その商材に関するARコンテンツを提供することができる。
【0186】
本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1は、過去に商材が導入された過去導入実績データを参照して、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データ29cとが関連付けられた現場単位のデータを作成するARサービス用データ作成装置40を有していてもよい。
【0187】
上記の構成によれば、過去に商材が導入された現場ごとの導入実績に基づいて、ARコンテンツの作成に用いられる合成用データ29cを準備することができる。
【0188】
本発明の実施形態におけるコンテンツ処理システム1において、ARサービス用データ作成装置40が、特定の現場において商材を導入する前の業務効率または生産効率を示す数値データである導入前データ39a3と、特定の現場において商材を導入した後の業務効率または生産効率を示す数値データである導入後データ39a4と、に基づいて、特定の現場において商材導入前の業務効率または生産効率に対する商材導入後の業務効率または生産効率を示す数値である改善率データ29dを算出してもよい。
【0189】
上記の構成によれば、商材とともに表示可能な改善率データ29dを導入前データ39a3および導入後データ39a4に基づいて算出し、過去の商材導入実績に係る具体的かつ正確な改善率データ29dを顧客に提供することができる。
【0190】
また、本発明の実施形態におけるコンテンツ処理方法は、顧客現場に配置可能なクライアント側端末10とサーバ装置20とがネットワーク50を介して接続されたコンテンツ処理システム1におけるコンテンツ処理方法である。このコンテンツ処理方法は、クライアント側端末10が、顧客現場において撮影された現場映像を取得する映像取得ステップ(ステップS11)と、クライアント側端末10が、現場映像をサーバ装置20へ送信する映像送信ステップ(ステップS13)と、サーバ装置20が、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像と商材の合成用データ29cとが現場単位で関連付けられた複数のデータを参照して、現場映像に基づいて、過去に商材が導入された現場を撮像した過去現場映像の中から現場映像に最も類似した過去現場映像を特定する現場環境特定ステップ(ステップS32)と、サーバ装置20が、現場環境特定ステップで特定した過去現場映像に関連付けられている商材の合成用データ29cを用いて、ARコンテンツを作成するARコンテンツ作成ステップ(ステップS35)と、サーバ装置20が、ARコンテンツをクライアント側端末10へ送信するコンテンツ送信ステップ(ステップS36)と、クライアント側端末10が、現場映像にサーバ装置20から受信したARコンテンツを合成して現場映像に商材の映像が重畳された合成映像を作成する映像合成ステップ(ステップS42)と、クライアント側端末10が、映像合成ステップで作成した合成映像をディスプレイ101に表示可能となるよう出力する映像出力ステップ(ステップS43)と、を有する。
【0191】
上記の処理によれば、顧客環境からアクセス可能なサーバ装置20に商材のデモ環境を配置し、デモ環境において商材を導入した際の仮想的環境を再現することで、顧客が商材の導入環境をバーチャルに体験できるようになる。特に、デモ環境においてAR/VR技術等を用いて仮想的環境を再現することで、顧客は商材の導入環境を具体的にイメージできるようになるとともに、営業担当者による商材の説明に要する労力および時間を削減でき、営業活動の効率化が実現される。また、クラウド上のサーバ装置20にデモ環境を配置することで、専用アプリケーション等を必要とせずに簡易なシステム環境で、商材を導入した際の仮想的環境を再現することができる。
【0192】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例および設計変更等をその技術的範囲に包含するものである。
【符号の説明】
【0193】
1 コンテンツ処理システム
10 クライアント側端末
10a、20a、30a、40a バス
11、21、31、41 プロセッサ
12、22、32、42 メモリ
13、23、33、43 通信部
14、24、34、44 操作入力部
15、25、35、45 モニタ
16 マイク
17 カメラ
18、28、38、48 ストレージ
18a Webブラウザプログラム
18b 映像取得プログラム
18c 映像送信プログラム
18d ARコンテンツ受信プログラム
18e 映像合成/出力プログラム
18f 操作受付プログラム
19a 音声データ
19b 映像データ
20 サーバ装置
28a Webサーバプログラム
28b ARサービスプログラム
28c 映像受信プログラム
28d 現場環境特定プログラム
28e AR処理プログラム
28f ARコンテンツ送信プログラム
28g 指定情報受信プログラム
29a 商材識別情報
29b 過去現場特徴データ
29c 合成用データ
29d 改善率データ
30 データベース管理システム
38a データベース管理プログラム
39a 顧客データベース
39a1 顧客情報
39a2 過去現場映像データ
39a3 導入前データ
39a4 導入後データ
39b 商材データベース
39b1 商材情報
39b2 商材グラフィックスデータ
40 ARサービス用データ作成装置
48a 過去現場特徴データ作成プログラム
48b 合成用データ作成プログラム
48c 改善率データ作成プログラム
50 ネットワーク
101 ディスプレイ
102 映像取得部
103 映像送信部
104 ARコンテンツ受信部
105 映像合成/出力部
106 操作受付部
201 映像/操作受信部
202 現場環境特定部
203 ARサービス用データ格納部
204 AR処理部
205 ARコンテンツ送信部
206 指定情報受信部
301 データベース管理部
401 過去現場特徴データ作成部
402 合成用データ作成部
403 改善率データ作成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13