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  • 特開-卵パック 図1
  • 特開-卵パック 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161855
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】卵パック
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/32 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
B65D85/32 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072462
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】315014567
【氏名又は名称】島工業HD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土田 実
【テーマコード(参考)】
3E096
【Fターム(参考)】
3E096AA09
3E096BA26
3E096BB09
3E096CA06
3E096CB10
3E096DA13
3E096DB10
3E096DC01
3E096EA02X
3E096FA09
3E096FA40
3E096GA04
(57)【要約】
【課題】卵の賞味期限などの表示を常に確認できるようにすること。
【解決手段】底板13と蓋板14とよりなる卵パック11の蓋板14の開閉側の部分には、ミシン目21が形成されている。このミシン目21によって区画された部分に表示片22が形成されている。この表示片22に賞味期限の表示が施されている。卵を卵パック11から冷蔵庫の卵収容部に移し替えるときには、表示片22をミシン目21の部分において蓋板14から切り離す。卵を移し替えた後は、切り離した表示片22をその卵収容部に立て掛けたり、卵収容部と冷蔵庫内壁との間に挟んでおいたりすれば、卵の賞味期限をひと目で認識できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容される卵の属性を表示した表示部を外壁シートの一部に設け、その表示部を分離可能にした卵パック。
【請求項2】
前記表示部をミシン目によって区画して、前記表示部をミシン目の部分において分離可能にした請求項1に記載の卵パック。
【請求項3】
表示された前記卵の属性は賞味期限である請求項1または2に記載の卵パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鶏卵など卵を収容するための卵パックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、鶏卵(以下、単に卵という)は、透明な合成樹脂シートよりなる卵パックに収容されて販売されることが多い。この場合、卵の産卵年月日や賞味期限の表示が設けられる。
【0003】
特許文献1には、産卵年月日を卵に対して直接印字するという旨が開示されている。
特許文献2には、卵パックの外側に対して、賞味期限を記載したラベルを貼り付けるという内容が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-14490号公報
【特許文献2】特開2021-172399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、特許文献1のように、すべての卵に印字することは、手間がかかる上に、卵の向きや位置によっては、印字を見ることができない。
また、卵が冷蔵庫の卵収納部に移し替えられた後、卵パックは廃棄されるのが普通である。従って、特許文献2のような場合は、賞味期限を確認できない。
【0006】
それ以外に、賞味期限が記載された紙片を卵パック内に収容することが一般に実施されている。この場合、紙片を紛失しやすい上に、紙片を冷蔵庫の卵収容部に置いたとしても、扉の開閉によってその紙片が飛散したり、動いたりするため、紙片を冷蔵庫内の一箇所に置いておくことも難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の卵パックにおいては、収容される卵の属性を記載した表示部を外壁シートの一部に設け、その表示部を分離可能にしたことを特徴とする。
以上の構成においては、冷蔵庫の卵収容部への卵の移し替えに際して、賞味期限などが記載された表示部を分離することができる。そして、その表示部を冷蔵庫の卵収容部に立てて置くことができる。従って、卵の賞味期限などを常に確認できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、卵を冷蔵庫の卵収納部に移し替えた後であっても、卵の賞味期限などを常に確認できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】卵パックの斜視図。
図2】分離された表示片の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
本発明を具体化した卵パックの実施形態を図面に基づいて説明する。
〈実施形態の構成〉
図1に示すように、卵パック11は、全体が成形された外壁シートよりなる。外壁シートには、ヒンジ12を介して底板13と蓋板14とが一体形成されている。底板13の複数箇所には卵の下半部を収容するための複数の収容部15が形成されている。蓋板14には、収容部15上の卵の上半部を覆うために各収容部15と対をなす複数のカバー部16が形成されている。底板13に対して蓋板14が閉じられた状態において、底板13及び蓋板14の開閉側のフランジ(図1において蓋板14側のフランジ14aのみが見えている)間は粘着テープよりなる封止テープ17によって封止保持される。
【0011】
図1及び図2に示すように、蓋板14の開閉側の部分の一部には、両端をフランジ14aの端縁に位置させるとともに、分離可能にした部分としてのミシン目21が形成されている。このミシン目21によって区画された部分が表示部としての表示片22になっており、この表示片22には卵の属性の表示として賞味期限の表示が施されている。
【0012】
〈実施形態の作用及び効果〉
そして、卵を卵パック11から冷蔵庫の卵収容部に移し替えるときには、図2に示すように、表示片22をミシン目21の部分において蓋板14から切り離す。卵を移し替えた後は、切り離した表示片22を卵収容部に立て掛けたり、卵収容部と冷蔵庫内壁との間に挟んでおいたりすれば、卵の賞味期限をひと目で認識できる。
【0013】
また、冷蔵庫の卵収容部において、1つの卵パック11分の卵の収容領域の隣の領域に、別の卵パック11の卵を収容する場合は、両領域の境界の部分に表示片22を設置すればよい。このようにすれば、賞味期限の異なる卵が混在したり、賞味期限が不明になったりしたりすることを防止できる。
【0014】
本実施形態においては、以下の効果がある。
(1)卵の移し替え時に、表示片22を分離して冷蔵庫の卵収容部に設置できて、卵の賞味期限を適切に認識できる。
【0015】
(2)そして、分離された表示片22は、卵パック11と一体であるため、紙片とは異なって適度の剛性がある。従って、適当箇所に立て掛けることができるとともに、冷蔵庫の扉の開閉によって飛散したり、移動したりすることを回避できる。このため、賞味期限を常に認識できる。
【0016】
(3)表示片22が卵パック11と一体であるため、表示片22の紛失を回避できる。
(4)賞味期限の表示が卵に記載されているものではないため、賞味期限の表示記載が容易である。
【0017】
(変更例)
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、以下のような態様で具体化できる。
・鶏卵だけではなく、鶉などの卵の卵パックにも本発明を適用すること。
【0018】
・表示片22に対する卵の属性の表示を賞味期限だけではなく、産卵年月日、卵の産地、鶏の種類など、実施形態とは異なる表示にすること。
・表示片22を底板13に設けること。
【0019】
(他の技術的思想)
前記実施形態から把握される技術的思想は以下の通りである。
(A)カバーは、ヒンジを介して開閉可能に一体化された底板と蓋板とよりなり、表示片は蓋板に形成された請求項3に記載の卵パック。
【0020】
(B)カバーは、ヒンジを介して開閉可能に一体化された底板と蓋板とよりなり、表示片は底板に形成された請求項3に記載の卵パック。
【符号の説明】
【0021】
11…卵パック
13…底板
14…蓋板
21…ミシン目
22…表示片
図1
図2