(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161856
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、ユーザインターフェース選択方法、プログラム、及びユーザインターフェース管理サーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20231031BHJP
【FI】
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072466
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】梁川 哲生
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA59
5E555AA72
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA46
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC17
5E555BC20
5E555CC03
5E555DA01
(57)【要約】
【課題】複数のコンテンツを切り替えて表示させる場合に、プライバシーの保護を図るとともに、ユーザの属性に合った適切なユーザインターフェースを提供すること。
【解決手段】情報処理装置10は、共通の表示枠17aに複数のコンテンツを切り替えて表示させる表示制御部22と、異なる複数のユーザ属性定義情報とユーザインターフェースに関する複数のUIルールとがそれぞれ関連付けられたUI定義情報を取得する情報取得部32と、複数のコンテンツに対するユーザの過去の利用履歴とユーザ属性定義情報とに基づいて、ユーザ属性を特定するユーザ属性特定部33と、特定されたユーザ属性に合致するUIルールをUI定義情報から特定するUIルール特定部36とを備えている。表示制御部22は、特定されたUIルールに応じて表示を行う。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の表示領域に複数のコンテンツを切り替えて表示させる表示制御部と、
異なる複数のユーザ属性定義情報とユーザインターフェースに関する複数のUIルールとがそれぞれ関連付けられたUI定義情報を取得する情報取得部と、
複数の前記コンテンツに対するユーザの過去の利用履歴と前記ユーザ属性定義情報とに基づいて、ユーザ属性を特定するユーザ属性特定部と、
特定された前記ユーザ属性に合致するUIルールを前記UI定義情報から特定するUIルール特定部と、
を備え、
前記表示制御部は、特定された前記UIルールに応じて表示を行う情報処理装置。
【請求項2】
各前記UIルールは、ルール適用確率が関連付けられており、
前記ルール適用確率に基づいて、前記ユーザ属性に対応する前記UIルールを適用するか否かを判定するルール適用判定部を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、複数のルール項目の各々に対して前記UI定義情報が登録された統合UI定義情報を取得し、
前記ユーザ属性特定部は、前記ルール項目毎に前記ユーザ属性を特定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の前記ルール項目には、前記コンテンツに関する表示画像デザイン、各前記コンテンツの表示頻度、及び通知頻度の少なくとも一つが含まれている請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示領域に表示された複数の前記コンテンツに対するユーザの利用履歴に関する統計情報を送信する送信部を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
共通の表示領域に複数のコンテンツを切り替えて表示させる場合に適用されるユーザインターフェース選択方法であって、
異なる複数のユーザ属性定義情報とユーザインターフェースに関する複数のUIルールとがそれぞれ関連付けられたUI定義情報を取得する工程と、
複数の前記コンテンツに対するユーザの過去の利用履歴と前記ユーザ属性定義情報とに基づいて、ユーザ属性を特定する工程と、
特定された前記ユーザ属性に合致するUIルールを前記UI定義情報から特定する工程と、
特定された前記UIルールに応じて前記コンテンツの表示を行う工程と、
をコンピュータが実行するユーザインターフェース選択方法。
【請求項7】
コンピュータに請求項6に記載のユーザインターフェース選択方法を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
共通の表示領域に複数のコンテンツを切り替えて表示させる機能を備える情報処理装置に対して、異なる複数のユーザ属性定義情報とユーザインターフェースに関する複数のUIルールとがそれぞれ関連付けられたUI定義情報を送信する送信部と、
前記情報処理装置から複数の前記コンテンツに関するユーザの利用履歴に関する統計情報を受信する受信部と、
受信した前記統計情報に基づいて、前記UI定義情報を変更する変更部と
を備えるユーザインターフェース管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、ユーザインターフェース選択方法、プログラム、及びユーザインターフェース管理サーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートPCやタブレット端末等の情報処理装置が備える表示画面の一部に、複数のインターネット上のサービスコンテンツ(例えば、「天気」、「カレンダー」、「最新のニュース」、「映画」、「音楽」等)を自動的に順次切り替えて表示させるアプリケーションが提案されている。このようなアプリケーションの一つとして、例えば、NECパーソナルコンピュータ株式会社が提供する「インフォボード」が知られている。
【0003】
また、従来、ユーザの嗜好や特性に合わせてユーザインターフェース(UI)を最適化する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ユーザが事前にサーバに登録したユーザのプロファイルに基づいてUIを変更する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-173223号公報
【特許文献2】特開2020-156001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インターネット上で複数のコンテンツを切り替えて表示するようなアプリケーションでは、これらコンテンツは、コンテンツ毎に提供会社(サービスサーバ)が異なる。各コンテンツを提供するそれぞれのサービスサーバは、プライバシーを保護する必要性から、自身が提供するコンテンツ内においてのみユーザの利用状況を把握することができる。例えば、天気のコンテンツとニュースのコンテンツとを切り替えて表示する場合を想定すると、天気のコンテンツを配信するサービスサーバは、天気のコンテンツにおけるユーザの利用状況(例えば、クリック率等)を把握できるが、ニュースのコンテンツにおけるユーザの利用状況は把握できない。これは、ニュースのコンテンツを配信するサービスサーバにおいても同様である。
【0006】
このように、従来は、サービスサーバ(コンテンツ配信サーバ)は、自身が配信するコンテンツに関連するユーザの利用状況しか把握できない。このため、ユーザの属性を推定するのに用いるデータ量が乏しく、例えば、閲覧者による最終的な選択や、他者の利用動向からAI等を用いた数学的な推論を行う必要があった。しかしながら、数学的な推論は推論でしかなく、本人自身のデータ量が少ないため信頼性に乏しく、ユーザの属性を正確に推定することが難しかった。このため、各サービスサーバは、ユーザに適切なUIを提供することが難しいという問題があった。
【0007】
また、コンテンツ内においてのみユーザの利用状況を把握し、数学的な穴埋めをするためには、各サービス提供側はユーザを特定し、サービスサーバ上に多人数のデータを収集する必要がある。しかしながら、この方法は、各サービス提供側がユーザの行動履歴を監視することやサーバ情報が事故的に漏洩することで個人情報がユーザの意図しない第三者に利用されるということにつながり、プライバシポリシーを保護する観点からも問題となっていた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数のコンテンツを切り替えて表示させる場合に、プライバシーの保護を図るとともに、ユーザの属性に合った適切なユーザインターフェースを提供することのできる情報処理装置、ユーザインターフェース選択方法、プログラム、及びユーザインターフェース管理サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一態様は、共通の表示領域に複数のコンテンツを切り替えて表示させる表示制御部と、異なる複数のユーザ属性定義情報とユーザインターフェースに関する複数のUIルールとがそれぞれ関連付けられたUI定義情報を取得する情報取得部と、複数の前記コンテンツに対するユーザの過去の利用履歴と前記ユーザ属性定義情報とに基づいて、ユーザ属性を特定するユーザ属性特定部と、特定された前記ユーザ属性に合致するUIルールを前記UI定義情報から特定するUIルール特定部と、を備え、前記表示制御部は、特定された前記UIルールに応じて表示を行う情報処理装置である。
【0010】
本発明の第二態様は、共通の表示領域に複数のコンテンツを切り替えて表示させる場合に適用されるユーザインターフェース選択方法であって、異なる複数のユーザ属性定義情報とユーザインターフェースに関する複数のUIルールとがそれぞれ関連付けられたUI定義情報を取得する工程と、複数の前記コンテンツに対するユーザの過去の利用履歴と前記ユーザ属性定義情報とに基づいて、ユーザ属性を特定する工程と、特定された前記ユーザ属性に合致するUIルールを前記UI定義情報から特定する工程と、特定された前記UIルールに応じて前記コンテンツの表示を行う工程と、をコンピュータが実行するユーザインターフェース選択方法である。
【0011】
本発明の第三態様は、コンピュータに上記ユーザインターフェース選択方法を実行させるためのプログラムである。
【0012】
本発明の第四態様は、共通の表示領域に複数のコンテンツを切り替えて表示させる機能を備える情報処理装置に対して、異なる複数のユーザ属性定義情報とユーザインターフェースに関する複数のUIルールとがそれぞれ関連付けられたUI定義情報を送信する送信部と、前記情報処理装置から複数の前記コンテンツに関するユーザの利用履歴に関する統計情報を受信する受信部と、受信した前記統計情報に基づいて、前記UI定義情報を変更する変更部とを備えるユーザインターフェース管理サーバである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プライバシーの保護を図るとともに、ユーザの属性に合った適切なユーザインターフェースを提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るUI管理サーバと、情報処理装置とを接続するネットワーク構成の一例を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るUI管理サーバのハードウェア構成の一例を概略的に示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るUI管理サーバが備える機能の一例を示した機能構成図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を概略的に示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理装置が備えるマルチコンテンツ提供機能の一例を示した機能構成図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る統合UI定義情報の一構成例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る統合UI定義情報の具体例を示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るUI管理サーバ及び情報処理装置によって実行されるUI選択方法の手順の一例について示したフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係るUI管理サーバ及び情報処理装置によって実行されるUI選択方法の手順の一例について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る情報処理装置、ユーザインターフェース選択方法、プログラム、及びユーザインターフェース管理サーバの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、ユーザインターフェース管理サーバ(以下「UI管理サーバ」という。)50と、情報処理装置10とを接続するネットワーク構成の一例を示した図である。
図1に示すように、UI管理サーバ50と情報処理装置10とは、ネットワークを介して相互に情報の授受が可能な構成とされている。
図1において、情報処理装置10は、3台示されているが、接続台数はこれに限られない。
【0017】
情報処理装置10は、例えば、ノートPC、デスクトップ型PC、タブレット端末、スマートフォン等である。情報処理装置10は、表示画面の一部に複数のコンテンツ(例えば、「天気」、「カレンダー」、「最新のニュース」、「映画」、「音楽」等)を自動的に順次切り替えて表示させる機能を有している。
【0018】
UI管理サーバ50は、いわゆるコンピュータであり、
図2に示すように、CPU51、主記憶装置(Main Memory)52、二次記憶装置(Secondary storage:メモリ)53、及び通信インターフェース55を備えている。更に、UI管理サーバ50は、入力部56及び表示部57等を備えていてもよい。入力部56及び表示部57は、離れた場所に設けられており、ネットワークを介してUI管理サーバ50と接続されることにより、各種入力操作やデータの表示が可能な構成とされていてもよい。なお、サーバの構成については、公知の構成であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0019】
図3は、本実施形態に係るUI管理サーバ50が備える機能の一例を示した機能構成図である。後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置53などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)51が主記憶装置52に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置53に予めインストールされている形態や、他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0020】
図3に示すように、UI管理サーバ50は、例えば、定義情報記憶部61、送信部62、受信部63、統計情報記憶部64、変更部65、及び入力部66を備えている。
定義情報記憶部61には、統合UI定義情報が格納されている。この統合UI定義情報の詳細は後述する。
【0021】
送信部62は、情報処理装置10に対して、統合UI定義情報を送信する。
受信部63は、情報処理装置10から複数のコンテンツに関するユーザの利用履歴に関する統計情報を受信し、受信した統計情報を統計情報記憶部64に格納する。
【0022】
変更部65は、統計情報記憶部64に格納された統計情報に基づいて、定義情報記憶部61に格納されている統合UI定義情報を変更する。例えば、変更部65は、統計情報だけでなく、統計情報を用いて利用頻度(CTR:Click Through Rate)等の追加指標を作成し、これらの情報を用いて統合UI定義情報を変更する。更に、変更部65は、ユーザ属性定義情報に紐づけられるユーザ属性定義条件等を変更してもよい。
入力部66は、管理者が新たな統合UI定義情報を作成したり、定義情報記憶部61に格納されている統合UI定義情報を変更したりするときに利用される。
【0023】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を概略的に示した図である。
図4に示すように、情報処理装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、主記憶装置(Main Memory)12、二次記憶装置(Secondary storage:メモリ)13、外部インターフェース14、通信インターフェース15、入力部16、表示部17等を備えている。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており互いに連携して各種処理を実行する。
【0024】
CPU11は、例えば、バスを介して接続された二次記憶装置13に格納されたOS(Operating System)により情報処理装置10全体の制御を行うとともに、二次記憶装置13に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU11は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
【0025】
主記憶装置12は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU11の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0026】
二次記憶装置13は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置13は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置13の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置13は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置13には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置13は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置13に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
【0027】
外部インターフェース14は、外部機器と接続するためのインターフェースである。外部機器の一例として、外部モニタ、USBメモリ、外付けHDD、外付けカメラ等が挙げられる。なお、
図3に示した例では、外部インターフェースは、1つしか図示されていないが、複数の外部インターフェースを備えていてもよい。
【0028】
通信インターフェース15は、ネットワークに接続して他の装置と通信を行い、情報の送受信を行うためのインターフェースとして機能する。例えば、通信インターフェース15は、有線又は無線により他の装置と通信を行う。無線通信として、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、移動通信システム(3G、4G、5G、6G、LTE等)、無線LANなどの回線を通じた通信が挙げられる。有線通信の一例として、有線LAN(Local Area Network)などの回線を通じた通信が挙げられる。
【0029】
入力部16は、例えば、キーボード、タッチパッド、ポインティングデバイス等である。ポインティングデバイスの一例として、マウス、タッチパネル、ペンタブレット、トラックパッド、トラックボールなどが挙げられる。
表示部17は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
【0030】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置10が備えるマルチコンテンツ提供機能の一例を示した機能構成図である。
【0031】
後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、マルチコンテンツ提供アプリケーション)の形式で二次記憶装置13などに記憶されており、このプログラムをCPU11が主記憶装置12に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置13に予めインストールされている形態や、他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0032】
図5に示すように、情報処理装置10は、マルチコンテンツ提供部20を備える。
マルチコンテンツ提供部20は、表示部17に設けられた共有の表示枠(表示領域)17aに、複数のコンテンツを切り替えて順次表示させる。表示枠17aは、表示部17が備える表示画面の一部に設けられていても良いし、全画面領域を対象として設けられていてもよい。
【0033】
また、表示枠17aはコンテンツのみでなく、ユーザがコンテンツの変更、表示枠17aの非表示等の入力操作を行うための操作用のUI機能やコンテンツ自体とは別に、ユーザにメッセージを通知する機能等を有している。
表示枠17aの大きさは、ユーザが任意に設定及び変更できるように構成されている。マルチコンテンツ提供部20は、各コンテンツを提供する際に、ユーザの属性に応じて、より適切なUIを提供できるように、UI選択部30を備えている。
【0034】
具体的には、マルチコンテンツ提供部20は、コンテンツ記憶部21、表示制御部22、及びUI選択部30を備えている。
【0035】
コンテンツ記憶部21には、表示枠17aに表示させる複数のコンテンツが格納されている。例えば、表示枠17aに表示可能なコンテンツの種類は予め設定されており、これらの中から表示枠17aに表示させるコンテンツの種類をユーザが適宜選択できるような構成とされている。表示枠17aに表示可能なコンテンツの種類として、例えば、「ニュース」、「天気」、「株価」、「カレンダー」、「時刻」等が挙げられる。なお、表示枠17aに表示させるコンテンツの種類や設定方法等については上記例に限定されない。
【0036】
コンテンツ記憶部21に格納されるコンテンツは、例えば、図示しないコンテンツ取得部によって、所定のタイミングで取得される。コンテンツ取得部は、各コンテンツを配信するサービスサーバ(図示略)からコンテンツを取得し、コンテンツ記憶部21内のコンテンツを随時更新する。例えば、コンテンツ取得部は、所定のタイミングで、ニュースを配信するニュース配信サーバ、天気情報を配信する天気配信サーバ等にネットワークを介してアクセスし、ニュースコンテンツ及び天気コンテンツを取得する。なお、コンテンツの取得タイミングは、各コンテンツによって異ならせても良いし、同期させてもよい。コンテンツは一般的なWEBで利用されているURLアドレスといった形式でも良く、表示枠17aに表示するタイミングでURLアドレスが示した表示用のコンテンツを取得しても良い。
【0037】
表示制御部22は、表示枠17aにコンテンツ記憶部21に格納されている複数のコンテンツを順次切り替えて表示させる。表示制御部22は、UI選択部30によって特定されたUIルールに基づいて表示を行う。
【0038】
UI選択部30は、利用履歴記憶部31、情報取得部32、ユーザ属性特定部33、ルール適用判定部34、UI詳細情報記憶部35、UIルール特定部36、利用状況集計部37、及び送信部38を備えている。
【0039】
利用履歴記憶部31は、表示枠17aに表示された各コンテンツに対するユーザの利用履歴を記録する。例えば、利用履歴記憶部31には、当該アプリケーション(マルチコンテンツ提供アプリケーション)を起動させた回数、表示枠17aに表示された各コンテンツに対しての表示数やユーザがクリックした回数などが格納される。
【0040】
情報取得部32は、後述するUI管理サーバ50から統合UI定義情報を取得する。統合UI定義情報は、表示制御部22が各コンテンツを表示枠17aに表示させるときに適用するユーザインターフェースの定義が規定された情報である。
【0041】
図6は、統合UI定義情報の構成例を示した図である。
図6に示すように、統合UI定義情報には、例えば、複数のルール項目の各々に対してUI定義情報が設定されている。ルール項目の一例として、「コンテンツの表示画像デザインの変更」、「コンテンツの表示頻度の変更」、「通知頻度の変更」等が挙げられる。なお、例えば、これら3つのルール項目のうち、少なくとも一つがルール項目として設定されるとよい。
【0042】
図6に示すように、例えば、ルール項目「1」に対して実施する行為の定義を示すUI定義情報DS1が登録されている。また、ルール項目「2」に対してUI定義情報DS2が登録されている。また、各UI定義情報は、例えば、異なる複数のユーザ属性定義情報PFとユーザインターフェースに関する複数のUIルールPTとがルールID毎に関連付けられて登録されている。また、UI定義情報には、ユーザ属性定義情報に関連付けられてルール適用確率が登録されていてもよい。
【0043】
例えば、
図6に例示したUI定義情報DS1では、ルール適用確率として「1/2」が登録されている。これは、1/2の確率で当該UIパターンを適用するという意味である。ルール適用確率を設定することで、属性情報に合致したユーザのうち適用確率に応じた割合のユーザに対して、UI定義情報で定義されたUIルールを適用することが可能となる。なお、各UI定義情報において、ルール適用確率の合計が1以下であれば、UIルールID毎に異なるルール適用確率を設定することが可能である。
【0044】
例えば、
図6のUI定義情報DS1では、ルール適用確率をいずれも「1/2」としているが、これを「1/3」と「2/3」に設定することも可能である。また、
図6に例示したUI定義情報DS2では、ルール適用確率として「1/4」が登録されている。これらのルール適用確率の合計は、3/4であり、1以下である。この場合、残りの1/4は、UI定義情報に従わないことになる。
これにより、UI定義情報に従ったときと従わないとき、また、UIルールの適用確率毎にユーザの利用状況を比較することができる。
【0045】
図7は、統合UI定義情報の具体例を示した図である。
図7に例示した統合UI定義情報では、3つのUI定義情報DS3、DS4、DS5が示されている。これらのUI定義情報のルール項目として、「ニュースの表示画像デザインの変更」、「コンテンツの表示頻度の変更」、「通知の表示頻度の変更」が登録されている。なお、これらルール項目は一例であり、この例に限られない。
【0046】
UI定義情報DS3は、ルール項目「ニュースの表示画像デザインの変更」に関するものであり、ユーザ属性定義情報として、「よくニュースを見る人」、「あまりニュースを見ない人」が設定されている。更に、ユーザ属性定義情報には、当該属性情報に該当するか否かを判定するための判定条件が詳細情報として登録されている。例えば、「よくニュースを見る人」であれば、「ニュースコンテンツを1日に3回以上クリックする」等の判定条件が登録されている。また、ルール適用確率として、「1/2」が設定されている。また、UIルールとして「ニュースデザインA」、「ニュースデザインB」が登録されている。これにより、例えば、よくニュースを見るユーザについては、1/2のうちの確率で、ニュースデザインAに対応付けられた画像デザインパターン1でニュースコンテンツが表示枠17aに表示されることとなる。
なお、ここでは、ニュースコンテンツを例示しているが、統合UI定義情報には、ニュース以外のコンテンツのそれぞれについて、同様にUI定義情報が登録されていてもよい。例えば、「天気の表示画像デザインの変更」、「映画情報の表示画像デザインの変更」といったサービス毎に特有のデザインに対してUI定義情報を登録してもよい。
【0047】
UI定義情報DS4は、ルール項目「コンテンツの表示頻度の変更」に関するものであり、ユーザ属性定義情報として「アプリを頻繁に利用している人」、「アプリをあまり利用していない人」が設定されている。更に、ユーザ属性定義情報には、当該属性情報に該当するか否かを判定するための判定条件が詳細情報として登録されている。例えば、「アプリを頻繁に利用している人」であれば、「表示枠17aに表示されたコンテンツを一日に5回以上クリックする」等の判定条件が登録されている。また、ルール適用確率として、「1/2」が設定されている。また、UIルールとして「人気が高いコンテンツの表示頻度を上げる」、「均等に表示する」が登録されている。これにより、例えば、アプリ(マルチコンテンツ提供アプリケーション)を頻繁に利用しているユーザについては、1/2のうちの確率で、人気が高いコンテンツの表示頻度を上げるUIルールが適用されることとなる。
ここで、人気が高いコンテンツについては、UI管理サーバ50が各情報処理装置10から収集した統計情報に基づいて、例えばコンテンツのクリック数の合計等を比較して決定する。
【0048】
UI定義情報DS5は、ルール項目「通知の表示頻度の変更」に関するものであり、ユーザ属性定義情報として「通知が気にならない人でアプリケーションを操作する人」「通知が気にならない人でアプリケーションを操作しない人」、「通知が気になる人」が設定されている。また、ルール適用確率として、「1/3」が設定されている。また、UIルールとして「よく利用しているコンテンツ情報の通知を毎日出す」「あらかじめ用意したおすすめの通知を毎日出す」、「1週間に1回だけ、あらかじめ用意したおすすめの通知を出す」が登録されている。これにより、例えば、通知が気にならないユーザについては、2/3の確率で、毎日通知が出され、さらにアプリを利用する人としない人でそのうちの半数毎のUIルールが適用されることとなる。
【0049】
ユーザ属性特定部33は、統合UI定義情報に登録されているユーザ属性定義情報(具体的には、詳細情報として登録されている属性判定条件)と利用履歴記憶部31に格納されている過去の利用履歴とに基づいて、UI定義情報毎にユーザの属性を特定する。これにより、
図7に例示した統合UI定義情報では、UI定義情報DS3、DS4、SD5のそれぞれについて、ユーザの属性が特定される。例えば、「アプリを頻繁に利用している人」であれば、「表示枠17aに表示されたコンテンツを一日に5回以上クリックする」等の判定条件が登録されており、「よくニュースを見る人」であれば、「表示枠17aに表示されたニュースコンテンツを一日に5回以上クリックする」等の判定条件が登録されている。また、「通知が気になる人」であれば、「表示枠17aに表示されたニュースコンテンツを一日に5回以上クリックする」等の判定条件が登録されている。
【0050】
ルール適用判定部34は、ユーザ属性特定部33によって特定された属性に対応するルール適用確率に基づいて、UIルールを適用するか否かを判定する。例えば、統合UI定義情報には、ルール適用確率の詳細情報として、ルール適用確率に応じた数の仮想端末IDが登録されている。
【0051】
例えば、適用確率が「1/2」である場合、0から255までの仮想端末IDのうち、半分に当たる128個の仮想端末IDが予め登録されている。番号の登録方法は手動で指定しても自動的に半分の値である258番までが指定されるような構成とされてもよい。
【0052】
ルール適用判定部34は、0~255の中から1つの仮想端末IDをランダムで選択し、これを当該端末(情報処理装置10)の仮想端末IDとして登録する。例えば、0~255の場合、1/256の確率で番号が選択される。実際は、数万以上の端末のそれぞれが256個の番号から確率的に一つの仮想端末IDを選択して登録することから、同じ仮想端末IDを有する端末(情報処理装置10)は、多数存在することとなる。したがって、個々の端末を特定することはできず、その意味でも、ユーザのプライバシーが保護される。
【0053】
ルール適用判定部34は、当該端末に割り当てられた仮想端末IDがルール適用確率の詳細情報として予め登録されている仮想端末IDと一致する場合に、UIルールを適用すると判定する。統合UI定義情報において半数を登録しているので、多数の情報処理装置10において1/2の確率で適用されることになる。また、ルール適用判定部34は、稼働端末IDが一致しなければUIルールを適用しないと判定する。これにより、当該ユーザに対して確率的にUIルールを適用するか否かが決定される。
【0054】
UI詳細情報記憶部35には、各UIルールを実現するために必要となる詳細情報が格納されている。
例えば、ルール項目「ニュースの表示画像デザインの変更」に関しては、各デザインパターンが格納されている。
例えば、ルール項目「コンテンツの表示頻度の変更」に関しては、各コンテンツの表示割合を規定したパラメータが格納されている。例えば、人気のあるコンテンツの表示頻度を他のコンテンツの表示頻度に比べて高くするために必要となるパラメータが格納されている。例えば、「ニュース」、「天気」、「株価」を切り替えて表示させる場合に、「ニュース」の人気が高かった場合、「ニュース」を表示させる割合を40%、「天気」を表示させる割合を30%、「株価」を表示させる割合を30%とするパラメータが登録されている。
例えば、ルール項目「通知の表示頻度の変更」に関しては、通知頻度に関するパラメータ及び各デザインパターンが格納されている。
【0055】
UI詳細情報記憶部35に格納されているこれら詳細情報は、情報処理装置10がUI管理サーバ50にアクセスし、UI管理サーバ50から取得した情報である。例えば、統合UI定義情報を受信したタイミングで、UI管理サーバ50にアクセスし、統合UI定義情報に対応するUI詳細情報を取得することとしてもよい。また、詳細情報は、統合UI定義情報に紐づけられて統合UI定義情報とともに受信する構成としてもよい。
【0056】
UIルール特定部36は、ユーザ属性特定部33によって特定されたユーザ属性及びルール適用判定部34によるUIルールの適用結果に基づいて、対応するUIルールを特定する。そして、特定したUIルールに対応する詳細情報をUI詳細情報記憶部35から取得し、表示制御部22に出力する。これにより、UIルール特定部36によって特定されたUIルールに従ったコンテンツ表示等が行われる。
【0057】
利用状況集計部37は、所定のタイミングで利用履歴記憶部31に格納されている利用履歴から各コンテンツの利用状況及び全てのコンテンツを統合した利用状況を集計し、集計した情報を統計情報として送信部38に出力する。例えば、利用状況集計部37は、1日毎に各コンテンツに対する表示数、ユーザのクリック数、全てのコンテンツに対する表示数、クリック数の総数等を出力する。ここで、説明の便宜上、本実施形態では、一例として、1日毎にこれらの集計を行うこととしたが、この期間は一例であり、統計情報が適用期間中に計測される限り、特に限定されない。例えば、数時間毎に集計をしてもよいし、1日よりも長い時間間隔で集計を行うこととしてもよい。
送信部38は、統計情報と、自身に割り振られている仮想端末IDとを関連付けてUI管理サーバ50に送信する。
【0058】
次に、本実施形態に係るUI管理サーバ50及び情報処理装置10のUI選択部30によって実行されるUI選択方法の手順の一例について
図8及び
図9を参照して説明する。
【0059】
まず、UI管理サーバ50は、統合UI定義情報を設定するとともに、その統合UI定義情報に適用期間を設定する(SA1)。更に、統合UI定義情報に設定したUIルールを実現するために必要なデータである詳細情報を作成する(SA2)。ここで、統合UI定義情報及びその詳細情報及び適用期間は、例えば、入力部66を介して管理者により設定されたものでもよいし、既存の統合UI定義情報を変更部65が変更したものでもよい。
続いて、UI管理サーバ50は、これら統合UI定義情報及びその詳細情報と適用期間とを関連付けて情報処理装置10に送信する(SA3)。
【0060】
情報処理装置10は、統合UI定義情報等を受信すると(SA4)、詳細情報をUI詳細情報記憶部35に格納する。また、情報処理装置10のユーザ属性特定部33は、利用履歴記憶部31に格納されているユーザの過去の利用履歴と、統合UI定義情報に登録されている各UI定義情報に設定されているユーザ属性定義情報の判定条件に基づいて、ルール項目毎に、換言すると、UI定義情報毎に、ユーザの属性を特定する(SA5)。
【0061】
ルール適用判定部34は、ユーザ属性特定部33によって特定された各ユーザ属性に関連付けられているルール適用確率に基づいて、UIルール適用の有無を判定する(SA6)。
【0062】
UIルール特定部36は、適用ありとして判定されたルール項目に関して、ユーザ属性に応じたUIルールを特定し(SA7)、特定したUIルールの詳細情報をUI詳細情報記憶部35から取得する(SA8)。そして、取得したUI詳細情報を表示制御部22に出力する(SA9)。
【0063】
続いて、データ集計を行うタイミングか否かを判定する(
図9のSA10)。この結果、データ集計を行うタイミングでなければ(SA10:NO)、データ集計のタイミングが来るまで待機状態となる。この待機状態においても現在のUIルールが維持されるため、上記UIルールに応じた表示態様によってコンテンツが提供され、その期間のユーザの利用状況に関する情報が利用履歴記憶部31に格納される。
【0064】
そして、データ集計のタイミングとなると、すなわち、本実施形態では、前回のデータ集計から1日が経過すると(SA10:YES)、利用状況集計部37は、利用履歴記憶部31に格納された利用履歴に基づいて1日分の統計情報を作成する(SA11)。具体的には、利用履歴記憶部31に格納されている1日分の各コンテンツの表示数及びクリック数、複数コンテンツに渡る全体の表示数及びクリック数といった利用履歴の計測値を集計して統合情報を作成する。ここで、統計情報を作成すると、当該所定期間(すなわち、1日分)の利用履歴の計測値はリセットされ、次のインターバルにおけるカウントが再開される構成としてもよい。また、このとき、履歴情報として利用履歴記憶部31に累計の情報が格納されることとしてもよい。
【0065】
続いて、情報処理装置10は、作成した統計情報をUI管理サーバ50に送信する(SA12)。このとき、統計情報には、適用したUIルールのルールIDが関連付けられて送信される。ここでルールIDは、ユーザ属性定義情報にも関連付けられていることから、UI管理サーバ50は、ルールIDを確認することで、どのような属性を有するユーザによる統計情報であるかを把握することが可能となる。また、統計情報とルールIDしか送信しないので個人を特定できるユーザID的なものも送付していないことになる。
【0066】
UI管理サーバ50の受信部63は、各情報処理装置10から統計情報を受信すると(SA13)、統計情報を統計情報記憶部64に格納する(SA14)。
続いて、統合UI定義情報に設定された適用期間が終了したか否かを判定する(SA15)。この結果、適用期間が終了していなければ(SA15:NO)、ステップSA10に戻る。これにより、今回の統合UI定義情報に設定された適用期間が終了するまで、現在のUIルールが維持され、上記UIルールに応じた表示態様によってコンテンツが提供されることとなる。そして、日毎にユーザの利用状況に関する統計情報が情報処理装置10からUI管理サーバ50へ送られることとなる。
【0067】
そして、適用期間が終了すると(SA15:YES)、変更部65は、統計情報記憶部64に格納された当該適用期間における複数の情報処理装置10の統計情報及びこれら統計情報に基づいて算出された各種追加指標に基づいて、適用期間に対応する統合UI定義情報を評価する。例えば、変更部65は、サービス毎のクリック数及びCTR等並びに複数のサービスにおける合計のクリック数及びCTR等に基づいて適用期間に対応する統合UI定義情報に含まれる各UI定義情報のUIルールを優劣評価し(SA16)、評価結果に基づいて統合UI定義情報の変更を行い(SA17)、本処理を終了する。
【0068】
そして、上述した一連の処理が繰り返し行われることにより、UI管理サーバ50においては、ユーザの利用状況がフィードバックされることによって、ユーザ属性に応じたより適切な統合UI定義情報が設定されることとなり、また、情報処理装置10においては、ユーザの属性に応じた適切なUIルールで各コンテンツが提供されることとなる。
【0069】
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置10、ユーザインターフェース選択方法、プログラム、及びUI管理サーバ(ユーザインターフェース管理サーバ)50によれば、以下の作用効果を奏する。
【0070】
情報処理装置10は、異なる複数のユーザ属性定義情報とユーザインターフェースに関する複数のUIルールとがそれぞれ関連付けられたUI定義情報を取得する情報取得部32と、複数のコンテンツに対するユーザの過去の利用履歴とユーザ属性定義情報とに基づいて、ユーザ属性を特定するユーザ属性特定部33とを備えている。このように、情報処理装置10において、ユーザ属性を特定するので、ユーザが行った実際の利用状況に応じてユーザ属性を特定でき、ユーザ属性の信頼度を高めることができる。
【0071】
更に、情報処理装置10は、ユーザ属性を特定するとき、ユーザ属性に応じたUIでコンテンツを提供するとき、各UIルールにおいて関連付けられたルール適用確率によるUIルールの判定において、ユーザIDなどのように、ユーザ個人を特定する情報を用いていない上、ユーザ個人を特定するような情報を情報処理装置10外に出力することもない。更に、情報処理装置10は、UI管理サーバ50に送信する統計情報と仮想端末IDとを関連付けて送信することから、ユーザ個人を特定する情報はUI管理サーバ50にも送信されない。これにより、ユーザ個人を特定する情報を情報処理装置10外に出力することがなく、プライバシーの保護を図ることが可能となる。
【0072】
更に、情報処理装置10は、ユーザ属性特定部33によって特定されたユーザ属性に合致するUIルールをUI定義情報から特定するUIルール特定部と、特定されたUIルールに従ってコンテンツ表示を行う表示制御部22とを備えるので、ユーザ属性に応じたUIでコンテンツを提供することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態によれば、各UIルールは、ルール適用確率が関連付けられており、適用確率に基づいて、ユーザ属性に対応するUIルールを適用するか否かを判定するルール適用判定部34を備えている。これにより、例えば、属性情報に合致したユーザのうち適用確率に応じた割合のユーザに対して、UI定義情報で定義されたUIルールを適用することが可能となる。この結果、UI管理サーバ50では、同じユーザ属性を有するユーザ間において、UIルールを適用した場合の統計情報と適用しない場合の統計情報とを比較することが可能となり、UIルールの優劣を明確にするようなUIルールを評価するにあたり有益な情報を収集することが可能となる。
【0074】
また、情報処理装置10は、複数のルール項目の各々に対してUI定義情報が登録された統合UI定義情報を取得し、ルール項目ごとにユーザ属性を特定することにより、様々な観点からのUIルールを同一ユーザに提供することが可能となる。例えば、コンテンツに関するデザインパターン、各コンテンツの表示頻度、通知頻度等の観点からUIルールがそれぞれ設定されていることにより、各コンテンツの見せ方だけでなく、複数のコンテンツを横断した総合的な見せ方をユーザ属性に応じて最適化することが可能となる。
【0075】
UI管理サーバ50は、複数の情報処理装置10に対して統合UI定義情報を送信し、各情報処理装置10から複数のコンテンツに関するユーザの利用履歴に関する統計情報を受信し、受信した統計情報に基づいて、UI定義情報を変更する。このとき、統計情報として取得する情報には、各コンテンツに対するユーザの利用履歴に関する情報だけでなく、複数コンテンツに対する総合的な利用履歴から導き出した集計情報が含まれている。このように、複数コンテンツに対する集計情報、具体的には、サービス毎のクリック数及び利用頻度(CTR:Click Through Rate)等並びに複数のサービスにおける合計のクリック数及び利用頻度等を取得することにより、より多くのデータに基づいて各UI定義情報における各UIルールの評価を行うことが可能となる。そして、評価結果に基づいて統合UI定義情報を変更することで、UI定義情報をよりよいものに調整することが可能となる。更に、集計情報には個人と特定するような情報が含まれていないため、ユーザのプライバシー保護を図ることができる。
【0076】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明したUI選択方法の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0077】
例えば、ルール適用判定部34は、ルール適用期間において、マルチコンテンツ提供アプリケーションが起動される度に、ルール適用の有無を判定することとしてもよい。これにより、アプリケーションが起動される度に、ルール適用確率に応じて確率的にUIルールを適用するか否かが判定されることとなる。これにより、同じユーザに対してUIルールに従った表示と、UIルールを適用しないスタンダード(デフォルト)表示との2種類を確率的に提供することが可能となる。この結果、UI定義情報に従ったときと従わないときとで同一ユーザの利用状況を比較することが可能となる。
【0078】
また、上述した実施形態では、複数のUI定義情報を含む統合UI定義情報がUI管理サーバ50から情報処理装置10に送信される場合を例示したが、これに限られない。例えば、一つのUI定義情報を情報処理装置10に送信することとしてもよい。また、統合UI定義情報が複数のUI定義情報を含む場合には、各UI定義情報に対して異なる適用期間を設定することとしてもよい。
【0079】
また、上述した実施形態では、UI管理サーバ50の変更部65が統計情報に基づいてUI定義情報を変更することとしたが、この例に限られない。例えば、UI定義情報の変更は、統計情報及び変更部65によって算出された追加指標等に基づいて、人が分析を行うことでUI定義情報を変更することとしてもよい。
【0080】
また、上述した実施形態では、ルール適用確率を設定していたが、このルール適用確率を省略したUI定義情報とすることも可能である。更に、適用確率については、UI管理サーバ50で設定することに代えて、情報処理装置10において設定することとしてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態では、「天気」、「カレンダー」、「最新のニュース」、「映画」、「音楽」等を自動的に順次切り替えて表示枠17aに表示させる場合を例示したが、提供するサービスについては特に限定されない。例えば、動画配信を行う複数のサービスサーバから動画コンテンツを受信し、これらの動画コンテンツを順次切り替えて表示することとしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 :情報処理装置
11 :CPU
12 :主記憶装置
13 :二次記憶装置
14 :外部インターフェース
15 :通信インターフェース
16 :入力部
17 :表示部
17a :表示枠
20 :マルチコンテンツ提供部
21 :コンテンツ記憶部
22 :表示制御部
30 :UI選択部
31 :利用履歴記憶部
32 :情報取得部
33 :ユーザ属性特定部
34 :ルール適用判定部
35 :UI詳細情報記憶部
36 :UIルール特定部
37 :利用状況集計部
38 :送信部
50 :UI管理サーバ
51 :CPU
52 :主記憶装置
53 :二次記憶装置
55 :通信インターフェース
56 :入力部
57 :表示部
61 :定義情報記憶部
62 :送信部
63 :受信部
64 :統計情報記憶部
65 :変更部
66 :入力部