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特開2023-161862電子文書管理装置、電子文書管理方法、及び電子文書管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161862
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】電子文書管理装置、電子文書管理方法、及び電子文書管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20231031BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072473
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】521532400
【氏名又は名称】jinjer株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119758
【弁理士】
【氏名又は名称】菊地 保宏
(72)【発明者】
【氏名】松葉 治朗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC32
(57)【要約】
【課題】電子文書の管理を容易にし、電子文書の管理業務を効率化することができる。
【解決手段】情報端末と相互に通信接続され、該情報端末に印刷レイアウト型式で表示される電子文書を管理する電子文書管理装置であって、情報端末からの指示に基づいて所定の電子文書における記録対象項目を設定する記録対象項目設定部と、情報端末を介して前記記録対象項目に入力された情報(以下、入力情報という)を記録する記録対象項目記録部と、入力情報を含んだ前記所定の電子文書の印刷レイアウトを記録する電子文書記録部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と相互に通信接続され、該情報端末に印刷レイアウト型式で表示される電子文書を管理する電子文書管理装置であって、
前記情報端末からの指示に基づいて所定の電子文書における記録対象項目を設定する記録対象項目設定部と、
前記情報端末を介して前記記録対象項目に入力された情報(以下、入力情報という)を記録する記録対象項目記録部と、
前記入力情報を含んだ前記所定の電子文書の印刷レイアウトを記録する電子文書記録部と、
を備えることを特徴とする電子文書管理装置。
【請求項2】
前記記録対象項目記録部は、同一画面上にて、前記記録対象項目に対する入力を促すとともに前記所定の電子文書の印刷レイアウトを表示する情報入力画面を備えることを特徴とする請求項1記載の電子文書管理装置。
【請求項3】
前記所定の電子文書は、電子契約を伴う電子文書であり、
前記所定の電子文書の内容に基づいて前記電子契約を締結する契約締結部を備え、
前記記録対象項目記録部は、前記契約締結部により前記電子契約が締結された後に前記入力情報を記録することを特徴とする請求項2記載の電子文書管理装置。
【請求項4】
前記記録対象項目記録部は、前記契約締結部により前記電子契約が締結される前に前記録対象項目を設定することを特徴とする請求項3記載の電子文書管理装置。
【請求項5】
前記記録対象項目記録部は、前記入力情報が変更された場合、前記入力情報に基づいて記録された前記入力情報を更新することを特徴とする請求項3又は4記載の電子文書管理装置。
【請求項6】
前記電子文書記録部は、前記記録対象項目記録部により記録された前記入力情報が更新された場合、更新前の前記入力情報を含む前記所定の電子文書の印刷レイアウトと、更新後の前記入力情報を含む前記所定の電子文書の印刷レイアウトと、を記録することを特徴とする請求項5記載の電子文書管理装置。
【請求項7】
情報端末と相互に通信接続され、該情報端末に印刷レイアウト型式で表示される電子文書を管理するコンピュータによる電子文書管理方法であって、
前記情報端末からの指示に基づいて所定の電子文書における記録対象項目を設定する記録対象項目設定ステップと、
前記情報端末を介して前記記録対象項目に入力された情報(以下、入力情報という)を記録する記録対象項目記録ステップと、
前記入力情報を含んだ前記所定の電子文書の印刷レイアウトを記録する電子文書記録ステップと、
を備えることを特徴とする電子文書管理方法。
【請求項8】
情報端末と相互に通信接続され、該情報端末に印刷レイアウト型式で表示される電子文書を管理するコンピュータによる電子文書管理プログラムであって、
前記情報端末からの指示に基づいて所定の電子文書における記録対象項目を設定する記録対象項目設定ステップと、
前記情報端末を介して前記記録対象項目に入力された情報(以下、入力情報という)を記録する記録対象項目記録ステップと、
前記入力情報を含んだ前記所定の電子文書の印刷レイアウトを記録する電子文書記録ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする電子文書管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書を管理する技術に関し、特に、複数人が関わって完成させる電子文書を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、インターネット等を通じた電子文書のやり取りにより締結する電子契約の利用が普及している。電子契約では、電子文書(例えば、PDF形式の契約書)に押印・署名(例えば、電子署名やタイムスタンプを付与)して契約を締結できるので、締結した契約書をデータとして保管することが可能である。
【0003】
例えば、特許文献1には、労働者の身分証をスキャンすることにより労働者の身分情報を抽出し、抽出した身分情報に対応する電子労働契約書を表示した後に労働者の電子署名入力を要請して、事業者と労働者の電子労働契約を締結する電子労働契約方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-87419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、電子契約の際に作成される電子文書の管理には未だ改善の余地がある。
【0006】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、電子文書の管理を容易にし、電子文書の管理業務を効率化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を達成するため、本発明に係る電子文書管理装置は、その一態様として、
情報端末と相互に通信接続され、該情報端末に印刷レイアウト型式で表示される電子文書を管理する電子文書管理装置であって、
前記情報端末からの指示に基づいて所定の電子文書における記録対象項目を設定する記録対象項目設定部と、
前記情報端末を介して前記記録対象項目に入力された情報(以下、入力情報という)を記録する記録対象項目記録部と、
前記入力情報を含んだ前記所定の電子文書の印刷レイアウトを記録する電子文書記録部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記の課題を達成するため、本発明に係る電子文書管理方法は、その一態様として、
情報端末と相互に通信接続され、該情報端末に印刷レイアウト型式で表示される電子文書を管理するコンピュータによる電子文書管理方法であって、
前記情報端末からの指示に基づいて所定の電子文書における記録対象項目を設定する記録対象項目設定ステップと、
前記情報端末を介して前記記録対象項目に入力された情報(以下、入力情報という)を記録する記録対象項目記録ステップと、
前記入力情報を含んだ前記所定の電子文書の印刷レイアウトを記録する電子文書記録ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記の課題を達成するため、本発明に係る電子文書管理プログラムは、その一態様として、
情報端末と相互に通信接続され、該情報端末に印刷レイアウト型式で表示される電子文書を管理するコンピュータによる電子文書管理プログラムであって、
前記情報端末からの指示に基づいて所定の電子文書における記録対象項目を設定する記録対象項目設定ステップと、
前記情報端末を介して前記記録対象項目に入力された情報(以下、入力情報という)を記録する記録対象項目記録ステップと、
前記入力情報を含んだ前記所定の電子文書の印刷レイアウトを記録する電子文書記録ステップと、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電子文書の管理を容易にし、電子文書の管理業務を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係る電子文書管理システムの概略構成図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る電子文書管理システムにおいて管理されるデータの内容を模式的に示す図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る電子文書管理システムの電子契約の流れを示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施の形態に係る電子文書管理システムの第二の情報端末の画面例である。
図5】本発明の一実施の形態に係る電子文書管理システムで管理される電子文書の印刷イメージの一例である。
図6】本発明の一実施の形態に係る電子文書管理システムで管理される電子文書の印刷イメージの一例である。
図7】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0013】
<電子文書管理システムの構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る電子文書管理システム10の概略構成図である。電子文書管理システム10は、取引の対象となる電子文書を管理する情報処理システムである。また、電子文書管理システム10は、電子契約サービスを支援する情報処理システムである。すなわち、電子文書管理システム10は、電子文書の作成から、電子文書の送付、契約の締結、締結後の電子書面の管理までを行う情報処理システムである。以下、電子文書管理システム10が提供するサービス(電子契約サービスを含む)を電子文書管理サービスという。また、電子文書管理システム10で扱う電子文書は、契約書としてイメージされる一般的な契約(例えば、秘密保持契約書、業務委託契約書など)の文書に限定されるものではなく、複数の利用者が関わる種々の文書が該当する。例えば、雇用に関する文書(例えば、雇用契約書、労働条件通知書など)や営業に関する文書(例えば、発注書、請求書など)にも適用される。
【0014】
電子文書管理システム10は、図1に示すように、電子文書管理装置1と、第一の利用者が利用する第一の情報端末2と、第一の利用者が利用する第二の情報端末3と、を備えている。ここで、第一の利用者とは、契約における当事者の一方(個人でも法人でもよい)であり、第二の利用者とは、契約における当事者の他方(個人でも法人でもよい)である。具体的には、本実施の形態の第一の利用者は、一方の情報の入力を行って電子文書を作成する側となっており、本実施の形態の第二の利用者は、第一の利用者により作成された電子文書を受け取って他方の情報の入力を行う側となっている。
【0015】
電子文書管理装置1は、電子文書管理サービスの提供を行う事業者が備えるサーバである。電子文書管理装置1は、第一の情報端末2から入力された情報に基づいて、電子文書を作成する機能、作成された電子文書を第二の情報端末3に送付する機能、第二の情報端末3から入力された情報を電子文書に反映する機能、契約締結までの社内承認を得るためのワークフローによる申請・承認機能、電子文書の契約を締結する機能、及び契約締結後の電子文書を管理する機能を備えている。電子文書管理装置1は、契約締結後の電子文書の印刷レイアウト(紙面イメージ)をそのまま記録する他、当該電子文書において第一の利用者により設定された項目(例えば、第二の利用者が入力する情報の項目など。以下、記録対象項目という。)を記録するように構成されている。そのため、本実施の形態では、電子文書のテキストデータとしての情報収集が容易となり、電子文書の管理業務が効率化できるようになっている。
【0016】
通信ネットワーク4は、例えば、インターネット網、公衆回線網、専用通信網などが含まれる。
【0017】
第一の情報端末2及び第二の情報端末3は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などが挙げられる。第一の情報端末2及び第二の情報端末3には、電子文書管理サービスを利用するためのアプリケーションプログラムAPがインストールされている。第一の情報端末2及び第二の情報端末3は、アプリケーションプログラムAPを起動することにより電子文書管理サービスを利用することが可能となる。なお、ここでいうアプリケーションプログラムAPは、Webアプリケーションプログラムであっても、ハイブリッドアプリケーションプログラムであってもよい。以上に挙げた電子文書管理装置1、第一の情報端末2及び第二の情報端末3は、具体的には、図7に示す情報処理装置100のハードウェア構成を採用する。
【0018】
図7は、情報処理装置100のハードウェア構成図である。情報処理装置100は、図7に示すように、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、入出力インターフェース104と、通信インターフェース105と、から構成される。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成される。メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで構成される。ストレージ103は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。入出力インターフェース104は、例えば、入力装置としては、タッチパネル、キーボード、マウス、カメラ、マイクなどで構成され、例えば、出力装置としては、例えば、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence)表示装置などのディスプレイ、スピーカなどで構成される。通信インターフェース105は、通信ネットワーク4を介して各種データの送受信が可能であり、有線又は無線のいずれでもよく、また、通信プロトコルも問わない。
【0019】
<電子文書管理装置の機能構成>
電子文書管理装置1は、電子文書作成部11と、ワークフロー管理部12と、契約締結部13と、入力情報更新部14と、記憶部15と、通信部16と、を具備する。
【0020】
電子文書作成部11は、電子文書を作成する機能を有する。本実施の形態では、契約書の作成を容易とするため、予め電子文書の種類に応じたテンプレートが用意されている。そのため、電子文書作成部11は、テンプレートを用いて電子文書を作成することが可能となっている。テンプレートにおいては種々の入力項目を設定でき、各入力項目は、情報を入力可能な利用者を設定することができる(例えば、第一の利用者が入力できる項目、第二の利用者が入力できる項目を設定することができる。また、第一の利用者内又は第二の利用者内おいて複数の担当者が介在する場合には、各担当者が入力できる項目を設定することができる)。
【0021】
また、電子文書作成部11は、作成する電子文書に対して、上述の記録対象項目を設定する機能、つまり記録対象項目設定部17を備えている。記録対象項目は、第二の利用者が入力する項目だけで構成されていてもよいし、第一の利用者が入力する項目及び第二の利用者が入力する項目で構成されていてもよい。
【0022】
ワークフロー管理部12は、電子文書の契約締結までの社内承認を得るためのワークフローを管理する機能を有する。電子文書ごとのワークフローのルート、承認、申請などに関する情報は後述するワークフローデータd3として記憶部15に記憶される。なお、本実施の形態では、ワークフローは、電子文書の契約締結までの社内承認を得ることを目的としているが、これに限定されるものではなく、社内承認及び社外承認を得ることを目的としてもよい。
【0023】
契約締結部13は、電子文書の契約締結に関する機能を有する。電子文書管理システム10では、契約の方法や電子文書の種類などに応じて、第一の利用者又は第二の利用者のいずれかが契約締結を指示することにより、契約締結が行われる。詳しくは、(1)第一の利用者により作成された電子文書に対して第二の利用者が情報入力を行い、第二の利用者が情報入力を行った電子文書の内容に基づいて第一の利用者が最終確認して契約が締結される場合(以下、方式Aという。)、(2)第一の利用者により作成された電子文書に対して第二の利用者が情報入力を行い、第二の利用者が情報入力を行った電子文書を第一の利用者に送信することにより契約が締結される場合(以下、方式Bという。)の二種類が存在する。方式Aは、第一の利用者の確認により契約が締結される場合、方式Aは、第一の利用者の確認を必要とせず、第二の利用者の情報入力をもって契約が締結される場合である。
【0024】
また、契約締結部13は、電子文書の契約締結が行われると、契約締結された電子文書の電子文書データd4及び記録対象項目データd5を記憶部15に記録する。つまり、契約締結部13は、詳しくは、電子文書データd4を記録する機能、つまり電子文書記録部18と、記録対象項目データd5を記録する機能、つまり記録対象項目記録部19と、を備えている。ここで、電子文書データd4は、契約締結された電子文書の印刷レイアウト(紙面イメージ)の状態が保存された電子化データ(例えば、PDF形式の契約書データ、画像データとしての契約書データなど)であり、記録対象項目データd5は、契約締結された電子文書の記録対象項目に入力されたテキストデータ(第一の利用者又は第二の利用者により入力されたデータ)である。なお、本実施の形態では、記録対象項目データd5は、テキストデータとしているが、これに限定されるものではなく、電子文書に貼り付けた画像データや音声データであってもよい。
【0025】
入力情報更新部14は、契約の当事者(第一の利用者、第二の利用者)が同一であり、かつ同種の電子書面の内容の一部(具体的には、記録対象項目)が更新された場合(例えば、雇用者Aと被雇用者Bの間の雇用契約書であって、被雇用者Bの賃金に関する情報が変更された場合、利用者Aの利用者B宛ての納品書であって、所定の項目の単価が変更された場合など)、その更新された入力情報の更新履歴を取るとともに電子文書の系列化(グループ化)を行う。例えば、枝番(通し番号)を付すことにより、新旧の電子書面データd4を管理するようにしてもよい。
【0026】
記憶部15は、電子文書管理システム10において管理されるデータを記憶する。詳しくは、記憶部15は、少なくとも、テンプレートデータd1と、ドラフトデータd2と、ワークフローデータd3と、電子文書データd4と、記録対象項目データd5と、を記憶する。
【0027】
テンプレートデータd1は、電子文書のテンプレートに関するデータであり、文書の種類に応じて複数用意されている。第一の利用者は、所望のテンプレートデータd1を用いて新たな電子文書を作成することが可能である。
【0028】
ドラフトデータd2は、作成途中の電子文書データであり、未だ第一の利用者と第二の利用者の間で契約締結されていない電子文書データである。例えば、第一の利用者がテンプレートを用いて新たに作成した電子文書データ、第一の利用者により作成された電子文書データに対して第二の利用者が情報入力した電子文書データ(その後、第一の利用者の確認が必要な場合)などがドラフトデータd2である。
【0029】
ワークフローデータd3は、電子文書のワークフローに関するデータ(事前に設定した承認ルートに基づいた申請・承認に関する情報)である。
【0030】
電子文書データd4は、第一の利用者と第二の利用者の間で契約締結された電子文書データである。図2(a)は、電子文書データd4の内容を模式的に示す図である。電子文章データd4は、詳しくは、契約締結された電子文書の印刷レイアウトの状態が保存されたデータ(例えば、画像化されたデータ)である。電子文書データd4は、少なくとも、文書ID、分類コード、印刷レイアウトデータなどの項目で構成される。文書IDは、電子文書管理システム10において電子文書を一意に識別可能なコードである。分類コードは、例えば、文書種類コード、契約の当事者に関する情報、枝番などで構成される。文書種類コードは、電子文書の種類(例えば、業務委託契約書、保守契約書、雇用契約書、雇用契約書、試用契約書、請求書、利用申込書、物品売買契約書、土地売買契約書など)を示すコードである。電子文書管理システム10で扱う電子文書の種類ごとに一意の識別コードが付されている。契約の当事者に関する情報とは、具体的には、第一の利用者の利用者コード及び第二の利用者の利用者コードである。利用者コードは、電子文書管理システム10において利用者を一意に識別可能なコードである。枝番は、文書種類コード及び当事者(第一の利用者及び第二の利用者)が同一の場合の電子文書において記録対象項目に入力された情報が更新された場合にインクリメントされる通し番号である。枝番を付すことにより、電子文書の更新履歴を辿ることができ、更新前後の電子文書データd4を紐づけることができる。印刷レイアウトデータは、例えば、電子文書の印刷レイアウト(紙面イメージ)そのままのPDFデータや画像データである。
【0031】
記録対象項目データd5は、第一の利用者と第二の利用者の間で契約締結された電子文書において記録対象項目に入力されたデータである。図2(b)は、記録対象項目データd5の内容を模式的に示す図である。記録対象項目データd5は、少なくとも、文書IDと、1又は複数の記録対象項目情報と、を対応付けたデータで構成される。記録対象項目情報は、第一の利用者又は第二の利用者により入力されたテキストデータである。
【0032】
なお、図1には図示していないが、前提として、電子文書管理システム10の利用者(第一の利用者、第二の利用者)に関するマスタデータ(例えば、利用者及び利用者の構成員に関する属性情報、利用者の構成員に関する属性情報(例えば、ID、パスワード、電子メールアドレスなど)など)は、記憶部15に記憶されており、電子文書管理システム10において管理されている。これにより、第一の利用者と第二の利用者の間の情報のやりとり、第一の利用者内の情報のやりとり及び第二の利用者内の情報のやりとりが可能となっている。
【0033】
また、記憶部15には、電子文書管理サービスを提供するためのサーバプログラムPが記憶されている。このサーバプログラムPは、本発明の電子文書管理プログラムに相当するものであり、記憶部15のメモリに格納されるほか、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、MO、DVD-ROMが挙げられる。また、プログラムPは、通信ネットワーク4を介して配信されてもよい。
【0034】
なお、電子文書管理装置1は、物理的に一つからなる装置でもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステムから構成されてもよい。
【0035】
通信部16は、第一の情報端末2及び第二の情報端末3のそれぞれと通信ネットワーク4を介して相互に通信できるように構成されている。通信部16は、第一の情報端末2及び第二の情報端末3と、上述したテンプレートデータd1、ドラフトデータd2、ワークフローデータd3、電子文書データd4、記録対象項目データd5などの情報のやりとりを行う。
【0036】
<電子文書管理システムの動作>
次に図3を用いて、本実施の形態に係る電子文書管理システム10の動作について説明する。図3は、電子文書管理システム10の一処理(電子契約処理)の流れを示すシーケンス図である。なお、図3に示した契約の締結は、上述した方式Aに基づいている。また、図3では、第一の利用者内及び第二の利用者内でのワークフローに関する処理は省略されている。
【0037】
まず、第一の利用者が第一の情報端末2を用いて、電子文書の作成を行う(ステップS10)。例えば、第一の利用者が電子文書の作成に際してテンプレートを作成する場合には、第一の情報端末2を用いてテンプレートを作成する。また、テンプレートを作成する際には、テンプレートに設けた入力項目に対して記録対象項目を設定する。これにより、電子文書管理装置1は、作成されたテンプレートをテンプレートデータd1として記憶部15に保存する(ステップS20)。
【0038】
次に、第一の利用者は第一の情報端末2を用いて、電子文書に情報を入力する(ステップS30)。例えば、第一の利用者がテンプレートを利用して、電子文書に情報を入力することにより、電子文書を作成する。これにより、電子文書管理装置1は、第一の利用者により作成された電子文書をドラフトデータd2として記憶部15に保存する(ステップS40)。
【0039】
次に、第一の利用者は第一の情報端末2を用いて、作成された電子文書を第二の利用者に送信する指示を行う(ステップS50)。これにより、電子文書管理装置1は、例えば、第二の利用者のメールアドレスに基づいて、ステップS40で保存されたドラフトデータd2を第二の利用者に送信する。
【0040】
この結果、第二の利用者は、ドラフトデータd2を第二の情報端末3を用いて受信する(ステップS60)。次いで、第二の利用者は第二の情報端末3を用いて、電子文書(ドラフトデータd2)を表示し、電子文書の該当項目(第二の利用者が入力する項目)に情報を入力する(ステップS70)。
【0041】
ここで、図4は、第二の情報端末3に表示される入力画面20の一例を示している。図4に示す入力画面20は、具体的には、人事系クラウドサービスへの申込画面である。入力画面20は、画面左側に設けられた入力フォーム部21と、画面右側上部に設けられた紙面イメージ部22と、を含んで構成されている。入力フォーム部21は、第二の利用者が入力する項目を備え、紙面イメージ部22は、電子書面全体の印刷イメージが表示されている。すなわち、入力画面20は、一画面内に第二の利用者が入力すべき項目と電子書面の印刷イメージが同時に表示されているため、第二の利用者は入力すべき項目を明確に把握できるとともに入力された情報が電子書面のいずれに反映されるのかを視覚的に把握することができる。本実施の形態の対象となる電子書面は、従来、紙書類として法的効果を有するとともに実務としても紙書類として扱われることが多いので、利用者に違和感を覚えさせないための方策である。
【0042】
このように本実施の形態の電子書面では、図3に示した一処理(電子契約処理)のように、第一の利用者が入力する情報M1(ステップS30参照)と、第二の利用者が入力する情報M2(ステップS70参照)と、が存在する。図4で示した入力項目は、第二の利用者が入力する情報M2の項目を示していた。勿論、第一の利用者が入力する情報M1と第二の利用者が入力する情報M2は、電子書面の種類に応じて種々想定されるものである。例えば、電子書面を所定のサービスに対する入会申込書とした場合には、図5に示すように、第一の利用者が入力する情報M1と第二の利用者が入力する情報M2とを設定してもよい。また、例えば、電子書面を納品書とした場合には、図6に示すように、第一の利用者が入力する情報M1と第二の利用者が入力する情報M2とを設定してもよい。
【0043】
このようにして、第二の利用者により情報入力が行われると、電子文書管理装置1は、電子文書を更新されたドラフトデータd2として記憶部15に保存する(ステップS80)。
【0044】
次に、第二の利用者は第二の情報端末3を用いて、情報入力された電子文書を第一の利用者に送信する指示を行う(ステップS90)。これにより、電子文書管理装置1は、例えば、第一の利用者のメールアドレスに基づいて、ステップS80で保存されたドラフトデータd2を第一の利用者に送信する。
【0045】
この結果、第一の利用者は、ドラフトデータd2を第一の情報端末2を用いて受信する(ステップS100)。第一の利用者は第一の情報端末2を用いて受信した電子文書(ドラフトデータd2)の内容を確認し(ステップS110)、内容に修正がない場合には(ステップS110:YES)、電子文書の契約締結の指示を行い(ステップS120)、内容に修正がある場合には(ステップS110:NO)、再度、ステップS30に戻り、電子文書に対して修正を行う。
【0046】
ステップS110において電子文書の内容が確認され(ステップS110:YES)、電子文書の契約締結の指示が行われた場合には(ステップS120)、電子文書管理装置1は、契約締結された電子文書(ドラフトデータd2)を電子文書データd4として記憶部15に保存する(ステップS130)。次いで、電子文書管理装置1は、契約締結された電子文書の記録対象項目に入力された情報を記録対象項目データd5として記憶部15に保存する(ステップS140)。
【0047】
次に、第一の利用者は第一の情報端末2を用いて、契約締結された電子文書(電子文書データd4)を第二の利用者に送信する指示を行う(ステップS150)。これにより、電子文書管理装置1は、例えば、第二の利用者のメールアドレスに基づいて、ステップS130で保存された電子文書データd4を第二の利用者に送信する。
【0048】
この結果、第二の利用者は、契約締結された電子文書(電子文書データd4)を第一の情報端末2を用いて受信する(ステップS160)。
【0049】
次に、電子文書管理装置1は、契約締結された電子文書において記録対象項目が更新されたか否かを判定し(ステップS170)、記録対象項目が更新された場合には(ステップS170:YES)、更新された記録対象項目に対してログ情報を記録し(ステップS180)、新旧の電子文書データd4を枝番で対応付けて管理する(ステップS190)。また、電子文書管理装置1は、例えば、第一の利用者のメールアドレスに基づいて、契約締結された電子文書の記録対象項目において入力された情報に更新があった旨の情報(以下、更新情報という)を第一の利用者に送信する。
【0050】
この結果、第一の利用者は第一の情報端末2を用いて更新情報を受信する(ステップS200)。
【0051】
以上、本実施の形態に係る電子文書管理システム10によれば、契約締結された電子書面の印刷イメージの記録を行うだけでなく、電子書面において予め定めた記録対象項目の記録を行うので、記録対象項目に関する情報を取り出すことが可能となる。そのため、記録対象項目に関する情報の管理が容易となり、記録対象項目に関する情報の利用を促進することができる。すなわち、電子文書管理システム10によれば、電子文書の管理を容易にし、電子文書の管理業務を効率化することができる。
【0052】
従来、契約書や請求書などの紙書類を電子的に保存する場合には、例えば、OCR(Optical Character Reader)を用いて紙書類を電子化し、記載されている文字を認識してテキストデータ化することが行われていた。しかしながら、この際、人が介在してOCR化されたテキストデータの内容を確認、修正する必要があった。つまり、複数の利用者が関与する紙書類の電子化に際しては、完全に自動化することは困難であり、人の介在が必要となるという問題があった。一方、本実施の形態に係る電子文書管理システム10によれば、契約締結する電子書面において予め記録対象項目を設定していれば、契約締結後、記録対象項目をテキストデータとして管理することができるので、上記問題を解決することができ、電子文書の管理業務をより効率化することが可能となる。
【0053】
<その他>
なお、上記実施の形態の第一の情報端末2及び第二の情報端末3は、アプリケーションプログラムAPをインストールすることにより電子文書管理サービスを利用するようにしたが、Webブラウザを用いることにより、電子文書管理サービスを利用するようにしてもよい。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0055】
1 電子文書管理装置
2 第一の情報端末
3 第二の情報端末
4 通信ネットワーク
10 電子文書管理システム
11 電子文書作成部
12 ワークフロー管理部
13 契約締結部
14 入力情報更新部
15 記憶部
16 通信部
17 記録対象項目設定部
18 電子文書記録部
19 記録対象項目記録部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7