(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161865
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】取引支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231031BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072476
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 航
(72)【発明者】
【氏名】鈩 優介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】設備またはサービスを提供する提供者とその利用者との間での、共通のクーポンを媒介とした取引を実現するにあたり、各提供者毎に異なる利用条件を柔軟に設定できるようにする。
【解決手段】各提供者毎に個別に設定される、当該提供者の提供する設備またはサービスを利用者が利用する場合に当該提供者に対価として支払うべき、単位利用時間あたりのクーポン点数を含む利用条件の情報を記憶する利用条件情報記憶部と、前記利用条件情報記憶部が記憶する利用条件の情報を利用者が使用するコンピュータ上で表示させるべく同コンピュータに向けて送信する利用条件情報提供部と、利用者が前記利用条件に則り設備またはサービスの利用の対価として支払い、提供者がこれを受け取ることで加算される、提供者が現在保有するクーポン点数を含む情報を記憶する提供者保有クーポン記憶部とを具備する取引支援システムを構成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備またはサービスを提供する複数の提供者と、設備またはサービスを利用する利用者との間での、共通のクーポンを媒介とした取引を支援するためのものであって、
各提供者毎に個別に設定される、当該提供者の提供する設備またはサービスを利用者が利用する場合に当該提供者に対価として支払うべき、単位利用時間あたりのクーポン点数を含む利用条件の情報を記憶する利用条件情報記憶部と、
前記利用条件情報記憶部が記憶する利用条件の情報を利用者が使用するコンピュータ上で表示させるべく同コンピュータに向けて送信する利用条件情報提供部と、
利用者が前記利用条件に則り設備またはサービスの利用の対価として支払い、提供者がこれを受け取ることで加算される、提供者が現在保有するクーポン点数を含む情報を記憶する提供者保有クーポン記憶部と
を具備する取引支援システム。
【請求項2】
前記利用条件情報記憶部が記憶する利用条件の情報は、提供者によって設備またはサービスの利用時間帯、日、曜日若しくは月毎に設定され、または利用者の属性毎に個別に設定される、単位利用時間あたりのクーポン点数を含む請求項1記載の取引支援システム。
【請求項3】
利用者が現在保有するクーポン点数を含む情報を含む利用者保有クーポン記憶部と、
利用者による、提供者の提供する設備またはサービスの利用の申請を受信する利用申請受付部と、
前記利用申請受付部で前記申請を受信したことに基づき、前記利用条件情報記憶部が記憶する当該提供者の前記利用条件に応じたクーポン点数を、前記利用者保有クーポン記憶部に記憶している当該利用者の保有するクーポン点数から減算し、前記提供者保有クーポン記憶部に記憶している当該提供者の保有するクーポン点数に加算する利用申請処理部と
を具備する請求項1記載の取引支援システム。
【請求項4】
利用者が現在保有するクーポン点数を含む情報を含む利用者保有クーポン記憶部と、
利用者による、提供者の提供する設備またはサービスの利用の申請を受信する利用申請受付部と、
前記利用申請受付部で前記申請を受信したことに基づき、前記利用条件情報記憶部が記憶する当該提供者の前記利用条件に応じたクーポン点数を、前記利用者保有クーポン記憶部に記憶している当該利用者の保有するクーポン点数から減算し、前記提供者保有クーポン記憶部に記憶している当該提供者の保有するクーポン点数に加算する利用申請処理部と
を具備する請求項2記載の取引支援システム。
【請求項5】
提供者による、提供者が保有するクーポン点数を法定通貨に換金する旨の要求を受信する換金要求受付部と、
前記換金要求受付部で前記要求を受信したことに基づき、法定通貨に換金される分のクーポン点数を、前記提供者保有クーポン記憶部に記憶している当該提供者の保有するクーポン点数から減算する換金決裁処理部と
を具備する請求項1、2または3記載の取引支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備またはサービスを提供する複数の提供者と、設備またはサービスを利用する利用者との間での、共通のクーポンを媒介とした取引を支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クーポン(または、チケット)を先払いで購入し、そのクーポンを法定通貨の代わりに対価として支払うことで各種設備やサービスを利用、享受できる仕組みが既知である。下記非特許文献は、全国規模でチェーン展開している飲食店の各店舗で使用可能なクーポンの例である。五百円分のクーポンで、どの店舗でも同じ五百円分の料理を注文し購入することができる。
【0003】
ところで、近時、飲食店他各種店舗や貸会議室、ホテル等宿泊施設が、利用客が少なくまたは不在である時間帯を、レンタルスペースとして時間貸しすることを試みている。例えば、酒食を饗応するレストランバーでは、夜の時間帯に多くの利用客が訪れるが、反面、午後五時以前の時間帯は閑散としている。あるいは、夜の営業のための準備をしており、利用客が不在である。そのような時間帯における店舗内を、ビジネスパーソンにワークスペースとして提供すれば、収入の増大を見込める。加えて、ワークスペースでの執務を終えたビジネスパーソンがそのまま店内に居残り、その夜に料理や酒を楽しむということもあり得よう。
【0004】
そこで、地域内に所在する複数の店舗や施設で共通して使用可能なクーポンを発行し、ビジネスパーソンその他の利用者にクーポンを用いて地域内の店舗や施設を利用して貰い、ひいては地域経済の活性化を図ることが考えられる。
【0005】
一方、共通のクーポンを発行するといっても、現実問題として、店舗や施設の提供者が望む単位時間あたりの利用の対価額は均一ではなく、提供者毎に異なり得る。利用者が購入した千円分のクーポンで、どの店舗や施設であっても同じ一時間利用できる、というようなルール化はできないのである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“マックカード”、[online]、令和4年、日本マクドナルドホールディングス株式会社、[令和4年3月10日検索]、インターネット<URL:https://www.mcdonalds.co.jp/shop/payment/mccard/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、設備またはサービスを提供する提供者とその利用者との間での、共通のクーポンを媒介とした取引を実現するにあたり、各提供者毎に異なる利用条件を柔軟に設定できるようにすることを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、設備(不動産及び/または動産。人により提供されるサービスを含むことがある)またはサービス(出張サービスであることがある)を提供する複数の提供者と、設備またはサービスを利用する利用者との間での、共通のクーポン(法定通貨ではない)を媒介とした取引を支援するためのものであって、各提供者毎に個別に設定される、当該提供者の提供する設備またはサービスを利用者が利用する場合に当該提供者に対価として支払うべき、単位利用時間あたりのクーポン点数を含む利用条件の情報を記憶する利用条件情報記憶部と、前記利用条件情報記憶部が記憶する利用条件の情報を利用者が使用するコンピュータ上で表示させるべく同コンピュータに向けて送信する利用条件情報提供部と、利用者が前記利用条件に則り設備またはサービスの利用の対価として支払い、提供者がこれを受け取ることで加算される、提供者が現在保有するクーポン点数を含む情報を記憶する提供者保有クーポン記憶部とを具備する取引支援システムを構成した。
【0009】
前記利用条件情報記憶部が記憶する利用条件の情報は、提供者によって設備またはサービスの利用時間帯、日、曜日若しくは月毎に設定され、または利用者の属性毎に個別に設定される、単位利用時間あたりのクーポン点数を含むことがある。
【0010】
加えて、本システムは、利用者が現在保有するクーポン点数を含む情報を含む利用者保有クーポン記憶部と、利用者による、提供者の提供する設備またはサービスの利用の申請を受信する利用申請受付部と、前記利用申請受付部で前記申請を受信したことに基づき、前記利用条件情報記憶部が記憶する当該提供者の前記利用条件に応じたクーポン点数を、前記利用者保有クーポン記憶部に記憶している当該利用者の保有するクーポン点数から減算し、前記提供者保有クーポン記憶部に記憶している当該提供者の保有するクーポン点数に加算する利用申請処理部とを具備することがある。
【0011】
さらに、提供者による、提供者が保有するクーポン点数を法定通貨に換金する旨の要求を受信する換金要求受付部と、前記換金要求受付部で前記要求を受信したことに基づき、法定通貨に換金される分のクーポン点数を、前記提供者保有クーポン記憶部に記憶している当該提供者の保有するクーポン点数から減算する換金決裁処理部とを具備するシステムとすれば、提供者が利用者から得たクーポンを換金する手続きがより容易となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設備またはサービスを提供する提供者とその利用者との間での、共通のクーポンを媒介とした取引を実現するにあたり、各提供者毎に異なる利用条件を柔軟に設定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態の取引支援システムの全体概要を示す図。
【
図2】同実施形態の取引支援システムの要素となるコンピュータが有するハードウェア資源を示す図。
【
図3】同実施形態の取引支援システムの一部の機能ブロック図。
【
図4】利用者属性情報記憶部に記憶する情報を例示する図。
【
図5】提供者属性情報記憶部に記憶する情報を例示する図。
【
図6】利用者保有クーポン記憶部または提供者保有クーポン記憶部に記憶する情報を例示する図。
【
図7】利用者保有クーポン記憶部または提供者保有クーポン記憶部に記憶する情報を例示する図。
【
図8】同実施形態の取引支援システムの一部の機能ブロック図。
【
図9】同実施形態の取引支援システムの一部の機能ブロック図。
【
図10】利用条件情報記憶部に記憶する情報を例示する図。
【
図11】予約情報記憶部に記憶する情報を例示する図。
【
図13】同実施形態の取引支援システムの一部の機能ブロック図。
【
図14】同実施形態の取引支援システムの一部の機能ブロック図。
【
図15】同実施形態の取引支援システムの一部の機能ブロック図。
【
図16】本発明の一変形例における、クーポンの点数の態様に関して補足説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の取引支援システムは、設備(特に、店舗や施設等)またはサービス(無形の価値。これには、講演や講義、教授、指導、訓練、身体的若しくは精神的なリラクゼーション、カウンセリング、マッサージや治療等も含まれる)を利用者Uに提供する提供者Pと、これを利用する利用者Uとの間での、クーポンを媒介とした取引を支援することを目論むものである。
【0015】
図1に、本取引支援システムの全体概要を示す。本システムでは、まず、運営者Sがクーポンを発行する。利用者Uまたは提供者Pは、運営者Sから有償でそのクーポンを購入し、または無償でクーポンの頒布を受ける。クーポンを有償で購入する場合、利用者Uまたは提供者Pが、法定通貨(典型的には、日本円)を運営者Sに対して支払うことになる。このときの法定通貨とクーポンとの交換レートは、一定である。例えば、千点分のクーポンを、常に千円で購入する。利用者Uがどの提供者Pの設備またはサービスを利用するかにはよらない。
【0016】
クーポンは、(設備またはサービスの利用の対価としてではなく)他者に分け与えることができる。例えば、ある利用者Uが保有するクーポンの一部または全部を、他の利用者Uに譲渡することができる。企業が一括でクーポンを購入し、そのクーポンを当該企業に所属する従業員に配布するようなことも考えられよう。また、ある提供者Pが保有するクーポンの一部または全部を、他の提供者Pや、利用者Uに譲渡することもできる。提供者Pから利用者Uにクーポンを配布することは、設備またはサービスの利用を促す販売促進活動になり得る。
【0017】
利用者Uは、提供者Pが提供する設備またはサービスをある時間利用する対価として、提供者Pにクーポンを支払う。利用者Uが保有していたクーポンが提供者Pに移転され、利用者Uはそのクーポンを失う。このときのクーポンと利用時間との交換レートは、一定ではない。ある店舗を一時間利用するために支払うべきクーポンの点数が二千点であるとして、それとは別の施設を一時間利用するために支払うべきクーポンの点数は千点であることがある。
【0018】
また、クーポンと利用時間との交換レートは、利用者Uが設備またはサービスを利用する時間帯や日、曜日、月によっても異なる可能性がある。ある店舗を一時間利用するために支払うべきクーポンの点数が、午前九時から午後三時までは二千点で、午後三時以降は千点であるとか、月曜日から金曜日までは二千点で、土曜日は千点であるとか、ということがある。
【0019】
さらに、クーポンと利用時間との交換レートは、利用者Uの属性によっても異なる可能性がある。ある店舗を一時間利用するために支払うべきクーポンの点数が、社会人の利用者Uは三千点であるが、学生の利用者Uは千点であるということがある。この店舗には、学生が多く集まることが見込まれ、それは例えばリクルーティングに活用できるであろう。また、別のある施設を一時間利用するために支払うべきクーポンの点数が、通常は三千点であるところ、マネジメント層の利用者Uは千点であるということもあろう。この施設には、マネジメント層のビジネスパーソンが多く集まり、企業間のコラボレーションの実現に繋がるかもしれない。
【0020】
要するに、本システムにおけるクーポン、いわば「時間通貨」の価値は、変動し得るのである。
【0021】
提供者Pが利用者Uから対価として受け取ったクーポンは、法定通貨に換金することができる。このときのクーポンと法定通貨との交換レートは、一定である。例えば、千点分のクーポンを、七百円に換金する。運営者Sは、提供者Pに対して七百円を支払い、提供者Pが保有していた千点分のクーポンを償還(または、償却)する。これにより、提供者Pは千点分のクーポンを失う。利用者Uまたは提供者Pが運営者Sからクーポンを有償で購入するときとの交換レートの差が、運営者Sの収入となる。
【0022】
なお、本システムでは、利用者Uが自己の保有しているクーポンを法定通貨に換金することはできない。但し、利用者U、提供者Pともに、募金主体(非営利団体、公益団体、基金、地方公共団体等)にクーポンを寄付することはできる。そして、募金主体は、設備またはサービスの提供者Pと同様にして、保有するクーポンを法定通貨に換金することができる。
【0023】
クーポンには、紙券やRFIDタグを埋め込んだ非接触型ICカードのような物理的実体を伴うものCと、電子データとして物理的実体を伴わないものとがある。物理的実体を伴うクーポンCは、ある者と他の者との間で現実に受け渡しすることができる。即ち、利用者Uや提供者PがクーポンCを購入する場合には運営者SからそのクーポンCを受け取ることになるし、利用者Uが提供者Pに対して設備またはサービスの利用の対価を支払う場合には利用者Uから提供者PにクーポンCを手渡しすることができる。これに対し、電子データのクーポンは、利用者Uが使用するコンピュータ2、提供者Pが使用または管理するするコンピュータ3、運営者Sが使用または管理するコンピュータ4の間での情報通信、及び情報処理を通じて仮想的に授受することになる。
【0024】
本取引支援システムは、利用者コンピュータ2、提供者コンピュータ3及び運営者コンピュータ4を要素として構築される。各コンピュータ2、3、4はそれぞれ、例えばスマートフォンに代表される携帯電話端末、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、ラップトップ(ノートブック)型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバコンピュータ等である。
【0025】
図2に示すように、各コンピュータ2、3、4は、CPUa、メインメモリb、補助記憶デバイスc、操作入力デバイスd、オーディオコーデックe、ビデオコーデックf、通信インタフェースg、スピーカh、ディスプレイi、RFIDリーダ(ICカードリーダ)j、カメラ(イメージセンサ)k等のハードウェア資源を備え、これらがコントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)lにより制御されて連携動作するものである。
【0026】
補助記憶デバイスcは、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、その他である。操作入力デバイスdは、手指で操作可能なタッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイスや、押下ボタン、キーボード等である。タッチパネルdは、ディスプレイiの画面に重ねて設けられていることがある。オーディオコーデックeは、符号化されている音声データを復号化してスピーカhから音声出力する。ビデオコーデックfは、CPUaより受けた描画指示をもとに表示させるべき画面を生成し、その画面信号をディスプレイiに向けて送出するGPU、画面や画像のデータを一時的に格納しておくビデオメモリ等を備える。オーディオコーデックe、ビデオコーデックfはそれぞれ、ハードウェアでなくソフトウェアとして実装することも可能である。
【0027】
通信インタフェースgは、電気通信回線を介して他のコンピュータ2、3、4と情報通信を行うためのデバイスである。電気通信回線の具体例としては、インターネット、公衆電話網、携帯電話網、PHS網、公衆無線LAN、WiMAX(登録商標)等の移動体無線通信網、Bluetooth(登録商標)等の短距離通信が挙げられる。通信インタフェースgは、無線LAN用のWi-Fi(登録商標)デバイスや移動体無線通信網用の無線デバイス、短距離通信用のBluetoothトランシーバ、Ethernet(登録商標)用のNIC(Network Interface Card)等である。これら以外に、USB等のインタフェースを実装することもある。
【0028】
RFIDリーダjは、RFIDタグを埋め込んだICカード型のクーポンCから情報を読み取るために用いる。カメラkは、紙券のクーポンCの表面にバーコードや二次元コード等の形で印刷された情報を読み取るために用いる。
【0029】
CPUaによって実行されるべきプログラムは補助記憶デバイスcに格納されており、プログラムの実行の際には補助記憶デバイスcからメインメモリbに読み込まれ、CPUaによって解読される。本実施形態では、既知のOS(Operating System)プログラムやこれに付帯する各種デバイスドライバプログラムが予めインストールされ、他のプログラムによる上記ハードウェア資源の利用を仲介する。
【0030】
しかして、コンピュータ2、3、4には、本実施形態の取引支援システムの機能を構成するために必要となるアプリケーションプログラムがインストールされる。なお、このプログラムは、ウェブサーバ等のコンピュータから電気通信回線を介して提供され、ウェブブラウザ上で起動する(ウェブブラウザにより解釈、実行される)、HTML(HyperText Markup Language)やJavaScript(登録商標)等で記述されたスクリプトであることがある。
【0031】
以降、本取引支援システムの機能を、各フェーズ毎に記述する。
【0032】
<第一 利用者U等がクーポンを購入するフェーズ>
第一フェーズは、利用者Uや提供者Pが運営者Sから電子データとしてのクーポンを購入するフェーズである。物理的実体を伴うクーポンCを購入する場合には、利用者Uまたは提供者Pがそれを人為的に受け取ることができ、必ずしもコンピュータシステムによる処理を介在させる必要がない。
【0033】
図3に、第一フェーズにおける本システムの機能ブロック図を示す。利用者属性情報記憶部101は、各利用者U毎の属性情報を、当該利用者Uを識別する利用者UのIDに関連付けて記憶する。利用者属性情報記憶部101は、原則として、運営者コンピュータ4上に、メインメモリbまたは補助記憶デバイスcの所要の記憶領域を利用して構成される。但し、利用者U本人の属性情報に限り、その利用者Uが使用するコンピュータ2上に構成される利用者属性情報記憶部101に記憶保持することがある。
図4に、利用者属性情報記憶部101が記憶する利用者Uの属性情報を例示する。利用者U属性情報は、例えば、利用者Uの氏名、年齢または世代、性別、職業(業種、職種、職責上の地位、資格等を含む)、住居所または勤務地等、連絡先(電話番号や電子メールアドレス等)を含む。加えて、当該利用者Uがクーポンを購入する際の代金を引き落とす(運営者Sが収受する)ための、利用者Uの銀行その他金融機関の口座番号やクレジットカード番号等を含むことがある。
【0034】
提供者属性情報記憶部102は、各提供者P毎の属性情報を、当該提供者Pを識別する提供者PのIDに関連付けて記憶する。提供者属性情報記憶部102は、原則として、運営者コンピュータ4上に、メインメモリbまたは補助記憶デバイスcの所要の記憶領域を利用して構成される。但し、提供者P自己の属性情報に限り、その提供者Pが使用または管理するコンピュータ3上に構成される提供者属性情報記憶部102に記憶保持することがある。
図5に、提供者属性情報記憶部102が記憶する提供者Pの属性情報を例示する。提供者P属性情報は、例えば、提供者Pの名称、提供する設備またはサービスの種別、提供場所、連絡先(電話番号や電子メールアドレス等)を含む。加えて、当該提供者Pがクーポンを購入する際の代金を引き落としたり(運営者Sが収受する)、提供者Pがクーポンを換金した際の代金を運営者Sから当該提供者Pに送金したりするための、提供者Pの銀行その他金融機関の口座番号やクレジットカード番号等を含むことがある。
【0035】
利用者保有クーポン記憶部103は、各利用者U毎に、当該利用者Uが現在保有しているクーポンに関する情報を、当該利用者Uを識別する利用者UのIDに関連付けて記憶する。利用者保有クーポン記憶部103は、原則として、運営者コンピュータ4上に、メインメモリbまたは補助記憶デバイスcの所要の記憶領域を利用して構成される。但し、利用者U本人の保有クーポンに関する情報に限り、その利用者Uが使用するコンピュータ2上に構成される利用者保有クーポン記憶部103に記憶保持することがある。
図6及び
図7に、利用者保有クーポン記憶部103が記憶するクーポンの情報を例示する。利用者保有クーポン記憶部103は、少なくとも、利用者Uが現在保有しているクーポンを識別するクーポンID、及びその保有しているクーポンの点数を記憶する。加えて、各クーポンの流通履歴のログ情報を、当該クーポンIDに関連付けて記憶保持する。
【0036】
提供者保有クーポン記憶部104は、各提供者P毎に、当該提供者Pが現在保有しているクーポンに関する情報を、当該提供者Pを識別する提供者PのIDに関連付けて記憶する。提供者保有クーポン記憶部104は、原則として、運営者コンピュータ4上に、メインメモリbまたは補助記憶デバイスcの所要の記憶領域を利用して構成される。但し、提供者P自己の保有クーポンに関する情報に限り、その提供者Pが使用または管理するコンピュータ3上に構成される提供者保有クーポン記憶部104に記憶保持することがある。
図6及び
図7に、提供者保有クーポン記憶部104が記憶するクーポンの情報を例示する。提供者保有クーポン記憶部104は、少なくとも、提供者Pが現在保有しているクーポンを識別するクーポンID、及びその保有しているクーポンの点数を記憶する。加えて、各クーポンの流通履歴のログ情報を、当該クーポンIDに関連付けて記憶保持する。
【0037】
購入指令受付部105は、クーポンの購入を希望する利用者Uの使用するコンピュータ2、またはクーポンの購入を希望する提供者Pの使用するコンピュータ3からもたらされる、クーポンの希望を購入する旨の指令を電気通信回線を介して受信する。購入指令受付部105は、運営者コンピュータ4上に構成される。受信する指令には、クーポンを購入しようとする利用者Uまたは提供者PのIDと、当該利用者Uまたは提供者Pが購入を希望するクーポン点数とが含まれている。加えて、クーポンの購入代金を引き落とすための金融機関の口座番号またはクレジットカード番号等が含まれることがある。
【0038】
購入決裁処理部106は、上記の指令を受信したことに基づき、利用者Uまたは運営者Sによるクーポンの購入のための処理を実行する。まず、購入指令に含まれる、クーポンを購入する利用者Uまたは提供者PのIDに関連付けて、購入されるクーポンの点数及びそのクーポンを識別するIDを、利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104に書き込む。並びに、当該クーポンの流通履歴のログ情報を追記する。なお、利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104が、利用者Uまたは運営者Sの使用するコンピュータ2、3上に構成されている場合には、当該コンピュータ2、3上の利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104に購入されたクーポンに関する情報を書き込むよう、指令を運営者コンピュータ4から利用者コンピュータ2または提供者コンピュータ3に向けて電気通信回線を介して返信する。これを受信したコンピュータ2、3は、指令に従い、利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104にクーポンに関する情報を書き込む。
【0039】
さらに、購入決裁処理部106は、クーポンを購入した利用者Uまたは提供者Pから代金を収受するべく、当該利用者Uまたは提供者PのIDに関連付けられている金融機関の口座またはクレジットカードからクーポン点数分の金額を引き落とすよう、指令を対象の金融機関やクレジットカード会社のコンピュータに向けて電気通信回線を介して送信する。
【0040】
<第二 他の利用者Uにクーポンを譲渡するフェーズ>
第二フェーズは、利用者U同士の間で、または提供者Pから利用者Uに、クーポンを譲渡するフェーズである。物理的実体を伴うクーポンCを購入する場合には、利用者Uが人為的に受け取ることができ、必ずしもコンピュータシステムによる処理を介在させる必要がない。
【0041】
図8に、第二フェーズにおける本システムの機能ブロック図を示す。譲渡指令受付部107は、自己が保有するクーポンを他の利用者Uに譲渡することを希望する利用者U(あるいは、他の利用者Uないし提供者Pからクーポンを譲り受けようとする利用者U)の使用するコンピュータ2、またはクーポンを他の利用者Uに譲渡することを希望する提供者Pの使用するコンピュータ3からもたらされる、クーポンを譲渡する旨の指令を電気通信回線を介して受信する。譲渡指令受付部107は、運営者コンピュータ4上に構成される。受信する指令には、保有するクーポンを譲り渡そうとする利用者Uまたは提供者PのIDと、そのクーポンを譲り受ける対象の利用者UのIDと、譲渡するクーポン点数及びクーポンのIDとが含まれている。
【0042】
譲渡決裁処理部108は、上記の指令を受信したことに基づき、利用者Uまたは提供者Pによるクーポンの譲渡のための処理を実行する。まず、譲渡指令に含まれる、保有しているクーポンを譲り渡す側の利用者Uまたは提供者PのIDに関連付けて利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104に記憶しているクーポンの情報から、他の利用者Uに譲り渡す分のクーポンの点数及びそのクーポンを識別するIDを削除する。それとともに、クーポンを譲り受ける側の利用者UのIDに関連付けて、譲渡されるクーポンの点数及びそのクーポンを識別するIDを、利用者保有クーポン記憶部103に書き込む。並びに、その譲渡のログを、当該クーポンIDに関連付けて追記する。なお、利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104が、利用者Uまたは提供者Pの使用するコンピュータ2、3上に構成されている場合には、当該コンピュータ2、3上の利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104に譲渡されたクーポンに関する情報を書き込むよう、指令を運営者コンピュータ4から利用者コンピュータ2または提供者コンピュータ3に向けて電気通信回線を介して返信する。これを受信したコンピュータ2、3は、指令に従い、利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104に譲渡されたクーポンに関する情報を書き込む。
【0043】
<第三 利用者Uに、設備またはサービスの利用条件その他の情報を提供するフェーズ>
第三フェーズは、設備またはサービスの利用を検討しまたは希望する利用者Uに対して、当該設備またはサービスの利用条件その他の情報を提示するフェーズである。
【0044】
図9に、第三フェーズにおける本システムの機能ブロック図を示す。利用条件情報記憶部109は、各提供者P毎に、当該提供者Pが利用者Uに提供する設備またはサービスに関する利用条件の情報を、当該提供者Pを識別する提供者PのIDに関連付けて記憶する。利用条件情報記憶部109は、原則として、運営者コンピュータ4上に、メインメモリbまたは補助記憶デバイスcの所要の記憶領域を利用して構成される。但し、提供者P自己の設備またはサービスの利用条件に関する情報に限り、その提供者Pが使用または管理するコンピュータ3上に構成される利用条件情報記憶部109に記憶保持することがある。
図10に、利用条件情報記憶部109が記憶する利用条件の情報を例示する。利用条件情報記憶部109は、提供者Pの提供する設備またはサービスを利用者Uが利用する場合に当該提供者Pに対価として支払うべき、単位利用時間あたりのクーポン点数の情報を含む。単位利用時間あたりのクーポン点数は、提供者P毎に異なるだけでなく、設備またはサービスの利用時間帯、日、曜日若しくは月毎に異なることがあり、または、利用者Uの属性毎に異なることがある。利用条件の情報は、各提供者Pによって設定される。
【0045】
予約情報記憶部110は、各提供者P毎に、当該提供者Pが利用者Uに提供する設備またはサービスの予約状況に関する情報を、当該提供者Pを識別する提供者PのIDに関連付けて記憶する。予約情報記憶部110は、原則として、運営者コンピュータ4上に、メインメモリbまたは補助記憶デバイスcの所要の記憶領域を利用して構成される。但し、提供者P自己の設備またはサービスの予約情報に限り、その提供者Pが使用または管理するコンピュータ3上に構成される予約情報記憶部110に記憶保持することがある。
図11に、予約情報記憶部110が記憶する予約情報を例示する。予約情報記憶部110は、日及び時間帯毎に、現状何れかの利用者Uが利用可能であるか利用不能であるか、また利用不能である時間帯については当該時間帯の利用を予約している利用者UのID等の情報を記憶する。
【0046】
利用条件情報提供部111は、提供者属性情報記憶部102、利用条件情報記憶部109及び予約情報記憶部110に記憶している情報を、利用者Uが使用するコンピュータ2上で表示させるべく、同コンピュータ2に送信する。利用条件情報提供部111は、運営者コンピュータ4または提供者コンピュータ3上に構成され、ちょうどウェブサーバのように、利用者コンピュータ2から要求を電気通信回線を介して受信し、当該利用者コンピュータ2に向けて各種情報を電気通信回線を介して返信する。その情報を受信した利用者コンピュータ2は、これをディスプレイiの画面に表示させ、利用者Uの閲覧に供する。
図12に、情報の画面表示例を示す。
【0047】
<第四 利用者Uによる、設備またはサービスの利用の予約を受け付けるフェーズ>
第四フェーズは、利用者Uによる、所望の設備またはサービスの利用の申請または予約を受け付けるフェーズである。
【0048】
図13に、第四フェーズにおける本システムの機能ブロック図を示す。利用申請受付部112は、設備またはサービスの利用を希望する利用者Uの使用するコンピュータ2からもたらされる、設備またはサービスの利用を申請する旨の指令を電気通信回線を介して受信する。利用申請受付部112は、運営者コンピュータ4上に構成される。受信する指令には、利用者UのIDと、当該利用者Uが利用を希望する設備またはサービスの提供者PのIDと、その利用を希望する日時及び利用時間の長さの情報とが含まれている。加えて、当該利用者Uに係る属性情報の一部が含まれることがある。
【0049】
利用申請処理部113は、上記の指令を受信したことに基づき、利用者Uによる利用予約のための処理を実行する。即ち、利用申請の指令に含まれる、提供者PのID、利用の希望日時及び利用時間の長さに対応して、予約情報記憶部110に記憶している予約情報を書き換える。なお、予約情報記憶部110が、提供者Pの使用または管理するコンピュータ3上に構成されている場合には、当該コンピュータ3上の予約情報記憶部110に対応する情報を書き込むよう、指令を運営者コンピュータ4から提供者コンピュータ3に向けて電気通信回線を介して返信する。これを受信したコンピュータ3は、指令に従い、予約情報記憶部110に記憶している情報の更新を行う。
【0050】
<第五 利用者Uが、設備またはサービスの利用の対価としてクーポンを支払うフェーズ>
第五フェーズは、利用者Uが、所望の設備またはサービスの利用の対価となるクーポンを、当該設備またはサービスの提供者Pに支払うフェーズである。なお、利用者Uが提供者Pに対して物理的実体を伴うクーポンCを支払う場合には、提供者Pがこれを人為的に受け取ることができ、必ずしもコンピュータシステムによる処理を介在させる必要がない。
【0051】
図14に、第五フェーズにおける本システムの機能ブロック図を示す。引き続き、利用申請処理部113は、上記の利用申請の指令に基づき、利用者Uから提供者Pへのクーポンの支払いのための処理を実行する。まず、利用申請の指令に含まれる、利用者UのIDに関連付けて利用者保有クーポン記憶部103に記憶しているクーポンの情報から、提供者Pに支払う分のクーポンの点数及びそのクーポンを識別するIDを削除する。このときのクーポン点数の減算分は、利用申請の指令に含まれる提供者PのIDに関連付けて利用条件情報記憶部109に記憶している利用条件に応じたものとなる。また、このときのクーポン点数の減算分は、利用者Uによる設備またはサービスの利用の日時に応じて変動することがある。さらに、クーポン点数の減算分は、利用申請の指令に含まれる利用者UのIDに関連付けて利用者属性情報記憶部101に記憶している利用者Uの属性に応じて変動することがある。例えば、平常は利用時間一時間あたり二千点のクーポンを支払う必要があるとしても、特定の日時における利用では千点のクーポンを支払えばよかったり、特定の属性を有する利用者Uであれば千点のクーポンを支払えばよかったりする。
【0052】
それとともに、クーポンの支払いを受ける提供者PのIDに関連付けて、支払われるクーポンの点数及びそのクーポンを識別するIDを、提供者保有クーポン記憶部104に書き込む。提供者Pの保有するクーポン点数の加算分は、利用者Uの保有するクーポン点数の減算分に等しい。並びに、その支払いのログを、当該クーポンIDに関連付けて追記する。なお、利用者保有クーポン記憶部103または提供者保有クーポン記憶部104が、利用者Uまたは運営者Sの使用するコンピュータ2、3上に構成されている場合には、当該コンピュータ2、3上の利用者保有クーポン記憶部103及び提供者保有クーポン記憶部104に支払われたクーポンに関する情報を書き込むよう、指令を運営者コンピュータ4から利用者コンピュータ2及び提供者コンピュータ3に向けて電気通信回線を介して返信する。これを受信したコンピュータ2、3は、指令に従い、利用者保有クーポン記憶部103及び提供者保有クーポン記憶部104に譲渡されたクーポンに関する情報を書き込む。
【0053】
<第六 提供者Pが、保有しているクーポンを換金するフェーズ>
第六フェーズは、提供者Pが、利用者Uから支払いを受けたクーポンを法定通貨に換金するフェーズである。
【0054】
図15に、第六フェーズにおける本システムの機能ブロック図を示す。換金要求受付部114は、自己が保有するクーポンを換金することを希望する提供者Pの使用するコンピュータ3からもたらされる、クーポンを換金する旨の指令を電気通信回線を介して受信する。換金要求受付部114は、運営者コンピュータ4上に構成される。受信する指令には、保有するクーポンを換金しようとする提供者PのIDと、換金するべきクーポン点数及びクーポンのIDとが含まれている。
【0055】
なお、提供者Pが利用者Uから物理的実体を伴うクーポンCを対価として受け取っており、そのクーポンCを法定通貨に換金しようとするにあたっては、予め当該クーポンCに記録されている、同クーポンの点数及び同クーポンのIDを、提供者Pが使用するコンピュータ3において読み取る。クーポンの点数及びIDの情報は、クーポンCに埋め込まれたRFIDタグに記憶保持されていたり、クーポンCの表面にバーコードや二次元コード等の形で印刷されていたりする。提供者コンピュータ3は、RFIDリーダjやカメラkを介してこの情報を読み取る。そして、読み取った情報を含む指令を、提供者コンピュータ3から運営者コンピュータ4に向けて送信することになる。
【0056】
換金決裁処理部115は、上記の指令を受信したことに基づき、提供者Pの保有するクーポンの換金のための処理を実行する。まず、換金要求の指令に含まれる、当該提供者PのIDに関連付けて提供者保有クーポン記憶部104に記憶しているクーポンの情報から、換金する分のクーポンの点数及びそのクーポンを識別するIDを削除する。並びに、その譲渡のログを、当該クーポンIDに関連付けて追記する。なお、提供者保有クーポン記憶部104が、提供者Pの使用するコンピュータ2、3上に構成されている場合には、当該コンピュータ3上の提供者保有クーポン記憶部104に譲渡されたクーポンに関する情報を書き込むよう、指令を運営者コンピュータ4から提供者コンピュータ3に向けて電気通信回線を介して返信する。これを受信したコンピュータ3は、指令に従い、提供者保有クーポン記憶部104に譲渡されたクーポンに関する情報を書き込む。
【0057】
さらに、換金決裁処理部115は、クーポンを換金した提供者Pにクーポン分の金額を送金するべく、当該提供者PのIDに関連付けられている金融機関の口座等にクーポン点数分の金額を振り込むよう、指令を対象の金融機関等のコンピュータに向けて電気通信回線を介して送信する。
【0058】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態にあっては、「クーポンの点数」を単純に点数値として表していたが、これに代えて、
図16に示す変形例のように、クーポンの点数を「設備またはサービスを利用可能な時間の長さ」として表すことがある。このときのクーポンの点数は、利用時間(hours)の値や分(minutes)の値である。
【0059】
ここで留意するべきは、利用者Uが単位時間分設備またはサービスを利用するために提供者Pに対価として支払うべきクーポンの量即ち「利用可能時間」が、設備またはサービス毎に、あるいは提供者P毎に異なり得るということである。ある設備またはサービスについては、利用者Uが一時間分のクーポンを対価として提供者Pに支払うことにより、一時間利用できるであろう。だが、他の設備またはサービスについては、利用者Uが一時間分のクーポンを対価として支払ったとしても、より短い時間、例えば三十分しか利用できない可能性がある。そのような設備またはサービスは、一般的な設備またはサービスと比較して、より濃厚な体験や利便性、快適性等を享受できるものであるかもしれない。それはあたかも、当該設備またはサービスの下で過ごす三十分が、一時間のような濃さ、価値を有していることを示唆する。
【0060】
逆に、利用者Uが一時間分のクーポンを対価として支払うことで、より長い時間、例えば二時間利用できる設備またはサービスが存在していてもよい。
【0061】
このように、クーポンの点数を利用可能時間の数値として定義することで、利用者Uが、各設備またはサービスそれぞれの体験価値の違いをイメージしやすくなる。
【0062】
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…取引支援システム
2…利用者が使用するコンピュータ
3…提供者が使用または管理するコンピュータ
4…運営者が使用または管理するコンピュータ
C…有体物のクーポン
P…提供者
S…運営者
U…利用者