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特開2023-161870スクラップ山形状測定装置、スクラップ山形状測定方法、及びプログラム
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  • 特開-スクラップ山形状測定装置、スクラップ山形状測定方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161870
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】スクラップ山形状測定装置、スクラップ山形状測定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
B65G63/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072484
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】504358148
【氏名又は名称】株式会社コベルコE&M
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼次 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】安樂 桂馬
(72)【発明者】
【氏名】山内 太郎
(72)【発明者】
【氏名】大橋 昇司
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 良浩
(72)【発明者】
【氏名】松永 博之
(57)【要約】
【課題】スクラップ山形状の測定精度向上を図ることが可能なスクラップ山形状測定装置を提供する。
【解決手段】スクラップ山形状測定装置は、スクラップヤードの上方に設置された天井クレーンのランウェイを走行するガーターに設置され、ガーターとともに移動しながら、スクラップヤードの各位置におけるスクラップ山の表面までの距離を測定する光測距センサと、光測距センサにより測定された距離に基づいて、各位置におけるスクラップ山の高さを算出する演算部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクラップヤードの上方に設置された天井クレーンのランウェイを走行するガーターに設置され、前記ガーターとともに移動しながら、前記スクラップヤードの各位置におけるスクラップ山の表面までの距離を測定する光測距センサと、
前記光測距センサにより測定された距離に基づいて、前記各位置における前記スクラップ山の高さを算出する演算部と、
を備える、スクラップ山形状測定装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記光測距センサにより測定された距離及び照射光の角度に基づいて、前記各位置における前記高さを算出する、
請求項1に記載のスクラップ山形状測定装置。
【請求項3】
前記光測距センサは、前記ガーターとともに移動し、且つ照射光を前記ガーターの走行方向と直交する方向に走査しながら、前記各位置における前記距離を測定する、
請求項1に記載のスクラップ山形状測定装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記照射光の走査方向に並んだ各位置の前記高さに基づいて、前記スクラップ山の断面積を算出する、
請求項3に記載のスクラップ山形状測定装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記ガーターの走行方向の各位置における前記断面積に基づいて、前記スクラップ山の体積を算出する、
請求項4に記載のスクラップ山形状測定装置。
【請求項6】
前記演算部は、前記スクラップ山の体積及び比重に基づいて、前記スクラップ山の重量を算出する、
請求項5に記載のスクラップ山形状測定装置。
【請求項7】
前記ガーターの走行方向と直交する方向に互いに離れて複数の前記光測距センサが設置される、
請求項1に記載のスクラップ山形状測定装置。
【請求項8】
スクラップヤードの上方に設置された天井クレーンのランウェイを走行するガーターに設置された光測距センサにより、前記ガーターとともに移動しながら、前記スクラップヤードの各位置におけるスクラップ山の表面までの距離を測定し、
前記光測距センサにより測定された距離に基づいて、前記各位置における前記スクラップ山の高さを算出する、
スクラップ山形状測定方法。
【請求項9】
スクラップヤードの上方に設置された天井クレーンのランウェイを走行するガーターに設置された光測距センサにより、前記ガーターとともに移動しながら測定された、前記スクラップヤードの各位置におけるスクラップ山の表面までの距離を取得すること、及び
前記距離に基づいて、前記各位置における前記スクラップ山の高さを算出すること、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクラップ山形状測定装置、スクラップ山形状測定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2台一対のカメラのステレオ視による視差を利用してスクラップヤードに保管した番地毎のスクラップ山高さを計測する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-197170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、カメラがスクラップヤードの建屋柱に固定されるため、スクラップ山が高くなると死角が増えて、高さの計測が困難になるとの課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、スクラップ山形状の測定精度向上を図ることが可能なスクラップ山形状測定装置、スクラップ山形状測定方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の態様のスクラップ山形状測定装置は、スクラップヤードの上方に設置された天井クレーンのランウェイを走行するガーターに設置され、前記ガーターとともに移動しながら、前記スクラップヤードの各位置におけるスクラップ山の表面までの距離を測定する光測距センサと、前記光測距センサにより測定された距離に基づいて、前記各位置における前記スクラップ山の高さを算出する演算部と、を備える。これによると、スクラップ山形状の測定精度向上を図ることが可能となる。
【0007】
上記態様において、前記演算部は、前記光測距センサにより測定された距離及び照射光の角度に基づいて、前記各位置における前記高さを算出してもよい。これによると、高さの測定精度向上を図ることが可能となる。
【0008】
上記態様において、前記光測距センサは、前記ガーターとともに移動し、且つ照射光を前記ガーターの走行方向と直交する方向に走査しながら、前記各位置における前記距離を測定してもよい。これによると、測定効率向上を図ることが可能となる。
【0009】
上記態様において、前記演算部は、前記照射光の走査方向に並んだ各位置の前記高さに基づいて、前記スクラップ山の断面積を算出してもよい。これによると、断面積の測定精度向上を図ることが可能となる。
【0010】
上記態様において、前記演算部は、前記ガーターの走行方向の各位置における前記断面積に基づいて、前記スクラップ山の体積を算出してもよい。これによると、体積の測定精度向上を図ることが可能となる。
【0011】
上記態様において、前記演算部は、前記スクラップ山の体積及び比重に基づいて、前記スクラップ山の重量を算出してもよい。これによると、重量の測定精度向上を図ることが可能となる。
【0012】
上記態様において、前記ガーターの走行方向と直交する方向に互いに離れて複数の前記光測距センサが設置されてもよい。これによると、死角をさらに減らすことが可能となる。
【0013】
また、本発明の他の態様のスクラップ山形状測定方法は、スクラップヤードの上方に設置された天井クレーンのランウェイを走行するガーターに設置された光測距センサにより、前記ガーターとともに移動しながら、前記スクラップヤードの各位置におけるスクラップ山の表面までの距離を測定し、前記光測距センサにより測定された距離に基づいて、前記各位置における前記スクラップ山の高さを算出する。これによると、スクラップ山形状の測定精度向上を図ることが可能となる。
【0014】
また、本発明の他の態様のプログラムは、スクラップヤードの上方に設置された天井クレーンのランウェイを走行するガーターに設置された光測距センサにより、前記ガーターとともに移動しながら測定された、前記スクラップヤードの各位置におけるスクラップ山の表面までの距離を取得すること、及び前記距離に基づいて、前記各位置における前記スクラップ山の高さを算出すること、をコンピュータに実行させる。これによると、スクラップ山形状の測定精度向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】スクラップヤード及び天井クレーンの例を示す図である。
図2】スクラップ山形状測定装置の例を示す図である。
図3】山形状データベースの例を示す図である。
図4】スクラップ山形状測定方法の例を示す図である。
図5】スクラップ山の断面積算出を説明するための図である。
図6】スクラップ山の体積算出を説明するための図である。
図7】銘柄-比重テーブルの例を示す図である。
図8】3次元形状データの例を示す図である。
図9】3次元形状データの例を示す図である。
図10】領域分割の例を示す図である。
図11】領域分割の例を示す図である。
図12】光測距センサの別の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、スクラップヤードSY及び天井クレーン9の構成例を模式的に示す図である。スクラップヤードSYは、例えば電炉メーカーが鉄スクラップを受け入れるための施設である。スクラップヤードSYには、鉄スクラップが積み重なったスクラップ山SMが形成される。
【0018】
スクラップ山SMは、例えば鉄スクラップの銘柄毎に形成される。鉄スクラップの銘柄は、例えばヘビー、プレス、又はシュレッダー等の品種である。鉄スクラップの銘柄は、HS~H2等の等級をさらに含んでもよい。
【0019】
スクラップヤードSYの上方には、天井クレーン9が設置されている。天井クレーン9は、例えばトロリ式天井クレーンであり、一対のランウェイ91、ランウェイ91を走行するガーター92、ガーター92を走行するクラブトロリ93、及びクラブトロリ93から吊り下げられたフックブロック94を備えている。
【0020】
図中のz方向は、ランウェイ91の延伸方向、すなわちランウェイ91を走行するガーター92の走行方向を表す。x方向は、ガーター92の延伸方向、すなわちガーター92の走行方向と直交する方向を表す。y方向は、高さ方向を表す。また、図中のWは、スクラップヤードSYのx方向の幅を表す。Tは、スクラップヤードSYの地面からガーター92までの高さ(詳しくは、光測距センサ2までの高さ)を表す。
【0021】
本実施形態では、ガーター92に光測距センサ2が設置されている。光測距センサ2は、ガーター92とともにz方向に移動しながら、スクラップヤードSYの各位置におけるスクラップ山SMの表面までの距離Lを測定する。光測距センサ2は、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging)である。
【0022】
詳しくは、光測距センサ2は、照射光Pをx方向に走査する2D-LiDARである。すなわち、光測距センサ2は、ガーター92とともにz方向に移動し、且つ照射光Pをx方向に走査しながら、スクラップ山SMの表面までの距離Lを測定する。これに限らず、光測距センサ2は、照射光Pをx方向及びz方向に走査する3D-LiDARであってもよい。
【0023】
光測距センサ2は、死角を低減するため、ガーター92の中央に設置されることが好ましい。すなわち、光測距センサ2は、スクラップヤードSYのx方向の中央の上方に設置されることが好ましい。これに限らず、光測距センサ2は、ガーター92の中央から離れた位置に設置されてもよい。
【0024】
図2は、スクラップ山形状測定装置1の構成例を示すブロック図である。スクラップ山形状測定装置1は、光測距センサ2に加えて、演算部10、操作部4、表示部5、及びメモリ6を備えている。スクラップ山形状測定装置1は、クレーン制御部3をさらに備えてもよい。
【0025】
演算部10は、CPU、RAM、ROM、及び入出力インターフェース等を含むコンピュータである。操作部4は、例えばキーボード又はマウス等である。表示部5は、例えば液晶表示装置等である。
【0026】
演算部10のCPUは、メモリ6からRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行する。プログラムは、光ディスク又はメモリカード等の情報記憶媒体を介して供給されてもよいし、インターネット又はLAN等の通信ネットワークを介して供給されてもよい。
【0027】
演算部10は、光測距センサ2により測定された距離Lに基づいて、スクラップ山SMの高さ、断面積、体積、及び重量などを算出する。これらの具体的な算出手法については後述する。
【0028】
クレーン制御部3は、天井クレーン9を制御するためのモータ、インバータ、及びエンコーダ等を含んでいる。演算部10は、エンコーダからの検出信号に基づいて、ガーター92のz方向の位置を算出してもよい。
【0029】
メモリ6は、例えばHDD又はSSD等の記憶装置である。メモリ6は、光測距センサ2による測定結果及び演算部10による算出結果を記憶するための山形状データベース(DB)61を有している。
【0030】
図3は、山形状DB61の内容例を示す図である。山形状DB61は、スクラップ山SMの形状を表す3次元形状データを記憶している。具体的には、山形状DB61は、「No.」、「θ」、「x」、「L」、「y(=H)」、及び「z」等のフィールドを含んでいる。
【0031】
「θ」は、光測距センサ2から発せられる照射光Pの鉛直軸に対するx方向の角度を表す(図1参照)。照射光Pの走査によって角度θは所定のピッチで変化する。「x」は、スクラップヤードSYにおけるx方向の位置を表す。xは、照射光Pの角度θから変換される。具体的には、xは W/2+T×tanθ で表される。
【0032】
「L」は、光測距センサ2により測定される距離を表す。すなわち、Lは、光測距センサ2からスクラップ山SMの表面までの距離を表す。「y(=H)」は、スクラップ山SMの表面の高さを表す。yは、照射光Pの角度θ及び測定された距離Lから変換される。具体的には、yは T-L×cosθ で表される。
【0033】
「z」は、スクラップヤードSYにおけるz方向の位置を表す。光測距センサ2による測定は、ガーター92をz方向に定速で走行させながら行われるため、zは、測定開始からの経過時間と比例関係にある。なお、光測距センサ2による照射光Pの走査速度は、ガーター92の走行速度と比べて十分に高い。これに限らず、zは、クレーン制御部3のエンコーダからの検出信号に基づいて算出されてもよい。
【0034】
図4は、スクラップ山形状測定装置1において実現されるスクラップ山形状測定方法の手順例を示すフロー図である。スクラップ山形状測定装置1の演算部10は、同図に示す情報処理をプログラムに従って実行する。
【0035】
まず、演算部10は、光測距センサ2により測定された測定データを、山形状DB61から取得する(S11)。測定データは、距離L及び角度θを含む。
【0036】
次に、演算部10は、光測距センサに2より測定された距離L及び照射光Pの角度θに基づいて、x方向及びz方向の各位置におけるスクラップ山SMの高さyを算出する(S12)。上述したように、yは T-L×cosθ で表される。
【0037】
次に、演算部10は、x方向に並んだ各位置の高さyに基づいて、スクラップ山SMの断面積Sを算出する(S13)。すなわち、演算部10は、スクラップ山SMをx方向に切断したときの断面積Sを算出する。演算部10は、スクラップ山SMの断面積Sをz方向の各位置について算出する。
【0038】
図5は、スクラップ山SMの断面積Sの算出を説明するための図である。同図は、照射光Pをx方向に1走査したときに検出される複数の点EPを示している。スクラップ山SMの断面積Sは、各点EPの高さyとx方向の間隔xi+1-xとで定義される短冊状領域の面積を足し合わせることによって算出される。具体的には、スクラップ山SMの断面積Sは、下記数式1で表される。
【0039】
【数1】
【0040】
iはx方向の位置に対応し、jはz方向の位置に対応する。xi,jは、x方向にi番目、z方向にj番目のxの値を表す。yi,jは、x方向にi番目、z方向にj番目のyの値を表す。Sは、z方向にj番目の断面積を表す。
【0041】
次に、演算部10は、z方向の各位置における断面積Sに基づいて、スクラップ山SMの体積Vを算出する(S14)。
【0042】
図6は、スクラップ山SMの体積Vの算出を説明するための図である。スクラップ山SMの体積Vは、断面積Sとz方向の間隔zj+1-zとで定義される板状体の体積を足し合わせることによって算出される。具体的には、スクラップ山SMの体積Vは、下記数式2で表される。
【0043】
【数2】
【0044】
jはz方向の位置に対応する。zは、z方向にj番目のzの値を表す。Sは、z方向にj番目の断面積を表す。
【0045】
次に、演算部10は、スクラップ山SMの体積V及び比重に基づいて、スクラップ山SMの重量を算出する(S15)。すなわち、演算部10は、算出されたスクラップ山SMの体積Vに、スクラップ山SMに含まれる鉄スクラップの銘柄に応じた比重を乗じることで、スクラップ山SMの重量を算出する。
【0046】
例えば、演算部10は、メモリ6に格納された銘柄-比重テーブル(図7参照)を参照して、指定された銘柄に対応する比重を取得する。銘柄は、操作部4を操作するユーザによって指定される。例えば、スクラップヤードSYの保管エリア毎に銘柄が予め指定され、スクラップ山SMが配置されたエリアに基づいて比重が決定される。
【0047】
以上に説明した実施形態によれば、光測距センサ2をガーター92とともに移動させながらスクラップ山SMの形状を測定するので、死角を低減して測定精度を向上させることが可能となる。
【0048】
以下、山形状DB61に記憶された3次元形状データのデータ処理例について具体的に説明する。
【0049】
図8及び図9は、3次元形状データDDの例を示す斜視図及び平面図である。これらの図は等高線図であり、高さ毎に色分けされている。これらの図に示すように、3次元形状データDDは、複数のスクラップ山SMを含んでいる。
【0050】
複数のスクラップ山SMは、互いに異なる銘柄の鉄スクラップを含んでいる。このため、演算部10は、銘柄毎にスクラップ山SMの体積を求める。
【0051】
具体的には、演算部10は、3次元形状データDDを示す画像を表示部5に表示するとともに、ユーザによる操作部4への操作入力に基づいて、銘柄毎のスクラップ山SMに分割するための境界線を確定する。
【0052】
例えば、図10に示すように、3次元形状データDDの画像上にユーザによって境界ポイントVPが入力される。そして、図11に示すように、境界ポイントVPを結ぶ境界線BLが確定される。これにより、銘柄毎の領域A1-A4が決定される。領域番号は、自動で割り振られてもよいし、ユーザにより割り振られてもよい。
【0053】
そして、演算部10は、領域A1-A4毎にスクラップ山SMの体積を求め、さらに銘柄に応じた比重を用いて重量を求める。例えば、領域A1-A4から選択される1の領域のスクラップ山SMの体積は、他の領域の高さを「0」として全領域のスクラップ山SMの体積を求めることにより求められる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が当業者にとって可能であることはもちろんである。
【0055】
上記実施形態では、1つの光測距センサ2をガーター92の中央に設置した例について説明したが、これに限らず、図12に示すように、複数の光測距センサ2がx方向に互いに離れて設置されてもよい。これによれば、死角をさらに低減することが可能となる。
【0056】
なお、複数の光測距センサ2により同じ位置について距離が測定された場合には、測定された距離の平均値を採用してもよいし、より近い光測距センサ2で測定された距離を採用してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 スクラップ山形状測定装置、2 光測距センサ、3 クレーン制御部、4 操作部、5 表示部、6 メモリ、61 山形状DB、10 演算部、9 天井クレーン、91 ランウェイ、92 ガーター、93 クラブトロリ、94 フックブロック、SY スクラップヤード、SM スクラップ山

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12