(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161965
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】熱貫流率測定装置及び熱貫流率測定方法
(51)【国際特許分類】
G01N 25/18 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
G01N25/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072633
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】山形 寛
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 大二郎
(72)【発明者】
【氏名】古山 諄
【テーマコード(参考)】
2G040
【Fターム(参考)】
2G040AB08
2G040BA27
2G040DA12
2G040DA16
2G040DA22
2G040EA08
2G040EA11
2G040HA16
(57)【要約】
【課題】面部材の表面の温度の均一性を確保して、面部材の熱貫流率の測定精度を向上させる。
【解決手段】第1温度制御装置3は、第1樹脂シート3Aを介して面部材2の第1表面2Aの温度を制御し、第2温度制御装置4は、第2樹脂シート4Aを介して第1表面2Aの温度とは異なる温度に面部材2の第2表面2Bの温度を制御する。第1温度測定器10は、第1表面2Aの温度を測定し、第2温度測定器11は、第2表面2Bの温度を測定する。熱流センサ12は、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bの間の熱流束を測定する。算出装置20は、第1表面2Aの温度と第2表面2Bの温度の差と熱流束とを用いて算出した面部材2の熱抵抗に基づいて、面部材2の熱貫流率を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置であって、
前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する第1樹脂シートを介して、前記第1表面の温度を制御する第1温度制御装置と、
前記第2表面に接触して前記第2表面の形状に対応して変形する第2樹脂シートを介して、前記第1表面の温度とは異なる温度に前記第2表面の温度を制御する第2温度制御装置と、
前記第1表面の温度を測定する第1温度測定器と、
前記第2表面の温度を測定する第2温度測定器と、
前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定する熱流センサと、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する算出装置と、
を備えた熱貫流率測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載された熱貫流率測定装置において、
前記第1温度制御装置は、前記第1樹脂シートを介して前記第1表面との間で熱を授受する第1液体を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容される前記第1液体の温度を調整する第1温度調整装置と、を有し、
前記第2温度制御装置は、前記第2樹脂シートを介して前記第2表面との間で熱を授受する第2液体を収容する第2収容部と、前記第2収容部に収容される前記第2液体の温度を前記第1液体の温度とは異なる温度に調整する第2温度調整装置と、を有する熱貫流率測定装置。
【請求項3】
面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置であって、
前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する樹脂シートを介して、空気に晒された前記第2表面の温度とは異なる温度に前記第1表面の温度を制御する温度制御装置と、
前記第1表面の温度を測定する第1温度測定器と、
前記第2表面の温度を測定する第2温度測定器と、
前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定する熱流センサと、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する算出装置と、
を備えた熱貫流率測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載された熱貫流率測定装置において、
前記温度制御装置は、前記樹脂シートを介して前記第1表面との間で熱を授受する液体を収容する収容部と、前記収容部に収容される前記液体の温度を前記第2表面の温度とは異なる温度に調整する温度調整装置と、を有する熱貫流率測定装置。
【請求項5】
面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定方法であって、
第1温度制御装置により、前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する第1樹脂シートを介して、前記第1表面の温度を制御し、
第2温度制御装置により、前記第2表面に接触して前記第2表面の形状に対応して変形する第2樹脂シートを介して、前記第1表面の温度とは異なる温度に前記第2表面の温度を制御し、
第1温度測定器により、前記第1表面の温度を測定し、
第2温度測定器により、前記第2表面の温度を測定し、
熱流センサにより、前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定し、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する熱貫流率測定方法。
【請求項6】
請求項5に記載された熱貫流率測定方法において、
前記第1温度制御装置による前記第1表面の温度の制御では、前記第1樹脂シートを介して前記第1表面との間で熱を授受する第1液体を第1収容部に収容し、第1温度調整装置により、前記第1収容部に収容される前記第1液体の温度を調整し、
前記第2温度制御装置による前記第2表面の温度の制御では、前記第2樹脂シートを介して前記第2表面との間で熱を授受する第2液体を第2収容部に収容し、第2温度調整装置により、前記第2収容部に収容される前記第2液体の温度を前記第1液体の温度とは異なる温度に調整する熱貫流率測定方法。
【請求項7】
面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定方法であって、
温度制御装置により、前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する樹脂シートを介して、空気に晒された前記第2表面の温度とは異なる温度に前記第1表面の温度を制御し、
第1温度測定器により、前記第1表面の温度を測定し、
第2温度測定器により、前記第2表面の温度を測定し、
熱流センサにより、前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定し、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する熱貫流率測定方法。
【請求項8】
請求項7に記載された熱貫流率測定方法において、
前記温度制御装置による前記第1表面の温度の制御では、前記樹脂シートを介して前記第1表面との間で熱を授受する液体を収容部に収容し、温度調整装置により、前記収容部に収容される前記液体の温度を前記第2表面の温度とは異なる温度に調整する熱貫流率測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面部材の両側の表面に温度差を生じさせて、面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置、及び、熱貫流率測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物では、建具の板状のガラス部材等の種々の面部材が用いられており、面部材が設けられた箇所の断熱性能が面部材の断熱性能の影響を受ける。面部材の断熱性能は、面部材の熱貫流率で表されて、面部材の熱貫流率により評価される。そのため、面部材の熱貫流率については、精度よく測定することが求められる。また、従来、面部材の屋内側の表面に当接する板状部材を介して、発熱部材から面部材に熱を伝える熱貫流率推定システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の熱貫流率推定システムでは、板状部材の両面の温度、面部材の屋外温度、及び、予め記憶された板状部材の熱貫流率に基づいて、面部材の熱貫流率を推定する。ところが、従来の熱貫流率推定システムでは、面部材の屋内側の表面と屋外側の表面の温度差に起因し、面部材に反りが生じて、面部材が変形する虞がある。面部材が変形した場合には、板状部材から面部材に熱を均一に伝えられずに、面部材の表面の温度の均一性を確保できないことが懸念される。従って、推定される面部材の熱貫流率の精度に影響が生じる虞もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、面部材の表面の温度の均一性を確保して、面部材の熱貫流率の測定精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置であって、
前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する第1樹脂シートを介して、前記第1表面の温度を制御する第1温度制御装置と、
前記第2表面に接触して前記第2表面の形状に対応して変形する第2樹脂シートを介して、前記第1表面の温度とは異なる温度に前記第2表面の温度を制御する第2温度制御装置と、
前記第1表面の温度を測定する第1温度測定器と、
前記第2表面の温度を測定する第2温度測定器と、
前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定する熱流センサと、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する算出装置と、
を備えた熱貫流率測定装置である。
本発明は、面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置であって、
前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する樹脂シートを介して、空気に晒された前記第2表面の温度とは異なる温度に前記第1表面の温度を制御する温度制御装置と、
前記第1表面の温度を測定する第1温度測定器と、
前記第2表面の温度を測定する第2温度測定器と、
前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定する熱流センサと、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する算出装置と、
を備えた熱貫流率測定装置である。
本発明は、面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定方法であって、
第1温度制御装置により、前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する第1樹脂シートを介して、前記第1表面の温度を制御し、
第2温度制御装置により、前記第2表面に接触して前記第2表面の形状に対応して変形する第2樹脂シートを介して、前記第1表面の温度とは異なる温度に前記第2表面の温度を制御し、
第1温度測定器により、前記第1表面の温度を測定し、
第2温度測定器により、前記第2表面の温度を測定し、
熱流センサにより、前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定し、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する熱貫流率測定方法である。
本発明は、面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定方法であって、
温度制御装置により、前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する樹脂シートを介して、空気に晒された前記第2表面の温度とは異なる温度に前記第1表面の温度を制御し、
第1温度測定器により、前記第1表面の温度を測定し、
第2温度測定器により、前記第2表面の温度を測定し、
熱流センサにより、前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定し、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する熱貫流率測定方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、面部材の表面の温度の均一性を確保して、面部材の熱貫流率の測定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の熱貫流率測定装置を示す構成図である。
【
図2】第1実施形態の熱貫流率測定装置の収容部を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の熱貫流率測定装置の収容部の一部を示す断面図である。
【
図4】第1実施形態の面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態の面部材の熱貫流率の算出装置を示すブロック図である。
【
図6】第1実施形態の面部材の熱貫流率の算出装置を示す機能ブロック図である。
【
図7】第2実施形態の熱貫流率測定装置を示す構成図である。
【
図8】第2実施形態の面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の熱貫流率測定装置及び熱貫流率測定方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の熱貫流率測定装置及び熱貫流率測定方法は、面部材の熱貫流率を測定するための装置及び方法であり、面部材の熱に関するデータに基づいて、面部材の熱貫流率を算出して測定する。また、本実施形態の熱貫流率測定方法は、本実施形態の熱貫流率測定装置を使用して実施される。以下、熱貫流率測定装置及び熱貫流率測定方法の2つの実施形態(第1実施形態、第2実施形態)について順に説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の熱貫流率測定装置1を示す構成図であり、熱貫流率測定装置1の概略構成を模式的に示している。
図1では、熱貫流率測定装置1の一部と面部材2を斜視図で示すとともに、熱貫流率測定装置1の他の部分をブロックで示している。
【0011】
図示のように、面部材2は、熱貫流率測定装置1及び熱貫流率測定方法により熱貫流率が測定される板状の被測定物(板部材)である。ここでは、面部材2は、板状のガラス部材であり、矩形状に形成されている。ガラス部材である面部材2は、建物に設けられる建物用の面部材であり、例えば、建具用の面部材、又は、カーテンウォール用の面部材である。また、ガラス部材は、例えば、複層ガラス、合わせガラス、又は、板ガラスである。
【0012】
熱貫流率測定装置1及び熱貫流率測定方法は、測定対象の面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bとに温度差を生じさせて、面部材2の熱貫流率を測定する。第1表面2Aは、面部材2の厚み方向における一方側に位置する表面(一方側表面)であり、第2表面2Bは、面部材2の厚み方向における他方側に位置する表面(他方側表面)である。第1表面2Aと第2表面2Bは、面部材2の厚み方向において、互いに反対側に位置して、平行に形成されている。面部材2での温度差は、第1表面2Aの温度と第2表面2Bの温度の差であり、面部材2の熱貫流率の測定時(算出時)には、温度差の絶対値として算出される。
【0013】
熱貫流率測定装置1は、それぞれ柔軟に変形可能な樹脂シート3A、4A(第1樹脂シート3A、第2樹脂シート4A)を有する2つの温度制御装置3、4(第1温度制御装置3、第2温度制御装置4)と、2つの温度測定器10、11(第1温度測定器10、第2温度測定器11)と、熱流センサ12と、記録装置13と、算出装置20を備えている。なお、
図1及び以下の各図では、樹脂シート3A、4Aに斜線によるハッチングを付している。
【0014】
第1温度制御装置3と第2温度制御装置4は、互いの間に面部材2を挟んで、面部材2の厚み方向の一方側と他方側に配置されている。ここでは、第1温度制御装置3が面部材2の下側に配置されて、第1温度制御装置3の第1樹脂シート3Aが上方に向けて配置されている。また、第2温度制御装置4が面部材2の上側に配置されて、第2温度制御装置4の第2樹脂シート4Aが下方に向けて配置されている。
【0015】
面部材2は、上下方向において、第1温度制御装置3の第1樹脂シート3Aと第2温度制御装置4の第2樹脂シート4Aの間に配置されて、第1樹脂シート3Aと第2樹脂シート4Aに密着した状態で、第1樹脂シート3Aと第2樹脂シート4Aの間に挟まれる。第1温度制御装置3は、第1樹脂シート3Aにより面部材2の第1表面2Aに接触し、第1樹脂シート3Aを介して、第1表面2Aの温度を制御する。第2温度制御装置4は、第2樹脂シート4Aにより面部材2の第2表面2Bに接触し、第2樹脂シート4Aを介して、第2表面2Bの温度を制御する。
【0016】
熱貫流率測定装置1は、第1温度制御装置3と第2温度制御装置4により、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bに温度差を生じさせる。第1温度制御装置3は、第2表面2Bの温度とは異なる所定温度に第1表面2Aの温度を制御して、第1表面2Aの温度を維持する。第2温度制御装置4は、第1表面2Aの温度とは異なる所定温度に第2表面2Bの温度を制御して、第2表面2Bの温度を維持する。
【0017】
温度制御装置3、4(第1温度制御装置3、第2温度制御装置4)は、それぞれ、液体3B、4B(第1液体3B、第2液体4B)を収容する収容部30、40(第1収容部30、第2収容部40)と、収容部30、40に接続された温度調整装置50、60(第1温度調整装置50、第2温度調整装置60)を有している。第1温度制御装置3の第1収容部30と第2温度制御装置4の第2収容部40は、同様に構成されている。また、第1温度制御装置3の第1温度調整装置50と第2温度制御装置4の第2温度調整装置60は、同様に構成されている。
【0018】
第1温度制御装置3の第1液体3Bと第2温度制御装置4の第2液体4Bは、水である。また、液体3B、4Bは、熱の媒体(加熱媒体又は冷却媒体)である。第1液体3Bは、面部材2の第1表面2Aとの間で熱を授受し、第2液体4Bは、面部材2の第2表面2Bとの間で熱を授受する。収容部30、40は、樹脂シート3A、4Aを含む中空状の容器であり、液体3B、4Bは、収容部30、40の内部に充填される。
【0019】
温度調整装置50、60は、収容部30、40に液体3B、4Bを供給する供給管51、61と、収容部30、40から液体3B、4Bを排出させる排出管52、62を有している。供給管51、61と排出管52、62は、例えば、ホースである。温度調整装置50、60は、供給管51、61と排出管52、62により収容部30、40に接続して、収容部30、40に液体3B、4Bを循環させる。
【0020】
図2は、第1実施形態の熱貫流率測定装置1の収容部30、40を示す斜視図であり、
図3は、第1実施形態の熱貫流率測定装置1の収容部30、40の一部を示す断面図である。
図示のように、収容部30、40は、ケース31、41と、ケース31、41に装着された樹脂シート3A、4Aと、樹脂シート3A、4Aをケース31、41に取り付ける取付部材32、42と、ケース31、41に設けられた供給口33、43及び排出口34、44を有している。
【0021】
ケース31、41は、液体3B、4Bを収容する箱体(収容ケース)であり、板状の底部35、45と、環状の周壁部36、46と、開放部37、47を有している。周壁部36、46は、底部35、45の周縁部に接合されて、底部35、45の周縁部から面部材2側に向かって突出する。開放部37、47は、周壁部36、46の突出方向の先端部の内側に形成された開口であり、底部35、45に対して面部材2側に位置して、面部材2に向かって開放されている。樹脂シート3A、4Aは、合成樹脂製の軟質なシート(ここでは、シリコーン樹脂製の薄いシリコーンゴムシート)であり、ケース31、41の開放部37、47に配置される。
【0022】
取付部材32、42は、複数のネジ38、48により、ケース31、41の周壁部36、46に固定され、ケース31、41の周壁部36、46との間に樹脂シート3A、4Aの周縁部を挟み込む。取付部材32、43により、樹脂シート3A、4Aは、ケース31、41の周壁部36、46に取り付けられて、ケース31、41の開放部37、47に装着される。樹脂シート3A、4Aは、ケース31、41の開放部37、47を覆って、開放部37、47を塞ぐ。ケース31、41と樹脂シート3A、4Aにより、収容空間39、49が収容部30、40の内部に区画される。
【0023】
収容空間39、49は、液体3B、4Bを収容する空間であり、ケース31、41及び収容部30、40の内部に形成されて、樹脂シート3A、4Aに対して、面部材2の反対側に位置している。樹脂シート3A、4Aは、収容空間39、49の面部材2側の箇所(開放部37、47)に位置しており、収容空間39、49の面部材2側の箇所を塞ぐ。供給口33、43と排出口34、44は、それぞれケース31、41の底部35、45に形成された貫通孔であり、底部35、45を貫通して、収容空間39、49に向かって開放されている。
【0024】
熱貫流率測定装置1(
図1参照)において、温度調整装置50、60の供給管51、61は、収容部30、40の供給口33、43に接続され、温度調整装置50、60の排出管52、62は、収容部30、40の排出口34、44に接続されている。温度調整装置50、60は、供給管51、61及び供給口33、43を通して、液体3B、4Bを収容部30、40(収容空間39、49)に供給し、排出口34、44及び排出管52、62を通して、液体3B、4Bを収容部30、40から排出させる。温度調整装置50、60により、液体3B、4Bは、温度調整装置50、60と収容部30、40の間で連続して流れて循環する。
【0025】
第1温度制御装置3では、第1収容部30は、収容空間39に第1液体3Bを収容し、第1温度調整装置50は、第1収容部30に供給して第1収容部30に収容される第1液体3Bの温度を調整する。第1温度調整装置50は、第2液体4Bの温度とは異なる所定温度に第1液体3Bの温度を調整して、温度を調整した第1液体3Bを第1収容部30に供給する。第1温度調整装置50により、第1液体3Bの温度は、所定の一定温度に調整されて、一定温度に維持される。第1液体3Bは、温度が調整された状態で、第1収容部30に収容され、第1収容部30を通って、第1収容部30から第1温度調整装置50に戻る。
【0026】
第2温度制御装置4では、第2収容部40は、収容空間49に第2液体4Bを収容し、第2温度調整装置60は、第2収容部40に供給して第2収容部40に収容される第2液体4Bの温度を調整する。第2温度調整装置60は、第1液体3Bの温度とは異なる所定温度に第2液体4Bの温度を調整して、温度を調整した第2液体4Bを第2収容部40に供給する。第2温度調整装置60により、第2液体4Bの温度は、所定の一定温度に調整されて、一定温度に維持される。第2液体4Bは、温度が調整された状態で、第2収容部40に収容され、第2収容部40を通って、第2収容部40から第2温度調整装置60に戻る。
【0027】
第1液体3Bは、第1温度調整装置50により温度が調整されつつ、第1温度調整装置50と第1収容部30とを循環する。第2液体4Bは、第2温度調整装置60により温度が調整されつつ、第2温度調整装置60と第2収容部40とを循環する。第2温度調整装置60により調整される第2液体4Bの温度は、第1温度調整装置50により調整される第1液体3Bの温度よりも高い又は低い温度である。熱貫流率測定装置1は、第1液体3Bと第2液体4Bを互いに異なる温度に調整し、第1液体3Bと第2液体4Bに温度差を生じさせることで、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bに温度差を生じさせる。
【0028】
第1温度測定器10と熱流センサ12は、第1温度制御装置3の第1樹脂シート3Aの上に配置され、第2温度測定器11は、面部材2の第2表面2Bの上に配置される。面部材2を第1樹脂シート3Aと第2樹脂シート4Aの間に挟んだときに、第1温度測定器10と熱流センサ12は、第1樹脂シート3Aと面部材2の第1表面2Aの間に配置され、第1樹脂シート3Aと第1表面2Aの間に挟まれて、第1表面2Aに接触する。また、第2温度測定器11は、第2樹脂シート4Aと第2表面2Bの間に配置され、第2樹脂シート4Aと第2表面2Bの間に挟まれて、第2表面2Bに接触する。
【0029】
温度測定器10、11は、温度計(ここでは、熱電対)である。第1温度測定器10は、第1温度制御装置3により制御される面部材2の第1表面2Aの温度を測定し、第2温度測定器11は、第2温度制御装置4により制御される面部材2の第2表面2Bの温度を測定する。熱流センサ12は、第1樹脂シート3A側の面と第1表面2A側の面の温度差を検出し、検出した温度差に基づいて、熱流束を測定する。熱流束は、単位時間に単位面積を通過する熱量である。熱流センサ12により、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bの間を通過する熱(熱流)の熱流束が測定される。
【0030】
第1温度測定器10、第2温度測定器11、及び、熱流センサ12は、それぞれ記録装置13に接続されて、測定結果(温度、熱流束)を記録装置13に出力する。記録装置13は、例えば、データロガーであり、第1温度測定器10により測定された面部材2の第1表面2Aの温度、第2温度測定器11により測定された面部材2の第2表面2Bの温度、及び、熱流センサ12により測定された熱流束をそれぞれ順次記録する。算出装置20は、記録装置13に記録された測定結果を用いて各種の算出処理を実行して、面部材2の熱貫流率を算出する。
【0031】
面部材2の熱貫流率を測定するときには、面部材2の第1表面2Aを第1温度制御装置3の第1樹脂シート3Aの上に載せ、第2温度制御装置4の第2樹脂シート4Aを面部材2の第2表面2Bの上に載せる。これにより、面部材2を第1樹脂シート3Aと第2樹脂シート4Aの間に配置して、面部材2を第1樹脂シート3Aと第2樹脂シート4Aの間に挟む。
【0032】
面部材2が樹脂シート3A、4Aよりも小さい場合には、断熱材14を面部材2の周囲に配置する。断熱材14を第1樹脂シート3Aと第2樹脂シート4Aの間に挟んで、断熱材14により、第1樹脂シート3Aと第2樹脂シート4Aの接触を防止する。また、面部材2が樹脂シート3A、4Aよりも大きい場合には、面部材2の樹脂シート3A、4Aからはみ出す部分を断熱材14で覆う。断熱材14により、面部材2の樹脂シート3A、4Aからはみ出す部分からの放熱や吸熱を防止する。
【0033】
図4は、第1実施形態の面部材2の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置1を示す断面図であり、面部材2の一部と温度制御装置3、4の収容部30、40の一部を面部材2の厚み方向に切断して示している。
第1温度制御装置3の第1樹脂シート3Aは、面部材2の第1表面2Aと第1液体3Bに接触した状態で、第1表面2Aと第1液体3Bの間に位置し、第1表面2Aの形状に対応して柔軟に変形して、第1表面2Aに密着する。また、面部材2及び第1表面2Aが変形したときに、第1樹脂シート3Aは、第1表面2Aの変形に追従して変形して、第1表面2Aに密着した状態に維持される。第1液体3Bと第1表面2Aは、互いの間に第1樹脂シート3Aを挟んで、第1樹脂シート3Aを介して熱を授受する。
【0034】
第2温度制御装置4の第2樹脂シート4Aは、面部材2の第2表面2Bと第2液体4Bに接触した状態で、第2表面2Bと第2液体4Bの間に位置し、第2表面2Bの形状に対応して柔軟に変形して、第2表面2Bに密着する。また、面部材2及び第2表面2Bが変形したときに、第2樹脂シート4Aは、第2表面2Bの変形に追従して変形して、第2表面2Bに密着した状態に維持される。第2液体4Bと第2表面2Bは、互いの間に第2樹脂シート4Aを挟んで、第2樹脂シート4Aを介して熱を授受する。
【0035】
第1温度制御装置3により、第1表面2Aに接触して第1表面2Aの形状に対応して変形する第1樹脂シート3Aを介して、第1表面2Aの温度を制御する。第1温度制御装置3では、第1液体3Bを第1収容部30に収容するとともに、第1温度調整装置50により、第1液体3Bを循環させて、第1収容部30に収容される第1液体3Bの温度を調整する。第1液体3Bは、第1樹脂シート3Aを介して、面部材2の第1表面2Aとの間で熱を授受する。第1表面2Aの温度は、第1液体3Bとの熱の授受により調整されて、第1液体3Bの温度により制御される。
【0036】
第2温度制御装置4により、第2表面2Bに接触して第2表面2Bの形状に対応して変形する第2樹脂シート4Aを介して、第1表面2Aの温度とは異なる温度に第2表面2Bの温度を制御する。第2温度制御装置4では、第2液体4Bを第2収容部40に収容するとともに、第2温度調整装置60により、第2液体4Bを循環させて、第2収容部40に収容される第2液体4Bの温度を第1液体3Bの温度とは異なる温度に調整する。第2液体4Bは、第2樹脂シート4Aを介して、面部材2の第2表面2Bとの間で熱を授受する。第2表面2Bの温度は、第2液体4Bとの熱の授受により調整されて、第1液体3Bの温度とは異なる第2液体4Bの温度により制御される。
【0037】
面部材2の第1表面2Aの温度と第2表面2Bの温度を互いに異なる温度に維持して、第1表面2Aの温度と第1表面2Bの温度に温度差を生じさせる。また、第1表面2A(第1液体3B)の温度と第2表面2B(第2液体4B)の温度は、温度差(温度差の絶対値)が温度差の許容範囲内の値となるように、それぞれ予め設定される。ここでは、第1温度制御装置3により、第1表面2Aの温度を第2表面2Bの温度よりも高い温度に制御し、第2温度制御装置4により、第2表面2Bの温度を第1表面2Aの温度よりも低い温度に制御する。そのため、第1温度調整装置50により、第1液体3Bの温度を第2液体4Bの温度よりも高い温度に調整し、第2温度調整装置60により、第2液体4Bの温度を第1液体3Bの温度よりも低い温度に調整する。
【0038】
この場合には、第1液体3Bは、加熱媒体(加熱液体)であり、第2液体4Bは、冷却媒体(冷却液体)である。第1温度制御装置3は、第1温度調整装置50により第1液体3Bを加熱し、第1液体3Bにより、第1樹脂シート3Aを介して、面部材2の第1表面2Aに熱を伝達して、第1表面2Aを加熱する。第2温度制御装置4は、第2温度調整装置60により第2液体4Bを冷却し、第2液体4Bにより、第2樹脂シート4Aを介して、面部材2の第2表面2Bから熱を受けて、第2表面2Bを冷却する。
【0039】
面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bの温度差は、20~40℃の範囲内の値であるのが好ましい。例えば、第1表面2Aと第2表面2Bの温度差を20℃にするときには、第1温度調整装置50により、第1液体3Bの温度を35℃に調整し、第2温度調整装置60により、第2液体4Bの温度を15℃に調整する。これにより、第1液体3Bと第2液体4Bに20℃の温度差を生じさせる。また、第1温度制御装置3は、第1液体3Bにより、第1表面2Aの温度を第1液体3Bの温度に応じた温度に制御し、第2温度制御装置4は、第2液体4Bにより、第2表面2Bの温度を第2液体4Bの温度に応じた温度に制御する。
【0040】
面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bに温度差を生じさせた状態で(
図1参照)、第1温度測定器10により、第1表面2Aの第1樹脂シート3Aに接触する箇所の温度を測定し、測定された第1表面2Aの温度を記録装置13に記録する。また、第2温度測定器11により、第2表面2Bの第2樹脂シート4Aに接触する箇所の温度を測定し、測定された第2表面2Bの温度を記録装置13に記録する。同時に、熱流センサ12により、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bの間の熱流束を測定し、測定された熱流束を記録装置13に記録する。記録装置13は、経時的に変化する第1表面2Aの温度、第2表面2Bの温度、及び、熱流束を相互に関連づけて記録する。続いて、算出装置20により、測定された第1表面2Aの温度、第2表面2Bの温度、及び、熱流束に基づいて、面部材2の熱貫流率を算出する。
【0041】
図5は、第1実施形態の面部材2の熱貫流率の算出装置20を示すブロック図であり、算出装置20の概略構成をブロックで示している。
図示のように、算出装置20は、コンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)であり、バスにより互いに接続されたCPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶部24、入出力部25、及び、通信部26を備えている。また、算出装置20は、入出力部25に接続された入力装置27、表示装置28、及び、接続装置29を備えている。
【0042】
CPU21は、各種の情報処理(演算処理)を実行して算出装置20を制御する制御手段である。ROM22は、CPU21により実行される各種プログラムを格納し、RAM23は、CPU21が直接アクセスするデータを一時的に格納する。記憶部24は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)であり、面部材2の熱貫流率の算出に用いられる各種のプログラム、算出式、及び、データを記憶する。入出力部25は、付属装置と接続してデータを入出力するインターフェースである。
【0043】
通信部26は、有線又は無線で外部装置と接続して、外部装置と通信する。入力装置27は、例えば、キーボード、マウスであり、ユーザにより、算出装置20の操作、及び、算出装置20へのデータの入力に用いられる。表示装置28は、例えば、ディスプレイであり、算出装置20の操作画面、及び、面部材2の熱貫流率の測定結果(算出結果)を表示する。接続装置29には、外部の記憶装置(例えば、リムーバブルメモリ)、又は、記憶媒体(例えば、リムーバブルディスク)の駆動装置が接続される。
【0044】
記録装置13に記録されたデータ(第1表面2Aの温度、第2表面2Bの温度、熱流束)は、例えば、記録装置13により外部の記憶装置(USBメモリ等)に記憶される。この場合には、算出装置20は、接続装置29に接続された記憶装置から接続装置29及び入出力部25を介してデータを取得する。或いは、算出装置20は、通信部26により記録装置13と通信して、記録装置13からデータを取得する。取得したデータは、記憶部24に記憶される。また、算出装置20は、面部材2の熱貫流率の算出に用いられるプログラムをCPU21により実行することで得られる機能実現手段として、面部材2の熱貫流率の算出のための処理を行う複数の手段(機能部)を備えている。
【0045】
図6は、第1実施形態の面部材2の熱貫流率の算出装置20を示す機能ブロック図である。
図示のように、算出装置20は、面部材2の熱貫流率の算出に用いるデータを取得する取得手段70と、面部材2の熱貫流率を算出して測定する測定手段71を有している。また、算出装置20は、測定手段71を構成する3つの算出手段72、73、74(第1算出手段72、第2算出手段73、第3算出手段74)を有している。取得手段70は、記憶部24から、測定手段71により用いられる第1表面2Aの温度、第2表面2Bの温度、及び、熱流束を取得する。
【0046】
第1温度測定器10により測定された面部材2の第1表面2Aの温度(測定温度)をH1と表し、第2温度測定器11により測定された面部材2の第2表面2Bの温度(測定温度)をH2と表す。また、第1表面2Aの温度H1と第2表面2Bの温度H2の差(温度差)をHと表す。第1算出手段72は、第1表面2Aの温度H1と第2表面2Bの温度H2の差(H1-H2)を演算して、第1表面2Aと第2表面2Bの温度差H(H=H1-H2)を算出する。温度差Hの単位は、ケルビン(K)である。
【0047】
熱流センサ12により測定された熱流束をPと表し、第1表面2Aと第2表面2Bの間の面部材2の熱抵抗をRと表す。熱流束Pの単位は、W/m2である。面部材2の熱抵抗Rは、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bの間での熱の伝わりにくさを表す値であり、熱抵抗Rの単位は、(K・m2)/Wである。また、面部材2の熱抵抗Rは、単位熱流束(1W/m2)あたりの温度差Hであり、第2算出手段73により、第1表面2Aと第2表面2Bの温度差Hと熱流束Pに基づいて算出される。第2算出手段73は、温度差Hを熱流束Pで割る演算(H/P)を行って、面部材2の熱抵抗R(R=H/P)を算出する。
【0048】
面部材2の熱貫流率をUで表す。面部材2の熱貫流率Uは、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bの間での熱の伝わりやすさを表す値であり、熱貫流率Uの単位は、W/(m2・K)である。また、面部材2の熱貫流率Uは、日本産業規格(JIS R 3107:2019)の「建築用板ガラスの熱貫流率の算定方法」に準拠して、第3算出手段74により、面部材2の熱抵抗Rに基づいて算出される。第3算出手段74は、次の(数1)に記載した3つの算出式(式1、式2、式3)を用いて、面部材2の熱貫流率Uを算出する。
【0049】
【0050】
(式1)において、heは、室外側表面熱伝達率(W/(m2・K))であり、hiは、室内側表面熱伝達率(W/(m2・K))である。heは、(式2)により算出され、hiは、(式3)により算出される。(式2)のεeと(式3)のεiは、面部材2の表面2A、2Bの半球放射率であり、面部材2の熱貫流率Uの算出条件として、面部材2の種類毎に予め定められて、算出装置20の記憶部24に記憶される。算出装置20は、取得手段70により、測定対象の面部材2におけるεeとεiの値を記憶部24から取得する。また、第3算出手段74により、(式2)により、εeの値を用いて、heを算出し、(式3)により、εiの値を用いて、hiを算出する。εeとεiの値は、例えば、光学薄膜を施していない板ガラスでは、0.837である。
【0051】
第3算出手段74は、(式1)により、he、hi、及び、面部材2の熱抵抗Rのそれぞれの値を用いて、1/Uを算出するとともに、1/Uの逆数である面部材2の熱貫流率Uを算出する。このように、算出装置20は、第3算出手段74により、第1温度測定器10により測定された第1表面2Aの温度H1と第2温度測定器11により測定された第2表面2Bの温度H2の差Hと熱流センサ12により測定された熱流束Pとを用いて算出した面部材2の熱抵抗Rに基づいて、面部材2の熱貫流率Uを算出する。算出装置20は、測定手段71の算出手段72、73、74により、面部材2の熱貫流率Uを算出して測定する。
【0052】
以上説明した熱貫流率測定装置1及び熱貫流率測定方法において、第1樹脂シート3Aは、面部材2の第1表面2Aの形状に対応して柔軟に変形するとともに、第1表面2Aの変形に追従して変形して、第1表面2Aに均一に接触する。また、第2樹脂シート4Aは、面部材2の第2表面2Bの形状に対応して柔軟に変形するとともに、第2表面2Bの変形に追従して変形して、第2表面2Bに均一に接触する。その状態で、樹脂シート3A、4Aを介して表面2A、2Bの温度を制御するため、面部材2の表面2A、2Bの温度の均一性を確保して、面部材2の熱貫流率Uの測定精度を向上させることができる。
【0053】
面部材2の表面2A、2Bに凹凸があるときでも、樹脂シート3A、4Aを表面2A、2Bの凹凸の形状に対応して変形させて表面2A、2Bに均一に接触させることができる。第1温度制御装置3による面部材2の第1表面2Aの温度制御と第2温度制御装置4による面部材2の第2表面2Bの温度制御により、第1表面2Aと第2表面2Bの温度差を任意の温度差に制御することができる。これにより、面部材2の熱貫流率Uの測定の誤差を低減することができる。熱貫流率測定装置1の構造が簡易であり、熱貫流率測定装置1及び熱貫流率測定方法を用いて、様々な面部材2の熱貫流率Uを測定することができる。
【0054】
第1温度制御装置3では、第1樹脂シート3Aを介して、第1収容部30に収容する第1液体3Bと面部材2の第1表面2Aの間で熱を均一に授受することができる。また、第2温度制御装置4では、第2樹脂シート4Aを介して、第2収容部40に収容する第2液体4Bと面部材2の第2表面2Bの間で熱を均一に授受することができる。そのため、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bのそれぞれの温度の均一性を高めることができる。
【0055】
ここでは、第1液体3B及び第1表面2Aの温度が第2液体4B及び第2表面2Bの温度よりも高い温度であり、第2液体4B及び第2表面2Bの温度が第1液体3B及び第1表面2Aの温度よりも低い温度である。これに対し、第1液体3B及び第1表面2Aの温度が第2液体4B及び第2表面2Bの温度よりも低い温度であり、第2液体4B及び第2表面2Bの温度が第1液体3B及び第1表面2Aの温度よりも高い温度であってもよい。また、第1液体3Bと第2液体4Bの一方の温度が室温で、第1液体3Bと第2液体4Bの他方の温度が室温よりも高い温度又は低い温度であってもよい。この場合には、第1表面2Aと第2表面2Bの一方の温度が室温に応じた温度であり、第1表面2Aと第2表面2Bの他方の温度が室温よりも高い温度又は低い温度である。
【0056】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の熱貫流率測定装置1及び熱貫流率測定方法について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同じ事項の説明は省略し、第1実施形態と相違する事項について主に説明する。また、第2実施形態に関し、第1実施形態の構成に相当する構成には、第1実施形態の構成と同じ名称と符号を用いる。
【0057】
図7は、第2実施形態の熱貫流率測定装置1を示す構成図であり、
図1と同様に、熱貫流率測定装置1の概略構成を模式的に示している。
図8は、第2実施形態の面部材2の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置1を示す断面図であり、
図4と同様に、面部材2の一部と熱貫流率測定装置1の一部を面部材2の厚み方向に切断して示している。
【0058】
図示のように、第2実施形態の熱貫流率測定装置1は、第2温度制御装置4を備えていない点で、第1実施形態の熱貫流率測定装置1と相違する。また、第2実施形態の熱貫流率測定装置1は、第2温度制御装置4を除いて、第1実施形態の熱貫流率測定装置1の構成と同じ構成を備えており、第1実施形態の第1温度制御装置3と同じ温度制御装置3を備えている。具体的には、熱貫流率測定装置1は、樹脂シート3Aを有する温度制御装置3と、2つの温度測定器10、11と、熱流センサ12と、記録装置13と、算出装置20を備えている。
【0059】
なお、第1実施形態では、2つの温度制御装置3、4及び2つの温度制御装置3、4に含まれる各構成を区別するため、それぞれの名称の前に第1、第2との記載を付した。これに対し、1つの温度制御装置3のみを備えた第2実施形態の熱貫流率測定装置1では、温度制御装置3及び温度制御装置3に含まれる各構成の名称から第1との記載をなくしている。即ち、温度制御装置3は、第1樹脂シート3Aと同じ樹脂シート3A、第1収容部30と同じ収容部30、第1温度調整装置50と同じ温度調整装置50を有している。また、収容部30は、第1液体3Bと同じ液体3Bを収容する。
【0060】
面部材2は、樹脂シート3Aに密着した状態で、樹脂シート3Aの上に配置される。面部材2の第2表面2Bは、室内の空気(大気)に晒されて、空気との間で熱を授受する。第2表面2Bの温度は、空気の温度(室温)に応じた温度に維持される。温度制御装置3は、樹脂シート3Aにより面部材2の第1表面2Aに接触し、樹脂シート3Aを介して、第1表面2Aの温度を制御する。熱貫流率測定装置1は、温度制御装置3により、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bに温度差を生じさせる。
【0061】
温度制御装置3の温度調整装置50は、面部材2の第2表面2Bの温度(空気の温度)とは異なる所定温度に液体3Bの温度を調整して、温度を調整した液体3Bを収容部30に供給する。温度調整装置50により調整される液体3Bの温度は、第2表面2Bの温度よりも高い又は低い温度である。面部材2の第1表面2Aを樹脂シート3Aに接触させたときに、第1温度測定器10と熱流センサ12は、樹脂シート3Aと第1表面2Aの間に配置されて、第1表面2Aに接触する。また、第2温度測定器11は、第2表面2Bとともに空気に晒されつつ、第2表面2Bに接触して、第2表面2Bの温度を測定する。
【0062】
面部材2の熱貫流率を測定するときには、面部材2の第1表面2Aを温度制御装置3の樹脂シート3Aの上に載せる。面部材2が樹脂シート3Aよりも小さい場合には、断熱材14を面部材2の周囲に配置する。また、面部材2が樹脂シート3Aよりも大きい場合には、面部材2の樹脂シート3Aからはみ出す部分を断熱材14で覆う。
【0063】
温度制御装置3により、面部材2の第1表面2Aに接触して第1表面2Aの形状に対応して変形する樹脂シート3Aを介して、空気に晒された面部材2の第2表面2Bの温度とは異なる温度に第1表面2Aの温度を制御する。温度制御装置3では、液体3Bを収容部30に収容するとともに、温度調整装置50により、液体3Bを循環させて、収容部30に収容される液体3Bの温度を第2表面2Bの温度とは異なる温度に調整する。液体3Bは、樹脂シート3Aを介して、面部材2の第1表面2Aとの間で熱を授受する。第1表面2Aの温度は、液体3Bとの熱の授受により調整されて、第2表面2Bの温度とは異なる液体3Bの温度により制御される。
【0064】
面部材2の第1表面2Aの温度を第2表面2Bの温度とは異なる温度に維持して、第1表面2Aの温度と第1表面2Bの温度に温度差を生じさせる。また、第1表面2Aの温度は、温度差が温度差の許容範囲内の値となるように予め設定される。ここでは、温度制御装置3により、第1表面2Aの温度を第2表面2Bの温度よりも高い温度に制御する。そのため、温度調整装置50により、液体3Bの温度を第2表面2Bの温度よりも高い温度に調整する。温度制御装置3は、温度調整装置50により液体3Bを加熱し、液体3Bにより、樹脂シート3Aを介して、面部材2の第1表面2Aに熱を伝達して、第1表面2Aを加熱する。
【0065】
面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bに温度差を生じさせた状態で、第1温度測定器10により、第1表面2Aの温度を測定し、第2温度測定器11により、第2表面2Bの温度を測定する。同時に、熱流センサ12により、面部材2の第1表面2Aと第2表面2Bの間の熱流束を測定する。また、算出装置20により、第1温度測定器10により測定された第1表面2Aの温度H1と第2温度測定器11により測定された第2表面2Bの温度H2の差Hと熱流センサ12により測定された熱流束Pとを用いて算出した面部材2の熱抵抗Rに基づいて、面部材2の熱貫流率Uを算出する。
【0066】
第2実施形態の熱貫流率測定装置1及び熱貫流率測定方法では、樹脂シート3Aは、面部材2の第1表面2Aの形状に対応して柔軟に変形するとともに、第1表面2Aの変形に追従して変形して、第1表面2Aに均一に接触する。その状態で、樹脂シート3Aを介して第1表面2Aの温度を制御する。また、面部材2の第2表面2Bは、空気に晒されて、空気との間で熱を授受する。そのため、面部材2の表面2A、2Bの温度の均一性を確保して、面部材2の熱貫流率Uの測定精度を向上させることができる。
【0067】
温度制御装置3では、樹脂シート3Aを介して、収容部30に収容する液体3Bと面部材2の第1表面2Aの間で熱を均一に授受することができる。そのため、面部材2の表面2A、2Bの温度の均一性を高めることができる。
【0068】
ここでは、第1液体3B及び第1表面2Aの温度は、第2表面2Bの温度よりも高い温度である。これに対し、第1液体3B及び第1表面2Aの温度は、第2表面2Bの温度よりも低い温度であってもよい。この場合には、温度制御装置3により、第1表面2Aの温度を第2表面2Bの温度よりも低い温度に制御する。そのため、温度調整装置50により、液体3Bの温度を第2表面2Bの温度よりも低い温度に調整する。温度制御装置3は、温度調整装置50により液体3Bを冷却し、液体3Bにより、樹脂シート3Aを介して、面部材2の第1表面2Aから熱を受けて、第1表面2Aを冷却する。
【0069】
なお、液体3B、4Bは、添加剤(例えば、不凍液)を添加した水であってもよく、水以外の液体(例えば、オイル)であってもよい。また、面部材2の形状は、矩形状に限定されず、矩形状以外の形状(例えば、円形状、多角形状)であってもよい。面部材2の表面2A、2Bは、平面であってもよく、凹凸を有する面であってもよい。面部材2は、板状のガラス部材に限定されず、建物用の面部材にも限定されない。熱貫流率測定装置1及び熱貫流率測定方法は、種々の面部材2の熱貫流率Uの測定に適用することができる。
【0070】
以上のように、熱貫流率測定装置は、
面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置であって、
前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する第1樹脂シートを介して、前記第1表面の温度を制御する第1温度制御装置と、
前記第2表面に接触して前記第2表面の形状に対応して変形する第2樹脂シートを介して、前記第1表面の温度とは異なる温度に前記第2表面の温度を制御する第2温度制御装置と、
前記第1表面の温度を測定する第1温度測定器と、
前記第2表面の温度を測定する第2温度測定器と、
前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定する熱流センサと、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する算出装置と、
を備えた熱貫流率測定装置である。
従って、面部材の表面の温度の均一性を確保して、面部材の熱貫流率の測定精度を向上させることができる。
【0071】
前記第1温度制御装置は、前記第1樹脂シートを介して前記第1表面との間で熱を授受する第1液体を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容される前記第1液体の温度を調整する第1温度調整装置と、を有し、
前記第2温度制御装置は、前記第2樹脂シートを介して前記第2表面との間で熱を授受する第2液体を収容する第2収容部と、前記第2収容部に収容される前記第2液体の温度を前記第1液体の温度とは異なる温度に調整する第2温度調整装置と、を有する。
従って、面部材の第1表面と第2表面のそれぞれの温度の均一性を高めることができる。
【0072】
熱貫流率測定装置は、
面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定装置であって、
前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する樹脂シートを介して、空気に晒された前記第2表面の温度とは異なる温度に前記第1表面の温度を制御する温度制御装置と、
前記第1表面の温度を測定する第1温度測定器と、
前記第2表面の温度を測定する第2温度測定器と、
前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定する熱流センサと、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する算出装置と、
を備えた熱貫流率測定装置である。
従って、面部材の表面の温度の均一性を確保して、面部材の熱貫流率の測定精度を向上させることができる。
【0073】
前記温度制御装置は、前記樹脂シートを介して前記第1表面との間で熱を授受する液体を収容する収容部と、前記収容部に収容される前記液体の温度を前記第2表面の温度とは異なる温度に調整する温度調整装置と、を有する。
従って、面部材の表面の温度の均一性を高めることができる。
【0074】
熱貫流率測定方法は、
面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定方法であって、
第1温度制御装置により、前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する第1樹脂シートを介して、前記第1表面の温度を制御し、
第2温度制御装置により、前記第2表面に接触して前記第2表面の形状に対応して変形する第2樹脂シートを介して、前記第1表面の温度とは異なる温度に前記第2表面の温度を制御し、
第1温度測定器により、前記第1表面の温度を測定し、
第2温度測定器により、前記第2表面の温度を測定し、
熱流センサにより、前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定し、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する熱貫流率測定方法である。
従って、面部材の表面の温度の均一性を確保して、面部材の熱貫流率の測定精度を向上させることができる。
【0075】
前記第1温度制御装置による前記第1表面の温度の制御では、前記第1樹脂シートを介して前記第1表面との間で熱を授受する第1液体を第1収容部に収容し、第1温度調整装置により、前記第1収容部に収容される前記第1液体の温度を調整し、
前記第2温度制御装置による前記第2表面の温度の制御では、前記第2樹脂シートを介して前記第2表面との間で熱を授受する第2液体を第2収容部に収容し、第2温度調整装置により、前記第2収容部に収容される前記第2液体の温度を前記第1液体の温度とは異なる温度に調整する。
従って、面部材の第1表面と第2表面のそれぞれの温度の均一性を高めることができる。
【0076】
熱貫流率測定方法は、
面部材の厚み方向の一方側の第1表面と他方側の第2表面とに温度差を生じさせて、前記面部材の熱貫流率を測定する熱貫流率測定方法であって、
温度制御装置により、前記第1表面に接触して前記第1表面の形状に対応して変形する樹脂シートを介して、空気に晒された前記第2表面の温度とは異なる温度に前記第1表面の温度を制御し、
第1温度測定器により、前記第1表面の温度を測定し、
第2温度測定器により、前記第2表面の温度を測定し、
熱流センサにより、前記面部材の前記第1表面と前記第2表面の間の熱流束を測定し、
前記第1温度測定器により測定された前記第1表面の温度と前記第2温度測定器により測定された前記第2表面の温度の差と前記熱流センサにより測定された前記熱流束とを用いて算出した前記面部材の熱抵抗に基づいて、前記面部材の熱貫流率を算出する熱貫流率測定方法である。
従って、面部材の表面の温度の均一性を確保して、面部材の熱貫流率の測定精度を向上させることができる。
【0077】
前記温度制御装置による前記第1表面の温度の制御では、前記樹脂シートを介して前記第1表面との間で熱を授受する液体を収容部に収容し、温度調整装置により、前記収容部に収容される前記液体の温度を前記第2表面の温度とは異なる温度に調整する。
従って、面部材の表面の温度の均一性を高めることができる。
【符号の説明】
【0078】
1・・・熱貫流率測定装置、2・・・面部材、2A・・・第1表面、2B・・・第2表面、3・・・第1温度制御装置(温度制御装置)、3A・・・第1樹脂シート(樹脂シート)、3B・・・第1液体(液体)、4・・・第2温度制御装置、4A・・・第2樹脂シート、4B・・・第2液体、10・・・第1温度測定器、11・・・第2温度測定器、12・・・熱流センサ、13・・・記録装置、14・・・断熱材、20・・・算出装置、21・・・CPU、22・・・ROM、23・・・RAM、24・・・記憶部、25・・・入出力部、26・・・通信部、27・・・入力装置、28・・・表示装置、29・・・接続装置、30・・・第1収容部(収容部)、31・・・ケース、32・・・取付部材、33・・・供給口、34・・・排出口、35・・・底部、36・・・周壁部、37・・・開放部、38・・・ネジ、39・・・収容空間、40・・・第2収容部、41・・・ケース、42・・・取付部材、43・・・供給口、44・・・排出口、45・・・底部、46・・・周壁部、47・・・開放部、48・・・ネジ、49・・・収容空間、50・・・第1温度調整装置(温度調整装置)、51・・・供給管、52・・・排出管、60・・・第2温度調整装置、61・・・供給管、62・・・排出管、70・・・取得手段、71・・・測定手段、72・・・第1算出手段、73・・・第2算出手段、74・・・第3算出手段。