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  • 特開-チューブ容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023161985
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】チューブ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/12 20060101AFI20231031BHJP
   B65D 35/44 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
B65D35/12
B65D35/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072664
(22)【出願日】2022-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】古原 裕嗣
【テーマコード(参考)】
3E065
3E084
【Fターム(参考)】
3E065AA02
3E065BA11
3E065DA04
3E065DB05
3E084AA03
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB06
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084FA02
3E084FB10
3E084GA01
3E084GB01
3E084HB02
3E084HD01
3E084HD04
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】外面における吐出キャップと容器本体の境目からの水の侵入の抑制と内容物の残量低減とを実現し易いチューブ容器を提供する。
【解決手段】チューブ状の容器本体2と吐出キャップ3とを有し、容器本体2が、広口の開口周壁6と開口周壁6を包囲するように肩部2cから突出する肩周壁7とによって構成される二重筒部8を有し、吐出キャップ3が、ねじ部19を有し開口周壁6と肩周壁7の間に挟み込まれるキャップ外周壁15と、肩周壁7の先端面7aに全周にわたって対向し当該先端面7aに当接する環状当接面15aと、を有し、キャップ外周壁15が開口周壁6と肩周壁7の間に挟み込まれることによってねじ部19が二重筒部8に転写されることで、キャップ外周壁15が二重筒部8から螺脱可能となる、チューブ容器1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状の容器本体と吐出キャップとを有し、
前記容器本体が、広口の開口周壁と前記開口周壁を包囲するように肩部から突出する肩周壁とによって構成される二重筒部を有し、
前記吐出キャップが、ねじ部を有し前記開口周壁と前記肩周壁の間に挟み込まれるキャップ外周壁と、前記肩周壁の先端面に全周にわたって対向し当該先端面に当接する環状当接面と、を有し、
前記キャップ外周壁が前記開口周壁と前記肩周壁の間に挟み込まれることによって前記ねじ部が前記二重筒部に転写されることで、前記キャップ外周壁が前記二重筒部から螺脱可能となる、チューブ容器。
【請求項2】
前記ねじ部が前記キャップ外周壁の外周面に設けられる、請求項1に記載のチューブ容器。
【請求項3】
前記環状当接面が、前記チューブ容器の外面における前記吐出キャップと前記容器本体の境目を形成する、請求項1又は2に記載のチューブ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチューブ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブ状の容器本体と吐出キャップとを有するチューブ容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-26308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チューブ容器は、洗面台や浴室などの水回りで使用される場合などにおいて、チューブ容器の外面における吐出キャップと容器本体の境目から水が侵入すると、内容物を吐出させて使用する際に水が漏れ出て使用者に不快感を与えたり、侵入部でカビなどの汚染を生じさせたりする虞があるため、上記の境目からの水の侵入を抑制できる構成とすることが望ましい。また、チューブ容器は、使い切れずに内部に残る内容物の量、すなわち内容物の残量を低減できる構成とすることが望ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、外面における吐出キャップと容器本体の境目からの水の侵入の抑制と内容物の残量低減とを実現し易いチューブ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
チューブ状の容器本体と吐出キャップとを有し、
前記容器本体が、広口の開口周壁と前記開口周壁を包囲するように肩部から突出する肩周壁とによって構成される二重筒部を有し、
前記吐出キャップが、ねじ部を有し前記開口周壁と前記肩周壁の間に挟み込まれるキャップ外周壁と、前記肩周壁の先端面に全周にわたって対向し当該先端面に当接する環状当接面と、を有し、
前記キャップ外周壁が前記開口周壁と前記肩周壁の間に挟み込まれることによって前記ねじ部が前記二重筒部に転写されることで、前記キャップ外周壁が前記二重筒部から螺脱可能となる、チューブ容器。
【0008】
[2]
前記ねじ部が前記キャップ外周壁の外周面に設けられる、[1]に記載のチューブ容器。
【0009】
[3]
前記環状当接面が、前記チューブ容器の外面における前記吐出キャップと前記容器本体の境目を形成する、[1]又は[2]に記載のチューブ容器。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外面における吐出キャップと容器本体の境目からの水の侵入の抑制と内容物の残量低減とを実現し易いチューブ容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態のチューブ容器を示す縦断面図である。
図2図1に示すチューブ容器の側面図である。
図3図1に示すチューブ容器において容器本体から吐出キャップを螺脱させた時の状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0013】
図1図2に示すように、本発明の一実施形態においてチューブ容器1は容器本体2と吐出キャップ3を有する。
【0014】
容器本体2は、開口端2aと図示しない閉塞端を有するチューブ状をなす。また容器本体2は、中心軸線Oを中心とする円筒状の口部2b、口部2bから拡径する肩部2cと、肩部2cから閉塞端まで延びる胴部2dと、を有し、開口端部材4とチューブ部材5によって構成される。開口端部材4とチューブ部材5はそれぞれ樹脂製の一体成形物であり、互いに溶着などによって接合される。開口端2aは開口端部材4によって形成され、閉塞端はチューブ部材5によって形成される。
【0015】
口部2bは、使用者が指を挿入可能な広口の開口周壁6を構成する。また、容器本体2は、開口周壁6を包囲するように肩部2cから突出する肩周壁7を有する。肩周壁7は中心軸線Oを中心とする円筒状をなす。容器本体2は、開口周壁6と肩周壁7とによって構成される二重筒部8を有する。二重筒部8は開口端部材4によって形成される。
【0016】
開口周壁6の内周面は、全周にわたって周方向に間欠状に並びそれぞれ軸方向に延びる複数の縦リブ9を有する。複数の縦リブ9により、後述するねじ部19の転写を容易に実現できる。
【0017】
なお、説明の便宜上、中心軸線Oに沿う方向を軸方向ともいい、中心軸線Oに沿って開口端2aから閉塞端に向かう方向(図1での上方)を上方ともいい、その反対方向を下方ともいい、中心軸線Oに直交する直線に沿う方向を径方向ともいい、中心軸線Oを周回する方向を周方向ともいい、中心軸線Oを含む断面を縦断面ともいう。
【0018】
容器本体2の内部には図示しない内容物が収容される。内容物は特に限定されないが、本実施形態では洗顔フォームなどの粘性物である。なお内容物は洗顔フォームなどの化粧品に限らない。
【0019】
吐出キャップ3は、キャップ本体10と、キャップ本体10にヒンジ部12を介して回動可能に連なる蓋体11と、を有し、樹脂製の一体成形物である。
【0020】
キャップ本体10は、吐出口13を有し開口端2aを覆う開口端壁14と、開口端壁14の外周縁部から上方に延び中心軸線Oを中心とする円筒状をなすキャップ外周壁15と、を有する。
【0021】
開口端壁14は、隔壁14aと、隔壁14aから下方に延びる筒状の吐出筒14bと、隔壁14aから上方に延び中心軸線Oを中心とする円筒状をなすシール筒14cと、隔壁14aの下面の外周縁部で構成される環状の本体側当接面14dと、本体側当接面14dの内周縁から下方に延びる嵌合外周面14eと、を有する。吐出筒14bの内周面は吐出口13を形成する。
【0022】
開口周壁6の先端部(下端部)は、キャップ外周壁15とシール筒14cの間に挟み込まれることによって、内容物の通過を抑制する開口端シール部16を形成する。
【0023】
蓋体11は、ヒンジを介する回動により吐出口13を開閉可能である。つまり蓋体11は、吐出口13を覆う閉蓋位置と吐出口13を開放する開蓋位置との間でヒンジを介して回動可能である。また蓋体11は、閉蓋位置で隔壁14aに対向する蓋本体17と、閉蓋位置で蓋本体17から上方に延び吐出筒14bに嵌合する吐出口シール部18と、を有する。
【0024】
閉蓋位置での蓋本体17の外周縁部の上面は、本体側当接面14dに全周にわたって対向し本体側当接面14dに当接することで水の侵入を抑制可能な環状の蓋体側当接面17aを構成する。蓋体側当接面17aは本体側当接面14dに全周にわたって当接するのが好ましい。閉蓋位置での蓋体側当接面17aの内周縁から下方に延びる嵌合内周面17bは、嵌合外周面14eに嵌合することにより、蓋体側当接面17aが本体側当接面14dに当接する閉蓋位置に蓋体11を保持し、もって、水の侵入を抑制することができる。嵌合内周面17bと嵌合外周面14eの嵌合は、閉蓋位置から開蓋位置に向けて蓋体11を回動させる方向に所定の力を付加することで解除することができる。
【0025】
閉蓋位置で、蓋本体17は有底筒状をなし、チューブ容器1を倒立させるための接地部17cを底面に形成する。
【0026】
キャップ外周壁15は、キャップ外周壁15の外周面に設けられるねじ部19を有し、開口周壁6と肩周壁7の間に挟み込まれる。ねじ部19は、2条ねじ等の多条ねじとして構成してもよいし、1条ねじとして構成してもよい。またねじ部19は、ねじ山が周方向に連続して設けられる連続ねじとして構成してもよいし、ねじ山が周方向に間欠状に設けられる間欠ねじとして構成してもよい。
【0027】
またキャップ外周壁15は、肩周壁7の先端面7a(下端面)に全周にわたって対向し当該先端面7aに当接することで水の侵入を抑制可能な環状当接面15aを有する。環状当接面15aは肩周壁7の先端面7aに全周にわたって当接するのが好ましい。環状当接面15aは、チューブ容器1の外面における吐出キャップ3と容器本体2の境目20を形成する。キャップ外周壁15の外周面は、環状当接面15aよりも上方の部分が、環状当接面15aよりも下方の部分よりも縮径した縮径部を構成し、当該縮径部にねじ部19が設けられる。
【0028】
吐出キャップ3は打栓操作によって容器本体2に装着される。この打栓操作により、キャップ外周壁15が開口周壁6と肩周壁7の間に挟み込まれ、環状当接面15aが肩周壁7の先端面7aに当接する。
【0029】
キャップ外周壁15が開口周壁6と肩周壁7の間に挟み込まれることにより、ねじ部19が二重筒部8(より具体的には複数の縦リブ9)に転写される。このねじ部19の転写により、キャップ外周壁15が二重筒部8から螺脱可能となる。したがって、使用により内容物が少なくなって吐出が難しくなった時に、図3に示すように吐出キャップ3を螺脱によって容器本体2から容易に取り外し、広口の開口周壁6を通して容器本体2内の内容物を掬い取って使用することができる。
【0030】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0031】
したがって、前述した実施形態のチューブ容器1は、チューブ状の容器本体2と吐出キャップ3とを有し、容器本体2が、広口の開口周壁6と開口周壁6を包囲するように肩部2cから突出する肩周壁7とによって構成される二重筒部8を有し、吐出キャップ3が、ねじ部19を有し開口周壁6と肩周壁7の間に挟み込まれるキャップ外周壁15と、肩周壁7の先端面7aに全周にわたって対向し当該先端面7aに当接する環状当接面15aと、を有し、キャップ外周壁15が開口周壁6と肩周壁7の間に挟み込まれることによってねじ部19が二重筒部8に転写されることで、キャップ外周壁15が二重筒部8から螺脱可能となる、チューブ容器1である限り変更可能である。
【0032】
例えば、開口周壁6(口部2b)、肩周壁7及びキャップ外周壁15はそれぞれ、上述した機能を損なわない限り、円筒状以外の筒状に構成してもよい。吐出キャップ3は蓋体11を有する構成に限らない。蓋体11はキャップ本体10と別体に設けてもよい。蓋体11は接地部17cを形成する構成に限らない。吐出キャップ3は複数の部材を組み付けて形成される構成としてもよい。ねじ部19はキャップ外周壁15の内周面に設けてもよい。この場合、複数の縦リブ9は開口周壁6の外周面に設けてもよい。縦リブ9は複数に限らず1つのみ設ける構成としてもよい。縦リブ9を設けない構成としてもよい。
【0033】
なお、前述した実施形態のチューブ容器1は、上記構成において、ねじ部19がキャップ外周壁15の外周面に設けられる、チューブ容器1であるのが好ましい。
【0034】
前述した実施形態のチューブ容器1は、上記構成において、環状当接面15aが、チューブ容器1の外面における吐出キャップ3と容器本体2の境目20を形成する、チューブ容器1であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0035】
1 チューブ容器
2 容器本体
2a 開口端
2b 口部
2c 肩部
2d 胴部
3 吐出キャップ
4 開口端部材
5 チューブ部材
6 開口周壁
7 肩周壁
7a 先端面
8 二重筒部
9 縦リブ
10 キャップ本体
11 蓋体
12 ヒンジ部
13 吐出口
14 開口端壁
14a 隔壁
14b 吐出筒
14c シール筒
14d 本体側当接面
14e 嵌合外周面
15 キャップ外周壁
15a 環状当接面
16 開口端シール部
17 蓋本体
17a 蓋体側当接面
17b 嵌合内周面
17c 接地部
18 吐出口シール部
19 ねじ部
20 境目
O 中心軸線
図1
図2
図3