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特開2023-162085指示書作成システム、指示書作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162085
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】指示書作成システム、指示書作成方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20231031BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099991
(22)【出願日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2022072129
(32)【優先日】2022-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516217295
【氏名又は名称】株式会社デンタルグロウス
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】村岡 貴文
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】
指示書に関する情報入力を簡便にし、かつ、指示書に関する情報表示を視認性よく提示する技術を提供すること。
【解決手段】
歯科技工物に関する指示書を作成する指示書作成システムであって、表示処理手段と、生成手段と、を備え、前記表示処理手段は、指示書画面を表示処理し、歯科医院により操作される歯科医院端末および/または歯科技工所により操作される歯科技工所端末に対して表示処理結果を送信し、前記指示書画面は、歯の状態および/または歯科技工物を含む第1情報を選択状態とする第1選択部と、歯の状態および/または歯科技工物の位置を含む第2情報を選択状態とする第2選択部と、を備え、前記生成手段は、前記第1選択部および前記第2選択部により選択状態とされた第1情報および第2情報を含む指示情報を生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科技工物に関する指示書を作成する指示書作成システムであって、
表示処理手段と、生成手段と、を備え、
前記表示処理手段は、指示書画面を表示処理し、歯科医院により操作される歯科医院端末および/または歯科技工所により操作される歯科技工所端末に対して表示処理結果を送信し、
前記指示書画面は、
歯の状態および/または歯科技工物を含む第1情報を選択状態とする第1選択部と、
歯の状態および/または歯科技工物の位置を含む第2情報を選択状態とする第2選択部と、を備え、
前記生成手段は、前記第1選択部および前記第2選択部により選択状態とされた第1情報および第2情報を含む指示情報を生成する、指示書作成システム。
【請求項2】
前記第1情報に対応する第1表現を記憶する記憶部を備え、
前記表示処理手段は、前記第1情報に対応する第1表現を、前記第2情報に含まれる位置に基づき前記第2選択部に表示処理する、請求項1に記載の指示書作成システム。
【請求項3】
前記記憶部は、歯の状態に関する状態第1表現と、歯科技工物に関する技工物第1表現とを含む前記第1表現を記憶し、
前記第2選択部は、歯列を示す歯列表現として構成され、
前記表示処理手段は、前記状態第1表現を、前記歯列表現における歯列上に重畳するよう表示処理し、前記技工物第1表現を、前記歯列表現における歯列に重畳しないよう表示処理する、請求項2に記載の指示書作成システム。
【請求項4】
前記第1情報は、歯の状態および歯科技工物の組合せであって、
前記第1選択部は、歯の状態および歯科技工物の組合せである前記第1情報を選択状態とし、
前記表示処理手段は、歯の状態および歯科技工物の組合せである前記第1情報に対応する前記状態第1表現と、前記技工物第1表現と、をそれぞれ前記歯列表現において区別可能に表示処理する、請求項3に記載の指示書作成システム。
【請求項5】
選択範囲表現は、前記第2選択部に前記歯列表現として表示される歯の前記第2情報を選択状態とする選択範囲を示す表現であり、
前記第2選択部に表示される歯は、近傍に前記選択範囲表現の示す選択範囲が重畳すれば当該歯の前記第2情報が選択状態となる領域を備える、
請求項3に記載の指示書作成システム。
【請求項6】
前記第1情報に付随し、前記歯科技工物の材料および/または色を含む第3情報を更に選択状態とする第3選択部を有し、
前記生成手段は、前記第3選択部により選択状態とされた第3情報を含む指示情報を生成する、請求項1に記載の指示書作成システム。
【請求項7】
前記第1選択部は、選択入力を受け付けることで、選択状態とする前記第1情報を切替可能であり、
前記切替可能な第1情報は、1~10の範囲の第1情報のグループである第1情報群として記憶部に記憶される、請求項1に記載の指示書作成システム。
【請求項8】
選択入力を受け付けることで、選択可能な前記第1選択部を切替可能な第1選択部切替部を備え、
前記切替可能な第1選択部は、1~10の範囲の第1選択部のグループである第1カテゴリ情報として記憶部に記憶される、請求項7に記載の指示書作成システム。
【請求項9】
前記指示書画面は、第1指示情報入力部と、第2指示情報入力部と、を備え、
前記第1指示情報入力部は、前記第1選択部、前記第2選択部、前記第1選択部切替部を備え、
前記第1指示情報入力部は、前記指示書画面における画面占有率が10%以上、50%以下である、請求項8に記載の指示書作成システム。
【請求項10】
前記第1情報に付随し、前記歯科技工物の材料および/または色を含む第3情報を更に選択状態とする第3選択部を有し、
前記第2指示情報入力部は、選択可能な前記第1情報を表示し選択状態とする第1情報選択部と、選択状態とされた前記第1情報に従って表示される選択可能な前記第3情報を切り替える前記第3選択部と、を備え、
前記第1情報選択部は、前記第1選択部において選択状態とされた前記第1情報に従い、表示される前記第1情報が切り替わる、
請求項9に記載の指示書作成システム。
【請求項11】
前記指示書作成システムは、歯科医院において操作される歯科医院端末と、歯科技工所において操作される技工所端末と、を備え、
前記表示処理手段は、前記歯科医院端末を介して生成された前記指示情報に基づく指示書画面を表示処理し、前記歯科医院端末および/または前記歯科技工所端末に対して表示処理結果を送信する、請求項1~請求項8の何れかに記載の指示書作成システム。
【請求項12】
歯科技工物に関する指示書を作成する指示書作成方法であって、
コンピュータが、
指示書画面を表示処理し、歯科医院により操作される歯科医院端末および/または歯科技工所により操作される歯科技工所端末に対して表示処理結果を送信する処理を実行し、
前記指示書画面は、
歯の状態および/または歯科技工物を含む第1情報を選択状態とする第1選択部と、
歯の状態および/または歯科技工物の位置を含む第2情報を選択状態とする第2選択部と、を備え、
前記コンピュータが、
前記第1選択部および前記第2選択部により選択状態とされた第1情報および第2情報を含む指示情報を生成する処理を更に実行する、指示書作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指示書作成システム、指示書作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科治療において用いられる歯科技工物は、歯科医院における歯科医師の意思に基づいて作成される歯科技工物に関する指示書に基づいて、歯科技工所において製作される。従来、指示書は紙面で作成され、その作成や管理が煩雑であった。係る実状に鑑みて、指示書を電子データとすることで、歯科医院と歯科技工所との間で好適なやりとりを可能とするシステムが知られている。
【0003】
特許文献1では、歯科技工所端末により指示書情報に含まれる情報を編集する際、一部の情報は歯科医院端末を介した承認を必要とし、一部の情報は歯科医院端末を介した承認を必要とせず、指示書情報を更新することができる指示書管理システムが開示されている。
【0004】
特許文献2では、指示書画面における情報入力において、技工物種別と歯の状態を示す歯情報とを同一画面上に表示される治療位置選択部を介して一括入力できる指示書管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6697200号公報
【特許文献2】特許第6732354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
歯科技工物に関する指示書は、患者のどの歯がどのような状態であるか、患者のどの歯に対してどのような歯科技工物による処置が必要であるか、などの情報が含まれる。これらの情報を電子指示書の中で正確かつ分かり易く、手間なく入力し、それらの情報を歯科医院と歯科技工所の間で共有できる技術を提供することが課題であった。
【0007】
特許文献1および特許文献2は、出願人によりなされたものであり、指示書画面が、患者名、技工物種別、コメント及び患者の歯の状態に関する情報並びに、1又は複数の歯の選択を受け付ける治療位置選択部、技工物種別の入力を受け付ける技工物種別選択部、歯の状態に関する情報の入力を受け付ける歯情報入力部を同一画面上に表示し、前記技工物種別選択部及び前記歯情報入力部は、同一画面上に表示される前記治療位置選択部を介して選択された1又は複数の歯において、技工物種別及び前記歯の状態に関する情報の入力を受け付ける、指示書管理システムについて開示しているが、指示内容の視認性や指示内容の入力容易性などにおいて更なる改善の余地があった。
【0008】
特に、電子指示書は、画面遷移せずに一画面内において情報入力とその表示を実現するよう構成されることが、視認性や操作性の観点から好適であるものの、画面の表示領域は限られるため、それら一連の処理を一画面内で完結させるような機能的なユーザインターフェイスとすることは容易ではなかった。
【0009】
上述したような課題に鑑みて、本発明は、指示書に関する情報入力を簡便にし、かつ、指示書に関する情報表示を視認性よく提示する技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述したような課題を解決するために、本発明は、歯科技工物に関する指示書を作成する指示書作成システムであって、表示処理手段と、生成手段と、を備え、前記表示処理手段は、指示書画面を表示処理し、歯科医院により操作される歯科医院端末および/または歯科技工所により操作される歯科技工所端末に対して表示処理結果を送信し、前記指示書画面は、歯の状態および/または歯科技工物を含む第1情報を選択状態とする第1選択部と、歯の状態および/または歯科技工物の位置を含む第2情報を選択状態とする第2選択部と、を備え、前記生成手段は、前記第1選択部および前記第2選択部により選択状態とされた第1情報および第2情報を含む指示情報を生成する。
【0011】
また、本発明は、歯科技工物に関する指示書を作成する指示書作成方法であって、コンピュータが、指示書画面を表示処理し、歯科医院により操作される歯科医院端末および/または歯科技工所により操作される歯科技工所端末に対して表示処理結果を送信する処理を実行し、前記指示書画面は、歯の状態および/または歯科技工物を含む第1情報を選択状態とする第1選択部と、歯の状態および/または歯科技工物の位置を含む第2情報を選択状態とする第2選択部と、を備え、前記コンピュータが、前記第1選択部および前記第2選択部により選択状態とされた第1情報および第2情報を含む指示情報を生成する処理を更に実行する。
【0012】
このような構成とすることで、歯の情報および/または歯科技工物に関する第1情報と、それらの位置を含む第2情報と、を簡便に入力し、分かり易く表示することができる好適なユーザインターフェイスを提供することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記第1情報に対応する第1表現を記憶する記憶部を備え、前記表示処理手段は、前記第1情報に対応する第1表現を、前記第2情報に含まれる位置に基づき前記第2選択部に表示処理する。
また、前記記憶部は、歯の状態に関する状態第1表現と、歯科技工物に関する技工物第1表現とを含む前記第1表現を記憶し、前記第2選択部は、歯列を示す歯列表現として構成され、前記生成手段は、前記状態第1表現を、前記歯列表現における歯列上に重畳するよう表示処理し、前記技工物第1表現を、前記歯列表現における歯列に重畳しないよう表示処理する。
また、前記第1情報は、歯の状態および歯科技工物の組合せであって、前記第1選択部は、歯の状態および歯科技工物の組合せである前記第1情報を選択状態とし、前記表示処理手段は、歯の状態および歯科技工物の組合せである前記第1情報に対応する前記状態第1表現と、前記技工物第1表現と、をそれぞれ前記歯列表現において区別可能に表示処理する。
このような構成とすることで、歯列表現において、歯の状態と歯科技工物のそれぞれを視認性よく提示するユーザインターフェイスを提供できる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、選択範囲表現は、前記第2選択部に前記歯列表現として表示される歯の前記第2情報を選択状態とする選択範囲を示す表現であり、前記第2選択部に表示される歯は、近傍に前記選択範囲表現の示す選択範囲が重畳すれば当該歯の前記第2情報が選択状態となる領域を備える。
このような構成とすることで、タブレット端末等で操作する際に第2選択部に表示される歯を視認し難い場合でも容易に選択状態とする、操作性を確保した好適な入力方法を提供することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記第1情報に付随し、前記歯科技工物の材料および/または色を含む第3情報を更に選択状態とする第3選択部を有し、前記生成手段は、前記第3選択部により選択状態とされた第3情報を含む指示情報を生成する。
このような構成とすることで、更に詳細な技工物に関する指示情報を生成できる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記第1選択部は、選択入力を受け付けることで、選択状態とする前記第1情報を切替可能であり、前記切替可能な第1情報は、1~10の範囲の第1情報のグループである第1情報群として記憶部に記憶される。
選択入力を受け付けることで、選択可能な前記第1選択部を切替可能な第1選択部切替部を備え、前記切替可能な第1選択部は、1~10の範囲の第1選択部のグループである第1カテゴリ情報として記憶部に記憶される。
前記指示書画面は、第1指示情報入力部と、第2指示情報入力部と、を備え、前記第1指示情報入力部は、前記第1選択部、前記第2選択部、前記第1選択部切替部を備え、前記第1指示情報入力部は、前記指示書画面における画面占有率が10%以上、50%以下である。
このような構成とすることで、指示書画面における指示情報を入力するインターフェイスをコンパクトにすることができ、かつ、操作性と視認性を十分に確保した好適なインターフェイスを提供することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記第1情報に付随し、前記歯科技工物の材料および/または色を含む第3情報を更に選択状態とする第3選択部を有し、前記第2指示情報入力部は、選択可能な前記第1情報を表示し選択状態とする第1情報選択部と、選択状態とされた前記第1情報に従って表示される選択可能な前記第3情報を切り替える前記第3選択部と、を備え、前記第1情報選択部は、前記第1選択部において選択状態とされた前記第1情報に従い、表示される前記第1情報が切り替わる。
このような構成とすることで、第1情報選択部では第1選択部で選択状態となった第1情報に従って歯の状態および/または歯科技工物を含む第1情報が表示され、選択可能な第1情報を容易に把握することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記指示書作成システムは、歯科医院において操作される歯科医院端末と、歯科技工所において操作される技工所端末と、を備え、前記歯科医院端末を介して生成された前記指示情報に基づく指示書画面を表示処理し、前記歯科医院端末および/または前記歯科技工所端末に対して表示処理結果を送信する表示処理手段を備える。
このような構成とすることで、歯科医院と歯科技工所の間で、入力および表示において好適なインターフェイスを介して指示書のやり取りを実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、指示書に関する情報入力を簡便にし、かつ、指示書に関する情報表示を視認性よく提示する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】指示書作成システムのブロック図を示す。
図2】各種装置のハードウェア構成図を示す。
図3】指示書画面の画面表示例を示す。
図4】第1指示情報入力部における表示切替のためのデータ構成例を示す。
図5】第1指示情報入力部の画面表示例を示す。
図6】第2指示情報入力部の画面表示例を示す。
図7】第1情報および第2情報の入力による画面表示の変化を説明する図である。
図8】生成された指示情報に基づく指示書画面の画面表示例を示す。
図9】指示情報の生成に関する処理フローチャートを示す。
図10】指示書情報に基づく指示に関する処理フローチャートを示す。
図11】指示書作成システムの異なる構成例を示す。
図12】指示書作成システムの異なる画面表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本発明の指示書作成システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0022】
本実施形態では指示書作成システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータのプログラムおよび当該プログラムを格納したプログラム記録媒体なども、同様の作用効果を奏することができる。以下で説明する本実施形態にかかる一連の処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD-ROMやフレキシブルディスクなどの非一過性コンピュータ可読記録媒体、更には通信回線を経て提供可能である。
【0023】
指示書作成システムの各機能構成部と、指示書作成方法の各ステップと、は同様の作用効果を実現する。指示書作成システムを構成するコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置および記憶装置を有する。当該コンピュータは、記憶装置に格納される指示書作成プログラムを、演算装置により実行することで、各機能構成部の機能を実現する。
【0024】
一般的に、歯科医院から歯科技工所への歯科技工物の製作依頼は、紙の歯科技工指示書及び患者の歯の模型をセットにして歯科医院から歯科技工所に受け渡すことによって行われる。本発明は、このような歯科技工物の製作依頼に関する指示情報を生成するための好適なユーザインターフェイスを提供し、生成された電子的な指示書情報を歯科医院および歯科技工所の間でデータ通信することが可能なシステム、プログラム、および、方法に関する。
【0025】
本発明において電子的に管理される歯科技工指示書のことを指示書と表現する。作成された指示書は、指示書情報として記憶部DBに格納され、管理される。指示書情報は、技工物種別や歯の状態、それらの位置などを指示する指示情報を含む。
【0026】
なお、本実施形態における歯科医院とは、歯科治療を行う医療機関を指し、歯科技工所とは、歯科技工物の製作を行う機関を指す。また、歯科技工物とは、歯科治療を行う上で必要な技工物のことであり、詰め物(インレー)や土台(コア)、被せ物(クラウン)、ブリッジなどの歯冠修復物や、有床義歯(入れ歯)、歯並びを治す矯正装置、人工歯根を埋め込むインプラント補綴等を含む。また、歯の状態とは、歯の神経状態(有髄、無髄)や歯の欠損状態などを含む。
【0027】
図1は、本実施形態にかかる指示書作成システム1の機能ブロック図を示す。指示書作成システム1は、指示書作成装置2と、歯科医院において操作される歯科医院端末3と、歯科技工所において操作される歯科技工所端末4と、データベースとしての記憶部DBと、を備え、各構成部は通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。図1において、歯科医院端末3および歯科技工所端末4は、それぞれ1つのみ示したが、これらは複数存在してよい。
【0028】
指示書作成装置2は、機能構成要素として、歯科医院端末3および歯科技工所端末4を介して各種情報入力を受け付ける入力受付手段21と、入力された情報に基づき指示情報および当該指示情報を含む指示書情報を生成する生成手段22と、各種画面に関する表示処理を行う表示処理手段23と、生成された指示書情報に関する通知を行う通知手段24と、などを備える。
【0029】
歯科医院端末3は、機能構成要素として、画面を介して情報入力を受け付ける入力手段31と、表示処理結果に基づき画面を表示する表示手段32と、を備える。
【0030】
歯科技工所端末4は、機能構成要素として、画面を介して情報入力を受け付ける入力手段41と、表示処理結果に基づき画面を表示する表示手段42と、を備える。
【0031】
記憶部DBは、指示書作成装置2、歯科医院端末3、歯科技工所端末4、とデータ通信可能に構成され、指示書情報などを含む各種データを格納する。記憶部DBは、設置場所に制限はなく、例えば、指示書作成装置2の内部または外部に設置され、指示書作成装置2を介して各種装置とデータ通信可能な構成としてもよい。
【0032】
表示処理手段23は、指示書情報に基づき指示書画面を表示処理し、歯科医院端末および/または歯科技工所端末に対して表示処理結果を送信する。歯科医院端末3および/または歯科技工所端末4は、表示処理結果に基づき、指示書画面をディスプレイなどの出力部に表示することができる。
【0033】
入力受付手段21は、歯科医院端末3および/または歯科技工所端末4において表示される指示書画面を介して各種情報入力を受け付ける。
【0034】
生成手段22は、入力受付手段21により入力された情報に基づき指示情報を生成し、記憶部DBに格納する。また、生成手段22は、1または複数の指示情報を含む指示書情報を生成し、記憶部DBに格納する。
【0035】
表示処理手段23は、歯科医院端末3および/または歯科技工所端末4を介して生成された指示情報に基づく指示書画面を表示処理し、その表示処理結果を歯科医院端末3および/または歯科技工所端末4に対して送信する。
【0036】
通知手段24は、生成手段22により生成された指示情報を含む指示書情報について、歯科医院端末3および/または歯科技工所端末4に対して通知する。表示処理手段23は、歯科医院端末3および/または歯科技工所端末4より指示書情報に関する閲覧要求を受け付けると、当該指示書情報を表示処理した結果を当該要求のあった端末装置に対して応答として送信する。
【0037】
指示書作成装置2における各種機能構成要素(21―24)の一部は、歯科医院端末3および/または歯科技工所端末4が備えてもよい。機能構成要素21-24は、指示書作成システム1の全体において実現されればよい。
【0038】
図2は、本実施形態における各装置のハードウェア構成図を示す。図2(a)は、指示書作成装置2のハードウェア構成例を示す。指示書作成装置2は、CPU(Central Processing Unit)等による制御部201と、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等による記憶部202と、通信ネットワークNWとの通信制御を行う通信部203などと、を備える。制御部201は、記憶部202に格納されるOS(Operating System)と、OSと協働して各種機能構成要素を実現する指示書作成プログラムと、を実行することで、指示書作成装置2における各種処理を制御する。
【0039】
図2(b)は、端末装置5のハードウェア構成図を示す。本実施形態において、端末装置5は、歯科医院端末3と歯科技工所端末4を含む。端末装置5は、CPUなどの制御部501と、RAM、HDD、SSD、フラッシュメモリ等による記憶部502と、通信ネットワークNWとの通信制御を行う通信部503と、タッチパネル、マウス、キーボード等の入力部504と、ディスプレイ等の出力部505などと、を備える。制御部501は、指示書作成装置2との各種情報の入出力および送受信するためのアプリケーションプログラムや、指示書作成システム1によるサービスを提供するウェブサイトにアクセスするためのブラウザアプリケーションなどを実行することで、端末装置5における各種処理を制御する。
【0040】
記憶部DBに格納される一部のデータについては、指示書作成装置2の記憶部202や端末装置5の記憶部502に記憶されてもよい。
【0041】
端末装置5は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどを用いることができる。本実施形態において、端末装置5は、好ましくはタブレット端末として構成され、5インチ~20インチ、好ましくは8インチ~12インチのディスプレイを有する。また、ディスプレイの縦横比は、1/2以上、3/4以下であることが好ましい。
【0042】
以下の説明では、端末装置5の操作者をユーザUとして定義する。ユーザUは、歯科医院における歯科医、スタッフなどを含む歯科医院ユーザU1と、歯科技工所における歯科技工士、スタッフなどを含む歯科技工所ユーザU2と、を含む。
【0043】
指示書情報は、歯科医院端末3を識別するための歯科医院IDと、歯科技工所端末4を識別するための歯科技工所IDと、指示書により製作される歯科技工物を装着する患者を識別するための患者IDと、当該歯科技工物を製作するための1または複数の指示情報と、などを含む。
【0044】
指示情報は、歯の状態および/または歯科技工物を含む第1情報と、歯の状態および/または歯科技工物の位置を含む第2情報と、を有する。
【0045】
第1情報は、歯の状態に関する情報、または、歯科技工物に関する情報、並びに、歯の状態に関する情報および歯科技工物に関する情報の組合せ情報を含む。組合せ情報は、歯科技工物に関する情報の組合せであってもよい。歯の状態に関する情報は、有髄、無髄、欠損などを有する。歯科技工物に関する情報は、単冠、連結冠、ブリッジ、ポンティック、アバットメント、スクリュー、インレー、維持装置、連結装置、その他などを有する。本実施形態において、歯の状態と歯科技工物の組合せは、単冠無髄、単冠有髄、単冠アバットメント、単冠スクリュー、連結冠無髄、連結冠有髄、連結冠アバットメント、連結冠スクリューなどを含む。例示した組合せは、歯科技工物を冠(クラウン)としたが、これに限定されず、他の技工物との組み合わせでもよい。
【0046】
歯科技工物に関する第1情報は、単冠などの単独技工物と、連結冠やブリッジなどの複数の歯に装着される連結技工物と、に分類される。上述した組合せは、単独技工物と歯の状態の組合せ、連結技工物と歯の状態の組合せ、などであってもよく、後述の第3情報により単独技工物や連結技工物の詳細な種別を選択する構成であってもよい。
【0047】
第1情報は、歯科技工物の材料や色(シェード)などの付随する情報である第3情報を有する。第3情報は、第1情報に対して異なる材料や色をそれぞれ設定されてもよい。
【0048】
第1情報は、複数の関連する情報のグループである第1情報群として定義することができる。第1情報群として定義された第1情報は、第1選択部W11を操作することにより順に切り替えて表示される。
【0049】
第1選択部W11により切替される第1情報群は、更に複数の関連する第1情報群のグループである第1カテゴリ情報として定義することができる。第1カテゴリ情報として定義された第1情報群は、第1選択部切替部W13を操作することにより順に切り替えて表示される。
【0050】
第2情報は、歯の位置を歯列番号などにより示す情報である。本実施形態において、歯列番号は、11~18,21~28,31~38,41~48がそれぞれの歯に割り振られ、上顎、下顎、左右の何れの歯の位置かを示す番号である。乳歯や親知らずについては、上記以外の歯列番号が割り振られてもよい。
【0051】
記憶部DBは、第1情報と第2情報に対応する表現情報を格納する。表現情報は、表示処理手段23により第1情報および第2情報が表示処理されることで、出力部505に表示されるアイコンや画像などの画面表示を形成するための情報を示す。表現情報は、第1情報に対応する第1表現と、第2情報に対応する第2表現と、を有する。なお、表現情報は、端末装置5の記憶部502に格納されてもよい。
【0052】
第1表現は、歯の状態に関する状態第1表現と、歯科技工物に関する技工物第1表現とを含む。第1表現は、歯の状態や歯科技工物の種別に応じて異なる色、形状、アイコンなどとして表示処理されるよう定義される。第2表現は、歯列に関する画像など歯列表現を示す。
【0053】
第1表現は、歯列表現における表示位置が定義されている。状態第1表現は、歯列表現におけるそれぞれの歯列上に重畳するよう表示処理されるよう表示位置が定義される。技工物第1表現は、歯列表現における歯列に重畳しないよう表示処理されるよう表示位置が定義される。また、技工物第1表現は、単独技工物に関する単独技工物第1表現と、連結技工物に関する連結技工物第1表現と、を有し、単独技工物第1表現は、歯列表現における歯列の内側に重畳しないよう表示処理され、連結技工物第1表現は、歯列表現における歯列の外側に重畳しないよう表示処理される。
【0054】
図3は、指示書画面W1の画面表示例を示す。指示書画面W1は、第1指示情報入力部W10と、第2指示情報入力部W20と、対象者入力部W30と、送信部W40と、などを備える。
【0055】
第1指示情報入力部W10は、指示書画面W1における画面占有幅L1で示され、第2指示情報入力部W20は、指示書画面W1における画面占有幅L2で示される。画面占有幅L1、L2それぞれに画面占有高L3(図3における画面の高さ)を乗じることで、第1指示情報入力部W10と第2指示情報入力部W20のそれぞれの画面占有率が導出される。なお、図示例では、画面占有高L3は、同一であるため、画面占有率は、画面占有幅L1、L2により決定される。
【0056】
第1指示情報入力部W10と第2指示情報入力部W20の画面占有率は、任意に設定可能に構成されている。一方、第1指示情報入力部W10は、画面占有率10~90%(10%<L1<90%)の範囲で設定されることが好ましく、画面占有率10~50%(10%<L1<50%)の範囲で設定されることがより好ましい。
【0057】
第1指示情報入力部W10は、第1情報を選択状態とする第1選択部W11と、第2情報を選択状態とする第2選択部W12と、表示する第1選択部W11を切り替える第1選択部切替部W13と、を備える。
【0058】
第2指示情報入力部W20は、製作される歯科技工物に関する指示情報を表示する指示情報表示部W21と、歯科医院端末3および歯科技工所端末4の間でのメッセージのやり取りを表示するチャット表示部W22と、第3情報を選択状態とする第3選択部W23と、端末装置5のそれぞれの個別メモを入力/表示するメモ表示部W24と、画像データなどの添付ファイルを入力/表示するファイル表示部W25と、などを備える。
【0059】
対象者入力部W30は、発注者(歯科医院ユーザU1)、受注者(歯科技工所ユーザU2)、患者名などの入力を受け付け、表示する。図示例では、歯科医院端末3において表示される指示書画面W1を示し、歯科技工所端末4では、対象者入力部W30は、発注者が表示される。ここで、対象者入力部W30を介して設定される発注者と受注者の間で指示書画面W1が共有される。
【0060】
送信部W40は、ユーザUにより押下されることで、指示書画面W1を介して入力された指示情報を指示書作成装置2に送信する。
【0061】
図4(a)は、第1情報に関するデータ構成例を示す。図4によると、複数の第1カテゴリ情報52は、それぞれ複数の第1情報群54を有し、第1情報群54は、それぞれ複数の第1情報55を有する。第1選択部切替部51は、第1カテゴリ情報52により定義される第1情報群54に含まれる第1情報55を選択状態とするための第1選択部53の表示を切替可能に構成されている。すなわち、第1選択部切替部51は、第1選択部53Aと第1選択部53Bを含む表示モードと、第1選択部53Cと第1選択部53Dを含む表示モードと、を切替可能に構成されている。第1選択部53Aは、第1情報群54Aに含まれる第1情報55A~55Cを含む表示モード(選択状態)を切替可能に構成されている。第1選択部切替部51は、第1選択部切替部W13に対応し、第1選択部53は、第1選択部W11に対応する。
【0062】
第1選択部53は、第1情報群54に含まれる第1情報55を順に切替可能に構成される。第1情報群54に含まれる第1情報55は、1~10の範囲の数に制限され、1~5の範囲の数に制限される構成とすることがより好ましい。第1選択部53A~Dのそれぞれに異なる第1情報群54A~54Dを設定することができる。本実施形態において、第1情報群54に含まれる第1情報55は、1~4の範囲の数とすることで、切替にかかる回数を低減している。
【0063】
本実施形態において、第1カテゴリ情報52は、歯冠補綴に関する情報と、義歯に関する情報と、その他の技工物に関する情報と、に分類され、第1選択部切替部51の切替により、それぞれの第1カテゴリ情報52に対応する第1選択部53を表示するよう構成されている。これら第1カテゴリ情報の定義は、適宜設定可能であって、本実施形態に限定されるものではない。第1カテゴリ情報52に含まれる第1情報群54またはそれに対応する第1選択部53は、1~10の範囲の数に制限され、1~5の範囲の数に制限される構成とすることが好ましい。
【0064】
図4(b)は、第1選択部53による第1情報群54に含まれる第1情報55の切替表示の概要説明図を示す。第1情報群54に含まれる第1情報は、単冠有髄55A、単冠無髄55B、単冠アバットメント55C、単冠スクリュー55Dであって、それぞれに対応するアイコンが第1選択部53の押下を受け付けるごとに順に切り替えて表示される。
【0065】
図5は、第1指示情報入力部W10の画面表示例を示す。図5(a)は、第1選択部W11を1列表示とした画面表示例を示す。図5(b)は、第1選択部W11を2列表示とした画面表示例を示す。第1選択部W11のそれぞれの列は、第1カテゴリ情報に対応し、第1選択部切替部W13の選択により切替可能に構成されている。第1選択部W11の列数は、画面サイズやユーザ設定に応じて設定可能に構成され、列数による限定はない。また、第1選択部W11の1列あたりに設ける第1選択部W11の数も適宜設定可能であってよいが、視認性と操作性の観点から1列あたり好ましくは1~10、より好ましくは1~5に制限される。
【0066】
第1指示情報入力部W10において、第1選択部W11と第1選択部切替部W13は、第2選択部W12の上下左右の何れの位置に配置されてもよい。これらは、所定の画面領域として定義される第1指示情報入力部W10の範囲内において近接して配置される。
【0067】
図6は、第2指示情報入力部W20の画面表示例を示す。第3選択部W23は、第1情報に付随する第3情報を表示し、選択された第3情報を選択状態とする。第3情報は、第1情報ごとに設定可能に構成される。本実施形態において、第3情報は、材料(補綴物)と、色(シェード)とを有するが、第1情報に付随する情報であればこれらに限定されない。第3情報は、材料に関する情報、色に関する情報などを第3カテゴリ情報として定義されており、第3選択部切替部W26を選択されることで選択可能な第3情報を切り替えて第3選択部W23に表示する。第3選択部W23は、異なる第3カテゴリ情報に該当する複数の第3情報を同時に選択状態とすることができる。
【0068】
生成手段22は、第1選択部W11、第2選択部W12、第3選択部W23のそれぞれにより選択状態とされた第1情報、第2情報および第3情報に基づいて指示情報を生成する。指示情報表示部W21は、生成された指示情報に基づいて、表示される。指示情報表示部W21は、第2情報に基づく部位を歯列番号で、第1情報および第3情報に基づく歯の状態、歯科技工物、材料、色(シェード)をそれぞれの名称で、表示する。指示情報は、第2選択部W12の第1表現と、指示情報表示部W21の表示と、の組合せにより全ての指示情報が提示されればよい。
【0069】
図7は、指示書画面W1を介した指示情報の入力の概要説明図を示す。はじめに、第1選択部切替部W13は、第1カテゴリ情報の選択を受け付ける。表示処理手段23は、選択された第1カテゴリ情報に含まれるそれぞれの第1選択部W11を表示する。
【0070】
図7(a)は、第1選択部W11が、ユーザUによる選択入力を受け付け、第1情報を選択状態としたときの第1指示情報入力部W10の画面表示例を示す。ここで、選択状態とされた第1選択部W11Aは、色やアイコンの変化により区別可能に表示される。ある第1情報を選択状態とされた第1選択部W11Aは、選択入力を受け付けると、色やアイコンを変化させるとともに、異なる第1情報を選択状態とする。
【0071】
図7(b)は、第2選択部W12が、ユーザUによるタッチやクリックによる操作を受け付け、選択範囲を示す選択範囲表現O1を表示させた第1指示情報入力部W10の画面表示例を示す。選択範囲表現O1は、円形、楕円形、四角形など所定の範囲を表現できる表示であれば形状に限定はない。選択範囲表現O1は、第2選択部W12におけるそれぞれの歯を、円形表示などの選択範囲に含むことによって、当該歯の位置を含む第2情報を選択状態とすることができる。第1情報に対応する第1表現は、選択状態となった歯の対応する位置に表示される。
【0072】
選択範囲表現O1は、ユーザUにより第2選択部W12の画面表示に対するタッチ操作、クリック操作などにより表示処理され、クリップ操作、ドラッグアンドドロップ操作などにより移動させることができる。図7(b)の矢印方向に選択範囲表現O1を移動させ、当該選択範囲に含まれる歯が選択状態となる。
【0073】
図7(c)は、第1選択部W11および第2選択部W12によりそれぞれ選択状態とされた第1情報および第2情報に基づく指示書画面W1の画面表示例を示す。図7(c)において、選択状態とされた第1情報は歯の状態に関する状態第1表現O2であって、当該第1情報に対応する状態第1表現O2が、歯列表現における歯列上に重畳するよう表示処理される。第1情報および第2情報、並びに第3情報は、指示情報として生成され、指示情報表示部W21に表示される。指示情報に含まれる第1情報の少なくとも一部は、第1表現により判別可能に構成され、他の第1情報および第3情報が、指示情報表示部W21に表示される。
【0074】
図8は、生成された指示情報に基づき表示処理される指示書画面W1の画面表示例を示す。図8において、状態第1表現O2は、歯列表現における歯列上に重畳するよう表示処理され、技工物第1表現は、歯列表現における歯列上に重畳しないよう表示処理される。また、技工物第1表現は、単体技工物第1表現O3と、連結技工物第1表現O4と、に分類され、単体技工物第1表現は、歯列表現における歯列の内側に重畳しないよう表示処理され、連結技工物第1表現は、歯列表現における歯列の外側に重畳しないよう表示処理される。このように、第1表現のそれぞれが歯列表現の中で重畳しないよう制御され、それぞれ異なる表現として表示処理されるため、指示情報が視認性よく可視化された好適なユーザインターフェイスを提供することができる。第1表現は、色、形状、アイコン、連結表示の組合せにより表現され、それぞれの第1情報を表現することができればよく、例えば、技工物第1表現の一部は、歯列の歯に重畳し、色や形状の違いにより表現されてもよい。
【0075】
図8において、連結技工物第1表現O4は、連結冠やブリッジなどの連結される歯の位置を表示する。連結技工物第1表現O4は、ブリッジにおけるポンティックなど連結されない技工物について歯に接続しないことを区別可能に表示する。また、維持装置など特定の歯科技工物は、技工物第1表現O5のように表示される。
【0076】
図9は、端末装置5に表示される指示書画面W1を介して指示情報を生成する処理の流れに関するフローチャートを示す。
【0077】
端末装置5は、対象者入力部W30を介して患者、発注者、受注者に関する情報入力を受け付け、指示書情報を生成する(S11)。端末装置5は、第1選択部切替部W13を介して第1カテゴリ情報の選択を受け付ける(S12)。端末装置5は、第1選択部W11を介して、第1情報の選択を受け付け、当該第1情報を選択状態とする(S13)。端末装置5は、第3情報の選択を受け付ける場合(S14でYES)、第3選択部を介して第3情報の選択を受け付け、当該第3情報を選択状態とする(S15)。端末装置5は、第2選択部W12を介して、第2情報の選択を受け付け、当該第2情報を選択状態とする(S16)。端末装置5は、選択状態とされた情報に基づき指示情報表示部W21を表示させる(S17)。
【0078】
入力受付手段21は、端末装置5の指示書画面W1を介して入力された情報を受け付ける。生成手段22は、入力受付手段21により入力を受け付けた情報に基づき指示情報を生成し、当該指示情報を含む指示書情報を記憶部DBに格納する。表示処理手段23は、端末装置5より記憶部DBに格納された指示書情報の表示処理要求を受け付け、当該指示書情報を表示処理し、端末装置5に表示処理結果を送信することで、端末装置5の出力部505に指示書画面W1を表示させることができる。
【0079】
図10は、生成された指示情報に基づく指示書情報のやり取りに関するフローチャートを示す。通常、入力受付手段21は、はじめに歯科医院端末3を介して、診療した患者と、歯科技工物の製作を依頼する歯科技工所である受注者と、の入力を受け付けることで指示書情報を生成し、記憶部DBに格納する。
【0080】
入力受付手段21は、歯科医院端末3を介して指示書情報の入力を受け付け、記憶部DBに格納する(S21)。通知手段24は、歯科医院端末3を介して指示書情報の通知指示を受け付け、受注者として入力された歯科技工所端末4に対して通知を送信する(S22)。歯科技工所端末4は、受信した通知に基づき指示書情報を表示することができる。入力受付手段21は、歯科技工所端末4を介して、指示書情報の変更指示を受け付ける場合(S23でYES)、生成手段22は、当該変更指示に基づき指示書情報を変更し、記憶部DBに記憶する(S24)。
【0081】
生成手段22は、変更箇所の入力を受け付け、変更指示書情報を生成することができる。変更指示書情報は、変更された指示情報表示部W21、第1表現、第2表現の一部または全部をハイライト表示などにより変更のない情報と区別可能に、表示される。変更指示書情報は、変更がもう一方の端末装置5を介して承認指示入力を受け付けることで、指示書情報として更新して記憶部DBに格納される。
【0082】
図11は、異なる実施形態にかかる指示書作成システム6のシステム構成図を示す。図11によると、指示書作成システム6は、指示書作成装置7と、歯科医院端末8と、歯科技工所端末9と、記憶部DBと、を備え、各構成部が通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。指示書作成装置7は、指示書作成装置2に対応し、通知手段2411/E に対応する通知手段71を有する。歯科医院端末8および歯科技工所端末4は、歯科医院 端末3および歯科技工所端末4に対応し、入力受付手段21に対応する入力受付手段81 、91と、生成手段22に対応する生成手段82、92と、表示処理手段23に対応する 表示処理手段83、93と、をそれぞれ備える。
【0083】
入力受付手段81は、第1情報、第2情報、第3情報の入力を受け付け、生成手段82は、入力された情報に基づき指示情報を生成し、生成された指示情報を含む指示書情報を指示書作成装置7に送信し、記憶部DBに記憶する。
【0084】
通知手段71は、指示書情報に含まれる発注者である歯科技工所端末9に対して指示書情報にかかる通知を送信する。
【0085】
表示処理手段93は、受信した通知に基づく指示書情報を表示処理することで、指示書画面W1を表示することができる。
【0086】
図12は、指示書画面W1の異なる実施形態における画面表示例を示す。第2選択部W12に表示される選択範囲表現O1は、端末装置5を介したユーザUのタッチやクリックを含む操作により移動させることができる。選択範囲表現O1は、第2選択部W12の歯列表現として表示される歯と重畳すれば当該歯の状態および/または歯科技工物の位置を含む第2情報を選択状態とできる選択範囲を示している。
【0087】
第2選択部W12に表示される歯は、選択範囲表現O1が重畳すれば選択状態となる領域O6を近傍に備える。本実施形態において歯が近傍に備える領域O6は、第2選択部W12上に表示される歯の外縁に沿って歯列の外側と内側に存在するが、表示される歯の一部を含んでいてもよい。また、図示例において、歯が近傍に備える領域O6は表示されているが、表示されなくてもよい。図示例に示すように、第2選択部W12に表示される歯が選択範囲表現O1に含まれていない場合であっても、歯の近傍の領域O6が選択範囲表現O1に含まれるのであれば、当該歯の第2情報が選択状態とされる。第2選択部W12に表示される選択範囲表現O1がユーザUの操作により移動する際、通過した選択範囲表現O1に含まれた、歯および/または近傍の領域O6を有する歯の第2情報も選択状態とされる。選択範囲表現O1の通過した範囲に当該歯の有する領域O6が含まれていない場合であっても、選択範囲表現O1の移動の始点と終点で領域O6に含まれ、選択状態となった歯の間に位置する歯が選択状態とされてもよい。
【0088】
図12に示すように、第2指示情報入力部W20は指示情報表示部W21と第3選択部W23とを備え、更に第1情報選択部W27とを備える。
【0089】
第2指示情報入力部W20において第1情報選択部W27と第3選択部W23との表示は、指示事項を表示する画面と切り替えられてもよい。指示事項を表示する画面は、メモ書き等を表示する画面である。第2指示情報入力部W20に表示される情報や画面のレイアウトは図示例に限定されず、チャット表示部W22とメモ表示部W24とファイル表示部W25などが表示されてもよい。
【0090】
本実施形態において第1情報選択部W27は第1選択部W11に対応しており、第2指示情報入力部W20において選択可能な第1情報を画面上に表示し、選択状態とする。第1情報選択部W27に表示される選択可能な第1情報は、第1指示情報入力部W10の第1選択部W11および第1選択部切替部W13において選択状態とされた第1情報に従って切り替わる。また、第1選択部W11において表示される第1情報は第1情報選択部W27において選択状態とされた第1情報に従って切り替わる。本実施形態では第1情報選択部W27において表示され、選択可能な第1情報は、第1選択部切替部W13および第1選択部W11で選択された第1情報に付随する第1情報に限られているが、すべての第1情報が表示され、選択可能とされてもよい。
【0091】
第3選択部W23は、第1選択部W11および/または第1情報選択部W27で選択された第1情報に付随する選択可能な第3情報を表示し、選択する。第1情報に付随する情報である第3情報はさらに、歯科技工物への支払いが保険を適用して支払われるのかもしくは自費で支払われるのかなどを示す保険に関する情報を含んでもよい。第3選択部W23は保険に関する第3情報を表示し、選択可能としてもよい。
【0092】
第1情報選択部W27は、第1選択部W11で選択される第1情報の選択状態に従い、選択可能な第1情報に切り替え表示する。また、第3選択部W23は、第1選択部W11および/または第1情報選択部W27で選択された第1情報に従って選択可能な第3情報に切り替え表示する。
【0093】
以上に示したように、本発明は、歯科技工物に関する指示書の作成における好適なユーザインターフェイスとなる指示書画面を提供することができ、当該指示書画面を介した好適な歯科技工物に関する指示情報のやり取りを実現することができる。視認性と操作性の双方に優れたユーザインターフェイスを提供することで、指示のミスの削減や指示の煩雑性を解消し、歯科医院と歯科技工所の双方において好適な指示書のやり取りを実現することができる。
【0094】
1 指示書作成システム
2 指示書作成装置
21 入力受付手段
22 表示処理手段
23 生成手段
24 通知手段
201 制御部
202 記憶部
203 通信部
3 歯科医院端末
4 歯科技工所端末
5 端末装置
501 制御部
502 記憶部
503 通信部
504 入力部
505 出力部
DB 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12