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特開2023-162123複合粒子及び該複合粒子を含む外用剤
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  • 特開-複合粒子及び該複合粒子を含む外用剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162123
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】複合粒子及び該複合粒子を含む外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20231031BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/85 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/88 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20231031BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20231031BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20231031BHJP
   C08L 91/06 20060101ALI20231031BHJP
   C08L 3/02 20060101ALI20231031BHJP
   C08L 1/00 20060101ALI20231031BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20231031BHJP
   C08K 5/098 20060101ALI20231031BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20231031BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/73
A61K8/92
A61K8/36
A61K8/29
A61K8/81
A61K8/85
A61K8/86
A61K8/88
A61K8/87
A61K8/25
A61K8/27
C08L101/00
C08L91/06
C08L3/02
C08L1/00
C08K3/013
C08K5/098
C09K3/00 104Z
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023046314
(22)【出願日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2022072514
(32)【優先日】2022-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前山 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】松井 理紗
【テーマコード(参考)】
4C083
4J002
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB231
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB321
4C083AB431
4C083AC241
4C083AC242
4C083AD011
4C083AD021
4C083AD041
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD241
4C083AD242
4C083AD261
4C083AD262
4C083BB21
4C083BB25
4C083CC01
4C083CC02
4C083CC19
4C083EE01
4C083EE07
4C083EE17
4C083FF01
4J002AA011
4J002AB011
4J002AB031
4J002AB041
4J002AE032
4J002BB031
4J002BB061
4J002BB071
4J002BB081
4J002BB121
4J002BB141
4J002BB151
4J002BG041
4J002BG051
4J002BG061
4J002BG071
4J002CF031
4J002CF051
4J002CF061
4J002CF071
4J002CF081
4J002CF181
4J002CF191
4J002CG001
4J002CH071
4J002CK031
4J002CK041
4J002CK051
4J002CL011
4J002CN031
4J002DE096
4J002DE106
4J002DE116
4J002DE136
4J002DE238
4J002DJ018
4J002DJ048
4J002DJ058
4J002DL008
4J002EG037
4J002EG047
4J002FA088
4J002FD011
4J002FD018
4J002FD056
4J002FD172
4J002FD177
4J002GB00
4J002GB04
4J002GH01
4J002GL00
4J002GN00
4J002GP00
4J002HA09
(57)【要約】
【課題】優れた紫外線遮蔽能及び高い疎水性を有する複合粒子を提供する。
【解決手段】基材粒子と、紫外線遮蔽微粒子と、滑剤とを含有し、該基材粒子が、澱粉、セルロース、セルロース誘導体、熱可塑性樹脂及び無機フィラーからなる群より選択される少なくとも一種を含み、該紫外線遮蔽微粒子が、該基材粒子の表面に付着しており、該滑剤が、該紫外線遮蔽微粒子の表面に付着しており、該滑剤が、金属石鹸及び/又は植物性油脂由来のロウである、複合粒子。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材粒子と、紫外線遮蔽微粒子と、滑剤とを含有し、
前記基材粒子が、澱粉、セルロース、セルロース誘導体、熱可塑性樹脂及び無機フィラーからなる群より選択される少なくとも一種を含み、
前記紫外線遮蔽微粒子が、前記基材粒子の表面に付着しており、
前記滑剤が、前記紫外線遮蔽微粒子の表面に付着しており
前記滑剤が、金属石鹸及び/又は植物性油脂由来のロウである、複合粒子。
【請求項2】
前記基材粒子が、加工澱粉、セルロース、セルロース誘導体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、炭酸カルシウム、タルク、シリカ及びマイカからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の複合粒子。
【請求項3】
前記紫外線遮蔽微粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム及び酸化ビスマスから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の複合粒子。
【請求項4】
前記金属石鹸が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛及びパルミチン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の複合粒子。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の複合粒子を含む、外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合粒子及び該複合粒子を含む外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の微粒子を該微粒子よりも相対的に大きい基材粒子の表面に付着させてなる複合粒子が、化粧料等への添加剤として幅広い用途に使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、基材粒子と、該基材粒子に付着した複数の紫外線吸収微粒子とを備え、該紫外線吸収微粒子の平均粒径が175nm以下である、複合粒子が記載されている。
【0004】
特許文献2には、基材粒子と該基材粒子に付着した複数の紫外線遮蔽微粒子とを備え、該基材粒子がデンプンを含み、該紫外線遮蔽微粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化セリウムから選ばれる少なくとも1種を含む、複合粒子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-221148号公報
【特許文献2】特開2021-24789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載の粒子は、紫外線遮蔽能に劣るため、化粧料に配合して使用した際に、紫外線防御効果が十分に奏されない問題がある。
【0007】
特許文献1及び2に記載の粒子は、疎水性に劣るため、油相に添加した場合に該粒子の凝集が避けられない問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、優れた紫外線遮蔽能及び高い疎水性を有する複合粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、基材粒子に付着した紫外線遮蔽微粒子に更に滑剤を付着してなる複合粒子を開発することに成功し、該複合粒子を使用することにより上記目的を達成できることを見出した。本発明は、さらに研究を重ね、完成させたものである。
【0010】
本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.基材粒子と、紫外線遮蔽微粒子と、滑剤とを含有し、
前記基材粒子が、澱粉、セルロース、セルロース誘導体、熱可塑性樹脂及び無機フィラーからなる群より選択される少なくとも一種を含み、
前記紫外線遮蔽微粒子が、前記基材粒子の表面に付着しており、
前記滑剤が、前記紫外線遮蔽微粒子の表面に付着しており、
前記滑剤が、金属石鹸及び/又は植物性油脂由来のロウである、複合粒子。
項2.前記基材粒子が、加工澱粉、セルロース、セルロース誘導体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、炭酸カルシウム、タルク、シリカ及びマイカからなる群より選択される少なくとも一種を含む、項1に記載の複合粒子。
項3.前記紫外線遮蔽微粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム及び酸化ビスマスから選ばれる少なくとも1種を含む、項1又は2に記載の複合粒子。
項4.前記金属石鹸が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛及びパルミチン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種である、項1~3のいずれか一項に記載の複合粒子。
項5.項1~4のいずれか一項に記載の複合粒子を含む、外用剤。
【発明の効果】
【0011】
本発明の複合粒子は、優れた紫外線遮蔽能及び高い疎水性を有する。本発明の複合粒子は、優れた紫外線遮蔽能を有することから、化粧料等の外用剤に配合した場合、紫外線防御効果の発現が期待できる。本発明の複合粒子は、高い疎水性を有することから、化粧料等の外用剤に配合した場合、分散性が良好となるため、粒子の凝集を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1で得られた複合粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で約5,000倍の倍率で撮影した写真である。
図2】比較例1で得られた粒子をSEMで約5,000倍の倍率で撮影した写真である。
図3】実施例3で得られた複合粒子をSEMで約2,000倍の倍率で撮影した写真である。
図4】実施例4で得られた複合粒子をSEMで約2,000倍の倍率で撮影した写真である。
図5】実施例5で得られた複合粒子をSEMで約2,000倍の倍率で撮影した写真である。
図6】実施例6で得られた複合粒子をSEMで約2,000倍の倍率で撮影した写真である。
図7】比較例2で得られた粒子をSEMで約2,000倍の倍率で撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態及び具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
【0014】
本明細書において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
【0015】
本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。また、本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値又は実施例から一義的に導き出せる値に置き換えてもよい。更に、本明細書において、「~」で結ばれた数値は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。
【0016】
本明細書において、「A及び/又はB」とは、「A及びBの一方」又は「A及びBの両方」を意味し、具体的には、「A」、「B」、又は「A及びB」を意味する。
【0017】
1.複合粒子
本発明の複合粒子は、以下の構成(i)乃至(v)を備えている:
(i)基材粒子と、紫外線遮蔽微粒子と、滑剤とを含有する。
(ii)基材粒子が、澱粉、セルロース、セルロース誘導体、熱可塑性樹脂及び無機フィラーからなる群より選択される少なくとも一種を含む。
(iii)紫外線遮蔽微粒子が、基材粒子の表面に付着している。
(iv)滑剤が、紫外線遮蔽微粒子の表面に付着している。
(v)滑剤が、金属石鹸及び/又は植物性油脂由来のロウである。
【0018】
本発明の複合粒子は、上述した構成(i)乃至(v)を備えていることにより、優れた紫外線遮蔽能及び高い疎水性を有する。本発明の複合粒子は、紫外線遮蔽能に優れることから、太陽光線中の紫外線を防御して皮膚への悪影響を抑制することができる点で、化粧料等の外用剤に特に好適に使用することができる。また、本発明の複合粒子は、高い疎水性を有することから、水系処方の化粧料中でも溶解することなく粒子形状を保ち、分散性が良好となるため、粒子の凝集を抑制することができる点で、化粧料等の外用剤に特に好適に使用することができる。
【0019】
本発明において、複合粒子とは、基材粒子と紫外線遮蔽微粒子と滑剤とが各々複合化されてなる粒子のことをいう。本明細書において、複合化とは、基材粒子と紫外線遮蔽微粒子とが、化学結合を介して相互に結びつけられた状態のこと、並びに、紫外線遮蔽微粒子と滑剤とが、化学結合を介して相互に結びつけられた状態のことをいう。各々の化学結合としては、特に限定されず、例えば、共有結合、イオン結合、配位結合、キレート結合、水素結合、分子間力等が挙げられる。
【0020】
基材粒子と紫外線遮蔽微粒子との複合化は、基材粒子と紫外線遮蔽微粒子とを、自動乳鉢、ボールミル、マルチパーパスミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、レディゲミキサー、V型ミキサー、ハンマーミル、ピンミル等の粉体処理装置を用いて混合することにより実施できる。
【0021】
紫外線遮蔽微粒子と滑剤との複合化は、紫外線遮蔽微粒子と滑剤とを、自動乳鉢、ボールミル、マルチパーパスミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、レディゲミキサー、V型ミキサー、ハンマーミル、ピンミル等の粉体処理装置を用いて混合することにより実施できる。
【0022】
以下、上述した構成(i)乃至(v)を備える本発明の複合粒子を、単に「本発明」、「本発明の粒子」と記載することもある。
【0023】
<基材粒子>
本発明において、基材粒子は、澱粉、セルロース、セルロース誘導体、熱可塑性樹脂及び無機フィラーからなる群より選択される少なくとも一種を含む。本発明における基材粒子の主成分は、通常、澱粉、セルロース、セルロース誘導体、熱可塑性樹脂及び無機フィラーからなる群より選択される少なくとも一種である。
【0024】
本明細書において、基材粒子の主成分とは、基材粒子中の質量比率が、通常50質量%超、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より一層好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、特に好ましくは99.5質量%、最も好ましくは100質量%である成分をいう。
【0025】
本発明において、基材粒子は、澱粉、セルロース、セルロース誘導体、熱可塑性樹脂及び無機フィラーからなる群より選択される少なくとも一種を主成分として含むことが好ましい。本発明において、基材粒子は、澱粉、セルロース、熱可塑性樹脂及び無機フィラーからなる群より選択される少なくとも一種を主成分として含むことがより好ましい。
【0026】
本発明において、基材粒子は、加工澱粉、セルロース、セルロース誘導体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、炭酸カルシウム、タルク、シリカ及びマイカからなる群より選択される少なくとも一種を主成分として含むことが好ましい。
【0027】
本発明において、耐水性をより向上させる点から、基材粒子は、加工澱粉、セルロース、ポリエステル系樹脂及びシリカからなる群より選択される少なくとも一種を主成分として含むことがより好ましい。
【0028】
本発明において、耐水性をより一層向上させる点から、基材粒子は、リン酸架橋澱粉、結晶セルロース、ポリエステル系樹脂及びシリカからなる群より選択される少なくとも一種を主成分として含むことがより一層好ましい。結晶セルロースとは、セルロースを酸で部分的に解重合して精製したものを意味する。
【0029】
<加工澱粉>
加工澱粉とは、トウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、小麦、米、もち米、タピオカ、サゴヤシ等の澱粉を原料(以下、「澱粉原料」と表記)とし、これら澱粉原料に物理的処理、酵素的処理、又は化学的処理を加えることによって、澱粉原料の特性を改良したものを意味する。
【0030】
上記化学的処理としては、架橋処理;酸処理、アルカリ処理、酸化処理;アセチル化、リン酸化等のエステル化処理;ヒドロキシプロピル化等のエーテル化処理等が挙げられる。このような処理は、1種の処理が単独で施されていてもよく、また2種以上の処理が組み合わされて施されていてもよい。
【0031】
上記物理的処理としては、例えば、加熱処理、α化処理、湿熱処理、ボールミル処理、微粉砕処理等が挙げられる。このような処理は、1種の処理が単独で施されていてもよく、また2種以上の処理が組み合わされて施されていてもよい。
【0032】
上記酵素的処理としては、例えば、アミラーゼ等の酵素による処理等が挙げられる。
【0033】
本発明において、原料澱粉を化学的処理した加工澱粉が好ましく、原料澱粉を架橋処理した加工澱粉がより好ましく、原料澱粉をリン酸架橋処理した加工澱粉がより一層好ましい。
【0034】
加工澱粉としては、例えば、リン酸澱粉及びその金属塩、リン酸架橋澱粉及びその金属塩、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉及びその金属塩、アセチル化アジピン酸架橋澱粉及びその金属塩、アセチル化酸化澱粉及びその金属塩、アセチル化リン酸架橋澱粉及びその金属塩、酸化澱粉及びその金属塩、ヒドロキシプロピル澱粉及びその金属塩、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉及びその金属塩、カルボキシメチル澱粉及びその金属塩、酢酸澱粉及びその金属塩、アルケニルコハク酸澱粉及びその金属塩等が挙げられる。これらの加工澱粉は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
上記金属塩としては、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等が挙げられる。
【0036】
本発明において、加工澱粉は、耐水性をより向上させる点から、リン酸架橋澱粉並びにリン酸架橋澱粉のナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、カリウム塩及びアルミニウム塩が好ましい。本発明において、加工澱粉は、リン酸架橋澱粉がより好ましい。
【0037】
<セルロース誘導体>
セルロース誘導体とは、セルロースの水酸基の一部を他の置換基で置換した水溶性高分子を意味する。セルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースアンモニウム等が挙げられる。これらのセルロース誘導体は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
<熱可塑性樹脂>
本発明において、基材粒子に含まれる熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
<(メタ)アクリル系樹脂>
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位を含有する重合体である。(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエステル等が挙げられる。これらの例示樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「メタクリル」及び「アクリル」の両方を含む概念である。
【0040】
<ポリウレタン系樹脂>
ポリウレタン系樹脂は、ウレタン結合を有する樹脂を意味し、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの例示樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
<ポリオレフィン系樹脂>
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体。エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0042】
上記(メタ)アクリル酸エステルのエステル部分[(メタ)アクリル酸基以外の部分)]を構成する炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1~8のアルキル基等が挙げられる。
【0043】
上記ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体等が挙げられる。これらの例示樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
<ポリエステル系樹脂>
ポリエステル系樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。脂肪族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。これらの例示樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
上記芳香族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。これらの例示樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
本発明において、ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ポリエステル系樹脂が好ましい。脂肪族ポリエステル系樹脂の中でも、生分解性が高く環境負荷をより低減できる点から、ポリブチレンサクシネート及びポリヒドロキシアルカノエートが好ましい。
【0047】
<ポリエーテル系樹樹脂>
ポリエーテル系樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。これらの例示樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
<ポリアミド系樹樹脂>
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリ-ω-アミノヘプタン酸(ナイロン7)、ポリ-ω-アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン12)等が挙げられる。これらの例示樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
<無機フィラー>
無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ等が挙げられる。これらの無機フィラーは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
本発明において、基材粒子の表面に紫外線遮蔽微粒子が付着している。基材粒子の表面には、通常複数(2以上)の紫外線遮蔽微粒子が付着している。本発明において、基材粒子の表面に紫外線遮蔽微粒子が化学結合を介して付着していることが好ましい。該化学結合としては、特に限定されず、例えば、共有結合、イオン結合、配位結合、キレート結合、水素結合、分子間力等が挙げられる。
【0051】
本発明において、基材粒子の表面の一部又は全部が、紫外線遮蔽微粒子で被覆されていることが好ましい。本発明において、基材粒子の表面の一部又は全部に紫外線遮蔽微粒子が化学結合を介して被覆していることが好ましい。該化学結合としては、特に限定されず、例えば、共有結合、イオン結合、配位結合、キレート結合、水素結合、分子間力等が挙げられる。
【0052】
本発明において、基材粒子の表面の少なくとも一部が、紫外線遮蔽微粒子からなる層で被覆されていることがより好ましい。基材粒子の表面の全部が紫外線遮蔽微粒子で被覆されているとは、基材粒子の表面の100%が紫外線遮蔽微粒子で被覆されていることをいう。基材粒子の表面の一部が紫外線遮蔽微粒子で被覆されているとは、基材粒子の表面の通常1%以上100%未満が紫外線遮蔽微粒子で被覆されていることをいう。
【0053】
「基材粒子の表面の一部」の下限値は、通常1%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、より一層好ましくは50%、更に好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上である。「基材粒子の表面の一部」の上限値は、特に限定されないが、通常100%未満であり、99.9%以下でもよく、95%以下でもよく、90%以下でもよい。これらの上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
【0054】
<基材粒子の体積平均粒子径の測定方法>
本明細書において、基材粒子の体積平均粒子径とは、精密粒度分布測定装置で得られた10万個の基材粒子の体積基準の粒度分布における算術平均径をいう。本発明において、基材粒子の体積平均粒子径は、以下の方法により測定される。
【0055】
基材粒子の体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)は、精密粒度分布測定装置(製品名「コールターマルチサイザーIII」、ベックマン・コールター株式会社製)により測定する。なお、本測定に際しては、CoulterElectronics Limited発行のReferenceMANUAL FOR THECOULTERMULTISIZER(1987)に従って校正されたアパチャーを用いて実施する。測定に用いるアパチャーは、測定する基材粒子の大きさによって、適宜選択する。
【0056】
測定する基材粒子の想定の体積平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合は50μmのサイズを有するアパチャーを選択し、測定する基材粒子の想定の体積平均粒子径が10μmより大きく30μm以下の場合は100μmのサイズのアパチャーを選択し、基材粒子の想定の体積平均粒子径が30μmより大きく90μm以下の場合は280μmのサイズを有するアパチャーを選択し、基材粒子の体積平均粒子径が90μmより大きく100μm以下の場合は400μmのサイズを有するアパチャーを選択する。測定後の基材粒子の体積平均粒子径が想定の体積平均粒子径と異なった場合は、適正なサイズを有するアパチャーに変更して、再度測定を行う。
【0057】
具体的には、基材粒子0.1gを0.1質量%ノニオン系界面活性剤10mL中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXERMT-31」)及び超音波洗浄器(商品名「超音波洗浄器 強力型 VS-150」、アズワン株式会社製)を用いて予備分散させ、分散液を得る。次いで、コールターマルチサイザーIII本体に備え付けの「ISOTON(登録商標)II」(ベックマン・コールター株式会社:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、上記分散液を緩く攪拌しながらスポイトで滴下して、コールターマルチサイザーIII本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。
【0058】
Current(アパチャー電流)およびGain(ゲイン)は、選択したアパチャーのサイズによって、適宜設定する。例えば、50μmサイズを有するアパチャーを選択する場合、Current(アパチャー電流)は-800、Gain(ゲイン)は4と設定し、100μmのサイズを有するアパチャーを選択する場合、Current(アパチャー電流)は-1600、Gain(ゲイン)は2と設定し、280μmおよび400μmのサイズを有するアパチャーを選択する場合、Current(アパチャー電流)は-3200、Gain(ゲイン)は1と設定する。
【0059】
測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。
【0060】
本発明において、基材粒子の体積平均粒子径は、通常1.0μm以上100μm以下である。基材粒子の体積平均粒子径は、触感特性の点から、1.5μm以上50μm以下が好ましい。基材粒子の体積平均粒子径は、上記<基材粒子の体積平均粒子径の測定方法>により測定することができる。
【0061】
本発明において、基材粒子の体積平均粒子径の下限値としては、1.0μm、1.5μm、2.0μm、2.5μm、3.0μm、3.5μm、4.0μm、4.5μm及び5.0μmの値をとり得る。本発明において、基材粒子の体積平均粒子径の上限値としては、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm及び50μmの値をとり得る。これらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
【0062】
<紫外線遮蔽微粒子>
本発明において、紫外線遮蔽微粒子は、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化鉄微粒子、酸化セリウム微粒子、酸化ジルコニウム微粒子及び酸化ビスマス微粒子から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子及び酸化セリウム微粒子から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。本発明において、紫外線遮蔽微粒子は、酸化チタン微粒子及び/又は酸化亜鉛微粒子を含むことがより一層好ましい。
【0063】
本発明において、紫外線遮蔽微粒子は、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化鉄微粒子、酸化セリウム微粒子、酸化ジルコニウム微粒子及び酸化ビスマス微粒子から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子及び酸化セリウム微粒子から選ばれる少なくとも1種であることがより一層好ましい。
【0064】
本発明において、紫外線遮蔽微粒子は、酸化チタン微粒子及び/又は酸化亜鉛微粒子であることが特に好ましい。
【0065】
紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径は、通常0.01μm以上2.0μm以下である。紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径は、触感特性の点から、0.20μm以上1.0μm以下が好ましい。本発明において、紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径の下限値としては、0.01μm、0.02μm、0.04μm、0.06μm、0.08μm、0.10μm、0.12μm、0.14μm、0.16μm、0.18μm、0.20μm、0.22μm、0.24μm、0.26μm及び0.28μmの値をとり得る。本発明において、紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径の上限値としては、2.0μm、1.8μm、1.6μm、1.4μm、1.2μm及び1.0μmの値をとり得る。これらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
【0066】
本発明において、紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径は、例えば、以下の方法によって測定することができる。
<紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径の測定方法>
(1)透過型電子顕微鏡(TEM)(株式会社日立ハイテク製の製品名「HT-7800」)を用いて、30,000倍に拡大して紫外線遮蔽微粒子(以下、「微粒子」とも表記)が均一に分散している部分を選び、微粒子のTEM写真を撮影する。
(2)撮影したTEM写真から、微粒子同士が重なり合っていない微粒子を無作為に10個選び出す。
(3)選んだ10個の微粒子それぞれに対して、HITACHI EMIPのプログラムを用いて、微粒子の最長径(微粒子を撮影したTEM画像において、微粒子の最も長い径)を測定し、算術平均して平均値を算出する。その算術平均値を紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径とする。
【0067】
本発明において、複合粒子100質量部に対して、紫外線遮蔽微粒子の含有量は、通常1質量部以上45質量部以下、好ましくは1.2質量部以上40質量部以下、より好ましくは1.5質量部以上35質量部以下、より一層好ましくは2質量部以上32質量部以下、更に好ましくは3質量部以上30質量部以下、特に好ましくは4質量部以上28質量部以下である。
【0068】
本発明において、複合粒子100質量部に対する紫外線遮蔽微粒子の含有量の下限値は、1質量部、1.2質量部、1.5質量部、2質量部、3質量部、4質量部、5質量部、6質量部、7質量部、8質量部、9質量部、10質量部及び11質量部の値をとり得る。本発明において、複合粒子100質量部に対する紫外線遮蔽微粒子の含有量の上限値は、45質量部、40質量部、35質量部、34質量部、32質量部、30質量部及び28質量部の値をとり得る。これらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
【0069】
本発明において、基材粒子と紫外線遮蔽微粒子との合計量(全質量)に対する紫外線遮蔽微粒子の割合は、通常1質量%以上60質量%以下、好ましくは1.2質量%以上50質量%以下、より好ましくは1.5質量%以上45質量%以下、より一層好ましくは2質量%以上40質量%以下、更に好ましくは3質量%以上36質量%以下、特に好ましくは4質量%以上34質量%以下である。
【0070】
本発明において、基材粒子と紫外線遮蔽微粒子との合計量(全質量)に対する紫外線遮蔽微粒子の割合の下限値は、1質量%、1.2質量%、1.5質量%、2質量%、3質量%、4質量%、5質量%、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%及び11質量%の値をとり得る。本発明において、基材粒子と紫外線遮蔽微粒子との合計量(全質量)に対する紫外線遮蔽微粒子の割合の上限値は、60質量%、50質量%、45質量%、44質量%、42質量%、40質量%、38質量%、36質量%及び34質量%の値をとり得る。これらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
【0071】
本発明において、紫外線遮蔽微粒子の表面に滑剤が付着している。紫外線遮蔽微粒子の表面には、通常複数(2以上)の滑剤が付着している。基材粒子の表面に、複数(2以上)の紫外線遮蔽微粒子が付着している場合、各々の紫外線遮蔽微粒子の表面に少なくとも1つ以上の滑剤が付着していることが好ましい。本発明において、紫外線遮蔽微粒子の表面に滑剤が化学結合を介して付着していることが好ましい。該化学結合としては、特に限定されず、例えば、共有結合、イオン結合、配位結合、キレート結合、水素結合、分子間力等が挙げられる。
【0072】
本発明において、紫外線遮蔽微粒子の表面の一部が、滑剤で被覆されていることが好ましい。本発明において、紫外線遮蔽微粒子の表面の一部に、滑剤が化学結合を介して被覆していることが好ましい。該化学結合としては、特に限定されず、例えば、共有結合、イオン結合、配位結合、キレート結合、水素結合、分子間力等が挙げられる。
【0073】
本発明において、紫外線遮蔽微粒子の表面の一部が、滑剤からなる層で被覆されていることがより好ましい。紫外線遮蔽微粒子の表面の一部が滑剤(又は滑剤からなる層)で被覆されているとは、紫外線遮蔽微粒子の表面の通常1%以上99.9%以下が滑剤(又は滑剤からなる層)で被覆されていることをいう。
【0074】
「紫外線遮蔽微粒子の表面の一部」の下限値は、通常1%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、より一層好ましくは50%、更に好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上である。「紫外線遮蔽微粒子の表面の一部」の上限値は、特に限定されないが、通常99.9%以下であり、95%以下でもよく、90%以下でもよい。これらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
【0075】
<滑剤>
本発明において、滑剤は、金属石鹸及び/又は植物性油脂由来のロウである。滑剤は、好ましくは金属石鹸又は植物性油脂由来のロウであり、より好ましくは金属石鹸である。
【0076】
<金属石鹸>
本発明において、金属石鹸は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛及びパルミチン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
【0077】
本発明において、金属石鹸は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム及びパルミチン酸亜鉛からなる群より選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
【0078】
本発明において、金属石鹸は、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム及びパルミチン酸マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種であることがより一層好ましい。
【0079】
本発明において、金属石鹸は、ステアリン酸マグネシウムが特に好ましい。
【0080】
金属石鹸の平均粒子径は、通常0.30μm以上15μm以下である。金属石鹸の平均粒子径は、触感特性の点から、0.40μm以上10μm以下が好ましく、0.45μm以上5μm以下がより好ましく、0.50μm以上3μm以下がより一層好ましい。本発明において、金属石鹸の平均粒子径の下限値としては、0.3μm、0.35μm、0.40μm、0.45μm、0.50μm、0.55μm、0.60μm及び0.65μmの値をとり得る。本発明において、金属石鹸の平均粒子径の上限値としては、15μm、12.5μm、10μm、7.5μm、7μm、6.5μm、6μm、5.5μm、5μm、4.5μm、4μm、3.5μm及び3μmの値をとり得る。これらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
【0081】
本発明において、金属石鹸の平均粒子径は、例えば、以下の方法によって測定することができる。
<金属石鹸の平均粒子径の測定方法>
(1)透過型電子顕微鏡(TEM)(株式会社日立ハイテク製の製品名「HT-7800」)を用いて、20,000倍に拡大して金属石鹸が均一に分散している部分を選び、金属石鹸のTEM写真を撮影する。
(2)撮影したTEM写真から、金属石鹸同士が重なり合っていない金属石鹸を無作為に10個選び出す。
(3)選んだ10個の金属石鹸それぞれに対して、HITACHI EMIPのプログラムを用いて、金属石鹸の最長径(金属石鹸を撮影したTEM画像において、金属石鹸の最も長い径)を測定し、算術平均して平均値を算出する。その算術平均値を金属石鹸の平均粒子径とする。
【0082】
本発明において、複合粒子100質量部に対して、金属石鹸の含有量は、通常0.5質量部以上40質量部以下、好ましくは1質量部以上30質量部以下、より好ましくは1.5質量部以上25質量部以下、より一層好ましくは2質量部以上22.5質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以上20質量部以下、特に好ましくは3質量部以上18質量部以下である。
【0083】
本発明において、複合粒子100質量部に対する金属石鹸の含有量の下限値は、0.5質量部、1質量部、1.5質量部、2質量部、2.5質量部、3質量部、4質量部、5質量部及び6質量部の値をとり得る。本発明において、複合粒子100質量部に対する金属石鹸の上限値は、40質量部、30質量部、27.5質量部、25質量部、22.5質量部、20質量部、19質量部、18質量部及び17質量部の値をとり得る。これらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
【0084】
本発明において、基材粒子と金属石鹸との合計量(全質量)に対する金属石鹸の割合は、通常0.5質量%以上50質量%以下、好ましくは1質量%以上40質量%以下、より好ましくは1.5質量%以上30質量%以下、より一層好ましくは2質量%以上28質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以上26質量%以下、特に好ましくは3質量%以上24質量%以下である。
【0085】
本発明において、基材粒子と金属石鹸との合計量(全質量)に対する金属石鹸の割合の下限値は、0.5質量%、1質量%、1.5質量%、2質量%、2.5質量%、3質量%、4質量%、5質量%、6質量%及び7質量%の値をとり得る。本発明において、基材粒子と金属石鹸との合計量(全質量)に対する金属石鹸の割合の上限値は、50質量%、40質量%、35質量%、30質量%、28質量%、26質量%、25質量%及び24質量%の値をとり得る。これらの下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
【0086】
<植物性油脂由来のロウ>
植物性油脂由来のロウは、ワックスとも称される。植物性油脂由来のロウは、植物由来の高級脂肪酸(例えば、炭素数12~24の脂肪酸)と、1価又は2価の高級アルコール(例えば、炭素数8~22のアルコール)とのエステルを主成分とする物質であり、常温(例えば23℃)で固体の物質である。
【0087】
上記主成分とは、植物性油脂由来のロウ中の上記エステルの質量比率が、通常50質量%超、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より一層好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上、特に好ましくは100質量%であることをいう。
【0088】
上記植物性油脂由来のロウとしては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0089】
植物性油脂由来のロウの平均粒子径は、通常0.3μm以上15μm以下である。なお、本発明において、植物性油脂由来のロウの平均粒子径は、例えば、上記<金属石鹸の平均粒子径の測定方法>に記載の(1)乃至(3)の手順と同様の手順で測定することができる。
【0090】
本発明の複合粒子は、触感特性の点から、体積平均粒子径が通常1μm以上100μm以下であり、好ましくは1.5μm以上50μm以下、より好ましくは2μm以上30μm以下である。
【0091】
本発明の複合粒子の体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。該レーザー回折式粒度分布測定装置としては、公知の市販品を広く用いることができる。市販品としては、例えば、日機装株式会社製の製品名「マイクロトラックMT3300EXII」等が挙げられる。
【0092】
より詳細には、本発明の複合粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)を用いて以下の[粒度分布の測定方法]により得られる体積基準の粒度分布に基づいて測定することができる。
[粒度分布の測定方法]
40mgの複合粒子を2mLの脱イオン水と0.8mLの洗剤(商品名「キュキュット」、花王株式会社製)とで分散させた分散液に、超音波洗浄機(商品名「超音波洗浄器 強力型 VS-150」、アズワン株式会社製)で1時間超音波を連続的に印可する。印可後の分散液をレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)に測定可能濃度になるまで添加し、測定装置内で30Wにて60秒間の超音波分散を行う。超音波分散後、測定時間10秒で体積基準の粒度分布を湿式法にて測定する。レーザー回折式粒度分布測定装置を使用する際の測定条件は以下のとおりである。
・測定範囲:0.01μm~10,000μm
・光源:半導体レーザー780nm×3本
・分散溶媒:脱イオン水(屈折率1.33)
・複合粒子の屈折率:1.52
【0093】
本発明において、水に対する接触角は、複合粒子がより一層高い疎水性を有する点から、好ましくは95°以上160°以下、より好ましくは100°以上150°以下、より一層好ましくは105°以上145°以下、更に好ましくは110°以上140°以下である。
【0094】
本発明において、水に対する接触角の上限値は、160°、155°、150°、148°、146°、145°、144°、142°、140°及び138°の値をとり得る。本発明において、水に対する接触角の下限値は、95°、100°、105°、110°、112°、1114°、116°及び118°の値をとり得る。これらの上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
【0095】
本発明において、水に対する接触角は、接触角測定装置で測定した値を意味し、具体的には、複合粒子の表面に水滴を1滴垂らしてから180秒後の水に対する接触角を意味する。水に対する接触角のより詳細な測定方法については、後述する実施例において説明する。
【0096】
2.複合粒子の製造方法
本発明の複合粒子は、基材粒子の表面に紫外線遮蔽微粒子を付着させて一次粒子を得る第一付着工程と、第一付着工程で得られた一次粒子の表面に滑剤を付着させて複合粒子を得る第二付着工程と、を経ることによって製造することができる。このようにして製造された複合粒子の詳細は、特に言及がない限り、上記「1.複合粒子」に記載したとおりである。
【0097】
<第一付着工程>
第一付着工程は、基材粒子の表面に紫外線遮蔽微粒子を付着させて一次粒子を得る工程である。第一付着工程で得られる一次粒子は、通常、基材粒子と紫外線遮蔽微粒子とが複合化した粒子である。
【0098】
第一付着工程において使用する基材粒子及び紫外線遮蔽微粒子の詳細は、上記「1.複合粒子」に記載したとおりである。
【0099】
第一付着工程では、通常、粉体処理装置を用いて、基材粒子と紫外線遮蔽微粒子とを混合することにより、基材粒子の表面に紫外線遮蔽微粒子を付着させる。粉体処理装置における、回転数、回転時間、温度等を適宜に調節することにより、得られる一次粒子の大きさ、形状を調整することが可能である。
【0100】
粉体処理装置としては、例えば、自動乳鉢、ボールミル、マルチパーパスミキサー、FMミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、レディゲミキサー、V型ミキサー、ハンマーミル、ピンミル等が挙げられる。粉体処理装置としては、公知の市販品を広く用いることができる。市販品としては、例えば、日本コークス工業株式会社製の製品名「マルチパーパスミキサー MP型」、日本コークス工業株式会社製の製品名「FM-10」、日本コークス工業株式会社製の製品名「FM-20」等が挙げられる。
【0101】
粉体処理装置を使用する際の回転数は、通常300rpm以上20,000rpm以下であり、回転時間は、通常10分間以上60分間以下であり、温度は通常5℃以上100℃以下である。
【0102】
第一付着工程において、紫外線遮蔽微粒子の配合量は、基材粒子100質量部に対して、通常1質量部以上60質量部以下、好ましくは1.2質量部以上50質量部以下、より好ましくは1.5質量部以上45質量部以下、より一層好ましくは27.5質量部以上40質量部以下、更に好ましくは3質量部以上36質量部以下、特に好ましくは4質量部以上34質量部以下である。
【0103】
<第二付着工程>
第二付着工程は、第一付着工程で得られた一次粒子の表面に滑剤を付着させて複合粒子を得る工程である。第二付着工程で得られる本発明の複合粒子は、通常、上記一次粒子と滑剤とが複合化した粒子である。
【0104】
第二付着工程において使用する滑剤の詳細は、上記「1.複合粒子」に記載したとおりである。
【0105】
第二付着工程では、通常、粉体処理装置を用いて、第一付着工程で得られた一次粒子と滑剤とを混合することにより、該一次粒子の表面に滑剤を付着させる。粉体処理装置における、回転数、回転時間、温度等を適宜に調節することにより、得られる複合粒子の大きさ、形状を調整することが可能である。
【0106】
粉体処理装置としては、例えば、自動乳鉢、ボールミル、マルチパーパスミキサー、FMミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、レディゲミキサー、V型ミキサー、ハンマーミル、ピンミル等が挙げられる。粉体処理装置としては、公知の市販品を広く用いることができる。市販品としては、例えば、日本コークス工業株式会社製の製品名「マルチパーパスミキサー MP型」等が挙げられる。
【0107】
粉体処理装置を使用する際の回転数は、通常300rpm以上20,000rpm以下であり、回転時間は、通常10分間以上60分間以下であり、温度は通常5℃以上100℃以下である。
【0108】
第二付着工程において、滑剤の配合量は、一次粒子100質量部に対して、通常1質量部以上60質量部以下、好ましくは2.5質量部以上50質量部以下、より好ましくは5質量部以上45質量部以下、より一層好ましくは7.5質量部以上42質量部以下、更に好ましくは10質量部以上40質量部以下、特に好ましくは12.5質量部以上37質量部以下である。
【0109】
3.複合粒子の用途
本発明の複合粒子(以下、「本発明の粒子」とも表記する)は、外用医薬品、化粧料等の外用剤の添加剤;塗料用艶消し剤、粉体塗料等のコーティング材料の添加剤;自動車材料、建築材料等の樹脂組成物の添加剤;ブロッキング防止剤の添加剤;又は光拡散フィルムの添加剤等として好適に使用することができる。
【0110】
本発明の粒子は、外用医薬品、化粧料等の外用剤の添加剤としてより好適に使用することができる。本発明の粒子は、化粧料の添加剤として特に好適に使用することができる。
【0111】
<外用剤>
本発明の複合粒子を含む外用剤の態様について、以下に例示する。本態様において、外用剤は、本発明の複合粒子を含む。本発明の外用剤は、肌に塗布されることで、毛穴、シミ、シワ等を目立たなくすることができる。
【0112】
外用剤における本発明の複合粒子の含有割合は、外用剤の種類に応じて適宜設定できるが、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、より一層好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、より一層好ましくは40質量%以下である。
【0113】
本発明の複合粒子を含む外用剤は、例えば、外用医薬品、化粧料等として使用できる。外用医薬品としては、例えば、クリーム、軟膏、乳剤等が挙げられる。化粧料の剤型は、特に限定されるものではなく、水系、可溶化系、水中油系、油中水系、油系のいずれの剤型においても、適用することができる。化粧料としては、例えば、石鹸、ボディシャンプー、洗顔クリーム、スクラブ洗顔料、歯磨き等の洗浄用化粧品;おしろい類、フェイスパウダー(ルースパウダー、プレストパウダー等)、ファンデーション(パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、乳化型ファンデーション等)、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品(アイシャドー、アイライナー、マスカラ等)、マニキュア等のメイクアップ化粧料;プレシェーブローション、ボディローション等のローション剤;ボディパウダー、ベビーパウダー等のボディー用外用剤;化粧水、クリーム、乳液(化粧乳液)等のスキンケア剤;制汗剤(液状制汗剤、固形状制汗剤、クリーム状制汗剤等)、パック類、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化粧品、浴用剤、日焼け止め製品、サンタン製品、ひげ剃り用クリーム等が挙げられる。
【0114】
本態様において、上記化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、一般に用いられている主剤又は添加物を目的に応じて配合できる。そのような主剤又は添加物としては、例えば、水、低級アルコール(炭素数5以下のアルコール)、油脂、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、色材原料、香料、粘土鉱物類、防腐・殺菌剤、抗炎症剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機無機複合粒子、pH調整剤(トリエタノールアミン等)、特殊配合添加物、医薬品活性成分等が挙げられる。
【0115】
上記油脂としては、例えば、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ脂、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ひまし油、ブドウ油、マカダミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ローズヒップ油、硬化油、シリコーン油、オレンジラフィー油、ホホバ油等が挙げられる。
【0116】
上記炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。
【0117】
上記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸等の炭素数11以上の脂肪酸が挙げられる。
【0118】
上記高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等の炭素数6以上のアルコールが挙げられる。
【0119】
上記ステロールとしては、例えば、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトコレステロール等が挙げられる。
【0120】
上記脂肪酸エステルとしては、例えば、リノール酸エチル等のリノール酸エステル;ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン脂肪酸エステル;ラウリン酸ヘキシル等のラウリン酸エステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のミリスチン酸エステル;オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル等のオレイン酸エステル;ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル等のジメチルオクタン酸エステル;イソオクタン酸セチル(2-エチルヘキサン酸セチル)等のイソオクタン酸エステル;パルミチン酸デシル等のパルミチン酸エステル;トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル等の環状アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0121】
上記保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグリセリン、キシリット、マルチトール等が挙げられる。
【0122】
上記界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、高級アルコール硫酸エステル、N-アシルグルタミン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;アミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型、レシチン等の両性界面活性剤;脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酸化エチレン縮合物等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0123】
上記高分子化合物としては、例えば、アラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物;カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリ(メタ)アクリル酸エステル粒子(例えば、ポリメタクリル酸メチル粒子等)、ポリスチレン粒子、シリコーン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、シリカ粒子等の合成高分子化合物が挙げられる。
【0124】
上記色材原料としては、例えば、酸化鉄(赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄等)、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等の無機顔料、アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、キサンテン系、キノリン系、アントラキノリン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、フタロシアニン系、ピレン系等のタール色素が挙げられる。
【0125】
なお、上記した高分子化合物の粉体原料や色材原料などの粉体原料は、予め表面処理を行ったものも使用することができる。表面処理の方法としては、公知の表面処理技術が利用でき、例えば、炭化水素油、エステル油、ラノリン等による油剤処理、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等によるシリコーン処理、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテルおよびパーフルオロアルキル基を有する重合体等によるフッ素化合物処理、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等によるシランカップリング剤処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等によるチタンカップリング剤処理、アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、水添卵黄レシチン等によるレシチン処理、コラーゲン処理、ポリエチレン処理、保湿性処理、無機化合物処理、メカノケミカル処理等の処理方法が挙げられる。
【0126】
上記粘土鉱物類としては、例えば、体質顔料および吸着剤などの数種の機能を兼ね備えた成分、例えば、タルク、マイカ、セリサイト、チタンセリサイト(酸化チタンで被覆されたセリサイト)、白雲母、バンダービルト社製のVEEGUM(登録商標)等が挙げられる。
【0127】
上記香料としては、例えば、アニスアルデヒド、ベンジルアセテート、ゲラニオール等が挙げられる。
【0128】
上記防腐・殺菌剤としては、例えば、メチルパラペン、エチルパラペン、プロピルパラペン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0129】
上記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げられる。
【0130】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄、微粒子酸化ジルコニウム等の無機系吸収剤、安息香酸、パラアミノ安息香酸、アントラニリック酸、サルチル酸、桂皮酸、ベンゾフェノン、ジベンゾイルメタン等の有機系吸収剤が挙げられる。
【0131】
上記特殊配合添加物としては、例えば、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等のホルモン類、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルムニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛等の皮膚収斂材剤、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンE、エストロゲン、感光素等の発毛促進剤、リン酸-L-アスコルビン酸マグネシウム、コウジ酸等の美白剤等が挙げられる。
【0132】
<コーティング剤>
本発明の粒子を含むコーティング剤の態様について、以下に例示する。本態様において、コーティング剤は、本発明の粒子を含む。本態様において、コーティング剤における本発明の粒子の含有割合は、コーティング剤の種類に応じて適宜設定できるが、好ましくは1~90質量%、より好ましくは3~80質量%である。
【0133】
本態様において、コーティング材料は、必要に応じてバインダー樹脂、紫外線硬化樹脂、溶剤を含むことができる。バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0134】
上記紫外線硬化性樹脂としては、多官能(メタ)アクリレート樹脂が好ましく、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多価アルコール多官能(メタ)アクリレート樹脂がより好ましい。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多価アルコール多官能(メタ)アクリレート樹脂としては、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4-シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。これらの樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0135】
紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、紫外線硬化性樹脂に光重合開始剤を加えてバインダー樹脂とする。光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、α-ヒドロキシアルキルフェノン類、α-アミノアルキルフェノン、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001-139663号公報等に記載)、2,3-ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、オニウム塩類、ボレート塩、活性ハロゲン化合物、α-アシルオキシムエステル等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0136】
上記溶剤としては、例えば、油系塗料であれば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられ、水系塗料であれば、水、アルコール類等が挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0137】
本態様において、コーティング材料には、必要に応じて、公知の塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料、マイカ粉顔料、染料等が含まれていてもよい。
【0138】
本態様において、コーティング材料を使用した塗膜の形成方法としては、例えば、スプレー塗装法、ロール塗装法、ハケ塗り法等の公知の塗膜形成方法が挙げられる。コーティング材料は、必要に応じて粘度を調整するために、希釈剤で希釈してもよい。希釈剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等の水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これらの希釈剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0139】
また、基材等の任意の塗工面に塗工して塗工膜を作製し、この塗工膜を乾燥させた後、必要に応じて塗工膜を硬化させることによって、架塗膜を形成することができる。なお、コーティング材料を使用した塗膜は各種基材にコーティングして使用され、金属、木材、ガラス、プラスチックス等特に限定されない。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂等の透明基材にコーティングして用いることもできる。
【0140】
<樹脂組成物>
本発明の粒子を含む樹脂組成物の態様について、以下に例示する。本態様において、樹脂組成物は、基材樹脂及び本発明の粒子を含む。基材樹脂としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコ-ル酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブシレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリ(エチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート・テレフタレート)、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ(β-プロピオラクトン)、ポリアミド4、ポリ(3-ヒドロキシブチレ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシバリレ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシカプロレ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシヘプタノエ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート・3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート・3-ヒドロキシバリレート)、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、グルコサミン系樹脂等の生分解性樹脂;ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルサルファイド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA樹脂)、ポリエーテルケトン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの基材樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0141】
本態様において、樹脂組成物における本発明の粒子の含有割合は、基材樹脂と本発明の粒子との総質量を基準にして、好ましくは0.1~70質量%であり、より好ましくは0.5~50質量%であり、より一層好ましくは1~30質量%である。
【0142】
本態様において、樹脂組成物には、必要に応じて、公知の添加剤が含まれていても良い。添加剤としては、ガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維、難燃剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、体質顔料、着色顔料、金属顔料、染料などを挙げることができる。
【0143】
本態様において、樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、基材樹脂と本発明の粒子とを機械式粉砕混合方法等のような従来広く知られている方法で混合することにより製造できる。機械式粉砕混合方法では、例えば、ヘンシェルミキサー、V型粉体処理装置、ターブラミキサー、ハイブリダイザー、ロッキングミキサー等の装置を用いて、基材樹脂と本発明の粒子とを混合し撹拌することにより、樹脂組成物を製造できる。
【0144】
本態様において、樹脂組成物を使用した成形体の形成方法は、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用できる。例えば、基材樹脂と本発明の粒子とを粉体処理装置で混合し、押出機等の溶融混練機で混練することで樹脂組成物からなるペレットを得た後、このペレットを押出、射出、ブロー等で成形することにより、自動車材料、建築材料、包装材料等に適した任意の形状の成形体を得ることができる。
【0145】
<ブロッキング防止剤>
本発明の粒子を含むブロッキング防止剤の態様について、以下に例示する。本発明の粒子は、樹脂フィルムを巻き取ったときなどに、互いに接した樹脂フィルム表面同士が密着して剥がれなくなること(ブロッキング)を防止するために、樹脂フィルムの表面に凹凸を付与するブロッキング防止剤として使用できる。
【0146】
本態様において、ブロッキング防止剤は、本発明の粒子の他、必要に応じて、公知の酸化防止剤、流動性調整剤、光安定剤、着色顔料等が含まれていてもよい。
【0147】
本態様において、ブロッキング防止剤における本発明の粒子の含有割合は、好ましくは70~100質量%であり、より好ましくは80~100質量%であり、より一層好ましくは90~100質量%である。
【0148】
本態様において、ブロッキング防止剤を使用できる樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコ-ル酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブシレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリ(エチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンサクシネート・テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート・テレフタレート)、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ(β-プロピオラクトン)、ポリアミド4、ポリ(3-ヒドロキシブチレ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシバリレ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシカプロレ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシヘプタノエ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシオクタノエ-ト)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート・3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート・3-ヒドロキシバリレート)、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂、グルコサミン系樹脂等の生分解性樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、トリアセチルセルロース樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0149】
本態様において、樹脂フィルムにおける本発明の粒子の含有割合は、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.01~5質量%であり、より一層好ましくは0.01~3質量%であり、特に好ましくは0.01~1質量%である。
【0150】
<光拡散フィルム>
本発明の粒子を含む光拡散フィルムの態様について、以下に例示する。本態様において、光拡散フィルムは、本発明の粒子を含む。本態様において、光拡散フィルムにおける本発明の粒子の含有割合は、光拡散フィルムの種類に応じて適宜設定できるが、好ましくは1~90質量%、より好ましくは3~80質量%である。
【0151】
本態様において、光拡散フィルムは、例えば、本発明の粒子、バインダー樹脂、希釈剤などを公知の方法により混合して分散液を調製し、これを公知の方法により基材となるフィルム上に塗布・乾燥することにより製造することができる。
【0152】
本態様において、光拡散フィルムの製造に使用する基材としては、例えば、ガラス;ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等からなるプラスチックシート、プラスチックフィルム、プラスチックレンズ、プラスチックパネル等が挙げられる。
【0153】
本態様において、光拡散フィルムの製造に使用するバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0154】
本態様において、光拡散フィルムの製造に使用する希釈剤としては、希釈剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族化合物;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;天然水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等の水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール等が挙げられる。これらの希釈剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【実施例0155】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
【0156】
まず、実施例の項における測定方法及び評価方法について説明する。なお、測定方法及び評価方法において、各実施例、各比較例で得られた複合粒子又は粒子を、単に「測定対象の粒子」と称する。
【0157】
(表面形状の観察)
試料台に導電性テープを貼り付け、その上に、測定対象の粒子を搭載した。日本電子株式会社製「オートファインコータ JFC-1300」スパッタ装置を用いて、表面処理(40mA、180秒)を行った。次いで、株式会社日立ハイテク(旧社名「株式会社日立ハイテクノロジーズ」)製「SU1510」走査電子顕微鏡(SEM)の二次電子検出器を用いて、表面処理した測定対象の粒子の表面形状を撮影した。
【0158】
(粒度分布の測定方法)
40mgの測定対象の粒子を2mLの脱イオン水と0.8mLの洗剤(商品名「キュキュット」、花王株式会社製)とで分散させた分散液に、超音波洗浄機(商品名「超音波洗浄器 強力型 VS-150」、アズワン株式会社製)で1時間超音波を連続的に印可した。印可後の分散液をレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)に測定可能濃度になるまで添加し、測定装置内で30Wにて60秒間の超音波分散を行った。超音波分散後、測定時間10秒で体積基準の粒度分布を湿式法にて測定した。レーザー回折式粒度分布測定装置を使用した際の測定条件は以下のとおりである。なお、本段落の測定方法により得られた体積基準の粒度分布に基づき、測定対象の粒子の体積平均粒子径を測定した。
・測定範囲:0.01μm~10,000μm
・光源:半導体レーザー780nm×3本
・分散溶媒:脱イオン水(屈折率1.33)
・粒子の屈折率:1.52
【0159】
(紫外線遮蔽能の評価方法)
測定対象の粒子の紫外線遮蔽能は、測定対象の粒子の紫外光反射率を測定することによって評価した。具体的には、紫外光反射率の測定装置として紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製の製品名「UV-3600Plus」)を使用し、60mmΦ積分球を用いて、測定対象の粒子を粉末試料用ホルダーに充填して試料を得た。得られた試料の紫外光領域(波長200~400nm)の反射特性を紫外光反射率(%)として測定した。積分球内面は硫酸バリウムが塗装され、測定は硫酸バリウムの白板の反射率の値を100%としたときの測定対象の粒子の350nmにおける紫外光反射率(%)を測定した。この紫外光反射率の値が小さいほど、測定対象の粒子の紫外線遮蔽能が高いと評価した。
【0160】
(疎水性の評価方法)
測定対象の粒子の疎水性は、水に対する接触角の大きさによって評価した。具体的には、スライドガラス上に、両面テープ(商品名:ナイスタック、登録商標:NW-10S、ニチバン株式会社製)を貼り合わせ、該両面テープ上に測定対象の粒子0.5gをのせて、該両面テープの粘着面に軽く擦り付けた。その後、余分な粒子をブロワーで除去し、水に対する接触角測定用の試験サンプルとした。試験サンプルの水に対する接触角は、以下の測定条件に基づき、接触角測定装置(商品名「Drop Master face」、協和界面科学株式会社製)を用い、液滴法(静的接触角)及びJIS-R3257-1999に基づき測定した。より詳細には、測定対象の粒子の表面に、蒸留水をシリンジで1滴(1μL~5μL)垂らしてから180秒後の水に対する接触角を測定した。測定は各試験サンプルで3回ずつ行い、その平均値を測定対象の粒子の水に対する接触角(以下、「水に対する接触角」と表記)とした。水に対する接触角の値が大きいほど、測定対象の粒子が疎水性であると評価した。
<接触角測定装置の測定条件>
・室温 :23±1℃
・湿度 :50±5%
・使用した水 :蒸留水
【0161】
実施例及び比較例で使用した原料は以下のとおりである。
<基材粒子>
・リン酸架橋澱粉A(加工澱粉に相当):株式会社日澱化学製の製品名「PB-9000」、体積平均粒子径=14.19μm[精密粒度分布測定装置(製品名「コールターマルチサイザーIII」、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて上記<基材粒子の体積平均粒子径の測定方法>に記載の手順に従い測定]
・リン酸架橋澱粉B(加工澱粉に相当):製造方法については後述の(製造例1)を参照、体積平均粒子径=5.87μm[精密粒度分布測定装置(製品名「コールターマルチサイザーIII」、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて上記<基材粒子の体積平均粒子径の測定方法>に記載の手順に従い測定]
・ポリヒドロキシアルカノエート(ポリエステル系樹脂に相当):積水化成品工業株式会社製の製品名「EFA-20X」、体積平均粒子径=16.60μm[精密粒度分布測定装置(製品名「コールターマルチサイザーIII」、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて上記<基材粒子の体積平均粒子径の測定方法>に記載の手順に従い測定]]
・ガラスビーズ(無機フィラーのシリカに相当):ポッターズ・バロティーニ株式会社製の製品名「EGB210」、体積平均粒子径=13.35μm[精密粒度分布測定装置(製品名「コールターマルチサイザーIII」、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて上記<基材粒子の体積平均粒子径の測定方法>に記載の手順に従い測定]
・微結晶セルロース(セルロースに相当):株式会社伏見製薬所製の製品名「コンプレッセル」、体積平均粒子径=45.49μm[精密粒度分布測定装置(製品名「コールターマルチサイザーIII」、ベックマン・コールター株式会社製)を用いて上記<基材粒子の体積平均粒子径の測定方法>に記載の手順に従い測定]
<紫外線遮蔽微粒子>
・酸化チタン微粒子:テイカ株式会社製の製品名「JR-301」、平均粒子径=0.30μm[上記<紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径の測定方法>に記載の(1)乃至(3)の手順に従い測定]
・酸化亜鉛微粒子:堺化学工業株式会社製の製品名「XZ-1000FST」、平均粒子径=0.98μm[上記<紫外線遮蔽微粒子の平均粒子径の測定方法>に記載の(1)乃至(3)の手順に従い測定]
<金属石鹸>
・ステアリン酸マグネシウム:堺化学工業株式会社の製品名「SPX-100F」、平均粒子径=0.70μm[上記<金属石鹸の平均粒子径の測定方法>に記載の(1)乃至(3)の手順に従い従い測定]
【0162】
実施例及び比較例で使用した粉体処理装置は以下のとおりである。
・粉体処理装置A:日本コークス工業株式会社製の製品名「マルチパーパスミキサー MP型」
・粉体処理装置B:日本コークス工業株式会社製の製品名「FM-20」
・粉体処理装置C:日本コークス工業株式会社製の製品名「FM-10」
【0163】
(実施例1)
リン酸架橋澱粉A100gと酸化チタン微粒子20gとを粉体処理装置Aの槽内に投入し、粉体処理装置A内において、回転数10,000rpmで該装置Aのジャケット部分に50℃の温水を通水しながら30分間混合して、リン酸架橋澱粉の表面に酸化チタン微粒子が付着した一次粒子を得た。なお、30分間混合中の粉体の温度は、17.6℃から61.4℃の範囲内で変化していた。
【0164】
次いで、得られた一次粒子全量とステアリン酸マグネシウム12gとを粉体処理装置Aの槽内に投入し、粉体処理装置A内において、回転数10,000rpmで該装置Aのジャケット部分に50℃の温水を通水しながら15分間混合して、一次粒子の表面にステアリン酸マグネシウムが付着した複合粒子を得た。なお、15分間混合中の粉体の温度は、40.9℃から67.6℃の範囲内で変化していた。
【0165】
得られた複合粒子のSEM写真を図1に示す。
【0166】
得られた複合粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)により体積平均粒子径を測定したところ、14.9μmであった。
【0167】
(実施例2)
ポリヒドロキシアルカノエート100gと酸化チタン微粒子20gとを粉体処理装置Aの槽内に投入し、粉体処理装置A内において、回転数10,000rpmで該装置Aのジャケット部分に50℃の温水を通水しながら30分間混合して、ポリヒドロキシアルカノエートの表面に酸化チタン微粒子が付着した一次粒子を得た。なお、30分間混合中の粉体の温度は、19.8℃から83.5℃の範囲内で変化していた。
【0168】
次いで、得られた一次粒子全量とステアリン酸マグネシウム12gとを粉体処理装置Aの槽内に投入し、粉体処理装置A内において、回転数10,000rpmで該装置Aのジャケット部分に50℃の温水を通水しながら15分間混合して、一次粒子の表面にステアリン酸マグネシウムが付着した複合粒子を得た。なお、15分間混合中の粉体の温度は、24.8℃から69.7℃の範囲内で変化していた。
【0169】
得られた複合粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)により体積平均粒子径を測定したところ、19.8μmであった。
【0170】
(比較例1)
リン酸架橋澱粉A100gと酸化チタン微粒子20gとを粉体処理装置Aの槽内に投入し、粉体処理装置A内において、回転数10,000rpmで該装置Aのジャケット部分に50℃の温水を通水しながら30分間混合して、リン酸架橋澱粉Aの表面に酸化チタン微粒子が付着した粒子を得た。なお、比較例1ではステアリン酸マグネシウムを使用しなかった。なお、30分間混合中の粉体の温度は、17.6℃から61.4℃の範囲内で変化していた。
【0171】
得られた粒子のSEM写真を図2に示す。
【0172】
得られた粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)により体積平均粒子径を測定したところ、17.1μmであった。
【0173】
(実施例3)
リン酸架橋澱粉A2000gと酸化亜鉛微粒子400gとを粉体処理装置Bの槽内に投入し、粉体処理装置B内において、回転数2,663rpmで該装置Bのジャケット部分に50℃の温水を通水しながら30分間混合して、リン酸架橋澱粉の表面に酸化チタン微粒子が付着した一次粒子を得た。
【0174】
次いで、得られた一次粒子全量とステアリン酸マグネシウム240gとを粉体処理装置Bの槽内に投入し、粉体処理装置B内において、回転数2,663rpmで該装置Bのジャケット部分に50℃の温水を通水しながら60分間混合して、一次粒子の表面にステアリン酸マグネシウムが付着した複合粒子を得た。なお、60分間混合後の粉体の温度は、63.5℃であった。
【0175】
得られた複合粒子のSEM写真を図3に示す。
【0176】
得られた複合粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)により体積平均粒子径を測定したところ、13.8μmであった。
【0177】
(実施例4)
ガラスビーズ2000gと酸化チタン微粒子400gとを粉体処理装置Bの槽内に投入し、粉体処理装置B内において、回転数2,663rpmで該装置Bのジャケット部分に50℃の温水を通水しながら30分間混合して、ガラスビーズの表面に酸化チタン微粒子が付着した一次粒子を得た。
【0178】
次いで、得られた一次粒子全量とステアリン酸マグネシウム240gとを粉体処理装置Bの槽内に投入し、粉体処理装置B内において、回転数2,663rpmで該装置Bのジャケット部分に45から49℃の温水を通水しながら90分間混合して、一次粒子の表面にステアリン酸マグネシウムが付着した複合粒子を得た。なお、90分間混合後の粉体の温度は、87.0℃であった。
【0179】
得られた複合粒子のSEM写真を図4に示す。
【0180】
得られた複合粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)により体積平均粒子径を測定したところ、56.5μmであった。
【0181】
(実施例5)
セルロース900gと酸化チタン微粒子125gとを粉体処理装置Cの槽内に投入し、粉体処理装置C内において、回転数1,764rpmで該装置のジャケット部分にスチーム発生器を接続しながら30分間混合して、セルロースの表面に酸化チタン微粒子が付着した一次粒子を得た。なお、30分間混合中の粉体の温度は、70℃から81℃の範囲内で変化していた。
【0182】
次いで、得られた一次粒子全量とステアリン酸マグネシウム25gとを粉体処理装置Cの槽内に投入し、粉体処理装置C内において、回転数1,764rpmで該装置Cのジャケット部分にスチーム発生器を接続しながら30分間混合して、一次粒子の表面にステアリン酸マグネシウムが付着した粒子Aを得た。なお、30分間混合中の粉体の温度は、75℃から77℃の範囲内で変化していた。
【0183】
得られた粒子Aが含まれる粉体処理装置Cの槽内に、更にステアリン酸マグネシウム50gを投入し、回転数1,764rpmで該装置Cのジャケット部分にスチーム発生器を接続しながら30分間混合して、粒子Aの表面に更にステアリン酸マグネシウムが付着した複合粒子を得た。なお、30分間混合中の粉体の温度は、76℃から77℃であった。
【0184】
得られた複合粒子のSEM写真を図5に示す。
【0185】
得られた複合粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)により体積平均粒子径を測定したところ、46.1μmであった。
【0186】
(製造例1)リン酸架橋澱粉Bの製造
容器に、イオン交換水121質量部と、塩化ナトリウム(赤穂化成株式会社製「御塩」)35質量部と、水酸化ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製「水酸化ナトリウム」)1.2質量部とを入れ、室温で攪拌して溶解させ、水溶液を作製した。作製した水溶液に、米澱粉(上越スターチ株式会社製「ファインスノウ」)100質量部を投入し、攪拌翼を用いて回転数425rpmにて室温で攪拌して分散させ、米澱粉の分散液を作製した。作製した分散液に、リン酸化合物としてトリメタリン酸ナトリウム(米山化学工業株式会社製「トリメタリン酸ナトリウム」)5質量部と、アルカリ性プロテアーゼとしてオリエンターゼ22BF(エイチビィアイ株式会社製)0.54質量部とを入れ、室温で攪拌して溶解させた。次いで、攪拌機を用いて、40℃の温度に維持して18時間反応させた。18時間後、加工澱粉の分散液に塩酸(富士フイルム和光純薬株式会社製「20%塩酸」)を添加して中和し、中和した分散液を加圧ろ過装置(株式会社アドバンテック製の製品名「KST-293-16-UH」)に投入して加圧ろ過した。加圧ろ過後、イオン交換水で洗浄し、更に脱水することにより、粉体を得た。得られた粉体を真空定温乾燥機(ヤマト科学株式会社製の製品名「DP43」)を用いて、80℃で24時間乾燥して、リン酸架橋澱粉Bを得た。得られたリン酸架橋澱粉Bを実施例6において使用した。
【0187】
(実施例6)
リン酸架橋澱粉B950gと酸化チタン微粒子475gとを粉体処理装置Cの槽内に投入し、粉体処理装置C内において、回転数1,798rpmで10分間混合して、リン酸架橋澱粉の表面に酸化チタン微粒子が付着した一次粒子を得た。なお、10分間混合後の粉体の温度は、41℃であった。
【0188】
次いで、得られた一次粒子全量の入った該装置のジャケット部分にスチーム発生器を接続しながら、回転数1,798rpmで70分間混合し、槽内の粉体の温度は74℃まで上がった。そしてステアリン酸マグネシウム115gを粉体処理装置Cの槽内に投入し、粉体処理装置C内において、回転数1,798rpmで該装置Cのジャケット部分にスチーム発生器を接続しながら10分間混合して、一次粒子の表面にステアリン酸マグネシウムが付着した粒子Bを得た。なお、10分間混合中の粉体の温度は、72℃であった。
【0189】
得られた粒子Bが含まれる粉体処理装置Cの槽内に、更にステアリン酸マグネシウム170gを投入し、回転数1,798rpmで該装置Cのジャケット部分にスチーム発生器を接続しながら10分間混合して、粒子Bの表面に更にステアリン酸マグネシウムが付着した複合粒子を得た。なお、10分間混合中の粉体の温度は、68℃から79℃であった。
【0190】
得られた複合粒子のSEM写真を図6に示す。
【0191】
得られた複合粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)により体積平均粒子径を測定したところ、3.9μmであった。
【0192】
(比較例2)
リン酸架橋澱粉A2000gとステアリン酸マグネシウム240gとを粉体処理装置Bの槽内に投入し、粉体処理装置B内において、回転数2,663rpmで該装置のジャケット部分に45から49℃の温水を通水しながら30分間混合して、リン酸架橋澱粉Aの表面にステアリン酸マグネシウムが付着した粒子を得た。なお、比較例2では紫外線遮蔽微粒子を使用しなかった。なお、30分間混合後の粉体の温度は、57.0℃であった。
【0193】
得られた粒子のSEM写真を図7に示す。
【0194】
得られた粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「マイクロトラックMT3300EXII」)により体積平均粒子径を測定したところ、12.9μmであった。
【0195】
各実施例及び各比較例の結果を表1に示す。
【表1】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7