(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162163
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】抗CD30抗体薬物複合体療法の副作用を軽減する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 47/68 20170101AFI20231031BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20231031BHJP
A61K 31/4164 20060101ALI20231031BHJP
A61K 31/475 20060101ALI20231031BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20231031BHJP
A61K 38/05 20060101ALI20231031BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20231031BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20231031BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20231031BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20231031BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20231031BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231031BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231031BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20231031BHJP
C07K 14/535 20060101ALI20231031BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20231031BHJP
C07H 15/252 20060101ALN20231031BHJP
C07D 519/04 20060101ALN20231031BHJP
C07D 233/90 20060101ALN20231031BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20231031BHJP
C12P 21/08 20060101ALN20231031BHJP
【FI】
A61K47/68 ZNA
A61K47/42
A61K31/4164
A61K31/475
A61K31/704
A61K38/05
A61K38/22
A61K39/395 C
A61K39/395 E
A61K39/395 L
A61K39/395 T
A61P7/00
A61P25/00
A61P25/02
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07K16/28
C07K14/535
C07K16/46
C07H15/252
C07D519/04
C07D233/90 A
C12N15/13
C12P21/08
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023116434
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2020520535の分割
【原出願日】2018-10-11
(31)【優先権主張番号】62/639,308
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/580,267
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/570,901
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/764,805
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514076560
【氏名又は名称】シージェン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】マンレイ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフソン,ニール
【テーマコード(参考)】
4B064
4C057
4C072
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4C057BB02
4C057BB05
4C057CC04
4C057DD01
4C057JJ50
4C072QQ07
4C072UU01
4C076AA11
4C076AA12
4C076AA29
4C076AA95
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB16
4C076CC01
4C076CC14
4C076CC27
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF02
4C076FF04
4C076FF12
4C076FF13
4C076FF16
4C076FF43
4C076FF61
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA14
4C084BA23
4C084BA32
4C084BA44
4C084DA27
4C084DB52
4C084NA05
4C084NA06
4C084NA07
4C084NA13
4C084ZA011
4C084ZA012
4C084ZA201
4C084ZA202
4C084ZA211
4C084ZA212
4C084ZA221
4C084ZA222
4C084ZA511
4C084ZA512
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C084ZC752
4C085AA13
4C085AA21
4C085BB01
4C085BB11
4C085EE01
4C085EE03
4C085GG01
4C085GG02
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC38
4C086CB21
4C086EA10
4C086NA05
4C086NA06
4C086NA07
4C086NA13
4C086ZA01
4C086ZA20
4C086ZA21
4C086ZA22
4C086ZA51
4C086ZB26
4C086ZC75
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA40
4H045CA40
4H045DA11
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジンの化学療法治療計画と組み合わせて、抗CD30抗体薬物複合体療法を受けている対象における好中球減少症および末梢神経障害を軽減する方法を提供する。
【解決手段】1.2mg/kg以上の用量の抗CD30抗体薬物複合体療法による治療を開始した後にグレード2以上の末梢神経障害を示した対象を治療する方法であって、0.9mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体療法を実施することを含む、方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.2mg/kg以上の用量の抗CD30抗体薬物複合体療法による治療を開始した後にグレード2以上の末梢神経障害を示した対象を治療する方法であって、0.9mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体療法を実施することを含む、方法。
【請求項2】
前記対象がグレード3の神経障害を示す場合、末梢神経障害がグレード2以下に減少するまで前記抗CD30抗体薬物複合体療法の実施が保留され、その後0.9mg/kgの抗CD30抗体薬物複合体療法が実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象が、1.8mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体療法を開始した後にグレード2または3の末梢神経障害を示した、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象が、任意選択でドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法と組み合わせて、1.2mg/kgの用量の抗CD30抗体薬物複合体療法で開始した後に、グレード2または3の末梢神経障害を示した、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記グレード2またはグレード3の末梢神経障害がグレード1以下に改善した後、前記抗CD30抗体薬物複合体の用量が1.8mg/kgまたは1.2mg/kgに増加され、前記用量が1.2mg/kgに増加された場合、前記投与は任意選択で、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法と組み合わせて行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記抗CD30抗体薬物複合体が1.2mg/kgで投与され、併用療法としてドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法を前記対象に実施することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記併用療法が2週間ごとに実施される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記併用療法が、28日サイクルの1日目および15日目に実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記併用療法が6サイクル以下で実施される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記併用療法が4~6サイクルで実施される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
PETスキャンが腫瘍がないまたは腫瘍の進行がないと決定するまで前記療法が実施される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記治療が知覚異常、知覚鈍麻、多発神経障害、筋力低下、および脱髄性多発神経障害を軽減する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記神経障害が末梢運動神経障害または末梢感覚神経障害である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
末梢神経障害が現れた場合、前記抗CD30抗体薬物複合体の用量が1週間遅延され、前記神経障害が解消またはグレード1以下であると決定された場合に療法が継続される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
対象における血液がんを治療する方法であって、抗CD30抗体薬物複合体を含む療法を実施することと、顆粒球形成刺激因子を予防的に投与することと、を含み、前記顆粒球形成刺激因子が前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1から開始して投与される、方法。
【請求項16】
前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日~7日後に投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから2日~5日後に投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の1日~7日後に投与される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の2日~5日後に投与される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される、請求項15~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記顆粒球形成刺激因子が、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象に投与される、請求項15~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記対象が、抗CD30抗体薬物複合体の投与後に治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない、請求項15~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
抗CD30抗体薬物複合体を含む療法による治療を受けている対象における好中球減少症の発生率を低下させる方法であって、顆粒形成刺激因子を前記対象に投与することを含み、前記顆粒形成刺激因子が前記抗CD30抗体薬物複合体の投与の1サイクルで開始して投与される、方法。
【請求項25】
前記好中球減少症が発熱性好中球減少症であり、前記対象が60歳以上である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記顆粒球形成刺激因子が顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)である、請求項15~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記GCSFが長時間作用型GCSFまたは非長時間作用型GCSFである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記GCSFが長時間作用型GCSFであり、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日または2日後に投与される、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
前記G-CSFが、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記G-CSFが、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
前記GCSFが、非長時間作用型であり、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1、2、3、4、5、6または7日後に投与される、請求項26または27に記載の方法。
【請求項32】
前記抗CD30抗体薬物複合体が3週間ごとに投与される、請求項15~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記抗CD30抗体薬物複合体が2週間ごとに投与される、請求項15~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記抗CD30抗体薬物複合体が28日サイクルの1日目および15日目に投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗CD30抗体薬物複合体が6サイクル以下で投与される、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記抗CD30抗体薬物複合体が4~6サイクルで投与される、請求項15~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
併用療法として、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法を実施することをさらに含む、請求項15~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体が、
i)配列番号4に示される重鎖CDR1、配列番号6に示される重鎖CDR2、配列番号8に示される重鎖CDR3、ならびに
ii)配列番号12に示される軽鎖CDR1、配列番号14に示される軽鎖CDR2、および配列番号16に示される軽鎖CDR13、を含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体が、
i)配列番号2に示される重鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、および
ii)配列番号10に示される軽鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体がモノクローナル抗CD30抗体である、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体がキメラAC10抗体である、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記抗体薬物複合体がモノメチルオーリスタチンEおよびプロテアーゼ切断可能リンカーを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記プロテアーゼ切断可能リンカーが、チオール反応性スペーサーおよびジペプチドである、それらを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記プロテアーゼ切断可能リンカーが、チオール反応性マレイミドカプロイルスペーサー、バリン-シトルリンジペプチド、およびp-アミノ-ベンジルオキシカルボニルスペーサーからなる、請求項42または43に記載の方法。
【請求項45】
前記抗CD30抗体薬物複合体がブレンツキシマブベドチンである、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記抗CD30抗体薬物複合体がブレンツキシマブベドチンであり、1.2mg/kgで投与され、ドキソルビシンが25mg/m2で投与され、ビンブラスチンが6mg/m2で投与され、ダカルバジンが375mg/m2で投与される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記顆粒球形成刺激因子が5~10mcg/kg/日、または300~600mcg/日、または6mg/用量の用量範囲で投与される、請求項15~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記顆粒球形成刺激因子が、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象に投与される、請求項15~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記対象が、抗CD30抗体薬物複合体の投与後に治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない、請求項15~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記顆粒球形成刺激因子が静脈内または皮下で与えられる、請求項15~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記顆粒球形成刺激因子が単回投与または複数回投与で与えられる、請求項15~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記対象が、血液がんを患っている、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記血液がんが、古典的ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、および未分化大細胞リンパ腫(ALCL)からなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記血液がんが古典的ホジキンリンパ腫である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記血液がんがステージIIIまたはIVの古典的ホジキンリンパ腫である、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記対象の前記血液がんが治療されていない、請求項53~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
抗CD30抗体薬物複合体を含む療法を受けている対象における感染症の発生率を減少させる方法であって、感染症を減少させるのに有効な量の顆粒球形成刺激因子を前記対象に投与することを含み、前記顆粒球形成刺激因子が前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始して投与される、方法。
【請求項58】
前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の前記投与のサイクル1で開始してから1日~7日後に投与される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから2日~5日後に投与される、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の1日~7日後に投与される、請求項57~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の2日~5日後に投与される、請求項57~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される、請求項57~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される、請求項57~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記顆粒球形成刺激因子が、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象に投与される、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記対象が、抗CD30抗体薬物複合体の投与後、治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記顆粒球形成刺激因子が顆粒球コロニー刺激因子GCSFである、請求項57~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記GCSFが、長時間作用型GCSFまたは非長時間作用型GCSFである、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記GCSFが長時間作用型であり、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日または2日後に投与される、請求項66または67に記載の方法。
【請求項69】
前記G-CSFが、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記G-CSFが、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される、請求項68または69に記載の方法。
【請求項71】
前記GCSFが長時間作用型でなく、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1、2、3、4または最長7日後に投与される、請求項66または67に記載の方法。
【請求項72】
前記抗CD30抗体薬物複合体が3週間ごとに投与される、請求項57~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記抗CD30抗体薬物複合体が2週間ごとに投与される、請求項57~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記抗CD30抗体薬物複合体が、28日サイクルの1日目および15日目に投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記抗CD30抗体薬物複合体が6サイクル以下で投与される、請求項73または74に記載の方法。
【請求項76】
前記抗CD30抗体薬物複合体が4~6サイクルで投与される、請求項73~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
併用療法として、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法を実施することをさらに含む、請求項73~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体が、
i)配列番号4に示される重鎖CDR1、配列番号6に示される重鎖CDR2、配列番号8に示される重鎖CDR3、ならびに
ii)配列番号12に示される軽鎖CDR1、配列番号14に示される軽鎖CDR2、および配列番号16に示される軽鎖CDR13、を含む、請求項57~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体が、
i)配列番号2に示される重鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、および
ii)配列番号10に示される軽鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、を含む、請求項57~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体がモノクローナル抗CD30抗体である、請求項57~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体がキメラAC10抗体である、請求項57~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記抗体薬物複合体がモノメチルオーリスタチンEおよびプロテアーゼ切断可能リンカーを含む、請求項57~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記プロテアーゼ切断可能リンカーがチオール反応性スペーサーおよびジペプチドを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記プロテアーゼ切断可能リンカーが、チオール反応性マレイミドカプロイルスペーサー、バリン-シトルリンジペプチド、およびp-アミノ-ベンジルオキシカルボニルスペーサーからなる、請求項82または83に記載の方法。
【請求項85】
前記抗CD30抗体薬物複合体がブレンツキシマブベドチンである、請求項57~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記抗CD30抗体薬物複合体がブレンツキシマブベドチンであり、1.2mg/kgで投与され、ドキソルビシンが25mg/m2で投与され、ビンブラスチンが6mg/m2で投与され、ダカルバジンが375mg/m2で投与される、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記顆粒球形成刺激因子が5~10mcg/kg/日、または300~600mcg/日、または6mg/用量の用量範囲で投与される、請求項57~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記顆粒球形成刺激因子が静脈内または皮下で与えられる、請求項57~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記顆粒球形成刺激因子が単回投与または複数回投与で与えられる、請求項57~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記対象が、血液がんを患っている、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記血液がんが、古典的ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、および未分化大細胞リンパ腫(ALCL)からなる群から選択される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記血液がんが古典的ホジキンリンパ腫である、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記血液がんがステージIIIまたはIVの古典的ホジキンリンパ腫である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記対象の前記血液がんが治療されていない、請求項90~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記未分化大細胞リンパ腫(ALCL)が全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)である、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)が菌状息肉腫(MF)である、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
前記菌状息肉腫(MF)がCD30陽性菌状息肉腫(MF)である、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)が原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)である、請求項91に記載の方法。
【請求項99】
前記対象が以前に全身療法を受けたことがある、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記対象が、成人患者である、請求項1~99のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月11日に出願の米国仮特許出願第62/570,901号、2017年11月1日に出願の米国仮特許出願第62/580,267号、2018年3月6日に出願の米国仮特許出願第62/639,308号、および2018年8月16日に出願の米国仮特許出願第62/764,805号の優先権の利益を主張し、それらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、場合によりドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジンの化学療法治療計画と組み合わせて、抗CD30抗体薬物複合体療法を受けている対象における好中球減少症および末梢神経障害を軽減する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
進行期ホジキンリンパ腫の患者の転帰は、過去半世紀にわたって劇的に改善した。1地域差はあるが、最も一般的に使用される最前線治療計画であるABVD(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン)は、1975年の最初の説明以来変更されていない。
【0004】
ステージIII/IVのホジキンリンパ腫患者の最大30%が、最前線ABVD後に難治性疾患または再発を有する。2~4ブレオマイシンは、ABVDの4つの成分うちで活性が最も低いと考えられており、予測不可能な、時には致命的な肺毒性に関連しており、しばしば肺症状のために化学療法の後期サイクルから外される。5、6最近の研究では、18F-フルオロデオキシグルコースを用いた暫定陽電子放出断層撮影(PET)による反応適応療法が、治療への早期反応に応じて、治療強度を段階的に低下/強化する、より個別化された治療アプローチを提供できることが示唆されている。7、8有効性を改善し毒性を低減するために、確立された骨格に新薬を組み込む取り組みも行われている。9
【0005】
CD30は、古典的なホジキンリンパ腫のリードシュテルンベルク細胞に発現する特徴的な表面抗原である。10ブレンツキシマブベドチンは、プロテアーゼで切断可能なリンカーが微小管破壊剤であるモノメチルオーリスタチンEに結合した抗CD30モノクローナル抗体で構成される抗体薬物複合体である。ブレンツキシマブベドチンは、自家幹細胞移植(ASCT)が失敗した後、またはASCTの候補ではない患者における以前の少なくとも2つの多剤併用化学療法治療計画が失敗した後の古典的ホジキンリンパ腫患者の治療、および再発/進行のリスクが高いホジキンリンパ腫患者に対するASCT後の強化療法として承認されている。11、12また、少なくとも1つのマルチエージェント化学療法治療計画が失敗した後の、全身性未分化大細胞リンパ腫に対しても承認されている。
【0006】
以前の第1相、進行型ホジキンリンパ腫の用量漸増研究では、ABVDまたはAVD(ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)のいずれかと組み合わせた最前線のブレンツキシマブベドチンが評価された[Younes A、Connors JM、Park SIら、新たに診断されたホジキンリンパ腫の患者:第1相、非盲検、用量漸増試験。Lancet Oncol 2013;14:1348-56]。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、抗CD30抗体-薬物複合体を投与し、抗CD30抗体薬物複合体療法を受けている対象における有害事象を低減するための改善された方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体の量および/またはタイミングを調節すること
により、末梢神経障害などの副作用が軽減される。他の実施形態では、好中球減少症、発熱性好中球減少症または感染症を含む副作用は、抗CD30抗体薬物複合体と顆粒球形成刺激因子との同時投与によって軽減される。
【0008】
一態様では、本開示は、抗CD30薬物複合体、例えばブレンツキシマブベドチンを、それを必要とする対象に、例えば2週間ごとに投与される0.9mg/kgの用量で投与する方法を提供する。それを必要とする対象は、血液のがん、例えば、古典的ホジキンリンパ腫を有し得る。様々な実施形態では、本開示は、抗CD30抗体薬物複合体療法を1.2mg/kg以上の用量で開始した後にグレード2以上の末梢神経障害を示した対象を治療する方法を提供し、本方法は、0.9mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体を投与することを含む。様々な実施形態では、対象は、グレード2またはグレード3の末梢神経障害を示す。様々な実施形態では、対象がグレード3の神経障害を示す場合、末梢神経障害がグレード2以下に減少するまで抗CD30抗体薬物複合体の投与が保留され、その後0.9mg/kgの抗CD30抗体薬物複合体が投与される。
【0009】
様々な実施形態では、対象がグレード3の神経障害を示す場合、抗CD30抗体薬物複合体の投与は、末梢神経障害がグレード2以下に減少するまで、例えば0.9mg/kgに低下させ、その後0.9mg/kgの抗CD30抗体薬物複合体が投与または維持される。
【0010】
様々な実施形態では、対象は、3週間ごとに1.8mg/kgの用量でブレンツキシマブベドチン投与を開始した後、グレード2または3の末梢神経障害を示した。
【0011】
様々な実施形態では、対象は、任意選択で化学療法治療計画と組み合わせて、2週間ごとに1.2mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体療法を開始した後、グレード2または3の末梢神経障害を示した。治療計画は、がん治療の分野で既知の化学療法剤を含み得ることが企図される。例示的な化学療法剤は、発明を実施するための形態においてより詳細に開示されている。様々な実施形態では、本明細書の方法は、ドキソルビシン(A)、ビンブラスチン(V)、および/またはダカルバジン(D)療法から本質的になる化学療法を含む治療を含む。好ましくは、抗CD30抗体薬物複合体およびAVD療法は、2週間ごとに投与される。
【0012】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体の用量は、グレード2またはグレード3の末梢神経障害がグレード1以下に改善した後、0.9mg/kgから1.8mg/kgまたは1.2mg/kgに増加され、1.2mg/kgに増加されると、投与は任意選択で、ドキソルビシン、ビンブラスチン、および/またはダカルバジン療法から本質的になる化学療法と組み合わされる。好ましくは、抗CD30抗体薬物複合体およびAVD療法は、2週間ごとに投与される。
【0013】
様々な実施形態では、神経障害は、当技術分野で知られている標準的なアッセイを使用して定期的に測定される。
【0014】
様々な実施形態では、患者が腎障害または肝障害を経験した場合、抗CD30抗体薬物複合体の用量を減らすことができる。様々な実施形態では、対象が軽度の肝障害(チャイルド・ピューA)を経験する場合、用量を約0.9mg/kgに低下して、2週間ごとに投与され、最大90mg(患者の体重に応じて)2週間ごとに投与される。様々な実施形態では、対象が軽度(CrCLが50~80mL/分を超える)または中程度(CrCL
30~50mL/分)の腎障害を経験する場合、抗CD30抗体薬物複合体の用量は、2週間毎に1.2mg/kgから最大120mgまでに維持される。
【0015】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体がAVD併用療法と共に1.2mg/kgで投与される場合、併用療法は2週間ごとに実施される。様々な実施形態では、併用療法は、28日サイクルの1日目および15日目に実施される。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体+AVD併用療法は、6サイクル以下で実施される。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体+AVD併用療法は、4~6サイクルで実施される。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体+AVD療法は、4、5、または6サイクルで実施される。
【0016】
様々な実施形態では、療法は、PETスキャンが腫瘍または腫瘍の進行がないと決定するまで実施される。
【0017】
様々な実施形態では、神経障害は、末梢運動神経障害または末梢感覚神経障害である。様々な実施形態では、治療は、知覚異常、知覚低下、多発神経障害、筋力低下、および脱髄性多発神経障害からなる群から選択される末梢神経障害の1つ以上の症状を軽減する。
【0018】
様々な実施形態では、末梢神経障害が出現した場合、抗CD30抗体薬物複合体の用量は1週間または2週間遅延され、神経障害が解消またはグレード2以下、またはグレード1以下であると決定された場合に療法が継続される。
【0019】
第2の態様では、本開示は、例えば一次予防として、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1、または抗CD30抗体薬物複合体療法の最初の実施で始まる、抗CD30抗体薬物複合体と顆粒形成刺激因子とを同時投与することを含む、対象における血液がんを治療する方法を提供する。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、例えば、最前線療法として、任意の標準的または修正された化学療法治療計画と組み合わせて使用することもできる。例えば、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始する、例えば一次予防としての治療は、顆粒球形成刺激因子が抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日以内~7日以内に投与されることを含む。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始した後、1日または2日以内~5日以内に投与される。いくつかの実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗体薬物複合体治療と同じ日に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与または用量の約24時間~約36時間後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与または用量の24時間~36時間後に投与される。
【0020】
この第2の態様の様々な実施形態では、本方法は、抗CD30抗体薬物複合体を投与されている対象における好中球減少症または発熱性好中球減少症の発生率を低下させるためのものである。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象、または対象が治療下で発現した好中球減少症を経験する前の対象に投与される。様々な実施形態では、対象は、抗CD30抗体薬物複合体投与後の治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない。様々な実施形態では、対象は、発熱性好中球減少症であり、60歳以上である。
【0021】
この第2の態様の様々な実施形態では、本方法は、抗CD30抗体薬物複合体を投与されている対象における感染の発生率を減少させるため、または他の有害事象の発生率を減少させるためのものである。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象に、または対象が治療下で発現した好中球減少症を経験する前の対象に投与される。様々な実施形態では、対象は、抗CD30抗体薬物複合体投与後の治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない。
【0022】
様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の、1日~7日後、または1日~5日後、または2日~5日後に投与される。いくつかの実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、2回目またはその後の抗体薬物複合体治療と同じ日に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後、または抗CD30抗体薬物複合体の各用量の約24時間~約36時間後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の、すなわち、各用量の、24時間~36時間後に投与される。
【0023】
様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象、または対象が治療下で発現した好中球減少症を経験する前の対象に投与される。様々な実施形態では、対象は、抗CD30抗体薬物複合体投与後の治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない。
【0024】
様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)である。様々な実施形態では、GCSFは長時間作用型GCSFであるか、または長時間作用型GCSFではない。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF)である。様々な実施形態では、GCSFは長時間作用型であり、抗CD30抗体薬物複合体投与の1、2または3日後に単回投与で投与される。様々な実施形態では、G-CSFは、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される。様々な実施形態では、G-CSFは、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される。様々な実施形態では、刺激因子はGMCSFであるか、またはGCSFは長時間作用型ではなく、抗CD30抗体薬物複合体投与の1、2、3、4、5、6または7日後に開始し、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12日またはそれ以上の期間、複数回投与(例えば1日数回投与)される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子はペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチムである。
【0025】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は3週間ごとに投与される。
【0026】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、2週間ごとに投与される。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、28日サイクルの1日目および15日目に投与される。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、6サイクル以下投与される。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、4~6サイクル投与される。様々な実施形態では、本方法は、抗CD30抗体薬物複合体療法と同じ日に、併用療法、好ましくはA+AVD療法として、ドキソルビシン、ビンブラスチン、および/またはダカルバジンから本質的になる化学療法を実施することをさらに含む。
【0027】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体は、i)配列番号4に示される重鎖CDR1、配列番号6に示される重鎖CDR2、配列番号8に示される重鎖CDR3、ならびにii)配列番号12に示される軽鎖CDR1、配列番号14に示される軽鎖CDR2、および配列番号16に示される軽鎖CDR13、を含む。
【0028】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体はまた、i)配列番号2に示される重鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、およびii)配列番号10に示される軽鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、を含む。アミノ酸可変領域配列は、配列番号2または配列番号10のいずれかと90%、95%、96%、97%、98%または99%同一であり得ることが企図される。
【0029】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体は、モノクローナル
抗CD30抗体である。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体は、キメラAC10抗体である。
【0030】
様々な実施形態では、抗体薬物複合体は、モノメチルオーリスタチンEおよびプロテアーゼ切断可能リンカーを含む。様々な実施形態では、プロテアーゼ切断可能リンカーは、チオール反応性スペーサーおよびジペプチドである、それらを含む。様々な実施形態では、プロテアーゼ切断可能リンカーは、チオール反応性マレイミドカプロイルスペーサー、バリン-シトルリンジペプチド、およびp-アミノ-ベンジルオキシカルボニルスペーサーからなる。
【0031】
様々な実施形態では、抗体は、IgG抗体、好ましくはIgG1抗体である。
【0032】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、ブレンツキシマブベドチンである。
【0033】
様々な実施形態では、対象はまた、併用療法として、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法を受けている。
【0034】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体はブレンツキシマブベドチンであり、1.2mg/kgで投与され、ドキソルビシンは25mg/m2で投与され、ビンブラスチンは6mg/m2で投与され、ダカルバジンは375mg/m2で投与される。
【0035】
様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子、例えば、G-CSFは、5~10mcg/kg/日、または300~600mcg/日の用量範囲で投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、6mg/用量の用量で投与される。様々な実施形態では、G-CSFは、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与され、対象はまた、AVD療法を受けている。
【0036】
様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、静脈内または皮下で与えられる。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、単回投与または複数回投与で与えられ、例えば、長時間作用型GCSFは、同じ日に単回投与または複数回投与で投与されてもよく、非長時間型GCSFは、複数日にわたって複数回与えられてもよい。
【0037】
本明細書に開示される態様のいずれかにおいて、対象は血液がんを患っている。様々な実施形態では、血液がんは、古典的ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、および未分化大細胞リンパ腫(ALCL)からなる群から選択される。
【0038】
様々な実施形態では、血液がんは、古典的なホジキンリンパ腫である。様々な実施形態では、血液がんは、ステージIIIまたはIVの古典的ホジキンリンパ腫である。様々な実施形態では、対象の血液がんは治療されていない。
【0039】
様々な実施形態では、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)は、全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)である。
【0040】
様々な実施形態では、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は菌状息肉腫(MF)である。様々な実施形態では、菌状息肉腫(MF)は、CD30陽性菌状息肉腫(MF)である。
【0041】
様々な実施形態では、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)である。
【0042】
様々な実施形態では、対象は以前に全身療法を受けたことがある。
【0043】
第3の態様では、本開示は、進行性古典的ホジキンリンパ腫を有する対象を治療する方法を提供し、本方法は、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジンからなるAVD療法と組み合わせてブレトキシマブベドチンを含む有効量の組成物を最前線治療として投与することを含み、ブレンツキシマブベドチンは2週間ごとに1.2mg/kgで投与され、ドキソルビシンは2週間ごとに25mg/m2で投与され、ビンブラスチンは2週間ごとに6mg/m2で投与され、ダカルバジンは2週間ごとに375mg/m2で投与され、好ましくは28日サイクルの1日目および15日目、最大6サイクルまで投与され、かつブレンツキシマブベドチンは、AVD療法の投与の約1時間後以内に投与され、任意選択で、対象は以下のうちの1つ以上によって特徴付けられる。(1)ステージ4ホジキンリンパ腫、(2)tに少なくとも1つの節外部位、例えば少なくとも1、2または3つの節外部位が関与するHLがある、(3)60歳未満または65歳未満、(4)国際予後スコア4~7[4、5、6、7]、または(5)療法前の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスが2以下。本明細書の方法はさらに、療法後の対象の無増悪生存期間(PFS)が1年を超えて維持されることを提供する。様々な実施形態では、療法後の対象の無増悪生存期間(PFS)は、約2年間維持される。特定の実施形態では、A+AVD療法の4~6サイクル後、対象は3以下、または2以下のドーヴィルスコアを有する。
【0044】
別の態様では、本開示は、1.2mg/kg以上の用量で抗CD30抗体薬物複合体療法を開始した後にグレード2以上の末梢神経障害を示した対象の治療に使用するための抗CD30抗体薬物複合体を提供し、前記患者は、0.9mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体を投与される。
【0045】
さらなる態様では、対象の血液がんの治療に使用するための抗CD30抗体薬物複合体が本明細書で企図され、抗CD30抗体薬物複合体を投与することと、顆粒球形成刺激因子を予防的に投与することとを含み、刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日~7日後に投与される。
【0046】
関連する態様では、抗CD30抗体薬物複合体による治療を受けている対象における好中球減少症、感染または他の有害事象の発生率を低下させるのに使用するための抗CD30抗体薬物複合体も意図され、対象に顆粒球形成刺激因子を予防的に投与することを含み、刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日~7日後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に、任意選択で本明細書に記載される化学療法治療計画と組み合わせて抗CD30抗体薬物複合体を投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、長時間作用型G-CSFである。様々な実施形態では、G-CSFは、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される。
【0047】
本明細書では、治療方法を伴う上記の開示のすべての態様が、上記の適応症のいずれかで使用するための抗CD30抗体薬物複合体に適用可能であることが具体的に提供される。
【0048】
本明細書に記載される各特徴もしくは実施形態、または組み合わせは、本発明の態様のいずれかの非限定的で例示的な例であり、そのため、本明細書に記載される任意の他の特徴もしくは実施形態、または組み合わせと組み合わせ可能であることが意図されると理解される。例えば、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「特定の実施形態」、「さらなる実施形態」、「特定の例示的な実施形態」、および/または「別の実施形態」など
の表現で特徴が記載される場合、これらの実施形態の種類のそれぞれは、考えられる組み合わせすべてを列挙せずに、本明細書に記載される任意の他の特徴または特徴の組み合わせと組み合わされることが意図されている特徴の非限定的な例である。かかる特徴または特徴の組み合わせは、本発明の態様のいずれにも提供される。範囲内にある値の例が開示される場合、これらの例はいずれも、範囲の考えられる終点として企図され、かかる終点の間のあらゆる数値が企図され、上限および下限の終点のあらゆる組み合わせが想定される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】治療企図解析対象集団における修正無増悪生存期間。
図1Aは、中央判定委員会評価に基づく治療群ごとの修正無増悪生存期間のカプラン・マイヤー推定値を示す。
【
図1B】
図1Bは、研究者による治療群ごとの修正無増悪生存期間のカプラン・マイヤー推定値を示す。
【
図1C】
図1Cは、事前に指定された主要なサブグループの中央判定委員会評価に基づく修正無増悪生存期間のフォレストプロット分析を示す。治療企図解析対象集団には、無作為化を受けたすべての患者が含まれていた。
【
図2】(表1).ベースラインの患者集団統計および臨床的特徴(治療企図解析対象集団)。
【
図3】(表2).中央判定委員会評価に基づく修正無増悪生存期間で記録された事象の後続療法および治療終了時のドーヴィルスコアの概要、ならびに治験実施者が記録した事象との相関(治療企図解析対象集団)。
【
図4】(表3).治療企図解析対象集団における反応の要約。
【
図5-1】(表4).安全性データ解析対象集団における有害事象の要約。
【
図5-2】(表4).安全性データ解析対象集団における有害事象の要約。
【
図6】治療企図解析対象集団における全生存のカプラン・マイヤー分析。
【
図7】ブレンツキシマブベドチンの用量調整の詳細。
【
図8】最前線療法完了時に完全奏効が得られなかった患者に対する最初のその後の化学療法の要約。
【
図9】最前線療法(安全性データ解析対象集団)中に代替化学療法に切り替える理由の要約。
【
図10】個々の治療計画コンポーネントへの曝露およびその用量調整。
【
図11】末梢神経障害(SMQ)の概要(安全性データ解析対象集団)。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、抗CD30抗体薬物複合体によるがんの治療に関連する有害事象を改善するための方法を提供する。本明細書に記載される治療計画は、治療を受けた患者の末梢神経障害を軽減し、好中球減少症、および/または発熱性好中球減少症、および/または療法に関連する感染症を改善するのに効果的である。
【0051】
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。以下の参考文献は、本発明で使用される多くの用語の一般的な定義を当業者に提供する。DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY(Singletonら、第2版、1994)、CAMBRIDGE DICTIONARY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY(Walker編、1988)、THE GLOSSARY OF GENETICS、第5版、R.Riegerら編、Springer Verlag(1991)、ならびにHaleおよびMarham、THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF
BIOLOGY(1991)。
【0052】
本明細書に引用される各刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、本開示と矛盾しない範囲で、その全体が参照により組み込まれる。
【0053】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、および「the」は、文脈が別段に明確に示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「誘導体」への言及は、複数のそのような誘導体を含み、「対象」への言及は、1つまたは複数の対象への言及などを含む。
【0054】
様々な実施形態の説明が「備える」という用語を使用する場合、当業者は、いくつかの特定の例では、実施形態が「から本質的になる」または「からなる」という表現を使用して代替的に説明できることをさらに理解する。
【0055】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の方法および材料を、開示された方法および組成物の実施において使用することができるが、例示的な方法、デバイスおよび材料を本明細書に記載する。
【0056】
本明細書で使用される「治療有効量」は、健康に対して意図された有益な効果を生み出すのに有効な薬剤の量を指す。
【0057】
本明細書で使用する「抗体+AVD療法」または「A+AVD療法」は、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジンから本質的になる化学療法(AVD療法)と組み合わせた、本明細書に記載の抗CD30抗体薬物複合体による対象の治療を指す。
【0058】
本明細書で使用される「リンパ腫」は、リンパ系起源の過剰増殖細胞から通常発生する血液学的悪性腫瘍である。リンパ腫は、ホジキンリンパ腫(HL)と非ホジキンリンパ腫(NHL)の2つの主要なタイプに分類されることがある。リンパ腫はまた、表現型マーカー、分子マーカー、または細胞形成マーカーに従って、がん細胞に最も類似する正常な細胞型に従って分類することもできる。その分類に基づくリンパ腫のサブタイプには、成熟B細胞新生物、成熟T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞新生物、ホジキンリンパ腫、および免疫不全関連リンパ増殖性疾患が含まれるが、これらに限定されない。リンパ腫のサブタイプには、前駆T細胞リンパ芽球性リンパ腫(T細胞リンパ芽球が骨髄内で産生されるため、リンパ芽球性白血病と呼ばれることもある)、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、B細胞慢性リンパ球性リンパ腫(末梢血の関与により白血病と呼ばれることもある)、MALTリンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫およびそのより侵攻性の変異型セザリー病、他に特定されていない末梢T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫の結節性硬化症、および混合細胞型サブタイプホジキンリンパ腫が含まれる。
【0059】
「白血病」という用語は、本明細書で使用される場合、通常、骨髄由来の過剰増殖細胞から発生する血液悪性腫瘍であり、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)および急性単球性白血病(AMoL)が含まれるが、これらに限定されない。他の白血病には、有毛細胞白血病(HCL)、T細胞リンパ性白血病(T-PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、および成人T細胞白血病が含まれる。
【0060】
本明細書で使用される「予防的」または「一次予防」は、対象における好中球減少症また
は好中球減少症の症状の発症前の、コロニー刺激因子または顆粒球形成刺激因子などの薬剤の投与を指す。予防は、抗CD30複合体療法の投与のサイクル1の開始時の顆粒球形成刺激因子の投与、または任意選択でドキソルビシン、ビンブラスチン、および/またはダカルバジンから本質的になる化学療法と組み合わせた抗CD30抗体薬物複合体療法の最初の投与を含むと企図される(AVD療法)。「抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で始まる」および「抗CD30抗体薬物複合体の最初の投与」という用語は、顆粒球形成刺激因子による治療に関して本明細書では互換的に使用される。
【0061】
本明細書で使用される「顆粒球形成刺激因子」は、好中球および他の顆粒球の産生を誘導することができるサイトカインまたは他の成長因子などの薬剤を指す。例示的な顆粒球形成刺激因子には、限定されないが、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)およびその誘導体、例えばフィルグラスチムおよび長時間作用型GCSF PEG-フィルグラスチム、または顆粒球単球コロニー刺激因子(GMCSF)が含まれる。
【0062】
本明細書で使用される「好中球減少症」は、血中の異常に低い好中球濃度を指す。「対象における好中球減少症の発生率の低減」とは、治療を受ける対象における好中球減少症の発生数の減少および/または対象における好中球減少性の発生の重症度の低減を指す。「好中球減少症の予防」とは、例えば、顆粒球形成刺激因子による予防的治療の結果としての好中球減少症の発症の予防または阻害を指す。成人の絶対好中球数(ANC)の正常な参照範囲は、血液1マイクロリットル(μl)あたり1500~8000細胞である。好中球減少症は次のように分類できる。軽度の好中球減少症(1000≦ANC<1500)、中程度の好中球減少症(500≦ANC<1000)、重度の好中球減少症(ANC<500)。Hsiehら、Ann.Intern.Med.146、486-92、2007。
【0063】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症のない、妥当な利益/リスク比に見合った、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適したこれらの化合物、材料、組成物および/または剤形を指す。「薬学的に適合性のある成分」という用語は、抗体-薬物複合体と共に投与される薬学的に許容される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。
【0064】
「特異的結合」および「特異的に結合する」という用語は、抗CD30抗体が非常に選択的に、対応する標的であるCD30と反応し、他の多数の抗原とは反応しないことを意味する。
【0065】
「モノクローナル抗体」という用語は、真核生物または原核生物の細胞クローン、またはファージクローンを含む単一の細胞クローンに由来する抗体を指し、それが産生される方法ではない。したがって、本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、ハイブリドーマ技術によって作製された抗体に限定されない。
【0066】
「同一」または「同一性パーセント」という用語は、2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈において、最大の一致のために比較および整列された場合、同一であるか、または同一であるヌクレオチドまたはアミノ酸残基の特定のパーセンテージを有する2つ以上の配列またはサブ配列を指す。同一性パーセントを決定するために、配列は最適な比較目的のために整列される(例えば、ギャップは、第2のアミノ酸または核酸配列との最適な整列のために第1のアミノ酸または核酸配列の配列に導入され得る)。次に、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。最初の配列の位置が2番目の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められている場合、分子はその位置で同一である。2つの配列間の同一性パーセン
トは、配列によって共有される同一位置の数の関数である(すなわち、同一性%=同一位置の数/位置の総数(例えば、重複位置)×100)。特定の実施形態では、2つの配列は同じ長さである。
【0067】
「実質的に同一」という用語は、2つの核酸またはポリペプチドに関して、少なくとも70%または少なくとも75%の同一性、より典型的には、少なくとも80%または少なくとも85%の同一性、さらにより典型的には、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の同一性(例えば、以下に述べる方法の1つを使用して決定される)を有する2つ以上の配列または部分配列を指す。
【0068】
2つのシーケンス間の同一性パーセントの決定は、数学アルゴリズムを使用して実行できる。2つのシーケンスの比較に使用される数学的アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、KarlinおよびAltschul、1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-2268のアルゴリズムであり、KarlinおよびAltschul 1993、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5877のように修正されている。そのようなアルゴリズムは、Altschulら、1990、J.Mol.Biol.215:403-410のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12で実行して、目的のタンパク質をコードする核酸に相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長= 3で実行して、目的のタンパク質に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的でギャップのあるアラインメントを得るには、Altschul ら、1997、Nucleic Acids Res.25:3389-3402に記載されているように、ギャップのあるBLASTを利用できる。あるいは、PSI-Blastを使用して、分子間の遠い関係を検出する反復検索を実行することができる(Id)。配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの別の好ましい非限定的な例は、MyersおよびMiller、CABIOS(1989)のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、GCGシーケンスアライメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。配列分析のための追加のアルゴリズムは、当技術分野で知られており、TorellisおよびRobotti、1994、Comput.Appl.Biosci.10:3-5;FASTAは、PearsonおよびLipman、1988、Proc.Natl.Acad.Sci.85:2444-8に記載されている。あるいは、タンパク質配列のアラインメントは、Higginsら、1996、Methods Enzymol.266:383-402に記載されているように、CLUSTAL Wアルゴリズムを使用して実行できる。
【0069】
略語「MMAE」は、モノメチルオーリスタチンEを指す。
【0070】
略語「vc」および「val-cit」は、ジペプチドのバリン-シトルリンを指す。
【0071】
略語「PAB」は、自己犠牲スペーサーを指す。
【化1】
【0072】
略語「MC」は、ストレッチャーのマレイミドカプロイルを指す。
【化2】
【0073】
cAC10-MC-vc-PAB-MMAEは、MC-vc-PABリンカーを介して薬物MMAEに結合したキメラAC10抗体を指す。
【0074】
抗CD30 MC-vc-PAB-MMAE抗体-薬物複合体は、米国特許第9,211,319号の式(I)に示すように、ジペプチドバリンシトルリンおよび自己犠牲スペーサーPABを含むリンカーを介して薬物MMAEに結合した抗CD30抗体を指す。
【0075】
抗体
当該技術分野で既知のマウス抗CD30 mAbは、ホジキン病(HD)細胞株または精製されたCD30抗原を有するマウスの免疫化によって生成されてきた。最初はC10(Bowenら、1993,J.Immunol.、151:5896 5906)と呼ばれたAC10は、ヒトNK様細胞株YTに対して調製されたこの抗CD30 mAbという点で異なる(Bowenら、1993、J.Immunol.151:5896 5906)。最初に、このmAbのシグナル伝達活性は、CD28およびCD45分子の細胞表面発現のダウンレギュレーション、細胞表面CD25発現のアップレギュレーション、およびC10がYT細胞に結合した後の同型接着の誘導によって証明された。AC10抗体の配列は、配列番号1~16および以下の表Aに示されている。キメラAC10抗体を開示する、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,090,843号も参照されたい。
【0076】
一般に、本開示の抗体は、CD30に免疫特異的に結合し、ホジキン病の悪性細胞に対して細胞増殖抑制効果および細胞毒性効果を発揮する。本開示の抗体は、好ましくはモノクローナルであり、多重特異性、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)断片、Fab発現ライブラリーにより生成された断片、および上記のいずれかのCD30結合断片であり得る。本明細書で使用される「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、CD30に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を指す。本開示の免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子の任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであり得る。
【0077】
本開示の特定の実施形態では、抗体は、本開示のヒト抗原結合抗体断片であり、限定されないが、Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、単鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、およびVLまたはVHドメインのいずれかを含む断片が含まれる。一本鎖抗体を含む抗原結合抗体断片は、可変領域を単独で、または以下の、ヒンジ領域、CH1、CH2、CH3およびCLドメイン、の全体または一部と組み合わせて含むことができる。また、可変領域とヒンジ領域、CH1、CH2、CH3、およびCLドメイン、との任意の組み合わせを含む抗原結合断片も本開示に含まれる。好ましくは、抗体は、ヒト、マウス(例えば、マウスおよびラット)、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマ、またはニワトリである。本明細書で使用される場合、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、以下に、および例えばKucherlapatiらによる米国特許第5,939,598号に
記載されるように、ヒト免疫グロブリンライブラリー、ヒトB細胞、または1つ以上のヒト免疫グロブリンについてトランスジェニックな動物から単離された抗体を含む。
【0078】
本開示の抗体は、単一特異性、二重特異性、三重特異性、またはより高い多重特異性であり得る。多重特異性抗体は、CD30の異なるエピトープに特異的であり得るか、またはCD30と異種タンパク質の両方に特異的であり得る。例えば、PCT公開第WO93/17715号、同第WO92/08802号、同第WO91/00360号、同第WO92/05793号、Tuttら、1991、J.Immunol.147:60 69、米国特許第4,474,893号、同第4,714,681号、同第4,925,648号、同第5,573,920号、同第5,601,819号、Kostelny ら、1992、J.Immunol.148:1547 1553を参照されたい。
【0079】
本開示の抗体は、それらが含む特定のCDRに関して説明または特定され得る。特定の実施形態では、本開示の抗体は、AC10の1つ以上のCDRを含む。本開示は、重鎖または軽鎖可変ドメインを含む抗体またはその誘導体を包含し、前記可変ドメインは、(a)および(b)を含む:(a)3つのCDRのセットであり、それらがモノクローナル抗体AC10由来である、CDRのセット、および(b)4つのフレームワーク領域のセットであり、それらがモノクローナル抗体AC 10のフレームワーク領域のセットとは異なり、前記抗体またはその誘導体がCD30に免疫特異的に結合するフレームワーク領域を含む。
【0080】
特定の実施形態では、本開示は、重鎖可変ドメインを含む抗体またはその誘導体を包含し、前記可変ドメインは、(a)および(b)を含む:(a)3つのCDRのセットであり、それらが配列番号4、6、または8を含む、CDRのセット、および(b)4つのフレームワーク領域のセットであり、それらがモノクローナル抗体AC10のフレームワーク領域のセットとは異なり、前記抗体またはその誘導体がCD30に免疫特異的に結合するフレームワーク領域を含む。
【0081】
様々な実施形態では、本発明は、軽鎖可変ドメインを含む抗体またはその誘導体を包含し、前記可変ドメインは、(a)3つのCDRのセットであって、それらが、配列番号12、14または16を含む、3つのCDRのセット、および(b)4つのフレームワーク領域のセットであって、それらがモノクローナル抗体AC10のフレームワーク領域のセットとは異なり、前記抗体またはその誘導体がCD30に免疫特異的に結合する、4つのフレームワーク領域を含む。
【0082】
さらに、本開示の抗体はまた、それらの一次構造に関して記載または特定され得る。AC10の可変領域と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、および最も好ましくは98%の同一性(当技術分野で既知で本明細書に記載される方法を使用して計算される)を有する抗体も本発明に含まれ、好ましくはAC10のCDRを含む。本発明の抗体はまた、CD30に対するそれらの結合親和性に関して記載または特定され得る。好ましい結合親和性は、解離定数またはKdが5×102M未満、10-2M未満、5×10-3M未満、10-3M未満、5×10-4M未満、10-4M未満、5×10-5M未満、10-5M未満、5×10-6M未満、10-6M未満、5×10-7M未満、10-7M未満、5×10-8M未満、10-8M未満、5×10-9M未満、10-9M未満、5×10-10M未満、10-10M未満、5x10-11M未満、10-11M未満、5x10-12M未満、10-12M未満、5x10-13M未満、10-13M未満、5x10-14M未満、10-14M未満、5x10-15M未満、または10-15M未満のものを含む。
【0083】
抗体はまた、すなわち、共有結合が、抗体がCD30に結合すること、またはホジキン病細胞に細胞増殖抑制効果または細胞毒性効果を及ぼすことを妨げないように、抗体への任意のタイプの分子の共有結合によって修飾された誘導体を含む。例えば、限定するものではないが、抗体誘導体には、例えば、グリコシル化、アセチル化、PEG化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞リガンドまたはその他のタンパク質への結合などによって修飾された抗体が含まれる。特定の化学的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成などを含むがこれらに限定されない、多数の化学修飾のいずれかが、既知の技術によって実施され得る。さらに、誘導体は、1つ以上の非古典的アミノ酸を含み得る。
【0084】
本発明の抗体は、当技術分野で知られている任意の好適な方法によって生成することができる。
【0085】
本発明はさらに、本発明のタンパク質およびその断片を含むがこれらに限定されないタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。本発明の核酸は、好ましくは、CD30に結合し、HD細胞に対して細胞毒性または細胞増殖抑制効果を発揮する抗体の1つ以上のCDRをコードする。本発明の例示的な核酸は、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号11、配列番号13、または配列番号15を含む。本発明の可変領域核酸は、配列番号1または配列番号9を含む。(表Aを参照)。
【表1】
【0086】
様々な実施形態では、抗体は、IgG抗体、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体、好ましくはIgG1抗体である。
【0087】
抗体薬物複合体
MC-vc-PABリンカーを介してMMAEに共有結合された抗CD30抗体を含む抗体薬物複合体の使用が本明細書で企図される。抗体薬物複合体は、医薬組成物として対象に送達される 。抗CD30抗体薬物複合体は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,211,319号に記載されている。
【0088】
様々な実施形態では、本発明の抗CD30抗体-薬物複合体は、以下の式を有する:
【化3】
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、mAbは抗CD30抗体であり、Sは抗体の硫黄原子であり、A-はストレッチャー単位であり、pは約3約5である。
【0089】
薬物負荷は、医薬組成物中の抗体あたりの薬物分子の平均数であるpによって表される。例えば、pが約4である場合、医薬組成物中に存在するすべての抗体を考慮した平均薬物負荷は約4である。Pは、約3~約5、より好ましくは約3.6~約4.4、さらにより好ましくは約3.8~約4.2の範囲である。Pは、約3、約4、または約5にすることができる。複合体反応物の調製における抗体あたりの薬物の平均数は、質量分析、ELISAアッセイ、およびHPLCなどの従来の手段によって特徴付けることができる。pに関する抗体-薬物複合体の定量的分布も決定することができる。いくつかの例において、pが他の薬物負荷を有する抗体-薬物-結合体からのある値である均一な抗体-薬物-結合体の分離、精製、および特徴づけは、逆相HPLCまたは電気泳動のような手段によって達成することができる。
【0090】
ストレッチャー単位(A)は、抗体のスルフヒドリル基を介して、抗体単位をバリン-シトルリンアミノ酸単位に連結することができる。スルフヒドリル基は、例えば、抗CD30抗体の鎖間ジスルフィド結合の還元によって生成することができる。例えば、ストレッチャー単位は、抗体の鎖間ジスルフィド結合の還元から生成された硫黄原子を介して抗体に連結することができる。いくつかの実施形態では、ストレッチャー単位は、抗体の鎖間ジスルフィド結合の還元から生成される硫黄原子を介してのみ抗体に連結される。いくつかの実施形態では、スルフヒドリル基は、抗CD30抗体のリジン部分のアミノ基と2-イミノチオラン(トラウト試薬)または他のスルフヒドリル生成試薬との反応によって生成することができる。特定の実施形態では、抗CD30抗体は組換え抗体であり、1つ以上のリジンを運ぶように操作される。特定の他の実施形態では、組換え抗CD30抗体は、追加のスルフヒドリル基、例えば追加のシステインを運ぶように操作される。
【0091】
MMAEの合成および構造は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,884,869号に記載されている。例示的なストレッチャー単位の合成および構造ならびに抗体薬物複合体を作製するための方法は、例えば、米国特許公開第2006/0074008号および同第2009/0010945号に記載されており、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0092】
代表的なストレッチャー単位は、米国特許第9,211,319号の式IIIaおよびIIIbの角括弧内に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、モノメチルオーリスタチンEおよびプロテアーゼ切断可能リンカーを含む。プロテアーゼ切断可能リンカーは、チオール反応性スペーサーおよびジペプチドである、それら含むことが企図される。様々な実施形態では、プロテアーゼ切断可能リンカーは、チオール反応性マレイミドカプロイルスペーサー、バリン-シトルリンジペプチド、およびp-アミノ-ベンジルオキシカルボニルスペーサーからなる。
【0094】
好ましい実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、以下の構造を有するブレンツキ
シマブベドチンである。
【化4】
【0095】
ブレンツキシマブベドチンは、CD30に向けられた抗体-薬物複合体であり、3つの構成要素(i)~(iii)からなる:(i)ヒトCD30に特異的なキメラIgG1抗体cAC10、(ii)微小管破壊剤MMAE、および(iii)MMAEをcAC10に共有結合させるプロテアーゼで切断可能なリンカー。薬物対抗体比または薬物負荷は、ブレンツキシマブベドチンの構造では「p」で表され、1~8の整数値の範囲である。医薬組成物中のブレンツキシマブベドチンの平均薬物負荷は約4である。
【0096】
使用方法
本明細書では、抗CD30抗体-薬物複合体を投与するための改善された方法が提供される。本明細書には、抗CD30抗体薬物複合体の投与中に、任意選択で化学療法治療計画と組み合わせて、血液がんを有する対象における有害事象を減少させる方法が開示される。様々な実施形態では、化学療法治療計画は、好ましくはA+AVD療法としてのドキソルビシン、ビンブラスチン、および/またはダカルバジンから本質的になる。
【0097】
追加の化学療法剤を以下の表に開示し、単独で、または1つ以上の追加の化学療法剤と組み合わせて使用することができ、それらを抗CD30抗体薬物複合体と組み合わせて投与することもできる。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0098】
血液がんは、血液形成組織、または免疫系の細胞で発生するがんを指す。CD30を発現する血液がんは、CD30抗原を発現する血液がんを指す。CD30抗原は、選択されたリンパ腫および白血病の腫瘍細胞上に多数発現する。古典的なホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、および皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)などの血液がんは、本方法で治療できる血液がんの例である。
【0099】
本明細書の態様または実施形態のいずれかにおいて、本明細書の方法は、新しく診断され、血液がんについて以前に治療されたことのない対象、または再発した対象を治療するために提供する。対象は進行した古典的ホジキンリンパ腫(例えば、ステージIIIまたはステージIV)を有していることが企図される。
【0100】
様々な実施形態では、本開示は、実質的にドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD療法)からなる化学療法と組み合わせて、ブレンツキシマブベドチン
(A)を含む有効量の組成物を投与することを含む、進行した(グレード3/4)、新たに診断された古典的ホジキンリンパ腫(HL)を有する対象を治療する方法を提供し、ブレンツキシマブベドチンは1.2mg/kgで投与され、ドキソルビシンは25mg/m2で投与され、ビンブラスチンは6mg/m2で投与され、ダカルバジンは375mg/m2で投与され、かつ該ブレンツキシマブベドチンは、AVD療法の実施1時間後以内に投与される。上記の治療は、以下の1つ以上によって特徴付けられる対象において効力が増加しているように見えることが本明細書に示されている:(1)ステージ4ホジキンリンパ腫、(2)少なくとも1つの節外部位、例えば少なくとも1、2または3の節外部位が関与するHL、(3)国際予後スコア4~7[4、5、6、7]、(4)療法前の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスが2以下、(5)60歳未満または65歳未満である。本明細書の方法はさらに、療法が1年を超えて維持された後の対象の無増悪生存期間(PFS)を提供する。様々な実施形態では、療法後の対象の無増悪生存期間(PFS)は、約2年間維持される。特定の実施形態では、A+AVD療法の4~6サイクル後、対象は3以下、または2以下のドーヴィルスコアを有する。特定の実施形態では、2サイクルの療法(すなわち、4回の投与)の後、対象は1または2のドーヴィルスコアを有する。
【0101】
末梢神経障害
末梢神経障害は、抗CD30抗体薬物複合体による治療中に末梢神経系が損傷した結果として発症する。症状には、しびれまたはうずき、刺すような感覚(知覚異常)、筋力低下などが含まれる。運動神経の損傷は、最も一般的には筋力低下と関連している。
【0102】
1.2mg/kg以上の用量で抗CD30抗体薬物複合体、例えばブレンツキシマブベドチンの投与を開始した後、グレード2以上の末梢神経障害を示した対象を0.9mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体を投与することを含む治療方法が本明細書に提供される。様々な実施形態では、対象がグレード3の神経障害を示す場合、抗CD30抗体薬物複合体、例えばブレンツキシマブベドチンの投与は、末梢神経障害がグレード2以下に減少するまで保留され、その後0.9mg/kgの抗CD30抗体薬物複合体が投与される。いくつかの実施形態では、0.9mg/kgの低減された用量は、2週間ごとに最大用量90mgまで与えられる。
【0103】
様々な実施形態では、対象がグレード3の神経障害を示す場合、抗CD30抗体薬物複合体の投与は、末梢神経障害がグレード2以下に減少するまで、例えば0.9mg/kgに低下させ、その後0.9mg/kgの抗CD30抗体薬物複合体が投与または維持される。
【0104】
特定の実施形態では、対象は、1.8mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体投与を開始した後、グレード2または3の末梢神経障害を示した。様々な実施形態では、対象は、1.2mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体投与を、任意選択で併用療法としてドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法と組み合わせて開始した後、グレード2または3の末梢神経障害を示した。
【0105】
特定の実施形態では、グレード2またはグレード3の末梢神経障害がグレード1以下に改善した後、抗CD30抗体薬物複合体の用量を1.8mg/kgまたは1.2mg/kgに増加され、用量が1.2mg/kgに増加される場合、投与は任意選択で、併用療法として本質的にドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)からなる化学療法と組み合わせて実施される。特定の実施形態では、末梢神経障害がグレード2である場合、0.9mg/kgの低減された用量は、2週間ごとに最大用量90mgまで与えられる。
【0106】
神経障害を測定する方法は、当技術分野で知られており、抗CD30抗体薬物複合体療法を受けている対象の神経障害を監視および診断するために治療医によって利用されている。例えば、National Cancer Information Center-Common Toxicity Criteria(NCIC-CCT)は、軽度の感覚異常および/または深部腱屈曲の喪失を特徴とするグレード1 PNについて説明している。グレード2のPNは、マイルまたは中程度の客観的感覚喪失および/または中程度の感覚異常を特徴とし、グレード3のPNは、機能を妨げる感覚喪失および/または感覚異常を特徴とする。グレード4のPNは麻痺を特徴とする。
【0107】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体がAVD併用療法と共に1.2mg/kgで投与される場合、併用療法は2週間ごとに実施される。例えば、併用療法は、28日のサイクルの1日目および15日目に実施される。
【0108】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体+AVD併用療法は、6サイクル以下、例えば4~6サイクル、または4、5または6サイクルで実施される。
【0109】
PETスキャンが腫瘍または腫瘍の進行がないと決定するまで療法が実施されることが企図される。治療の終了後、例えば4~6サイクル後でも、PETスキャンで腫瘍が見られる場合は、PETスキャンが陰性になるか、腫瘍の進行が遅くなるか、腫瘍の進行が見られなくなるまで、必要に応じて一連の治療を繰り返す。サイクルの繰り返しは、休憩なし、またはA+AVD療法による最初の治療から1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の週の後に開始してよい。
【0110】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体、例えば、ブレンツキシマブベドチン療法は、30分にわたって静脈内注入により実施される。特定の実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、AVD療法と組み合わせて、1.2mg/kgから最大120mgで投与される。
【0111】
この治療は、末梢運動神経障害または末梢感覚神経障害の治療に有用である。治療は、感覚異常、知覚低下、多発神経障害、筋力低下、および脱髄性多発神経障害を含むがこれらに限定されない末梢神経障害の1つ以上の症状を軽減する。
【0112】
様々な実施形態では、末梢神経障害が出現した場合、抗CD30抗体薬物複合体の用量は1週間または2週間遅延され、神経障害が解消またはグレード2以下またはグレード1以下であると決定された場合に療法が継続される。
【0113】
好中球減少症
好中球減少症は化学療法治療計画の一般的な副作用であり、化学療法を受けている患者の血液中の好中球の枯渇から生じる。好中球減少症は、ブレンツキシマブベドチンによる治療でも観察される。好中球減少症は一般に、血中の好中球のレベルに基づいて診断される。例えば、グレード3の好中球減少症は、好中球絶対数[ANC]<1.0×109/Lを指し、グレード4の好中球減少症は、好中球絶対数[ANC]<0.5×109/Lを指し、発熱性好中球減少症は発熱を伴う好中球減少症を指し、対象は1つの口腔内温度が38.3℃以上または38.0℃以上で1時間超、グレード3/4の好中球減少症を有する。
【0114】
本明細書では、抗CD30抗体薬物複合体、例えばブレンツキシマブベドチン、または抗CD30抗体薬物複合体をAVD併用療法などの化学療法と組み合わせて受ける対象が、例えば一次予防として抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で予防的に始まる顆粒球形成刺激因子を受け取ることが企図される。例示的な顆粒球形成刺激因子には、顆
粒球コロニー刺激因子(GCSF)、GCSFの誘導体、または顆粒球単球コロニー刺激因子(GMCSF)が含まれる。本明細書での使用が企図される市販のGCSFは、フィルグラスチム(NEUPOGEN(登録商標))およびペグフィルグラスチム(NEULASTA(登録商標))である。市販のGMCSFは、サルグラモスチム(LEUKINE(登録商標)として入手可能である。
【0115】
本明細書では、対象の血液がんを治療する方法が提供され、本方法は、抗CD30抗体薬物複合体を投与することと、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で始まる顆粒球形成刺激因子を予防的に投与することとを含み、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始した1日以内~7日以内後に投与される。さらなる実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日または2日以内~5日以内後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、任意選択で本明細書に記載される化学療法治療計画と組み合わせた抗CD30抗体薬物複合体を、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与後、すなわち、各用量の、24時間~36時間後に投与される。
【0116】
いくつかの実施形態では、本方法は、抗CD30抗体薬物複合体投与に関連する有害事象、例えば好中球減少症、発熱性好中球減少症、感染症の発生、発熱、便秘などの胃腸障害、嘔吐、下痢、口内炎、腹痛、末梢感覚神経障害、末梢運動神経障害などの神経系障害、骨痛、腰痛などの筋骨格障害、呼吸困難などの呼吸器障害、および体重減少、アラニンアミノトランスフェラーゼの増加、食欲低下および/または不眠症などの他の有害事象を減少させる方法である。いくつかの実施形態では、本方法は、抗CD30抗体薬物複合体投与に関連する好中球減少症および/または発熱性好中球減少症および/または感染の発生率を減少させるための方法である。
【0117】
抗CD30抗体薬物複合体を投与されている対象における感染症の発生率を減少させる方法も提供され、感染症を低減するのに有効な量の顆粒球形成刺激因子を対象に投与することを含み、顆粒球形成刺激因子は抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日~7日後に投与される。顆粒球形成刺激因子はまた、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから、1日~7日後、または1日または2日~5日後に投与されてもよい。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、任意選択で本明細書に記載される化学療法治療計画と組み合わせた抗CD30抗体薬物複合体を、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される。
【0118】
抗CD30抗体薬物複合体による治療を受けている対象における好中球減少症および/または発熱性好中球減少症の発生率を低下させる方法も企図され、対象に顆粒球形成刺激因子を投与することを含み、刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始して1日~7日まで投与され、任意選択で抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日または2日~5日後に投与される。様々な実施形態では、対象は、発熱性好中球減少症であり、60歳以上である。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、任意選択で本明細書に記載される化学療法治療計画と組み合わせた抗CD30抗体薬物複合体を、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される。
【0119】
さらに企図されるのは、顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の1日~7日後に投与される方法である。特定の実施形態では、顆粒球
形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の1日または2日後~5日後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、任意選択で本明細書に記載される化学療法治療計画と組み合わせた抗CD30抗体薬物複合体を、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される。様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される。
【0120】
様々な実施形態では、対象は、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことがない。様々な実施形態では、対象は、抗CD30抗体薬物複合体投与後、治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない。
【0121】
顆粒球形成刺激因子は、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)であると企図される。GCSFは長時間作用型GCSFであるか、または長時間作用型GCSFではないことが企図される。
【0122】
様々な実施形態では、刺激因子が長時間作用型GCSF、例えばフィルグラスチムでない場合、刺激因子は、抗CD30抗体薬物複合体、例えば日用量の投与のサイクル1で開始してから1~7日、1~5日、または1~3日後に開始して投与することができる。特定の実施形態では、GCSFは、抗CD30抗体薬物複合体またはA+AVD療法の2、3、4、5、6および/または7日目後に投与される。様々な実施形態では、フィルグラスチムは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13日または14日の期間、5ug/kg/日~10ug/kg/日の用量で投与される。
【0123】
ペグフィルグラスチムは、生体内でより長い半減期をもつ、フィルグラスチムの持続性のあるペグ化形である。様々な実施形態では、ペグフィルグラスチムは、抗CD30抗体薬物複合体治療の、または任意選択でA+AVD療法の1日~5日後に、6mg/用量で投与される。特定の実施形態では、GCSFは、抗CD30抗体薬物複合体またはA+AVD療法後の同じ日、2日目、3日目、4日目または5日目に単回投与または複数回投与で投与される。様々な実施形態では、GCSFは、抗CD30抗体薬物複合体、任意選択で抗CD30抗体薬物複合体を本明細書に記載される化学療法治療計画と組み合わせて各投与の約24時間~約36時間後に投与される。様々な実施形態では、G-CSFは、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される。
【0124】
様々な実施形態では、顆粒球形成刺激因子は、静脈内または皮下で与えられる。顆粒球形成刺激因子は、単回投与または複数回投与、例えば複数回の毎日の投与で与えられることが企図される。
【0125】
顆粒球形成刺激因子および抗CD30抗体薬物複合体を投与されている対象に抗生物質を投与して、発熱性好中球減少症および/または感染症の問題に対処することもできると企図される。企図される例示的な抗生物質には、セファロスポリン、スルファメトキサゾール-トリメトプリム、ACYCOLOVIR(登録商標)、FLUCANOZOLE(登録商標)、またはINTRACONAZOLE(登録商標)などの当技術分野で既知のものが含まれる。
【0126】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は3週間ごとに投与される。様々な実施形態では、対象が3週間ごとに1.8mg/kgの抗CD30抗体薬物複合体を受ける場合、好中球減少症、例えばグレード4の好中球減少症を改善するために、用量を2週間ごとに1.2mg/kgから最大120mgまで減らしてもよい。
【0127】
様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、2週間ごと、例えば、28日のサ
イクルの1日目および15日目に投与される。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、6サイクル以下で投与される。様々な実施形態では、抗CD30抗体薬物複合体は、4~6サイクル投与される。任意選択で、抗CD30抗体薬物複合体を2週間ごとに投与する場合、治療計画は、抗CD30抗体療法と同じ日に、併用療法としてドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法を実施することをさらに含む。
【0128】
様々な実施形態では、血液がんは、古典的ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、および未分化大細胞リンパ腫(ALCL)からなる群から選択される。
【0129】
様々な実施形態では、血液がんは、古典的なホジキンリンパ腫である。様々な実施形態では、血液がんは、ステージIIIまたはIVの古典的ホジキンリンパ腫である。様々な実施形態では、対象の血液がんは治療されていない。
【0130】
様々な実施形態では、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)は、全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)である。
【0131】
様々な実施形態では、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は菌状息肉腫(MF)である。様々な実施形態では、菌状息肉腫(MF)は、CD30陽性菌状息肉腫(MF)である。様々な実施形態では、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)である。
【0132】
様々な実施形態では、対象は以前に全身療法または以前に放射線を受けたことがある
【0133】
様々な実施形態では、菌状息肉腫または原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫を有する対象は、3週間ごとに1.8mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体を含む療法を実施される。
【0134】
本明細書に記載の抗CD30抗体薬物複合体による療法の完了時に、任意選択で化学療法治療計画と組み合わせて、対象は、治療の終わりに残る、または本明細書中の療法に不応性であり得るがんの1つ以上の症状に対処するために追加の治療を受ける場合があるとさらに企図される。そのような治療には、手術、放射線療法、陽子線療法、幹細胞移植、および/または追加の化学療法治療計画が含まれるが、これらに限定されない。
【0135】
製剤
抗体-薬物複合体を投与するために、様々な送達システムを使用することができる。本発明の特定の好ましい実施形態では、抗体-薬物複合体化合物の投与は、静脈内注入による。いくつかの実施形態では、投与は、30分、1時間または2時間の静脈内注入による。
【0136】
抗体-薬物複合体化合物は、1つ以上の医薬適合成分を含む医薬組成物として投与することができる。例えば、医薬組成物は、典型的には、1つ以上の医薬的に許容される担体、例えば、水ベースの担体(例えば、無菌液体)を含む。医薬組成物が静脈内投与される場合、水はより典型的な担体である。
【0137】
組成物は、必要に応じて、例えば、生理食塩水、緩衝液、塩、非イオン性界面活性剤、および/または糖も含むことができる。適切な医薬担体の例は、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。製剤は投与方法に対応している。
【0138】
本開示は、例えば、治療有効量の抗体-薬物複合体、緩衝剤、任意選択で凍結保護剤、任意選択で増量剤、任意選択で塩、および任意選択で界面活性剤を含む医薬組成物を提供する。追加の薬剤を組成物に加えることができる。1つの薬剤で複数の機能を提供できる場合がある。例えば、トレハロースなどの糖は、抗凍結剤および増量剤の両方として作用することができる。本発明に従って、任意の適切な薬学的に許容される緩衝剤、界面活性剤、抗凍結剤および増量剤を使用することができる。
【0139】
血液がんを治療する方法を提供することに加えて、本発明は、凍結乾燥を受けた薬物複合体製剤または他のタンパク質保存方法を含む抗体薬物複合体製剤、ならびに凍結乾燥を受けていない抗体薬物製剤を提供する。
【0140】
いくつかの実施形態では、抗体薬物複合体製剤は、(i)約1~25mg/ml、約3~約10mg/mlの抗体-薬物複合体、または約5mg/ml(例えば、式Iまたはその薬学的に許容される塩の抗体-薬物複合体)、(ii)クエン酸塩、リン酸塩、またはヒスチジン緩衝液またはそれらの組み合わせから選択される約5~50mM、好ましくは約10mM~約25mMの緩衝液、好ましくはクエン酸ナトリウム、カリウムリン酸、ヒスチジン、塩酸ヒスチジン、またはそれらの組み合わせ、(iii)約3%~約10%のスクロースまたはトレハロースまたはそれらの組み合わせ、任意選択で(iv)約0.05~2mg/mlのポリソルベート20またはポリソルベート80またはそれらの組み合わせから選択される界面活性剤、および(v)水を含み、組成物のpHは約5.3~約7、好ましくは約6.6である。
【0141】
いくつかの実施形態では、抗体薬物複合体製剤は、約1~25mg/ml、約3~約10mg/ml、好ましくは約5mg/mlの抗体-薬物複合体、(ii)クエン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ヒスチジン、ヒスチジン塩酸塩またはそれらの組み合わせから選択される、約10mM~約25mMの緩衝液、(iii)約3%~約7%のトレハロースまたはスクロースまたはそれらの組み合わせ、任意選択で(iv)ポリソルベート20またはポリソルベート80から選択される、約0.05~約1mg/mlの界面活性剤、および(v)水を含み、組成物のpHは約5.3~約7、好ましくは約6.6である。
【0142】
いくつかの実施形態では、抗体薬物複合体製剤は、約5mg/mlの抗体薬物複合体、(ii)クエン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ヒスチジン、ヒスチジン塩酸塩またはそれらの組み合わせから選択される、約10mM~約25mMの緩衝液、(iii)約3%~約7%のトレハロース、任意選択で(iv)ポリソルベート20またはポリソルベート80から選択される、約0.05~約1mg/mlの界面活性剤、および(v)水を含み、組成物のpHは約5.3~約7、好ましくは約6.6である。
【0143】
上記の製剤のいずれも、液体または凍結形態で保存することができ、任意選択で保存プロセスに供されることができる。いくつかの実施形態では、上記の製剤は凍結乾燥される、すなわち、それらは凍結乾燥に供される。いくつかの実施形態では、上記の製剤は、保存プロセス、例えば、凍結乾燥に供され、その後、適切な液体、例えば、水で再構成される。凍結乾燥とは、組成物が真空下で凍結乾燥されていることを意味する。凍結乾燥は、典型的には、溶質が溶媒から分離されるように特定の製剤を凍結することにより達成される。次に、溶媒は昇華(すなわち、一次乾燥)によって除去され、次に脱着(すなわち、二次乾燥)によって除去される。
【0144】
本発明の製剤は、本明細書に記載される方法または疾患を治療するための他の方法と共に使用することができる。抗体薬物複合体製剤は、対象への投与前にさらに希釈され得る。いくつかの実施形態では、製剤は、生理食塩水で希釈され、対象への投与前に、IVバ
ッグまたはシリンジに保持される。したがって、いくつかの実施形態では、対象の血液がんを治療する本方法は、それを必要とする対象に式Iを有する抗体-薬物複合体を含む医薬組成物の毎週用量を投与することを含み、投与される抗体-薬物複合体の投与される用量は対象の体重の約1.8mg/kgまたは1.2mg/kg~対象の体重の0.9mg/kgであり、医薬組成物は少なくとも3週間投与され、抗体薬物は、対象への投与前に複合体化され、(i)~(v)を含んで製剤中に存在し、(i)約1~25mg/ml、好ましくは約3~約10mg/mlの抗体-薬物複合体、(ii)クエン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ヒスチジン、ヒスチジン塩酸塩、またはそれらの組み合わせから選択される、約5~50mM、好ましくは約10mM~約25mMの緩衝液、(iii)約3%~約10%のスクロースまたはトレハロースまたはそれらの組み合わせ、(iv)任意選択でポリソルベート20またはポリソルベート80またはそれらの組み合わせから選択される、約0.05~2mg/mlの界面活性剤、および(v)水を含み、組成物のpHは、約5.3~約7、好ましくは約6.6である。
【0145】
ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジンを含む、本明細書での使用が企図される化学療法剤の製剤は、がんの治療で典型的に使用されるように提供される。例えば、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジンは市販されており、複数のタイプのがんの患者の治療に使用するために米国FDAおよび他の規制機関によって承認されている。
【0146】
本発明はまた、血液がんの治療のためのキットを提供する。キットは、(a)抗体-薬物複合体を含む容器、および任意選択で、ドキソルビシン、ビンブラスチン、またはダカルバジンの1つ以上を含む容器を含むことができる。そのようなキットは、必要に応じて、当業者に容易に明らかとなるように、例えば、1つ以上の薬学的に許容される担体を有する容器、追加の容器など、1つ以上の様々な従来の医薬キット構成要素をさらに含むことができる。挿入物またはラベルとして、投与される成分の量、投与のガイドライン、および/または成分を混合するためのガイドラインを示す印刷された説明書もキットに含めることができる。
【実施例0147】
実施例1
この非盲検、多施設、第3相試験では、以前に治療されていないステージIII/IVの古典的ホジキンリンパ腫患者は無作為化され、ブレンツキシマブベドチン、ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジン(A+AVD;n=664)またはドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン(ABVD;n=670)の治療を受けた。主要評価項目は、中央判定委員会評価に基づく修正無増悪生存期間(PFS)であり、主要な副次評価項目である全生存期間であった。
【0148】
材料および方法
治験デザインでは、患者はA+AVDを受けるように1対1で無作為化され、A+AVDは(ブレンツキシマブベドチン1.2mg/kg、ドキソルビシン25mg/m
2、ビンブラスチン6mg/m
2、ダカルバジン375mg/m
2)またはABVD(ドキソルビシン25mg/m
2、ブレオマイシン10単位/m
2、ビンブラスチン6mg/m
2、ダカルバジン375mg/m
2)を28日間のサイクルの1日目および15日目に最大6サイクル静脈内投与した。ブレンツキシマブベドチンは、AVDの完了の約1時間後以内に開始し、30分かけて投与された。線量の減少/変更は、
図7で説明されている。患者は、地域(アメリカ対ヨーロッパ対アジア)および国際予後スコア(IPS)15(0~1対2~3対4~7)で層別化された。End-of-Cycle-2 PET(PET2)の結果により、ドーヴィルスコア
16が5の患者に対して、治療担当医師の裁量で、代替の最前線療法へのオプションへの切り替えが導かれた。
【0149】
患者:患者は、以前に全身化学療法/放射線療法で治療されていなかった、世界保健機関分類18による組織学的に進行した(アナーバーステージIII/IV)17古典的ホジキンリンパ腫の患者(18歳以上)が適格とした。患者は米国東海岸がん臨床試験グループのパフォーマンスステータスが2以下、19良好な好中球絶対数および血小板数、ヘモグロビン濃度、および肝臓と腎臓機能のマーカーレベルを有することが必要とされた(骨髄または肝臓またはギルバート症候群の病変を有する患者を除く)。結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の患者は不適格であり、末梢感覚/運動神経障害、陽性の妊娠検査、既知の脳/髄膜疾患、初回投与前3年以内の別の悪性腫瘍による残存病変の証拠または別の悪性腫瘍の診断、または臨床的に関連する心血管疾患を有する患者も不適格であった。
【0150】
評価項目:主要評価項目は、修正無増悪生存期間(PFS)であり、中央判定委員会(IRF)評価に基づく最前線療法が完了した後、進行、死亡、または非CRの証拠までの時間として定義され、その後に抗がん療法が行われた。変更された事象のタイミングは、CRの欠如を示す最前線療法の最初のPETスキャン完了後の日付であり、ドーヴィルスコアが3以上と定義された。疾患の進行が見られない場合、無作為化治療計画による治療が完了する前に、何らかの理由で代替の最前線療法に切り替えることは、事象とはみなされなかった。
【0151】
主要な副次的評価項目は、無作為化から何らかの原因による死亡までの時間として定義される全生存期間(OS)であった。
【0152】
評価:悪性リンパ腫の改訂反応基準20に従って、反応と進行を評価した。コンピュータ断層撮影スキャンは、スクリーニング時、2サイクル後、最前線療法の最終投与後、および追跡期間中、最初の1年目は3カ月ごと、その後は6カ月ごとに実施した。PETスキャンはサイクル2の終わりと治療の終わりに行われた。
【0153】
安全性は、規制活動に関する医学辞典(MedDRA;v19.0)を使用した有害事象の発生率、および国立がん研究所の有害事象に関する一般用語基準v4.03、およびバイタルサインの変化と臨床検査結果によって評価された。
【0154】
統計分析:統計的計算では、片側有意水準0.025で90%のパワーで0.67のハザード比(HR)を検出するために、260の修正PFS事象が必要であると推定された。この研究は、A+AVDアームの患者の81%、ABVDアームの患者の73%の2年間の修正PFSに基づいて行われる。約1240人の患者が無作為化され、(95%の確率で)260の修正PFS事象を達成するように計画された。主要評価項目はカプラン・マイヤー法によって要約され、層別化されたログランク検定を使用して評価された。層化コックス回帰モデルを使用して、治療効果のHRおよび95%信頼区間(CI)を推定した。層別化因子には、ベースライン時の地域とIPSスコアが含まれていた。主要評価項目テストが統計的に有意である場合、OS(全生存期間)中間分析が実行される(片側0.025レベル)。最終的なOS分析は、112人が死亡したときに実行される。OS分析の全体的なタイプIエラーは、ランデメッツアルファ支出関数を備えたオブライエンフレミングメソッドを使用して制御される。
【0155】
特に明記されていない限り、すべての有効性評価は治療企図解析対象集団を使用して実施された。安全性は、少なくとも1用量の治験薬を受けた患者(安全集団)で分析された。
【0156】
結果
21か国の218か所の1334人の患者が無作為化され、A+AVD(n=664)またはABVD(n=670)を受けた(治療企図解析対象集団)。全体として、患者の58%は男性、64%はステージIVであり、62%は診断時に節外病変があり、58%はB症状があり、年齢の中央値は36歳であった(患者の34%が45歳以上)。ベースライン特性は、2つのグループ間で一般的にバランスが取れていた[
図2(表1)]。
【0157】
24.9か月の追跡期間の中央値(0.0~49.3の範囲)の後、主要評価項目であるIRFごとのPFSの修正値にA+AVD対ABVDの統計的有意差が認められ(2年修正PFS率は、それぞれ、A+AVDで82.1%[95% CI、85.0-78.7]、ABVDで77.2%[95% CI、80.4-73.7])(HR,0.770;CI、0.982~0.603;P=0.035)、これは23%のリスク低下に相当し、A+AVD治療群で117件、ABVD治療群で146件の事象が認められた(
図1A)。修正されたPFS事象は、それぞれ、A+AVDおよびABVD治療群に対して、疾患の進行(90対102)、何らかの原因による死亡(18対22)、または最前線療法の完了時にCRを達成できなかった後の抗がん療法の受領(9対22)で構成された[
図3(表2)]。その後の抗がん療法の大部分(71%)はサルベージ化学療法(7/9 A+AVD;15/22 ABVD)で構成され、残りの部分には放射線療法が両治療群で実施された(
図8)。ほとんどの事象は、治療終了時のPETスキャンのドーヴィルスコア4または5に関連しており、研究者1人あたりの進行事象の基準を満たしていた。
【0158】
治験責任医師が決定した修正PFSの場合、HRは0.725であった(95%CI、0.574~0.916;P=0.007;
図1B)。修正されたPFS事象のIRFと治験責任医師の決定の間に91%の一致があった。治験責任医師の評価によると、2年間の修正PFS事象率は、A+AVDでは81.0%(95%CI、77.6~83.9)であったが、ABVDでは74.4%(95%CI、70.7~77.7)であった。
【0159】
修正されたPFSの事前に指定されたサブグループ分析では、大部分のサブグループでA+AVD対ABVDのHR<1が示された(
図1C)。患者の特定のサブグループは、A+AVD方がABVDと比較して効果が高いように見えた(北米の患者、節外部位が1つ以上ある患者、IPS 4-7の患者、男性、ステージIVの患者、60歳未満の患者)。PET2陰性率(ドーヴィルスコア1~3)は、A+AVDでは89%、ABVDでは86%であった。
【0160】
A+AVD治療群で28例の死亡(研究では9例[最前線療法の最終投与から30日以内])、追跡中19例(最前線療法の最終投与から30日後)、ABVD治療群で39例が(13研究中、追跡中26)死亡した。暫定OS HRは0.721(95%CI、0.443~1.173;P=0.186)で、A+AVDがABVDに比べて有利であった(
図6)。その他の副次的評価項目を
図4(表3)に示す。A+AVDに無作為化された15/662人の患者とABVDに無作為化された9/659人だけが、進行性疾患以外の理由で最前線療法中に代替化学療法に切り替えた(1/15および4/9の患者において5のドーヴィルスコア評価で、12/15と1/9の患者において有害事象で、および2/15と4/9においてその他の理由で)(
図9)。
【0161】
全体として、その後の抗がん療法を受けたA+AVD治療群の患者はより少なかった。A+AVD対ABVD群の治療法はそれぞれ、放射線療法(それぞれn=52)、化学療法(n=66対n=99)、高用量化学療法および移植(n=36対n=54)、免疫療法(n=10対n=16)、および化学療法+放射線療法(n=2対n=3)であった。
【0162】
治療期間の中央値と完了したサイクル数は、治療群間でほぼ同じであった(
図10)。
遅延/ホールド/削減などの用量変更なしで、意図したとおりに個々の治療計画剤を投与されている患者の割合を
図10に示す。
【0163】
両治療群の安全性プロファイルを
図5にまとめる(表4)。全体として、好中球減少症は、A+AVDを受けた患者の58%、ABVDを受けた患者の45%、および発熱性好中球減少症はそれぞれ19%および8%で報告された。両群とも、発熱性好中球減少症の発生率は、60歳以上対60歳未満の患者比較では60歳以上でより高く(A+AVD:37%対17%、およびABVD:17%対6%)、療法サイクルの初期と後期の比較では初期でより高かった(A+AVD:サイクル1で9%対サイクル2~6で累積1~6%、ABVD:サイクル1で4%対サイクル2~6で≦1%)。好中球減少症または発熱性好中球減少症による治験薬中止の発生率は両治療群で1%以下であった。
【0164】
感染率(MedDRAプライマリー器官別大分類用語の「感染症と寄生虫症」で決定)は、A+AVD治療群で55%(361/662)、ABVD治療群で50%(331/659)であった。グレード3以上の感染率は、それぞれ18%(116/662)および10%(66/659)であった。独立データ監視委員会(76%の登録完了後)との話し合いにより、発熱性好中球減少症の発生率が高いことに基づいてA+AVDを受けた新たに無作為化された患者に顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の一次予防が推奨された。A+AVD治療群では、G-CSFの一次予防投与を受けたすべての患者(研究治療の5日目までにG-CSFの使用として定義;n=83)では、発熱性好中球減少症の発生率が(21%[119/579]から11%[9/83]に)低下し、グレード3以上の感染と寄生の発生率が(18%[107/579]から11%[9/83]に)低下した。
【0165】
末梢神経障害(プロトコル指定の標準化MedDRAクエリ[SMQ]によって決定される[SMQ];
図11)は、A+AVDを受けた患者の67%(442/662)とABVDを受けた患者の43%(286/659)で発生した、グレード3以上の発生率がA+AVD治療群の患者の11%(70/662)(患者1人がグレード4)対ABVD治療群の患者の2%(11/659)であり、治験薬の中止に至った率は、それぞれ10%(44/442)対4%(11/286)であった。A+AVD治療群での末梢神経障害を経験した患者の3分の2(295/442)は、最後のフォローアップで末梢神経障害事象の解決または改善(グレード1以上)を示した。最後のフォローアップで進行中の末梢神経障害事象の92%は、A+AVD治療群でグレード1(64%)または2(29%)であった。間質性肺疾患(SMQ)事象で定義されている肺毒性は、A+AVD治療群で12/662(2%)の患者対ABVD治療群で44/659(7%)の患者で報告された。グレード3以上の事象は、それぞれ5/662[<1%]対21/659[3%]の患者で報告された。
【0166】
A+AVD治療群での試験中の死亡が9人、ABVD群では13人が死亡した。A+AVD治療群では、7/9の死亡が好中球減少症に関連しており(すべて好中球減少症の発症前にG-CSFの一次予防を受けていなかった患者で発生)、2例は心筋梗塞によるものであった。ABVD治療群における試験中の死亡13例のうち、11例は肺関連毒性が原因であるか、またはそれに関連しており、1例は肺炎/心停止によるものであり、1例は不明であった。
【0167】
新たにステージIII/IVの古典的ホジキンリンパ腫と診断された患者を対象とした国際的な大規模無作為化第3相ECHELON-1試験では、ブレンツキシマブベドチン+AVDによる修正PFSの改善が治療標準であるABVDと比較して統計的に有意かつ臨床的に有意であったことが示されたが、これはIRFで測定した初回化学療法の失敗が23%減少し、試験責任医師で測定した化学療法の失敗が28%減少したことに相当する
。A+AVDは、最前線のホジキンリンパ腫で、ABVDと比較してブレオマイシンへの曝露を排除しながら優れた転帰を示す最初の治療計画である。
【0168】
ホジキンリンパ腫の最前線化学療法の目標は、追加の療法を必要とせずに患者を治癒することである。代謝的に検出可能な残存疾患は差し迫った進行を確実に予測するので、最前線治療の最後にPET陽性スキャンに基づいて後続の化学療法/放射線療法を開始することは慣例として受け入れられている。21~23この設定では、PFSの従来の評価項目は、最前線化学療法の治療目的を正確に評価しない。このように、ECHELON-1では、主要評価項目は「修正された」PFSであったが、これには、疾患の進行または死亡に加えて、最前線化学療法(IRFによるPETの結果に基づく)の完了後に事象としてその後の抗がん療法を実施した後の非CRの証拠が含まれており、これにより、最前線化学療法の治癒可能性が正確に評価された。
【0169】
全生存期間、主要な副次的評価項目、およびその他すべての副次的有効性評価項目の中間分析の結果はA+AVDを支持する傾向があり、A+AVDはABVDよりも進行ホジキンリンパ腫に対するより効果的な最前線治療であるという結論をさらに裏付けている。さらに、A+AVDの利点は、1つ以上の節外部位とIPS 4-7の関与がある患者を含む、事前に指定されたサブグループの大多数で一貫して観察された。ECHELON-1のPET2陽性率は低く、A+AVD治療群ではABVD治療群と比較してPET2陰性患者の割合が高かった。
【0170】
有害事象は、個々の治療計画の構成要素と一致していた。ABVD治療群で研究中の死亡の大部分をもたらしたブレオマイシンの肺毒性の性質は予測不可能であり、肺の有害事象のリスクを軽減することが知られている唯一のアプローチは、ブレオマイシンを中止することである。RATHL研究で採用された反応適応アプローチでは、2サイクル後のABVDからのブレオマイシンの省略および暫定PETでの陰性所見により、有効性が大幅に低下せずにABVDを継続した場合よりも肺毒性影響の発生率が低下した。8ECHELON-1は、A+AVD治療計画におけるブレンツキシマブベドチンの追加と最前線療法からのブレオマイシンの除去が、ABVDと比較して有効性を改善しながら肺毒性の発生率を低下させることを示す。A+AVDでは、新たな安全性リスクは確認されなかったが、発熱性好中球減少症の発生率は予想よりも高く、A+AVD治療群では感染の発生率が増加した。試験中の死亡の大部分は、発熱性好中球減少症に関連していた。ただし、G
CSFによる一次予防は、一次予防を受けた83人の患者のサブグループで、発熱性好中球減少症とそれに関連する後遺症のリスクの増加を低減すると考えられ、結果としてABVD治療群と同様の好中球減少症、発熱性好中球減少症、および重篤な感染症をもたらした。A+AVDで治療された患者の3分の1は、ABVDで治療された患者と比較して、その後のサルベージ化学療法および高用量化学療法と移植を受けたため、積極的なサルベージ療法に関連する毒性を経験する可能性は低かった。
【0171】
ECHELON-1の結果は、A+AVDが潜在的な治療効果のある治療を高齢の患者に安全に投与する機会を提供すること、高齢者の疾患発生率(全症例の約20%)を考慮した特別なグループ、既知の低い治療効果率、および一般的により重度の毒性、特にブレオマイシンに関連する肺毒性を考慮すると、特に重要である。6、24、25最前線の患者管理を選択する際には、サルベージ化学療法、放射線療法、およびASCT(不妊症、肺毒性、心臓毒性、および二次性悪性腫瘍を含む)による後期および長期の有害作用の生涯負荷を考慮することも重要である。26、27ECHELON-1は、AVDと組み合わせたブレンツキシマブベドチンがABVDよりも進行期の古典的ホジキンリンパ腫の最前線治療に効果的であり、管理可能な毒性プロファイルを有することを実証し、A+AVDを新しい最前線の標準治療として確立している。
【0172】
実施例2
ECHELON-1試験のフォローアップでは、上記の実施例で説明した進行期HL患者に対するG-CSF一次予防の影響を調査するさらなる研究が行われている。治療を受ける患者は18歳以上で、アナーバー病期3または4の疾患の未治療のHL患者である。対象は、現在の世界保健機関(WHO)分類に従って組織学的に確認された古典的なHLであり、X線撮影技術で文書化された2次元の測定可能な疾患を示している。次の基準のいずれかが満たされた場合、被験者は除外される。結節性リンパ球優勢HL、最初の投与から2年以内の別の悪性腫瘍の既往歴;以前に診断された悪性腫瘍からの薬物または残存疾患の証拠;非黒色腫皮膚がん、限局性前立腺がん、またはあらゆる種類の上皮内がんの患者は、完全切除を受けていれば除外されない;最初の治験薬投与から12週間以内の以前の免疫抑制化学療法、治療用放射線、または任意の免疫療法;根底にある悪性腫瘍に関連する活動的な脳/髄膜疾患;治験薬の最初の投与から2週間以内のアクティブなグレード3以上のウイルス、細菌、または真菌感染症(National Cancer Instituteの有害事象に関するCommon Terminology Criteria for NCI CTCAE Version 4.03で定義されたグレード3);他の全身性抗腫瘍薬または治験薬による現在の療法;悪性腫瘍とは無関係のグレード3以上の肺疾患;治験薬の初回投与から6か月以内の脳血管事象の履歴;チャイルドピューBまたはCの肝障害;末梢感覚または運動神経障害;妊娠中または授乳中の患者;計画された治療とフォローアップを受けたり耐えたりする患者の能力を損なう他の深刻な状態。
【0173】
患者にA+AVD療法をG-CSFと組み合わせて実施する。G-CSFはA+AVDの各サイクルの24~36時間後に投与される(ブレンツキシマブベドチン1.2mg/kg、ドキソルビシン25mg/m2、ビンブラスチン6mg/m2、ダカルバジン375mg/m2)6サイクルの療法(12用量、28日サイクルの1日目および15日目)。評価された主要評価項目には、薬物の組み合わせが患者の発熱性好中球減少症の副作用を経験する患者の数、有効性、および線量強度を低下させるかどうかが含まれる。副次的評価項目には、一次難治性反応率、完全奏効率、無増悪生存期間、その後の抗がん療法の利用率、平均線量強度および線量減少率と遅延率の分析が含まれる。
【0174】
本明細書の治療計画に続くG-CSFの投与、例えば、抗CD30抗体薬物複合体併用療法の各用量/投与の24~36時間後のG-CSFの予防的投与により、A+AVD療法患者における発熱性好中球減少症の発生率とグレード3以上の感染および寄生の発生を低減することが予測される。
【0175】
上記の例示的な実施例に記載される本発明の多数の修正および変形が当業者には想起されると予想される。したがって、添付の特許請求の範囲に見られる限定のみが本発明に課せられるべきである。
参考文献
1.Engert A.ABVD or BEACOPP for Advanced Hodgkin Lymphoma.J Clin Oncol 2016;34:1167-9.
2.Canellos GP,Anderson JR,Propert KJ,et al.Chemotherapy of advanced Hodgkin’s disease with MOPP,ABVD,or MOPP alternating
with ABVD.N Engl J Med 1992;327:1478-84.
3.Carde P,Karrasch M,Fortpied C,et al.Eight Cycles of ABVD Versus Four Cycles of
BEACOPPescalated Plus Four Cycles of BEACOPPbaseline in Stage III to IV,International Prognostic Score >/= 3,High-Risk Hodgkin Lymphoma:First Results of the Phase III EORTC 20012 Intergroup Trial.J Clin Oncol 2016;34:2028-36.
4.Gordon LI,Hong F,Fisher RI,et al.Randomized phase III trial of ABVD versus Stanford V with or without radiation therapy in locally extensive and advanced-stage Hodgkin lymphoma:an intergroup study coordinated by the Eastern Cooperative Oncology Group(E2496).J Clin Oncol 2013;31:684-91.
5.Canellos GP,Duggan D,Johnson J,Niedzwiecki D.How important is bleomycin in the
adriamycin+bleomycin+vinblastine+dacarbazine regimen? J Clin Oncol 2004;22:1532-3.
6.Martin WG,Ristow KM,Habermann TM,Colgan JP,Witzig TE,Ansell SM.Bleomycin pulmonary toxicity has a negative impact on the outcome of patients with Hodgkin’s lymphoma.J Clin Oncol 2005;23:7614-20.
7.Borchmann P,Goergen H,Kobe C,et al.Treatment Reduction in Patients with Advanced-Stage Hodgkin Lymphoma and Negative Interim PET:Final Results of the International,Randomized Phase 3 Trial HD18 by the German Hodgkin Study Group.Presented at the 22nd Annual Meeting of the European Hematology Association,Madrid,Spain,June 22-25,2017.Haematologica 2017;102:Abstract S150.
8.Johnson P,Federico M,Kirkwood A,et al.Adapted Treatment Guided by Interim PET-CT Scan in Advanced Hodgkin’s Lymphoma.N
Engl J Med 2016;374:2419-29.
9.Borchmann P,Eichenauer DA,Pluetschow A,et al.Targeted Beacopp Variants in Patients with Newly Diagnosed Advanced Stage
Classical Hodgkin Lymphoma:Final Analysis of a Randomized Phase II Study.Presented at the 57th Annual Meeting of the American Society of Hematology,Orlando,FL,December 5-8,2015.Blood 2015;126.
10.Schwab U,Stein H,Gerdes J,et al.Production of a monoclonal antibody specific for Hodgkin and Sternberg-Reed cells of Hodgkin’s disease and a subset of normal
lymphoid cells.Nature 1982;299:65-7.
11.ADCETRIS(登録商標)(brentuximab vedotin) US Prescribing Information.Available at:http://www.seattlegenetics.com/application/files/9414/7621/9892/adcetris_USPI.pdf[Last accessed 10 August 2017].
12.ADCETRIS(登録商標)(brentuximab vedotin) EU Summary of Product Characteristics.Available at:http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/002455/WC500135055.pdf[Last accessed 10 August 2017].
13.Younes A,Connors JM,Park SI,et al.Brentuximab vedotin combined with ABVD or AVD for patients with newly diagnosed Hodgkin’s lymphoma:a phase 1,open-label,dose-escalation study.Lancet Oncol 2013;14:1348-56.
14.Connors JM,Ansell SM,Fanale M,Park SI,Younes A.Five-year follow-up of brentuximab vedotin combined with ABVD or AVD for advanced stage classical Hodgkin lymphoma.Blood 2017.
15.Hasenclever D,Diehl V.A prognostic score for advanced Hodgkin’s disease.International Prognostic Factors Project on Advanced Hodgkin’s Disease.N Engl J Med 1998;339:1506-14.
16.Meignan M,Gallamini A,Haioun C,Polliack A.Report on the Second International Workshop on interim positron emission tomography in lymphoma held in Menton,France,8-9 April 2010.Leuk Lymphoma 2010;51:2171-80.
17.Fauci AS,Braunwauld E,Kasper DL,et al.Ann Arbor Staging System for Hodgkin’s Disease.Harrison’s Manual of Medicine.17th ed.New York,NY:McGraw-Hill;2009.
18.Campo E,Swerdlow SH,Harris NL,Pileri S,Stein H,Jaffe ES.The 2008 WHO classification of lymphoid neoplasms and beyond:evolving concepts and practical applications.Blood 2011;117:5019-32.
19.Oken MM,Creech RH,Tormey DC,et al.Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group.Am J Clin Oncol 1982;5:649-55.
20.Cheson BD,Pfistner B,Juweid ME,et al.Revised response criteria for malignant lymphoma.J Clin Oncol 2007;25:579-86.
21.Barnes JA,LaCasce AS,Zukotynski K,et al.End-of-treatment but not interim PET scan predicts outcome in nonbulky limited-stage Hodgkin’s lymphoma.Ann Oncol 2011;22:910-5.
22.Engert A,Haverkamp H,Kobe C,et al.Reduced-intensity chemotherapy and PET-guided radiotherapy in patients with advanced stage Hodgkin’s lymphoma(HD15 trial):a
randomised,open-label,phase 3 non-inferiority trial.Lancet 2012;379:1791-9.
23.Spaepen K,Stroobants S,Dupont P,et al.Can positron emission tomography with[(18)F]-fluorodeoxyglucose after first-line treatment distinguish Hodgkin’s disease patients who need additional therapy from others in whom additional therapy would mean avoidable toxicity? Br J Haematol 2001;115:272-8.
24.Engert A,Ballova V,Haverkamp H,et al.Hodgkin’s lymphoma in elderly patients:a
comprehensive retrospective analysis from the German Hodgkin’s Study Group.J Clin Oncol 2005;23:5052-60.
25.Shenoy P,Maggioncalda A,Malik N,Flowers CR.Incidence patterns and outcomes for Hodgkin lymphoma patients in the United States.Adv Hematol 2011;2011:725219.
26.Matasar MJ,Ford JS,Riedel ER,Salz T,Oeffinger KC,Straus DJ.Late morbidity and
mortality in patients with Hodgkin’s lymphoma treated during adulthood.J Natl Cancer Inst 2015;107.
27.Ng AK,van Leeuwen FE.Hodgkin lymphoma:Late effects of treatment and guidelines for surveillance.Semin Hematol 2016;53:209-15.
上記の例示的な実施例に記載される本発明の多数の修正および変形が当業者には想起されると予想される。したがって、添付の特許請求の範囲に見られる限定のみが本発明に課せられるべきである。国際出願時の特許請求の範囲
〔項1〕 1.2mg/kg以上の用量の抗CD30抗体薬物複合体療法による治療を開始した後にグレード2以上の末梢神経障害を示した対象を治療する方法であって、0.9mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体療法を実施することを含む、方法。
〔項2〕 前記対象がグレード3の神経障害を示す場合、末梢神経障害がグレード2以下に減少するまで前記抗CD30抗体薬物複合体療法の実施が保留され、その後0.9mg/kgの抗CD30抗体薬物複合体療法が実施される、請求項1に記載の方法。
〔項3〕 前記対象が、1.8mg/kgの用量で抗CD30抗体薬物複合体療法を開始した後にグレード2または3の末梢神経障害を示した、請求項1または2に記載の方法。
〔項4〕 前記対象が、任意選択でドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法と組み合わせて、1.2mg/kgの用量の抗CD30抗体薬物複合体療法で開始した後に、グレード2または3の末梢神経障害を示した、請求項1または2に記載の方法。
〔項5〕 前記グレード2またはグレード3の末梢神経障害がグレード1以下に改善した後、前記抗CD30抗体薬物複合体の用量が1.8mg/kgまたは1.2mg/kgに増加され、前記用量が1.2mg/kgに増加された場合、前記投与は任意選択で、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法と組み合わせて行われる、請求項1または2に記載の方法。
〔項6〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が1.2mg/kgで投与され、併用療法としてドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法を前記対象に実施することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
〔項7〕 前記併用療法が2週間ごとに実施される、請求項6に記載の方法。
〔項8〕 前記併用療法が、28日サイクルの1日目および15日目に実施される、請求項7に記載の方法。
〔項9〕 前記併用療法が6サイクル以下で実施される、請求項7または8に記載の方法。
〔項10〕 前記併用療法が4~6サイクルで実施される、請求項7または8に記載の方法。
〔項11〕 PETスキャンが腫瘍がないまたは腫瘍の進行がないと決定するまで前記療法が実施される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
〔項12〕 前記治療が知覚異常、知覚鈍麻、多発神経障害、筋力低下、および脱髄性多発神経障害を軽減する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
〔項13〕 前記神経障害が末梢運動神経障害または末梢感覚神経障害である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
〔項14〕 末梢神経障害が現れた場合、前記抗CD30抗体薬物複合体の用量が1週間遅延され、前記神経障害が解消またはグレード1以下であると決定された場合に療法が継続される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
〔項15〕 対象における血液がんを治療する方法であって、抗CD30抗体薬物複合体を含む療法を実施することと、顆粒球形成刺激因子を予防的に投与することと、を含み、前記顆粒球形成刺激因子が前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1から開始して投与される、方法。
〔項16〕 前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日~7日後に投与される、請求項15に記載の方法。
〔項17〕 前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから2日~5日後に投与される、請求項16に記載の方法。
〔項18〕 前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の1日~7日後に投与される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
〔項19〕 前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の2日~5日後に投与される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
〔項20〕 前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
〔項21〕 前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される、請求項15~20のいずれか一項に記載の方法。
〔項22〕 前記顆粒球形成刺激因子が、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象に投与される、請求項15~21のいずれか一項に記載の方法。
〔項23〕 前記対象が、抗CD30抗体薬物複合体の投与後に治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない、請求項15~22のいずれか一項に記載の方法。
〔項24〕 抗CD30抗体薬物複合体を含む療法による治療を受けている対象における好中球減少症の発生率を低下させる方法であって、顆粒形成刺激因子を前記対象に投与することを含み、前記顆粒形成刺激因子が前記抗CD30抗体薬物複合体の投与の1サイクルで開始して投与される、方法。
〔項25〕 前記好中球減少症が発熱性好中球減少症であり、前記対象が60歳以上である、請求項24に記載の方法。
〔項26〕 前記顆粒球形成刺激因子が顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)である、請求項15~25のいずれか一項に記載の方法。
〔項27〕 前記GCSFが長時間作用型GCSFまたは非長時間作用型GCSFである、請求項26に記載の方法。
〔項28〕 前記GCSFが長時間作用型GCSFであり、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日または2日後に投与される、請求項26または27に記載の方法。
〔項29〕 前記G-CSFが、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される、請求項28に記載の方法。
〔項30〕 前記G-CSFが、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される、請求項28または29に記載の方法。
〔項31〕
前記GCSFが、非長時間作用型であり、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1、2、3、4、5、6または7日後に投与される、請求項26または27に記載の方法。
〔項32〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が3週間ごとに投与される、請求項15~31のいずれか一項に記載の方法。
〔項33〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が2週間ごとに投与される、請求項15~31のいずれか一項に記載の方法。
〔項34〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が28日サイクルの1日目および15日目に投与される、請求項33に記載の方法。
〔項35〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が6サイクル以下で投与される、請求項15~34のいずれか一項に記載の方法。
〔項36〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が4~6サイクルで投与される、請求項15~35のいずれか一項に記載の方法。
〔項37〕 併用療法として、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法を実施することをさらに含む、請求項15~36のいずれか一項に記載の方法。
〔項38〕 前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体が、
i)配列番号4に示される重鎖CDR1、配列番号6に示される重鎖CDR2、配列番号8に示される重鎖CDR3、ならびに
ii)配列番号12に示される軽鎖CDR1、配列番号14に示される軽鎖CDR2、および配列番号16に示される軽鎖CDR13、を含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
〔項39〕 前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体が、
i)配列番号2に示される重鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、および
ii)配列番号10に示される軽鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、を含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
〔項40〕 前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体がモノクローナル抗CD30抗体である、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
〔項41〕 前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体がキメラAC10抗体である、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
〔項42〕 前記抗体薬物複合体がモノメチルオーリスタチンEおよびプロテアーゼ切断可能リンカーを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
〔項43〕 前記プロテアーゼ切断可能リンカーが、チオール反応性スペーサーおよびジペプチドである、それらを含む、請求項42に記載の方法。
〔項44〕 前記プロテアーゼ切断可能リンカーが、チオール反応性マレイミドカプロイルスペーサー、バリン-シトルリンジペプチド、およびp-アミノ-ベンジルオキシカルボニルスペーサーからなる、請求項42または43に記載の方法。
〔項45〕 前記抗CD30抗体薬物複合体がブレンツキシマブベドチンである、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
〔項46〕 前記抗CD30抗体薬物複合体がブレンツキシマブベドチンであり、1.2mg/kgで投与され、ドキソルビシンが25mg/m2で投与され、ビンブラスチンが6mg/m2で投与され、ダカルバジンが375mg/m2で投与される、請求項45に記載の方法。
〔項47〕 前記顆粒球形成刺激因子が5~10mcg/kg/日、または300~600mcg/日、または6mg/用量の用量範囲で投与される、請求項15~46のいずれか一項に記載の方法。
〔項48〕 前記顆粒球形成刺激因子が、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象に投与される、請求項15~47のいずれか一項に記載の方法。
〔項49〕 前記対象が、抗CD30抗体薬物複合体の投与後に治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない、請求項15~48のいずれか一項に記載の方法。
〔項50〕 前記顆粒球形成刺激因子が静脈内または皮下で与えられる、請求項15~49のいずれか一項に記載の方法。
〔項51〕 前記顆粒球形成刺激因子が単回投与または複数回投与で与えられる、請求項15~50のいずれか一項に記載の方法。
〔項52〕 前記対象が、血液がんを患っている、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
〔項53〕 前記血液がんが、古典的ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、および未分化大細胞リンパ腫(ALCL)からなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
〔項54〕 前記血液がんが古典的ホジキンリンパ腫である、請求項53に記載の方法。
〔項55〕 前記血液がんがステージIIIまたはIVの古典的ホジキンリンパ腫である、請求項53に記載の方法。
〔項56〕 前記対象の前記血液がんが治療されていない、請求項53~55のいずれか一項に記載の方法。
〔項57〕 抗CD30抗体薬物複合体を含む療法を受けている対象における感染症の発生率を減少させる方法であって、感染症を減少させるのに有効な量の顆粒球形成刺激因子を前記対象に投与することを含み、前記顆粒球形成刺激因子が前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始して投与される、方法。
〔項58〕 前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の前記投与のサイクル1で開始してから1日~7日後に投与される、請求項57に記載の方法。
〔項59〕 前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから2日~5日後に投与される、請求項57に記載の方法。
〔項60〕 前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の1日~7日後に投与される、請求項57~59のいずれか一項に記載の方法。
〔項61〕 前記顆粒球形成刺激因子が、前記抗CD30抗体薬物複合体の2回目またはその後の投与の2日~5日後に投与される、請求項57~59のいずれか一項に記載の方法。
〔項62〕 前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される、請求項57~61のいずれか一項に記載の方法。
〔項63〕 前記顆粒球形成刺激因子が、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される、請求項57~62のいずれか一項に記載の方法。
〔項64〕 前記顆粒球形成刺激因子が、以前に抗CD30抗体薬物複合体療法を受けたことのない対象に投与される、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
〔項65〕 前記対象が、抗CD30抗体薬物複合体の投与後、治療下で発現したグレード3~4の好中球減少症を経験していない、請求項57~63のいずれか一項に記載の方法。
〔項66〕 前記顆粒球形成刺激因子が顆粒球コロニー刺激因子GCSFである、請求項57~65のいずれか一項に記載の方法。
〔項67〕 前記GCSFが、長時間作用型GCSFまたは非長時間作用型GCSFである、請求項66に記載の方法。
〔項68〕 前記GCSFが長時間作用型であり、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1日または2日後に投与される、請求項66または67に記載の方法。
〔項69〕 前記G-CSFが、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の約24時間~約36時間後に投与される、請求項68に記載の方法。
〔項70〕 前記G-CSFが、抗CD30抗体薬物複合体の各投与の24時間~36時間後に投与される、請求項68または69に記載の方法。
〔項71〕 前記GCSFが長時間作用型でなく、前記抗CD30抗体薬物複合体の投与のサイクル1で開始してから1、2、3、4または最長7日後に投与される、請求項66または67に記載の方法。
〔項72〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が3週間ごとに投与される、請求項57~71のいずれか一項に記載の方法。
〔項73〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が2週間ごとに投与される、請求項57~71のいずれか一項に記載の方法。
〔項74〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が、28日サイクルの1日目および15日目に投与される、請求項73に記載の方法。
〔項75〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が6サイクル以下で投与される、請求項73または74に記載の方法。
〔項76〕 前記抗CD30抗体薬物複合体が4~6サイクルで投与される、請求項73~75のいずれか一項に記載の方法。
〔項77〕 併用療法として、ドキソルビシン、ビンブラスチン、およびダカルバジン(AVD)から本質的になる化学療法を実施することをさらに含む、請求項73~76のいずれか一項に記載の方法。
〔項78〕 前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体が、
i)配列番号4に示される重鎖CDR1、配列番号6に示される重鎖CDR2、配列番号8に示される重鎖CDR3、ならびに
ii)配列番号12に示される軽鎖CDR1、配列番号14に示される軽鎖CDR2、および配列番号16に示される軽鎖CDR13、を含む、請求項57~77のいずれか一項に記載の方法。
〔項79〕 前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体が、
i)配列番号2に示される重鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、および
ii)配列番号10に示される軽鎖可変領域と少なくとも85%同一のアミノ酸配列、を含む、請求項57~78のいずれか一項に記載の方法。
〔項80〕 前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体がモノクローナル抗CD30抗体である、請求項57~79のいずれか一項に記載の方法。
〔項81〕 前記抗CD30抗体薬物複合体の抗CD30抗体がキメラAC10抗体である、請求項57~79のいずれか一項に記載の方法。
〔項82〕 前記抗体薬物複合体がモノメチルオーリスタチンEおよびプロテアーゼ切断可能リンカーを含む、請求項57~81のいずれか一項に記載の方法。
〔項83〕 前記プロテアーゼ切断可能リンカーがチオール反応性スペーサーおよびジペプチドを含む、請求項82に記載の方法。
〔項84〕 前記プロテアーゼ切断可能リンカーが、チオール反応性マレイミドカプロイルスペーサー、バリン-シトルリンジペプチド、およびp-アミノ-ベンジルオキシカルボニルスペーサーからなる、請求項82または83に記載の方法。
〔項85〕 前記抗CD30抗体薬物複合体がブレンツキシマブベドチンである、請求項57~84のいずれか一項に記載の方法。
〔項86〕 前記抗CD30抗体薬物複合体がブレンツキシマブベドチンであり、1.2mg/kgで投与され、ドキソルビシンが25mg/m2で投与され、ビンブラスチンが6mg/m2で投与され、ダカルバジンが375mg/m2で投与される、請求項85に記載の方法。
〔項87〕 前記顆粒球形成刺激因子が5~10mcg/kg/日、または300~600mcg/日、または6mg/用量の用量範囲で投与される、請求項57~86のいずれか一項に記載の方法。
〔項88〕 前記顆粒球形成刺激因子が静脈内または皮下で与えられる、請求項57~87のいずれか一項に記載の方法。
〔項89〕 前記顆粒球形成刺激因子が単回投与または複数回投与で与えられる、請求項57~88のいずれか一項に記載の方法。
〔項90〕 前記対象が、血液がんを患っている、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
〔項91〕 前記血液がんが、古典的ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、および未分化大細胞リンパ腫(ALCL)からなる群から選択される、請求項90に記載の方法。
〔項92〕 前記血液がんが古典的ホジキンリンパ腫である、請求項91に記載の方法。
〔項93〕 前記血液がんがステージIIIまたはIVの古典的ホジキンリンパ腫である、請求項92に記載の方法。
〔項94〕 前記対象の前記血液がんが治療されていない、請求項90~93のいずれか一項に記載の方法。
〔項95〕 前記未分化大細胞リンパ腫(ALCL)が全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)である、請求項91に記載の方法。
〔項96〕 前記皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)が菌状息肉腫(MF)である、請求項91に記載の方法。
〔項97〕 前記菌状息肉腫(MF)がCD30陽性菌状息肉腫(MF)である、請求項96に記載の方法。
〔項98〕 前記皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)が原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)である、請求項91に記載の方法。
〔項99〕 前記対象が以前に全身療法を受けたことがある、請求項98に記載の方法。
〔項100〕 前記対象が、成人患者である、請求項1~99のいずれか一項に記載の方法。
参考文献
1.Engert A.ABVD or BEACOPP for Advanced Hodgkin Lymphoma.J Clin Oncol 2016;34:1167-9.
2.Canellos GP,Anderson JR,Propert KJ,et al.Chemotherapy of advanced Hodgkin’s disease with MOPP,ABVD,or MOPP alternating with ABVD.N Engl J Med 1992;327:1478-84.
3.Carde P,Karrasch M,Fortpied C,et al.Eight Cycles of ABVD Versus Four Cycles of BEACOPPescalated Plus Four Cycles of BEACOPPbaseline in Stage III to IV,International Prognostic Score >/= 3,High-Risk Hodgkin Lymphoma:First Results of the Phase III EORTC 20012 Intergroup Trial.J Clin Oncol 2016;34:2028-36.
4.Gordon LI,Hong F,Fisher RI,et al.Randomized phase III trial of ABVD versus Stanford V with or without radiation therapy in locally extensive and advanced-stage Hodgkin lymphoma:an intergroup study coordinated by the Eastern Cooperative Oncology Group(E2496).J Clin Oncol 2013;31:684-91.
5.Canellos GP,Duggan D,Johnson J,Niedzwiecki D.How important is bleomycin in the adriamycin+bleomycin+vinblastine+dacarbazine regimen? J Clin Oncol 2004;22:1532-3.
6.Martin WG,Ristow KM,Habermann TM,Colgan JP,Witzig TE,Ansell SM.Bleomycin pulmonary toxicity has a negative impact on the outcome of patients with Hodgkin’s lymphoma.J Clin Oncol 2005;23:7614-20.
7.Borchmann P,Goergen H,Kobe C,et al.Treatment Reduction in Patients with Advanced-Stage Hodgkin Lymphoma and Negative Interim PET:Final Results of the International,Randomized Phase 3 Trial HD18 by the German Hodgkin Study Group.Presented at the 22nd Annual Meeting of the European Hematology Association,Madrid,Spain,June 22-25,2017.Haematologica 2017;102:Abstract S150.
8.Johnson P,Federico M,Kirkwood A,et al.Adapted Treatment Guided by Interim PET-CT Scan in Advanced Hodgkin’s Lymphoma.N Engl J Med 2016;374:2419-29.
9.Borchmann P,Eichenauer DA,Pluetschow A,et al.Targeted Beacopp Variants in Patients with Newly Diagnosed Advanced Stage Classical Hodgkin Lymphoma:Final Analysis of a Randomized Phase II Study.Presented at the 57th Annual Meeting of the American Society of Hematology,Orlando,FL,December 5-8,2015.Blood 2015;126.
10.Schwab U,Stein H,Gerdes J,et al.Production of a monoclonal antibody specific for Hodgkin and Sternberg-Reed cells of Hodgkin’s disease and a subset of normal lymphoid cells.Nature 1982;299:65-7.
11.ADCETRIS(登録商標)(brentuximab vedotin) US Prescribing Information.Available at:http://www.seattlegenetics.com/application/files/9414/7621/9892/adcetris_USPI.pdf[Last accessed 10 August 2017].
12.ADCETRIS(登録商標)(brentuximab vedotin) EU Summary of Product Characteristics.Available at:http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/002455/WC500135055.pdf[Last accessed 10 August 2017].
13.Younes A,Connors JM,Park SI,et al.Brentuximab vedotin combined with ABVD or AVD for patients with newly diagnosed Hodgkin’s lymphoma:a phase 1,open-label,dose-escalation study.Lancet Oncol 2013;14:1348-56.
14.Connors JM,Ansell SM,Fanale M,Park SI,Younes A.Five-year follow-up of brentuximab vedotin combined with ABVD or AVD for advanced stage classical Hodgkin lymphoma.Blood 2017.
15.Hasenclever D,Diehl V.A prognostic score for advanced Hodgkin’s disease.International Prognostic Factors Project on Advanced Hodgkin’s Disease.N Engl J Med 1998;339:1506-14.
16.Meignan M,Gallamini A,Haioun C,Polliack A.Report on the Second International Workshop on interim positron emission tomography in lymphoma held in Menton,France,8-9 April 2010.Leuk Lymphoma 2010;51:2171-80.
17.Fauci AS,Braunwauld E,Kasper DL,et al.Ann Arbor Staging System for Hodgkin’s Disease.Harrison’s Manual of Medicine.17th ed.New York,NY:McGraw-Hill;2009.
18.Campo E,Swerdlow SH,Harris NL,Pileri S,Stein H,Jaffe ES.The 2008 WHO classification of lymphoid neoplasms and beyond:evolving concepts and practical applications.Blood 2011;117:5019-32.
19.Oken MM,Creech RH,Tormey DC,et al.Toxicity and response criteria of the Eastern Cooperative Oncology Group.Am J Clin Oncol 1982;5:649-55.
20.Cheson BD,Pfistner B,Juweid ME,et al.Revised response criteria for malignant lymphoma.J Clin Oncol 2007;25:579-86.
21.Barnes JA,LaCasce AS,Zukotynski K,et al.End-of-treatment but not interim PET scan predicts outcome in nonbulky limited-stage Hodgkin’s lymphoma.Ann Oncol 2011;22:910-5.
22.Engert A,Haverkamp H,Kobe C,et al.Reduced-intensity chemotherapy and PET-guided radiotherapy in patients with advanced stage Hodgkin’s lymphoma(HD15 trial):a randomised,open-label,phase 3 non-inferiority trial.Lancet 2012;379:1791-9.
23.Spaepen K,Stroobants S,Dupont P,et al.Can positron emission tomography with[(18)F]-fluorodeoxyglucose after first-line treatment distinguish Hodgkin’s disease patients who need additional therapy from others in whom additional therapy would mean avoidable toxicity? Br J Haematol 2001;115:272-8.
24.Engert A,Ballova V,Haverkamp H,et al.Hodgkin’s lymphoma in elderly patients:a comprehensive retrospective analysis from the German Hodgkin’s Study Group.J Clin Oncol 2005;23:5052-60.
25.Shenoy P,Maggioncalda A,Malik N,Flowers CR.Incidence patterns and outcomes for Hodgkin lymphoma patients in the United States.Adv Hematol 2011;2011:725219.
26.Matasar MJ,Ford JS,Riedel ER,Salz T,Oeffinger KC,Straus DJ.Late morbidity and mortality in patients with Hodgkin’s lymphoma treated during adulthood.J Natl Cancer Inst 2015;107.
27.Ng AK,van Leeuwen FE.Hodgkin lymphoma:Late effects of treatment and guidelines for surveillance.Semin Hematol 2016;53:209-15.