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▶ スミス メディカル エーエスディー, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162167
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ保持装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20231031BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
A61M25/06 550
A61M25/06 554
A61M25/09
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】書面
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023120483
(22)【出願日】2023-07-25
(62)【分割の表示】P 2020545522の分割
【原出願日】2019-02-26
(31)【優先権主張番号】62/637,317
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/648,522
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/942,217
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507268097
【氏名又は名称】スミス メディカル エーエスディー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SMITHS MEDICAL ASD, INC.
【住所又は居所原語表記】6000 Nathan Lane North,Plymouth,MN 55442,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【弁理士】
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】ビアマン,スティーブン エフ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガイドワイヤと相互固定または係合するための構造を含む装置を提供する。
【解決手段】装置は、ハブ38を有する拡張器と細長い本体36とを含む。ロック機構30は、ガイドワイヤ28が拡張器の遠位端から前進可能な距離を制限するように構成される。ガイドワイヤは、細長い拡張器本体36を通して受容可能なガイドワイヤ止めを有する。ガイドワイヤ・ロック30は、係合状態と非係合状態との間で移動可能であり、ガイドワイヤ・ロックがガイドワイヤと相互作用する係合状態に向かって付勢される少なくとも一つの部材を有する。ロック機構及び拡張器は、開口部が貫通するロック機構の部分の少なくとも一部にガイドワイヤ止めが当接した状態で、ガイドワイヤ30を拡張器に対して近位方向に軸方向に移動させることにより、ロック機構28を拡張器から取り外すことができるように構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内空間内に医療用品を配置するためのアクセス装置であって、
前記アクセス装置は、
ハブと、前記ハブから伸びる細長い拡張器本体とを有する拡張器と、
細長い拡張器本体内を摺動するように構成され、ガイドワイヤ止めを有し、ガイドワイヤ止めは、前記細長い拡張器本体を通って受容可能であり、前記ガイドワイヤ止めは、ガイドワイヤの隣接するセクションに対して相対的に前記ガイドワイヤの断面積を拡大する形状を有する前記ガイドワイヤと、
前記拡張器が前記ガイドワイヤ上に通される前に前記拡張器と取り外し可能に係合するとともに前記拡張器によって支持されるロック機構であって、前記ロック機構は、ガイドワイヤロックと、それを貫通する開口部を有する部分とを含み、前記開口部は、前記ガイドワイヤを受容し、前記ガイドワイヤ止めが前記開口部を通過するのを阻止するように構成されたサイズおよび形状を有し、前記ロック機構は、少なくとも前記拡張器が前記ガイドワイヤ上に通されるときに前記ガイドワイヤロックと前記ガイドワイヤとの間の相互作用によって前記ガイドワイヤと相互固定するように構成され、前記ガイドワイヤロックは、前記ガイドワイヤロックが前記ガイドワイヤと相互作用する係合状態と非係合状態との間で移動可能であり、かつ前記係合状態に向かって付勢される少なくとも1つの部材を有し、前記ロック機構及び前記拡張器は、更に、前記開口部が貫通する前記ロック機構の部分の少なくとも一部に当接する前記ガイドワイヤ止めとともに、前記ガイドワイヤを前記拡張器に対して近位方向に軸線方向に移動させることにより、前記ロック機構を前記拡張器から取り外すことができるように構成される、前記ロック機構と
を備える。
【請求項2】
前記拡張器は、前記ロック機構が全体的に遠位方向に前記拡張器を通過することを阻止するように、前記ロック機構に対する相対的なサイズ及び形状を有する、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項3】
前記拡張器は、前記ロック機構を受容する収容部を含み、前記収容部は、前記ロック機構が前記拡張器に対して相対的に前記遠位方向に移動することを阻止するように構成された当接面を含む、請求項2に記載のアクセス装置。
【請求項4】
前記ガイドワイヤ止めは、前記ガイドワイヤ内に配置された外向き突出部である、請求項1から3のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項5】
前記溝は環状である、請求項4に記載のアクセス装置。
【請求項6】
前記ガイドワイヤは、少なくともその長さの一部に沿って先細りになっており、前記一部はガイドワイヤ止めに配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項7】
前記ロック機構は、前記拡張器の少なくとも一部の近位側の位置で前記ガイドワイヤと相互固定する、請求項1から7のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項8】
前記ガイドワイヤロックは、前記ガイドワイヤ止めが、前記開口部が貫通する前記ロック機構の部分の少なくとも一部と接触し、前記ガイドワイヤロックが前記ガイドワイヤと相互固定するまで、前記ガイドワイヤが前記ロック機構を通って前記ロック機構に対して相対的に近位方向に移動することを可能にするサイズおよび形状を有する、請求項7に記載のアクセス装置。
【請求項9】
前記ガイドワイヤロックの前記少なくとも1つの部材は、前記ガイドワイヤと相互固定するように構成された1つ以上のタブを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項10】
前記ロック機構は、金属を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項11】
前記ロック機構は、プラスチックを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項12】
前記ロック機構は、環状形状を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項13】
前記ロック機構は、側面視でV字形状を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項14】
シースをさらに含み、前記シースは、前記拡張器の周囲に配置される、請求項1から13のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項15】
前記ロック機構は、前記ハブ内に配置される、請求項1から14のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項16】
前記ロック機構は、シースを含み、前記シースは、前記拡張器が前記ガイドワイヤ上に通される前に、前記拡張器の前記ハブの少なくとも一部に配置されるように構成され、前記シースは、更に、前記ロック機構が前記ガイドワイヤと相互固定する間に、前記ガイドワイヤ止めの少なくとも一部を囲むように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項17】
前記拡張器の前記ハブは、前記ロック機構が前記拡張器から取り外される前に、前記少なくとも1つの部材が前記非係合状態になるように、前記ロック機構の前記少なくとも1つの部材と取り外し可能に係合するように構成された少なくとも1つの突起を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項18】
前記開口部を有する前記ロック機構の前記部分は、前記開口部を通る前記ガイドワイヤの通過を容易にするために面取りされている、請求項1から17のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項19】
体内空間内に医療用品を配置するためのアクセス装置であって、
前記アクセス装置は、
ガイドワイヤ止めを有し、前記ガイドワイヤ止めは、ガイドワイヤの隣接するセクションに対して相対的に前記ガイドワイヤの断面積を拡大する形状を有する、ガイドワイヤと、
前記ガイドワイヤの周りに同軸的に配置されるように構成された拡張器と、
前記拡張器が前記ガイドワイヤの周りに同軸的に配置される前に、前記拡張器に取り外し可能に係合されるロック機構であって、前記ロック機構は、前記ガイドワイヤを受容し、前記ガイドワイヤ止めが開口部を通過することを阻止するように構成された大きさ及び形状の前記開口部を有する部分を含み、前記ロック機構は、ロック解除状態からロック状態に移動するように構成され、前記ロック機構は、前記ガイドワイヤが前記ロック機構を介して前記拡張器に対して相対的に近位方向および遠位方向に軸線方向へ移動することを可能にするように前記ロック機構が前記ロック解除状態にあるときに前記ガイドワイヤから前記ロック機構が解除され、前記ロック機構は、前記拡張器の少なくとも一部に対して相対的に前記ガイドワイヤの部分が前記遠位方向への少なくとも軸線方向への移動することを制限するように前記ロック機構がロック状態にあるときに前記ガイドワイヤと係合され、前記ロック機構及び前記拡張器は、更に、前記開口部が貫通する前記ロック機構の部分の少なくとも一部に当接する前記ガイドワイヤ止めとともに、前記ガイドワイヤを前記拡張器に対して近位方向に軸線方向に移動させることにより、前記ロック機構を前記拡張器から取り外すことができるように構成される、前記ロック機構と
を備える。
【請求項20】
前記ガイドワイヤの前記部分の前記遠位方向への少なくとも軸線方向への移動は、前記ロック機構と前記拡張器との間の接触によって阻止される、請求項19に記載のアクセス装置。
【請求項21】
前記ガイドワイヤ止めは、前記拡張器を介して受容可能である、請求項19から20のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項22】
前記拡張器は、前記ロック機構が全体的に遠位方向に前記拡張器を通過することを阻止するように、前記ロック機構に対する相対的なサイズおよび形状を有する、請求項19から21のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項23】
前記ガイドワイヤ止めは、前記ガイドワイヤ内に配置された外向き突出部である、請求項19から22のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項24】
前記ロック機構は、前記拡張器の少なくとも一部の近位側の位置で前記ガイドワイヤと係合する、請求項19から23のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項25】
前記ロック機構は、前記ガイドワイヤと係合するように構成されたガイドワイヤロックを備える、請求項19から24のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項26】
前記ロック機構は、少なくとも前記拡張器が前記ガイドワイヤ上に通されたときに、前記ガイドワイヤロックと前記ガイドワイヤとの間の係合によって前記ガイドワイヤと相互固定するように構成され、前記ガイドワイヤロックは、前記ガイドワイヤロックが前記ガイドワイヤと係合する前記ロック状態と前記ロック解除状態との間で移動可能であり、前記ロック状態に向かって付勢される少なくとも一つの部材を有する、請求項25に記載のアクセス装置。
【請求項27】
前記ロック機構は、環状形状を有する、請求項19から26のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項28】
前記ロック機構は、側面視でV字形状を有する、請求項19から26のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項29】
前記ロック機構は、シースを備え、前記シースは、前記ロック機構が前記ロック解除状態にあるときに前記拡張器のハブの少なくとも一部に配置されるように構成され、前記シースは、更に、前記ロック機構が前記ロック状態にあるときに前記ガイドワイヤ止めの少なくとも一部を囲むように構成される、請求項19から28のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【請求項30】
前記ロック機構は、
前記ガイドワイヤの少なくとも一部を受け入れるように構成された内部空洞を画定する外壁と、
内部空洞内に少なくとも部分的に配置されるように構成されたロック要素とを備え、
前記ロック機構は、前記ロック機構が前記ロック解除状態にあるときに前記拡張器のハブ内に位置するように構成され、前記ロック要素は、前記ロック機構が前記ロック状態にあるときに前記ガイドワイヤ止めの少なくとも一部と係合するようにさらに構成される、請求項19から29のいずれか一項に記載のアクセス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
2018年3月1日に出願された米国仮特許出願第62/637,317号;2018年3月27日に出願された米国仮特許出願第62/648,522号;および2018年3月30日に出願された米国特許出願第15/942,217号は、その全体の内容が参照により本明細書に組み込まれ、本開示の一部を成す。前述の仮特許出願の任意の実施形態において説明および/または図示されるいかなる特徴、構造、材料、方法、またはステップは、本明細書の以下の段落で説明、および/または添付の図面に図示されるいかなる特徴、構造、材料、方法、またはステップと共に、またはその代わりに使用することができる。
【0002】
本開示は、一般的に、例えば、動脈、静脈、血管、体腔、またはドレナージ部位などの体内空間に医療用品(例えば、カテーテル、カニューレ、シース等。)を導入および/または送達するためのアクセス装置、より具体的には、ガイドワイヤと相互固定または係合するための構造を含む装置を対象とする。
【背景技術】
【0003】
カテーテルまたは血管シースを血管に挿入するための好ましい非外科的方法は、患者の血管に挿入されるアクセス針を含む、セルジンガー法及び改良セルジンガー法の使用を含む。ガイドワイヤは針を介して血管内に挿入される。針を除去した後、拡張器とシースが一緒にまたは別々にガイドワイヤ上で挿入される。次いで、拡張器およびシースは、一緒にまたは別々に、組織を介して血管内に短い距離挿入され、その後、拡張器およびガイドワイヤは除去され、廃棄される。次いで、カテーテルまたは他の医療用品をシースを介して血管内の所望の位置まで挿入されてもよく、またはシースは単に血管内に留置されてもよい。
【0004】
上記の技術は、ガイドワイヤ全部の交換を必要とし、これは、カニューレを失ったり、ガイドワイヤを失ったり、また汚染のリスクを示している。全体的な技術は、患者に対する医療用品およびガイドワイヤの時間のかかるリスクのある移動である。したがって、より使いやすく、より安全な血管アクセス装置、特に、有線による血管アクセスによる偶発的な塞栓および他の付随するリスクを低減するものに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載されるアクセス装置は、脈管構造内に医療装置を安全に配置するための改善された機構を有利に提供する。本開示の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴を簡単に説明する。この説明を考慮した後、特に、以下の好ましい実施形態の詳細な説明のセクションをこのセクションと組み合わせて読んだ後、これらの実施形態の特徴および態様が、従来のアクセス装置を超えるいくつかの利点をどのように提供するかを理解するであろう。
【0006】
一つの態様として、体内空間内に医療用品を配置するためのアクセス装置がある。アクセス装置は、ハブを有する拡張器と、ハブから延びる細長い拡張器本体とを含む。アクセス装置は、拡張器本体にスライドするように構成され、ガイドワイヤ止めを有するガイドワイヤをさらに含む。アクセス装置は、拡張器によって支持され、ガイドワイヤ・ロックを有するロック機構をさらに含む。ロック機構は、少なくとも拡張器がガイドワイヤ上に通され、ガイドワイヤのロックがガイドワイヤ止めと軸方向に一列に整列したときにガイドワイヤと相互固定するように構成されている。
【0007】
別の態様として、体内空間に医療用品を配置するためのアクセス装置がある。アクセス装置は、ガイドワイヤ止めを有するガイドワイヤと、ガイドワイヤの周りに同軸に配置されるように構成された拡張器とを含む。アクセス装置は、拡張器上に配置され、アンロック状態からロック状態に移行するように構成されたロック機構をさらに含む。ロック機構は、ロック機構がロック解除状態にあるとき、ガイドワイヤがロック機構を介して近位方向および遠位方向に軸方向移動できるようにガイドウェアから切り離される。ロック機構は、拡張器の少なくとも一部に対応する遠位方向にガイドワイヤの一部の少なくとも軸方向移動を制限するように、ロック機構がロック状態にあるときにガイドワイヤに係合する。
【0008】
さらに別の態様として、ガイドワイヤが拡張器の遠位端から患者の体内に前進させることができる距離を制限する方法がある。この方法は、内部ボアを有する針で患者の身体を穿刺し、内部ボアを通して患者の体内にガイドワイヤをスライドさせ、患者の身体から針を除去することを含む。この方法はさらに、拡張器をガイドワイヤ上および患者の体内に通すことを含む。拡張器は、ガイドワイヤを受け、ガイドワイヤと相互固定して、ガイドワイヤの少なくとも一部と拡張器の少なくとも一部との間の一方向における少なくとも相対的な軸方向移動を阻止するように構成されたロック機構を含む。
【0009】
ロック機構は、ガイドワイヤが不注意に患者の中に入りすぎて、血管内にガイドワイヤを喪失したり塞栓を形成したりすることがないように、ガイドワイヤの少なくとも1つの領域に接続するアタッチメントを含んでもよい。
【0010】
ロック機構は、前進時に針の先端を超える最大ガイドワイヤ長を維持するように構成することができる。ロック機構は、ガイドワイヤを患者の体内に置き忘れたり紛失したりしないように、ガイドワイヤをアクセス装置に保持するように構成することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、ロック機構(調整可能なもの)は、ガイドワイヤが針に対して移動(例えば、前進)できる範囲を制限する。いくつかのモードでは、溝または凹部をガイドワイヤの近位領域に配置して、近位領域がロック機構から外れて患者に入るのを阻止することができる。他のモードでは、溝または凹部をガイドワイヤに沿った他の位置に配置して、針の先端から前進させることができるガイドワイヤの長さを調節するのを助けることができる。好ましくは、ガイドワイヤとロック機構との間に相互作用(例えば、干渉、かみ合い、摩擦、機械的連結、接着など)が存在して、これらの構成要素間の相対移動を阻止する。
【0012】
本発明のこれらおよび他の態様は、添付図面を参照する好ましい実施形態の以下の詳細な説明から当業者にとって容易に明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に開示されるアクセス装置のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、本発明を説明することを意図し、本発明を限定することを意図しない種々の実施形態の図面を参照して以下に説明される。さらに、図から図へと、図示された実施形態の同じ構成要素を示すために同じ参照番号が使用されている。以下、各図面について簡単に説明する。
【0014】
図1図1は、シースと同軸に整列された拡張器を含むアクセス装置の実施形態の斜視図である。ガイドワイヤも示されている。
【0015】
図2A図2Aは、図1のガイドワイヤの患者への挿入を容易にするために用いることができる針の側面図である。
【0016】
図2B図2Bは、線2B-2Bに沿った図2Aの針の側断面図である。
【0017】
図3A図3Aは、図1のアクセス装置の拡張器の平面図であり、ロック機構を含む。
【0018】
図3B図3Bは、図3Aの拡張器の線3B-3Bに沿った側断面図である。
【0019】
図4A図4Aは、線4A-4Aで囲まれた図3Aの拡張器の一部の拡大図である。拡張器は、ロック機構を受容するように構成された収容部を含む。
【0020】
図4B図4Bは、図4Cの線4B-4Bに沿った図4Aの拡張器の断面図ある。
【0021】
図4C図4Cは、図4Aの拡張器の遠位方向に見た端面図である。
【0022】
図5A図5Aは、図1のアクセス装置のシースの近位端面図である。
【0023】
図5B図5Bは、図5Aのシースの側面図である。
【0024】
図6図6は、アクセス装置がガイドワイヤ上に通された後の図1のアクセス装置の断面図である。
【0025】
図7A図7Aは、図1に示されたガイドワイヤの実施形態の近位領域の図であり、ガイドワイヤに固定するためにロック機構によって使用されるように構成されたガイドワイヤ止めを示す。
【0026】
図7B図7Bは、図1に示されたガイドワイヤの別の実施形態の近位領域の図であり、ガイドワイヤに固定するためにロック機構によって使用されるように構成されたガイドワイヤ止めを示す。
【0027】
図8図8は、拡張器から取り外された図4Aのロック機構の正面斜視図である。
【0028】
図9図9は、図8からのロック機構の背面斜視図である。
【0029】
図10図10は、開状態の図8のロック機構の正面斜視図であり、拡張器およびシースがガイドワイヤ上に通されるときにガイドワイヤがロック機構を通過できるようにする。
【0030】
図11図11は、ロック機構がガイドワイヤ上のガイドワイヤ停止部と相互固定するまで、拡張器およびシースがさらにガイドワイヤ上に通される閉状態における図10のロック機構の背面斜視図である。
【0031】
図11A図11Aは、ガイドワイヤ上の図7Aのガイドワイヤ止めと相互固定している図11のロック機構の拡大部分側面図である。
【0032】
図11B図11Bは、ガイドワイヤ上の図7Bのガイドワイヤ止めと相互固定している図11のロック機構の拡大部分側面図である。
【0033】
図12A図12Aは、身体を貫通する図2Aの針の側断面図である。
【0034】
図12B図12Bは、線12B-12Bで囲まれた図12Aの針の遠位端の拡大側面断面図である。
【0035】
図13A図13Aは、針が脈管構造を貫通した図12Aの針の側断面図である。
【0036】
図13B図13Bは、線13B-13Bで囲まれた図13Aの針の遠位端の拡大側面断面図である。
【0037】
図14図14は、図13Aの針の側断面図であり、ガイドワイヤが針通って患者の脈管構造内に入っている。
【0038】
図15図15は、ガイドワイヤが患者の脈管構造内に延びている図14の針の側断面図である。
【0039】
図16A図16Aは、図1の拡張器およびシースの側断面図であり、拡張器のロック機構がガイドワイヤ止めと相互固定するまで、図15のガイドワイヤの外側部分に沿ってスライドされている。
【0040】
図16B図16Bは、線16B-16Bで囲まれた図16Aからの拡張器およびシースの一部の拡大側面断面図である。
【0041】
図16C図16Cは、図16Bに類似した拡張器およびシースの一部の拡大側面断面図であり、ここで、ロック機構の向きは反対になっている。
【0042】
図17図17は、図16Aの拡張器およびシースの側断面図であり、拡張器およびシースは、ガイドワイヤの外側部分に沿って患者の脈管構造内にさらにスライドされ、拡張器はロック機構から離間される。
【0043】
図18図18は、ガイドワイヤと、相互固定されたロック機構とが拡張器およびシースから引き出された、図17の拡張器およびシースの側断面図である。
【0044】
図19図19は、拡張器が患者およびシースから引き出された図18の拡張器およびシースの側断面図である。
【0045】
図20図20は、カテーテルを患者の脈管構造に挿入するためにシースと位置合わせする図19のシースの側断面図である。
【0046】
図21図21は、カテーテルがシースを通して患者の脈管構造に挿入された図20のシースの側断面図である。
【0047】
図22図22は、カテーテルを取り囲むシースを除去するために、シースの二つの部分が互いに剥離されている図21のシースの側断面図である。
【0048】
図23A図23Aは、ロック機構の一実施形態の正面図である。
【0049】
図23B図23Bは、図23Aのロック機構の背面図である。
【0050】
図23C図23Cは、線23C-23Cに沿った図23Aのロックの側断面図である。
【0051】
図24A図24Aは、ロック機構にガイドワイヤが挿入された図23Aのロック機構の側断面図である。
【0052】
図24B図24Bは、ガイドワイヤと相互固定する図24Aのロック機構の側断面図である。
【0053】
図25A図25Aは、ロック機構の一実施形態の正面図である。
【0054】
図25B図25Bは、線25B-25Bに沿った図25Aのロックの側断面図である。
【0055】
図26A図26Aは、図25Aのガイドワイヤがロック機構を通して挿入される拡張器に接着されているロック機構の側断面図である。
【0056】
図26B図26Bは、ガイドワイヤと相互固定する図25Aのロック機構の側断面図である。
【0057】
図27A図27Aは、拡張器と係合し、ロック機構を通して挿入されるガイドワイヤを有する、ロック機構の実施形態の側断面図である。
【0058】
図27B図27Bは、ガイドワイヤと相互固定する図27Aのロック機構の側断面図である。
【0059】
図28A図28Aは、ロック機構の一実施形態の正面図である。
【0060】
図28B図28Bは、図28Aのロック機構の背面図である。
【0061】
図28C図28Cは、線28C-28Cに沿った図28Aのロックの側断面図である。
【0062】
図29A図29Aは、拡張器内に配置され、ロック機構を通して挿入されたガイドワイヤを有する図28Aのロック機構の側断面図である。
【0063】
図29B図29Bは、ガイドワイヤと相互固定する図29Aのロック機構の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本開示は、医療用品(例えば、カテーテルまたはシース)を血管またはドレナージ部位に搬送するためのアクセス装置を提供する。図1は、本明細書で議論される実施形態に従って血管(例えば、静脈または動脈)に挿入されるように構成されるアクセス装置20を示す。アクセス装置がこれに関連して(すなわち、血管アクセスのために)以下に述べられる一方、アクセス装置はまた、医療用品(例えば、カテーテルまたはシース)にアクセスし患者の体内の他の場所(例えば、ドレナージ部位)に配置するために、また他の目的(例えば、膿瘍の排膿)のためにも使用することができる。
【0065】
アクセス装置は、いくつかの実施形態において、例示的な単一ピースの管状医療用品を患者の体内空間内に配置する状況で開示される。一度配置されると、次いで、管状用品は、体内空間へのアクセスを提供すべく他の医療用品(例えば、カテーテル、ガイドワイヤ等)を受容するために使用され得、および/または体液を体内空間に導入または体液を体内空間から除去する(例:ドレーニング)通路を提供するために使用され得る。図示された実施形態に示されるように、管状医療用品は、静脈への流路を第一に提供するように構成されたシースまたはカテーテルであり得る。しかしながら、本開示は、単一のシースまたはカテーテルの配置に限定されると解釈されるべきではなく、またシースまたはカテーテルを介した医療用品のその後の挿入に限定されると解釈されるべきではない。代わりに、本開示に照らして、本明細書に開示されたアクセス装置は、他のタイプのシース、体液を排出および送達するチューブ、ならびに単一またはマルチルーメンカテーテルを含む、1つまたは複数の他のタイプの医療用品を患者に直接、または他の医療用品を介して間接的に配置することに関連して、首尾よく利用され得ることが、当業者によって理解されよう。
【0066】
例えば、限定するものではないが、本明細書に開示されたアクセス装置は、中心静脈カテーテル、末梢挿入中央カテーテル、血液透析カテーテル、外科用ドレナージチューブ、引き裂きシース、マルチピースシース、スコープ、ならびに外部または埋込電子装置またはセンサに接続されたワイヤまたはケーブルのための電気導管を直接的または間接的に配置するように構成することができる。本明細書に列挙された医療用品は、アクセス装置の拡張器およびガイドワイヤを介して患者内に直接配置されてもよく、またはその後、アクセス装置の拡張器およびガイドワイヤを介して患者内に配置された医療用品を介して患者内に配置されてもよい。
【0067】
本明細書に開示される実施形態は、単一の医療用品の同軸挿入に限定されない。例えば、2つのカテーテルが、挿入されたシースを介して患者に挿入されてもよく、または第2のカテーテルが、挿入された第1のカテーテルを介して患者に挿入されてもよい。場合によっては、拡張器およびガイドワイヤを介して挿入された医療用品は、その後に挿入される医療用品のルーメンに加えて、ルーメンを形成することができる。
当業者はまた、本明細書に開示された装置およびシステムに更なる用途を見出すことができる。したがって、シース(例えば、微小穿刺用途の場合)に関連するアクセス装置の図示および説明は、アクセス装置の一つの可能な用途の単なる例示である。
【0068】
図1は、シース26と同軸に整列された拡張器24を含むアクセス装置20の実施形態の斜視図である。ガイドワイヤ28も示されている。図1に示されるアクセス装置20の構成要素は、拡張器24およびシース26を含む。図示された実施形態では、アクセス装置20はガイドワイヤ28も含む。シース26は、拡張器24上に同軸に取り付けることができる。アクセス装置の構成要素の伸縮性は、構成要素をその軸が同軸上ではなく実質的に平行に配置されるように配置することによっても達成することができる(例えば、モノレールタイプの設計)。
【0069】
これらの構成要素の各々は、末端または移行部(例えばハブ)における管腔フィッティングと、フィッティングから延びる細長い構造とを含む。したがって、図示された実施形態では、拡張器24は、拡張器ハブ38から遠位に延びる拡張器シャフト36を含み、シース26は、シースハブ42から遠位に延びるシース本体40を含む。特定の実施形態では、ガイドワイヤ28は、ガイドワイヤハブ又はキャップを含む。
【0070】
図3B-4Cを参照すると、アクセス装置20は、ストッパまたはロック機構30をさらに含む。ロック機構30は、ロック機構30とガイドワイヤおよび/またはアクセス装置20の一つ以上の他の構成要素との間の一つ以上の相互固定または相互接続を提供する。特定の実施形態では、ロック機構30は、ロック機構30とガイドワイヤ28との間に第一の相互固定を提供する。特定の実施形態では、ロック機構30は、ロック機構30とアクセス装置20の別の構成要素との間に第二の相互固定をさらに提供する。例えば、特定の実装形態では、ロック機構30の第一および第二の相互固定は、それぞれガイドワイヤ28および拡張器24と係合することができる。ロック機構30は、第一及び第二の相互固定の両方を含む必要はない。特定の実施形態では、ロック機構30は、アクセス装置20の別の構成要素にさらにロックする。例えば、ロック機構30は、シース26にロックするための相互固定を含むことができる。
【0071】
「相互固定」という語句は、アクセス装置20の構成要素に関連するロック機構30の少なくとも一方向への移動を阻止するロック機構30の特徴を意味する。相互固定は、相互作用(例えば、干渉、係合、摩擦、機械的結合、機械的相互接続、機械的相互作用、接着など)である場合がある。特定の実施形態では、例えば、そのような特徴は、タブ、ティース、溝などのロック機構30の一つ以上の構造、ならびにロック機構30自体のサイズまたは形状を含む。例えば、ロック機構30の外側部分は、アクセス装置20の構成要素の内側表面に対するロック機構30の移動を、外側部分と内側表面との間の接触を介して阻止するようなサイズ及び形状にすることができる。
【0072】
ロック機構30は、ガイドワイヤ28の近位部分が拡張器24を通って過度に前進することを阻止するように構成される。ガイドワイヤ28を拡張器24の近位端を越えて前進させると、血管内にガイドワイヤを喪失する可能性の危険がある。さらに、ガイドワイヤ28が拡張器24の近位端を越えて前進していない場合であっても、拡張器24がシース26から引き出されると、流れている血液と血管壁に挿入されたガイドワイヤ28の一部との間に生じる摩擦によってガイドワイヤ28が血管系内に引き込まれる危険性がある。特定の実施形態では、ロック機構30は、ガイドワイヤ28をアクセス装置20から拡張器24と一般的に同時に引き出すことを可能にする。
【0073】
特定の実施形態では、前進したガイドワイヤ28が拡張器24内に引き戻されるのを阻止する。例えば、ロック機構30とガイドワイヤ28との間の相互固定は、拡張器24に対するガイドワイヤ28の近位および/または遠位の移動を抑制することができる。このような構成は、ガイドワイヤ28の遠位端が破断し、ガイドワイヤ28の遠位端が脈管構造に入るリスクを低減することができる。
【0074】
図2Aは、図1のガイドワイヤ28の患者への挿入を容易にするために用いることができる針22の側面図である。図2Bは、線2B-2Bに沿った図2Aで説明された実施形態の針22の側断面図である。針22は、針本体32と針ハブ34とを含む。図2Bに最もよく示されているように、針ハブ34は、針本体32の近位端に配置される。針本体32は、針22の遠位部分48の近くの遠位端で終端し、針ハブ34は、針22の近位部分50に位置する。
【0075】
針本体32は、好ましくは、円形の一定直径の内部ボア54及び円形の一定直径の外部表面を有する細長い管状の形状を有する。
しかし、他の実施形態では、針本体32は、他のボア及び外部形状(例えば、限定されるものではないが、楕円形の断面形状)を有することができる。針22の内部または外部はまた、溝または導管を含むことができる。溝または導管は、針22の周囲または特定の構造へ、あるいは針22(例えば、ガイドワイヤ28の周囲)へ、体液をを導くことができる。いくつかの実施態様において、溝又は導管は、針22の拡張器24に対する所望の方向を維持するのを助けることができる。
【0076】
針本体32は、目標とする皮下体内空間にアクセスするのに十分な長さを有し、体内空間にアクセス際、過度の外傷を引き起こすことなく挿入力に耐えるのに十分なゲージサイズを有する。多くの用途では、針本体32は、3~20cm(例えば3~10cmの間)の長さを有することができる。例えば、成人の胸部における体内空間(例えば血管)にアクセスするために、針本体32は、好ましくは7cm以上の長さを有し、より好ましくは9cm以上の長さを有し、最も好ましくは9cmから10cmの長さを有する。針22の太さは、18ゲージ以下(例えば、微小穿刺用途(末梢静脈)では18~28ゲージ間または18―26ゲージ間)であることが好ましい。新生児に適用する場合には、針本体32の長さ及びゲージは、著しく短くかつ小さくなければならず、例えば、3~4cm及び26~28ゲージである。針本体32は、先端部48に配置されたベベル先端部52を有することができる。
【0077】
以下により詳細に説明するように、ガイドワイヤ28は、針ハブ34の中空部68を通り、針本体32を通り、穿刺された血管内に導かれる。針22を患者から除去した後、残ったガイドワイヤ28は、医療提供者が拡張器24およびシース26を血管内に導くことを可能にする。
【0078】
図3Aは、図1のアクセス装置20の拡張器24の平面図であり、ロック機構30を含む。図3Bは、図3Aの線3B-3Bに沿った側断面図である。図示された拡張器24は、拡張器シャフト36、拡張器ハブ38、遠位領域70、および近位領域72を含む。
【0079】
図4Aは、線4A-4Aで囲まれた図4Aに示される拡張器24の一部分の拡大図である。拡張器24は、収容部74を含む。特定の実施形態では、収容部は、ロック機構30を受容するように構成される。しかしながら、ロック機構30は、拡張器24内に存在する必要はない。特定の実施形態では、ロック機構30は、ガイドワイヤ28がロック機構30を貫通している限り、拡張器24の上部または拡張器24の外側にある。
【0080】
特定の実施形態では、収容部74は、ロック機構30が拡張器ハブ38内に収容されることを可能にするような寸法サイズ及び形状を有する。ロック機構30は、ガイドワイヤ28と相互固定した後、収容部74から取り外される。
【0081】
ロック機構30は、拡張器ハブ38がガイドワイヤ28に沿ってそれぞれ近位方向または遠位方向に摺動されるときに、ロック機構30が収容部74の中または外に移動できるように、拡張器ハブ38の少なくとも一部と取り外し可能に係合することができる。例えば、ロック機構30は、任意の適切な相互作用(例えば、干渉、かみ合い、摩擦、機械的連結、接着など)を介して収容部74内に取り外し可能に保持することができる。特定の実施形態では、ロック機構30がガイドワイヤ28と相互固定し、次いで収容部74の表面に当接すると、ガイドワイヤ28の拡張器24に対するさらなる遠位移動が防止される。このような実施形態では、ロック機構30は、ガイドワイヤ28と相互固定して、ガイドワイヤ28の取り外し中にガイドワイヤ28とロック機構30が一体となって移動する。いくつかの実施形態では、一旦ロック機構30がガイドワイヤ28と相互固定すると、拡張器24に対するガイドワイヤ28のさらなる近位移動は、ロック機構30を収容部74に取り外し可能に保持する相互作用力に打ち勝つのに十分であり得る。例えば、ロック機構30は、ロック機構30がガイドワイヤ28に係合した後、ガイドワイヤ28を拡張器24に対して近位方向に移動させるために継続的な引っ張り力を加えることによって、収容部74から取り外されてもよい。特定の実施形態では、収容部74の底面58のような一つ以上の壁は、ロック機構30の収容部74に対する遠位移動を防止する。
【0082】
図4Bは、図4Cの線4B-4Bに沿った図4Aの拡張器24の断面図である。図4Cは、図4Aの拡張器24の遠位方向に見た端面図である。
【0083】
拡張器ハブ38は、拡張器24の近位領域72および遠位領域70にロック構造を含むことができる。各ロック構造は、ルアータイプまたは他のタイプの接続であってもよい。図示された実施形態では、拡張器ハブ38は、ルアー接続部78を備える。いくつかの実施形態では、ルアー接続部78(例えば、雄型ルアースリップコネクタ)は、図5Bに示されるように、シース26上でシースハブ42(例えば、雌型ルアースリップコネクタ)に係合するように構成することができる。加えて、これらの構成要素上の雄雌ルアースリップコネクタを逆にすることができる。
【0084】
拡張器24の色は、血液または他の体液と拡張器24との間のコントラストを高めるように選択することができる。例えば、血流中に、拡張器24とシース26との間を流れる血液を観察して、血管内での適切な配置を確認する。体液がシース26と拡張器24との間を流れるときの体液の視認性を高めるために、シース26は、好ましくは、透明または透明素材から製造され、拡張器24は、体液の色と対照的な色を有する。例えば、拡張器24は、赤色血液とのコントラストを高めるために白色とすることができる。体液の色および所望のコントラストの程度に応じて、拡張器24の他の色を使用することができる。さらに、血流の領域内の拡張器24の一部のみが、異なる色を有する残りと対照的な色を有することができる。
【0085】
使用時、拡張器24は、針22によって形成された開口または通路を拡張する。拡張された通路は、シース26のその後の導入を容易にする。針22は、ガイドワイヤ28、続いて拡張器24、最後にシース26を患者の体内に導入することを可能にする。
【0086】
図5Aは、図1のアクセス装置20のシース26の端面図である。図5Bは、図5Aのシース26の側面図である。シース26は、シース本体40、シースハブ42、遠位領域86、および近位領域88を含むことができる。シース本体40は、部分的に又は完全に、透明、半透明、透明又は半不透明の材料から作られる。シース本体40はまた、例えば硫酸バリウムストライプのような、一つ以上の放射線不透過性マーカーを含むことができる。好ましい実施形態では、シースは、本体40の正反対の両側に配置された二つの放射線不透過性ストライプを含む。
【0087】
シース本体40は、カテーテルまたは他の医療用品が血管内に挿入される単一ピースシースであってもよい。このような実施形態では、シース本体40は、カテーテルまたは他の医療用品を挿入するための導管を形成する。導管を形成することに加えて、シース26またはシースの一部は、カテーテルのルーメンに加えてルーメンを形成することができる。例えば、デュアルルーメンカテーテルをシース本体40を通して第三のルーメンを形成するシース本体40に挿入することによって、トリプルルーメンカテーテルと同等のものを形成することができる。
【0088】
アクセス装置20を使用した後に血管内に挿入されるカテーテルまたは医療用品の種類に応じて、シース本体40の一部または全体を除去することが有利であり得る。例えば、カテーテルまたは他の医療用品が血管内に挿入された後、シース本体40の一部を分離または剥離して除去することができる。剥離シースは、穿孔、鋸波状、スカイブ加工、または他の構造を含むことができ、または他の材料(例えばビスマスを含むPTFE)を含み、医師または医療提供者が、シース本体40の一部または全体を容易に除去できるようにすることができる。
【0089】
シースハブ42は、ルアースリップ接続部90を含むことができる。ルアースリップ接続部90は、対応する構造と嵌合又は係合するロック又は取付構造を含むことができる。例えば、ルアースリップ接続部90は、拡張器ハブ38のルアー接続部78と係合するように構成することができる。
【0090】
シースハブ42は、図5Aに最もよく示されているように、好ましくは、拡張器ハブ38のルアー接続部78が実質的に遮られることなくシース42に入ることができるように設計される。しかしながら、使用時に、一旦シースハブ42が拡張器シャフト36上の所望の位置に配置されると、医師または医療提供者は、シースハブ42を押したり、引いたり、ねじったりすることができ、場合によっては、ルアースリップ接続部90を別の医療用品上の対応するコネクタと係合したり、外したりすることができる。ルアースリップ接続部90は、拡張器ハブ38とシースハブ42とが解放可能に相互固定されるように機械的嵌合を形成する。シースハブ42は、好ましくは、拡張器ハブ38上の対応するルアー接続部78と係合する。好ましくは、固定位置は、拡張器ハブ38をシースハブ42に対して引っ張る、絞る、押す、またはねじることによって、外す、または係合することができる。
【0091】
追加の実施形態では、シースハブ42は、シース本体40をアクセス装置20の他の部分から容易に解放および除去できるように、放射状に延びるウイングまたはハンドル構造を備えることができる。いくつかの用途では、ウイングは、シースハブ42をばらばらにする効力を医療提供者に提供するようなきさである。例えば、シースハブ42は、シースハブ42の半分を接続する薄膜を含むことができる。この膜は、医療提供者がシースハブ42をアクセス装置から取り外すことを決定するまで、シースハブ42の半分を一緒に保持するようにサイズ決定される。医療提供者は、膜を破壊し、シースハブ42を取り外し可能に半分に分離するようにウイングを操作する。
【0092】
図6は、アクセス装置20がガイドワイヤ28上に通された後の図1のアクセス装置20の側断面図である。したがって、図示された実施形態では、拡張器24は、拡張器ハブ36から遠位に延びる拡張器シャフト38を含み、シース26は、シースハブ42から遠位に延びるシース本体40を含む。特定の実施形態では、ガイドワイヤ28は、ガイドワイヤハブ又はキャップ(図示されない)を含む。図示された実施形態では、拡張器24とシース26は、アクセス装置20の近位端で解放可能に相互固定される。いくつかの実施態様において、拡張器24とシース26との間の解放可能な相互固定は、シース26が拡張器24にロックされる線形相互固定である。拡張器24およびシース26の末端の相対的な位置は、図6に示されている。例えば、拡張器本体36の末端は、シース26の末端を越えて延びる。
【0093】
図7Aおよび7Bは、図1に示されたガイドワイヤ28の近位領域94の種々の図であり、ガイドワイヤ28に固定するためにロック機構30によって使用されるように構成されたガイドワイヤ止め92A、92Bを示す。特定の実施形態では、ガイドワイヤ止め92A、92Bは、ロック機構30がガイドワイヤ28と係合することを可能にするガイドワイヤ28の一つ以上の特徴である。図7Aに示す実施形態では、ガイドワイヤ止め92Aは、一つ以上の畝(例えば2つの畝)によって画定される環状溝の形態である。溝は、本明細書に記載されるように、対応するロック機構30と係合するようにサイズ決めされ構成されてもよい。ガイドワイヤ止め92Aは溝として図示されているが、当業者には、ガイドワイヤ止めは、ロック機構30と係合するのに適した任意の形状またはサイズを含むことができることが理解されよう。例えば、図7Bに示すように、ガイドワイヤ止め92Bは、ガイドワイヤ止め92Bがロック機構30に当接および/または係合すると、ロック機構30に対するガイドワイヤ28のさらなる遠位移動を阻止するように構成された外方突出部を含むことができる。ガイドワイヤ止め92Bは、ガイドワイヤ止め92Aと同様に機能することができる。場合によっては、ガイドワイヤ止め92Bは、ガイドワイヤ28の一以上の側から突出する一つ以上の外方突出部(例えばカム)を備えることができる。一つ以上のカムは、一つ以上のカムが対向クリップ80(本明細書に記載され、図8および図9に示されるように)をロック機構30に対して近位方向に通過するときに、ロック機構30の対向クリップ80を分離するような大きさ及び構成とすることができる。一つ以上のカムが対向クリップ80を通過した後、対向クリップ80は、対向クリップ80に対する一つ以上のカムの遠位移動を防止するために、一つ以上のカムの背後で閉じることができる。さらに、ガイドワイヤ止め92A、92Bは、ガイドワイヤ28の近位領域94上に存在するものとして図示されているが、当業者には、ガイドワイヤ止め92A、92Bは、ガイドワイヤ28に沿った任意の位置に配置され得ることが理解されるであろう。特定の他の実施形態では、ガイドワイヤ止めは、切り欠き、先細り、戻り、粘着性、磁石、または他の特徴の形態である。
【0094】
場合によっては、ガイドワイヤ止め92A、92Bは、ガイドワイヤ28の幅を変えることによって形成することができる。例えば、ガイドワイヤ92Bは、ガイドワイヤ28の残りの部分と比較して増大した幅を有する、ガイドワイヤ28の一部を含むことができる。ガイドワイヤ止め92Bの幅が広くなった部分の後には、ガイドワイヤ止め92Bの近位側及び遠位側の両方に配置された幅が狭くなったガイドワイヤ28の部分が続き得る。ガイドワイヤ止め92Bの幅が広くなった部分は、ロック機構30がガイドワイヤ止め92Bと係合することを可能にするようにサイズ及び構成され得、また、本明細書で説明するように、ロック機構30の開口部82をガイドワイヤ止め92Bが通過することを阻止するのに十分な幅を有する。ガイドワイヤ止め92Bの幅を大きくして、ロック機構30と係合するように構成することができ、同時に、ガイドワイヤ止め92Bが針22の内部ボア54を通過することを可能にする。例えば、ガイドワイヤ止め92Bの外幅は、針22の内部ボア54の内径より小さくてもよい。ガイドワイヤ止め92Bの幅の増大は、任意の適切な手段によって形成することができる。例えば、ガイドワイヤ止め92Bは、ガイドワイヤ28に沿って配置された環状フランジを含むことができる。別の例として、ガイドワイヤ止め92Bは、ガイドワイヤ28の一部を打ち抜きおよび/または圧縮することによって形成され、ガイドワイヤ28に沿って幅を増加させて外側に突出させた挟持面を備えるガイドワイヤ止め92を形成する。
【0095】
ガイドワイヤ止め92A、92Bは、好ましくは、ガイドワイヤ28の近位領域94に配置され、少なくとも拡張器24がガイドワイヤ28上に通されるときにロック機構30と係合するように構成される。ガイドワイヤ止め92A、92Bがロック機構30と相互固定し、ロック機構30および/またはガイドワイヤ止め92A、92Bが壁58に当接するまで、医療提供者は、ガイドワイヤ28を拡張器24内で自由に操作することができる。しかし、ガイドワイヤ止め92A、92Bが相互固定して壁58に接触した後、医療提供者は、ガイドワイヤ28を拡張器24に対して遠位方向にさらに伸ばすことを防止される。
【0096】
特定の実施形態では、ガイドワイヤ28が最初に拡張器ハブ38に通されると、ロック機構30は、ガイドワイヤ28を挟むようにガイドワイヤ28の外面の周りを閉じる。挟む力は、場合によっては、ガイドワイヤ28と係合するのに十分でないことがある。特定の実施形態では、ロック機構30のガイドワイヤ28に対する食い込み力は、ガイドワイヤ28のロック機構30に対する移動を防止するには不十分である。ガイドワイヤ28上のロック機構30の食い込み力は、ロック機構30がガイドワイヤ止め92A、92Bと相互固定または係合するまで、ロック機構30に対するガイドワイヤ28の移動を依然として許容することができる。例えば、ロック機構30は、ロック機構30がガイドワイヤ止め92A、92Bと係合する前に、ロック機構30を通るガイドワイヤ28の通過に十分に抵抗しないことがある。ロック機構30がガイドワイヤ止め92A、92Bと係合すると、ロック機構30は、ロック機構30に対するガイドワイヤ28の少なくともそれ以上の遠位移動を阻止する。
【0097】
図8は、拡張器36から取り外された図4Aのロック機構30の斜視図である。
図9は、図8からのロック機構30の反対側の端の斜視図である。本明細書で説明するように、拡張器ハブ38は、ロック機構30を備える。特定の実施形態では、ロック機構30は、シース26または他の医療用品内に配置される。ロック機構30は、ガイドワイヤ28にロックまたは固定するように構成することができる。図8および図9に示すように、ロック機構30は、ガイドワイヤロック44および開口部82を含む。ガイドワイヤロック44は、一対の対向するクリップ、ティース、タブ、または開口部のような一つ以上の係合機構を含むことができるが、タブおよび/またはスロットを含む他の種類のロック機構も使用することができる。
【0098】
図示された実施形態では、ガイドワイヤロック44は、一対の対向するクリップ80として構成される。ロック機構30は、一般的にV字形状であり、閉鎖状態に向かって付勢されるように構成されているが、ガイドワイヤ28がV字形状のロック機構30を通って前進するとき、ロック機構30がガイドワイヤ28上を摺動し次いでガイドワイヤ28に向かって、さらにガイドワイヤ止め92A、92B内に、ばね付勢されることを許容している。
【0099】
図10は、図8と同様の図であるが、ガイドワイヤロック44が開いているか、またはアンロック状態にあり、ガイドワイヤ28がロック機構30を通過することを可能にし、拡張器24およびシース26がガイドワイヤ28上に通される。ガイドワイヤロック44は、図8に示すように、閉じた構成に向かって付勢することができる。ガイドワイヤロック44が閉鎖状態に向かって付勢される程度は、ガイドワイヤロック44がガイドワイヤ止め92A、92Bに接触または係合していないとき、ガイドワイヤ28がガイドワイヤロック44を通ってスライドできるように選択る。ガイドワイヤロック44は、ガイドワイヤロック44がガイドワイヤ止め92A、92Bに係合しているとき、ロック状態にある(図11図11Aおよび図11Bに示されるように)。
【0100】
図11は、図10と同様の図であるが、ロック機構30の反対側の端部から、拡張器24およびシース26とともに、ロック機構30がガイドワイヤ28上のガイドワイヤ止め92A、92Bと相互固定するまで、ガイドワイヤ28上にさらに通されている。図11Aは、図11からのロック機構30の拡大部分断面図であり、ガイドワイヤ28上のガイドワイヤ止め92Aと相互固定している。別の例として、図11Bは、図11からのロック機構30の拡大部分断面図であり、ガイドワイヤ28上のガイドワイヤ止め92Bと相互固定している。図示された実施形態では、ロック機構30は、ロック機構30がガイドワイヤ28上のガイドワイヤ止め92A、92Bと相互固定するまでガイドワイヤ28に対して遠位方向に摺動する。ガイドワイヤロック44のクリップ80は、図7に示すガイドワイヤ止め92A、92Bのような、リップされたおよび/または圧縮された表面と係合することができる。一旦係合されると、ガイドワイヤロック44は、ガイドワイヤ止め92A、92Bがロック機構30に対して望ましくない滑りまたは解放をするのを阻止する。ガイドワイヤ28は、ロック機構30を本質的に担持し、ロック機構30と一体に移動することができる。特定の実施形態では、ガイドワイヤロック44は、拡張器ハブ38の中心に向かって付勢するようにヒンジ留めされる。付勢は、ガイドワイヤ28の固定された部分が、ガイドワイヤロック44から滑ったり外れたりするのを防ぐことができる。
【0101】
図8図11に示す相互固定構造は、協動構造の一例に過ぎず、協動構造は、ロック機構30をガイドワイヤ28および/または拡張器24と相互接続または相互固定させるように含めることができる。いくつかの実施形態では、相互固定構造は、拡張器24がガイドワイヤ28上に十分に通されて相互固定構造がガイドワイヤロック44に接触できるようになるまで、ガイドワイヤ28と係合しない。このように、相互固定構造は、医療提供者がガイドワイヤ28を操作しているときに、ガイドワイヤロック44がガイドワイヤ止め92A、92Bに接触した後まで、使用を妨げたり、接触摩擦をかなり増大させたりしない。
【0102】
図27Aおよび27Bは、いくつかの実施形態によると、ロック機構30および拡張器ハブ38の様々な図である。ロック機構30の少なくとも一部(例えば、図27Aに示すように、対向するクリップ80A、80B)は、場合によっては、拡張器ハブ38の一部と係合して、ロック機構30を最初に開放状態に維持することができる。図27Aおよび27Bにそれぞれ示されるように、ロック機構30は、拡張器ハブ38上に配置された第一の開放状態と、ガイドワイヤ28上に配置されかつ/またはガイドワイヤ28と係合する第二の閉鎖状態とを有することができる。
【0103】
図27Aに示すように、ロック機構30が開放状態にあるとき、ロック機構30は、拡張器ハブ38の一部に沿って配置されてもよい。ロック機構30は、拡張器ハブ38の少なくとも一部の上または周囲に固定、予備形成、または他の方法で配置して、ロック機構30を一時的に開放状態に維持し、ロック機構30が閉鎖状態に入るのを阻止することができる。拡張器ハブ38の内面は、ガイドワイヤ止めとの相互作用の前にロック機構30を開放状態に保持するために、対向するクリップ80A、80Bの一つ以上と係合するように構成されたレッジ、溝、ライド、または任意の適切な突出部を含むことができる。
【0104】
突出部は、拡張器ハブ38の収容部74の任意の部分および/または長さに沿って延びるようにサイズ決定および構成することができる。例えば、突出部は、拡張器ハブ38の遠位端または近位端に、収容部74内に配置されるように構成することができる。例えば、拡張器ハブ38は、対応するクリップ80A、80Bと係合するように構成された一つ以上のレッジ76A、76Bを含むことができる。突出部は、ロック機構30の第一の部分(例えば、第1のクリップ80A)が突出部の対応する部分(例えば、第1のレッジ76A)に沿って配置され、ロック機構30の第二の部分(例えば、第2のクリップ80B)が突出部の対応する第二の部分(例えば、第2のレッジ76B)に沿って配置されて、ロック機構30を開放状態に維持するように構成することができる。ロック機構230は、収容部74内に最初に配置されたときに、突出部と相互固定し、係合し、または突出部に付着するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ロック機構30の第一の部分および第二の部分(例えば、クリップ80A、80B)は、少なくとも接着剤を含む突出部に接着することができる。一部の実施形態では、接着剤は、突出部の全内周に沿って延びることができる。突出部は、拡張器ハブ38内の単一の一体的な本体(例えば、環状リッジ)から構成することができ、この一体的な本体は、対向するクリップ80A.80Bが、ロック機構30を一時的に開放状態に維持するために、一つ以上のレッジ76A、76Bの上および/または周囲に位置することを可能にするように構成される。
【0105】
ロック機構30は、ガイドワイヤ8282の少なくとも一部を選択的に通過させるようにサイズ決めされ構成された開口部28(図8~11に示すように)を含むことができる。開口部82は、開口部82を通してガイドワイヤ近位端の挿入を容易にするために面取りされ得る。開口部82の内径は、本明細書に記載するように、ガイドワイヤ28の一部が開口部82内に存在しかつ/または通り抜けることができるように十分に大きくすることができる。しかしながら、一部の実施形態では、開口部82の内径は、ガイドワイヤ28の少なくとも別の部分が開口部282(例えば、ガイドワイヤ止め92B)を通過するのを許容するのに十分な大きさではない。したがって、ガイドワイヤ止め92Bは、一般に、開口部82を通してはめるには大きすぎることがあり、ガイドワイヤ28を拡張器ハブ38に対してさらに近位側に移動させると、ロック機構30が閉鎖状態に移行する。例えば、図27Bを参照して説明されるように、ガイドワイヤ止め92Bは、ロック機構30に当接して、ロック機構30を拡張ハブ38に対して近位方向に移動させ、その結果、一つ以上のクリップ80A、80Bを拡張器ハブ38の突出部(例えば、1つ以上のレッジ76A、76B)から取り外すことができる。
【0106】
場合によっては、ロック機構30が開放状態から閉鎖状態に移行するとき、ロック機構30をガイドワイヤ28の一部の周囲に配置して、ガイドワイヤ28が拡張器ハブ38を越えて遠位側に移動するのをロック機構30が防止することができる。ガイドワイヤ28が拡張器ハブ38(図27Aに示す)に対して近位方向に移動すると、ガイドワイヤ止め92Bは、ロック機構30に当接および/または係合することができる。ガイドワイヤ止め92Bが拡張器ハブ38に対してさらに遠位に移動すると、ガイドワイヤ止め92Bがロック機構30を拡張器ハブ38の突出部から取り外すことができる。ロック機構30を突出部から取り外すと、ロック機構30が閉鎖状態に移行し、ガイドワイヤ28の少なくとも一部(図27Bに示す)と係合する。場合によっては、ロック機構30の第一クリップ80Aおよび/または第二クリップ80Bは、一旦拡張器ハブ38の突出部から取り外されると、ガイドワイヤ28と係合してガイドワイヤ28の少なくとも一部分を包囲することができる。ロック機構30は、本明細書に記載するように、ガイドワイヤ28の係合部分が拡張器ハブ28を越えて遠位方向に接近するのを阻止するように、ガイドワイヤ38を囲むことができる。本明細書に記載されるように、ロック機構30は、ロック機構30が突出部と係合解除されたときに、ロック機構30が自動的に閉鎖状態(図27Bに示すように)に移行するように、閉鎖状態に向かって付勢することができる。
【0107】
この目的のために、他の種類のロック機構を使用することもできる。例えば、限定するものではないが、環状ビードを拡張器ハブ38内に配置し、閉じた構成にへ付勢し得る。ガイドワイヤ止め92A、92Bがガイドワイヤロック44に接触すると、ビードはガイドワイヤ28の周りでパタッと閉じる。場合によっては、拡張器ハブ38は、収容部74内に画定された一つ以上の環状溝を含むことができる。ビードが環状溝に到達すると、ビードおよびガイドワイヤ28がそれ以上遠位方向に移動することを防止される。
【0108】
いくつかの実施形態では、ロック機構30は、ガイドワイヤロック44またはガイドワイヤ28がロック機構30を通過することを可能にするように構成された開口部を画定する一つ以上のフィンガー要素またはタング要素またはカム要素を含むことができる。一つ以上のフィンガー要素は、ロック機構30の遠位端からロック機構30の近位端に向かって突出することができる。一つ以上のフィンガー要素は、ガイドワイヤ止め92A、92Bがガイドワイヤロック44又は開口部を近位方向に通過することを許容し、ガイドワイヤ止め92A、92Bがガイドワイヤロック44又は開口部を遠位方向に通過することを阻止する。ガイドワイヤ止め92A、92Bは、フィンガー要素を通って近位方向に開口部を通って摺動することができる。ガイドワイヤストップ92A、92Bが通過すると、フィンガー要素は、ガイドワイヤロック44又は開口部とガイドワイヤ止め92A、92Bとの間の付勢された閉鎖位置にロックすることができる。これにより、ガイドワイヤ止め92A、92Bが開口部を通過すると、ガイドワイヤ止め92A、92Bの少なくとも遠位方向への軸方向移動が、阻止、および/または実質的に不可逆的に防止される。
【0109】
図示された実施形態と同様に、ロック機構30がガイドワイヤ止め92に接触していないときにガイドワイヤ28がロック機構30を通って摺動できるように、ロック機構30の閉鎖状態への付勢の程度が選択される。一旦、ロック機構30がガイドワイヤ止め92に接触してロックすると医療提供者は、一般的に、拡張器24およびガイドワイヤ28を、ガイドワイヤ26の塞栓の危険を冒すことなく、シース26から同時に引き出すことができる。ロック機構30のガイドワイヤ28および/または拡張器24との係合は、上述の実施形態から理解されるように、ガイドワイヤ28の拡張器ハブ38に対する単純な軸方向移動によって生じることができる。
【0110】
図12Aは、図2Aに示される針22の本体118を貫通する断面図である。図12Bは、図12Aからの針22の遠位端の拡大部分断面図である。図13Aにおいて、針22は脈管構造を貫通している。図13Bは、図13Aからの針22の遠位端の拡大部分断面図である。使用時には、ベベル先端部52は血管122に入る。
【0111】
図14は、図13Aと同様の断面図であり、ガイドワイヤ28が針22を通って患者の血管122に供給されている。医師または医療提供者が針22を標的血管122内に位置させると、医師または医療提供者はガイドワイヤ28を脈管構造内に供給する。針22は、ガイドワイヤ28が針22を通って患者に供給される間、静止して保持される。挿入手順の間、ガイドワイヤ28は、針22の内部ボア54を通過する。
【0112】
ガイドワイヤ28を針22を介して供給する際には、当該技術分野で公知のガイドワイヤアドバンサを使用することができる。例えば、ガイドワイヤ28が湾曲した又はJの形の先端部を有する場合、先端部をまっすぐにするためにアドバンサを使用して、ガイドワイヤ28を針22の内部ボア54内に送り込みやすくすることができる。図15は、図14と同様の断面図であるが、ガイドワイヤ28が患者の脈管構造内にさらに延長されている。
【0113】
図16Aは、図15と同様の断面図であり、針22が取り外され、拡張器24およびシース26がガイドワイヤ28の外側部分に沿って、拡張器24のロック機構30がガイドワイヤ止め92A、92Bと相互固定するまでスライドされている。図16Bは、図16Aからの拡大部分断面図である。拡張器24の収容部74内のロック機構30は、ロック機構30がガイドワイヤ28のガイドワイヤ止め92と相互固定するまで、ガイドワイヤ28に対して遠位方向に効果的にスライドされている。ガイドワイヤロック44のクリップ80は、図7Aおよび図7Bに示すガイドワイヤ止め92A、92Bのようなリップ面と係合することができる。一旦係合すると、ガイドワイヤロック44は、ガイドワイヤ28のロックされた部分がロック機構30に対して望ましくないスリップまたは解放を防止する。ガイドワイヤ28は、ロック機構30を実質的に運び、ロック機構30と一体に移動することができる。特定の実施形態では、ガイドワイヤロック44は、拡張器ハブ38の中心に向かって付勢するようにヒンジ留めされる。付勢することで、ガイドワイヤ28の固定された部分がガイドワイヤロック44から滑ったり外れたりするのを防ぐことができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、拡張器ハブ38内のロック機構30の向きを逆にすることができる。例えば、図16Cは、図16Bと同様の拡大部分断面図であるが、ロック機構30の対向クリップ80(本明細書に記載の通り)がロック機構30の開口部82から近位方向に配置されている。逆向き(図16Cに示す)である間、ロック機構30は、本明細書に記載されるのと同じ方法で機能してもよい。しかし、ガイドワイヤ28およびガイドワイ9292A、92Bは、開口部82をそれぞれ通過してから、対向するクリップ80を通過または係合することができる。このような実施形態では、ガイドワイヤ止め92A、92Bおよび開口部82は、ガイドワイヤ止め92A、92Bが開口部82を通過することができるような大きさおよび構成とすることができる。開口部82を通るガイドワイヤ近位端の挿入をさらに容易にするために、開口部82の遠位側を面取りすることができる。
【0115】
図17は、図16Aに類似した断面図であり、ここで、拡張器24およびシース26は、ガイドワイヤ28の外部部分に沿って患者の脈管構造内にさらにスライドされ、拡張器24をロック機構30から離間させる。シース26及び拡張器24がガイドワイヤ28上に通されて血管122内に挿入される間、ガイドワイヤロック44がガイドワイヤ止め92A、92Bと相互固定するまで、ガイドワイヤ28は、ロック機構30を自由に摺動する。一旦相互固定すると、ガイドワイヤ28及びロック機構30は一体に移動することができる。この構成では、ガイドワイヤ28は、拡張器24の遠位端から遠位方向に出て、患者内で紛失することを防止される。
【0116】
図18は、図17と同様の断面図であり、ガイドワイヤ28と、相互固定されたロック機構30とは、拡張器24およびシース26から引き出されている。特定の実施形態では、医療提供者は、代わりに、ロック機構30が拡張器24と接触または相互固定するまで拡張器24を引き出すことができる。ガイドワイヤ28を取り外す前に、ロック機構30は、壁58に当接することによって拡張器24と相互固定することができる。したがって、拡張器24をさらに引き抜くと、ロック機構30およびガイドワイヤ28もシース26から引き抜かれる。
【0117】
図19は、図18と同様の断面図であり、ここで、拡張器24は、患者およびシース26から取り外されている。シース26は、血管122内に適切に挿入されたままである。拡張器24は、ガイドワイヤ28の除去の後、またはそれと同時に除去されてもよい。
【0118】
図20は、図19と同様の断面図であり、カテーテル120は、患者の脈管構造内に挿入するためにシース26と位置合わせされる。図21は、図20と同様の断面図であり、カテーテル120がシース26を通って患者の脈管構造内、具体的には標的血管122内に挿入されている。
【0119】
図21は、図20と同様の断面図であり、ここでは、シース26の二つの部分が互いに剥がされて、シース26がカテーテル120を取り囲んでいないようにされている。シース26は、一つ以上の分割線に沿って分割可能である。分割可能なシース26は、シース本体40の一部または全体が、アクセス装置20を使用した後に血管内に挿入されるカテーテルまたは医療用品のタイプに応じて除去されることを可能にするという利点を提供する。例えば、カテーテル120が血管122内に挿入された後、シース本体40の一部が分離または剥離されて除去され、アクセス部位におけるクラッタが低減される。剥離シース26は、まず、シース26を患者から取り外し、次いで、分離させるまで、カテーテル120に沿って近位方向に摺動させることができる。あるいは、シース26を最初に分割してから、シース26全体を患者から取り外すこともできる。シース26の残りの部分が患者から取り除かれた後、医師または医療提供者は、シース26を分割し続けることができる。もちろん、シース26は、図22に示されるように、患者からのその除去と同時に分割することができる。特定の実施形態では、シース26は分割可能ではない。
【0120】
図23A図24Bは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤ28に係合するロック機構の様々な図である。特に、図23Aは、ロック機構130の一実施形態の正面図であり、図23Bおよび図23Cは、それぞれ、ロック機構130の背面および側面断面図である。図24Aおよび24Bは、ロック機構130をガイドワイヤ止め92Bを含むガイドワイヤ28に係合する方法の実施形態の側断面図である。別段の注記がない限り、図23A図24Bに示されるロック機構130は、同様の参照番号によって識別されるように、本明細書で説明される残りの図の構成要素と同一またはほぼ同様の構成要素を含むことができる。図23A図24Bに示されるロック機構130を参照して記載される特徴は、本明細書に記載および/または企図される任意の実施形態と共に使用することができることが理解されるであろう。また、本明細書に記載および/または図示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、工程、または構成要素は、図23A図24Bに示されるロック機構130の任意の実施形態の任意の他の特徴、構造、材料、工程、または構成要素と共に、またはそれらの代わりに使用され得ることも理解される。
【0121】
図示された実施形態に示すように、ロック機構130は、外壁132を含む範囲を含むことができる。図示のように、ロック機構130は、ガイドワイヤ28の少なくとも一部をロック機構の内部空洞134内に収容するために中空であってもよい。いくつかの実施形態では、ロック機構130は、一つ以上の開口部を含むことができる。ユーザは、一つ以上の開口部を利用して、ガイドワイヤ28がロック機構130を通過し、内部空洞134内のガイドワイヤ止め92Bと係合して、ロック機構130がガイドワイヤ28から意図せずに取り外されるのを防止することができる。いくつかの実施形態では、ロック機構130は、ガイドワイヤ止め92Bがロック機構130の一つ以上の開口部を通過するときに、わずかな変形が可能な弾性材料および/または可撓性構造体を含むことができる。
【0122】
第一の開口部は、本明細書に記載されるように、ガイドワイヤロック144として機能し得る。第二の開口部182は、ガイドワイヤ28のうちガイドワイヤ止め92Bに近接する部分が、ロック機構130の内部空洞134を通過および/または出て、ガイドワイヤ28の一部(例えば、ガイドワイヤ止め92B)を内部空洞134内に維持することを可能にする。図23C図24Bに示すように、開口部は、外壁132の両側に配置することができる。
【0123】
いくつかの実施形態において、第一の開口部またはロック要素144は、ロック機構130の遠位端に配置されてもよい。ロック要素144の開口部は、ロック機構130の外壁132の全長に沿って一定の直径を有していなくてもよい(図23Cに示すように)。たとえば、ロック要素144は、外部開口部146と、外部壁148を通って延びる様々な直径の内部開口部132とを含むことができる。いくつかの実施形態では、ロック要素144の外部開口部148の直径は、ロック要素144の内部開口部146の直径よりも大きくすることができる。このように、ロック要素144は、内部開口部148に向かって先細りになってもよい。先細りになることはは、ガイドワイヤ止め92Bがロック要素144を近位方向にのみ通過して内部空洞134内に入ることを好都合に可能にし、ガイドワイヤ止め92Bが一旦内部空洞134内に挿入されると、ガイドワイヤ係止部92Bがロック要素144を遠位方向に通過することを阻止する。ロック要素144は、ガイドワイヤ止め92Bを受容および/または係合することができる任意の適切な形状および構成を含むことができる。例えば、図23C図24Bに示されるように、ロック要素144は、一般的に円錐の形状を含むことができるが、ロック要素144は、任意の適切な壁構造(例えば、直線および/または曲線)を含むことができ、任意の適切な形状(例えば円筒形、先細り)を有することができることが理解されよう。
【0124】
図24Aおよび図24Bに示すように、外部開口部146の直径は、ガイドワイヤ28(例えば、ガイドワイヤ止め92Bを含む)よりも大きくてもよいが、内部開口部148の直径は、少なくともガイドワイヤ止め92Bよりも小さくてもよい。場合によっては、内部開口部148の直径は、ガイドワイヤ止め92Bの外幅または直径よりも小さくてもよいが、十分に大きいので、内部開口部148を画定する外壁部132は、ガイドワイヤ止め92Bが内部開口部148を近位方向に通過して内部空洞134内に入ることができるように一時的に弾性的または柔軟にサイズを大きくすることができ、一方、一旦挿入された内部空洞134からガイドワイヤ止め92Bが遠位方向に除去されることを阻止するように十分に大きくてもよい。
【0125】
図24Bは、一部の実施形態において、第二の開口部182および内部開口部148の両方が、ガイドワイヤ止め92Bの外面の外幅よりも小さい内径をそれぞれ有し、ガイドワイヤ止め92Bが内部空洞134から遠位および/または近位方向に意図せずに除去されることを防止できることを示す。従って、第二の開口部182および内部開口部148は、ガイドワイヤ28のうちガイドワイヤ止め92Bに対して遠位および/または近位に位置する部分のみが内部空洞134の外側に延在することを許容するような大きさとすることができ、ガイドワイヤ止め92Bは内部空洞134の内側に収容されたままである。
【0126】
ロック要素144は、ガイドワイヤ止め92Bを内部空洞134内から取り外すことに抵抗しながら、ガイドワイヤ止め92Bがロック機構130の内部空洞134にアクセスできるようにすることができる任意の適切な形状および/または構成を含むことができる。外壁132は、ガイドワイヤ28との係合を可能にするのに適した任意の材料を含むことができ、ロック機構130を引き裂いたり、不可逆的に伸長させたり、ガイドワイヤ止め92Bが内部開口部148を通過する際に損傷させたりすることはない。ロック機構130がガイドワイヤ止め92Bから偶発的に外れるのを防止するために、いくつかの実施形態では、ロック機構130は、力が加えられたときにわずかな変形が可能な半硬質または弾性またはエラストマー材料を含むことができる。ガイドワイヤ止め92Bが内部空洞134内に挿入されると、内部開口部148は、ガイドワイヤ止め92Bの長手軸に略垂直な開口方向にまたは半径方向外側に変形するように構成することができる。いくつかの実施形態では、内部開口部148は、ガイドワイヤ止め92Bが内部空洞134内に挿入された後、閉鎖方向に半径方向内側に、概ね開口方向とは反対の方向にリバウンドするように構成することができる(図24Bに示すとおり)。これにより、ロック要素144の内部開口部148は、ガイドワイヤ止め92Bを内部空洞134内に一時的および/または永久的に有利に保持することができる。
【0127】
図25A~26Bは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤ28を係合する別のロック機構の様々な図である。特に、図25Aはロック機構230の一実施形態の正面図であり、図25Bはロック機構230の側断面図である。図26Aおよび図26Bは、ロック機構230をガイドワイヤ止め92Bを含むガイドワイヤ28に係合する方法の実施形態の側断面図である。別段の注記がない限り、図25A図26Bに示されるロック機構230は、本明細書で説明される残りの図の構成要素と同一またはほぼ同様の構成要素を含んでもよく、同様の参照番号によって識別される。図25A図26Bに示されるロック機構230を参照して記載される特徴は、本明細書に記載および/または企図される任意の実施形態と共に使用できることが理解されるであろう。また、本明細書に記載および/または図示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、工程、または構成要素は、図25A図26Bに示されるロック機構230の任意の実施形態の任意の他の特徴、構造、材料、工程、または構成要素と共に、またはそれらの代わりに使用され得ることも理解されよう。
【0128】
図示されるように、ロック機構230は、図26Aおよび26Bに示されるとおりガイドワイヤ28の少なくとも一部(例えば、ガイドワイヤ止め92B)と相互作用するように構成されたシースまたはディスクを含むことができる。本明細書に記載されるように、ロック機構230は、折り畳まれ、包まれ、またはそうでなければ、ガイドワイヤ28の上または周囲に配置されて、ガイドワイヤ止め92Bの少なくとも一部を包囲するか、またはそうでなければガイドワイヤ止め92Bと相互作用して、ロック機構230およびガイドワイヤ止め92Aが拡張器ハブ38(例えば、拡張器シャフト内に)を超えて遠位方向に移動するのを阻止することができる。
【0129】
ロック機構230は、拡張器ハブ38に対するガイドワイヤ28の意図しない遠位移動を阻止するために、折り畳み、折り畳まれ、包まれ、さもなければ自動的にそれ自体を上または周囲に配置することができ、上または周囲に配置することができ、拡張器ハブ38および/またはガイドワイヤ28の上または周囲に折り重なることができる一つの単一体からなることができる。図26Aおよび26Bにそれぞれ示されるように、ロック機構230は、拡張器ハブ38の近位部分72上に位置決めされた第一の構成と、ガイドワイヤ26上に位置決めされて係合された第二の構成とを有することができる。
【0130】
図26Aに示すように、ロック機構が第一の構成にあるとき、ロック機構230は、拡張器ハブ38の近位部分72に沿って配置され得る。ロック機構230は、拡張器ハブ38の収容部74の任意の部分および/または長さに沿って延び、かつそれを囲むようにサイズ決定および構成することができる。例えば、ロック機構230は、拡張器ハブ38の近位部分72の近位端上で収容部74の上に配置され、収容部74を囲むように構成することができる。ロック機構230は、ロック機構の第一の部分244aが拡張器ハブ38の対応する第一の部分に沿って配置され、ロック機構230の第二の部分244bが拡張器ハブ38の対応する第二の部分に沿って配置されて、収容部74を実質的に囲むように構成することができる。ロック機構230は、配置されたときに拡張器ハブ32に接着するように構成することができる。いくつかの実施形態において、ロック機構230の第一の部分244aおよび第二の部分244bは、接着剤を含む係合部分に沿って、少なくとも拡張器ハブ38に接着することができる。いくつかの実施形態では、係合部分は、ロック機構230の全外周に沿って延びることができる。
【0131】
ロック機構230は、ガイドワイヤ28の少なくとも一部を選択的に通過させるようにサイズ決めされ構成された開口部282を含むことができる。
開口部282の内径は、本明細書に記載されるように、ガイドワイヤ28の一部が開口部282内に存在しかつ/または貫通することができるように十分に大きくすることができる。しかしながら、開口部282の内径は、ガイドワイヤ28の少なくとも別の部分が開口部282を通過するのを許容するのに十分な大きさではない(例えば、ガイドワイヤ止め92B)。したがって、図26Bを参照して説明すると、ガイドワイヤ止め92Bは、一般に、開口部282にはまるには大きすぎる場合があり、ガイドワイヤ28を拡張器ハブ38に対して近位側に移動させると、ロック機構230は拡張器ハブ38から近位方向に除去され、ロック機構230は拡張器ハブ38から取り外される。
【0132】
場合によっては、ロック機構230が第二の構成にあるとき、ロック機構230は、ロック機構230がガイドワイヤ止め92Bが拡張器ハブ38を越えて遠位側に移動するのを防止するように、ガイドワイヤ止め92Bの周囲に配置することができる。ガイドワイヤ28が拡張器ハブ38(図26Aに示す)に対して近位方向に移動すると、ガイドワイヤ止め92Bは、ロック機構230に当接および/または係合することができる。ガイドワイヤ止め92Bが拡張器ハブ38に対してさらに遠位側に移動すると、ガイドワイヤ止め92Bは、ロック機構230を拡張器ハブ38から剥離および/または取り外すことができる。ロック機構30を拡張器ハブ38から取り外すと、ロック機構230がガイドワイヤ止め92Bの上で折り畳まれる(図26Bに示す)。場合によっては、ロック機構230の第一の部分244aおよび/または第二の部分244bは、一旦拡張器ハブ38から取り外されると、ガイドワイヤ28に接着および/または係合して、ガイドワイヤ止め92Bの少なくとも一部分を包囲することができる。ロック機構230は、ガイドワイヤ止め92Bを包囲して、本明細書に記載するように、ガイドワイヤ止め92Bが拡張器ハブ38を越えて遠位方向に接近するのを阻止することができる。ロック機構230は、ガイドワイヤ止め92Bを覆うように横方向および/または縦方向に折り畳むことができる。
【0133】
いくつかの実施形態において、ロック機構230は、第二の構成(図26Bに示すように)の場合、ロック機構230をガイドワイヤ28の少なくとも一部の周りまたは上に、少なくともガイドワイヤ止め92Bを覆うように、折り畳まれ、包まれ、覆われ、または圧着することによって形成することができる。第一の部分244aおよび/または第二の部分244bは、ロック機構230自体の一部および/またはガイドワイヤ28の任意の部分に係合および/または接着するように構成することができる。
【0134】
ロック機構230は、円形(図示のように)、正方形、長方形、楕円形、または任意の他の適切なサイズおよび/または形状であってもよく、ガイドワイヤの一部を包囲し、および/またはガイドワイヤの一部から放射状に延びるように形成する。ロック機構230は、製造および組み立てを容易にするために、最初は実質的に平坦であってもよい。ロック機構230は、ポリエステルフィルムまたはシート、プラスチックシートまたはフィルム、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)などの種々の可撓性または半剛性材料で作ることができる。例えば、ロック機構230は、Mylar(登録商標)ポリエステルフィルムを含むことができる。ロック機構230は、本明細書に記載するように、プラスチックシートまたはフィルムを拡張器ハブ38上に接着することによって形成することができる。
【0135】
図28A~29Bは、いくつかの実施形態による、ガイドワイヤ28に係合するためのロック機構の様々な図である。特に、図28Aは、ロック機構330の一実施形態の正面図であり、図28Bおよび図28Cは、それぞれ、ロック機構330の背面および側断面図である。図29Aおよび29Bは、ロック機構330をガイドワイヤ止め92Bを含むガイドワイヤ28に係合する方法の一実施形態の側断面図である。別段の注記がない限り、図28A~29Bに示されるロック機構330は、同様の参照番号によって識別されるように、本明細書で説明される残りの図の構成要素と同一またはほぼ同様の構成要素を含むことができる。図28A図29Bに示されるロック機構330を参照して説明される特徴は、本明細書に記載されるおよび/または企図される任意の実施形態と共に使用できることが理解されるであろう。また、本明細書に記載および/または図示される任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、工程、または構成要素は、図28A~29Bに示されるロック機構330の任意の実施形態の任意の他の特徴、構造、材料、工程、または構成要素と共に、またはそれらの代わりに使用され得ることも理解されよう。
【0136】
図示された実施形態に示されているように、ロック機構330は、外壁332を含むシリンダを含むことができる。ロック機構330は、図示されているように、ガイドワイヤ28の少なくとも一部をロック機構330の内部空洞334内に収容するために、実質的に中空であってもよい。いくつかの実施形態では、ロック機構330は、一つ以上の開口部を含むことができる。ユーザは、ガイドワイヤ28がロック機構330の少なくとも一部を通過できるように、一つ以上の開口部を利用することができる。第一の開口部346は、ガイドワイヤ28の少なくとも一部がロック機構330の内部空洞334に入ることを可能にする。第二の開口部382は、ガイドワイヤ28のうちガイドワイヤ止め92Bに近接する部分が、ロック機構330の内部空洞334を通過および/または出ることを可能にし、ガイドワイヤ28の一部(例えば、ガイドワイヤ止め92B)を内部空洞334内に維持する。図28C~29Bに示すように、開口部は、外壁132の両側に配置することができる。
【0137】
ロック機構330は、ガイドワイヤ止め92Bを内部空洞334内に係合させ、ロック機構330がガイドワイヤ28から意図せず除去されることを防止するようにロック要素344を構成することができる。いくつかの実施形態では、ロック要素344は、図29Bに示されるように、ガイドワイヤ28の少なくとも一部(例えば、ガイドワイヤ止め92B)と相互作用および/または相互固定することができる粘着性があり、エラストマーの、および/またはゲル様材料(例えば、シリコーンまたはアクリルゲル)を含むことができる。本明細書に記載されるように、ロック機構330は、ガイドワイヤ止め92Bの少なくとも一部と接着、付着、係合、または他の方法で相互作用して(例えば、周りを型取るまたは覆う)、ロック機構330およびガイドワイヤ止め92Bが拡張器ハブ38(例えば、拡張器シャフト内に)を超えて遠位方向に移動することを阻止することができる。
【0138】
ロック要素344は、ロック機構330の内部空洞334内に配置されて、ガイドワイヤ28の拡張器ハブ38に対する意図しない遠位方向の移動を阻止することができる単一の一体の本体から作ることができる。いくつかの実施形態では、ロック要素344は、少なくとも内部空洞334の近位端に沿って配置されてもよい。図示された実施形態に示されるように、ロック要素344は、ガイドワイヤ28の少なくとも一部をロック要素344内に収容するために実質的に中空とすることができるほぼ円筒形を備えることができる。いくつかの実施形態では、ロック要素344は、一つ以上の要素開口部を含むことができる。ユーザは、ガイドワイヤ28の少なくとも一部がロック要素344を通過することを可能にするために、一つ以上の要素開口部を利用することができる。
【0139】
いくつかの実施態様において、要素内壁345によって画成され、ロック要素344を通って延びる内部通路。ロック要素144の内壁345は、ロック要素344の内壁345の全長に沿って一定の内径を有していてはならない(図28C~29Bに示すように)。例えば、ロック要素344は、内壁345の両端(例えば、それぞれ遠位端および近位端)に配置された様々な直径の第一要素開口部346及び第二要素開口部348を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ロック要素344の第一要素開口部346の直径は、ロック要素144の第二要素開口348の直径よりも大きくすることができる。このように、内壁345は、第二の要素開口部348のより小さい直径に向かって先細りすることができる。先細化は、有利には、ガイドワイヤ28の少なくとも一部がロック要素344を近位方向に通過するのを容易にし、一方、ガイドワイヤ止め92Bが、本明細書に記載されるように、ロック要素344と相互固定した後に、ガイドワイヤ止め92Bがロック要素344を遠位方向に通過するのを阻止する。例えば、内壁345の先細りは、ガイドワイヤ28の近位端をロック機構330を通り抜けて動かすこと(例えばトンネリング)を容易にし得る。
【0140】
図29Aおよび29Bに示すように、第一の要素開口部346の直径は、ガイドワイヤ28(例えば、ガイドワイヤ止め92Bを含む)よりも大きくてもよいが、第二の要素開口部348の直径は、少なくともガイドワイヤ止め92Bよりも小さくてもよい。場合によっては、第二の要素開口部348の直径は、ガイドワイヤ止め92Bの外幅または外径よりも小さくてもよく、これにより、第二の要素開口部348に向かって先細になっている内壁345は、ガイドワイヤ止め92Bがロック要素344(図29Bに示すように)を通過するときに、ガイドワイヤ止め92Bと係合することができる。
【0141】
第二要素開口部348は、開口部382と同様の大きさを有することができ、その結果、第二要素開口部348は、ガイドワイヤ28のうちガイドワイヤ止め92Bに近接する部分が、ロック機構330の内部空洞334内にガイドワイヤ28の一部(例えば、ガイドワイヤ止め92B)を維持しながら、その内部空洞334を通過および/または出ることを可能にする。第二要素開口部348は、開口部382と同軸に整列されてもよい。
【0142】
ロック要素344は、一旦挿入されると、ガイドワイヤ止め92Bがロック要素344から遠位方向に外れないように、ガイドワイヤ止め92Bを受容および/または係合することができる任意の適切な形状および構成を含むことができる。例えば、図28A~29Bに示すように、ロック要素344は、ほぼ円筒形からなることができるが、ロック要素344は、任意の適切な壁構造(例えば、直線および/または曲線)を含むことができ、任意の適切な形状(例えば、円筒状、長方形状、先細り状)を有することができることが理解されよう。いくつかの実施形態では、ロック要素344は、ガイドワイヤ止め92Bが最初にロック要素344と係合すると、ガイドワイヤ止め92Bがロック要素344を近位方向に通り抜け続けることを可能にするように、一時的に弾性的または柔軟にサイズを増大させるように構成されてもよい。ロック要素344によっては、シリコーンゲルのような接着性の特性を有する種々の可撓性又は半剛性材料で作ることができる。ロック要素344は、ロック機構330の内部空洞334内に接着物質を取り付けることによって形成することができる。
【0143】
ロック要素344の係合および/または接着力は、場合によっては、ガイドワイヤ28が最初にロック要素344を通過するときにガイドワイヤ28と係合するのに十分でないことがある。特定の実施形態では、ロック要素344のガイドワイヤ28に対する接着力は、ガイドワイヤ28のロック機構330に対する移動を防止するには不十分である。ロック要素344のガイドワイヤ28に対する接着力によって、ロック要素344がガイドワイヤ止め92Bと相互固定または係合するまで、ガイドワイヤ28がロック要素344に対して相対的に自由な移動(例えば、最小限の抵抗で)を行うことができる。たとえば、ロック要素344は、ロック要素344がガイドワイヤ止め92Bと係合する前に、ロック要素344を通るガイドワイヤ28の通過に十分に抵抗しない場合がある。ロック要素344がガイドワイヤ止め92Bと係合すると、ロック要素344は、ロック要素344に対するガイドワイヤ28の少なくともそれ以上の遠位移動を阻止する。
【0144】
図29Aに示すように、ロック機構330は、拡張器ハブ38の収容部74内に配置することができる。ロック機構330は、収容部74の任意の部分および/または長さに沿って延び、かつそれを囲むようにサイズ決定および構成することができる。ロック機構330は、本明細書に記載される任意の機構を介して拡張器ハブ32内に位置決めされるように構成することができる。ロック機構330は、ロック機構330がガイドワイヤ28と相互固定すると、拡張器ハブ38がガイドワイヤ28に沿ってそれぞれ近位方向または遠位方向に摺動されるときに、ロック機構330が収容部74の中または外に移動できるように、拡張器ハブ38の少なくとも一部と取り外し可能に係合することができる。例えば、ロック機構330は、任意の適切な相互作用(例えば、干渉、かみ合い、摩擦、機械的連結、接着など)を介して収容部74内に取り外し可能に保持することができる。特定の実施形態では、ロック機構330がガイドワイヤ28と相互固定されると、ガイドワイヤ28とロック機構330は、ガイドワイヤ28の取り外し中に一体となって移動する。例えば、一旦ロック機構330がガイドワイヤ28と相互固定すると、ガイドワイヤ28を拡張器24に対して更に近位側に移動させることで、ロック機構330を収容部74内に取り外し可能に保持する相互作用力に打ち勝つことができる。
【0145】
上述したように、第二要素開口部348の内径は、ガイドワイヤ28の一部が第二の要素開口部348内に存在しかつ/または第二の要素開口部348を通過することができるように十分に大きくすることができる。しかし、第二要素開口部348の内径は、ガイドワイヤ28の少なくとも別の部分が第二要素開口部348(例えば、ガイドワイヤ止め92B)を通過するのを許容するのに十分な大きさではない。したがって、図29Bを参照して説明した通り、ガイドワイヤ止め92Bは、一般に、第二要素開口部348にはめるには大きすぎることがあり、ガイドワイヤ28の拡張器ハブ38に対するさらに近位の移動は、ロック機構330をガイドワイヤ28の少なくとも一部分(例えば、ガイドワイヤ止め92Bの増加した幅)と係合して、ロック機構330をガイドワイヤ28と相互固定させることになる。
【0146】
ガイドワイヤ止め92Bがロック機構330と係合すると、ロック要素344は、ロック機構330がガイドワイヤ止め92Bが拡張器ハブ38を越えて遠位側に移動するのを防止するように、ガイドワイヤ止め92Bに取り付けられる。ガイドワイヤ28が拡張器ハブ38(図29Aに示す)に対して近位方向に移動すると、ガイドワイヤ止め92Bは、ロック要素344に当接および/または係合することができる。ロック要素344は、ガイドワイヤ止め92Bと係合して、ガイドワイヤ止め92Bが拡張器ハブ38を越えて遠位方向に接近するのを阻止することができる。
【0147】
本明細書に記載される実施形態は、従来の生体適合性材料を含む。例えば、針は、セラミック、硬質ポリマー、またはステンレス鋼、ニチノールなどの金属からなることが好ましい。他の要素は、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、フルオロポリマー及びパーフルオロ(エチレン―プロピレン)コポリマー、ポリウレタンポリマー又はコポリマーのような適したポリマー材料から形成することができる。
【0148】
上述のように、本アクセス装置は、患者の体内の他の位置にカテーテルを配置するために使用することができる。したがって、限定されるものではないが、例えば、アクセス装置は、膿瘍から体液を排出するため、気胸から空気を排出するため、および腹腔にアクセスするために、種々のカテーテルとして、または種々のカテーテルと共に使用することができる。
【0149】
本発明は、特定の好ましい実施形態および実施例に関連して開示されてきたが、当業者には、本発明が、具体的に開示された実施形態を超えて、本発明の他の代替の実施形態および/または使用、ならびにその明白な変形および均等物にも及ぶことが理解されよう。さらに、本発明の多くの変形例が詳細に示され説明されてきたが、本発明の範囲内にある他の変形例は、本開示に基づいて当業者に容易に明らかであろう。また、実施形態の特定の特徴および態様の種々の組み合わせまたは部分的組み合わせが、本発明の範囲内で作製され得ることも期待される。従って、開示された実施形態の様々な特徴および態様は、開示された本発明の様々なモードを形成するために、互いに組み合わせ又は置換することができることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される本発明の範囲は、上述の特定の開示された実施形態によって制限されるべきではなく、本開示および以下の特許請求の範囲の公正な解釈によってのみ決定されるべきであることが意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
図27A
図27B
図28A
図28B
図28C
図29A
図29B
【手続補正書】
【提出日】2023-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内空間内に医療用品を配置するためのアクセス装置であって、
前記アクセス装置は、
拡張器であって、
ハブと、
前記ハブから伸びる細長い拡張器本体と、
を有する拡張器と、
ガイドワイヤであって、前記ガイドワイヤは細長い拡張器本体内を摺動するように構成されており及びガイドワイヤ止めを有し、前記ガイドワイヤ止めは、前記細長い拡張器本体の中を通ることができ、前記ガイドワイヤ止めは、溝、切り欠き又は先細りの形態であるガイドワイヤと、
ロック機構であって、前記ハブ内に取り外し可能に配置され、前記ロック機構は、前記拡張器が前記ガイドワイヤ上に通される前に、前記拡張器と取り外し可能に係合するとともに前記拡張器によって支持されるロック機構と、
を備え
前記ロック機構は、一対の対向する部材を備え、前記一対の対向する部材は、開いた 状態と閉じた状態の間を行き来でき、閉じた状態に向かって互いに付勢するように構成されている、ガイドワイヤロックを備え、
前記ロック機構は、少なくとも前記拡張器が前記ガイドワイヤの上を通るときに、前記ガイドワイヤと係合するように構成されており、前記ガイドワイヤロックの前記一対の対向する部材は、開いた状態から閉じた状態へと前記ガイドワイヤを挟んで、前記一対の部材の間に前記ガイドワイヤを係合し、
前記ロック機構及び前記拡張器は、前記ロック機構の前記ガイドワイヤロックが前記ガイドワイヤと係合している間に、前記ガイドワイヤを前記拡張器に対して近位に動かすことによって、前記拡張器の前記ハブ内から前記ロック機構を取り除くことが可能であるように、さらに構成されている、
アクセス装置。
【請求項2】
前記ハブは、前記ロック機構が全体的に遠位方向に前記拡張器を通過することを阻止するように、前記ロック機構に対する相対的なサイズ及び形状を有する、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項3】
前記ハブは、前記ロック機構を受容する収容部を含み、前記収容部は、その遠位端に、前記ロック機構が前記拡張器に対して相対的に遠位方向に移動することを阻止するように構成された、前記ロック機構が当接する壁を含む、請求項に記載のアクセス装置。
【請求項4】
前記ガイドワイヤ止めは、前記ガイドワイヤ内に配置されたである、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項5】
前記は環状である、請求項4に記載のアクセス装置。
【請求項6】
前記ガイドワイヤ止めは、前記ガイドワイヤ内に配置された切り欠きである、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項7】
前記ガイドワイヤ止めは、ガイドワイヤの長さに沿った先細りの形態である、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項8】
前記ロック機構は、前記拡張器の少なくとも一部の近位側の位置で前記ガイドワイヤと相互固定する、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項9】
前記ガイドワイヤロックは、前記ガイドワイヤ止めが前記ガイドワイヤロックと接触し及び前記ガイドワイヤロックが前記ガイドワイヤ止めを囲んで閉じるまで前記ガイドワイヤが前記ロック機構を通って近位方向に移動することを可能にするサイズおよび形状を有する請求項に記載のアクセス装置。
【請求項10】
前記ガイドワイヤロックは、前記ガイドワイヤ止めと相互固定するように構成された一対の対向するクリップ、ティース、またはタブを備える、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項11】
前記ロック機構は、金属を含む、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項12】
前記ロック機構は、プラスチックを含む、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項13】
前記ロック機構は、環状形状を有する請求項1に記載のアクセス装置。
【外国語明細書】