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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016220
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/10 20060101AFI20230126BHJP
   A63F 13/25 20140101ALI20230126BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
G07F9/10 F
A63F13/25
G07F9/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120396
(22)【出願日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】595030295
【氏名又は名称】株式会社タカラトミーアーツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 聖
(72)【発明者】
【氏名】梅田 航
(72)【発明者】
【氏名】松本 紘平
(72)【発明者】
【氏名】中村 光博
(72)【発明者】
【氏名】浅見 譲
(72)【発明者】
【氏名】小川 将史
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA01
3E044CC03
(57)【要約】
【課題】高額カードを購入するための投入代金が不足している場合に、確実に、当該投入代金の代償として低額カードを所定枚数払い出すことができ、且つ、効率が良く低額カードの払い出しができるゲーム装置及びゲームシステムを提供すること。
【手段】高額カード及び低額カードが購入可能で、高額カード購入の際に投入料金が不足のときに代償として低額カードを払い出すゲーム装置であって、低額カードの払い出しの際には、前記第1カセット及び前記第2カセットの前記低額カードの収納枚数に基づいて、前記第2カセットの前記低額カードの残枚数が1枚となった時点で、前記第1カセットの前記低額カードの残枚数が、前記代償として一度機に払い出される前記低額カードの最大枚数から1枚を減算した枚数以上となるように払い出す制御を行うものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの実行に利用可能で且つ購入可能な高額カード及び低額カードを払い出すカード払い出し部と、ゲーム実行及びカード払い出しに関する処理及び制御を行う処理制御部と、を備えるゲーム装置であって、
前記カード払い出し部は、
高額カードを収納する高額カードカセットと、
低額カードを収納する複数の低額カードカセットと、
前記高額カードカセット及び前記複数の低額カードカセットのそれぞれにおける収納カードの有無を検出するカード有無検出部と、を備え、
前記複数の低額カードカセットは第1カセット及び第2カセットから構成され、
前記処理制御部は、
利用者の選択及び所定の料金の投入によって高額カード又は低額カードの払い出し制御を行い、
前記高額カードの購入の際に投入料金が不足している場合に、投入料金に相当する枚数の前記低額カードを当該投入料金の代償として払い出す制御を行い、
前記低額カードの払い出しの際には、前記第1カセット及び前記第2カセットの前記低額カードの収納枚数に基づいて、前記第2カセットの前記低額カードの残枚数が1枚となった時点で、前記第1カセットの前記低額カードの残枚数が、前記代償として一度機に払い出される前記低額カードの最大枚数から1枚を減算した枚数以上となるように払い出す制御を行い、
前記第2カセットが空となったときに、前記第2カセットが空となった旨の報知処理を行うとともに、前記高額カードの購入ができない設定とする制御を行う、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記低額カードの前記残枚数は、前記最大枚数から1枚を減算した枚数に設定されていることを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
前記第1カセット及び第2カセットには同一枚数の低額カードが収納され、
前記処理制御部は、
前記第2カセットの前記低額カードの残枚数が1枚となった時点で、前記第1カセットの前記低額カードの残枚数が、前記代償として一度機に払い出される前記低額カードの最大枚数から1枚を減算した枚数以上となるように、前記第1カセットからの第1の払い出し確率と、前記第2カセットからの第2の払い出し確率とを違えた払い出し制御を行う、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記複数の低額カードカセットは、前記第1カセット及び前記第2カセット以外に前記低額カードを収納する他のカセットを含み、前記処理制御部は、前記第1カセット及び前記第2カセットからの払い出し前に空となるように前記他のカセットからの払い出し制御を行う、ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記処理制御部は、前記高額カードカセットが空となったとき、前記高額カードカセットが空となった旨の報知処理を行うとともに、前記高額カードの購入ができない設定とする制御を行う、ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
利用者が選択可能なゲームモード及び高額カード購入モードを備え、
前記処理制御部は、
前記ゲームモードで、ゲーム実行と、前記低額カードの払い出しとに関する処理を行い、
高額カード購入モードで、前記高額カード及び前記代償の低額カードの払い出しに関する処理を行う、
ことを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記処理制御部は、
前記ゲームモードで、追加購入した前記低額カードの払い出しに関する処理を行うことを特徴とする、請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記高額カードは、ゲーム進行状況を記憶可能なICカードであり、
前記低額カードは、印刷カードである、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のゲーム装置と、管理者装置と備えるゲームシステムであって、
前記ゲーム装置の処理制御部は、報知処理として、報知情報を前記管理者装置へ送信し、
前記管理者装置は、前記処理制御部から受信した前記報知情報を管理者に通知する通知部を備える、
ことを特徴とするゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタカード等のカード属性情報を担ったカード(以下、「プレイカード」とも呼ぶ)を用いるゲーム装置が普及している。こうしたゲーム装置に関する技術として、当該プレイカードから読み取られた属性情報に基づいて、ゲームパラメータを制御するゲーム装置の技術が提案されている(特許文献1参照;以下、「従来例1」という)。
【0003】
かかる従来例1の技術では、利用者のゲーム用資源等を記憶可能なICカードと、記憶機能を有しておらず、利用者が当該ゲームを実行に際し使用可能なキャラクタの属性が印刷されたプレイカードの2種類のカードが使用されるようになっている。こうしたカードは購入可能となっているが、一般に、ICカードの購入単価の方がプレイカードの購入単価よりも高く設定される。
【0004】
こうしたゲームに使用されるカードを販売する装置の技術として、同一価格ではあるが、ゲームでの使用に関する価値レベルが相対的に異なるプレイカードを、価値レベルが高いプレイカードの方が入手しにくくする技術が提案されている(特許文献2参照;以下、「従来例2」という)。この従来例2の技術では、価値レベルが相対的に高いプレイカード(レアカード)を収納したレアカード収納カセットと、価値レベルが相対的に低いプレイカード(ノーマルカード)を収納したノーマルカード収納カセットとを別々に用意し、レアカード収納カセットからの払い出し確率を、ノーマルカード収納カセットからの払い出し確率よりも低く設定している。この場合、ノーマルカード収納カセットを複数設けるときには、複数のノーマルカード収納カセットの間の払い出し確率を等しくしている。
【0005】
また、ゲーム装置に内蔵されるカードを販売する装置の技術として、同一価格のカードを収納するカセットを複数用意し、各カセットから所定枚数ずつカードを順次払い出したり、収納しているカードの全てを払い出すまで、同一カセットからの払い出しを継続したりしている(特許文献1参照;以下、「従来例3」という)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-028321号公報
【特許文献2】特許第3897176号公報
【特許文献3】特許第6746352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、同種類のカードを複数のカセットに収納する場合のカードの払い出しは、従来例2では均等な払い出し確率で、また、従来例3では、収納しているカードの全てを払い出すまで、同一カセットからの払い出しを継続している。
ところで、近年、2種類の単価のカードの双方を、1台のゲーム装置を使用して購入できるゲーム装置が提案されている。そして、このゲーム装置では、高額カードを購入するに際して、投入料金が不足する場合に返金せずに、投入料金に見合った数の低額カードを払い出すようにしている。また、このゲーム装置では、払い出し枚数を計数せずに、カセット内の低額カードの有無を検出し、低額カードを払い出すカセットが残り1つとなった時点で低額カードカセットの交換時期の到来を報知するようにしている。
しかしながら、このようなゲーム装置で、低額カードを複数のカセットに収納する場合のカードの払い出しを、従来例2のように均等な払い出し確率で行う場合、カセットの数にもよるが、各カセットにおける低額カードの残数が同じように少なくなり、高額カードを購入するに際して、投入料金が不足する場合に、数が不足して、投入料金に見合った数の低額カードを払い出せない場合が生じる恐れがあった。
また、従来例3のように、収納するカードの全てを払い出すまで、同一カセットからの払い出しを継続するものでは、各カセットの収納枚数が多い場合(例えば200枚の場合)、低額カードカセットの交換タイミングが早いと、残り1つのカセットに十分に低額カードが残存するにも拘らず交換を余儀なくされることになり、無駄が大きいという問題がある。
本発明は、斯かる問題点に鑑みなされたもので、高額カードを購入するための投入代金が不足している場合に、確実に、当該投入代金の代償として低額カードを所定枚数払い出すことができ、且つ、効率が良く低額カードの払い出しができるゲーム装置及びゲームシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の手段は、
ゲームの実行に利用可能で且つ購入可能な高額カード及び低額カードを払い出すカード払い出し部と、ゲーム実行及びカード払い出しに関する処理及び制御を行う処理制御部と、を備えるゲーム装置であって、
前記カード払い出し部は、
高額カードを収納する高額カードカセットと、
低額カードを収納する複数の低額カードカセットと、
前記高額カードカセット及び前記複数の低額カードカセットのそれぞれにおける収納カードの有無を検出するカード有無検出部と、を備え、
前記複数の低額カードカセットは第1カセット及び第2カセットから構成され、
前記処理制御部は、
利用者の選択及び所定の料金の投入によって高額カード又は低額カードの払い出し制御を行い、
前記高額カードの購入の際に投入料金が不足している場合に、投入料金に相当する枚数の前記低額カードを当該投入料金の代償として払い出す制御を行い、
前記低額カードの払い出しの際には、前記第1カセット及び前記第2カセットの前記低額カードの収納枚数に基づいて、前記第2カセットの前記低額カードの残枚数が1枚となった時点で、前記第1カセットの前記低額カードの残枚数が、前記代償として一度機に払い出される前記低額カードの最大枚数から1枚を減算した枚数以上となるように払い出す制御を行い、
前記第2カセットが空となったときに、前記第2カセットが空となった旨の報知処理を行うとともに、前記高額カードの購入ができない設定とする制御を行う、
ことを特徴とする。
【0009】
第2の手段は、第1の手段において、前記低額カードの前記残枚数は、前記最大枚数から1枚を減算した枚数に設定されていることを特徴とする。
【0010】
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段において、
前記第1カセット及び第2カセットには同一枚数の低額カードが収納され、
前記処理制御部は、
前記第2カセットの前記低額カードの残枚数が1枚となった時点で、前記第1カセットの前記低額カードの残枚数が、前記代償として一度機に払い出される前記低額カードの最大枚数から1枚を減算した枚数以上となるように、前記第1カセットからの第1の払い出し確率と、前記第2カセットからの第2の払い出し確率とを違えた払い出し制御を行う、
ことを特徴とする。
【0011】
第4の手段は、第1~第3の手段のいずれかにおいて、
前記複数の低額カードカセットは、前記第1カセット及び前記第2カセット以外に前記低額カードを収納する他のカセットを含み、前記処理制御部は、前記第1カセット及び前記第2カセットからの払い出し前に空となるように前記他のカセットからの払い出し制御を行う、ことを特徴とする。
【0012】
第5の手段は、第1~第4の手段にいずれかにおいて、
前記処理制御部は、前記高額カードカセットが空となったとき、前記高額カードカセットが空となった旨の報知処理を行うとともに、前記高額カードの購入ができない設定とする制御を行う、ことを特徴とする。
【0013】
第6の手段は、第1~第5の手段のいずれかにおいて、
利用者が選択可能なゲームモード及び高額カード購入モードを備え、
前記処理制御部は、
前記ゲームモードで、ゲーム実行と、前記低額カードの払い出しとに関する処理を行い、
高額カード購入モードで、前記高額カード及び前記代償の低額カードの払い出しに関する処理を行う、
ことを特徴とする。
【0014】
第7の手段は、第6の手段において、
前記処理制御部は、
前記ゲームモードで、追加購入した前記低額カードの払い出しに関する処理を行うことを特徴とする。
【0015】
第8の手段は、第1~第7の手段のいずれかにおいて、
前記高額カードは、ゲーム進行状況を記憶可能なICカードであり、
前記低額カードは、印刷カードである、
ことを特徴とする。
【0016】
第9の手段は、
第1~第8の手段のいずれかのゲーム装置と、管理者装置と備えるゲームシステムであって、
前記ゲーム装置の処理制御部は、報知処理として、報知情報を前記管理者装置へ送信し、
前記管理者装置は、前記処理制御部から受信した前記報知情報を管理者に通知する通知部を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1の手段によれば、第2カセットの低額カードの残枚数が1枚となった時点で、高額カードの料金が不足していても、確実に、当該料金の相当する枚数の低額カードを代物として払い出すことができる。また、第2カセットが空となるまで、第1カセット及び第2カセットの双方から所定の払い出し確率の比で低額カードを払い出すので、第1カセットに収納された低額カードを効果的に払い出しすることができる。
【0018】
第2の手段によれば、第2カセットの低額カードの残枚数が1枚となる時点までに、第1カセットの低額カードの残枚数を可及的に減らすことができるので、第2カセットが空となった時点で低額カードカセットを交換する場合、無駄の少ない払い出しが実現できる。
【0019】
第3の手段によれば、第1カセット及び第2カセットには初期に同一枚数の低額カードが収納されるので、第1カセットと第2カセットとを区別することなく扱えるので、低額カードカセットの取り扱いが容易となる。
【0020】
第4の手段によれば、第1カセット及び第2カセット以外に他のカセットを用いるので、低額カードの収納枚数を増大させることができ、この場合でも、第2カセットの低額カードの残枚数が1枚となった時点で、高額カードの料金が不足していても、確実に、当該料金の相当する枚数の低額カードを払い出すことができる。
【0021】
第5の手段によれば、高額カードカセットの交換時期の到来が報知されるとともに、報知後も、低額カードの購入は妨げられず、引き続き行うことができる。
【0022】
第6の手段によれば、利用者の選択によりゲームモード又は高額カード購入モードを選択でき、ゲームモードで低額カードの購入を、高額カード購入モードで高額カードの購入をすることができる。
【0023】
第7の手段によれば、ゲームモードで、追加の低額カードを追加購入することができる。
【0024】
第8の手段によれば、高額カードを、ゲーム進行状況等を記憶可能なICカードとし、低額カードを印刷カードとする。このため、例えば、ゲーム装置が実行するゲームがロールプレイングゲーム等の場合に、前回のゲーム装置の利用終了までのゲーム進行状況等を高額カードに記憶させることができるとともに、低額カードを、ゲームへの参加を利用者が選択できるキャラクタに対応するカードとすることができる。
【0025】
第9の手段によれば、処理制御部が、上述した報知処理として、報知情報を管理者装置へ送信する。そして、管理者装置は、ゲーム装置から受信した報知情報を管理者に通知する。このため、管理者は、管理者装置による通知により、低額カードの補充の必要性を、緊急度を含めて知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置が含まれるゲームシステムの概略的な構成図である。
図2図1に示されるゲーム装置の外観を示す図である。
図3図2に示されるゲーム装置の機能構成を示すブロック構成図である。
図4図3に示される払い出しユニットの構成を説明するための図である。
図5図2に示されるゲーム装置で利用可能なICカードを説明するための図である。
図6図2に示されるゲーム装置で利用可能なキャラクタカードを説明するための図である。
図7図3に示される処理制御ユニットにより実行される処理を説明するためのフローチャートである。
図8】初期画面を説明するための図である。
図9図7におけるICカードの購入処理を説明するためのフローチャートである。
図10図7におけるゲームモード処理を説明するためのフローチャート(その1)である。
図11図7におけるゲームモード処理を説明するためのフローチャート(その2)である。
図12図10おけるCカードの追加購入処理を説明するためのフローチャートである。
図13図11おける再戦処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を、図1図13を参照して説明する。なお、以下の説明及び図においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
[構成]
図1には、本発明の一実施形態に係るゲーム装置10が含まれるゲームシステム100の構成が示されている。
【0029】
図1に示されるように、ゲームシステム100は、複数のゲーム装置10と、管理者装置80とを備えている。複数のゲーム装置10のそれぞれは、管理者装置80と通信可能となっている。なお、ゲーム装置10と管理者装置80との通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。また、ゲーム装置10とサーバ装置80との通信は、インターネット網等の通信網を介して行われる通信であってもよい。
【0030】
なお、ゲーム装置10と管理者装置80との間で授受される情報データには、ゲーム装置10が送信する報知情報が含まれている。
【0031】
<管理者装置80の構成>
管理者装置80は、図1に示されるように、通信ユニット81と、処理ユニット82と通知ユニット83とを備えている。
【0032】
上記の通信ユニット81は、処理ユニット82による制御の下で、ゲーム装置10との間で通信を行う。ゲーム装置10から送信された報知情報を受信すると、通信ユニット81は、当該報知情報を処理ユニット82へ送る。
【0033】
上記の処理ユニット82は、中央処理装置(Central Processing Unit)、記憶装置及びその周辺回路を備えて構成され、管理者装置80の全体を統括制御する。処理ユニット82は、通信ユニット81から報知情報を受けると、管理者へ通知するための通知用データを生成し、生成された通知用データを通知ユニット83へ送る。
【0034】
上記の通知ユニット83は、本実施形態では、表示装置及び音出力装置を備えて構成されている。このため、上述した通知用データには、表示データ及び出力音データが含まれる。通知ユニット83は、処理ユニット82から通知用データを受けると、画像表示及び音出力により、上述した報知情報の内容を管理者へ通知する。
【0035】
<ゲーム装置10の構成>
図2には、一実施形態に係るゲーム装置10の外観が示されている。また、図3には、ゲーム装置10の機能構成がブロック構成として示されている。以下、ゲーム装置10が実行するゲームが、利用者のマイキャラクタが様々な敵キャラクタと対戦しつつ成長していくことを楽しむロールプレイングゲームであるものとして説明する。
【0036】
図2及び図3に示されるように、ゲーム装置10は、表示ユニット11と、音出力ユニット12L,12R(総称する場合には、「音出力ユニット12」と記す)と、ICカードリーダ/ライタ13と、キャラクタカード(Pカード)リーダ14とを備えている。また、ゲーム装置10は、操作入力ユニット15L,15R(総称する場合には、「操作入力力ユニット15」と記す)と、載置盤16と、コイン入力ユニット17と、Pカード排出ユニット18と、筐体19とを備えている。
【0037】
さらに、ゲーム装置10は、処理制御ユニット21と、記憶ユニット22と、通信ユニット23とを備えている。なお、処理制御ユニット21、記憶ユニット22及び通信ユニット23は、筐体19と、上述の要素11~18とが形成する内部空間に固定的に配置されている。
【0038】
上記の表示ユニット11は、液晶表示パネル等の表示デバイスを備えて構成されている。この表示ユニット11は、処理制御ユニット21から送られた表示画像データIMDを受ける。そして、表示ユニット11は、当該表示画像データIMDに応じた画像を表示する。
【0039】
上記の音出力ユニット12L,12Rのそれぞれは、スピーカ等の音出力デバイスを備えて構成されている。これらの音出力ユニット12L,12Rは、処理制御ユニット21から送られた出力音データSDD(より詳しくは、音出力ユニット12L用の出力音データSDD及び音出力ユニット12R用の出力音データSDD;いずれも不図示)を受ける。そして、音出力ユニット12L,12Rは、当該出力音データSDDに応じた音を出力する。
【0040】
なお、本実施形態では、音出力ユニット12L,12Rを用いたステレオ音出力が可能となっている。
【0041】
上記のICカードリーダ/ライタ13は、ICカードリーダ/ライタ13上に載置されたICカードである後述するICカードAVC(後述する図5参照)に対して動作電力を供給するとともに、処理制御ユニット21による制御のもとで、当該ICカードAVCとの間で非接触通信によりデータの授受を行う。
【0042】
上記のCカードリーダ14は、本実施形態では、プレイキャラクタカードPCC(以下、「CカードPCC」とも呼ぶ;後述する図3参照)に印刷されたQRコード(登録商標)等のコードを読み取るコードリーダを備えて構成されている。このCカードリーダ14は、載置板16上に載置されたCカードPCC(後述する図6参照)に印刷されたQRコード等のコードを読み取る。引き続き、Cカードリーダ14は、読取結果に対してデコード処理を行う。そして、Cカードリーダ14は、デコード処理結果を、読取データCRDとして、処理制御ユニット21へ送る。
【0043】
上記の操作入力ユニット15Lには、表示ユニット11の表示面におけるカーソルを移動させる等の際に利用者が使用するボタンを備えている。本実施形態では、操作入力ユニット15Lは、上方向ボタン、下方向ボタン、左方向ボタン及び右方向ボタンの4個のボタンを備えるようになっている。操作入力ユニット15Lのボタンが押下されると、押下されたボタンに対応するデータが、入力データIPDとして処理制御ユニット21へ送られる。
【0044】
上記の操作入力ユニット15Rには、動作モードの決定や、動作状態を直前の動作状態に戻したり、動作状態を進行させたりする等の際に利用者が使用するボタンを備えている。本実施形態では、操作入力ユニット15Rは、動作モードの決定用のボタンとして、緑色の「ICカードの購入指定」ボタン、及び、青色の「マイキャラクタのカスタマイズ」ボタンを含むようになっている。操作入力ユニット15Rのボタンが押下されると、押下されたボタンに対応するデータが、入力データIPDとして処理制御ユニット21へ送られる。
【0045】
上記のCカード載置盤16上には、後述するように結成された自チームに含めたマイキャラクタ以外のプレイキャラクタのCカードを載置できるようになっている。
【0046】
上記のコイン入力ユニット17は、コインセンサを備えて構成されている。当該コインセンサは、コイン投入口から投入されたコインを検出する。当該コインセンサによりコインが検出されると、コイン入力ユニット17は、コインが投入された旨を、コイン投入信号CIDにより処理制御ユニット21へ送る。
【0047】
当該コインとしては、所定金額の硬貨(例えば、100円玉)、又は、ゲーム装置10用に販売された所定金額相当のコインが採用されている。なお、本実施形態では、ゲーム実行料金は1コインの金額であり、ICカードの購入料金は5コインの金額となっている。
【0048】
上記のカード排出ユニット18は、カード収納用の3個のカセットを備えて構成されている。このカード排出ユニット18は、処理制御ユニット21から送られたカード排出信号POC(より詳細には、POC~POC:後述する図4参照)を受けると、カセットに収納されているカードのうちの1枚を払い出す。また、カード排出ユニット18は、各カセットに収納されているカードが無くなる(すなわち、各カセットが空になる)と、空状態検出信号EMP(より詳細には、EMP~EMP:後述する図4参照)を処理制御ユニット21へ送る。
【0049】
なお、カード排出ユニット18の構成の詳細については、後述する。
【0050】
上記の処理制御ユニット21は、本実施形態では、中央処理装置及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御ユニット21は、様々なプログラムを実行することにより、ゲーム装置10としての機能を実現する。なお、処理制御ユニット21が実行する処理の詳細については、後述する。
【0051】
上記の記憶ユニット22は、固定ディスク等の不揮発性の記憶装置を備えて構成されている。この記憶ユニット22には、ゲーム装置10で利用される様々な情報データが含まれている。こうした情報データには、処理制御ユニット21が実行するプログラムデータ等が含まれている。なお、記憶ユニット22には、処理制御ユニット21がアクセス可能となっている。
【0052】
<カード排出ユニット18の構成>
次に、カード排出ユニット18の構成を説明する。
【0053】
図4には、カード排出ユニット18の構成が示されている。この図4に示されるように、カード排出ユニット18は、カセット31,31,31と、排出駆動部32,32,32と、カード有無検出センサ33,33,33とを備えている。なお、図4には不図示であるが、カード排出ユニット18は、排出駆動部32(j=1~3)によりカセット31から排出されたカードを取り出し口へ移動させるためのスロープ部材を更に備えている。
【0054】
上記のカセット31には、ICカードAVCが収納される。このカセット31に収納可能なICカードAVCは、例えば、100枚となっている。なお、カセット31に収納されているICカードには、冒険開始前の所定の初期状態のマイキャラクタ情報等が記憶されている。
【0055】
上記のカセット31,32には、CカードPCCが収納される。これらのカセット31,32のそれぞれに収納可能なCカードPCCは、例えば、200枚となっている。
【0056】
上記の排出駆動部32は、処理制御ユニット21から送られたカード排出信号POCを受ける。そして、排出駆動部32は、カード排出信号POCによるが非有意レベルから有意レベルへの変化により示される排出指令に応答して、カセット31に収納されているカードの中の最下方の1枚をスロープ部材へ向けて排出する。こうして、排出されたカードは、スロープ部材を経由して、取り出し口へ移動する。
【0057】
上記のカード有無検出センサ33は、例えば、カセット31側に付勢されているピンを有している。このピンは、カセット31にカードが1枚でも存在している場合には、カセット31の下方に止まっているが、カセット31内のカードが無くなるとカセット31内部に突出するようになっている。そして、カード有無検出センサ33は、当該ピンが突出状態となると、当該突出状態を検出するようになっている。
【0058】
かかる突出状態が検出されると、カード有無検出センサ33は、空状態検出信号EMPのレベルを有意レベルとして、カセット31が空となっていることを、処理制御ユニット21へ報告する。
【0059】
<ICカードについて>
図5には、ICカードAVCの一例が示されている。
【0060】
図5(A)に例示されるように、ICカードAVCの表側には、カードAVCが「ICカード」である旨、及び、記録可能回数の表示が示されている。また、図5(B)に例示されるように、ICカードAVCの裏側の説明文領域UDRには、「ICカード」の使い方が表示されている。
【0061】
また、図5(B)に示されるように、ICカードAVCには、ICチップICPが内蔵されている。このICチップICPは、記憶機能を有しており、上述したICカードリーダ/ライタ13から動作電力の供給を受けつつ、ICカードリーダ/ライタ13との間で非接触通信によりデータの授受を行う。
【0062】
ICチップICPに記憶されるマイキャラクタの属性情報としては、マイキャラクタの名前、アバター画像及び装備アイテム、並びに、前回のゲーム装置10の利用終了までのマイキャラクタの成長情報、前回対戦の終了時におけるゲーム状態情報、記録回数等の次回のゲーム装置10の利用開始まで保存しておくべきデータが含まれる。ここで、マイキャラクタの成長情報には、ヒットポイント(HP)、経験値、攻撃力、防御力、素早さ、獲得したアイテム等が含まれている。
【0063】
なお、マイキャラクタの名前、アバター画像及び装備アイテムは、ゲーム装置10を使用して、カスタム可能となっている。また、マイキャラクタの成長情報は、ゲーム装置10を利用した対戦ゲームの結果に応じて、ゲーム装置10により記録されるようになっている。
【0064】
<Cカードについて>
CカードPCCには、マイキャラクタとともにゲームに参加可能なプレイキャラクタ(補助キャラクタ)の属性情報が印刷されている。
【0065】
本実施形態では、CカードPCCの表側には、図6(A)に例示されるように、CカードPCCに対応するプレイキャラクタの全身像イメージが、大きな部分を占めるように印刷されている。また、CカードPCCの表側には、脚注的に、当該プレイキャラクタの概要属性情報(キャラクタの識別情報を含む)が印刷されている。ここで、プレイキャラクタの概要属性の情報には、当該プレイキャラクタの経験値(HP)、攻撃力、防御力、素早さ、得意技等が含まれている。
【0066】
また、本実施形態では、CカードPCCの裏側には、図6(B)に例示されるように、当該プレイキャラクタの像が小さな部分を占めるように印刷されている。また、CカードPCCの裏側には、表側に印刷されているキャラクタの属性の概要情報に加えて、当該概要情報と異なる属性情報(以下、「追加的属性情報」という)、並びに、プレイキャラクタのアバター画像等がコード化されたQRコード等のコードSTRが印刷されている。なお、本実施形態では、当該コードは、不可視色で印刷された、いわゆるステルスコードとなっている。
【0067】
[動作]
次に、上記のように構成されたゲーム装置10の動作について、処理制御ユニット21が実行するカード払い出し処理に主に着目して説明する。
【0068】
処理制御ユニット21は、ゲーム装置10の電源が投入されると動作を開始する。こうして動作を開始すると、図7に示されるように、まず、ステップS11において、処理制御ユニット21が、初期化処理を行う。かかる初期化処理では、処理制御ユニット21は、まず、ハードウエアの初期化を行う。引き続き、処理制御ユニット21は、自己診断プログラムを実行し、ゲーム装置10の正常性の確認を行う。そして、正常性が確認されると、処理はステップS12へ進む。
【0069】
ステップS12では、処理制御ユニット21が、初期画面表示処理を行う。かかる初期画面表示処理では、処理制御ユニット21は、表示ユニット11に初期画面を表示させる。
【0070】
こうして表示される初期画面の例が、図8に示されている。この図8に示されるように、初期画面では、ゲームタイトル画像に加えて、ICカードの購入モードの開始操作のガイダンスが領域BARに表示されるとともに、ICカードのカスタムモードの開始操作のガイダンスがGERに表示されるようになっている。なお、ステップS12の処理の開始時にICカードの購入ができない状態となっている場合には、ICカードの購入モードの開始操作のガイダンスは非表示となるようになっている。
【0071】
図7に戻り、ステップS12の処理が終了すると、処理はステップS13へ進む。このステップS13では、処理制御ユニット21が、利用者の操作入力によりICカードの購入モードが選択されたか否かを判定する。
【0072】
ステップS13における判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、処理はステップS14へ進む。このステップS14では、処理制御ユニット21が、ICカードAVCがICカードリーダ/ライタ13上に載置され、かつ、利用者の操作入力によりICカードのカスタムモードが選択されたか否かを判定する。
【0073】
ステップS14における判定の結果が否定的であった場合(ステップS14:N)には、処理はステップS14Bへ進む。このステップS14Bでは、処理制御ユニット21が、新たなゲームの実行が可能か否かを判定する。当該判定に際して、処理制御ユニット21は、Cカードがカード払い出しユニット18に残存している状態であるか否かを判定する。
【0074】
ステップS14Bにおける判定の結果が否定的であった場合(ステップS14B:N)には、処理はステップS13へ戻る。ステップS14Bにおける判定の結果が肯定的であった場合(ステップS14B:Y)には、処理はステップS15へ進む。このステップS15では、処理制御ユニット21が、ゲーム料金(本実施形態では、1コイン)が投入されたか否かを判定する。
【0075】
ステップS15における判定の結果が否定的であった場合(ステップS15:N)には、処理はステップS13へ戻る。以後、ステップS13,S14,ステップS15のいずれかにおける判定の結果が肯定的となるまで、ステップS13~ステップS15の処理が繰り返される。
【0076】
ICカードの購入モードが選択され、ステップS13における判定の結果が肯定的となると(ステップS13:Y)、処理はステップS16へ進む。このステップS16では、処理制御ユニット21が、ICカードの購入処理を実行する。ステップS16の処理が終了すると、処理はステップS14へ進む。なお、ステップS16の処理が終了した場合、処理はステップS12へ移行するようにしてもよい。
【0077】
なお、ステップS16におけるICカードの購入処理の詳細については、後述する。
【0078】
ICカードのカスタムモードが選択され、ステップS14における判定の結果が肯定的となると(ステップS14:Y)、処理はステップS17へ進む。このステップS17では、処理制御ユニット21が、ICカードのカスタム処理を実行する。
【0079】
かかるICカードのカスタム処理に際して、処理制御ユニット21は、まず、ICカードリーダ/ライタ13を利用して、ICカードに記録されているマイキャラクタの属性情報を読み取る。引き続き、処理制御ユニット21は、表示ユニット11及び音出力ユニット12を利用したカスタム操作のガイダンスを利用者に提示しつつ、操作入力ユニット15を利用したカスタム操作入力に従って、マイキャラクタのカスタムを実行する。そして、当該カスタム処理が終了すると、処理はステップS14Bへ移行する。なお、ステップS17の処理が終了した場合、処理はステップS12へ移行するようにしてもよい。
【0080】
ゲーム料金が投入され、ステップS15における判定の結果が肯定的となると(ステップS15:Y)、処理はステップS18へ進む。このステップS18では、処理制御ユニット21が、ゲームモート処理を実行する。ステップS18の処理が終了すると、処理はステップS12へ戻る。
【0081】
なお、ステップS18におけるゲームモート処理の詳細については、後述する。
【0082】
<ICカード購入処理>
次に、ステップS16において実行されるICカード購入処理について説明する。
【0083】
かかるICカード購入処理に際しては、図9に示されるように、まず、ステップS21において、処理制御ユニット21が、ICカードの購入のための必要額が、所定時間T1以内にコイン入力ユニット17に入力されたか否かを判定する。ステップS21における判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、処理はステップS22へ進む。なお、利用者がICカードの購入の中止操作した場合にも、処理はステップS22へ進む。
【0084】
ステップS22では、処理制御ユニット21が、今回の投入額を特定する。引き続き、ステップS23において、処理制御ユニット21が、払い出しユニット18を利用して、当該投入額に相当するCカードの払い出し処理を実行する。
【0085】
《Cカードの払い出し処理方式》
ここで、処理制御ユニットが実行するCカードの払い出し処理方式について説明する。
【0086】
Cカードの払い出し処理に際して、処理制御ユニット21は、カセット31からの払い出し確率を「p(<1)」とし、カセット31からの払い出し確率を「q(=1―p)」として、カード排出信号POC又はカード排出信号POCによる排出指令を発行する。こうした確率p,qは、例えば、カセット31に収納可能なカード枚数(本実施形態では、200枚)を第2の所定初期枚数とした場合に、カセット31に収納可能なカード枚数(本実施形態では、200枚)を第2の所定初期枚数とした場合に、カセット31が空となったときに、カセット31内の残枚数が、投入料金の代償として一度機に払い出されるCカードPCCの最大枚数(本実施形態では、4枚)以上となる蓋然性を確保できるように予め定められる。
【0087】
こうした確率的な払い出し確率によるカセット31からの払い出し枚数とカセット31からの払い出し枚数は、確率p,qによる二項分布に従うと考えられる。当該二項分布では、払い出し枚数の総計をN枚とした場合のカセット31からの払い出し枚数の期待値EN及び標準偏差σは、次の(1),(2)式の通りとなる。
EN=N・p …(1)
σ=(N・p・q)1/2 …(2)
【0088】
本実施形態への適用では、例えば、N枚を396枚として、カセット31内の残枚数が4枚となる事象が、期待値ENから例えば2σ以上離れた事象がとなることを目安として、確率p,qを定めるようにすることができる。この場合には、カセット31が空となったときに、カセット31内の残枚数が3枚以下となる確率が2.5%以下となる。
【0089】
なお、Cカードの払い出しに際して、カセット31,31に収納されたCカードが、今回の投入額に相当する枚数だけ払い出される前に尽きた場合には、処理制御ユニット21は、以後の利用者による操作入力ができなくなる設定を行った後、その旨及び管理者に知らせるべき旨を、表示ユニット11及び音出力ユニット12を利用して報知するようになっている。また、処理制御ユニット21は、当該その旨の報知情報を、通信ユニット23を利用して、管理者装置80へ送信するようになっている。
【0090】
特定された投入額に相当する枚数のCカードの払い出しが完了すると、処理はステップS24へ進む。このステップS24では、処理制御ユニット21が、払い出しユニット18から送られているカード有無信号EMP,EMPに基づいて、カセット31,31の双方が空になったか否かを判定する。
【0091】
ステップS24における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS24:Y)には、処理はステップS25へ進む。このステップS25では、処理制御ユニット21が、第2報知処理を行う。かかる第2報知処理に際して、処理制御ユニット21は、新たなゲームを実行できない設定を行った後、当該設定が行われた旨、及び、カセット31,31の双方が空になった旨を、表示ユニット11及び音出力ユニット12を利用して利用者へ報知する。また、処理制御ユニット21は、その旨の報知情報を、通信ユニット23を利用して、管理者装置80へ送信する。
【0092】
こうしてステップS25の処理が終了すると、ステップ16の処理が終了する。そして、処理は図7のステップS14へ進む。
【0093】
上述したステップS24における判定の結果が否定的であった場合(ステップS24:N)には、処理はステップS26へ進む。このステップS26では、処理制御ユニット21が、払い出しユニット18から送られているカード有無信号EMP,EMPに基づいて、カセット31,31のいずれかが空になったか否かを判定する。
【0094】
ステップS26における判定の結果が否定的であった場合(ステップS26:N)には、ステップS16の処理が終了する。そして、処理は、上述したステップS14へ進む。
【0095】
ステップS26における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS26:Y)には、ICカードを新たに購入できない設定を行った後、処理はステップS27へ進む。
【0096】
ステップS27では、処理制御ユニット21が、第1報知処理を行う。かかる第1報知処理に際して、処理制御ユニット21は、カセット31,31のいずれかが空になった旨の報知情報を、通信ユニット23を利用して、管理者装置80へ送信する。こうしてステップS27の処理が終了すると、ステップ16の処理が終了する。そして、処理は図7のステップS14へ進む。
【0097】
ステップS28では、処理制御ユニット21が、ICカードの払い出し処理を行う。かかるICカードの払い出し処理に際して、処理制御ユニット21は、カード排出信号POCによる排出指令を発行する。この結果、カセット31から1枚のICカードが払い出される。
【0098】
次に、ステップS29において、処理制御ユニット21が、払い出しユニット18から送られているカード有無信号EMPに基づいて、カセット31が空になったか否かを判定する。ステップS29における判定の結果が否定的であった場合(ステップS29:N)には、ステップ16の処理が終了する。そして、処理は図7のステップS14へ進む。
【0099】
ステップS29における判定が肯定的であった場合(ステップS29:Y)には、処理はステップ30へ進む。このステップS30では、処理制御ユニット21が、第3報知処理を行う。第3報知処理に際して、処理制御ユニット21は、新たにICカードを購入できない設定を行った後、当該設定が行われた旨、及び、カセット31,31の双方が空になった旨を、表示ユニット11及び音出力ユニット12を利用して利用者へ報知する。また、処理制御ユニット21は、その旨(カセット31が空になった旨)の報知情報を、通信ユニット23を利用して、管理者装置80へ送信する。
【0100】
こうしてステップS30の処理が終了すると、ステップ16の処理が終了する。そして、処理は図7のステップS14へ進む。
【0101】
<ゲームモード処理>
次に、ステップS18において実行されるゲームモード処理について説明する。
【0102】
かかるゲームモード処理に際しては、図10において、まず、ステップS41において、処理制御ユニット21が、Cカードの1枚の払い出し処理を行う。かかるステップS41の処理では、処理制御ユニット21が、まず、上述したステップS23におけるCカードの払い出し処理方式を採用して、1枚のCカードの払い出し処理を行う。引き続き、処理制御ユニット21は、上述したステップS24~S27と同様の処理を行った後、処理はステップS42へ進む。
【0103】
ステップS42では、所定時間T2内での上限枚数N1のCカードの追加購入処理を行う。なお、当該追加購入処理の詳細については、後述する。
【0104】
次に、ステップS43において、処理制御ユニット21が、ICカードリーダ/ライタ13を利用して、ICカードに記録されているマイキャラクタの属性情報等を読み込む。引き続き、ステップS44において、処理制御ユニット21が、マイキャラクタの属性情報に基づいて、前回の対戦でクリアしたか否かを判定する。
【0105】
ステップS44における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS44:Y)には、処理は、後述するステップS46へ進む。一方、ステップS44における判定の結果が否定的であった場合(ステップS44:N)には、処理はステップS45へ進む。
【0106】
ステップS45では、処理制御ユニット21が、前回の対戦からの継続対戦とするか否かを、継続対戦とする操作入力が利用者によりされたか否かに応じて判定する。ステップS45における判定の結果が否定的であった場合(ステップS45:N)には、処理は、後述するステップS48へ進む。一方、ステップS45における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS45:Y)には、処理はステップS46へ進む。
【0107】
ステップS46では、処理制御ユニット21が、今回の対戦相手を、マイキャラクタの経験値等に基づいて選択する。そして、処理制御ユニット21は、表示ユニット11及び音出力ユニット12を利用して、利用者に対して、選択された対戦相手を紹介する。
【0108】
次いで、ステップS47において、処理制御ユニット21が、所定時間T3内での上限枚数N2のCカードの追加購入処理を行う。引き続き、ステップS48において、処理制御ユニット21が、最大チームメンバー数Mの自チーム結成処理を行う。
【0109】
かかる自チーム結成処理に際して、処理制御ユニット21は、利用者がCカードに搭載されたCカードに記載されたプレイキャラクタの属性情報を、当該Cカードから読み込み、表示ユニット11及び音出力ユニット12を利用して、利用者に対して提示する。そして、処理制御ユニット21は、提示された属性情報のプレイキャラクタを今回の自チームとして選択する選択操作がされると、当該プレイキャラクタを自チームのメンバーとしていく。
【0110】
こうして行われる自チーム結成処理が終了すると、処理は図11のステップS49へ進む。このステップS49では、処理制御ユニット21が、結成された自チームの現在属性状態と、選択された対戦相手の初期状態とを、対戦初期状態に設定する。
【0111】
次いで、ステップS50において、処理制御ユニット21が、利用者による操作入力に従って、表示ユニット11及び音出力ユニット12を利用して、対戦進行処理を実行する。なお、対戦進行処理は、利用者による対戦中断の操作入力、又は、対戦の決着により終了する。ここで、対戦に勝利した場合には、対戦相手が持っていたアイテム(装備可能アイテム等)を、マイキャラクタが取得できるようになっている。
【0112】
次に、ステップS51において、処理制御ユニット21が、今回の対戦進行処理が利用者による対戦中断の操作入力に応じて終了したか否かを判定する。ステップS51における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS51:Y)には、処理はステップS55へ進む。
【0113】
ステップS51における判定の結果が否定的であった場合(ステップS51:N)には、処理はステップS52へ進む。このステップS52では、処理制御ユニット21が、今回の対戦に勝利したか否かを判定する。
【0114】
ステップS52における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS52:Y)には、処理制御ユニット21が、勝利した対戦相手の属性(経験値等)に応じて、マイキャラクタの属性を更新し、勝利したことを含めて対戦結果とする。そして、処理はステップS55へ進む。
【0115】
ステップS52における判定の結果が否定的であった場合(ステップS52:N)には、マイキャラクタの属性が更新されることなく、対戦相手の情報を敗北したことを含めて対戦結果とする。そして、処理はステップS53へ進む。
【0116】
ステップS53では、処理制御ユニット21が、今回の対戦で敗北した対戦相手との再戦操作入力が利用者により行われたか否かを判定する。ステップS53における判定の結果が否定的であった場合(ステップS53:N)には、処理はステップS55へ進む。一方、ステップS55における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS53:Y)には、処理はステップS54へ進む。
【0117】
ステップS54では、処理制御ユニット21が、再戦処理を行う。かかる再戦処理の詳細については、後述する。
【0118】
ステップS54の処理が終了すると、処理はステップS55へ進む。このステップS55では、処理制御ユニット21が、対戦結果をマイキャラクタの現時点での属性情報等としてICカードに記録する。
【0119】
ステップS55の処理が終了すると、ステップS18の処理が終了する。そして、処理は図7のステップS12へ戻る。
【0120】
《Cカードの追加購入処理》
次に、ステップS42において実行されるCカードの追加購入処理について説明する。
【0121】
かかるCカードの追加購入処理に際しては、図12に示されるように、まず、ステップS61において、処理制御ユニット21が、Cカードの追加購入可能か否かを判定する。本実施形態では、当該判定に際して、処理制御ユニット21は、払い出しユニット18から送られているカード有無信号EMP,EMPに基づいて、カセット31及びカセット31内の少なくとも一方にCカードが残存しているか否かを判定することにより、Cカードの追加購入可能か否かを判定するようになっている。
【0122】
ステップS61における判定の結果が否定的であった場合(ステップS61:N)には、ステップS42の処理が終了する。そして、処理は、上述した図10のステップS43へ進む。
【0123】
ステップS61における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS61:Y)には、処理はステップS62へ進む。このステップS62では、処理制御ユニット21が、Cカード1枚分の料金が投入されると、Cカードの1枚の払い出し処理を行う。
【0124】
次に、ステップS63において、処理制御ユニット21が、上述したステップ24の場合と同様の処理を行って、カセット31,31の双方が空になったか否かを判定する。
【0125】
ステップS63における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS63:Y)には、処理はステップS64へ進む。このステップS64では、処理制御ユニット21が、上述したステップS25の場合と同様の処理である第2報知処理を行う。ステップS64の処理が終了すると、ステップS42の処理が終了し、処理は、図10のステップS43へ進む。このとき、追加購入途中にカセット31,31の双方が空になったときには、追加購入したCカードの枚数分のデジタルアイテムの他、インセンティブとして1個のデジタルアイテム(武器など)をゲットできる。
【0126】
ステップS63における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS63:N)には、処理はステップS65へ進む。このステップS65では、処理制御ユニット21が、上述したステップS26の場合と同様の処理を行って、カセット31,31のいずれかが空になったか否かを判定する。
【0127】
ステップS65における判定の結果が否定的であった場合(ステップS65:N)には、処理は、後述するステップS67へ進む。一方、ステップS65における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS65:Y)には、処理はステップS66へ進む。
【0128】
ステップS66では、処理制御ユニット21が、上述したステップS27の場合と同様の処理である第1報知処理を行う。ステップS66の処理が終了すると、処理はステップS67へ進む。
【0129】
ステップS67では、処理制御ユニット21が、今回のCカードの追加購入処理により購入されたCカードの枚数が上限枚数N1となったか否かを判定する。ステップS67における判定の結果が否定的であった場合(ステップS67:N)には、処理はステップS62へ戻る。以後、ステップS67における判定の結果が肯定的となるか、今回のCカードの追加購入処理の開始からの経過時間が所定時間T2に達するまで、ステップS62~S67の処理が繰り返される。
【0130】
ステップS67における判定の結果が肯定的となるか、今回のCカードの追加購入処理の開始からの経過時間が所定時間T2に達すると、ステップS42の処理が終了する。そして、処理は、図10のステップS43へ進む。
【0131】
なお、上述したステップS47のCカードの追加購入処理においては、上限枚数N2と、Cカードの追加購入処理の開始からの経過時間T3となることが異なるのみで、上記のステップS61~S67と同様の処理が実行される。
【0132】
《再戦処理》
次いで、ステップS54において実行される再戦処理について説明する。
【0133】
かかる再戦処理に際しては、図13に示されるように、まず、ステップS71において、処理制御ユニット21が、再戦可能か否かを判定する。本実施形態では、当該判定に際して、処理制御ユニット21は、上述のステップS61の場合と同様に、カセット31及びカセット31内の少なくとも一方にCカードが残存しているか否かを判定することにより、再戦可能か否かを判定する。
【0134】
ステップS71における判定の結果が否定的であった場合(ステップS71:N)には、ステップS54の処理が終了する。そして、処理は、上述した図11のステップS55へ進む。
【0135】
ステップS71における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS71:Y)には、処理はステップS72へ進む。このステップS72では、処理制御ユニット21が、再戦料金(本実施形態では、コイン1枚分)が、ステップS72の処理の開始から所定時間T4が経過する前に投入されたか否かを判定する。
【0136】
ステップS72における判定の結果が否定的であった場合(ステップS72:N)には、ステップS54の処理が終了する。そして、処理は、上述した図11のステップS55へ進む。
【0137】
ステップS72における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS72:Y)には、処理はステップS73へ進む。このステップS73では、処理制御ユニット21が、Cカードの1枚の払い出し処理を行う。
【0138】
次に、ステップS74おいて、処理制御ユニット21が、上述したステップ24の場合と同様の処理を行って、カセット31,31の双方が空になったか否かを判定する。
【0139】
ステップS74における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS74:Y)には、処理はステップS75へ進む。このステップS75では、処理制御ユニット21が、上述したステップS25の場合と同様の処理である第2報知処理を行う。ステップS75の処理が終了すると、処理は、後述するステップS78へ進む。このとき、インセンティブとして経験値をゲットできる。この経験値は最後にステップS55でICカードに合算されて書き込まれる。
【0140】
ステップS74における判定の結果が否定的であった場合(ステップS74:N)には、処理はステップS76へ進む。このステップS76では、処理制御ユニット21が、上述したステップS26の場合と同様の処理を行って、カセット31,31のいずれかが空になったか否かを判定する。
【0141】
ステップS76における判定の結果が否定的であった場合(ステップS76:N)には、処理は、後述するステップS78へ進む。一方、ステップS76における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS76:Y)には、処理はステップS77へ進む。
【0142】
ステップS77では、処理制御ユニット21が、上述したステップS27の場合と同様の処理である第1報知処理を行う。ステップS77の処理が終了すると、処理はステップS78へ進む。
【0143】
ステップS78では、処理制御ユニット21が、再戦の進行処理を行う。かかる再戦の進行処理に際して、処理制御ユニット21は、まず、上述したステップS48と同様の処理を行って、自チームの再結成処理を行う。引き続き、処理制御ユニット21は、敗戦した対戦相手の初期状態、マイキャクタ及び自チームに参加しているプレイキャラクタの属性に基づいて、再戦開始に際しての初期状態に設定する。次に、処理制御ユニット21は、上述したステップS50と同様の処理を行うことにより、再戦の進行処理を行う。
【0144】
ステップS78の処理が終了すると、ステップS54の処理が終了する。そして、処理は、図11のステップS55へ進む。
【0145】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置10では、処理制御ユニット21が、カセット31内に収納されるCカード(低額カード)枚数を収納可能枚数とし、カセット31内に収納されるCカード枚数を当該収納可能枚数とした場合に、カセット31が空となったときに、カセット31の残枚数が、代償として一度機に払い出されるCカードPCCの最大枚数以上となる蓋然性を確保できる、カセット31からの払い出し確率p(>1)及びカセット31からの払い出し確率q(q=1-p)での払い出し制御を行う。そして、処理制御ユニット21は、ICカードの購入用の全料金が投入されなかったと判断した場合には、ICカードの購入用に投入された料金に相当する枚数のCカードをカセット31又はカセット31から払い出す制御を行う。
【0146】
したがって、ICカード及びICカードよりも低額で購入可能なCカードの双方を、ゲーム装置10を使用して購入できるとともに、ICカードの購入操作途中に当該購入を利用者が断念等した場合に、返金機構や、カセット31及びカセット31のそれぞれにおける残カード枚数の計数機構を必要としない簡易な構成で、高額カードの購入のために投入した額を合理的に保障することできる。また、カセット31,31のそれぞれにおける残カード枚数の計数機能を実装することなく、残カードの有無を検出するセンサを実装する簡易な構成を採用しつつ、高額カードの購入のために投入した額を合理的に保障することできる。
【0147】
また、本実施形態では、カセット31又はカセット31の一方のみにCカードが残存する状態となった場合に、処理制御ユニット21が、ICカードの購入をできない設定とする制御を行う。このため、ICカードの購入操作途中に当該購入を利用者が断念等した場合に、Cカードの払い出しによる保障ができなくなる事態の発生を抑制できる。
【0148】
また、本実施形態では、ICカードを、ゲーム進行状況等を記憶可能なICカードとしている。このため、前回までのゲーム進行状況等をICカードに記録させることができる。
【0149】
また、本実施形態では、カセット31又はカセット31の一方が空となると、処理制御ユニット21が、ICカードの購入をできない設定とする制御を行った後、こうした状態となったことを報知する第1報知処理を行う。このため、ICカードの購入ができなくなったことを利用者に知らせたり、Cカードの補充の必要性をゲーム装置の管理者に知らせたりすることができる。
【0150】
また、本実施形態では、処理制御ユニット21が、カセット31及びカセット31の双方が空となると、新たなゲームを実行できない設定の制御を行うとともに、カセット31及びカセット31の双方が空となった旨を報知する第2報知処理を行う。このため、新たなゲームを実行できないことを利用者に知らせたり、Cカードの補充の緊急性をゲーム装置の管理者に知らせたりすることができる。
【0151】
また、本実施形態では、処理制御ユニット21が、第2報知処理後も、実行中のゲームモードを継続する。このため、カセット31及びカセット31の双方が空となっても、利用者はゲームを楽しむことができる。
【0152】
また、本実施形態では、処理制御ユニット21が、上述した報知処理の一部として、報知情報を管理者装置80へ送信する。そして、管理者装置80は、ゲーム装置10から受信した報知情報を管理者に通知する。このため、管理者は、管理者装置による通知により、Cカードの補充の必要性を、緊急度を含めて知ることができる。
【0153】
なお、本実施形態では、ICカードを収納するカセット31が空になると、その旨を報知情報として管理者装置80へ送信する。このため、管理者は、管理者装置による通知により、ICカードの補充の必要性を知ることができる。
【0154】
[実施形態の変形]
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0155】
例えば、上記の実施形態では、カセット31からの払い出し確率p及びカセット31からの払い出し確率qの採用値を定める際の所定初期枚数を、それぞれの収納可能枚数とした。これに対し、カセット31に関する初期枚数を、収納可能枚数よりも少ない第1の所定初期枚数とし、カセット31に関する初期枚数を、収納可能枚数以下であり、かつ、第1の所定初期枚数以上の第2の所定初期枚数とし、上記の実施形態と同様に、二項分布の性質を利用して確率p及び確率qの採用値を決定するようにしてもよい。この場合には、上記の実施形態の場合よりも、カセット31が空となったときに、カセット31の残枚数が、代償として一度機に払い出されるCカードPCCの最大枚数以上となる蓋然性が高まる。
【0156】
また、上記の実施形態では、Cカードを収納するカセットの数を「2」としたが、「3」以上とすることができる。この場合には、カセット31からの払い出し確率p、及び、カセット31以外のカセットのいずれかから払い出し確率qの採用値を定める際の所定初期枚数を、カセット31に関しては、収納可能枚数以下の第3の所定初期枚数とし、カセット31以外のカセットに関しては、収納可能枚数の総計枚数以下であり、かつ、第3の所定初期枚数以上の第4の所定初期枚数とし、上記の実施形態と同様に、二項分布の性質を利用して確率p及び確率qの採用値を決定するようにすればよい。
【0157】
また、確率p及び確率qの採用値の決定に際しては、上記の実施形態のように二項分布の性質を利用した平均値及び標準偏差の算出結果を用いるのではなく、例えば、シミュレーション等の他の手法を用いるようにしてもよい。
【0158】
また、Cカードを収納するカセットの数を「3」以上とする場合、カセット31及びカセット31から払い出しを開始する前に他のカセットから優先的に払い出しを行い、他のカセットを空にした後にカセット31及びカセット31から払い出しを開始するようにしてもよい。
【0159】
また、上記実施形態では、カセット31からの払い出し確率p及びカセット31からの払い出し確率qを求めるにあたって、カセット31内の残枚数が、投入料金の代償として一度機に払い出されるCカードPCCの最大枚数以上となる蓋然性を確保できるように予め定めたが、カセット31内の残枚数が、投入料金の代償として一度機に払い出されるCカードPCCの最大枚数から1枚を減算した枚数(本実施形態では、3枚)以上となる蓋然性を確保できるように予め定めてもよい。なぜなら、カセット31に1枚のCカードPCCも残っていない場合には、ICカードAVCは購入できない状態となるから、ICカードAVCの購入の際には必ずカセット31に1枚のCカードPCCが残存するからである。
【0160】
また、最初からカセット31の実際の収納枚数を所期残数分だけカセット31の実際の収納枚数よりも多くしておき、交互に低額カードの払い出しを行うようにしてもよい。
【0161】
また、上記の実施形態で採用したカード有無検出センサの構成は一例であり、他の構成(他の光学センサを備える構成)を採用してもよい。
【0162】
また、上記の実施形態では、高額カードをICカードとし、低額カードをプレイキャラクタカードとした。これに対し、高額カード及び低額カードを1台のゲーム装置であれば、任意のゲーム装置に対して本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0163】
10 … ゲーム装置
11 … 表示ユニット(提示部の一部)
12(12L,12R) … 音出力ユニット(提示部の一部)
13 … ICカードリーダ/ライタ
14 … Cカードリーダ(読取部)
15(15L,15R) … 操作入力ユニット
16 … 載置盤
17 … コイン入力ユニット
18 … カード排出ユニット
19 … 筐体
21 … 処理制御ユニット(処理制御部)
22 … 記憶ユニット
23 … 通信ユニット
31 … カセット(高額カードカセット)
31,31 … カセット(低額カードカセット)
32 … 排出駆動部
33 … カード有無検出センサ(カード有無検出部)
80 … 管理者装置
81 … 通信ユニット
82 … 処理ユニット
83 … 通知ユニット(通知部)
100 … ゲームシステム
AVC … ICカード(高額カード)
PCC … Cカード(低額カード)
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