(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016221
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】製袋包装機のカットユニット
(51)【国際特許分類】
B26D 1/08 20060101AFI20230126BHJP
B26D 1/20 20060101ALI20230126BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20230126BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20230126BHJP
B65B 61/06 20060101ALN20230126BHJP
【FI】
B26D1/08
B26D1/20 Z
B26D3/00 601B
B26D7/06 Z
B65B61/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120397
(22)【出願日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】391024744
【氏名又は名称】不双産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 保彦
【テーマコード(参考)】
3C027
3E056
【Fターム(参考)】
3C027JJ01
3E056AA05
3E056BA14
3E056CA02
3E056DA05
3E056EA05
3E056FB03
3E056HA10
(57)【要約】
【課題】クラフト紙フィルムを包装材として使用すると、従来のカット方式では最表面の紙が剥離し、毛羽となり、外観上の品質が劣化する。
【解決手段】凹凸列条面11e、13eの列間に設けられ列方向に延びたスリット15と、スリット15の一方の列側に寄せられて取付けられた平刃21により構成された固定刃を有する受け刃側機構9と、凸凹列条面25d、27dの列間から刃先が受け刃側機構9に向かって突出する平刃35により構成された可動刃を有する可動刃側機構23とを備え、可動刃側機構23の接近揺動により、凹凸列条面11e、13eと凸凹列条面25d、27dの間で凹凸圧着されて山目付けされると共に、平刃35の刃先のスリット15への進入により平刃21の刃先との間に挟み込まれてせん断されることで後続の包装材Sから分離される。毛羽が発生せず、一つのカットユニットで山目付けとカットが可能となっているので、山目位置とカット位置の位置ずれが生じない。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して送られてくる包装材に対してヒートシールを施して製袋化する工程のなかで被包装物を供給し、更に前記包装材の送り方向に交差する方向での帯状シール部のカットにより後続の包装材から分離する製袋包装機のカットユニットにおいて、
帯状シール部を挟んで対向する面に形成され、前記帯状シール部の帯伸長方向に延びた凹凸列条面と、前記凹凸列条面の列間に設けられ列方向に延びたスリットと、前記スリットの一方の列側に寄せられて取付けられた平刃により構成された受け刃を有する受け刃側機構と、
前記受け刃側機構の凹凸列条面と前記帯状シール部を挟んで凸凹係合する凸凹列条面と、前記凸凹列条面の列間から刃先が前記受け刃側機構に向かって突出する可動刃を有する可動刃側機構とを備え、
前記帯状シール部は、前記可動刃側機構の接近揺動により、前記受け刃側の凹凸列条面と前記可動刃側の凸凹列条面の間で山目付けされると共に、前記可動刃の刃先の前記スリットへの進入により前記受け刃の刃先との間に挟み込まれてせん断されることで後続の包装材から分離されることを特徴とするカットユニット。
【請求項2】
請求項1に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
受け刃側機構は一対の半割型のブロックを備えており、その割面を利用してスリットと前記スリットに連なる収容部が形成されており、前記収容部に平刃のホルダが組み込まれていることを特徴とするカットユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
可動刃側機構は一対の半割型のブロックを備えており、その割面を利用してスリットが形成されており、前記スリットを通り抜けて刃先が突出することを特徴とするカットユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
可動刃は平刃により構成されており、可動刃側機構の接近揺動により、刃先が受け刃側機構のスリットに進入することを特徴とするカットユニット。
【請求項5】
請求項4に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
可動刃を構成する平刃の刃先は傾斜しており、揺動支点に近づくほど大きく突出していることを特徴とするカットユニット。
【請求項6】
請求項4または5に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
可動刃は揺動接近方向と反対側に逃げ可能に構成されていることを特徴とするカットユニット。
【請求項7】
請求項1から3のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
可動刃は丸刃により構成されており、可動刃側機構の接近揺動後に、前記丸刃の回転しながらの移動により刃先が受け刃側機構のスリットに進入することを特徴とするカットユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
受け刃側機構の凹凸列条面と可動刃側機構の凸凹列条面は、帯状シール部のクランプ面も兼ねることを特徴とするカットユニット。
【請求項9】
請求項8に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
包装材の送り動作可能に構成されていることを特徴とするカットユニット。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
二重包装における外袋の製袋化の工程のなかで内袋が包装される製袋包装機に用いることを特徴とするカットユニット。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、
処理対象の包装材がクラフト紙フィルムであることを特徴とするカットユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に係り、特に、包装材に対してヒートシールを施して製袋化する工程のなかで被包装物を供給し、更に、シール部のカット(切断)により後続の包装材から分離する製袋包装機のカットユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から包装材としてプラスチックフィルムが使用されてきたが、最近では、環境に配慮してプラスチックの使用量を減らすことが求められており、プラスチックフィルムに代えて、「クラフト紙フィルム」の使用が提案されている。
「クラフト紙フィルム」は、紙を基材としつつ、紙単体では担えない機能を付加するためにラミネート加工されたもので、紙の内側にガスバリア性や遮光性を有するアルミ蒸着バリアフィルムが、更に最内側にヒートシール性を有する低密度ポリエチレンがそれぞれラミネートされて複層構造になっており、従来のプラスチックフィルムと同様に、製袋包装機にかけて製袋化及びカットすることが想定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、二重包装用の外袋材として使用し、特許文献1に記載の二重包装装置の外袋形成部にかけて使用すると、「クラフト紙フィルム」を構成する最表面の「紙」が剥離し、「毛羽」となり、外観上の品質が劣化する。
従来のカット方式は、平刃による「押切り」方式であり、平刃の刃先が最表面の紙を通過する際に、「紙」が引き千切れたような状態になって剥離し「毛羽」が発生していた。
一方、従来のカット方式では、カットユニットの平刃の周囲を利用してシール面への「山目付け」機能を備えさせており、「山目付け」と「カット」が可能となって、山目位置とカット位置の位置ずれが解消できている。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、カットユニットに従来と同様に「山目付け」機能を備えさせて、山目位置とカット位置の位置ずれを阻止しつつ、包装材として「クラフト紙フィルム」を使用したときにカット面の「毛羽」無しを実現できる、新規且つ有用なカットユニットを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、連続して送られてくる包装材に対してヒートシールを施して製袋化する工程のなかで被包装物を供給し、更に前記包装材の送り方向に交差する方向での帯状シール部のカットにより後続の包装材から分離する製袋包装機のカットユニットにおいて、帯状シール部を挟んで対向する面に形成され、前記帯状シール部の帯伸長方向に延びた凹凸列条面と、前記凹凸列条面の列間に設けられ列方向に延びたスリットと、前記スリットの一方の列側に寄せられて取付けられた平刃により構成された受け刃を有する受け刃側機構と、前記受け刃側機構の凹凸列条面と前記帯状シール部を挟んで凸凹係合する凸凹列条面と、前記凸凹列条面の列間から刃先が前記受け刃側機構に向かって突出する可動刃を有する可動刃側機構とを備え、前記帯状シール部は、前記可動刃側機構の接近揺動により、前記受け刃側の凹凸列条面と前記可動刃側の凸凹列条面の間で山目付けされると共に、前記可動刃の刃先の前記スリットへの進入により前記受け刃の刃先との間に挟み込まれてせん断されることで後続の包装材から分離されることを特徴とするカットユニットである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、受け刃側機構は一対の半割型のブロックを備えており、その割面を利用してスリットと前記スリットに連なる収容部が形成されており、前記収容部に平刃のホルダが組み込まれていることを特徴とするカットユニットである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、可動刃側機構は一対の半割型のブロックを備えており、その割面を利用してスリットが形成されており、前記スリットを通り抜けて刃先が突出することを特徴とするカットユニットである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、可動刃は平刃により構成されており、可動刃側機構の接近揺動により、刃先が受け刃側機構のスリットに進入することを特徴とするカットユニットである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、可動刃を構成する平刃の刃先は傾斜しており、揺動支点に近づくほど大きく突出していることを特徴とするカットユニットである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4または5に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、可動刃は揺動接近方向と反対側に逃げ可能に構成されていることを特徴とするカットユニットである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、可動刃は丸刃により構成されており、可動刃側機構の接近揺動後に、前記丸刃の回転しながらの移動により刃先が受け刃側機構のスリットに進入することを特徴とするカットユニットである。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、受け刃側機構の凹凸列条面と可動刃側機構の凸凹列条面は、帯状シール部のクランプ面も兼ねることを特徴とするカットユニットである。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、包装材の送り動作可能に構成されていることを特徴とするカットユニットである。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1から8のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、二重包装における外袋の製袋化の工程のなかで内袋が包装される製袋包装機に用いることを特徴とするカットユニットである。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかに記載した製袋包装機のカットユニットにおいて、処理対象の包装材がクラフト紙フィルムであることを特徴とするカットユニットである。
【発明の効果】
【0017】
本発明のカットユニットでは、包装材として「クラフト紙フィルム」を使用したときにカット面の「毛羽」無しを実現できる。また、シール面への「山目付け」とシール部のカットを一つのユニットで実施できるので、位置ズレを生じさせない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】包装装置の内袋セット部と外袋用の製袋包装機との連携関係のイメージ図である。
【
図2】
図1に示す第1の実施の形態に係るカットユニットの要部の拡大斜視図である。
【
図3】
図2のカットユニットのカットブロックの分解斜視図である。
【
図5】
図2のカットユニットに備えられた可動刃と固定刃の配置関係図である。
【
図7】
図2のカットユニットの、
図6と別の方向から見た全体斜視図である。
【
図8】
図2のカットユニットによるせん断動作の説明図である。
【
図9】第2の実施の形態に係るカットユニットの全体斜視図である。
【
図10】
図9のカットユニットの要部の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1の包装装置1は、三角錐形状のティーバッグTを内袋にして二重包装するものであり、製袋充填済みのティーバッグTが、ホッパを備えた内袋セット部3を介して、外袋用の製袋包装機5に供給されることで、外袋のヒートシールによる製袋化の工程のなかでティーバッグTが包装されるようになっている。
【0020】
製袋包装機5では、連続して送られてくる包装材Sが幅方向の中心を折り目として上方に開口するように二つ折りされ重ねられた状態で1ピッチずつ間欠的に送られており、その送り過程で、次の各加工が順次施される。
(1)縦仮シール部5aによって縦仮シール部Kaが形成される。
(2)上流側冷却部5bによって縦仮シール部Kaが冷却される。
(3)下流側冷却部5cによって縦仮シール部Kaが冷却される。
(4)包装材Sの幅方向の一対の縁部Sfが開かれて、ティーバッグTが一対の縦仮シール部Kaで仕切られた区画に供給されてセットされる。
(5)横シール部5dによって包装材Sが挟まれて横シール部Saが形成される。
(6)ティーバッグTがセットされた一対の縦仮シール部Ka間に窒素ガスが充填される。
(7)縦本シール部5eによって縦シール部Sbが形成される。この縦シール部Sbが帯状シール部に相当する。
【0021】
(7)の終了により、外袋Bが完成しており、その後には、カットユニット7により縦シール部Sbがカット(切断)されて外袋Bが後続の包装材Sから切り離される。
このカットユニット7が、本発明の第1の実施の形態に係るものになっている。
図2に拡大して示すように、カットユニット7は、受け刃側機構9と、可動刃側機構23とに大別される。
【0022】
図2~
図4に示すように、受け刃側機構9は、一対の対向配置された背面カットブロック11、13を備える。背面カットブロック11、13は半割型の縦長直方体で、割面には、上下方向に同形且つ直状に延びた凹条部11a、13aがそれぞれ形成されて正面側と背面側とに分断されている。
この凹条部11a、13aの横方向断面は矩形溝になっており、正面側に寄せて形成されている。背面カットブロック11の正面側の割面11bは背面側の割面11cよりも一段横方向外方に向かって下がっており、また、その角部は面取りされている。また、背面カットブロック13の正面側の割面13bは背面側の割面13cよりも一段横方向外方に向かって下がっている。
【0023】
一対の背面カットブロック11、13は、それぞれの背面側の割面11c、13cが合わされ適宜な手段で連結されて一体化されており、正面側の割面11b、13bは隙間を開けて対向している。この隙間でスリット15が構成されている。また、背面側では凹条部11aと凹条部13aが連なって1つの横断面が四角形の収容部17が形成されており、スリット15と連通している。
この収容部17のうちの凹条部11aに直方体状のホルダ19が収容され固定されている。このホルダ19の上下方向に延びた平面に薄板矩形状の平刃21の刃元が重ねられ、 ボルト締付けにより保持されており、平刃21の刃先21aが割面11bに重ねられた状態になっている。刃先21aの先端縁は背面カットブロック11の正面のクランプ面11dとほぼ面一になっている。
平刃21が取り付けられた状態で、刃先21aと割面13bとの間には隙間が残されている。
【0024】
背面カットブロック11のクランプ面11dと、背面カットブロック13のクランプ面13dは同一の平面状にあり、それぞれ、縁近傍を除いて凹凸列条面11e、13eが形成されている。この凹凸列条面11e、13eは、凹条列と凸条列が上下方向に沿って交互に配列しており、スリット15がその列間に列と平行に延びた状態で配置されている。
【0025】
可動刃側機構23にも、一対の対向配置された扱い面カットブロック25、27を備える。扱い面カットブロック25、27も半割型の縦長になっているが、天面部と底面部を除いて大きく角柱状に切り欠かれて、それぞれ横方向断面がL形の凹条部25a、27aが形成されている。
切り欠かれた面は割面と正面になっており、一対の扱い面カットブロック25、27は、それぞれの天面部の端面と底面部の端面がそれぞれ割面25b、27bになっており、合わされ適宜な手段で連結されて一体化されており、凹条部25a、27aは連なって1つのほぼ断面四角形の収容部29をなしており、この収容部29は正面側に開口している。
【0026】
扱い面カットブロック27側では、L形をなす二つの辺部のうち割面27bを端面とする辺部の長さが短くなっており、一対の扱い面カットブロック25、27が一体化されたときに、割面25bとの間に隙間が形成される。この隙間でスリット31が構成されている。このスリット31は凹条部27aと連通している。このスリット31は天面部と底面部を貫通している。
また、後述のノッヂ形成刃の受入れ用に、スリット31と連なり、その直交する方向にスリットも形成されている。
【0027】
扱い面カットブロック25のクランプ面25cと、扱い面カットブロック27のクランプ面27cは同一の平面状にあり、それぞれ、縁近傍を除いて凸凹列条面25d、27dが形成されている。この凸凹列条面25d、27dは、凸条列と凹条列が上下方向に沿って交互に配列しており、スリット31がその列間に列と平行に延びた状態で配置されている。
【0028】
薄板矩形状の平刃35の刃元がホルダ37に挟持され、 ボルト締付けにより保持されており、平刃35の刃先35aが背面側に突出している。刃先35aは直線状に傾斜しており、下方にいくに従って背面側への突出度合いが大きくなっている。また、刃先35aは片刃仕様になっている。
ホルダ37は収容部29に収容されており、平刃35の刃先35aはスリット31を通り抜けて背面側に突出している。
また、ホルダ37には、ノッヂ形成刃39も保持されている。
【0029】
可動刃側機構23の平刃35と、受け刃側機構9の平刃21は、
図5に示す配置関係になっているので、この可動刃側機構23の平刃35が、受け刃側機構9の平刃21に対して接近し、縦シール部Sbに刃先35a、21aが食い込み始めて両刃先側からクラックが生じ、これらのクラックが貫通することでせん断が完了するように構成されており、平刃35が可動刃、平刃21が固定刃にそれぞれ対応している。
【0030】
カットユニット7のせん断動作に係る構成について説明する。
図6に示すように、主駆動モータの動力をベース板41が受取り、カットユニット7が一体になって、
図1の矢印に示す方向に往復移動可能になっている。
このベース板41にはアーム43が揺動支点43aを中心として、揺動自在に支持されており、一対の揺動片のうち一方の揺動片43bにはカム機構45のローラ状のカムフォロア45aが軸周りに回転自在に備えられている。一方、相方の板カム45bはベース板41に回転可能に支持され、且つ、スプライン軸を回転軸としている。また、アーム43とベース板41との間に介装されたバネ46により、カムフォロア45aが板カム45bに圧接する方向に付勢されている。
アーム43の他方の揺動片43cに、一体となった扱い面カットブロック25、27が、凹状取付部47を介して連結されている。
【0031】
上記の構成により、スプライン軸の回転により、カム機構45を介してアーム43がバネ46に抗して揺動することで、可動刃側機構23が動作し、平刃35が受け刃側機構9の平刃21に対して接近する。
受け刃側機構9のスリット15には隙間が残されているので、平刃35の刃先35aはスリット15に進入しながら、平刃21に対して重なり合う。
刃先35aは傾斜しており、揺動支点43aに近づくほど大きく突出しているので、揺動支点43a側から徐々に進入することになる。
【0032】
可動刃側機構23の平刃35と受け刃側機構9の平刃21との間にティーバッグTが包装され膨らんだ状態で外袋Bが送られてくるので、可動刃側機構23は突出した平刃35が外袋Bを擦らないよう、正面側に逃げられるように以下の構成になっている。
図7に示すように、平刃35を保持するホルダ37は、移動プレート49に連結されており、この移動プレート49は一対の凹状溝部49a、49aが設けられている。凹状取付部47の凹底部の外面側に上記したようにアーム43の揺動片43cが取り付けられており、反対側の内面に、一対の直動ガイド47a、47aが設けられている。この一対の直動ガイド47a、47aに上記した一対の凹状溝部49a、49aが各別に摺動可能に嵌合している。また、内面にはエアシリンダ51の本体が固定されており、このロッドに対して移動プレート49が固定されている。従って、エアシリンダ51の駆動によりロッドが進退し、その移動ストロークの範囲で平刃35が後退して逃げることができる。
【0033】
次に、カットユニット7の動作について説明する。
図8(1)に示すように、カットユニット7の可動刃側機構23の揺動による受け刃側機構9への接近により、包装材Sを受け刃側機構9に向かって押し出し、
図8(2)に示すように、縦シール部Sbを縦長のクランプ面11d、13dと縦長のクランプ面25c、27cが圧接してクランプする状態になる。
そのクランプ中に包装材Sが横方向に送られる。すなわち、カットユニット7は包装材Sの送りも担っている。
クランプ中は、縦シール部Sbを挟んだ受け刃側機構9の凹凸列条面11e、13eと、可動刃側機構23の凸凹列条面25d、27dとの凹凸係合により、縦シール部Sbが圧着されて山目付けされる。
また、可動刃側機構23の突出した平刃35の刃先35aが下側から徐々にスリット15に進入して、平刃21の刃先21aとの間で縦シール部Sbが挟み込まれてせん断が実行される。
【0034】
せん断の終了の際には、包装材Sの1ピッチ分の送り動作を終えているので、可動刃側機構23は揺動により受け刃側機構9から離れ、クランプ状態が解除され、先行する外袋Bは後続の連続した包装材Sから切り離される。
この後は、カットユニット7は送り動作で進んだ1ピッチ分戻り、後続の製袋化された外袋Bに対して上記の動作を繰り返すことになる。
この戻る際には、可動刃側機構23から突出した平刃35が外袋Bを擦らないよう、逃げるようになっている。
【0035】
カットユニット7により縦シール部Sbはせん断されるので、包装材Sがクラフト紙フィルムで構成されていても、「毛羽」は発生しない。また、ヒートシールされた直後の温かい縦シール部Sbに対して「山目付け」されるので、シール面の密着性が更に良くなっている。また、「山目付け」部分の常に中心部分が切断される。
更に、カットユニット7については、平刃35側の刃面がカットの度に自動的に研がれて片刃がより鋭角になっていくので、益々食い込み易くなって結果として刃の持ちが良くなる。
【0036】
第1の実施の形態に係るカットユニット7に代えて、第2の実施の形態に係るカットユニット53を製袋包装機5に組み込むことができる。
図9、
図10にしたがって、このカットユニット53を説明する。但し、カットユニット7と同じような構成は形状に些細な違いが有っても同じ符号を付すことで説明を省略する。
カットユニット53では、可動刃側機構55に丸刃57が備えられている。凹状取付部47の内面側にアクチュエータ59が固定されており、この動力を伝達するベルト(図示省略)に連結部61を介して昇降部63が連結されている。この昇降部63の凹状溝部63aが内面に設けられた直動ガイド61aに摺動可能に嵌合している。
【0037】
また、内面にはラック65が固定されており、このラック65に噛合するピニオンギア67が外嵌された回転体69が回転可能に昇降部63に載置されている。この回転体69は丸刃57のホルダ71と、傘歯車の噛合いを利用した回転方向変換機構72を介して連結されている。
従って、アクチュエータ59の駆動により、丸刃57が上下移動しながら回転する。
丸刃57の刃先57aはスリット31から突出しており、クランプ中に回転しながら下側から上昇することで、下側から徐々にスリット15に進入して、平刃21との間で縦シール部Sbが挟み込まれてせん断が実行される。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、包装材はクラフト紙フィルムに限定されず、従来から使用されているプラスチックフィルムでもよい。従来のカットユニットと比較して刃部の持ちが良くなって交換頻度が低くなっており、包装材としてプラスチックフィルムを使用する場合であっても、有用なものになっている。
また、上記の実施の形態ではカットユニット7は横型製袋包装機に組み込まれていたが、縦型のものに組み込むことも可能である。更に、二重包装用にも限定されない。
【符号の説明】
【0039】
1…包装装置 3…内袋セット部 5…製袋包装機 5a…縦仮シール部
5b…上流側冷却部 5c…下流側冷却部 5d…横シール部 5e…縦本シール部
7…カットユニット(第1の実施の形態)
9…受け刃側機構 11…背面カットブロック 11a…凹条部
11b…正面側の割面 11c…背面側の割面 11d…クランプ面
11e…凹凸列条面 13…背面カットブロック 13a…凹条部
13b…正面側の割面 13c…背面側の割面 13d…クランプ面
13e…凹凸列条面 15…スリット 17…収容部 19…ホルダ
21…平刃 21a…刃先 23…可動刃側機構
25…扱い面カットブロック 25a…凹条部 25b…割面
25c…クランプ面 25d…凸凹列条面 27…扱い面カットブロック
27a…凹条部 27b…割面 27c…クランプ面
27d…凸凹列条面 29…収容部 31…スリット 35…平刃
35a…刃先 37…ホルダ 39…ノッヂ形成刃
41…ベース板 43…アーム 43a…揺動支点 43b…揺動片
43c…揺動片 45…カム機構 45a…カムフォロア
45b…板カム 46…バネ 47…凹状取付部 47a…直動ガイド
49…移動プレート 49a…凹状溝部 51…エアシリンダ
53…カットユニット(第2の実施の形態)
55…可動刃側機構 57…丸刃 57a…刃先 59…アクチュエータ
61…連結部 61a…直動ガイド 63…昇降部 63a…凹状溝部
65…ラック 67…ピニオンギア 69…回転体 71…ホルダ
72…回転方向変換機構
T…ティーバッグ S…包装材 Sf…縁部 Ka…縦仮シール部
Sa…横シール部 Sb…縦シール部 B…外袋