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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162218
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】通気部品
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/06 20060101AFI20231031BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20231031BHJP
   F16J 15/14 20060101ALI20231031BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20231031BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H05K5/06 E
H05K7/12 R
F16J15/14 C
C09J201/00
C09J11/04
H05K7/12 M
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127605
(22)【出願日】2023-08-04
(62)【分割の表示】P 2019106826の分割
【原出願日】2019-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100163463
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 光彦
(72)【発明者】
【氏名】矢野 陽三
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 拓見
(72)【発明者】
【氏名】西川 健一
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で高い信頼性を発揮するのに有利な通気部品を提供する。
【解決手段】通気部品1aは、支持部10と、通気膜20と、シール部材30とを備える。支持部10は、通気路12と、環状面14とを有する。通気部品1aが筐体2に装着されたときに、通気路12は、開口2aの開口面に垂直な方向に延びており、支持部10を貫通している。環状面14は、筐体2の外面2eに対向するとともに平面視において通気路12を取り囲む。通気膜20は、通気路12を通気可能に塞いでいる。通気膜20において、通気膜20の厚み方向に気体が通過可能である。シール部材30は、筐体2の外面2eと環状面14との間に挟まれて筐体2の外面2eと環状面14との間をシールする。シール部材30は、粘着剤、接着剤、及び接着剤の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の開口を覆うように前記筐体に装着される通気部品であって、
当該通気部品が前記筐体に装着されたときに、前記開口の開口面に垂直な方向に延びている通気路と、前記開口の外周に位置する前記筐体の外面に対向するとともに平面視において前記通気路を取り囲む環状面とを有する支持部と、
前記通気路を通気可能に塞いでいる、厚み方向に気体が通過可能な通気膜と、
当該通気部品が前記筐体に装着されたときに、前記筐体の前記外面と前記環状面との間に挟まれて前記筐体の前記外面と前記環状面との間をシールするシール部材と、を備え、
前記通気路は、前記垂直な方向に前記支持部を貫通しており、
前記シール部材は、粘着剤、接着剤、及び接着剤の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、
通気部品。
【請求項2】
前記シール部材は、充填剤、気泡、及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有している粘着剤を含む、請求項1に記載の通気部品。
【請求項3】
前記粘着剤は、前記充填剤を含有している、請求項2に記載の通気部品。
【請求項4】
前記粘着剤は、前記気泡をさらに含有している、請求項3に記載の通気部品。
【請求項5】
前記充填剤は、中空粒子である、請求項3又は4に記載の通気部品。
【請求項6】
前記支持部は、当該通気部品が前記筐体に装着されたときに、前記開口と対向する被着面を有し、
前記通気膜は、前記被着面に取り付けられている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の通気部品。
【請求項7】
前記支持部は、当該通気部品が前記筐体に装着されたときに、前記筐体の前記外面が向く方向と同一の方向を向いている被着面を有し、
前記通気膜は、前記被着面に取り付けられている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の通気部品。
【請求項8】
前記支持部は、前記シール部材が前記通気路に近づく移動及び前記シール部材が前記通気路から遠ざかる移動の少なくとも1つを抑制する第一位置決め部を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の通気部品。
【請求項9】
前記支持部は、前記通気膜の表面に平行な方向への前記通気膜の移動を抑制する第二位置決め部を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の通気部品。
【請求項10】
前記支持部から前記垂直な方向に突出しており、当該通気部品が前記筐体に装着されたときに前記開口に挿入されて前記開口において前記筐体に接触する突出部をさらに備え、
前記通気路は、前記垂直な方向に前記支持部及び前記突出部を貫通している、
請求項1~9のいずれか1項に記載の通気部品。
【請求項11】
前記突出部は、前記筐体に係止される係止部を有する、請求項10に記載の通気部品。
【請求項12】
前記支持部に連結しており、前記通気膜を平面視したときに前記通気膜を覆っているとともに、前記通気膜との間に当該通気部品の外部空間と連通している間隙を形成する、屋根部をさらに備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の通気部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開口を有する筐体に装着される通気部品が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、通気部材と、シール部材とを備えた通気ユニットが記載されている。通気部材は、筐体の開口に取り付けられる。通気部材は、開口を覆うための防水通音膜を含む。シール部材は、筐体と通気部材との間のギャップをシールする。シール部材として、Oリングが用いられる。シール部材は、ワッシャをさらに備えている。ワッシャは、シール部材を取り囲んでいる。これにより、高い外圧が作用する環境下で通気部材と筐体との間から筐体内に異物が侵入することが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-231089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の通気ユニットでは、シール部材としてOリングが用いられており、さらにワッシャが用いられている。特許文献1に記載の技術は簡素な構成で通気部品の信頼性を高める余地を有している。そこで、本発明は、簡素な構成で高い信頼性を発揮するのに有利な通気部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
筐体の開口を覆うように前記筐体に装着される通気部品であって、
当該通気部品が前記筐体に装着されたときに、前記開口の開口面に垂直な方向に延びている通気路と、前記開口の外周に位置する前記筐体の外面に対向するとともに平面視において前記通気路を取り囲む環状面とを有する支持部と、
前記通気路を通気可能に塞いでいる、厚み方向に気体が通過可能な通気膜と、
当該通気部品が前記筐体に装着されたときに、前記筐体の前記外面と前記環状面との間に挟まれて前記筐体の前記外面と前記環状面との間をシールするシール部材と、を備え、
前記通気路は、前記垂直な方向に前記支持部を貫通しており、
前記シール部材は、粘着剤、接着剤、及び接着剤の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、
通気部品を提供する。
【発明の効果】
【0007】
上記の通気部品は、簡素な構成で高い信頼性を発揮するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明に係る通気部品の一例の断面を示す斜視図である。
図2A図2Aは、図1に示す通気部品の変形例の断面の一部を示す斜視図である。
図2B図2Bは、図1に示す通気部品の別の変形例の断面の一部を示す斜視図である。
図2C図2Cは、図1に示す通気部品のさらに別の変形例の断面の一部を示す斜視図である。
図2D図2Dは、図1に示す通気部品のさらに別の変形例の断面の一部を示す斜視図である。
図3図3は、本発明に係る通気部品の別の一例の断面を示す斜視図である。
図4図4は、本発明に係る通気部品のさらに別の一例の断面を示す斜視図である。
図5図5は、本発明に係る通気部品のさらに別の一例の断面を示す斜視図である。
図6図6は、本発明に係る通気部品のさらに別の一例の断面を示す斜視図である。
図7図7は、本発明に係る通気部品のさらに別の一例の断面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。以下の説明は、本発明の例示であり、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0010】
図1に示す通り、通気部品1aは、筐体2の開口2aを覆うように筐体2に装着される部品である。通気部品1aは、支持部10と、通気膜20と、シール部材30とを備えている。支持部10は、通気路12と、環状面14とを有する。通気部品1aが筐体2に装着されたときに、通気路12は、開口2aの開口面に垂直な方向に延びており、支持部10を貫通している。通気部品1aが筐体2に装着されたときに、環状面14は、開口2aの外周に位置する筐体2の外面2eに対向するとともに平面視において通気路12を取り囲む。通気膜20は、通気路12を通気可能に塞いでいる。通気膜20において、通気膜20の厚み方向に気体が通過可能である。通気部品1aが筐体2に装着されたときに、シール部材30は、筐体2の外面2eと環状面14との間に挟まれて筐体2の外面2eと環状面14との間をシールする。シール部材30は、粘着剤、接着剤、及び接着剤の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。「粘着剤」は、物と物とをくっつける作用を発揮する材料である「接着剤」の1種であり、圧力をかけることによってくっつける作用を発揮するものを意味する。また、本発明においては、「粘着剤」は、「接着剤」から除かれ、「接着剤」は主に硬化によってくっつける作用を発揮するものと意味する。なお、本明細書において、開口2aの開口面とは、開口2aをなす筐体2の面と外面2eとの境界によって定まる面を意味する。
【0011】
環状面14は、平面視において通気路12を取り囲む限り、特定の形状に限定されない。環状面14は、円環状であってもよいし、円環状以外の形状であってもよい。
【0012】
シール部材30は、通気部品1aが筐体2に装着されたときに、筐体2の外面2eに接触する第一接合面30aを有する。第一接合面30aは、例えば、粘着剤、接着剤、及び接着剤の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも1つによって形成されている。
【0013】
特許文献1に記載の技術のように、通気部品と筐体の外面との間のシールにOリングを用いる場合、Oリングは円状の断面を有するので、通気部品が筐体に装着されたときにOリングが筐体の外面に接触する面積が限定される。また、Oリングが弾性体であると、筐体の外面の表面粗さによっては、十分なシール性を確保できない可能性がある。例えば、筐体の外面の表面が粗く、Oリングが筐体の外面に接触する面積が小さい場合には、Oリングを圧縮しても筐体の外面の凹凸に合わせてOリングが変形できず、空気などの気体又は水等の液体が漏れる可能性がある。一方、通気部品によれば、シール部材30が粘着剤、接着剤、及び接着剤の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むので、例え
ば、第一接合面30aが、粘着剤、接着剤、及び接着剤の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも1つによって形成される。このため、通気部品1aが筐体2に装着されたときにシール部材30と筐体2の外面2eとの接触面積を大きくしやすい。例えば、通気部品1において、同一の外径を有する通気部品においてシール部材としてOリングを用いた構成に比べて、シール部材30と筐体2の外面2eとの接触面積が大きくなりやすい。これにより、筐体2又は筐体2の内部のコンポーネントの耐食性を向上させることができる。加えて、筐体2の外面2eの形状に合わせて第一接合面30aが形成されやすい。これにより、気体又は液体が漏れにくく、通気部品1aは、高い信頼性を発揮しうる。しかも、通気部品1aでは、特許文献1に記載の通気ユニットにおけるワッシャのような部材が不要であり、簡素な構成を有する。
【0014】
シール部材30は、その外周部が筐体2の外面2eとの間に窪みを形成しにくいので、シール部材30の外周部に接した箇所に液体が貯まりにくい。これにより、筐体2又はシール部材30の劣化を防止できる。
【0015】
シール部材30において、環状面14と筐体2の外面2eとの間に挟まれることによって発生する応力(反発力)がOリングに比べて小さいので、筐体2にかかる負荷を低減できる。シール部材30は、Oリングのように圧縮しなくてもよいので、筐体2の加工に求められる精度を緩和できる。また、通気部品1aは、シール部材としてOリングを使用する場合に比べて安価に製造できる。加えて、シール部材としてOリングを使用する場合に比べて、筐体2の開口2aの開口面に垂直な方向における通気部品1aの寸法を小さくしやすく、通気部品1aにおいて筐体2から筐体2の外側に突出した部分の寸法を小さくできる。また、通気部品1aにおいて筐体2から筐体2の内側に突出した部分の寸法を小さくできる。さらに、筐体2をなす板材の厚みを小さくできる。
【0016】
シール部材30は、例えば、環状面14に接触する第二接合面30bを有する。第二接合面30bは、例えば、粘着剤、接着剤、及び接着剤の硬化物からなる群より選ばれる少なくとも1つによって形成されている。
【0017】
図1に示す通り、シール部材30は、例えば、単一層の粘着剤31によって構成されている。一方、図2Aに示す通り、シール部材30は、単一層の接着剤32によって構成されていてもよい。図2Bに示す通り、シール部材30は、基材35と、基材35の両面に形成された2層の粘着剤31によって構成されていてもよい。図2Cに示す通り、シール部材30は、基材35と、基材35の一方の主面に形成され、第一接合面30aをなす粘着剤31と、基材35の一方の主面に形成され、第二接合面30bをなす接着剤32によって構成されていてもよい。図2Dに示す通り、シール部材30は、基材35と、基材35の両面に形成された2層の接着剤32によって構成されていてもよい。
【0018】
シール部材30が粘着剤31を含む場合、その粘着剤31は特に限定されない。粘着剤31は、典型的には、ベースポリマーを含有している。ベースポリマーは、例えば、公知のアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、又はエポキシ系粘着剤におけるベースポリマーでありうる。
【0019】
粘着剤31は、例えば、充填剤、気泡、及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有している。これにより、粘着剤31の接着性、凝集性、及び柔軟性を所望の状態に調節しやすい。粘着剤31がなす層の厚みは、例えば、1.0~2.0mmである。
【0020】
粘着剤31は、例えば、充填剤を含有している。これにより、粘着剤31の剥離におけ
る応力が分散し、粘着剤31が高い接着性を有しやすい。
【0021】
粘着剤31に所望の接着性を付与できる限り、充填剤は特に限定されない。充填剤は、例えば、中空粒子である。これにより、粘着剤31の剥離における応力がより確実に分散し、粘着剤31が高い接着性を有しやすい。
【0022】
粘着剤31において充填剤としての中空粒子をなす材料は、無機材料であってもよいし、有機材料であってもよい。中空粒子をなす無機材料は、例えば、ガラス、アルミナ等の金属酸化物、又はセラミックである。なお、本明細書において、金属酸化物にはシリカが含まれる。中空粒子をなす無機材料は、例えば、アクリル樹脂又は塩化ビニリデン樹脂である。
【0023】
中空粒子は、例えば、球状である。中空粒子の平均粒子径は、特に制限されない。中空粒子の平均粒子径は、例えば、1~500μmであり、5~200μmであってもよく、10~100μmであってもよい。中空粒子の平均粒子径は、例えば、以下のように決定できる。粘着剤31が含有している50個以上の中空粒子に対し、光学顕微鏡又は電子顕微鏡による観察によって各中空粒子の最大径を決定する。その後、中空粒子の最大径の算術平均値を求め、求めた算術平均値を中空粒子の平均粒子径と決定する。
【0024】
中空粒子の密度は、特に限定されない。中空粒子の密度は、例えば0.1~0.8g/cm3であり、0.12~0.5g/cm3であってもよい。中空粒子の密度が0.1g/cm3以上であることにより、粘着剤31において中空粒子が均一に分散しやすい。中空
粒子の密度が0.8g/cm3以下であることにより、粘着剤31の製造コストが低くな
りやすい。
【0025】
粘着剤31における充填剤の含有量は、特に限定されない。粘着剤31における充填剤の含有量は、例えば、粘着剤31の全体積に対して5~50体積%であり、10~50体積%であってもよく、15~40容積%であってもよい。粘着剤31における充填剤の含有量が5体積%以上であると、粘着剤31の剥離における応力がより確実に分散しやすい。粘着剤31における充填剤の含有量が50体積%以下であると、粘着剤31の接着力の低下を抑制できる。
【0026】
粘着剤31は、充填剤に加えて、気泡をさらに含有していてもよい。これにより、粘着剤31の剥離における応力がより確実に分散し、粘着剤31が高い接着性を有しやすい。加えて、粘着剤31の凝集性及び柔軟性を調節しやすく、粘着剤31の加工性及び粘着剤31の反発性を高めやすい。
【0027】
粘着剤31における気泡の含有量は、特に限定されない。粘着剤31における気泡の含有量は、粘着剤31の全体積に対して、例えば5~50体積%であり、5~40体積%であってもよく、5~30体積%であってもよい。粘着剤31における気泡の含有量が5体積%以上であると、粘着剤31が応力により変形しても粘着剤31が変形前の状態に戻りやすく、粘着剤31が所望の反発性を発揮し得る。粘着剤31における気泡の含有量が50体積%以下であると、粘着剤31がなす層を気泡が貫通することを防止でき、粘着剤31が高い接着性を発揮しやすい。加えて、粘着剤31が柔らかくなりすぎることを防止でき、かつ、粘着剤31がせん断力に対して所望の抵抗を発揮しやすい。
【0028】
粘着剤31における気泡は、望ましくは、独立気泡である。粘着剤31において、独立気泡及び連続気泡が混在していてもよい。
【0029】
粘着剤31における気泡は、例えば、球状である。粘着剤31における気泡は、いびつ
な球状であってもよい。粘着剤31における気泡の平均直径は、特に限定されない。粘着剤31における気泡の平均直径は、例えば1~1000μmであり、10~500μmであってもよく、30~300μmであってもよい。気泡の平均直径は、例えば、以下のように決定できる。平均気泡径は、典型的には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて得られた、好ましくは10個以上の気泡の直径についての測定結果を算術平均することによって求めることができる。このとき、非球状の形状の気泡については、同等の体積を有する球状の気泡に換算して平均気泡径を求める。
【0030】
粘着剤31における気泡に含まれる気体成分は、特に限定されない。気泡に含まれる気体成分は、例えば、窒素、二酸化炭素、及びアルゴン等の不活性ガス、並びに、空気である。粘着剤31における気泡の形成後に重合反応等の反応が行われる場合、気泡に含まれる気体成分がその反応を阻害しないことが望ましい。反応を阻害しないこと、及び、製造コスト等の観点から、気泡に含まれる気体成分は、望ましくは窒素である。
【0031】
粘着剤31が充填剤を含有している場合、粘着剤31は気泡を実質的に含有していなくてもよい。この場合、粘着剤31がせん断力に対して高い抵抗を発揮しやすい。気泡を実質的に含有していないとは、例えば、粘着剤31における気泡の含有量が、粘着剤31の全体積に対して5%未満であることを意味する。
【0032】
粘着剤31は、例えば、充填剤に加えて、界面活性剤をさらに含有していてもよい。これにより、充填剤とベースポリマーとの密着性が低下して、粘着剤31の応力分散性が高まりやすい。その結果、粘着剤31が被着面の形状に合わせて変形しやすく、粘着剤31が高い接着性を発揮しやすい。
【0033】
粘着剤31に含有される界面活性剤は特に限定されない。界面活性剤は、例えばフッ素系界面活性剤である。フッ素系界面活性剤は、例えば、オキシアルキレン基及びフッ素化炭化水素基を有する。オキシアルキレン基により、充填剤とベースポリマーとの密着性及び摩擦抵抗が低くなりやすく、粘着剤31の応力分散性が高まりやすい。フッ素化炭化水素基により、充填剤とベースポリマーとの摩擦抵抗が低くなりやすい。加えて、粘着剤31が気泡を含有している場合、気泡の混合性及び気泡の安定性を高めやすい。フッ素系界面活性剤は、例えば非イオン型界面活性剤である。この場合、フッ素系界面活性剤がベースポリマーに対して良好な分散性を有しやすい。
【0034】
フッ素系界面活性剤のオキシアルキレン基は、-R-O-で表される。Rは、2又は3の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基である。フッ素系界面活性剤は、例えば、オキシエチレン基(-CH2CH2O-)及びオキシプロピレン基[-CH2CH
(CH3)O-]の少なくとも1つを有している。オキシアルキレン基の末端の酸素原子
には水素原子が結合してアルコールを構成していてもよい。オキシアルキレン基の末端の酸素原子には他の炭化水素基が結合してエーテルを構成していてもよい。オキシアルキレン基の末端の酸素原子がカルボニル基を介して他の炭化水素基と結合してエステルを構成していてもよい。オキシアルキレン基を含む構造は、環式エーテル類及びラクトン類等の環式構造であってもよい。
【0035】
フッ素系界面活性剤のフッ素化炭化水素基は、特に限定されない。フッ素化炭化水素基は、例えばパーフルオロ基である。パーフルオロ基は、1価であってもよく、2価以上の多価であってもよい。また、フッ素化炭化水素基は、二重結合や三重結合を有していてもよく、直鎖構造、分岐鎖構造、又は環式構造を有していてもよい。フッ素化炭化水素基における炭素原子の数は、特に限定されない。フッ素化炭化水素基における炭素原子の数は、例えば1又は2以上であり、3~30であってもよく、4~20であってもよい。
【0036】
フッ素系界面活性剤の構造は、特定の構造に限定されない。フッ素系界面活性剤は、例えば、オキシアルキレン基を有するモノマーと、フッ素化炭化水素基を有するモノマーとの共重合体である。共重合体は、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
【0037】
粘着剤31に含有されているベースポリマーは、望ましくは、アクリル系ポリマーである。アクリル系ポリマーは、例えば(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとするアクリル系ポリマーである。アクリル系ポリマーにおいて、望ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが使用されうる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば、1~20の炭素原子を含むアルキルを有する。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、又は(メタ)アクリル酸エイコシルである。アクリル系ポリマーにおいて、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルが用いられてもよい。脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、又はイソボロニル(メタ)アクリレートである。
【0038】
アクリル系ポリマーにおける(メタ)アクリル酸エステルの使用量は、例えば、ベースポリマーを調製するためのモノマーの全量に対して、60重量%以上であり、望ましくは80重量%以上である。
【0039】
アクリル系ポリマーでは、モノマー成分として、極性基含有モノマー又は多官能性モノマー等の共重合性モノマーが用いられてもよい。共重合性モノマーの使用により、例えば、被着体への接着性が高まり、粘着剤31の凝集力が高まる。アクリル系ポリマーでは、単一種類の共重合性モノマーが用いられてもよいし、2種類以上の共重合性モノマーが用いられていてもよい。
【0040】
極性基含有モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、及びイソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー又は無水マレイン酸等のそのカルボキシル基の無水物を含有するモノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等の水酸基含有モノマー;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びN-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、及び(メタ)アクリル酸t-ブチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル及び(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリル及びメタアクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N-ビニル-2-ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニ
ルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマーなどが挙げられる。極性基含有モノマーとしてはアクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー又はその無水物が好適である。
【0041】
極性基含有モノマーの使用量は、ベースポリマーを調製するためのモノマーの全量に対して、例えば30重量%以下であり、1~30重量%であってもよく、2~30重量%であってもよい。これにより、粘着剤31の凝集力が適切なレベルに保たれやすい。また、粘着剤31がせん断力に対して高い抵抗を発揮しやすい。
【0042】
多官能性モノマーは、例えば、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジブチル(メタ)アクリレート、又はヘキシジル(メタ)アクリレートである。
【0043】
多官能性モノマーの使用量は、ベースポリマーを調製するためのモノマーの全量に対して、例えば2重量%以下であり、0.01~2重量%であってもよく、0.02~1重量%であってもよい。これにより、粘着剤31の凝集力が適切なレベルに保たれやすい。
【0044】
ベースポリマーの調製において、使用可能な他の共重合性モノマーは、例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、スチレンビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、エチレン、ブタジエン、イソプレン、及びイソブチレン等のオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル及び(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有モノマー;2-ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート等のリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド及びイソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー;2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有単量体;フッ素原子含有(メタ)アクリレート;又はケイ素原子含有(メタ)アクリレートである。
【0045】
粘着剤31は、必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、老化防止剤、可塑剤、及び着色剤からなる群より選ばれる少なくとも1つをさらに含有していてもよい。
【0046】
シール部材30が接着剤32を含む場合、その接着剤32は特に限定されない。接着剤32として、公知の接着剤を使用できる。接着剤32は、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、ビニル樹脂系接着剤、ホットメルト接着剤、又はシアノアクリレート系接着剤でありうる。接着剤32がホットメルト接着剤である場合、接着剤32は、ホットメルトシートであってもよい。ホットメルト接着剤は、特定のホットメルト接着剤に限定されない。ホットメルト接着剤は、ポリアミド系ホットメルト接着剤、ポリウレタン系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、オレフィン系ホットメルト接着剤、熱可塑性ポリイミドを含有するホットメルト接着剤であってもよい。ホットメルトシートの例は、日本マタイ社製のエルファン(登録商標)PH-413及び倉敷紡績社製の熱可塑性ポリイミドフィルムであるミドフィル(登録商標)である。
【0047】
シール部材30が基材35を含む場合、基材35は、例えば、繊維系基材、プラスチック系基材、金属系基材、ゴム系基材、発泡体、又はこれらの積層体でありうる。繊維系基材は、例えば、布、不職布、及びネットである。金属系基材は、例えば、金属箔又は金属
板である。ゴム系基材は、例えば、ゴムシートである。積層体は、プラスチック系基材と他の基材との積層体であってもよく、プラスチックフィルムの積層体であってもよい。プラスチック系基材に含まれるプラスチック材料は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα-オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂である。プラスチック材料は、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びポリブチレンテレフタラート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン);芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)であってもよい。基材35において、単一種類のプラスチック材料が使用されていてもよく、2種類以上のプラスチック材料が使用されていてもよい。
【0048】
基材35の厚さは、特定の厚さに限定されない。基材35の厚さは、例えば1000μm以下であり、1~1000μmであってもよく、1~500μmであってもよく、3~300μmであってもよい。
【0049】
図1に示す通り、支持部10は、例えば、被着面15を有する。被着面15は、通気部品1aが筐体2に装着されたときに、開口2aと対向する。通気膜20は、例えば、被着面15に取り付けられている。この場合、通気膜20が通気部品1aの外部の物体と直接接触しにくい。このため、通気膜20が適切に保護されやすい。
【0050】
通気膜20は、所望の通気性を有する限り特定の通気膜に限定されない。通気膜20は、単層膜であってよいし、多層膜であってもよい。通気膜20が多層膜である場合、各層は、多孔質膜、不織布、クロス、及びメッシュからなる群より選ばれる1つでありうる。通気膜20は、多孔質膜及び不織布を含んでいてよく、クロス及びメッシュの少なくとも1つと多孔質膜とを含んでいてもよく、複数の不織布を含んでいてもよい。通気膜20は、典型的には、有機高分子材料(樹脂)によって構成されている。多孔質膜の材料は、例えば、フッ素樹脂である。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、又はテトラフルオロエチレン-エチレン共重合体を使用できる。不織布、クロス、及びメッシュの材料は、例えば、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン、アラミド、又はエチレン酢酸ビニル共重合体である。
【0051】
通気膜20は、例えば、延伸PTFE多孔質膜を含む。この場合、延伸PTFE多孔質膜は、不織布などの通気性支持材に積層されていてもよい。
【0052】
通気膜20は、必要に応じて撥液処理されていてもよい。撥液処理は、例えば、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系表面修飾剤を含む撥液性の被膜を通気膜20に形成することによってなされる。撥液性の被膜の形成は、特に制限されないが、例えば、エアスプレイ法、静電スプレイ法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、カーテンフローコーティング法、又は含浸法等の方法により、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系表面修飾剤の溶液又はディスパージョンで樹脂多孔質膜をコーティングすることによりなされる。また、電着塗装法又はプラズマ重合法によって、撥液性の被膜を形成してもよい。
【0053】
通気膜20は、例えば、被着面15に対して接着されている。通気膜20は、被着面15に対して溶着されていてもよい。通気膜20は、、被着面15に対して両面テープによって取り付けられていてもよい。
【0054】
図1に示す通り、通気部品1aは、例えば、屋根部50をさらに備えている。屋根部50は、支持部10に連結しており、通気膜20を平面視したときに通気膜20を覆っている。加えて、屋根部50は、通気膜20との間に通気部品1aの外部空間5と連通している間隙55を形成している。
【0055】
支持部10は、例えば、板状かつ環状である。屋根部50は、例えば板状である。屋根部50は、リブ52によって支持部10と連結されている。例えば、支持部10の軸線周りに所定の間隔で複数のリブ52が形成されている。これにより、間隙55が形成されている。また、リブ52同士の間の空間によって間隙55が外部空間5に連通している。
【0056】
支持部10及び屋根部50は、例えば、一体的に成形されている。支持部10及び屋根部50は、それぞれ別体として成形され、お互いに組付けられていてもよい。
【0057】
図1に示す通り、通気部品1aは、例えば、第一接合面30aよりも突出した部分を有しない。換言すると、通気部品1aは、筐体2の開口2aに挿入される部分を有しない。このため、通気部品1aの一部を開口2aの内部に存在させることなく、通気部品1aを筐体2に装着できる。通気部品1aの一部が開口2aにおいて筐体2に接触しないので、通気部品1aの筐体2への装着が容易である。
【0058】
通気部品1aは、様々な観点から変更可能である。例えば、通気部品1aは、図3に示す通気部品1b、図4に示す通気部品1c、図5に示す通気部品1d、図6に示す通気部品1e、又は図7に示す通気部品1fのように変更されてもよい。通気部品1b~1fのそれぞれは、特に説明する部分を除き通気部品1aと同様に構成されている。通気部品1aの構成要素と同一又は対応する通気部品1b~1fの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。通気部品1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、通気部品1b~1fにも当てはまる。
【0059】
図3に示す通り、通気部品1bにおいて、支持部10は、第一位置決め部16を有する。第一位置決め部16は、シール部材30が通気路20に近づく移動及びシール部材30が通気路20から遠ざかる移動の少なくとも1つを抑制する。第一位置決め部16により、シール部材30の移動を抑制できる。これにより、通気部品1bを筐体2に装着するときに、シール部材30が適切な位置に配置され、通気部品1bが高い信頼性を発揮できる。
【0060】
第一位置決め部16は、例えば、第一接合面30に向かって延びている環状の突出部によって形成されている。第一位置決め部16は、例えば、内側突出部16i及び外側突出部16eを有する。内側突出部16iは、シール部材30が通気路20に近づく移動を抑制し、外側突出部16eは、シール部材30が通気路20から遠ざかる移動を抑制する。内側突出部16i及び外側突出部16eの1つは、省略されてもよい。
【0061】
図4に示す通り、通気部品1cにおいて、支持部10は、第二位置決め部18を有する。第二位置決め部18は、通気膜20の表面に平行な方向への通気膜20の移動を抑制する。これにより、通気膜20が適切な位置に配置され、通気部品1cが高い信頼性を発揮できる。第二位置決め部18は、例えば、筒状の突出部であり、通気膜20を取り囲んでいる。
【0062】
図5に示す通り、通気部品1dは、突出部40をさらに備えている。突出部40は、開口2aの開口面に垂直な方向に突出している。通気部品1dが筐体2に装着されたときに突出部40は開口2aに挿入されて開口2aにおいて筐体2に接触する。通気路12は、
開口2aの開口面に垂直な方向に支持部10及び突出部40を貫通している。通気部品1dを筐体2に装着するときに、突出部40を通気部品1dの位置決めに利用できるので、通気部品1dを筐体2に適切に取り付けることができる。これにより、通気部品1dが高い信頼性を発揮できる。
【0063】
図5に示す通り、突出部40は、例えば、係止部42を有する。係止部42は、筐体2に係止される。これにより、通気部品1dが筐体2に対して適切に位置決めされる。係止部42は、例えば、スナップフィットにより筐体2に係止される。係止部42は、例えば、通気部品1dが筐体2に装着されたときに筐体2の内面と対向する爪を有する。これにより、通気部品1dが筐体2に装着されたときに、通気部品1dが筐体2から離れることが防止される。係止部42は、ねじ止めにより筐体2に係止されてもよく、バヨネットにより筐体2に係止されてもよい。
【0064】
通気部品1dにおいて、突出部40は、例えば、複数の脚部を有し、複数の脚部同士の間にスリットが形成されている。
【0065】
図6に示す通り、通気部品1eは、通気部品1dと同様に突出部40をさらに備えている。ただし、通気部品1eの突出部40において係止部42は省略されている。加えて、通気部品1eにおいて、突出部40は、筒状に形成されている。このため、筐体2の内部に異物が侵入しにくい。突出部40は、例えば、開口2aにおいて開口2aの開口面に垂直な直線周りの全体において筐体2に接触している。突出部40は、開口2aにおいて開口2aの開口面に垂直な直線周りにおいて部分的に筐体2に接触していてもよい。
【0066】
図7に示す通り、通気部品1fにおいて、支持部10は被着面15を有する。被着面15は、通気部品1fが筐体2に装着されたときに、筐体2の外面2eが向く方向と同一の方向を向いている。通気膜20は、被着面15に取り付けられている。この場合、通気膜20が通気部品1fの外部の近くに配置されるので、通気膜20の状態を確認しやすい。このため、通気部品1fはメンテナンスの観点から有利である。
【符号の説明】
【0067】
1a、1b、1c、1d、1e、1f 通気部品
2 筐体
2a 開口
2e 外面
5 外部空間
10 支持部
12 通気路
14 環状面
15 被着面
16 第一位置決め部
18 第二位置決め部
40 突出部
42 係止部
50 屋根部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7