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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162272
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】方法、測定環境および被試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/10 20060101AFI20231031BHJP
   H04B 17/15 20150101ALI20231031BHJP
   H04B 17/29 20150101ALI20231031BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20231031BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
G01R29/10 A
H04B17/15
H04B17/29
H04B7/06 950
H04B7/08 800
【審査請求】有
【請求項の数】73
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023133025
(22)【出願日】2023-08-17
(62)【分割の表示】P 2020571697の分割
【原出願日】2019-06-19
(31)【優先権主張番号】18179398.5
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18204132.7
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】ハウシュタイン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レザー,ポール サイモン ホルト
(72)【発明者】
【氏名】アスカル,ラメズ
(72)【発明者】
【氏名】ラシュコフスキ,レシェク
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン,マルクス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】無線による試験および無線による測定を強化することが可能な、少なくとも1つのアンテナアレイを有する装置を評価するための方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのアンテナアレイを有する装置を評価するための方法300であって、装置はアンテナアレイを使用して複数の通信ビームパターンを形成するように構成され、この方法は、測定環境内の装置を位置決めするか、またはビームパターンを測定するように適合された装置の周囲の測定環境のプローブ/リンクアンテナを移動させる/切り替えるステップ310と、複数の通信ビームパターンの所定ビームパターンを形成するように装置を制御するステップ320とを含む。この方法は、測定環境および/または装置を使用して所定ビームパターンを測定するステップ330を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアンテナアレイ(32)を有する装置(14)を評価する方法(300,400)であって、
前記装置(14)が、アンテナアレイ(32)を使用して複数の通信ビームパターン(36)を形成するように構成され、
前記方法が、
測定環境(12)において前記装置(14)を位置決めするか、またはビームパターンおよび/または送信ビームパターンと受信ビームパターンとの間のビーム対応を測定するように適合された前記測定環境の1つまたは複数のプローブアンテナの相対位置を変更するステップ(310,410)と、
前記複数の通信ビームパターン(36)の所定ビームパターン(18)を形成するように前記装置を制御するステップ(320,420)と、
前記測定環境および/または前記装置を使用して前記所定ビームパターン(18)を測定するステップ(330,430)と
を含む、方法(300,400)。
【請求項2】
前記所定ビームパターン(18)が、複数の所定ビームパターン(18)のうちの第1のビームパターンであり、前記複数の所定ビームパターンが、前記複数の通信ビームパターンのサブセットであり、
前記方法が、
前記第1の所定ビームパターンを測定するステップの後に、前記複数の所定ビームパターンの第2の所定ビームパターン(18)を形成するように前記装置(14)を制御するステップ(440)と、
前記測定環境(12)および/または前記装置を使用して、前記第2の所定ビームパターンを測定するステップ(450)と
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定ビームパターン(18)が、複数の所定ビームパターン(42,44)のうちの第1のビームパターンであり、前記複数の所定ビームパターン(42,44)が、前記複数の通信ビームパターン(36)のサブセットであり、
前記方法が、
前記第1の所定ビームパターンを測定するステップの間に、前記複数の所定ビームパターン(42,44)の第3の所定ビームパターンを形成するように前記装置(14)を制御するステップと、
前記測定環境(12)および/または前記装置を使用して、前記第3の所定ビームパターンを測定するステップと
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記装置(14)が、前記複数の所定ビームパターン(42,44)を順次形成するように制御され、それぞれの所定ビームパターンが測定され、
前記方法が、
前記複数の所定ビームパターンを測定した後に、前記装置(14)と前記測定環境(12)との間の相対位置を変更するステップと、
複数の所定ビームパターン(42)またはさらなる複数の所定ビームパターン(44)を形成して測定するために前記装置の制御を繰り返すステップと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記装置(14)が、前記複数の所定ビームパターン(42)および/またはさらなる複数の所定ビームパターン(44)を所定の順序で形成するように制御される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記所定ビームパターン(18)が、前記複数の所定ビームパターン(42,44)のうちの第1の所定ビームパターンであり、
前記方法が、所定ビームパターンの所定シーケンスが前記装置(14)によって生成され、かつ前記測定環境(12)および/または前記装置を用いて測定されるように行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の通信ビームパターン(36)から前記所定ビームパターンを選択するステップ(610)によって、前記所定ビームパターンを決定するステップ
をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の通信ビームパターン(36)のうちの1つである較正ビームパターンを形成するように、前記装置(14)または前記装置と類似した同等装置(20)を制御するステップと、
較正ビームパターンを示すビーム関連情報(P)をメモリ(37)に記憶するステップと
をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
複数の較正ビームパターンが形成され、かつ対応する複数のビーム関連情報(P)が前記メモリ(37)に記憶される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
較正ビームパターン(36)を形成するように前記装置(14)または前記同等装置(20)を制御するステップが、
リンクアンテナ(46)に対する相対位置を含むように前記装置(14)または前記装置と類似した同等装置(20)位置決めするステップ、または前記装置の位置を保持し、かつ前記装置(14)または前記装置がリンクアンテナ(46)に向けて較正ビームパターンを形成するように、別のリンクアンテナに移動するかまたは切り替えることによって前記リンクアンテナ(46)の前記相対位置を変更するステップを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記較正ビームパターンを形成するように前記装置または前記同等装置を制御するステップが、
前記リンクアンテナ(41)に対する前記装置(14)または前記同等装置(20)の前記相対位置を変更した場合に、前記装置(14)または前記同等装置(20)が前記装置(14)の表面に対して前記ビームパターンの相対方位を維持するように前記ビームパターンを固定するために、前記装置(14)または前記同等装置(20)を制御するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記較正ビームパターンが第1の較正ビームパターンであり、前記ビーム関連情報(P)が第1のビーム関連情報であり、
前記方法が、
前記装置(14)または前記同等装置(20)が第2の較正ビームパターンを形成するように、前記装置(14)または前記同等装置(20)と前記リンクアンテナ(46)との間の相対位置を変更するステップと、
前記第2の較正ビームパターンを示す第2のビーム関連情報(P)を前記メモリ(37)に記憶するステップと
を含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記所定ビームパターンを形成するように前記装置(14)を制御する前記ステップが、前記ビーム関連情報を前記メモリ(37)から読み取り、かつ前記ビーム関連情報(P)に従って前記所定ビームパターンを形成するステップを含む、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ビーム関連情報(P)が、以下の、
ビーム/ビーム掃引識別子、
前記アンテナアレイに適用される送信ビームおよび/または受信ビームの1つまたは多数のビーム関連パラメータおよび/または前記アンテナアレイを使用して通信される関連ベースバンド信号を示す情報、
ビーム偏光、
ビームパターンの搬送波周波数、
ビーム対応フラグ、および
ビーム対応ID
のうちの少なくとも1つを含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の通信ビームパターン(36)の前記所定ビームパターン(18)を形成するように前記装置(14)を制御するステップが、前記測定環境(12)によって構成(24)を前記装置に送信するステップを含み、前記信号(24)が、
前記所定ビームパターンのアクティブ化時間および/または持続時間、
前記所定ビームパターンを含むビーム掃引のアクティブ化時間および/または持続時間、
時間同期を可能にするための前記装置または前記測定環境における時間、
前記装置によって形成される所定ビームパターンの順序、および
Tx-Rxフラグ
のうちの少なくとも1つを示す情報を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ビーム関連情報(P)がDUT(14)の前記メモリ(37)に記憶され、前記信号(24)が前記ビーム関連情報(P)を示す、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記所定ビームパターン(18)を形成するように前記DUT(14)を制御する前記ステップが、前記信号(24)を前記測定環境(12)から前記DUT(14)へ送信するステップを含み、前記信号(24)が、前記DUT(14)によって形成される前記所定ビームパターン(18)または複数の所定ビームパターンのシーケンスを明確に示す情報を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記所定ビームパターンを測定するステップ(330,430)が、
前記ビームパターンの全放射電力を測定するステップ、
等価等方放射電力を測定するステップ、
実効等方感度を測定するステップ、
Rxおよび/またはTxの複合放射パターンを振幅および位相で測定するステップ、
Rxおよび/またはTxの複合放射パターンを相対振幅および相対位相で測定するステップ、
前記装置に対する前記ビームパターンの方向を測定するステップ、
および、
球面カバレッジ、
カバーされた球面ビームのグリッド密度、
ビームのセットのうち全てのアクティブ化されたビームの特定ビームパターン、
主ビーム/ビームパターンのうち少なくとも1つのサイドローブ、
ビームパターンの変更/切替え/膨張/収縮の拡張性/線形性/ヒステリシス、
空間分解能を含むスプリアス放射/ACLR、
ヌルステアリングおよびマルチビームステアリングの能力および精度、
ビーム対応の精度、および
アンテナアレイ/パネルの較正
を測定するステップ
のうち少なくとも1つを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記所定ビームパターンを測定するステップ(330,430)が、前記装置によって利用される通信帯域の帯域内放射を測定するステップを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記所定ビームパターンを測定するステップ(330,430)が、前記通信帯域の帯域外放射を測定するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ビームパターン(18)が少なくとも1つのビーム(48)を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記装置(44)が、結合ビーム(57)を形成するように別のビーム(48)と重ね合わせるために少なくとも1つのビーム(48)を使用するように適合される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ビーム(48)および前記さらなるビーム(48)が、前記測定システム(42)に対して識別可能であるかまたは識別不能である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記所定ビームパターンが第1の所定ビームパターンであり、
前記装置が、前記第1の所定ビームパターンおよび少なくとも第2の所定ビームパターンを同時に形成し、かつ少なくとも部分的に識別可能であるように制御され、
前記方法が、前記第1の所定ビームパターンおよび前記第2の所定ビームパターンの評価を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記所定ビームパターン(18)が前記複数の所定ビームパターン(42,44)の第1の所定ビームパターンであり、前記方法が前記複数の所定ビームパターンの各々を順次形成するように前記装置を制御するステップを含み、前記複数の所定ビームパターンが前記測定環境内のパターンに従って配置される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記パターンが、
規則的もしくは不規則なパターン、
前記複数のビームが等距離に配置されるパターン、
前記装置の方位角および/または仰角の範囲をカバーするパターン、および/または
偏光成分の1つ、2つまたは重ね合わせを含むパターン
のうちの少なくとも1つである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記所定ビームパターンが静的ビームパターンまたは時変ビームパターンである、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記所定ビームパターン(18)が静的ビームパターンまたはビーム掃引を記述する、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記装置(14)を制御する場合、前記所定ビームパターンがリンクアンテナとは独立して形成される、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
所定ビームパターンが繰り返しかつ決定的に形成可能である、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記所定ビームパターンを形成するように前記装置を制御する前記ステップ(320,420)が、
前記装置に、前記所定ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成させるステップ
を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つのアンテナアレイ(32)を有する装置(14)を評価するための方法であって、
前記装置(14)が、アンテナアレイ(32)を使用して複数の通信ビームパターン(36)を形成するように構成され、
前記方法が、ビームパターンを測定するように適合された測定環境(12)において前記装置(14)を相対的に位置決めするステップと、
通信ビームパターン(36)の経時的変化に基づくビーム掃引である所定ビームパターンを形成するように前記装置を制御するステップと、
前記測定環境および/または前記装置を使用して前記所定ビームパターン(18)を測定するステップと
を含む、方法。
【請求項33】
複数のウェイポイントを軌道と相互接続するために、空間内の複数のウェイポイントと、ウェイポイントのシーケンスと、2つの後続のウェイポイント間の少なくとも1つの軌道とを含むようにビーム掃引の経路を決定するステップと、
ビームパターンが前記ビーム掃引の経路に従って移動するように前記ビーム掃引を形成するために前記装置を制御するステップと
を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記軌道が2つのウェイポイント間の最短経路を表す、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ビーム掃引が第1の経路を有する第1のビーム掃引であり、
前記方法が、
第2の経路を有する第2のビーム掃引を決定するステップをさらに含み、前記第2の経路が、前記第1の経路と同じウェイポイントを少なくとも部分的に含み、かつ 前記第1の経路と比較した場合に変更されるウェイポイントのシーケンスを有する、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記所定ビームパターンを形成するように前記装置を制御する前記ステップが、
前記装置に、前記所定ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成させるステップ
を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1つのアンテナアレイ(32)を有する装置の所定ビームパターンを決定する方法であって、
前記装置(14)が、前記アンテナアレイ(32)を使用して複数の通信ビームパターン(36)を形成するように構成され、
前記方法が、
測定環境(12)において前記装置(14)を位置決めするか、またはビームパターンおよび/または送信ビームパターンと受信ビームパターンとの間のビーム対応を測定するように適合された前記測定環境の1つまたは複数のプローブアンテナの相対位置を変更するステップと、
前記装置に、通信ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成させるステップと、
測定結果を得るように前記通信ビームパターンを測定するステップと、
前記測定結果に応じて、その後の試験のために前記通信ビームパターンを所定ビームパターンとして記憶するステップと
を含む、方法。
【請求項38】
コンピュータ上で実行される場合に、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法を行うためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムを記憶している、非一時的記憶媒体。
【請求項39】
装置(14,20)であって、少なくとも1つのアンテナアレイであって、
前記装置が、
前記アンテナアレイを使用して複数の通信ビームパターンを形成するように構成される、少なくとも1つのアンテナアレイと、
前記複数の通信ビームパターンのうちの少なくとも1つを所定ビームパターンとして明確に示すビーム関連情報を記憶したメモリと、
前記所定ビームパターンを形成するための要求を示す信号を受信するように構成されたインタフェースと、を備え、
前記装置が、前記ビーム関連情報を使用して前記信号に応答する前記所定ビームパターンを形成するように構成される、装置(14,20)。
【請求項40】
前記装置が、前記所定ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成するように構成される、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記装置が、ジッタリングビームパターンを生成するようにアンテナ構造もしくはアンテナアレイを励起するために使用される信号にジッタを適用することによって、前記ジッタリングビームパターンを取得するように構成される、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
所定ビームパターンを形成するための装置への要求を示すビーム識別信号を記憶した、非一時的記憶媒体。
【請求項43】
測定環境(12)であって、
装置(14)を保持するように構成された保持ユニット(26)と、
命令を実行するように適合された制御ユニット(22)と、を含み、前記命令が、前記測定環境および/または前記装置(14)に請求項1~42のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成される、測定環境(12)。
【請求項44】
前記測定環境が、前記通信ビームパターンに関連付けられたビーム構成を前記装置から受信するように構成され、前記ビーム構成が複数のビーム設定を含み、
各ビーム設定が、
一意のビーム設定識別子、
ビーム出力、
ビームゲイン、
ビーム指向性、
ビーム搬送波周波数、
ビーム偏光、
ビーム方向、
ビーム帯域幅部分、
ビーム使用量
前記ビームを形成するためのTxおよび/またはRxの前記アンテナアレイの対応する設定を含む値のリスト、
ビーム対応フラグ、
ビーム対応ID
のうちの少なくとも1つを含む、請求項43に記載の測定環境。
【請求項45】
前記測定環境が、前記装置に送信されたトリガ信号に応答して、以下の、
一意のビーム設定識別子、
受信信号強度インジケータ(RSSI)、
基準信号受信電力(RSRP)、
基準信号受信品質(RSRQ)、
例えば任意の試験信号の場合の電力、
周波数設定、
定義された周波数での振幅および位相、
定義された周波数での相対振幅および相対位相、および
到来角などのビーム方向
のうちの少なくとも1つを含む複数の測定結果およびパラメータを含む一意のビーム識別子に関連付けられた受信ビーム測定結果を、前記装置から受信するように構成される、請求項43または44に記載の測定環境。
【請求項46】
前記測定環境が、トリガ信号を前記装置に信号伝達して、前記一意のビーム識別子に関連付けられた前記受信ビーム測定結果のフィードバックを開始するように構成される、請求項43~45のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項47】
トリガ信号に応答して、ビーム設定識別子のシーケンスの受信ビーム測定結果を受信するように構成された、請求項43~46のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項48】
前記測定環境が、前記装置に、前記所定ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成させるように構成される、請求項43~47のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項49】
前記測定環境が、前記装置と前記測定環境のセンサおよび/またはリンクアンテナとの間の相対位置にジッタを適用することによってジッタリングを実施するように構成される、請求項48に記載の測定環境。
【請求項50】
装置(14,20)であって、
前記装置が、複数の測定結果およびパラメータを含むが、以下の、
一意のビーム設定識別子、
受信信号強度インジケータ(RSSI)、
基準信号受信電力(RSRP)、
基準信号受信品質(RSRQ)、
例えば任意の試験信号の場合の電力、
周波数設定、
定義された周波数での振幅および位相、
定義された周波数での相対振幅および相対位相、および
到来角などのビーム方向
のうちの少なくとも1つを含む一意のビーム識別子に関連付けられた、受信ビーム測定結果をフィードバックするように構成される、装置(14,20)。
【請求項51】
装置(14,20)であって、前記装置が、測定環境からトリガ信号を受信するように構成され、さらに、一意のビーム識別子に関連付けられた受信ビーム測定結果のフィードバックを開始するように構成される、装置。
【請求項52】
トリガ信号に応答して、ビーム設定識別子のシーケンスの受信ビーム測定結果を送信するように構成された、請求項50または51のいずれかに記載の装置。
【請求項53】
前記装置が、前記所定ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成するように構成される、請求項50~52のいずれか一項に記載の装置。
【請求項54】
装置(14,20)であって、
少なくとも1つのアンテナアレイ(32)を備え、
前記装置(14,20)が、前記アンテナアレイ(32)を使用して複数の通信ビームパターン(36)を形成するように構成され、
前記装置が、前記通信ビームパターンに関連付けられたビーム構成を送信するように構成され、前記ビーム構成が複数のビーム設定を含み、各ビーム設定が、以下の、
一意のビーム設定識別子、
ビーム出力、
ビームゲイン、
ビーム搬送波周波数、
ビーム偏光、
ビーム方向、
ビーム帯域幅部分、
ビーム使用量
前記ビームを形成するためのTxおよび/またはRxの前記アンテナアレイの対応する設定を含む値のリスト、
ビーム対応フラグ、
ビーム対応ID
のうちの少なくとも1つを含む、装置(14,20)。
【請求項55】
前記装置が通信機器であり、前記アンテナアレイが送信機および/または受信機として適合され、
前記装置が、
ビーム設定識別子を含む信号を測定環境から受信するように構成された送受信機であって、前記ビーム設定識別子が前記ビーム構成のビーム設定に関連付けられた、送受信機と、
前記送信機を用いて前記複数の通信ビームパターンの通信ビームパターンを前記ビーム設定に応じて形成するために前記装置を制御するように構成されたコントローラと
を備える、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記装置が通信機器であり、前記アンテナアレイが送信機および/または受信機として適合され、前記装置が、以下の、
ビーム出力、
ビームゲイン、
ビーム搬送波周波数、
ビーム偏光、
ビーム方向、
ビーム帯域幅部分、
ビーム使用量、
前記ビームを形成するためのTxおよび/またはRxの前記アンテナアレイの対応する設定を含む値のリスト、
RxまたはTxビームが測定されたかどうかを識別するTx-Rxフラグ、および
受信ビームパターンを測定し、かつ関連測定結果を前記測定環境に送信するための前記装置への要求を示すRxトリガ
のうちの少なくとも1つを含むビーム設定を含む構成を示す情報を含む信号を前記測定環境から受信するように構成された送受信機を備え、
前記装置が、前記送信機および/または前記受信機を用いて前記複数の通信ビームパターンのうちの1つである所定ビームパターンを形成するために、前記ビーム設定を適用するように構成されたコントローラを備える、請求項54または55に記載の装置。
【請求項57】
前記アンテナアレイが送信機および/または受信機として適合され、
前記装置が、複数のビーム設定識別子を含むビーム設定識別子のシーケンスを前記測定環境から受信するように、かつ少なくとも第1のトリガ信号および第2のトリガ信号を受信するように構成され、前記シーケンスの各ビーム設定識別子が前記装置のビーム構成のビーム設定に関連付けられ、
前記装置が、第1のビーム設定を適用して、前記第1のトリガ信号に応答して前記送信機および/または前記受信機を用いて前記複数の通信ビームパターンの第1の所定ビームパターンを形成するように、かつ前記シーケンスが示す第2のビーム設定を適用して、前記第2のトリガ信号に応答して前記送信機および/または前記受信機を用いて前記複数の通信ビームパターンの第2の所定ビームパターンを形成するように構成されたコントローラを備える、請求項54~56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記アンテナアレイが送信機および/または受信機として適合され、
前記装置が、ビーム設定識別子、トリガ信号および持続時間識別子のシーケンスを前記測定環境から受信するように構成され、前記シーケンスの各ビーム設定識別子が前記装置の前記ビーム構成のビーム設定に関連付けられ、
前記装置が、前記トリガ信号に応答して前記シーケンスが示す前記ビーム設定を個別に順次適用するように構成されたコントローラを備え、
前記装置が、前記送信機および/または前記受信機を用いて前記複数の通信ビームパターンの所定ビームパターンを各ビーム設定について形成して、形成された所定ビームパターンを前記持続時間識別子が示す持続時間の間は固定状態に保つように構成される、請求項54~57のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記装置が、前記測定環境から受信した信号に応答してビーム形成された訓練信号を送信するように構成される、請求項54~58のいずれか一項に記載の装置。
【請求項60】
前記装置が、受信ビーム測定を行うために少なくとも1つの訓練信号を前記測定環境から受信するように構成される、請求項54~59のいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記装置がビーム設定測定要求を示す信号を前記測定環境から受信するように構成され、
前記装置が、
前記装置の前記ビーム構成の一部としてビーム設定を生成し、
前記ビーム設定を適用して、前記送信機を使用してリンクアンテナに向けてビームパターンを形成し、
生成されたビーム設定をメモリに保存し、および
前記ビーム設定測定要求に応じて、前記ビーム設定を前記測定環境に報告するために前記装置を制御するように構成されたコントローラを含む、請求項54~60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記装置が、前記装置の前記ビーム構成のサポートされたビーム設定の総数を示すビーム構成能力を前記測定環境に報告するように構成される、請求項54~61のいずれか一項に記載の装置。
【請求項63】
前記装置が、前記通信ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成するように構成される、請求項54~62のいずれか一項に記載の装置。
【請求項64】
測定環境(12)であって、
装置(14,20)を保持するように構成された保持ユニット(26)であって、前記装置が少なくとも1つのアンテナアレイ(32)を備え、
前記装置(14)が、前記アンテナアレイ(32)を使用して複数の通信ビームパターン(36)を形成するように構成される、保持ユニット(26)と、
前記測定環境が、前記アンテナアレイ(32)を使用して前記複数の通信ビームパターン(36)を形成するために前記装置を適合させるように命令を実行し、かつ形成された通信ビームパターンのビーム構成を送信するように前記装置に命令するように適合された制御ユニット(22)と、を備え、前記ビーム構成が、以下の、
一意のビーム設定識別子、
ビーム出力、
ビームゲイン、
ビーム搬送波周波数、
ビーム偏光、
ビーム方向、
ビーム帯域幅部分、
ビーム使用量
前記ビームを形成するためのTxおよび/またはRxの前記アンテナアレイの対応する設定を含む値のリスト、
ビーム対応フラグ、
ビーム対応ID
のうちの少なくとも1つを含む、測定環境(12)。
【請求項65】
前記装置が通信機器であり、前記アンテナアレイが送信機および/または受信機として適合され、前記測定環境が、
ビーム設定識別子を含む信号を前記装置に送信するように構成され、前記ビーム設定識別子が、前記送信機を用いて前記複数の通信ビームパターンの通信ビームパターンを前記ビーム設定に従って形成するように前記装置に命令するために前記ビーム構成のビーム設定に関連付けられ、
前記ビーム構成が前記複数のビーム設定を含み、各ビーム設定が、以下の、
ビーム出力、
ビームゲイン、
ビーム搬送波周波数、
ビーム偏光、
ビーム方向、
ビーム帯域幅部分、および
ビーム使用量、
前記ビームを形成するためのTxおよび/またはRxの前記アンテナアレイの対応する設定を含む値のリスト、
RxまたはTxビームが測定されたかどうかを識別するTx-Rxフラグ、および
受信ビームパターンを測定し、かつ関連測定結果を前記測定環境に送信するための前記装置への要求を示すRxトリガ
のうちの少なくとも1つを含む、請求項64に記載の測定環境。
【請求項66】
前記装置が通信機器であり、前記アンテナアレイが送信機および/または受信機として適合され、前記測定環境が、以下の
ビーム出力、
ビームゲイン、
ビーム搬送波周波数、
ビーム偏光、
ビーム方向、
ビーム帯域幅部分、
前記ビームを形成するためのTxおよび/またはRxの前記アンテナアレイの対応する設定を含む値のリスト、
RxまたはTxビームが測定されたかどうかを識別するTx-Rxフラグ、および
受信ビームパターンを測定し、かつ関連測定結果を前記測定環境に送信するための前記装置への要求を示すRxトリガ
のうちの少なくとも1つを含むビーム設定を含む信号を前記装置に送信して、
前記送信機を用いて前記複数の通信ビームパターンのうちの1つである所定ビームパターンを形成するために、前記ビーム設定を適用するように装置に指示するように構成される、請求項64または65に記載の測定環境。
【請求項67】
前記装置の前記アンテナアレイが送信機および/または受信機として適合され、前記測定環境が、複数のビーム設定識別子を含むビーム設定識別子のシーケンスを前記装置に送信するように、かつ少なくとも第1のトリガ信号および第2のトリガ信号を前記装置に送信するように構成され、前記シーケンスの各ビーム設定識別子が前記装置のビーム構成のビーム設定に関連付けられて、
第1のビーム設定を適用して、前記第1のトリガ信号に応答して前記送信機および/または前記受信機を用いて前記複数の通信ビームパターンの第1の所定ビームパターンを形成するように、かつ前記シーケンスが示す第2のビーム設定を適用して、前記第2のトリガ信号に応答して前記送信機および/または前記受信機を用いて前記複数の通信ビームパターンの第2の所定ビームパターンを形成するように前記装置に命令する、請求項64~66のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項68】
前記装置の前記アンテナアレイが送信機および/または受信機として適合され、前記測定環境がビーム設定識別子、トリガ信号および持続時間識別子のシーケンスを前記装置に送信するように構成され、前記シーケンスの各ビーム設定識別子が前記装置の前記ビーム構成のビーム設定に関連付けられて、
前記トリガ信号に応答して前記シーケンスが示す前記ビーム設定を個別に順次適用するように前記装置に命令し、かつ前記送信機および/または前記受信機を用いて前記複数の通信ビームパターンの所定ビームパターンを各ビーム設定について形成して、形成された所定ビームパターンを前記持続時間識別子が示す持続時間の間は固定状態に保つ、請求項64~67のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項69】
前記測定環境が、ビーム形成された訓練信号を送信することを前記装置に指示するように、前記装置に信号を送信するように構成される、請求項64~68のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項70】
前記測定環境がビーム設定測定要求を示す信号を前記装置に送信して、前記装置に、
前記装置の前記ビーム構成の一部としてビーム設定を生成し、
前記ビーム設定を適用して、前記装置の前記送信機を使用してリンクアンテナに向けてビームパターンを形成し、
生成されたビーム設定をメモリに保存し、および
前記ビーム設定測定要求に応じて、前記ビーム設定を前記測定環境に報告するために前記装置を制御するように
命令するように構成される、請求項64~69のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項71】
前記測定環境が、前記装置の前記ビーム構成のサポートされたビーム設定の総数を示すビーム構成能力の報告を前記装置から受信して、測定手順の間に前記ビーム構成能力を評価するように構成される、請求項64~70のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項72】
前記測定環境が、前記装置に、前記所定ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成させるように構成される、請求項64~71のいずれか一項に記載の測定環境。
【請求項73】
コントローラであって、
少なくとも1つのアンテナアレイを含む装置(14,20)を制御し、
前記装置が、前記アンテナアレイを使用して複数の通信ビームパターンを形成して、ビーム関連情報を使用して前記通信ビームパターンのうち少なくとも1つの所定ビームパターンを形成するように構成され、
前記ビーム関連情報を使用して前記所定ビームパターンを測定するように測定環境を制御する
ように適合される、コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばその無線動作の観点から、試験される装置、測定システム、および装置の試験方法に関する。本発明はさらに、マルチビームの切替え/走査、および、ビームID付与として知られる場合があるビーム/ビームパターンの列挙/識別に関する。
【背景技術】
【0002】
階層化モデルの概念を含むISOの開放型システム間相互接続規格は、4G、4Gを超え5Gおよび5Gを超えたシステムとして漠然と知られているものを含む様々なコンピュータおよび通信システムに適合されている。このモデルを使用すると、物理媒体(無線送受信機およびその関連アンテナシステム)を介した生データの送受信機能を実装するのに必要な回路が、いわゆる物理層(PHY)となる。したがって、PHY層において使用されるパラメータは、無線送受信機およびそのアンテナシステムの動作の方法を制御する。通常の動作中、これらのパラメータは自動的に制御されて、通信システムがいわゆる上位層によって決定された基準に従って動作することを保証する。
【0003】
同時に、無線環境における動作を考慮してデバイスを試験する必要がある。試験は高速かつ正確でなければならない。したがって、無線による試験を強化する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、無線による試験および無線による測定を強化することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、装置を試験するために、被試験装置もしくは被試験デバイス(DUT)によって形成される1つ以上のビームパターンを事前定義し、かつ形成されたビームパターンを測定して装置の挙動の評価を可能にすることが有利であることを見出した。装置を直接制御して所定ビームパターンを形成することによって、装置を調整および/または移動させるための時間、および/または装置を調整し、リンクアンテナに向けてそのビームパターンを(自動的に)形成するように装置を制御し、ビームを固定してから装置を移動させるための時間が節約されてもよい。装置を配向するかまたは整列させ、および/または装置を移動させるための時間は、実際の測定時間と比較して数桁長くなる可能性があるので、本発明は測定の時間を大幅に短縮し、したがって測定を強化することを可能にする。
【0006】
一実施形態によれば、少なくとも1つのアンテナアレイを有する装置を評価する方法であり、装置は、複数の通信ビームパターンを形成するように構成される。アンテナアレイの測定は、ビームパターンを測定するように適合された測定環境において装置を位置決めするステップと、複数の通信ビームパターンの所定ビームパターンを形成するように装置を制御するステップと、測定環境を使用して所定ビームパターンを測定するステップとを含む。所定ビームパターンを形成するように装置を制御するステップは、所定ビームパターンを短時間で取得することを可能にし、したがって高速測定を可能にする。
【0007】
一実施形態によれば、所定ビームパターンは複数の所定ビームパターンのうちの第1のビームパターンであり、複数の所定ビームパターンは複数の通信ビームパターンのサブセットである。この方法は、第1の所定ビームパターンを測定した後に、複数の所定ビームパターンの第2の所定ビームパターンを形成するように装置を制御するステップを含む。この方法は、測定環境を使用して第2の所定ビームパターンを測定するステップをさらに含む。複数の所定ビームパターンを順次形成して測定することによって、恐らく異なる方向に沿って、異なる数のローブおよび/またはヌルを有する異なるビームパターン、ローブのサイズまたは方向などが次々に測定されてもよく、したがって装置が移動される2つの測定間の時間を節約することが可能になる。
【0008】
一実施形態によれば、所定ビームパターンは複数の所定ビームパターンのうちの第1のビームパターンである。複数の所定ビームパターンは複数の通信ビームパターンの少なくともサブセットである。この方法は、第1の所定ビームパターンを測定するステップの間に、所定ビームパターンと複数の所定ビームパターンの第3の所定ビームパターンとを形成するように、すなわち、少なくとも第1の所定ビームパターンおよびさらなる所定ビームパターンが同時に形成されるように、DUTを制御するステップを含む。この方法は、測定環境を使用して第3の所定ビームパターンを測定するステップを含む。これにより、少なくとも2つの所定ビームパターンを同時に評価することが可能になり、したがって測定時間をさらに短縮することが可能になる。
【0009】
一実施形態によれば、装置は、複数の所定ビームパターンを順次形成するように、またはそれぞれの所定ビームパターンを測定環境を用いて測定するように制御される。方法は、ある位置/方向について複数の所定ビームパターンを測定した後、またはある位置から別の位置に移動する間に、装置と測定環境との間の相対位置を変更するステップを含む。相対位置を変更するステップは、1つ以上のプローブアンテナに対して装置を移動させることによって、および/または装置に対して1つ以上のプローブアンテナを移動させることによって達成してもよい。この方法は、複数のビームパターンまたはさらなる複数の所定ビームパターンを形成して測定するために装置の制御を繰り返すステップを含む。さらなる複数のビームパターンは、第1の複数の所定ビームパターンの同一ビームパターンまたはサブセットを含んでもよい。代替的または追加的に、さらなる複数の所定ビームパターンのうちの1つ以上は、第1の複数の所定ビームパターンとは異なっていてもよい。すなわち、所定ビームパターンのいくつかまたは全てを順次形成して測定した後に装置を移動させ、その後、さらに必要なビームパターンを形成してもよい。動きを低減することによって、または動きを伴わなくとも複数の所定ビームパターンの形成とその測定との間の時間に合わせて装置の測定環境を用いて空間内をサンプリングするだけで、高速かつ正確な測定が可能になる。
【0010】
測定環境(プローブアンテナ)と装置との間の相対位置の変更に代えるかまたはこれに加えて、実施形態は、(例えば、動きを伴わない)球面上の、または例えば最初に方位角または仰角に沿った断面(例えば、1軸線のみにおける動き)における、または空間内の特定の数のサンプリング点を使用した方位角および仰角における2Dグリッドに従うビームパターンの測定に関する。
【0011】
一実施形態によれば、装置は、複数の所定ビームパターンを形成するように、および/または複数の所定ビームパターンを所定の順序で延期するように制御される。これにより、測定中の動作の調整/同期が可能になり、つまり、測定環境は特定のビームパターンを明確に待機してもよく、測定されたビームパターンを期待値に照らして評価してもよい。例えばこのようにして、装置のTxビームとRxビームとの間のビーム対応を評価することもできる。
【0012】
一実施形態によれば、この方法は、所定ビームパターンを複数の通信ビームパターンから選択することによって所定ビームパターンを決定するステップを含む。例えば所定ビームパターンは、装置の迅速および/または正確な評価を可能にする通信ビームパターンのサブセットを取得するように、製造業者によって提供されるリストから選択されてもよい。
【0013】
一実施形態によれば、受信(Rx)ビームおよび/または送信(Tx)ビームを有する較正ビームパターンを形成するための装置またはモデルまたはその一例であって、較正ビームパターンは、複数の通信ビームパターンのうちの1つである。この方法は、較正ビームパターンを示すビーム関連情報をメモリに記憶するステップをさらに含む。装置を制御するステップは、例えばゲインパラメータなどの直接制御を含んでもよく、または、例えば装置がリンクアンテナに向けてビームパターンを形成することを可能にする自動制御を含んでもよい。これにより、製造業者から提供された情報がない場合、またはそのような情報に加えて、所定ビームパターンを取得することが可能になる。
【0014】
一実施形態によれば、複数の較正ビームパターンが形成され、対応する複数のビーム関連情報がメモリに記憶されて、複数の較正ビームパターンを所定ビームパターンとして繰り返しかつ決定的に再形成することを可能にする。
【0015】
一実施形態によれば、較正ビームパターンを形成するように装置または装置のモデルもしくは一例を制御するステップは、装置がリンクアンテナに向けて較正ビームパターンを形成するように、リンクアンテナに対する相対位置を含むように装置または装置と類似した装置を位置決めするステップを含む。リンクアンテナに向けてビームパターンを形成するように装置または装置と類似した装置によって使用されるパラメータは、較正ビームパターンを記述してもよく、したがってビーム関連情報として想起されてもよい。あるいは、ビーム関連情報はパラメータから導出されてもよい。例えば異なる較正ビームパターンは、例えば追加情報と組み合わせたパラメータがビーム関連情報を形成するように、識別子などを使用して指定されるかまたは分類されてもよい。
【0016】
一実施形態によれば、装置または装置モデルまたは例示的な/同等の装置、すなわち装置14のような装置を制御して、較正ビームパターンを形成するステップは、装置が複数のリンクアンテナに向けて較正ビームパターンを順次形成するように異なる相対位置の複数のリンクアンテナに対する相対位置を含むように、装置に関連する装置を電子的に切り替えるかまたは操作して位置決めするステップを含む。複数のリンクアンテナに向けてビームパターンを形成するように装置または装置と類似した装置によって使用されるパラメータは、較正ビームパターンを記述してもよく、したがってビーム関連情報として想起されてもよい。例えば装置は、複数のリンクアンテナに向けて順次、次々に、および/または複数のリンクアンテナへ同時にビームパターンを形成してもよい。あるいは、ビーム関連情報はパラメータから導出されてもよい。例えば異なる較正ビームパターンは、例えば追加情報と組み合わせたパラメータがビーム関連情報を形成するように、識別子などを使用して指定されるかまたは分類されてもよい。
【0017】
一実施形態によれば、較正ビームパターンを形成するように装置または同等の装置を制御するステップは、較正ビームパターンを形成するステップに加えて、リンクアンテナまたは複数のリンクアンテナに対する装置の相対位置を変更する場合に、装置が装置の表面に対してビームパターンの相対方位を維持するように、ビームパターンを固定するために装置を制御するステップを含む。これにより、ビーム関連情報をメモリに記憶するか否かを決定する前に、形成された較正ビームパターンを最初に評価することを可能にしてもよい。
【0018】
一実施形態によれば、較正ビームパターンは第1の較正ビームパターンである。ビーム関連情報は第1のビーム関連情報である。方法は、例えばビームパターンを再びリンクアンテナに向ける場合に装置が第2の較正ビームパターンを形成するように、装置または装置と類似した装置とリンクアンテナとの間の相対位置を変更するステップをさらに含む。相対位置を変更するステップは、機械的に行うか、角度位置が異なる別のリンクアンテナに切り替えることによって行うことができる。後者はまた、複数のリンクアンテナを重ね合わせて、重ね合わせた複数のリンクアンテナ間の任意の方向から到来するリンクを形成することによって行うことができる。この方法は、第2の較正ビームパターンを示す第2のビーム関連情報をメモリに記憶するステップを含む。それによって、複数の較正ビームパターンがそれぞれのビーム関連情報を介して記憶されてもよく、それによって所定ビームパターンを定義する。
【0019】
一実施形態によれば、所定ビームパターンを形成するように装置を制御するステップは、ビーム関連情報をメモリから読み取り、かつビーム関連情報に従って所定ビームパターンを形成するステップを含む。これにより、ビームパターンを迅速に形成することが可能になる。
【0020】
一実施形態によれば、ビーム関連情報は、ビーム識別子、アンテナアレイに適用される例えばゲイン、電力、絶対位相もしくは相対位相などの送信ビームおよび/または受信ビームの1つまたは多数のビーム関連パラメータおよび/またはアンテナアレイを使用して通信される、すなわち送信および/または受信される関連ベースバンド信号を示す情報、ビーム偏光、ビームパターンの搬送波周波数、例えば受信ビームと送信ビームとの間のビーム対応を示すビーム対応フラグ、例えば対応する受信ビームおよび/または送信ビーム/ビーム掃引などのビーム/ビーム掃引識別子などのビーム対応IDのうちの少なくとも1つを含む。このような情報は、それに応じてビームを形成するように装置によって解釈される。これにより、測定環境の必要性に応じてビームパターンを特性評価することが可能になる。
【0021】
一実施形態によれば、複数の通信ビームパターンの所定ビームパターンを形成するように装置を制御するステップは、測定環境によって装置に信号を送信するステップを含み、信号は、所定ビームパターンの持続時間、所定ビームパターンを含むビーム掃引の持続時間、時間同期を可能にするための装置または測定環境における時間、および/または装置によって形成される所定ビームパターンの順序、例えば半二重において、Rxを測定する場合にTx電源がオフになっていることを保証するための、例えば装置がTxとRxとの間にビーム対応が存在することを信号伝達した場合に使用される、受信ビームパターン(Rx)または送信ビームパターン(Tx)が測定されたかを識別することを可能にするTx-Rxフラグ、およびビーム識別子のうちの少なくとも1つを示す情報を含む。このような情報はメモリ内に記憶されてもよく、例えばコードブックのエントリを示すことによって、すなわち識別子を使用することによって示されてもよい。コードブックは、通信(送信および/または受信)に使用される角度空間の一部または全体をカバーする、識別可能な方向/放射パターンのセットを含んでもよい。代替的または追加的に、パラメータの少なくとも1つは、例えば所定ビームパターンを形成して維持するのに設定される時間に関して、測定に柔軟に適合させることを可能にするために、装置に送信される信号中に示されてもよい。
【0022】
一実施形態によれば、ビーム関連情報は装置のメモリに記憶される。信号はビーム関連情報を示す。これにより、それぞれの必要な情報が既に装置に記憶されているので、通信負荷を低く抑えることが可能になる。
【0023】
一実施形態によれば、所定ビームパターンを形成するように装置を制御するステップは、信号を測定環境から装置へ送信するステップを含み、信号は、装置によって形成されるビームパターンまたは複数の所定ビームパターンのシーケンスを明確に示す情報を含む。これにより、装置の挙動を測定し、かつ信号によって識別される所望の状態または目標状態に対する挙動を評価することが可能になる。
【0024】
一実施形態によれば、所定ビームパターンを測定するステップは、ビームパターンの全放射電力を測定するステップ、等価等方放射電力を測定するステップ、実効等方感度を測定するステップ、Rxおよび/またはTxの複合放射パターンを振幅および位相で測定するステップ、Rxおよび/またはTxの複合放射パターンを相対振幅および相対位相で測定するステップ、装置に対するビームパターンの方向を測定するステップ、および、球面カバレッジ、カバーされた球面ビームのグリッド密度、ビームのセット内の全てのアクティブ化されたビームの特定ビームパターン、主ビーム/ビームパターンのうち少なくとも1つのサイドローブ、ビームパターンの変更/切替え/膨張/収縮の拡張性/線形性/ヒステリシス、恐らく空間分解能を含むスプリアス放射/隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)、ヌルステアリングおよびマルチビームステアリングの能力および精度、ビーム対応、すなわちTxビームとRxビームとの間の精度、およびアンテナアレイ/パネルの較正などを測定するステップのうちの少なくとも1つを含む。これにより、形成されたビームパターンを正確に評価することが可能になる。
【0025】
一実施形態によれば、所定ビームパターンを測定するステップは、装置によって利用される通信帯域の帯域内放射を測定するステップを含む。これにより、装置の帯域内挙動を評価することが可能になる。
【0026】
一実施形態によれば、所定ビームパターンを測定するステップは通信帯域の帯域外放射を測定するステップをさらに含む。これにより、装置の干渉挙動を特性評価することが可能になる。
【0027】
一実施形態によれば、装置は、少なくとも第1のビームおよび第2のビームを重ね合わせに使用して、所定ビームパターンに結合ビームを形成するように適合される。個々のビームは、測定環境に対して識別可能な場合と識別不可能な場合がある。ビームは、例えば測定環境を用いて評価されてもよい異なる基準パイロットまたは基準シンボルを使用することによって識別可能であってもよく、送信電力のみを評価する場合、単一のビームは識別不可能な状態を維持する可能性がある。これにより、測定可能な程度の情報の取得を可能にしてもよい。
【0028】
一実施形態によれば、所定ビームパターンは複数の所定ビームパターンのうちの1つである。装置は、複数のビームパターンの各々を順次形成するように制御され、複数の所定ビームパターンは測定環境内のパターンに従って配置される。パターンは、規則的もしくは不規則なパターン、複数のビームが等距離に配置されるパターン、および/または装置の方位角および/または仰角の範囲をカバーするパターン、および/または偏光成分の1つまたは重ね合わせを含むパターンであってもよい。また、測定環境における所定パターンに従って複数の所定ビームを選択することによって、測定中に高い精度が得られる。一実施形態によれば、装置を制御する場合、所定ビームパターンはリンクアンテナとは独立して形成される。これにより、単純な測定環境および/または測定の低干渉が可能になる。
【0029】
一実施形態によれば、非一時的記憶媒体は、コンピュータ上で実行される場合に、一実施形態による方法を行うためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムを記憶している。
【0030】
一実施形態によれば、装置は少なくとも1つのアンテナアレイを備える。装置は、アンテナアレイを使用して複数の通信ビームパターンを形成するように構成される。装置は、複数の通信ビームパターンのうちの少なくとも1つを所定ビームパターンとして明確に示すビーム関連情報を記憶したメモリを備える。装置は、所定ビームパターンを形成するための要求を示す信号を受信するように構成されたインタフェースを備える。装置は、ビーム関連情報を使用して信号に応答する所定ビームパターンを形成するように構成される。例えば受信ビームを測定する場合、装置は、以下の、
一意のビーム設定識別子、
受信信号強度インジケータ(RSSI)、
基準信号受信電力(RSRP)、
基準信号受信品質(RSRQ)、
例えば任意の試験信号の場合の電力、
定義された周波数での振幅および位相、
定義された周波数での相対振幅および相対位相、
到来角などのビーム方向
のうちの1つ以上を含む測定結果をフィードバックしてもよい。
【0031】
一実施形態によれば、非一時的記憶媒体は、所定ビームパターンを形成するための装置への要求を示すビーム識別信号を記憶している。
【0032】
一実施形態によれば、測定環境は、装置を保持するように構成された保持ユニットと、命令を実行するように適合された制御ユニットとを含み、命令は、測定環境または装置に本実施形態に記載の方法による方法を実行させるように構成される。
【0033】
さらなる実施形態は、さらなる従属請求項に記載されている。
【0034】
次に、本発明の実施形態を添付の図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】測定システムの概略ブロック図であり、測定システムは一実施形態による測定環境を含む。
図2図1の測定環境において装置として使用されてもよい一実施形態による装置の概略ブロック図である。
図3】一実施形態による方法の概略フローチャートである。
図4】測定が繰り返される一実施形態による方法の概略フローチャートである。
図5】実施形態において使用される通信ビームパターンと所定ビームパターンとの関係を説明するための概略図である。
図6図3または図4の方法において使用される所定ビームパターンのセットを取得するために行われてもよい、一実施形態による方法の概略フローチャートである。
図7a】一実施形態による較正環境の概略ブロック図であり、較正環境はリンクアンテナを含む。
図7b】装置がリンクアンテナに対する相対位置に対して移動された、図7aの較正環境の概略ブロック図である。
図8図1の測定環境における装置の一部の概略ブロック図である。
図9】一実施形態による図1の所定ビームパターンの概略ブロック図であり、所定ビームパターンに関するさらなる詳細を説明する図である。
図10a】異なる所定ビームパターンを形成する測定環境における装置を示す図である。
図10b】異なる所定ビームパターンを形成する測定環境における装置を示す図である。
図10c】異なる所定ビームパターンを形成する測定環境における装置を示す図である。
図11a】既知の測定手順の擬似コードを提示する例示的な表で示す図である。
図11b】実施形態による方法の擬似コードを提示する例示的な表で示す図である。
図12a】既知の方法に使用される機械的位置の概略図である。
図12b】一実施形態による方法に使用される機械的位置の概略図である。
図13】一実施形態による、空間ディザリングまたはジッタリングが施される例示的なビームパターンの概略上面図である。
図14a】一実施形態によるビーム掃引を示す概略ブロック図である。
図14b】一実施形態による軌道によって相互接続された例示的な4つのウェイポイントを含む異なる経路の構成の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
同等の要素、または等しいかもしくは同等の機能を含む要素は、以下の説明では、異なる図に出現する場合であっても、等しいかもしくは同等の参照番号で示されている。
【0037】
本明細書に記載の実施形態は装置に関するものであってもよい。装置は、測定環境または試験環境に関連して位置し、使用され、および/または制御されてもよい。
【0038】
したがってこの装置は、試験されているかまたは少なくとも試験専用であるとして、被試験デバイス(DUT)と呼ばれてもよい。すなわち現在試験されていない場合であっても、装置は、それでもやはり、本明細書に記載の実施形態の範囲を制限することなくDUTと呼ばれてもよい。
【0039】
本明細書に記載の実施形態は、ビームパターンを形成するために使用されるアンテナアレイに関してもよい。アンテナアレイは少なくとも1つのアンテナ素子を含んでもよく、様々な方向/放射パターンを含む送信(Tx)ビームおよび/または受信(Rx)ビーム、すなわち通信ビームを形成するように、記載の実施形態の範囲内で構成される。したがって、アンテナアレイは1つまたは多数の電波放射/受信(アンテナ)素子で構成され、これにより、例えば寄生容量の変更、異なる位相および/または振幅を含むいくつかのアンテナ素子の使用によって、例えば放射ビームパターン/受信ビームパターンを適応的に変更することが可能になる。
【0040】
したがって、本実施形態によるアンテナアレイは、アレイアンテナ、アンテナパネル、または共同で操作される複数のアンテナ/アンテナアレイと呼ばれてもよい。例えば単一のアンテナ素子は、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナ、パッチアンテナまたはホーンアンテナなどの全方向性または指向性の放射エネルギー用に構成された放射素子を含んでもよい。一実施形態によれば、容量性素子などの寄生素子は、PIN(正型-真正-負型,positive intrinsic negative)ダイオードによって活性化されてもよく、非アクティブ状態およびアクティブ状態の少なくとも1つにおける放射素子に関して有効であるように配置されてもよい。有効であることによって、放射エネルギー(ビーム)の少なくとも一部が向けられるか、または好ましくはそこから信号を受信してもよい放射が調整されてもよい。寄生素子に代えるかまたはこれに加えて、少なくとも第2の放射素子をアンテナアレイに配置して、少なくとも1つの放射素子および/または位相の電力を適合させることによって、送信および/または受信方向に影響を与えるかまたは制御することが可能である。
【0041】
本明細書に記載の実施形態は、装置によって形成される1つ以上のビームパターンに関してもよい。ビームパターンは1つ以上のビームを含んでもよい。ビームは、個々のアンテナ素子のアンテナパターンの重ね合わせを利用して、アンテナアレイとその間の位相および振幅係数を形成することによって形成される特定のアンテナビームパターンを表す、送信および/または受信を目的とするアンテナアレイの空間的指向特性として理解されてもよい。すなわち、特定の方向に向けた送信/伝達能力および/または受信能力であって、これは全方向性ローブとしてのビームの形成を除外するものではない。すなわち、それぞれのビームパターンは、シングルビームパターンまたはマルチビームパターンであってもよい。ビームは1つ以上の主ローブを含んでもよい。ビームの他に、ビームパターンは1つ以上のサイドローブを含んでもよい。ビームとローブとの間、および/またはローブ間にヌルが配置されてもよい。ローブは、信号がそれに沿って、または他の領域と比較した場合にそこから高品質で送信/受信される空間領域として理解されてもよい。ビームパターンは、例えば第1のローブと第2のローブとの間、または異なる位置にヌルを含んでもよい。ヌルは、少量の送信電力がそれに沿ってまたはそこから送信されるか、またはローブの領域と比較した場合に信号が低品質で受信される空間領域として理解されてもよい。例えば、ローブの中心と比較した場合、ヌルでの送信電力は、少なくとも20dB、少なくとも40dB、または少なくとも60dBまたはそれ以上低くなることがある。言い換えると、「ヌル」を形成することは、特定の方向もしくは空間区域にほとんどの電力または理想的には電力が送受信されないように、形成されたビームパターンが、空間的に構造化されていると理解されてもよい。このような「ヌル」は、特定の方向への干渉を引き起こさないために、例えば別の通信機器Aが同じ時間周波数リソースで別の通信機器Bと通信する場合に重要となる可能性がある。換言すれば、ビームは1つ以上のローブを含んでもよく、ローブ間のヌルを含んでもよい。ビームは送信を目的として形成されてもよく、すなわち無線信号を装置に対して特定の方向に送信するための送信電力を向けることとして理解され得る送信ビームとして形成されてもよい。代替的または追加的に、ビームは受信を目的として形成されてもよく、すなわち受信ビームとして形成されてもよく、すなわち、アンテナ利得は無線信号の好ましい受信方向を生成するように調整されるかまたは制御される。ビームは、ビーム形成に使用可能な規則的または不規則な空間パターンを含む無線周波数で信号を送信および/または受信するために使用されてもよい。
【0042】
本明細書に記載の実施形態は、通信ビームパターン、較正ビームパターンおよび所定ビームパターンに言及している。ビーム形成が可能な装置は、通常の動作中に1つ以上のビームを形成するように構成されてもよく、各ビームは、送信および/または受信を目的として構成されている。このようなビームは通信ビームパターンと呼ばれる。較正ビームパターンは通信ビームパターンのサブセットであってもよく、例えば装置またはこれと類似した装置のビーム、すなわち同じシリーズのモデルまたは参照装置を制御して、複数の通信ビームパターンのビームを形成する場合に取得されてもよい。較正ビームパターンに関連付けられた1つ以上のパラメータは、メモリに記憶され、および/またはメモリから読み取られてもよく、パラメータによって示されるビームパターンを形成するために装置を制御するように、装置に適用されてもよい。したがって少なくとも1つのパラメータによって、形成されたビームは、所定ビームパターンが較正ビームパターンの回復または復元されたバージョンと呼ばれてもよいように事前定義される。
【0043】
本明細書に記載の実施形態は拡張ビームパターンに関してもよい。拡張ビームパターンは、シングルビームパターン、または少なくとも第1のビームパターンと第2のビームパターンとの重ね合わせとして理解されてもよく、このような重ね合わせは、2つ以上の送信ビームもしくはビームパターン、2つ以上の受信ビームもしくはビームパターン、および/または少なくとも1つの送信ビームもしくはビームパターン、および少なくとも1つの受信ビームもしくはビームパターンのために取得されてもよい。すなわち、実施形態によるパターン固定を行う場合、これはビーム固定および/またはヌル固定に関連してもよい。ビーム固定は、ビームパターンの1つ以上のビームおよび/またはローブを固定することに関連してもよく、ヌル固定は少なくとも1つのヌルを固定することに関連してもよい。したがってパターン固定は、異なるビームまたは1つ以上の完全なビームの固定素子、および/またはビーム固定とヌル固定との組合せにも関連していてもよい。換言すれば、送信は、信号を伝達/送信すること、および信号を受信することを含む。通信パラメータは、受信機特性および/または送信機特性に少なくとも影響を与えるパラメータに関連してもよい。したがって、実施形態は送信および/または受信に関連しており、アップリンクおよびダウンリンクに限定されない。
【0044】
本明細書に記載の実施形態は、ビーム特性および/またはビームパターンの少なくとも一部を固定することに言及している。本明細書に関連する固定することは、不変状態、または例えば10%未満、5%未満または1%未満など、少なくとも変化量が少ない状態を含むように、それぞれの要素もしくはパラメータを制御することとして理解されてもよい。このような固定は、例えば前記ビームパターンまたはその少なくとも一部および/またはパラメータが、本動作の要件に準拠するように適合されるか、変更されるかまたは制御される通常の動作中に実行されてもよい。リンクアンテナに対する相対位置を変更する場合に起こり得るように、例えば方位または位置に対する装置の変更が通常の動作中にその変更を引き起こす場合であっても、前記ビームの固定に基づいて、ビームパターンおよび/または通信パラメータがそのままの状態を維持されるように、その一部もしくはパラメータは、場合によっては上述の許容範囲内で固定されてもよく、すなわち保存されるか、停止されるかまたは一定に維持されてもよい。本明細書に記載の実施形態に関連する相対位置は、3D空間内のベクトルに関連してもよく、および/または相対方位を有する一方または両方の物体の方位を変更する場合に、それによって相対位置もまた変更されるように、1つの物体から別の物体への配向に関連してもよい。固定解除に言及する場合、ビームパターン、その一部および/または通信パラメータは現在の動作モードによる適応が行われてもよいように解放されてもよい。
【0045】
測定には1つのリンクアンテナのみで十分な場合があるが、実施形態は、複数または一組のリンクアンテナを有する測定環境を提供する。一例によれば、複数のリンクアンテナ16~1615は、装置14に対して仰角αおよび/または方位角βをカバーするように配置されてもよい。
【0046】
実施形態は、信号の送信、送信機アンテナまたは送信用アンテナに使用されるアンテナを測定するため、および信号の受信、受信機アンテナまたは受信用アンテナに使用されるアンテナを測定するための、特定の放射パターン特性の固定に関する。したがって、通信パラメータを参照する実施形態は送信および受信の両方に及ぶ。実施形態は、一般性を失うことなく、時間特性、周波数特性、空間特性および例えば時空間符号、空間周波数符号および時空間周波数符号などの符号化特性を含むビームパターン特性を網羅する。
【0047】
図1は、測定システム10の概略ブロック図を示しており、測定システム10は測定環境12および装置14を含む。測定環境12は1つ以上のセンサ16~16を含んでもよく、いくつかのセンサは、必要とされる任意の数のうちの少なくとも1つであってもよい。センサ16~16は、装置14によって形成されたビームパターン18を評価するために単独でおよび/または組み合わせて構成されてもよい。すなわち、測定環境はビームパターンを測定するように構成されてもよい。代替的または追加的に、測定環境は、送信(Tx)ビームパターンと受信(Rx)ビームパターンとの間のビーム対応を測定し、評価するかまたは決定してもよい。評価のために、測定環境12は、センサ16~16から情報を受信するように構成された制御ユニット22を含んでもよい。センサ16~16は任意のパターンに従って任意の数で配置されてもよいが、センサ16~16は体積を部分的または完全に収容するように配置されてもよい。センサ16~16の各々は、測定されたビームパターンの位相および/または振幅を測定するように構成されてもよい電力センサであってもよい。
【0048】
「+」記号を使用して結合信号を形成するものとして示されているが、実施形態は本明細書に限定されず、制御ユニット22への個別の信号線による個別の測定、または1つ以上のセンサを順次使用するための切替え構成にも関連する。
【0049】
制御ユニット22は、有線インタフェースまたは無線インタフェースを使用して信号24を装置14に送信し、かつビームパターン18を形成するように装置14に指示するように構成されてもよい。
【0050】
装置14は、任意には信号25を測定環境12、例えばコントローラ22に送信するように構成されてもよい。信号25は、装置14によって決定された結果、パラメータまたは他の情報を示す情報を含んでもよい。例えば装置14は、受信品質、ビーム精度および/または他の特性に関してRxビームを測定するかまたは評価してもよい。それぞれの結果は、測定環境12がそれらの結果を評価することを可能にするために、信号25を使用して測定環境12に報告されてもよい。測定環境12に報告される可能性がある対象となる情報の例は、装置によって形成されたビームパターンを示す一意のビーム設定識別子、受信信号強度インジケータ(RSSI)、基準信号受信電力(RSRP)、基準信号受信品質(RSRQ)、例えば任意の試験信号の場合の電力、周波数設定、定義された周波数での振幅および位相、定義された周波数での相対振幅および相対位相、および/または到来角などのビーム方向である。すなわちRxビーム測定の場合、測定結果は信号25を使用することによって測定環境にフィードバックされてもよい。
【0051】
測定環境12は、装置14を保持するように構成された保持ユニット26をさらに含む。保持ユニット26は、例えばテーブル、チャック、治具または作動式固定具などを備えてもよい。さらなる例は、位置決め手段、回転台、マニピュレータ、固定具、組立品、運搬装置、フレーム、ホルダ、グリップ、コンベヤ、トラック、アーム、ユーザおよび電磁ファントムを含む。作動式固定具は、有線もしくは無線のインタフェースを使用して制御ユニット22から保持ユニット26に送信される任意の信号28に応答して、装置14を少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの方向に沿って移動させることができる。
【0052】
図2は、装置20の概略ブロック図を示しており、例えば装置14として、または装置14のモデル、一例または参照として使用されてもよい。装置20は、いくつかの、少なくとも1つのアンテナアレイ32~32を備えてもよく、アンテナアレイ32~32の各々は、装置20の筐体34の内側に、筐体34に、または筐体34の外側に配置されてもよい。アンテナアレイ32~32の各々は、1つ以上のビーム通信ビームパターン36~36を形成するように構成されてもよく、各通信ビームパターン36~36は、信号を受信および/または送信するために形成された1つ以上のローブおよび/またはヌルを含む。
【0053】
そこで通信は、例えば装置20の通常の動作中に、通信のために装置20によって形成されてもよいビームパターンを参照してもよい。したがって、通信ビームパターン36~36は装置20を用いて形成可能なビームパターンのセットを定義する。その少なくともサブセット、すなわち通信ビームパターン36のうちの1つ以上は所定ビームパターンとして選択されるか、定義されるかまたは分類されてもよい。通常の動作中、装置20は、リンクアンテナまたは基地局に向けて通信ビームパターン36~36を形成することを可能にするそれぞれのアンテナアレイもしくはアンテナパネル32~32を選択するように構成されてもよい。装置20を測定するかまたは評価するために、それらのビームのサブセットのみを評価すれば十分な場合があり、1つ以上の所定ビームパターンはこのような測定の広範な基礎となり得る。
【0054】
図1を再度参照する場合、装置14は、リンクアンテナとは独立して信号24に応答する1つ以上の所定ビームパターンを生成するように構成されてもよい。
【0055】
例えば装置14は、ビームの形成を可能にするビーム関連情報をメモリに記憶してもよい。ビーム関連情報は、1つ以上のビーム識別子、アンテナアレイに適用される1つ以上のパラメータおよび/またはアンテナアレイを使用して通信される関連ベースバンド信号を示す情報、それぞれのアンテナアレイを示す情報、ビーム偏光、ビームパターンの搬送波周波数などを含んでもよい。一実施形態では、ビーム関連情報は、それぞれのビーム識別子を含む信号24を受信した場合に、コードブックに従ってビーム識別子に関連付けられたビーム関連情報を読み取ることによって、要求されたビームが装置14を用いて形成されるように、それぞれのビームが構造化され、ビーム識別子を用いて指定されるかまたは分類されたテーブルに従った構造を有してもよい。したがって、ビーム関連情報はビームパターンの特性を示してもよい。このような表示は「電力を0dB(m)に設定する」などの直接的なものであってもよいが、代替的または追加的に、間接的に符号化されてもよく、および/または「電力をレベル2に設定する」などの特性に関して解釈されてもよい。
【0056】
装置20は、複数の通信ビームパターン36~36のうちの少なくとも1つを所定ビームパターンとして明確に示すビーム関連情報を記憶するように構成されたメモリ37を備えてもよい。装置20を装置14として使用する場合、メモリ37はそれぞれのビーム関連情報を含む。一例によれば、信号24が所定ビームパターンを形成するために装置14へ要求を示すビーム識別信号と呼ばれてもよいように所定ビームの識別を可能にする情報を含む信号24は、非一時的記憶媒体に記憶されてもよい。
【0057】
ビーム関連情報はビーム設定またはビームパラメータ設定と呼ばれてもよく、すなわち装置によって形成されたビームパターンを好ましくは明確に記述するパラメータまたはパラメータのセットと呼ばれてもよい。ビーム設定のセットは、パラメータまたはパラメータのセット、および/またはそれによって識別されるビーム設定に関連付けられたビーム設定識別子を含んでもよいビーム構成と呼ばれることもある。
【0058】
実施形態によれば、装置20および/または装置14は、測定環境12などの測定環境から受信した命令に応答して動作するように構成されてもよい。以下の説明は装置14/装置20の挙動に言及している。したがって、装置14/装置20による信号の受信に関連して与えられた説明もまた、測定環境によって送信されたそれぞれの信号を意味し、逆もまた同様である。
【0059】
装置14および/または装置20などの装置は、装置がアンテナアレイを用いて複数の通信ビームパターンを形成することを可能にするアンテナアレイ32などの少なくとも1つのアンテナアレイを備えてもよい。アンテナアレイは送信ビームを形成するように送信機として適合されてもよく、および/または受信ビームを形成するように受信機として適合されてもよく、両方の構成が並列に実施されてもよい。したがって、送信機に関連して記載した実施形態は送受信機または受信機としてのアンテナアレイの構成を除外しない。
【0060】
装置は、形成された通信ビームパターンのビーム構成を測定環境に信号伝達するように構成されてもよく、すなわち装置は、形成された、現在形成されている、または形成される予定のビームパターンについて測定環境に通知してもよい。Txおよび/またはRxに有効な信号伝達されたビーム構成は、以下の、
一意のビーム設定識別子、
ビーム出力、
ビームゲイン、
ビーム指向性、
ビーム搬送波周波数、
ビーム偏光、
ビーム方向、
ビーム帯域幅部分、
ビーム使用量
ビームを形成するためのTxおよび/またはRxのアンテナアレイの対応する設定を含む値のリスト、
ビーム対応フラグ(RxビームとTxビームとの間にビーム対応が存在する場合)、
ビーム対応ID(対応するRxまたはTxのビーム/ビーム掃引のビーム/ビーム掃引識別子)
のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0061】
説明したように、測定はTxビームパターンおよびRxビームパターンに対して行われてもよい。実施形態による測定環境は、複数の測定結果およびパラメータを含む一意のビーム識別子に関連付けられた少なくとも1つの受信ビーム測定に関連する結果を装置またはDUTから受信するように構成されてもよい。これは、以下の、
一意のビーム設定識別子、
受信信号強度インジケータ(RSSI)、
基準信号受信電力(RSRP)、
基準信号受信品質(RSRQ)、
例えば任意の試験信号の場合の電力、
周波数設定、
定義された周波数での振幅および位相、
定義された周波数での相対振幅および相対位相、および
到来角などのビーム方向
のうちの1つ以上を含んでもよいが、少なくとも1つを含んでもよい。
【0062】
したがって、装置14および/または装置20などの本実施形態による装置は、複数の測定結果およびパラメータを含むが、以下の、
一意のビーム設定識別子、
受信信号強度インジケータ(RSSI)、
基準信号受信電力(RSRP)、
基準信号受信品質(RSRQ)、
例えば任意の試験信号の場合の電力、
周波数設定、
定義された周波数での振幅および位相、
定義された周波数での相対振幅および相対位相、
到来角などのビーム方向
のうちの少なくとも1つを含む一意のビーム識別子に関連付けられた、受信ビーム測定結果をフィードバックするように構成される。
【0063】
一実施形態によれば、測定環境は、トリガ信号を装置に信号伝達して、説明したように、すなわち、一意のビーム識別子に関連付けられた受信ビーム測定結果のフィードバックを開始するように構成されてもよい。このような測定結果は、とりわけ、受信電力/RSRP/RSSI、または受信信号の受信電力または受信振幅および位相に関連する任意の測定基準を含んでもよい。このようなトリガ信号は、装置の訓練または測定の間に使用されるそれぞれの訓練信号の少なくとも一部であってもよい。
【0064】
上述の装置は、測定環境からトリガ信号を受信し、一意のビーム識別子に関連付けられた受信ビーム測定結果のフィードバックを開始するように構成されてもよい。
【0065】
測定環境および/または装置は、トリガ信号に応答して、ビーム設定識別子のシーケンスの受信ビーム測定結果を受信するかまたは送信してもよい。
【0066】
すなわち、装置はRxビームパターンに関する測定を行い、したがって受信品質を評価してもよい。装置は、測定環境に送信してもよく、任意には、このような測定結果を測定環境から受信する可能性があるトリガ信号に応答してもよい。
【0067】
あるビームが通信の目的などの第1の目的で構築される一方で、別のビームが参照目的などの異なる目的で使用される特定のシナリオが存在する場合がある。これらのビームは、搬送波周波数、偏向および/または方向のうちの少なくとも1つが異なっていてもよい。さらに、これらのビームは、それぞれの情報によって示される可能性のある異なる目的を有する。
【0068】
装置は、例えばスマートフォンのようなUE、タブレットコンピュータ、基地局、車両に搭載されたアンテナ/通信モジュールなどの通信機器であってもよい。アンテナアレイは送信機として適合されてもよい。装置は、ビーム設定識別子を含む信号を測定環境から受信するように構成されてもよく、ビーム設定識別子はビーム構成のビーム設定に関連付けられている。信号を受信するために、装置は、専用の素子であるかまたはアンテナアレイの動作モードとして利用可能である送受信機を使用してもよい。例えば、信号24はこのような情報の送信に使用されてもよい。
【0069】
装置は、プロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)などであってもよいコントローラを備えてもよく、コントローラは、送信機を用いてビーム設定に従って、複数の通信ビームパターンの通信ビームパターンを形成するように装置を制御するように構成される。すなわち、装置は、所定ビームパターンまたはそのシーケンスを形成するように環境の命令に従ってもよい。このような目的のために、適用されるパラメータ(ビーム設定)が装置に送信されてもよく、および/またはこのようなパラメータを識別する識別子(ビーム設定識別子、ID)が送信されてもよい。
【0070】
測定環境から信号伝達されたビーム設定を取得する場合、Txおよび/またはRxに有効なビーム構成は、
一意のビーム設定識別子、
ビーム出力、
ビームゲイン、
ビーム搬送波周波数、
ビーム偏光、
ビーム方向、
ビーム帯域幅部分、
ビームを形成するためのTxおよび/またはRxのアンテナアレイの対応する設定を含む値のリスト、
例えば半二重において、Rxを測定する場合にTx電源がオフになっていることを保証するための、例えばDUTがTxとRxとの間にビーム対応が存在することを信号伝達した場合に使用される、RxビームまたはTxビームが測定されたかを識別するためのTx-Rxフラグ、
例えば受信電力/RSRP/RSSI、または信号の受信電力または受信振幅および位相に関連する任意の測定基準を測定するためのRxトリガ、および
ビーム使用量
のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0071】
ビーム構成のこのような信号伝達は、装置への信号の送信を含んでもよく、信号はそれぞれの設定またはパラメータを示す情報を含む。すなわち、情報の信号伝達または構成の信号伝達に言及する場合、それぞれの情報を含む信号を送信することを含んでもよい。
【0072】
コントローラは、ビーム設定を適用して、装置での送受信において複数の通信ビームパターンのうちの1つである所定ビームパターンを形成するように構成されてもよい。
【0073】
ビーム設定および/またはビーム設定識別子は、複数のビーム設定および/またはビーム設定識別子のうちの1つであってもよく、すなわち、ビーム設定および/またはビーム設定識別子のシーケンスは、例えば信号24を使用して測定環境12から装置に信号伝達されてもよい。シーケンスは、形成が要求される複数のビームについての情報および/またはその順序についての情報を送信してもよい。測定環境はトリガ信号を装置にさらに送信してもよい。シーケンスで示される次の所定ビームパターンを形成するように、それぞれのトリガ信号の受信を装置に命令してもよい。シーケンスの各ビーム設定識別子は、装置のビーム構成のビーム設定に関連付けられてもよく、すなわち複数の通信ビームパターンのうちの1つを明確に示してもよい。コントローラは、第1のビーム設定を適用して、送信機を用いて第1のトリガ信号に応答して複数の通信ビームパターンの第1の所定ビームパターンを形成するように、および、シーケンスが示す第2のビーム設定を適用して、送信機を用いて第2のトリガ信号に応答して複数の通信ビームパターンの第2の所定ビームパターンを形成するように構成されてもよい。これにより、信号を送信することによって装置を最初に構成し、次いで、情報量が少ないために短い可能性があるトリガ信号を送信することによって迅速な切替えを行うことが可能になる。例えば、「次のシーケンス」による情報で十分な場合がある。
【0074】
一実施形態によれば、受信ビームを測定する場合、装置は、以下の、
一意のビーム設定識別子、
印加周波数および/または周波数帯域、
受信信号強度インジケータ(RSSI)、
基準信号受信電力(RSRP)、
基準信号受信品質(RSRQ)、
例えば任意の試験信号の場合の電力、
定義された周波数での振幅および位相、
定義された周波数での相対振幅および相対位相、および
到来角などのビーム方向
のうちの1つ以上を含む測定結果をフィードバックしてもよい。
【0075】
このようなフィードバックは、各ビームを測定した直後に、または装置に記憶して、一部または全てのビーム/全てのビームのシーケンスが測定された後にフィードバックすることによって行われてもよい。
【0076】
一実施形態によれば、生成されたビームパターンを考慮した変化を適用するために、代替的または追加的にいわゆるビーム掃引が実施されてもよく、空間的に隣接/近接する一連のビームはアドレス指定されて、光ビームに空間中を移動させるような空間掃引が作成され、すなわちビームは、アクティブ状態を維持しながらその方向を連続的もしくは不連続的に変更するように変化する。このようなビーム掃引を考慮すると、各ビーム掃引は上述の静的ビームのようにアドレス指定/ID化されてもよい。
【0077】
したがってビーム掃引は、所定ビームパターンのパラメータ、すなわち方向、1つ以上のローブの集束、偏光、送信電力などのビーム設定のパラメータの変更または修正を含んでもよい。1つ以上のビーム掃引を適用する場合、このようなビーム掃引の間に、ビーム掃引の特定のセグメントの電力を経時的に修正/変更することができる。定義された持続時間に関連している可能性があるこのような電力の変更は、ビーム(掃引)設定の一部であってもよい。変更/修正は、例えばビームパターンがアクティブ状態を維持している間に実行されてもよい。装置は、例えば埋め込みによるコントローラによって制御されて、ビーム掃引である所定ビームパターンを形成してもよく、ビーム掃引は経時的な通信ビームパターンの変化に基づく。
【0078】
同様に、測定処理の間に一連のビーム掃引を使用することができる。したがって、実施形態は所定ビームパターンをビーム掃引として定義することに関連する。したがって、所定ビームパターンにIDを付与することにより、ビーム掃引識別子を使用するかまたは生成してもよい。
【0079】
所定ビームパターンを識別子などに関連付ける場合、1つ以上の識別子がビーム掃引に関連付けられてもよく、および/または1つ以上の識別子が場合によっては静的である所定ビームパターンに関連付けられてもよい。静的な所定ビームパターンと比較した場合、ビーム掃引を記述するパラメータは、記憶および/または呼出しされ得る偏光変化、電力変化、方向および/または焦点の変化、変化率、開始値および/または終了値、時間情報などの追加情報を含んでもよい。ビーム設定識別子は、それによって静的な所定ビームパターンおよび/またはビーム掃引を依然として明確に識別してもよい。
【0080】
代替的または追加的に、所定ビームパターンを固定状態に維持するために使用される持続時間は、例えばシーケンスと一緒に、または別個の信号として送信されてもよい。このような情報は持続時間インジケータと呼ばれてもよい。コントローラは、トリガ信号に応答してシーケンスが示すビーム設定を個別に順次適用するように構成されてもよく、装置は、送信機を使用して複数の通信ビームパターンの示された所定ビームパターンを各ビーム設定について形成するように構成されてもよい。コントローラは、形成された所定ビームパターンを、持続時間インジケータが示す持続時間の間は固定状態に保つように構成されてもよい。その後、ビームを非アクティブ化するか、および/または次のビームを形成するか、または後続のトリガ信号を待機してもよい。
【0081】
一実施形態によれば、装置は、測定環境から受信した信号に応答してビーム形成された訓練信号を送信するように構成されてもよい。このような訓練信号は、例えば単一の連続波信号、マルチサイン信号、サウンディング基準信号、復調基準信号および/または物理的ランダムアクセスシーケンス信号であってもよい。このような訓練信号は、ビームを識別することが可能であるように1つ以上のビームもしくはビームパターンに組み込まれてもよい。
【0082】
一実施形態によれば、請求項のいずれか一項に記載の装置は、ビーム設定測定要求を示す信号を測定環境から受信するように構成されてもよい。これは、装置の能力を報告するように、すなわち装置が生成する可能性のある通信ビームパターンおよび/または所定ビームパターンについて測定環境に通知するように、装置に命令する要求であってもよい。測定環境は測定手順の間にビーム構成能力を評価してもよい。それによって、装置は、装置のビーム構成のサポートされたビーム設定の総数を示すビーム構成能力を測定環境に報告するように構成されてもよい。
【0083】
コントローラは、ビーム設定を装置のビーム構成の一部として生成するように構成されてもよく、コントローラはさらに、送信機を使用して測定環境の一部であり得るリンクアンテナに向けてビームパターンを形成するように、ビーム設定を適用するように構成されてもよい。コントローラは生成されたビーム設定をメモリに記憶してもよく、すなわち、リンクアンテナに向かう方向を取得するために使用されるビーム設定を記憶してもよい。コントローラは、ビーム設定測定要求に応答してビーム設定を測定環境に報告するように装置を制御してもよい。これに基づいて、測定環境は、送信機を用いて生成されたかまたは生成される予定の特定のビームを評価するかまたは要求してもよい。
【0084】
図3は、一実施形態による方法300の概略フローチャートを示している。方法300を実行することによって、装置、例えば装置14を評価してもよい。装置は、少なくとも1つのアンテナアレイを含み、少なくとも1つのアンテナアレイを使用して複数の通信ビームパターンを形成するように構成される。ステップ310は、装置を位置決めすること、または、例えばビームパターンを測定するように適合されている測定環境12などの測定環境において装置の周囲の測定環境のプローブアンテナを移動させる/切り替えることによって、測定環境のプローブアンテナ/アンテナの相対位置を変更することを含む。ステップ320は、複数の通信ビームパターンの所定ビームパターンを形成するように装置を制御することを含む。例えば信号24は、信号24に示される1つ以上のビームパターンを形成することを装置に要求するように装置に送信されてもよい。ステップ330は、Txビームを測定するための測定環境を使用して所定ビームパターンを測定すること、および、別の実施形態に従ってTx-RxフラグがRxに設定されている場合に、Rxビーム測定(例えば、RSRPなど)を装置から要求することを含む。
【0085】
本明細書に記載の実施形態に関連する測定ビームおよび/または訓練測定ビームは装置/DUTの相対位置の変更を含んでもよい。第1の可能性は、例えばDUTおよび/またはアンテナの機械的動作に関連して、第1の偏光および第2の偏光を有する単一のリンクアンテナを使用することである。第2の可能性は、機械的動作に関連して順次および/または並列の測定に使用される複数のリンクアンテナを使用することである。第3の可能性は、DUTの機械的動作がない場合の順次および/または並列の移動のために上述の複数のリンクアンテナを使用して、グリッドの全ての点/領域を測定することである。
【0086】
図4は、ステップ410、ステップ420およびステップ430が図3に関連して説明したステップ310、ステップ320およびステップ330に対応する、一実施形態による方法400の概略フローチャートを示している。さらに、ステップ440において複数の通信ビームパターンの少なくとも第2の所定ビームパターンが形成され、ステップ450は、測定環境および/または受信ビームを測定する装置を使用して第2の所定ビームパターンを測定することを含む。第2の所定ビームパターンは第1の所定ビームパターンを測定した後に形成されてもよく、および/または同時に測定されてもよい。任意には、さらなる所定ビームパターンが測定されてもよい。それによって、Txおよび/またはRxにおける複数の所定ビームパターンが同時におよび/または順次測定されてもよい。測定されたシーケンスが与えられると、シーケンス、すなわち所定ビームパターンの順序もまた事前定義されてもよく、信号24において示されてもよい。例えば信号24は、シーケンス1、シーケンス2、シーケンス3、…、シーケンスxなどの識別されたシーケンスの使用を示す命令を含んでもよく、および/または各識別子が所定ビームパターンに関連付けられた識別子のシーケンスを含むことによってシーケンスを示す情報を含んでもよい。代替的または追加的に、信号24を繰り返し送信して、装置を繰り返し制御して、それぞれの所定ビームパターンを形成してもよい。
【0087】
複数の所定ビームパターンを順次形成するように装置を制御する場合、装置は、それぞれの形成されたビームパターンを測定した後に形成されたビームに関して切り替えられてもよい。これにより、位置の変更は長い時間を必要とする可能性があるので、測定環境における装置の相対位置を維持して時間を大幅に節約することが可能になる。したがって、特定の位置では、対象となるビームパターン、すなわち所定ビームパターンが順次形成されかつ測定されてもよく、その後、装置は、測定環境における自身の相対位置に対して変更される可能性があり、例えば装置は再び移動され、および/または装置の周囲のプローブアンテナが移動されるかまたは他の位置に切り替えられる。装置の相対位置を変更した後、装置は、所定ビームパターンのさらなるシーケンス、すなわち複数の所定ビームパターンを形成するように制御されてもよい。複数のビームパターンまたはそのシーケンスは繰り返し、すなわち第2の反復で形成される。
【0088】
方法300および/または方法400は、装置14などの装置を評価するための測定環境12などの測定環境を使用して実行されてもよい。測定または評価の正確な結果は、装置および測定環境が協動する場合に得られる。したがって、ステップ310、ステップ410またはステップ440などの装置の制御を含むステップ、および/またはステップ330、ステップ430またはステップ450などの測定環境に測定を命令するためのステップは、専用または仮想/分散コントローラ、すなわち必要な構成要素を調整する要素によって制御されてもよい。コントローラは少なくとも部分的に測定環境の一部として、例えば制御ユニット22として、または別個の要素として、少なくとも部分的に装置に実装されてもよい。また、それによって、所定の試験手順を測定環境に伝達し、それによってその挙動を制御することによって、装置が、例えば試験モードなどに設定された後、他律的に所定ビームパターンの形成を行うように測定環境に命令することも可能である。
【0089】
このようなコントローラは、例えばビームID、他のビームパラメータおよび/またはそれらのシーケンスを装置に提供することによって、ビーム関連情報を使用して装置14または装置20などの装置を制御するように構成されてもよい。さらにコントローラは、測定環境および装置が協動するように、装置によって行われる測定手順に従って動作するために測定環境に通知するかまたは命令し、すなわち測定環境を制御してもよい。すなわち、ビーム関連情報は測定環境の制御にも使用される。コントローラは、装置および測定環境の能力に関する情報にアクセスしてもよい。例えばこのような情報は、測定環境のセンサのグリッドおよび装置によって形成可能なビームパターンの粒度(granularity)についての情報を含んでもよい。コントローラは、このような情報に従って試験手順、すなわち1つ以上の所定ビームパターンを選択してもよい。
【0090】
図5は、通信ビームパターンと所定ビームパターンとの関係を示す概略図を示している。セット38はパラメータのセットP~Pを含み、パラメータの各セットP~Pは、装置、例えば装置20または装置14を用いて形成されてもよいビームパターンの少なくとも一部を記述する。このようなパラメータのセットはビーム設定と呼ばれてもよい。セット38の少なくともサブセットは複数の所定ビームパターンを記述するセット42に組み合わせられてもよい。セット42は例えば方法300または方法400を使用して形成されかつ測定されてもよい。
【0091】
セット42を測定した後、および装置の相対方位を変更した後、所定ビームパターンのセット44が装置を用いて形成されかつ測定されてもよく、セット44はセット42に対応してもよく、セット42のサブセットであってもよく、および/またはセット42に含まれていないパラメータPを含んでもよい。
【0092】
装置は、セット42の複数の所定ビームパターンおよび/または複数の所定ビームパターン44を所定の順序で形成するように制御されてもよい。この順序は、信号24に明示的または暗黙的に示されてもよく、順序は信号24に含まれるか、または順序が信号24に含まれる情報から導出されてもよいように、装置がアクセスするメモリに記憶されてもよい。複数のビームパターンを形成しかつ測定する場合、結果として所定ビームパターンの所定のシーケンスが生成され、測定環境を用いて測定されてもよい。
【0093】
図6は、所定ビームパターンのセットを取得するために行われてもよい方法600の概略フローチャートを示しており、方法600は、方法300および/または方法400を実行する前に部分的に行われてもよい。方法600は、通信ビームパターンの少なくともサブセットが所定ビームパターンとして選択されるステップ610を含む。選択によって所定ビームパターンを決定することは、ビーム特性が製造業者によって伝達される場合に有利なことがある。ステップ620は、例えば方法300および/または方法400において、所定ビームパターンの少なくともサブセット、例えばセット42および/または44を測定のために形成するように装置を制御することを含む。
【0094】
図7aは、較正環境70の概略ブロック図を示しており、較正環境70は、例えばリンクアンテナ46に向かう通信ビームパターン36などの通信ビームパターンを装置20に形成させるように基地局の挙動をシミュレートすることが可能なリンクアンテナ46を含む。通信ビームパターン36を形成するために装置20によって使用されるパラメータは、恐らくさらなる情報またはビーム識別子などの導出された情報と共に、装置20または別の記憶媒体に記憶されてもよい。したがって、通信ビームパターン36は較正ビームパターンと呼ばれてもよい。例えば、Tx-Rxフラグなどの信号伝達された情報に基づいて、較正ビームパターンの有効性が制限される場合がある。例えばフラグなどは、較正ビームパターンがTxまたはRxの測定に有効かどうか、またはTx-RxフラグがTxおよびRxに設定されていないかどうかを示してもよく、したがって両方の場合の有効性を示す。
【0095】
図7bは、装置20がリンクアンテナ46に向けて異なる通信ビームパターン36を形成するように、装置20がリンクアンテナ46に対する相対位置に対して変更された較正環境70の概略ブロック図を示している。リンクアンテナに対する相対位置の変更は、DUTを回転させるか、および/または異なる位置のリンクアンテナを選択することで達成されてもよい。したがって、通信ビームパターン36は変更されるかまたは非アクティブ化されてもよい。あるいは、装置20はビームパターン36を固定するように構成されてもよい。ビーム固定は、リンクアンテナ46に対する装置20の相対位置がリンクアンテナ46がアクティブである間に変化する場合であっても、装置20に対する通信ビームパターン36の相対位置が変化しないように、場合によっては通常の動作に対して通信ビームパターン36を維持することとして理解されてもよい。この場合も、通信ビームパターン36を生成するために使用される装置20のパラメータは、メモリに記憶されてもよい。図5に関連して記載したように、メモリにはビーム関連情報が記憶されてもよい。
【0096】
ビーム関連情報は装置20および/または装置14のメモリに記憶されてもよい。例えば、一連のサンプルの1つが較正手順用の装置20に使用されてもよく、他の装置の各々には、まだ較正されていない場合であってもビーム関連情報に装置14がアクセスするように、導出されたデータすなわちビーム関連情報が搭載されてもよい。代替的または追加的に、装置20自体を装置14として使用してもよい。どちらの場合も、所定ビームパターンを形成するように装置を制御するステップは、ビーム関連情報をメモリから読み取り、かつビーム関連情報に従って所定ビームパターンを形成するステップを含む。
【0097】
図8は、測定環境12における装置14の一部の概略ブロック図を示している。信号24および該当する場合は信号25を使用して、装置は所定ビームパターン18を形成するように制御されてもよい。信号24は、所定ビームパターン18または所定ビームパターンのシーケンスを識別するための識別子を含んでもよい。代替的または追加的に、信号24は、所定ビームパターンを形成する持続時間および/または所定ビームパターンを含むビーム掃引の持続時間、すなわち所定ビームパターンを形成するシーケンス、時間同期および/または装置によって形成される所定ビームパターンの順序を可能にするための装置または測定環境における時間を示す情報を含んでもよい。装置14は、パラメータなどのビーム関連情報が記憶されているメモリにアクセスしてもよい。信号24は、使用されるべきビーム関連情報を装置14に示すために、ビーム関連情報を示してもよい。
【0098】
好ましくは、信号24は、装置によって形成される所定ビームパターンまたは所定ビームパターンのシーケンスを明確に示す。これは、予期される結果に対して測定されたビームパターンを確実に評価することを可能にする、すなわち装置14が要求されたもの以外のビームを形成することを回避してもよい。
【0099】
一実施形態によれば、装置14は、所定ビームパターンのシーケンスを生成するように制御される。シーケンスは、測定環境におけるパターンに従って配置された所定ビームパターンを含むか、またはそれらから構成されてもよい。パターンは規則的なパターンであっても不規則なパターンであってもよい。一例によれば、複数の所定ビームパターンは1つ以上の平面、例えばセンサ16~1615を含む平面に等距離に配置される。代替的または追加的に、パターンは、角度αおよび/またはβの少なくとも特定の部分、すなわち装置14の方位角および/または仰角の範囲の少なくとも一部をカバーしてもよい。代替的または追加的に、複数の所定ビームパターンは偏光成分の1つまたは重ね合わせを含むパターンを形成してもよい。
【0100】
測定環境は、センサもしくはプローブ16~1615のセットを含んでもよい。一例によれば、センサ16~1615は、装置14に対して仰角αおよび/または方位角βをカバーするように配置されてもよい。所定ビームパターンを測定するステップは、ビームパターンの全放射電力(TRP)を測定するステップ、等価等方放射電力(EIRP)を測定するステップ、装置14に対する所定ビームパターンの方向を測定するステップ、例えば角度αおよび角度βに沿う球面カバレッジ、カバーされた球面ビームのグリッド密度、所定ビームパターンのセットのうち全てのアクティブ化された所定ビームパターンの特定ビームパターン、主ビーム/所定ビームパターンのうち少なくとも1つのサイドローブ、ビームパターンの変更/切替え/膨張/収縮の拡張性/線形性/ヒステリシス、恐らく空間分解能を含むスプリアス放射および/または隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)、装置14のヌルステアリングおよびマルチビームステアリングの能力および精度、ビーム対応、すなわち予期されるビームと比較した場合に実際に生成されるビームの比較の精度、および/またはアンテナアレイ/パネルの較正、および/またはRxビームとTxビームとの対応を測定するステップのうちの1つ以上を含んでもよい。例えば一組のTx/Rxビームパターンを一意に識別してもよい場合、両方の一方を識別するだけで十分な場合がある。
【0101】
所定ビームパターンを測定する場合、例えばステップ330、430および/または450において、所定ビームパターン18を形成するために装置14によって利用される通信帯域の帯域内放射が測定され、および/または評価されてもよい。さらに、測定環境12は通信帯域の帯域外放射を測定するように構成されてもよい。ビームを評価するために、帯域内放射を使用する場合に位置、形状および/または方向を評価することが好ましいことがあるので、帯域内放射が主な対象であってもよい。図8に示すように、所定ビームパターンは少なくとも1つのビームを含んでもよい。
【0102】
図9は、一実施形態による所定ビームパターン18の概略ブロック図を示しており、所定ビームパターン18に関するさらなる詳細を説明している。例として所定ビームパターン18は、少なくとも遠視野では、結合ビーム52を形成するための第1のビーム/ローブ48および第2のビーム/ローブ48の重ね合わせを含む。したがって、ビーム48および48の放射電力を組み合わせてもよく、ビーム48および48の各々は、異なるアンテナアレイ/パネルを用いて、あるいは同じアンテナアレイの異なるアンテナ素子を用いて生成されてもよい。ビーム48および48は、測定環境またはシステムに対して識別可能な場合と識別不可能な場合がある。訓練信号に関連して記載したように、例えばビーム48および48は識別可能なパイロット要素もしくはパイロット信号を使用して形成されて、前記パイロットを評価する場合の測定環境が両方のビームを識別し、したがって部分ビーム48および48、および結合ビーム52の両方を評価することができるようにされてもよい。あるいは、測定環境はパイロット情報を無視しながらビーム出力を評価するように構成されて、測定環境がビーム48および48を識別することができない一方で、ビーム52を認識するようにされてもよい。
【0103】
所定ビームパターン18は静的ビームパターンまたは時変ビームパターンであってもよい。すなわち、例えばビーム48および48の送信電力を適合させることによって、ビーム52の方向が変化してもよい。したがって、形成される所定ビームパターンの変化は、ビーム自体を適合させることによっても変化し得る1つ以上のビームもしくはビームパターンをオンまたはオフに切り替えることによって同様に得てもよい。信号24を使用することによって、所定ビームパターンはリンクアンテナとは独立して形成されてもよい。さらに、所定ビームパターンは繰り返しかつ決定的に形成可能であってもよい。
【0104】
さらに、識別可能なビームは必ずしも重ね合わせなくてもよい場合がある。識別可能なビームはさらに、少なくとも第1のビームパターンおよび第2のビームパターンを並列に使用することを可能にし、ビームは、場合によってはサウンディング基準信号(SRS)などのパイロット信号/シンボルによって、および並列に評価することによって識別され、このような差異は、例えばパイロットキャリアのサブセットにおいてのみOFDMシステム内で直交パイロットを使用する場合、少なくとも部分的に識別可能であるとして見なされてもよい。信号伝達は、閉ループ要求および確認応答の概念を有効にするように行われてもよい。必要に応じて、装置は、ビームのシーケンスを形成した後に回転されるかまたは移動されてもよいが、このような動きは測定時間を節約するためにほとんど実施されなくてもよい。換言すれば、全放射電力(TRP)および等価等方放射電力(EIRP)および/または実効等方感度(EIS)の測定は、装置によって形成される十分な数のビームが測定され、かつ各ビームの放出電力および/または受信電力またはパターンが測定されてもよいように実行されなくてはならない。全てのビームについて(特に、ブラックボックス手法またはグレーボックス手法のためにビームの方向およびそのパターンが先験的に把握されない場合)、球面の全てまたは一部を走査/測定する必要があり、測定時間においてかなりの労力がかかる可能性がある。実施形態は、例えばTRP、EISおよびEIRP測定のための測定時間を大幅に短縮する。
【0105】
換言すれば、ビームの重ね合わせは、送信/受信された各ビームに関連付けられた電磁場が、通信信号の送信/受信に使用されるアンテナだけでなく空間内の場所でも重ね合わされるという事実を表している。無線通信に使用されるRFキャリアに変調された信号/シンボルの構造に応じて、例えば現在のLTE、WiFiおよび将来の5Gシステムでは、複合QAMシンボルが時間/周波数方式でOFDMキャリアにマッピングされ、この複合QAMシンボルは、情報/データを送信機から受信機に転送するためのデータシンボルを表し、このような既知のパイロットに基づいて無線チャネルを推定するため、およびチャネル推定の後に無線チャネルを等化し、かつ送信されたデータシンボルを再構築するための既知の基準シンボルである。
【0106】
このような機構を考慮すると、基準記号(RS)はビームを識別可能にするために使用されることが多く、したがって複数のビームが異なるRSまたはデータシンボルによって識別可能である場合、適切な測定システム/機器は異なるビームまたはビームの一部を区別することができる一方で、ビームを介して送信された信号の一部は識別不可能であるため、受信機から見れば、重ね合わせの原理を利用して2つのビームから共同で作成されたビームと同等である。さらに、使用されるRS、データペイロード、またはさらには割当周波数リソースにおいてビームが異なる場合であっても、測定システムは、ビームが識別できないようにするために、エネルギー検出のためにのみセンサを使用するように適合されてもよい。一実施形態によれば、装置は、ビームパターンが少なくとも部分的に識別可能である一方で、少なくとも第1のビームパターンおよび第2のビームパターンを生成するように構成および/または制御され、すなわち測定ビームセットが生成される。測定環境は、識別可能性に関する情報を使用して、複数のビームパターン、すなわち測定時間を短縮するために並列に設定された測定ビームを測定するように適合されてもよい。
【0107】
図10aは、測定環境12のセンサ16のグリッド54に向けられている装置14の表面の概略斜視図を示しており、グリッド54に対して第1の方向を有する第1の所定ビームパターン18が形成されている。所定ビームパターン18は、例えば測定環境12において基準方向56に沿って向けられた第1の方向を有する主ローブ55を含んでもよい。
【0108】
図10bは、第2の所定ビームパターン18を形成する装置14の表面の概略斜視図を示しており、主ローブ55は基準方向56に対して角度γだけ傾斜している。
【0109】
図10cは、第3の所定ビームパターン18を形成する装置14の表面の概略斜視図を示しており、主ローブ55は基準方向56に対して角度γだけ傾斜している。
【0110】
所定ビームパターンの各々は、装置14を移動させずに、および/または装置を所定の方法で同時に移動させながら形成されてもよい。1つ以上の所定ビームパターン18~18に代えるかまたはこれらに加えて、所定ビームパターン18~18もまた掃引の異なる状態であると見なされてもよいように、1つ以上のビーム掃引を実行してもよい。
【0111】
本発明のいくつかの態様は、静的および/または掃引所定ビームパターンのシーケンスを形成し、その後に装置の位置/方位を変更し、場合によっては所定ビームパターンのさらなるシーケンスが続くことに向けられているが、本発明は本明細書において限定されないだけでなく、装置が、所定ビームパターンまたはそのシーケンスを形成しながら所定の方法で移動される実施形態を定義する。したがって、所定ビームパターンまたはそのシーケンスを形成している間、装置は静的または変化する位置/方位を有してもよい。
【0112】
本実施形態の基本的な目的は、ビームID付与、偏光および/または搬送波周波数を識別し、ビームを装置のアンテナポートにマッピングすること、すなわち生成されるビームをパラメータ化することにある。異なるビームパターンは、異なる数のビーム、スプリットビームパターンなどを含む異なるビームを含んでもよい。実施形態は、装置の多数の再配置を回避しながらマルチビームパターンの特性評価に向けられている。信号伝達は、個々のID命令によって、場合によっては確認応答を使用して、または複数の装置に一斉送信することによって行われてもよい。好ましくは、所定のビームシーケンスおよび/または持続時間が使用され、ビームシーケンスおよび持続時間は、装置に伝達されるかまたは装置にあらかじめ記憶される。
【0113】
ビームを形成し、かつこのビームのTRPおよびEIRPを測定する必要があるデバイスおよびアンテナアレイの仕様において、TRPおよびEIRPのための無線測定(OTA測定)と比較すると、既知の方法は、被試験デバイスの周囲に分散された1つまたは複数の電力センサを使用すること、および装置を測定システムに対して相対的に移動/回転させることによって、EIRP/TRPを測定するという概念を使用している。これは、測定の球面カバレッジが達成されるように、装置を3D位置に取り付け、かつ装置を段階的または連続的に回転させることによって行われてもよい。TRPおよび/またはEIS/EIRPを獲得するために、装置によって繰り返し形成されることになる様々な/異なるビームに使用される場合、装置によって形成される可能性のある多数の、または全てのビームが測定されなくてはならない。対照的に、実施形態は、関連する信号伝達を含む終端間の測定手順を可能にするという目的に基づいている。
【0114】
1.例えばこれらのビームが、適切に分散されたビーム方向を含む十分に良好な球面カバレッジをカバーされる球面の一部に提供するように、すなわち所定ビームパターンを定義するように、サポートされるビームのセットを定義するかまたは要求する。あるいは、他の適切な測定基準、例えばTRPおよび/またはEIS、EIRPを選択/定義することができる。ビームのセットは、同じ方向に、または同じビーム形状(ビームパターン)と共に送信される異なる偏光を含んでもよい。詳細には、これは、特定のビームが定義される場合、補完的な偏光に関連付けられた候補も同様に定義されてもよいことを意味する(これは、直線偏光、円偏光などを含む)。この特徴をサポートするために、リンクアンテナおよび/またはプローブ/測定アンテナは偏光を区別することが可能であってもよく、または異なる偏光状態を測定/検出するように再構成することが可能であってもよい。
2.装置および測定システムが、特定の測定ステップの間にビームのセットのうち作動されたビームを認識するように、ビームに番号を付ける(ID付与)。
3.定義されたビームのセットが得られ、そのセットのビームは、アクティブであり、かつ特定の時間インスタンス/期間で測定されるビームIDを装置および測定処理が認識し、かつ同期するように、例えばTRPおよび/またはEIS、EIRPの測定を調整するIDによって番号付け/マーク付けされる。
4.装置を位置決め手段に取り付ける場合、以下のことが測定される全ての位置/角度について行われる。
a.位置/角度α1、β1、θ1に移動
b.ビーム切替え手順を開始
c.ビームを既知の順序で自動的に切り替えるように要求するか、または個別に選択されたビームを要求
i.各ビームについて、例えば所与の相対的な装置のセンサ/プローブ位置の間でTRP、EIRP、EISなどに必要な目標の測定を実行
ii.受信ビーム測定の場合の各ビームについて、DUTが測定結果をフィードバック(例えばRSRP、他の実施形態も参照)
d.セットの全てのビームが測定されると、位置/角度α2、β2、θ2に移動
5.各位置での全てのビームの測定は、平均化、最大値の決定またはその他の操作などのさらなる処理の対象となる可能性がある。
6.上記4.c.iiにおけるDUTと測定環境との間のフィードバックはまた、全てのビームIDおよび角度について、上記4における測定ルーチンの最後(最後に測定された角度)で行われてもよい。測定環境とDUTとの間の接続が常に利用可能であるとは限らないので、これが必要となる場合がある。
【0115】
ビームの切替えは非常に高速で、かつ通常はマイクロ秒以内に行うことができるので、システムは、次の位置に移動する前に調査中の全てのビームを1つの位置で測定することができる。
【0116】
アクティブアンテナアレイから放出された複数のビーム間でこのような調整がされかつ切り替えられた測定を開始しかつ実行するために、信号伝達および/または同期のためのインタフェース(IF)が定義されなくてはならない。IFは、装置と測定システム/測定環境との間で定義されなくてはならない。このようなインタフェースはサポートされる以下の機能を含んでもよい。
【0117】
1.次の間の時間同期
a.例えば測定に使用されるパイロットシーケンスの長さ、必要な平均化など、測定環境によって行われるビーム切替え/ビーム選択および測定手順
b.例えば測定に使用されるパイロットシーケンスの長さ、必要な平均化、Rxトリガ、Rx測定タイミングなど、測定環境によって開始され、かつ受信ビーム測定の場合にDUTによって測定される、ビーム切替え/ビーム選択および測定手順
c.例えば再配置ステップ間のガードインターバルを含むか、または各ステップの後に再送信する、ビーム切替え/ビーム選択および装置と測定環境との間の相対位置
2.装置のビーム調整範囲および測定環境の測定方法、ならびに受信ビーム測定におけるDUTなどの機能を考慮した、装置および/または測定環境によるビームセットの定義
3.ビームセットおよび/またはビームのセット内のビームの番号付けおよび/またはアドレス指定
a.装置によって定義/選択された所定のビームのセットに関する情報の交換、および/または
b.測定環境の特定の特徴形状または他の要因に従って、測定環境によって要求されたビームのセットに関する情報の交換
c.以下のような手順を使用
i.装置は、リンクアンテナに対する相対位置を含む位置A1に配置される。次いで、装置はリンクアンテナに向けて適切なビームを選択する。次いで、固定ビーム命令が送信されかつ実行され、続いて、後の手順で同じビーム設定パラメータID-A1を呼び出すために、「IDビームパラメータのnパーセント記憶」が実行される。なお、TxとRxとの間のビーム対応の場合、設定はTxおよびRxを設定するための情報を含んでもよい。その他の場合、設定は、例えばRx情報またはTx情報のみを含んでもよい。
ii.装置は位置A2に配置され、位置A1について説明した次の全てのステップが実行され、ID-A2に設定されたビームパラメータが記憶される。
iii.ビームのセット全体が上述の手順によって定義されると、その後、高速ビーム切替え手順が測定を成立させている間にアドレス指定を呼び出すかまたはバッチを呼び出すために、ビームセットまたは例えばビームの数などを記述するパラメータが装置と測定環境との間で交換される。
4.ビームの固定、ビーム放出、電力固定、Tx-Rxフラグなどの信号を含む、測定手順の段階的な動作を開始し、実行し、および確認するための個別もしくは連続的(自動)ステップをサポートするための信号伝達
【0118】
現在、アクティブアンテナアレイおよび関連するOTA適合性ならびに性能試験を使用したビーム形成は非常に新しく、例えば3GPP(登録商標) WG RAN4などで議論されている。
【0119】
TRP、EIS(実効等方感度)およびEIRPのような主要業績評価指標(KPI)を測定する手順は、測定の不確実性に関して同等または異なる方法が必要となるように定義されているが、様々な方法を適用することが可能である。これらの潜在的な測定は、シングルプローブ/センサ測定環境およびマルチプローブ/センサ測定環境、および、装置、センサまたはその両方を移動させることによって測定される球面の走査を含む。
【0120】
様々な測定では、アンテナアレイを用いて形成される可能性のあるビームの各々または少なくとも一部について特定のKPIが測定されなくてはならないので、必要とされる全体的な測定時間が数時間から数日になる可能性がある。実施形態はこの測定時間を大幅に短縮し、かつ以下の態様で利点を提供する。
【0121】
1.ビームのセット全体は、装置および周囲の測定システム/環境の任意の相対位置についてOTAで測定することができる。
2.ビームの切替えはマイクロ秒オーダーで非常に高速に行うことができる一方で、装置と測定システムとの相対位置の変更は関連する構造のために秒オーダーである。
3.ビーム切替えの順序がないことにより、装置と測定システムとの間の信号伝達を最小限に抑えながらバッチ処理および切替え処理が可能になる。
4.ビーム切替え処理の同期、特定のKPIの測定処理、および装置とMSとの間の相対角度の変更により、装置とMSとの間の信号伝達を最小限に抑えながら長期間にわたる完全に自動化された測定が可能になる。
5.ビームのセットおよび番号付けに関する知識により、ビームを明確にアクティブ化されるように選択することを要求することが可能になる一方で、他のビームは、測定全体の特定の段階/期間中にアクティブ化されない。これにより、測定時間がさらに短縮され、例えば角度またはビームの方向に依存する測定の改善が可能になる。
6.選択的測定グリッド(MSに対する装置の相対位置)およびビームセットまたはビームのセットからのビームの差別的選択の組合せにより、測定処理をさらに削減することが可能になる。
7.装置とMSとの間に信号伝達がないかまたはわずかである同期済およびバッチ処理済の測定手順の場合、RRC(無線リソース制御)接続状態の装置とMSとの間のリンクを介するか、または試験インタフェース制御リンクが中断されても、測定処理を行うことができる。これにより、より安定した測定手順が可能になる場合があり、この手順は、測定処理中の障害または特定の不適切な測定形状に対して安定している。さらに、一時的な信号伝達の減少のために受信なしで継続することができる任意の測定は、測定時間の短縮に大きく貢献する。
8.全ての位置に位置決め手段を使用する代わりに、対象の角度範囲の一部または全体にわたる特定のリンクプローブ分散を使用し、これらのプローブはいずれも切り替えられて正常に機能することができ、または、例えばCSI-RSなどの基地局の基準シンボルは、リンクアンテナを並列に励起するために使用される。これは、位置決め手段および複数のリンクプローブアンテナが使用されて対象の角度範囲全体をカバーする混合モードにおいて適用することができる。
【0122】
上述の実施形態は、とりわけ、無線(OTA)測定環境において装置またはDUTを評価するための短時間の測定を可能にする。OTA測定およびそれに関連付けられた測定グリッドの定義は、試験時間を短縮し、測定点の数を低減する必要性を満たし、粗い測定グリッドおよび細かい測定グリッドの組合せを可能にし、測定グリッドおよびTRP統計に与えるその影響のさらなる研究を詳しく説明し、Rx走査の知識をTx走査の最適化に適用し、かつRx走査を最適化することを目的としている。
【0123】
2つの一般的な観察をこの主題内で行うことができる。
観察1:対処すべき問題-測定の不確実性の低減
観察2:対処すべき問題-測定時間の短縮
【0124】
測定中に呼び出される訓練ビームの概念に関しては、以下に示すように、各ビームが形成された後に装置を機械的に再配置する測定と比較すると、測定時間が大幅に節約されてもよい。
【0125】
測定を行うステップは、機械的配置Tpos、リンク確立Test-link、ビーム固定Tlockおよび測定時間Tmeasなど、ステップの期間を識別する注釈が追加されたアルゴリズム的擬似コードの形式で書き換えられてもよい。2つの追加的変数が導入され、Mはリンク角度(ビーム)の数を表し、Nは測定角度(測定グリッド点)の数を表す。
【0126】
図11aは、既知の測定手順の擬似コードを提示する例示的な表を示しており、以降は機械的再配置方法または「ケースA」と呼ぶ。図11aは、ループ内のループまたはいわゆるネストされたループを示している。
【0127】
図11bは、実施形態による方法の、すなわち図11aに示す方法の代替方法の擬似コードを提示する例示的な表を示している。前述したように、機械的配置Tpos、リンク確立Test-link、ビーム固定Tlock、測定時間Tmeas、記憶位置およびビーム状態情報Tstore、および呼出し位置およびビーム状態情報Trecallなど、ステップの期間を識別するために注釈が追加される。すなわち、図11bは代替的測定手順のための擬似コードを提示しており、これは、以降は電子ビームインデクシング方法または「ケースB」を用いた機械的再配置と呼ぶ。
【0128】
図11aと比較すると、図11bによる方法は1つのループとそれに続く別のループを含む一方で、図11aによる方法はいわゆるネストされたループを含む。
【0129】
実際には、3D走査は仮想球の表面上で行われてもよいが、便宜上、2次元の簡略化された画像を使用して上述の測定方法を視覚化することができる。図12aは、図11aによる機械的再配置測定の既知の方法、すなわちケースAの概略2D図を示している。図12bは、電子ビームインデクシング測定を用いた機械的再配置のためのケースBの概略2D図を示している。
【0130】
図12a(機械的再配置測定方法)では、図12b(電子ビームインデクシング測定方法を用いた機械的再配置)に示されているよりも、測定手順を完了するために必要な機械的位置が明らかに多く存在する。なお、実際の測定システムでは、被試験デバイス(DUT)の機械的回転は、所望の方位に到達する前に加速、減速および設定に時間がかかる。それぞれ図11a、図11bに示されている表では、これら3つの機械的に関連する位置決めの遅延の全てが合計され、パラメータTposで示されている。これまでに、測定時間の改善は主に測定点の数の低減に重点を置いてきた。一定のステップサイズの測定グリッドについては空間サンプリング点間の角度間隔によって決定される一方で、一定の密度のグリッドについてはグリッド点の数が決定要因となる。測定点の数の減少は、通常は測定の不確実性の増加に関連する。
【0131】
現在の測定手順および代替の測定手順の両方に機械的配置が必要であるが、図12aおよび図12bの図的記述は、測定角度の数を低減することなく(したがって測定の不確実性に影響を与えることなく)機械的位置の総数をN×MではなくN+Mに減少させることができることを示している。試験時間の節約の可能性を定量化するために、2つの測定手順の代数解析が行われてもよい。
【0132】
観察3:測定角度の数を低減することなく機械的位置の総数を低減することができる(したがって、測定の不確実性に影響を与えない)。
【0133】
<代数解析>
ケースAの図11aおよびケースBの図11bにおいてリスト化された期間パラメータを参照すると、M個のリンク角度およびN個の測定角度で構成される測定を行うのに必要な合計時間がそれぞれ式(1)および式(2)に表される。
ケースA:機械的再配置測定方法
(M,N)=M[Tpos+Test-link+Tlock+Tmeas+N(Tpos+Tmeas)]
=M(Tpos+Test-link+Tlock+Tmeas)+NM(Tpos+Tmeas) (1)
ケースB:電子ビームインデクシング測定方法による機械的再配置
(M,N)=M[Tpos+Test-link+Tlock+Tstore]+N[Tpos+M(Trecall+Tmeas)]
=M[Tpos+Test-link+Tlock+Tstore]+NTpos+NM(Trecall+Tmeas) (2)
【0134】
<測定時間の短縮>
時間節約係数はケースAの期間のケースBの期間に対する比率であり、換言すれば、式(1)と式(2)の商である。

(3)
【0135】
式(3)は、Tposで表される機械的に関連する位置決めの遅延が式(4)に示されている他の全ての要因よりも優位にあると仮定することで簡略化することができる。
仮定:Tpos≫{Test-link,Tmeas,store,Trecall,Tmeas} (4)
【0136】
したがって、以下の通りとなる。



【0137】
<特別条件>
式を式(5)に示す形式に簡略化した後、3つの特別条件が考慮される。
【0138】
第1の使用例では、リンク角度の数Mは測定角度の数Nよりもはるかに大きい。このシナリオはやや非現実的であるが、式(6)は新しい方法で測定時間が約(1+N)分の1に短縮されることを示している。

1.
(6)
【0139】
観察4:リンク角度の数Mが測定角度の数Nよりもはるかに大きい場合、新しい方法であるケースBでは測定時間が約(1+N)分の1に短縮される。
【0140】
第2の使用例では、測定角度の数Nはリンク角度の数Mよりもはるかに大きく、したがって典型的で現実的なシナリオを表している。ここで、新しい方法がもたらす測定時間の短縮は古い方法の約M倍である。

2.
(7)
【0141】
観察5:測定角度の数Nがリンク角度の数Mよりもはるかに大きい場合、新しい方法では測定時間が約M分の1に短縮される。
【0142】
第3の使用例では、測定角度の数Nはリンク角度の数Mにほぼ等しい。このシナリオでは、新しい方法により、古い方法の(1+M)/2分の1に等しい測定時間の潜在的な短縮が保証される。

3.
(8)
【0143】
観察6:測定角度の数Nがリンク角度の数Mとほぼ等しい場合、新しい方法では測定時間が約(1+M)/2分の1に短縮される。
【0144】
3つの条件の全てが測定時間の短縮を示している。特に、測定角度の数Nがリンク角度の数Mよりもはるかに大きい場合、新しい方法は古い方法の約M倍の潜在的な改善をもたらす。
【0145】
観察7:新しい方法は、測定角度およびリンク角度の数に関係なく測定時間の短縮をもたらす。
【0146】
換言すれば、実施形態による測定スキームは、例えばTRP(全放射電力)、EIRP(等価等方放射電力)、TRS(全放射感度)、EIS(実効等方感度)、および複合ビーム放射パターンの測定を含む、測定時間の大幅な短縮を目標としている。
【0147】
測定をさらに強化するために、実施形態は測定の不確実性を低減することに関する。例えばこのような不確実性は、測定環境において粗いグリッドを形成するセンサ素子の数が少ないことが原因である可能性がある。実施形態は、ある種のディザリングまたはジッタリングを測定に組み込むことに関する。すなわち、装置によって生成された通信ビームパターンのディザリングまたはジッタリングは、例えば装置に対するビームパターンの動き、および特にセンサ素子および/または1つ以上のリンクアンテナに対する装置と測定環境との間の相対的な動きのうちの1つ以上を実施することによって測定中に生成される。通信ビームパターンの動きは装置をそれぞれ制御することによって取得してもよい。あるいは、リンクアンテナに対する装置の相対的な位置/方位は、装置にビームの方向を適合させるように、両方の少なくとも一方を移動/回転させることによって変更されてもよい。細かいステップを用いて場合によってはアナログ化または量子化された制御を行う場合、ジッタリングは直接制御されてもよい。より粗い量子化ステップを有する場合、ジッタリングは、例えば場合によっては相対的な動きに関連して、リンクアンテナに対して変化した相対位置に基づいて、装置をあるビームパターンから別のビームパターンに切り替える切替え点を調整する場合に実施されてもよい。すなわち、ジッタリングは、ステップ320、ステップ420の間、および/または測定中に、例えばステップ620の間に適用されてもよい。
【0148】
ジッタリングは、(停止を含む)意図的な動きおよびビームパターンのさらなる動き(ジッタリングまたはディザリング)の重ね合わせとして理解されてもよく、すなわち理想的な掃引または位置が改ざんされる可能性がある。重ね合わされたジッタリング、すなわちジッタリングは、一定もしくは変化する空間振幅を伴って前後に単一方向に沿った動きを含んでもよいが、これに限定されない。動きは任意の数の方向に沿ってもよく、例えばジグザグの動き、楕円の動き、円形の動き、らせん状もしくは渦巻き状の動き、十字形の動き、または三角形などの多角形に沿った動きなどの動きが実施されてもよい。
【0149】
ジッタリングの動きは決定的な動きであってもよく、例えばそれに応じて動くように掃引を決定的に制御するか、または非決定的もしくは無作為であってもよい。例えば無作為な動きに関連して、動きの下限および上限が設定されてもよく、例えばビームパターンの位置は最大で±5°、±3°または±1°変化し、および/またはビームパターンの振幅は最大で±10%、±5%または±1%変化し、得られた動きは、位置および/または振幅の統計的特性が既知となるように境界内で不揃いであってもよい。
【0150】
説明したように、ジッタリングまたはディザリングもまた訓練中に適用されてもよい。それぞれの方法は、
測定環境(12)において装置(14)を位置決めするか、またはビームパターンおよび/または受信ビームパターンと送信ビームパターンとの間のビーム対応を測定するように適合された測定環境の1つまたは複数のプローブアンテナの相対位置を変更するステップと、
装置に、通信ビームパターンをジッタリングビームパターンとして形成させるステップと、
測定結果を得るように通信ビームパターンを測定するステップと、
測定結果に応じて、その後の試験のために通信ビームパターンを所定ビームパターンとして記憶するステップと
を含む。
【0151】
ビーム関連情報は、ビームパターンにジッタリングが行われたかまたはジッタリングが行われる予定であるかを示してもよい。
【0152】
装置にジッタリングビームパターンを形成させることは、ジッタリングビームパターンを生成するようにアンテナ構造もしくはアンテナアレイを励起するために使用される信号にジッタが適用されるように、このような実装に適した装置を制御することを含んでもよい。信号は励起信号、制御信号などであってもよい。代替的または追加的に、ジッタリングは、装置がリンクアンテナの追跡に応答してジッタリングを実施するように、相対位置の変更によって実施されてもよい。
【0153】
すなわちジッタリングを制御することは、この方法が確率変数を使用して選択される場合であっても、既知の方法でビームパターンがジッタリングを示すような命令を装置に与えることによって、透過的、決定的または直接的であってもよい。代替的または追加的に、ジッタリングは、未知の効果につながる無計画な測定または間接的な測定によって少なくとも部分的に得られてもよい。このような無計画な測定の一例は、ビーム形成に使用される複数のパラメータのうちのパラメータ、例えば複数の振幅値および位相値を組み合わせたビーム形成ネットワークに適用される振幅値および/または位相値を変化させることである。値のうちの1つ、サブセットまたは全ては、ビームパターンにおける目に見えない効果または未知の効果を得るために決定的または無作為に変化してもよい。
【0154】
ジッタリングは、ビームパターンの主構造が本質的に変更されない状態を維持してもよいように行われてもよく、例えばビームパターンの識別が可能な状態を維持するように、主ローブの位置、サイドローブのヌル、それらのサイズおよび/またはそれらの数もしくは相対位置のうちの1つ以上が変更されない状態を維持してもよく、または特定の境界内で変更された状態を維持してもよい。
【0155】
図13は、一実施形態による、空間ディザリングまたはジッタリングが施される例示的なビームパターン18aの概略上面図を示している。ビームパターン18aは、ディザリングされていない/ジッタリングされていないビームパターン18aと比較した場合にわずかに異なるディザリングされたビームパターン18b、18c、18dおよび18eのように順次動作するように、異なる方向、ローブのサイズなどを有するように変化してもよい。例えばパラメータ変動は最大で50%または最大で40%または最大で30%であり、例えば異なるビーム18fをアクティブ化するために必要なパラメータ変動の最大で10%である。例えばディザリングによって引き起こされる方向のオフセットOはこれらの境界内に存在してもよく、すなわち異なるビームを取得するための方向オフセットOはOと比較した場合に大きくなる可能性がある。ビームをディザリングすることにより、場合によってはセンサ素子/プローブまたはリンクアンテナに対してオフセットされるビームパターンの最大値が空間中で変化し、それによって、ビームパターンの特性を高精度で評価し得るように、最大値がそれぞれセンサ素子およびリンクアンテナに達するかまたはこれらを解明する確率が高くなる。
【0156】
例えば、送信ビームパターンの測定中に角度変化またはステラジアンを効果的に表すジッタリング係数を実装することによって、ビームパターンの変動部分が測定環境のセンサに達するかまたはこれを解明してもよく、したがってビームの電力などの最大レベルを測定する確率、すなわちその最大値を特定する確率を高めてもよい。代替的または追加的に、装置のビームパターンを量子化することによって得られる測定の不確実性は少なくとも部分的に補償されてもよい。例えば、図2に関連して記載したように、測定用のビームパターンのサブセットのみを選択する場合、装置の周囲の球面にギャップまたはカバーされていない空間が存在する可能性がある。これらのギャップは少なくとも部分的に低減されてもよい。通信ビームパターンの動きの方向は、所定パターンに従って選択されてもよいが、無作為に選択されてもよい。
【0157】
つまり、ビーム掃引またはビーム切替え/選択を行う場合、まばらなサブサンプリングを回避するようにポインティングの既知のぶれを作り出して、特定のグリッド内の固定数のセンサを用いて測定分解能を向上させ、および/またはより多くのサンプルによって測定のノイズ低減を効果的に得るために、線形、円形(渦巻き状)、ジグザグ、交互など特定の振幅の空間ディザリング/ジッタリングの使用が説明される。
【0158】
実施形態はビーム掃引に関し、すなわち通信ビームパターンおよび/または較正ビームパターンの連続した/アナログ化された、または不連続の/デジタル化された、または量子化された動きを有することに関する。例えば合理的な実装の1つとして、測定環境の位置決め手段が制御されて、ビームが切替え/掃引されている間も常に移動することにより、位置決め手段の動きの決定的な性質のために測定環境が正確な測定(空間走査)を行うことが可能になる。これは、既知のビーム掃引(各ビームIDがアクティブであった場合)および位置決め手段の既知の動きの重ね合わせである。
【0159】
図14aに示すように、掃引は1つ以上のウェイポイントを選択するかまたは決定することによって取得されてもよい。装置は、「A」と記された第1のウェイポイント58に向けて第1のビームを形成することによってビーム掃引を開始し、ウェイポイント58から開始して「B」と記された第2のウェイポイント58に向けてそのビームを向けてもよい。ウェイポイント58および58は距離62だけ離間していてもよいので、例えば装置14または20などの装置は、1つ以上の中間位置/方向64~64で通信ビームパターンを形成してもよく、このような中間位置64の数は任意であり、および/または装置の能力に依存する。このようなビームが形成される領域は、中間位置64~64に示されるように隣接領域と重なり合ってもよいが、中間位置64および64に示されるように互いに離間していてもよい。例えばウェイポイント58と58との間の非線形補間は、非等距離ビームの形成を可能にしてもよく、対照的に、線形補間は等距離ビームをもたらしてもよい。このようなビーム掃引は、例えば試験手順などを定義する場合に装置に対して訓練されてもよく、および/またはウェイポイントについての知識を得ることによって装置によって実施されてもよい。
【0160】
2つのウェイポイントのみが示されているが、任意の数のウェイポイントを実施してもよい。ウェイポイントの数は多角形などの開経路または閉経路を形成してもよい。
【0161】
装置によって行われる異なる掃引は、その後の反復および/または装置の位置/方位において異なって実施されてもよい。差異は、例えばA→BまたはB→Aなど、例えばウェイポイントがアドレス指定されるシーケンスに関して、および/または第1のウェイポイントから第2のウェイポイントへのビームパターンと共に移動するための速度に関して、および/または完全な掃引内で実装されてもよい。例えば訓練シーケンス中に所定ビームパターンを定義する場合、装置は、掃引を行うことによって、および装置によって報告された結果(Rxビーム)またはセンサ16で測定された結果(Txビーム)を評価することによって検査されてもよい。例えば装置によって形成される中間ビームパターンを観察して、装置のビーム形成能力を決定してもよい。これにより、装置に向けて指定された試験手順を定義することが可能になり、例えば装置が少量のビーム、例えば16ビームしか形成することができない場合に、測定中に100ビームが要求されるのを防止することができる。これにより、測定時間を必要なレベルまで短縮することを可能にしてもよい。代替的または追加的に、装置の追跡能力は、例えば、装置およびリンクアンテナの一方または両方を移動/回転させることによって、および/または異なるかまたはさらなるリンクアンテナに切り替えることによって、装置とリンクアンテナとの間の相対位置を変更する場合に評価されてもよい。これにより、装置は掃引に応じて変化するビームを形成する可能性がある。
【0162】
図14bは、軌道66ii,jによって相互接続された例示的な4つのウェイポイント58~58を有する構成の概略ブロック図を示しており、ここで、iは複数の掃引のうちの掃引の数を表しており、jは掃引i内の軌道の数を表している。例えば第1の掃引は、ウェイポイント58、58、58および58の間を移動してパターンABCADを形成するように軌道661,1、661,2、661,3、661,4および661,5を含んでもよい。第2の経路に沿った第2の掃引は、第1の掃引のいくつかまたは全て、および任意には追加のウェイポイントを含んでもよい。軌道662,1、662,2、662,3および662,4に沿って、ウェイポイント58、58、58、および58および58は、このような掃引によってパターンACDBAに従って到達されるかまたは解明されてもよい。両方の掃引が共になって広範囲をカバーして詳細な測定結果を得てもよい。
【0163】
有利な実施形態はビーム掃引およびビームジッタリングの組合せに関する。例えば訓練中に所定ビームパターンのサブセットが選択され、選択されたサブセットはビーム掃引を定義するために使用されてもよい。ビーム掃引は、ウェイポイントに関連付けられたかまたはウェイポイントに向けられた2つの相対角度間に線形もしくは非線形の補間を含んでもよい。掃引は、例えばウェイポイントを使用して軌道を定義すること、およびそれらの間の最短経路を定義することをさらに含んでもよい。経路間の接続のシーケンスは、試験手順全体においてウェイポイント間に形成された多数のビームを取得するように周期的または無作為に変更されてもよい。個別のビームを使用する場合、軌道を辿っている間に、形成される可能性のある多数もしくは最大数の可能なビームが生成される可能性がある。これにより、高い再現性が可能になる。ビームの選択は、1つ以上のさらなるステップまたは反復で適合されるかまたは変更されてもよい。ウェイポイントから別のウェイポイントへの途中および/またはウェイポイントにおいて、それぞれのビームパターンはジッタリング/ディザリングを施されてもよく、ビームパターンによってカバーされる大量の空間を可能にする。
【0164】
すなわち実施形態による方法は、訓練および/または試験の間にビーム掃引の経路が決定されて複数のウェイポイントを空間中に含むように、それに応じて適合された測定環境および/または装置が制御されるように実施されてもよい。さらに、ウェイポイントのシーケンスが決定され、シーケンスはビームパターンの移動経路に沿ってポイントを形成する。少なくとも1つの軌道が、少なくとも2つのウェイポイント間で、特に後続のウェイポイントの各対の間で、および任意には最後のウェイポイントと最初のウェイポイントとの間で決定される。各ウェイポイントは、経路内で1回以上頻繁に発生する可能性がある。軌道は複数のウェイポイントを相互接続してもよい。装置は、ビームパターンがビーム掃引の経路に従って移動するようにビーム掃引を形成するように制御されてもよい。
【0165】
軌道は2つのウェイポイント間の最短経路を表してもよい。ビーム掃引は第1の経路を有する第1のビーム掃引であってもよい。同一もしくは変化した相対位置では、対応する方法が第2の経路を有する第2のビーム掃引を決定するステップを含み、第2の経路が第1の経路と同じウェイポイントを少なくとも部分的に含み、第1の経路と比較した場合に変更されるウェイポイントのシーケンスを有するように、第2のビーム掃引および/またはより多数のビーム掃引が行われてもよい。
【0166】
いくつかの態様が装置の文脈で説明されたが、これらの態様が対応する方法の説明も表していることは明らかであり、ブロックまたはデバイスは方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応している。同様に、方法ステップの文脈で説明された態様もまた、対応する装置の対応するブロックまたはアイテムまたは特徴の説明を表している。
【0167】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態はハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。実装は、デジタル記憶媒体、例えば、電子的に読み取り可能な制御信号が記憶され、それぞれの方法が行われるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または協働可能)フロッピーディスク、DVD、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリを使用して実行することができる。
【0168】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法の1つが行われるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働可能な電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0169】
一般に本発明の実施形態は、プログラムコードを含むコンピュータプログラム製品として部分的に実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行される場合に方法の1つを行うために動作可能である。プログラムコードは、例えば機械可読キャリアに記憶されてもよい。
【0170】
他の実施形態は、機械可読キャリアに記憶された、本明細書に記載の方法のうちの1つを行うためのコンピュータプログラムを含む。
【0171】
換言すれば、したがって本発明の方法の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される場合に、本明細書に記載の方法の1つを行うためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0172】
したがって本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを行うためのコンピュータプログラムを記録したデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。
【0173】
したがって本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを行うためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えばインターネットなどのデータ通信接続を介して転送されるように構成されてもよい。
【0174】
さらなる実施形態は、例えばコンピュータまたはプログラム可能な論理デバイスなどの、本明細書に記載の方法の1つを行うように構成されたかまたは適合された処理手段を含む。
【0175】
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを行うためのコンピュータプログラムがインストールされているコンピュータを含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、プログラム可能な論理デバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載の方法の機能の一部または全てを行ってもよい。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法の1つを行うためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般に方法は、好ましくは任意のハードウェア装置によって行われる。
【0177】
上述の実施形態は本発明の原理を単に例示するものである。本明細書に記載の構成および詳細の修正および変形は当業者には明らかであろうことが理解される。したがって、本明細書の実施形態の記載および説明として提示される特定の詳細によってではなく、以下の特許請求項の範囲によってのみ限定されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14a
図14b