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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162312
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】腹部器具および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
A61B17/00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023136085
(22)【出願日】2023-08-24
(62)【分割の表示】P 2020508594の分割
【原出願日】2018-08-14
(31)【優先権主張番号】1750996-9
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(71)【出願人】
【識別番号】517409413
【氏名又は名称】インプランティカ・パテント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】フォーセル,ピーター
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者の逆流疾患を治療するための外科的処置で使用するための運動制限装置を配置するための外科用器具を提供する。
【解決手段】外科用器具(100)は、スリーブ(113)と、運動制限装置と係合するように構成された保持装置(111)とを備え、保持装置は、スリーブ内に配置され、スリーブに対して変位可能に構成される。器具は、スリーブに接続された第1のハンドリング部(101)と、保持装置に接続された第2のハンドリング部(102)とをさらに含む。第1および第2のハンドリング部の少なくとも一方のハンドリングは、スリーブに対する保持装置の相対変位を生じ、これにより、保持装置が運動制限装置から外れて、運動制限装置の配置が実行される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の逆流疾患を治療するための外科的処置で使用するための、噴門括約筋(14)の
動きを制限するように適合された動き制限装置(10)の腹部配置のための外科用器具(
100)であり、
前記外科用器具は、
-スリーブ(113)、
-前記スリーブ内に配置され、前記スリーブに対して変位可能に構成され、運動制限装
置と係合するように構成された保持装置(111)、
-前記スリーブに接続された第1のハンドリング部(101)、
-前記保持装置に接続された第2のハンドリング部(102)、
とを備え、
第1および第2の前記ハンドリング部の少なくとも一方のハンドリングは、前記スリー
ブに対する前記保持装置の相対変位を生じ、これにより、保持装置を運動制限装置から外
して運動制限装置の配置を実行する、外科用器具(100)。
【請求項2】
前記外科用器具は、
使用時に患者の身体に入るように構成された遠位部分(DP)と、使用時に患者の身体の
外側に残るように構成された近位部分(PP)とを備え、
保持装置は遠位部分に配置され、第1および第2の取り扱い部分は近位部分内に配置さ
れる、 請求項1に記載の外科用器具
【請求項3】
前記保持装置は、前記第2のハンドリング部に接続された細長い部材(1)上に配置さ
れている、請求項1または2のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項4】
前記保持装置は、前記運動制限デバイスの凹部と係合するように構成された突出部材を
備える、請求項1~3のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項5】
前記第1のハンドリング部は、前記器具の主長軸(LA)に沿って、前記第2のハンド
リング部に対して直線的に変位可能である、請求項1~4のいずれかに記載の外科用器具
【請求項6】
前記第1のハンドリング部は、前記器具の主長さ軸の周りで前記第2のハンドリング部
に対して回転変位可能である、請求項1~5のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項7】
前記第1のハンドリング部は、ねじ部(101T)と、第2のハンドリング部およびス
リーブの少なくとも一方が対応するねじ部分(113T)を備え、第2のハンドリング部に
対する第1のハンドリング部の回転変位は、器具の主長軸に沿って第2のハンドリング部
に対する第1のハンドリング部の線形変位を生じさせる、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記遠位部分は、前記外科用器具の前記一次長軸に対して曲げられている、請求項1~
7のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項9】
前記遠位部分は、前記外科用器具の前記一次長軸に対して20°よりも大きく曲げられ
ている、請求項8に記載の外科用器具
【請求項10】
前記スリーブの遠位部分は剛性であり、前記細長い部材の遠位部分が可撓性である、請
求項1~9のいずれか1項に記載の外科用器具
【請求項11】
前記スリーブの遠位部分が可撓性であり、前記細長い部材の遠位部分が剛性である、請
求項1~9のいずれか1項に記載の外科用器具
【請求項12】
前記遠位部は、前記遠位部が前記器具の前記一次長軸に対して屈曲可能であるように可
撓性である、請求項1~7のいずれか1項に記載の外科用器具
【請求項13】
前記遠位部分は、前記外科処置中に外科医が前記遠位部分を曲げることができるように
、動作可能に可撓性である、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記細長い部材は、外科手術中に外科医が前記遠位部分を曲げることができるように、
動作可能に可撓性である、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記近位部分が、前記外科処置中に前記作動的に柔軟な前記遠位部分を操作するための
第3のハンドリング部(103)をさらに含む、請求項12~14のいずれかに記載の外
科用器具。
【請求項16】
前記第3のハンドリング部は、前記外科処置中に前記操作可能な可撓性遠位部分を操作
するために、前記器具の主長軸に沿って前記第2のハンドリング部に対して直線的に変位
可能である、請求項15に記載の外科用器具。
【請求項17】
前記第3のハンドリング部は、前記外科処置中に前記操作可能な柔軟な遠位部分を操作
するために、前記器具の主長軸周りに前記第2のハンドリング部に対して回転変位可能で
ある、請求項15に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記第3のハンドリング部がねじ部分(103T)を含み、前記第3のハンドリング部が
対応するねじ部分(102T)を含み、前記第2の取り扱い部分に対する前記第3のハンド
リング部の回転変位が、前記器具の前記第1の長さ軸に沿った前記第2のハンドリング部
に対する前記第3の取り扱い部分の直線変位を生成する、外科用器具 外科手術中に動作
可能に可撓性の遠位部分を操作するための手段を含む、請求項17に記載の外科用器具。
【請求項19】
前記外科用器具の少なくとも一部は、トロカールを通して患者の腹部に挿入されるよう
に構成されている、請求項1~18のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項20】
前記スリーブは、剛性部分と、屈曲するように構成された可撓性部分(112)とを含
み、前記スリーブは、屈曲が開始可能な前記手術器具上の点を移動させることができるよ
うに、前記保持装置に対して変位可能である、請求項1~19のいずれかに記載の外科用
器具。
【請求項21】
前記第1のハンドリング部(101)は、前記第2のハンドリング部(102)の少な
くとも一部を収容するように適合された少なくとも1つの溝または凹部を含む、請求項1
~20のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項22】
前記少なくとも1つの溝または凹部は、前記第2のハンドリング部(102)と前記第
1のハンドリング部(102)との相対変位を許容するように適合されている、請求項2
1に記載の外科用器具。
【請求項23】
前記保持装置は、前記第2のハンドリング部(102)に接続された前記細長い部材(
102)と一体化されている、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項24】
前記第2のハンドリング部(102)は、前記細長い部材(114)と一体化されてい
る、請求項22に記載の外科用器具。
【請求項25】
前記第2のハンドリング部は、前記運動制限装置(110)より遠位の前記細長い部材
(114)の端部から形成される、請求項23~24のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項26】
前記保持装置は、前記運動制限装置(110)に近接した前記細長い部材(114)の
端部から形成されている、請求項23~25のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項27】
前記第2のハンドリング部(102)の少なくとも一部は、湾曲した形状を有する、請
求項1~26のいずれかに記載の外科用器具。
【請求項28】
スリーブ、
前記スリーブ内に配置され、前記スリーブに対して変位可能に構成され、運動制限装置
と係合するように構成された保持装置、
前記スリーブに接続された第1のハンドリング部、
前記保持装置に接続された第2のハンドリング部、
を含む外科用器具を使用して前記運動制限装置を埋め込むことにより、患者の逆流疾患
の治療のための外科的方法であり、
前記外科的方法は、
患者の腹部を少なくとも1回切開する、
胃底を含む領域で解剖する、
患者の腹部に前記運動制限装置を保持している前記外科用器具を少なくとも部分的に挿
入する、
胃の外側に、胃底に接触する前記運動制限装置を配置する、
前記運動制限装置を眼底壁に固定する、
前記保持装置に対して前記スリーブを移動させることにより、前記運動制限装置を解除
する、
ことを含む、外科的方法。
【請求項29】
前記運動制限装置を固定するステップは、胃を用いて胃の眼底壁内の前記運動制限装置
を胃の縫合またはステープラに陥入させることを含むことを特徴とする、請求項28に記
載の外科的方法。
【請求項30】
前記外科的方法は、ステープラの縫合糸を用いて胃を食道に固定するステップをさらに
含む、請求項28に記載の外科的方法。
【請求項31】
前記外科的方法は、前記外科用器具の遠位部分が曲げられ、前記外科処置が、前記運動
制限デバイスを位置決めするために前記屈曲部で前記器具を回転させるステップを含む、
請求項28~30のいずれかに記載の外科的方法。
【請求項32】
前記外科用器具の遠位部分は動作可能に可撓性であり、前記外科手術は、動作制限デバ
イスを位置決めするために前記動作可能可撓性の遠位部分を動作させるステップを含む、
請求項21に記載の外科手術方法。
請求項28~30のいずれかに記載の外科的方法。
【請求項33】
前記保持装置は突出部材を備え、前記運動制限装置は前記突出部材と係合するように構
成された凹部を備え、前記保持装置に対して前記スリーブを変位させることにより運動制
限装置を解放するステップは、前記突出部材を前記凹部から解放することを含む、請求項
28~32のいずれかに記載の外科的方法。
【請求項34】
前記外科的方法は、以下のステップ、
-腹壁を通してチューブを導入し、
-腹腔に液体または気体を充填し、
-2つ以上のトロカールを腹腔に導入し、
-前記トロカールの1つを介して腹腔内にカメラを導入し、
-腹腔鏡下切開器具を使用して腹部を切開し、
-トロカールを通して腹腔内に手術器具を導入し、
-腹腔鏡下縫合またはステープル留め器具を使用した縫合またはステープル留め、およ
び、
-トロカールを介して腹腔内に手術器具を取り外す、
のうち、少なくとも1つをさらに含む腹腔鏡外科的方法である、
請求項28~33のいずれかに記載の外科的方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ヒト患者の胃食道逆流症(GERD)および/または肥満を治療す
るための器具に関する。
【0002】
胃食道逆流症(GERD)、または酸逆流症は、食道で酸逆流が繰り返し発生すること
により生じる食道の粘膜損傷を引き起こす慢性疾患である。これは通常、食道と胃の間の
障壁の一時的または永続的な変化によるものである。これは、下部食道括約筋(LES)
の機能不全、一過性のLED弛緩、食道からの胃逆流の排出障害、または食道裂孔ヘルニ
アが原因である可能性がある。
【0003】
胃食道逆流症は多くの方法で治療することができ、外科的治療は長期の薬物療法よりも
好ましい場合がある。標準的な外科的治療はニッセン胃底形成術であり、括約筋を強化し
、酸逆流を防ぎ、裂孔ヘルニアを修復するために、胃の上部をLESの周りに巻き付ける
。この手順は、しばしば腹腔鏡下で行われ、経口で行うのは困難である。
【0004】
別の外科的治療は、基底組織の逆流防止弁を作成することである。内視鏡を使用してZ
線を視覚化し、組織を引き付けて適切な弁を作成してから固定することにより、この治療
を経口で行うことができる。このような治療は難しく、熟練した内視鏡医が必要である。
各手順には多数のステップが含まれ、通常は組織を2回以上操作し、複数の個別のファス
ナーを適用して逆流防止バルブを作成する。一部の患者は、治療するための追加のステッ
プである裂孔ヘルニアにも苦しんでいる。これにより、内視鏡医の時間消費が増加し、ス
テップを追加するたびに、元に戻すのが難しい可能性があるミスのリスクが増加する。
【0005】
医療機器の移植の経験から、移植された機器と人間の組織との間の縫合糸は長期的には
保持されないことが知られている。デバイスの長期移植の場合、デバイスを所定の位置に
保持する2つの可能性がある。最初の解決策は、人間の組織を人間の組織に縫合し、それ
によってデバイスを所定の位置に保持することでした。第二のアプローチは、短期的にデ
バイスを適所に保持する縫合糸を提供し、長期にわたってデバイスを適所に保持するため
に、ヒト組織がデバイス内に成長することを可能にすることであった。
【0006】
食道に関連する移植可能な装置を提供することに関する問題は、食道の外表面が食道筋
肉組織のみで構成されていることであり、これは損傷または移動が非常に容易である。こ
れは、おそらく、上記のAnglechikプロテーゼが移行などの多くの合併症をもた
らした理由の1つである。
【0007】
一方、胃は、その外側に漿膜を有し、それにより、縫合のためのはるかに強い膜を提供
する。したがって、デバイスを胃壁に直接縫合すると、移植したデバイスを食道に縫合す
るよりも良い結果が得られる。
【0008】
今日、以前の治療よりも効果的で、重篤な合併症を引き起こさないGERDの長期治療
が必要とされている。
【0009】
上部消化管の外科的治療は、今日、最小限または非侵襲的な方法で行うのが一般的に複
雑である。治療の侵襲性のレベルは、手術器具の配置とその取り扱いに依存する。したが
って、胃腔内の外科的治療のための従来の器具よりも効果的な方法で外科手術を行うため
の器具の必要性が存在する。
【0010】
本発明の目的は、胃食道逆流症(GERD)の既存の外科的治療に関連する問題のいく
つかを克服するか、少なくとも軽減することである。本発明の別の目的は、胃食道逆流症
を治療するための器具および方法を提供することである。これらのオブジェクトおよびそ
の他は、添付のクレームによって取得される。
【0011】
患者の逆流疾患を治療するための外科的手順で使用するための運動制限装置を配置する
ための外科用器具が提供される。外科用器具は、スリーブと、運動制限装置と係合するよ
うに構成された保持装置とを備え、保持装置は、スリーブ内に配置され、スリーブに対し
て変位可能に構成される。器具は、スリーブに接続された第1のハンドリング部と、保持
装置に接続された第2のハンドリング部とをさらに備える。第1および第2のハンドリン
グ部の少なくとも一方のハンドリングは、スリーブに対する保持装置の相対変位を生じ、
これにより、保持装置が運動制限装置から外れて、運動制限装置の配置が実行される。こ
の器具は、外科的処置中に運動制限装置を安全に保持し、外科的処置の完了時に簡単に外
すことができる。器具はまた、器具が引き込まれたときに、運動制限装置がその固定位置
から取り外されたり変位したりするリスクを減らす。
【0012】
一実施形態によれば、手術器具は、使用中に患者の身体に入るように構成された遠位部
分と、使用中に患者の身体の外側に留まるように構成された近位部分とを含む。保持装置
は遠位部分に配置され、第1および第2のハンドリング部は近位部分に配置される。
【0013】
一実施形態によれば、保持装置は、第2のハンドリング部に接続された細長い部材上に
配置される。
【0014】
一実施形態によれば、保持装置は、運動制限装置の凹部に係合するように構成された突
出部材を備える。
【0015】
一実施形態によれば、第1のハンドリング部は、器具の主長軸に沿って第2のハンドリ
ング部に対して直線的に変位可能であり、代替の実施形態では、第1のハンドリング部は
、第2のハンドリング部に対して周囲で回転変位可能である。機器の主長軸。
【0016】
第1のハンドリング部は、第2のハンドリング部に対する第1のハンドリング部の回転
変位が第1のハンドリングの線形変位を生成するように、ねじ部と第2のハンドリング部
およびスリーブの少なくとも一方を含むことができる。器具の主長軸に沿った、第2のハ
ンドリング部に関する部分。
【0017】
一実施形態によれば、遠位部分は、器具の主長軸に対して曲げられている。遠位部は、
器具の主長軸に対して20°以上、器具の主長軸に対して30°以上、または器具の主長
軸に対して45°以上曲げることができる。機器、または機器の主長軸に対して60°を
超える、または機器の主長軸に対して75°を超える、または機器の主長軸に対して90
°を超える。曲げることにより、器具を回転させて必要な位置に器具を配置できます。
【0018】
スリーブの遠位部分は剛性であってもよく、細長い部材の遠位部分は可撓性であっても
よく、あるいは、スリーブの遠位部分は可撓性であり、細長い部材の遠位部分は剛性であ
る。
【0019】
一実施形態によれば、遠位部分は、遠位部分を器具の主長軸に対して曲げることができ
るように柔軟である。遠位部分は、外科医が外科処置中に遠位部分を曲げることができる
ように動作可能に柔軟であり得、これは、外科医が外科処置中に遠位部分を曲げることが
できるように細長い部材が動作可能に柔軟であることを意味し得る。一実施形態では、動
作可能に柔軟な遠位部分は、30°を超えて曲げられるように構成される。一実施形態で
は、動作可能に柔軟な遠位部分は、45°を超えて曲げられるように構成される。一実施
形態では、動作可能に柔軟な遠位部分は、60°を超えて曲げられるように構成される。
一実施形態では、動作可能に柔軟な遠位部分は、75°を超えて曲げられるように構成さ
れる。一実施形態では、動作可能に柔軟な遠位部分は、90°を超えて曲げられるように
構成される。
【0020】
一実施形態によれば、近位部分は、外科処置中に操作可能に柔軟な遠位部分を操作する
ための第3のハンドリング部をさらに含む。第3のハンドリング部は、外科処置中に動作
可能に柔軟な遠位部分を操作するために、器具の主長軸に沿って第2のハンドリング部に
対して直線的に変位可能であってもよい。代替の実施形態では、第3のハンドリング部は
、外科処置中に操作可能に柔軟な遠位部分を操作するために、器具の主長軸の周りで第2
のハンドリング部に対して回転変位可能である。
【0021】
一実施形態によれば、第3のハンドリング部はねじ部を備え、第2のハンドリング部は
対応するねじ部を備え、第2のハンドリング部に対する第3のハンドリング部の回転変位
は、器具の主長軸に沿った第2のハンドリング部への、外科手術中に操作可能に柔軟な遠
位部分を操作するための、第3のハンドリング部の線形変位をもたらす。
【0022】
一実施形態によれば、スリーブは、屈曲するように構成された剛性部分および可撓性部
分を備え、スリーブは保持装置に対して変位可能であり、屈曲が始まる外科用器具上の点
を移動させることができる。
【0023】
本明細書の実施形態のいずれか1つによる外科用器具は、トロカールを通して患者の腹
部に挿入されるように構成されてもよい。
【0024】
一実施形態によれば、第1のハンドリング部は、第2のハンドリング部の少なくとも一
部を収容するように適合された少なくとも1つの溝または凹部を備える。好ましくは、第
1のハンドリング部は、器具の長さ軸に沿って延びる少なくとも2つの溝または凹部を備
える。溝または凹部は、変位中に第2のハンドリング部を支持する。好ましくは、溝また
は凹部は、器具の幅軸の動きを防止または妨害する。
【0025】
一実施形態によれば、少なくとも1つの溝または凹部は、第2のハンドリング部および
第1のハンドリング部の相対変位を可能にするように適合されている。好ましくは、第2
のハンドリング部に対する第1のハンドリング部の相対変位中に、第2のハンドリング部
の少なくとも一部が少なくとも1つの溝または凹部に配置される。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、保持装置は、第2のハンドリング部に接続された細長い
部材と一体化される。保持装置は、細長い部材と一体的に形成されてもよい。これは、細
長い部材をワイヤの形で提供することにより達成できる。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、第2のハンドリング部は、細長い部材と一体化される。
第2のハンドリング部は、細長い部材と一体的に形成されてもよい。これは、細長い部材
をワイヤの形で提供することにより達成できる。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、第2のハンドリング部は、運動制限装置に対して遠位の
細長い部材の端部で形成される。第2のハンドリング部は、その端部で細長い部材を輪に
することにより提供され得る。細長い部材がワイヤである例では、ワイヤをループ状にし
て第2のハンドリング部を形成することができる。次いで、ループの部分を、第1のハン
ドリング部の少なくとも1つの溝または凹部に配置することができる。ループにより、器
具のユーザーは第2のハンドリング部を簡単につかむことができます。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、保持装置は、運動制限装置に近位の細長い部材の端部で
形成される。細長い部材がワイヤである例では、ワイヤの端部が保持装置であってもよい
。運動制限装置のくぼみは、ワイヤの端部がくぼみと係合できるように寸法決めされても
よい。
【0030】
いくつかの実施形態では、第2のハンドリング部の少なくとも一部は湾曲した形状を有
する。
【0031】
患者の逆流疾患を治療するための外科的手順で使用するための運動制限装置を配置する
ための外科用器具の開示された要素は、インプラントまたは外科用器具を体内で保持およ
び解放する必要がある他の用途に使用することができる患者。一般的な器具は、スリーブ
、医療用インプラントまたは外科用ツールと係合するように構成された保持装置を備えて
もよく、保持装置は、スリーブ内に配置され、スリーブに対して変位可能に構成され、第
1のハンドリング部は、スリーブに接続される、および保持装置に接続された第2のハン
ドリング部。第1および第2のハンドリング部の少なくとも一方のハンドリングは、スリ
ーブに対する保持装置の相対的変位を生じさせ、医療インプラントまたは外科ツールの配
置を実行するために医療インプラントまたは外科ツールから保持装置を外す。
【0032】
外科用器具を使用して運動制限装置を埋め込むことにより、患者の逆流疾患を治療する
外科的方法がさらに提供される。外科的方法は、患者の腹部に少なくとも1つの切開を行
い、胃底部を含む領域で切開し、運動制限装置を保持する外科用器具を患者の腹部に少な
くとも部分的に挿入し、運動制限を配置することを含む。胃の底部に接触し、胃の外側で
、運動制限装置を眼底壁に固定し、保持装置に対してスリーブを移動させることにより運
動制限装置を外す。
【0033】
一実施形態によれば、運動制限装置を固定するステップは、胃対胃縫合またはステープ
ラーを使用して胃底壁に運動制限装置を陥入させることを含む。
【0034】
一実施形態によれば、外科的方法は、ステープラーの縫合を使用して胃を食道に固定す
るステップをさらに含む。
【0035】
外科用器具の遠位部分が曲がっている実施形態では、外科的処置は、運動制限装置を位
置決めするために、器具を曲げて回転させるステップを含むことができる。
【0036】
外科用器具の遠位部分が動作可能に可撓性である実施形態では、外科手術手順は、動作
制限デバイスを位置決めするために動作可能に可撓性の遠位部分を動作させるステップを
含み得る。
【0037】
一実施形態によれば、保持装置は突出部材を備え、運動制限装置は突出部材と係合する
ように構成された凹部を備え、保持装置に対してスリーブを変位させることにより運動制
限装置を解放するステップは、突出部を解放することを含む。凹部からのメンバー。
【0038】
外科的方法は、腹腔鏡下外科的方法であり得、この場合、方法は、以下のステップのう
ちの少なくとも1つをさらに含み得る:
腹壁を通してチューブを導入し、
腹腔に液体または気体を充填し、
2つ以上のトロカールを腹腔に導入し、
トロカールの1つを介して腹腔内にカメラを導入し、
腹腔鏡下切開器具を使用して腹部を切開し、
トロカールを通して腹腔内に手術器具を導入し、
腹腔鏡下縫合またはステープル留め器具を使用した縫合またはステープル留め、および
トロカールを介して腹腔内に手術器具を取り外す。
【0039】
実施形態または実施形態の一部、ならびに方法または方法の一部または装置または装置
の一部または機能または機能の一部またはシステムまたはシステムの一部または図または
図の一部は、該当する方法。本明細書のすべての例は、一般的な説明の一部とみなされる
べきであり、したがって、一般的な用語で何らかの形で組み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
ここで、添付図面を参照して、例として本発明を説明する。
【0041】
図1図1は、運動制限装置が埋め込まれた患者を示す。
【0042】
図2図2は、胃、食道下部、横隔膜の解剖図を示す。
【0043】
図3図3は、第1の実施形態による手術器具を示す。
【0044】
図4図4は、第1の実施形態に係る外科用器具の直線状態を断面で示している。
【0045】
図5図5は、曲げられた状態の第1の実施形態による外科用器具の断面を示す。
【0046】
図6A図6Aは、第1の実施形態による、運動制限装置を外したときの外科用器具の断面図を示す。
【0047】
図6B図6Bは、運動制限装置を外したときの、代替の第1の実施形態による外科用器具の断面図を示す。
【0048】
図7A図7Aは、運動制限装置を外したときの第2の実施形態による外科用器具の断面を示している。
【0049】
図7B図7Bは、運動制限装置を外したときの第2の実施形態による手術器具を断面で示している。
【0050】
図8A-8D】図8A~8Dは、外科用器具を使用して、逆流疾患を治療するための外科処置のステップを示している。
【0051】
図9図9は、運動制限装置が配置されたときの食道と胃の上部を断面で示している。
【0052】
図10図10は、第3の実施形態による医療機器を示す。
【0053】
図11A図11Aは、第3の実施形態による、運動制限デバイスを係合するときの外科用器具を示す。
【0054】
図11B図11Bは、運動制限装置を外したときの、第3の実施形態による外科用器具を示す。
【0055】
図12A図12Aは、第3の実施形態による、トロカールの内側に配置され、運動制限装置と係合する外科用器具を示す。
【0056】
図12B図12Bは、トロカール内に配置され、運動制限装置に係合するときの第3の実施形態による外科用器具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下において、本発明の実施形態の詳細な説明は、添付の図面を参照して与えられる。
図面は例示のみを目的としており、本発明の範囲を決して限定するものではないことを理
解されたい。したがって、「上」または「下」などの方向への言及は、図に示されている
方向のみを指します。同じ参照番号を有する特徴は同じ機能を有することに留意すべきで
あり、異なる最初の数字であるが下2桁が同じである異なる実施形態の特徴、すなわち1
10、210および310は同様であることにさらに留意すべきである。したがって、明
確に矛盾しない限り、一実施形態は、同じ最後の2桁を有する別の実施形態からの特徴と
交換することができる。したがって、同じ下2桁を持つ類似の機能の説明は、機能の基本
的な考え方を説明し、それによって機能の汎用性を示す際に互いに補完するものと見なさ
れる必要がある。
【0058】
噴門括約筋、噴門筋および下部食道括約筋という用語は、食道内の括約筋が胃内容物お
よび胃酸が食道に到達するのを妨げると理解されるべきである。
【0059】
外科的処置は、あらゆる種類の外科的処置、観血的外科的処置または腹腔鏡下外科的処
置として理解されるべきである。本明細書の実施形態のすべてにおいて、外科用器具は、
腹腔鏡トロカールを通して患者の腹部に挿入されるように構成され得る。そのような場合
、外科用器具は、80mm、100mm、120mmまたは150mmの直径を有する腹
腔鏡トロカールへの挿入のために構成され得る。
【0060】
図1は、逆流疾患の治療のための外科的処置が行われたときのヒトの患者1を示す。運
動制限装置10は、胃12の眼底部分に配置されている。運動制限装置10の機能および
動作は、以下の説明で詳細に説明および説明される。
【0061】
図2は、さらに噴門括約筋14を支持する胸部横隔膜18を通過する食道5を含む患者
の胃領域を示し、胃内容物および胃酸が食道5の領域に到達するのを防ぐ。 5は、胃組
織を含む胃12に至る実質的にチューブ状の組織である。食道は、食道中心軸4を有し、
患者の頭尾軸と実質的に整列し、直立した患者の水平面と実質的に整列した実質的に円周
を有する。食道5は、食道5の中心軸4に対して半径方向に延びる実質的に円筒状の内側
表面2および外側表面3をさらに有する。
【0062】
逆流性疾患の患者では、噴門括約筋14は胸部横隔膜18の孔18’を通って上に滑り
、したがって胸部横隔膜18によってもはや支持されない。逆流性疾患は胃内容物および
胃酸を食道5および食道組織に熱感を引き起こし、長期間曝露すると、食道組織の内層の
細胞構造に影響を与え、扁平上皮から腺上皮に構造を変化させ、腺癌のリスクを増加させ
る。食道5は、通常、胸部横隔膜18の下に配置される胃食道接合部8で胃に接続する。
噴門括約筋が横隔膜18の孔18 ’を通って上方にスライドする場合、胃食道接合部8
は、孔18 ’または胸部に配置される。
【0063】
図3は、患者の逆流疾患を治療するための外科的処置で使用するための運動制限装置1
10を配置するための外科用器具100の第1の実施形態を示している。器具100は、
外科手術中に患者の腹部に挿入されるように構成された遠位部分DPと、患者の体外に留
まり、外科医によって取り扱われるように構成された近位部分PPから構成される。外科
的処置。器具100は、スリーブ113を備え、その主要部分は遠位部分DPに配置され
る。スリーブ113は、第2のハンドリング部102に対して移動可能な第1のハンドリ
ング部101に接続され、または一体化されている。図3に示される実施形態では、遠位
部分の一部は可撓性であり、その結果、遠位部分は、器具100の主長軸LAに対して曲
がることができ、したがって曲がることができる。図3に示すように、遠位部分DPの可
撓性部分は、外科医が外科処置中に遠位部分を曲げることができるように動作可能に可撓
性である。代替実施形態では、柔軟な部分は、柔軟な遠位部分の適切な角度ができるよう
に、手動で、患者の外側および外科的処置の前にのみ曲げることができる。
【0064】
図3に示す実施形態に戻ると、スリーブ113の遠位部は、可撓性スリーブ部112を
含む。可撓性スリーブ部112は、例えば、螺旋状に巻かれた金属スリーブ、ポリマー材
料から作られた可撓性スリーブ、織物可撓性金属スリーブ、または上記の組み合わせであ
る。
【0065】
器具100の遠位部DPは、外科処置中に運動制限装置110と係合し、したがって運
動制限装置110を保持するように構成された保持装置111をさらに備える。保持装置
111は、スリーブ113内に配置され、スリーブ113に対して変位可能であるように
構成されている。図3に示すように、保持装置111は、運動制限装置110の凹部に係
合し、それにより運動制限装置110を保持するように構成された突出部材を備える。運
動制限装置は、第3操作部103に接続または一体化される。保持装置111は、第2の
ハンドリング部102に対して変位可能である(図4~6を参照してさらに詳しく説明す
る)。
【0066】
図4および図5は、第1の実施形態による外科用器具100を断面で示している。最も
遠位の部分から開始するために、運動制限装置110は、運動制限装置110の凹部に係
合する突出部材を有する保持装置111によって保持される。突出部材は、その最上部1
14 ’に固定または一体化される。細長い部材114は、外科医が外科手術中に遠位部
分DPを曲げることができるように、動作可能に柔軟である。
【0067】
曲げ運動を生成する操作デバイスは、三角形の断面を有する複数の曲げ要素116を備
え、曲げ要素116は、細長い部材114の左側で互いに接触し、右側の空隙によって分
離されるようになっている。プルワイヤ115は、最上部の曲げ要素116の右側に固定
され、最上部の曲げ要素に引張力を加えるように構成され、それにより、曲げ要素116
の幾何学的形状は、細長い部材114を曲げさせ、曲げ要素116間の空隙が小さくなる
。可撓性スリーブ部分112は、その中に配置された細長い部材114と共に曲がる。ス
リーブ113は、剛性部分および曲げるように構成された可撓性スリーブ部分112を備
え、スリーブ113が細長い部材114および保持装置に対して変位可能であるため、曲
げが始まる外科用器具上の点は、スリーブ113を移動させることにより移動し、器具を
調整するためのさらなる手段を作り出す。
【0068】
細長い部材114の近位部分は、第2のハンドリング部102に接続または一体化され
、したがって、細長い部材114の最上部114 ’および第2のハンドリング部102
に接続された保持装置111である。ワイヤ115は、器具100の最遠位部分である第
3のハンドリング部103に接続される。第3のハンドリング部103は、プルを操作す
るために、器具の主長軸LAの周りで第2のハンドリング部102に対して回転変位可能
である。外科処置中に、ワイヤ115、したがって操作可能に柔軟な遠位部分。第3のハ
ンドリング部103はねじ部103Tを備え、第2のハンドリング部102は対応するね
じ部102Tを備え、第2のハンドリング部102に対する第3のハンドリング部103
の回転変位は第3のハンドリング部103の直線変位を生じさせる。直線変位は、プルワ
イヤ115を近位方向に引っ張り、動作可能に柔軟な遠位部分を曲げさせる。
【0069】
図5は、第3のハンドリング部103が回転により操作され、プルワイヤ115が屈曲
要素116が操作可能な可撓性の遠位部分をある角度まで曲げるのに十分な距離だけ引っ
張られたときの外科用器具100の第1の実施形態を示す。器具の主長軸LAと屈曲軸B
Aとの間のα。これは、細長い部材の最上部114 ’および保持装置111の長軸であ
る。一実施形態では、動作可能に柔軟な遠位部は屈曲するように構成される。 20°を
超える角度αまで。一実施形態では、動作可能に柔軟な遠位部分は、30°を超える角度
αに曲がるように構成される。一実施形態では、動作可能に柔軟な遠位部分は、45°を
超える角度αに曲がるように構成される。一実施形態では、動作可能に柔軟な遠位部分は
、60°を超える角度αに曲がるように構成される。一実施形態では、動作可能に柔軟な
遠位部分は、75°を超える角度αに曲がるように構成される。一実施形態では、動作可
能に柔軟な遠位部分は、90°を超える角度αに曲がるように構成される。
【0070】
別の実施形態では、第3のハンドリング部は、プルワイヤ115を直線的に引っ張る直
線的に変位可能なハンドリング部である。そのような実施形態では、第3のハンドリング
部は、第2のハンドリング部に摺動可能に接続され、そのような実施形態では、器具の主
長軸LAに沿って近位方向に引っ張ることができ、操作可能な柔軟な遠位部分の曲げを作
り出す。
【0071】
ここで、保持装置111の動作に目を向ける。図6Aは、第1の実施形態による外科用
器具100の直線構成を断面で示している。第1のハンドリング部101は、器具の主長
軸LAに沿って第2のハンドリング部102に対して直線的に変位可能である。第1のハ
ンドリング部101がスリーブ113と一体化されると、第1のハンドリング部101の
遠位方向への直線変位により、スリーブ113の最遠位部分も遠位方向に移動し、したが
って最上部を越えて通過する。スリーブ113と保持装置111のこの相対変位は、保持
装置の突出部材が保持装置111から外れることにより、保持装置111を運動制限装置
110から外す。したがって、手術器具100は、運動制限装置を患者の体内に配置し、
その後、腹部から取り外すことができる。
【0072】
図6Bは、第1のハンドリング部101が器具の主長軸LAの周りで第2のハンドリン
グ部102に対して回転変位可能である外科用器具100の代替実施形態を示す。第1の
ハンドリング部101はねじ部101Tを備え、第2のハンドリング部102および/ま
たはスリーブ113は対応するねじ部113Tを備え、第2のハンドリング部102に対
する第1のハンドリング部101の回転変位は、器具の主長軸LAに沿った、第2のハン
ドリング部101に対する第1のハンドリング部101の角度に関連して、線形変位を生
じさせる。
【0073】
図7Aおよび図7Bは、外科用器具200の第2の実施形態を示す。第2の実施形態で
は、遠位部分DPは、固定曲げによって器具200の主長軸LAに対して曲げられる。図
1に示す実施形態では、図7Aでは、主長軸LAは、保持装置211および運動制限装置
210の曲げ軸BAに対して角度βで曲げられている。一実施形態では、屈曲部の角度β
は20°を超える。一実施形態では、屈曲部の角度βは30°を超える。一実施形態では
、屈曲部の角度βは45°を超える。一実施形態では、屈曲部の角度βは60°を超える
。一実施形態では、屈曲部の角度βは75°を超える。一実施形態では、屈曲部の角度β
は90°を超える。
【0074】
図1に示す実施形態では、図7Aでは、スリーブ213は剛性であり、剛性ベンド21
3Bを含むが、細長い部材214の遠位部分は可撓性であり、スリーブ213内に可撓性
ベンド214Bを形成し、細長い部材214は、曲げが固定されていても、スリーブ21
3に対して変位できる。
【0075】
代替実施形態では、細長い部材214の遠位部分は剛性であり、剛性の曲げを含むが、
スリーブ213の遠位部分は可撓性であり、可撓性の曲げを形成するため、これにより、
曲げが固定されていても、細長い部材214をスリーブ213に対して変位させることが
できる。
【0076】
図7Bは、細長い部材214、したがって保持装置211がスリーブ213に対して変
位し、運動制限装置210が器具から外された状態の外科用器具200の第2の実施形態
を示す。
【0077】
第2の実施形態による器具は、スリーブ213が細長い部材214に対して直接直線的
に変位可能であるように示されているが、第2の実施形態による器具が、図6に示すよう
に、回転する第1のハンドリング部を備えることも同様に考えられる。
【0078】
図8A~8Dは、本明細書の実施形態の1つによる外科用器具300を使用して運動制
限装置310を埋め込むことにより、患者の逆流疾患を治療する外科的方法を示す。
【0079】
図8Aでは、運動制限装置310を保持する器具300は、患者の腹部に切開を施して
患者の腹部に挿入されている。図8Aに示される手順ステップの前に、胃の基底部を含む
領域で切開するステップが行われ、その結果、運動制限装置310は、患者の眼底と係合
して配置することができる。手術器具が動作して胃の外側に胃の基底部に接触する運動制
限装置を配置する間、グラスパーは眼底の胃壁を保持するために使用される。実施形態で
は、外科用器具が曲げられるとき、器具は、運動制限デバイスを位置決めするための曲げ
で器具を回転させるステップによって位置決めされ得る。外科用器具の遠位部分が動作可
能に可撓性である実施形態では、動作制限デバイスを位置決めするために動作可能に可撓
性の遠位部分を動作させるステップによって器具を位置決めすることができる。
【0080】
患者の逆流疾患を治療するための外科的処置で使用するための運動制限装置を配置する
ための外科用器具の開示された要素は、患者の体内でインプラントまたは手術道具を保持
および解放する必要がある場合、他の用途に使用することができる。一般的な器具は、ス
リーブ、医療用インプラントまたは外科用ツールと係合するように構成された保持装置を
備えてもよく、保持装置は、スリーブ内に配置され、スリーブ、スリーブに接続された第
1のハンドリング部、および保持装置に接続された第2のハンドリング部に対して変位可
能であるように構成される。第1および第2のハンドリング部の少なくとも一方のハンド
リングは、スリーブに対する保持装置の相対的変位を生じさせ、医療インプラントまたは
外科ツールの配置を実行するために医療インプラントまたは外科ツールから保持装置を外
す。
【0081】
図8A図8Dに示される外科的処置では、運動制限装置は、外科縫合針による胃から
胃への縫合糸301によって胃底壁に陥入される。しかしながら、胃壁に運動制限装置を
陥入させるステップでステープル装置を使用することも同様に考えられる。
【0082】
図8Bおよび図8Cは、運動制限装置310が胃壁の外側、その外側の作成されたポー
チに固定的に配置されるように、運動制限装置310を陥入させるためのさらなる縫合を
示す。
【0083】
図8Dは、保持装置311に対してスリーブ313を変位させることにより、運動制限
装置を外す器具のステップを示している。図8A図8Dでは、保持装置311は突出部
材を備え、運動制限装置310は突出部材と係合するように構成された凹部を備え、保持
装置に対してスリーブ313を変位させることにより運動制限装置310を解放するステ
ップを行う。 311は、突出部材を凹部から外すことを含む。その後、器具310が患
者の腹部から除去される。
【0084】
図8A~8Dに示される手順ステップは、腹腔鏡手術法のステップであり、この場合、
外科的方法は、腹腔に液体または気体を充填するために腹壁を通してチューブを導入し、
それによって腹腔を拡張して視覚空間を作り出すステップをさらに含む。この方法はさら
に、2つ以上のトロカールを腹腔内に導入すること、およびトロカールの1つを通して腹
腔内にカメラを導入することを含む。次に、この方法は、トロカールを介して腹腔内に手
術器具を導入する前に、腹腔鏡切開器具を使用して腹部を切開することを含む。縫合また
はステープラーによる固定は、腹腔鏡による縫合またはステープル留め器具を使用して行
われ、この方法は、トロカールを通して腹腔内への外科用器具の取り外しによって終了す
る。
【0085】
図9は、運動制限装置が眼底壁に埋め込まれたときの食道と胃の上部を示す。運動制限
装置は、複数の縫合糸305により胃12の壁に陥入することにより固定される。図1
示す実施形態では、 図9に示されるように、運動制限装置の固定は、運動制限装置31
0の固定配置のための縫合糸305 ’による食道への胃底壁の固定が先行している。運
動制限装置310は、好ましくは、少なくとも1つの層を備えることができる弾性の生体
適合性シリコーン材料から作られる。例えば、金属層、パリレン層、ポリテトラフルオロ
エチレン層またはポリウレタン層である。
【0086】
運動制限装置は、40mm未満の最大直径、または30mm未満の最大直径、または2
0mm未満の最大直径を有してもよい。
【0087】
図10は、患者の逆流疾患を治療するための外科的処置で使用するための運動制限装置
110の配置のための外科用器具100の第3の実施形態を示す。第3の実施形態に示さ
れる器具は、第1の実施形態に示される器具に類似しており、対応する要素には同様の番
号が付けられている。器具100は、スリーブ113を備える。スリーブ113は、第1
のハンドリング部101に接続または一体化される。第1のハンドリング101部は、近
位部Pおよび遠位部Dを備える。第1のハンドリング部101は、好ましくは溝または凹
部を備える。第2のハンドリング部102の部品を配置することができる。第2のハンド
リング部102は、好ましくは、スリーブ113の内側の長手方向軸に沿って延びる細長
い部材114と一体化される。第2のハンドリング部102は、保持できるように細長い
部材の近位端のループを形成することによって形成され得る。その溝または凹部によって
第1のハンドリング部101に配置される。細長い部材は、好ましくはワイヤであり得る
。第1のハンドリング部101は、所定の変位量で第2のハンドリング部102の相対変
位を停止するように適合された少なくとも1つの停止部104a、104bをさらに備え
てもよい。
【0088】
器具100は、外科処置中に運動制限デバイス110と係合し、したがって運動制限デ
バイス110を保持するように構成された保持装置111をさらに備える。保持装置11
1は、スリーブ113内に配置され、スリーブ113に対して変位可能であるように構成
される。保持装置111は、第1のハンドリング部101と第2のハンドリング部との間
の相対変位が生じるように細長い部材114と一体化されてもよい。 102は、スリー
ブ113と保持装置111との間の相対的な変位をもたらす。図10に示すように、保持
装置111は、運動制限装置110の凹部に係合し、それにより運動制限装置110を保
持するように構成された突出部材を備える。
【0089】
次に、保持装置111の動作に移る。図11Aおよび11Bは、第3の実施形態による
外科用器具100を示す。図11Aでは、第2のハンドリング部102は、細長い部材1
14のループ状近位端として形成され、第1のハンドリング部の溝または凹部内に部分的
に配置される。細長い部材114の近位端は、保持装置111で終わる。第2のハンドリ
ング部102が第1のハンドリング部101の近位位置に配置されると、保持装置111
は、保持部材111がスリーブ113から延びる。 111は、運動制限装置110と係
合することができる。
【0090】
第1のハンドリング部101は、器具の主長軸に沿って第2のハンドリング部102に
対して直線的に変位可能である。第1のハンドリング部101がスリーブ113と一体化
されると、第1のハンドリング部101の遠位方向への直線変位により、スリーブ113
の最遠位部分も遠位方向に移動し、したがって最上部を越えて通過する。スリーブ113
と保持装置111のこの相対変位は、保持装置111の突出部材が凹部から外れることに
より、保持装置111を運動制限装置110から外す。実際には、図11Bに示すように
、この相対変位は、第2のハンドリング部102を第1のハンドリング部101の遠位位
置から第1のハンドリング部の近位位置にハンドリングすることにより達成できる。これ
により、スリーブ113と保持装置111との相対変位が達成され、保持装置111が運
動制限装置110から外れる。したがって、手術器具100は、運動制限装置を患者の体
内に配置し、その後、腹部から取り外すことができる。
【0091】
図12Aおよび12Bは、側面図でトロカール112の内側に配置されたときの、第3
の実施形態による外科用器具100を示す。 トロカール112は、運動制限装置110
を胃壁に配置できるように、腹壁組織の拡張を支援する。 上述のように、外科用器具1
00が運動制限装置を体内に配置すると、外科用器具100をトロカール112から取り
外し、続いてトロカール112を身体から取り外すことができる。
【0092】
実施形態または実施形態の一部、ならびに方法または方法の一部または装置または装置
の一部または機能または機能の一部またはシステムまたはシステムの一部は、適用可能な
方法で組み合わせることができることに留意されたい。 本明細書のすべての例は、一般
的な説明の一部とみなされるべきであり、したがって、一般的な用語で何らかの形で組み
合わせることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
【手続補正書】
【提出日】2023-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の逆流疾患を治療するための外科的手順で使用するための運動制限装置であって、該運動制限装置は患者の胃底に接触するものであり、複数の面を有する実質的に球状の主部を有する、運動制限装置。
【請求項2】
さらに、患者の胃底に陥入されるよう構成されている、請求項1に記載の運動制限装置。
【請求項3】
さらに、患者の胃底に完全に陥入されるよう構成されている、請求項1に記載の運動制限装置。
【請求項4】
前記主部は最大直径が20mm未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の運動制限装置。
【請求項5】
前記主部は最大直径が30mm未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の運動制限装置。
【請求項6】
前記主部は最大直径が40mm未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の運動制限装置。
【請求項7】
前記運動制限装置は、生体適合性シリコーン材料から製造される、請求項1~6のいずれか1項に記載の運動制限装置。
【請求項8】
前記生体適合性シリコーン材料は、金属層、パリレン層、ポリテトラフルオロエチレン層及びポリウレタン層の少なくとも1つからなる、請求項7に記載の運動制限装置。
【請求項9】
前記主部は、互いに直角に配置された3つの面を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の運動制限装置。
【外国語明細書】