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特開2023-162329フォースフィードバック機能付ハンドヘルド型ハンドルコントローラー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162329
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】フォースフィードバック機能付ハンドヘルド型ハンドルコントローラー
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/285 20140101AFI20231031BHJP
   A63F 13/245 20140101ALI20231031BHJP
【FI】
A63F13/285
A63F13/245
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023137924
(22)【出願日】2023-08-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】721008109
【氏名又は名称】新井 敏明
(72)【発明者】
【氏名】新井敏明
(57)【要約】
【課題】
家庭用ゲームで車両の運転操作をする際に、従来のFFB(フォースフィードバック)機能付きのハンドルコントローラーは、実物同等のサイズのハンドルを備えた据え置き型であるので設置のためのスペースが必要であり、逆に設置スペースが不要なハンドヘルド型コントローラーはFFB機能がないために運転操作が難しかった。
【解決手段】
ハンドヘルド型のゲームコントローラーでありながら、FFB機能付きのハンドルを備えたハンドルコントローラーとする。このコントローラーは現実の車両を模したハンドルの戻り速度を再現するのみならず、現実の車両と同じマニュアル操作を可能とすることによりプレーヤによりリアルな運転操作感覚を提供する。またハンドルを大きく操作した時にも体に無理な負担をかけることがない形状となっている。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤーにハンドル操作時の反力を伝達するために、FFB(フォースフィードバック)機能付きのハンドルを備えたハンドヘルド型ハンドルコントローラー。
【請求項2】
体に無理な負担をかけずに必要十分なハンドル操作角範囲を得るために、ハンドルの回転軸を正面左右から約30度手前に傾けた向きとするとともに、手のひらを軽く握って掴めるサイズのハンドルを備えたハンドヘルド型ハンドルコントローラー。
【請求項3】
ギアとモーターによるトルク変動を低減させてハンドルの回転を滑らかにするために、反力を伝達する樹脂製のギアに回転方向にバネ力が働く構造を持たせたハンドヘルド型ハンドルコントローラー。
【請求項4】
反力によるハンドルの戻り速度を現実の車両と同程度とするために、ハンドルの回転速度に反比例して反力を減らすダンピング制御を備えたハンドヘルド型ハンドルコントローラー。
【請求項5】
マニュアルトランスミッションの車両でのヒールアンドトゥの操作と同等の操作を可能とするために、クラッチに相当するスイッチを押している期間はブレーキ量を変化させない制御を備えたハンドヘルド型ハンドルコントローラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭用ゲームで車両の運転操作を行う際に、リアルなハンドル操作感を提供するための、ハンドヘルド型のハンドルコントローラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用ゲームで車両の運転操作をする際に、ハンドルに反力を発生させるタイプのコントローラーが特許文献1や特許文献2で提示されており、FFB(フォースフィードバック)機能付きのハンドルコントローラーとしてすでに市販もされている。これは現実の車両でハンドルを切った角度と車体速度に応じて発生する反力を、コントローラーのハンドルにフィードバックすることにより、ゲームプレーヤーにリアルなハンドル操作感を提供するものである。
【0003】
ここで現実の車両のハンドルの反力について述べると、停止中にハンドルを回してから手を離してもハンドルは自動的には戻らないが、そのまま走り始めると反力が発生しハンドルは中央にゆっくりと戻る。走行中にハンドルを回してから手を離すと、車両の速度が高い時ほど強い反力でハンドルは素早く戻る。すなわちカーブ走行中の運転者は、カーブ曲率と速度に応じた強さの反力をその手に感じながらハンドルを操作しており、これがリアルなハンドル操作感である。
【0004】
特許文献3や特許文献4や特許文献5に提示されるような既知のハンドヘルド型のゲームコントローラーは、たとえハンドルを模した形状の操作部を備えていてもFFB機能を持っていないため、車両の速度によらず一定のバネ力で操作部が中央に戻るに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2007-503768
【特許文献2】実登3042988
【特許文献3】特開平08-206359
【特許文献4】特許6779190
【特許文献5】実登3094843
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のFFB機能付きハンドルコントローラーは実際の車両の操作系を模しているために、車両と同程度のサイズのハンドルを備えた据え置きタイプであり、ゲームをプレイするためにはコントローラーを設置するためのスペースを必要とするという問題があった。またハンドヘルド型のゲームコントローラーであれば設置スペースは不要であるものの、FFB機能を持たず単なるバネ力で操作部のハンドルやアナログスティックが中央に戻るだけであるので、現実の車でハンドル操作を行うリアルな操作感とは程遠く、ゲーム画面上での車両の運転操作が難しいという問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、FFB機能を有しながらも設置するためのスペースを必要としないハンドヘルド型のハンドルコントローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、ハンドヘルド型のゲームコントローラーにおいて、FFB機能付きのハンドルを備え、プレーヤーにハンドル操作時の反力を伝達することを特徴とするハンドルコントローラーである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コントローラーを設置するスペースが無くともプレーヤーはリアルな運転操作感覚を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の外観の斜視図である。
図2】本発明のブロック図である。
図3】本発明の外観の平面図である。
図4】本発明の内部構造を示す断面図である。
図5】本発明のドリブンギアの斜視図である。
図6】本発明の制御ソフトウェアの一部である。
図7】本発明の制御ソフトウェアの一部である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ゲームプレーヤーが操作するハンドル2の軸上にポテンショメーター8が設置されており、ハンドル2の操作によりポテンショメーター8のシャフトが回転して抵抗値が変化することにより制御ユニット12はハンドル2の角度を検知する。また同軸上にドリブンギア11が結合されており、モーター9の回転軸のピニオンギア10で駆動されてハンドル2及びポテンショメーター8を回転させることができる。この際モーター9が最大トルクで回転しても、プレーヤーがハンドル2を指で押さえることで回転を止めることができる程度のトルクの設定となっている。
【実施例0012】
図1は本発明の実施例の外観の斜視図である。
【0013】
図2は本発明の実施例のブロック図である。各入力が制御ユニット12に接続され、USBまたはBluetoothによる外部とのインタフェースを備えている。
【0014】
図3は本発明の実施例の外観の平面図である。ハンドル2のほかにアクセル及びブレーキのためのアナログスティック3と、シフトアップ、シフトダウン、クラッチ、ハンドブレーキ等に割り当てるためのスイッチ4からスイッチ7を備えている。プレーヤーがアナログスティック3を前方に倒すとアクセル、手前に引くとブレーキとなる。アナログスティック3を押し込むとスイッチ5がオンになる。この実施例ではアナログスティックは1つであるが、アクセルとブレーキをそれぞれ別として2つのアナログスティックを設けても良い。またスイッチの数をさらに増やしても良い。
【0015】
ハンドル2の回転軸はプレーヤー正面左右から約30度手前に傾いている。特許文献3や特許文献5で提示されているハンドルを模した操作部を備えたハンドヘルド型コントローラーでは、ハンドルの回転軸の方向はプレーヤーの正面左右もしくは正面前後方向であり傾きは設けられていない。ハンドルの回転軸が傾いていない場合、ハンドルの操作は指または手首の回転のみで行うこととなるが、人体の骨格構造に鑑みるとその可動範囲はハンドルを十分に回しきるには不足しているため、ハンドルを大きく回そうとすると体に無理な負担がかかる。本発明ではハンドルの回転軸を手前に傾けることにより人体の肘関節の回転をも使ってハンドルを回すことができる。またハンドル2の直径と幅を手のひらを軽く握ったときに包み込める程度のサイズとしたことと相まって、体に無理な負担をかけずとも車両の運転に必要十分な回転角を得ることができる。
【0016】
図4は本発明の内部構造の断面図である。モーター9の回転軸に取り付けられたピニオンギア10でハンドル2の回転軸のドリブンギア11が駆動される構造になっている。ドリブンギア11はハンドル2とポテンショメーター8に結合されている。プレーヤーがハンドル2を回した場合はドリブンギア11からピニオンギア10へ力が加わりモーター9が回転する。この際モーター9に回転方向とは逆の電流を流すことでプレーヤーに反力を感じさせることができる。
【0017】
なお本実施例ではハンドル2の角度検出素子をポテンショメーターとしたが、光学式エンコーダーとしても良い。
【0018】
図5はドリブンギア11の斜視図である。ギアの噛み合いとモーター9のコギングトルク変動によるゴリゴリした感触を低減させるため、ドリブンギア11の素材は柔軟性のある樹脂とし、かつ回転方向側にバネ力が働く構造としている。
【0019】
図6は本発明の制御ユニット12のソフトウェアの一部である。反力によるハンドル2の戻り速度が現実の車両と同等になるように、ハンドル2の回転速度に反比例してモーター9の駆動量を減少させるダンピング制御を行っている。
【0020】
図7は本発明の制御ユニット12のソフトウェアの一部である。クラッチに相当するスイッチ4が押されているときにはブレーキ量が変化しないようになっている。これは現実のマニュアルトランスミッションの車両でブレーキを踏んだままシフトダウンしつつアクセルでエンジン回転数を上げる操作、いわゆるヒールアンドトゥの操作をコントローラーで行うことを可能とするためである。
【符号の説明】
【0021】
1 コントローラー本体
2 ハンドル
3 アナログスティック(アクセル&ブレーキ)
4 スイッチ(例としてクラッチに割り当て)
5 スイッチ(例としてハンドブレーキに割り当て)
6 スイッチ(例としてシフトダウンに割り当て)
7 スイッチ(例としてシフトアップに割り当て)
8 ポテンショメーター
9 モーター
10 ピニオンギア
11 ドリブンギア
12 制御ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7