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  • 特開-反射部材、撮像装置および車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016237
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】反射部材、撮像装置および車両
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20210101AFI20230126BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230126BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230126BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20230126BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20230126BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B15/00 V
G03B30/00
G03B15/02 L
H04N5/225 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120423
(22)【出願日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣川 武志
【テーマコード(参考)】
2H053
5C122
【Fターム(参考)】
2H053CA08
5C122DA11
5C122DA14
5C122EA01
5C122EA12
5C122GG11
(57)【要約】
【課題】光源から被写体へ到達する光の量を増加させる。
【解決手段】反射部材5は、光源32から出射した照明光のうちの一部の光を反射して集光する反射面である集光部51を備える。集光部51は、第1回転対称部53と、第1回転対称部53とは形状が異なる第2回転対称部54とを有し、第1回転対称部53は回転楕円面である。そして、光源32は第1回転対称部53の焦点近傍に位置する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射した照明光のうちの一部の光を反射して集光する反射面である集光部を備え、
前記集光部は、第1回転対称部と、前記第1回転対称部とは形状が異なる第2回転対称部とを有し、
前記第1回転対称部は回転楕円面であり、
前記光源は前記第1回転対称部の焦点近傍に位置する、反射部材。
【請求項2】
前記第2回転対称部は、前記第1回転対称部と接続する第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有し、前記第1端部の直径と前記第2端部の直径とが異なる、請求項1に記載の反射部材。
【請求項3】
前記第2回転対称部は回転台形面である、請求項2に記載の反射部材。
【請求項4】
前記第2回転対称部は、前記第1端部の直径よりも前記第2端部の直径の方が大きく、前記第1端部に対する前記第2端部の広がり角が7°以上12°以下の広がり角となる形状を有する、請求項2または3に記載の反射部材。
【請求項5】
被写体を照明するための照明光を出射する前記光源と、
請求項1から4までのいずれか一項に記載の反射部材と、
前記照明光のうち前記被写体で反射した光を受光する撮像部と、
を備える撮像装置。
【請求項6】
車室と、
前記車室内に配置された請求項5に記載の撮像装置と、
を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射部材、撮像装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の事故を防止するため、運転者の状態をモニタリングするモニタリングシステムが自動車内に設けられている。モニタリングシステムは、運転者を照明する照明光を出射する光源と、運転者を撮像するカメラとを備えている。このようなモニタリングシステムにおいては、被写体である運転者を十分に照明することが好ましい。
【0003】
一方、モニタリングシステムに用いられる技術ではないが、光源からの光を集光するために、光源を楕円形状の反射鏡の焦点近傍に配置する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-135134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、光源から発せられる光の拡散の程度によっては反射鏡により集光できない光があり、露光対象物へ到達する光の量が十分ではない、という問題がある。
【0006】
本発明は、光源から被写体へ到達する光の量を増加させ、光源からの光を有効に使用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の反射部材は、光源から出射した照明光のうちの一部の光を反射して集光する反射面である集光部を備える。前記集光部は、第1回転対称部と、前記第1回転対称部とは形状が異なる第2回転対称部とを有し、前記第1回転対称部は回転楕円面である。そして、前記光源は前記第1回転対称部の焦点近傍に位置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光源から出射する光のうち、被写体を照明する照明光として利用可能となる光量を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施の形態の撮像装置が搭載される車両の一部を模式的に示す図である。
図2図2は、一実施の形態の撮像装置の外観斜視図である。
図3図3は、一実施の形態の撮像装置の分解斜視図である。
図4図4は、一実施の形態の撮像装置の断面図である。
図5図5は、一実施の形態の反射部材が備える集光部の断面図である。
図6図6は、一実施の形態の集光部を進行する光を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態の反射部材、反射部材を備える撮像装置、および撮像装置を備える車両について図面を参照しながら詳細に説明する。尚、各図面において、同一又は実質的に同一の構成や要素には同一の符号を付し、再度の説明を省略する場合がある。
【0011】
<車両>
図1は、撮像装置10を備える車両100の車室101内を模式的に示す図である。撮像装置10は、例えば、車室101内の運転席Dと助手席Pとの間のインストルメントパネル(センタクラスタ)102に埋め込まれる。撮像装置10は、例えば赤外線等を運転席Dに向けて照射して運転者の状態(注意力の低下や居眠りの兆候等)をモニタリングするドライバモニタリングシステム(DMS)を構成する。
【0012】
尚、撮像装置10が配置される場所は図1に示す場所に限定されるものではなく、運転席Dの運転者のモニタリングが可能な任意の場所に配置することができる。また、撮像装置10は、運転者に加えて、助手席Pや不図示の後部座席の同乗者の状態をモニタリングしてもよい。
【0013】
<撮像装置10>
次に、撮像装置10について説明する。
【0014】
図2は、撮像装置10の外観斜視図であり、図3は、撮像装置10の分解斜視図である。図4は、撮像装置10の断面図である。尚、説明の都合上、撮像装置10の一辺に平行なX軸と、X軸に直交するY軸と、X軸及びY軸に直交するZ軸からなる直交座標系を設定する。X軸に沿った方向を撮像装置10の横方向とも呼び、X軸+側を左側とも呼び、X軸-側を右側とも呼ぶ。Y軸に沿った方向を撮像装置10の高さ方向とも呼び、Y軸+側を上側とも呼び、Y軸-側を下側とも呼ぶ。Z軸に沿った方向を撮像装置10の奥行方向とも呼び、Z軸+側を奥側とも呼び、Z軸-側を手前側とも呼ぶ。
【0015】
撮像装置10は、ケース1と、ベース2と、基板3と、レンズ鏡筒4と、反射部材(リフレクタ)5とを備える。
【0016】
<ケース1>
ケース1は、下側(Y軸-側)の面が開放された箱状の部材である。ケース1の手前側(Z軸-側)の面には、略矩形形状の凹部1dが形成される。ケース1は、ねじ71~74によってベース2と連結され、ベース2とともに、基板3、レンズ鏡筒4及び反射部材5を収容する内部空間を有する筐体を構成する。
【0017】
ケース1のY軸-側の四隅には、ねじ71~74が挿入されるねじ孔が形成される。ケース1の凹部1dには、3つの円状の開口部11a,1b,1cが形成される。組み立てられた状態において、開口部1bの奥側(Z軸+側)には、撮像素子31及びレンズ鏡筒4に保持されたレンズ群41が位置し、開口部1a,1cの奥側(Z軸+側)には基板3に支持された光源32,33がそれぞれ位置する。組み立てられた状態において、略矩形状の凹部1dには、ガラスまたは樹脂で形成されたカバー1eが配置される。
【0018】
<ベース2>
ベース2は、例えばアルミニウム等の金属材料で形成される。ベース2は、底面部20と基板当接部21,22とを有する。底面部20の四隅近傍には、貫通孔であるねじ孔が形成され、ねじ71~74が挿通される。ベース2は、ねじ71~74によってケース1と連結されることにより、ケース1のY軸-側の開放された面を塞ぎ、上述したようにケース1とともに筐体を構成する。
【0019】
基板当接部21及び22は、下側(Y軸-側)の底面部20から上側(Y軸+側)に向かって延伸する板状に形成される。基板当接部21,22には、奥側(Z軸+側)から手前側(Z軸-側)に向かって形成された孔部21a,22aがそれぞれ形成される。孔部21a,22aには、後述する反射部材5に形成された凸部5a,5bがそれぞれ挿入される。孔部21a,22aは貫通孔であってもよいし、貫通していなくてもよい。
【0020】
基板当接部21,22には、孔部21a,22aよりもY軸-側の位置にねじ孔21b,22bがそれぞれ形成される。ねじ孔21b,22bは貫通孔であり、それぞれねじ61,62が挿通される。これらのねじ61,62によって、ベース2に基板3と反射部材5とが連結される。
【0021】
ベース2の底面部20には、フレキシブル基板貫通孔2aが形成される。フレキシブル基板貫通孔2aは、基板当接部21,22の間の位置に形成される。フレキシブル基板貫通孔2aには、後述する基板3に連結されたフレキシブル基板34が挿通される。
【0022】
<基板3>
基板3は板状の部材であり、撮像素子31と、光源32,33とを含む電子部品が搭載される。
【0023】
撮像素子31は、後述する光源32,33から出射された光(照明光)のうち、運転者(被写体)にて反射された光(反射光)を撮像する撮像部である。撮像素子31は、その中心が後述するレンズ群41の光軸上に位置するように、基板3に搭載されている。撮像素子31は、例えばCMOSやCDD等の光電変換素子であり、被写体からの反射光を光電変換して電気信号を出力する。尚、撮像装置10においては、撮像素子31以外の撮像機能を有する撮像部を採用してもよい。
【0024】
光源32,33は、運転者(被写体)に向けて被写体を照明するための照明光を出射する。光源32,33は、それぞれ撮像素子31に対して右側(X軸-側)及び左側(X軸+側)に、撮像素子31と横方向(X軸方向)に整列するように配置される。光源32,33は、例えばLEDであり、電力を与えられることで赤外域の波長を有する光(赤外線、赤外光)を発する。撮像装置10では、この光源32,33からの赤外光が照明光として被写体に向けて出射される。
【0025】
光源32,33のZ軸+側は、基板3に接し、基板3は金属で形成されたベース2に接している。すなわち、光源32,33は基板3を介してベース2に熱的に接続している。これにより、光源32,33の発光時に生じた熱を、ベース2から放熱することができる。すなわち、ベース2は放熱部材として作用する。尚、光源32,33の端子等の一部の部位が基板3の奥側(Z軸+側)に配置されるようにし、その部位をベース2と接続させてもよい。これにより放熱効果を高めることができる。
【0026】
基板3には、下側(Y軸-側)に延びるフレキシブル基板34が連結される。フレキシブル基板34の上側(Y軸+側)の端部は基板3に連結され、Y軸-側の延伸部はベース2のフレキシブル基板貫通孔2aに挿通される。フレキシブル基板34のY軸-側の端部は外部機器(不図示)に連結される。
【0027】
<レンズ鏡筒4>
レンズ鏡筒4は、後述する反射部材5の手前側(Z軸-側)に配置され、レンズ群41を保持する。レンズ鏡筒4は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料から形成される。レンズ鏡筒4の形状は円筒状であり、Z軸-側からZ軸+側に向かって(すなわち、撮像素子31に向かって)、後述する反射部材5の開口部5dに挿入される。レンズ鏡筒4の外周面には、開口部5dと嵌合するためのねじが形成される。レンズ鏡筒4に保持されるレンズ群41は、運転者(被写体)からの光(反射光)を撮像素子31の撮像面上に集光し結像させるための光学系である。
【0028】
レンズ鏡筒4に保持されるレンズ群41と撮像素子31との間には、フィルタ42が配置される。フィルタ42は、例えば赤外域以外の波長の光を遮蔽して赤外光を透過させる赤外透過フィルター(IRフィルター)である。これにより、光源32,33から発せられた赤外光とは異なる環境光等が撮像素子31に入射することを抑制できる。
【0029】
<反射部材5>
反射部材5は、例えば、レンズ鏡筒4と同様にポリカーボネート等の樹脂材料により形成される。反射部材5は、Z軸方向に延びる3つの円筒状の貫通孔である開口部5c,5d,5eと、開口部5c,5eの内周に形成された詳細を後述する集光部51,52と、を備える。開口部5dの内周面には、レンズ鏡筒4と嵌合するためのねじが形成される。開口部5c,5eのZ軸+側には、基板3上に設けられた光源32,33がそれぞれ位置する。
【0030】
反射部材5のZ軸+側の面には、Z軸+側に延びる凸部5a,5bが形成される。凸部5a,5bは、それぞれ基板3の貫通孔3a,3bに挿通され、さらにベース2の孔部21a,22aに挿入される。反射部材5のZ軸+側の面(すなわち、基板3と対向する面)には、ねじ61,62がそれぞれ挿入されるねじ孔が形成される。
【0031】
<集光部51,52>
以下、反射部材5が備える集光部51,52について詳細な説明を行う。集光部51は、開口部5cの内周面に形成され、光源32から出射した照明光のうち一部の光を反射して集光する反射面である。集光部52は、開口部5eの内周面に形成され、光源33から出射した照明光のうち一部の光を反射して集光する反射面である。他の点については集光部51,52は同一であるので、以下の説明は代表して集光部51に対して行う。
【0032】
図5は、ZX平面における反射部材5の断面図であり、集光部51の近傍を拡大して示す。
【0033】
集光部51は、光源32を構成するLEDに付属するレンズ(光学系)の光軸32aを軸(回転対称軸)とする回転対称形状を有する。尚、集光部51は、例えばアルミ等の金属を蒸着させて、光源32からの照明光を反射する反射面であるとよい。集光部51は、第1回転対称部53と第2回転対称部54とを有し、第1回転対称部53の形状と第2回転対称部54の形状とは異なる。
【0034】
<第1回転対称部53>
第1回転対称部53は第2回転対称部54に対して光源32側(Z軸+側)に配置される。第1回転対称部53は回転楕円面である。第1回転対称部53は、その回転楕円面の焦点位置の近傍に光源32が位置するように配置される。第1回転対称部53の光源32と反対側(すなわちZ軸-側)の端部は、第2回転対称部54と接続する接続端部55である。接続端部55は、回転対称軸である光軸32aと直交する平面(XY平面)に平行である。接続端部55では、XY平面に平行な面における第1回転対称部53の開口面積が最大となる。
【0035】
<第2回転対称部54>
第2回転対称部54は第1回転対称部53に対して被写体側(Z軸-側)に配置される。上述したように、第2回転対称部54の形状は第1回転対称部53の形状とは異なる。図5に示すように、第2回転対称部54が回転台形面である。なお、第2回転対称部54は回転台形面に限定されず、例えば回転双曲面であってもよいし、第1回転対称部53とは大きさが異なる回転楕円面であってもよい。
【0036】
第2回転対称部54のZ軸+側の端部は上述した接続端部(第1端部)55であり、第1回転対称部53と接続する。第2回転対称部54のZ軸-側の端部(第2端部)56は、回転対称軸である光軸32aと直交する平面(XY平面)と平行、すなわち接続端部55と平行に形成される。第2回転対称部54のZ軸に沿った長さ(すなわち、接続端部55と端部56との間の長さ)は、撮像装置10の大きさ等に応じて任意に設定されてよい。尚、端部56がXY平面と平行ではなくてもよく、端部56が撮像装置10の設置場所等に応じてXY平面に対して所定の角度を有するように形成されてよい。すなわち、端部56が接続端部55に対して平行でなくてもよい。
【0037】
第2回転対称部54は、接続端部55の直径と、端部56の直径とが異なる形状を有する。図5に示すように、端部56の直径は接続端部55の直径よりも大きい。ここで接続端部55に対する端部56の広がり角をθとする。広がり角θは、端部56がZ軸に平行な基準線Lに対してなす角である。本実施の形態においては、広がり角θは9.23°±1°である。尚、広がり角θは上記の値に限定されず、7°以上12°以下の値とすることができる。
【0038】
尚、第2回転対称部54の端部56の直径が接続端部55の直径よりも大きい場合に限定されず、端部56の直径が接続端部55の直径よりも小さくてもよい。また、第2回転対称部54の接続端部55の直径と端部56の直径とが異なる場合に限定されず、接続端部55の直径と端部56の直径とが等しくてもよい。この場合、第2回転対称部54は円筒の内周面となる。
【0039】
<集光部51内の照明光の進行>
上記の形状を有する集光部51を進行する照明光について説明する。
【0040】
図6は、光源32から出射した照明光のうちの一部の光が図5に示す集光部51を進行する状態を模式的に示す図である。図6においては、光源32からの照明光のうち、代表して光LF1,LF2,LF3を示す。光LF1は光源32を構成するLEDに付属するレンズを通過して、光源32から出射した光である。光LF2,LF3は光源32を構成するLEDに付属するレンズを通過することなく、光源32から出射した光である。
【0041】
光LF1は、光源32を構成するLEDに付属するレンズにより集光されることにより、光軸32aに平行な方向に進行する。このため、光LF1は、集光部51により反射されることなく、反射部材5からZ軸-側の被写体に向けて出射する。
【0042】
光LF2は、光源32を構成するLEDに付属するレンズを通過しないため光軸32aに平行な方向に集光されず、光源32から光軸32aに対して拡散する方向に出射する。このようにして出射した光LF2は、第1回転対称部53に到達して反射され、光軸32aと平行に進行し、反射部材5からZ軸-側の被写体に向けて出射する。
【0043】
光LF3も、光LF2と同様の理由により、光源32から光軸32aに対して拡散する方向に出射する。ただし、図6に示すように、光LF3の拡散の程度は、光LF2と比較して小さい。このような光LF3は、集光部51の第1回転対称部53には到達しない。光LF3は、接続端部55よりもZ軸-側にて、第2回転対称部54に到達して反射され、光軸32aと平行に進行し、反射部材5からZ軸-側の被写体に向けて出射する。
【0044】
尚、集光部52は集光部51と同様の形状を有する。このため、集光部52を進行する光源33からの照明光も、上述した集光部51を進行する照明光と同様にしてZ軸-側の被写体に向けて出射する。
【0045】
以上で説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
【0046】
反射部材5は、回転楕円面形状を有する第1回転対称部53と、第1回転対称部53とは形状が異なる第2回転対称部54とを有する集光部51,52を備える。この集光部51,52に対して、光源32,33は第1回転対称部53の焦点近傍に位置する。これにより、光源32,33から拡散する方向(すなわち被写体に到達しない方向)に出射した光LF2,LF3の進行方向を、被写体に到達する方向に変えることができる。特に、第1回転対称部53と第2回転対称部54との形状が異なるため、拡散の程度が小さい光LF3のような光も集光部51にて反射させ、被写体に向けて出射させることができる。この結果、従来では被写体を照明できなかった光を照明光として利用することができるようになり、光源32,33から出射する光のうち、被写体を照明する照明光として利用可能となる光量を増やすことが可能となる。
【0047】
撮像装置10は、光源32,33と、反射部材5と、被写体で反射した光を受光する撮像素子31とを備える。これにより、集光部51で利用可能な光量が増えた照明光によって照明された被写体を撮像できるので、被写体が明瞭に写った画像を生成することができる。また、このような撮像装置10をDMSに用いることにより、被写体である運転者の状態のモニタリング精度を向上させることに寄与する。
【0048】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0049】
実施の形態の撮像装置10が2つの光源32,33と2つの集光部51,52を備える場合を例に挙げたが、撮像装置10は1つの光源32と1つの集光部51を備えていてもよいし、3個以上の光源と集光部とを備えてもよい。
【符号の説明】
【0050】
4…レンズ鏡筒、5…反射部材、10…撮像装置、31…撮像素子、32,33…光源、41…レンズ群、51,52…集光部、53…第1回転対称部、54…第2回転対称部、55…接続端部、56…端部、100…車両、101…車室
図1
図2
図3
図4
図5
図6