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特開2023-16239電子部品構造、レバー型入力装置、および電子部品構造の組立方法
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  • 特開-電子部品構造、レバー型入力装置、および電子部品構造の組立方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016239
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】電子部品構造、レバー型入力装置、および電子部品構造の組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/04 20060101AFI20230126BHJP
   H01H 11/00 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
H01H25/04 M
H01H11/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120426
(22)【出願日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小坂 謙
(72)【発明者】
【氏名】濱野 哲明
【テーマコード(参考)】
5G023
5G031
【Fターム(参考)】
5G023CA06
5G031AS02H
5G031AS02J
5G031AS02K
5G031AS04K
5G031DS01Z
5G031GS21
(57)【要約】
【課題】設置向きが互いに異なる複数の電子回路構成部品の設置を容易に行うことができるようにすること。
【解決手段】電子部品構造は、第1部分および第2部分を有し、第1部分および第2部分の各々の表面の側に電子回路構成部品が配置された可撓性基板と、可撓性基板の裏面の側に設けられ、可撓性基板を支持するホルダとを備え、ホルダは、可撓性基板の第1部分を支持する第1支持部と、可撓性基板の第2部分を支持する第2支持部と、第1支持部と第2支持部との間に設けられた折り曲げ部とを有し、折り曲げ部において可撓性基板とともに折り曲げ可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分および第2部分を有し、前記第1部分および前記第2部分の各々の表面の側に電子回路構成部品が配置された可撓性基板と、
前記可撓性基板の裏面の側に設けられ、前記可撓性基板を支持するホルダと
を備え、
前記ホルダは、
前記可撓性基板の前記第1部分を支持する第1支持部と、
前記可撓性基板の前記第2部分を支持する第2支持部と、
前記第1支持部と前記第2支持部との間に設けられた折り曲げ部とを有し、
前記折り曲げ部において前記可撓性基板とともに折り曲げ可能である
ことを特徴とする電子部品構造。
【請求項2】
前記ホルダは、
前記折り曲げ部において前記可撓性基板とともに略180°折り曲げられることにより、前記第1支持部と前記第2支持部とが互いに重なり合う
ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品構造。
【請求項3】
前記ホルダは、
前記第1支持部と前記第2支持部とを互いに重なり合った状態で固定する固定機構を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子部品構造。
【請求項4】
前記可撓性基板の前記第1部分の前記表面の側に設けられている前記電子回路構成部品である第1操作部と、
前記可撓性基板の前記第2部分の前記表面の側に設けられている前記電子回路構成部品である第2操作部と
を有することを特徴とする請求項2または3に記載の電子部品構造。
【請求項5】
前記第1操作部および前記第2操作部は回転操作可能であり、
前記第1支持部と前記第2支持部とが互いに重なり合った状態で、前記第1操作部の回転中心軸および前記第2操作部の回転中心軸が同軸上に配置される
ことを特徴とする請求項4に記載の電子部品構造。
【請求項6】
前記第1操作部は、
前記ホルダの前記第1支持部と嵌合することにより、前記第1支持部によって回転操作可能に支持されると同時に、当該第1操作部が有する第1可動接点が、前記第1部分に配置されている前記電子回路構成部品である第1固定接点と電気的に接続され、
前記第2操作部は、
前記ホルダの前記第2支持部と嵌合することにより、前記第2支持部によって回転操作可能に支持されると同時に、当該第2操作部が有する第2可動接点が、前記第2部分に配置されている前記電子回路構成部品である第2固定接点と電気的に接続される
ことを特徴とする請求項4または5に記載の電子部品構造。
【請求項7】
前記可撓性基板は、
前記表面の側に前記電子回路構成部品が配置された第3部分を有し、
前記ホルダは、
前記可撓性基板の前記第3部分を支持する第3支持部と、
前記第3支持部と前記第1支持部または前記第2支持部との間に設けられた第2折り曲げ部とを有し、
前記第3支持部が前記第2折り曲げ部において前記第3部分とともに折り曲げ可能である
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品構造。
【請求項8】
前記可撓性基板は、
前記第1部分または前記第2部分から引き出され、前記可撓性基板に配置された複数の前記電子回路構成部品の各々を外部に電気的に接続するための帯状の引出部を有する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電子部品構造。
【請求項9】
基部と、
前記基部によって支持され、レバー操作可能なレバー部と、
前記レバー部の内部に設置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の電子部品構造と
を備える
ことを特徴とするレバー型入力装置。
【請求項10】
前記可撓性基板は、
前記第1部分または前記第2部分から引き出され、前記レバー部の内部において前記レバー部の長手方向に沿って延在し、前記レバー部の根元部分から引き出されて、前記基部に接続される帯状の引出部を有し、
前記レバー部は、
内部に、前記引出部を保持する保持部を有し、
前記可撓性基板の前記引出部は、
前記保持部と前記第1部分または前記第2部分との間に、撓んだ状態で配置される撓み部を有する
ことを特徴とする請求項9に記載のレバー型入力装置。
【請求項11】
前記保持部は、
通常操作時の引張負荷では前記引出部を保持し、通常操作時の引張負荷を超える異常な引張力が掛かった時に、前記撓み部が伸長する前に、前記引出部が解放されるよう前記引出部を保持する
ことを特徴とする請求項10に記載のレバー型入力装置。
【請求項12】
前記保持部は、
突起状を有し、前記引出部に設けられた開口部に嵌め込まれることにより、前記引出部を保持する
ことを特徴とする請求項11に記載のレバー型入力装置。
【請求項13】
第1部分および第2部分を有する可撓性基板と、
前記第1部分を支持する第1支持部、前記第2部分を支持する第2支持部、および前記第1支持部と前記第2支持部との間に設けられた折り曲げ部を有するホルダと
を有する電子部品構造の組立方法であって、
前記ホルダを前記折り曲げ部において前記可撓性基板とともに折り曲げることにより、前記第1支持部および前記第2支持部を互いに異なる方向に向くようにする折り曲げ工程を含む
ことを特徴とする電子部品構造の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品構造、レバー型入力装置、および電子部品構造の組立方法
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両において、ステアリングコラムに設けられたレバー型の入力装置が用いられている。車両の運転者は、レバー型の入力装置を操作することにより、車両に設けられた各種電気部品(例えば、ヘッドライト、ウインカ、ワイパ等)を操作することができる。
【0003】
このような入力装置に関し、例えば、下記特許文献1には、レバー部材に回動可能な複数のスイッチが組み込まれたレバースイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-76326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、設置向きが異なる複数の電子回路構成部品(基板、スイッチノブ等)をレバーに個別に組み込む必要があるため、複数の部品の設置を容易に行うことができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る電子部品構造は、第1部分および第2部分を有し、第1部分および第2部分の各々の表面の側に電子回路構成部品が配置された可撓性基板と、可撓性基板の裏面の側に設けられ、可撓性基板を支持するホルダとを備え、ホルダは、可撓性基板の第1部分を支持する第1支持部と、可撓性基板の第2部分を支持する第2支持部と、第1支持部と第2支持部との間に設けられた折り曲げ部とを有し、折り曲げ部において可撓性基板とともに折り曲げ可能である。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態によれば、設置向きが異なる複数の電子回路構成部品を容易に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るストークスイッチ装置の外観斜視図
図2】一実施形態に係るストークスイッチ装置の外観斜視図
図3】一実施形態に係るストークスイッチ装置が備える操作ユニットの外観斜視図
図4】一実施形態に係るストークスイッチ装置が備える操作ユニットの分解斜視図
図5】一実施形態に係るストークスイッチ装置が備える操作ユニットの分解斜視図
図6】一実施形態に係る操作ユニットが備えるホルダおよびFPCの外観斜視図
図7】一実施形態に係る操作ユニットが備えるホルダおよびFPCの外観斜視図
図8】一実施形態に係るストークスイッチ装置が備えるケースの一部拡大図
図9】一実施形態に係るストークスイッチ装置が備えるケースの一部拡大図
図10】一実施形態に係る操作ユニットの組立方法の手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、便宜上、ストークスイッチ装置10のレバー部14を基準として、レバー部14の長さ方向を左右方向(Y軸方向)とし、レバー部14の幅方向を前後方向(X軸方向)とし、レバー部14の厚さ方向を上下方向(Z軸方向)とする。
【0010】
(ストークスイッチ装置10の概要)
図1および図2は、一実施形態に係るストークスイッチ装置10の外観斜視図である。図2は、レバー部14から操作ノブ124およびカバー14Aが取り外された状態のストークスイッチ装置10を示す。
【0011】
図1および図2に示すストークスイッチ装置10は、「レバー型入力装置」の一例であり、自動車等の車両のステアリングコラム(図示省略)に固定される装置である。ストークスイッチ装置10は、車両が備える各種電気部品(例えば、ヘッドライト、ウインカ、ワイパ等)と電気的に接続されており、ユーザによって操作されることにより、各種電気部品の動作を切り替えることが可能である。
【0012】
ストークスイッチ装置10は、本体部12およびレバー部14を備える。本体部12は、車両のステアリングコラムに組み込まれて固定される部分である。レバー部14は、ステアリングコラムからステアリング軸(図示省略)の径方向に向って概ね直線状に延在し、各種電気部品の動作を切り替えるための、各種レバー操作可能な部分である。レバー部14は、末端部が本体部12によって、上方向(Z軸正方向、図中D1)、下方向(Z軸負方向、図中D2)、前方向(X軸正方向、図中D3)、後方向(X軸負方向、図中D4)の各々に傾倒操作可能に支持されている。
【0013】
レバー部14の先端には、キャップ状の操作ノブ124が回転操作可能に設けられている。操作ノブ124は、電子回路構成部品の一例である第1操作部120の構成部品である。ストークスイッチ装置10は、操作ノブ124によって第1操作部120を回転操作することができ、よって、第1操作部120に対応する電気部品の動作を切り替えることが可能である。
【0014】
また、レバー部14における操作ノブ124よりも末端部側(本体部12側)には、環状の回転部142が回転操作可能に設けられている。回転部142は、電子回路構成部品の一例である第2操作部140の構成部品である。回転部142は、レバー部14の内部(カバー14Aとケース14Bとに囲まれた空間内)に設けられている。回転部142は、カバー14Aに形成さされている開口部14Aaから一部が露出している。これにより、回転部142は、開口部14Aaから露出している一部による回転操作が可能である。ストークスイッチ装置10は、回転部142によって第2操作部140を回転操作することができ、よって、第2操作部140に対応する電気部品の動作を切り替えることが可能である。
【0015】
図2に示すように、第1操作部120および第2操作部140は、レバー部14の先端、且つ、レバー部14の内部(カバー14Aとケース14Bとに囲まれた空間内)において、レバー部14の長手方向に沿って並べて設けられている。第1操作部120の回転中心軸120Xと、第2操作部140の回転中心軸140Xとは、同軸上に設けられている(図3参照)。第1操作部120および第2操作部140は、互いに一体化することによって、操作ユニット100を構成する。操作ユニット100は、「電子部品構造」の一例である。
【0016】
(操作ユニット100の構成)
図3は、一実施形態に係る操作ユニット100の外観斜視図である。なお、図3は、組み立てられた状態の操作ユニット100を示す。但し、図3は、操作ユニット100の第1操作部120が備える操作ノブ124の図示を省略している。図4および図5は、一実施形態に係る操作ユニット100の分解斜視図である。なお、図4および図5は、展開した状態の操作ユニット100を示す。
【0017】
図3図5に示すように、操作ユニット100は、第1操作部120、第2操作部140、ホルダ160、およびFPC180を備える。
【0018】
第1操作部120は、FPC180の第1部分181の表面181aの側に設けられる。第1操作部120は、回転操作可能である。第1操作部120は、基部121、回転部122、および操作ノブ124を有する。回転部122は、概ね円柱状を有する。回転部122は、基部121に対して回転可能である。第1操作部120は、ホルダ160の第1支持部161と嵌合する。この際、回転部122の底面側に設けられた軸部122A(図5参照)が、第1支持部161の筒部161Aの筒内に挿通される。これにより、第1操作部120は、第1支持部161によって回転操作可能に支持される。同時に、回転部122の底面部に設けられた金属製の第1可動接点123(図5参照)が、第1支持部161上に配置されたFPC180の第1部分181の表面181aの側に設けられている第1固定接点181Aと電気的に接続される。操作ノブ124は、回転部122に取り付けられることにより、回転部122と一体に回転可能になる。なお、回転部122は、基部121との間に設けられたクリック機構(図示省略)により、所定角度回転する毎にクリック操作感を呈示することができる。
【0019】
第2操作部140は、FPC180の第2部分182の表面182aの側に設けられる。第2操作部は、回転操作可能である。第2操作部140は、基部141および回転部142を有する。回転部142は、概ね円柱状を有する。回転部142は、基部141に対して回転可能である。第2操作部140は、ホルダ160の第2支持部162と嵌合する。この際、回転部142の底面側に設けられた軸部142A(図5参照)が、第2支持部162の筒部162Aの筒内に挿通される。これにより、第2操作部140は、第2支持部162によって回転操作可能に支持される。同時に、回転部142の底面部に設けられた金属製の第2可動接点143(図5参照)が、第2支持部162上に配置されたFPC180の第2部分182の表面182aの側に設けられている第2固定接点182Aと電気的に接続される。なお、回転部142は、基部141との間に設けられたクリック機構(図示省略)により、所定角度回転する毎にクリック操作感を呈示することができる。
【0020】
ホルダ160は、樹脂製の部材である。ホルダ160は、第1支持部161、第2支持部162、および折り曲げ部163を有する。
【0021】
第1支持部161は、平板状を有する。第1支持部161は、FPC180の第1部分181の裏面181bの側から、FPC180の第1部分181を支持する。第1支持部161の表面の中央部には、円筒状の筒部161Aが立設されている。筒部161Aは、第1操作部120が有する回転部122の軸部122Aが挿通されることにより、回転部122を回転可能に支持する。
【0022】
第2支持部162は、平板状を有する。第2支持部162は、FPC180の第2部分182の裏面182bの側から、FPC180の第2部分182を支持する。第2支持部162の表面の中央部には、円筒状の筒部162Aが立設されている。筒部162Aは、第2操作部140が有する回転部142の軸部142Aが挿通されることにより、回転部142を回転可能に支持する。
【0023】
折り曲げ部163は、第1支持部161と第2支持部162との間に設けられ、第1支持部161と第2支持部162とを連結する。折り曲げ部163は、折り曲げ(弾性変形)可能である。
【0024】
図4および図5に示すように、ホルダ160は、第1支持部161と第2支持部162とが、同一平面上にある。そして、ホルダ160は、折り曲げ部163においてFPC180とともに折り曲げられることにより、第1支持部161と第2支持部162とがなす開き角度が可変である。また、ホルダ160は、折り曲げ部163において、第1支持部161の裏面と第2支持部162の背面とがなす開き角度が小さくなる折り曲げ方向に、FPC180とともに略180°折り曲げられることにより、第1支持部161の裏面と第2支持部162の裏面とがなす開き角度が略0°となり、第1支持部161の裏面と第2支持部162の裏面とが互いに重なり合う(図6図7参照)。
【0025】
ホルダ160は、第1支持部161と第2支持部162とを互いに重なり合った状態で固定する固定機構164を有する。固定機構164は、第1支持部161の裏面の側に設けられた凹部164Aと、第2支持部162の裏面の側に設けられた凸部164Bとを有する。ホルダ160は、凹部164Aと凸部164Bとが互いに嵌合することにより、第1支持部161と第2支持部162とが互いに重なり合った状態で固定される。但し、これに限らず、第1支持部161と第2支持部162との固定方法は、その他の固定方法を用いてもよい。
【0026】
FPC180は、「可撓性基板」の一例である。FPC180は、薄いフィルム状の配線部材である。図4および図5に示すように、FPC180は、第1部分181、第2部分182、接続部183、および引出部184を有する。図4および図5に示すように、FPC180は、展開した状態において、第1部分181、第2部分182、接続部183、および引出部184が、同一平面上にある。
【0027】
第1部分181は、平面視において四角形を有する部分である。第1部分181の表面181aの側には、少なくとも1つの電子回路構成部品が配置される。なお、「電子回路構成部品」は、前述の第1操作部120および第2操作部140のようにFPC180に実装される電子部品のみならず、下記のようにFPC180に直接設けられる電子接点等を含む。本実施形態では、第1部分181の表面181aの側には、「電子回路構成部品」の一例として、金属製の第1固定接点181A(図4参照)が設けられている。第1部分181の中央部には、円形の開口部181Bが形成されている。第1部分181は、ホルダ160の第1支持部161によって裏面の側から支持される。第1部分181は、ホルダ160の第1支持部161の表面に対して、任意の固定手段(本実施形態では、カシメ)によって固定される。
【0028】
第2部分182は、平面視において四角形を有する部分である。第2部分182の表面182aの側には、少なくとも1つの電子回路構成部品が配置される。本実施形態では、第2部分182の表面182aの側には、「電子回路構成部品」の一例として、金属製の第2固定接点182A(図4参照)が設けられている。第2部分182の中央部には、円形の開口部182Bが形成されている。第2部分182は、ホルダ160の第2支持部162によって裏面の側から支持される。第2部分182は、ホルダ160の第2支持部162の表面に対して、任意の固定手段(本実施形態では、カシメ)によって固定される。
【0029】
接続部183は、第1部分181と第2部分182との間において、第1部分181と第2部分182を接続する。接続部183は、ホルダ160の折り曲げ部163に沿って配置されることにより、ホルダ160の折り曲げ部163とともに折り曲げられる。
【0030】
引出部184は、第2部分182から、第1部分181側とは反対側に直線状に延在する帯状を有する。引出部184の一端部は、第2部分182に接続される。引出部184の他端部は、本体部12に接続される。引出部184は、第1部分181、第2部分182、および接続部183に設けられている各電子回路構成部品を、本体部12を介して外部に電気的に接続するための、複数の配線を有する。
【0031】
また、図4および図5に示すように、ホルダ160は、第3支持部165および第2折り曲げ部166を有する。第3支持部165は、平板状を有する。第3支持部165は、第2折り曲げ部166によって、第2支持部162に連結されている。第3支持部165は、第2折り曲げ部166において略90°折り曲げられることにより、第2支持部162に対して90°の開き角度をなすことができる(図6図7参照)。
【0032】
また、図4および図5に示すように、FPC180は、第3部分185を有する。第3部分185は、接続部183から、接続部183の幅方向に引き出された帯状を有する部分である。第3部分185の表面の側には、少なくとも1つの電子回路構成部品が配置される。本実施形態では、第3部分185の表面の側には、「電子回路構成部品」の一例として、LED185A(図2および図3参照)が実装される。第3部分185は、ホルダ160の第3支持部165によって裏面の側から支持される。第3部分185は、ホルダ160の第3支持部165の表面に対して、任意の固定手段(本実施形態では、カシメ)によって固定される。
【0033】
(ホルダ160によるFPC180の保持構成)
図6および図7は、一実施形態に係る操作ユニット100が備えるホルダ160およびFPC180の外観斜視図である。
【0034】
図6および図7に示すように、ホルダ160は、折り曲げ部163において略180°折り曲げられることによって、第1支持部161の裏面と第2支持部162の裏面とが互いに接触するように、第1支持部161と第2支持部162とが互いに重なり合った状態になることができる。
【0035】
また、図6および図7に示すように、ホルダ160は、FPC180が配置された状態で、折り曲げ部163において略180°折り曲げられることで、FPC180を略180°折り曲げることができる。
【0036】
この際、折り曲げ部163に沿って配置された接続部183が、折り曲げ部163とともに折り曲げられる。これにより、FPC180の第1部分181がホルダ160の第1支持部161によって支持され、且つ、FPC180の第2部分182がホルダ160の第2支持部162によって支持された状態のまま、第1支持部161の裏面と第2支持部162の裏面とを互いに重なり合った状態にすることができる。
【0037】
すなわち、ホルダ160は、FPC180を保持した状態のまま、当該ホルダ160が略180°折り曲げられることにより、FPC180を略180°折り曲げることができ、よって、第1部分181の表面181aの向きと、第2部分182の表面182aの向きとを、互いに180°異ならせることできる。そして、ホルダ160は、固定機構164によって略180°折り曲げられた状態に固定されることにより、図6および図7に示す状態を維持することができる。
【0038】
また、ホルダ160は、略180°折り曲げられた状態で、第1支持部161の筒部161Aと、第2支持部162の筒部162Aとが同軸上に位置する。これにより、ホルダ160は、第1支持部161に取り付けられる第1操作部120の回転中心軸120Xと、第2支持部162に取り付けられる第2操作部140の回転中心軸140Xとを、同軸上にすることができる(図3参照)。
【0039】
また、図6および図7に示すように、ホルダ160は、第3支持部165が、第2折り曲げ部166において略90°折り曲げられることにより、第2支持部162に対して90°の開き角度をなすことができる。これにより、ホルダ160は、第3支持部165によって支持されているFPC180の第3部分185を、FPC180の接続部183に対して略90°折り曲げることができる。よって、ホルダ160は、FPC180の第3部分185に実装されるLED185Aの向きを、第2支持部162に取り付けられる第2操作部140の向きと略90°異ならせることができる。
【0040】
(操作ユニット100の組み込み)
図8および図9は、一実施形態に係るストークスイッチ装置10が備えるケース14Bの一部拡大図である。図8は、操作ユニット100が組み込まれていない状態のケース14Bを示す。図9は、操作ユニット100が組み込まれた状態のケース14Bを示す。
【0041】
図8に示すように、ケース14Bは、先端側から順に、収容部14Ba、収容部14Bb、および収容部14Bcを有する。収容部14Baは、第1操作部120が所定の向きで収容される。収容部14Bbは、ホルダ160が所定の向きで収容される。収容部14Bcは、第2操作部140が所定の向きで収容される。
【0042】
図9に示すように、操作ユニット100は、第1操作部120、第2操作部140、LED185A、ホルダ160、およびFPC180が一体化した状態に組み立てられることにより、ケース14Bに対して、第1操作部120、第2操作部140、およびLED185Aの各々が所定の方向を向いた状態で、第1操作部120、第2操作部140、LED185A、ホルダ160、およびFPC180を一括して組み込むことができる。
【0043】
(操作ユニット100の組立方法の手順)
図10は、一実施形態に係る操作ユニット100の組立方法の手順を示すフローチャートである。
【0044】
まず、作業者は、ホルダ160にFPC180を配置する(ステップS201:配置工程)。
【0045】
具体的には、作業者は、ホルダ160の第1支持部161の表面に、FPC180の第1部分181を配置する。この際、作業者は、第1支持部161の筒部161Aを、第1部分181の開口部181Bに挿通させることにより、第1支持部161に対して第1部分181を容易に位置決めすることができる。また、作業者は、第1支持部161の表面に設けられた突起161B(図6参照)を第1部分181に設けられた孔に挿通させてカシメることにより、第1支持部161に対して第1部分181を固定することができる。
【0046】
また、作業者は、ホルダ160の第2支持部162の表面に、FPC180の第2部分182を配置する。この際、作業者は、第2支持部162の筒部162Aを、第2部分182の開口部182Bに挿通させることにより、第2支持部162に対して第2部分182を容易に位置決めすることができる。また、作業者は、第2支持部162の表面に設けられた突起162B(図7参照)を第2部分182に設けられた孔に挿通させてカシメることにより、第2支持部162に対して第2部分182を固定することができる。
【0047】
また、作業者は、ホルダ160の第3支持部165の表面に、FPC180の第3部分185を配置する。この際、作業者は、第3支持部165の表面に設けられた突起165A(図6および図7参照)を第3部分185に設けられた孔に挿通させてカシメることにより、第3支持部165に対して第3部分185を固定することができる。
【0048】
なお、第1部分181、第2部分182、および第3部分185の固定に関し、カシメの位置や数は適宜設けられる。また、第1部分181、第2部分182、および第3部分185の固定は、その他の固定方法(例えば、粘着材、接着剤等を用いた固定方法、操作部の基部等他の部材で1部を押圧する固定方法等)を用いてもよい。
【0049】
次に、作業者は、ホルダ160の第1支持部161に第1操作部120を取り付ける(ステップS202:第1取付工程)。本実施形態では、作業者は、スナップフィット機構により、第1操作部120の基部121を、第1支持部161に対して押し込んで嵌め込むことで、第1支持部161に対して第1操作部120を容易に取り付けることができる。
【0050】
次に、作業者は、ホルダ160の第2支持部162に第2操作部140を取り付ける(ステップS203:第2取付工程)。本実施形態では、作業者は、スナップフィット機構により、第2操作部140の基部141を、第2支持部162に対して押し込んで嵌め込むことで、第2支持部162に対して第2操作部140を容易に取り付けることができる。
【0051】
次に、作業者は、FPC180とともにホルダ160を折り曲げ部163において略180°折り曲げる(ステップS204:折り曲げ工程)。これにより、作業者は、ホルダ160によって支持されている第1操作部120および第2操作部140を、互いに略180°異なる方向を向くようにする。
【0052】
次に、作業者は、ホルダ160の固定機構164によって、ホルダ160の第1支持部161と第2支持部162とを互い重なり合った状態で固定する(ステップS205:固定工程)。本実施形態では、作業者は、スナップフィット機構により、第1支持部161の裏面の側に設けられた凹部164Aに対して、第2支持部162の裏面の側に設けられた凸部164Bを押し込んで嵌め込むことにより、第1支持部161と第2支持部162とを互いに重なり合った状態で固定できる。
【0053】
次に、作業者は、FPC180の第3部分185とともにホルダ160の第3支持部165を第2折り曲げ部166において略90°折り曲げる(ステップS206:第2折り曲げ工程)。これにより、作業者は、第3部分185に実装されるLED185Aの向きを、第2支持部162によって支持されている第2操作部140の向きに対して略90°異ならせることができる。なお、ステップS206の折り曲げ作業は、操作ユニット100をケース14Bに組み込んだ後に行うこともできる。
【0054】
以上の手順により、作業者は、操作ユニット100を、図3に示すように、第1操作部120、第2操作部140、LED185Aの各々が所定の向きを向いた状態で、第1操作部120、第2操作部140、LED185A、ホルダ160、およびFPC180が一体化した状態にすることができる。
【0055】
特に、一実施形態に係る操作ユニット100は、ホルダ160が展開した状態で、ホルダ160に第1操作部120および第2操作部140を同じ方向から取り付けることができるため、当該取り付け作業を容易に行うことができる。また、当該取り付け作業の後に、ホルダ160を略180°折り曲げるだけで、第1操作部120の設置向きおよび第2操作部140の設置向きを、互いに略180°異ならせることができる。したがって、一実施形態に係る操作ユニット100によれば、設置向きが互いに異なる複数の電子回路構成部品の設置を容易に行うことができる。
【0056】
(FPC180の応力吸収構成)
以下、図9を参照して、FPC180の応力吸収構成について説明する。図9に示すように、一実施形態に係るストークスイッチ装置10は、レバー部14のケース14Bが、当該ケース14Bの空間内における本体部12側の端部(すなわち、レバー部14の根元部分)に、一対の保持部14Cを有する。一対の保持部14Cは、円柱状且つ突起状を有し、FPC180の引出部184の本体部12側の端部に形成されている一対の円形の開口部184Aが嵌め込まれることで、FPC180の引出部184の本体部12側の端部を保持する。なお、レバー部14のケース14Bは、一対の保持部14Cに限らず、1つまたは3つ以上の保持部14Cを有してもよい。
【0057】
また、一実施形態に係るストークスイッチ装置10は、ケース14Bの空間内において、FPC180の引出部184が、撓み部186を有する。撓み部186は、引出部184の保持部14Cと、引出部184の他端部(第2部分182側の端部)との間(すなわち、一対の保持部14Cよりも内側)に設けられている。
【0058】
本構成により、一実施形態に係るストークスイッチ装置10は、例えば操作や事故等でレバー部14に異常な荷重がかかり、レバー部14が根元から折れてFPC180の引出部184に引張力が加わった場合に、初めに、引出部184における一対の開口部184Aの周囲の狭幅部184B(図9参照)が切れることで、保持部14Cによる引出部184の保持が解除され、続いて、撓み部186が伸張する。これにより、一実施形態に係るストークスイッチ装置10は、FPC180の引出部184に加わる引張力を段階的に吸収することができる。このため、一実施形態に係るストークスイッチ装置10は、FPC180の引出部184の他端部に接続されている複数の部品に引張力が加わって当該複数の部品が散らばってしまうことを抑制することができる。また、従来は異常荷重がかかった時に引張力をより吸収するためにはFPCの撓みを長くとる必要があったが、そうするとレバー操作時にケースとFPCとの擦り音が発生する時があるため、本構成においては通常時は、保持部14CにFPC180が保持されて撓み部186がレバー内部の領域内にあるので、レバー傾倒操作時にレバー部14と根元部分との相対運動によるFPC180の動きが、撓み部186のFPC180に影響を与えないため、ケースとの擦り音等気にすることなく、撓み部186のFPC180の長さを自由に設定できる。
【0059】
なお、保持部14Cは、上記構成(引出部184の開口部184Aに嵌め込まれる突起状を有する構成)に限らず、例えば、保持部14Cは、FPC180の引出部184を挟持することにより、引出部184を保持する構成を有してもよい。引出部184を保持する構成は、通常操作時の引張負荷ではFPC180を保持し、通常操作時の引張負荷を超える異常な引張力が掛かった時に撓み部186が伸張する前にFPC180が解放されるような機構であれば、他の構成でもよい。また、本実施例では、保持部14Cと撓み部186とがレバー部14の内部に設けられているが、これに限らず、保持部14Cと撓み部186とが本体部12の内部にあってもよい。この場合、保持部14Cは撓み部186よりもレバー部14に近い方のFPC180を保持してもよい。
【0060】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0061】
例えば、「可撓性基板」の「第1部分」、「第2部分」、および「第3部分」の各々に配置される「電子回路構成部品」は、少なくとも電子回路の一部を構成するものであれば、如何なる構成部品であってもよい。例えば、「電子回路構成部品」は、固定接点、LED、センサ、スイッチ、マイク、スピーカ、ディスプレイ、IC等であってもよい。
【0062】
また、本実施例では、「第1部分」および「第2部分」の双方に操作部が設けられる例を示しているが、操作部は「第1部分」または「第2部分」のいずれか一方のみに設けられても良い。この場合、他方の部分には、電子回路構成部品が配置された電子回路のみ、あるいは、レンズや導光体等の部品が配置されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 ストークスイッチ装置(レバー型入力装置)
12 本体部
14 レバー部
14A カバー
14Aa 開口部
14B ケース
14C 保持部
100 操作ユニット
120 第1操作部
120X 回転中心軸
121 基部
122 回転部
122A 軸部
123 第1可動接点
124 操作ノブ
140 第2操作部
140X 回転中心軸
141 基部
142 回転部
142A 軸部
143 第2可動接点
160 ホルダ
161 第1支持部
161A 筒部
161B 突起
162 第2支持部
162A 筒部
162B 突起
163 折り曲げ部
164 固定機構
164A 凹部
164B 凸部
165 第3支持部
165A 突起
166 第2折り曲げ部
180 FPC
181 第1部分
181a 表面
181b 裏面
181A 第1固定接点
181B 開口部
182 第2部分
182a 表面
182b 裏面
182A 第2固定接点
182B 開口部
183 接続部
184 引出部
184A 開口部
184B 狭幅部
185 第3部分
186 撓み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10