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特開2023-162420リモートデバイスへのバッチ及び連続プロセス制御データの分散のためのシステム及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162420
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】リモートデバイスへのバッチ及び連続プロセス制御データの分散のためのシステム及び装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
G05B23/02 T
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144461
(22)【出願日】2023-09-06
(62)【分割の表示】P 2018111141の分割
【原出願日】2018-06-11
(31)【優先権主張番号】15/623,653
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/722,587
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジェイ. ニクソン
(72)【発明者】
【氏名】デビッド アール. デニソン
(72)【発明者】
【氏名】ホア ヴァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル アール. ストリンデン
(72)【発明者】
【氏名】マリアナ ディオニシオ
(72)【発明者】
【氏名】キム オーディーン ヴァン ケンプ
(72)【発明者】
【氏名】シンディ スコット
(57)【要約】
【課題】プロセスプラントのプロセス制御システムからリモートコンピューティングデバイスへとバッチプロセスデータを提供する。
【解決手段】リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータのリストを作成する要求を受信することと、提供されるバッチデータの選択を容易にする選択インターフェースを提示することと、バッチプロセスデータを提供するためのバッチエグゼクティブの選択を、選択インターフェースを介して受信することと、を含む。また、1つ以上のフィルタ基準を選択インターフェースを介して受信することと、バッチエグゼクティブから利用可能なデータにフィルタ基準を適用して、リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータのリストに含まれるデータのセットを決定することと、モバイルデバイスに提供されるバッチデータのリストに関連付けられるデータのセットの指標をモバイルサーバに送信することと、を含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラントのプロセス制御システムからリモートコンピューティングデバイスへとバッチプロセスデータを提供する方法であって、
前記リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータのリストを作成する要求を第1のコンピューティングデバイスで受信することと、
前記リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータの選択を容易にするための選択インターフェースをユーザに提示することと、
そこから前記バッチプロセスデータを提供するためのバッチエグゼクティブの選択を、前記選択インターフェースを介して前記第1のコンピューティングデバイスで受信することであって、前記バッチエグゼクティブが、前記プロセスプラント内のコントローラ上で動作している、受信することと、
1つ以上のフィルタ基準を、前記選択インターフェースを介して前記第1のコンピューティングデバイスで受信することと、
前記第1のコンピューティングデバイスにおいて、前記バッチエグゼクティブから利用可能なデータに前記フィルタ基準を適用して、前記リモートコンピューティングデバイスに提供される前記バッチデータのリストに含まれるデータのセットを決定することと、
前記モバイルデバイスに提供される前記バッチデータのリストに関連付けられる前記データのセットの指標を、モバイルサーバに送信することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記フィルタ基準が、バッチID、レシピ、処方、状態、領域、設備、装置、フェーズ、及び障害を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バッチエグゼクティブから利用可能な前記データに前記フィルタ基準を適用して前記データのセットを決定することが、プロンプト及び/または障害が生成され得るデータのセットをもたらし、
1つ以上のユーザの選択を受信して、前記プロンプト及び/または障害の通知を受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
遅延時間の選択を受信することをさらに含み、前記遅延時間が、前記選択された1つ以上のユーザに通知が送信される前に、プロンプトがアクティブなままであるべき時間を特定する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
モバイルコンピューティングデバイス上のマイクロプロセッサ用に最適化された機械可読命令を記憶する有形の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記マイクロプロセッサによって実行されると、
グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示することと、
前記GUIを介して、閲覧するための1つ以上の項目の選択を受信することであって、前記1つ以上の項目の各々が、プロセス制御システム内で実行中のバッチプロセスに関連する、受信することと、
前記1つ以上の項目の前記選択を、インターネットまたは携帯電話データ接続のいずれかを介してモバイルサーバに送信することと、
前記選択された1つ以上の項目に対応する複数のリアルタイム値を、前記インターネットまたは前記携帯電話データ接続のいずれかを介して前記モバイルサーバから受信することと、
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することと、を前記マイクロプロセッサに行わせる、有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、バッチエグゼクティブによって実行されている1つ以上のバッチを表示することを含む、請求項5に記載の有形の
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、複数のバッチのステータスデータについて表示することを含む、請求項5に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記ステータスデータが、前記複数のバッチの各々についての経過実行時間を含む、請求項7に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
プロンプトまたは障害が存在する前記複数のバッチの各々について、プロンプト及び/または障害が存在するという指標を表示することをさらに含む、請求項7に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記複数のバッチの各々について、前記バッチに関連付けられるバッチレシピを表示することをさらに含む、請求項7に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
複数のバッチの表示と、前記複数のバッチに関連付けられる機器のリストの表示と、前記複数のバッチに関連付けられるアクティブなプロンプトのリストの表示との間で前記ディスプレイを切り替えるコントロールを前記GUI上に提供することをさらに含む、請求項6に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、バッチエグゼクティブによって実行されている1つ以上のバッチを表示することを含み、
前記1つ以上のバッチのうちの1つの選択を受信することと、
前記バッチのうちの前記選択された1つについて、前記バッチのうちの前記選択された1つに関連付けられる1つ以上の単位手順のリストを表示することと、をさらに含む、請求項5に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記1つ以上の単位手順のうちの1つの選択を受信することと、
前記単位手順のうちの前記選択された1つについて、前記単位手順のうちの前記選択された1つに関連付けられる1つ以上のオペレーションのリストを表示することと、をさらに含む、請求項12に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記1つ以上のオペレーションのうちの1つの選択を受信することと、
前記オペレーションのうちの前記選択された1つについて、前記オペレーションのうちの前記選択された1つに関連付けられる1つ以上のフェーズのリストを表示することと、をさらに含む、請求項13に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記1つ以上のフェーズのうちの1つの選択を受信することと、
前記フェーズのうちの前記選択された1つについて、少なくとも前記フェーズのステータス、前記フェーズのパラメータ、ならびに/または前記フェーズに関連するプロンプト及び/もしくは障害を含むフェーズ詳細を表示することと、をさらに含む、請求項14に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記プロセス制御システム内で実行中のバッチプロセスに関連付けられるプロンプトを表示することと、
前記モバイルデバイスの前記ユーザによる前記表示されたプロンプトの認識を容易にするために、コントロールを表示することと、をさらに含む、請求項5に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、バッチに関連するステータスデータについて、前記ステータスがアクティブとなった時間を表示することを含む、請求項5に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、オペレーションの詳細を表示することを含み、前記オペレーションの前記詳細が、前記オペレーションがアクティブとなっている装置を含む、請求項5に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、単位手順の詳細を表示することを含み、前記単位手順の前記詳細が、前記オペレーションがアクティブとなっている装置を含む、請求項5に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記ディスプレイが切り替わって前記複数のバッチに関連付けられる機器のリストを表示するように前記コントロールが選択されると、前記ディスプレイが、各機器について、前記機器上で何個のフェーズがアクティブとなっているかをさらに示す、請求項11に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記ディスプレイが切り替わって前記複数のバッチに関連付けられるプロンプトのリストを表示するように前記コントロールが選択されると、前記ディスプレイが、各プロンプトについて、前記プロンプトのテキスト及び前記プロンプトがアクティブとなっている時間をさらに示す、請求項11に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、バッチプロセス制御環境のモバイル監視、具体的には、バッチ及び連続プロセス制御システムの、複数のモバイルデバイス上でのカスタマイズ可能なリアルタイムの把握を提供するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
分散型制御システム(distributed control system、DCS)は、化学、石油化学、精製、製薬、飲食品、電力、セメント、上下水道、油及びガス、パルプ及び紙、鋼鉄を含む様々なプロセス産業において使用され、単一の位置で、または遠隔地で動作するバッチ、フェドバッチ、及び連続プロセスを制御するために使用される。プロセスプラントは、典型的には、アナログ、デジタル、もしくはアナログ/デジタル一体型バスを介して、または無線通信リンクもしくはネットワークを介して、1つ以上のフィールドデバイスと通信可能に連結した1つ以上のプロセスコントローラを含む。集合的には、様々なデバイスは、監視、制御、及びデータ収集機能を行って、プロセス、安全停止システム、火災及びガス検知システム、機械健全性監視システム、保守システム、意思決定支援、ならびに他のシステムを制御する。
【0003】
例えば、バルブ、バルブポジショナ、スイッチ、及び送信器(例えば、温度、圧力、レベル、及び流速センサ)であり得るフィールドデバイスは、プロセス環境内に配置され、概して、バルブの開放または閉鎖、プロセスパラメータの測定等の物理的機能またはプロセス制御機能を行って、プロセスプラントまたはシステム内で実行中の1つ以上のプロセスを制御する。周知のFieldbusプロトコルに準拠するフィールドデバイス等のスマートフィールドデバイスは、制御計算、アラーム機能、及びコントローラ内で一般に実装される他の制御機能も行い得る。プロセスコントローラも典型的にはプラント環境内に配置され、プロセスコントローラは、フィールドデバイスによって行われるプロセス測定を示す信号及び/またはフィールドデバイスに関する他の情報を受信し、例えば、プロセス制御判断を行い、受信した情報に基づき制御信号を生成し、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、及びFOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールドデバイス等のフィールドデバイスで行われる制御モジュールまたはブロックと連携する、異なる制御モジュールを実行するコントローラアプリケーションを実行する。コントローラの制御モジュールは、通信ラインまたはリンクを通じて、制御信号をフィールドデバイスに送り、それによって、プロセスプラントまたはシステムの少なくとも一部のオペレーションを制御する。
【0004】
フィールドデバイス及びコントローラからの情報は、制御室もしくはより厳しいプラント環境から離れた他の場所に典型的に配置される、オペレータワークステーション、パーソナルコンピュータもしくはコンピューティングデバイス、データヒストリアン、レポートジェネレータ、集中データベース、または他の集中管理コンピューティングデバイス等の1つ以上の他のハードウェアデバイスに対して、通常、データハイウェイを通じて利用可能にされる。これらのハードウェアデバイスの各々は、典型的には、プロセスプラントにわたって、またはプロセスプラントの一部分にわたって集中化される。これらのハードウェアデバイスは、例えば、オペレータが、プロセス制御ルーチンの設定の変更、コントローラもしくはフィールドデバイス内の制御モジュールのオペレーションの修正、プロセスの現在の状態の閲覧、フィールドデバイス及びコントローラによって生成されたアラームの閲覧、担当者の訓練もしくはプロセス制御ソフトウェアの試験を目的としたプロセスの動作のシミュレーション、構成データベースの保守及び更新等の、プロセスの制御及び
/またはプロセスプラントの動作に関する機能を行うことを可能にし得るアプリケーションを実行する。
【0005】
例として、Emerson Process Managementによって販売されている、DeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内の多様な場所に配置された異なる装置内に記憶され、それら異なる装置によって実行される複数のアプリケーションを含む。1つ以上のワークステーションまたはコンピューティングデバイス内に備わる構成アプリケーションは、ユーザによる、プロセス制御モジュールの作成または変更、及びデータハイウェイを経由した、これらのプロセス制御モジュールの、専用分散型コントローラへのダウンロードを可能にする。典型的には、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続された機能ブロックで構成され、これらの機能ブロックは、それに対する入力に基づき制御スキーム内で機能を行い、出力を制御スキーム内の他の機能ブロックに提供するオブジェクト指向プログラミングプロトコル内のオブジェクトである。また、構成アプリケーションは、データをオペレータに対して表示するため、かつプロセス制御ルーチン内の設定点等の設定のオペレータによる変更を可能にするために閲覧アプリケーションが使用するオペレータインターフェースを、構成技師が作成または変更することを可能にし得る。各専用コントローラ、及び一部の場合においては、1つ以上のフィールド装置は、実際のプロセス制御機能を実装するために、それらに割り当てられてダウンロードされた制御モジュールを実行するそれぞれのコントローラアプリケーションを記憶及び実行する。閲覧アプリケーションは、1つ以上のオペレータワークステーション(またはオペレータワークステーション及びデータハイウェイと通信可能に接続された1つ以上のリモートコンピューティングデバイス)上で実行され得、この閲覧アプリケーションは、コントローラアプリケーションからデータハイウェイを経由してデータを受信し、ユーザインターフェースを使用してこのデータをプロセス制御システム設計者、オペレータ、またはユーザに表示して、オペレータのビュー、エンジニアのビュー、技術者のビュー等のいくつかの異なるビューのうちのいずれかを提供し得る。データヒストリアンアプリケーションが、典型的には、データハイウェイにわたって提供されたデータの一部または全てを収集及び記憶するデータヒストリアンデバイスに記憶され、それによって実行される一方で、構成データベースアプリケーションは、現在のプロセス制御ルーチン構成及びそれに関連するデータを記憶するために、データハイウェイに接続されたさらに離れたコンピュータで実行され得る。あるいは、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーション内に配置されてもよい。
【0006】
多くの分散型プロセス制御システムにおいて、プロセスプラント内の各フィールドデバイスに固有のデバイスタグが割り当てられる。固有のデバイスタグは、対応するフィールドデバイスを参照するための容易な手段を提供する。プロセス制御システムの構成中にデバイスタグを使用して、制御モジュール内の機能ブロックへの入力または出力の、それぞれソースまたは行先を特定することができる。各信号タイプには、特定のフォーマットまたは情報のセットが関連付けられ、特定のデバイスのデバイスタグには、特定の信号タイプが関連付けられている場合があり、それによりデバイスタグが機能ブロックの入力または出力に関連付けられている場合に、機能ブロックは、その信号に関連付けられるフォーマット及び情報を知ることができる。フィールドデバイスが、それに関連付けられた複数の信号を有する場合(例えば、バルブは、圧力及び温度の両方を測定し送信する場合がある)、デバイス信号タグは、そのフィールドデバイスの各信号に関連付けられ得る。
【0007】
多様な理由から、プロセス制御システムのデータへのアクセスは、従来、プロセスプラント構内にいるとき、ならびに/またはオペレータワークステーション、コントローラ、データヒストリアン、及び他の機器を連結するデータハイウェイに接続したデバイスを使用しているときにのみ利用可能であった。セキュリティは、プロセス制御システムに関してとりわけ懸念事項であり、そのため、プロセス制御システムのオペレータは一般に、外
部の人物がプロセス制御システムへの被害をもたらすか、製品品質もしくは生存能に影響を及ぼすか、または占有情報にアクセスするかもしくはそれを盗む機会を制限または防止するために、プロセス制御システムを外部ネットワーク環境(例えば、インターネット)から物理的に分離させる。
【0008】
より近年では、プロセスプラントを構成するプロセスネットワーク及びデータハイウェイに直接連結していないときでもスマートフォン等のモバイルデバイスを介してプロセス制御システムからのいくつかの情報をユーザが閲覧することを可能にする少数のモバイルソリューションが出現している。これらのソリューションは、データヒストリアン等の単一のデータソースの監視を可能にし、利用可能なデータは、データヒストリアン内に記憶されたデータ(すなわち、プロセスプラント内の全データの小規模なサブセット)に限定される。さらに、そのようなシステムを介して利用可能なデータでさえも、リアルタイムでは利用できない(これは、データがデータヒストリアンに記憶される頻度に起因する)。さらに、データ利用可能性の遅延、及び利用可能なデータの限定的なサブセットに起因して、現在提供されているモバイルシステムを介してアラームは一般に利用可能ではなく、一部のモバイルシステムではアラームのような機能性が利用可能であり得る程度において、アラームは、プロセス制御システムに「備わって」いない(すなわち、それらは層としてモバイルシステムの上に提供され、実装するために広範で時間のかかる工学技術を要する)か、またはアラームを評価及びトラブルシューティングするために必要なリアルタイムデータ及び履歴データを欠いている。
【発明の概要】
【0009】
本明細書に記載されるシステム及び方法のいくつかの態様は、プロセスプラントのプロセス制御システムからリモートコンピューティングデバイスへのプロセスデータの安全でタイムリーな通信に関する。本システム及び方法は、データ値がプロセス制御システム内のコントローラによって生成または受信されるとプロセスデータをプロセス制御システムからリアルタイムで得るデータサーバからプロセスデータを受信するモバイルサーバを介した、プロセス制御システム内のバッチデータを含む任意のプロセスデータへのリアルタイムでの安全なアクセスを可能にし得る。
【0010】
ある実施形態においては、プロセスプラントのプロセス制御システムからリモートコンピューティングデバイスへとバッチプロセスデータを提供する方法は、リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータのリストを作成する要求を受信することを含む。本方法はまた、リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータの選択を容易にするための選択インターフェースをユーザに提示することと、そこからバッチプロセスデータを提供するためのバッチエグゼクティブの選択を、選択インターフェースを介して第1のコンピューティングデバイスで受信することであって、バッチエグゼクティブが、プロセスプラント内のコントローラ上で動作している、受信することと、を含む。さらに、本方法は、1つ以上のフィルタ基準を、選択インターフェースを介して第1のコンピューティングデバイスで受信することと、第1のコンピューティングデバイスにおいて、バッチエグゼクティブから利用可能なデータにフィルタ基準を適用して、リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータのリストに含まれるデータのセットを決定することと、モバイルデバイスに提供されるバッチデータのリストに関連付けられるデータのセットの指標をモバイルサーバに送信することと、を含む。
【0011】
別の実施形態においては、モバイルコンピューティングデバイス上のマイクロプロセッサ用に最適化された機械可読命令を記憶する有形の非一時的コンピュータ可読媒体は、マイクロプロセッサによって実行されると、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を表示することと、閲覧するための1つ以上の項目の選択をGUIを介して受信することであって、1つ以上の項目の各
々は、プロセス制御システム内で実行中のバッチプロセスに関連する、受信することと、1つ以上の項目の選択を、インターネットまたは携帯電話データ接続のいずれかを介してモバイルサーバに送信することと、をマイクロプロセッサに行わせる。命令はまた、選択された1つ以上の項目に対応する複数のリアルタイム値を、インターネットまたは携帯電話データ接続のいずれかを介してモバイルサーバから受信することと、複数のリアルタイム値をGUI上に表示することと、をマイクロプロセッサに行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書に記載される方法、装置、及びシステムの特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することにより最も良く理解されるであろう。
【0013】
図1A】本明細書による例示的なプロセス制御環境のブロック図である。
図1B】プロセス制御環境における例示的なプロセスを示すフロー図である。
図1C図1Bの例示的なプロセス内の個々の装置のブロック図である。
図1D図1Cの装置における個々のプロセス制御エンティティを示す。
図1E図1Bの例示的なプロセスにおける別のプロセス制御エンティティを通した生成物の流れを示すブロック図である。
図1F】本発明に従って表示され得る2つの例示的なディスプレイグラフィックスを示す。
図1G】本発明に従って表示され得る例示的なウォッチリストを示す。
図1H図1Gのウォッチリスト中の特定の項目に関するデータを示す例示的なディスプレイを示す。
図1I】本明細書による例示的なアラームリストディスプレイを示す。
図1J図1Iのアラームリスト中の特定のアラームについて生成され得るディスプレイを示す。
図1K】デバイスが横向きに回転されたときに示され得る、図1Hにおける情報の代替的なディスプレイを示す。
図1L】本明細書によるプロセス制御環境におけるモバイル情報配信のためのシステムの全体的なアーキテクチャを示すブロック図を示す。
図1M】モバイルデバイス上に表示され得る例示的なホームスクリーンを示す。
図1N】モバイルデバイスのユーザに表示され得るバッチリストを示す。
図2A】プロセスプラントのプロセス制御システムの例示的なデータリスト構成方法のフロー図である。
図2B】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的な構成データ検索方法のフロー図である。
図2C】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なデータサブスクリプション方法のフロー図である。
図2D】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なデータサブスクリプション通信シーケンスのシーケンス図である。
図2E】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なデータサーバ通信方法のフロー図である。
図2F】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なデータサーバ通信シーケンスのシーケンス図である。
図2G】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なモバイルサーバ通信方法のフロー図である。
図2H】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なモバイルサーバ通信シーケンスのシーケンス図である。
図2I】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なビューリストサブスクリプションシーケンスのシーケンス図である。
図2J】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なデータサーバのブロック図である。
図2K】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なモバイルサーバのブロック図である。
図2L】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なモバイルサーバ内部通信アーキテクチャのブロック図である。
図2M】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なアラーム通知方法のフロー図である。
図2N】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なアラーム送信シーケンスのシーケンス図である。
図2O】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なアラーム通知アーキテクチャのブロック図である。
図2P】プロセスプラントのプロセス制御システムにおける例示的なアラーム応答方法のフロー図である。
図2Q】本明細書に記載されるシステム及び方法による例示的なウェブクライアント実装のブロック図である。
図3A】モバイルコンピューティングデバイス上で動作する例示的なGUI生成シーケンスの信号図である。
図3B】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するリストGUIのリストの例示的な表現である。
図3C】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するリストGUIのリストの例示的な表現である。
図3D】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するウォッチリストGUIの例示的な表現である。
図3E】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するウォッチリスト項目GUIの例示的な表現である。
図3F】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するウォッチリスト項目GUIの例示的な表現である。
図3G】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するアラームリストGUIの例示的な表現である。
図3H】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するアラーム項目GUIの例示的な表現である。
図3I】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するウォッチリストGUIを介してウォッチリスト項目を組み合わせるプロセスにおけるステップの例示的な表現である。
図3J】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するウォッチリストGUIを介してウォッチリスト項目を組み合わせるプロセスにおけるステップの例示的な表現である。
図3K】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するウォッチリストGUIを介してウォッチリスト項目を組み合わせるプロセスにおけるステップの例示的な表現である。
図3L】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するウォッチリストGUIを介してウォッチリスト項目を組み合わせるプロセスにおけるステップの例示的な表現である。
図3M】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するウォッチリストGUIを介してウォッチリスト項目を組み合わせるプロセスにおけるステップの例示的な表現である。
図3N】モバイルコンピューティングデバイスによって実装される例示的なリスト構成方法のフロー図である。
図3P】モバイルコンピューティングデバイス上で動作する選択インターフェースの例示的な表現である。
図3Q】モバイルコンピューティングデバイス上で動作する検索インターフェースの例示的な表現である。
図3R】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するフィルタインターフェースの例示的な表現である。
図3S】モバイルコンピューティングデバイスによって実装される例示的なユーザアクセス構成方法のフロー図である。
図3T】モバイルコンピューティングデバイス上で動作するユーザアクセスインターフェースの例示的な表現である。
図4A】特定のバッチに関連付けられる単位手順を示す例示的なディスプレイである。
図4B】単位手順に関連付けられるオペレーションを示す例示的なディスプレイである。
図4C】オペレーションに関連付けられるフェーズを示す例示的なディスプレイである。
図4D】オペレーションに関連付けられるパラメータを示す例示的なディスプレイである。
図4E】フェーズの詳細を示す例示的なディスプレイである。
図4F】一群のバッチに関連付けられる機器を示す例示的なディスプレイである。
図4G】機器の一部に関連付けられるフェーズを示す例示的なディスプレイである。
図4H】機器の一部に関連付けられるパラメータを示す例示的なディスプレイである。
図4I】一群のバッチに関連付けられるプロンプトを示す例示的なディスプレイである。
図4J】プロンプトの詳細を示す例示的なディスプレイである。
図4K】バッチデータのリストを構成する方法を示すフロー図である。
図4L】モバイルサーバへのバッチデータの提供を可能にするためのユーザインターフェースである。
図4M】バッチリストのプロパティを設定するための例示的なインターフェースである。
図4N】モバイルデバイス上に出現するデータを選択するためにフィルタリングするための例示的なインターフェースである。
図4O】モバイルデバイス上に出現するパラメータを特定するための例示的なインターフェースである。
図4P】プロンプトの通知を受信するユーザを選択するための例示的なインターフェースである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記のように、既知の分散型プロセス制御システムは、プロセス制御システムに関連付けられるオペレータ、保守要員、及び他の者が、オペレータワークステーションから離れている、かつ/またはプロセスプラントの物理的位置から離れているときに、状況把握を維持する能力を欠いている。結果として、プラント人員は、そこに物理的に存在していない限り、プロセス制御システム及びプロセスプラントのオペレーションを観察することができない。プロセスプラントは典型的に複数のシフトによって動作するため、プロセスプラントの観察及びオペレーションは、1日の間に複数回受け渡しされる。特定のシフトに当たるプラント人員は後続のシフトの人ために書き置きし得る一方で、これらのシフト交代は、プロセス及び機器のオペレーション及び管理において不連続をもたらし、製品品質、プラント効率性、保守、環境安全性、規制対応、及びプロセスプラント管理の他の局面に悪影響をもたらし得る。本明細書に記載されるモバイル情報配信のためのシステム、デバイス、及び方法の実装は、そのようなシフト交代から生じる不連続性及びそれに関連付
けられる問題の多くを軽減し、増大した状況把握をプラント人員に提供し、以下の開示を通して明らかになるであろう追加の利点をもたらすことができる。
【0015】
図1Aは、プロセスプラントに関連付けられるデータへのアクセスを有し、必ずしもプロセスプラント構内に配置されていない、複数のモバイルデバイス14をサポートするためのモバイルサービスインフラストラクチャ12を含む例示的なプロセスプラントネットワーク10を示す。本明細書において詳細に記載されるように、モバイルサービスインフラストラクチャ12は、プロセス制御プラントネットワーク10内で利用可能なプロセスプラントデータのいずれかのモバイルデバイス14へのリアルタイム通信を容易にする一方で、プロセスプラントネットワーク10のセキュリティを維持する。モバイルデバイス14の各々は、他の要素の中でも、ユーザがグラフィカルユーザインターフェース(GUI)18を介してプロセスプラントデータと相互作用することを可能にするためのモバイルデバイス14によって実行可能なアプリケーション16を含む。
【0016】
一般に、プラント人員は、1つ以上のアプリケーション20を利用して、プロセスプラント10及びプロセスプラント10内に実装された分散型制御システム22のオペレーションを監督及び制御する。閲覧または監視アプリケーション20は、一般に、ユーザインターフェースアプリケーションを含み、様々な異なるディスプレイを使用して、オペレータ及び保守技師、ならびに/またはワークステーション30及び32等のワークステーションにおける他のユーザの各々に、プロセスグラフィックスをグラフで描写する。
【0017】
図1Aのプロセスプラント環境はまた、グラフィカル構成システム34を含む。グラフィカル構成システム34は、一般に、グラフィカルディスプレイを含む、プロセスプラントの制御のための制御及び監視スキームの作成を容易にする。グラフィカル構成システム34は、例えば、モジュールを制御し、ライブラリに記憶されたモジュールテンプレート、グラフィカルディスプレイ及びテンプレート、ならびに制御システムの他の態様を制御するために使用され得、かつ後に、制御モジュールのインスタンスをコントローラにダウンロードすることにより、またはプラント10のオペレーション中に、例えばオペレータ及び保守要員に提示されるユーザディスプレイにおいてグラフィカルディスプレイのインスタンスを実行することにより、実際にはプロセスプラントのコントロール内で実行されているインスタンスまたは使用を作成するために使用され得る構成エディタ35を含み得る。当然ながら、グラフィックする構成システム34、構成エディタ35、及び様々な制御モジュール、テンプレート、及びグラフィカルディスプレイは、有形のコンピュータ可読メモリまたは媒体に記憶され得、1つ以上のプロセッサ上で動作して本明細書に記載される機能を行い得る。
【0018】
典型的にそうであるように、図1Aに示される分散型プロセス制御システム22は、1つ以上のコントローラ40を有し、その各々は、例えば、Fieldbusインターフェース、Profibusインターフェース、HARTインターフェース、標準的な4~20maインターフェース等であり得る入力/出力(I/O)デバイスまたはカード48を介して1つ以上のフィールドデバイス44及び46(これらはスマートデバイスであり得る)に接続される。コントローラ40はまた、例えば、Ethernetリンクであり得るデータハイウェイ54を介して1つ以上のホストまたはオペレータワークステーション30~32に連結される。プロセスデータのデータベース58は、データハイウェイ54に接続され得、プロセス変数、プロセスパラメータ、ステータス、ならびにコントローラ、フィールドデバイス、及びプラント10内の任意の他のデバイスに関連付けられる他のデータを収集及び記憶するように動作する。プロセスプラント10のオペレーション中、プロセスデータのデータベース58は、コントローラ40から、及び間接的にデータハイウェイ54を介してフィールドデバイス44~46からプロセスデータを受信し得る。
【0019】
構成データベース60は、コントローラ40及びフィールドデバイス44、46にダウンロードされ、それらに記憶された、プラント10内での分散型制御システム22の現在の構成を記憶する。構成データベース60は、分散型制御システム22の1つまたはいくつかの制御ストラテジ、デバイス44、46の構成パラメータ、プロセス制御機能へのデバイス44、46の割り当て、及びプロセスプラント10に関連する他の構成データを定義するプロセス制御機能を記憶する。構成データベース60はさらに、グラフィカルオブジェクトまたはユーザディスプレイ、ならびに本明細書により詳細に記載されるこれらのオブジェクトまたはディスプレイに関連付けられる構成データを記憶して、プロセスプラント10内の要素の様々なグラフィカル表現を提供してもよい。記憶されたグラフィカルオブジェクトのうちのいくつかは、プロセス制御機能に対応する場合があり(例えば、特定のPIDループから開発されたプロセスグラフィック)、他のグラフィカルオブジェクトは、デバイス固有であり得る(例えば、圧力センサに対応するグラフィック)。
【0020】
データヒストリアン62(別のデータベース)は、イベント、アラーム、コメント、及びオペレータによって取られた行動を記憶する。イベント、アラーム、及びコメントは、個々のデバイス(例えば、バルブ、送信器)、通信リンク(例えば、有線Fieldbusセグメント、WirelessHART通信リンク)、またはプロセス制御機能(例えば、所望の温度設定点を維持するためのPI制御ループ)に関連し得る。さらに、知識レポジトリ64は、参照、オペレータログブックエントリ、ヘルプトピック、またはオペレータ及び保守技師がプロセスプラント10の監督時に有用とみなし得るこれら及び他の文書へのリンクを記憶する。なおさらに、ユーザデータベース66は、オペレータ及び保守技師等のユーザに関する情報を記憶する。各ユーザについて、ユーザデータベース66は、例えば、彼らの組織内での役割、ユーザの統制範囲、ユーザが関わるプロセスプラント10内の領域、作業チームの連携、セキュリティ情報、システム特権、シフト情報等を記憶し得る。
【0021】
データベース58~66の各々は、任意の所望の種類のメモリ、及びデータを記憶するための任意の所望のまたは既知のソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアを有する、任意の所望の種類のデータストレージまたは収集ユニットであり得る。当然ながら、データベース58~66は、別個の物理的デバイス内に存在する必要はない。したがって、いくつかの実施形態においては、データベース58~66のうちのいくつかは、共有されたデータプロセッサ及びメモリ上に実装され得る。一般に、より少ないデータベースまたはより多いデータベースを利用して、図1Aの例示的システムにおけるデータベース58~66によって集合的に記憶され管理されたデータを記憶することも可能である。
【0022】
コントローラ40、I/Oカード48、及びフィールドデバイス44、46は、典型的には、場合により過酷なプラント環境内深くに位置し、その全体に分散されるが、オペレータワークステーション30及び32、ならびにデータベース58~66は、通常、制御室、または制御人員、保守人員、及び様々な他のプラント人員が容易にアクセスできる他の比較的過酷でない環境に位置する。しかしながら、一部の場合においては、データハイウェイ54に連結した携帯型デバイスを使用してこれらの機能を実装してもよく、これらの携帯型デバイスは、典型的には、プラント内の様々な場所に持ち運ばれる。かかる携帯型デバイス、ならびに一部の場合においてはオペレータワークステーション及び他のディスプレイデバイスは、無線通信接続を介してDCS 22に接続されてもよい。これらの携帯型デバイスはモバイルデバイス14とは区別され、それは、モバイルデバイスが必ずしもプロセスプラント構内に存在する必要はなく、データハイウェイ54に直接(有線または無線手段を介して)連結する必要はないことによる。
【0023】
既知のように、例として、Emerson Process Managementによって販売されているDeltaV(商標)コントローラであり得るコントローラ40の
各々は、任意の数の独立して実行される異なる制御モジュールまたはブロック70を使用して、制御ストラテジを実装するコントローラアプリケーションを記憶し、実行する。制御モジュール70の各々は、一般に機能ブロックと称されるもので構成され得、各機能ブロックは、全体的な制御ルーチンの一部またはサブルーチンであり、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと共に動作して、プロセスプラント10内でプロセス制御ループを実装する。周知のように、オブジェクト指向プログラミングプロトコル中のオブジェクトであり得る機能ブロックは、典型的には、送信器、センサ、もしくは他のプロセスパラメータ測定デバイスに関連付けられるもの等の入力機能、PID、ファジー論理等の制御を実行する制御ルーチンに関連付けられるもの等の制御機能、またはバルブ等の何らかのデバイスのオペレーションを制御して、プロセスプラント10内で何らかの物理的機能を行う出力機能のうちの1つを行う。言うまでもなく、ハイブリッド及び他の種類の複雑な機能ブロック、例えばモデル予測コントローラ(MPC)、オプティマイザ等が存在する。Fieldbusプロトコル及びDeltaVシステムプロトコルが、オブジェクト指向プログラミングプロトコル中で設計され実装された制御モジュール及び機能ブロックを使用する一方、制御モジュールは、例えば、逐次機能ブロック、ラダーロジック等を含む任意の所望の制御プログラミングスキームを使用して設計され得、機能ブロックまたは任意の他の特定のプログラミング技法を使用した設計及び実装に限定されない。コントローラ40の各々はまた、Emerson Process Managementによって販売されているアプリケーションのAMS(登録商標)スイートをサポートしてもよく、予測知能を使用して、機械設備、電気系統、プロセス機器、計器、非スマート及びスマートフィールドデバイス44、46等を含むプロダクションアセットの可用性及び性能を改善させ得る。
【0024】
記載したように、DCS 22は、制御室中のワークステーション(複数可)30、32に通信可能に連結したコントローラ40のうちの1つ以上を含む。コントローラ40は、ワークステーション30、32を介して実装されるプロセス制御ストラテジを実行することによって、プロセス領域におけるフィールドデバイス44、46の制御を自動化する。例示的なプロセスストラテジは、圧力センサフィールドデバイスを使用して圧力を測定することと、圧力測定に基づいてフローバルブを開閉するようにバルブポジショナに命令を自動送信することとを伴う。I/Oカード48は、フィールドデバイス44、46から受信した情報をコントローラ40と互換性のあるフォーマットに翻訳し、コントローラ40からの情報をフィールドデバイス44、46と互換性のあるフォーマットに翻訳する。
【0025】
I/Oカード48を通じて、コントローラ40は、コントローラ40にダウンロードされた制御モジュール70に従って、フィールドデバイス44、46と通信し得る。制御モジュール70は、構成システム34を使用してプログラミングされる。構成システム34において、エンジニアは、例えば、1つ以上の機能ブロックのインスタンスを生成することによって、制御モジュール70を作成し得る。例として、構成エンジニアは、AI機能ブロックのインスタンスを生成して、フィールドデバイス44、46のうちの1つからアナログ入力を受信し得、このAI機能ブロックは、フィールドデバイス44、46のアナログ出力に関連付けられる多様な値(例えば、信号値、アラーム上下限、信号ステータス等)を受信し得る。AI機能ブロックは、対応する信号を別の機能ブロック(例えば、比例・積分・微分(proportional-integral-dirivative、PID)制御機能ブロック、カスタム機能ブロック、表示モジュール等)に出力し得る。AI機能ブロックのインスタンスが生成されると、機能ブロックをフィールドデバイス44、46に関連付けられる固有のデバイスタグと関連付けることは、機能ブロックがコントローラ40にダウンロードされると、機能ブロックに、適切なI/Oカード48と協働して、正しいフィールドデバイス44、46からの情報を処理させる。
【0026】
図1Aに示されるプラントネットワーク10において、コントローラ40に接続された
フィールドデバイス44、46は、標準4~20maデバイスであってもよく、プロセッサ及びメモリを含む、HART(登録商標)、Profibus、またはFOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールドデバイス等のスマートフィールドデバイスであってもよく、または任意の所望の種類のデバイスであってもよい。これらのデバイスのうちのいくつか、例えばFieldbusフィールドデバイス(図1Aにおいて参照番号46でラベル付けされる)は、コントローラ40内に実装された制御ストラテジに関連付けられるか、またはプロセスプラント内でデータ収集、動向、アラーム、較正等の他のアクションを行うモジュールまたはサブモジュール、例えば機能ブロックを記憶し実行し得る。図1Aにおいて2つの異なるFieldbusフィールドデバイス46内に配設して示される機能ブロック72は、周知であるように、コントローラ40内で制御モジュール70の実行と共に実行されて、プロセス制御を実行し得る。当然ながら、フィールドデバイス44、46は、センサ、バルブ、送信器、ポジショナ等の任意の種類のデバイスであり得、I/Oデバイス48は、任意の所望の通信またはコントローラプロトコル、例えばHART、Fieldbus、Profibus等に準拠する、任意の種類のI/Oデバイスであり得る。
【0027】
続けて図1Aを参照すると、ワークステーション30及び32は、プラント10内の人員によって行われる様々な異なる機能に使用される様々なアプリケーションを含み得る。ワークステーション30及び32の各々は、様々なアプリケーション、プログラム、データ構造等を記憶するメモリ80と、メモリ80内に記憶されたアプリケーションのいずれかを実行するために使用され得るプロセッサ82とを含む。図1Aに示される例において、ワークステーション30はまた、表示及び閲覧アプリケーション20に加えて、例えば、制御モジュール作成アプリケーション、オペレータインターフェースアプリケーション、ならびに制御モジュール70及び72等の制御ルーチンまたはモジュールを作成し、それらをプラント10の様々なコントローラ40及びデバイス46にダウンロードするために任意の関係する構成エンジニアによってアクセスされ得る他のデータ構造を含み得る1つ以上のプロセスコントローラ構成アプリケーション84を含む。構成アプリケーション84はまた、制御モジュール70を作成するために使用され得る構成エディタ35を有するディスプレイまたはグラフィカル構成システム34を含む。
【0028】
概して、閲覧アプリケーション20は、オペレータが、プロセスプラント10の特定の領域のオペレーションについての特定の情報を提供するように構成された表示モジュールを閲覧し、表示モジュール上の情報に従ってプロセスプラント10のオペレーションを制御することを可能にする。表示モジュールは、ワークステーション30、32上にレンダリングされ、コントローラ40及びフィールドデバイス44、46から受信したリアルタイムプロセスデータを組み込む。本明細書で使用する場合、データの「リアルタイム」通信とは、さらなる些細でない遅延を意図せず導入することなく、処理、ルーティング、及び送信について通常の遅延を有する、電子通信ネットワークを通したデータの電子通信を指す。いくつかの実施形態においては、5秒未満(好ましくは2秒未満)の些細な遅延は、リアルタイムでデータを通信するときにネットワーク輻輳を低減するために導入され得る。表示モジュールは、例えば、オペレータまたは他の使用が、データ値を操作して(例えば、読み込みまたは書き込みを行う)、フィールドデバイス44、46、制御モジュール70、及び機能ブロック72、ならびにDCS 22及びプロセスプラント10全体のオペレーションを監視または変更することを可能にする、任意の種類のインターフェースであり得る。表示モジュールは、ワークステーション30、32のメモリ80内に記憶されてもよく、また構成データベース60内に記憶されてもよい。
【0029】
制御モジュール70、及びいくつかの実施形態において表示モジュールは、構成データベース60内の構成ファイル74の一部であり得る。すなわち、制御モジュール70は、表示モジュールと一緒に、または表示モジュールとは別個に構成ファイル74内に記憶さ
れてもよい。いずれにせよ、構成ファイル74は、一般に、デバイス、デバイスタグ、フレンドリ名、データフォーマット情報(例えば、スケーリング情報、ユニットタイプ等)を含む、DCS 22の構成全体を記憶し、これらの変数は、各制御ループ、定義された制御ストラテジ等に関連付けられる。先に示したように、構成ファイル74はまた、構成ファイル74内に定義された制御ストラテジを実装するように、コントローラ40にダウンロードされ得る。
【0030】
理解されるように、プロセスプラント10は、フィールドデバイス44、46に、制御モジュール70内にプログラミングされた制御ストラテジに従って制御機能を行わせるために、数百、数千、もしくはさらには数千の信号、数百もしくは数千のフィールドデバイス44、46上の送信器(すなわち、センサ)からの出力、及び/またはこれらのフィールドデバイス44、46への入力を含み得る。プラント10は、異なる領域に分割され得、それらの領域の複数が単一のコントローラ40によって制御されてもよく、それらの領域の各々が単一のコントローラまたは複数のコントローラ40によって制御されてもよく、または何らかの組み合わせであってもよい。いずれにせよ、プロセスプラント10を構成するフィールドデバイス44、46は、プロセスプラント10内で複数回にわたって個々に重複する可能性が高い(例えば、任意の種類のバルブの多く、多くのポンプ、多くの加熱器、多くのタンク等があり得る)。フィールドデバイス44、46はまた、物理的領域(「プロセス領域」)内で機能グループへと組み合わされ得、その中で、そのプロセス領域内のフィールドデバイス44、46は、プロセス全体の特定の部分を行う。例えば、特定のプロセス領域は、プロセスの他の部分のために蒸気を生成するための機器を有し得る。プロセス領域内で、類似した構造及び機能を共有する、機器(「プロセス装置」)の重複した一部または一群が存在し得る。例として、蒸気生成プロセス領域内のプロセス装置は、ボイラー及びターボ発電機を含んでもよく、プロセス領域は、このプロセス装置の複数のインスタンスを含み得る。
【0031】
例として、図1Bは、原油を他の燃料油に転換するためのプロセスを示すフロー図100を示す。精製プロセスへのエントリポイントにおいて、原油装置102は、構成要素を分離し、他の装置によるさらなる下流処理のためにそれらを分配する。装置の各々は、ポンプ、圧縮機、熱交換機、反応器、タンク、分離及び蒸留カラム等の多様な機器、ならびに多様なバルブ、送信器、ポンプ等を含み得る。装置の多くは、共通の処理機器を含み得る。例えば、加熱器は、異なる装置に使用され得る。
【0032】
原油装置102のブロック図を示す図1Cを参照すると、原油装置102は、多様なフィールドデバイスを含む。図1Cは、脱塩器104、燃焼加熱器106、精留塔108、ポンプ110、及び容器112、114を示しているが、原油装置102は、図1Cに示されていない他のフィールドデバイス、例えば、温度、レベル、及び圧力送信器、バルブ等も含む。フィールドデバイスの各々、デバイスの各群、各プロセス装置、及び/または各プロセス領域は、プロセスプラント10のオペレーション中にそれをオペレータに示し、かつそのオペレーションに特異的な情報を含むための表示モジュールに使用される対応するディスプレイグラフィックスを有し得る。例えば、燃焼加熱器106は、図1Dに示されるように、限られたパラメータのセットと共に表示モジュール116中に表され得る。
【0033】
図1Dにおいて、燃焼加熱器106は、6個のパラメータと共に示されている。当然ながら、パラメータは、機器の様々な一部について、及びいくつかの場合には機器の異なる使用について異なることになるが(例えば、原油装置102で使用される燃焼加熱器106に含まれるパラメータは、ディーゼル水素化処理装置に使用される燃焼加熱器に含まれるパラメータとは異なり得る)、表示モジュール116に示されるパラメータは、燃料ガス中のO及びNOxレベル(それぞれ118、120)、出力温度122、プロセス流
体流速124、燃料ガス圧力126、及び通風圧力128を含む。
【0034】
別の例として、かつ図1Bに戻って参照すると、原油装置102からのディーゼル燃料出力は、水素化分解装置103へと流れる。ディーゼル水素化分解装置103の構成要素は、図1E中のブロック図130に示され、供給システム132、加熱器及び反応器のセット134、ストリッパ136、及びガスプラント138を含む。当然ながら、図1Eに示される構成要素の各々は、いくつか(または多く)のサブ構成要素から構成され得る。例えば、加熱器及び反応器のセット134は、単一の反応器または複数の反応器を含んでもよい。したがって、反応器134に対応するディスプレイグラフィックスは、単一の反応器または複数の反応器を含んでもよく、図1Fに示されるように、1つの反応器が含まれるか複数の反応器が含まれるかによって異なって表示され得る。図1Fにおいて、ディスプレイグラフィックス140は単一の反応器を示す一方、ディスプレイグラフィックス142は複数の反応器を示す。ディスプレイグラフィックス140及び142の各々について関連付けられるパラメータも示され、これらは、示される機器の特定の配置及び使用によって異なり得ることを理解するべきである。
【0035】
全般的に、図1のプロセスプラント10は、バッチ及び/または連続プロセスを実装するために使用され得る。例えば、製剤加工施設は、バッチプロセスを実装し得る。製剤加工施設は、バッチプロセス技術を使用して、ステップバイステッププロセスを通じて大量の特定の物質、例えば薬物を生成する。これは、精製所を通した天然ガス流の制御に使用されるもの等の連続プロセス技術とは対照的であり、バッチプロセス技術は、生成物を生み出すための別個のステップを特定するレシピ等の、一連の個別の規則的なステップを伴う。例えば、バッチプロセス環境において、最終生成物または所望の生成物は、典型的には、制御レシピとして知られる一連のステップを使用して生み出される。各ステップは、加熱器、コンベヤベルト、タンク、ミキサ等の1つ以上の機器の一部の使用を必要とする場合がある。
【0036】
レシピには、手順、単位手順、及びオペレーションの3つの種類が存在する。各レシピは、一連のステップであり、そのいくつかは他のものと並行して動作し得る。手順は、レシピにおけるステップとして1つ以上の単位手順を含む。単位手順は、レシピにおけるステップとして1つ以上のオペレーションを含む。オペレーションは、レシピにおけるステップとして1つ以上のフェーズを含む。フェーズは、プロセス装置とも呼ばれる機器の一部の上で動作するために利用可能である。機器の一部の上でフェーズを随行するために、レシピはまず、他のレシピがそれらのフェーズを同時に動作することを防止するように、それを「取得」しなければならない。単位手順によって取得された装置は、その装置上で並行してフェーズを実行する複数のオペレーション(単位手順のステップとして)を有し得ることに留意されたい。同じオペレーションもまた、装置上で並行してフェーズを実行することができることに留意されたい。手順は、複数の単位手順を定義して、例えば、特定の色のペイントを調製することができる。各単位手順は、異なる混合フェーズを定義することができる。例えば、第1の単位手順は、基剤原料(例えば、ラテックス、油、溶媒等)を混合するために使用される混合前手順を定義することができ、第2の単位手順を使用して中間原料(例えば、結合剤、界面活性剤等)を混合してもよく、別の単位手順を使用して生成物中に有色顔料を混合してもよい。
【0037】
各単位手順のステップは、1つ以上のオペレーションを使用して実装され、各オペレーションのステップは、1つ以上のプロセスフェーズを使用して実装される。プロセスフェーズは、特定のプロセス機器に対応し得る。オペレーションは、複数の装置ではなく、単一の装置のためのフェーズを実行する。つまり、この例は、「オペレーションは、原料添加フェーズ、及びミキサに対応する撹拌フェーズを使用することを伴う場合がある」と言い換えるべきである。添加フェーズは、既にミキサの中にある他の原料に原料を添加する
ことを伴い、撹拌フェーズは、ミキサを制御して原料を混合することを伴う。ミキサが原料を混合し終わった後に、フィールドデバイス44、46を制御して、同じかまたは別のオペレーションの一部として実行され得るミキサの排出フェーズの一部として、混合物がミキサから保持タンクに流れることを可能にする。
【0038】
特定のプラントはまた、実質的に並行して動作する複数のレシピを有し得る。典型的には、製造プラントは、機器の別個の群に論理的に分離されている。各群は、特定の機器を含み、多くの場合、特定のオペレーション用に指定されることになる。各制御レシピは、一般に、全ての情報(例えば、手順構造、レシピパラメータ、必要とされる機器等)を含有し、異なるプロセス領域、装置、ループ、または機器を含む、プロセスの様々な群を制御して、特定の製品を製造する。例えば、1つのレシピは混合桶の使用を必要とし得る一方で、別のレシピは、貯蔵容器における加熱を伴う。これらの制御レシピは、バッチエグゼクティブまたは同等のサブシステムによって、動作中の「バッチ」内にインスタンス化される。動作中のバッチへの制御レシピの実際のインスタンス化は、典型的には、例えば、レシピをバッチエグゼクティブによって使用されるメモリリソース内にロードすることによって制御レシピをバッチエグゼクティブのプロセス内にロードすることを伴い、バッチエグゼクティブは、プロセッサ、ならびに様々なハードウェア及びソフトウェアリソースを含む他のコンピュータリソースを使用して制御レシピを実行する。
【0039】
別の例としては、ワークステーション30、32またはコントローラ40のうちの1つは、概して、フィールドデバイス44、46(すなわち、機器)(ならびに他の機器)の1つ以上のオペレーションが、特定の種類の塩等の製品のバッチを製造するために必要とされる一連の異なるステップ(一般に、フェーズと呼ばれる)を行うように指示する高レベルの制御ルーチンであるバッチエグゼクティブルーチンを実行する。異なるフェーズを実装するためには、バッチエグゼクティブルーチンは、行われるステップ、材料の量、ステップに関連付けられる時間、及びステップの順序を特定するレシピを使用する。1つのレシピのステップには、例えば、適切な材料または原料で反応容器を充填することと、反応容器内の材料を特定の量の時間にわたって特定の温度まで加熱すること、反応容器を空にすること、及びその後反応容器を洗浄して次のバッチランのために準備することが含まれ得る。ステップの各々は、バッチランのフェーズを定義し、コントローラ40内のバッチエグゼクティブルーチンは、これらのフェーズのそれぞれについて異なる制御アルゴリズムを実行することになる。当然ながら、特定の材料、材料の量、加熱温度、時間等は、異なるレシピについて異なり得、結果的に、これらのパラメータは、製造または生成される製品及び使用されるレシピに応じて、バッチランごとに変化し得る。当業者であれば、特定の機器を使用したバッチランのための制御ルーチン及び構成が本明細書に記載されているが、所望であれば、制御ルーチンを使用して、任意の所望のデバイスを制御して任意の他の所望のバッチプロセスランを行うか、または連続プロセスランを行ってもよいことを理解するであろう。
【0040】
精製所または任意のプロセスプラントにおける人員は、典型的には、プロセスプラント全体の監視または制御を担当しない。代わりに、人員は、異なる「責任範囲(spans-of-responsibility)」を有する。上記の例示的な精製プロセスを参照すると、例えば、特定のオペレータは、原油装置及びいくつかのディーゼル水素化処理装置のうちの1つを担当し得る。他のオペレータは、同じ機器の他のセット(例えば、同じプロセス領域内の別の原油装置、別のプロセス領域内の原油装置等)を担当してもよく、いくつかのオペレータは、機器の異なるセット(例えば、ナフサ水素化処理装置)を担当してもよく、なお他のオペレータは、より高いレベルでのプロセスの監視(例えば、精製プロセス全体または出力生成物のうちの1つ以上の特徴の監視)を担当してもよい。各オペレータは、オペレータの責任範囲に従い、異なる表示モジュールを閲覧、監視、及び/または操作し得る。同様の責任範囲を有するオペレータ、例えば、原油装置をそれぞれ
担当する2人のオペレータは、同一の見た目の表示モジュール(それぞれ、各オペレータが担当する原油装置のためのデータを示す)を見ることができ、他のオペレータは、各々の責任範囲に対応するパラメータ、デバイス、及びプロセスの監視及び/または操作を可能にするように適合された(すなわち、設計または構成された)異なる表示モジュールを見ることができる。なお他の人員(例えば、オペレータ以外)は、プロセスプラント内の環境オペレーションを担当してもよく、プロセスプラント内の全ての機器、またはオペレータのうちの1人の責任範囲内の機器に対応するかまたは対応しない機器のサブセットに関連付けられる環境パラメータ、アラート、及びアラームにのみ関与し得る。
【0041】
リアルタイムプロセス変数及びパラメータ、アラーム、警告、アラート、(例えば、構成ファイル74からの)構成情報、制御モジュール70、表示モジュール、(バッチプロセスのための)バッチ情報等を含む、プロセスプラント内のオペレータ及び他の人員にリアルタイムで利用可能なデータ及びディスプレイは、本明細書にわたって集合的に、「プロセスレベルデータ」と呼ばれ、コントローラ40によって記憶されるか、処理されるか、または通信される全てのデータを含み得る。プロセスレベルデータは当然ながら、オペレータに役立つものであるが、プロセスの全体または一部のリアルタイム状態を監視する必要があるかまたは所望し得る保守人員及び他のビジネス人員にも役立つ。
【0042】
本明細書に記載される実施形態においては、人員は、モバイルデバイス14を介してプロセスレベルデータ(及びいくつかの実施形態においては、本明細書の別の箇所にさらに記載される追加のデータ)にアクセスすることができる。これは、例えば、以前に発生した特定の問題を見張るため、またはシフト交代間の連続性のための一部の状況把握を維持するように(すなわち、当人のシフトに戻ったときに以前のシフト中に何が起きたかを知るため)、オペレータが、当人が勤務中でない期間(例えば、別のシフト中)に当人の責任範囲内の機器を監視することを所望する場合に有用であり得る。一方、保守人員は、当人がプロセスプラントに戻った際に対処する必要がある問題について警告されることを望む場合がある。なおさらに、プロセスプラント構内の人員(例えば、「シフト中」のオペレータ)は、現在構内にいない同僚と協働して、プロセスプラントにおける以上状況の診断及び/または解決の助けを受けることができ、プロセスプラントに物理的にいない間にプロセスレベルデータへのアクセスを有することは、そのような協働を容易にし得る。当然ながら、モバイルデバイス14上でのプラントレベルデータの利用可能性からプラント人員が利益を受ける多くの他の理由が存在する。
【0043】
全般的に、企図される実施形態は、モバイルデバイス14のユーザがビューリストを構成することを可能にすることによって、モバイルデバイス14を介したプラントレベルデータへのアクセスを容易にする。ビューリストには、限定ではなく例として、ウォッチリスト、アラームリスト、バッチリスト、ケイ酸リスト、システム診断リスト、デバイスアラートリスト、重要業績評価指標(Key Performance Indicator、KPI)リスト、意思決定支援リスト、及び「リスト」概念の他の派生物が含まれ得る。例えば、図1Mは、ユーザにアクセス可能な多様なビューリスト145を示す、モバイルデバイス14上に表示され得る例示的なホームスクリーン143を示す。ウォッチリスト145の各々は、タイトル/説明147、ステータス情報149、及びインジケータアイコン151を含む。例として、ステータス情報149は、アラームリストの場合、アラームリストの一部であるアクティブ、非アクティブ、及び抑制されたアラームの数、ウォッチリストの場合、リスト上の項目の数及び異常ステータスを有するリスト上の項目の数、ならびにバッチリストの場合、リスト上の実行中のバッチの数及びリスト上の保留中のバッチの数を含む。一方、インジケータアイコン151は、アラームリストの場合、アクティブなアラーム及び/またはまだ認識されていないアラームが存在するかどうか、ウォッチリストの場合、ウォッチされているパラメータ間に異常値が存在すること、ならびにバッチリストの場合、リスト上のバッチ間におけるプロンプトまたは障害の存在(感嘆
符(!)等のアイコンへの異なる修正、及び/もしくは他の記号の存在によって、または障害について赤の感嘆符及びプロンプトについて青の感嘆符の使用等の同じアイコン間の色の違いによって区別され得る)を示すことができる。
【0044】
図1Gは、ディーゼル水素化処理装置103(「DHT1」とラベル付けされる)の例示的なウォッチリスト144を示す。ディーゼル水素化処理装置「DHT1」のウォッチリストは、多様な項目146を含み、これは、モバイルデバイス14のユーザによってカスタマイズされ得、リスと144中の項目の順序もユーザによってカスタマイズされ得る(後述する)。リスト144から、ユーザは、ウォッチリスト項目のうちの1つを選択してその項目についての他の情報を取得し閲覧することができ、これには、図1Hにおけるビュー148に示されるように、履歴値及び他の関連パラメータ、例えば、タグ、モジュール名、フレンドリ名、情報ソースパス、及びウォッチリストから選択される項目に依存し得る他の情報が含まれる。例えば、制御ループの場合、項目には、プロセス値に関連付けられるアラーム及び/または異常状態に加え、プロセス変数自体、その設定点、出力、及びスケールが含まれ得る。本明細書に記載されるように、表示される情報及びそれが表示される方法のほとんどは、ユーザによってカスタマイズ可能である。
【0045】
ユーザがプロセスプラント、例えば、オペレータワークステーション30、32内でできるのと同じように、ユーザは、表示データから関連データへとすぐに移動することができる。例えば、アラームをタップすることによって、ユーザは、図1Iに示されるようにアラームリスト150へ、かつ/またはアラームビュー152(図1Jを参照されたい)へ移動することができ、ユーザはそこからアラームの詳細、例えば、アラーム名、説明、アラームの日時、応答時間、機能分類、アラームをトリガしたプロセス値に関連付けられる傾向、推奨される修正アクション等を閲覧し得る。これは、ワークステーション30、32におけるオペレータが、関連付けられるデータを見るためにアラームをクリックすることによってアラームと相互作用し得る方法と類似している。
【0046】
システムはまた、ユーザに、注意を払うべき主要な判断のリストを提供し得る。これらのリストは、オペレーション、プランニング、保守、資産管理等を関与し得る。判断の優先順位は、急速に変化し、事前に容易に特定することができない状態(通常、非構造化及び半構造化決定問題と呼ばれる)を反映し得る。意思決定支援システムは、完全にコンピュータ化されているか、人力であるか、またはその両方の組み合わせのいずれかであり得る。
【0047】
追加の情報は、実施形態において、図1Kに示されるように、モバイルデバイス14を横向きに回転することによって利用可能となり、情報はナビゲートされ得、タッチジェスチャを使用して拡大/縮小することによってより詳細にまたはより少ない詳細で閲覧され得る。
【0048】
一方、バッチリストの場合、ウォッチリスト及び/またはアラームリストとは異なる情報が表示され得る。図1Nは、モバイルデバイス14のユーザに表示され得るバッチリスト153を示す。バッチリスト153は、本明細書に記載されるように、バッチリスト153に含まれるためにユーザによって選択された複数のバッチ155a~eを表示し得る。バッチリスト153は、バッチ155a~eの各々について、バッチステータス157(例えば、バッチが保留中、実行中、または完了しているかどうか等)、総実行時間159、バッチID161、バッチレシピ163、及びプロンプトまたは障害の存在の指標165(プロンプトまたは障害は、異なる色アイコンまたは異なるアイコン全体によって区別される)を含み得る。バッチリスト153はまた、それぞれ、ユーザが、見るために選択された閲覧バッチと、見るために選択されたバッチに関連する閲覧機器と、見るために選択されたバッチのための閲覧プロンプトとの間で切り替えることを可能にする3つのタ
ブ167a~cを含み得る。
【0049】
さらなる特徴は、インフラストラクチャ及びシステム実装を参照して詳細に記載される。
【0050】
システムアーキテクチャ
次に図1Lを参照すると、ブロック図が、プロセス制御環境におけるモバイル情報配信のためのシステムの全体的なアーキテクチャ152を示す。アーキテクチャは概して、4~6個の異なるネットワークを集合的に含む、プラント/プロセスレベル154、データサービスレベル156、及びモバイルサービスレベル158の3つのレベルに分割され得る。プラント/プロセスレベル154は、コントローラ40をフィールドデバイス44、46に連結するフィールドネットワーク(図示せず)、ならびにコントローラ40をワークステーション30、32、データベース58~66、及びプロセス制御プラント10内の他の構成要素に連結する制御ネットワーク(データハイウェイ54として図1Aに示される)を含む。プラント/プロセスレベル154は、任意に、制御ネットワーク54を他のビジネスレベルアプリケーションに連結し得る中間ネットワーク160を含んでもよい。プラント/プロセスレベル154は、ネットワーク162によってデータサービスレベル156に連結している。データサービスレベル156は、ネットワーク164によってモバイルサービスレベル158に連結している。モバイルサービスレベル158は、インターネット及びまたは携帯電話/データネットワーク等の1つ以上の他のネットワークを含む。層154、156、158の各々、及び実際に、ネットワークの各々は、他のセキュリティ手段に加え、ハードウェア及び/またはソフトウェアファイアウォールによって他のものから分離され得る。階層化アーキテクチャは、様々なネットワーク54、160、162、164等の間の分離を可能にする。
【0051】
プラント/プロセスレベル154において、通信機インターフェース170は、一方の側面でコントローラ40とプロセスプラント10との間のインターフェース、及び他方の側面でデータサービスレベル156を提供する。図1Lにおいて、単一のコントローラ40と(及びしたがって、単一のプロセスプラント10と)通信するものとして単一の通信機インターフェース170が示されているが、通信機インターフェース170は、プロセスプラント10の様々な領域が別個のコントローラ40によって制御される、単一のプロセスプラントを制御する複数のコントローラ40と通信し得る。実施形態において、複数のプロセス制御システム10が、複数の通信機インターフェース170によってデータサービスレベル156に、及びモバイルサービスレベルに158に連結し得ることも企図される。特定の実施形態においては、通信機インターフェース170は、各プロセス制御システム10に連結し、一群の通信機インターフェース170は、データサービスレベル156に連結している。複数の制御システムが、異なる位置(例えば、異なる化学プラント)に物理的に位置し得ることも想起される。
【0052】
通信機インターフェース170は、全体的なインターフェースを、それぞれデータサービス及びモバイルサービスレベル156及び158に提供する、より大きなポータル171の一部であり得る。ポータル171は、ユーザ情報、デバイス及びシステム情報、ならびにソフトウェア/ハードウェアライセンスの構成を容易にすること等の機能を含み得る。
【0053】
プラント/プロセスレベル154においてまた、ファイルインターフェース172は、構成ファイル74をデータサービスレベル156へ伝送するように機能する。いくつかの実施形態においては、ファイルインターフェース172は、プロセスプラント10を構成するために使用されるワークステーション30、32のうちの専用の1つの一部であり、グラフィカル構成システム34及び構成エディタ35等を含む。他の実施形態においては
、ファイルインターフェース172は、通信機インターフェース170の一部であり得る。いずれにせよ、ファイルインターフェース172は、データサービスレベル156に連結し、プロセスプラントの構成データをデータサービスレベル156へ伝送する。
【0054】
データサービスレベル156において、データサーバ174は、集合的に、通信インターフェース170及びファイルインターフェース172からデータを受信し、受信したデータをモバイルサービスレベル158に通信する、いくつかの異なるデータサービス176を含む。プラント/プロセスレベル154から受信し、モバイルサービスレベル158に通信されるデータには、アラーム、プロセスパラメータ、診断、履歴データ、及び構成データが含まれる。様々なデータサービス176はまた、ファイルインターフェース172から受信した構成ファイル74を索引付けする役割を果たす。索引付けオペレーションは、ユーザが、パラメータ名、デバイスタグ、アラーム、またはプロセスプラント10の他のデータについて検索することを可能にし得る、詳細検索能力をサポートするために、モジュールパラメータ及びモジュール階層等の特定の情報について索引付けすることを含み得る。
【0055】
モバイルサーバ178は、モバイルサービスレベル158の中心である。モバイルサーバ178は、モバイルデバイス14への接続をサポートし、モバイルデバイス14がサブスクライブされる様々なリスト(例えば、アラームリスト、ウォッチリスト等)の構成をサポートし、検索能力を提供し、かつモバイル通知を管理する。モバイルサーバ178はまた、データサービス176からの様々なデータへのサブスクリプションの作成及び維持を担当する。モバイルサーバ178は、その一部または全てがインターネット180を利用し得る、Wi-Fi(すなわち、IEEE 802.11プロトコルスイートのプロトコル)及び/またはLTEサービスを含むがこれに限定されないモバイル(「携帯電話」)インフラストラクチャを含み得る多様な無線データ技術のいずれかを介してモバイルデバイス14に連結している。
【0056】
モバイルデバイス14は、Googleによって開発されたAndroidモバイルオペレーティングシステムを実行するモバイルデバイス、Appleによって開発されたiOSモバイルオペレーティングシステムを実行するモバイルデバイス、または現在知られているかもしくは将来的に開発される任意の他のオペレーティングシステムを含み得る。Android及び/またはiOSモバイルオペレーティングシステムを実行するモバイルデバイス14の場合、そのようなサービスの使用に精通しているものであれば容易に理解するように、通知は、AppleまたはGoogle通知サービス182を介してモバイルデバイス14に送達され得る。モバイルサーバ178は、システムレベル及び/またはユーザレベルでの通知サービスの構成を容易にする。
【0057】
モバイル情報配信の構成に関して、モバイルサーバ178は、モバイルデバイス14に備わったモバイルデバイスインターフェースを介していくつかの構成サービスを提供する。モバイルサーバ178はまた、ウェブページを介して(すなわち、ウェブブラウザを使用して)構成オプションを提供する。後に記載されるように、様々なアラームリスト及びウォッチリストは、検索(すなわち、構成ファイル74の索引付けされたデータの検索)及び/またはフィルタを使用し、かつシステム階層情報、機能分類、アラーム優先順位、アラームカテゴリ等を利用して、ウェブインターフェースを介して構成され得る。システムの構成の更なる詳細は、本明細書の後の節において提供される。
【0058】
モバイルサービスレベル158での構成データの可用性は、システムがデータだけでなくデータ間の関係性へのアクセスを有するため、エンドユーザのためのとりわけ豊富なモバイル環境を提供する役割を果たす。例として、アラームのステータス(例えば、アクティブ)またはパラメータ値のステータス(例えば、正常、高い、低い等)のみを有する代
わりに、モバイルサーバ178は、構成ファイル74からの構成データによって、データとデータタイプとの間の文脈的な関係へのアクセスを有する。したがって、システムは、特定のアクティブなアラームが、「高い」パラメータステータスの結果であること、及び同様に、パラメータデータ地が特定の限度を超えているためにパラメータステータスが「高く」なっていることを判定することができる。モバイルサーバ178が利用可能なこの豊富な文脈情報の結果として、ユーザインターフェースは、文脈においてデータを提示するように動作可能であり、例えば、アラームは、リアルタイムデータ及び履歴と共に示され得るか、またはプロセス変数は、現在及び過去の設定点の値、及び任意に、関連するモジュールの関係性と共に示され得、これによりプロセス制御デバイス、機能ブロック等の間の関係に基づいて、ユーザが1つのデータから他の関連するデータに移動することが可能となり得る。
【0059】
プロセスデータ構成及び通信
本明細書の他の箇所により十分に記載されるように、プロセスプラントに関連付けられるプロセスデータをリモートコンピューティングデバイスに提供するためのシステム及び方法が開示される。プロセスデータは、通信機インターフェース170を介したコントローラ40から、プロセスデータベース58からのデータ、あるいはプロセスプラントネットワーク10介して通信されたデータを含み得る。いくつかの実施形態においては、プロセスデータは、データヒストリアン62、知識レポジトリ64内に記憶されたデータ、または特殊サーバ186から受信したデータ等のプロセスプラントに関する追加のデータを含み得るか、またはその追加によって拡張され得る。追加のデータは、プロセスプラントの過去のオペレーションの履歴データ、プラントの過去または現在のオペレーションに関連付けられる要約データ、プロセスプラントで実行中または実行予定のバッチに関連付けられるバッチデータ、プラントのオペレーションに関連付けられるスケジューリングデータ、プロセスプラントに関連付けられる保守データ、プロセスプラントの経済性もしくは収益性に関するビジネスデータ、またはプロセスプラントのオペレーションに関連付けられる他の情報を含んでもよい。プロセスデータ(及び該当する場合、追加のデータ)は、DCS 22等のプロセスプラントの一部またはすべてのオペレーションを制御するプロセス制御システム内の構成要素によって生成された情報によって生成され得るか、またはそれに由来し得る。
【0060】
プロセスデータ(及び任意の追加のデータ)は、データサーバ174及びモバイルサーバ178を通じてリモートコンピューティングデバイスに提供される。データサーバ174は、データサービス176を実装して、プロセス制御ネットワーク162を介してデータを取得し、リモートアクセスネットワーク164を介してモバイルサーバ178と通信することができる。これらのネットワーク162及び164は、既存のファイアウォール166によって分離されていてもよく、それにより既存のネットワークアーキテクチャを使用した安全な通信を可能にする。ネットワーク通信を確保し、プロセス制御システムを不正アクセスから保護するために、特に好ましい実施形態においては、データサーバ174は、モバイルサーバ178から要求されたデータリストのみを受け入れる場合がある。そのような好ましい実施形態においては、データサーバ174は、そのようなリストのためのポーリング要求をモバイルサーバ178に送信してもよい。ポーリング要求に応じて、モバイルサーバ178は、要求されたデータのリストをデータサーバ174に送信してもよい。さらなる実施形態においては、データサーバ174は、要求されたデータリストのみをモバイルサーバ178から受け入れるように構成されてもよく、そのようなリストは、ポーリング要求に応じてのみ受け入れられ得る。例えば、データサーバ174は、モバイルサーバ178への各ポーリング要求の送信後の所定の時間の間にのみ、要求されたデータリストを既知のモバイルサーバ178から受け入れるように構成されてもよい。モバイルサーバ178は、同様に、データサーバ174からのポーリング要求の受信に応じてのみ、データ要求リストのみをデータサーバ174に送信するように構成されてもよい
【0061】
要求されたデータの受信したリストに基づき、データサーバ174は、プロセス制御システムからプロセス制御ネットワーク162を介してプロセスデータを取得し得る。これには、プロセス制御システム内の1つ以上の構成要素からのデータストリーム、例えば特定のコントローラ40またはフィールドデバイス46、48に関連付けられるプロセスデータを要求するかまたはそれにサブスクライムすることが含まれ得る。いくつかの実施形態においては、データサーバ174によって取得されたかまたはモバイルサーバ178に通信されたプロセスデータは、プロセス制御システムからのL1データのみを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「L1データ」とは、プロセスプラントのオペレーションの制御に際して、プロセス制御システムのワークステーション30、32(例えば、ディスプレイグラフィックス及びプロセスエンティティビジュアリゼーション)、コントローラ40、またはフィールドデバイス44~46によって生成されたか、またはそれらによって使用されたか、またはそれらの中のプロセスデータを指す。他の実施形態においては、追加のデータが含まれてもよい。追加のデータが要求されたデータリスト中で要求される場合、データサーバ174は、プロセス制御ネットワーク10を通じて追加の構成要素からのデータをさらに取得し得る。かかる追加のデータには、限定ではなく例として、以下のうちの1つ以上が含まれ得る:重要業績評価指標(KPI)、バッチ情報、保守情報、経済性情報、プロセスプラント内の機器または状態についての情報に関する知識ベース、意思決定支援情報、またはスケジュール情報。データサーバ174は、このようにプロセス制御システムから複数のデータ値を取得する。データ値は、特定のプロセスパラメータ値、例えば、センサ出力値、プロセスフロー値、材料の入力または出力値、機器動作状態値、得られたかもしくは推測された値、制御モジュールパラメータ値、またはオペレータワークステーション30、32に使用され得るグラフィックディスプレイ要素を含む、プロセス制御システムによって生成されたかもしくはその内部で維持されたデータの種類の任意の他の値を示し得る。データ値がプロセス制御システムから取得されると、続いてデータサーバ174は、モバイルサーバ178に送るリスト中に示される要求されたデータに対応する受信したデータ値のいずれかを識別または選択し得る。続いて、データサーバ174は、リモートアクセスネットワーク164を介してモバイルサーバ178へと識別したデータ値を通信する。好ましい実施形態においては、データサーバ174は、要求されたプロセスデータ値を受信し、それらが利用可能になると(すなわち、通常の通信遅延のみを伴ってプロセスデータ値がプロセス制御システム内で生成されると)、それらをモバイルサーバ178に実質的にリアルタイムで送る。したがって、データサーバ174は、プロセス制御システム内のエンティティから複数のデータストリームを受信し得、1つ以上のデータストリームをモバイルサーバ178にさらに送信して、リアルタイムデータサブスクリプションを確立し得る。
【0062】
モバイルサーバ178が要求されたデータ値をデータサーバ174から受信すると、モバイルサーバ178は、1つ以上のリモートコンピューティングデバイスをさらに識別して、1つ以上のデータ値のセットを受信する。続いて、モバイルサーバ178は、リモートアクセスネットワーク164、インターネット180、またはモバイルサーバ178とリモートコンピューティングデバイスとの間の通信を容易にする他のネットワークを含み得る、モバイルネットワークを介してそれぞれのリモートコンピューティングデバイスにデータ値のセットを通信する。いくつかの実施形態においては、モバイルネットワークの少なくとも一部は、プロセス制御システムまたはプロセスプラントに関連付けられない外部ネットワーク(例えば、インターネット180)であってもよい。特に好ましい実施形態においては、モバイルサーバ178は、データ値がデータサーバ174から受信されると、データ値のセットをリモートコンピューティングデバイスに実質的にリアルタイムで通信する。したがって、リモートコンピューティングデバイスは、プロセスデータ値のデータストリームをプロセス制御システムから受信し得る。リモートコンピューティングデ
バイスは、上記のモバイルデバイス14、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイス、または他の高度なモバイルコンピューティングデバイスであり得る。リモートコンピューティングデバイスはまた、プロセスプラントから離れて位置し、ウェブクライアント198(例えば、ウェブブラウザまたはその中で実行しているアプリケーション)を介してモバイルサーバ178と通信するノートブック、ネットブック、デスクトップ、または類似のコンピュータを含み得る。いずれにせよ、リモートコンピューティングデバイスは、モバイルネットワークを介してモバイルサーバ178と通信して、プロセス制御システムからプロセスデータ値を取得する。特に好ましい実施形態においては、リモートアクセスデバイスは、モバイルサーバ178からのプロセスデータのみを受信し、他の様式ではプロセス制御ネットワークと通信していない。したがって、そのような実施形態においては、リモートアクセスデバイスは、本明細書に記載される、モバイルサーバ178及びデータサーバ174を通した限定的な方法以外で、プロセス制御ネットワーク10またはプロセス制御システムにアクセスすることができない。
【0063】
そのような構成は、リモートコンピューティングデバイスのアクセスを、モバイルサーバ178を介して要求されたデータを受信すること(そのモバイルサーバ178自体はデータサーバ174からデータを受信するのみである)に制限することによって、プロセス制御システムのセキュリティを強化する。不正ユーザによる、プロセス制御システムのコントローラ40または他の構成要素のリモートアクセス(及び特にリモート制御)は、深刻で、潜在的に致命的な危険を提示するため、これらの追加のセーフガードは、プロセス制御システムにおいて重要である。不正ユーザがプロセスプラント内の機器の制御を得た場合、プロセスプラントへの大きな傷害及び損傷が生じ得る。制御なしであっても、不正ユーザは、プロセスプラントオペレーションに関する非公開情報(企業秘密を含み得る)を利用して、プラントオペレータに商業的損害をもたらし得る。従来のプロセスプラントでは、これらの問題は、ワークステーション30、32及び他の取り扱いに注意を要する機器へのアクセスを制限するなど、物理的なセキュリティ手段によって部分的に対処されている。しかしながら、リモートアクセスの場合、その物理的境界を越えてプロセスプラントの安全を確保する新たな手段が必要となる。リモート位置からのプロセスデータへのアクセスを制限または除去することによってセキュリティを達成することができる一方、そのような限定は、プラントの適切なオペレーションを確実にするためにアクセスを必要とするプロセスプラント人員にプラントに関する情報が届くことを妨げることになる。
【0064】
両方の問題に同時に対処するために、本明細書に記載されるシステム及び方法は、リモートコンピューティングデバイスが、データサーバ174と通信するモバイルサーバ178を介してプロセスデータにアクセスすることを可能にする。データを取得するために、リモートコンピューティングデバイスは、モバイルサーバ178からのデータリストに関連付けられるデータ値を要求する。続いて、モバイルサーバ178は、ポーリング要求に応答して、要求されたデータの1つ以上のリストをデータサーバ174に送る。いくつかの実施形態においては、モバイルサーバ178は、複数のリモートアクセスデバイスから受信したデータリストからの要求されたデータの統合されたリストを生成し得る。データサーバ174からデータ値が受信されると、続いて、モバイルサーバ178は、データリストに基づいて、リモートコンピューティングデバイスのうちのどれが、受信したデータ値に対応する要求されたデータを有するかを決定する。いずれにせよ、モバイルサーバ178は、データサーバ174から受信したデータ値を識別し、適切なデータ値を、モバイルネットワークを介して1つ以上のリモートコンピューティングデバイスに通信する。各リモートコンピューティングデバイスに通信する適切なデータ値を識別するために、モバイルサーバ178は、各リモートコンピューティングデバイスに関連付けられるデータリストを使用する。
【0065】
データリストは、リモートコンピューティングデバイスから受信されてもよく、またはリモートコンピューティングデバイスから受信したデータリストインジケータによって識別されてもよい。例えば、リモートコンピューティングデバイスは、所定のデータリストのインジケータをモバイルサーバ178に送ることによって、モバイルサーバ178のメモリ内に記憶された所定のデータリストに関連付けられるデータ値を要求し得る。そのような要求は、特定の条件下でリモートコンピューティングデバイスによって自動的に生成されてもよく、または要求は、リモートコンピューティングデバイスのユーザのアクションに際して生成されてもよい。指示されるデータリストは、リモートコンピューティングデバイスのユーザによって以前に確立されたデータリストであってもよく、または複数のリモートアクセスデバイスユーザに利用可能である共有データリストであってもよい。データリストは、プロセス制御システムを監視するためのプロセスパラメータを示すウォッチリスト、リモートコンピューティングデバイス上に表示するデータビューに関連付けられるビューリスト(全てではないがある特定の実施形態において、ワークステーション上で利用可能なオペレータビューに対応する)、監視するアラームを示すアラームリスト、またはリモートコンピューティングデバイスで受信する他の種類のデータであり得る。各リストは、プロセス制御システム内のデータソース(または追加のデータに関連付けられる追加のデータソース)を識別する複数のエントリを含んでもよい。エントリは、センサ、バルブ、制御モジュール、機能ブロック、コントローラ、機器装置、プロセス装置、または領域などの、プロセスプラントに関連付けられるプロセスデータまたは追加のデータを生成するかまたは他の様式で提供するプロセス制御システム内のエンティティに関連付けられ得る。エントリは同様に、プロセス制御システムによるプロセスプラントのオペレーションまたはプロセスプラント内の状態に関連付けられるプロセスパラメータに関連付けられ得る。エントリは階層的に関連してもよく、それによりいくつかのパラメータまたはエンティティは、より高レベルのパラメータまたはエンティティに関連付けられるデータのサブセットであり得る。例えば、プロセスプラントの領域は、いくつかのプロセス装置を含んでもよく、その各々が、1つ以上の機器装置をさらに含んでもよく、各機器装置は、1つ以上の制御モジュールにさらに関連付けられる。制御モジュールは、複数のプロセスパラメータにさらに関連付けられてもよい。したがって、データリストは、例えば、より高レベルのエンティティのためのデータを要求することによって、受信されるデータを直接的または間接的に参照してもよい。
【0066】
特に好ましい実施形態においては、データリストは、構内のオペレータに利用可能な同じ構成データに基づいていてもよい。具体的には、データリストは、プロセス制御システムからの構成ファイル74に基づいて生成され得る。そのような構成ファイル74は、コントローラ40、構成データベース60、またはファイルインターフェース172から受信され得る。構成ファイル74は、プロセス制御システムの動作においてワークステーション30、32のコントローラ40によって使用されるプロセス制御システムの構成に関する情報を含み得る。具体的な例として、構成ファイルは、Emerson Process Managementによって販売されているDeltaV(商標)制御システムに使用されるFHX構成ファイルであってもよい。構成データは、プロセスプラント内のエンティティまたはパラメータに関連付けられる複数のエントリを含んでもよい。各エントリは、エントリまたはパラメータに関する複数の情報項目を含んでもよく、それらの情報項目、構成データ内のタグによって記載され得る。そのようなタグは、エンティティまたはパラメータ、それらに関連付けられるデータ値の特徴、及び他の同様の情報を識別し得る。タグは、より高レベルのエンティティ等の、プロセス制御システム内の他のエンティティとの関連性をさらに示し得る。いくつかの実施形態においては、エントリは、プロセス制御システム内の異なるレベルについて、領域タグ(例えば、PLANT_AREA
NAME=“AREA_A”)、プロセス装置タグ(例えば、PROCESS_CELL NAME=“PROCESSCELL1”)、機器タグ(例えば、BATCH_EQUIPMENT_UNIT NAME=“UNIT1”)、制御モジュールタグ(例えば
、MODULE TAG=“MODULE1”)、またはモジュールブロックタグ(例えば、MODULE_BLOCK NAME=“MODULE1”)等の別個のタグを含み得る。したがって、モジュールは、モジュールをプロセスプラント領域及び機器装置、ならびにモジュールと関連付けるタグを有し得る。さらなる実施形態においては、タグは、エンティティまたはパラメータをより高レベルのエンティティと関連付けるパスを含んでもよい。これらのタグから、プロセス制御システムの完全なシステムアーキテクチャを決定することができる。したがって、リモートコンピューティングデバイスは、構成データに基づいてプロセス制御システム内の任意のプロセスデータを要求し得る。
【0067】
いくつかの実施形態においては、データサーバ174は、プロセス制御ネットワーク156を介してプロセス制御システムから構成データを取得し得、この構成データは、1つ以上の構成ファイル74を含み得る。続いて、データサーバ174は、リモートアクセスネットワーク164を介してモバイルサーバ178へと構成データを送り得る。構成データは、モバイルサーバ178からの要求を伴わずに、定期的に送られてもよい。続いて、モバイルサーバ178は、リモートコンピューティングデバイスへの通信またはそれによる検索のために、構成データをモバイルサーバ178のメモリ内にローカルで記憶し得る。構成データはさらに、モバイルサーバ178からリモートコンピューティングデバイスへと送られてもよく、またはリモートコンピューティングデバイスは、リモートコンピューティングデバイスからモバイルサーバ178へと送られたクエリパラメータに基づいて構成データを検索してもよい。続いて、リモートコンピューティングデバイスまたはモバイルサーバ178は、構成データに基づいてデータリストを生成し得る。プロセス制御システム(またはその一部)に関連付けられる完全な構成データがモバイルサーバ178に送られる実施形態においては、リモートコンピューティングデバイスの完全な正規ユーザは、ユーザがプロセスプラント内のワークステーション30、32で操作しているかのように完全にプロセス制御システム(またはその一部)内の任意の情報にアクセスすることができる。しかしながら、上で考察したように、好ましい実施形態においては、ユーザは、そのオペレーションの制御ではなく、プロセス制御システムからのデータの取得のみが可能である場合がある。それにもかかわらず、プロセスデータを検索し、ユーザディスプレイを構成するためのリモートコンピューティングデバイスからのオンザフライでの完全なアクセスは、リモートユーザが、彼らがプロセスプラントの構内でアクセスすることができる同じデータ及びディスプレイにアクセスすることを可能にすることによって、プロセスプラントのオペレーションを向上させる。さらに、ワークステーション30、32における場合と同様に、利用可能なデータの関係性(構成ファイル74から決定され得る)は、モバイルデバイス上に表示された情報の内容をドライブする。すなわち、任意に部分的に、プロセス制御システムの論理及び構成によって、かつ任意に部分的に、システムのステータスによって(例えば、アラーム状態、装置状態等に基づいて)、示された特定のパラメータ、値、ステータス、及びアラーム、ならびのこれらのパラメータ、値、ステータス、及びアラームの提示の両方が決定される。ユーザ証明確認を介した(例えば、証明書、ログイン等を介した)認可、またはデバイスのホワイトリスト登録は、当然ながら、プロセスデータによって生成されるかまたはそれに関する全データの一部へのユーザアクセスを制限するために使用され得る。そうであっても、リモートコンピューティングデバイスを介して各ユーザに利用可能なデータは、プロセスプラント内のワークステーション30、32からユーザに利用可能なものと同じデータであり得る。
【0068】
アラーム、プロンプト、及びプロセスプラント内の状態の他の通知は、この点で特に関心事項である。プロセス制御システムにおける任意のアラームは、単にデータリストに含めることによって選択され得る。さらに、プロセス制御システムにおける任意のプロセスパラメータは同様に、データリストに含めることによって監視され得る。いくつかの実施形態においては、リモートコンピューティングデバイスのユーザは、データリストに含めることによって、またはそのような基準を他の様式でモバイルサーバ178に通信するこ
とによって、プロセス制御システムの任意のプロセスデータに関連付けられる通知またはアラーム基準を設定し得る。続いて、モバイルサーバ178は、対応する基準が満たされたとき、示されたプロセスデータを監視し、任意の要求された通知、プロンプト、またはアラームをリモートコンピューティングデバイスに送ることができる。データサーバ174は、要求されたプロセスデータ値を、それらが利用可能になると実質的にリアルタイムでモバイルサーバ178に送るため、モバイルサーバ178は、要求された通知またはアラームを実質的にリアルタイムでリモートコンピューティングデバイスに送ることができる。プロセスプラント内の状態はプロセスプラントのオペレータの至急の対応を要する場合があるため、これはとりわけ重要である。例えば、限界警報状態は、傷害または損傷、ならびに重大なプラント停止時間をもたらし得るシステム障害を回避するために数分以内の修正を要する場合がある。本明細書に記載されるシステム及び方法は、利用可能である場合には既存のネットワークインフラストラクチャを利用し、要約データの定期的アップデートではなく、プロセスパラメータレベルのデータへのアクセスを提供することによって、リアルタイムでのアラーム及び通知の提示を容易にする。さらなる実施形態においては、モバイルサーバ178は、通知サービスを利用して、通知またはアラームをリモートコンピューティングデバイスにプッシュしてもよい。そのような通知サービスには、主要なオペレーティングシステムの清算書または携帯電話ネットワークオペレータに関連付けられるもの等の第三者サービスが含まれ得る。そのような通知サービスは、ユーザがリモートコンピューティングデバイス上の関連するアプリケーションまたはプログラムと現在対話しているかどうかにかかわらず、リモートコンピューティングデバイスに、通知またはアラームを受信させ、ユーザに提示させ得る。
【0069】
モバイルサーバ178は、要求された通知またはアラームを実質的にリアルタイムでリモートコンピューティングデバイスに送ることができる一方、モバイルサーバ178も、実施形態においては、遅延した通知を実装し得る。例えば、実施形態においては、特に(それに限られないが)バッチプロセスに関して、モバイルサーバ178は、プロンプトまたはアラームが所定の時間にわたって認識されなかった場合にのみ、特定のプロンプトまたはアラームの通知を送るようにプログラミングされ得る。バッチプロセスにおいて、例えば、プロンプトは、一般に知られているように、何らかのアクションが取られるべきであること、フェーズまたは手順が完了したこと等をオペレータに示し得る。その時点でバッチの操作を担当しているオペレータが速やかにプロンプトに応答し得るため、リモートコンピューティングデバイスを介してバッチを監視する全てのオペレータまたは人物にとってはプロンプトについてすぐに通知を受けることは至急ではない場合がある。しかしながら、所与の時点でバッチを直接担当していないオペレータまたは他の人員が、それにもかかわらず、プロンプトが所定の時間にわたって(例えば、5分間にわたって)認識されなかったとき(これはおそらく、担当のオペレータが不在であるか、プロンプトを提示されていないか、または何らかの理由でプロンプトに応答していないことを示す)に、プロンプトについて通知を受けることを望む場合がある。したがって、モバイルサーバ178は、プロンプトについての情報を受信し得、プロンプトが所定の(例えば、構成された)時間にわたって認識されることなく保留されたままである場合には、モバイルサーバ178は、リモートコンピューティングデバイスのユーザ(複数可)に通知し得る。実施形態においては、個々のユーザは、どのアラーム及びプロンプトについて至急の通知を受信し、どのアラーム及びプロンプトについて遅延した通知を受信するか、及び/または遅延した通知の遅延の時間を選択し得る。さらに、モバイルサーバ178は、他のデフォルトの、またはユーザ選択によるプロンプト、アラート、もしくはアラームの即時通知を送る一方で、デフォルトで、通知の種類またはクラス(例えば、バッチプロセスからのプロンプト、特定のレシピからのプロンプト、1つ以上のレシピの特定のフェーズに関連するプロンプト、特定の機器に関連するプロンプト等)を遅延させる場合がある。代替的には、モバイルサーバ178は、他のデフォルトの、またはユーザ選択によるプロンプト、アラート、もしくはアラームの送信を遅延させる一方で、デフォルトで、通知の特定の種類また
はクラスについて、即時通知を送る場合がある。
【0070】
本明細書に記載されるシステム及び方法のこれらの特徴は、モバイルデバイス上で閲覧され得る任意のデータが、第三者ソフトウェアによってアクセスされる中間ストレージロケーションに記憶されなければならず、それによりモバイルデバイスのユーザに利用可能な情報の量が限定され(例えば、ユーザは、記憶されるデータまたは中間アプリケーション内に再作成されたアラームにのみアクセスすることができる)、サンプルレートが遅すぎるためDCS上(例えば、ワークステーション30、32において)に示されるデータとモバイルデバイス上に示されるデータの差異が生じ、データラグをもたらされる、先行技術の第三者システムとは対照的である。さらに、先行技術の第三者システムとは対照的に、本明細書に記載されるシステム及び方法は、ユーザが、何が提示されるかによってシステムのデータを移動することができる(例えば、アラームの生成をもたらしたリアルタイム及び/もしくは履歴のプロセス変数、ステータス等を見るためにアラームを選択するか、またはDCS内で利用可能な関連情報(限界等)、モジュール関係性(例えば、階層)等を閲覧するためにアラームを選択する)ため、先行技術のシステムにおいて利用不可能かつ達成不可能なデータについてコンテクストのレベルを提供する。
【0071】
上記のシステム及び方法の特定の態様に関する追加の情報を提供するために、例示的な実施形態が以下に記載される。特定の態様を示すために特定の実施形態が詳細に記載されるものの、他の構成またはプロセスは、本出願の範囲内であることが企図される。追加の、より少ない、または代替的な構成要素またはアクションが他の実施形態においては含まれる場合がある。
【0072】
データリスト構成
上で考察したように、リモートコンピューティングデバイスは、データサーバ174からプロセスデータまたは追加のデータを要求するデータリストに基づいてプロセス制御システムからデータを受信する。いくつかの実施形態においては、これは、データリストの生成または選択を含み得る。さらなる実施形態においては、これは、プロセスデータを検索してデータリストとして監視することを含み得る。いずれにせよ、データリスト中のエントリは、プロセス制御システムから受信された構成データに基づいて選択され得る。限定された所定の種類のプロセスデータをリモートコンピューティングデバイスに提供する他の技法とは異なり、下記の方法により、プロセス制御システム中の任意のL1データに全面的にアクセスできるようになる。さらに、プロセス制御システムによって既に使用されている構成データをデータリストの生成にも使用するため、システムのセットアップ及び構成が簡易化される。このため、本明細書に記載されるシステム及び方法は、プロセスデータへのより優れたアクセスを促進しながらも、わずかな初期構成及び継続的な保守しか要しない。
【0073】
図2Aは、プロセス制御システムからの構成データを使用して、リモートコンピューティングデバイスに通信されることになるプロセスデータを示すデータリストを得る、例示的なデータリスト構成方法200を示す。データリスト構成方法200は、データサーバ174またはモバイルサーバ178のいずれかによって実装されてもよく、あるいはデータサーバ174及びモバイルサーバ178の両方が、方法200の一部を実装してもよい。方法200はブロック201から始まり、ここでは、データサーバ174またモバイルサーバ178がプロセス制御システムから構成データを受信する。構成データは、プロセス制御システムまたはプロセスプラント(またはその一部)内の複数のエンティティまたはパラメータを示す。いくつかの実施形態においては、構成データは、1つ以上の構成ファイル74として構成データベースまたはファイルインターフェース172から受信され得る。構成ファイルは、プロセス制御システム内のエンティティ及びパラメータの説明を含んでもよく、これは、プロセスプラントのオペレーションを制御するためにプロセス制
御システムによって使用される情報を含み得る。構成データは、L1データを含む、プロセス制御システム内のエンティティ、パラメータ、または他のデータの様々なレベルの指標を含んでもよい。特に好ましい実施形態においては、構成データは、プロセス制御システムまたはその一部における全L1データに関する全データレベルの完全な階層を構築するのに十分な情報を含み得る。例えば、構成ファイル74は、モジュール内の機能ブロックに関連付けられるプロセスパラメータ等のプロセス制御システムにおける全パラメータに関するエントリを含んでもよい。構成ファイル74中のかかるエントリは、これらのパラメータを、制御モジュール、機器、または領域等のプロセス制御システムにおけるより高いレベルのエンティティと関連付けることをさらに含み得る。さらにまたはあるいは、構成ファイル74は、より高いレベルのエンティティに関する追加のエントリをさらに含んでもよく、その追加のエントリは、エンティティ及び関連するエンティティまたはパラメータの指標を含んでもよい(例えば、機器エンティティエントリは、機器エンティティに関連付けられる複数の制御モジュールエンティティの指標を含んでもよく、その制御モジュールエンティティエントリは、本制御モジュールエンティティに関連付けられる他の制御モジュール、機能ブロック、またはパラメータの指標を含んでもよい)。
【0074】
ブロック202では、データサーバ174またはモバイルサーバ178が、構成データに基づいてプロセス制御システム(またはその一部)内の複数のレベルを識別する。これらのレベルは、領域、プロセス装置、機器、制御モジュール、モジュールブロック、またはパラメータのうちのいずれかまたは全てに関連付けられ得る。エンティティまたはパラメータは、より高いレベルのエンティティ内で関連付けられてもよく、より高いレベルのエンティティは、より低いレベルのエンティティまたはパラメータに関連付けられてもよい。このため、プロセス制御システム(またはその一部)の構成は、エンティティ及びパラメータの階層として説明され得る。レベルの識別は、構成データ中のエンティティ及びパラメータに関するレベルに関連付けられるタグを識別することを含み得る。例えば、エンティティまたはパラメータに対応する構成データ中の各エントリは、より高いレベルのエンティティとの関連を示す1つ以上のタグを含んでもよい。かかるタグは、レベル(例えば、領域タグ、機器タグ、制御モジュールタグ)によって分けられてもよく、あるいはプロセス制御システム階層内のパスを指定する(例えば、1つのタグ値内の関連付けられるより高いレベルのエンティティを指定する)1つのタグに組み合わされてもよい。ブロック203では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、構成データ中のレベルに関連付けられる複数の制御モジュールをさらに識別し得る。制御モジュールは、他のレベルの識別に使用される様式と類似した様式で識別されてもよく、これは、プロセス制御データ内の制御モジュールタグの識別を含み得る。制御モジュールの識別は、制御モジュールに関連付けられる機能ブロックまたはパラメータの識別をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態においては、レベル及び制御モジュールの識別を組み合わせてもよい。
【0075】
ブロック204では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、識別されたレベル及び制御モジュールに基づいて、プロセス制御システム(またはその一部)の階層リストを生成する。各エンティティまたはパラメータは、プロセス制御システム(またはその一部)の構成を表す順序付けられた階層内に配置され得る。階層リストは、構成データ中で識別される複数のレベル及び制御モジュールに関連付けられるエンティティ及びパラメータの値を使用して生成される。プロセス制御システム(またはその一部)の構成は、ネストされたセットの集合として説明されてもよく、各セットは、より低いレベルのエンティティまたはパラメータに対応する要素を含み、これらの要素の一部は、さらにより低いレベルのエンティティまたはパラメータを含むサブセットであり得る。いくつかの実施形態においては、これらのセットまたはサブセットは重複していてもよく、これは即ち、要素が同じレベルで複数のセットによって包含されてもよいということである。他の実施形態においては、これらのセットまたはサブセットは重複していないことがあり、これ
は即ち、各要素が各レベルで最大で1つのセットに属するということである。各セットは、ある領域内で共通の値を有する階層リスト中のエントリのサブリストまたはグループとして識別され得る。このため、階層リストは、関連するプロセス制御システム(またはその一部)内の全L1データに関するエントリを含んでもよく、これは、より高いレベルのエンティティに関連付けられる各々別個のセットまたはサブセットを表すロールアップカテゴリを実現する様式で組織化され得る。このため、エンティティは、ユーザによる選択、またはビューリスト、ウォッチリスト、アラームリスト等の生成についてのロールアップカテゴリとして処理されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態においては、1つ以上の階層リストが、プロセスプラントネットワーク10において使用中のディスプレイオブジェクトに従って生成される。つまり、プロセスプラントネットワーク10、ならびに特にコントローラ(複数可)40及び/またはワークステーション(複数可)30もしくは32及び/または構成データベース60は、対応するメモリデバイス中に記憶されていてもよく、複数のディスプレイオブジェクトは、情報がプロセスプラントネットワーク10のオペレータに提示される様式を管理する。具体的には、各ディスプレイオブジェクトは、フィールドデバイス44、46等の複数のプロセスプラントエンティティの描写及び/またはそれに対応する情報を含む。例えば、概要ディスプレイは、プロセスプラントのセクションにおいて重要であると決定されたデータ及び/またはパラメータの全てを含んでもよい。ディスプレイオブジェクトは、L1データの一部であり、かつ/または構成ファイル74の一部である。このため、いくつかの実施形態においては、方法200は、1つ以上のウォッチリストを構成ファイル74から作成すること、及び特に1つ以上のウォッチリストをディスプレイオブジェクトデータに従って作成することを含み得る。デフォルトのウォッチリストは、特定のディスプレイオブジェクトに関連付けられるパラメータ/データの全てを含むように作成され得る。デフォルトのウォッチリストのセットは、各々が対応するディスプレイオブジェクトに関連付けられるパラメータ/データを含むように作成され得る。当然ながら、デフォルトのウォッチリストは、本明細書に記載されるように編集可能であり得る。さらなる実施形態においては、ウォッチリストは、関連付けられるディスプレイオブジェクトの構成が構成ファイル74において更新されるときに自動更新され、またさらなる実施形態においては、各ウォッチリストに追加可能なデータ/パラメータは、更新された構成ファイル74に従って更新される。
【0077】
さらに、ユーザは、プロセスプラント10の領域、ユニット、またはセルを選択してもよく、ウォッチリストは、モジュールのユニット、領域、またはセルにおけるモジュールの一部または全てを含むように作成されてもよく、あるいは限界警報が構成されるモジュールを含んでもよい。
【0078】
アラームリストも、オペレータが、物理的にプラント内にいないとき及び/または自身のワークステーション30、32にいないときであっても、自身の操作責任に重要であると設定したアラームを監視できるように、個々のオペレータステーションのアラーム構成を適合させるように自動作成され得る。構成ファイル74中で指定される、アラーム優先度、機能、及び通知設定を含むアラームフィルタ基準も、モバイルアプリケーションにおける監視のための選択に利用可能なアラームリストを自動作成するために使用され得る。その結果、モバイルデバイスのユーザは、監視する所定のアラームリストを選択し、所定のリストを編集し、監視するアラームの新たなリストを作成するなどしてもよい。
【0079】
当然ながらウォッチリストのうちのいずれかにおいて閲覧または監視され得るバッチデータに関して、アラームリスト及びウォッチリストは、各々、特定のバッチ、特定のレシピ、特定のバッチ機器セット等に従って自動構成され得る。
【0080】
ブロック205では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、階層リストに関する情報を別のコンピューティングデバイスに通信し得る。かかる情報は、定期的にまたは階層リスト内の変更(例えば、新たなエンティティまたはパラメータの追加、既存のエントリの除去等)が生じたときに通信され得る。かかる情報は、同様に、要約の形で、または変更された情報のみの指標として通信され得る。他のコンピューティングデバイスは、リモートコンピューティングデバイスであってもよく、あるいはモバイルサーバ178であってもよい。階層リストがデータサーバ174によって生成されると、データサーバ174は、階層リストに関する情報をモバイルサーバ178に通信し得る。いくつかの実施形態においては、データサーバ174は、変更が生じるときに、階層リスト中の変更されたエントリのみを通信し得る。さらなる実施形態においては、データサーバ175は、精度を確認するために完全な階層リストを定期的に通信してもよく、完全なリストは低い頻度で(例えば、1日1回、週に1回、月に1回)通信され得る。階層リストがモバイルサーバ178によって生成されると、モバイルサーバ178は、階層リストに関する情報を1つ以上のリモートコンピューティングデバイス(例えば、モバイルデバイス14)に通信し得る。いくつかの実施形態においては、これらの情報は、階層リスト内のエントリの制限されたリストを含み得る。例えば、制限されたリストは、ユーザまたはリモートコンピューティングデバイスがアクセスを認証されているエントリを含んでもよい。別の例として、制限されたリストは、高いレベルのエントリ(例えば、領域またはプロセス装置に関連付けられるエントリ)のみを含んでもよい。また別の例として、制限されたリストは、例えば特定の種類のデータ(例えば、機器動作状態、温度、誤作動バルブ、限界アラーム等)に対するユーザクエリに応答する、リモートコンピューティングデバイスからの要求またはクエリの検索パラメータに関連付けられるエントリのみを含んでもよい。さらに別の例として、制限されたリストは、エンティティ、例えば、リモートコンピューティングデバイスのユーザによって事前に選択されたエンティティに関連付けられるエントリのみを含んでもよい。
【0081】
ブロック206では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、他のコンピューティングデバイスから1つ以上のエントリの選択を受信する。この選択は、他のコンピューティングデバイスによって要求された階層リスト内のエントリのセットを示し得る。例えば、リモートコンピューティングデバイスは、指標をモバイルサーバ178に送り、そのためにプロセスデータを受信する特定のパラメータまたはエンティティを選択してもよい。この例を続けると、モバイルサーバ178は、選択されたパラメータまたはエンティティの指標をデータサーバ174にさらに送ってもよい。いくつかの実施形態においては、この選択は、データサーバ174またはモバイルサーバ178のメモリに記憶された所定のエントリセット(例えば、事前設定された閲覧リストまたはウォッチリスト)の指標として受信され得る。例えば、所定の閲覧リストに関連付けられる識別子がモバイルサーバ178によって受信されてもよく、そのデータリストは要求される複数のエントリを含んでもよい。
【0082】
ブロック208では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、選択されたエントリに対応するデータ値を他のコンピューティングデバイスに通信し得る。これは、プロセスデータ値をデータサーバ174からモバイルサーバ178へと通信すること、またはプロセスデータ値をモバイルサーバ178からリモートコンピューティングデバイスへと通信することを含み得る。いくつかの実施形態においては、これは、プロセスデータ値の1つ以上のストリームを、プロセスデータ値がデータサーバ174またはモバイルサーバ178によって受信されるときに実質的にリアルタイムで送ることを含み得る。このため、リモートコンピューティングデバイスは、プロセス制御システム内のエンティティまたはパラメータに関連付けられる1つ以上のデータストリームにサブスクライブし得る。いくつかの実施形態においては、モバイルサーバ178は、追加のデータまたは過去のプロセスデータ(例えば、過ぎた時間、日等についての選択されたエントリに関連付けら
れるプロセスデータ)をさらに通信してもよい。かかるデータは、リモートコンピューティングデバイスのユーザにコンテクストを提供してもよく、本明細書の他箇所で考察されるように提示され得る。プロセスデータ値の通信は、本明細書の他箇所でさらに詳述される。
【0083】
図2Bは、プロセス制御システムからの構成データを検索して、リモートコンピューティングデバイスに通信されることになるプロセスデータを示すデータリストを生成するための例示的な構成データ検索方法210を示す。データリスト構成方法210は、データサーバ174またはモバイルサーバ178のいずれかによって実装されてもよく、あるいはデータサーバ174及びモバイルサーバ178の両方が、方法210の一部を実装してもよい。しかしながら、好ましい実施形態においては、方法210は、構成データをデータサーバ174から受信し、クエリをリモートコンピューティングデバイスから受信するモバイルサーバ178によって実装される。かかる実施形態においては、モバイルサーバは、さらに、データリストに基づいて、プロセスデータ値をデータサーバ174から受信し、プロセスデータ値をリモートコンピューティングデバイスに送信する。
【0084】
ブロック201に関して上で説明したように、方法210はブロック211から始まり、ここでは、データサーバ174またモバイルサーバ178がプロセス制御システムから構成データを受信する。ブロック212では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、プロセスデータを要求する別のコンピューティングデバイスからクエリを受信し、そのクエリは、プロセスデータに関連付けられる1つ以上の検索パラメータを示す。クエリは、検索パラメータのユーザ選択に応答して、例えば、ユーザが検索用語を直接入力すること、または共通クエリパラメータ(例えば、現在のアラーム、実行中のバッチ、プラントオペレーションの過日のプロセスデータ等)を選択することによって、他のコンピューティングデバイスによって生成され得る。検索パラメータは、プロセス制御システム内の特定のエンティティまたはプロセスパラメータを指定してもよく、それらの各々は、例えば、ユーザが使いやすいタグ名または固有の識別子数によって識別され得る。あるいは、検索パラメータは、エンティティの種類またはクラス、例えば、レベル、プロセス機能、機器ユニットの種類、アラームの種類、制御モジュールの種類、センサ信号の種類等を示してもよい。エンティティまたはプロセスパラメータの識別以外に、クエリパラメータは他の情報を指定してもよい。例えば、クエリパラメータは、プロセスデータ値、過去もしくは要約データ(例えば、平均)についてのタイムフレーム、プロセス制御システム内で生成されたプロセスデータを識別するための他の情報、またはプロセスプラントに関連付けられるがプロセス制御システム内で生成されない、さらなる非プロセスデータについて、特定の値(または値の範囲)を指定してもよい。
【0085】
ブロック213では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、受信されたクエリの検索パラメータに基づいて、プロセス制御システムに関連付けられる1つ以上のエンティティまたはプロセスパラメータを識別する。上で考察されるように、構成データは、プロセス制御システム内のエンティティまたはパラメータに関する情報を含むタグを含んでもよい。タグ値を使用して、クエリに応答する、即ち、クエリパラメータに一致するプロセスデータまたはパラメータを識別し得る。例えば、検索パラメータの一部は、特定の領域、機器ユニット、アラーム状態、またはデータの種類(例えば、「温度」、「圧力」等)を示す値等、構成データ内のエンティティまたはパラメータのタグに関連付けられる値を示してもよい。
【0086】
ブロック214では、データサーバ174またはモバイルサーバ178が、検索パラメータに基づいてエントリのリストを生成する。エントリのリストは、識別されたエンティティまたはパラメータを示す複数のエントリを含み得る。いくつかの実施形態においては、このリストは、識別されたエンティティまたはパラメータに関連付けられるエントリを
含む規定のリスト(例えば、共有閲覧リスト)を示すエントリをさらに含んでもよい。さらなる実施形態においては、このリストは、識別されたエンティティまたはパラメータに関連付けられるが、検索パラメータと個別に一致しない、関係するエントリを含んでもよい。例えば、一致するエンティティまたはパラメータに関連付けられるより高いレベルのエンティティの各々が、このリストに含まれ得る。関係するエントリは検索パラメータと直接的に一致しないため、関係するエントリは、リストの中でマークされるか、または個別のリストに含まれて、それらがクエリに直接応答するものではないとして識別され得る。その後、これらの関係するエントリは、識別されたエンティティまたはパラメータとは別にユーザに提示されてもよく、あるいは関係するエントリは、グラフィカルユーザインターフェース中で絵図または様式的な指標によって示されてもよい。リストの作成には、ユーザまたはリモートコンピューティングデバイスが取得を認証されている識別されたエンティティまたはパラメータのサブセットの決定が含まれ得る。かかる認証は、ユーザのユーザIDまたはリモートコンピューティングデバイスのデバイスIDに基づいて決定され得る。
【0087】
ブロック215では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、生成されたリストを要求元のコンピューティングデバイス(例えば、リモートコンピューティングデバイス)に通信する。いくつかの実施形態においては、これは、エントリに関する情報の一部のみを要求元のコンピューティングデバイスに送った後、ユーザによるさらなる要求に応じて追加の情報を送ることを伴い得る。モバイルサーバ178からリストを受信すると、リモートコンピューティングデバイスは、リスト情報の少なくとも一部をユーザに提示し得る。これは、エントリのリストを提示することを伴ってもよく、このリストは、最も関連性のあるまたは最も頻繁に選択されるエントリをディスプレイ上のより目立つ位置に提供するように編成されたまたは順序付けられてもよい。ユーザがエントリのうちの1つ以上のセットを選択するとき(例えば、エントリを閲覧リストに追加するため、新たなウォッチリストを作るため等)、リモートコンピューティングデバイスは、エントリのセットの選択をモバイルサーバ178の通信し返し得る。いくつかの実施形態においては、モバイルサーバ178は、データサーバ174からのポーリング要求に応答して、エントリの選択されたセットの指標をデータサーバに通信し得る。
【0088】
ブロック216では、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、リストから1つ以上のエントリのセットの選択を受信する。本明細書で考察される他のデータリスト選択と同様、この選択は、エントリのインジケータのセットとして受信されてもよく、あるいは所定リストの1つ以上のインジケータとして受信されてもよい。選択の受信に応答して、データサーバ174またはモバイルサーバ178は、プロセス制御システムからデータ値を取得し、選択されたエントリに関連付けられるデータ値をブロック217でリモートコンピューティングデバイスに通信する。本明細書の他箇所で考察されるように、モバイルサーバ178は、データサーバ174からのポーリング要求に応答して要求されたプロセスデータの指標をデータサーバ174に送ることによって、プロセス制御システムからのプロセスデータまたはさらなるデータを要求し得る。データサーバ174は、複数のデータ値をプロセス制御システムから取得し、要求されたデータ値をモバイルサーバ178に通信する。続いて、モバイルサーバ178は、選択されたエントリに関連付けられる要求されたデータ値をモバイルコンピューティングデバイスに通信する。このため、リモートコンピューティングデバイスは、上記のように、データを識別し要求するためにクエリを使用して、プロセス制御システム内のエンティティまたはパラメータに関連付けられる1つ以上のデータストリームにサブスクライブし得る。いくつかの実施形態においては、モバイルサーバ178は、追加のデータまたは過去のプロセスデータ(例えば、過ぎた時間、日等についての選択されたエントリに関連付けられるプロセスデータ)をさらに通信してもよい。かかるデータは、リモートコンピューティングデバイスのユーザにコンテクストを提供してもよく、本明細書の他箇所で考察されるように提示され得る。
【0089】
プロセスデータサブスクリプション
リモートコンピューティングデバイスをプロセスデータストリームに安全にサブスクライブするため、またプロセス制御システムのセキュリティ保護を損なうことなくさらなるデータを取得するために、以下のシステム及び方法が使用され得る。上で考察されるように、リモートコンピューティングデバイスは、データ値をモバイルサーバ178から取得し、このモバイルサーバ178は、同様に、データ値をデータサーバ174から取得し得る。データサーバ174は、データ値を、プロセス制御システムから、例えば、通信機インターフェース170を介したコントローラ40から、プロセスデータベース58、データヒストリアン62、知識レポジトリ64から、または特殊サーバ186から取得する。好ましい実施形態においては、データサーバ174は、ポーリング要求をモバイルサーバ178に送り、モバイルサーバ178は、このポーリング要求のみに応答して、要求されたデータのリストをデータサーバ174に送る。かかる要求されたデータのリストは、追加または削除するデータサブスクリプション等の変更されたデータ要求(i即ち、以前に要求されていない新たなデータのインジケータまたは以前に要求されたがもはや要求されないデータのインジケータ)のみを含み得る。プロセスデータサブスクリプションは、上で考察されるように必要に応じて構成され得るため、本明細書に記載されるサブスクリプション方法によって、プロセス制御システムからのL1データへのアクセスが提供される。さらに、プロセスデータは、プロセスプラントを悪質なまたは他の不正アクセスから保護するためにプロセス制御システム中に整っているセキュリティ保護を弱体化させることなく実質的にリアルタイムでリモートコンピューティングデバイスに通信され得る。加えて、モバイルサーバ178は、実際に要求されたデータのみを取得することによって、処理及び記憶要件を軽減させながらも、依然として全L1データへのアクセスを提供し得る。プロセスプラントの動作中にデータサブスクリプションを必要に応じて確立することによって、初期設定及び後のシステム再構成が軽減する。このため、本明細書に記載されるシステム及び方法により、初期構成及び継続的な保守の必要が少ないにもかかわらず、プロセスデータへのより広範かつ適時なアクセスが促進される。
【0090】
図2Cは、プロセスデータをリモートコンピューティングデバイスで選択し取得するための例示的なデータサブスクリプション方法220を示す。データサブスクリプション方法220は、1つ以上のリモートコンピューティングデバイスについて、データサブスクリプションを確立、編集、調整、または終了するために繰り返し実装されてもよく、またデータサブスクリプション方法220は、本明細書に記載される他の方法のうちの1つ以上と共に実装されてもよい。
【0091】
ブロック221では、データサーバ174が、構成ファイル74または他の構成データをプロセス制御システム内のエンティティから受信する。構成ファイル74は、本明細書の他箇所で記載されるように、プロセス制御システムに関する構成データを含んでもよく、ファイルインターフェース172または構成データベース60から受信されてもよい。ブロック222では、データサーバ174が、構成ファイル74に関連付けられるデータをモバイルサーバ178に通信してもよく、これは、構成ファイル74、その中に含まれる構成データの一部、またはデータサーバ174によってそれから生成された構成データを送ることを伴い得る。ブロック223では、モバイルサーバ178が、構成データへのアクセスを1つ以上のリモートコンピューティングデバイスに提供し得る。リモートコンピューティングデバイスへのアクセスの提供は、利用可能なデータのリストを送ること、または構成データを検索するためのインターフェースを確立することを含み得る。本明細書の他箇所で考察されるように、モバイルサーバ178は、一部の場合には、ユーザが認証されている構成データの部分へのアクセスを提供すること等によって、全てに満たない構成データへのアクセスを提供してもよい。
【0092】
ブロック224では、モバイルサーバ178は、1つ以上の閲覧リストインジケータを、モバイルネットワークを介してリモートコンピューティングデバイスから受信して、プロセス制御システムからリモートコンピューティングデバイスによって要求されたプロセスデータ(及び任意の追加のデータ)を示す。いくつかの実施形態においては、リモートコンピューティングデバイス上のユーザログイン事象により、デフォルトの閲覧リストインジケータがリモートコンピューティングデバイスからモバイルサーバ178に自動送信され得る。かかるデフォルトの閲覧リストインジケータは、ユーザによって最後に要求されたデータと同じデータに対する要求としてモバイルサーバ178によって解釈され得る。1つ以上の閲覧リストインジケータを受信すると、モバイルサーバ178は、要求されたデータのリストを決定または生成し得る。かかる要求されたデータのリストは、複数のリモートコンピューティングデバイスによって要求された全てのデータを統合したリストであってもよく、このリストは、冗長エントリを削除することによってさらに圧縮されてもよい。モバイルサーバ178は、以前の要求を終了するリモートコンピューティングデバイスのインジケータを含む新たなインジケータがいずれかのリモートコンピューティングデバイスから受信されるたびに、かかる要求されたデータの統合されたリストを更新し得る。適切なリモートコンピューティングデバイスへのデータ値の後の送信を促進するために、モバイルサーバ178は、要求されたデータを特定のリモートコンピューティングデバイスに関連付ける1つ以上のリストをさらに維持し得る。いくつかの実施形態においては、この関連性データは、要求されたデータの統合されたリストに含まれ得る。さらなる実施形態においては、モバイルサーバ178は、要求された変更のリストを自動生成してもよく、このリストは、以前のデータ要求がデータサーバ174に送られて以来のリモートコンピューティングデバイスから受信された要求されたプロセスデータ(または追加のデータ)に対する変更を示すエントリのみを含み得る。要求されたデータの全リストではなくかかる要求された変更のリストを送信することによって、モバイルサーバ178はデータサーバ174と効率よく通信し得る。
【0093】
ブロック225では、データサーバ174は、ポーリング要求を、リモートアクセスネットワーク164を介してモバイルサーバ178に送信し、リモートコンピューティングデバイスによって要求されたデータに関する情報を要求する。ポーリング要求は、一部のプロセスデータ値の更新よりも遅い間隔で定期的に送られることで、リモートアクセスネットワーク164を介して送信される総データを減少させ得る。ポーリング要求の受信に応答して、モバイルサーバ178は続いて、ブロック226で、要求されたデータのリストを、リモートアクセスネットワーク164を介してデータサーバ174に送信する。上述のように、いくつかの実施形態においては、要求されたデータのリストは、統合されたリストであってもよく、さらには要求された変更のリストであってもよい。好ましい実施形態においては、モバイルサーバ178は、データサーバ178からのポーリング要求の受信のみに応答してリストを送信し得る。さらなる実施形態においては、データサーバ174は、モバイルサーバ178からのみ、かつ各ポーリング要求後の所定の間隔のみにわたる、要求されたデータのリストを受け入れるように構成されてもよい。準拠しない要求はデータサーバ174によって無視され得る。代替的な実施形態においては、データサーバ174は、要求されたデータのリスト(特に変更された要求のリスト)をモバイルサーバ178から随時受け入れてもよい。かかる実施形態は、データ値がデータサーバ174からモバイルサーバ178に送信される前の遅延が低減されるため、有利であり得る。
【0094】
ブロック227では、データサーバ174は、プロセスデータのストリームを、プロセス制御ネットワーク162を介してプロセス制御システムから受信する。プロセスデータは、通信機インターフェース170を介したコントローラ40、プロセスデータベース58のうちの1つ以上を含む、プロセス制御システム内の1つ以上のデータソースから受信され得るか、あるいはプロセスプラントネットワーク10を介して通信され得る。いくつかの実施形態においては、データサーバ174は、データソースからの特定のデータに対
する要求を通信することによって、1つ以上のデータソースにサブスクライブし得る。かかる要求されたサブスクリプションは、モバイルサーバ178から要求されたデータのリストに基づいてさらに生成され得る。さらなる実施形態においては、データサーバ174は、データヒストリアン62、知識レポジトリ64、または特殊サーバ186からモバイルサーバ178によって要求された追加のデータをさらに取得してもよい。
【0095】
ブロック228では、データサーバ174が、モバイルサーバ178にさらに送信される、受信されたデータ中のデータ値を識別する。データサーバ174は、モバイルサーバ178から要求されたデータのリストにある要求されたデータに対応するデータストリーム中のプロセスデータ値を識別し得る。ブロック229では、次に、データサーバ174が、識別されたデータ値を、リモートアクセスネットワーク164を介してモバイルサーバ178に送信する。リモートアクセスネットワーク164上のネットワークトラフィックを軽減するために、データサーバ174は、要求されたプロセスデータに関連付けられる更新または変更されたデータ値のみを送信し得る。例えば、変更されていないデータ値は、送信されない場合があり、あるいは変更されていない値のインジケータとしてのみ送信されてもよい。代替的な実施形態においては、データサーバ174は、データ値を、それらがプロセス制御システムから受信されるときにリアルタイムで送信してもよく、あるいはデータサーバ174は、データ値を、間隔を置いてグループで送信してもよい。リアルタイムで送信される場合、データ値は、データサーバ174からモバイルサーバ178へのデータストリームとして送信され得る。間隔を置いて送信される場合、データサーバ174は、一定期間であっても不定間隔であってもよい間隔にわたって様々な時間にプロセス制御システムから受信したデータ値をグループ化し得る。例えば、データサーバ174は、必要量のデータ(例えば、5MB)が定期的な送信の前にプロセス制御システムから受信されない限り、データ値を一定期間で(例えば、毎秒)モバイルサーバ178に送信してもよい。
【0096】
ブロック230では、モバイルサーバ178が、同様に、受信されたデータ値のサブセットを識別し、モバイルネットワークを介してリモートコンピューティングデバイスに送信する。モバイルサーバ178は、サブセットを、リモートコンピューティングデバイスによって示される閲覧リスト中のエントリに基づいて選択し得る。代替的な実施形態においては、モバイルサーバ178は、データ値のサブセットを、それらがデータサーバ174から受信されるときにリアルタイムで送信してもよく、あるいはモバイルサーバ178は、データ値を、間隔を置いてグループで送信してもよい。例えば、データ値がグループ化され、定期的に(例えば、毎秒)送信されることで、携帯電話ネットワークを介した送信数を減少させてもよい。さらなる実施形態においては、モバイルサーバ178は、データ値をリアルタイムで通信してもよいが、第三者ネットワーク(例えば、携帯電話ネットワーク)は、データ値を定期的な送信スケジュールでグループで通信してもよい。しかしながら、モバイルコンピューティングデバイスによって受信されると、サブセットのデータ値の少なくとも一部がブロック231でユーザに提示される。かかる提示は、データ値の部分に基づいて、通知、チャート、アイコン、または他の要約的提示としての提示を含んでもよい。
【0097】
図2Dは、プロセス制御システム(具体的には、ファイルインターフェース172及び通信機インターフェース170)、データサーバ174、モバイルサーバ178、及びリモートコンピューティングデバイス(具体的には、モバイルデバイス14)の間の通信を示す、例示的なデータサブスクリプション通信シーケンスを示す。この接続は、シーケンスの際立った特徴をよりよく示すために直線的に示されているが、介在する構成要素が関与し得ることを理解されたい。例えば、コントローラ40は、構成データを、ファイルインターフェース172を介してデータサーバ174に通信してもよく、またプロセスデータを、通信機インターフェース170を介してデータサーバ174にさらに通信してもよ
い。コントローラ40からデータサーバ174へと通信されるとして本明細書全体で様々に説明されるものの、少なくともいくつかの実施形態においては、構成データ74は、構成データベース60に記憶され、構成データベース60からデータサーバ174へとファイルインターフェース172を介して通信されることを理解されたい。つまり、ファイルインターフェース172は、構成データ74を構成データベース60から(またはコントローラ40から)取得し、構成データ74をデータサーバ174に通信し得る。いずれにせよ、通信機インターフェース170、ファイルインターフェース172、及びデータサーバ174は、プロセス制御ネットワーク162を介して通信する。データサーバ174及びモバイルサーバ178は、リモートアクセスネットワーク164を介して通信する。モバイルサーバ178及びモバイルデバイス14は、モバイルネットワークを介して通信し、このモバイルネットワークは、プロセスプラントでのローカルネットワーク(例えば、リモートアクセスネットワーク164の一部)、通知サービス196、またはインターネット180を含んでもよい。例示的なシーケンスは、明確化のために、ファイルインターフェース172、データサーバ174、モバイルサーバ178、及びモバイルデバイス14の各々のうちの1つしか示さないが、さらなる実施形態は、これらの構成要素のうちのいずれかを複数で、またはそれらの全てを含んでもよい。
【0098】
例示的な通信シーケンスは、ファイルインターフェース172からデータサーバ174への構成ファイル74の通信(線232)から始まる。構成ファイル74を受信すると、データサーバ174は、構成ファイル74に含まれる情報の一部であり得る構成データを決定し、モバイルサーバ178に送る(線233)。その後、モバイルサーバ178は、構成データまたはその一部をモバイルデバイス14に提供する(線234)。データ要求がユーザから受信されるか、さもなければモバイルデバイス14にて決定されるとき、モバイルデバイス14は、閲覧リストインジケータをモバイルサーバ178に送る(線235)。例示される実施形態においては、モバイルサーバ178は、閲覧リストインジケータを受信し、データサーバ174からのポーリング要求を待つ。ある時間間隔の後、データサーバ174は、ポーリング要求をモバイルサーバ178に送る(線236)。ポーリング要求の受信に応答して、モバイルサーバは、要求されたデータリストまたはその指標をデータサーバ174に送る(線237)。示されるように、ポーリング要求は、データサーバ174によって定期的にまたは間隔を置いて送られてもよく(線236)、それらの各々に応答して、要求されたデータリストまたはそれに対する更新がモバイルサーバ178によって返却され得る。
【0099】
データサーバ174は、コントローラ40に関連付けられるプロセスデータを様々な時間で通信機インターフェース170から受信し(線238)、これらの時間は、1つ以上の期間を伴う定期的なものであっても、非定期的(例えば、一時的)なものであってもよい。線238によって示されるように、プロセスデータは、一部の実施形態においては、特定のデータ要求がなかったとしても受信され得る。プロセスデータがデータサーバ174で受信されるとき、データサーバ174は、受信されたプロセスデータ値が、要求されたデータリスト中のいずれかの要求されたデータに対応するか否かを決定し得る。かかる要求されたデータが識別されるとき、データサーバ174は、要求されたデータをモバイルサーバ178に送る(線239)。要求されたデータを受信すると、モバイルサーバ178は、モバイルデバイス14によって要求された閲覧リストデータに対応するデータ値を選択し得る。その後、モバイルサーバ178は、要求された閲覧リストデータをモバイルデバイス14に送る(線240)。プロセスデータ値を、通信機インターフェース170からデータサーバ174へ(線238)、データサーバ174からモバイルサーバ178へ(線239)、モバイルサーバ178からモバイルデバイス14(線240)へと通信するこのシーケンスは、モバイルデバイス14がデータサブスクリプションを終了するまで、プロセスプラントオペレーション中に繰り返され得る。データサブスクリプションは、終了のインジケータ、またはいずれのプロセスデータも要求しない新たな閲覧リスト
インジケータの通信によって終了され得る。
【0100】
図2Eは、プロセスデータをデータサーバ174からモバイルサーバ178に提供するための例示的なデータサーバ通信方法250を示す。データサーバ通信方法250(またはその一部)は、データサーバ174によって繰り返し実装されて、データストリームを提供するか、さもなければプロセスデータ値をプロセス制御システムからモバイルサーバ178に提供してもよく、この方法250は、本明細書に記載される他の方法のうちの1つ以上と共に実装されてもよい。方法250はプロセスデータを受信し通信するものとして説明されるが、データサーバ174も、一部の実施形態においては、プロセスプラントに関する追加のデータを取得し、モバイルサーバ178に送信し得る。
【0101】
ブロック251では、データサーバ174が、構成データを、プロセス制御ネットワーク162を介してプロセス制御システムから受信する。この構成データは、本明細書の他箇所で考察されるように、1つ以上の構成ファイル74として、コントローラ40、ファイルインターフェース172、または構成データベース60から受信され得る。構成データの受信後、データサーバ174は、ブロック252で、構成データをモバイルサーバ178にさらに通信し得る。構成データを通信するために、データサーバ174は、変更または更新された構成データのサブセットを決定してもよく、さもなければモバイルデバイス178に送るための構成データのサブセットを決定してもよい。さらなる実施形態においては、データサーバ174は、モバイルサーバ178に送るために、要約または階層リスト情報をプロセス制御システムから受信された構成データから得ること等によって、構成情報を生成し得る。
【0102】
ブロック253では、データサーバ174は、ポーリング要求を、リモートアクセスネットワーク164を介してモバイルサーバ178に送信する。ポーリング要求は、要求されたデータリストをデータサーバ174に通信することによって、モバイルサーバ178に応答するように命令し得る。ポーリング要求に応じて、モバイルサーバ178は、要求されたデータのリストを、リモートアクセスネットワーク164を介してデータサーバ174に送り得る。要求されたデータのリストは、複数の要求されたデータパラメータを含んでもよく、モバイルサーバ178がそれに関してデータを要求しているプロセス制御システムからのエンティティまたはパラメータを示す。いくつかの実施形態においては、このリストは、プロセス制御システムに関連付けられる追加データの指標をさらに含んでもよい。さらなる実施形態においては、このリストは、新たな、修正された、変更された、キャンセルされた、または更新された、要求されたデータパラメータについてのエントリのみを含んでもよい。
【0103】
ブロック254では、データサーバ174は、要求されたデータのリストを、リモートアクセスネットワーク164を介してモバイルサーバ178から受信する。次に、データサーバ174は、要求されたデータのリストに関連付けられるプロセスデータ値を取得してもよく、(該当する場合)データサーバ174は、要求されたデータのリストに示される場合には追加のデータをさらに取得してもよい。いくつかの実施形態においては、その後、データサーバ174は、サブスクライブしてプロセスデータを1つ以上のコントローラ40または通信機インターフェース170から受信する。ブロック255では、データサーバ174が、複数のプロセスデータ値を、プロセス制御ネットワーク162を介して受信し、このプロセスデータ値は、プロセスプラント内の複数のエンティティに関連付けられる。プロセスデータ値は、プロセス制御システム内で生成または使用される制御値、測定値、または他のパラメータ値を含み得る。好ましい実施形態においては、プロセスデータ値は、プロセスデータ値が生成または更新されるときにリアルタイムでプロセス制御システムから1つ以上のデータストリームとして受信され得る。
【0104】
データサーバ174がプロセスデータ値を受信するとき、データサーバ174は次に、ブロック256で、要求されたデータの受信されたリストの要求されたデータパラメータに対応するプロセスデータ値のサブセットを識別して、モバイルサーバ178に送信する。プロセスデータ値のサブセットの識別は、変更または更新されたプロセスデータ値、またはプロセスデータ値がモバイルサーバ178によって新たに要求されたプロセスデータに関連付けられるものの識別を伴い得る。同様に、いくつかの実施形態においては、識別されたサブセットは、更新されているが変更されていないプロセスデータ値のインジケータを含んでもよい。このため、プロセスデータ値のサブセットは、モバイルサーバ178への効率的な通信に対して識別され得る。プロセスデータ値のサブセットが識別されると、データサーバ174は、ブロック257で、プロセスデータ値のサブセットをモバイルサーバ178に通信する。好ましい実施形態においては、プロセスデータ値のサブセットの識別及び通信は、プロセスデータ値がデータサーバ174によって受信されるときにリアルタイムで行われ得る。このため、データサーバ174は、ストリーミングプロセスデータサブスクリプションをモバイルサーバに提供し得る。
【0105】
図2Fは、プロセス制御システム(具体的には、ファイルインターフェース172及び通信機インターフェース170)、データサーバ174、モバイルサーバ178、及びリモートコンピューティングデバイス(具体的には、モバイルデバイス14)の間の通信を示す、例示的なデータサーバ通信シーケンスを示す。例示的なデータサーバ通信シーケンスは、データサーバ174に関与する通信に特に集中する。この接続は、シーケンスの際立った特徴をよりよく示すために直線的に示されているが、介在する構成要素が関与し得ることを理解されたい。例えば、コントローラ40は、構成データを、ファイルインターフェース172を介してデータサーバ174に通信してもよく、またプロセスデータを、通信機インターフェース170を介してデータサーバ174にさらに通信してもよい。コントローラ40及びデータサーバ174は、プロセス制御ネットワーク162を介して通信する。データサーバ174及びモバイルサーバ178は、リモートアクセスネットワーク164を介して通信する。モバイルサーバ178及びモバイルデバイス14は、モバイルネットワークを介して通信し、このモバイルネットワークは、プロセスプラントでのローカルネットワーク(例えば、リモートアクセスネットワーク164の一部)、通知サービス196、またはインターネット180を含んでもよい。例示的なシーケンスは、明確化のために、ファイルインターフェース172、通信機インターフェース170、データサーバ174、モバイルサーバ178、及びモバイルデバイス14の各々のうちの1つしか示さないが、さらなる実施形態は、これらの構成要素のうちのいずれかを複数で、またはそれらの全てを含んでもよい。
【0106】
例示的な通信シーケンスは、データサーバ174からファイルインターフェース172への構成データ要求の通信(線258)から始まる。ファイルインターフェース172は、構成データを構成データベース60から取得し得る。構成データ要求に応答して、ファイルインターフェース172は、構成データをデータサーバ174に送り(線259)、これは、構成ファイル74として、または別の方法で送られ得る。データサーバ174が構成データを受信し、次にこの構成データが処理されて、さらなる構成データ(例えば、受信された構成データのサブセット、構成データに基づくリストのセット等)を決定して、モバイルサーバ178に通信し得る。データサーバ174は、それに関連付けられる構成データまたは情報をモバイルサーバ178に送る(線260)。その後のある時点で、データサーバ174がポーリング要求をモバイルサーバ178に送信する(線261)。ポーリング要求に応答して、モバイルサーバ178は、要求されたデータリストを生成し、データサーバ174に通信する(線262)。要求されたデータリストは、本明細書の他箇所で考察されるように、リモートコンピューティングデバイスによって要求されたプロセス制御システムから要求されたプロセスデータを示すエントリを含み得る。
【0107】
要求されたデータリストに基づいて、データサーバ174は、一部の実施形態において、プロセスデータ要求を通信機インターフェース170に送ってもよい(線263)。通信機インターフェース170は、プロセスデータをプロセス制御システム中の1つ以上のコントローラ40から取得し得る。実施形態がプロセスデータ要求を伴うか否かにかかわらず、データサーバ174は、プロセスデータを通信機インターフェース170(線264)から受信する。プロセスデータを受信すると、データサーバ174は、モバイルサーバ174に通信するために、要求されたデータリストに関連付けられるプロセスデータを選択する(線265)。プロセスデータの選択には、一部の実施形態においては、更新されたまたは変更されたプロセスデータ値を含むものとして識別され得る、プロセスデータ値の1つ以上のセットまたはサブセットを識別することが含まれ得る。次に、データサーバ174は、選択されたプロセスデータをモバイルサーバ178(線266)に通信する。その後、モバイルサーバ178は、本明細書の他箇所で記載されるように、選択されたプロセスデータ(またはそのサブセット)をモバイルデバイス14にさらに通信し得る。
【0108】
図2Gは、プロセスデータを選択し、取得し、1つ以上のリモートコンピューティングデバイスに通信するための例示的なモバイルサーバ通信方法270を示す。モバイルサーバ通信方法270(またはその一部)は、モバイルサーバ178によって繰り返し実装されて、データストリームを提供するか、さもなければプロセスデータ値をプロセス制御システムからリモートコンピューティングデバイスに提供してもよく、この方法270は、本明細書に記載される他の方法のうちの1つ以上と共に実装されてもよい。方法270はプロセスデータを受信し通信するものとして説明されるが、モバイルサーバ178も、一部の実施形態においては、プロセスプラントに関する追加のデータを取得し、リモートコンピューティングデバイスに送信し得る。
【0109】
ブロック271では、モバイルサーバ178が、プロセス制御システムに関連付けられる構成データを、リモートアクセスネットワーク164を介してデータサーバ174から受信する。構成データは、1つ以上の構成ファイル74、かかるファイルに関連付けられる情報、またはプロセス制御システム内の利用可能なプロセスデータを説明する他の情報を含み得る。いくつかの実施形態においては、モバイルサーバ178は、モバイルサーバ178のメモリ内にプロセス制御システム(またはその一部)の構成の表現を記憶して、リモートコンピューティングデバイスによる検索速度を改善させてもよい。データサーバ174は、続いて、構成データへの更新または変更のみを提供してもよく、これをモバイルサーバ178が使用して、プロセス制御システムの構成の記憶された表現を修正し得る。いくつかの実施形態においては、ブロック272で、モバイルサーバ178は、構成データのうちの一部または全てを、モバイルネットワークを介して1つ以上のリモートコンピューティングデバイスに通信し得る。例えば、モバイルサーバ178は、本明細書の他箇所で記載されるように、利用可能なプロセスデータのリスト要求に応答して、またはユーザクエリに応答して、エンティティ、パラメータ、または関係する情報のリストを提供してもよい。
【0110】
ブロック273では、モバイルサーバ178が、閲覧リストの指標を、モバイルネットワークを介して少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスから受信する。この指標は、プロセス制御システム内の領域、処理装置、またはプロセスパラメータの指定によって等、データソースまたはパラメータによって閲覧リスト中のプロセスデータを指定し得る。この指標は、代替的に、プロセス制御システム内のエンティティまたはパラメータに関連付けられるエントリを含み得る、モバイルサーバ178のメモリに記憶された所定の閲覧リストを指定してもよい。モバイルサーバ178は、複数のかかる閲覧リストを複数のリモートコンピューティングデバイスから受信してもよく、その場合、一部の実施形態においては、モバイルサーバ178は、要求されたデータの統合されたリストをさらに生成し得る。モバイルサーバ178は、要求されたプロセスデータにおける変更の指
標のみを含む要求された変更のリストをさらに生成してもよい。モバイルサーバ178は、ポーリング要求がデータサーバ174から受信されるまで、閲覧リストの指標をリモートコンピューティングデバイスから受信し続け、リストを更新し得る。
【0111】
ブロック274では、モバイルサーバ178が、ポーリング要求を、リモートアクセスネットワーク164を介してデータサーバ174から受信する。ポーリング要求の受信に応答して、ブロック275では、モバイルサーバ178が、リモートコンピューティングデバイスから受信された閲覧リストの1つ以上の指標に基づいて、要求されたデータのリストを決定する。モバイルサーバは、所定のリストの指標に基づいて、リモートコンピューティングデバイスによって要求されたプロセスデータを識別し得る。いくつかの実施形態においては、モバイルサーバ178は、複数のリモートコンピューティングデバイスから要求されたデータの統合されたリストをさらに生成してもよい。モバイルサーバ178は、要求されたプロセスデータにおける変更の指標のみを含む、要求された変更のリストをさらに生成してもよい。またさらなる実施形態においては、モバイルサーバ178は、コンテクストに基づいて要求されるがリモートコンピューティングデバイスによって明確に要求されてはいないデータに関する、関係するプロセスデータを識別し得る。要求されたプロセスデータのリストは、リモートコンピューティングデバイスのユーザによって要求される可能性の高いプロセスデータをさらに取得するために、かかる関係するプロセスデータの指標を含み得る。ブロック276では、次に、モバイルサーバ178が、要求されたプロセスデータの決定されたリストを、リモートアクセスネットワーク164を介してデータサーバ174に送信する。要求されたプロセスデータの送信されたリストは、前述のリストまたは本明細書に記載される他の類似のリストのいずれであってもよい。
【0112】
ブロック277では、モバイルサーバ178が、複数のプロセスデータ値を、リモートアクセスネットワーク164を介してデータサーバ174から受信する。プロセスデータ値は、プロセス制御システム内のエンティティによって生成され、プロセス制御ネットワーク162を介してデータサーバ174に通信されるデータを含み得る。いくつかの実施形態においては、複数のプロセスデータ値は、複数のリモートコンピューティングデバイスによって要求されたデータを含んでもよい。したがって、モバイルサーバ178は、ブロック278で、特定の閲覧リストに関連付けられるデータに対応する受信された複数のプロセスデータ値からプロセスデータ値のセットを識別する。モバイルサーバ178は、各々リモートコンピューティングデバイスのうちの1つ以上によって示される閲覧リストに関連付けられる、複数のかかるプロセスデータ値のセットを識別し得る。各プロセスデータ値のセットは、リモートコンピューティングデバイスから受信された閲覧リストの指標に基づいてリモートコンピューティングデバイスによって直接的にまたは間接的に要求されたデータ値を含む。プロセスデータ値のセットが識別されると、モバイルサーバ178は、ブロック279で、このプロセスデータ値のセットを、モバイルネットワークを介して対応する1つ以上のリモートコンピューティングデバイスに通信する。これは、通知サービス196を介した通信を含んでもよく、この通知サービス196は、通知をリモートコンピューティングデバイスにプッシュするように構成されてもよい。
【0113】
図2Hは、プロセス制御システム(具体的には、ファイルインターフェース172及び通信機インターフェース170)、データサーバ174、モバイルサーバ178、及びリモートコンピューティングデバイス(具体的には、モバイルデバイス14)の間の通信を示す、例示的なモバイルサーバ通信シーケンスを示す。例示的なモバイルサーバ通信シーケンスは、モバイルサーバ178に関与する通信に特に集中する。この接続は、シーケンスの際立った特徴をよりよく示すために直線的に示されているが、介在する構成要素が関与し得ることを理解されたい。例えば、ファイルインターフェース172は、構成データをデータサーバ174に通信してもよく、通信機インターフェース170は、プロセスデータをデータサーバ174にさらに通信してもよい。コントローラ40及びデータサーバ
174は、プロセス制御ネットワーク162を介して通信する。データサーバ174及びモバイルサーバ178は、リモートアクセスネットワーク164を介して通信する。モバイルサーバ178及びモバイルデバイス14は、モバイルネットワークを介して通信し、このモバイルネットワークは、プロセスプラントでのローカルネットワーク(例えば、リモートアクセスネットワーク164の一部)、通知サービス196、またはインターネット180を含んでもよい。例示的なシーケンスは、明確化のために、ファイルインターフェース172、通信機インターフェース170、データサーバ174、モバイルサーバ178、及びモバイルデバイス14の各々のうちの1つしか示さないが、さらなる実施形態は、これらの構成要素のうちのいずれかを複数で、またはそれらの全てを含んでもよい。
【0114】
例示的な通信シーケンスは、データサーバ174からモバイルサーバ178への構成データの通信から始まる(線280)。いくつかの実施形態においては、モバイルサーバ178は、構成データ(またはその一部)をモバイルデバイス14にさらに通信してもよい(線281)。次に、モバイルデバイス14が、プロセス制御システム内のエンティティまたはパラメータに関連付けられるエントリを含み得る閲覧リスト指標をモバイルサーバ178に通信するか(線282)、あるいはモバイルサーバ178で記憶された所定のリストを示してもよい。次に、モバイルサーバ178が、データサーバ174からのポーリング要求を待ち得る。モバイルサーバ178は、定期的にデータサーバ174から送信され得るポーリング要求をデータサーバ174から受信する(線283)。ポーリング要求に応答して、モバイルサーバ178は、モバイルデバイス14から受信された閲覧リスト指標に少なくとも一部基づいて、要求されたデータのリストを決定する(線284)。いくつかの実施形態においては、要求されたデータのリストの決定は、閲覧リストエントリの決定、複数のリモートコンピューティングデバイスについての閲覧リストエントリの統合、及び要求する変更または更新された閲覧リストエントリの決定を含んでもよい。要求されたデータのリストが決定されるとき、モバイルサーバ178は、要求されたデータのリストをデータサーバ174に送る(線285)。
【0115】
データサーバ174は、プロセスデータを通信機インターフェース170から受信する(線286)。次に、受信されたプロセスデータの少なくとも一部が、要求されたデータのリストに基づいて、データサーバ174からモバイルサーバ178に送信される(線287)。プロセスデータをデータサーバ174から受信すると、モバイルサーバ178は、閲覧リストのエンティティまたはパラメータに関連付けられるプロセスデータ値を含む閲覧リストデータを決定する(線288)。閲覧リストの決定は、閲覧リストデータ値のセットを、1つ以上のモバイルデバイス14に関連付けられる各閲覧リストについて受信されたプロセスデータから選択することを含み得る。次に、モバイルサーバ178が、閲覧リストデータをモバイルデバイス14に送信する(線289)。
【0116】
図2Iは、モバイルデバイス14及び/またはモバイルサーバ178によって実装される様々なモジュール間の通信を示す、例示的な閲覧リストサブスクリプションシーケンスを示す。手短に図2Kを参照すると、例示的な実施形態においては、モバイルサーバ178は、ウォッチリストモジュール371、モバイルデータサービスモジュール372、アプリケーションプログラムインターフェース(API)373、ランタイムキャッシュ374、及びユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375を実装し得る。代替的な実施形態においては、ウォッチリストモジュール371及びモバイルデータサービスモジュール372はモバイルデバイス14上で動作してもよく、一方、ランタイムキャッシュ374及びユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375はモバイルサーバ178上で動作してもよく、API373はモバイルデバイス14とモバイルサーバ178とに分かれてもよい。閲覧リストサブスクリプションシーケンスは、閲覧リストの選択、閲覧リストに関連付けられるデータストリームへのサブスクリプション、及びデータストリームからの接続停止を示す。
【0117】
閲覧リストの選択は、モバイルデバイス14のユーザがモバイルデバイス14で閲覧リストを選択することから始まる。選択の指標は、モバイルデバイス14によってウォッチリストモジュール371に通信され得る(線290)。閲覧リスト選択の指標は、閲覧リストに関連付けられるデータを完全には指定しない場合があるため、閲覧リストモジュール371が閲覧リスト選択の指標をモバイルデータサービス372に通信し(線291)、このモバイルデータサービス372が閲覧リスト選択の指標をAPI373にさらに通信する(線293)。次に、API373が、選択された閲覧リストの定義を記憶しているデータベースにアクセスし、閲覧リストに関連付けられるデータを指定する閲覧リスト定義を読み込む(線293)。続いて、閲覧リスト定義がモバイルデータサービスモジュール372に通信され(線294)、このモバイルデータサービスモジュール372が閲覧リスト定義をウォッチリストモジュール371に通信する(線295)。ウォッチリストモジュール371は、閲覧リスト定義をモバイルデバイス14またはモバイルデバイス14の別のモジュールに提供して、ユーザが選択したウォッチリスト296を生成し得る。ユーザが選択したウォッチリスト296は、ユーザに提示されてもよく、あるいは値が後の使用のために記憶されてもよい。
【0118】
対応するデータストリームへのサブスクリプションは、閲覧リストの選択に応答して、APIがサブスクリプション要求をユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375に通信することから始まる(線297)。ユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375は、閲覧リスト選択に基づいて、サブスクリプションをプロセス制御システムからのプロセスデータ値に追加する(線298)。サブスクリプションの追加は、本明細書の他箇所で記載されるように、プロセスデータ値をデータサーバ174から要求することを含み得る。サブスクリプションが追加されると、ユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375はサブスクリプションの承認をAPI373に通信し(線299)、ユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375がランタイム値のプロセス制御システムからランタイムキャッシュ374への通信を開始する(線300)。ランタイム値は、本明細書の他箇所で考察されるように、プロセス制御システム内のエンティティまたはパラメータに関連付けられるプロセスデータ値であり得る。
【0119】
例示的な閲覧リストサブスクリプションシーケンスにおいて、ウォッチリストモジュール371は、定期的に(例えば、毎秒)または偶発的に(例えば、ユーザが特定のデータの閲覧するオプションを選択するときに)ランタイム値を更新する。ランタイム値を取得するために、ウォッチリストモジュール371は、最新値要求をモバイルデータサービスモジュール372に送り(線301)、これがランタイムキャッシュ374にさらに通信される(線303)。最新値要求がランタイムキャッシュ374にて受信されると、閲覧リストについての要求されたランタイム値が収集され(線304)、API373に通信される(線305)。次に、API373が、閲覧リストについてのランタイム値をモバイルサービスモジュール372に通信し(線306)、このモバイルサービスモジュール372がランタイム値をウォッチリストモジュール371に通信する(線307)。このシーケンスは、新たなランタイム値が所望されるたびに繰り返され得る。
【0120】
更新停止要求がウォッチリストモジュール371からモバイルデータサービスモジュール372に送られると、データストリームからの接続停止が生じ(線308)、API373にさらに通信される(線309)。API373は、更新停止要求をユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375に通信する(線310)。更新停止要求を受信すると、ユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375は、閲覧リストについてのランタイム値(即ち、プロセスデータ値)の取得を停止し得る。ユーザ閲覧リストサブスクリプションモジュール375はまた、更新停止承認メッセージをAPI373に送り(線311)、API373が更新停止承認メッセージをモバイルデータサービスモジュー
ル372に通信し(線312)、モバイルデータサービスモジュール372が更新停止承認メッセージをウォッチリストモジュール371にさらに通信する(線313)。
【0121】
図2Jは、プロセス制御システム中の例示的なデータサーバ174を示す。データサーバ174は、リモートアクセスネットワーク164を介してサーバ178に通信可能に接続される。さらに、データサーバ174は、プロセス制御ネットワーク162を介してプロセス制御システム内の複数の構成要素に通信可能に接続される。プロセス制御ネットワーク162は、データサーバ174を、コントローラ40、コントローラ40に関連付けられる通信機インターフェース170、構成データベース60、構成データをデータサーバ174に提供するファイルインターフェース172、及びプロセスプラントに関連付けられる過去のプロセスデータを記憶するデータヒストリアン62に接続する。
【0122】
データサーバ174は、複数の特殊モジュールまたはルーチンを含み得るデータサービス176を含むことで通信を促進する。データサービス176は、データスキャナ314、構成モジュール315、及びデータモジュール316を含み得る。構成モジュール315は、構成データベース60またはファイルインターフェース172と通信して、構成ファイル74等のプロセス制御システムに関する構成データを取得する。データモジュール316は、データヒストリアン62、コントローラ40、または通信機インターフェース170からデータ値を要求し、取得し得る。データモジュール316はまた、本明細書の他箇所で考察される方法に従って、モバイルサーバ178への通信のために受信されたデータ値を選択し得る。データスキャナ314は、ストリーミングプロセスデータ値を、プロセスコントロールネットワーク162を介してコントローラ40または通信機インターフェース170から受動的に受信し得る。いくつかの実施形態においては、データスキャナ314は、プロセス制御ネットワーク162を通して通信される全てのプロセスデータをスキャンしてもよく、そのプロセスデータ値の一部は、次に、モバイルサーバ178への通信のために識別され得る。追加の要素、代替的な要素、またはより少ない要素が、データサーバ174の他の実施形態に含まれ得る。
【0123】
図2Kは、プロセス制御システム中の例示的なモバイルサーバ178を示す。モバイルサーバ178は、モバイルデバイス14またはウェブクライアント198と通信可能に接続されて、L1データを含み得るプロセスデータをリモートユーザに提供する。アプリケーションAPI317は、データリスト(例えば、アラームリスト、ウォッチリスト等)及び関係するデータ値のモバイルサーバ178とリモートコンピューティングデバイス(即ち、モバイルデバイス14またはウェブクライアント198)との間の通信を処理する。さらに、モバイルサーバ178は、通知サービス196を介して通知をモバイルデバイス14に通信する通知モジュール327を含んでもよく、この通知モジュール327は、GoogleまたはApple通知サービス等の第三者通知サービス182を通して通知をさらに送り得る。アプリケーションAPI317は、ユーザ認証及びパーソナリゼーションをさらに処理し、これを目的として、アプリケーションAPI317は、認証サーバ318ならびにモバイルサーバ178の様々な内部構成要素とさらに通信し得る。認証及びパーソナリゼーションに関係する内部構成要素は、構成データベース321及びユーザカスタマイズモジュール322を含み得る。構成データベース321は、ユーザモジュール333から情報をさらに受信してもよく、このユーザモジュール333は、データ接続334を介してエグゼクティブポータル(expo)サーバ179の構成ユニット330から受信された構成及びパーソナリゼーションデータを処理してもよい。
【0124】
認証及びパーソナリゼーション構成要素に加えて、アプリケーションAPI317は、検索データベース319、ロギングデータ320、及びメモリキャッシュ323と通信し得る。検索データベースは、本明細書の他箇所で考察されるように、構成データを検索モジュール332から受信して、L1データまたは要約データのレベルでのプロセス制御シ
ステム内の利用可能なプロセスデータ検索を促進し得る。検索モジュール332は、構成データを、データ接続334を介してエキスポサーバ179の構成ファイル処理装置331から受信し得る。ロギングデータベース320は、オフライン分析のために使用メトリクスを記憶し得る。メモリキャッシュ323は、アプリケーションAPI317及びストリーム処理装置325と通信して、通知を促進し、記憶されたリスト324を管理する。
【0125】
ストリーム処理装置325は、プロセスデータ値を、データ接続334を介し、ランタイムスキャナ326を介してプロセス制御システムから受信する。ランタイムスキャナ326は、プロセスデータ値を、データ接続334を介してプロセス制御システム内のポータル171の通信機インターフェース170からさらに取得する。ランタイムスキャナ326は、構成データベース321からの構成データに基づいてプロセスデータ値を識別し得る。プロセスデータ値を受信すると、ストリーム処理装置325は、受信されたデータ値を評価して、リモートコンピューティングデバイスによって要求された、パラメータ、エンティティ、アラーム、または通知に関連付けられる要求されたデータ値を識別する。ユーザカスタマイズモジュール322及び構成データベース321は、リモートコンピューティングデバイスに通信されるデータに関する情報を提供し得、これがメモリキャッシュ323に追加され得る。通知が送信されるべきであることがストリーム処理装置325によって決定されると、通知情報が通知モジュール327に送られて、通知サービス196を介してモバイルデバイス14にプッシュされる。
【0126】
エキスポサーバ179は、ユーザ、デバイス、ライセンス、及びプロセス制御システムについてのシステムレベル情報に関する情報を記憶するエキスポデータベース328を含み得る。これは、構成ファイル74と、プロセスデータにアクセスするためのユーザ認証に関する情報とを含み得る。エキスポデータベース328は、プロセス制御システム内で動作するエキスポコンフィグレータ装置329によって構成され得る。次に、エキスポデータベース328は、構成及び認証データを、データ接続334を介し、構成ユニット330を介してユーザモジュール333に、また構成ファイル処理装置331を介して検索モジュールに提供する。さらなる要素、代替的な要素、またはより少ない要素が、モバイルサーバ178の他の実施形態に含まれ得る。例えば、データサーバ174は、モバイルサーバ178と、両エキスポサーバ179と、通信機インターフェース170との間に含まれてもよい。
【0127】
図2Lは、モバイルサーバ178内の例示的なモバイルサーバ内部通信アーキテクチャを示す。例示的なアーキテクチャは、モバイルサーバ178内の論理結合の代替図を示す。モバイルサーバ178は、モバイルサービス339内のサーバサイドスキャナ335とエキスポサーバ338内のクライアントサイドスキャナ336との間のWindows Communication Foundation(WCF)フレームワーク(Microsoft Corp.により開発)等の非同期通信APIを介して通信する、モバイルサービス339及びエキスポサーバ338を含み得る。エキスポサーバ338において、サーバサイドスキャナ335は、エキスポ通信機337と通信して、エキスポデータベース328からの構成を処理する。モバイルサービス339においては、クライアントサイドスキャナ336が、受信されたデータをウォッチリスト項目ユニット324に通信し、これはさらにモバイルサービス190に通信し得る。モバイルサービス190は、モバイルデバイス14との通信をさらに管理する。
【0128】
通知及びアラーム
他のプロセスデータに加えて、本明細書に記載されるシステム及び方法を使用して、プロセスプラントに関連付けられるアラームをリモートコンピューティングデバイスのユーザに通信してもよい。アラームは高い頻度で時間的制約があり、緊急であり得るため、本明細書に記載されるシステム及び方法のリアルタイムのデータ通信という特徴は、アラー
ムに関して特に価値のあるものである。アラームは、プロセス制御システムによって生成されるL1データとして含まれてもよく、データサーバ174を介してモバイルサーバ178に通信されるプロセス制御データ値に含まれてもよい。例えば、アラームは、構成データ中で定義されるパラメータであってもよく、制御モジュール等のエンティティに関連付けられるプロセスデータに含まれてもよい。かかるアラームは、プロセスパラメータであり得、アラームステータスをプロセスパラメータデータ値として有してもよく、これは、アラームステータスの所定のセット(例えば、抑制中、無効、認識済み、未認識の動作中、認識済みの動作中、及び停止中の未認識)から選択され得る。アラームステータスは、プロセス制御システム内の他のパラメータに基づくか、さもなければプロセスプラント内の状態、例えば、プロセスプラントの一部における処理された材料のステータス、プロセスプラントの一部における環境状態、またはプロセスプラント内のデバイス(例えば、フィールドデバイス44~46または機器ユニット)の状態を示し得る。いくつかの実施形態においては、アラームに関連付けられる状態は、その状態自体がプロセス内で直接測定されない場合(例えば、プロセスプラント内の物理的制約に起因して)等、状態に関連付けられるプロセス入力または出力に基づいて監視され得る。
【0129】
他のプロセスデータと同様、アラームは、リモートコンピューティングデバイスのユーザによって選択されるアラームリストの一部として監視またはサブスクリプションのために選択され得る。このため、モバイルサーバ178は、データサーバ174から送信されたプロセスデータ値の一部としてアラームステータスを受信する。モバイルサーバ178は、アラームステータスをさらに処理して、ユーザが警告されるべきであるか否かを決定する。あるいは、アラームは、プロセス制御システムからの関連するプロセスデータ値に基づいて、モバイルサーバ178によって実装されてもよい。例えば、アラームは、複数のアラームステータスの各々に関連付けられる1つ以上のパラメータについての値範囲を指定してもよい。モバイルサーバ178は、次に、関連するパラメータ値がデータサーバ174から受信されるときに、関連する1つ以上のパラメータにサブスクライブし、アラームステータスを決定し得る。生成される方法にかかわらず、アラームは、ユーザに警告するときを決定するために監視され得る。アラームステータスが送信に関する1つ以上の基準を満たすとき、モバイルサーバ178は、ユーザへの提示のために、対応するリモートコンピューティングデバイスに通知またはアラートを通信し得る。かかるアラートまたは通知は、他のプロセスデータ値と同様にモバイルネットワークを通して通信されてもよく、あるいはアラートまたは通知は、通知サービス196を介して送信されてもよい(この通知サービス196は、他のサービス、例えば、GoogleまたはApple通知サービス等の第三者通知サービス182とさらに相互作用してもよい)。このため、本明細書に記載されるアラーム及び通知方法及びシステムは、本明細書の他箇所で記載される他の方法によって、またはそれらと共に実装されてもよい。
【0130】
図2Mは、プロセス制御システムを監視し、アラームをリモートコンピューティングデバイスに提供するための例示的なアラーム通知方法340を示す。アラーム通知方法340は、モバイルサーバ178によって実装されて、通知、またはアラームに関連付けられる他のアラートを識別し、送信し得る。ブロック341では、モバイルサーバ178が、1つ以上のリモートコンピューティングデバイスに対するプロセス制御システム中のアラームへのサブスクリプションを確立する。本明細書の他箇所で考察されるように、かかるサブスクリプションは、データリスト(例えば、アラームリスト、またはアラームをプロセスデータエントリとして含む他のリスト)の選択、及びポーリング要求に応答して送られ得るモバイルサーバ178からデータサーバ174へのアラームを含むプロセスデータに対する要求に応答して確立され得る。ブロック342では、モバイルサーバ178が、プロセスデータを、リモートアクセスネットワーク164を介してデータサーバ174から受信する。かかるプロセスデータは、複数のプロセスデータ値を含んでもよく、これらのプロセスデータ値は、それらがプロセス制御システム内で生成されるときにリアルタイ
ムで送信されるプロセスデータ値の1つ以上のストリームとして受信され得る。
【0131】
プロセスデータを受信すると、モバイルサーバ178は、ブロック343で、受信されたプロセスデータ中のアラームデータ値を識別する。アラームデータ値は、プロセスプラント内の監視されている状態に関連付けられるアラームステータスであり得る。あるいは、アラームデータ値は、アラームステータスに関連付けられる別のプロセスデータ値であってもよい。識別されたアラームデータ値に基づいて、モバイルサーバ178は、アラームステータスに関連付けられる通知を決定し、リモートコンピューティングデバイスに通信し得る。
【0132】
ブロック344では、モバイルサーバ178は、アラームデータ値の通知を1つ以上のリモートコンピューティングデバイスに通信する。通知は、アラームステータスを含んでもよく、あるいは代替的な通知であってもよい。いくつかの実施形態においては、通知は、アラームに関連付けられる状態の解決に関する推奨、その状態の解消にかかる時間、またはその状態に関する注記等のアラームに関係する追加情報をさらに含んでもよい。かかる追加データは、データヒストリアン62または知識レポジトリ64からデータサーバ174を介して取得されてもよく、あるいは追加データは、モバイルサーバ178によってエンタープライズヒストリアン188から取得されてもよい。データサーバ178は、本明細書の他箇所で考察されるように、通知(任意の追加データを含む)を、リモートコンピューティングデバイスに関連付けられる閲覧リストに基づいて、1つ以上のリモートコンピューティングデバイスに通信し得る。通知の通信は、インターネット180またはローカルネットワーク等のモバイルネットワークを通して通知を送ることを含み得る。ローカルネットワークは、例えば、通知を、Wi-Fiアクセスポイント12aによってリモートアクセスネットワーク164を介してモバイルデバイス14に送るために使用され得る。いくつかの実施形態においては、通知は、通知サービス196を介してリモートコンピューティングデバイスに通信されてもよい。通知サービス196は、通知が通信されるときに、プロセスデータに関連付けられるアプリケーション(例えば、特殊目的監視アプリケーション、またはプロセスデータをモバイルサーバ178から受信することができるウェブブラウザ)がリモートコンピューティングデバイス上で動作しているか否かにかかわらず、通知をリモートコンピューティングデバイスにプッシュし得る。このため、ユーザは、ユーザがプロセスデータを閲覧していないときであっても、アラームについて警告され得る。通知を受信すると、リモートコンピューティングデバイスは、ブロック345で、通知に対応するアラートをユーザに提示する。
【0133】
図2Nは、アラートまたは通知のモバイルサーバ178からモバイルデバイス14への通信を示す、例示的なアラーム送信シーケンスを示す。例示的な実施形態においては、モバイルサーバ178は、ランタイム通知サービス326、通知フィルタ325、及びアプリケーションAPI317を実装し得る。通知がモバイルデバイス14への送信のためにモバイルサーバ178によって識別されると、この通知が、モバイルサーバ178のランタイム通知サービス326によって生成され得るかまたはそれに通信され得る。あるいは、ランタイム通知サービス326が通知を識別して、モバイルサーバ14に送ってもよい。いずれにせよ、ランタイム通知サービス326は、通知を通知フィルタ325に送り、この通知フィルタ325が、どのように通知がモバイルデバイス14に送信されることになるかをさらに決定し得る。通知フィルタ325は、次に、さらなる送信のために通知をアプリケーションAPI317に送る。
【0134】
アプリケーションAPI317は、通知サービス196(例えば、Microsoft
Corp.によって開発されたAzure Notification Hub)と通信してもよく、この通知サービス196は、通知チャネル346を介し、GoogleまたはApple通知サービス等の第三者通知サービス182を介してモバイルデバイス1
4に通知をさらに送信するように構成され得る。通知を受信すると、アプリケーションAPI317は、通知を通知サービス196に送る。通知サービス196は、第三者通知サービス182を選択し、この選択された第三者通知サービス182に通知を送る。第三者通知サービス182は、通知を受信し、それを通知チャネル346に送り、この通知チャネル346が通知をモバイルデバイス14に通信する。次に、モバイルデバイス14が通知をユーザに提示し得る。いくつかの実施形態においては、モバイルデバイス14は、ユーザによる通知の選択を含み得る保留されている通知を読み込む要求を受信してもよい。かかる要求に応答して、モバイルデバイス14は、通知と共に含まれるか、またはモバイルサーバ178から別々に受信される追加情報を提供し得る。さらなる実施形態においては、モバイルデバイス14は、プロセスデータアプリケーションを実装し、ユーザからの要求の受信に応答して、通知に関連付けられるプロセスデータを取得してもよい。
【0135】
図2Oは、アラームに関連付けられる通知のモバイルデバイス14への通信を示す例示的なアラーム通知アーキテクチャを示す。例示的なアーキテクチャは、モバイルデバイス14とモバイルサーバ178との間でのデータ通信に関与する主な構成要素を示す。モバイルサーバ178は、通知(例えば、アラームに関連付けられるアラート)をモバイルデバイス14に送る通知モジュール327を含むが、通知モジュール327は、通信をモバイルデバイス14から折り返して受信しない。通知モジュール327は、モバイルデバイス14に送られることになる通知を受信するか、またはかかる通知をモバイルサーバ178によって受信されたプロセスデータに基づいて決定する。通知を識別すると、通知モジュール327は、通知を、インターネット180を介して通知サービス196に送り得る。通知サービス196は、次に、Apple Inc.によるiCloud等のクラウドベースサービスであってもよい第三者通知サービス182に通知を送る。続いて、第三者通知サービス182が、ユーザに提示するために通知をモバイルデバイス14にプッシュし得る。
【0136】
モバイルサーバ178のアプリケーションAPI317はデータの送受信両方を行う。上で考察されるように、アプリケーションAPI317は、構成データ及び要求されたプロセスデータ値を、インターネット180等のモバイルネットワークを介してモバイルデバイス14に送り得る。アプリケーションAPI317はまた、クエリ、構成データの要求、またはプロセスデータ(例えば、ウォッチリスト、アラームリスト等)の選択等、モバイルネットワークを介したモバイルデバイス14からの通信を受信する。アプリケーションAPI317は、通常の通信のためのモバイルデバイス14とモバイルサーバ178との間のインターフェースを提供し、一方、通知モジュール327は、特に時間的制約のある情報(例えば、アラームに関連付けられるアラート)の通知をプッシュする。モバイルデバイス14は、様々なソフトウェアアプリケーション、モジュール、またはルーチンを実装して、データの送受信を行い、GUIを介してデータをユーザに提示し得る。例えば、モバイルデバイス14は、モバイルネットワークを介して通信を処理するための(かついくつかの実施形態においては、通知を受信するための)モバイル及びデータサービスを含んでもよい。このモバイル及びデータサービスは、データをモバイルデバイス14のローカルメモリに記憶し、またそこから取得するだけでなく、閲覧モデル中の入力用にデータを提供し得る。閲覧モデルは、ユーザによって選択または作成された閲覧を、モバイルサーバ178またはローカルメモリから受信されたプロセスデータ値と組み合わせて、プロセスプラントに関する使用可能な情報をユーザに提示する。閲覧モデルは、本明細書の他箇所で記載されるように、記憶またはモバイルサーバ178への通信のためにデータをモバイル及びデータサービスにさらに通信して、プロセス制御システムからの構成データまたはプロセスデータについての要求を示してもよい。
【0137】
図2Pは、プロセス制御システム内のアラームに関する通知及び追加データをモバイルデバイス14等のリモートコンピューティングデバイスに提供するための例示的なアラー
ム応答方法350を示す。方法350は、モバイルサーバ178によって実装されて、アラームに関連付けられる通知または他のアラートを識別して送信し、かかるアラームに関連付けられるさらなる情報の要求を受信し、アラームに関連付けられる追加データを提供し得る。ブロック351では、本明細書の他箇所で記載されるように、モバイルサーバ178が、複数のプロセスデータ値を、リモートアクセスネットワーク164を介してデータサーバ174から受信し得る。プロセスデータをモバイルサーバ174から受信すると、モバイルサーバ178は、プロセス制御システム内のアラームに関連付けられるデータを識別し得る。アラームの識別は、データサーバ174から受信された複数のプロセスデータ値におけるアラームステータスの識別を含んでもよく、あるいはアラームの識別は、モバイルサーバ178で複数のプロセスデータ値の中のパラメータ値からアラームステータスを決定することを含んでもよい。モバイルサーバ178は、次に、リモートコンピューティングデバイスに送信するために通知を生成または選択し得、この通知はアラームステータスを含んでもよい。
【0138】
ブロック352では、モバイルサーバ178が、識別されたアラームに関連付けられる通知をリモートコンピューティングデバイスに通信する。通知は、第三者通知サービス182を介したモバイルデバイス14へのさらなる通信のために、通知サービス196にモバイルサーバ178の通知モジュール327を介して通信され得る。通知の受信後、リモートコンピューティングデバイスは、通知をユーザに提示してもよく、また通知に関する追加データへのユーザ要求を受信してもよい。追加データへの要求は、アラーム、またはアラームに関連付けられるプロセスプラント内の状況に関連付けられる特定のデータを指定し得る。例えば、ユーザは、通知の表現を選択することによって利用可能な関連情報のリストからさらに詳細な情報を選択してもよい。あるいは、追加情報への要求は、単純に、プロセス制御システム内で利用可能であり、かつアラームに関連付けられる状態に関連付けられる追加データを要求してもよい。
【0139】
ブロック353では、モバイルサーバ178は、リモートコンピューティングデバイスからその状態に関連付けられる追加データへの要求を受信する。追加データへのかかる要求は、モバイルネットワークを介してリモートコンピューティングデバイスからモバイルサーバ178に受信され、モバイルサーバ178のアプリケーションAPI317としてによって受信され得る。例えば、モバイルデバイス14は、追加データへの要求を含むメッセージを、インターネット180を介してモバイルサーバ178のアプリケーションAPI317に送ってもよい。モバイルサーバ178が追加データへの要求を受信した後、ブロック354で、モバイルサーバ178は、リモートコンピューティングデバイスに送られることになる、状況に関連付けられる追加データを識別し得る。モバイルサーバ178は、要求に含まれる追加データを指定する指標から追加データを識別し得る。さらにまたはあるいは、モバイルサーバ178は、領域、プロセス装置、機器ユニット、制御モジュール、またはアラームに関連付けられるパラメータ(またはアラームの入力パラメータ)の識別等によって、データサーバ174から以前に受信された構成データに基づいて、追加データを識別してもよい。例えば、アラームをトリガしたパラメータ値に関連付けられる機器ユニットに関するプロセスデータは、要求に関連性のある追加データとして識別され得る。さらなる実施形態においては、モバイルサーバ178は、プロセスプラントにおける状態に関連性のあり得るアラームまたは機器に関するデータ、例えば、状態または状態に関連付けられるプロセス制御システム内のエンティティに関連付けられる推奨または注記等を識別し得る。モバイルサーバ178で利用可能である場合、識別された追加データがリモートコンピューティングデバイスに送られ得る。識別された追加データの一部または全てがモバイルサーバ178で利用可能でない場合には、モバイルサーバ178は追加データを取得してもよい。追加データの取得は、追加データに関連付けられるプロセスデータ値をデータサーバ174から要求することを含み得る。追加データ値の取得は、追加データ値をデータヒストリアン62または知識レポジトリ64から取得することをさ
らに含み得る。モバイルサーバ178が追加データを識別したら、モバイルサーバ178は、識別された追加データを、モバイルネットワークを介してリモートコンピューティングデバイスに通信し得る。これは、追加データ値を含む1つ以上のメッセージを、インターネット180を介してアプリケーションAPI327からモバイルデバイス14へと送ることを含み得る。リモートコンピューティングデバイスは、次に、追加データ値をユーザに提示するか、または後の提示のために追加データ値を記憶し得る。
【0140】
ウェブブラウザの実装
本明細書の開示は一般に、遠隔コンピューティングデバイスをモバイルデバイス14として例示するが、他のリモートコンピューティングデバイス(例えば、ウェブブラウザまたはその中のアプリケーションなどのウェブクライアント198)が、開示されるシステム及び方法を用いて、インターネット180または他のセキュリティ保護されていないネットワークを介してプロセスデータにアクセスしてもよいことが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、かかるリモートコンピューティングデバイスはまた、1つ以上のセキュリティ保護されたネットワークを介してモバイルサーバ178と通信してもよい。本明細書に記載されるプロセスは、それにもかかわらず、さらなるセキュリティ対策として使用され得る。セキュリティ保護されていないネットワークを介してモバイルサーバ178に接続されたモバイルデバイスまたは設置型コンピュータ上で動作し得る、例示的なウェブクライアントの実装が、図2Qに示される。
【0141】
図2Qは、ウェブクライアント198にてモバイルサーバ178からプロセスデータを受信するための例示的なウェブクライアントの実装を示す。例示的な図は、ウェブクライアント198の構成要素とモバイルサーバ178との間の通信を示す。モバイルサーバ178は、上に考察したように、リモートコンピューティングデバイスとの通信を制御するモバイルサービス190を含んでもよい。ウェブクライアントの実装において、モバイルサービス190は、モバイルサーバ178内でアプリケーションAPI 317と通信し得る。アプリケーションAPI 317は、アプリケーションAPI 317の1つ以上のアプリケーションサービス356によってモバイルサービス190からの情報を送受信し得る。アプリケーションAPI 317は次いで、ビューコントローラ357、ウェブサービス358、またはWebSockets 359を使用し得る。ビューコントローラ357及びウェブサービス358は、データをウェブクライアント198に提供し得る一方で、WebSockets 359は、データをウェブクライアント359に送信すること及びデータをウェブクライアント359から受信することの両方を行い得る。ビューコントローラ357は、ウェブクライアント198(例えば、HTMLページ、CSSファイル、またはJavaScript)のGUIによる表示対象のビューの輪郭を画定する静的ファイルを送信し得る。ウェブサービス358は、静的ファイルで使用されるプロセスデータ値をウェブクライアント198に送信し得る。ウェブサービス348は、レプレゼンテーショナル・ステート・トランスファ(representational state transfer、REST)ウェブサービスであり得、JavaScript Object Notation(JSON)を使用してデータ値を効率的に送信し得る。WebSockets 359もまた、モバイルサーバ178とウェブクライアント198との間の通信にJSONを使用し得る。示されていないが、アプリケーションAPI 317は、インターネット180または他の通信ネットワークを介してウェブクライアント198と通信し得る。
【0142】
ウェブクライアントは、データサービスモジュール361を介してモバイルサーバ178と通信するデータクライアント装置360を含み得る。データサービスモジュール361は、モバイルサーバ178のビューコントローラ357、ウェブサービス358、またはWebSockets 359から静的ファイル、データ値、及び任意の他のデータを受信し得る。データサービスモジュール361はまた、WebSockets 359に
データを通信し得る。データサービス361は、データクライアント装置360内で通信して、リモートコンピューティングデバイスのGUIを生成、またはリモートコンピューティングデバイスのGUIにデータを提供し得る。ユーザにデータを提示するために、データクライアント装置360は、ユーザからの指示子を含めた指示子366に基づいて、構成要素364をテンプレート365と結合し得る。クラス362及びインターフェース363が、モバイルサーバ178によって提供されるデータを受信するデータサービス361と、ユーザインターフェースの構成要素364との間の通信において使用され得る。示されるウェブクライアントの実装は、例示にすぎず、ウェブクライアントの実装の他の実施形態においては、追加の、代替的な、またはより少数の要素が含まれてもよい。
【0143】
GUI生成
上で考察したように、ユーザがプロセス制御システムのプロセスデータ及びアラームを遠隔で閲覧することを可能にするために、モバイルコンピューティングデバイスで動作するアプリケーションが使用される。特に、アプリケーションは、プロセス制御システムによって生成されたプロセスデータ及び/またはアラームを表す様々なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提示するように構成される。図3Aは、モバイルサーバ178、モバイルコンピューティングデバイス14、モバイルコンピューティングデバイス14上で動作するアプリケーション16、及びモバイルコンピューティングデバイス14のディスプレイ上で提示されるGUI 18間の対話を詳細に示す信号図を示す。全般的に、アプリケーション16及びモバイルコンピューティングデバイス14は、モバイルコンピューティングデバイス14の1つ以上のAPIを介して対話して、GUI 18を生成及び表示する。モバイルコンピューティングデバイス14のAPIに加えて、モバイルサーバ178もまた、モバイルサーバ178とモバイルコンピューティングデバイス14との間の通信を制御するため、ならびにプロセス制御システムによって生成されるプロセスデータ及び/またはアラームへのアクセスを制御するための1つ以上のAPIを含み得る。
【0144】
ある態様において、信号図に示されるプロセスは、ユーザが(602)アプリケーション16にログイン(602)するためにGUI 18対話するときに開始する。一般に知られているように、ログインプロセスは、ユーザがユーザ名及びパスワードを提供することを含む。一実施形態において、アプリケーション16は、モバイルコンピューティングデバイス14上で動作するブラウザアプリケーションである。この実施形態において、ユーザは、本明細書に記載される機能性を容易にするウェブポータルにログインし得る。別の実施形態においては、アプリケーション16は、プロセス制御システムとの対話に特化したアプリケーションである。この実施形態において、ログインプロセスは、ユーザが特化型アプリケーションを立ち上げるときに生じ得る。アプリケーション16は、ログイン情報を受信し、モバイルサーバ178のAPIに従って認証要求を生成する。認証要求は、ユーザの識別情報の指標及び/またはモバイルコンピューティングデバイス14の識別情報の指標を含み得る。次に、アプリケーション16は、通信ネットワークを介して、モバイルサーバ178への送信(606)のために認証要求をモバイルコンピューティングデバイス14に転送する(604)。示されるプロセスにおいて、モバイルサーバ178は、認証要求を処理し、ユーザに、プロセス制御システムによって生成されるプロセスデータ及び/またはアラームにアクセスする権限を与える(608)。ある実施形態においては、アクセスは、ユーザに対応するユーザプロファイルにおいて具体的に許可された一組のプロセスデータ及び/またはアラームに制限される。いくつかの実施形態においては、ユーザは、複数の異なるプロセス制御システムからのプロセスデータ及び/またはアラームにアクセスする権限を与えられ得る。アクセス権を付与した後、モバイルサーバ178は、モバイルコンピューティングデバイス14に、ユーザの認証が成功したという認識通知を送信する(610)。モバイルコンピューティングデバイス14は次いで、ユーザの認証が成功したことをアプリケーション16に通知する(612)。
【0145】
ユーザがプロセス制御システムによって生成されるプロセスデータ及び/またはアラームにアクセスする権限を与えられると、ユーザはGUI 18と対話して、プロセスデータ及び/またはアラームのビューリストを選択する(614)。ビューリストは、アラームリスト、ウォッチリスト、バッチリスト、またはリストのリスト(すなわち、アラームリスト、ウォッチリスト、バッチリスト、及び/または他のリストのリスト)であり得る。例えば、アプリケーション16にログインすると、アプリケーション16は、ユーザがアクセス権を有する複数のビューリストを提示するインターフェースを生成し得る。この例において、選択は、クリック、タップ、または複数のビューリストの中から特定のビューリストを指示するGUI 18との他のユーザ対話であり得る。当然ながら、GUI 18は、口頭コマンド及び/またはジェスチャの使用を含めて、他の既知のユーザインターフェース技法により選択を検出するように構成されてもよい。次に、アプリケーション16は、選択されたビューリストに対応するデータの要求を生成する。ある態様において、アプリケーション16は、モバイルサーバ178のAPIに従って、ビューリストの指標を含むようにデータの要求をフォーマットする。アプリケーション16は次いで、通信ネットワークを介して、モバイルサーバ178への送信(618)のためにデータの要求をモバイルコンピューティングデバイス14に転送する(616)。
【0146】
本明細書の他の箇所に記載される態様によれば、モバイルサーバ178がデータの要求を受信すると、モバイルサーバ178は、ビューリストデータベースに問い合わせて(図示されず)、指示されるビューリストに含まれる複数のパラメータを決定する。ある実施形態においては、モバイルサーバ178はまた、指示されるビューリスト内の各項目に関連付けられる複数のパラメータを決定する。例えば、指示されるビューリストがアラームリストである場合、モバイルサーバ178は、アラームリスト内の各項目に関連付けられる複数のパラメータを決定する。別の例においては、指示されるビューリストがリストのリストである場合、モバイルサーバ178は、リストのリスト内の各リストに関連付けられる複数のパラメータ(及びその中の項目に関連付けられる複数のパラメータ)を決定する。
【0147】
複数のパラメータは、ランタイムパラメータ及び非ランタイムパラメータの2つの一般的分類に分割される。ランタイムパラメータには、オペレーションの現在の状態を指示する、フィールドデバイス44及び/または制御モジュール70によって生成されるパラメータが含まれる。この目的で、ランタイムパラメータは、フィールドデバイス44及び/または制御モジュール70の状態における「リアルタイム」または現在のビューを表し得る。例として、ランタイムパラメータには、プロセス値、限界値、出力値、またはアラーム記録が含まれ得る。他方で、非ランタイムパラメータは、フィールドデバイス44及び/または制御モジュール70の概して静的な特性を表す傾向がある。例として、非ランタイムパラメータには、フィールドデバイスまたは制御モジュールの名称、フィールドデバイスまたは制御モジュールのタグ、項目の役割、ランタイムパラメータに関連付けられる装置等が含まれ得る。非ランタイムパラメータは概して静的であるものの、非ランタイムパラメータはそれでも時々(例えば、新たなフィールドデバイスがプロセス制御システムに追加されるとき)変化し得ることが理解されるべきである。
【0148】
ランタイムパラメータ及び非ランタイムパラメータのこれらの異なる特性に基づいて、モバイルサーバ178は、データをランタイムパラメータ及び非ランタイムパラメータについて異なる様態で取り出すように要求を処理する。この目的で、モバイルサーバ178は、構成データ(例えば、FHXファイル)に問い合わせて(622)、非ランタイムパラメータを取り出す。モバイルサーバ178は次いで、取り出された非ランタイムパラメータをモバイルコンピューティングデバイス14に送信する(626)。逆に、ランタイムパラメータに関しては、モバイルサーバ178は、そのパラメータを含むデータストリ
ームにモバイルコンピューティングデバイス14をサブスクライブする(620)。ある実施形態においては、モバイルコンピューティングデバイスをデータストリームにサブスクライブするために、モバイルサーバ178は、図2Cに示されるデータサブスクリプション方法220のステップに従う。データストリームは、いくつかの実施形態においては、階層的に組織化され得るため、データストリームはまた、いくつかの非ランタイムパラメータ(例えば、制御モジュールまたはフィールドデバイスの名称またはタグ)への参照を含み得ることが理解されるべきである。別の例として、いくつかのビューリストは、パラメータの履歴的動向のグラフィカル表現を含み得る。この例において、データストリームは、そのパラメータに関する複数の履歴値(例えば、直近12時間の各分に対応する値)を含み得る。ランタイムパラメータとは異なり、これらの履歴値は、モバイルサーバ178と相互接続されたデータヒストリアン(図示されず)から取り出される。モバイルコンピューティングデバイス14がデータストリームにサブスクライブされた後、モバイルサーバ178は、データストリームをモバイルコンピューティングデバイス14に周期的に送信し得る(628)。いくつかの実施形態においては、データストリームは、実際には、複数の異なるプロセス制御システムからの複数の異なるデータストリームを含む集計データストリームであってもよい。
【0149】
加えて、態様によれば、アプリケーション16は、選択されたビューリストに対応するテンプレートデータベース(図示されず)内のテンプレート(例えば、ビューモデル)を取り出す(624)。テンプレートは、ビューリストのパラメータ値が表示されるGUI
18上の位置を含む。例として、テンプレートがタイトルバーを含む場合、テンプレートは、選択されたビューリストについてのfriendlyNameパラメータに関するタイトルバー上での位置を指示し得る。1つのシナリオでは、テンプレートは、特定の種類のビューリストについてのデフォルトテンプレートである。別のシナリオでは、選択されたビューリストについてのテンプレートは、カスタマイズされたテンプレートであり得る。例えば、ユーザは、選択されたビューリストに対応するGUI 18が様々なパラメータの可視化を含むかどうかをカスタマイズしてもよい。この目的で、ユーザは、どのパラメータ(例えば、プロセス値、セット点、限界等)がGUI 18上に提示されたグラフにおいて表示されるか、グラフが目盛を含むかどうか、グラフがラインチャートかそれともバーチャートを含むか、またはさらにグラフがそもそもGUI 18上に表示されるかどうかをカスタマイズ可能であり得る。
【0150】
モバイルコンピューティングデバイス14が、取り出された非ランタイムパラメータ、及びランタイムパラメータを含むデータストリームを受信すると、モバイルコンピューティングデバイス14は、受信したデータをアプリケーション16に提供する。アプリケーション16は次いで、取り出されたテンプレートに、モバイルコンピューティングデバイス14によって提供されたデータを自動入力する(632)。この目的で、テンプレートに含まれるパラメータ及びモバイルコンピューティングデバイス14によって提供されるパラメータは、互いに対応し得る(例えば、両方のパラメータが同じ名称を有する)。次に、アプリケーション16は、モバイルコンピューティングデバイス14に、自動入力されたテンプレートをGUI 18上に表示させる(634)一組の命令を生成する。一態様において、一組の命令は、モバイルコンピューティングデバイスのAPIに従ってフォーマットされる。例えば、モバイルコンピューティングデバイス14オペレーティングシステムは、GUIをモバイルコンピューティングデバイス14のディスプレイ上に提示することに関連する複数のAPIを含み得る。
【0151】
一態様において、上述のように、モバイルサーバ178は、モバイルコンピューティングデバイス14に、選択されたビューリスト内の各項目に関連付けられるパラメータを送信し得る。しかしながら、選択されたビューリストについてのテンプレートは、その中の各項目に関連付けられる各パラメータの位置を含まない場合がある。したがって、テンプ
レートに含まれないパラメータは、GUI 18上に表示されない。とはいえ、ユーザは、選択されたビューリスト内の項目に対応する別のビューリストを見るためにGUI 18と対話可能であり得る。この別のビューリストに対応するテンプレートに自動入力され得る速度を改善するために、アプリケーション16は、モバイルコンピューティングデバイスによって提供されるデータをキャッシュに格納し得る。結果として、この別のビューリストに対応するテンプレートは、モバイルコンピューティングデバイス14とモバイルサーバ178との間のさらなる通信なしに自動入力され得る。
【0152】
さらに、上述のように、モバイルコンピューティングデバイス14がデータストリームにサブスクライブされると、モバイルサーバ178は、データをモバイルコンピューティングデバイス14に周期的に送信する(636)。モバイルコンピューティングデバイス14は次いで、受信したデータをアプリケーション16に提供する(638)。いくつかのシナリオでは、データストリームは、GUI 18上に表示されるビューリストに含まれるパラメータのうちの1つ以上についての更新されたデータ値を含み得る。したがって、アプリケーション16は、データストリームに含まれる更新されたデータ値を含むようにテンプレートを更新する(640)。次に、アプリケーション16は、モバイルコンピューティングデバイス14に、更新されたテンプレートをGUI 18上に表示させる(642)一組の命令を生成する。
【0153】
何らかの時点で、ユーザは、GUI 18から移動し得、かつ/あるいはモバイルコンピューティングデバイス14と対話し得、すると、アプリケーション16はGUI 18をもはや提示しなくなる。1つのシナリオでは、ユーザは、アプリケーション16からログアウトしている。したがって、アプリケーション16は、ログアウトイベントを検出し、サブスクライブ解除メッセージを生成し得る。アプリケーション16は次いで、モバイルサーバ178への送信のために、サブスクライブ解除メッセージをモバイルコンピューティングデバイス14に転送する。これに応答して、モバイルサーバ178は、モバイルコンピューティングデバイス14をデータストリームからサブスクライブ解除する。別のシナリオでは、ユーザは、新たなビューリストがGUI 18上で表示されることを選択し得る。したがって、アプリケーション16は、この新たなビューリストの選択であり得る。アプリケーション16は次いで、現在のビューリストに対するサブスクライブ解除メッセージ、及び、新たなビューリストに対応するデータを受信する要求も生成する。次に、アプリケーション16は、モバイルサーバ178への送信のために、サブスクライブ解除メッセージ及びデータを受信する要求をモバイルコンピューティングデバイス14に転送する。これに応答して、モバイルサーバ178は、モバイルコンピューティングデバイス14をサブスクライブ解除し、新たなビューリストに対応するパラメータを反映するようデータストリームを修正する。
【0154】
次に3B~3Hを見ると、異なるビューリストの種類に対応する例示的GUIが示される。図3B及び3Cは、リストのリストによるビューリストに対応するGUIを示し、図3Dは、ウォッチリストのビューリストに対応するGUIを示し、図3E及び3Fは、ウォッチリスト項目のビューリストに対応するGUIを示し、図3Gは、アラームリストのビューリストに対応するGUIを示し、図3Hは、アラーム項目のビューリストに対応するGUIを示す。示されるGUIの各々は、モバイルコンピューティングデバイス14上で動作しているアプリケーション16内のGUI 18によって提示され得る。上述のように、様々なGUI要素の配置は、特定のビューリストに対応するテンプレート(例えば、ビューモデル)によって統制される。テンプレートは、複数のパラメータ値が表示されることになるGUI 18上の位置を含み得る。テンプレートに自動入力するために、アプリケーション16は、信号図600に記載されるプロセス値に一般に従うように構成され得る。特に、図3B~3Hに示されるインターフェースは、信号図600のステップ614でユーザがそれぞれのビューリストを選択することに応答して、GUI 18によっ
て提示され得る。加えて、図3B~3Hに示されるインターフェースは、アプリケーション16が、信号図600のそれぞれステップ632及び634で、それぞれのビューリストに対するそれぞれのテンプレートに自動入力し、インターフェースをGUI 18上に提示するよう一組の命令をモバイルコンピューティングデバイス14に送ることに応答して、GUI 18によって提示され得る。
【0155】
図3B及び3Cを特に参照すると、GUI 18は、リストのリストによるビューリストインターフェース644及び646をそれぞれ提示している。インターフェース644及び646は、リストのリスト内の個々のリストの可視的表現を表示するディスプレイ領域を含む。インターフェース644上で示される例において、個々のリストは、DHTエリアアラームリスト、DHT1ウォッチリスト、ユーティリティアラームリスト、DHT2ウォッチリスト、及び安全性アラームリストである。リストの可視的表現の各々は、リストの要約を含み得る。特に、リストがウォッチリストである場合、要約は、ウォッチリスト内のいくつかのウォッチリスト項目、及び異常な状態を有するいくつかのウォッチリスト項目を含み得る。他方で、リストがアラームリストである場合、要約は、アラームリスト内の認識されていないいくつかのアクティブアラーム、アラームリスト内の認識されていないいくつかの非アクティブアラーム、及びアラームリスト内の抑制されたいくつかのアラームを含み得る。リストのリスト内のリストの可視的表現はまた、リストのフレンドリ名(例えば、DHTエリアアラーム)、リストによって監視されるモジュールのタグ(例えば、FIC350112)、及び/またはモジュールの特定のアラーム(例えば、HI_HI)も含み得る。さらに、ウォッチリスト内のリストの可視的表現は、リストの種類(例えば、ウォッチリスト対アラームリスト)及びリストのステータスを指示するアイコンを含む。特に、アラームリストの場合、ステータスインジケータは、アラームリスト内の認識されていないまたは抑制された最も優先順位の高いアラームに対応し、ウォッチリストの場合、ステータスインジケータは、ウォッチリストが、異常な状態にあるウォッチリスト項目を含むか否かに対応する。
【0156】
インターフェース644及び646はまた、モバイルコンピューティングデバイス14のユーザがGUI 18上に表示する情報タブを選択することを可能にする、タブ選択インターフェースも含む。インターフェース644及び646上で示されるように、タブ選択インターフェースは、ウォッチリストの情報タブ、アラームリストの情報タブ、または全てのリストの情報タブに対応する選択要素を含む。インターフェース644または646には図示されていないが、タブ選択インターフェースはまた、バッチリストの情報タブを含んでもよい。タブ選択インターフェースの選択要素の選択は、ディスプレイ領域に表示されるリストにフィルタを適用する(またはフィルタを除去する)。例えば、ウォッチリスト選択要素が選択される場合、ウォッチリストのみがディスプレイ領域に表示される。インターフェース644上に示されるシナリオでは、ウォッチリスト選択要素が選択される場合、ディスプレイ領域は、DHT1ウォッチリスト及びDHT2ウォッチリストのみを含むようにフィルタリングされる。
【0157】
加えて、インターフェース644及び646は、リストのリスト内に含まれる特定の項目の検索を可能にする検索インターフェースを含む。検索インターフェースは、検索条件を指示するユーザ入力を受信するように構成され得る。例えば、ユーザ入力は、仮想または物理キーボードを介して入力された文字、モバイルコンピューティングデバイスのマイクによってキャプチャされた音声、または検索条件を指示するユーザ入力を受信するための他の既知の技法であり得る。検索の結果は、インターフェース644及び646のディスプレイ領域内に表示される。態様によれば、検索は、モバイルサーバ178からモバイルコンピューティングデバイス14により受信されたキャッシュデータの組に対して実施されてもよい。結果として、検索は、モバイルサーバ178と通信することなくアプリケーション16によって実行され得、検索を完了するのに必要とされる時間を低減する。
【0158】
さらに、インターフェース644及び646は、共有のリスト切り替え要素を含む。この目的で、リストのリスト内の各リストは、個人リスト(例えば、ユーザのみがリストを修正または構成し得るリスト)または共有リスト(例えば、複数のユーザがリストを修正または構成し得るリスト)のいずれとして分類されてもよい。インターフェース646上で示されるように、共有のリスト切り替え要素がアクティブなとき、ディスプレイ領域は、個人リストのリスト及び共有リストのリストの両方を含む。逆に、インターフェース644上で示されるように、共有のリスト切り替え要素がアクティブでないとき、ディスプレイ領域は、個人リストのリストのみを含む。
【0159】
次に図3Dを特に参照すると、GUI 18は、ウォッチリストのビューリストインターフェース648を提示している。1つのシナリオでは、インターフェース648は、GUI 18がインターフェース644または646のうちの1つを提示しているときにユーザがDHT1ウォッチリストを選択することに応答して提示される。インターフェース648は、ウォッチリスト内の個々のウォッチリスト項目の可視的表現を表示するディスプレイ領域を含む。インターフェース648上で示される例において、個々のウォッチリスト項目は、Sour Nap FCC、Furnace Out Temp、Flash Drum Press、Strp Reboiler Te[mp]、Strp Bottoms Lev[el]、及びPrimary ACN Statusである。ウォッチリスト項目の可視的表現の各々は、ウォッチリスト項目のフレンドリ名(例えば、Sour Nap FCC)、ウォッチリスト項目によって監視されるモジュールのタグ(例えば、FIC350112)、及び/またはウォッチリスト項目によって監視されるモジュールの階層位置(例えば、…1/COMM/PRI/OLINTEG)を含み得る。さらに、可視的表現は、ウォッチリスト項目の主要な役割に関するパラメータ値(例えば、89.2)ならびにその単位(例えば、bpd)を含み得る。例えば、Furnace Out Tempウォッチリスト項目、主要な役割は、炉の温度に対応するプロセス値を監視することである。別の例として、Primary ACN Statusウォッチリスト項目の場合、主要な役割は、Primary ACNのステータスを監視することである。
【0160】
さらに、ウォッチリスト項目の可視的表現はまた、ウォッチリスト項目の主要な役割に対応するパラメータ値の動向(例えば、過去20分間の値)を図示するチャートも含み得る。態様によれば、チャートは、チャート上に重ねられた設定点、または他の参照点を含み得る。ウォッチリスト項目の可視的表現はまた、ウォッチリスト項目のステータスを指示するステータス領域も含み得る。例えば、インターフェース648上で示されるシナリオでは、Sour Nap FCCウォッチリスト項目は、異常なステータスを有する。したがって、Sour Nap FCCウォッチリスト項目のステータス領域は、異常なステータスのインジケータ(例えば、感嘆符)を含む。逆に、Furnace Out Tempウォッチリスト項目は、正常なステータスを有する。したがって、示されるインターフェース646上で、Furnace Out Tempウォッチリスト項目のステータス領域は空白である。
【0161】
さらに、インターフェース648は、ウォッチリスト内に含まれる特定の項目の検索を可能にする検索インターフェースを含む。検索インターフェースは、検索条件を指示するユーザ入力を受信するように構成され得る。例えば、ユーザ入力は、仮想または物理キーボードを介して入力された文字、モバイルコンピューティングデバイスのマイクによってキャプチャされた音声、または検索条件を指示するユーザ入力を受信するための他の既知の技法であり得る。検索の結果は、インターフェース648のディスプレイ領域内に表示される。態様によれば、検索は、モバイルサーバ178からモバイルコンピューティングデバイス14により受信されたキャッシュデータの組に対して実施されてもよい。結果と
して、検索は、モバイルサーバ178と通信することなくアプリケーション16によって実行され得、検索を完了するのに必要とされる時間を低減する。
【0162】
図3E及び3Fを特に参照すると、GUI 18は、ウォッチリスト項目のビューリストインターフェース650及び652をそれぞれ提示している。1つのシナリオでは、インターフェース650及び652は、GUI 18がインターフェース648を提示しているときにユーザがSour Nap FCCウォッチリスト項目を選択することに応答して提示される。インターフェース650及び652は、ウォッチリスト項目によって監視される1つ以上のパラメータに関する現在のパラメータ値の可視的表現を表示する、現在のパラメータ値のディスプレイ領域を含む。インターフェース650及び652上で示されるように、現在のパラメータ値のディスプレイ領域は、プロセス値(89.2)、設定点値(50)、及び出力値(0.0)に対応するパラメータ値を含む。当然ながら、他のインターフェースは、追加の、より少数の、または代替的なパラメータ値を含み得る。インターフェース650及び652はまた、ウォッチリスト項目によって監視される1つ以上のパラメータの履歴値のグラフ図を表示するための、履歴パラメータ値のディスプレイ領域も含む。インターフェース650及び652上で示されるように、グラフ図は、プロセス値、設定点値、及び出力値の各々についての履歴値を示すグラフを含む。
【0163】
ある態様において、ウォッチリスト項目インターフェース650及び652は、異なるテンプレートに対応する。特に、インターフェース650は、縦モードのテンプレートに対応し、インターフェース652は、横モードのテンプレートに対応する。したがって、アプリケーション16は、モバイルコンピューティングデバイス14の向きを検出するように構成される。アプリケーション16は、モバイルコンピューティングデバイス14が縦モードの向きにあるとき、GUI 18上のインターフェース650を提示するために縦モードのテンプレートに自動入力する。同様に、アプリケーション16は、モバイルコンピューティングデバイス14が横モードの向きにあるとき、GUI 18上のインターフェース652を提示するために横モードのテンプレートに自動入力する。インターフェース650及び652によって示されるように、横モードのテンプレートは、より大きな履歴パラメータ値のディスプレイ領域、及び縦モードテンプレートよりも小さい現在のパラメータ値のディスプレイ領域を含む。
【0164】
さらに、インターフェース650上に提示される縦モードのテンプレートは、識別ディスプレイ領域及び状態ステータスディスプレイ領域を含む。インターフェース650上で示されるように、識別ディスプレイ領域は、ウォッチリスト項目の名称の指標(例えば、Sour Nap FCC)、ウォッチリスト項目の説明(例えば、「Diesel Hydrotreater Unit 1 Inlet Flow from FCC」)、タグ(例えば、F1350112)、ならびにフィールドデバイス44及び/または制御モジュール70の階層位置を指示するパス(例えば、MySystemSiteName:DHT_AREA/DHT1/)を含む。インターフェース650上で示されるように、状態ステータスディスプレイ領域は、ウォッチリスト項目の1つ以上の状態の指標(例えば、「PV Bad」及び「Abnormal Mode」)を含む。
【0165】
図3Gを見ると、GUI 18は、アラームリストのビューリストインターフェース654を提示している。1つのシナリオでは、インターフェース654は、GUI 18がインターフェース644または646のうちの1つを提示しているときにユーザがDHTエリアアラームのアラームリストを選択することに応答して提示される。インターフェース654は、アラームリスト内の個々のアラーム項目の可視的表現を表示するディスプレイ領域を含む。インターフェース654上で示される例において、個々のアラーム項目は、HI_HI Sour Nap FCCアラーム、LO Furnace Out Temp アラーム、HI Flash Drum Pressアラーム、Bypass
Sour Nap FCCアラーム、及びInterlock DHT1 XFR Pumpアラームである。アラーム項目の可視的表現の各々は、アラーム項目のフレンドリ名(例えば、Sour Nap FCC)、ウォッチリスト項目によって監視されるモジュールのタグ(例えば、FIC350112)、及びアラーム項目に対応するモジュールの特定のアラーム(例えば、HI_HI)を含み得る。さらに、ディスプレイ領域は、アラームリスト内のアラーム項目に対するステータスアイコン(例えば、赤色の円)を含み得る。ステータスアイコンは、アラーム項目の優先度及び/または状態に対応し得る。
【0166】
インターフェース654はまた、モバイルコンピューティングデバイス14のユーザがGUI 18上に表示する情報のタブを選択することを可能にする、タブ選択インターフェースも含む。インターフェース654上で示されるように、タブ選択インターフェースは、報知されたアラームの情報タブ及び抑制されたアラームの情報タブに対応する選択要素を含む。タブ選択インターフェースの選択要素の選択は、ディスプレイ領域に表示されるリストにフィルタを適用する(またはフィルタを除去する)。例えば、報知されたアラームの選択要素が選択される場合、報知されたアラームのみがディスプレイ領域に表示される。この例において、アラーム項目の可視的表現は、アラーム項目が告知されてからの時間量を含む。他方で、抑制されたアラームの選択要素が選択される場合、抑制されたアラームのみがディスプレイ領域に表示される。したがって、アラーム項目の可視的表現は、アラーム項目が抑制されてからの時間量を含む。
【0167】
さらに、インターフェース654は、アラームリスト内に含まれる特定のアラーム項目の検索を可能にする検索インターフェースを含む。検索インターフェースは、検索条件を指示するユーザ入力を受信するように構成され得る。例えば、ユーザ入力は、仮想または物理キーボードを介して入力された文字、モバイルコンピューティングデバイスのマイクによってキャプチャされた音声、または検索条件を指示するユーザ入力を受信するための他の既知の技法であり得る。検索の結果は、インターフェース654のディスプレイ領域内に表示される。態様によれば、検索は、モバイルサーバ178からモバイルコンピューティングデバイス14により受信されたキャッシュデータの組に対して実施されてもよい。結果として、検索は、モバイルサーバ178と通信することなくアプリケーション16によって実行され得、検索を完了するのに必要とされる時間を低減する。
【0168】
図3Hを見ると、GUI 18は、アラーム項目のビューリストインターフェース656を提示している。1つのシナリオでは、インターフェース656は、GUI 18がインターフェース654のうちの1つを提示しているときにユーザがSour Nap FCC HI_HIアラームを選択することに応答して提示される。インターフェース656は、アラーム項目を識別する情報を表示する識別ディスプレイ領域を含む。インターフェース656上で示されるように、識別ディスプレイ領域は、アラーム項目の名称の指標(例えば、Sour Nap FCC)、アラーム項目に対応するモジュール(例えば、FIC350112)、アラーム項目の説明(例えば、DHT供給速度が極めて高い)、及びアラーム項目に対応するモジュールの機能的分類(例えば、環境保護)を含み得る。識別ディスプレイ領域は、アラーム項目の優先度及び/または状態を指示するステータスアイコン(例えば、赤色の円)を含み得る。
【0169】
インターフェース656上で示されるように、インターフェース656は、アラームタイマーディスプレイ領域を含む。アラームタイマーディスプレイ領域は、アラーム項目に対応するアラームタイマーを表示する。アラーム項目が報知されたアラームであるとき、アラームタイマーディスプレイ領域は、アラーム項目が報知された時間及びアラームが報知されてからの時間を指示する。アラーム項目が抑制されたアラームであるとき、アラームタイマーディスプレイ領域は、アラーム項目が抑制された時間及びアラームが抑制されてからの時間を指示する。
【0170】
さらに、インターフェース656はまた、応答ディスプレイ領域も含む。応答ディスプレイ領域は、行為不実行による結果(例えば、「Economic-Major:$100千~$500千の潜在的損失)、及びアラーム項目に応答する推奨される行為(例えば、「L1-UT11…の読取り値のクロスチェック」)の指標を含む。アラーム項目が報知されたアラームであるとき、応答ディスプレイ領域は、アラーム項目に応答するまでの時間(例えば、15分未満)、及びアラーム項目が報知された時間と応答するまでの時間との間の差異を表すタイマー(例えば、00:13:24)を含む。アラーム項目が抑制されたアラームであるとき、応答ディスプレイ領域は、アラーム項目が抑制された理由(例えば、チャタリングまたはフリーティング挙動)、及びアラーム項目が抑制されている総時間量を表すタイマー(例えば、11:16:36)を含む。
【0171】
インターフェース656はまた、アラーム項目に対応するパラメータの履歴値のグラフ図を表示するための、履歴パラメータ値のディスプレイ領域も含む。グラフ図は、アラーム項目によって監視されるパラメータの識別(例えば、FIC350112/PV)を含む。態様によれば、グラフ図はまた、アラーム項目をトリガした限界に対応するアラーム限界線も含む。
【0172】
モバイルコンピューティングデバイス14のユーザはインターフェース644~656をカスタマイズし得ることが理解されるべきである。例えば、ユーザは、グラフ図もしくはチャートをズームもしくは縮尺変更する、リスト内で項目が表示される順序を並べ替える、及び/または表示されるパラメータの組を修正することが可能であり得る。インターフェース648上で含まれるウォッチリストなどの、ウォッチリストの1つの特定のカスタマイズには、ウォッチリストを再構成して、1つ以上のウォッチリスト項目についてのパラメータ値の複合グラフ表現を含む複合ウォッチリスト項目を作成する能力が含まれる。このカスタマイズは、図3I~3Mにそれぞれ示される一連のウォッチリストのビューリストインターフェース658~666にわたって示される。一連のインターフェース658~666は、モバイルコンピューティングデバイス14上で動作しているアプリケーション16内で生成される。
【0173】
複合ウォッチリスト項目プロセスは、ユーザがインターフェース658の編集コントロールを選択しているのを図示する、図3Iに示されるインターフェース658で始まる。これに応答して、図3Jのインターフェース660上で示されるように、アプリケーション16は、GUI 18上でウォッチリスト編集インターフェースを提示する。態様によれば、各ウォッチリスト項目について、ウォッチリスト編集インターフェースは、ユーザが、対応する現在のパラメータ値及び対応する履歴値のグラフ図の位置を別個に編集することを可能にする。インターフェース660上で示されるように、各ウォッチリスト項目は、現在のパラメータ値の位置に対応する上部スライダー要素、及び履歴値のグラフ図に対応する下部スライダー要素を含む。3Jに示されるシナリオは、ユーザが、Diesel Product Tempウォッチリスト項目についての履歴値のグラフ図に対応するスライダー要素をドラッグし始めているのを図示する。スライダー要素のドラッグは、図3Kに示されるように、インターフェース662上で図示されるシナリオで終了する。より具体的には、インターフェース662は、ユーザが、スライダー要素をウォッチリスト項目の最下部にドラッグしているのを図示する。インターフェース662上で示されるように、スライダー要素をドラッグすることにより、ウォッチリスト内のDiesel Product Tempウォッチリスト項目に関する現在のパラメータ値の位置及び履歴値のグラフ図の位置が分離された。
【0174】
図3Lのインターフェース664上で図示されるように、複合プロセスは、モバイルコンピューティングデバイス14のユーザが、Kerosene Product Tem
pウォッチリスト項目に関する履歴値のグラフ図に対応するスライダーをウォッチリストの最下部にドラッグする場合、継続する。インターフェース662上で示されるように、スライダー要素をドラッグすることにより、ウォッチリスト内のKerosene Product Tempウォッチリスト項目に関する現在のパラメータ値の位置及び履歴値のグラフ図の位置が同様に分離された。Diesel Product Temp及びKerosene Product Tempウォッチリスト項目についての履歴値のグラフ図の複合を確認するために、ユーザは、インターフェース664の「Done」要素を選択する。図3Mがインターフェース666上で示すように、アプリケーション16は次いで、Diesel Product Temp及びKerosene Product
Tempウォッチリスト項目についての履歴値のグラフ図を単一のグラフ図へと複合する。2つのウォッチリスト項目の複合を含めた、ビューリストへのいずれのカスタマイズも、ビューリストに対応するテンプレートを適宜修正することが理解されるべきである。結果として、ビューリストへのいずれのカスタマイズも、モバイルコンピューティングデバイス14に記憶され、後の時点でアプリケーション16によって容易にアクセスされ得る。
【0175】
別の例として、多くのユーザが、ワークステーション30または32で生成されるインターフェース上のプロセス値を閲覧することに慣れている可能性がある。全般的に、これらのインターフェースは、モバイルコンピューティングデバイスを念頭に置いて設計されなかった。結果として、モバイルコンピューティングデバイス14及びワークステーション30または32によって生成されるインターフェースは、いくつかの側面において異なる場合がある。これは、ユーザの混乱またはアプリケーション16の使用を取り入れることの欠如につながり得る。したがって、ビューリストは、ワークステーション30または32で生成されるであろうビューに近似したビューリストテンプレートを使用するビューモード切り替え要素を含み得る。ある実施形態においては、このビューリストテンプレートは、図1Fに示されるものなどの、L1表示モジュールによって生じたデータに基づいて生成される。
【0176】
次に、バッチプロセス制御に関してモバイルコンピューティングデバイス14のユーザに提示され得るインターフェースの例が、図4A~4Pに関連して記載される。一時的に図1Nに参照を戻すと、ユーザが、バッチリスト153においていくつかのバッチ155a~eを提示され得る。バッチのうちの1つ(例えば、バッチ155a)を選択すると、モバイルデバイス14は、そのバッチのレシピについての情報を提供するディスプレイ400を提示し得る。この情報は、ディスプレイ400の最上部で、例えば、バッチID 402の指標402、バッチステータスの指標404、バッチレシピの指標406、バッチの開始時間の指標408、及び/またはバッチの実行時間の指標410を含み得る。ディスプレイ400はまた、実施形態において、バッチステータスがどれくらいの期間その現在の状態にあるかを示し得る。さらに、ディスプレイ400は、バッチレシピに関連付けられる単位手順を表示し得る。例えば、図4Aに図示されるバッチについては、そのバッチに関連付けられる8つの単位手順412a~hが存在する。単位手順412a~hの各々には、単位手順ステータスの指標414及び単位手順レシピの指標416が関連付けられてもよい。指標418は、単位手順に対して何らかの障害またはプロンプトが存在するかどうかに関する情報を提供し得る。コントロール420a~bは、レシピ412a~hの閲覧と、バッチIDに関連付けられるパラメータの閲覧との間の切り替えをそれぞれ容易にし得る。
【0177】
ディスプレイ400上で単位手順412a~hのうちの1つを選択することにより、図4Bに図示されるさらなるディスプレイ422までドリルダウンし得る。ディスプレイ422は、例えば、単位手順412aのユーザによる選択に関連付けられ得る。単位手順の指標424は、ディスプレイ422の最上部に図示され得る。単位手順412aに関連付
けられる手順及び/または処方の指標426が表示され得、単位手順ステータスの指標428、及び単位手順が動作している装置の指標430も同様に表示され得る。単位手順に関連付けられるオペレーションの指標432は、各オペレーションのステータス、及びオペレーションに関連する障害またはプロンプトの存在のそれぞれの指標(それぞれ434及び436)と共に表示され得る。コントロール438a~bは、オペレーション432の閲覧と、そのオペレーションに関連付けられるパラメータの閲覧との間の切り替えをそれぞれ容易にし得る。
【0178】
ユーザが、例えば、ディスプレイ422上のオペレーション432を選択することによってオペレーション詳細までドリルダウンすると、モバイルデバイス14は、図4Cに示されるように、ディスプレイ440を示し得る。オペレーションの指標442は、ディスプレイ440の上部に含まれてもよく、手順、処方、及び単位手順の指標444、ならびに装置の指標446も同様である。オペレーションを構成する1つ以上のフェーズ448が、各フェーズのステータス及びフェーズがその状態にある時間をそれぞれ示す指標450及び452と共に示され得る。指標454は、フェーズに関連付けられる障害またはプロンプトの存在を示し得る。コントロール456a~bはそれぞれ、フェーズ448の閲覧と、フェーズ448に関連付けられるパラメータの閲覧との間の切り替えを容易にし得る。図4Dは、ディスプレイ440上のコントロール456bの起動に際してモバイルデバイス14上に提示され得るディスプレイ458を示す。ディスプレイ458は、フェーズ448に関連付けられる様々なパラメータを示し、これにはこの場合、モジュールパラメータ460、PH、及びその関連する値462、レポートパラメータ464及びその関連する値466、ならびに入力パラメータ468及びその関連する値470が含まれる。パラメータ460、464、及び468はまた、それぞれの値の範囲の指標472に関連付けられる。
【0179】
ディスプレイ440上に表示されたフェーズ(例えば、フェーズ448)を選択することによって、ユーザは、モバイルデバイス14に、図4Eに示されるように、フェーズの詳細を提供するディスプレイ474を表示させ得る。詳細には、レシピスタック476(すなわち、オペレーション、単位手順、レシピ、及びバッチについての情報)、フェーズパラメータ478、及びフェーズに関連付けられる任意の障害またはプロンプトについての情報480が含まれ得る。さらに、ディスプレイ474は、任意の障害またはプロンプトが保留であった/認識されなかった時間の指標482を含み得る。実施形態においては、ディスプレイ474はまた、ユーザがモバイルデバイス14からのプロンプトまたはアラームを認識することを可能にし得るコントロール484を提供し得る。
【0180】
再度図1Nを簡潔に参照すると、ユーザは、ディスプレイ153上でコントロール167bを選択し、モバイルデバイス14に、図4Fに示されようにディスプレイ486を示させることができる。ディスプレイ486は、バッチリスト上に示されたバッチに関連付けられる(例えば、バッチ153a~eに関連付けられる)機器のリスト488を示し得る。各機器について、関連付けられるバッチID、手順、単位手順が表示されてもよく(490を参照されたい)、指標492は、その機器上でアクティブであるフェーズの数を示してもよい。各機器の指標494は、アクティブな障害またはプロンプトがあるかどうかを示し得る。ディスプレイ486中の機器項目488のうちの1つを選択することによって、図4Gに示される機器の詳細ビューを示すディスプレイ496を示すようにドリルダウンすることができる。機器の詳細ビューは、問題の機器装置へのパス498、バッチIDの指標500、及びレシピの指標502を示し得る。さらに、ディスプレイ496中の機器の詳細ビューは、機器に関連付けられるフェーズの証拠504、及び各フェーズについて、そのステータス、それがその状態にある時間等を含み得る。コントロール506a~bはそれぞれ、機器に関連付けられるフェーズの閲覧(図4Gのように)と、図4Hに示されるパラメータの閲覧との間での切り替えを容易にし得る。図4Hに示されるディ
スプレイ508は、選択された機器に関連付けられるパラメータ510を示す。
【0181】
代替的には、ユーザは、ディスプレイ153上のコントロール167cを選択し、モバイルデバイス14に、図4Iに示されるようにディスプレイ512を示させることができる。ディスプレイ512は、バッチリスト中のバッチ153a~eに関連付けられるプロンプト514a~bのリストを示す。プロンプト514a~bの各々は、プロンプトのメッセージ516、ならびにバッチID、レシピ、及びプロンプトが保留中である時間等の情報518を含む。プロンプト514a~bのうちの1つを選択することは、モバイルデバイス14に、図4Jに示されるディスプレイ520を示させ得る。ディスプレイ520は、選択されたプロンプトのための詳細ビューを示す。図4Jのディスプレイ520に示されるフェーズ詳細は、図4Eのディスプレイ474上のフェーズ詳細と同じ種類の情報を含む。
【0182】
実施形態においては、図4A~4Jのいずれかに示されるディスプレイは、ユーザが、通知を別のモバイルデバイスに送信することを可能にし得る、ボタンまたは他のリンクの形態で、コントロール(図示せず)を含み得る。第2のモバイルデバイスに送られた通知によって、コントロールが起動されたデバイスのユーザが、現在表示されているビューを共有することが可能となる。すなわち、第1のデバイスのユーザは、モバイルデバイス上に現在示されているビューを、第2のモバイルデバイスの別のユーザと共有することを望む場合がある。「共有ビュー」コントロールを起動することによって、第1のデバイスのユーザは、第1のデバイスに、第2のデバイスのユーザによって起動されると、第2のデバイスに、リンクに関連付けられるディスプレイをモバイルサーバから要求させる、リンクまたは他のインジケータを含む通知を第2のデバイスへ送らせることができる。リンクに関連付けられるディスプレイは、コントロールが起動されたときに第1のデバイス上で示されたものと同じディスプレイであってもよく、それにより第2のユーザは、コントロールが起動されたときに第1のユーザが見ていたものを見ることが可能となり、これには、通知スクリーン、アラーム詳細、ウォッチリスト等が含まれ得る。実施形態においては、第2のデバイスで受信した通知には、第2のデバイス上でのリンクの起動に際してユーザが見ることができるものを示すスクリーンショットまたは他の画像が含まれ得る。
【0183】
リスト構成
図3Nは、モバイルコンピューティングデバイス14等のモバイルコンピューティングデバイスを動作させるアプリケーション16等のアプリケーションを介してプロセスデータ項目のリストを構成するための例示的なリスト構成方法368を示す。リスト構成方法368は、モバイルサーバ178と通信する複数のモバイルコンピューティングデバイスにて実装され得る。リスト構成方法368はまた、本明細書に記載される他の方法のうちの1つ以上と共に実装されてもよい。
【0184】
方法368は、ブロック370から始まり、ここでは、モバイルコンピューティングデバイス14が、モバイルコンピューティングデバイス14のユーザがプロセスデータ項目のリストを構成していることの指標を受信する。一実施形態においては、アプリケーション16は、ユーザがユーザに関連付けられる1つ以上のリストを構成することを可能にするリスト構成インターフェースを含む。リスト構成インターフェースは、例えば、ユーザがウォッチリストインターフェース348またはアラームリストインターフェース354上で制御の編集を選択することに応答して、モバイルコンピューティングデバイス14によって提示され得る。したがって、ユーザがプロセスデータ項目のリストを構成していることの指標は、リスト構成インターフェースを提示する指標であってもよい。
【0185】
ブロック372では、モバイルコンピューティングデバイス14は、利用可能なプロセスデータ項目の階層リストにアクセスする。上記のように、プロセスデータ項目の階層リ
ストは、プロセスプラントにおける領域を示す第1の階層レベル、プロセスプラントにおける領域内のプロセス装置を示す第2の階層レベル、プロセス装置内のモジュールを示す第3の階層レベル、及び/または複数のプロセス制御システムから特定のプロセス制御システムを示す第4の階層レベルを含み得る。1つのシナリオでは、モバイルコンピューティングデバイス14は、モバイルコンピューティングデバイス14で記憶された利用可能なプロセスデータ項目の階層リストのローカルコピーにアクセスする。別のシナリオでは、モバイルコンピューティングデバイス14は、モバイルサーバ178がクエリまたは検索語に応答して利用可能なプロセスデータ項目の階層リストまたはその一部を取得し、モバイルコンピューティングデバイス14に送るという要求をモバイルサーバ178に送信する。このシナリオでは、要求モバイルコンピューティングデバイス14はまた、モバイルコンピューティングデバイス14のユーザに対応するユーザ証明を含んでもよい。ユーザ証明に基づき、モバイルサーバ178は、がアクセス許可を有する利用可能なプロセスデータ項目のみを含むように、1つ以上のプロセス制御システムについての全ての利用可能なプロセスデータ項目の階層リストをフィルタリングする。
【0186】
態様に従い、利用可能なプロセスデータ項目の階層リストは、そのリストに対応する既存の選択のセットを含み得る。この目的で、リストは、事前に作成され、モバイルサーバ178と相互接続したリストデータベースに記憶されていてもよい。したがって、既存の選択のセットは、リストが監視するように目下構成されているプロセスデータ項目の1つ以上の選択を含む。この既存の選択セットを受信するために、モバイルコンピューティングデバイス14は、リストの指標をモバイルサーバ178に送信する。これに応答して、モバイルサーバ178は、リストデータベースでリストにアクセスし、既存の選択のセットをモバイルコンピューティングデバイス14に送る。リストが共有リストである実施形態においては、既存の選択の一部は、モバイルコンピューティングデバイス14のユーザ以外のユーザによって選択されてもよいことが理解されるべきである。当然ながら、ユーザが新たなリストを構成している場合には、リストに対応する既存の選択は存在しない。
【0187】
ブロック374では、モバイルコンピューティングデバイスは、プロセスデータ項目を利用可能なプロセスデータ項目の階層リストから選択するための選択インターフェースを提示する。図3Pを同時に参照して、インターフェース382は、モバイルコンピューティングデバイス14によって提示される例示的な選択インターフェースである。選択インターフェースを提示するために、アプリケーション16は、利用可能なプロセスデータ項目の階層リストに既存の選択を自動入力して、選択インターフェースが、既存の選択がリストに含まれていることを示すようにする。インターフェース382で示されるシナリオでは、ウォッチリストには、O2制御、ストリームフロー、ガスフロー等に対応するウォッチリスト項目が自動入力される。また、選択インターフェースにより、ユーザは、項目をリスト中の新たな場所にドラッグすること等によって、リスト内の項目の順序を動的に再配列することができるようになる。ある実施形態においては、選択インターフェース中に表示される項目のうちの1つ以上は、現在のプロセス値及び/または依然のプロセス値の傾向の可視化を含む。
【0188】
態様に従い、選択インターフェースはまた、検索語に基づいて利用可能なプロセスデータ項目の階層リストをフィルタリングするための検索インターフェースを含んでもよい。インターフェース382で示されるように、検索インターフェースは、検索語を受信するように構成される検索ボックスを含み得る。図3Qを同時に参照して、インターフェース384は、検索結果を示す例示的な検索インターフェースである。インターフェース384は、「原油塔温度(Crude Tower Temp)」をインターフェース382に提示される検索ボックスに入力するユーザに提示され得る。選択インターフェース382で示されるリストはウォッチリストであるため、検索結果は、検索語に一致するモジュール(この場合、原油塔プロセス装置に位置し、かつ温度パラメータを含むモジュール)
を含む。一実施形態においては、検索結果インターフェース384からのモジュールの選択により、ユーザは、利用可能なプロセスデータ項目の階層リストに含まれるモジュールパラメータ(例えば、プロセス値、定値、または出力値)に対応するウォッチリスト項目を選択することができるようになる。リストがアラームリストである実施形態においては、検索結果インターフェース384により、ユーザは、モジュールに関連付けられるアラームを選択することができるようになる。いずれにせよ、モジュールに関連付けられるプロセスデータ項目の選択は、プロセスデータ項目のセットの選択においてプロセスデータを含む。
【0189】
別の態様においては、選択インターフェースは、階層リストの階層レベルに含まれるエントリによって、利用可能なプロセスデータ項目の階層リストをフィルタリングするためのフィルタインターフェースを含んでもよい。図3Rを同時に参照して、インターフェース386は、利用可能なプロセスデータ項目のフィルタリングされた階層リストを示す例示的なフィルタインターフェースである。インターフェース386は、ユーザによるインターフェース382上の制御の追加の選択に応答して、または代替的な選択インターフェース上のフィルタの制御の選択によって、提示され得る。インターフェース386上で示されるように、フィルタインターフェースにより、位置階層レベル(例えば、位置1)、領域階層レベル(例えば、ボイラー領域)、プロセス装置レベル(例えば、空気)、またはモジュール階層レベル(例えば、PIC-11-401)のフィルタリングが可能となる。階層レベルに加えて、フィルタインターフェースにより、プロセスデータ項目の機能分類(例えば、製品品質または安全性)、優先順位(例えば、重大または勧告)、及び/またはクラス(例えば、プロセスまたはデバイス)による利用可能なプロセスデータ項目の階層リストのフィルタリングが可能となり得る。ある実施形態においては、利用可能なプロセスデータ項目の階層リストまた、プロセスデータ項目に関連付けられるアクセス権に基づいてフィルタリングされ得る(例えば、アクセスを有するユーザの場所、アクセスを有するユーザの役割、またはアクセスを有するユーザが勤務したシフトに基づくフィルタリング)。示されるインターフェース386上では、各プロセスデータ項目はチェックボックスに対応する。リストに含まれるプロセスデータ項目のいずれの選択(既存の選択を含む)も、リストがプロセスデータ項目を含むことを示すチェックマークを含み得る。ユーザは、階層レベルでエントリに対応するチェックボックスにチェックすることによって選択を示し得る。したがって、チェックされたプロセスデータ項目及び/またはチェックされたエントリから階層的にステミングした全てのプロセスデータ項目が、プロセスデータ項目のセットの選択に含まれる。
【0190】
ブロック376では、アプリケーション16は、プロセスデータ項目、例えば、検索インターフェース及び/またはフィルタインターフェースを介して選択されたプロセスデータ項目のセットの選択を受信する。次に、ブロック378では、モバイルコンピューティングデバイス14が、プロセスデータ項目のセットをモバイルサーバ178に送信する。ある実施形態においては、モバイルコンピューティングデバイス14は、プロセスデータ項目のセットを、各選択がなされるときに送信する。別の実施形態においては、モバイルコンピューティングデバイス14は、ユーザがプロセスデータ項目のリストの構成を終了(例えば、制御完了をクリック)したことをユーザが示した後で、プロセスデータ項目のセットを送信する。これに応答して、モバイルサーバ178は、リストデータベースを更新して、モバイルコンピューティングデバイス14によって送信されるプロセスデータ項目のセットに含まれるプロセスデータ項目を含める。
【0191】
ブロック380では、モバイルコンピューティングデバイス14が、プロセスデータ項目のセットに関連付けられるデータ値のセットをモバイルサーバ178から受信する。本明細書の他箇所で説明されるように、モバイルサーバ178が、リストをリストデータベースに記憶されているとして更新するとき、モバイルサーバ178は、モバイルコンピュ
ーティングデバイス14を、プロセスデータ項目のセットにあるプロセスデータ項目に関連付けられるプロセス値のデータストリームにサブスクライブする。したがって、モバイルコンピューティングデバイスで受信されるデータ値のセットの一部は、プロセス値のデータストリームの一部として受信される。
【0192】
あるシナリオでは、ブロック376で受信されるプロセスデータ項目のセットの選択は、ユーザが既存の選択のセットに含まれる特定のプロセスデータ項目を非選択状態にしたという指標を含む。この目的で、ユーザは、フィルタインターフェース386のボックスのチェックを外し、かつ/または選択インターフェース382に表示されるプロセスデータ項目に対応する制御の削除を選択した可能性がある。したがって、モバイルコンピューティングデバイス14がブロック378でモバイルサーバ178に非選択状態の指標を送信したことに応答して、モバイルサーバ178は、モバイルコンピューティングデバイス14を、非選択状態となったプロセスデータ項目に関連付けられるデータストリームからサブスクライブ解除する。その結果、ブロック380でモバイルサーバ178から受信されたデータ値のセットは、非選択状態となったプロセスデータ項目に関連付けられるデータ値を含まない。
【0193】
一態様においては、選択インターフェースはコメントインターフェースを含む。このコメントインターフェースにより、モバイルコンピューティングデバイス14のユーザは、リスト及び/またはリストに含まれるプロセスデータ項目に対応するコメントを入力できるようになる。例えば、コメントインターフェースにより、ユーザがボイラー過熱を確信するリストレベルでのコメント、続いて、ユーザがボイラー過熱を確信する特定の理由を示すボイラー温度に対応するプロセスデータ項目のプロセスデータ項目レベルでのコメントを含めることが可能となり得る。この例では、リストレベルコメントは、リストビューの閲覧中にコメントインターフェースに入力され、プロセスデータ項目レベルコメントは、プロセスデータ項目の閲覧中にコメントインターフェースに入力された。これらのコメントはリストに関連付けられるため、コメントは、リストを閲覧するあらゆるユーザにとって閲覧可能であること(以下に記載のようにユーザが適切なアクセス権を有すると仮定して)を理解されたい。
【0194】
態様に従い、リストは、他のユーザがリストと交信する資格を制御するアクセス権のセットに対応する。例えば、アクセス権は、リストを閲覧する権利、リストを修正する権利、リストを共有する権利、コメントを閲覧する権利等を含んでもよい。これらのアクセス権は、様々なユーザ間及びユーザ同士で異なり得る。したがって、リストに含まれるプロセスデータ項目の構成に加えて、選択インターフェースは、リストへのアクセスを構成するためにユーザアクセスインターフェースも含み得る。
【0195】
図3Sは、モバイルコンピューティングデバイス14等のモバイルコンピューティングデバイスを動作させるアプリケーション16等のアプリケーションを介してリストへのアクセス権を構成するための例示的なユーザアクセス構成方法388を示す。ユーザアクセス構成388は、モバイルサーバ178と通信している複数のモバイルコンピューティングデバイスで実装され得る。リスト構成方法368はまた、本明細書に記載される他の方法のうちの1つ以上と共に実装されてもよい実装されてもよい。
【0196】
方法388は、ブロック390から始まり、ここでは、モバイルコンピューティングデバイス14が、ユーザ及び対応するアクセス権のセットをモバイルサーバ178から受信する。対応するアクセス権は、対応するユーザのためのリストへのアクセスの種類を示す。したがって、ユーザのセットは、各種類のアクセスを有するユーザのセット、例えば、閲覧アクセス権を有するユーザのセット及び/または修正アクセス権を有するユーザのセットを含み得る。ユーザ及び対応するアクセス権のセットを受信するために、モバイルコ
ンピューティングデバイス14は、リストの指標、例えば、方法368に関して記載されたような既存の選択セットを受信するために送信される指標を送信し得る。
【0197】
ブロック392では、モバイルコンピューティングデバイス14は、ユーザアクセスインターフェースをモバイルコンピューティングデバイス14のGUI18上で提示する。ユーザアクセスインターフェースは、ユーザがインターフェース382または386に示されるユーザ制御を選択するのに応答して提示され得る。図3Tを同時に参照して、インターフェース398は、ユーザのセットを表示する例示的なユーザアクセスインターフェースである。インターフェース398に示されるように、ユーザアクセスインターフェースにより、モバイルコンピューティングデバイス14のユーザは、個々のユーザ(例えば、BobまたはJenny)または個人のグループ(例えば、DHT OperatorまたはEnvironmental)のためのアクセス権を構成することができるようになる。インターフェース398は機能分類グループのみを示すが、ユーザアクセスインターフェースは、グループ内のユーザの場所、グループ内のユーザが勤務したシフト、及び/またはグループ内のユーザの役割によって配列されるグループも含み得る。
【0198】
示されるインターフェース398上で、各ユーザまたはユーザのグループはチェックボックスに対応する。ユーザの任意の選択(既存の選択を含む)は、リストがユーザにアクセス権を提供することを示すチェックマークを含み得る。したがって、ユーザは、特定のユーザまたはユーザのグループに対応するチェックボックスにチェックを入れることによって、アクセス権の選択を示し得る。インターフェース398には示されないが、ユーザアクセスインターフェースにより、ユーザは、異なる種類のアクセスについて別々にアクセス権を設定することが可能となり得る。この目的で、ユーザアクセスインターフェースは、ユーザが構成されている様々なアクセス権の間で切り替えることを可能にする、アクセス権選択インターフェースを含み得る。1つのシナリオでは、ある特定のユーザは、リストを閲覧するアクセス権を有するが、リストを修正するアクセス権は有しない。一態様においては、ユーザアクセスインターフェースは、ユーザのセットを検索語に基づいてフィルタリングするように構成される検索インターフェースを含む。
【0199】
ブロック396では、モバイルコンピューティングデバイス14が、ユーザアクセス権のセットの選択を受信する。より具体的には、モバイルコンピューティングデバイス14は、ユーザがユーザアクセスインターフェースとの交信中に行ったユーザアクセス権選択のセットを受信する。
【0200】
ブロック396では、モバイルコンピューティングデバイス14は、ユーザアクセス権のセットをモバイルサーバ178に送信する。これに応答して、モバイルサーバ178は、ユーザアクセス権のセットに従ってリストデータベース中のリストに対応する記録を更新する。その結果、ユーザアクセス権のセットが特定のユーザのための新たなアクセス権を含む場合、モバイルサーバ178は、リストに含まれるプロセスデータ項目のセットに関連付けられるデータ値のセットを、その特定のユーザのモバイルコンピューティングデバイスに送信する。さらにまたはあるいは、モバイルサーバ178は、通知をその特定のユーザのモバイルコンピューティングデバイスに送信して、新たなアクセス権についてユーザに情報提供してもよい。一実施形態においては、アプリケーション16により、ユーザは、通知を、例えば、SMSメッセージ、またはアプリケーション16によってサポートされるメッセージサービスを介して、モバイルコンピューティングデバイス14から送ることができるようになる。一態様においては、ユーザアクセスインターフェースは、通知に含めるための注記(テキスト及び/または音声録音)を受信するインターフェースを含む。その結果、通知が特定のユーザのモバイルコンピューティングデバイスに送信される方法にかかわらず、通知は注記を含む。
【0201】
モバイルデバイス14を構成して、障害及びプロンプトを含むバッチデータをリモートユーザに表示させるためには、上記の構成方法及び表示に対する軽微な変化が必要であるかまたは所望され得る。アプリケーション16等のアプリケーションを介してバッチデータのリストを構成するための方法700が、図4Kに示される。方法700は、モバイルサーバ178と通信する複数のモバイルコンピューティングデバイスにて実装され得る。方法700はまた、本明細書に記載される他の方法のうちの1つ以上と共に実装されてもよい。
【0202】
図4K~4Pを参照すると、方法700では、ユーザがモバイルサーバ178へのバッチデータの支給を有効にする(ブロック702)。図4Lを参照すると、バッチデータのモバイルサーバ178への支給の有効化は、図4Kに示されるように、バッチエグゼクティブデータを、モバイルサーバ178がアクセスするように構成される様々なデータの種類の中にあるものとして選択することを含み得る。図4Kは、コンピュータインターフェース522を示し、このコンピュータインターフェース522によって、ユーザは、様々な種類のプロセスデータをモバイルサーバ178に提供されるデータに含めるために有効化することができる。具体的には、インターフェース522は、バッチデータを有効化するためにチェックボックス制御524を含む。
【0203】
方法700はまた、バッチデータのバッチエグゼクティブソースの選択を受信することを含む(ブロック704)。ユーザがバッチデータのモバイルサーバ178への支給を有効化すると(例えば、制御524を選択することによって)、インターフェースは、ユーザを、含めるバッチデータの1つ以上のソースに促す。一般に、バッチデータはバッチエグゼクティブから供給されることになるため、ユーザは、そのバッチエグゼクティブの場所へのパスを、関連する制御(図示せず)に入力することになる。実施形態においては、ユーザは、複数のバッチエグゼクティブからのバッチデータを含めることを所望し得る。かかる場合には、インターフェースは、モバイルサーバ178のためのデータソースとして機能するように複数のバッチエグゼクティブを追加するオプションを含んでもよい。あるいは、バッチデータのソースは、以下に記載されるように、構成された各バッチリストに対して構成されてもよい。
【0204】
モバイルサーバ178へのバッチデータ支給を有効化したことを受けて、バッチデータ項目のリストを構成することを選択してもよく、その結果、システムは、ユーザがそれを行っているという指標を受信し得る(ブロック706)。指標の受信は、選択を受信して新たなリストを作成することを含んでもよく、具体的には、選択を受信してバッチデータの新たなリストを作成することを含んでもよい。インターフェース522は、次に、バッチ、レシピ、単位手順、オペレーション、フェーズ、機器、パラメータ、アラーム、障害、プロンプト、及びバッチエグゼクティブの一部であり得る任意の他の情報を含む利用可能なバッチデータの階層リストにアクセスしてもよく(ブロック708)、ユーザがバッチデータのリストを構成できるようにする選択インターフェースをユーザに提示し得る(ブロック710)。
【0205】
1つの例示的な選択インターフェースが図4M~4Pに示される。選択インターフェースのプロパティ部分530(図4M参照)において、ユーザは、バッチデータのリストの名称を第1のフィールド532に入力し、所望の場合には、リストに含まれるバッチデータの説明をフィールド534に入力し得る。選択インターフェースのフィルタ部分540(図4N参照)において、ユーザは、厳密にどのデータがバッチリストに含まれるべきなのかを構成し得る。その際、ユーザはまず、例えば、制御542(例えば、プルダウンリスト、バッチエグゼクティブのパスが入力されるフィールド等)を使用して、バッチエグゼクティブを選択し得る。バッチエグゼクティブの選択またはバッチエグゼクティブへのパスの支給は、本例では選択インターフェースに提供されるが、上記のように、他の実施
形態においては、構成中の他箇所に提供されてもよいことを理解されたい。
【0206】
バッチエグゼクティブパスを構成したら、ユーザはフィルタ基準を提供してもよく、この基準に従って選択されたバッチエグゼクティブからデータを選択してバッチリストに含める。実施形態においては、選択されたバッチエグゼクティブから利用可能なバッチデータは、基準に従ってフィルタリングされ得る:バッチIDフィールド544への入力(特定のバッチIDに関連付けられるバッチデータを選択するため);レシピフィールド546への入力(特定のレシピに関連付けられるバッチデータを選択するため);処方フィールド548への入力(特定の処方に関連付けられるバッチデータを選択するため);状態フィールド550への入力(特定の状態を有するバッチデータを選択するため);領域フィールド552への入力(プロセスプラントの領域に関連付けられるバッチデータを選択するため);設備フィールド554への入力(特定の設備に関連性のあるバッチデータを選択するため);ユニットフィールド556への入力(特定のユニットに関連付けられるバッチデータを選択するため);フェーズフィールド558への入力(特定のフェーズに関連付けられるバッチデータを選択するため);及び/または障害フィールド560への入力(特定の障害の種類に関連付けられるバッチデータを選択するため)。当然ながら、ユーザは、フィールド542~560のうちのいずれか1つ以上に基準を入力して、バッチリストに提供されることになる特定のバッチデータの選択を達成し得る。限定ではなく例として、ユーザは、特定のレシピの特定のフェーズに関連付けられるバッチデータを、そのレシピのフェーズが実行されているバッチ、領域、ユニット等にかかわらず選択するために、フィールド546にレシピを、フィールド558にフェーズを入力し、残りのフィールド全て(バッチエグゼクティブフィールド542を除く)を空白のまま残し得る(または「全データ」を示すアスタリスク(*)を入力)。
【0207】
ユーザはまた、選択インターフェースのパラメータ部分570(図4O参照)を使用して、フィルタ基準に従ってある特定のバッチステップについてのデータとしてモバイルデバイス上で閲覧可能であるはずの様々なパラメータを追加し得る。図4Oに示されるパラメータフィルタリングインターフェースは、図4Nに関して記載されたフィルタリングと同様、パラメータの様々な組み合わせを使用して、ユーザが見ることを希望する正確なパラメータグループを達成し得る。例えば、値をユニットフィールド574にではなく、レシピフィールド572及びモジュールパラメータフィールド576に入力することにより、ユーザは、特定のレシピに関連付けられる特定のモジュールパラメータに関するデータを、レシピが動作しているユニットにかかわらず受信するように指定し得る。
【0208】
最後に、ユーザは、選択インターフェースのユーザ選択部分580(図4P参照)を使用して、どのユーザ及びまたはグループが選択されたバッチデータに関連付けられるプロンプトを受信するのかを構成してもよく、また遅延が実装される場合には、プロンプトの通知を選択されたユーザに送る前に、どれくらいの期間プロンプトが認識されるのを待つかを選択してもよい。図4Pでは、例えば、(ユーザ選択制御582を使用して、選択されたバッチデータに関係するプロンプトの受信にユーザNickが選択される。しかしながら、制御584は、Nickが、プロンプトが5分後に認識されないままである場合にしか、任意の所与のプロンプトの通知を受信すべきでないと指定する。
【0209】
いずれにせよ、インターフェースがバッチデータ項目の選択(ブロック712)をユーザから受信すると、プロセスデータ項目の選択されたセットがモバイルサーバ178に送信され(ブロック714)、モバイルサーバ178が、バッチデータ項目のセットに関連付けられるデータ値のセットを受信する(ブロック716)。
【0210】
以下の態様のリストは、本発明によって明確に企図される多様な実施形態を反映する。当業者であれば、以下の態様が、本明細書に開示される実施形態を限定するものではなく
、上記の開示から想定され得る実施形態の全てを網羅するものでもなく、むしろ本質的に例示的であることを容易に理解するであろう。
【0211】
1.プロセスプラントのプロセス制御システムからリモートコンピューティングデバイスへとバッチプロセスデータを提供する方法であって、リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータのリストを作成する要求を第1のコンピューティングデバイスで受信することと、リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータの選択を容易にするための選択インターフェースをユーザに提示することと、そこからバッチプロセスデータを提供するためのバッチエグゼクティブの選択を、選択インターフェースを介して第1のコンピューティングデバイスで受信することであって、バッチエグゼクティブが、プロセスプラント内のコントローラ上で動作している、受信することと、1つ以上のフィルタ基準を、選択インターフェースを介して第1のコンピューティングデバイスで受信することと、第1のコンピューティングデバイスにおいて、バッチエグゼクティブから利用可能なデータにフィルタ基準を適用して、リモートコンピューティングデバイスに提供されるバッチデータのリストに含まれるデータのセットを決定することと、モバイルデバイスに提供されるバッチデータのリストに関連付けられるデータのセットの指標を、モバイルサーバに送信することと、を含む、方法。
【0212】
2.フィルタ基準が、バッチID、レシピ、処方、状態、領域、設備、装置、フェーズ、及び障害を含む群から選択される、態様1に記載の方法。
【0213】
3.バッチエグゼクティブから利用可能なデータにフィルタ基準を適用してデータのセットを決定することが、プロンプト及び/または障害が生成され得るデータのセットをもたらし、1つ以上のユーザの選択を受信して、プロンプト及び/または障害の通知を受信することをさらに含む、態様1に記載の方法。
【0214】
4.遅延時間の選択を受信することをさらに含み、遅延時間が、選択された1つ以上のユーザに通知が送信される前に、プロンプトがアクティブなままであるべき時間を特定する、態様3に記載の方法。
【0215】
5.モバイルコンピューティング上のマイクロプロセッサ用に最適化された機械可読命令を記憶する有形の非一時的コンピュータ可読媒体であって、マイクロプロセッサによって実行されると、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示することと、閲覧するための1つ以上の項目の選択をGUIを介して受信することであって、1つ以上の項目の各々は、プロセス制御システム内で実行中のバッチプロセスに関連する、受信することと、1つ以上の項目の選択を、インターネットまたは携帯電話データ接続のいずれかを介してモバイルサーバに送信することと、選択された1つ以上の項目に対応する複数のリアルタイム値を、インターネットまたは携帯電話データ接続のいずれかを介してモバイルサーバから受信することと、複数のリアルタイム値をGUI上に表示することと、をマイクロプロセッサに行わせる、有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0216】
6.複数のリアルタイム値をGUI上に表示することが、バッチエグゼクティブによって実行されている1つ以上のバッチを表示することを含む、態様5に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0217】
7.複数のリアルタイム値をGUI上に表示することが、複数のバッチのステータスデータについて表示することを含む、態様5または態様6に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0218】
8.ステータスデータが、複数のバッチの各々についての経過実行時間を含む、態様7
に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0219】
9.プロンプトまたは障害が存在する複数のバッチの各々について、プロンプト及び/または障害が存在するという指標を表示することをさらに含む、態様7または態様8に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0220】
10.複数のバッチの各々について、バッチに関連付けられるバッチレシピを表示することをさらに含む、態様7~9のいずれか1つに記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0221】
11.複数のバッチの表示と、複数のバッチに関連付けられる機器のリストの表示と、複数のバッチに関連付けられるアクティブなプロンプトのリストの表示との間でディスプレイを切り替えるコントロールをGUI上に提供することをさらに含む、態様6~10のいずれか1つに記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0222】
12.複数のリアルタイム値をGUI上に表示することが、バッチエグゼクティブによって実行されている1つ以上のバッチを表示することを含み、1つ以上のバッチのうちの1つの選択を受信することと、バッチのうちの選択された1つについて、バッチのうちの選択された1つに関連付けられる1つ以上の単位手順のリストを表示することと、をさらに含む、態様5~11のいずれか1つに記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0223】
13.1つ以上の単位手順のうちの1つの選択を受信することと、単位手順のうちの選択された1つについて、単位手順のうちの選択された1つに関連付けられる1つ以上のオペレーションのリストを表示することと、をさらに含む、態様12に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0224】
14.1つ以上のオペレーションのうちの1つの選択を受信することと、オペレーションのうちの選択された1つについて、オペレーションのうちの選択された1つに関連付けられる1つ以上のフェーズのリストを表示することと、をさらに含む、態様13に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0225】
15.1つ以上のフェーズのうちの1つの選択を受信することと、フェーズのうちの選択された1つについて、少なくともフェーズのステータス、フェーズのパラメータ、ならびに/またはフェーズに関連するプロンプト及び/もしくは障害を含むフェーズ詳細を表示することと、をさらに含む、態様14に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0226】
16.プロセス制御システム内で実行中のバッチプロセスに関連付けられるプロンプトを表示することと、モバイルデバイスのユーザによる表示されたプロンプトの認識を容易にするために、コントロールを表示することと、をさらに含む、態様5~15のいずれか1つに記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0227】
17.複数のリアルタイム値をGUI上に表示することが、バッチに関連するステータスデータについて、ステータスがアクティブとなった時間を表示することを含む、態様5~16のいずれか1つに記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0228】
18.複数のリアルタイム値をGUI上に表示することが、オペレーションの詳細を表示することを含み、オペレーションの詳細が、オペレーションがアクティブとなっている装置を含む、態様5~17のいずれか1つに記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0229】
19.複数のリアルタイム値をGUI上に表示することが、単位手順の詳細を表示することを含み、単位手順の詳細が、オペレーションがアクティブとなっている装置を含む、態様5~18のいずれか1つに記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0230】
20.ディスプレイが切り替わって複数のバッチに関連付けられる機器のリストを表示するようにコントロールが選択されると、ディスプレイが、各機器について、機器上で何個のフェーズがアクティブとなっているかをさらに示す、態様11に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0231】
21.ディスプレイが切り替わって複数のバッチに関連付けられるプロンプトのリストを表示するようにコントロールが選択されると、ディスプレイが、各プロンプトについて、プロンプトのテキスト及びプロンプトがアクティブとなっている時間をさらに示す、態様11に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図1N
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図2N
図2O
図2P
図2Q
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図3M
図3N
図3P
図3Q
図3R
図3S
図3T
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図4M
図4N
図4O
図4P
【手続補正書】
【提出日】2023-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラントのプロセス制御システムからプロセスプラント環境の外部のネットワーク上で動作するリモートコンピューティングデバイスへとリアルタイムのバッチプロセスデータを安全に提供する方法であって、
前記リモートコンピューティングデバイスに提供されるリアルタイムバッチデータのリストを作成する要求を第1のコンピューティングデバイスで受信することと、
前記リモートコンピューティングデバイスに提供されるリアルタイムバッチデータの選択を容易にするための選択インターフェースをユーザに提示することと、
そこから前記リアルタイムのバッチプロセスデータを提供するためのバッチエグゼクティブの選択を、前記選択インターフェースを介して前記第1のコンピューティングデバイスで受信することであって、前記バッチエグゼクティブが、前記プロセスプラント内のコントローラ上で動作している、受信することと、
1つ以上のフィルタ基準を、前記選択インターフェースを介して前記第1のコンピューティングデバイスで受信することと、
前記第1のコンピューティングデバイスにおいて、前記バッチエグゼクティブから利用可能なリアルタイムデータに前記フィルタ基準を適用して、前記リモートコンピューティングデバイスに提供される前記リアルタイムバッチデータのリストに含まれるリアルタイムデータのセットを決定することと、
前記リモートコンピューティングデバイスに提供される前記リアルタイムバッチデータのリストに関連付けられる前記リアルタイムデータのセットの指標を、前記プロセスプラント環境の外部のモバイルサーバに送信することと、
前記プロセスプラント環境内のデータサーバから前記モバイルサーバに送信されたポーリング要求に応じて、前記モバイルサーバから前記データサーバに、前記リモートコンピューティングデバイスにストリーミングリアルタイムデータとして提供される前記リアルタイムバッチデータのリストを送信することと、
前記モバイルサーバが、前記データサーバから、少なくとも、前記リモートコンピューティングデバイスに提供される前記リアルタイムバッチデータのリストと関連したリアルタイムバッチデータを受信することと、
前記モバイルサーバから前記リモートコンピューティングデバイスに、前記リモートコンピューティングデバイスに送信されるものとして選択された前記ストリーミングリアル
タイムデータを送信することと、
を含む、
方法。
【請求項2】
前記フィルタ基準が、バッチID、レシピ、処方、状態、領域、設備、装置、フェーズ、及び障害を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バッチエグゼクティブから利用可能な前記リアルタイムデータに前記フィルタ基準を適用して前記データのセットを決定することが、プロンプト及び/または障害が生成され得るデータのセットをもたらし、
1つ以上のユーザの選択を受信して、前記プロンプト及び/または障害の通知を受信することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
遅延時間の選択を受信することをさらに含み、前記遅延時間が、前記選択された1つ以上のユーザに通知が送信される前に、プロンプトがアクティブなままであるべき時間を特定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
モバイルコンピューティングデバイス上のマイクロプロセッサ用に最適化された機械可読命令を記憶する有形の非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記マイクロプロセッサによって実行されると、
グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示することと、
前記GUIを介して、ストリーミングリアルタイムデータとして閲覧するための1つ以上の項目の選択を受信することであって、前記1つ以上の項目の各々が、プロセス制御システム内で実行中のバッチプロセスに関連し、前記1つ以上の項目の選択が、プロセス制御ネットワークに接続されたオペレータワークステーションで利用可能な全てのリアルタイムデータから選択された、受信することと、
前記1つ以上の項目の前記選択を、前記プロセス制御ネットワークから安全に分割され、かつ、インターネットまたは携帯電話データ接続のいずれかを含む第2のネットワークを介してモバイルサーバに送信することと、
前記選択された1つ以上の項目に対応する複数のストリーミングリアルタイム値を、前記第2のネットワークを介して前記モバイルサーバから受信することと、
前記複数のストリーミングリアルタイム値を前記GUI上に表示することと、を前記マイクロプロセッサに行わせる、有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、バッチエグゼクティブによって実行されている1つ以上のバッチを表示することを含む、請求項5に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、複数のバッチのステータスデータについて表示することを含む、請求項5または6に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記ステータスデータが、前記複数のバッチの各々についての経過実行時間を含む、請求項7に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
プロンプトまたは障害が存在する前記複数のバッチの各々について、プロンプト及び/または障害が存在するという指標を表示することをさらに含む、請求項7または8に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記複数のバッチの各々について、前記バッチに関連付けられるバッチレシピを表示す
ることをさらに含む、請求項5から9のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
複数のバッチの表示と、前記複数のバッチに関連付けられる機器のリストの表示と、前記複数のバッチに関連付けられるアクティブなプロンプトのリストの表示との間で前記表示を切り替えるコントロールを前記GUI上に提供することをさらに含む、請求項5から10のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、バッチエグゼクティブによって実行されている1つ以上のバッチを表示することを含み、
前記1つ以上のバッチのうちの1つの選択を受信することと、
前記バッチのうちの前記選択された1つについて、前記バッチのうちの前記選択された1つに関連付けられる1つ以上の単位手順のリストを表示することと、をさらに含む、請求項5から11のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記1つ以上の単位手順のうちの1つの選択を受信することと、
前記単位手順のうちの前記選択された1つについて、前記単位手順のうちの前記選択された1つに関連付けられる1つ以上のオペレーションのリストを表示することと、をさらに含む、請求項12に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記1つ以上のオペレーションのうちの1つの選択を受信することと、
前記オペレーションのうちの前記選択された1つについて、前記オペレーションのうちの前記選択された1つに関連付けられる1つ以上のフェーズのリストを表示することと、をさらに含む、請求項12または13に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記1つ以上のフェーズのうちの1つの選択を受信することと、
前記フェーズのうちの前記選択された1つについて、少なくとも前記フェーズのステータス、前記フェーズのパラメータ、ならびに/または前記フェーズに関連するプロンプト及び/もしくは障害を含むフェーズ詳細を表示することと、をさらに含む、請求項12から14のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記プロセス制御システム内で実行中のバッチプロセスに関連付けられるプロンプトを表示することと、
前記モバイルデバイスのユーザによる前記表示されたプロンプトの認識を容易にするために、コントロールを表示することと、をさらに含む、請求項5から15のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、バッチに関連するステータスデータについて、前記ステータスがアクティブとなった時間を表示することを含む、請求項5から16のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、オペレーションの詳細を表示することを含み、前記オペレーションの前記詳細が、前記オペレーションがアクティブとなっている装置を含む、請求項5から17のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記複数のリアルタイム値を前記GUI上に表示することが、単位手順の詳細を表示することを含み、前記単位手順の前記詳細が、オペレーションがアクティブとなっている装置を含む、請求項5から18のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記表示が切り替わって前記複数のバッチに関連付けられる機器のリストを表示するようにコントロールが選択されると、前記表示が、各機器について、前記機器上で何個のフェーズがアクティブとなっているかをさらに示す、請求項5から19のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記表示が切り替わって前記複数のバッチに関連付けられるプロンプトのリストを表示するようにコントロールが選択されると、前記表示が、各プロンプトについて、前記プロンプトのテキスト及び前記プロンプトがアクティブとなっている時間をさらに示す、請求項5から20のいずれか1項に記載の有形の非一時的コンピュータ可読媒体。