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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162430
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5375 20140101AFI20231031BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20231031BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231031BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/52
A63F13/53
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145297
(22)【出願日】2023-09-07
(62)【分割の表示】P 2019153308の分割
【原出願日】2019-08-24
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】岡林 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】松下 佳樹
(57)【要約】
【課題】ゲーム中にチュートリアルが実行されてもプレイヤに与えるストレスを低減することができる。
【解決手段】ゲーム装置10は、ゲームの仕方をプレイヤに説明するチュートリアルを実行し、当該チュートリアルの実行の間に、複数の機能オブジェクトを含むゲーム画像において、当該説明のための説明オブジェクトを、複数の機能オブジェクトのうち、チュートリアルで説明されない少なくとも一つの機能オブジェクトに重ねて表示装置に表示制御するチュートリアル実行手段42と、入力装置に選択指示が入力されたときの入力装置に入力されている座標が、説明オブジェクトに隠された機能オブジェクトが位置する領域内の座標である場合、当該機能オブジェクトに対応付けられた機能を実行する機能実行手段44と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の機能オブジェクトを含むゲーム画像を表示可能な表示装置と、プレイヤによる操作を受け付けて、当該ゲーム画像における座標及び選択指示を入力する入力装置に接続されるゲーム装置であって、
前記ゲームの仕方をプレイヤに説明するチュートリアルを実行し、当該チュートリアルの実行の間に、前記ゲーム画像において、当該説明のための説明オブジェクトを、前記複数の機能オブジェクトのうち、前記チュートリアルで説明されない少なくとも一つの機能オブジェクトに重ねて前記表示装置に表示制御するチュートリアル実行手段と、
前記入力装置に選択指示が入力されたときの当該入力装置に入力されている座標が、前記説明オブジェクトに隠された機能オブジェクトが位置する領域内の座標である場合、当該機能オブジェクトに対応付けられた機能を実行する機能実行手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項2】
前記チュートリアル実行手段は、前記説明オブジェクトの透明度を、隠された機能オブジェクトが視認できるよう半透明とする、
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記チュートリアル実行手段は、前記入力装置に入力されている座標又は前記説明オブジェクトに対する選択指示に基づき、前記説明オブジェクトの透明度を変更する、
請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記チュートリアル実行手段は、前記入力装置に選択指示が入力されたときの前記入力装置に入力されている座標、又は、前記チュートリアルの開始から経過した経過時間に基づき、前記説明オブジェクトの表示態様を変更する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の機能オブジェクトを含むゲーム画像を表示可能な表示装置と、プレイヤによる操作を受け付けて、当該ゲーム画像における座標及び選択指示を入力する入力装置に接続されるコンピュータを、
前記ゲームの仕方をプレイヤに説明するチュートリアルを実行し、当該チュートリアルの実行の間に、前記ゲーム画像において、当該説明のための説明オブジェクトを、前記複数の機能オブジェクトのうち、前記チュートリアルで説明されない少なくとも一つの機能オブジェクトに重ねて前記表示装置に表示制御するチュートリアル実行手段、
前記入力装置に選択指示が入力されたときの当該入力装置に入力されている座標が、前記説明オブジェクトに隠された機能オブジェクトが位置する領域内の座標である場合、当該機能オブジェクトに対応付けられた機能を実行する機能実行手段、
として機能させるためのプログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームの仕方をプレイヤに説明するチュートリアルが知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、プレイヤに操作の助言を行う助言ウィンドウをゲーム画像に重ねて表示するゲームプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-087459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の選択ボタンをゲーム画像が含む場合において、助言ウィンドウが表示されると、少なくとも一つの選択ボタンが当該助言ウィンドウにより重なって隠れてしまうときがある。そして、選択ボタンが助言ウィンドウにより隠れると、チュートリアルが終わらない限り、当該選択ボタンをプレイヤが選択できなくなってしまい、この結果、ゲームのシリーズをプレイしたことがあるプレイヤや当該ゲームを熟知しているプレイヤはストレスを感じてしまう。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゲーム中にチュートリアルが実行されてもプレイヤに与えるストレスを低減することができるゲーム装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るゲーム装置は、ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の機能オブジェクトを含むゲーム画像を表示可能な表示装置と、プレイヤによる操作を受け付けて、当該ゲーム画像における座標及び選択指示を入力する入力装置に接続されるゲーム装置であって、前記ゲームの仕方をプレイヤに説明するチュートリアルを実行し、当該チュートリアルの実行の間に、前記ゲーム画像において、当該説明のための説明オブジェクトを、前記複数の機能オブジェクトのうち、前記チュートリアルで説明されない少なくとも一つの機能オブジェクトに重ねて前記表示装置に表示制御するチュートリアル実行手段と、前記入力装置に選択指示が入力されたときの当該入力装置に入力されている座標が、前記説明オブジェクトに隠された機能オブジェクトが位置する領域内の座標である場合、当該機能オブジェクトに対応付けられた機能を実行する機能実行手段と、を備える。
【0008】
また、本発明の第二態様に係るゲーム装置では、前記チュートリアル実行手段は、前記説明オブジェクトの透明度を、隠された機能オブジェクトが視認できるよう半透明とする。
【0009】
また、本発明の第三態様に係るゲーム装置では、前記チュートリアル実行手段は、前記入力装置に入力されている座標又は前記説明オブジェクトに対する選択指示に基づき、前記説明オブジェクトの透明度を変更する。
【0010】
また、本発明の第四態様に係るゲーム装置では、前記チュートリアル実行手段は、前記入力装置に選択指示が入力されたときの前記入力装置に入力されている座標、又は、前記チュートリアルの開始から経過した経過時間に基づき、前記説明オブジェクトの表示態様を変更する。
【0011】
また、本発明の第五態様に係るプログラムは、ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の機能オブジェクトを含むゲーム画像を表示可能な表示装置と、プレイヤによる操作を受け付けて、当該ゲーム画像における座標及び選択指示を入力する入力装置に接続されるコンピュータを、前記ゲームの仕方をプレイヤに説明するチュートリアルを実行し、当該チュートリアルの実行の間に、前記ゲーム画像において、当該説明のための説明オブジェクトを、前記複数の機能オブジェクトのうち、前記チュートリアルで説明されない少なくとも一つの機能オブジェクトに重ねて前記表示装置に表示制御するチュートリアル実行手段、前記入力装置に選択指示が入力されたときの前記入力装置に入力されている座標が、前記説明オブジェクトに隠された機能オブジェクトが位置する領域内の座標である場合、当該機能オブジェクトに対応付けられた機能を実行する機能実行手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゲーム中にチュートリアルが実行されてもプレイヤに与えるストレスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの全体構成及びハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】ゲーム装置の機能的構成の一例を示す図である。
図3】チュートリアルを含むゲーム処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】表示装置に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
図5】チュートリアルの実行の間に、表示装置に表示される説明オブジェクトの一例を示す図である。
図6】表示装置に表示される吹き出し欄が半透明化された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0015】
<全体構成及びハードウェア構成>
図1は、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)に係るゲームシステム1の全体構成及びハードウェア構成の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、ゲームシステム1は、例えば、ゲーム装置10と、表示装置20と、を備える。なお、ゲーム装置10が表示装置20を備えていてもよい。
【0017】
ゲーム装置10は、ゲームの仕方、例えばゲームにおける操作方法や機能等を説明する吹き出し表示することで、操作方法や機能等をプレイヤに説明するチュートリアルを含むゲームを提供する情報処理装置である。このゲーム装置10としては、家庭用ゲーム装置や、業務用ゲーム装置、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられるが、本実施形態では、ゲーム装置10が業務用ゲーム装置である場合を説明する。
【0018】
表示装置20は、ゲーム装置10に電気的に接続されており、ゲーム装置10からの出力信号に基づき、ゲーム画像を表示する。本実施形態では、表示装置20は、ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の機能オブジェクトを含むゲーム画像を表示可能である。これらの機能としては、特に限定されないが、例えば、クエストを実行する機能や、レースに行く機能、ショップに行く機能、グループの詳細を見る機能、キャラクタを成長させる機能、キャラクタを合成する機能、グループに加入する機能、グループを脱退する機能等が挙げられる。
【0019】
以上のようなゲームシステム1において、ゲーム装置10は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)12と、メモリ14と、入力装置16と、通信装置18と、を備える。
【0020】
CPU12は、例えば、メモリ14や、入力装置16、通信装置18、表示装置20と接続され、接続先の各種制御を行う。また、CPU12は、プログラムを実行することにより、各種の機能手段(機能的構成)として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0021】
メモリ14は、記憶装置の一つであり、例えばプログラムが格納されている。
【0022】
入力装置16は、プレイヤによる操作を受け付けて、ゲーム画像における座標及び選択指示を入力する。この入力装置16としては、例えば、マウスやタッチパネル(タッチスクリーン)、ペンタブレット、タッチパッド、トラックパッド、トラックボール等のポインティングデバイスが挙げられる。
【0023】
通信装置18は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。この通信装置18は、例えば、不図示のサーバ装置との間で、プレイヤのプレイデータ等の各種の情報を送受信する。
【0024】
なお、ゲーム装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワーク上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図1は、ゲーム装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、ゲーム装置10は、ゲーム装置10が一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0025】
<機能的構成>
図2は、ゲーム装置10の機能的構成の一例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、ゲーム装置10は、機能的構成として、進行手段40と、チュートリアル実行手段42と、機能実行手段44と、を備える。これらの機能的構成は、メモリ14に格納されたプログラムをCPU12が実行することにより実現される。
【0027】
進行手段40は、ゲームを進行する手段である。
【0028】
チュートリアル実行手段42は、ゲームの仕方、例えば機能オブジェクトの操作方法やプレイヤの熟練度の指標の一つであるプレイヤランクの上げ方、レースの行き方等をプレイヤに説明するチュートリアルを実行する機能を有する。また、チュートリアル実行手段42は、チュートリアルの実行の間に、ゲーム画像において、当該説明のための説明オブジェクトを、複数の機能オブジェクトのうち、チュートリアルで説明されない少なくとも一つの機能オブジェクトに重ねて表示装置20に表示制御する。この説明オブジェクトとしては、例えば、キャラクタ等から吹き出す吹き出し欄や、ウィンドウ等が挙げられる。
【0029】
また、チュートリアル実行手段42は、チュートリアルの最初から又はチュートリアルの途中から、説明オブジェクトの透明度を0%超として、隠された機能オブジェクトが視認できるよう半透明となるようにしてもよい。また、チュートリアル実行手段42は、入力装置16に入力されている座標又は説明オブジェクトに対する選択指示に基づき、説明オブジェクトの透明度を変更してもよい。具体的には、チュートリアル実行手段42は、入力装置16に入力されている座標が、ゲーム画像において予め定められた領域内の座標である場合、説明オブジェクトの透明度を初期値から上げ、当該入力装置に入力されている座標が、当該ゲーム画像において当該予め定められた領域外の座標である場合、予め定められた領域内の座標である場合に比べて、説明オブジェクトの透明度を下げてもよい。また、予め定められた領域としては、説明オブジェクトの配置領域や、当該説明オブジェクトを透明にするためのオブジェクトの配置領域等が挙げられる。また、チュートリアル実行手段42は、説明オブジェクトに対する選択指示が継続して入力装置16に入力された場合、すなわち、入力装置16が長押しされた場合、その入力時間(押下時間)に応じて、当該説明オブジェクトの透明度を段階的に上げてもよい。また、チュートリアル実行手段42は、説明オブジェクトに対する選択指示があった場合、説明オブジェクトの透明度を0%超とし、更に説明オブジェクトに対する選択指示があった場合、一層透明度を上げてもよい。すなわち、チュートリアル実行手段42は、説明オブジェクトに対する選択指示の回数が高くなるほど、透明度を上げてもよい。
【0030】
また、チュートリアル実行手段42は、入力装置16に選択指示が入力されたときの入力装置16に入力されている座標、又は、チュートリアルの開始から経過した経過時間に基づき、説明オブジェクトの表示態様を変更してもよい。表示態様としては、説明オブジェクトの透明度や、サイズ、形状等が挙げられる。具体的には、チュートリアル実行手段42は、経過時間が長くなるほど、透明度を上げてもよい。逆に、チュートリアル実行手段42は、経過時間が長くなるほど、透明度を下げてもよい。また、チュートリアル実行手段42は、入力装置16に選択指示が入力されたときの入力装置16に入力されている座標が説明オブジェクトの領域内の座標である場合、当該説明オブジェクトに隠れていた機能オブジェクトがプレイヤに視認できるように、説明オブジェクトのサイズを小さくしたり、形状を変更したりしてもよい。
【0031】
チュートリアル実行手段42は、機能実行手段44が機能を実行した後、チュートリアルを再開してもよい。逆に、チュートリアル実行手段42は、機能実行手段44が機能を実行した後、チュートリアルを終了してもよい。
【0032】
機能実行手段44は、入力装置16に選択指示が入力されたときの入力装置16に入力されている座標が、説明オブジェクトに重ねられて隠された機能オブジェクトが位置する領域内の座標である場合、チュートリアルの進行を中断又は中止して、当該機能オブジェクトに対応付けられた機能を実行する機能を有する。
【0033】
<ゲーム処理の流れ>
図3は、チュートリアルを含むゲーム処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の順番及び内容は適宜変更することができる。
【0034】
(ステップSP10)
ゲーム装置10の進行手段40は、ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の機能オブジェクトを含むゲーム画像を表示装置20に表示制御する。
【0035】
図4は、表示装置20に表示されるゲーム画像100の一例を示す図である。
【0036】
図4に示すように、ゲーム画像100には、ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の機能オブジェクトとしての複数の選択ボタン102が設けられている。これらの選択ボタン102は、例えば、プレイヤが、入力装置16を移動させることで、入力装置16に入力される座標に対応するカーソル104を希望の選択ボタン102の領域内の座標に移動させて、選択指示を入力装置16に入力することにより選択可能である。
【0037】
図3に戻って、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0038】
(ステップSP12)
進行手段40は、ゲームを進行する。この進行の間、ゲーム装置10の機能実行手段44は、ゲーム画像100において、複数の選択ボタン102のうち何れか一つの選択ボタンの操作指示(選択指示)が入力装置16に入力された場合、例えば、プレイヤが所有するキャラクタでレースに参加させたり、当該キャラクタを成長させたり、キャラクタの説明を表示したり、ゲームの設定画面を表示したり、チュートリアルの実行を開始したり、アイテムを購入するショップ画面を表示したり等、選択された選択ボタン102に対応する機能を実行する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0039】
(ステップSP14)
進行手段40は、チュートリアルの実行を開始するための所定条件を満たしたか否かを判定する。この所定条件としては、例えば、チュートリアルの選択ボタン102を押下したという条件や、プレイヤに対応付けられているプレイヤランクが所定値に達したという条件、ゲームがアップデートされたという条件等が挙げられる。そして、上記判定が肯定判定された場合には処理はステップSP16の処理に移行し、上記判定が否定判定された場合には処理はステップSP44の処理に移行する。
【0040】
(ステップSP16)
ゲーム装置10のチュートリアル実行手段42は、チュートリアルの実行を開始し、当該チュートリアルを進行する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0041】
(ステップSP18)
チュートリアル実行手段42は、チュートリアルの実行の間に、ゲーム画像100において、チュートリアルの説明のための説明オブジェクトを、複数の選択ボタン102のうち、チュートリアルで説明されない少なくとも一つの選択ボタンに重ねて表示装置20に表示制御する。
【0042】
図5は、チュートリアルの実行の間に、表示装置20に表示される説明オブジェクトの一例を示す図である。
【0043】
図5に示すように、ゲーム画像100において、説明オブジェクト106としてのキャラクタ106A、吹き出し欄106B、非表示ボタン106Cとが、複数の選択ボタン102のうち、現在実行されているチュートリアルで説明されない少なくとも一つの選択ボタン102Aに重ねて前に表示される。この結果、当該少なくとも一つの選択ボタン102Aの全部又は一部は、説明オブジェクト106、例えば吹き出し欄106Bの後ろに隠れるように配置されることになる。なお、吹き出し欄106Bの中には、チュートリアルの説明が記述されている。非表示ボタン106Cは、押下された場合、何れかの選択ボタン102が選択指示された以降後に、説明オブジェクト106を非表示にして、チュートリアルを終了するためのボタンである。
【0044】
図3に戻って、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0045】
(ステップSP20)
チュートリアル実行手段42は、入力装置16に入力されている座標が、ゲーム画像100において予め定められた領域内の座標であるか否か、具体的には、座標に対応するカーソル104が吹き出し欄106Bの領域内の座標に有るか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP26の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP22の処理に移行する。
【0046】
(ステップSP22)
ゲーム装置10の機能実行手段44は、チュートリアルで説明されている選択ボタン102の選択指示を入力装置16から受け付ける。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0047】
(ステップSP24)
機能実行手段44は、受け付けた選択指示が示す選択ボタン102に対応する機能を実行する。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0048】
(ステップSP26)
上記ステップSP20で肯定判定された場合、チュートリアル実行手段42は、吹き出し欄106Bの透明度を初期値(例えば0%)から10%から90%程度に上げることで、吹き出し欄106Bを半透明化する。この際、チュートリアル実行手段42は、キャラクタ106Aの透明度も上げてもよい。
【0049】
図6は、表示装置20に表示される吹き出し欄106Bが半透明化された様子を示す図である。
【0050】
図6に示すように、吹き出し欄106Bの後ろに隠れていた選択ボタン102Aが透けて見えるようになる。
【0051】
図3に戻って、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0052】
(ステップSP28)
機能実行手段44は、吹き出し欄106Bから透けて見える後ろの選択ボタン102が選択指示されたか否か、言い換えれば、入力装置16に選択指示が入力されたときの当該入力装置16に入力されている座標が、吹き出し欄106Bに重ねられて隠された選択ボタン102Aが位置する領域内の座標であるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP34の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP30の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP30)
チュートリアル実行手段42は、入力装置16に入力されている座標が、ゲーム画像100において予め定められた領域外の座標であるか否か、具体的には、座標に対応するカーソル104が吹き出し欄106Bの領域外の座標に有るか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP32の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP28の処理に戻る。
【0054】
(ステップSP32)
チュートリアル実行手段42は、吹き出し欄106Bの透明度を現在値から例えば初期値に下げることで、吹き出し欄106Bを非透明化する。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP34)
上記ステップSP28で肯定判定された場合、機能実行手段44は、チュートリアルの進行を中断する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0056】
(ステップSP36)
機能実行手段44は、選択指示された選択ボタン102、すなわち、吹き出し欄106Bから透けて見える後ろの選択ボタン102に対応する機能を実行する。この機能として、例えば、機能実行手段44は、プレイヤが所有するキャラクタの詳細を表示するための表示欄を表示装置20に表示制御する。機能の実行が終了すると、処理は、ステップSP38の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP38)
チュートリアル実行手段42は、中断していたチュートリアルを再開する。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP40)
チュートリアル実行手段42は、チュートリアルが全て終了したという条件、非表示ボタン106Cが押下されたという条件等、チュートリアルの終了条件を満たしたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP42の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP16の処理に戻る。なお、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP20の処理に戻ってもよい。
【0059】
(ステップSP42)
チュートリアル実行手段42は、チュートリアルを終了する。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0060】
(ステップSP44)
進行手段40は、ゲームの終了条件を満たしたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP46の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP12の処理に戻る。なお、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP10又はステップSP14の処理に戻ってもよい。
【0061】
(ステップSP46)
進行手段40は、ゲームを終了する。そして、図3に示す一連の処理が終了する。
【0062】
<効果>
以上、本実施形態では、ゲームの機能がそれぞれ対応付けられ、且つ、プレイヤにより選択可能な複数の機能オブジェクト(選択ボタン102)を含むゲーム画像100を表示可能な表示装置20と、プレイヤによる操作を受け付けて、当該ゲーム画像における座標及び選択指示を入力する入力装置16に接続されるゲーム装置10が、ゲームの仕方をプレイヤに説明するチュートリアルを実行し、当該チュートリアルの実行の間に、ゲーム画像100において、当該説明のための説明オブジェクト106を、複数の選択ボタン102のうち、チュートリアルで説明されない少なくとも一つの選択ボタン102に重ねて表示装置20に表示制御するチュートリアル実行手段42と、入力装置16に選択指示が入力されたときの入力装置16に入力されている座標が、説明オブジェクト106に重ねられた選択ボタン102が位置する領域内の座標である場合、チュートリアルの進行を中断又は中止して、当該選択ボタン102に対応付けられた機能を実行する機能実行手段44と、を備える。
【0063】
この構成によれば、ゲームのシリーズをプレイしたことがあるプレイヤや当該ゲームを熟知しているプレイヤは、ゲーム中にチュートリアルが実行されても、説明オブジェクト106に重ねられた選択ボタン102が位置する領域内の座標で選択指示をすれば、チュートリアルの進行を中断又は中止して、当該選択ボタン102に対応付けられた機能を実行してチュートリアルで説明しないゲームをプレイすることができる。この結果、ゲーム中にチュートリアルが実行されてもプレイヤに与えるストレスを低減することができる。
【0064】
また、本実施形態では、チュートリアル実行手段42は、説明オブジェクト106の透明度を、隠された機能オブジェクトが視認できるよう半透明としてもよい。
【0065】
この構成によれば、説明オブジェクト106の後ろに隠れていた選択ボタン102をプレイヤが視認できるようにすることができる。
【0066】
また、本実施形態では、チュートリアル実行手段42は、入力装置16に入力されている座標又は説明オブジェクト106に対する選択指示に基づき、当該説明オブジェクト106の透明度を変更してもよい。
【0067】
この構成によれば、プレイヤの操作により、チュートリアルの説明を受けたいときと、チュートリアルで説明しないゲームをプレイしたときとで、透明度を変更することができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0068】
また、本実施形態では、チュートリアル実行手段42は、入力装置16に入力されている座標が、ゲーム画像100において予め定められた領域内の座標である場合、説明オブジェクト106の透明度を上げ、当該入力装置16に入力されている座標が、当該ゲーム画像100において当該予め定められた領域外の座標である場合、説明オブジェクト106の透明度を下げてもよい。
【0069】
この構成によれば、説明オブジェクト106の透明度をプレイヤの感覚で変更することができる。
【0070】
また、本実施形態では、チュートリアル実行手段42は、説明オブジェクト106に対する選択指示が継続して入力装置16に入力された場合、入力時間に応じて、当該説明オブジェクト106の透明度を段階的に上げてもよい。
【0071】
この構成によれば、説明オブジェクト106の透明度を、より簡単且つ感覚的な方法で上げることができる。
【0072】
また、本実施形態では、チュートリアル実行手段42は、入力装置16に選択指示が入力されたときの入力装置16に入力されている座標、又は、チュートリアルの開始から経過した経過時間に基づき、説明オブジェクト106の表示態様を変更してもよい。
【0073】
この構成によれば、プレイヤは、表示態様の変更前後で、チュートリアルの説明と、説明オブジェクト106に隠された選択ボタン102の両方を視認することができる。
【0074】
また、本実施形態では、チュートリアル実行手段42は、機能実行手段44が、説明オブジェクト106に重ねられた選択ボタン102に対応づけられた機能を実行した後、チュートリアルを再開してもよい。
【0075】
この構成によれば、チュートリアルの途中でゲームをプレイしつつ、チュートリアルも最後までプレイすることができる。
【0076】
また、本実施形態では、チュートリアル実行手段42は、機能実行手段44が、説明オブジェクト106に重ねられた選択ボタン102に対応づけられた機能を実行した後、チュートリアルを強制的に終了してもよい。
【0077】
この構成によれば、チュートリアルを容易に終了することができる。
【0078】
<変形例>
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0079】
例えば、上記実施形態では、チュートリアル実行手段42は、説明オブジェクト106の透明度を初期値0%から0%超とする場合を説明したが、チュートリアル実行手段42は、説明オブジェクト106の透明度を初めから0%超としてもよい。すなわち、チュートリアル実行手段42は、説明オブジェクト106を半透明化した状態で表示してもよい。この場合、説明オブジェクト106の後ろに配置された(重ねられた)選択ボタン102は、視認することができないが、ゲームのシリーズをプレイしたことがあるプレイヤや当該ゲームを熟知しているプレイヤは、説明オブジェクト106の後ろにある選択ボタン102の配置を覚えているため、当該選択ボタン102を選択指示することが可能である。
【0080】
また、上記実施形態では、機能実行手段44は、入力装置16に選択指示が入力されたときの入力装置16に入力されている座標が、吹き出し欄106Bに重ねられた選択ボタン102が位置する領域内の座標である場合、当該選択ボタン102に対応付けられた機能を実行する場合を説明したが、入力装置16に選択指示が入力されたときの入力装置16に入力されている座標が、キャラクタ106Aに重ねられた選択ボタン102が位置する領域内の座標である場合、当該選択ボタン102に対応付けられた機能を実行してもよい。また、機能実行手段44は、入力装置16に選択指示が入力されたときの入力装置16に入力されている座標が、非表示ボタン106Cに重ねられた選択ボタン102が位置する領域内の座標である場合、当該選択ボタン102に対応付けられた機能の実行を禁止し、非表示ボタン106Cに対応付けられた機能を実行するようにしてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、チュートリアル実行手段42は、入力装置16におけるプレイヤの操作に基づき、説明オブジェクト106のサイズ又は形状を変更する場合を説明したが、入力装置16におけるプレイヤの操作に基づき、説明オブジェクト106をゲーム画像100上において移動してもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、機能実行手段44は、入力装置16に選択指示が入力されたときの当該入力装置16に入力されている座標が、説明オブジェクト106に重ねられた選択ボタン102が位置する領域内の座標である場合、当該選択ボタン102に対応付けられた機能を実行する場合を説明したが、プレイヤに対応付けられているパラメータ、特にプレイヤランクに基づき、選択ボタン102に対応付けられた機能を実行するか、当該機能の実行を禁止するか決定してもよい。また、チュートリアル実行手段42は、プレイヤランクに基づき、説明オブジェクト106の透明度を変更してもよい。例えば、チュートリアル実行手段42は、プレイヤランクが高いほど説明オブジェクト106の透明度を上げてもよい。なお、プレイヤランクは、一般的に、プレイヤがゲームをプレイするほど上がるので、プレイヤランクが高いほどゲームを熟知していることを示すことになる。したがって、ゲームを熟知しているプレイヤには、説明オブジェクト106よりも、後ろの選択ボタン102を視認させる方がプレイヤのストレスを低減することができる。なお、プレイヤランクは、プレイヤのプレイデータに含まれている。このプレイデータは、ゲーム装置10や、当該ゲーム装置10と通信可能なサーバ装置、プレイヤが所持するカード等に記憶されおり、チュートリアル実行手段42は、プレイヤランクを利用する際、上記のような記憶されている所からプレイヤのプレイデータを参照する。また、上記パラメータは、プレイヤのゲームの熟練度、チュートリアルを見た回数、前作のプレイ状況等を示すことが可能なものであれば、プレイヤランクに限られず、キャラクタの所持数、プレイヤが所持しているキャラクタのレベルの平均値、プレイヤが所持しているキャラクタの中で最もレベルの高いキャラクタのレベル、ゲームのプレイ時間等であってもよい。
【0083】
また、機能実行手段44が、チュートリアルの進行を中断又は中止した場合、チュートリアル実行手段42は、次回以降のチュートリアルであって、当該チュートリアルとは異なる他のチュートリアルの実行を禁止してもよい。また、機能実行手段44が、チュートリアルの進行を中断又は中止した場合、当該チュートリアルの実行を所定期間禁止してもよい。
【符号の説明】
【0084】
10…ゲーム装置(コンピュータ、情報処理装置)、42…チュートリアル実行手段、44…機能実行手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示機能と入力機能を具備するゲーム装置であって、
ゲームに関する第一オブジェクトを、前記第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトに重ねて表示する表示手段と、
前記第二オブジェクトに対して操作入力があった場合、当該第二オブジェクトに対応付けられた機能を実行するとともに、前記第一オブジェクトに対して操作入力があった場合、重複している前記第二オブジェクトに対応付けられた機能を実行する実行手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項2】
前記第一オブジェクトは、前記ゲームの仕方をプレイヤに説明する説明オブジェクトである、
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記実行手段は、前記ゲームの仕方をプレイヤに説明するチュートリアルを実行し、当該チュートリアルの実行の間に、前記説明オブジェクトに対して操作入力があった場合、重複している前記第二オブジェクトに対応付けられた機能を実行する、
請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記第一オブジェクトの透明度を、隠された前記第二オブジェクトが視認できるよう半透明とする、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記表示手段は、プレイヤの選択指示に基づき、前記第一オブジェクトの透明度を変更する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記入力機能により入力されている座標、又は、前記チュートリアルの開始から経過した経過時間に基づき、前記説明オブジェクトの表示態様を変更する、
請求項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
表示機能と入力機能を具備するコンピュータを、
第一オブジェクトを、前記第一オブジェクトとは異なる第二オブジェクトに重ねて表示する表示手段、
前記第二オブジェクトに対して操作入力があった場合、当該第二オブジェクトに対応付けられた機能を実行するとともに、前記第一オブジェクトに対して操作入力があった場合、重複している前記第二オブジェクトに対応付けられた機能を実行する実行手段、
として機能させるためのプログラム。