(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162449
(43)【公開日】2023-11-08
(54)【発明の名称】移動局、送信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 72/40 20230101AFI20231031BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20231031BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20231031BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20231031BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20231031BHJP
【FI】
H04W72/40
H04W92/18
H04W72/0446
H04W16/14
H04W72/0453
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023146789
(22)【出願日】2023-09-11
(62)【分割の表示】P 2020565575の分割
【原出願日】2019-09-12
(31)【優先権主張番号】P 2019001858
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞木 翔太郎
(72)【発明者】
【氏名】岩井 敬
(72)【発明者】
【氏名】高田 智史
(57)【要約】
【課題】免許不要な帯域におけるリソースを適切に割り当てること。
【解決手段】サイドリンクの参照信号と、参照信号と異なる他のサイドリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、サイドリンク送信に使用するリソースを決定する制御回路と、リソースを用いて、参照信号及び他のサイドリンク信号の少なくとも1つを送信する送信回路または受信する受信回路と、を具備し、他のサイドリンク信号が配置されるリソースは、制御情報によって通知されるリソースの少なくとも一部のリソースであり、関連付けにおいて、参照信号及び他のサイドリンク信号の何れか一方の信号が配置されるリソースは、参照信号及び他のサイドリンク信号の他方の信号のリソースに関連付けられる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドリンクの参照信号と、前記参照信号と異なる他のサイドリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、サイドリンク送信に使用するリソースを決定する制御回路と、
前記リソースを用いて、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の少なくとも1つを送信する送信回路または受信する受信回路と、
を具備し、
前記他のサイドリンク信号が配置される前記リソースは、制御情報によって通知されるリソースの少なくとも一部のリソースであり、
前記関連付けにおいて、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の何れか一方の信号が配置されるリソースは、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の他方の信号のリソースに関連付けられる、
移動局。
【請求項2】
前記関連付けにおいて、前記他のサイドリンク信号が配置される前記リソースは、前記制御情報によって通知される前記参照信号のパラメータに関連付けられている、
請求項1に記載の移動局。
【請求項3】
前記パラメータの少なくとも一つに関連付けられた前記リソースは、前記制御情報によって通知される前記他のサイドリンク信号のリソースのうち一部のリソースである、
請求項2に記載の移動局。
【請求項4】
前記パラメータは、前記参照信号が配置される時間的位置を示し、
前記一部のリソースは、第1の時間的位置を示す前記パラメータに関連付けられ、前記第1の時間的位置は、前記他のサイドリンク信号よりも早い時間的位置である、
請求項3に記載の移動局。
【請求項5】
前記関連付けにおいて、前記参照信号が配置される前記リソースは、前記制御情報によって通知される前記他のサイドリンク信号が配置される前記リソースの少なくとも一つのリソースである、
請求項1に記載の移動局。
【請求項6】
前記制御情報によって通知される前記参照信号のパラメータが特定の値の場合、前記参照信号が配置される前記リソースは前記少なくとも一つのリソースであり、前記参照信号に設定される、前記リソースと異なる他のリソースは前記特定の値に基づいて決定される、
請求項5に記載の移動局。
【請求項7】
前記参照信号が前記他の上りリンク信号よりも早い時間的位置に配置される場合、かつ、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長い場合、前記参照信号が配置される前記リソースは、前記少なくとも一つのリソースである、
請求項5に記載の移動局。
【請求項8】
前記参照信号が前記他の上りリンク信号よりも早い時間的位置に配置される場合、かつ、キャリアセンスを失敗している場合、前記参照信号が配置される前記リソースは、前記少なくとも一つのリソースである、
請求項5に記載の移動局。
【請求項9】
移動局は、
サイドリンクの参照信号と、前記参照信号と異なる他のサイドリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、サイドリンク送信に使用するリソースを決定し、
前記リソースを用いて、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の少なくとも1つを送信または受信し、
前記他のサイドリンク信号が配置される前記リソースは、制御情報によって通知されるリソースの少なくとも一部のリソースであり、
前記関連付けにおいて、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の何れか一方の信号が配置されるリソースは、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の他方の信号のリソースに関連付けられる、
送信方法。
【請求項10】
サイドリンクの参照信号と、前記参照信号と異なる他のサイドリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、サイドリンク送信に使用するリソースを決定する処理と、
前記リソースを用いて、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の少なくとも1つを受信する処理または送信する処理とを、制御し、
前記他のサイドリンク信号が配置される前記リソースは、制御情報によって通知されるリソースの少なくとも一部のリソースであり、
前記関連付けにおいて、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の何れか一方の信号が配置されるリソースは、前記参照信号及び前記他のサイドリンク信号の他方の信号のリソースに関連付けられる、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動局、基地局、送信方法及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5G)と呼ばれる通信システムが検討されている。国際標準化団体である3rd Generation Partnership Project(3GPP)では、LTE/LTE-Advancedシステムの高度化と、LTE/LTE-Advancedシステムとは必ずしも後方互換性を有しない新しい方式であるNew Radio Access Technology(New RAT又はNRとも呼ぶ)(例えば、非特許文献1を参照)の両面から、5G通信システムの高度化が検討されている。
【0003】
NRでは、免許の必要な帯域(licensed band)に加えて、LTEのLicense-Assisted Access(LAA)又はEnhanced LAA(eLAA)と同様に、免許不要帯(アンライセンスバンド、unlicensed band)での運用が検討されている(例えば、非特許文献2を参照)。免許不要な帯域での運用は、例えば、NR-based Access to Unlicensed Spectrum又はNR-Uとも呼ばれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】RP-181726, "Revised WID on New Radio Access Technology", NTT DOCOMO, September 2018
【非特許文献2】RP-182878, "New WID on NR-based Access to Unlicensed Spectrum", Qualcomm, December 2018
【非特許文献3】ETSI EN 301 893 V2.1.1, "5 GHz RLAN; Harmonised Standard covering the essential requirements of article 3.2 of Directive 2014/53/EU," May 2017
【非特許文献4】3GPP TS 38.101-1 V15.3.0, "NR; User Equipment (UE) radio transmission and reception; Part 1: Range 1 Standalone (Release 15)," September 2018
【非特許文献5】3GPP TS 36.213 V15.3.0, "Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical layer procedures (Release 15)," September 2018
【非特許文献6】3GPP TS 37.213 V15.1.0, "Physical layer procedure for shared spectrum channel access (Release 15)," September 2018
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、免許不要な帯域におけるリソース割当方法について十分に検討されていない。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、免許不要な帯域におけるリソースを適切に割り当てることができる移動局、基地局、送信方法及び受信方法の提供に資する。
【0007】
本開示の一実施例に係る移動局は、上りリンクの参照信号と、前記参照信号と異なる他の上りリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定する制御回路と、前記周波数リソースを用いて、前記参照信号及び前記他の上りリンク信号の少なくとも1つを送信する送信回路と、を具備する。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0009】
本開示の一実施例によれば、免許不要な帯域におけるリソースを適切に割り当てることができる。
【0010】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】SRS requestパラメータの一例を示す図
【
図3】実施の形態1に係る基地局の一部の構成例を示すブロック図
【
図4】実施の形態1に係る移動局の一部の構成例を示すブロック図
【
図5】実施の形態1に係る基地局の構成例を示すブロック図
【
図6】実施の形態1に係る移動局の構成例を示すブロック図
【
図7】実施の形態1に係る基地局及び移動局の設定例を示すシーケンス図
【
図8】実施の形態1の動作例1に係るSRS requestの一例を示す図
【
図9】実施の形態1の動作例1に係る巡回シフト番号とPUSCHの割当周波数リソースとの関連付けの一例を示す図
【
図10】実施の形態1の動作例2に係るSRS requestの一例を示す図
【
図11】実施の形態1の動作例2に係る時間的位置とPUSCHの割当周波数リソースとの関連付けの一例を示す図
【
図12】実施の形態1の巡回シフト番号及び時間的位置とPUSCHの割当周波数リソースとの関連付けの他の例を示す図
【
図13】実施の形態2に係る基地局及び移動局の設定例を示すシーケンス図
【
図14】実施の形態2に係るSRS requestの一例を示す図
【
図15】実施の形態3に係る基地局及び移動局の設定例を示すシーケンス図
【
図16】実施の形態3に係るSRS requestの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[インターレース割当]
免許不要帯では、例えば、法令又は標準等により、電力スペクトル密度(PSD:Power Spectral Density)の上限値が制限されている。例えば、欧州電気通信標準化機構(ETSI:European Telecommunications Standards Institute)の標準によると、5GHz帯と呼ばれる帯域におけるPSDの上限値は、電力制御機能を有する移動局(例えば、端末又はUser Equipment(UE)とも呼ぶ)に対して、10dBm/MHz(帯域によっては17dBm/MHz)の制限を課している(例えば、非特許文献3を参照)。
【0014】
このPSDの制限下において、移動局がより高い送信電力を用いて信号を送信するためには、周波数領域においてリソース(以下、周波数リソースと呼ぶ)を拡散(換言すると分散)させて信号を配置する方法(又は割当方法)が有効である。NR-Uでは、例えば、「インターレース割当」と呼ばれる割当方法が検討されている。
【0015】
インターレース割当では、或る帯域(例えば、20MHz)は、複数のインターレース(interlace)に分割される。インターレースは、例えば、連続するサブキャリア群を複数有する。1つの連続するサブキャリア群は、例えば、1つの物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block。1つのPRBは12個のサブキャリア(副搬送波))でもよい。また、1つのインターレースを構成する複数の連続するサブキャリア群は、周波数領域において等間隔又は不等間隔に分散して配置される。
【0016】
また、例えば、異なるインターレースは互いに異なる周波数リソースを有する。換言すると、各インターレースを構成する周波数リソースは重複しない。
【0017】
例えば、NRの6GHzより低い周波数帯において、20MHzの帯域における、PRBの最大割り当て数は、15kHz、30kHz及び60kHzのサブキャリア間隔(SCS:Subcarrier Spacing)に対して、それぞれ106個、53個及び26個である(例えば、非特許文献4を参照)。
【0018】
NRの免許不要な帯域(例えば、7GHzより低い周波数帯)では、上述したPRBの最大割り当て数に基づいて、インターレースの構成が検討されている。
【0019】
例えば、3GPP NR-Uでは、20MHzの帯域がM個のインターレースに分割され、M個のインターレースの各々はN個のPRB(例えば、上述したサブキャリア群に対応)を有する、と規定した場合のMとNとの複数の組み合わせが検討されている。M及びNは、インターレースの構成を示すパラメータの一例である。また、PRBの最大割り当て数がMの倍数でない場合には、或るインターレースが有するPRBの数(例えば、N)は、他のインターレースが有するPRBの数より1つ多いことがあり得る。
【0020】
一例として、サブキャリア間隔が15kHzの場合、M=12のケースが検討されている。上述したように、サブキャリア間隔が15kHzの場合、PRBの最大割り当て数は106個であり、M=12の倍数では無い。そのため、M=12のケースでは、或るインターレースが9個のPRBを有し(N=9)、他のインターレースが8個のPRBを有する(N=8)。
【0021】
図1は、上述したケース(SCS=15kHz、M=12、N=8 or 9)のインターレースの構成例を示す。
【0022】
図1の例では、20MHzの帯域(106個のPRB)が、M=12個のインターレースに分割される。12個のインターレースには、それぞれ、0~11のインターレース番号(又は、インターレースインデックスと呼ぶ)が付されている。
【0023】
また、各インターレースに属するPRBのうち、周波数が低い方からn番目のPRBを、「クラスタ(cluster)番号nに属するPRB」と呼ぶこともある。
図1の例では、クラスタ番号#0~#8までの9個のクラスタが存在する。
【0024】
eLAAでは、例えば、上りデータチャネル(例えば、PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)に対するインターレース割当が想定されている。eLAAにおけるインターレース割当の通知方法は、例えば、PUSCHを配置するインターレースのインターレース番号に基づく通知方法である。例えば、非特許文献5に記載のUplink resource allocation type 3によると、移動局に対してResouce Indication Value(RIV)が通知される。移動局は、RIVの値に基づいて、PUSCHを配置するインターレースのインターレース番号を導出する。なお、eLAAのインターレース割当では、「インターレースの一部(例えば、一部のPRB)にPUSCHを配置する」という通知はできない。
【0025】
一方、NR-Uでは、上りリンクチャネル、又は、参照信号(例えば、サウンディング用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal))に対するインターレース割当が検討されている。なお、上りリンクチャネルは、例えば、PUSCH、上り制御チャネル(例えば、PUCCH:Physical Uplink Control CHannel)、及び、ランダムアクセスチャネル(例えば、PRACH:Physical Random Access CHannel)等である。
【0026】
また、NR-Uでは、インターレースに含まれるPRBのうち、一部のクラスタに属するPRBに信号を割り当てる方法についても検討されている。以下、インターレースに含まれるPRBのうち、一部のクラスタに属するPRBに信号を割り当てる方法を「部分的インターレース(partial interlace)への割当」と呼ぶ。
【0027】
部分的インターレースを活用することにより、1つのインターレースに複数の移動局の信号を周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplexing)でき、リソースの割当効率を向上できる。
【0028】
しかしながら、上述したように、eLAAのUplink resource allocation type 3では、部分的インターレースへの割当の通知が想定されていない。また、LTE及びNR-Uにおいて、部分的インターレースへの割当の通知方法について十分に議論されていない。
【0029】
そこで、本開示の一実施例では、部分的インターレースへの割当の通知方法について説明する(例えば、後述する実施の形態1を参照)。
【0030】
また、部分的インターレースへの割当の場合、占有チャネル帯域(OCB:Occupied Channel Bandwidth, OCB)は、インターレースに属する全てのPRBへの割当の場合と比較して狭くなる。例えば、ETSIには、「同一のチャネル占有時間(COT:Channel Occupancy Time)内において、一部の信号のOCBが全帯域の80-100%となる要求(以下、OCB要求とも呼ぶ)を満たしていれば、他の信号のOCBは80%未満でもよい」という規定がある(例えば、非特許文献3を参照)。
【0031】
部分的インターレースを使用する場合、部分的インターレースを用いる移動局に対して上述した80-100%のOCB要求を満たさない可能性がある。よって、PUSCHに対して部分的インターレースへの割当を適用する場合、上述した規定に従ってOCB要求を満たすためには、例えば、同一のCOT内においてPUSCHの送信タイミングとは別のタイミングに送信される別の信号(例えば、SRS)がOCB要求を満たすように送信されることが想定される。
【0032】
[SRS]
NR-Uでは、eLAA又はNR Release 15(NR Rel-15)等と同様、移動局がSRSを送信することが想定されている。SRSの目的は、SRSを受信した基地局(例えば、gNBとも呼ぶ)が、SRSのリソースにおける上りリンクのチャネル品質(channel quality)を推定することである。
【0033】
また、NR-Uでは、eLAA又はNR Rel-15等と同様、非周期的SRS(aperiodic SRS)が導入され得る。aperiodic SRSは、例えば、下り制御情報(例えば、DCI:Downlink Control Information)に含まれる"SRS request”フィールドによって、送信が動的に指示(又はトリガ)されるSRSを指す。
図2は、SRS requestの通知例を示す。
【0034】
移動局は、通知されたSRS requestの値(
図2では00~11の何れか)に対応付けられたSRSのリソースセット(SRS resource set)に含まれるリソース(例えば、"SRS resource”)を用いてSRSを送信してよい。なお、SRS resourceは、例えば、SRSを配置するリソース(例えば、時間リソース及び周波数リソース)、シンボル個数(換言するとduration)、SRS系列の巡回シフト(Cyclic Shift)番号、又はcomb番号等の情報を含んでもよい。
【0035】
また、SRS resourceは、例えば、上位レイヤにおいて基地局から移動局へ通知される上位レイヤパラメータである。例えば、
図2において、移動局は、上位レイヤによって通知されたSRS resourceを含むSRS resource setのうち、DCIによって通知されるSRS requestの値に対応するSRS resource setを用いて、SRSの送信を制御してよい。
【0036】
また、NR-Uでは、SRSのインターレース割当が検討されている。SRSをインターレースに配置することにより、例えば、SRSと同様にインターレース割当されている(例えば、他の移動局が送信する)他の上りリンクチャネル(例えば、PUSCH、PUCCH又はPRACH等)の信号と、SRSとの周波数分割多重が容易になる。
【0037】
上述したように、NR Rel-15では、上位レイヤパラメータであるSRS resourceによって、SRSのリソース(例えば、周波数リソース及び時間リソース)が設定される。
【0038】
しかしながら、LTE又はNRにおいて設定可能なSRS resourceは、インターレース割当を想定したリソースではなく、SRSのインターレース配置をどのように通知するかについて十分に議論されていない。
【0039】
そこで、本開示の一実施例では、部分的インターレースへの割当の通知方法について説明する(例えば、後述する実施の形態2又は3を参照)。
【0040】
また、NR Rel-15のSRSでは、同一移動局が送信するSRSとPUSCHとに対して時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)が可能である一方、周波数分割多重(FDM)及び符号分割多重(CDM:Code Division Multiplexing)が行われないことが想定されている。NR-Uでも、NR Rel-15と同様に、同一移動局において送信されるSRSとPUSCHとが時分割多重され得る。
【0041】
また、NR Rel-15において、同一スロット内では、SRSは、PUSCHの後のシンボルに配置されることが想定されている。また、SRSは、例えば、スロットの後方6シンボルに割り当てられることが想定されている。一方、NR-Uでは、NR Rel-15のようなSRSの割当に関する制限を無くし、スロット内のどのシンボルにもSRSを割り当てることを可能にすることが検討されている。例えば、同一スロット内において、SRSをPUSCHより前のシンボルに配置して時分割多重することが検討されている。PUSCHより前のシンボルに配置されるSRSは、例えば、「front-loaded SRS」と呼ばれる。
【0042】
(実施の形態1)
本実施の形態では、部分的インターレースへの割当の通知方法について説明する。
【0043】
[通信システムの概要]
本実施の形態に係る通信システムは、基地局(受信機に相当)100、及び、移動局(送信機に相当)200を備える。
【0044】
図3は、本実施の形態に係る基地局100の一部の構成例を示すブロック図である。
図3に示す基地局100において、制御部(制御回路に相当)101は、上りリンクの参照信号(例えば、SRS)と、参照信号と異なる他の上りリンク信号(例えば、PUSCH)との間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定する。受信部106は、周波数リソースを用いて、参照信号及び他の上りリンク信号の少なくとも1つを受信する。
【0045】
図4は、本実施の形態に係る移動局200の一部の構成例を示すブロック図である。
図4に示す移動局200において、制御部(制御回路に相当)205は、上りリンクの参照信号(例えば、SRS)と、参照信号と異なる他の上りリンク信号(例えば、PUSCH)との間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定する。送信部209は、周波数リソースを用いて、参照信号及び他の上りリンク信号の少なくとも1つを送信する。
【0046】
[基地局の構成]
図5は、本実施の形態に係る基地局100の構成例を示すブロック図である。
図5において、基地局100は、制御部101と、符号化・変調部102と、信号配置部103と、送信部104と、アンテナ105と、受信部106と、信号分離部107と、復調・復号部108と、チャネル品質推定部109と、を有する。
【0047】
制御部101は、例えば、1つ以上のSRSのリソース設定(例えば、
図2に示すSRS resource set又はSRS resource)を決定し、決定したSRSのリソース設定を示す情報を含む上位レイヤ信号を符号化・変調部102に出力する。
【0048】
また、制御部101は、チャネル品質推定部109から入力されるチャネル品質推定値に基づいて、上りリンクデータ信号(例えば、PUSCHの信号)に対するスケジューリング、及び、SRSのリソース(例えば、SRS resource)の割当を行う。そして、制御部101は、PUSCHのスケジューリング情報、及び、SRSのリソース情報を生成する。PUSCHのスケジューリング情報には、例えば、符号化変調方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)の設定、PUSCHのリソース割当情報(例えば、RIV等)、及び、送信電力制御情報等が含まれる。制御部101は、生成したスケジューリング情報及びSRSのリソース割当情報の少なくとも1つを含む下り制御情報(例えば、DCI)を信号配置部103に出力する。また、制御部101は、PUSCH及びSRSのリソース割当を示すリソース情報を信号分離部107に出力する。
【0049】
符号化・変調部102は、制御部101から入力される上位レイヤ信号を誤り訂正符号化及び変調し、変調後の信号を信号配置部103に出力する。
【0050】
信号配置部103は、符号化・変調部102から入力される信号、又は、制御部101から入力されるDCIを、時間領域及び周波数領域のリソースに配置する。信号配置部103は、リソースに配置された信号を、送信部104に出力する。
【0051】
送信部104は、信号配置部103から入力される信号に対して、搬送波を用いた周波数変換等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ105に出力する。
【0052】
アンテナ105は、送信部104から入力される信号(換言すると、下りリンク信号)を移動局200に向けて放射する。また、アンテナ105は、移動局200から受信した上りリンク信号(例えば、PUSCH及びSRSを含む)を受信部106に出力する。
【0053】
受信部106は、アンテナ105から入力される信号に対して、周波数変換等の無線受信処理を行い、受信処理後の信号を信号分離部107に出力する。
【0054】
信号分離部107は、制御部101から入力されるリソース情報に基づいて、受信部106から入力される信号から、PUSCH及びSRSを分離する。信号分離部107は、分離したPUSCHに含まれるデータ信号を復調・復号部108に出力し、SRSをチャネル品質推定部109に出力する。
【0055】
復調・復号部108は、信号分離部107から入力されるデータ信号を復調及び復号し、上りリンクデータ信号を出力する。
【0056】
チャネル品質推定部109は、信号分離部107から入力されるSRSに基づいてチャネル品質推定値を計算し、チャネル品質推定値を制御部101に出力する。
【0057】
[移動局の構成]
図6は、本実施の形態に係る移動局200の構成例を示すブロック図である。
図6において、移動局200は、アンテナ201と、受信部202と、信号分離部203と、復調・復号部204と、制御部205と、SRS生成部206と、符号化・変調部207と、信号配置部208と、送信部209と、を有する。
【0058】
アンテナ201は、基地局100(例えば、
図5を参照)が送信した下りリンク信号を受信し、受信部202に出力する。また、アンテナ201は、送信部209から入力される上りリンク信号を基地局100に対して放射する。
【0059】
受信部202は、アンテナ201から入力される信号に対して、周波数変換等の無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を信号分離部203に出力する。
【0060】
信号分離部203は、受信部202から入力される信号から、例えば、データ信号及びDCIを分離する。信号分離部203は、分離した信号のうち、データ信号を復調・復号部204に出力し、DCIを制御部205に出力する。
【0061】
復調・復号部204は、信号分離部203から入力されるデータ信号を復調及び復号する。復調・復号部204は、復号により得られた上位レイヤ信号を制御部205に出力する。
【0062】
制御部205は、復調・復号部204から入力される上位レイヤ信号、及び、信号分離部203から入力されるDCIに基づいて、基地局100から通知されたPUSCH及びSRSの割当リソースを導出する。制御部205は、PUSCH及びSRSのリソース情報を信号配置部208に出力し、SRSのリソース情報をSRS生成部206に出力する。
【0063】
SRS生成部206は、制御部205から入力されるSRSのリソース情報に基づいて、SRSを生成し、SRSを信号配置部208に出力する。
【0064】
符号化・変調部207は、上りリンクデータ信号を誤り訂正符号化及び変調し、変調後の信号を信号配置部208に出力する。
【0065】
信号配置部208は、制御部205から入力されるPUSCH及びSRSのリソース情報に基づいて、符号化・変調部207から入力される信号、及び、SRS生成部206から入力されるSRSを、時間及び周波数領域のリソースにそれぞれ配置する。信号配置部208は、リソースに配置された信号を送信部209に出力する。
【0066】
送信部209は、信号配置部208から入力される信号に対して、搬送波を用いた周波数変換等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナ201に出力する。
【0067】
[基地局100及び移動局200の動作例]
次に、基地局100(
図5を参照)及び移動局200(
図6を参照)の動作例について説明する。
【0068】
図7は基地局100及び移動局200の処理の一例を示すシーケンス図である。
【0069】
図7では、一例として、移動局200が、基地局100の指示に基づいて、SRS、及び、インターレース割当されるPUSCH(上りリンクデータ信号)を送信する。
【0070】
図7において、基地局100は、上位レイヤパラメータ(例えば、SRS resourceのパラメータ)を設定する(ST101)。
【0071】
基地局100は、例えば、上位レイヤ信号及びDCIの少なくとも1つを用いて、移動局200に対して、SRS resourceを通知(換言すると設定)する(ST102)。なお、SRS resourceは、例えば、SRSの時間領域及び周波数領域の位置、SRS系列の巡回シフト番号又はcomb番号等の情報を含んでもよい。
【0072】
基地局100は、例えば、PUSCH及びSRS等の上りリンク送信をスケジューリングする(ST103)。
【0073】
基地局100は、例えば、DCI(例えば、RIV及びSRS requestの少なくとも1つ)を用いてPUSCH及びSRSの送信を移動局200へ指示する(ST104)。このとき、基地局100は、例えば、RIVを用いて、PUSCHを割り当てるインターレース番号を移動局200に指示してもよい。また、基地局100は、例えば、上位レイヤ信号によって通知したSRS resourceのうち、移動局200においてSRS送信に使用するSRS resourceを移動局200に指示してもよい。例えば、SRS resourceは、後述する"SRS request"フィールドを用いて指示されてもよい。
【0074】
移動局200は、基地局100から通知された上位レイヤ信号及びDCIに基づいて、PUSCH及びSRS等の上りリンク送信に割り当てられたリソースを確認する(ST105)。例えば、移動局200は、RIVによって指示されるインターレース番号を確認し、SRS requestによって指示されるSRS resourceを確認する。また、本実施の形態では、PUSCHの割当周波数リソースは、例えば、基地局100からのDCIによって通知されるSRSのパラメータと関連付けられている。
【0075】
また、移動局200は、例えば、SRSに割り当てられたリソースに基づいて、PUSCHに割り当てられる周波数リソースが「部分的インターレース」であるか否かを判断する(ST106)。「部分的インターレース」であるか否かを判断する方法については後述する。
【0076】
PUSCHが配置される周波数リソース(以下、「割当周波数リソース」とも呼ぶ)が「部分的インターレース」である場合(ST106:Yes)、移動局200は、PUSCHの周波数リソースを、基地局100から通知される周波数リソース(例えば、RIVによって指示されるインターレース全体のリソース)から、部分的インターレースに変更する(ST107)。
【0077】
一方、PUSCHの割当リソースが「部分的インターレース」ではない場合(ST106:No)、移動局200は、PUSCHの周波数リソースを、インターレース全体のリソースから変更しない。
【0078】
そして、移動局200は、決定した割当リソースにPUSCH(換言すると、上りリンクデータ信号)を配置し、SRS requestによって指示されたリソースにSRSを配置する(ST108)。移動局200は、割当リソースに配置された上りリンク信号を、例えば、基地局100に送信する(ST109)。
【0079】
以下、PUSCHに対するリソース割当の通知の動作例1及び動作例2についてそれぞれ説明する。
【0080】
<動作例1>
動作例1では、PUSCHの割当周波数リソースは、例えば、基地局100からのDCIによって通知されるSRSのパラメータである、SRS resourceに設定されたSRS系列の巡回シフト番号に関連付けられる。
【0081】
図8は、移動局200に対して設定されるSRS requestの一例を示す。
【0082】
図8に示す例では、SRS requestによって指示されるSRS resourceに、SRS resource #1、#2及び#3の3パターンが設定される。なお、SRS resourceは3パターンに限らず、2パターン又は4パターン以上が設定されてもよい。
【0083】
また、例えば、SRS系列の巡回シフト番号には、SRS resource毎に異なる値が設定されてよい。
図8に示す例では、SRS resource #1に巡回シフト番号#1が設定され、SRS resource #2に巡回シフト番号#2が設定され、SRS resource #3に巡回シフト番号#3が設定される。
【0084】
基地局100は、例えば、DCIに含まれるSRS requestフィールド(00~11の何れか)によって、移動局200がSRS送信に使用するSRS resourceを指示する。なお、移動局200は、SRS requestが"00"の場合、SRSを送信しない。
【0085】
移動局200は、SRS requestによって設定されたSRS系列の巡回シフト番号に基づいて、PUSCHの割当周波数リソースを決定する。例えば、移動局200は、
図9に示すSRSの巡回シフト番号とPUSCHの割当周波数リソースとの関連付けに基づいて、SRSの巡回シフト番号から、PUSCHの割当周波数リソースを決定する。
【0086】
なお、
図9に示す例では、
図1に示すように各インターレースが9個のクラスタ(クラスタ番号#0~#8)を有する場合を示す。
【0087】
また、
図9に示すSRSの巡回シフト番号とPUSCHの割当周波数リソースとの関連付けは、例えば、規格によって規定されてもよく、上位レイヤ信号又はDCI等によって移動局200に設定されてもよい。
【0088】
図9において、移動局200に巡回シフト番号#1のSRS resourceが設定された場合、移動局200は、基地局100からのDCIに含まれるRIVによって通知されるインターレース全体(例えば、クラスタ番号#0~#8)を、PUSCHの割当周波数リソースに設定する。
【0089】
また、
図9において、移動局200に巡回シフト番号#2又は#3のSRS resourceが設定された場合、移動局200は、基地局100からのDCIに含まれるRIVによって通知されるインターレースのうち、一部の周波数リソース(換言すると、一部のクラスタ)を、PUSCHの割当周波数リソースに設定する。換言すると、移動局200は、
図9に示すSRS request="10"又は"11"の場合、RIVによって通知されたインターレース全体の割当から、部分的インターレースの割当へ変更する。
【0090】
例えば、移動局200は、巡回シフト番号#2の場合、RIVによって通知されたインターレース(例えば、クラスタ番号#0~#8)のうち、クラスタ番号#0~#4の周波数リソースにPUSCHを配置する。また、例えば、移動局200は、巡回シフト番号#3の場合、RIVによって通知されたインターレース(例えば、クラスタ番号#0~#8)のうち、クラスタ番号#5~#8の周波数リソースにPUSCHを配置する。
【0091】
このように、動作例1では、SRS requestによって移動局200に通知されるSRS resourceのパラメータであるSRS系列の巡回シフト番号の少なくとも一つ(
図9では巡回シフト番号#2及び#3)に関連付けられたPUSCHの割当周波数リソースは、DCI(例えば、RIV)によって通知されるPUSCHの周波数リソース(例えば、インターレース)のうちの一部の周波数リソース(例えば、部分的インターレース)である。
【0092】
例えば、基地局100は、
図9に示すSRS request="10"又は"11"の通知によって、移動局200に対して部分的インターレースへの割当を通知する。換言すると、動作例1では、SRS系列の巡回シフト番号の通知によって、PUSCHに対する部分的インターレースへの割当は、基地局100から移動局200へ暗黙的に(implicitに)通知される。
【0093】
これにより、動作例1によれば、基地局100は、PUSCHの割当のための制御信号を追加することなく、PUSCHの部分的インターレースへの割当を移動局200へ通知できる。
【0094】
なお、動作例1では、一例として、
図9に示すPUSCHの割当周波数リソースの識別に、巡回シフト番号を用いる場合について説明した。しかし、PUSCHの割当周波数リソースの識別に用いるSRSのパラメータは、巡回シフト番号に限らず、SRSの他のパラメータ(例えば、comb番号、又は、時間的リソース)等でもよい。
【0095】
<動作例2>
動作例2では、PUSCHの割当周波数リソースは、例えば、基地局100からのDCIによって通知されるSRSのパラメータである、SRS resourceに設定されたSRSの時間的位置に関連付けられる。
【0096】
図10は、移動局200に対して設定されるSRS requestの一例を示す。
【0097】
図10に示す例では、SRS requestによって指示されるSRS resourceに、SRS resource #1、#2及び#3の3パターンが設定される。なお、SRS resourceは3パターンに限らず、2パターン又は4パターン以上が設定されてもよい。
【0098】
また、例えば、SRSの時間的位置には、SRS resource毎に異なる値が設定されてよい。
図10に示す例では、SRS resource #1に時間的位置#Aが設定され、SRS resource #2に時間的位置#Bが設定され、SRS resource #3に時間的位置#Cが設定される。
【0099】
また、ここでは、時間的位置#Aは「同一スロット内に配置されるPUSCHの後の位置(例えば、シンボル位置)」を示し、時間的位置#B及び#Cは「同一スロット内に配置されるPUSCHの前の位置」を示す。
【0100】
基地局100は、例えば、DCIに含まれるSRS requestフィールド(00~11の何れか)によって、移動局200がSRS送信に使用するSRS resourceを指示する。なお、移動局200は、SRS requestが"00"の場合、SRSを送信しない。
【0101】
移動局200は、SRS requestによって設定されたSRSの時間的位置に基づいて、PUSCHの割当周波数リソースを決定する。例えば、移動局200は、
図11に示すSRSの時間的位置とPUSCHの割当周波数リソースとの関連付けに基づいて、SRSの時間的位置から、PUSCHの割当周波数リソースを決定する。
【0102】
なお、
図11に示す例では、
図1に示すように各インターレースが9個のクラスタ(クラスタ番号#0~#8)を有する場合を示す。
【0103】
また、
図11に示すSRSの時間的位置とPUSCHの割当周波数リソースとの関連付けは、例えば、規格によって規定されてもよく、上位レイヤ信号又はDCI等によって移動局200に設定されてもよい。
【0104】
図11において、移動局200に時間的位置#AのSRS resourceが設定された場合、移動局200は、基地局100からのDCIに含まれるRIVによって通知されるインターレース全体(例えば、クラスタ番号#0~#8)を、PUSCHの割当周波数リソースに設定する。
【0105】
また、
図11において、移動局200に時間的位置#B又は#CのSRS resourceが設定された場合、移動局200は、基地局100からのDCIに含まれるRIVによって通知されるインターレースのうち、一部の周波数リソース(換言すると、一部のクラスタ)を、PUSCHの割当周波数リソースに設定する。換言すると、移動局200は、
図10に示すSRS request="10"又は"11"の場合、RIVによって通知されたインターレース全体の割当から、部分的インターレースの割当へ変更する。
【0106】
例えば、移動局200は、時間的位置#Bの場合、RIVによって通知されたインターレース(例えば、クラスタ番号#0~#8)のうち、クラスタ番号#0~#4の周波数リソースにPUSCHを配置する。また、例えば、移動局200は、時間的位置#Cの場合、RIVによって通知されたインターレース(例えば、クラスタ番号#0~#8)のうち、クラスタ番号#5~#8の周波数リソースにPUSCHを配置する。
【0107】
このように、動作例2では、SRS requestによって移動局200に通知されるSRS resourceのパラメータであるSRSの時間的位置の少なくとも一つ(
図11では、PUSCHよりも早い時間的位置#B及び#C)に関連付けられたPUSCHの割当周波数リソースは、DCI(例えば、RIV)によって通知されるPUSCHの周波数リソース(例えば、インターレース)のうちの一部の周波数リソース(例えば、部分的インターレース)である。
【0108】
例えば、基地局100は、
図10に示すSRS request="10"又は"11"の通知によって、移動局200に対して部分的インターレースへの割当を通知する。換言すると、動作例2では、SRSの時間的位置の通知によって、PUSCHに対する部分的インターレースへの割当は、基地局100から移動局200へ暗黙的に(implicitに)通知される。
【0109】
これにより、動作例2によれば、基地局100は、PUSCHの割当のための制御信号を追加することなく、PUSCHの部分的インターレースへの割当を移動局200へ通知できる。
【0110】
また、例えば、移動局200が、同一スロット内において、部分的インターレースに配置されたPUSCHよりも前のシンボル(換言すると、時間的位置)において、PUSCHより広い帯域のSRSを送信する場合、少なくともSRSの送信期間中の送信電力はPUSCHの送信期間中の送信電力より大きい。したがって、移動局200において少なくともSRSの送信期間中は、当該移動局200の周辺に存在する他の無線機器(例えば、同じ免許不要帯を利用する無線機器)がキャリアセンスを成功する可能性は低くなり、信号の送信開始する可能性は低い。よって、動作例2によれば、移動局200から送信されるSRSが基地局100において適切に受信される可能性が高いので、上りリンクの受信品質を向上できる。
【0111】
なお、動作例2では、PUSCHとSRSとの時間的位置の前後関係において、同一スロット内の関係を想定している。しかし、PUSCHとSRSとの時間的位置の前後関係において、異なる長さの時間帯での関係に基づいて、上述した方法を適用してもよい。例えば、1回のDCI送信によって、連続する複数のスロットに渡ってPUSCH及びSRSが割り当てられる場合、SRSと「同一DCIによって割り当てられるPUSCH」との前後関係に従って、移動局200は、PUSCHが部分的インターレースに割り当てられるか否かを判断してもよい。
【0112】
また、動作例2では、PUSCHの割当周波数リソースの決定に、SRSの時間的位置を用いる場合について説明した。しかし、PUSCHの割当周波数リソースの決定には、SRSの時間的位置と、他のSRSリソースのパラメータ(例えば、巡回シフト番号又はcomb番号など)との組み合わせを用いてもよい。換言すると、動作例2と、動作例1とを組み合わせてもよい。一例として、
図12は、PUSCHの割当周波数リソースの決定に、SRSの時間的位置とSRS系列の巡回シフト番号との組み合わせを用いる例を示す。
図12のように、SRSの時間的位置#Bによって、PUSCHの部分的インターレースへの配置が指示される場合に、PUSCHが配置されるクラスタは、SRSの巡回シフト番号によって異なるクラスタが指示されてもよい。
【0113】
また、動作例2では、SRSの時間的位置がPUSCHより前の位置の場合に、部分的インターレースへの割当が通知される場合について説明したが、SRSの時間的位置がPUSCHより後の位置の場合に、部分的インターレースへの割当が通知されてもよい。
【0114】
以上、動作例1及び動作例2について説明した。
【0115】
このように、本実施の形態では、SRS resourceとPUSCHとの間においてリソースが関連付けられる。基地局100及び移動局200は、例えば、SRSとPUSCHとの間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定する。そして、移動局200は、決定された周波数リソースを用いて、SRS及びPUSCHの少なくとも1つを送信する。
【0116】
また、本実施の形態では、例えば、上記関連付けにおいて、PUSCHの割当周波数リソースは、DCIによって通知されるSRSのパラメータ(例えば、SRS系列の巡回シフト番号、SRS系列の巡回シフト番号等)に関連付けられる。また、SRSのパラメータの少なくとも一つに関連付けられたPUSCHの割当周波数リソースは、DCI(例えば、RIV)によって通知されるインターレースのうち一部のインターレース、つまり、部分的インターレースである。
【0117】
これにより、基地局100は、SRS resourceの通知によって、PUSCHの部分的インターレースへの割当をimplicitに通知できる。したがって、本実施の形態によれば、シグナリングのオーバーヘッドを増加すること無く、PUSCHに対する部分的インターレースへの割当を通知できる。よって、本実施の形態によれば、免許不要な帯域での運用におけるリソースを適切に割り当てることができる。
【0118】
(実施の形態1のバリエーション1)
実施の形態1では、例えば、
図9及び
図11に示すように、PUSCHの部分的インターレース割当において、クラスタ番号#0~#4、又は、クラスタ番号#5~#8のように、インターレースを、同程度のサイズの部分的インターレースに分けることを想定している。これにより、各部分的インターレースに割り当てられる複数の移動局200に対して公平なリソース割当を実現できる。
【0119】
ただし、各部分的インターレースは同程度のサイズに設定されなくてもよい。例えば、クラスタ番号#0~#7の8個のクラスタと、クラスタ番号#8の1個のクラスタのように、部分的インターレース間でサイズに差をつけてもよい。これにより、移動局200に対する柔軟なリソース割当を実現できる。
【0120】
なお、部分的インターレースの設定の際、インターレースを3つ以上の部分的インターレースに分割してもよい。これにより、より多くの移動局200に対して部分的インターレースに基づくリソース割当が可能となる。
【0121】
(実施の形態1のバリエーション2)
実施の形態1では、例えば、
図9及び
図11に示すように、PUSCHの部分的インターレース割当において、クラスタ番号#0~#4、及び、クラスタ番号#5~#8のように、インターレースを、各々が隣接するクラスタを有する部分的インターレースに分割することを想定している。
【0122】
しかし、例えば、インターレースを、クラスタ番号#0、#2、#4、#6及び#8のクラスタ(例えば、偶数番号のクラスタ)、及び、クラスタ番号#1、#3、#5及び#7のクラスタ(例えば、奇数番号のクラスタ)のように、隣接しないクラスタを有する部分的インターレースに分割してもよい。これにより、フェージング等の影響によって特定の周波数の伝搬特性が悪い場合でも、基地局100において、部分的インターレース内の全てのPRBの受信に失敗する可能性を低減できる。
【0123】
(実施の形態1のバリエーション3)
例えば、
図11において、移動局200に対してPUSCHの部分的インターレース割当が指示される際、RIVによって通知されるインターレース内のどのクラスタを移動局200が使用するかについては指示されなくてよい。例えば、移動局200は、基地局100の指示に依らずに決定したクラスタを含む部分的インターレースにPUSCHを配置してもよい。これにより、基地局100から移動局200へ部分的インターレースを通知するためのSRS resourceのパターン数を低減でき、システムの設計が容易となる。
【0124】
(実施の形態1のバリエーション4)
実施の形態1では、SRSが配置される周波数リソースは、後述する実施の形態2又は実施の形態3と同様、同一スロット内のPUSCHが割り当てられるリソースの中から選択されてもよい。例えば、PUSCHがインターレース全体又は部分的インターレースに割り当てられる場合、SRSも同様に、インターレースの全体又は部分的インターレースに配置されてもよい。この場合、SRSの周波数リソースは上位レイヤパラメータ(例えば、SRS resource)等によって予め通知されていなくてもよいし、あるいは、SRS resourceに含まれる周波数リソースの情報が通知されている場合でも、当該情報を無視して設定されてもよい。SRSをインターレースに配置することで、例えば、同様にインターレース割当されている(例えば、他の移動局が送信する)他の上りリンクチャネル(例えば、PUSCH/PUCCH/PRACH等)の信号とSRSとの周波数分割多重が容易になる。
【0125】
(実施の形態2)
本実施の形態では、SRSのインターレース割当の通知方法について説明する。
【0126】
なお、本実施の形態に係る基地局及び移動局は、実施の形態1に係る基地局100及び移動局200と基本構成が共通するので、
図5及び
図6を援用して説明する。
【0127】
本実施の形態では、SRSとPUSCHとの間の周波数リソースが関連付けられている。当該関連付けにおいて、例えば、SRSが配置される周波数リソースは、PUSCHが配置される周波数リソース(例えば、インターレース)の少なくとも一つのリソースである。
【0128】
例えば、移動局200は、免許不要帯における上りリンク(例えば、NR-U上りリンクと呼ぶ)においてPUSCH及びSRSを送信する場合、PUSCHのリソース情報に基づいて、SRSを配置するリソースを導出する。
【0129】
図13は基地局100及び移動局200の処理の一例を示すシーケンス図である。なお、
図13において、実施の形態1(例えば、
図7を参照)と同様の動作には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0130】
図13では、一例として、移動局200が、基地局100の指示に基づいて、SRS、及び、インターレース割当されるPUSCH(上りリンクデータ信号)を送信する。
【0131】
図13において、基地局100は、実施の形態1と同様、上位レイヤパラメータ(例えば、SRS resourceのパラメータ)を移動局200に通知(又は設定)する(ST102)。また、基地局100は、実施の形態1と同様、DCI(例えば、SRS request及びRIVの少なくとも1つ)を用いてPUSCH及びSRSの送信を移動局200へ指示する(ST104)。
【0132】
図14は、移動局200に対して設定されるSRS requestの一例を示す。
【0133】
図14に示す例では、SRS requestによって指示されるSRS resourceに、SRS resource #1、#2及び#3の3パターンが設定される。なお、SRS resourceは3パターンに限らず、2パターン又は4パターン以上が設定されてもよい。
【0134】
また、
図14に示す例では、SRS request="11"(換言すると、SRS resource #3)が移動局200に通知(又は設定)される場合、「SRSの周波数リソースは、PUSCHの割当周波数リソースの中から選択される」(換言すると、「SRSの周波数マッピングがPUSCHの周波数マッピングと同一である」)ことが通知されてよい。
【0135】
ここでは、PUSCHに対してインターレースが割り当てられている。よって、
図14に示すSRS request="11"の通知によって、SRSのインターレースへの割当が基地局100から移動局200に通知される。換言すると、
図14では、SRS request="11"の通知によって、SRS resourceに基づく割当から、SRSのインターレース割当へ、SRSリソースの割当の変更が指示される。
【0136】
移動局200は、
図14に示すSRS request="11"の場合、SRSリソースの割当を、SRS requestによって通知されたSRS resource #3に基づくリソース割当から、例えば、RIVによって通知されたPUSCHの割当周波数リソースの割当(換言すると、インターレース割当)へ変更する。
【0137】
一方、移動局200は、
図14に示すSRS request="01"又は"10"の場合、SRSリソースの割当を、SRS requestによって通知されたSRS resource #1又は#2に基づいて決定する。換言すると、
図14では、SRS request="01"又は"10"の通知の場合、SRSリソースの割当の変更は指示されない。
【0138】
図13において、移動局200は、基地局100から通知されるSRS requestフィールドの値に基づいて、SRSのリソース変更が指示されているか否かを判断する(ST201)。上述したように、
図14に示す例では、移動局200は、SRS request="11"の場合、SRSのリソース変更が指示されていると判断する(ST201:Yes)。一方、
図14に示す例では、移動局200は、SRS request="01"又は"10"の場合、SRSのリソース変更が指示されていないと判断する(ST201:No)。
【0139】
図13において、SRSのリソース変更が指示されていない場合(ST201:No)、移動局200は、例えば、SRS requestによって指示されるSRS resource(例えば、
図14に示すSRS resource #1又は#2)に含まれる周波数リソースをSRS送信に使用する。
【0140】
一方、SRSのリソース変更が指示されている場合(ST201:Yes)、移動局200は、SRSの周波数リソースを、SRS requestによって指示される周波数リソース(例えば、
図14に示すSRS resource #3)から、RIVによって指示されるPUSCHの割当周波数リソースの中から選択される周波数リソースへ変更する(ST202)。換言すると、移動局200は、SRS resource #3に含まれる周波数リソースに関する情報を無視してよい。
【0141】
例えば、
図1に示す例において、PUSCHがインターレース#0に配置されている場合、移動局200は、SRS request("11")によってSRS resource #3が指示された場合、PUSCHと同様、SRSを、インターレース#0に属するPRBの一部又は全てに配置してよい。ただし、移動局200は、SRSに対する周波数リソース以外の他のリソース(例えば、時間的位置、巡回シフト番号、comb番号等)を、SRS request("11")によって指示されたSRS resource #3に含まれるパラメータに基づいて決定する。
【0142】
つまり、DCI(又はSRS request)によって通知されるSRSのパラメータ(例えば、SRS resource)が特定の値(例えば、
図14に示すSRS resource #3)の場合、SRSが配置される周波数リソースは、PUSCHの割当周波数リソースのうちの少なくとも一つのリソースである。一方、SRSに設定される周波数リソースと異なる他のリソース(例えば、時間的位置、巡回シフト番号、comb番号等)は特定の値(例えば、
図14に示すSRS resource #3)に基づいて決定される。
【0143】
なお、PUSCHに割り当てられたインターレースに属するPRBのうちSRSに使用する周波数リソース(例えば、一部又は全て)については、移動局200に対して別に通知されてもよく、予め規定されてもよく、移動局200が個別に決定してもよい。
【0144】
このように、本実施の形態では、SRS resourceとPUSCHとの間においてリソースが関連付けられる。基地局100及び移動局200は、例えば、SRSとPUSCHとの間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定する。例えば、本実施の形態では、例えば、SRS requestによって移動局200に通知されるSRS resource(換言すると、SRS requestの値)が特定の値の場合、SRSが配置される周波数リソースは、DCI(例えば、RIV)によって通知されるPUSCHの割当周波数リソース(例えば、インターレース)の少なくとも一部の周波数リソースである。
【0145】
これにより、例えば、基地局100は、
図14に示すSRS request="11"の通知によって、移動局200に対してSRSに対するインターレースへの割当を通知できる。換言すると、本実施の形態では、SRS requestの通知によって、SRSに対するインターレースへの割当と、SRSに対する通常の周波数リソース割当とを切り替えることができる。
【0146】
以上より、本実施の形態によれば、基地局100は、SRSの割当のための制御信号を追加することなく、SRSのインターレースへの割当を移動局200へ通知できる。よって、本実施の形態によれば、免許不要な帯域での運用におけるリソースを適切に割り当てることができる。
【0147】
(実施の形態2のバリエーション1)
PUSCHは、1つのインターレースに限らず、複数のインターレースに割り当てられてもよい。
【0148】
実施の形態2において、PUSCHが割り当てられる周波数リソースの中からSRSの周波数リソースが選択される場合、かつ、PUSCHが複数のインターレースに割り当てられる場合、SRSは、PUSCHが割り当てられるインターレースのうち、全てではなく、一部のインターレースに配置されてもよい。
【0149】
例えば、SRSは、PUSCHが割り当てられる複数のインターレースのうち、最小又は最大のインターレース番号を有する1つのインターレースに配置されてもよい。例えば、PUSCHがインターレース#0及び#1に割り当てられる場合、SRSは、インターレース#0及び#1の何れか一方のインターレースに属するPRBに配置されてよい。これにより、SRSを最小限のリソースに割り当てられるので、リソースの利用効率を向上でき、例えば、他の移動局が使用可能なリソースを増加できる。
【0150】
(実施の形態2のバリエーション2)
実施の形態2では、1つのSRS requestの値(
図14では"11")によって「SRSの周波数リソースは、PUSCHの割当周波数リソースの中から選択される」ことが通知される場合について説明した。しかし、「SRSの周波数リソースは、PUSCHの割当周波数リソースの中から選択される」ことを通知するためのSRS requestの値は複数でもよい。これにより、実施の形態2で説明した効果に加え、例えば、SRSに対して、PUSCHと同一の周波数リソース、及び、SRS request毎に異なる他のリソース(例えば、巡回シフト番号、時間的位置等)等のより多くのリソースを移動局200へ設定できる。
【0151】
さらに、「SRSの周波数リソースは、PUSCHの割当周波数リソースの中から選択される」ことを通知するためのSRS requestに関連付けられるSRS resourceは、当該SRS request以外のSRS requestに関連付けられたSRS resourceと同じものであってもよい。例えば、
図14のSRS request="11"の通知によって、SRS resource #3ではなく、SRS resource #1または#2が通知されてもよい。これにより、予め設定すべきSRS resourceの個数を減らすことができ、上位レイヤシグナリングを削減できる。
【0152】
(実施の形態2のバリエーション3)
実施の形態2では、SRSの周波数リソースがPUSCHの割当周波数リソースの中から選択される場合について説明した。しかし、異なる移動局200間においてSRSの周波数リソース同士が衝突しないためのルールに則っていれば、SRSの周波数リソースは、PUSCHの割当周波数リソース以外から選択されてもよい。
【0153】
上述したルールは、例えば、「PUSCHが割り当てられるインターレース番号のうち、最小(又は、最大)の番号+N(Nは任意の整数)の番号にSRSを配置する」でもよい。
【0154】
(実施の形態3)
[キャリアセンス]
免許不要帯では、無線機器同士の干渉を防ぐために、各無線機器が信号の送信前にキャリアセンスを実施し、同一周波数帯において周辺の無線機器が信号を送信していないことを確認することが求められる。
【0155】
NR-Uでは、eLAA(例えば、非特許文献6を参照)と同様、例えば、Listen Before Talk(LBT) category 4(又は、Type 1 UL channel access procedure)、及び、LBT category 2(又は、Type 2 UL channel access procedure)というキャリアセンスを使用することが想定される。LBT category 2では、キャリアセンスを実施する期間(例えば、LBT durationとも呼ばれる)が、例えば、25マイクロ秒で固定である。LBT category 4では、キャリアセンスを実施する期間が、例えば25マイクロ秒以上であり、ランダムに決定され得る。
【0156】
また、LBT category 4において、キャリアセンスを実施する期間の長さとしてとり得る値の範囲は、例えば、"channel access priority class"というパラメータによって決定されることが想定される。例えば、channel access priority classの値が大きいほど、キャリアセンスを実施する期間の長さを示す値は大きい値をとり得る。
【0157】
本実施の形態では、キャリアセンスを考慮したSRSのインターレース割当の通知方法について説明する。
【0158】
なお、本実施の形態に係る基地局及び移動局は、実施の形態1に係る基地局100及び移動局200と基本構成が共通するので、
図5及び
図6を援用して説明する。
【0159】
本実施の形態では、実施の形態2と同様、SRSとPUSCHとの間の周波数リソースが関連付けられている。当該関連付けにおいて、例えば、SRSが配置される周波数リソースは、PUSCHが配置される周波数リソース(例えば、インターレース)の少なくとも一つのリソースである。
【0160】
また、例えば、移動局200は、免許不要帯における上りリンク(例えば、NR-U上りリンク)においてPUSCH及びSRSを送信する場合、キャリアセンスの種別及びPUSCHのリソース情報に基づいて、SRSを配置するリソースを導出する。
【0161】
図15は基地局100及び移動局200の処理の一例を示すシーケンス図である。なお、
図15において、実施の形態1(例えば、
図7を参照)と同様の動作には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0162】
図15では、一例として、移動局200が、基地局100の指示に基づいて、SRS、及び、インターレース割当されるPUSCH(上りリンクデータ信号)を送信する。
【0163】
図15において、基地局100は、上位レイヤパラメータとして、例えば、SRS resourceに関するパラメータ、及び、移動局200が上りリンク送信の前に実施するキャリアセンスに関するパラメータを設定する(ST301)。キャリアセンスに関するパラメータには、例えば、キャリアセンスを実施する期間の長さに関するパラメータ(例えば、channel access priority class又はLBT category等)が含まれてよい。
【0164】
基地局100は、上位レイヤパラメータであるSRS resource及びキャリアセンスに関するパラメータを移動局200に通知(又は設定)する(ST302)。また、基地局100は、実施の形態1と同様、DCI(例えば、SRS request及びRIVの少なくとも1つ)を用いてPUSCH及びSRSの送信を移動局200へ指示する(ST104)。
【0165】
図16は、移動局200に対して設定されるSRS requestの一例を示す。
【0166】
図16に示す例では、SRS requestによって指示されるSRS resourceに、SRS resource #1、#2及び#3の3パターンが設定される。なお、SRS resourceパラメータは3パターンに限らず、2パターン又は4パターン以上が設定されてもよい。
【0167】
各SRS resourceの設定には、例えば、SRSの時間的位置、周波数的位置、SRS系列の巡回シフト番号等を含んでもよい。また、例えば、SRSの時間的位置には、SRS resource毎に異なる値が設定されてよい。
図16に示す例では、SRS resource #1に時間的位置#Aが設定され、SRS resource #2に時間的位置#Bが設定され、SRS resource #3に時間的位置#Cが設定される。
【0168】
図15において、移動局200は、基地局100からSRS requestによって指示されるSRS resourceに示されるSRSの時間的位置に基づいて、同じスロット内においてSRSがPUSCHよりも前のシンボル(換言すると、早い時間的位置)に配置されるか否かを判断する(ST303)。
【0169】
また、移動局200は、ST302において通知されたキャリアセンスに関するパラメータに基づいて、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長いか否かを判断する(ST304)。
【0170】
例えば、移動局200は、キャリアセンスに関するパラメータが規定する値である場合に、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長いと判断してよい。一例として、移動局200は、LBT category 4かつchannel access priority class=4の場合、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長いと判断してよい。
【0171】
なお、規定する値は、LBT category 4かつchannel access priority class=4に限らず、他の値でもよい。また、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長いか否かの判断は、LBT category及びchannel access priority classに基づく場合に限らず、他のパラメータ(例えば、キャリアセンスを実施する期間の算出値)に基づいてもよい。
【0172】
図15において、同じスロット内においてSRSがPUSCHより前のシンボルに配置されない場合(ST303:No)、又は、キャリアセンスを実施する期間が閾値以下の場合(ST304:No)、移動局200は、例えば、SRS requestによって指示されるSRS resourceに含まれる周波数リソースをSRS送信に使用する。
【0173】
一方、同じスロット内においてSRSがPUSCHより前のシンボルに配置される場合(ST303:Yes)、かつ、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長い場合(ST304:Yes)、移動局200は、SRSの周波数リソースを、SRS requestによって指示される周波数リソース(例えば、
図16に示すSRS resource)から、RIVによって指示されるPUSCHの割当周波数リソースの中から選択される周波数リソースへ変更する(ST305)。換言すると、移動局200は、SRS resourceに含まれる周波数リソースに関する情報を無視してよい。
【0174】
例えば、
図1に示す例において、PUSCHがインターレース#0に配置されている場合、移動局200は、SRSを、インターレース#0に属するPRBの一部又は全てに配置してよい。ただし、移動局200は、SRSに対する周波数リソース以外の他のリソース(例えば、時間的位置、巡回シフト番号、comb番号等)を、SRS requestによって指示されたSRS resourceに含まれるパラメータに基づいて決定する。
【0175】
つまり、同一スロット内においてSRSがPUSCHより前の時間的位置に配置され、かつ、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長い場合、SRSが配置される周波数リソースは、PUSCHの割当周波数リソースのうちの少なくとも一つのリソースである。一方、SRSに設定される周波数リソースと異なる他のリソース(例えば、時間的位置、巡回シフト番号、comb番号等)はSRS requestによって指示されるパラメータに基づいて決定される。
【0176】
なお、PUSCHに割り当てられたインターレースに属するPRBのうちSRSに使用する周波数リソース(例えば、一部又は全て)については、移動局200に対して別に通知されてもよく、予め規定されてもよく、移動局200が個別に決定してもよい。
【0177】
ここで、例えば、移動局200が一度のキャリアセンスでより長いCOTを獲得する必要がある場合には、キャリアセンスを実施する期間がより長く設定される可能性が高い(例えば、非特許文献6を参照)。キャリアセンスを実施する期間が長いほど、他の無線機器の信号を検出する可能性が高くなり、移動局200はキャリアセンスを失敗する可能性が高くなる。よって、キャリアセンスを実施する期間が長いほど、移動局200が信号を送信開始するまでに時間を要し、SRSの送信が遅延する可能性が高くなり得る。
【0178】
また、異なる移動局(又は無線機器)間においてSRS系列に異なる巡回シフト等を設定することによって互いに直交するので、例えば、異なる移動局は同一周波数リソースにおいてSRSをそれぞれ送信できる。一方、SRSとPUSCHとの間には、上述したSRS同士の直交関係が無い。そのため、同一周波数リソースにおいて、移動局200のSRSと、他の無線機器の信号(例えば、PUSCH)とが送信されると衝突が発生してしまう。
【0179】
例えば、移動局200において、同一スロット内でSRSがPUSCHより前のシンボルに配置される場合、キャリアセンスの失敗によってSRS送信が遅延すると、当該SRSは、他の無線機器が送信するPUSCHと衝突する可能性が高くなる。
【0180】
これに対して、本実施の形態では、PUSCHより早い時刻に配置されたSRSの送信がキャリアセンスによって遅延する可能性が高い場合には、SRSは、例えば、PUSCHに割り当てられたインターレースに配置される。よって、移動局200が送信するSRSの周波数リソースと、他の無線機器が送信する信号(例えば、PUSCH)の周波数リソースとが重複する可能性が低減するので、SRS送信が遅延しても、移動局200が送信するSRSと、他の無線機器が送信するPUSCHとの衝突の発生を低減できる。
【0181】
このように、本実施の形態では、SRS resourceとPUSCHとの間においてリソースが関連付けられる。基地局100及び移動局200は、例えば、SRSとPUSCHとの間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定する。例えば、本実施の形態では、例えば、SRSがPUSCHよりも前のシンボルに配置され、かつ、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長い場合、SRSが配置される周波数リソースは、DCI(例えば、RIV)によって通知されるPUSCHの割当周波数リソース(例えば、インターレース)の少なくとも一部の周波数リソースである。
【0182】
これにより、例えば、基地局100は、SRS request(例えば、SRSの時間的位置)及びキャリアセンスに関するパラメータに応じて、移動局200に対してSRSに対するインターレースへの割当を通知できる。換言すると、本実施の形態では、SRS request及びキャリアセンスに関するパラメータの通知によって、SRSに対するインターレースへの割当と、SRSに対する通常の周波数リソース割当とを切り替えることができる。
【0183】
以上により、本実施の形態によれば、基地局100は、SRSの割当のための制御信号を追加することなく、SRSのインターレースへの割当を移動局200へ通知できる。よって、本実施の形態によれば、免許不要な帯域での運用におけるリソースを適切に割り当てることができる。
【0184】
(実施の形態3のバリエーション1)
実施の形態3では、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長いか否かの判断基準(又は条件)に、「SRSの時間的位置が同じスロットのPUSCHより前の位置」かつ「キャリアセンスを実施する期間が閾値より長い場合」という条件を適用した。
【0185】
しかし、この条件の代わりに、例えば、「SRSの時間的位置が同じスロットのPUSCHより前の位置」かつ「COT内の以前のキャリアセンスに失敗している場合」という条件を用いてもよい。例えば、移動局200は、上述した条件を満たす場合に、SRSの周波数リソースを、SRS requestによって指示される周波数リソースから、PUSCHの割当周波数リソースの中から選択される周波数リソースに変更してもよい(例えば、
図15のST305)。この場合、基地局100は、例えば、「割り当てたSRSの受信が遅延しているか否か」を判断基準として、SRSの周波数リソース(例えば、SRS requestによって指示したリソース及びPUSCHの割当周波数リソースの何れか)を判断してもよい。これにより、キャリアセンスの失敗によるSRS送信の遅延に、より忠実に基づいて、SRSの周波数リソースを決定できる。
【0186】
(実施の形態3のバリエーション2)
PUSCHは、1つのインターレースに限らず、複数のインターレースに割り当てられてもよい。
【0187】
実施の形態3において、PUSCHが割り当てられる周波数リソースの中からSRSの周波数リソースが選択される場合、かつ、PUSCHが複数のインターレースに割り当てられる場合、SRSは、PUSCHが割り当てられるインターレースのうち、全てではなく、一部のインターレースに配置されてもよい。
【0188】
例えば、SRSは、PUSCHが割り当てられる複数のインターレースのうち、最小又は最大のインターレース番号を有する1つのインターレースに配置されてもよい。例えば、PUSCHがインターレース#0及び#1に割り当てられる場合、SRSは、インターレース#0及び#1の何れか一方のインターレースに属するPRBに配置されてよい。これにより、SRSを最小限のリソースに割り当てられるので、リソースの利用効率を向上でき、例えば、他の移動局が使用可能なリソースを増加できる。
【0189】
(実施の形態3のバリエーション3)
実施の形態3では、SRSの周波数リソースがPUSCHの割当周波数リソースの中から選択される場合について説明した。しかし、異なる移動局200間においてSRSの周波数リソース同士が衝突しないためのルールに則っていれば、SRSの周波数リソースは、PUSCHの割当周波数リソース以外から選択されてもよい。
【0190】
上述したルールは、例えば、「PUSCHが割り当てられるインターレース番号のうち、最小(又は、最大)の番号+N(Nは任意の整数)の番号にSRSを配置する」でもよい。
【0191】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0192】
(他の実施の形態)
上記各実施の形態では、移動局が送信機であり、基地局が受信機である上りリンクにおけるSRSとPUSCHリソースとの関係を想定している。しかし、本開示の一実施例は、これに限らず、基地局が送信機であり、移動局が受信機である下りリンクにおける下りリンク参照信号と下りリンクチャネルリソースとの関係に適用してもよい。又は、本開示の一実施例は、移動局同士による通信(例えば、車車間通信)、すなわちサイドリンク(sidelink)における参照信号とチャネルリソースとの関係、又は、その他の通信等に適用されてもよい。
【0193】
また、上記各実施の形態では、DCIに含まれるSRS requestフィールドのbit数が2bitの場合について説明したが、SRS requestのサイズは他のbit数でもよい。例えば、SRS requestフィールドは3bit以上に拡張されてもよい。
【0194】
また、上記各実施の形態において、PUSCH又はSRSの割当周波数リソースが変更される場合、PUSCH又はSRSが配置されるサブキャリアの個数が、2と3と5以外の素因数を含まない個数に調整されてもよい。この場合、PUSCH又はSRSがDFT(Discrete Fourier Transform)部(図示せず)を含む送信機で送信される場合に、DFTの計算量を低減できる。
【0195】
また、上記各実施の形態では、PUSCHとSRSとの間の配置関係について説明した。しかし、PUSCHに限定されず、他の上りリンクチャネルでもよい。例えば、PUCCH、PRACH又は複数のチャネルの組み合わせと、SRSとの間の配置関係について上記実施の形態が適用されてもよい。例えば、PUSCH、PUCCH及びPRACHの少なくとも一つを配置するリソースが、SRSの割当情報に関連付けて通知されてもよい。又は、例えば、SRSを配置するリソースが、PUSCH、PUCCH及びPRACHの少なくとも一つの割当情報に関連付けて通知されてもよい。
【0196】
また、上記各実施の形態では、1つのSRS requestの値によって単一のSRS resourceが指示される場合について説明した。しかし、1つのSRS requestの値によって複数のSRS resource(例えば、SRS resource set)が指示されてもよい。例えば、実施の形態1において、或るSRS requestによって、巡回シフト番号が異なる複数のSRS resourceが指示されてよい。この場合、移動局200は、当該複数のSRS resourceの少なくとも一つに含まれる巡回シフト番号に基づいてPUSCHの割当周波数リソースを決定してもよい。例えば、移動局200は、当該複数のSRS resourceに含まれる巡回シフト番号のうち、最小または最大の番号に基づいてPUSCHの割当周波数リソースを決定してもよい。あるいは、例えば、移動局200は、当該複数のSRS resourceのうち、識別番号(または、SRS resource IDとも呼ぶ)が最小または最大であるSRS resourceに含まれる巡回シフト番号に基づいてPUSCHの割当周波数リソースを決定してもよい。
【0197】
また、上記各実施の形態において、SRS requestによって、複数のSRS resource setが指示されてもよい。又は、将来的に想定される新たな用途のために、SRS requestのパラメータの一部は、使用されない設定(例えば、reserved)としてもよい。
【0198】
また、上記各実施の形態では、SRS送信がDCI等によって指示される場合(換言すると、aperiodic SRS)について説明した。しかし、本開示の一実施例は、aperiodic SRSに限らず、他の信号(例えば、参照信号又は同期信号)に適用されてよい。例えば、上位レイヤ等によって指示されるperiodic SRS、semi-persistent SRSの送信に使用されるSRS resourceに対して適用されてもよい。又は、本開示の一実施例は、例えば、以下のようなSRS以外の参照信号に対して適用されてもよい。
Channel State Information - Reference Signal (CSI-RS)
DeModulation Reference Signal (DMRS)
Phase Tracking - Reference Signal (PT-RS)
Tracking Reference Signal (TRS)
Discovery Signal / Discovery Reference Signal (DRS)
Primary Synchronization Signal (PSS)
Secondary Synchronization Signal (SSS)
【0199】
また、上記各実施の形態では、SRSがPUSCHと同じスロットで送信される場合について説明した。しかし、本開示の一実施例は、この場合に限らず、PUSCHが送信されないスロットまたはCOTにおけるSRSに適用されてよい。例えば、実施の形態2および3において、SRS requestが特定の値を指示する場合には、移動局200は、PUSCHが送信されないスロットまたはCOTにおけるSRSの周波数リソースを、当該移動局200が以前に送信した、例えば直近に送信したPUSCHの割当周波数リソースの中から選択される周波数リソースへ変更してもよい。
【0200】
又は、本開示の一実施例は、参照信号の代わりに、送信がDCI等によって指示される上りリンクチャネル(例えば、PUCCH又はPRACH)の送信に対して適用されてもよい。例えば、PUSCHを配置するリソースが、PUCCH又はPRACHの割当情報に関連付けて通知されてもよく、PUCCH又はPRACHを配置するリソースが、PUSCHの割当情報に関連付けて通知されてもよい。
【0201】
また、上記各実施の形態では、インターレースの構成例として、クラスタ数が9個であるM=12, N=8or9のケースを想定した。しかし、インターレースの構成は、他の構成でもよい。インターレースの構成(例えば、N及びM等の値)は、規格によってサブキャリア間隔毎に予め設定されてもよく、上位レイヤ信号及び制御信号の少なくとも1つによって設定(又は通知)されてもよい。
【0202】
また、上記各実施の形態では、インターレースの構成例として、PRBを周波数的に等間隔に分散して配置する場合について説明した。しかし、インターレースの構成はこれに限らない。例えば、インターレースの構成は、PRB単位でなくてもよく、12個未満のサブキャリア群(例えば、sub-PRB又はfractional PRB)又はサブキャリア1個の単位が周波数領域に分散されて配置される構成でもよい。また、インターレース内において、分散配置されるリソースの間隔は等間隔でもよく、不等間隔でもよい。
【0203】
また、上記各実施の形態において、「上位レイヤ信号」は、例えば、「RRC信号(RRC signaling)」又は「MAC信号(MAC signaling)」と呼ぶこともある。
【0204】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0205】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0206】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0207】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0208】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0209】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0210】
本開示の一実施例に係る移動局は、上りリンクの参照信号と、前記参照信号と異なる他の上りリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定する制御回路と、前記周波数リソースを用いて、前記参照信号及び前記他の上りリンク信号の少なくとも1つを送信する送信回路と、を具備する。
【0211】
本開示の一実施例に係る移動局において、前記関連付けにおいて、前記他の上りリンク信号が配置される前記周波数リソースは、制御情報によって通知される前記参照信号のパラメータに関連付けられている。
【0212】
本開示の一実施例に係る移動局において、前記パラメータの少なくとも一つに関連付けられた前記周波数リソースは、前記制御情報によって通知される前記他の上りリンク信号の周波数リソースのうち一部の周波数リソースである。
【0213】
本開示の一実施例に係る移動局において、前記パラメータは、前記参照信号が配置される時間的位置を示し、前記一部の周波数リソースは、第1の時間的位置を示す前記パラメータに関連付けられ、前記第1の時間的位置は、前記他の上りリンク信号よりも早い時間的位置である。
【0214】
本開示の一実施例に係る移動局において、前記関連付けにおいて、前記参照信号が配置される前記周波数リソースは、制御情報によって通知される前記他の上りリンク信号が配置される前記周波数リソースの少なくとも一つのリソースである。
【0215】
本開示の一実施例に係る移動局において、前記制御情報によって通知される前記参照信号のパラメータが特定の値の場合、前記参照信号が配置される前記周波数リソースは前記少なくとも一つのリソースであり、前記参照信号に設定される、前記周波数リソースと異なる他のリソースは前記特定の値に基づいて決定される。
【0216】
本開示の一実施例に係る移動局において、前記参照信号が前記他の上りリンク信号よりも早い時間的位置に配置される場合、かつ、キャリアセンスを実施する期間が閾値より長い場合、前記参照信号が配置される前記周波数リソースは、前記少なくとも一つのリソースである。
【0217】
本開示の一実施例に係る移動局において、前記参照信号が前記他の上りリンク信号よりも早い時間的位置に配置される場合、かつ、キャリアセンスを失敗している場合、前記参照信号が配置される前記周波数リソースは、前記少なくとも一つのリソースである。
【0218】
本開示の一実施例に係る基地局は、上りリンクの参照信号と、前記参照信号と異なる他の上りリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定する制御回路と、前記周波数リソースを用いて、前記参照信号及び前記他の上りリンク信号の少なくとも1つを受信する受信回路と、を具備する。
【0219】
本開示の一実施例に係る送信方法は、上りリンクの参照信号と、前記参照信号と異なる他の上りリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定し、前記周波数リソースを用いて、前記参照信号及び前記他の上りリンク信号の少なくとも1つを送信する。
【0220】
本開示の一実施例に係る受信方法は、上りリンクの参照信号と、前記参照信号と異なる他の上りリンク信号との間のリソースの関連付けに基づいて、上りリンク送信に使用する周波数リソースを決定し、前記周波数リソースを用いて、前記参照信号及び前記他の上りリンク信号の少なくとも1つを受信する。
【0221】
2019年1月9日出願の特願2019-001858の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0222】
本開示の一実施例は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0223】
100 基地局
101,205 制御部
102,207 符号化・変調部
103,208 信号配置部
104,209 送信部
105,201 アンテナ
106,202 受信部
107,203 信号分離部
108,204 復調・復号部
109 チャネル品質推定部
200 移動局
206 SRS生成部