(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162493
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】部品搭載装置および部品搭載システムならびにキャリアテープ除去作業支援装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072840
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
(72)【発明者】
【氏名】山村 達雄
(72)【発明者】
【氏名】堀江 敦行
(72)【発明者】
【氏名】高田 力
(72)【発明者】
【氏名】三島 一成
(72)【発明者】
【氏名】李 強麗
(72)【発明者】
【氏名】木谷 実
(72)【発明者】
【氏名】綴木 邦巳
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC16
5E353CC23
5E353HH29
5E353HH32
5E353HH34
5E353HH40
5E353LL04
5E353LL06
5E353NN18
5E353QQ03
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】テープフィーダからキャリアテープを除去する作業を効率的に実行することができる部品搭載装置および部品搭載システムならびにキャリアテープ除去作業支援装置を提供する。
【解決手段】部品搭載装置2は、吸着ノズル17で吸着した部品を基板6に搭載する作業ヘッド16と、部品を収納したキャリアテープ12を搬送して部品を吸着位置Pに自動的に搬送可能な複数のテープフィーダ11と、作業ヘッド16の動作を制御する制御部18と、を備える。制御部18は、キャリアテープ12を除去する必要のあるテープフィーダ11を作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、通知されたテープフィーダ11のうち、作業者による操作パネル15からの入力があったテープフィーダ11に対してキャリアテープ12を排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルで吸着した部品を基板に搭載する作業ヘッドと、
搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を前記作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダと、
前記作業ヘッドの動作を制御する制御部と、を備えた部品搭載装置であって、
前記制御部は、
キャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、
前記作業対象フィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力によってキャリアテープを排出するための準備が完了したテープフィーダを特定する準備完了フィーダ特定部と、
前記準備完了フィーダ特定部によって特定されたテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する、部品搭載装置。
【請求項2】
部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルで吸着した部品を基板に搭載する作業ヘッドと、
搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を前記作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダと、
前記作業ヘッドの動作を制御する制御部と、を備えた部品搭載装置であって、
前記制御部は、
キャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、
前記作業対象フィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力があったテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する、部品搭載装置。
【請求項3】
前記テープフィーダは、前記作業対象フィーダ通知部によって点灯または点滅するランプを含む、請求項1または2に記載の部品搭載装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記テープフィーダが有する操作スイッチを含む、請求項1または2に記載の部品搭載装置。
【請求項5】
部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルで吸着した部品を基板に搭載する作業ヘッドと、
搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を前記作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダと、
前記作業ヘッドの動作を制御する制御部と、
生産切替え前後の複数の基板種の生産データに基づいてキャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを特定して作業者に通知するキャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部と、を備えた部品搭載システムであって、
前記制御部は、
前記キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力によってキャリアテープを排出するための準備が完了したテープフィーダを特定する準備完了フィーダ特定部と、
前記準備完了フィーダ特定部によって特定されたテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する、部品搭載システム。
【請求項6】
部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルで吸着した部品を基板に搭載する作業ヘッドと、
搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を前記作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダと、
前記作業ヘッドの動作を制御する制御部と、
生産切替え前後の複数の基板種の生産データに基づいてキャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを特定して作業者に通知するキャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部と、を備えた部品搭載システムであって、
前記制御部は、
前記キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力があったテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する、部品搭載システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部を含む、請求項5または6に記載の部品搭載システム。
【請求項8】
前記テープフィーダは、前記作業対象フィーダ通知部によって点灯または点滅するランプを含む、請求項5または6に記載の部品搭載システム。
【請求項9】
前記操作部は、前記テープフィーダが有する操作スイッチを含む、請求項5または6に記載の部品搭載システム。
【請求項10】
搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダに対するキャリアテープの除去作業を支援するキャリアテープ除去作業支援装置であって、
キャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、
前記作業対象フィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力によってキャリアテープを排出するための準備が完了したテープフィーダを特定する準備完了フィーダ特定部と、
前記準備完了フィーダ特定部によって特定されたテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する、キャリアテープ除去作業支援装置。
【請求項11】
搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダに対するキャリアテープの除去作業を支援するキャリアテープ除去作業支援装置であって、
キャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、
前記作業対象フィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力があったテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する、キャリアテープ除去作業支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープフィーダが供給する部品を基板に搭載する部品搭載装置および部品搭載システムならびにテープフィーダからキャリアテープを除去する作業を支援するキャリアテープ除去作業支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テープフィーダから部品を取り出して基板に搭載する部品搭載装置では、基板種の生産切替え時に、次の基板の生産で使用しない部品が格納されたキャリアテープをテープフィーダから除去し、次の基板の生産で使用する部品を格納するキャリアテープを取り付ける段取り替え作業が行われる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、スプライシング処理を行うことなく2本目のキャリアテープを挿入することで部品補給が可能なテープフィーダであって、次の生産で使用しない1本目のキャリアテープが挿入されているテープフィーダに対して排出指令を送り、キャリアテープを自動的に排出しておくことで段取り替え作業の時間短縮を図る方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、自動的にキャリアテープを排出することができるテープフィーダであっても既に2本目のキャリアテープが挿入されている場合や、スプライシング処理により部品補給を行うテープフィーダでは排出命令を送る前に作業者による作業が必要となる場合もあるが、特許文献1ではそのような場合を想定しておらず、更なる改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、テープフィーダからキャリアテープを除去する作業を効率的に実行することができる部品搭載装置および部品搭載システムならびにキャリアテープ除去作業支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品搭載装置は、部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルで吸着した部品を基板に搭載する作業ヘッドと、搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を前記作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダと、前記作業ヘッドの動作を制御する制御部と、を備えた部品搭載装置であって、前記制御部は、キャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、前記作業対象フィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力によってキャリアテープを排出するための準備が完了したテープフィーダを特定する準備完了フィーダ特定部と、前記準備完了フィーダ特定部によって特定されたテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する。
【0007】
本発明の他の部品搭載装置は、部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルで吸着した部品を基板に搭載する作業ヘッドと、搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を前記作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダと、前記作業ヘッドの動作を制御する制御部と、を備えた部品搭載装置であって、前記制御部は、キャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、前記作業対象フィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力があったテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する。
【0008】
本発明の部品搭載システムは、部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルで吸着した部品を基板に搭載する作業ヘッドと、搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を前記作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダと、前記作業ヘッドの動作を制御する制御部と、生産切替え前後の複数の基板種の生産データに基づいてキャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを特定して作業者に通知するキャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部と、を備えた部品搭載システムであって、前記制御部は、前記キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力によってキャリアテープを排出するための準備が完了したテープフィーダを特定する準備完了フィーダ特定部と、前記準備完了フィーダ特定部によって特定されたテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する。
【0009】
本発明の他の部品搭載システムは、部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記吸着ノズルで吸着した部品を基板に搭載する作業ヘッドと、搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を前記作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダと、前記作業ヘッドの動作を制御する制御部と、生産切替え前後の複数の基板種の生産データに基づいてキャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを特定して作業者に通知するキャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部と、を備えた部品搭載システムであって、前記制御部は、前記キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力があったテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する。
【0010】
本発明のキャリアテープ除去作業支援装置は、搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダに対するキャリアテープの除去作業を支援するキャリアテープ除去作業支援装置であって、キャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、前記作業対象フィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力によってキャリアテープを排出するための準備が完了したテープフィーダを特定する準備完了フィーダ特定部と、前記準備完了フィーダ特定部によって特定されたテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する。
【0011】
本発明の他のキャリアテープ除去作業支援装置は、搬送路に沿って部品を収納したキャリアテープを搬送して部品を作業ヘッドによって吸着される吸着位置に自動的に搬送可能な複数のテープフィーダに対するキャリアテープの除去作業を支援するキャリアテープ除去作業支援装置であって、キャリアテープを除去する必要のあるテープフィーダを作業者に通知する作業対象フィーダ通知部と、前記作業対象フィーダ通知部によって通知されたテープフィーダのうち、作業者による操作部からの入力があったテープフィーダに対してキャリアテープを前記搬送路から排出する指令を送信するキャリアテープ排出指令部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、テープフィーダからキャリアテープを除去する作業を効率的に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品搭載システムの構成を示す説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品搭載装置の要部の構成を示す平面図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品搭載装置が備えるテープフィーダの(a)要部の構成を示す説明図(b)カバーテープ剥離部付近の拡大図
【
図4】本発明の一実施の形態の部品搭載システムの制御系の構成を示すブロック図
【
図5】本発明の一実施の形態の部品搭載装置のタッチパネルに表示された(a)キャリアテープ除去対象テープフィーダの情報を受信した直後のキャリアテープ除去画面の一例を示す説明図(b)全てのキャリアテープ除去対象テープフィーダがキャリアテープ排出準備完了となったキャリアテープ除去画面の一例を示す説明図
【
図6】本発明の一実施の形態の一斉排出モードによるキャリアテープ除去方法のフロー図
【
図7】本発明の一実施の形態の逐次排出モードによるキャリアテープ除去方法のフロー図
【
図8】本発明の一実施の形態の部品搭載システムの変形例の制御系の構成を示すブロック図
【
図9】本発明の一実施の形態の一斉排出モードによるキャリアテープ除去方法の変形例のフロー図
【
図10】本発明の一実施の形態の逐次排出モードによるキャリアテープ除去方法の変形例のフロー図
【
図11】本発明の一実施の形態の段取り支援システムの構成を示す説明図
【
図12】本発明の一実施の形態の段取り支援システムの制御系の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品搭載システム、部品搭載装置、テープフィーダ、段取り支援システム、段取り支援装置の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(
図2における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(
図1における左右方向)が示される。
図1、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(
図1における上下方向)が示される。
【0015】
まず
図1を参照して、部品搭載システム1の構成を説明する。部品搭載システム1は、部品搭載装置2と情報管理サーバ3(情報管理部)を備えており、基板に部品を搭載して実装基板を製造する機能を有する。なお、部品搭載システム1が備える部品搭載装置2は1台に限定されることはなく、2台以上であってもよい。
【0016】
次に、
図1、
図2を参照して、部品搭載装置2の構成を説明する。部品搭載装置2は、テープフィーダから供給された部品を基板に搭載して実装基板を製造する機能を有する。基台4の中央には、基板搬送部5がX軸に沿って配置されている。基板搬送部5は、上流から搬送された基板6を、搭載作業位置に搬入して位置決めして保持する。また、基板搬送部5は、部品搭載作業が完了した基板6を下流に搬出する。
【0017】
基板搬送部5の側方(Y軸の前方向)には、部品供給部7が配置されている。部品供給部7には、フィーダベース8とリール保持部9を備える台車10が装着される。フィーダベース8の上部には、複数のテープフィーダ11がX軸に沿って配置される。リール保持部9には、部品Dを格納するポケットが形成されたキャリアテープ12を巻回して収納する複数のリール13がX軸に沿って載置される。テープフィーダ11は、リール13から引き出されたキャリアテープ12を内部で搬送し、キャリアテープ12に格納された部品Dを作業ヘッド16によって吸着される吸着位置Pに供給する。
【0018】
ここで、
図3を参照して、テープフィーダ11の構成および機能について説明する。
図3(b)は、
図3(a)に円Aで示すカバーテープ剥離部付近の拡大図である。テープフィーダ11のフィーダ本体部11aには、テープ送り方向の上流に開口した挿入口14aから下流に開口した排出口14bまで連通する搬送路14が形成されている。搬送路14の途中の下方には、キャリアテープ12に形成されている送り穴に係合する複数のスプロケットを備えて構成されるテープ搬送機構11bが配置されている。テープ搬送機構11bは、テープフィーダ11が備えるフィーダ制御部11cによって制御されている。
【0019】
フィーダ制御部11cがテープ搬送機構11bを制御してスプロケットを順方向に駆動させることにより、挿入口14aから挿入されたキャリアテープ12は搬送路14に沿ってテープ送り方向に搬送され、排出口14bから排出される。排出口14bから排出されたキャリアテープ12の先端部は、台車10に配置されたテープ切断装置(図示省略)によって逐次切断される。また、フィーダ制御部11cがテープ搬送機構11bを制御してスプロケットを逆方向に駆動させることにより、搬送路14のキャリアテープ12はテープ送り方向とは逆方向に搬送され、挿入口14aから排出される。
【0020】
図3において、搬送路14の上方には、吸着位置Pに開口する取出し口11d(
図2参照)が形成されている。取出し口11dより上流の搬送路14の上方には、対向して配置された2つの剥離ローラを備えて構成されるカバーテープ剥離部11eが配置されている。搬送路14をテープ送り方向に搬送されたキャリアテープ12は、カバーテープ剥離部11eにおいて部品Dを格納するベーステープ12aの上面に貼着されていたカバーテープ12bが剥離される。カバーテープ12bが剥離されることにより、ベーステープ12aのポケットに格納されていた部品Dが露出する。
【0021】
カバーテープ剥離部11eにおいて剥離されたカバーテープ12bは、2つの剥離ローラの間を経由してフィーダ本体部11aに形成されたカバーテープ回収部11fに回収される。カバーテープ12bが剥離されたキャリアテープ12は吸着位置Pまで搬送され、露出された部品Dは取出し口11dから作業ヘッド16によって取り出される。テープフィーダ11による部品供給動作は、フィーダ制御部11cによって制御される。このように、テープフィーダ11は、搬送路14に沿って部品Dを収納したキャリアテープ12を搬送して部品Dを作業ヘッド16によって吸着される吸着位置Pに自動的に搬送可能である。
【0022】
図2、
図3において、テープフィーダ11の上面には、フィーダ制御部11cに接続された操作パネル15が配置されている。操作パネル15の上面には、表示部15a、操作スイッチ15b、複数のランプ15cが配置されている。表示部15aは、LEDや液晶パネルなどの表示手段であり、作業者に対して各種の情報を表示して報知する。操作スイッチ15bは、作業者による作業終了などの情報の入力を受け付ける。ランプ15cは、点灯、消灯、または点滅することにより、作業者に対して各種の情報を報知する。このように、操作パネル15は、テープフィーダ11が有する操作スイッチ15bを含む操作部である。
【0023】
図1において、基台4の上方には、下部に部品Dを吸着する吸着ノズル17を有する作業ヘッド16が配置されている。作業ヘッド16は、部品搭載装置2が備える制御部18によって制御されるヘッド移動機構(図示省略)によって、X軸方向およびY軸方向に移動する。作業ヘッド16は、吸着ノズル17はZ軸方向に昇降移動させる機能を有している。作業ヘッド16は、テープフィーダ11が吸着位置Pに供給する部品Dを吸着ノズル17で吸着して取出し、基板搬送部5の搭載作業位置に保持されている基板6に搭載する。基板搬送部5、ヘッド移動機構、作業ヘッド16の動作は、部品搭載装置2が備える制御部18によって制御される。
【0024】
部品搭載装置2の前方で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル19が設置されている。タッチパネル19は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品搭載装置2の操作を行う操作・入力部である。部品供給部7に装着された台車10に配置されたテープフィーダ11のフィーダ制御部11c、タッチパネル19、情報管理サーバ3は、部品搭載装置2の制御部18と有線または無線により接続されており、各種情報や指令の送受信を相互に行う。
【0025】
次に
図4を参照して、部品搭載システム1の制御系の構成について説明する。ここでは、部品搭載システム1が備える機能のうち、部品搭載装置2に装着されたテープフィーダ11からキャリアテープ12を効率的に除去する機能について説明する。情報管理サーバ3は、情報処理手段であるキャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20を備えている。また、情報管理サーバ3は、生産データ21を記憶している。生産データ21には、部品搭載システム1において生産される実装基板の種類(基板種)と生産順序、基板種毎の基板6に搭載される部品Dの種類(部品種)の他、部品搭載装置2に現在装着されているテープフィーダ11が供給する部品種に関する情報などが含まれている。
【0026】
キャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20は、生産データ21に基づいて、部品搭載装置2に装着されているテープフィーダ11の中から、次の基板種への生産切替え時にキャリアテープ12を除去する必要があるテープフィーダ11(以下、「作業対象フィーダ」と称する。)を特定する。具体的には、キャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20は、部品搭載装置2に現在装着されているテープフィーダ11の中から、次の基板種の生産に使用しない部品種の部品Dを供給するテープフィーダ11を作業対象フィーダとして特定する。
【0027】
図4において、部品搭載装置2の制御部18は、情報処理手段である処理部30、記憶装置である記憶部31を備えている。処理部30は、内部処理部として作業対象フィーダ通知部32、ステータス情報更新部33、キャリアテープ排出指令部34を備えている。記憶部31には、ステータス情報35などが記憶されている。ステータス情報35には、部品搭載装置2に現在装着されているテープフィーダ11毎に装着位置(フィーダベース8上の位置)、ステータスを特定する情報などが記憶されている。テープフィーダ11のステータスには、「作業対象外のフィーダ」「作業対象フィーダであり排出準備待ち」、「作業対象フィーダであり排出準備完了」、「作業対象フィーダであり排出完了」などがある。
【0028】
作業対象フィーダ通知部32は、キャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20によって特定された作業対象フィーダのフィーダ制御部11cに、操作パネル15のランプ15cを点灯または点滅させる報知指令を送信する。ステータス情報更新部33は、報知指令が送信されたテープフィーダ11のステータス情報35を「作業対象フィーダであり排出準備待ち」に更新させる。作業者は、ランプ15cの点灯または点滅により、キャリアテープ12の除去作業対象であるテープフィーダ11を認識する。なお、作業対象フィーダ通知部32は、キャリアテープ12の除去作業対象である旨を、作業対象フィーダのランプ15cの表示部15a、または、部品搭載装置2のタッチパネル19、作業者が携行するデバイスのモニタや、工場内に配置されたモニタに表示させてもよい。
【0029】
このように、テープフィーダ11は、作業対象フィーダ通知部32によって点灯または点滅するランプを含んでいる。作業対象フィーダ通知部32は、基板種の生産切替え時に、キャリアテープ12を除去する必要のあるテープフィーダ11を作業者に通知する。
【0030】
ここで、
図3を参照して、作業者によるキャリアテープ12の除去作業について説明する。作業者は、作業対象フィーダの挿入口14aの手前のキャリアテープ切断位置C1でキャリアテープ12を切断する。さらに、キャリアテープ12をテープ送り方向(順方向)に搬送して排出するテープフィーダ11の場合、作業者は、搬送路14内のカバーテープ切断位置C2でカバーテープ12bを切断する。また、キャリアテープ12をテープ送り方向とは逆方向に搬送して排出するテープフィーダ11の場合、作業者は、カバーテープ回収部11f内のカバーテープ切断位置C3でカバーテープ12bを切断する。
【0031】
なお、カバーテープ12bを完全に剥離せずにベーステープ12a上で折り返すテープフィーダ11の場合、作業者は、カバーテープ12bの切断は行わず、キャリアテープ切断位置C1でキャリアテープ12を切断する作業のみを実行する。これらの作業により、作業対象フィーダがキャリアテープ12を排出する準備が完了する。作業者は、排出準備が完了すると、作業対象フィーダの操作パネル15の操作スイッチ15bを押下する。操作スイッチ15bが押下されると、作業対象フィーダのフィーダ制御部11cは、制御部18に排出準備が完了した旨を送信する。なお、制御部18への排出準備完了の通知は、タッチパネル19の操作により行うようにしてもよい。
【0032】
図4において、ステータス情報更新部33は、排出準備完了を受信したテープフィーダ11のステータス情報35を「作業対象フィーダであり排出準備完了」に更新させる。このように、ステータス情報更新部33とステータス情報35を記憶する記憶部31は、作業対象フィーダ通知部32によって通知されたテープフィーダ11のうち、作業者による操作部(操作パネル15、タッチパネル19)からの入力によってキャリアテープ12を排出するための準備が完了したテープフィーダ11を特定する準備完了フィーダ特定部である。
【0033】
図4において、キャリアテープ排出指令部34は、一斉排出モードの場合、タッチパネル19に表示された後述するキャリアテープ除去画面において一斉排出ボタンが操作されると、排出準備が完了した全てのテープフィーダ11に対して排出指令を送信する。具体的には、キャリアテープ排出指令部34は、ステータス情報35に基づいて、ステータスが「作業対象フィーダであり排出準備完了」である全てのテープフィーダ11、すなわち、準備完了フィーダ特定部(ステータス情報更新部33、記憶部31)によって特定された準備が完了したテープフィーダ11に対してキャリアテープ12を搬送路14から排出する指令を送信する。
【0034】
キャリアテープ排出指令部34は、逐次排出モードの場合、テープフィーダ11から送信される排出準備が完了した旨の通知を受信する度に、そのテープフィーダ11に対して排出指令を送信する。具体的には、キャリアテープ排出指令部34は、作業対象フィーダ通知部32によって通知されたテープフィーダ11(作業対象フィーダ)のうち、作業者による操作部(操作パネル15、タッチパネル19)からの入力があったテープフィーダ11に対してキャリアテープ12を搬送路14から排出する指令を送信する。
【0035】
図3において、排出指令を受信したテープフィーダ11のフィーダ制御部11cはテープ搬送機構11bを制御して、搬送路14のキャリアテープ12をテープ送り方向とは逆方向に搬送させて挿入口14aから排出させる。または、フィーダ制御部11cはテープ搬送機構11bを制御して、搬送路14のキャリアテープ12をテープ送り方向(順方向)に搬送させて排出口14bから排出させる。キャリアテープ12の搬出が完了したテープフィーダ11のフィーダ制御部11cは、制御部18にキャリアテープ12の排出が完了した旨を送信する。ステータス情報更新部33は、排出完了を受信したテープフィーダ11のステータス情報35を「作業対象フィーダであり排出完了」に更新させる。
【0036】
次に、
図5を参照して、部品搭載装置2のタッチパネル19(操作・入力部)に表示されたキャリアテープ除去画面40の例について説明する。キャリアテープ除去画面40は、ステータス情報表示枠41、モード切替ボタン42、一斉排出ボタン43、終了ボタン44が配置されている。ステータス情報表示枠41には、台車10のフィーダベース8に装着されているテープフィーダ11のステータスが表示されている。
【0037】
ステータス情報表示枠41には、装着位置番号欄41aとステータス表示欄41bが設けられている。装着位置番号欄41aには、フィーダベース8におけるテープフィーダ11の装着位置を示す番号(01~09)が表示されている。ステータス表示欄41bには、装着位置毎にテープフィーダ11のステータスが色やパターンで表示されている。この例では、キャリアテープ除去対象(作業対象フィーダであり排出準備待ち)は斜線のハッチング、キャリアテープ排出準備完了(作業対象フィーダであり排出準備完了)は横線のハッチング、キャリアテープ無し(作業対象フィーダであり排出完了)は斜め格子のハッチングで表示されている。
【0038】
図5において、モード切替ボタン42が操作されると、キャリアテープ12の排出モードが「一斉排出モード」と「逐次排出モード」の間で切り替わる。
図5(a)、
図5(b)では、一斉排出モードが選択されている。一斉排出ボタン43が操作されると、キャリアテープ排出指令部34がキャリアテープ12の排出準備が完了している全てのテープフィーダ11に排出命令を送信する。これにより、キャリアテープ12の排出準備が完了している全てのテープフィーダ11からキャリアテープ12が一斉に排出される。終了ボタン44が操作されると、キャリアテープ12の除去作業を終了する。
【0039】
図5(a)は、情報管理サーバ3のキャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20から作業対象フィーダを特定する情報を受け取った直後のキャリアテープ除去画面40を示している。この例では、装着位置が「02」「03」「05」「07」「08」に装着されている5基のテープフィーダ11がキャリアテープ除去対象(作業対象フィーダ)である。
【0040】
図5(b)は、作業者による5基の作業対象フィーダに対する排出準備作業が完了した直後のキャリアテープ除去画面40を示している。すなわち、全ての作業対象フィーダのステータス表示欄41bの表示がキャリアテープ排出準備完了に変わっている。この状態で一斉排出ボタン43が操作されると、装置位置が「02」「03」「05」「07」「08」に装着されている5基のテープフィーダ11から一斉にキャリアテープ12が排出される。
【0041】
次に、
図6のフローに沿って、
図4に示す部品搭載システム1における一斉排出モードによるキャリアテープの除去方法について説明する。まず、部品搭載装置2の制御部18から情報管理サーバ3(情報管理部)に対して、キャリアテープ除去対象テープフィーダの情報を要求する指令が送信される(ST1:キャリアテープ除去対象テープフィーダ情報要求工程)。情報管理サーバ3が指令を受信すると(ST2においてYes)、キャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20が作業対象フィーダを特定して部品搭載装置2に通知し、作業対象フィーダ通知部32が作業対象フィーダに報知指令を通知する(ST3:作業対象フィーダ報知工程)。これにより、作業対象フィーダのランプ15cが点灯または点滅する。
【0042】
次いでステータス情報更新部33(準備完了フィーダ特定部)は、報知指令が送信されたテープフィーダ11のステータス情報35を「作業対象フィーダであり排出準備待ち(キャリアテープ排出準備待ち)」に更新させる(ST4:排出準備待ち更新工程)。作業者による排出準備作業が完了し、操作スイッチ15bが操作されると(ST5においてYes)、ステータス情報更新部33は、排出準備完了を受信したテープフィーダ11のステータス情報35を「作業対象フィーダであり排出準備完了(キャリアテープ排出準備完了)」に更新させる(ST6:排出準備完了更新工程)。全ての作業対象フィーダで排出準備作業が完了するまでは(ST5においてNo、ST7においてNo、ST10においてNo)、操作スイッチ15bが操作されるのを待機する(ST5)。
【0043】
図6において、全ての作業対象フィーダの排出準備作業が完了し、キャリアテープ除去画面40(
図5(b))において一斉排出ボタン43が操作されると(ST7においてYes)、キャリアテープ排出指令部34は、排出準備が完了した全てのテープフィーダ11に対して排出指令を送信する(ST8:一斉排出指令送信工程)。これにより、対象のテープフィーダ11からキャリアテープ12が一斉に排出される。
【0044】
キャリアテープ12の排出が完了すると、ステータス情報更新部33は、排出が完了したテープフィーダ11のステータス情報35を「作業対象フィーダであり排出完了(キャリアテープ無し)」に更新させる(ST9:排出完了更新工程)。全ての作業対象フィーダからキャリアテープ12が排出され、キャリアテープ除去画面40において終了ボタン44が操作されると(ST10においてYes)、キャリアテープ除去処理が完了する。このように、テープフィーダ11からキャリアテープ12を除去する作業が効率的に実行される。
【0045】
次に、
図7のフローに沿って、
図4に示す部品搭載システム1における逐次排出モードによるキャリアテープの除去方法について説明する。キャリアテープ除去対象テープフィーダ情報要求工程(ST1)から排出準備待ち更新工程(ST4)までは一斉排出モードと同じであり、詳細な説明は省略する。ランプ15cの点灯または点滅により作業対象フィーダが報知され(ST3)、作業者による排出準備作業が完了し、操作スイッチ15bが操作されると(ST5においてYes)、排出準備完了を受信したキャリアテープ排出指令部34は、そのテープフィーダ11に対して排出指令を送信する(ST11:逐次排出指令送信工程)。
【0046】
これにより、操作スイッチ15bが操作されたテープフィーダ11からキャリアテープ12が排出される。次いで排出完了更新工程(ST9)が実行され、排出が完了したテープフィーダ11のステータス情報35が「作業対象フィーダであり排出完了(キャリアテープ無し)」に更新される。全ての作業対象フィーダで排出準備作業が完了するまでは(ST5においてNo、ST10においてNo)、操作スイッチ15bが操作されるのを待機する(ST5)。
【0047】
全ての作業対象フィーダからキャリアテープ12が排出され、キャリアテープ除去画面40において終了ボタン44が操作されると(ST10においてYes)、キャリアテープ除去処理が完了する。このように、テープフィーダ11からキャリアテープ12を除去する作業が効率的に実行される。
【0048】
上記説明したように、作業ヘッド16、複数のテープフィーダ11、制御部18を備え、制御部18に作業対象フィーダ通知部32と準備完了フィーダ特定部(ステータス情報更新部33、記憶部31)とキャリアテープ排出指令部34とを有する部品搭載装置2は、一斉排出モードによって作業対象フィーダからキャリアテープ12を排出する。また、作業ヘッド16、複数のテープフィーダ11、制御部18を備え、制御部18に作業対象フィーダ通知部32とキャリアテープ排出指令部34とを有する部品搭載装置2は、逐次排出モードによって作業対象フィーダからキャリアテープ12を排出する。
【0049】
次に
図8を参照して、部品搭載システムの変形例(以下、「部品搭載システム1A」と称する。)について説明する。部品搭載システム1Aは部品搭載装置2Aと情報管理サーバ3A(情報管理部)を備えている。変形例の情報管理サーバ3Aはキャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20を備えておらず、部品搭載装置2Aの制御部18Aの処理部30Aがキャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20と作業対象フィーダ通知部32の機能を一体化したキャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部36を備えているところが、
図4に示す部品搭載システム1とは異なる。以下、部品搭載システム1と同じ部分には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0050】
キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部36は、情報管理サーバ3Aから生産データ21を取得し、部品搭載装置2Aに装着されている作業対象フィーダを特定し、特定した作業対象フィーダに報知指令を送信する。これにより、キャリアテープ12の除去作業対象であるテープフィーダ11のランプ15cが点灯または点滅する。このように、制御部18Aは、生産切替え前後の複数の基板種の生産データ21に基づいてキャリアテープ12を除去する必要のあるテープフィーダ11(作業対象フィーダ)を特定して作業者に通知するキャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部36を含んでいる。
【0051】
図8において、キャリアテープ排出指令部34Aは、一斉排出モードの場合、準備完了フィーダ特定部(ステータス情報更新部33、記憶部31)によって特定されたテープフィーダ11に対してキャリアテープ12を搬送路14から排出する排出指令を送信する。また、キャリアテープ排出指令部34Aは、逐次排出モードの場合、キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部36によって通知されたテープフィーダ11のうち、作業者による操作部(操作パネル15、タッチパネル19)からの入力があったテープフィーダ11に対してキャリアテープ12を搬送路14から排出する排出指令を送信する。
【0052】
次に、
図9のフローに沿って、
図8に示す部品搭載システム1A(部品搭載システムの変形例)における一斉排出モードによるキャリアテープの除去方法の変形例について説明する。キャリアテープの除去方法の変形例は、作業対象フィーダの特定を部品搭載装置2Aにおいて実行するところが、情報管理サーバ3において実行する
図6に示すキャリアテープの除去方法とは異なる。以下、
図6に示すキャリアテープの除去方法と同じ工程には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0053】
部品搭載装置2Aにおいて生産する基板種を切り替える準備のためにテープフィーダ11からキャリアテープ12を除去する際、まず、キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部36が作業対象フィーダを特定する(ST21:作業対象フィーダ特定工程)。次いでキャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部36が作業対象フィーダに報知指令を通知する(ST3)。排出準備待ち更新工程(ST4)以降の工程は
図6に示すキャリアテープの除去方法と同じであり、説明を省略する。
【0054】
次に、
図10のフローに沿って、
図8に示す部品搭載システム1A(部品搭載システムの変形例)における逐次排出モードによるキャリアテープの除去方法の変形例について説明する。キャリアテープの除去方法の変形例は、作業対象フィーダの特定を部品搭載装置2Aにおいて実行するところが、情報管理サーバ3において実行する
図7に示すキャリアテープの除去方法とは異なる。以下、
図7に示すキャリアテープの除去方法と同じ工程には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0055】
まず、作業対象フィーダ特定工程(ST21)が実行され、キャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部36により作業対象フィーダが特定される。次いでキャリアテープ除去対象テープフィーダ通知部36が作業対象フィーダに報知指令を通知する(ST3)。排出準備待ち更新工程(ST4)以降の工程は
図7に示すキャリアテープの除去方法と同じであり、説明を省略する。
【0056】
次に、
図11を参照して、段取り支援システム50の構成を説明する。段取り支援システム50は、台車10に装着された複数のテープフィーダ11に対する作業者による段取り作業を支援する機能を有する。段取り支援システム50は、段取り支援装置51(キャリアテープ除去作業支援装置)と情報管理サーバ3を備えている。段取り支援装置51の本体部52には、支援制御部53が配置されている。本体部52の上方で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル54が設置されている。タッチパネル54は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や段取り支援装置51の操作を行う操作・入力部である。
【0057】
台車10は、段取り支援装置51の本体部52に接続される。この状態で、台車10に配置されたテープフィーダ11のフィーダ制御部11c、タッチパネル54、情報管理サーバ3は、段取り支援装置51の支援制御部53と有線または無線により接続され、各種情報や指令の送受信を相互に行う。
【0058】
次に、
図12を参照して、段取り支援システム50の制御系の構成について説明する。段取り支援システム50が備える情報管理サーバ3は
図4に示す部品搭載システム1の情報管理サーバ3と同じであり、説明は省略する。段取り支援装置51が備える支援制御部53は、部品搭載装置2が備える制御部18と同じ処理部30、記憶部31を備えている。すなわち、段取り支援装置51が備える支援制御部53の処理部30は、作業対象フィーダ通知部32、ステータス情報更新部33、キャリアテープ排出指令部34を備えている。また、段取り支援装置51が備える支援制御部53の記憶部31は、ステータス情報35を記憶している。
【0059】
情報管理サーバ3のキャリアテープ除去対象テープフィーダ特定部20は、段取り支援装置51の本体部52に接続された台車10のフィーダベース8に配置されたテープフィーダ11が供給する部品種の情報と生産切替え後の基板種の生産データ21に基づいて、キャリアテープ12を除去する必要のあるテープフィーダ11(作業対象フィーダ)を特定する。作業対象フィーダの情報を取得した段取り支援装置51は、一斉排出モードまたは逐次排出モードにより、作業対象フィーダからキャリアテープ12を排出する作業を支援する。段取り支援システム50における一斉排出モードによるキャリアテープの除去方法は
図6に示す方法と、逐次排出モードによるキャリアテープの除去方法は
図7に示す方法と同様であり説明は省略する。
【0060】
このように、作業対象フィーダ通知部32と準備完了フィーダ特定部(ステータス情報更新部33、記憶部31)とキャリアテープ排出指令部34を有する段取り支援装置51は、一斉排出モードによる複数のテープフィーダ11に対するキャリアテープ12の除去作業を支援するキャリアテープ除去作業支援装置である。また、作業対象フィーダ通知部32とキャリアテープ排出指令部34を有する段取り支援装置51は、逐次排出モードによる複数のテープフィーダ11に対するキャリアテープ12の除去作業を支援するキャリアテープ除去作業支援装置である。キャリアテープ除去作業支援装置は、一斉排出モードまたは逐次排出モードによってテープフィーダ11からキャリアテープ12を除去する作業を効率的に実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の部品搭載装置および部品搭載システムならびにキャリアテープ除去作業支援装置は、テープフィーダからキャリアテープを除去する作業を効率的に実行することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0062】
1、1A 部品搭載システム
2、2A 部品搭載装置
6 基板
11 テープフィーダ
12 キャリアテープ
14 搬送路
15 操作パネル(操作部)
15b 操作スイッチ
15c ランプ
16 作業ヘッド
17 吸着ノズル
18、18A 制御部
19、54 タッチパネル(操作部)
51 段取り支援装置(キャリアテープ除去作業支援装置)
D 部品
P 吸着位置