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特開2023-162522医療用吸引集液装置およびこれに用いられるエアベント装置
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  • 特開-医療用吸引集液装置およびこれに用いられるエアベント装置 図1
  • 特開-医療用吸引集液装置およびこれに用いられるエアベント装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162522
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】医療用吸引集液装置およびこれに用いられるエアベント装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
A61M1/00 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072883
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 誠
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA15
4C077AA30
4C077DD12
4C077DD13
4C077DD26
4C077EE04
4C077KK25
(57)【要約】
【課題】 液体が貯留済みであっても、手間が少なくかつ液漏れも防止しつつ、もう一度集液することができる医療用吸引集液装置およびエアベント装置を提供する。
【解決手段】 医療用吸引集液装置1は、流入口12aおよび流出口12bを有して膨縮可能なバッグ2と、バッグ2を膨張させる拡張機構3と、バッグ2の流出口12bに対して着脱可能に設けられたエアベント装置4と、を備える。エアベント装置4は、バッグ2の内部から外部へのエアの通流を許容すると共にバッグ2の外部から内部へのエアの通流を制限するバルブ41と、通気性を有すると共にバッグ2内の液体が外部へ流出するのを阻止するフィルタ42と、を有する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流入する流入口および液体が流出する流出口を有して膨張および収縮可能なバッグと、前記バッグを膨張させて前記流入口から液体を吸引させる拡張機構と、前記バッグの前記流出口に対して着脱可能に設けられたエアベント装置と、を備え、
前記エアベント装置は、
前記バッグの内部から外部へのエアの通流を許容すると共に前記バッグの外部から内部へのエアの通流を制限するバルブと、
通気性を有すると共に前記バッグ内の液体が前記バッグの外部へ流出するのを阻止するフィルタと、
を有する、医療用吸引集液装置。
【請求項2】
前記バルブは、周壁に貫通口を有する中空管状の弁箱と、前記貫通口を覆うように前記弁箱に外装される可撓性の筒部材と、を有するダイアフラム式の逆止弁である、請求項1に記載の医療用吸引集液装置。
【請求項3】
前記バルブは、ダックビル式の逆止弁である、請求項1に記載の医療用吸引集液装置。
【請求項4】
前記エアベント装置は、前記バルブを外方から取り囲むガード壁を有する、請求項1~3の何れかに記載の医療用吸引集液装置。
【請求項5】
前記ガード壁は、一端が開口する筒状を成し、かつ、前記開口から軸方向へ延びるスリットを有している、請求項4に記載の医療用吸引集液装置。
【請求項6】
前記エアベント装置は、前記バッグの内部から外部へのエアの通流方向における下流側端部に前記バルブが設けられる通流管を有し、前記フィルタは、前記通流管において上流側端部よりも前記下流側端部に近い位置に設けられている、請求項1に記載の医療用吸引集液装置。
【請求項7】
液体が流入する流入口および液体が流出する流出口を有して膨張および収縮可能なバッグと、前記バッグを膨張させて前記流入口から液体を吸引させる拡張機構と、を備える医療用吸引集液装置の、前記流出口に対して着脱可能に設けられるエアベント装置であって、
エアが通流する通流管と、
前記通流管の一端部に設けられ、前記一端部を介して前記通流管の内部から外部へのエアの通流を許容すると共に外部から内部へのエアの通流を制限するバルブと、
前記通流管の他端部から前記一端部へ向かう液体の通流を阻止するフィルタと、
を備えるエアベント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯留バッグ中に液体を集める医療用吸引集液装置、および、この医療用吸引集液装置に用いられるエアベント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手術中等において血液、膿、及び滲出液等が体外に排出されることがあり、術後にそれらの液体を吸引してどこかに貯留しておく必要がある。そのような機能を有する装置として医療用吸引集液装置があり、その一例としては特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1の医療用吸引集液装置は、バッグ本体内に拡張機構が封入されたドレーンバッグを備え、バッグ本体には吸入口と排出口とが設けられている。また、吸入口には吸入管が接続され、排出口には排出管が接続されている。このような医療用吸引集液装置は、使用前においては吸入管および排出管がそれぞれ栓で閉じられており、使用時には吸入管の栓のみ外されてそこにカテーテルが接続される。そして、排出管の栓は閉じられたまま、カテーテルの先端が血液等の体液のたまり場に浸される。この状態で拡張機構を作動させてバッグ本体を拡張させると、バッグ本体内に負圧が生じ、これにより体液がカテーテルを通じてバッグ本体内に吸引される。体液の吸引が終わると、カテーテルの先端は体液のたまり場から離され、次に排出管から栓が外されてバッグ本体が傾けられて、バッグ本体内の体液が排出管から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-80674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の医療用吸引集液装置は、集液を終えてカテーテルの先端が体液のたまり場から離されると、カテーテルを通じてバッグ本体内にエアが入る。すると、バッグ本体内の負圧は消失してバッグ本体の内外間の差圧がなくなる。一方、医療用吸引集液装置は、一旦集液を終えた後にもう一度集液することが要望される場合がある。そのための方法として、バッグ本体を体液のたまり場よりも下方に置き、両者間の落差圧により更に集液する方法がある。しかし、排出管が閉栓されたままでは落差圧が得られないため、この方法を用いる場合には排出管から栓を外す必要がある。
【0006】
このように、同一の医療用吸引集液装置について、一度集液を行った後に落差圧を利用してもう一度集液をしようとする場合には、排出管の栓を外すという作業が必要であって煩瑣である。また、排出管の栓を外すことで、バッグ本体内の体液が意図しないところへ漏出して作業環境を汚染してしまう可能性もある。
【0007】
そこで本開示は、体液が貯留済みの医療用吸引集液装置をもう一度集液に使う場合であっても、手間が少なく、かつ、貯留された体液の漏出による汚染を防止することができる医療用吸引集液装置、および、これに用いるエアベント装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様に係る医療用吸引集液装置は、液体が流入する流入口および液体が流出する流出口を有して膨張および収縮可能なバッグと、前記バッグを膨張させて前記流入口から液体を吸引させる拡張機構と、前記バッグの前記流出口に対して着脱可能に設けられたエアベント装置と、を備え、前記エアベント装置は、前記バッグの内部から外部へのエアの通流を許容すると共に前記バッグの外部から内部へのエアの通流を制限するバルブと、通気性を有すると共に前記バッグ内の液体が前記バッグの外部へ流出するのを阻止するフィルタと、を有する。
【0009】
これにより、一度使用してバッグ内に体液が貯留された医療用吸引集液装置であっても、液体の漏出をフィルタで防止しつつ、バルブを通じて流出口からバッグ内のエアを排出(脱気)できるため、手間が少なく汚染も防止しつつ落差圧を利用してもう一度集液に使うことができる。なお、一度集液した後の医療用吸引集液装置について、拡張機構を再び閉じることでバッグ内を負圧にし、この負圧により再度吸引集液することも想定される。本開示に係る医療用吸引集液装置は、この場合であっても、拡張機構を閉じるときに開栓する手間が不要であり、かつ、バッグ内の液体の漏出を防止することができる。
【0010】
本開示の第2の態様に係る医療用吸引集液装置は、第1の態様において、前記バルブは、周壁に貫通口を有する中空管状の弁箱と、前記貫通口を覆うように前記弁箱に外装される可撓性の筒部材と、を有するダイアフラム式の逆止弁であってもよい。
【0011】
これにより、比較的容易な構成によりバッグからの脱気を行えるバルブを実現することができる。
【0012】
本開示の第3の態様に係る医療用吸引集液装置は、第1の態様において、前記バルブは、ダックビル式の逆止弁であってもよい。
【0013】
これにより、内外の圧力差に応じてバルブを敏感に開閉動作させることができ、バッグからの脱気を適切に行うことができる。
【0014】
本開示の第4の態様に係る医療用吸引集液装置は、第1~第3の何れかの態様において、前記エアベント装置は、前記バルブを外方から取り囲むガード壁を有するものであってもよい。
【0015】
これにより、バルブに何かが接触してバルブが損傷したりバルブが意図せず開いてしまったりするのを防止することができる。
【0016】
本開示の第5の態様に係る医療用吸引集液装置は、第4の態様において、前記ガード壁は、一端が開口する筒状を成し、かつ、前記開口から軸方向へ延びるスリットを有していてもよい。
【0017】
これにより、ガード壁内へのバルブの取り付けを、開口およびスリットを通じて行うことができ、エアベント装置についての生産性の向上を図ることができる。
【0018】
本開示の第6の態様に係る医療用吸引集液装置は、第1~第5の何れかの態様において、前記エアベント装置は、前記バッグの内部から外部へのエアの通流方向における下流側端部に前記バルブが設けられる通流管を有し、前記フィルタは、前記通流管において上流側端部よりも前記下流側端部に近い位置に設けられていてもよい。
【0019】
これにより、エアベント装置においてフィルタがバッグから比較的離れて位置するため、バッグ内の体液がフィルタに接触してフィルタの通気性が損なわれるのを抑制することができる。
【0020】
本開示の第7の態様に係るエアベント装置は、液体が流入する流入口および液体が流出する流出口を有して膨張および収縮可能なバッグと、前記バッグを膨張させて前記流入口から液体を吸引させる拡張機構と、を備える医療用吸引集液装置の、前記流出口に対して着脱可能に設けられるエアベント装置であって、エアが通流する通流管と、前記通流管の一端部に設けられ、前記一端部を介して前記通流管の内部から外部へのエアの通流を許容すると共に外部から内部へのエアの通流を制限するバルブと、前記通流管の他端部から前記一端部へ向かう液体の通流を阻止するフィルタと、を備える。
【0021】
これにより、一度使用してバッグ内に体液が貯留された医療用吸引集液装置を用いてもう一度集液する場合であっても、液体の漏出をフィルタで防止しつつ、バルブを通じて流出口からバッグ内のエアを排出(脱気)できるため、手間が少なく汚染も防止しつつ落差圧を利用してもう一度集液に使うことができる。また、一度集液した後の医療用吸引集液装置について、拡張機構を再び閉じて負圧式により再度吸引集液する場合も、本開示に係るエアベント装置を備える医療用吸引集液装置であれば、拡張機構を閉じるときに開栓する手間が不要であり、かつ、バッグ内の液体の漏出を防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、体液が貯留済みの医療用吸引集液装置をもう一度集液に使う場合であっても、手間が少なく、かつ、貯留された体液の漏出による汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の実施の形態1に係る医療用吸引集液装置を示す正面図である。
図2図1の医療用吸引集液装置に備わる拡張機構を示す斜視図である。
図3図2の拡張機構を開きかつ幅方向中央に位置する仮想平面で切断して見た斜視断面図である。
図4図1の医療用吸引集液装置に備わるエアベント装置の斜視図である。
図5図4のエアベント装置の断面図である。
図6】本開示の実施の形態2に係る医療用吸引集液装置に備わるエアベント装置の外観図であり、平面図および正面図を含む。
図7図6に示すエアベント装置のVII-VII線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施の形態に係る医療用吸引集液装置およびこれに用いられるエアベント装置について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、各開示の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する構成は本開示の一実施形態に過ぎない。従って、本開示は以下の実施形態に限定されず、開示の趣旨を逸脱しない範囲で構成の追加、削除、変更が可能である。
【0025】
(実施の形態1)
本開示に係る医療用吸引集液装置1の正面図を図1に示す。この医療用吸引集液装置1は、例えば治療的ドレナージの目的で患者の体内に貯留した血液や滲出液を除去する場合、あるいは、予防的ドレナージの目的で腹腔や胸腔からの出血、滲出液、または消化液などを除去する場合などに用いられる。医療用吸引集液装置1は、ドレーンバッグとも称されるバッグ2、このバッグ2内に収容される拡張機構3、およびエアベント装置4を備えている。
【0026】
[バッグ]
バッグ2は正面視で矩形状の袋体を成し、膨張および収縮が可能に構成されている。このバッグ2は、例えば透明性かつ可撓性を有する合成樹脂製の2枚の矩形シートを互いの周縁部分で溶着することで、内部に貯留空間10を有している。バッグ2は、周縁部のうち所定の一端部(例えば、4辺のうち何れかの1辺)の中央に取り付け孔11を有し、この取り付け孔11を吊り下げ器具が有するフックに通して掛けることで、医療用吸引集液装置1は吊り下げ可能になっている。
【0027】
なお、図1図3に関する以下の説明では、医療用吸引集液装置1を吊り下げたときの上下方向の概念を用いて各構成の方向について言及する。従って、バッグ2において取り付け孔11が設けられた一端部は上端部でもあり、その反対側に位置する他端部は下端部でもある。また、医療用吸引集液装置1を吊り下げたときのバッグ2の面に沿った方向のうち、上下方向に直交する方向を左右方向(または、幅方向)とし、バッグ2の厚み方向を前後方向とする。
【0028】
バッグ2の上端部の左右には、取り付け孔11を挟むようにして流入口12aおよび流出口12bが設けられている。流入口12aは、上方かつ左右の外方(すなわち、流出口12bから離れる方向)へ向けて斜め方向に開口し、流出口12bも、上方かつ左右の外方(すなわち、流入口12aから離れる方向)へ向けて斜め方向に開口している。流入口12aには流入管13aが挿通され、流出口12bには流出管13bが挿通されている。そして、流入管13aおよび流出管13bを通じてバッグ2の内外は連通している。
【0029】
流入管13aは、貯留空間10に集められる液体が通流する管であり、その一端側開口は貯留空間10に位置し、集液時には他端側開口にカテーテルが接続される。流出管13bは、貯留空間10に集められた後に外部に排出される液体が通流する管であり、一端側開口は貯留空間10に位置し、集液時には他端側開口にエアベント装置4が接続される。エアベント装置4については後に詳述する。
【0030】
[拡張機構]
バッグ2内に備えられた拡張機構3を図2および図3に示す。図2は、拡張機構3の斜視図であり、図3は、拡張機構3を開きかつ幅方向中央に位置する仮想平面で切断して見た斜視断面図である。この拡張機構3は、所定の操作により、第1の形態である図2に示すような平坦形態と、第2の形態である図3に示すような拡張形態との間で可変である。なお、拡張機構3が平坦形態のときバッグ2は収縮状態であり、拡張機構3が拡張形態のときバッグ2は膨張状態となる。拡張機構3は、バッグ2を膨張させることにより、流入口12aから液体を貯留空間10へ吸引させる。
【0031】
図2および図3に示すように、拡張機構3は、互いに類似した構成を有するボトムプレート20およびトッププレート21と、これらのプレート20,21の間に配置されたバネ22とを有している。
【0032】
ボトムプレート20およびトッププレート21は、共に全体的に上下方向に長い長方形状を成し、それぞれ中央プレート部分30、上側プレート部分31、および下側プレート部分32を有している。中央プレート部分30は矩形状を成し、その上端に上側プレート部分31の下端が接続され、下端に下側プレート部分32が接続されている。中央プレート部分30と上側プレート部分31との接続箇所は他の部位よりも厚み寸法が小さく、中央プレート部分30と下側プレート部分32との接続箇所も他の部位よりも厚み寸法が小さくなっている。従って、プレート部分30,31,32のうち隣り合う2つのプレート部分は、互いの接続箇所を基点にして容易に折り曲げ可能になっている。
【0033】
図2に示すように、上側プレート部分31の上端部の左右2か所には下方への切欠き31aが形成され、かつ、この切欠き31aの上端開口部分には左右に架け渡されるようにして補強片31bが設けられている。ボトムプレート20の補強片31bは左右中央部分が後方へ湾曲し、トッププレート21の補強片31bは左右中央部分が前方へ湾曲している。従って、拡張機構3が平坦形態のときも拡張形態のときも、前後に対向する補強片31b,31bの間には所定寸法の空隙31cが形成されるようになっており、図1に示すように、この空隙31cに流入管13aおよび流出管13bの各下端部が通されている。
【0034】
プレート20,21の上端同士および下端同士は互いに回動可能に連結されている。具体的には、プレート20,21が有する各上側プレート部分31,31の上端部の中央には前後方向の貫通孔31dが形成されており、この貫通孔31dに通された結束バンドによって各上側プレート部分31,31は上端同士が連結されている。また、プレート20,21が有する各下側プレート部分32,32のうち何れか一方の下端部の左右2か所にはヒンジピン32aが設けられ、他方の下端部の左右2か所にはヒンジフック32bが設けられている。これらヒンジピン32aおよびヒンジフック32bは互いに係合し、かつ、係合状態ではヒンジピン32aの軸心を基点にしてヒンジフック32bが回動可能である。
【0035】
拡張機構3は、このようにボトムプレート20およびトッププレート21の上端同士および下端同士が互いに回動可能に連結され、かつ、プレート部分30,31,32のうち隣り合うプレート部分の接続箇所が容易に折り曲げ可能である。そのため、上端同士および下端同士が連結したままで、中央プレート部分30,30が重ね合わさった平坦形態から互いに離間した拡張形態へと可変になっている。平坦形態から拡張形態へ変形させるために、プレート20,21の間にバネ22が設けられている。
【0036】
バネ22は、コイル状の圧縮バネであり、自然状態において略円錐台形状を成している。すなわち、バネ22は、軸心を前後方向に向けて配置され、後端部から前端部へ向かうに従って縮径して、後端部が前端部よりも大きい径寸法を有している。従って、バネ22は前後方向に圧縮されると、前側部分が後側部分の内方に収容されて平坦かつ渦巻形状となる。このようなバネ22がプレート20,21の中央プレート部分30,30の間に介在している。
【0037】
バネ22により拡張方向に付勢されるプレート20,21は、ロック機構35によって平坦形態を維持している。ロック機構35は、プレート20,21のうち何れか一方が有する中央プレート部分30に設けられた第1フック35aと、他方が有する中央プレート部分30に設けられた第2フック35bとで構成されている。第1フック35aおよび第2フック35bは、対向する中央プレート部分30,30が所定の位置まで接近すると互いに係合し、中央プレート部分30,30が離間するのを制限する。一方、係合状態の中央プレート部分30,30を互いに上下方向反対向きにずらすと、第1フック35aおよび第2フック35bの係合が解除される。
【0038】
このような拡張機構3は、未使用時では、第1フック35aおよび第2フック35bが係合することで平坦形態を成してバッグ2内に収容されている。そして、液体を吸引する使用時には、バッグ2の外方からボトムプレート20およびトッププレート21を上下方向反対向きにずらすように操作される。すると、第1フック35aおよび第2フック35bの係合が解除され、バネ22によって中央プレート部分30,30が互いに離間する方向へ付勢され、拡張機構3が平坦形態から拡張形態へと変形していく。これにより、バッグ2は収縮状態から膨張状態へと変化していき、貯留空間10に負圧が生成される。カテーテルの先端を浸す液体は、この負圧によってカテーテル、流入管13a、および流入口12aを介し、貯留空間10へと吸引される。
【0039】
[エアベント装置]
次に、図4および図5を参照して、実施の形態1に係るエアベント装置4について説明する。図4はエアベント装置4の斜視図であり、図5はエアベント装置4の断面図である。このエアベント装置4は、流出管13bを介してバッグ2の流出口12bに対して着脱可能に設けられている。エアベント装置4は、バッグ2の内部からエアベント装置4を通って外部へ向かうエアの通流を許容すると共に、その逆方向へのエアの通流を制限する機能と、バッグ2内の液体がエアベント装置4を通って外部へ流出するのを阻止する機能とを備えるものである。
【0040】
このエアベント装置4は、略筒形状を成す本体40、バルブ41およびフィルタ42を有している。なお、図4図5に関する以下の説明では、エアベント装置4の本体40の軸心A1に沿った方向を図中に示すように上下方向と定めて各構成の方向について言及する。付言すると、エアの通流方向について言えば通流方向の下流側が軸心A1方向の上方であり、通流方向の上流側が軸心A1方向の下方となっている。
【0041】
本体40はコネクタ部50を有している。コネクタ部50は、流出管13bの他端側開口に内挿して、エアベント装置4と流出管13bとを接続すると共に、流出管13bからのエアを通す。このようなコネクタ部50は管体51を有し、管体51内には流路51aが形成されている。また、コネクタ部50の管体51は、流出管13bに内挿しやすいように軸心A1に沿った方向の上端部(一端部、基端部、または下流側端部)よりも下端部(他端部、先端部、または上流側端部)がその外径が若干小さくなるように先細りのテーパ状の構成となっている。
【0042】
本体40はさらに機能部53を有し、この機能部53は、コネクタ部50の上端部に接続して設けられている。機能部53は、流路54aが内部に形成された筒部54を有し、この筒部54はコネクタ部50の管体51と同軸状に設けられ、流路54aは管体51の流路51aと連通している。また、筒部54内には絞り55が設けられている。絞り55は、筒部54における上下方向の中央よりも上端側に偏って位置しており、この絞り55によって筒部54内の流路54aの上端(下流端)が画定されている。
【0043】
筒部54の上部には凹部56が形成されている。この凹部56は上方に開口した窪みであり、絞り55の上面が凹部56の底面を成している。また、凹部56の内部空間56aは、絞り55の中央に形成された開口55aを通じて筒部54の流路54aと連通している。なお、絞り55の開口55aは筒部54の流路54aよりも小径であり、凹部56の内部空間56aは筒部54の流路54aよりも大径となっている。
【0044】
凹部56の内部空間56aにはフィルタ42が配設されている。フィルタ42は例えば円板形状を成し、凹部56の底面において絞り55の開口55aを覆うようにして設けられ、開口55aよりも外側の部分と凹部56の底面との間が接着剤により接続されている。このフィルタ42は、通気性を有すると共に液体の通流は制限するものであり、そのような機能を有する公知のフィルタ素材で構成されたものを採用することができる。
【0045】
ここで、上述した管体51および筒部54は一体的に構成されており、バッグ2の内部から外部へ向かうエアが通る通流管58を成す。そして、フィルタ42は、通流管58において、エアの通流方向の上流側端部(図中の下端)よりも下流側端部(図中の上端)に近い位置に設けられている。従って、フィルタ42は、バッグ2内の液体に対して離れて位置するため、液体が付着して通気性が低下するのを抑制できる。特に、本実施の形態に係る構成の場合、フィルタ42は絞り55を挟んで通流方向の下流側に位置するため、より一層液体の付着を抑制できる。
【0046】
機能部53が有する筒部54には、バルブ41が装着されている。バルブ41はいわゆるダックビル式の逆止弁であり、バッグ2の内部から外部へのエアの通流を許容すると共にバッグ2の外部から内部へのエアの通流を制限する。
【0047】
このバルブ41は、合成樹脂等の可撓性部材により一体成型され、装着部65と、一対の可撓片66,66と、一対の側壁67,67とを有する。このうち装着部65は筒部54の外径よりも若干小さい内径を有する筒状を成し、拡径された状態で筒部54に外嵌して装着される。一対の可撓片66,66は、それぞれの下端が装着部65の上端の離れた位置に接続されており、そこから上方へ向かって延びている。可撓片66,66は、上方へ向かうに従って、互いの距離が近づいていくように(換言すれば、軸心A1に近づくように)、斜め方向へ延びている。そして、可撓片66,66の上端は、互いに接続されてはいないが、外圧が付与されていない自然状態では互いに接触している。一対の側壁67,67は、上記のような可撓片66,66の側方端同士を接続する。なお、可撓片66,66は装着部65よりも肉厚寸法が小さい。
【0048】
このようなバルブ41は、一対の可撓片66,66の上端の間にスリット状の弁口41aを有する。そして、一対の可撓片66,66の間の圧力(以下、内圧)と、可撓片66,66の外側の圧力(以下、外圧)とに応じて、弁口41aが開閉する。具体的には、内圧と外圧とが等しい場合、または、内圧よりも外圧が大きい場合は、弁口41aは閉じた状態となっている。一方、内圧よりも外圧が小さくなると弁口41aが開く。従って、バルブ41は、バッグ2の内部が外部よりも高圧のとき、バッグ2の内部から外部へのエアの通流を許可する。これに対し、バッグ2の内部と外部とが同圧のとき、あるいは、内部が外部よりも低圧のときは、バッグ2の外部から内部へのエアの通流は制限する。
【0049】
本体40はさらにガード壁60を有する。ガード壁60は、バルブ41を外方から取り囲む筒状を成し、上側の一端に開口60aを有すると共に、下側の他端は内方へ延びるフランジ60bを介してコネクタ部50の管体51の上端部外周面に接続されている。なお、開口60bはバルブ41の上端より上方に位置し、フランジ60bの内面(上面)にはバルブ41の下端が位置している。すなわち、ガード壁60の下部内面と筒部54の外面との間には全周にわたる隙間60cが形成されており、バルブ41の下部(装着部65)はこの隙間60cに入り込んで、筒部54に装着されている。
【0050】
ガード壁60は、軸心A1を挟んで対向する一対のスリット61,61を有している。各スリット61は開口60aから軸心A1に沿って下方へ延び、上下方向に長い矩形状を成している。また、スリット61の上端は開口60aにて上方に開口し、下端は上下方向において筒部54の上端の上方近傍に位置している。従って、機能部53にバルブ41が装着されていない状態で、オペレータは、スリット61を通じて、フィルタ42が載置される凹部56内を容易に視認することができる。なお、図4の例では、一対のスリット61,61の配置向きと、バルブ41の一対の可撓片66,66の配置向きとが一致している。すなわち、ガード壁60の外方から一のスリット61を正対視すると、このスリット61を通じて一の可撓片66を正対視できる。
【0051】
さらに、ガード壁60の外面であって、一対のスリット61,61の対向する向きに対して交差する向き(図4では、直角に交差する向き)に対向して、一対の把持面62,62が形成されている。各把持面62は、ガード壁60の曲面状の周面の表層を一部除去して形成したごとくの上下方向に長寸の平坦面を成している。把持面62は、ガード壁60の上端から下方へ延び、その下端は、スリット61の下端よりも更に下方であってガード壁60の下端近傍に位置している。また、把持面62には、ガード壁60の周方向へ延びる突起62aが、上下方向に所定間隔を空けて複数(図4では3つ)設けられている。従って、オペレータは各把持面62に手の指を添えることでエアベント装置4を把持でき、かつ、流出管13bに対して着脱する際には突起62aが滑り止めとして機能する。
【0052】
[使用方法および作用効果]
以上のような構成の医療用吸引集液装置1は、集液する場合には、流出管13bにエアベント装置4が装着される。そして、流入管13aに接続されたカテーテルの先端が液体に浸され、拡張機構3に所定の操作が施されることで平坦形態から徐々に拡張形態へ変化し、これによりバッグ2が付勢されて収縮状態から徐々に膨張状態へと変形していく。このバッグ2の変形によってバッグ2内に負圧が生じ、カテーテルの先端から液体が吸引され、バッグ2内に集液される。
【0053】
なお、カテーテルの先端を液体から離したり、液体を全て吸引し終えたりすると、集液が中断または終了される。集液の中断時または終了時に、拡張機構3がまだ完全な拡張形態ではなかった場合は、拡張機構3は完全な拡張形態へと変形をし続ける。この場合、カテーテルを通じてエアが吸引されて、拡張機構3が完全な拡張形態に至った時点でバッグ2は最大の膨張状態となる。バッグ2が最大膨張状態になると、バッグ2内の負圧が消失し、バッグ2の内外は同一圧力となる。そして、カテーテルまたは流入管13aが閉栓される。
【0054】
ところで、バッグ2内に負圧が生じている間、上述したようにバルブ41は弁口41aを閉じている。従って、エアベント装置4を通じてバッグ2内にエアが入ることはなく、バッグ2内の負圧が維持される。また、集液中や集液後にバッグ2が傾いて流出口12bが下方へ向けられたとしても、エアベント装置4のフィルタ42が液体の通流を阻止するため、液漏れを防止することができる。
【0055】
次に、バッグ2が最大膨張状態となった後に、落差式で再集液する場合について説明する。この場合、カテーテルの先端を集液対象の液体に浸すと共に、カテーテルの先端に対して下方になるようにバッグ2を配置する。一方、流出管13bを開栓するためにエアベント装置4を外すなどの作業は不要である。これにより、カテーテルの先端とバッグ2との高低差から生まれる落差圧により、液体はカテーテルの先端から吸引されてバッグ2へと集められる。このとき、エアベント装置4のバルブ41の弁口41aが開口し、バッグ2の内部から外部へのエアの通流を許容する。従って、落差圧による円滑な集液が実現する。また、フィルタ42により、バッグ2内の液体の外部への漏出は阻止される。
【0056】
バッグ2が最大膨張状態になった後に、拡張機構3を押すことで負圧状態にすることにより再集液する場合についても説明する。この場合、最大膨張状態となったバッグ2の外部から拡張機構3に押圧操作を施してエアベント装置4を介して内部の空気を押し出し、これを平坦形態に近づくように変形させる。そして、拡張機構3に対する押圧操作をやめると、再び拡張機構3が膨張形態へ変化しようとしてバッグ2内に負圧が生じる。従って、カテーテルの先端を液体に浸すと、再び液体がカテーテルを通じてバッグ2内へ集液される。
【0057】
なお、拡張機構3に上述したような押圧操作を施すと、バッグ2内には正圧が生じる。すると、バルブ41の弁口41aが開口し、バッグ2内のエアはエアベント装置4を通じて外部へ排出される。一方、バッグ2内に貯留している液体は、フィルタ42により外部への流出が阻止される。このように、バッグ2内に液体が貯留している状態で拡張機構3を押圧操作する場合であっても、エアベント装置4の機能により、オペレータは排気のためや液漏れ防止のために特段の操作をする必要がない。なお、集液後にバッグ2内の液体を外部に排出する場合は、流出管13bからエアベント装置4を取り外した後に流出管13bから液体を排出すればよい。
【0058】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る医療用吸引集液装置について説明する。この医療用吸引集液装置は、実施の形態1に係る医療用吸引集積装置1のエアベント装置4とは異なる構成のエアベント装置4Aを備えるが、その他のバッグ2および拡張機構3は上述したものと同じである。従って、以下ではエアベント装置4Aについて説明することとして、その他の構成の説明は省略する。
【0059】
図6は、エアベント装置4Aの外観図であって、平面図と正面図とを含む。図7は、図6のエアベント装置4AのVII-VII線での断面図である。このエアベント装置4Aは、流出管13bを介してバッグ2の流出口12bに対して着脱可能に設けられている。エアベント装置4Aは、バッグ2の内部からエアベント装置4Aを通って外部へ向かうエアの通流を許容すると共に、その逆方向へのエアの通流を制限する機能と、バッグ2内の液体がエアベント装置4Aを通って外部へ流出するのを阻止する機能とを備える。
【0060】
このエアベント装置4Aは、略筒形状を成す本体70、バルブ71およびフィルタ72を有している。なお、図6図7に関する以下の説明では、エアベント装置4Aの本体70の軸心A2に沿った方向を図中に示すように上下方向と定めて各構成の方向について言及する。付言すると、エアの通流方向について言えば通流方向の下流側が軸心A2方向の上方であり、通流方向の上流側が軸心A2方向の下方となっている。
【0061】
本体70はコネクタ部80を有している。コネクタ部80は、流出管13bの他端側開口に内挿して、エアベント装置4Aと流出管13bとを接続すると共に、流出管13bからのエアを通す。このようなコネクタ部80は管体81を有し、管体81内には流路81aが形成されている。また、コネクタ部80の管体81は、流出管13bに内挿しやすいように軸心A2に沿った方向の上端部(一端部、基端部、または下流側端部)よりも下端部(他端部、先端部、または上流側端部)がその外径が若干小さくなるように先細りのテーパ状の構成となっている。
【0062】
管体81の下部には凹部82が形成されている。この凹部82は下方に開口した窪みであり、軸心A2に沿ってみたときの凹部82の開口径は流路91aの下端の開口径よりも大きい。この凹部82内にフィルタ72が配設されている。フィルタ72は例えば流路91aの下端の開口径よりも大径の円板形状を成し、流路91aの下端開口を覆うようにして、接着剤により接続されている。このフィルタ72は、通気性を有すると共に液体の通流は制限するものであり、そのような機能を有する公知のフィルタ素材で構成されたものを採用することができる。
【0063】
本体70はさらに機能部83を有し、この機能部83は、コネクタ部80の上端部に接続されている。機能部83は、中空管状の弁箱84を有する。弁箱84は、上端が閉塞されると共に下端が開口し、内部空間84aが管体81の流路81aに連通している。また、弁箱84の周壁には一対の貫通口84bが形成されている。このような機能部83の弁箱84に、可撓性の筒部材から成る弁体85が外装されている。ここで、上記の弁箱84および弁体85によりバルブ71が構成されている。
【0064】
バルブ71を構成する弁体85は、上述したように筒状を成し、軸心A2に沿った上下方向の寸法において、管状の弁箱84とほぼ同じか若干短くなっている。そして、弁箱84の貫通口84bは、弁体85の上下方向の略中央に対向するように位置している。このような構成のバルブ71は、いわゆるダイアフラム式の逆止弁を成す。そして、弁箱84内の圧力(以下、内圧)と、弁箱84外の圧力(以下、外圧)とに応じて、弁箱84と弁体85との間が開閉する。
【0065】
具体的には、内圧と外圧とが等しい場合、または、内圧よりも外圧が大きい場合は、弁箱84と弁体85との間には隙間が形成されず、閉弁状態となっている。一方、内圧よりも外圧が小さくなると上記隙間が形成されて開弁状態となる。従って、バルブ71は、バッグ2の内部が外部よりも高圧のとき、バッグ2の内部から外部へのエアの通流を許可する。これに対し、バッグ2の内部と外部とが同圧のとき、あるいは、内部が外部よりも低圧のときは、バッグ2の外部から内部へのエアの通流は制限する。
【0066】
本体70はさらにガード壁90を有する。ガード壁0は、バルブ71を外方から取り囲む筒状を成し、上側の一端に開口90aを有すると共に、下側の他端は内方へ延びるフランジ90bを介してコネクタ部80の管体81の上端部外周面に接続されている。なお、開口90aはバルブ71の上端より上方に位置し、フランジ90bの内面(上面)にはバルブ71の下端が位置している。すなわち、ガード壁90の下部内面と弁箱84の外面との間には全周にわたる隙間90cが形成されており、バルブ71はこの隙間90cに入り込んで、弁箱84に装着されている。
【0067】
ガード壁90は、軸心A2を挟んで対向する一対のスリット91,91を有している。各スリット91は開口90aから軸心A2に沿って下方へ延び、上下方向に長い矩形状を成している。また、スリット91の上端は開口90aにて上方に開口し、下端はガード壁90の下端、すなわちフランジ90bの上面に位置している。従って、弁箱84に弁体85が装着されていない状態で、オペレータは、スリット91を通じて弁箱84の周面を容易に視認できる。ゆえに、例えば弁箱84に貫通口84bを穿設するときの作業性がよい。このため、図7の例では、一対のスリット91,91の配置向きと、弁箱84に対する一対の貫通口84b,84bの配置向きとが一致している。すなわち、ガード壁90の外方から一のスリット91を正対視すると、このスリット91を通じて一の貫通口84bを正対視できる。
【0068】
以上に説明した実施の形態2に係るエアベント装置4Aを備える医療用吸引集液装置は、実施の形態1に係る医療用吸引集液装置1と同様にして使用することができる。また、このエアベント装置4Aも、実施の形態1で説明したエアベント装置4と同様の作用効果を奏することができる。
【0069】
なお、実施の形態1,2を通じて、バッグ2および拡張機構3の具体的な構成は上記に限られない。また、医療用吸引集液装置1は拡張機構3を備えていなくてもよい。拡張機構3を備えない医療用吸引集液装置を用いる場合は、自由落下により集液することができる。そして、自由落下により集液する場合も、上記エアベント装置4,4Aを備えることで、手間なく液漏れを防止しつつ、2度目の集液を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示は、手術中等において対外に排出された血液、膿、及び滲出液等の液体を吸引して貯留する医療用吸引集液装置、および、これに用いられるエアベント装置に、好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 医療用吸引集液装置
2 バッグ
3 拡張機構
4,4A エアベンド装置
12a 流入口
12b 流出口
41,71 バルブ
42,72 フィルタ
58 通流管
60,90 ガード壁
61,91 スリット


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7