(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162557
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】回転駆動部の取付構造及び駆動装置並びに画像形成装置
(51)【国際特許分類】
F16H 57/023 20120101AFI20231101BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
F16H57/023
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072953
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】成清 隆久
【テーマコード(参考)】
2H171
3J063
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA04
2H171KA05
2H171KA12
2H171KA26
2H171LA04
2H171LA08
2H171PA12
2H171PA15
2H171QA03
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB02
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
3J063AA29
3J063AB02
3J063AC01
3J063BA01
3J063CA01
3J063CB57
3J063CD42
3J063XA09
3J063XA11
(57)【要約】
【課題】回転駆動部が傾いて取り付けられることを抑制することができる回転駆動部の取付構造及び駆動装置並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】
被取付部材210と、回転駆動部230と、取付部材220と、を備え、取付部材220の取付部221が被取付部材210の被取付部212に固定されることによって、回転駆動部230の被位置決部231が被取付部材210の位置決部211に位置決めされた状態で回転駆動部230が被取付部材210に取り付けられる回転駆動部230の取付構造は、被取付部212の取付部材220側の少なくとも一部を所定の隙間距離d1をおいて覆う規制部214を備える。
【選択図】
図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決部及び被取付部を有する被取付部材と、
前記位置決部に位置決めされる被位置決部を有する回転駆動部と、
前記被取付部に取付けられる取付部を有し、前記回転駆動部に固定される取付部材と、を備え、
前記取付部材の前記取付部が前記被取付部材の前記被取付部に固定されることによって、前記回転駆動部の前記被位置決部が前記被取付部材の前記位置決部に位置決めされた状態で前記回転駆動部が前記被取付部材に取り付けられる回転駆動部の取付構造であって、
前記被取付部の前記取付部材側の少なくとも一部を所定の隙間距離をおいて覆う規制部を更に備える、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記取付部には、前記取付部材を前記被取付部材に締結部材によって締結するための締結部が設けられ、
前記規制部は、前記締結部の少なくとも一部を覆う、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項3】
請求項1に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記規制部は、前記被取付部材の一部が折り曲げられて形成されている、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項4】
請求項1に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記規制部は、前記被取付部材から前記取付部材側に立設した立設部と、前記立設部から前記被取付部に向けて延設した延設部とを有し、
前記延設部が前記被取付部を覆う、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項5】
請求項4に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記延設部には、前記立設部とは反対側に前記立設部に向けて前記隙間距離が小さくなるように傾斜した傾斜部が設けられている、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項6】
請求項4に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記立設部は、前記回転駆動部が前記被取付部材に取り付けられた状態で前記取付部材の側面部から所定の離間距離離れた位置に形成されている、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項7】
請求項1に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記位置決部は、前記被取付部材に設けられた孔部であり、
前記被位置決部は、前記回転駆動部に設けられて前記取付部材から前記被取付部材側に突出した突出部であり、
前記回転駆動部が前記被取付部材に取り付けられたときに、前記突出部が前記孔部に挿通されることにより前記回転駆動部が前記被取付部材に対して位置決めされる、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項8】
請求項7に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記隙間距離は、前記突出部の前記取付部材からの突出量と前記取付部の厚みとを合計した合計値以下である、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項9】
請求項1に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記規制部は、前記回転駆動部の回転軸線を間にして前記回転軸線に直交しかつ前記回転軸線を通る仮想直線上の両側の2箇所に少なくとも設けられている、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項10】
請求項1に記載の回転駆動部の取付構造であって、
前記回転駆動部の回転軸に固定された駆動ギヤと、前記駆動ギヤと噛み合う駆動伝達ギヤと、を備え、
前記規制部は、前記回転駆動部の回転軸線と前記駆動伝達ギヤの回転軸線とを通る第1仮想直線に直交する第2仮想直線を間にした両側の領域のうち前記回転駆動部の回転軸側の回転軸側領域に設けられている、ことを特徴とする回転駆動部の取付構造。
【請求項11】
請求項1から請求項10までの何れか1つに記載の回転駆動部の取付構造を備える、ことを特徴とする駆動装置。
【請求項12】
請求項11に記載の駆動装置を備える、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転駆動部の取付構造及び駆動装置並びに画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置は、供給された記録シートに対して画像形成するために、多くの駆動装置を備えている。
【0003】
このような従来の駆動装置として、例えば、位置決部及び被取付部を有する被取付部材と、位置決部に位置決めされる被位置決部を有する回転駆動部と、回転駆動部に固定されて被取付部に取り付けるための取付部を有する取付部材と、を備え、取付部材における取付部が被取付部材における被取付部に固定されることにより回転駆動部における被位置決部が被取付部材における位置決部に位置決めされた状態で回転駆動部が被取付部材に取付部材を介して取り付けられる駆動装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
詳しくは、特許文献1には、組立作業性の良化と、モーターやギヤが傷つくことの抑制を目的として、モーターと、モーターが嵌合して固定される第一の孔と、第一の孔と連通して形成された第二の孔を有する側板と、モーターが第一の孔に固定されたときにモーターと係合し、モーターから駆動力が伝達されて回転可能となるギヤと、第二の孔を覆う可撓性を有するカバー部材であって、モーターのシャフト部が第二の孔に挿入される際にシャフト部と接触するカバー部材と、を備える駆動装置が開示されている。
【0005】
図15は、従来の駆動装置200Xの一例において、駆動ギヤ233と駆動伝達ギヤ400とが噛み合う様子を被取付部材210側から示す斜視図である。
図16は、回転駆動部230に固定された取付部材220を、回転軸232側から見た斜視図である。
【0006】
例えば、駆動装置200Xは、
図15に示すように、回転駆動部230(駆動モーター)の回転軸232が、被取付部材210の位置決部211に配置(この例では挿通)され、回転軸232に固定された駆動ギヤ233が、駆動伝達ギヤ400と噛み合うことで、回転駆動力を発生させる。回転駆動部230は、
図16に示すように、被位置決部231を備えている。取付部材220は、回転駆動部230に固定されており、複数(この例では4つ)の取付部221~221を有している。
【0007】
図17は、従来の駆動装置200Xにおいて構成を簡略化した被取付部材210に取付部材220を取り付ける前の状態を示す斜視図であり、
図18A及び
図18Bは、従来の駆動装置200Xで発生し得る不都合を説明するための断面図である。
図19Aは、従来の駆動装置200Xで
図18Aの状態から取付部221~221を固定した場合の断面図である。
図19Bは、従来の駆動装置200Xで
図18Bの状態から取付部221~221を固定した場合の断面図である。
【0008】
従来の駆動装置200Xにおいて、回転駆動部230を
図17に示す状態から被取付部材210に取付部材220を介して取り付けるにあたっては、まず、回転駆動部230の回転軸232及び回転駆動部230に固定された被位置決部231(
図16参照)を被取付部材210の位置決部211に配置(挿通)することで、被位置決部231が位置決部211に位置決めされた状態となる。次に、取付部材220の取付部221~221を被取付部材210の複数(この例では4つ)の被取付部212~212に対向させた状態で複数(この例では3つ)の締結部材300~300(この例では雄螺子)を、被取付部212~212に設けられた被締結部213~213(この例では3つの雌螺子)に締結して固定する。これにより、回転駆動部230が被取付部材210に取付部材220を介して取り付けられる。
【0009】
この取付作業にあたっては、
図18Aに示すように、回転駆動部230の回転軸線αが被取付部材210に対して垂直となるように被位置決部231を位置決部211に配置することで、
図19Aに示すように取付部221~221を被取付部212~212に固定する必要がある。
【0010】
しかしながら、従来の駆動装置200Xにおいては、
図18Bに示すように、回転駆動部230の回転軸線αが被取付部材210に対して垂直から傾いた状態で被位置決部231が位置決部211に配置(挿通)され、すなわち、被位置決部231が位置決部211に確実に配置(挿通)されず、さらには、被位置決部231が被取付部材210に対して乗り上げている状態になる場合があった。このような状態に取付作業者が気づかず、そのまま取付部材220の取付部221を被取付部材210の被取付部212に対向させた状態で締結部材300~300(この例では雄螺子)を被締結部213~213(この例では雌螺子)に締結して固定してしまうことがある。この場合、回転駆動部230における被位置決部231が被取付部材210の位置決部211に位置決めされる構成を駆動装置200Xが備えているにもかかわらず、被取付部材210に対して回転駆動部230の回転軸線αが垂直から傾いた状態で取り付けられてしまう。そうすると、例えば、駆動ギヤ233からの回転駆動力を駆動伝達ギヤ400により確実に伝達することができない、といった不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この点に関し、特許文献1に記載の駆動装置では、組立作業性の良化やモーター等が傷つくことの抑制のために上記第二の孔や上記カバー部材を備えるが、従来の駆動装置と同様に回転駆動部の回転軸線が被取付部材に対して垂直から傾いた状態で取り付けられてしまうおそれがある。加えて、従来の駆動装置が有するこのような問題について特許文献1には何ら記載されていない。
【0013】
そこで、本開示は、回転駆動部が傾いて取り付けられることを抑制することができる回転駆動部の取付構造及び駆動装置並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本開示は、次の回転駆動部の取付構造及び駆動装置並びに画像形成装置を提供する。
【0015】
(1)回転駆動部の取付構造
本開示に係る回転駆動部の取付構造は、位置決部及び被取付部を有する被取付部材と、前記位置決部に位置決めされる被位置決部を有する回転駆動部と、前記被取付部に取付けられる取付部を有し、前記回転駆動部に固定される取付部材と、を備え、前記取付部材の前記取付部が前記被取付部材の前記被取付部に固定されることによって、前記回転駆動部の前記被位置決部が前記被取付部材の前記位置決部に位置決めされた状態で前記回転駆動部が前記被取付部材に取り付けられる回転駆動部の取付構造であって、前記被取付部の前記取付部材側の少なくとも一部を所定の隙間距離をおいて覆う規制部を更に備える、ことを特徴とする。
【0016】
(2)駆動装置
本開示に係る駆動装置は、前記本開示に係る回転駆動部の取付構造を備えることを特徴とする。
【0017】
(3)画像形成装置
本開示に係る画像形成装置は、前記本開示に係る駆動装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本開示によると、回転駆動部が傾いて取り付けられることを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施の形態に係る画像形成装置を正面から見た概略断面図である。
【
図2】本実施の形態に係る駆動装置において、駆動ギヤと駆動伝達ギヤとが噛み合う様子を被取付部材側から示す斜視図である。
【
図3A】第1の実施形態に係る被取付部材の斜視図である。
【
図3B】第1の実施形態に係る被取付部材の斜視図である。
【
図4A】回転駆動部に固定された取付部材を、回転軸側から見た斜視図である。
【
図4B】回転駆動部に固定された取付部材を、回転軸側から見た底面図である。
【
図4C】回転駆動部に固定された取付部材の側面図である。
【
図4D】回転駆動部に固定された取付部材の正面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る駆動装置において、取付部材を被取付部材に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【
図6A】第1の実施形態に係る駆動装置において、取付部材を被取付部材に取り付ける際の取付方向を説明する斜視図である。
【
図7】第1の実施形態に係る駆動装置の正面図である。
【
図8】第1の実施形態に係る駆動装置の側面図である。
【
図9】第1の実施形態に係る駆動装置における規制部部分を示す斜視図である。
【
図10】第2の実施形態に係る駆動装置の、取付部材を被取付部材に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【
図11】第2の実施形態に係る駆動装置において、取付部材を被取付部材に取り付ける際の取付方向を説明する斜視図である。
【
図12】第2の実施形態に係る駆動装置の正面図である。
【
図13】第2の実施形態に係る駆動装置の斜視図である。
【
図14】第3の実施形態に係る駆動装置における駆動ギヤ及び駆動伝達ギヤと、規制部との位置関係を説明するための底面図である。
【
図15】従来の駆動装置の一例において、駆動ギヤと駆動伝達ギヤとが噛み合う様子を被取付部材側から示す斜視図である。
【
図16】回転駆動部に固定された取付部材を、回転軸側から見た斜視図である。
【
図17】従来の駆動装置において構成を簡略化した被取付部材に取付部材を取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【
図18A】従来の駆動装置で回転駆動部が傾かずに取付部材に取り付けられた状態を示す側面図である。
【
図18B】従来の駆動装置で回転駆動部が傾いて取付部材に取り付けられた状態を示す側面図である。
【
図19A】従来の駆動装置で
図18Aの状態から取付部を固定した場合の断面図である。
【
図19B】従来の駆動装置で
図18Bの状態から取付部を固定した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[画像形成装置]
図1は、本開示の実施形態に係る画像形成装置を正面から見た概略断面図である。
【0021】
本実施の形態に係る画像形成装置100は、用紙等の記録シートPに対して多色及び単色の画像を形成するカラー画像形成装置である。画像形成装置100は、原稿読取装置90により読み取られた画像データ、又は、外部から伝達された画像データに応じて、画像形成処理を行う。なお、画像形成装置100は、他の形態のカラー画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置100は、モノクロ画像形成装置であってもよい。
【0022】
画像形成装置100は、原稿読取装置90と、画像形成装置本体110とを備えている。画像形成装置本体110には、画像形成部102とシート搬送系103とが設けられている。
【0023】
画像形成部102は、露光装置1(露光ユニット)、複数の現像装置2BK,2C,2M,2Y(現像ユニット)、像担持体として作用する複数の感光体ドラム3~3、複数のクリーニング装置4BK,4C,4M,4Y(感光体クリーニングユニット)、複数の帯電装置5~5、中間転写ベルト装置6、クリーニング装置4T(ベルトクリーニングユニット)、複数のトナーカートリッジ15~15及び定着装置7(定着ユニット)を備えている。また、シート搬送系103は、給紙トレイ81、排出ローラ31及び排出トレイ14を備えている。ここで、BK,C,M,Yは、それぞれ、黒色、シアン、マゼンタ、イエローを意味する。現像装置2BK,2C,2M,2Yは、現像剤により感光体ドラム3~3上の静電潜像を現像してトナー像を形成する。中間転写ベルト装置6は、複数の中間転写ローラ65~65及び中間転写ベルト61を備えている。中間転写ローラ65~65は、中間転写ベルト61の内側に設けられている。中間転写ベルト61は、所定の周回移動方向Mに周回移動する。中間転写ローラ65~65は、感光体ドラム3~3の表面に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61の周回移動に伴い従動回転しつつ中間転写ベルト61に重ねて転写する。
【0024】
画像形成装置本体110の上部には、図示しない原稿の画像を読み取るための原稿読取装置90が設けられている。原稿読取装置90は、原稿の画像を読み取るものであり、原稿搬送部90aと、原稿読取部90bとを備えている。原稿読取装置90は、原稿搬送部90aにて原稿を搬送しつつ原稿の画像を原稿読取部90bで読み取るか、又は、原稿読取部90bの原稿台上に載置された原稿を原稿読取部90bでスキャンして読み取る。原稿読取装置90で読み取られた原稿の画像は、画像データとして画像形成装置本体110に送られ、記録シートP上に画像が記録される。
【0025】
画像形成装置本体110にはシート搬送路W1が設けられている。シート供給部11aは、記録シートPをシート搬送路W1に供給する。シート搬送路W1は、記録シートPを2次転写装置10の転写ローラ10a及び定着装置7を経て排出トレイ14に導く。定着装置7は、記録シートP上に形成されたトナー像を記録シートPに加熱定着する。シート搬送路W1の近傍には、シート供給部11a、複数の搬送ローラ12a~12a、レジストローラ13、転写ローラ10a、定着装置7における定着ローラ71及び加圧ローラ72、排出ローラ31が配設されている。
【0026】
画像形成装置100では、給紙トレイ81からシート供給部11aにて供給された記録シートPは搬送ローラ12a~12aを経てレジストローラ13まで搬送される。次に、記録シートPはレジストローラ13により記録シートPと中間転写ベルト61上のトナー
像とを整合するタイミングで転写ローラ10aに搬送され、転写ローラ10aによりトナー像が記録シートP上に転写される。その後、記録シートPは定着装置7における定着ローラ71及び加圧ローラ72に通過し、搬送ローラ12a,12a及び排出ローラ31を経て排出トレイ14上に排出される。記録シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、記録シートPは排出ローラ31から反転シート搬送路W2へ逆方向に搬送される。記録シートPは反転搬送ローラ12b~12bを経て記録シートPの表裏を反転してレジストローラ13へ再度導かれる。そして、記録シートPは、表面と同様にして、裏面にトナー像が形成されて定着された後、排出トレイ14へ向けて排出される。
【0027】
[駆動装置]
図2は、本実施の形態に係る駆動装置200において、駆動ギヤ233と駆動伝達ギヤ400とが噛み合う様子を被取付部材210側から示す斜視図である。
図3A及び
図3Bは、第1の実施形態に係る被取付部材210の斜視図である。
図4A及び
図4Bは、それぞれ、回転駆動部230に固定された取付部材220を、回転軸232側から見た斜視図及び底面図である。
図4C及び
図4Dは、それぞれ、回転駆動部230に固定された取付部材220の側面図及び正面図である。また、
図5は、第1の実施形態に係る駆動装置200において、取付部材220を被取付部材210に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【0028】
次に、本実施の形態に係る駆動装置について説明するが、駆動装置は、例えば、画像形成装置100において、原稿搬送部90a、シート搬送系103、中間転写ベルト装置6、現像装置2BK,2C,2M,2Y、定着装置7等の駆動装置に用いることができ、以下では、それには限定されないが、定着装置7の定着ローラ71を駆動する駆動装置200について説明する。
【0029】
本実施の形態に係る回転駆動部230(具体的には駆動モーター)の取付構造を備えた駆動装置200は、被取付部材210と、回転駆動部230と、取付部材220と、を備えている。被取付部材210は、位置決部211及び被取付部212(212~212)(
図3A、
図3B参照)を有している。回転駆動部230は、被位置決部231を有し、被位置決部231が被取付部材210の位置決部211に位置決めされる。取付部材220は、回転駆動部230に固定されている。また、取付部材220は、被取付部212に取り付けるための取付部221(221~221)を有している。
【0030】
駆動装置200は、取付部材220の取付部221が被取付部材210の被取付部212に固定されることによって、回転駆動部230の被位置決部231が被取付部材210の位置決部211に位置決めされた状態で取付部材220を介して被取付部材210に取り付けられる。
【0031】
詳しくは、被取付部材210は、板状の部材で形成されており、金属からなる板金とされている。被取付部材210には、取付部材220が取り付けられる被取付平面210aに直交する直交方向T(厚み方向)に貫通した孔部211a(貫通孔)(
図3A、
図3B参照)が設けられており、孔部211aが位置決部211を構成している。この例では、孔部211aの形状は、円形状とされている。なお、後述するように、回転駆動部230を被取付部材210に取付部材220を介して取り付ける際に、回転駆動部230の回転軸232を被取付部材210に対して斜めにして孔部211aに挿通させる観点から、孔部211aに隣接して連通する切欠孔210bが設けられている。
図2に示すように、被取付部材210の回転駆動部230との取付側とは反対側に固定された駆動伝達ギヤ軸400a,400aには、駆動伝達ギヤ400,400が回転自在に支持されている。
【0032】
また、
図3A及び
図3Bに示すように、被取付部材210の被取付部212は、取付部材220が被取付部材210に取り付けられたときの取付部221と接触すべき部分である。取付部材220は、被取付部材210に取り付けられたときの取付部材220に対応する取付領域β(
図3A参照)において1つ又は複数の仮想直線γ(γ1,γ2)上にそれぞれ1対又は複数対(この例では2対)設けられている。ここで、仮想直線γ(γ1,γ2)は、取付部材220が正規に被取付部材210に取り付けられたときの回転駆動部230の回転軸線α(孔部211aの中心C)を間にして回転軸線αに直交しかつ回転軸線α(中心C)を通る直線である。
【0033】
被取付部212は、正規に位置決めされた回転駆動部230の回転軸線αに直交する被取付面212a(212a~212a)を有している。取付部材220の形状は、方形状(長方形状又は正方形状、この例では長方形状)とされている。従って、取付領域βの形状も取付部材220の形状に対応する同一形状とされている。この例では、被取付部212は、長方形状の取付領域βの四角に設けられている。被取付部212には、締結部材300(300~300)(この例では雄螺子)に締結される複数の被締結部213(213~213)(この例では3つの雌螺子)が設けられている。
【0034】
回転駆動部230は、回転駆動部本体230aと、ドライバー基板230bとで構成されている。回転駆動部本体230aは、回転軸線αを中心として回転軸線方向Xにおける被取付部材210側の位置決面231a(
図4C参照)から突出した突出部231b(例えば、円柱部や円筒部等の平面視で円形状の突出部、この例では円筒部)が設けられており、突出部231bが被位置決部231を構成している。ドライバー基板230bは、回転駆動部本体230aの位置決面231aに固定されている。回転駆動部230の回転軸232には、駆動ギヤ233が固定されている。駆動ギヤ233は、駆動伝達ギヤ400と噛み合う。
【0035】
取付部材220は、板状の部材で形成されており、金属からなる板金とされている。取付部材220には、回転軸線方向X(厚み方向)に貫通した貫通孔220aが設けられている。また、取付部221は、取付部材220において被取付部材210の被取付部212に対応する箇所に設けられている。この例では、貫通孔220aが回転駆動部230における回転駆動部本体230aの突出部231bに圧入されている。取付部221は、長方形の取付部材220の本体の四角のコーナー部から回転軸線方向Xにおける被取付部材210側に折り曲げて形成されている。取付部221は、回転軸線αに直交する取付面221a(221a~221a)を有している。取付部221は、締結部材300により被取付部212に固定される。取付部221には、取付部材220を被取付部材210に締結部材300によって締結するための複数(この例では4つ)の締結部221b(221b~221b)が設けられている。具体的には、取付部材220の取付面221a上には、被取付部材210の被取付面212aが重ねられる。締結部材300(300~300)の雄螺子部301(301~301)は、取付部221の締結部221b(締結孔)に挿通された状態で被取付部212の被締結部213に締結される。これにより、取付部材220が被取付部材210に固定される。(
図5)
例えば、4つ以上(この例では3つ)の被取付部212~212のうち3箇所に被締結部213~213が設けられており、残りの被取付部212には、取付部221の締結部221bに挿通される位置決突起部210cが取付部材220側に突設されている。
【0036】
ところで、従来の構成では、前述したとおり、回転駆動部230の回転軸線αが被取付部材210に対して垂直から傾いた状態で取り付けられてしまう場合があり、そうすると、例えば、駆動ギヤ233からの回転駆動力を駆動伝達ギヤ400により確実に伝達することができない、といった不都合があった。
【0037】
(本実施の形態について)
この点、本実施の形態では、駆動装置200は、次のような構成とされている。
【0038】
本実施の形態に係る駆動装置200について、第1の実施形態から第3の実施形態に分けて、
図2から
図14を参照しながら説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
図6Aは、第1の実施形態に係る駆動装置200において、取付部材220を被取付部材210に取り付ける際の取付方向を説明する斜視図である。
図6Bは、
図6Aに示すδ部分を示す斜視図である。
図7及び
図8は、それぞれ、第1の実施形態に係る駆動装置200の正面図及び側面図である。また、
図9は、第1の実施形態に係る駆動装置200における規制部214部分を示す斜視図である。
【0040】
被取付部材210の被取付部212には被締結部213が設けられており、被取付部材210に対して取付部材220を取り付けるにあたっては、被取付部材210の被締結部213と、取付部221における締結部221bとの位置を合わせたうえで、締結部材300を用いて締結する。
【0041】
被取付部材210には、被取付部212の少なくとも一部を所定の隙間距離d1(
図6B、
図9参照)をおいて覆う規制部214が設けられている。ここで、規制部214は被取付部材210の被取付部212の取付部材220側の少なくとも一部を所定の隙間距離d1をおいて覆っている。このように規制部214が設けられていることで、
図15から
図19Bに示す従来の駆動装置200Xのように取付部材220を被取付部材210に取り付けるにあたり、被取付部212の位置と被取付部212に対応する取付部221の位置とを被取付部材210の被取付平面210aに沿った方向で揃えた状態で、回転軸232を被取付平面210aに直交する直交方向Tに沿って真っ直ぐに配置(挿通)しようとすると、取付部材220の取付部221が被取付部材の規制部214にぶつかってしまう。換言すると、規制部214は、取付部材220の被取付部材210への取付方向を規制している。
【0042】
次に、本実施の形態において、回転駆動部230を被取付部材210に取付部材220を介して取り付ける手順について説明する。
【0043】
上述したとおり、駆動装置200が規制部214を備えることにより、被取付部212の位置とそれに対応する取付部221の位置とを被取付部材210の被取付平面210aに沿った方向で揃えた状態で、回転軸232を位置決部211に被取付平面210aに直交する直交方向Tに沿って真っ直ぐに配置(挿通)することはできないため、取付作業者は、
図6Aに示すように、取付部材220の取付部221が被取付部材210の規制部214にぶつからない位置から、位置決部211に対して被位置決部231を配置(挿通)させ、規制部214と被取付部212との隙間D(
図6B参照)に取付部221を挿入させるときに取付部材220を回転軸232の回転軸線α回りの周方向Rの一方側R1に回しながら、被位置決部231が位置決部211に位置決めされた状態とすることができる。このように、本実施の形態に係る駆動装置200が備える取付構造は、取付作業にあたって取付部221を規制部214と被取付部212との間の被取付平面210aに直交する直交方向Tに沿った隙間Dに挿入させる構成とされている。こうすることで、取付部材220を直交方向Tに移行させる取付作業に加えて周方向Rの一方側R1に回すという取付作業を取付作業者に対して行わせる必要がある。このため、取付作業において被位置決部231の位置決部211への位置決め作業の意識付けを促すことができる。これにより、被位置決部231を位置決部211に確実に配置(挿通)させることができる。つまり、被位置決部231が位置決部211に位置決めされる前に、取付部材220が被取付部材210に対して従来よりも大きな角度(例えば10度以上)をつけてから取り付けられることになるため、取付作業において被位置決部231を位置決部211へ正しく位置決めしようとする意識付けをさらに促すことができる。
【0044】
従って、本実施の形態に係る回転駆動部230の取付構造を備えた駆動装置200は、回転駆動部230が傾いて取り付けられることを抑制することが可能となる。
【0045】
ところで、締結部材300を取付部221における締結部221bを介して被取付部212における被締結部213に締結する場合には、被位置決部231を位置決部211に確実に配置(挿通)させたとしても、締結部221bが4箇所以上あると、締結部221bを介して締結部材300を被締結部213に締結する際に、被取付部材210に対する取付部材220の歪みが生じることがあり、この歪み等により回転駆動部230の回転軸232が被取付部材210の被取付平面210aに対して傾いた状態になる場合がある。従って、締結部221bは3箇所にすることが好ましい。
【0046】
この点、本実施の形態では、規制部214は、締結部221bの少なくとも一部を覆う。この例では、
図7の左上側における規制部214は、位置決突起部210cを挿通した締結部221bを覆う。こうすることで、締結部221bが4箇所以上あったとしても、不要な締結部221bに対しては規制部214で覆うことができ、そうすると、規制部214が邪魔になり、締結部221bに対して締結部材300で締結することができず、これにより、被締結部213を実質的に3箇所にすることができる。従って、締結部221bを介して締結部材300を被締結部213に締結する際に取付部材220の被取付部材210に対する歪み等により回転駆動部230の回転軸232が被取付平面210aに対して傾いた状態になることを効果的に防止することができる。
【0047】
本実施の形態において規制部214は、被取付部材210の一部が折り曲げられて形成されている。被取付部材210の一部が折り曲げて規制部214とすることで、規制部214を簡便に形成することができ、またコスト面でも有利である。
【0048】
本実施の形態において規制部214は、被取付部材210から取付部材220側に立設した立設部215と、立設部215から被取付部212に向けて延設した延設部216とを有し、延設部216が被取付部212の取付部材220側を覆っている。
【0049】
規制部214を立設部215と延設部216とで構成することで、被取付部212や被締結部213の少なくとも一部を所定の隙間距離d1をおいて簡便に覆うことができる。また、被取付部212を覆うように設けられた延設部216により、取付作業者による取付作業時に回転駆動部230が傾いた状態で被取付部材210に取り付けられることを確実に抑制することができる。
【0050】
この例では、規制部214は、金属からなる板金(例えば亜鉛メッキ鋼板など)とされた被取付部材210の端縁部において一部を取付部材220側に直交方向Tに沿って折り曲げて立設部215を形成し、折り曲げた先端部の側面をさらに被取付部212を覆うように折り曲げて延設部216を形成したものである。
【0051】
また、
図3A、
図3B、
図6A及び
図6Bに示すように、本実施の形態において、延設部216には、立設部215とは反対側に立設部215に向けて隙間距離d1(延設部216と被取付部212との隙間距離)が小さくなるように傾斜した傾斜部217が設けられている。
【0052】
こうすることで、取付部材220の被取付部材210への取付作業時において、取付部221を隙間Dに挿入するときに、傾斜部217の傾斜によって取付部材220を被取付部212に近接させつつ隙間Dに向けて誘導することができる(特に
図6B参照)。また、傾斜部217が設けられていることにより取付部材220を隙間Dに誘導しながら被位置決部231を位置決部211に確実に配置(挿通)させ易くすることができる。これにより、回転駆動部230が傾いた状態で取り付けられることをさらに抑制することができる。
【0053】
ところで、取付部材220を被取付部材210に取り付けるにあたり、取付部材220を回転軸線α回りの周方向Rの一方側R1に回しながら取付部221を被取付部212の位置に合わせるが、このとき、取付部221が被取付部212から大幅にずれて、取付部材220を周方向Rの一方側R1に回し過ぎることがある。
【0054】
この点、立設部215は、回転駆動部230が被取付部材210に取り付けられた状態で取付部材220の側面部から所定の離間距離d2(
図8、
図9参照)離れた位置に形成されている。
【0055】
こうすることで、取付部材220を被取付部材210に取り付けるにあたり、取付部材220を回転軸線α回りの周方向Rの一方側R1に回しながら取付部221を被取付部212の位置に合わせるときに、取付部221が被取付部212の位置を過ぎても、
図9に示すように、取付部221の立設部215側の側面部221cを立設部215の取付部221側の側面部215aに当接させることができる。これにより、取付部221が被取付部212から大幅にずれることを効果的に防止することができ、すなわち、取付部材220の周方向Rの一方側R1への回し過ぎを回避することができる。
【0056】
なお、本実施の形態において、位置決部211は被取付部材210に設けられた孔部211a(貫通孔)であり、被位置決部231は回転駆動部本体230aに設けられて取付部材220から被取付部材210側に突出した突出部231b(この例では円筒部)である。回転駆動部230が被取付部材210に取り付けられたときに、突出部231bが孔部211a(貫通孔)に挿通されることにより回転駆動部230が被取付部材210に対して位置決めされる。つまり、突出部231bが孔部211aにしっかりと挿通されず、例えば、突出部231bが被取付部材210に乗り上げている状態では、突出部231bの取付部材220からの突出量だけ取付部材220が浮き上がった状態となる。
【0057】
この点、本実施の形態における延設部216と被取付部212との隙間距離d1は、突出部231bの取付面221aからの突出量d3(
図4A参照)と、取付部221の厚みd4(
図9参照)とを合計した合計値(d3+d4)以下である。
【0058】
こうすることで、突出部231bが被取付部材210に乗り上げている状態では規制部214に取付部221を挿入することができないため、突出部231bが孔部211aに確実に配置(挿通)された状態とすることができ、ひいては取付部221と被取付部212とを確実に固定することができる。従って、取付作業時に回転駆動部230が傾いた状態で取り付けられることを効果的に防止することができる。
【0059】
被取付部212(この例では、同一平面上の被取付部212)に取付部221を取り付けるために、被取付部材210の被取付部212は3箇所以上あることが好ましい。しかし、取付部材220の被取付部材210に対する歪み等により回転駆動部230が斜めになることを防止するという観点から、締結部材300にて締結するのは3箇所であることが好ましい。規制部214は、被取付部212のうち少なくとも1箇所に設けられていればよいが、
図3Aに示すように、取付部材220が正規に被取付部材210に取り付けられたときの回転駆動部230の回転軸線αを間にして回転軸線αに直交しかつ回転軸線αを通る仮想直線γ(γ1,γ2)上の両側の2箇所に少なくとも設けられていることが好ましい。このように少なくとも2箇所に規制部214が設けられていることで、回転駆動部230が傾いた状態で取り付けられることを効果的に抑制することができる。
【0060】
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る駆動装置200の、取付部材220を被取付部材210に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
図11は、第2の実施形態に係る駆動装置200において、取付部材220を被取付部材210に取り付ける際の取付方向を説明する斜視図である。
図12及び
図13は、それぞれ、第2の実施形態に係る駆動装置200の正面図及び斜視図である。
【0061】
第2の実施形態において、第1の実施形態と実質的に同じ構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
第2の実施形態では、
図10から
図13に示すように、第1の実施形態から規制部214の形状が異なっているが、金属からなる板金とされている被取付部材210の一部を折り曲げて規制部214を複数箇所(この例では2箇所)に形成している。規制部214,214は、被取付部材210に対して垂直に切り起して形成した立設部215と、立設部215の先端部を被取付部212に向けて被取付平面210aに沿うように延設した延設部216とを有している。
【0063】
第2の実施形態に係る被取付部材210に対する取付部材220の取り付け手順も第1の実施形態の取り付け手順と同様であるが、
図11に示すように、規制部214,214の立設部215,215が取付部221,221の側面部221c,221cに当接するように設けられている。これにより、取付部221が被取付部212から大幅にずれることを効果的に防止することができ、すなわち、取付部材220の周方向Rの一方側R1への回し過ぎを回避することができる。
【0064】
また、第2の実施形態に係る規制部214,214は、
図10に示すように、被取付部212が設けられる取付領域βの四角のうちの対角線上の2箇所において、板金からなる被取付部材210の一部が折り曲げられて形成されている。これにより、規制部214を簡便に形成することができ、またコスト面でも有利である。また、被締結部213を実質的に3箇所にするために、複数箇所の規制部214,214のうち、何れかの規制部214が被取付部212における被締結部213の少なくとも一部を覆っている。つまり、被締結部213を実質的に3箇所にすることができる。従って、締結部221bを介して締結部材300を被締結部213に締結する際に取付部材220の被取付部材210に対する歪み等により回転駆動部230が被取付平面210aに対して傾いた状態になることを効果的に防止することができる。
【0065】
(第3の実施形態)
図14は、第3の実施形態に係る駆動装置200における駆動ギヤ233及び駆動伝達ギヤ400と、規制部214との位置関係を説明するための底面図である。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態に適用することができるが、
図14では第1の実施形態及び第2の実施形態の例として1つの図で示している。また、
図14において、被取付部材210は図示を省略している。
【0066】
被取付部材210の被取付平面210aとは反対側の面において、通常は、駆動ギヤ233が駆動伝達ギヤ400(この例では2つの駆動伝達ギヤ400,400)に噛み合う(
図2参照)。このため、被取付部材210に取付部材220を取り付けるにあたっては、取付作業者は駆動ギヤ233が駆動伝達ギヤ400(400,400)と接触しない方向に回転駆動部230を傾けながら、被位置決部231を位置決部211に配置(挿通)する傾向にある。そのため、
図14に示すように、複数(この例では4つ)の取付部221~221(2211~2214)のうち、回転軸側領域ωに存在する取付部221(2213)が浮いて取り付けられ易い。ここで、回転軸側領域ωは、回転駆動部230の回転軸線αと駆動伝達ギヤ400(400,400)の回転軸線φ(φ1,φ2)とを通る第1仮想直線ε(ε1,ε2)に直交する第2仮想直線λ(λ1,λ2)を間にした両側の領域のうち回転駆動部230の回転軸232側の領域である。この例では、回転軸側領域ωは、一方の第2仮想直線λ(λ1)の回転軸232側の領域と、他方の第2仮想直線λ(λ2)の回転軸232側の領域との2つの領域が重複する領域である。
【0067】
そこで、第3の実施形態においては、規制部214は、回転駆動部230の回転軸線αと駆動伝達ギヤ400(400,400)の回転軸線φ(φ1,φ2)とを通る第1仮想直線ε(ε1,ε2)に直交する第2仮想直線λ(λ1,λ2)を間にした両側の領域のうち回転駆動部230の回転軸232側の回転軸側領域ωに設けられている。この例では、
図14における取付部221(2213)に対応する被取付部212に対して規制部214が設けられている。従って、浮いて取り付けられ易い取付部221(2213)において回転駆動部230が傾いた状態で取り付けられることを効果的に抑制することができる。
【0068】
(その他の実施の形態)
以上説明した本実施の形態では、回転駆動部230の取付構造を駆動装置200に備えるようにしたが、それに限定されるものではなく、例えば、回転駆動部の取付構造を画像形成装置本体110の本体フレームに設け、回転駆動部を画像形成装置本体110の本体フレームに取り付けるようにしてもよい。
【0069】
本開示は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0070】
画像形成装置 100
駆動装置 200
被取付部材 210
位置決部 211
孔部 211a
被取付部 212
被締結部 213
規制部 214
立設部 215
延設部 216
傾斜部 217
取付部材 220
取付部 221
締結部 221b
回転駆動部 230
回転駆動部本体 230a
被位置決部 231
突出部 231b
回転軸 232
駆動ギヤ 233
締結部材 300
駆動伝達ギヤ 400
隙間 D
周方向 R
回転軸線方向 X
隙間距離 d1
離間距離 d2
突出量 d3
回転軸線 α
回転軸線 φ
取付領域 β
仮想直線 γ
第1仮想直線 ε
第2仮想直線 λ
回転軸側領域 ω