(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162567
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】薬液ヒーティング装置およびそれを備える基板処理システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20231101BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H01L21/304 648K
H01L21/306 R
H01L21/304 643A
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022072972
(22)【出願日】2022-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サ,ヨン キ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ド ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョ,ピル キュン
【テーマコード(参考)】
5F043
5F157
【Fターム(参考)】
5F043DD06
5F043DD13
5F043DD30
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE27
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157CD33
5F157CE36
5F157CF34
5F157CF42
5F157DB02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光源を媒介体とする発熱体を用いて薬液をヒーティングする薬液ヒーティング装置及びそれを備える基板処理システムを提供する。
【解決手段】薬液ヒーティング装置220は、基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路340と、流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体330と、発熱体に光を照射する光源310を含む。発熱体は、光子励起を用いて発熱され、薬液を加熱する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱する、薬液ヒーティング装置。
【請求項2】
前記発熱体をカバーするカバー部材をさらに含む、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項3】
前記カバー部材は前記光を透過させる、請求項2に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項4】
前記カバー部材は石英(Quartz)を含んで製造される、請求項3に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項5】
前記発熱体は前記薬液が前記流路を通過する前に予め定められた温度まで昇温する、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項6】
前記発熱体は前記薬液と反応しない物質を素材として製造される、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項7】
前記発熱体は単結晶シリコンで製造される、請求項6に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項8】
前記発熱体はシリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、シリコンジオキシド(SiO2)および窒化アルミニウム(AlN)の少なくとも一つの成分を含んで製造される、請求項6に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項9】
前記発熱体は幅方向に十字形状およびリング形状のいずれか一つの形状を有する、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項10】
前記流路の排出口に連結されて前記薬液の温度を測定する温度センサをさらに含み、
前記薬液の測定温度に基づいて前記発熱体の昇温の有無を確認する、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項11】
前記光源はLEDソースおよびLDソースの少なくとも一つのソースを含む、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項12】
前記発熱体が前記流路の一部を囲むように配置される場合、前記残り部分を囲むように配置される側壁部材をさらに含む、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項13】
前記側壁部材は前記薬液と反応しない物質を素材として製造される、請求項12に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項14】
基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源と、
前記発熱体をカバーし、前記光を透過させるカバー部材を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱する、薬液ヒーティング装置。
【請求項15】
基板を処理するのに用いられる薬液を貯蔵する薬液貯蔵装置と、
前記基板に前記薬液を噴射して前記基板が処理されるようにする噴射部材と、
前記薬液が前記薬液貯蔵装置から前記噴射部材に移動する経路上に設けられる薬液ヒーティング装置を含み、
前記薬液ヒーティング装置は、
前記薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、 前記薬液を加熱する、基板処理システム。
【請求項16】
前記薬液ヒーティング装置は、
前記発熱体をカバーし、前記光を透過させるカバー部材をさらに含む、請求項15に記載の基板処理システム。
【請求項17】
前記発熱体は前記薬液が前記流路を通過する前に予め定められた温度まで昇温する、請求項15に記載の基板処理システム。
【請求項18】
前記発熱体は前記薬液と反応しない物質を素材として製造される、請求項15に記載の基板処理システム。
【請求項19】
前記発熱体は幅方向に十字形状およびリング形状のいずれか一つの形状を有する、請求項15に記載の基板処理システム。
【請求項20】
前記薬液ヒーティング装置は、
前記流路の排出口に連結されて前記薬液の温度を測定する温度センサをさらに含み、
前記薬液の測定温度に基づいて前記発熱体の昇温の有無を確認する、請求項15に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬液ヒーティング装置およびそれを備える基板処理システムに関する。より詳細には、基板洗浄に適用できる薬液ヒーティング装置およびそれを備える基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造する工程は半導体製造設備内で連続的に行われることができ、前工程および後工程に分けられる。半導体製造設備は半導体素子を製造するために一般的にファブ(FAB)で定義される空間に設けられる。
【0003】
前工程はウエハ(Wafer)上に回路パターンを形成してチップ(Chip)を完成する工程をいう。前工程はウエハ上に薄膜を形成する蒸着工程(Deposition Process)、フォトマスク(Photo Mask)を用いて薄膜上にフォトレジスト(Photo Resist)を転写する露光工程(Photo-Lithography Process)、ウエハ上に所望する回路パターンを形成するために化学物質や反応性ガスを用いて必要ない部分を選択的に除去するエッチング工程(Etching Process)、エッチングした後に残っているフォトレジストを除去するアッシング工程(Ashing Process)、回路パターンと連結される部分にイオンを注入して電子素子の特性を有するようにするイオン注入工程(Ion Implantation Process)、ウエハ上で汚染源を除去する洗浄工程(Cleaning Process)などを含むことができる。
【0004】
後工程は前工程により完成された製品の性能を評価する工程をいう。後工程はウエハ上のそれぞれのチップに対して動作の有無を検査して良品と不良を選別するウエハ検査工程、ダイシング(Dicing)、ダイボンディング(Die Bonding)、ワイヤボンディング(Wire Bonding)、モールディング(Molding)、マーキング(Marking)などによりそれぞれのチップを切断および分離して製品の形状を備えるようにするパッケージ工程(Package Process)、電気的特性検査、バーンイン(Burn-In)検査などにより製品の特性と信頼性を最終的に検査する最終検査工程などを含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウエハに外形変化を起こすためにFAB工程を行うとウエハ表面に化学的/物理的残留物が残るが、このような残留物を除去する工程が洗浄工程である。
【0006】
洗浄工程は大きく三つの方式に分けられる。化学溶液を用いる湿式洗浄(Wet Cleaning)、溶液以外の媒体を用いる乾式洗浄(Dry Cleaning)、湿式洗浄と乾式洗浄の中間形態である蒸気を用いる蒸気洗浄(Vapor Cleaning)などがこれに該当する。
【0007】
湿式洗浄の場合、IPA、DIなどの薬液を用いて基板を洗浄するが、この際の薬液はヒーティングされた後に基板の洗浄に使用される。しかし、従来には抵抗体を用いて薬液をヒーティングして、洗浄工程時パーティクル(Particle)増加によって収率が低下する問題がある。
【0008】
本発明で解決しようとする課題は、光源を媒介体とする発熱体を用いて薬液をヒーティングする薬液ヒーティング装置、およびそれを備える基板処理システムを提供することにある。
【0009】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を達成するための本発明の薬液ヒーティング装置の一面(aspect)は、基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、前記発熱体に光を照射する光源を含み、前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱する。
【0011】
前記薬液ヒーティング装置は、前記発熱体をカバーするカバー部材をさらに含み得る。
【0012】
前記カバー部材は前記光を透過させ得る。
【0013】
前記カバー部材は石英(Quartz)を含んで製造され得る。
【0014】
前記発熱体は前記薬液が前記流路を通過する前に予め定められた温度まで昇温し得る。
【0015】
前記発熱体は前記薬液と反応しない物質を素材として製造され得る。
【0016】
前記発熱体は単結晶シリコンで製造され得る。
前記発熱体はシリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、シリコンジオキシド(SiO2)および窒化アルミニウム(AlN)の少なくとも一つの成分を含んで製造され得る。
【0017】
前記発熱体は幅方向に十字形状およびリング形状のいずれか一つの形状を有し得る。
【0018】
前記薬液ヒーティング装置は、前記流路の排出口に連結されて前記薬液の温度を測定する温度センサをさらに含み、前記薬液の測定温度に基づいて前記発熱体の昇温の有無を確認し得る。
【0019】
前記光源はLEDソースおよびLDソースの少なくとも一つのソースを含み得る。
前記薬液ヒーティング装置は、前記発熱体が前記流路の一部を囲むように配置される場合、前記残り部分を囲むように配置される側壁部材をさらに含み得る。
【0020】
前記側壁部材は前記薬液と反応しない物質を素材として製造され得る。
【0021】
前記課題を達成するための本発明の薬液ヒーティング装置の他の面は、基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、前記発熱体に光を照射する光源と、前記発熱体をカバーし、前記光を透過させるカバー部材を含み、前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱する。
【0022】
前記課題を達成するための本発明の基板処理システムの一面は、基板を処理するのに用いられる薬液を貯蔵する薬液貯蔵装置と、前記基板に前記薬液を噴射して前記基板が処理されるようにする噴射部材と、前記薬液が前記薬液貯蔵装置から前記噴射部材に移動する経路上に設けられる薬液ヒーティング装置を含み、前記薬液ヒーティング装置は、前記薬液が通過する経路として提供される流路と、前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、前記発熱体に光を照射する光源を含み、前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱する。
【0023】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態による基板処理システムの内部構造を概略的に示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液貯蔵装置、薬液ヒーティング装置および噴射部材の間の接続関係を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の内部構造を示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の内部構造を示す平面図である。
【
図5】
図3および
図4に示された薬液ヒーティング装置を構成する光源の多様な配置構造を説明するための例示図である。
【
図6】
図3および
図4に示された薬液ヒーティング装置を構成する発熱体の多様な形状を説明するための第1例示図である。
【
図7】
図3および
図4に示された薬液ヒーティング装置を構成する発熱体の多様な形状を説明するための第2例示図である。
【
図8】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の性能を評価するための第1試験セットアップ構造図である。
【
図9】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の性能を評価するための第2試験セットアップ構造図である。
【
図10】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の性能を示す第1試験結果である。
【
図11】本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の性能を示す第2試験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現でき、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範囲を知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の技術的範囲によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指すものとする。
【0026】
素子(elements)または層が他の素子または層「の上(on)」または「上(on)」と称される場合は他の素子または層の真上だけでなく中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。一方、素子が「直接上(directly on)」または「真上」と称される場合は中間に他の素子または層を介在しない場合を示す。
【0027】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用されうる。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれられ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0028】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0029】
本明細書で使用される用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書で、単数形は文面で特記しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作および/または素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0030】
他に定義のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解される意味で使用される。また、一般に使用される辞典で定義されている用語は特に明白に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0031】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与して、これに係る重複する説明は省略する。
【0032】
本発明は光源を媒介体とする発熱体を用いて薬液をヒーティングする薬液ヒーティング装置およびそれを備える基板処理システムに関するものである。具体的には、本実施形態で薬液ヒーティング装置は光子励起(Photon Excitation)方式を用いる高清浄の薬液ヒーターとして実現することができる。以下では図面などを参照して本発明について詳しく説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態による基板処理システムの内部構造を概略的に示す断面図である。
【0034】
基板処理システム100は基板を湿式洗浄(Wet Cleaning)するものである。基板処理システム100は例えば、薬液を用いて基板を洗浄する。基板処理システム100は半導体製造設備内で工程チャンバ(Process Chamber)内に提供される。
【0035】
基板処理システム100は薬液を用いて基板を洗浄する場合、例えば、カップ110、支持部材120、昇降ユニット130、噴射部材140および制御器150を含んで構成される。
【0036】
カップ110は基板Wを処理する工程が行われる空間を提供するものである。このようなカップ110はその上部が開放されるように形成される。
【0037】
カップ110は内部回収槽111、中間回収槽112および外部回収槽113を含んで構成される。この時、それぞれの回収槽111,112,113は工程で使用される処理液のうち互いに相異なる処理液を回収する。
【0038】
内部回収槽111は支持部材120を囲む環状のリング形状で提供される。この時、内部回収槽111の内側空間114は処理液が内部回収槽111に流入するようにする流入口として機能する。
【0039】
中間回収槽112は内部回収槽111を囲む環状のリング形状で提供される。この時、内部回収槽111と中間回収槽112の間の空間115は処理液が中間回収槽112に流入するようにする流入口として機能する。
【0040】
外部回収槽113は中間回収槽112を囲む環状のリング形状で提供される。この時、中間回収槽112と外部回収槽113の間の空間116は処理液が外部回収槽113に流入するようにする流入口として機能する。
【0041】
それぞれの回収槽111,112,113はその底面の下方向に垂直に延びる回収ライン117,118,119とそれぞれ連結される。それぞれの回収ライン117,118,119はそれぞれの回収槽111,112,113を介して流入する処理液を外部に排出する。外部に排出される処理液は処理液再生システム(図示せず)により再使用されるように処理される。
【0042】
支持部材120は工程進行中に基板Wを支持して基板Wを回転させるものである。このような支持部材120はカップ110の内部に配置される。
【0043】
支持部材120は本体121、サポートピン(Support Pin;122)、ガイドピン(Guide Pin;123)および第1支持軸124を含んで構成される。
【0044】
本体121は上側から見る時略円形で提供される上部面を有する。このような本体121の底面にはモータ125により回転する第1支持軸124が固定結合される。なお、本体121の上面にはバックノズル(Back Nozzle;図示せず)が設けられる。
【0045】
サポートピン122は本体121上で基板Wの底面を支持するものである。このようなサポートピン122は本体121上に複数提供され得る。
【0046】
複数のサポートピン122は本体121の上部面から上側方向に突出して形成される。また、複数のサポートピン122は本体121の上部面縁に所定間隔で離隔して配置される。複数のサポートピン122は例えば、互いの組み合わせによって全体的に環状のリング形状を有するように配置される。複数のサポートピン122はこのような構成により基板Wが本体121の上部面から一定距離離隔するように基板Wの後面縁を支持することができる。
【0047】
ガイドピン123はチャックピン(Chuck Pin)ともいい、支持部材120が回転する時基板Wが定位置で側方向に離脱しないように基板Wの側部を支持する。このようなガイドピン123はサポートピン122と同様に本体121上に複数提供され得、本体121の上部面から上側方向に突出して形成される。
【0048】
ガイドピン123は本体121の中心でサポートピン122より遠く離れるように配置される。ガイドピン123は本体121の半径方向に沿って待期位置と支持位置の間に直線移動が可能なように提供される。ここで、待期位置は支持位置に比べて本体121の中心から遠く離れた位置を意味する。
【0049】
ガイドピン123は基板Wが支持部材120にローディング時/アンローディング時待期位置に位置し、基板Wに対して工程が行われるとき支持位置に位置し得る。ガイドピン123は支持位置で基板Wの側部と接触し得る。
【0050】
昇降ユニット130はカップ110を上下方向に直線移動させるものである。カップ110が上下方向に直線移動するに伴って、支持部材120に対するカップ110の相対高さが変更され得る。
【0051】
昇降ユニット130はブラケット131、移動軸132および第1駆動器133を含んで構成される。
【0052】
ブラケット131はカップ110の外壁に固定して設けられるものである。このようなブラケット131は第1駆動器133により上下方向に移動する移動軸132と結合する。
【0053】
基板Wが支持部材120上に置かれたり、支持部材120から持ち上げられる時、支持部材120がカップ110の上部に突出するようにカップ110は下降される。また、工程が行われる時、基板Wに供給される処理液の種類によって処理液が既に設定された回収槽111,112,113に流入できるようにカップ110の高さが調節され得る。
【0054】
例えば、第1処理液で基板Wを処理する間、基板Wは内部回収槽111の内側空間114と対応する高さに位置する。また、第2処理液で基板Wを処理する間、基板Wは内部回収槽111と中間回収槽112の間の空間115に対応する高さに位置する。また、第3処理液で基板Wを処理する間、基板Wは中間回収槽112と外部回収槽113の間の空間116に対応する高さに位置する。
【0055】
なお、昇降ユニット130はカップ110の代わりに支持部材120を上下方向に移動させることも可能である。
【0056】
噴射部材140は基板処理工程時基板Wに処理液を供給するものである。噴射部材140はこのためにノズル支持台141、ノズル142、第2支持軸143および第2駆動器144を含んで構成される。
【0057】
噴射部材140は1個または複数提供され得る。噴射部材140が複数提供される場合、薬液、リンス液、有機溶剤などは互いに異なる噴射部材140を介して提供される。リンス液は第1流体であり得、有機溶剤はイソプロピルアルコール蒸気と不活性ガスの混合物であるか、イソプロピルアルコール液であり得る。
【0058】
ノズル支持台141はその長手方向が第2方向20に沿って提供される。ノズル支持台141は第2支持軸143の長手方向に垂直になる方向に第2支持軸143の一端部に結合される。第2駆動器144は第2支持軸143の他端部に結合される。
【0059】
ノズル142はノズル支持台141の終端底面に設けられる。このようなノズル142は第2駆動器144により工程位置と待期位置に移動する。ここで、工程位置はノズル142が基板W上に処理液を吐出できるようにする支持部材120の垂直上方領域を意味し、待期位置は支持部材120の垂直上方領域を除いた領域、すなわち支持部材120の垂直上方領域で外側に外れた領域を意味する。
【0060】
第2支持軸143はその長手方向が第3方向30に沿って提供される。このような第2支持軸143はその下端で第2駆動器144と結合される。
【0061】
第2駆動器144は第2支持軸143を回転および昇降運動させるものである。このような第2駆動器144は制御器150と連結され、制御器150により制御される。
【0062】
なお、
図1で制御器150は第2駆動器144に連結されることとして図示されている。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。制御器150は第2駆動器144だけでなく第1駆動器133にも連結され、第1駆動器133を制御することもできてもよい。
【0063】
噴射部材140は基板W上に薬液を提供するために薬液貯蔵装置210と連結される。
【0064】
図2は本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液貯蔵装置、薬液ヒーティング装置および噴射部材の間の接続関係を示す図である。以下の説明は
図2を参照する。
【0065】
薬液貯蔵装置210は基板Wを洗浄するのに用いられる薬液(例えば、IPA、有機溶媒など)を貯蔵するものである。このような薬液貯蔵装置210は噴射部材140に薬液を供給するために所定の長さの配管を介して噴射部材140と連結される。
【0066】
薬液ヒーティング装置220は薬液をヒートさせるものである。薬液ヒーティング装置220は薬液貯蔵装置210から噴射部材140に移動する薬液をヒートさせる。薬液ヒーティング装置220はこのために薬液貯蔵装置210と噴射部材140を連結する配管上に設けられる。
【0067】
薬液ヒーティング装置220は光子励起方式を用いて薬液をヒートさせる。薬液ヒーティング装置220はこれにより高清浄の薬液ヒーターとして実現することができる。以下では薬液ヒーティング装置220の構造について詳しく説明する。
【0068】
図3は本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の内部構造を示す断面図であり、
図4は本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の内部構造を示す平面図である。
【0069】
図3および
図4によれば、薬液ヒーティング装置220は光源310、カバー部材320および発熱体(Heating Element;330)を含んで構成される。
【0070】
光源310は光を照射するものである。このような光源310は発熱体330の周辺に配置されて発熱体330に向かって光を照射する。
【0071】
発熱体330はカバー部材320の内部に挿入される。光源310はこのような構造を参酌してカバー部材320の外側の全部を囲むように配置される。この時、光源310はカバー部材320の外側に接触しないように配置される。
【0072】
しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。光源310は
図5に示すようにカバー部材320の外側の一部のみを囲むように配置されることも可能である。この場合、光源310はカバー部材320内の発熱体330の位置を考慮してカバー部材320の外側一部を囲むように配置されることができる。
図5は
図3および
図4に示された薬液ヒーティング装置を構成する光源の多様な配置構造を説明するための例示図である。
【0073】
【0074】
光源310は発熱体330に光を照射するためにLEDソース(LED Source)やLDソース(LD Source)により実現することができる。本実施形態で光源310は発熱体330に光を照射して発熱体330を発熱させることができるならばいかなるソースにより実現されてもよい。光源310は例えば、UVソースやハロゲンランプとして実現することも可能である。
【0075】
カバー部材320は薬液(Chemical Liquid;CL)の移動経路を提供するものである。カバー部材320はこのためにその内部を貫通する流路340を備える。
【0076】
カバー部材320は光源310により発熱される発熱体330を内蔵する。この時、発熱体330は薬液CLが移動する流路340を囲むようにカバー部材320に内蔵される。
【0077】
カバー部材320は光源310により照射される光が発熱体330に到達できるように光を透過させ得る素材で製造される。カバー部材320は例えば、石英(Quartz)を素材として製造される。
【0078】
発熱体330は光源310により照射される光を用いて発熱するものである。発熱体330は流路340を介して薬液CLが移動する時、発熱によって生成された熱エネルギを薬液CLに伝達する。
【0079】
発熱体330は先立って説明した通りカバー部材320に内蔵される。この時、発熱体330により流路340が提供できれば(例えば、発熱体330が流路340を囲むように形成されれば)、薬液ヒーティング装置220はカバー部材320を備えなくてもよい。
【0080】
発熱体330は上側から見る時(Top-View)、十字形状でカバー部材320の内部に挿入される。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。発熱体330は薬液CLに熱エネルギを伝達するために流路340に近接して設けられれば、どのような形態で形成されてもよい。発熱体330は例えば、
図6に示すように上側から見る時リング形状でカバー部材320の内部に挿入されることも可能である。
図6は
図3および
図4に示された薬液ヒーティング装置を構成する発熱体の多様な形状を説明するための第1例示図である。
【0081】
発熱体330はカバー部材320内で流路340の全部を囲むように形成される。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。発熱体330は
図7に示すようにカバー部材320内で流路340の一部を囲むように形成されることも可能である。この場合、カバー部材320内に流路340の残り部分を覆う側壁部材350が追加され得る。側壁部材350は薬液CLと反応しない物質を素材として形成される。
図7は
図3および
図4に示された薬液ヒーティング装置を構成する発熱体の多様な形状を説明するための第2例示図である。
【0082】
発熱体330は光源310により照射される光を用いて発熱するために、光を吸収できる物質を素材として製造される。また、発熱体330は薬液CLと反応しない物質を素材として製造される。発熱体330がこのように光を吸収でき、薬液CLと反応しない物質を素材として製造されれば、パーティクル(Particle)を生成せず薬液CLを効率的に加熱させる効果を得ることができる。
【0083】
発熱体330は前記のような効果を得るためにシリコン(Si)成分を含んで製造される。発熱体330は例えば、単結晶シリコンで製造されたり、シリコンカーバイド(SiC;Silicon Carbide)、シリコンジオキシド(SiO2;Silicon Dioxide)などの成分を含んで製造される。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。発熱体330は窒化アルミニウム(AlN;Aluminium Nitride)成分を含んで製造されることも可能である。
【0084】
発熱体330はシリコン成分を素材として製造される場合、Siの光吸収率(Intensity)により熱が発生するメカニズムで提供される。本実施形態で、発熱体330は薬液が流路340を通過する前に予め基準温度まで昇温することができる。
【0085】
なお、発熱体330は光源310により照射される光を用いて発熱されるので、それ自体を永久的な加熱エレメント(Permanent Heating Element)として使用できる効果も得ることができる。
【0086】
なお、発熱体330の昇温の有無を確認するために薬液CLの温度を測定する場合、流路340の排出口(Outlet)に温度センサを連結して薬液CLの温度を測定することができる。
【0087】
薬液ヒーティング装置220は以上で説明した通り、光子励起方式により光子(Photon)吸収誘導される(Absorption-Induced)発熱体330を用いて薬液CLをヒートさせるイマーション(Immersion)方式のヒーターとして実現することができる。薬液ヒーティング装置220はこのような構造によりパーティクルソースを根本的に遮断でき、そのため半導体製造効率を増加させる効果を得ることができる。また、薬液ヒーティング装置220は発光によるヒーティング方式で潜熱発生がないため安定性に優れ、熱伝導度などの損失が少ない高効率かつ高信頼性ヒーターとして実現することができる。
【0088】
従来の薬液ヒーティング装置は抵抗体を用いて薬液をヒートさせることができる。このような従来の薬液ヒーティング装置はメタルパーティクル(Metal Particle)の発生を遮断するためにニッケル-クロム(Ni-Cr)合金を素材として製造されるヒートエレメント(Heat Element)にテフロン成分をコートする(Teflon-Coated Ni-Cr)。
【0089】
しかし、従来の薬液ヒーティング装置の場合、ヒートエレメントにコートされたテフロン材質(PTFE)が高温でパーティクルを溶出し得る。また、PFA(チューブ)、PTFE、O-Ring(Viton+FEP)などの接液部にOリングが適用されておりパーティクルソースを提供し得る。したがって、従来の薬液ヒーティング装置はIPA、DIなどの薬液を用いて基板を洗浄する場合、パーティクル増加によって収率が低下し得る。
【0090】
本実施形態による薬液ヒーティング装置220は
図3ないし
図7を参照して説明した通りLEDソース、LDソースなどをSiに照射して光子吸収(Photon Absorption)による熱発生によりSiを加熱することができる。薬液ヒーティング装置220は薬液(例えば、IPA)と反応しない単結晶SiをHeat Sourceとして適用でき、LEDターンオフ(Turn Off)時潜熱が発生しないためIPA気化および防爆リスクも最小化することができる。
【0091】
また、本実施形態による薬液ヒーティング装置220はPFA、カバー部材320(例えば、Quartz)、発熱体330(例えば、Si)などで接液部を構成することができ、そのため接液部でパーティクルソースを提供するOリング、PTFEなどを除去することができる。
【0092】
また、薬液ヒーティング装置220はQuartz素材の薬液Bathの適用によりパーティクルソースを除去すると同時に光透過率を維持する効果も得ることができる。
【0093】
図8は本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の性能を評価するための第1試験セットアップ構造図である。
【0094】
本実施形態による薬液ヒーティング装置220について薬液昇温試験による妥当性を評価するために、ガラス基板(Glass;410)上に発熱体(Si Wafer;420)を配置させ、その上部で光源(LED Array;430)を用いて発熱体420を加熱してみた。
【0095】
ガラス基板410としては厚さ(t)が7mmのO300 Glass Bathを用い、発熱体420としてはO200 Si Waferを用いた。また、光源430としてはO300 LED Arrayヒーターを用いた。
【0096】
その他テスト条件は次のとおりである。
【0097】
-発熱体420と光源430間の距離:30mm
-使用薬液:水3L
-ヒーティング時間:5分~10分
ヒーティング時間が経過した後、発熱体420の上部表面の温度を測定してみた。試験結果、発熱体420の上部表面は5分で約50度上昇し、表面を基準として9分後約75度まで上昇した。IPAを薬液として使用して評価する場合、発熱体420のよりはやい昇温が予想できる。
【0098】
図9は本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の性能を評価するための第2試験セットアップ構造図である。
【0099】
図9に示された試験セットアップ構造によりLEDヒーターを用いたSi昇温について評価してみた。本体121(例えば、チャック(Chuck))上に光源として複数のLED520を配置し、複数のLED520をカバーするようにその上部に蓋形態の石英ウインドウ(Quartz Window;510)を構成した。そして、サポートピン122およびガイドピン123を用いてその上部に基板Wが位置するように構成した。
【0100】
図9に示された試験セットアップ構造により熱画像カメラ530を用いて基板Wの表面温度を測定したところ、
図10に示すようにライジングタイム(Rising Time;640)が経過した後基板Wの各領域(1Point(610)、2Point(620)、3Point(630))で一定温度まで昇温することを確認することができた。
図10は本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の性能を示す第1試験結果である。前記で、1Point(610)は基板Wのセンター領域(Center Zone)での一点を意味し、2Point(620)は基板Wのミドル領域(Middle Zone)での一点を意味し、3Point(630)は基板Wのエッジ領域(Edge Zone)での一点を意味する。
【0101】
なお、
図11に示すように前記の試験からCenter-Edge間のV字形状レシピ(V Shape Recipe)への制御が可能になることも確認することができた。
図11は本発明の一実施形態による基板処理システムを構成する薬液ヒーティング装置の性能を示す第2試験結果である。
【0102】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0103】
100 基板処理システム
110 カップ
111 内部回収槽
112 中間回収槽
113 外部回収槽
120 支持部材
121 本体
122 サポートピン
123 ガイドピン
124 第1支持軸
130 昇降ユニット
140 噴射部材
150 制御器
210 薬液貯蔵装置
220 薬液ヒーティング装置
310 光源
320 カバー部材
330 発熱体
340 流路
350 側壁部材
410 ガラス基板
510 LED
520 石英ウインドウ
530 熱画像カメラ
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱し、
前記発熱体は単結晶シリコンで製造される、薬液ヒーティング装置。
【請求項2】
基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱し、
前記光源はLEDソースおよびLDソースの少なくとも一つのソースを含む、薬液ヒーティング装置。
【請求項3】
基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱し、
前記発熱体は、前記薬液と反応しない物質を素材として製造され、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、および窒化アルミニウム(AlN)の少なくとも一つの成分を含んで製造される、薬液ヒーティング装置。
【請求項4】
前記発熱体をカバーするカバー部材をさらに含む、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項5】
前記カバー部材は前記光を透過させる、請求項4に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項6】
前記カバー部材は石英(Quartz)を含んで製造される、請求項5に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項7】
前記発熱体は前記薬液が前記流路を通過する前に予め定められた温度まで昇温する、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項8】
前記発熱体は十字形状およびリング形状のいずれか一つの断面形状を有する、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項9】
前記流路の排出口に連結されて前記薬液の温度を測定する温度センサをさらに含み、
前記薬液の測定温度に基づいて前記発熱体の昇温の有無を確認する、請求項1に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項10】
基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱し、
前記発熱体が前記流路の一部を囲むように配置される場合、前記流路の残り部分を囲むように配置される側壁部材をさらに含む、薬液ヒーティング装置。
【請求項11】
前記側壁部材は前記薬液と反応しない物質を素材として製造される、請求項10に記載の薬液ヒーティング装置。
【請求項12】
基板を処理するのに用いられる薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源と、
前記発熱体をカバーし、前記光を透過させるカバー部材を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱し、
前記発熱体は単結晶シリコンで製造される、薬液ヒーティング装置。
【請求項13】
基板を処理するのに用いられる薬液を貯蔵する薬液貯蔵装置と、
前記基板に前記薬液を噴射して前記基板が処理されるようにする噴射部材と、
前記薬液が前記薬液貯蔵装置から前記噴射部材に移動する経路上に設けられる薬液ヒーティング装置を含み、
前記薬液ヒーティング装置は、
前記薬液が通過する経路として提供される流路と、
前記流路の少なくとも一部を囲むように配置される発熱体と、
前記発熱体に光を照射する光源を含み、
前記発熱体は光子励起(Photon Excitation)を用いて発熱され、前記薬液を加熱し、
前記発熱体は単結晶シリコンで製造される、基板処理システム。
【請求項14】
前記薬液ヒーティング装置は、
前記発熱体をカバーし、前記光を透過させるカバー部材をさらに含む、請求項13に記載の基板処理システム。
【請求項15】
前記発熱体は前記薬液が前記流路を通過する前に予め定められた温度まで昇温する、請求項13に記載の基板処理システム。
【請求項16】
前記発熱体は前記薬液と反応しない物質を素材として製造される、請求項13に記載の基板処理システム。
【請求項17】
前記発熱体は十字形状およびリング形状のいずれか一つの断面形状を有する、請求項13に記載の基板処理システム。
【請求項18】
前記薬液ヒーティング装置は、
前記流路の排出口に連結されて前記薬液の温度を測定する温度センサをさらに含み、
前記薬液の測定温度に基づいて前記発熱体の昇温の有無を確認する、請求項13に記載の基板処理システム。