(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162590
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】プログラム、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20231101BHJP
【FI】
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073023
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】517201127
【氏名又は名称】playground株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭史
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA72
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い匿名性を担保することで、容易に取引の安全性を確保することができる販売システム、プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】何らかの商材の引換券となるトークンを、ユーザからの要求に応じて発行する機能を有する販売システムにおいて、トークン管理サーバは、商材の引換に用いられ、発行者及び引換可能な商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンの発行要求の成立を検出するステップと、検出した発行要求に応じて、非代替性トークンを発行ステップと、発行要求に係るユーザに付与するステップと、を実行する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータのプロセッサに、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、発行要求の成立を検出するステップと、
検出した前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを発行し、前記発行要求に係るユーザに付与するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
コンピュータのプロセッサに、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、ユーザからの譲渡の申請を受け付けるステップと、
前記譲渡の申請に係る前記非代替性トークンの真正性が確認されたことに応答して、前記ユーザへの前記商材の提供を許可するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項3】
コンピュータのプロセッサに、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、発行要求に関する操作を受け付けるステップと、
受け付けた前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを発行し、前記発行要求に係るユーザに付与するステップと、
前記非代替性トークンについて、前記ユーザからの譲渡の申請を受け付けるステップと、
前記譲渡の申請に係る前記非代替性トークンの真正性が確認されたことに応答して、前記ユーザへの前記商材の提供を許可するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項4】
前記プロセッサに、
前記譲渡の申請に係る前記非代替性トークンの真正性の有無を確認するステップを実行させる、請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記非代替性トークンの真正性の有無を確認するステップでは、
前記固有の情報を確認することで、前記非代替性トークンの真正性の有無を確認する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記非代替性トークンの真正性の有無を確認するステップでは、
前記固有の情報と紐づけられた、前記非代替性トークンの発行に関する取り決めに基づいて設定された情報を確認することで、前記非代替性トークンの真正性の有無を確認する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
コンピュータのプロセッサに、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンを用いて前記商材の引換を受けるユーザから、当該引換の条件である当該非代替性トークンの譲渡の申請を受け付けるステップと、
前記申請を受け付けたことに応答して、当該非代替性トークンの真正性の有無を確認するステップと、
前記真正性の有無の確認結果を出力するステップと、を実行させるプログラム。
【請求項8】
コンピュータのプロセッサに、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンを用いた、ユーザからの前記商材の引換を受託した受託者から、前記非代替性トークンの前記発行者への引き渡しを検出するステップと、
前記受託者に対して、前記固有の情報に含まれる引換の対価に関する条件に従って、前記引換の対価を支払うステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項9】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、発行要求の成立を検出するステップと、
検出した前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを発行し、前記発行要求に係るユーザに付与するステップと、を実行する、方法。
【請求項10】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、発行要求の成立を検出する手段と、
検出した前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを発行し、前記発行要求に係るユーザに付与する手段と、を備える、システム。
【請求項11】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、ユーザからの譲渡の申請を受け付けるステップと、
前記譲渡の申請に係る前記非代替性トークンの真正性が確認されたことに応答して、前記ユーザへの前記商材の提供を許可するステップと、を実行する、方法。
【請求項12】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、ユーザからの譲渡の申請を受け付ける手段と、
前記譲渡の申請に係る前記非代替性トークンの真正性が確認されたことに応答して、前記ユーザへの前記商材の提供を許可する手段と、を備える、システム。
【請求項13】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、発行要求に関する操作を受け付けるステップと、
受け付けた前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを発行し、前記発行要求に係るユーザに付与するステップと、
前記非代替性トークンについて、前記ユーザからの譲渡の申請を受け付けるステップと、
前記譲渡の申請に係る前記非代替性トークンの真正性が確認されたことに応答して、前記ユーザへの前記商材の提供を許可するステップと、を実行する、方法。
【請求項14】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、発行要求に関する操作を受け付ける手段と、
受け付けた前記発行要求に応じて、前記非代替性トークンを発行し、前記発行要求に係るユーザに付与する手段と、
前記非代替性トークンについて、前記ユーザからの譲渡の申請を受け付ける手段と、
前記譲渡の申請に係る前記非代替性トークンの真正性が確認されたことに応答して、前記ユーザへの前記商材の提供を許可する手段と、を備える、システム。
【請求項15】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンを用いて前記商材の引換を受けるユーザから、当該引換の条件である当該非代替性トークンの譲渡の申請を受け付けるステップと、
前記申請を受け付けたことに応答して、当該非代替性トークンの真正性の有無を確認するステップと、
前記真正性の有無の確認結果を出力するステップと、を実行する方法。
【請求項16】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンを用いて前記商材の引換を受けるユーザから、当該引換の条件である当該非代替性トークンの譲渡の申請を受け付ける手段と、
前記申請を受け付けたことに応答して、当該非代替性トークンの真正性の有無を確認する手段と、
前記真正性の有無の確認結果を出力する手段と、を備えるシステム。
【請求項17】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンを用いた、ユーザからの前記商材の引換を受託した受託者から、前記非代替性トークンの前記発行者への引き渡しを検出するステップと、
前記受託者に対して、前記固有の情報に含まれる引換の対価に関する条件に従って、前記引換の対価を支払うステップと、を実行する、方法。
【請求項18】
コンピュータのプロセッサが、
商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な前記商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンを用いた、ユーザからの前記商材の引換を受託した受託者から、前記非代替性トークンの前記発行者への引き渡しを検出する手段と、
前記受託者に対して、前記固有の情報に含まれる引換の対価に関する条件に従って、前記引換の対価を支払う手段と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種の商品又はサービスの提供について、通信手段を介して予約を行うことが広く行われている。
例えば、特許文献1には、ユーザが端末装置から入力した交通機関および宿泊施設を含む旅行商品の予約に基づいて、予約を証明する予約引換券を発券する処理が開示されている。
このシステムでは、旅行商品に含まれる複数の交通機関および宿泊施設の予約を、それぞれ個別に一度の操作で行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、交通機関又は宿泊施設を提供する事業者と、旅行を手配する事業者と、が仮に異なる場合には、双方においてユーザの顧客情報を共有する必要があった。
顧客情報には、個人の氏名や住所に加えて、銀行の口座情報など、取り扱いに特に慎重を要する情報も含まれる。このため、予約を手配する事業者と、実際に商品又はサービスを提供する事業者と、の間に構築される販売システムでは、取引の安全性を確保するために、顧客情報の管理に一定の労力を必要としていた。
【0005】
本開示の目的は、高い匿名性を担保することで、容易に取引の安全性を確保することができる販売システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータのプロセッサに、商材の引換に用いられ、発行者および引換可能な商材を特定可能である、固有の情報が記録される非代替性トークンについて、発行要求の成立を検出するステップと、検出した発行要求に応じて、非代替性トークンを発行し、発行要求に係るユーザに付与するステップと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係るユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係るトークン管理サーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る商材引換サーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る分散型台帳システムの構成を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る分散型台帳システムが管理する分散型台帳のデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】本開示における発行者と引換者の関係の代表的な例を説明する図である。
【
図9】第1実施形態に係る各データベースにおけるデータ構造の一例を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係るトークンの発行処理のフローチャートである。
【
図11】第1実施形態に係る商材の引換処理のフローチャートである。
【
図12】第1実施形態に係る商材の引換処理の変形例のフローチャートである。
【
図13】第1実施形態に係る引換の対価の支払い処理のフローチャートである。
【
図14】第2実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図15】第2実施形態に係るトークン確認サーバの構成を示すブロック図である。
【
図16】第2実施形態に係る分散型台帳のデータ構造の一例を示す図である。
【
図17】第2実施形態に係る商材の引換処理のフローチャートである。
【
図18】第3実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
(1)情報処理システム1の構成
本実施形態に係る情報処理システム1(以下、単にシステム1という)の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係るシステム1の構成を示すブロック図である。
【0010】
図1に示すように、システム1は、ユーザ端末10と、トークン管理サーバ20と、商材引換サーバ30と、分散型台帳システム50と、を備える。
ユーザ端末10、トークン管理サーバ20、商材引換サーバ30、および分散型台帳システム50は、ネットワーク(例えば、インターネット)NWを介して接続される。
【0011】
ユーザ端末10は、トークン管理サーバ20および商材引換サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。なお、ユーザ端末としては、以下の端末を含んでもよい。
・IoTデバイス
・ウェアラブルデバイス(スマートグラス、スマートウォッチ、スマートスピーカー、ヘッドマウントゴーグル、スマート家電、スマートウエア、スマートウィッグ等のユーザの身体に装着されて使用される端末)
・インプランタブルデバイス(ナノボット、スマートアイ、スマートコンタクトレンズ等のユーザの身体に内蔵されて使用される端末)
【0012】
トークン管理サーバ20は、情報処理装置の一例である。トークン管理サーバ20は、ユーザ端末10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをユーザ端末10に提供する。トークン管理サーバ20は、商材引換サーバ30から送信されたリクエストに応じたレスポンスを商材引換サーバ30に提供する。トークン管理サーバ20は、例えば、ウェブサーバである。トークン管理サーバ20は、後述する発行者が使用する端末と通信接続されている。
【0013】
商材引換サーバ30は、情報処理装置の一例である。商材引換サーバ30は、ユーザ端末10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをユーザ端末10に提供する。商材引換サーバ30は、トークン管理サーバ20から送信されたリクエストに応じたレスポンスをトークン管理サーバ20に提供する。商材引換サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。商材引換サーバ30は、後述する引換者が使用する端末と通信接続されている。
【0014】
分散型台帳システム50は、ユーザ端末10、トークン管理サーバ20、又は商材引換サーバ30、からの要求に応じて、分散型台帳を管理する。
【0015】
(1-1)ユーザ端末10の構成
ユーザ端末10の構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係るユーザ端末10の構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、ユーザ端末10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。ユーザ端末10は、ディスプレイ15に接続される。
【0017】
記憶装置11は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0018】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0019】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0020】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、ユーザ端末10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0021】
入出力インタフェース13は、ユーザ端末10に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、ユーザ端末10に接続される出力デバイスに情報(例えば、画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ15、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0022】
通信インタフェース14は、ユーザ端末10と外部装置(例えば、トークン管理サーバ20、商材引換サーバ30、又は分散型台帳システム50)との間の通信を制御するように構成される。
【0023】
ディスプレイ15は、画像(静止画、又は動画)を表示するように構成される。ディスプレイ15は、例えば、液晶ディスプレイ、又は有機ELディスプレイである。
【0024】
(1-2)トークン管理サーバ20の構成
トークン管理サーバ20の構成について説明する。
図3は、第1実施形態に係るトークン管理サーバ20の構成を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、トークン管理サーバ20は、記憶装置21と、プロセッサ22と、入出力インタフェース23と、通信インタフェース24とを備える。
【0026】
記憶装置21は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置21は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0027】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0028】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0029】
プロセッサ22は、記憶装置21に記憶されたプログラムを起動することによって、トークン管理サーバ20の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ22は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0030】
入出力インタフェース23は、トークン管理サーバ20に接続される入力デバイスから情報(ユーザの指示)を取得し、かつ、トークン管理サーバ20に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0031】
通信インタフェース24は、トークン管理サーバ20と外部装置(例えば、ユーザ端末10、商材引換サーバ30、および分散型台帳システム50)との間の通信を制御するように構成される。
【0032】
(1-3)商材引換サーバ30の構成
商材引換サーバ30の構成について説明する。
図4は、第1実施形態に係る商材引換サーバ30の構成を示すブロック図である。
【0033】
図4に示すように、商材引換サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0034】
記憶装置31は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0035】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0036】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0037】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、商材引換サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0038】
入出力インタフェース33は、商材引換サーバ30に接続される入力デバイスから情報(ユーザの指示)を取得し、かつ、商材引換サーバ30に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0039】
通信インタフェース34は、商材引換サーバ30と外部装置(例えば、ユーザ端末10、トークン管理サーバ20、又は分散型台帳システム50)との間の通信を制御するように構成される。
【0040】
(1-4)分散型台帳システム50の構成
分散型台帳システム50の構成について説明する。
図5は、第1実施形態に係る分散型台帳システム50の構成を示す図である。
【0041】
図5に示すように、分散型台帳システム50は、複数のノードコンピュータ55-1~55-4を備える。
【0042】
ノードコンピュータ55は、ネットワーク(
図1のネットワークNWを含み得る)を介して互いに接続される。本実施形態では、ネットワークは、公衆網、プライベートネットワーク、専用線、VPN(Virtual Private Network)、又はそれらの組み合わせを含み得る。ノードコンピュータ55は、ネットワークと、例えば、有線又は無線により接続されている。ノードコンピュータ55は、ピア・ツー・ピア方式で互いに通信する。
【0043】
ノードコンピュータ55は、例えばブロックチェーン技術を用いて分散型台帳を管理する。
具体的には、いずれかのノードコンピュータ55は、記録すべきトークンの取引に関するデータを取得する。ノードコンピュータ55は、取得したデータを含むブロックを作成し、ブロックチェーンに追加する。ノードコンピュータ55は、追加したブロックの情報を他のノードコンピュータ55へ送信する。他のノードコンピュータ55は、受信したブロックの正しさを検証し、検証に成功すると、ブロックチェーンに当該ブロックを追加する。ノードコンピュータ55は、例えば、連結されるブロックの数(承認数)に従ってブロックチェーンを確定する。これにより、分散型台帳システム50を構成する複数のノードコンピュータ55に亘って、同一の分散型台帳が保存されることになる。なお、保存されるデータは、適宜に暗号化される。
【0044】
分散型台帳システム50の構成は、
図5に示されるものに限定されない。例えば、分散型台帳システム50は、5台以上のノードコンピュータ55を備えていてもよいし、2台又は3台のノードコンピュータ55を備えていてもよい。また、分散型台帳システム50を構成するノードコンピュータ55の数は、時間とともに変動してもよい。
【0045】
ノードコンピュータ55のハードウェア構成は、前述したいずれかの端末又はサーバと同一又は類似であってよいので詳細な説明を省略する。一例として、ノードコンピュータ55は、プロセッサ、記憶装置、入出力インタフェース、通信インタフェース、入力デバイス、出力デバイス、又はそれらの組み合わせを備える。
【0046】
図6を用いて、分散型台帳システム50により管理される分散型台帳のデータ構造を説明する。
図6は、分散型台帳のデータ構造の一例を示す図である。
図6に示すように、分散型台帳システム50は、トークン管理サーバ20に記録されたトークンデータベース212を介して、デジタルコンテンツ(例えば券面画像)と関連付けられている。なお、デジタルコンテンツは、トークン管理サーバ20ではなく、外部のサーバに格納されてもよい。
トークンは分散型台帳において、取引の履歴がトランザクションデータとして記録されていることで、所有者の情報が記録されている。分散型台帳を参照することで、トークンの取引の履歴を把握することができる。
【0047】
ブロックチェーンは、コントラクトデータを構成するブロックと、ハッシュ値およびトランザクションデータを少なくとも含むブロックと、により構成されている。ユーザ間でのトークンの移転に伴い、新たなトランザクションデータが生成され、
図5に示す複数のノードコンピュータ55-1~55-4による検証の後に、新たなブロックが追加される。
なお、ブロックチェーンである分散型台帳は、パブリックなブロックチェーンとプライベートなブロックチェーンとを用いてもよい。この場合には、通常の取引はプライベートなブロックチェーン上で取引履歴を記録し、定期的にパブリックなブロックチェーンに対して最新情報を反映してもよい。すなわち、分散型台帳は複数階層を伴うような構成であってもよい。
【0048】
(2)実施形態の概要
第1実施形態に係る概要について説明する。
図7は、第1実施形態に係る一態様の説明図である。
【0049】
(2-1)実施形態の一態様
図7に示すように、システム1は、何らかの商材の引換券となるトークンを、ユーザからの要求に応じて発行する機能を有する販売システムである。
また、システム1は、トークンがユーザから引換者に譲渡されることで、商材の提供を引換者に許可する機能を有する販売システムである。
【0050】
システム1において、商材とは、広く取引の対象となる商品およびサービス(役務)を示す概念であり、有体物であるか無体物であるかを問わない。商材には、独立して取引の対象とはならない、各種の特典、ノベルティグッズ、記念品(以下、特典類という)なども含まれる。また商材は、動産に限られず、不動産を含む。
すなわち、システム1が扱う商材とは、需要者であるユーザが、費用の支払いを含む何らかの条件を満たしたことで提供を受けることができる商取引の対象を指す。また、トークンは、回数券として、複数回にわたって商材の提供と引き換えられてもよい。
【0051】
商品としての商材には、例えば以下が含まれる。
・実際の店舗又はECサイト等で販売される各種の物品(飲食物、医薬品を含む)
・各種の化学品、薬剤、機械器具、資材などの主に企業間で取引される物品
・土地および建物といった不動産
・購入によりダウンロード可能な音楽、動画、コミックなどのデジタルコンテンツ
・各種のイベントへの参加チケット
・各種の交通機関、宿泊施設、観光施設(アミューズメント施設、美術館、動物園など)の利用チケット
・公営賭博の投票券
・各種の特典類(物品、デジタルコンテンツ、チケット、クーポンを含む)
・特定の店舗で使用できる金券(ギフトカード、商品券)
・有価証券(株式、債券、手形、小切手等)
・契約書、各種証書などの各種文書
なお、上記はあくまで例示であり、商材には、その他の商品も含まれる。
また、取引の過程で発生する請求書、売掛金、又は買掛金等をトークンによる引換の対象としてもよい。
【0052】
サービスとしての商材には、例えば以下が含まれる。
・飲食物、宿泊施設の提供
・各種の物品の修理、修繕、洗浄、改良、加工、建築
・各種の教育、指導、訓練、資格認定、相談などのサービス
・医療、美容、整体、マッサージ、介護、福祉に関するサービス
・電磁的な手段を用いて提供される、デジタルコンテンツの視聴および再生を含む、各種の情報処理
・各種のソフトウェアの開発
・各種のインフラの提供(公共事業を含む)
・各種の器具、機器(車両を含む)、および施設の一時的な貸与
・輸送、旅行の手配
・冠婚葬祭、警備、法律に関するサービス
なお、上記はあくまで例示であり、商材には、その他のサービスも含まれる。
【0053】
システム1において、発行者とは、トークンを発行する主体を指す。発行者には、個人、法人、組合、その他の団体、および、所定の目的のために構成された共同事業体(コンソーシアム)が含まれる。
発行者は、民間の組織であるか公営の組織であるかを問わない。
【0054】
発行者には、例えば以下の者が含まれる。
・特定の商品又はサービスを扱う者
・特定の商品又はサービスを扱う法人により構成された者(〇〇県ワイン組合、○〇県銭湯組合等)
・特定の商品、サービスに使用できる引換券を発行する地位を有する者
・不特定の商品、サービスに使用できる引換券を発行する地位を有する者
なお、上記はあくまで例示であり、発行者には、引換券であるトークンを発行する全ての主体が含まれる。
【0055】
システム1において、引換者とは、トークンと商材の引換を行い、ユーザからトークンの譲渡を受けることで、ユーザに対して当該トークンの対象となる商材の提供する主体を指す。引換者には、個人、法人、組合、その他の団体、および、所定の目的のために構成された共同事業体(コンソーシアム)が含まれる。
発行者は、民間の組織であるか公営の組織であるかを問わない。
【0056】
引換者には、例えば以下の者が含まれる。
・自身が生産した商品、又は自身が行うサービスの提供を行う者
・他人が生産した商品又はサービスの提供を行う者(小売業、卸売行など)
・特定の商品又はサービスの提供の手配を行う者(代理業など)
・特定の商品又はサービスの提供の取引の仲介を行う者(仲介業など)
なお、上記はあくまで例示であり、引換者には、引換券であるトークンを商材と引き換えてユーザに提供する全ての主体が含まれる。
【0057】
図8は、本開示における発行者と引換者の関係の代表的な例を説明する図である。
図8の上図における(1)の例では、発行者と引換者が別の事業体である例を示している。この場合には、発行者と引換者の関係は以下のとおりである。
・発行者:例えば、百貨店などの総合小売業者であって、引換券としてのトークンを発行する地位を有する者
・引換者:例えば、全国○〇組合等の特定の商材についての事業協同組合
・引換者の構成員:共同組織に所属する各店舗などの事業者(実際に引換を受諾する者)
この場合には、総合小売業者と事業協同組合との間でトークン発行に関する取り決め(契約)がされ、当該契約において、引換の対価の額および支払方法などの支払条件が設定される。そしてこの場合には、当該契約における支払条件が全ての引換者の構成員に適用されてもよい。
【0058】
一方、
図8の下図における(2)の例では、発行者の構成員が引換者となっている。この場合には、発行者と引換者の関係は以下のとおりである。
・発行者:例えば、全国○〇組合等の特定の商材についての事業協同組合
・引換者:例えば、共同組織に所属する各店舗などの事業者(実際に引換を受諾する者)
この場合には、事業協同組合と、その構成員である事業者との間でトークン発行に関する取り決め(契約)がされる。そしてこの場合には、各々の契約における支払条件が、各々の事業者に対して提供されてもよい。
【0059】
このように、本開示における発行者と引換者の関係は、これらの例に限られず、任意に変更することができる。例えば、一つのトークンに対して、発行者と引換者は、それぞれ複数設定されることが許容される。すなわち、あらゆる商流において、あらゆる事業主体が発行者又は引換者としてシステム1を利用することができる。
【0060】
具体的には、本開示における発行者と引換者の関係には、以下の例が含まれる。
・A社(引換者)が自社で使えるトークンを他社(発行者)に販売・発行させて、購入ユーザがA社にトークンを提示するとサービスと交換できる(特定百貨店のギフトカードに類似する態様)。 ・A社(引換者、発行者)が自社で使えるトークンを自社で販売・発行し、購入ユーザにトークンを配布する。購入ユーザはトークンをA社がサービス提供の委託契約をしているB社(引換代行者)に提示するとサービスと交換できる(チケットエージェンシーによるチケット発券企業への発券業務の委託に類似する態様)。 ・A組合がA組合所属企業各社で使えるトークンを流通させて、購入ユーザがA組合所属各社にトークンを提示するとサービスと交換できる(図書カード、お米券に類似する態様)。 ・A組合がA組合に所属する各企業が発行&利用できるトークンを設定する。所属企業は誰でもトークンを販売・発行できる。購入ユーザはA組合所属のどの会社に行ってもトークンを提示するとサービスと交換できる(例えば、お米券を所属各社が事前の許諾を得ずに勝手に販売、発行して、あとで精算するような態様を想定)。この場合には、トークンを発行したA組合の所属企業は、予め定められた組合費をA組合に納付する。A組合はそれを原資として、サービスを提供した所属企業に支払いを行う。
【0061】
ここで、トークンとは資産価値のあるデータであって、購入などにより、各種の商材の提供を受ける地位を有するユーザに対して付与されるデータを指す。
本実施形態におけるトークンは、分散型台帳システム50で管理される分散型台帳において所有者が記録され、当該商材の提供を受ける地位を誰が有しているのかという情報が明確にされている。一般にトークンは、代替性を備えたトークンと、非代替性を備えたトークン(Non-Fungible Token)と、を含む。
【0062】
代替性を備えたトークンとしては、例えば仮想通貨やポイントのような金銭と等価の資産として扱われるデータを指す。
非代替性を備えたトークンには、例えばSNS(Social Networking Service)上でコメントされたテキストデータ等のデジタルコンテンツのデータ、又は当該データが格納されたアドレスを示すアドレス情報(URL等)が含まれる。この場合、デジタルコンテンツに関するデータ自体は、第三者が任意に複写することができる。
一方、当該SNS上におけるテキストデータの元データは、テキストデータ自体が複写されて転用されたとしても、所有者が誰であるかが記録されていることで、その持ち主を明確にすることができる。
【0063】
トークンに含まれるデジタルコンテンツとしては、例えば商材と何らかの関係があるデジタル画像(例えば引換券の券面画像を含む)、デジタル動画、デジタル音源のようなデジタルコンテンツが含まれる。引換券の券面画像としては、引換対象となる商材名、所有者情報、引換者に関する情報、引換方法にアクセスできる情報、引換期限などに関する各種の情報が表示されていてもよい。なお、このようなトークンの内容の少なくとも一部を表示する券面画像は省略してもよい。
このようにトークンと紐づけられたデジタルコンテンツは、例えば、デジタルコンテンツを管理するトークン管理サーバ20に格納されている。なお、デジタルコンテンツのデータは、外部のサーバに格納されてもよい。本発明ではこのように、トークンとして非代替性トークンを扱う構成を例に挙げて説明する。
【0064】
システム1では、ユーザが、例えば商材の購入につながるトークンの発行に関して予め設定された販売価格を発行者に対して支払うことで、トークンの発行が行われる。
この際、トークン管理サーバ20は、トークンを発行し、ユーザに対して付与する。具体的には、ユーザ端末10において管理されるユーザのウォレットに対してトークンを付与する。
【0065】
また、
図7の下段に示すように、ユーザは、トークンと商材との引換により、対象となる商材の提供を受けることができる。トークンを引換者に譲渡することが、商材の提供に関する引換の条件となる。具体的には、ユーザ端末10を操作して、ウォレットに付与されているトークンを、引換者が使用する商材引換サーバ30に譲渡する。商材引換サーバ30が、トークンの真正性の有無を確認したうえで、問題がなければ、商材引換サーバ30は商材の引換を許可する通知を引換者に向けて出力する。
なお、商材の引換については、引換トークンの譲渡を必ずしも必要としない。トークンの使用に基づく引換の申請が行われ、当該トークンの真正性が確認されれば、商材の引換が許可されてもよい。
【0066】
商材の引換においては、図示のとおり現実の物品(この例ではペンライト)を引換者が店舗において提供してもよいし、仮想空間で使用できるアイテム(この例では仮想ペンライト)をユーザ端末10に提供してもよい。また、商材の引換は店舗でのやり取りに限られない。例えば引換者が運営するECサイト上でトークンを引換者に対して譲渡することで、商材に対応する物品の自宅への発送を受けることができる。また、例えば引換者が運営する各種のエンターテイメントに関するデジタルコンテンツの提供を行うエンタメサイト上でトークンを引換者に対して譲渡することで、商材に対応するデジタルコンテンツの配信や権利を受けることができる。
【0067】
なお、本発明のトークンは、前述のとおり特定の商材との引換に用いられる引換券としての機能に代えて、又は当該機能とともに、例えば各種のクーポンのように、特定の商材の購入において割引を適用させる割引券としての機能を有していてもよい。この場合において、適用される割引の程度については、トークンに記述された金額の全額が特定の商材の購入に際して割引される構成であってもよい。また、適用される割引の程度については、トークンが保有する割引可能額の残高のうち、ユーザが特定の商材の購入に際して指定した額について、割引が適用される構成であってもよい。また、割引対象となる商材は、特定の種別に含まれる一群の商材(例えば、書籍全般、酒類全般等)を対象としてもよい。
【0068】
また、トークンは、分散型台帳システム50の外部に存在するシステム(例えば、プライベートチェーン、又はセカンドレイヤーと呼ばれることがある)上で取引されてもよい。この場合の仮想アイテムの取引では、ユーザが保有する仮想アイテムが事実上取引されているシステムを特定可能な情報と、当該システムにおける当該顧客のウォレット情報と、を用いて行うことができる。
【0069】
(3)データベース
第1実施形態に係る各データベースについて説明する。
【0070】
(3-1)商材データベース311
第1実施形態に係る商材データベース(DB)311について説明する。
図9Aは、第1実施形態に係る商材DB311のデータ構造を示す図である。商材DB311は、商材引換サーバ30の記憶装置31に記憶される。
【0071】
商材DB311は、トークンを用いた引換の対象となる商材に関する情報を記憶し管理するデータベースである。商材DB311には、引換者が取り扱う各種の商材に関する情報が格納される。商材DB311は、引換者が取り扱う商材の新たな設定により、新たなレコードが記録される。
商材DB311は、項目「商材ID」、項目「種別」、項目「品目」、項目「名称」、項目「販売単位」、項目「販売価格」、を含む。なお、商材DB311に含まれるデータ項目は任意に変更することができる。
【0072】
項目「商材ID」は、商材を識別するための識別情報を記憶する項目である。商材IDは、商材ごとにユニークな値が設定されている項目である。商材IDは販売単位ごとにユニークな値が設定されてもよい。
【0073】
項目「種別」は、商材IDに対応する商材の区分の項目を記憶する項目である。商材の区分とは、商材の性状、用途、機能によって区分されて設定されたカテゴリー(種別)を記憶する項目である。物品の種別としては、例えば、「書籍」、「酒類」、「衣類」、「特典類」、「飲食物」「デジタルコンテンツ」などが含まれる。カテゴリーの区分は、任意に設定することができる。
【0074】
項目「品目」は、商材IDに対応する商材の一般名称である品目を記憶する項目である。物品の一般名称としては、「お米」、「ビール」、「キャップ」、「タオル」、「サイン色紙」、「飲料水」、「ライブ動画」、「割引」、「ポイント」、「通貨単位」などが含まれる。
【0075】
項目「名称」は、商材IDに対応する商材の「名称」を記憶する項目である。名称には、各メーカがつけている製品の型番、製品シリーズ名、製品の固有名称などが含まれる。
【0076】
項目「販売単位」は、商材IDに対応する商材の販売単位ごとの数量を記憶する項目である。例えば、販売単位としては、販売単位に相当する数量、又は販売単位に相当する質量等が含まれる。
【0077】
項目「販売価格」は、商材IDに対応する商材の販売単位ごとの販売価格を記憶する項目である。
【0078】
(3-2)トークンマスタデータベース211
第1実施形態に係るトークンマスタデータベース(DB)211について説明する。
図9Bは、第1実施形態に係るトークンマスタDB211のデータ構造を示す図である。トークンマスタDB211は、トークン管理サーバ20の記憶装置21に記憶される。
【0079】
トークンマスタDB211は、トークンの種類ごとの内容に関する情報を記憶するデータベースである。トークンマスタDB211は、トークンの種類が新たに設定されることにより、新たなレコードが記録される。トークンマスタDB211には、トークンの発行に関する発行者と引換者との取り決め(契約)に基づいて設定された情報が記憶されている。
トークンマスタDB211は、項目「トークンタイプID」、項目「引換者情報」、項目「名称」、項目「商材ID」、項目「引換方法」、項目「支払条件」を含む。なお、トークンマスタDB211に含まれるデータ項目は任意に変更することができる。
【0080】
項目「トークンタイプID」は、トークンの種類ごとの区分を識別するための識別情報を記憶する項目である。トークンタイプIDは、トークンの種類ごとにユニークな値が設定されている項目である。
【0081】
項目「引換者情報」は、トークンタイプIDに対応する種類のトークンを発行する地位を有する発行者に関する情報を記憶する項目である。前述のとおり、引換者は団体であってもよいし、複数の者であってもよい。
【0082】
項目「名称」は、トークンタイプIDに対応する種類のトークンにより引き換えられる内容を把握できる引換券としての名称に関する情報を記憶する項目である。
【0083】
項目「商材ID」は、トークンタイプIDに対応するトークンによって引換えられる商材の識別情報を記憶する項目である。
【0084】
項目「引換方法」は、トークンを所有するユーザが引換えを行う方法に関する情報を記憶する項目である。
【0085】
項目「支払条件」は、トークンIDに対応するトークンと、商材と、の引換の対価の支払いについて、対価の額や引換者への支払い方法に関して、発行者と引換者との間で合意された情報を記憶する項目である。
【0086】
なお、トークンマスタDB211で管理されるデータ項目としては、例えば発行者情報を含んでもよい。発行者情報には例えば、トークンを発行する地位を有する団体の名称が格納される。
【0087】
(3-3)トークンデータベース212
第1実施形態に係るトークンデータベース(DB)212について説明する。
図9Cは、第1実施形態に係るトークンDB212のデータ構造を示す図である。トークンDB212は、トークン管理サーバ20の記憶装置21に記憶される。
【0088】
トークンDB212は、商材の引換券となるトークンに関する固有の情報を記憶し管理するデータベースである。トークンDB212は、トークンが新たに発行されることにより、新たなレコードが記録される。トークンDB212は、項目「トークンID」、項目「トークンタイプID」、項目「発行日時」、項目「ステータス」、項目「台帳ID」、項目「デジタルコンテンツアドレス」を含む。なお、トークンDB212に含まれるデータ項目は任意に変更することができる。
【0089】
項目「トークンID」は、トークンを識別するための識別情報を記憶する項目である。トークンIDは、トークンごとにユニークな値が設定されている項目である。
【0090】
項目「トークンタイプID」は、トークンIDに対応するトークンの種類を示すトークンタイプIDを記憶する項目である。トークンタイプIDにより、トークンIDと、トークンの発行に関する発行者と引換者との取り決めに基づいて設定された情報と、が紐づいている。
【0091】
項目「発行日時」は、トークンIDに対応するトークンが発行された日時を記憶する項目である。
【0092】
項目「ステータス」は、商材IDに対応する商材のステータスを記憶する項目である。商材のステータスとしては、「引換前」、「清算前」、「清算済」がある。
ステータスが「販売中」とは、当該商材が未だ購入されていない状態を指す。
ステータスが「引換前」とは、当該商材が購入後に未だ引き換えられていない状態を指す。
ステータスが「清算前」とは、当該商材が既に販売されているが、未だ引換者に対して引換の対価の支払いがされていない状態を指す。
ステータスが「清算済」とは、引換者に対して当該商材の引換の対価の支払いが済み、当該商材に関する一連の取引が終了した状態を指す。
【0093】
項目「ステータス」を管理することで、トークンIDに対応するトークンを、一度しか使用できないものとして設定することが可能になる。なお、項目「ステータス」に関する情報は管理されなくてもよい。仮に、項目「ステータス」を管理しない場合には、トークンIDに対応するトークンを、再度流通させることで、繰り返し使用できるものとして設定することが可能になる。項目「ステータス」を管理しない場合であっても、トークンの移転に応じて取引が行われるので、トークンの二重利用などは発生しない。
【0094】
項目「台帳ID」は、トークンIDに対応するトークンの所有者に関する情報を記憶する分散型台帳の識別情報を記憶する項目である。
【0095】
項目「所有者ID」は、トークンIDに対応するトークンの所有者の情報を記憶する項目である。なお、トークンの所有者の情報が分散型台帳に記録されているため、この項目は省略してもよい。
【0096】
項目「デジタルコンテンツアドレス」は、トークンIDに対応するトークンと紐づけられたデジタルコンテンツが格納されたトークン管理サーバ20におけるアドレス情報を記憶する項目である。
デジタルコンテンツとしては、例えば、少なくとも以下の内容が表示された券面画像が挙げられる。
・トークンID
・引換の対象となる商材
・数量
・ステータス
・引換方法
【0097】
(4)情報処理
第1実施形態に係る情報処理について説明する。
【0098】
(4-1)トークンの発行処理
第1実施形態に係るトークンの発行処理について説明する。
図10は、システム1におけるトークンの発行処理のフローチャートである。
【0099】
図10に示すトークンの発行処理は、例えばユーザから要求に応じて開始し得る。トークンの発行処理は、例えばトークンを発行するためのサービスサイト(以下、トークンの発行サイト)をユーザがユーザ端末10を操作して訪れた際に行われる。
【0100】
図10に示すように、ユーザ端末10は、ユーザからトークンの発行要求の入力を受け付ける(ステップS101)。
具体的には、ユーザ端末10は、トークンの発行サイトへのログインを実行し、ログインされたトークンの発行サイトに関するページをディスプレイ15に表示する。ユーザ端末10は、ユーザが引換券としてのトークンの発行を希望する商材に関する指定に関する操作を、トークンの発行要求として受け付ける。この際、トークンの発行に必要な費用の決済をユーザが行う。ユーザ端末10は受け付けたトークンの発行要求をトークン管理サーバ20に送信する。
【0101】
ステップS101の後に、トークン管理サーバ20は、トークンの発行要求を受領する(ステップS201)。
具体的には、トークン管理サーバ20は、ユーザ端末10から送信されたトークンの発行要求を受領する。
【0102】
ステップS201の後に、トークン管理サーバ20は、トークンの発行要求の成立を検出する(ステップS202)。
具体的には、トークン管理サーバ20は、受領したトークンの発行要求を確認し、トークンを発行の要求が成立しているかどうかを確認する。トークン管理サーバ20は、例えば、以下を確認する。
・トークンマスタDB211および商材データベース311を参照して、発行要求に含まれる商材について、トークンタイプの設定がされているかどうかを確認する。
・トークンの発行に必要な費用の決済が済んでいるかどうかを確認する。
これらのうち、いずれかの情報が確認されない場合には、処理は終了する。
一方、上記の確認事項について確認がとれるとトークンの発行要求の成立が検出される。
【0103】
ステップS202の後に、トークン管理サーバ20は、新たなトークンを発行する(ステップS203)。
具体的には、トークン管理サーバ20は、トークンの発行要求に基づいて、トークンDB212の新たなレコードを作成する。この際、トークン管理サーバ20は、トークンDB212における項目「台帳ID」には、当該トークンの所有者の情報が登録される分散型台帳のIDが格納される。
項目「デジタルコンテンツアドレス」には、当該トークンに紐づけられるデジタルコンテンツのデータが格納されるアドレス情報が格納される。
また、トークン管理サーバ20は、トークンDB212の項目「ステータス」は「引換前」とする。
【0104】
ステップS203の後に、トークン管理サーバ20は、発行したトークンの付与を指示する(ステップS204)。
具体的には、トークン管理サーバ20は、分散型台帳システム50に対して、トークンの所有者として発行要求を行ったユーザに関する情報を、分散型台帳における台帳IDに該当するブロックチェーンに記録する旨を指示する。
【0105】
ステップS204の後に、分散型台帳システム50は、トークンの所有者としてユーザ情報を登録する(ステップS501)。
具体的には、分散型台帳システム50は、ユーザに関する情報(例えば分散型台帳においてユーザを特定するユーザのウォレット情報)を、台帳IDに該当するブロックチェーンに追加する新たなブロックに登録する。また、分散型台帳システム50において、トークンの所有者の情報が記録される分散型台帳に対して、ユーザーの身分を証明する情報が登録された他の分散型台帳、又は、身分を証明する分散型台帳と紐づけられても良い。これにより発行元が意図しない転売を阻止することができる。
【0106】
ステップS501の後に、分散型台帳システム50は、トークンの付与を通知する(ステップS502)。
具体的には、分散型台帳システム50は、ユーザのウォレットに対してトークンを付与した旨をユーザに対して通知する。
【0107】
ステップS502の後に、ユーザ端末10は、トークンの付与を受領する(ステップS102)。
具体的には、ユーザ端末10は、ウォレットに対してトークンが付与された旨を受け付けることで、トークンの付与を受領する。
以上により、トークンの発行処理が完了する。
【0108】
(4-2)商材の引換処理
第1実施形態に係る商材の引換処理について説明する。
図11は、第1実施形態に係る商材の引換処理のフローチャートである。
【0109】
図11に示す商材の引換処理は、例えばユーザからの要求に応じて開始し得る。商材の引換処理は、ユーザが店舗又はトークンと、商材と、の引換を対応するECサイトなどにおいて行われる。
【0110】
図11に示すように、ユーザ端末10は、引換申請の入力を受け付ける(ステップS111)。
具体的には、ユーザが、トークンを引き換えることで提供を受けたい商材に関して、ユーザ端末10によりログインをしたECサイトにおいて、引換申請を入力する。ユーザ端末10は、入力された引換申請を商材引換サーバ30に送信する。商材の引換申請には、例えば以下の情報が含まれる。
・引換を希望するユーザを識別する情報
・引換を希望する商材を識別する情報
・引換に用いられるトークンを識別する情報
【0111】
ステップS111の後に、商材引換サーバ30は、引換申請を受領する(ステップS311)。
具体的には、商材引換サーバ30、ユーザ端末10から送信された引換申請を受領する。
【0112】
ステップS311の後に、商材引換サーバ30は、トークン譲渡の指示を行う(ステップS312)
具体的には、商材引換サーバ30は、ユーザ端末10に対して、引換の対象となる商材の引換券となるトークンを譲渡する旨の指示を送る。
【0113】
ステップS312の後に、ユーザ端末10は、トークン譲渡の指示を受領する(ステップS112)。
具体的には、ユーザ端末10は、受領した商材引換サーバ30からのトークンの譲渡の指示をディスプレイ15に表示してユーザに提示する。
【0114】
ステップS112の後に、ユーザ端末10は、トークンの譲渡の申請を行う(ステップS113)。
具体的には、ユーザ端末10は、ユーザからの入力操作に応じて、分散型台帳システム50に対して、トークンを商材引換サーバ30に譲渡する旨を指示する。すなわち、ユーザ端末10は分散型台帳システム50に対して、台帳IDに該当するブロックチェーンに記録されたトークンの所有者の情報を、ユーザに関する情報から、引換者に関する情報に変更する旨を指示する。
【0115】
ステップS113の後に、分散型台帳システム50は、トークンの所有者の情報を変更或いは追加する(ステップS511)。
具体的には、分散型台帳システム50は、台帳IDに該当するブロックチェーンに記録されたトークンの所有者の情報を、ユーザに関する情報から、引換者に関する情報(例えば分散型台帳において引換者を特定する引換者のウォレット情報)に変更或いは追加する。
【0116】
ステップS511の後に、分散型台帳システム50は、トークンの所有者の情報の変更或いは追加を通知する(ステップS512)。
具体的には、分散型台帳システム50は、引換者のウォレットに対してトークンを付与した旨を引換者に対して通知する。
【0117】
ステップS512の後に、商材引換サーバ30は、トークンの譲渡を受領する(ステップS313)。
具体的には、商材引換サーバ30は、引換者に対してトークンが付与された旨を受け付けることで、トークンの付与を受領する。
【0118】
ステップS313の後に、商材引換サーバ30は、トークンの真正性の有無を確認する(ステップS314)。
具体的には、商材引換サーバ30は、トークンに記載されているトークンIDからトークンタイプを確認し、トークンマスタDB211において、当該トークンタイプの引換者として自身が登録されているかどうかを確認する。仮に、引換者が団体である場合には、引換者として自身が所属する団体が登録されているかどうかを確認する。
自身が引換者として登録されていることを確認することで、トークンの真正性が確認される。仮に当該トークンタイプの引換者として自身が登録されていない場合は、トークンが真正なものではないと判断され、引換処理は終了する。すなわち、商材引換サーバ30は、トークンマスタDB211に記録された、トークンの発行に関する発行者と引換者との取り決めに基づいて設定された情報を確認することで、トークンの真正性の有無を確認する。なお、トークンマスタDB211は、トークンIDと紐づいたその他の情報を確認することで、トークンの真正性の有無を確認してもよい。ここで、トークンの真正性の有無の確認にもちいられる「その他の情報」としては、例えば当該トークンの最初の発行者に関する情報が含まれる。トークンの最初の発行者に関する情報は、分散型台帳に記録されている。
また、商材引換サーバ30は、トークンの譲渡の申請に含まれるトークンに関する情報を確認し、トークンにより引換可能な商材と、ユーザが引換を要求している商材との同一性を確認してもよい。
【0119】
ステップS314の後に、商材引換サーバ30は、商材の提供を許可する(ステップS315)。
具体的には、商材引換サーバ30は、例えばECサイトにおいて商材の引換を行う場合には、商材の提供を許可したうえで、該当する商材のユーザへの配送を手配する。
また、商材引換サーバ30は、例えば、エンタメサイト上で商材の引換を行う場合には、商材の提供を許可したうえで、該当する商材のユーザへの配信を実行する。
また、例えば店舗において商材の引換が行われる場合には、引換を実行するスタッフに対して、商材の提供を許可する旨の通知を行う。
商材引換サーバ30は、商材の提供を許可した旨をユーザ端末10に通知する。
また、商材引換サーバ30は、トークンDB212の項目「ステータス」を「清算前」に変更する。
【0120】
ステップS315の後に、ユーザ端末10は、商材の提供を受領する(ステップS114)。
具体的には、ユーザ端末10は、商材引換サーバ30からの商材の提供が許可された旨の通知を受領する。
以上により、商材の引換処理が終了する。
【0121】
(4-3)商材の引換処理の変形例
次に、商材の引換処理の変形例について説明する。
図12は、商材の引換処理の変形例のフローチャートである。なお、
図12では、分散型台帳システム50の処理についての図示を省略している。
ステップS111~ステップS112までは
図11の処理と同一であるため、その説明を省略する。
この変形例では、トークンの真正性の有無の確認が、トークンの譲渡の前に行われる。
【0122】
ステップS113において、トークンの譲渡の申請は、
図11に示す処理とは異なり、商材引換サーバ30に対して行われる。すなわち、商材引換サーバ30は、トークンの譲渡の申請に含まれるトークンに関する情報を受け付ける。
【0123】
ステップS113の後に、商材引換サーバ30は、トークンの真正性の有無の確認を行う(ステップS316)
具体的には、商材引換サーバ30は、例えば、トークンの譲渡の申請に含まれるトークンに関する情報を確認し、トークンにより引換可能な商材と、ユーザが引換を要求している商材との同一性を確認する。商材引換サーバ30は、
図11のステップS314のように、トークンに紐づいたその他の情報(発行者情報および引換者情報を含む)を用いて、トークンの真正性の有無を確認してもよい。
【0124】
ステップS316において、トークンが真正性を有していないと判断された場合(ステップS317のNo)には、商材引換サーバ30は、ユーザに対して、引換ができない旨の通知を行う(ステップS318)。これにより、商材の引換処理が終了する。
【0125】
一方、ステップS316において、トークンが真正性を有していると判断された場合(ステップS317のNo)には、商材引換サーバ30は、トークンの付与を申請する(ステップS319)。
具体的には、商材引換サーバ30は、分散型台帳システム50に対して、ユーザから入力されたトークンの譲渡の申請に含まれる情報を送信することで、トークンの付与を申請する。すなわち、商材引換サーバ30は分散型台帳システム50に対して、台帳IDに該当するブロックチェーンに記録されたトークンの所有者の情報を、ユーザに関する情報から、引換者に関する情報に変更する旨を指示する。
【0126】
そして、
図11において前述したステップS511およびステップS512と同様に、分散型台帳システム50は、トークンの所有者の情報を変更或いは追加し、その旨を通知する。
すなわち、分散型台帳システム50は、引換者のウォレットに対してトークンを付与した旨を引換者に対して通知する。
【0127】
ステップS319の後に、商材引換サーバ30は、トークンの譲渡を受領する(ステップS320)。
具体的には、商材引換サーバ30は、引換者に対してトークンが付与された旨を受け付けることで、トークンの付与を受領する。
【0128】
ステップS320の後に、商材引換サーバ30は、商材の提供を許可する(ステップS321)。
具体的には、商材引換サーバ30は、前述した
図11に示すステップS315と同様に、予め設定された態様に従って、商材の提供を許可する。商材引換サーバ30は、商材の提供を許可した旨をユーザ端末10に通知する。
また、商材引換サーバ30は、トークンDB212の項目「ステータス」を「清算前」に変更する。
【0129】
ステップS321の後に、ユーザ端末10は、商材の提供を受領する(ステップS114)。
具体的には、ユーザ端末10は、商材引換サーバ30からの商材の提供が許可された旨の通知を受領する。
以上により、商材の引換処理が終了する。
【0130】
以上説明したように、本変形例の商材の引換処理では、トークンを引換者に譲渡する前に、商材引換サーバ30が、トークンの真正性の有無を確認する。このため、仮にトークンが真正性を有さない場合において、商材の提供を許可しないばかりでなく、ユーザから引換者へのトークンの譲渡の取引自体を停止することが可能となる。これにより、トークンの譲渡の取引において分散型台帳システム50において行われるトランザクション処理を生じさせることなく引換処理を停止することができ、取引の安全性を確保することができる。
【0131】
(4-4)引換の対価の支払い処理
第1実施形態に係る引換の対価の支払い処理について説明する。
図13は、第1実施形態に係る引換の対価の支払い処理のフローチャートである。引換の対価の支払いとは、引換券としてのトークンの発行において発行者が受け取っていた商材の購入に関するユーザからの支払いのうち、商材の販売価格に関する費用について、商材を提供した事業者(引換者)が、トークンの発行者から回収する処理である。
【0132】
図13に示す引換の対価の支払い処理は、例えば引換者からの要求に応じて開始し得る。引換の対価の支払い処理は、例えば月末で締めた引換実績について、翌月末に一括して行うなど、定期的に行ってもよい。
【0133】
図13に示すように、商材引換サーバ30は、対価の支払い申請の入力を受け付ける(ステップS231)。
具体的には、商材引換サーバ30は、引換者から入力された対価の支払いの申請として、トークンIDの入力を受け付ける。商材引換サーバ30は、入力されたトークンIDを含む対価の支払いの申請をトークン管理サーバ20に送信する。
【0134】
ステップS231の後に、トークン管理サーバ20は、対価の支払いの申請を受領する(ステップS331)。
具体的には、トークン管理サーバ20は、商材引換サーバ30から送信されたトークンIDを含む対価の支払いの申請を受領する。
【0135】
ステップS331の後に、トークン管理サーバ20は、トークンの引渡しの指示を行う(ステップS332)。
具体的には、トークン管理サーバ20は、商材引換サーバ30に対して、対価の支払いの申請に含まれるトークンを引き渡す旨の指示を送る。
【0136】
ステップS332の後に、商材引換サーバ30は、トークンの引渡しの支持を受領する(ステップS232)。
具体的には、商材引換サーバ30は、受領したトークン管理サーバ20からのトークンの譲渡の指示をディスプレイ15に表示してユーザに提示する。
【0137】
ステップS232の後に、引換者は、トークンの引渡しを指示する(ステップS233)。
具体的には、引換者は、引換者の入力操作に応じて、分散型台帳システム50に対して、トークンをトークン管理サーバ20に引き渡す旨を指示する。すなわち、商材引換サーバ30は分散型台帳システム50に対して、台帳IDに該当するブロックチェーンに記録されたトークンの所有者の情報を、引換者に関する情報から、発行者に関する情報に変更する旨を指示する。
【0138】
ステップS233の後に、分散型台帳システム50は、トークンの所有者の情報を変更或いは追加する(ステップS531)。
具体的には、分散型台帳システム50は、台帳IDに該当するブロックチェーンに記録されたトークンの所有者の情報を、引換者に関する情報から、発行者に関する情報(例えば分散型台帳において発行者を特定する発行者のウォレット情報)に変更或いは追加する。
【0139】
ステップS531の後に、分散型台帳システム50は、トークンの所有者の情報の変更或いは追加を通知する(ステップS532)。
具体的には、分散型台帳システム50は、発行者のウォレットに対してトークンを付与した旨を発行者に対して通知する。
【0140】
ステップS532の後に、トークン管理サーバ20は、トークンの引渡しを受領する(ステップS333)。
具体的には、トークン管理サーバ20は、発行者に対してトークンが付与された旨を受け付けることで、トークンの付与を受領する。これにより、トークン管理サーバ20は、引換の受託者からのトークンの引渡しを検出する。引換の受託者とは、ユーザに対してトークンと商材の引換を実際に行ったもの(例えば店舗などの各事業者)を指す。
【0141】
ステップS334の後に、トークン管理サーバ20は、支払条件を参照して、支払条件に応じた支払を実行する(ステップS334)。
具体的には、トークン管理サーバ20は、トークンIDが該当するトークンタイプIDに紐づいたトークンマスタDB211に記載された支払条件を参照して、引換者に対して引換の対価に関する支払を実行する。トークン管理サーバ20は商材引換サーバ30に対して、対価の支払いを実行した旨を通知する。
また、トークン管理サーバ20は、トークンDB212の項目「ステータス」を「清算前」から「清算済」に変更する。なお、項目「ステータス」を管理しない場合には、この処理は省略することができる。
【0142】
ステップS334の後に、商材引換サーバ30は、対価の支払いの連絡を受領する(ステップS234)。
具体的には、商材引換サーバ30は、トークン管理サーバ20から送信された対価の支払いを実行した旨の連絡を受領する。
以上により、引換の対価の支払い処理が終了する。
【0143】
(5)小括
以上説明したように、システム1では、トークンの発行要求の成立により、商材の引換券となるトークンをユーザに付与することができる。そしてトークンが非代替性を備え、所有者の情報が登録されていることで、資産価値を有したデジタルデータとして、それ自体が商取引の対象なることができる。このため、引換券となるトークンが流々転々とユーザ間で流通したとしても、トークンの所有者が明確な状態を維持することができる。これにより、予約券であるトークンの所有者の情報を常に発行者と引換者との間で更新して共有する必要がなく、個人情報の管理に要する労力を削減することができる。
このように、システム1によれば、高い匿名性を担保することで、容易に取引の安全性を確保することができる。
【0144】
また、トークンの譲渡を受けた引換者によりトークンの真正性の有無が確認された際に、トークンと引き換えられる商材のユーザへの提供を許可する。これにより、個人情報などの取り扱いに慎重を要する情報を発行者と引換者との間で共有する必要がなく、個人情報の管理に要する労力を削減することができる。これにより、取引の安全性を担保することができる。
【0145】
また、トークンに含まれる固有の情報は、代替性トークンの発行に関する取り決めに基づいて設定された情報と紐づけられている。このため、トークンを発行した主体と、トークンの引換券としての客体と、が明確な状態が維持される。
【0146】
また、非代替性トークンの真正性の有無を確認するステップでは、商材引換サーバ30が、代替性トークンの発行に関する取り決めに基づいて設定された情報と紐づけられている情報を確認することで、トークンの真正性の有無を確認する。このため、不正に発行されたトークンが商材の引換に使用されることを防止することができる。
【0147】
また、固有の情報には、ユーザから商材の引換を受託した受託者が、発行者から支払われる引換の対価に関する条件が含まれる。このため、引換者と発行者との間の取引である引換の対価の支払いを円滑に行うことができる。
【0148】
また、システム1では、商材の引換の受託者から、非代替性トークンの発行者への引き渡しを検出すると、受託者に対して、引換の対価に関する条件に従って、引換の対価を支払いが行われる。これにより引換券としてのトークンの発行で受け取った費用のうち、引換対象となった商材の提供に関する費用を引換者が回収することができ、トークンの引換券としての機能が補完される。
【0149】
<第2実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0150】
(6)情報処理システム2の構成
本実施形態に係る情報処理システム2(以下、単にシステム2という)の構成について説明する。
図14は、第2実施形態に係る情報処理システム2の構成を示すブロック図である。
【0151】
図14に示すように、システム2は、第1実施形態に係るシステム1の構成に加えて、トークン確認サーバ60を備えている。すなわち、本実施形態では、トークンの真正性の有無を確認するサーバが、商材引換サーバ30とは別に設けられている。トークン確認サーバ60の管理者は、引換者であってもよいし、引換者に対してトークンの真正性を保証する役務を提供する第三者であってもよい。
【0152】
トークン確認サーバ60は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10、トークン管理サーバ20、商材引換サーバ30、および分散型台帳システム50と通信可能に接続されている。
ユーザ端末10、トークン管理サーバ20、商材引換サーバ30、および分散型台帳システム50の構成は、システム1の構成と同一であるため、その説明を省略する。
そしてシステム2では、トークン確認サーバ60が、トークンの真正性の有無を確認する機能を実現する。
【0153】
(7)トークン確認サーバ60の構成
次に、トークン確認サーバ60の構成について説明する。
図15は、第2実施形態に係るトークン確認サーバ60の構成を示すブロック図である。
【0154】
図15に示すように、トークン確認サーバ60は、記憶装置61と、プロセッサ62と、入出力インタフェース63と、通信インタフェース64とを備える。
【0155】
記憶装置61は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置61は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0156】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0157】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0158】
プロセッサ62は、記憶装置61に記憶されたプログラムを起動することによって、トークン確認サーバ60の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ62は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0159】
入出力インタフェース63は、トークン確認サーバ60に接続される入力デバイスから情報(ユーザの指示)を取得し、かつ、トークン確認サーバ60に接続される出力デバイスに情報(例えば画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0160】
通信インタフェース64は、トークン確認サーバ60と外部装置(例えば、ユーザ端末10、トークン管理サーバ20、商材引換サーバ30、および分散型台帳システム50)との間の通信を制御するように構成される。
【0161】
(8)分散型台帳のデータ構造
次に、本実施形態に係る分散型台帳のデータ構造について説明する。
図16は、第2実施形態に係る分散型台帳のデータ構造の一例を示す図である。
図16に示すように、システム2における分散型台帳では、トークンが有する各種の固有の情報が、分散型台帳に格納されている。分散型台帳には、取引の履歴であるトランザクションに関する情報と紐づけられて、トークンIDに紐づく固有の情報が格納されている。トークンIDに紐づく固有の情報としては、例えば、以下が挙げられる。
・トークンID…トークンの識別情報であり、ブロックチェーンを識別する台帳IDとしても機能する。
・発行日時…トークンが発行された日時
・発行者情報…トークンを最初に発行(MINT)した者の情報
・引換商材…引換対象となる商材の内容、量に関する情報
・引換方法…引換えを行う方法に関する情報
・支払条件…トークンと商材との引換の対価の支払いに関して合意された情報
・デジタルコンテンツアドレス…デジタルコンテンツのデータが格納されるアドレス情報
また、図示しない以下の情報がトークンIDと紐づけられて格納されてもよい。
・トークンの有効期限日、又はトークンの発行からの有効期間
・トークンの利用可能回数
なお、トークンの所有者に関する情報は、トークンID(台帳ID)に紐づくブロックチェーンにおける最新のブロックのトランザクションデータに記録されている。そして、過去の取引履歴については、全てのブロックのトランザクションデータとして蓄積されている。すなわち、過去の取引履歴は、トークンの固有の情報として扱われる。
【0162】
(9)商材の引換処理
第2実施形態に係る商材の引換処理について説明する。
図17は、第2実施形態に係る商材の引換処理のフローチャートである。なお、
図17では、分散型台帳システム50の処理についての図示を省略している。
ステップS111~ステップS112までは
図11の処理と同一であるため、その説明を省略する。
この引換処理では、商材の提供が、トークンの譲渡の前に行われる。
【0163】
ステップS113において、トークンの譲渡の申請は、
図11に示す第1実施形態の処理とは異なり、トークン確認サーバ60に対してトークンが付与される形で行われる。すなわち、ユーザ端末10は、図示しない分散型台帳システム50に対して、トークン確認サーバ60へのトークンの付与を指示する。
より具体的には、トークン確認サーバ60は分散型台帳システム50に対して、台帳IDに該当するブロックチェーンに記録されたトークンの所有者の情報を、ユーザに関する情報から、トークン確認サーバ60の管理者に関する情報に変更する旨を指示する。ここで、トークン確認サーバ60の管理者に関する情報とは、例えば、分散型台帳においてトークン確認サーバ60の管理者が管理するウォレット情報である。
【0164】
そして、
図11において前述したステップS511およびステップS512と同様に、分散型台帳システム50は、トークンの所有者の情報を、ユーザに関する情報から、トークン確認サーバ60に関する情報に変更或いは追加し、その旨をトークン確認サーバ60に通知する。
トークン確認サーバ60は、付与されたトークンを受領する(ステップS611)。
【0165】
ステップS611の後に、トークン確認サーバ60は、トークンの真正性の有無の確認を行う(ステップS612)
具体的には、トークン確認サーバ60は、例えば、分散型台帳に記録されたトークンIDに紐づく固有の情報のうち、当該トークンの発行者の情報を確認する。そして、当該トークンの発行者の情報として、適切な発行者の情報が記録されている場合に、トークンが真正性を有していると判断する。この際の判断の根拠となる適切な発行者の情報については、別途、参照用のデータテーブルに適切な発行者に関する情報を保持しておいてもよい。
また、トークン確認サーバ60は、トークンIDに紐づくその他の情報(商材に関する情報、引換者情報、トークンの取引履歴に関する情報を含む)を用いて、トークンの真正性の有無を確認してもよい。
なお、この説明では、トークン確認サーバ60は、付与されたトークンについて真正性を確認しているが、トークンを受け取る前に、引換の申請に含まれるトークンに関する情報を用いて、トークンの真正性を確認してもよい。この場合には、トークンをユーザからトークン確認サーバ60に移転する処理の手間を省くことができる。
【0166】
そして、トークン確認サーバ60は、トークンの真正性の有無の確認結果を出力する。
すなわち、ステップS612において、トークンが真正性を有していないと判断された場合には、トークン確認サーバ60は、ユーザに対して、引換ができない旨の通知を行う。これにより、商材の引換処理が終了する。またこの際、トークン確認サーバ60は、一度付与されたトークンをユーザに返してもよい。
【0167】
一方、ステップS612において、トークンが真正性を有していると判断された場合には、トークン確認サーバ60は、商材引換サーバ30に対して、トークンの提供を指示する(ステップS613)。
具体的には、トークン確認サーバ60は、商材引換サーバ30に対して、当該トークンが保有する固有の情報に基づいて、提供するべき商材に関する情報を商材引換サーバ30に通知して、ユーザに対して商材を提供する旨の指示を送信する。
【0168】
ステップS613の後に、商材引換サーバ30は、商材の提供を許可する(ステップS341)。
具体的には、商材引換サーバ30は、予め設定された態様に従って、商材の提供を許可する。商材引換サーバ30は、商材の提供を許可した旨をユーザ端末10に通知する。
【0169】
ステップS341の後に、ユーザ端末10は、商材の提供を受領する(ステップS114)。
具体的には、ユーザ端末10は、商材引換サーバ30からの商材の提供が許可された旨の通知を受領する。
【0170】
ステップS114の後に、ユーザ端末10は、商材の提供の受領に関する報告を、トークン確認サーバ60に対して送信する(ステップS115)。
【0171】
ステップ115の後に、トークン確認サーバ60は、商材の受領に関する報告を受け付ける(ステップS614)。
【0172】
ステップS614の後に、トークン確認サーバ60は、トークンの商材引換サーバ30への送付を指示する(ステップS615)。
具体的には、トークン確認サーバ60は、分散型台帳システム50に対して、トークンの付与を申請する。すなわち、トークン確認サーバ60は分散型台帳システム50に対して、台帳IDに該当するブロックチェーンに記録されたトークンの所有者の情報を、ユーザに関する情報から、引換者に関する情報に変更する旨を指示する。
【0173】
そして、
図11において前述したステップS511およびステップS512と同様に、分散型台帳システム50は、トークンの所有者の情報を変更或いは追加する。
すなわち、分散型台帳システム50は、引換者のウォレットに対してトークンを付与した旨を引換者に対して通知する。
【0174】
ステップS615の後に、商材引換サーバ30は、トークンの譲渡を受領する(ステップS342)。
商材引換サーバ30は、分散型台帳システム50から引換者に対して付与されたトークンを受け取ることで、トークンの譲渡を受領する。
以上により、本実施形態に係る商材の引換処理が終了する。
【0175】
(10)小括
以上説明したように、本実施形態に係るシステム2では、分散型台帳に記録されたトークンの固有の情報を確認することでトークンの真正性の有無を確認する。このため、トークンに関する情報が格納されたデータベースを参照するために、それぞれのデータベースが保管されたサーバへのアクセスを不要とすることができる。これにより、トークンの流通性を確保することができ、より一層円滑な商取引を実現することができる。
また、システム2では、トークンの真正性の有無の確認において、それぞれの主体が管理するデータベースが保管されたサーバへのアクセスが不要となる。このため、新たな引換者としての参入の障壁が少なくなり、引換者が大多数になった場合において、特に有用性が高くなることが期待できる。
また、トークンIDに紐づく固有の情報が分散型台帳に記録されているので、改竄が困難な状態を実現でき、トークンを介した取引における不正行為を排除することができる。
【0176】
また、分散型台帳に記録された情報を確認するだけで商材の取引が実現するので、引換者は、引換者としての何らかのコンソーシアムへの加盟が不要となる。このため、どのような規模の小売業においても本発明のトークンを利用した商材の引換に関する取引を行うことができ、柔軟性の高い商取引を実現することができる。
また、改竄が極めて困難な引換券であるトークンが流々転々とユーザ間で流通することにより、市場における商材の流通性を高めることができる。
【0177】
また、商材引換サーバ30とは別に設けられたトークン確認サーバ60が、トークンの真正性の有無の確認を行う。このため、分散型台帳におけるトークンの移転のトランザクションが生じさせながら、トークンの真正性の有無を確認したうえで、商材を提供させることが可能になる。これにより、トークンを用いた取引の安全性を確保することができる。
【0178】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0179】
(11)情報処理システム3の構成
本実施形態に係る情報処理システム3(以下、単にシステム3という)の構成について説明する。
図18は、第2実施形態に係る情報処理システム3の構成を示すブロック図である。
【0180】
図18に示すように、システム3は、第1実施形態に係るトークン管理サーバ20および商材引換サーバ30に代えて、トークン管理・商材引換サーバ40を備えている。すなわち、本実施形態には、トークンの発行を行う事業者と、商材の引換を行う事業者と、が同一である場合が該当する。
【0181】
トークン管理・商材引換サーバ40は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10、および分散型台帳システム50と通信可能に接続されている。
情報処理システム3におけるその他の構成については、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
トークン管理・商材引換サーバ40の構成は、トークン管理サーバ20の構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0182】
そしてシステム3では、トークン管理・商材引換サーバ40が、トークン管理サーバ20および商材引換サーバ30の機能を実現する。すなわち、
図10に示すトークンの発行処理および
図11又は
図12に示す商材の引換処理は、ユーザ端末10、トークン管理・商材引換サーバ40、および分散型台帳システム50により行われる。なお、システム3では、
図13に示す引換の対価の支払い処理は行われない。トークンの発行を行う事業者と、商材の引換を行う事業者と、が同一であるため、引換の対価の支払いを行う必要がないためである。
【0183】
(12)小括
以上説明したように、本実施形態に係るシステム3では、トークン管理・商材引換サーバ40がトークンの発行処理および商材の引換処理を実行する。このため、例えば引換券となるトークン同士がユーザ間で取引できる状態を実現することで、商材に関する取引が活発になることが期待される。
【0184】
(13)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10と接続されてもよい。ディスプレイ15は、ユーザ端末10に内蔵されてもよい。記憶装置21は、ネットワークNWを介して、トークン管理サーバ20と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、商材引換サーバ30と接続されてもよい。
上記の情報処理の各ステップは、処理に矛盾が生じない範囲において、その順序を変更することができる。
【0185】
また、上記の実施形態では、トークンマスタDB211において、トークンタイプIDに対して、発行者に関する情報、および引換者に関する情報が紐づけられていたが、この限りではない。例えば、発行者に関する情報が格納された発行者DBを別途設けて、トークンマスタDB211において、トークンタイプIDに対して、発行者DBに記録された発行者の識別情報が紐づけられてもよい。
また、引換者に関する情報が格納された引換者DBを別途設けて、トークンマスタDB211において、トークンタイプIDに対して、引換者DBに記録された引換者の識別情報が格納されてもよい。
【0186】
また、上記の実施形態では、トークンマスタDB211において、トークンタイプIDに対して、引換の対価の支払いに関する支払条件が紐づけられていたが、この限りではない。例えば、支払条件を含む契約内容に関する情報が格納された契約DBを別途設けて、トークンマスタDB211には、トークンタイプIDに対して、契約DBに記録された適用される契約の識別情報が紐づけられてもよい。
【0187】
また、トークンに有効期限日、或いは、発行からの有効期間を設けることで、トークンの流通に制約を与えてもよい。
また、トークンの取引におけるステータスの変更の回数を管理することで、再流通可能なトークンの利用回数を一回、或いは、所定の回数内に制限してもよい。トークンの利用可能な回数は、発行主、引換者、またはユーザが所有した回数により制限してもよい。
【0188】
また、分散型台帳システム50が管理する分散型台帳が、予め設定されたルールに従う処理を自動で実行するコントラクトデータを搭載し、分散型台帳システム50が、引換者へのトークンの譲渡をトリガーとして、商材のユーザへの提供を自動で実行してもよい。この場合には、コントラクトデータに設定されたルールとして、入力データとして、引換者へのトークンの譲渡の検出が設定され、出力する処理としては、ユーザへの特定の商材の提供が予め設定されている。
【0189】
また、分散型台帳システム50が管理する分散型台帳が、予め設定されたルールに従う処理を自動で実行するコントラクトデータを搭載してもよい。この場合には、分散型台帳システム50が、引換者から発行者へのトークンの引渡しをトリガーとして、引換者への商材の引換における対価の支払いを自動で実行してもよい。この場合には、コントラクトデータに設定された契約事項としては、入力データとして、トークンの発行者への引渡しの検出が設定され、出力する処理としては、引換者への引換における支払条件に従った対価の支払いが予め設定されている。
【0190】
また、トークンIDに紐づく各データのうちの一部を、分散型台帳の内部に格納してもよい。
すなわち、第1実施形態において、トークンDB212に格納されるデータの少なくとも一部を、分散型台帳の内部に格納してもよい。
【0191】
また、トークンの真正性の有無の確認は、商材の引換処理に限られず、商材の引換の対価の支払い処理に適用されてもよい。この場合には、少なくとも以下の態様が含まれる。
・引換者から発行者へのトークンの引渡しの後にトークンの真正性の有無が確認され、真正性が確認されたことに応答して発行者から引換者に対価が支払われる処理
・引換者から発行者へのトークンの引渡しの申請に対してトークンの真正性の有無が確認され、トークンの真正性が確認されたことに応答して、トークンが発行者に引き渡され、発行者から引換者に対価が支払われる処理
・引換者からトークン確認サーバ60の管理者に付与されたトークンに対し真正性の有無が確認され、真正性が確認されたことに応答して発行者から引換者への対価の支払いがされ、引換者の対価の受領に応答して、トークンがトークン確認サーバ60の管理者から発行者に引き渡される処理
【0192】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0193】
1、2 :情報処理システム
10 :ユーザ端末10
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
20 :トークン管理サーバ
21 :記憶装置
22 :プロセッサ
30 :商材引換サーバ
31 :記憶装置
22 :プロセッサ
40 :トークン管理・商材引換サーバ
41 :記憶装置
42 :プロセッサ
50 :分散型台帳システム
55 :ノードコンピュータ