(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162598
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】広告報酬算出方法及び広告報酬算出プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20231101BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073037
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】322003145
【氏名又は名称】株式会社MUKIJIKU
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】長野 光宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 訓士
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】効率的に広告報酬を算出できる広告報酬算出方法及び広告報酬算出プログラムを提供する。
【解決手段】広告報酬算出システムにおいて、広告報酬算出プログラムが実行させる広告報酬算出方法は、広告情報を出力する移動可能な移動広告端末の位置を示す広告位置情報に基づき、第1所定時間の時間内における移動広告端末の移動距離が第1所定距離の範囲内である場合には、移動広告端末の管理者に支払う報酬を算出するか又は第1所定時間の開始時に取得した広告位置情報に基づく位置と、該第1所定時間の経過時に取得した広告位置情報に基づく位置との間の距離を、移動距離と判定する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
広告情報を出力する移動可能な移動広告端末の位置を示す広告位置情報に基づき、
第1所定時間の時間内における前記移動広告端末の移動距離が第1所定距離の範囲内である場合には、前記移動広告端末の管理者に支払う報酬を算出する、
広告報酬算出方法。
【請求項2】
情報処理装置が、
前記第1所定時間の開始時に取得した前記広告位置情報に基づく位置と、該第1所定時間の経過時に取得した前記広告位置情報に基づく位置と、の間の距離を前記移動距離と判定する、
請求項1に記載の広告報酬算出方法。
【請求項3】
情報処理装置が、
前記第1所定時間より長い第2所定時間の時間内における、前記移動広告端末の合計移動距離が第2所定距離以下である場合には、稼動を停止するとともに、その後所定時間内において稼動を開始できないようにする、
請求項1に記載の広告報酬算出方法。
【請求項4】
情報処理装置に請求項1~3のいずれかに記載の広告報酬算出方法を実行させるための広告報酬算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告報酬算出方法及び広告報酬算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2002-269290号公報(特許文献1)がある。この公報には、「広告に対する正確な広告効果を把握することができる広告配信システム」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
システムが複雑であるため、容易に導入できないおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
情報処理装置が、
広告情報を出力する移動可能な移動広告端末の位置を示す広告位置情報に基づき、
第1所定時間の時間内における前記移動広告端末の移動距離が第1所定距離の範囲内である場合には、前記移動広告端末の管理者に支払う報酬を算出する、
広告報酬算出方法。
【0006】
情報処理装置が、
前記第1所定時間の開始時に取得した前記広告位置情報に基づく位置と、該第1所定時間の経過時に取得した前記広告位置情報に基づく位置と、の間の距離を前記移動距離と判定する、
広告報酬算出方法。
【0007】
情報処理装置が、
前記第1所定時間より長い第2所定時間の時間内における、前記移動広告端末の合計移動距離が第2所定距離以下である場合には、稼動を停止するとともに、その後所定時間内において稼動を開始できないようにする、
広告報酬算出方法。
【0008】
情報処理装置に上述の広告報酬算出方法を実行させるための広告報酬算出プログラム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率的に広告報酬を算出できる広告報酬算出方法及び広告報酬算出プログラムを提供できる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】第1移動広告端末のハードウェア構成の例である。
【
図3】第1広告管理端末のハードウェア構成の例である。
【
図5】広告報酬算出システムの広告報酬算出フローの第1説明図である。
【
図6】広告報酬算出システムの広告報酬算出フローの第2説明図である。
【
図7】第1広告管理端末の出力装置が表示する画面の第1例である。
【
図8】第1広告管理端末の出力装置が表示する画面の第2例である。
【
図9】第1広告管理端末の出力装置が表示する画面の第3例である。
【
図10】第1広告管理端末の出力装置が表示する画面の第4例である。
【
図11】第1広告管理端末の出力装置が表示する画面の第5例である。
【
図12】第1広告管理端末の出力装置が表示する画面の第6例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
広告情報を出力する移動可能な移動広告端末の管理者に支払う報酬を算出するための広告報酬算出システム1の例を説明する。
図1は、広告報酬算出システム1の構成図である。
広告報酬算出システム1は、第1移動広告端末101A、第1広告管理端末101B、第2移動広告端末102A、第2広告管理端末102B、及びシステム管理端末103を備え、それぞれがネットワークを介して直接的又は間接的にサーバ104に接続されている。なお、ネットワークは有線、無線を問わず、それぞれの端末はネットワークを介して情報を送受信することができる。
【0012】
広告報酬算出システム1のそれぞれの端末やサーバは、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)などの携帯端末でもよいし、メガネ型や腕時計型、着衣型などのウェアラブル端末でもよい。また、据置型または携帯型のコンピュータや、クラウドやネットワーク上に配置されるサーバでもよい。あるいは、これらの複数の端末の組合せであってもよい。例えば、1台のスマートフォンと1台のウェアラブル端末との組合せが論理的に一つの端末として機能し得る。またこれら以外の情報処理端末であってもよい。
【0013】
第1移動広告端末101Aは、広告情報を出力する移動可能な情報処理装置(移動広告端末)である。
第1広告管理端末101Bは、第1移動広告端末101Aを管理する情報処理装置(広告管理端末)である。
第2移動広告端末102Aは、広告情報を出力する移動可能な情報処理装置(移動広告端末)である。
第2広告管理端末102Bは、第2移動広告端末102Aを管理する情報処理装置(広告管理端末)である。
システム管理端末103は、広告報酬算出システム1を管理する情報処理装置である。
サーバ104は、各広告管理端末にて算出した報酬情報を各広告管理端末から受信し、該報酬情報を審査する情報処理装置である。
【0014】
広告報酬算出システム1のそれぞれの端末やサーバは、それぞれオペレーティングシステムやアプリケーション、プログラムなどを実行するプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置と、ICカードやハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、ネットワークカードや無線通信モジュール、モバイル通信モジュール等の通信制御部と、タッチパネルやキーボード、マウス、音声入力などの入力を受け付ける入力装置と、モニタやディスプレイ等の出力装置と、を備える。なお、出力装置は、外部のモニタやディスプレイ、プリンタ、機器などに、出力するための情報を送信する装置や端子であってもよい。
【0015】
主記憶装置には、各種プログラムやアプリケーションなど(モジュール)が記憶されており、これらのプログラムやアプリケーションをプロセッサが実行することで全体システムの各機能要素が実現される。なお、これらの各モジュールは集積化する等によりハードウェアで実装してもよい。また、各モジュールはそれぞれ独立したプログラムやアプリケーションでもよいが、1つの統合プログラムやアプリケーションの中の一部のサブプログラムや関数などの形で実装されていてもよい。
本明細書では、各モジュールが、処理を行う主体(主語)として記載をしているが、実際には各種プログラムやアプリケーションなど(モジュール)を処理するプロセッサが処理を実行する。
【0016】
補助記憶装置には、各種データベース(DB)が記憶されている。「データベース」とは、プロセッサまたは外部のコンピュータからの任意のデータ操作(例えば、抽出、追加、削除、上書きなど)に対応できるようにデータ集合を記憶する機能要素(記憶部)である。データベースの実装方法は限定されず、例えばデータベース管理システムでもよいし、XMLなどのテキストファイルでもよい。
【0017】
図2は、第1移動広告端末101Aのハードウェア構成の例である。
第1移動広告端末101Aは、本実施形態においては、ヒトに取り付ける、リュック型のディスプレイ装置である。他の実施形態として、他の方法によりヒト又は動物に取り付けられる装置であってもよく、自走式のディスプレイ装置であってもよい。
【0018】
主記憶装置201には、広告出力モジュール211が記憶されており、これらのプログラムをプロセッサ203が実行することで第1移動広告端末101Aの各機能要素が実現される。
広告出力モジュール211は、後述する補助記憶装置202の第1出力広告DB221に記憶された広告情報を出力装置205(ディスプレイ)に出力する。
補助記憶装置202の第1出力広告DB221には、出力する広告画像データを備える。
【0019】
なお、第1移動広告端末101Aの通信制御部206は第1広告管理端末101Bとの通信(例えば、Bluetooth(登録商標))を制御する。
【0020】
図3は、第1広告管理端末101Bのハードウェア構成の例である。
第1広告管理端末101Bは、例えばスマートフォンで構成される。
主記憶装置301には、第1広告管理モジュール311、及び報酬算出モジュール312を含む移動広告管理アプリケーション310が記憶(インストール)されており、これらのプログラムをプロセッサが実行することで第1広告管理端末101Bの各機能要素が実現される。
【0021】
第1広告管理端末101Bには、該第1広告管理端末101Bにおける位置情報を取得するための位置情報取得部306も備えている。なお、位置情報とは、衛星からの信号を使用するGPS(グローバルポジショニングシステム/全地球測位システム)を利用して位置を特定する情報である。
1広告管理端末101B(第1移動広告端末101A)が位置する所定エリアを第1エリアとする。
【0022】
第1広告管理モジュール311は、後述する補助記憶装置302の第1広告DB321に記憶された広告情報を第1移動広告端末101Aへ送信する。
報酬算出モジュール312は、第1広告位置情報に基づき第1移動広告端末101A及び第1広告管理端末101Bの管理者(以下、広告管理者とする場合がある。)に支払う報酬を算出する。
【0023】
補助記憶装置302は、第1広告DB321、第1エリア報酬DB322、及び第1報酬DB323のデータベースを備える。
第1広告DB321は、第1エリアにおいて出力可能な複数の広告情報を備える。
第1エリア報酬DB322は、第1エリアにおける報酬に関する情報を備える。
第1報酬DB323は、報酬算出モジュール312が算出した広告管理者へ支払う報酬情報を備える。
【0024】
第1移動広告端末101A及び第1広告管理端末101Bは1人のユーザーが保有する端末である。故に、第1広告管理端末101Bで取得する位置情報は、第1移動広告端末101Aの位置情報(以下、第1広告位置情報とする場合がある。)とみなす。
【0025】
第2移動広告端末102Aの構成は第1移動広告端末101Aと同様であり、第2広告管理端末102Bの構成は第1広告管理端末101Bと同様である。
第2移動広告端末102A及び第2広告管理端末102Bは他のユーザーが保有する端末である。
【0026】
図4は、サーバ104のハードウェア構成の例である。
サーバ104は、例えばクラウド上に配置されたサーバで構成される。
主記憶装置401には、全広告管理モジュール411及び報酬審査モジュール412が記憶されており、当該プログラムをプロセッサ403が実行することでサーバ104の各機能要素が実現される。
【0027】
全広告管理モジュール411は、後述する補助記憶装置402の全広告DB421に記憶された広告情報、及び全エリア報酬DB422に記憶された報酬に関する情報を第1広告管理端末101Bへ送信する。
報酬審査モジュール412は、広告管理端末101B、102Bから送信された算出した報酬情報を審査して、広告管理者に支払う報酬を確定する。
【0028】
補助記憶装置402は、全広告DB421、全エリア報酬DB422、及び全報酬DB423のデータベースを備える。
全広告DB421は、広告報酬算出システム1を利用できる各エリアにおいて出力可能な複数の広告情報を備える。
全エリア報酬DB422は、広告報酬算出システム1を利用できる各エリアにおける報酬に関する情報を備える。
全報酬DB423は、各広告管理者に支払う確定した報酬情報を備える。
【0029】
ここで、
図5及び
図6により、広告報酬算出システム1の広告報酬算出フロー500を説明する。
第1広告管理端末101Bの第1広告管理モジュール311は、第1エリアにおいて出力可能な広告情報を第1移動広告端末101Aへ送信し、第1移動広告端末101Aの広告出力モジュール211は受信した該広告情報をディスプレイ(出力装置205)に出力する(ステップS1)。
【0030】
図7は第1広告管理端末101Bの出力装置305が出力可能な複数の広告情報を表示した画面700の例である。当該図の例では、広告A701が、第1移動広告端末101Aに出力される広告として選択されている。第1広告管理モジュール311は広告管理者により「転送する」702が選択された場合に広告Aの広告情報を第1移動広告端末101Aへ送信する。
【0031】
第1広告管理モジュール311は、第1移動広告端末101Aが位置する第1エリアで出力可能な複数の広告情報(
図7における広告A、広告B、及び広告C)を予めサーバ104から受信し、補助記憶装置302(第1広告DB321)に記憶する。
【0032】
図8は、
図7における「転送する」702が選択された後に遷移する画面800の例であり、出力装置305が広告管理者に支払う報酬のカウント(稼動)の開始を選択するための画面800を表示した例である。
報酬算出モジュール312は、広告管理者により「稼動開始」801が選択された場合に、第1広告位置情報の取得を開始する(ステップS2)。
【0033】
次いで、第1広告管理端末101Bの報酬算出モジュール312は、取得した第1広告位置情報に基づき広告管理者に支払う報酬をカウントする(ステップS3)。
【0034】
図9は、
図8における「稼動開始」801が選択された後に遷移する画面900の例であり、出力装置305が第1エリア情報901、該第1エリア内での第1移動広告端末101Aの位置902、及び移動経路903等を表示した画面900の例である。
【0035】
報酬算出モジュール312は、第1広告位置情報を取得し、第1所定時間(本実施形態においては3分間)の時間内における第1移動広告端末101Aの移動距離が第1所定距離の範囲内(本実施形態においては10m~1000m)である場合には、第1移動広告端末101Aの管理者に支払う報酬を算出する。
【0036】
報酬算出モジュール312は、第1所定時間の時間内における第1移動広告端末101Aの移動距離が第1所定距離の範囲内である場合には、一律に通常ポイント(例えば、+1ポイント)を加算するとともに、所定要件を満たした場合にはブーストポイントを加算する。
なお、報酬算出モジュール312は、サーバ104の補助記憶装置402(全エリア報酬DB422)に格納されている、第1エリアに関連する報酬に関する情報を予めサーバ104から受信し、補助記憶装置302(第1エリア報酬DB322)に記憶する。
【0037】
図10は、
図9における「現在の報酬単価」904が広告管理者により選択された後に遷移する画面1000の例であり、出力装置305が、現在カウントした各種ポイントの情報を表示した画面1000の例である。
【0038】
報酬算出モジュール312は、第1移動広告端末101Aが位置する第1エリアが予め定められた特定エリアである場合には、エリアブーストポイントを加算する。本実施形態における第1エリアは「世田谷区」(エリアブースト+2.4ポイント)であり、報酬算出モジュール312はブーストポイント(+2.4ポイント)を加算する。
【0039】
報酬算出モジュール312は、第1移動広告端末101Aが、第1エリア内に存在する該第1エリアより狭い特定領域(スポット905)に位置する場合には、スポットブーストポイントを加算する。
本実施形態におけるスポットは「二子玉川駅周辺」905(スポットブースト+2又は+1ポイント)及び「ショッピングモール周辺」905(スポットブースト+1ポイント)であり、報酬算出モジュール312は該第1広告管理端末101Bがスポット内で稼動している場合には、ブーストポイント(+2又は+1ポイント)を加算する。
図9で示すように、出力装置305はスポット905を表示する。
【0040】
報酬算出モジュール312は、第1移動広告端末101Aが稼動する時間が特定の時間帯(例えば、12時~15時)である場合には、タイムブーストポイント(例えば、+1ポイント)を加算する。本実施形態における、第1広告管理端末101Bが稼動する時間は「12時以前の時間帯」であり、報酬算出モジュール312はタイムブーストポイントを加算しない。
報酬算出モジュール312は、第1所定時間(3分)の開始時に、サーバ104から時刻情報を取得し、該時刻情報が上述する特定の時間帯であるかを判定する。
【0041】
報酬算出モジュール312は、第1移動広告端末101Aの出力装置205が特定の性能(出力装置がディスプレイである場合には高照度又は高解像度)を備えている場合には、パネルブーストポイント(例えば、+1ポイント)を加算する。本実施形態における第1移動広告端末101Aの出力装置205は特定の性能を備えており、報酬算出モジュール312はパネルブーストポイント(+1ポイント)を加算する。
なお、特定の性能を備える移動広告端末のシリアルID情報がサーバ104の補助記憶装置402(全エリア報酬DB422)に格納されているところ、報酬算出モジュール312は、稼働開始時に使用している移動広告端末のシリアルIDが該全エリア報酬DB422に格納されているかを照合することで、移動広告端末が特定の性能を備えているかを判定する。
【0042】
なお、本実施形態において1ポイントを1円と換算することができる。
【0043】
図11は、
図9における「本日の稼動状況」906が選択された後に遷移する画面1100の例であり、出力装置305が、同日中における稼動開始から現在までに算出した報酬の情報を表示した画面1100の例である。
【0044】
報酬算出モジュール312は、第1所定時間内(10:00~10:03)において、第1移動広告端末101Aの移動距離(図示しないが例えば100m)が第1所定距離の範囲内(10m~1000m)であるため、広告管理者に支払う報酬を、通常ポイント(+1ポイント)、エリアブーストポイント(+2.4ポイント)、スポットブーストポイント(+2ポイント)及びパネルポイント(+1ポイント)の合計である6.4ポイントと算出する。
【0045】
報酬算出モジュール312は、第1所定時間内(09:30~09:33)において、第1移動広告端末の移動距離(図示しないが例えば5m)が第1所定距離の範囲内(10m~1000m)ではないため、広告管理者に支払う報酬を算出しない(0ポイント)。
【0046】
本実施形態において、報酬算出モジュール312は、第1所定時間(3分)の開始時に取得した第1広告位置情報に基づく位置と、第1所定時間(3分)の経過時に取得した第1広告位置情報に基づく位置と、の間の距離を第1移動広告端末の「移動距離」と判定する。言い換えれば、報酬算出モジュール312は、第1所定時間(3分)の開始時及び経過時には、少なくとも位置情報を取得する。
故に、報酬算出モジュール312は、第1所定時間内(3分間)において、第1移動広告端末101Aの移動経路に沿った実際の距離が第1所定距離の範囲内(10m~1000m)であった場合でも、当該「移動距離」が第1所定距離の範囲内(10m~1000m)でない場合には、広告管理者に支払う報酬を算出しない。
【0047】
本実施形態において、報酬算出モジュール312は、第1所定時間(3分)の開始時と、経過時との間の中間時(1分経過時及び2分経過時)にも第1広告位置情報を取得する。言い換えれば、報酬算出モジュール312は、1分間隔で第1広告位置情報を取得する。
報酬算出モジュール312は、第1所定時間(3分)の開始時及び経過時の少なくともいずれか一方の時に第1広告位置情報を取得できない場合には、第1所定時間(3分)の中間時に取得した第1広告位置情報に基づき第1移動広告端末の「移動距離」を判定する。当該場合において、報酬算出モジュール312は、最も時間的間隔が大きい2つの第1広告位置情報に基づく位置間の距離を第1移動広告端末101Aの「移動距離」と判定する。
【0048】
例えば、報酬算出モジュール312は、第1所定時間(3分)の経過時の第1広告位置情報を取得できない場合には、第1所定時間(3分)の開始時に取得した第1広告位置情報に基づく位置と、中間時(2分経過時)に取得した第1広告位置情報に基づく位置と、の間の距離を第1移動広告端末の「移動距離」と判定する。
また、報酬算出モジュール312は、第1所定時間(3分)の開始時及び経過時のいずれの第1広告位置情報も取得できない場合には、第1所定時間(3分)の中間時(1分経過時)に取得した第1広告位置情報に基づく位置と、中間時(2分経過時)に取得した第1広告位置情報に基づく位置と、の間の距離を第1移動広告端末の「移動距離」と判定する。
【0049】
報酬算出モジュール312は、第1所定時間(3分)の開始時に取得した第1広告位置情報(開始時の第1広告位置情報を取得できない場合には第1所定時間において最初に取得する第1広告位置情報)に基づく位置が上述したスポット内に位置する場合に、上述したスポットブーストポイントを加算する。
【0050】
報酬算出モジュール312は、第1所定時間の開始時、中間時及び経過時の間に、2以上の第1広告位置情報を取得できなかった場合(GPSオフ)には、広告管理者に支払う報酬を算出しない。
報酬算出モジュール312は、
図11における第1所定時間内(09:48~09:51及び09:54~09:57)においてはGPSオフであるとして、広告管理者に支払う報酬を算出しない。
【0051】
報酬のカウント(稼動)を行っている間、第1移動広告端末101Aが正常に広告情報を出力していることを管理するために、第1広告管理端末101Bと第1移動広告端末101Aとは通信状態となっているところ、報酬算出モジュール312は、第1所定時間内(09:39~09:42)において、第1広告管理端末101Bと第1移動広告端末101Aとの通信が行われていない時間がある場合(通信オフ)、広告管理者に支払う報酬を算出しない。
【0052】
ところで、報酬算出モジュール312は、報酬のカウント(稼動)を開始した後であって、第1所定時間(3分間)より長い第2所定時間(例えば30分間)の時間内における、第1移動広告端末101Aの合計移動距離が第2所定距離(例えば50m)以下である場合には、稼動を停止するとともに、その後所定時間内(例えば30分間)における稼動を開始できないようにしてもよい。
例えば、報酬算出モジュール312は、第2所定時間(例えば11:00~11:30)の時間内において、第1移動広告端末101Aの合計移動距離が11:00~11:03の間に15m(移動距離)、及び11:15~11:18の間に30m(移動距離)であった場合(合計移動距離45m)には、第2所定距離(50m)以下であるため、報酬のカウント(稼動)を停止するとともに、その後所定時間内(11:30~12:00)における稼動を開始できないようにする。
【0053】
図12は、
図9における「稼動終了」907が選択された後に遷移する画面1200の例であり、出力装置305が広告管理者に支払う報酬及び稼動時間を表示する画面1200の例である。
報酬算出モジュール312は、
図9における「稼動終了」907が広告管理者により選択された場合に、算出した報酬情報をサーバ104に送信することで、報酬をカウントするステップS3が終了する。
【0054】
サーバ104の報酬審査モジュール412は、第1広告管理端末101Bから受信した報酬情報を補助記憶装置402(全報酬DB423)に記憶する。「報酬情報」には報酬の額のみならず、移動経路(位置情報)及び移動日時の情報も含む。
なお、サーバ104の全報酬DB423には、第1広告管理端末101Bから受信した報酬情報のみならず、他の広告管理端末(本実施形態においては第2広告管理端末102B)から受信した報酬情報も記憶されている。
【0055】
次いで、サーバ104の報酬審査モジュール412は、第1広告管理端末101Bの報酬算出モジュール312から受信した、算出した報酬を審査する(ステップS4)ことにより、広告報酬算出システム1の広告報酬算出フロー500が終了する。
【0056】
具体的には、報酬審査モジュール412は、第1移動広告端末101Aの位置を示す第1広告位置情報、及び第1移動広告端末101A以外の他の第2移動広告端末102Aの位置を示す第2広告位置情報、に基づき第1移動広告端末101A及び第2移動広告端末102Aの移動経路及び移動日時が、同一である場合には、第1移動広告端末101A及び第2移動広告端末102Aの各広告管理者に支払う報酬を無効とし、同一でない場合には、各広告管理者に支払う報酬を有効とし、確定した報酬情報を補助記憶装置402(全報酬DB423)に記憶する。その後、報酬審査モジュール412は確定した報酬情報を各広告管理端末101B、102Bに送信する。
これにより、同一ユーザーが2以上の、移動広告端末及び広告管理端末を稼動している場合、又は複数人が並走して移動広告端末及び広告管理端末を稼動している場合、には報酬を支払わないこととできる。
【0057】
報酬審査モジュール412は、複数の教師データに基づき機械学習アルゴリズムを用いた機械学習によって生成した学習済みモデルを用いて(人工知能を用いた情報解析を用いて)、第1移動広告端末101A及び第2移動広告端末102Aの移動経路及び移動日時が同一か否かを判定してもよい。
【0058】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0059】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記憶媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0060】
1 :広告報酬算出システム
101A :第1移動広告端末
101B :第1広告管理端末
102A :第2移動広告端末
102B :第2広告管理端末
103 :システム管理端末
104 :サーバ