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特開2023-162610画像記録装置、その制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162610
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】画像記録装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231101BHJP
   B41J 5/30 20060101ALN20231101BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J5/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073054
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雅司
(72)【発明者】
【氏名】荒金 覚
(72)【発明者】
【氏名】次村 浩一
(72)【発明者】
【氏名】疇地 悠
(72)【発明者】
【氏名】中野 靖大
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS06
2C061HH03
2C061HK05
2C061HK07
2C061HK15
2C061HL01
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN19
2C187AC07
2C187AC08
2C187AG05
2C187BG03
2C187DB01
2C187FC02
(57)【要約】
【課題】外部装置にインストールされているドライバの種類によらず、搬送方向に長尺な画像の記録を実現する。
【解決手段】プリンタにおいて、外部装置であるPCから複数の画像を含む画像データが受信され(S2:YES)かつ結合記録を行う(S3:YES)と判断された場合、搬送機構に1枚のロール紙を搬送させ、ヘッドに当該1枚のロール紙に対して複数の画像を搬送方向に並べて記録させる結合記録処理が実行される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
それぞれが1ページに記録される1又は複数の画像を含む画像データを外部装置から受信する受信処理と、
複数の画像を前記搬送方向に並べて1枚のシート状媒体に記録する結合記録を行うか否かを判断する第1判断処理と、
前記受信処理において複数の画像を含む画像データが受信され、かつ、前記第1判断処理において前記結合記録を行うと判断された場合、前記搬送機構に1枚のシート状媒体を搬送させ、前記記録部に前記1枚のシート状媒体に対して前記複数の画像を前記搬送方向に並べて記録させる結合記録処理と、
を実行することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記結合記録処理において、前記複数の画像を前記搬送方向に連続して記録させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、隣り合う2つのページにそれぞれ含まれる前記複数の画像間の余白を削除することで、前記複数の画像を前記搬送方向に連続して記録させることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の画像のうちの1つ以上の画像の対応するページ内における前記搬送方向の位置をずらすことで、前記複数の画像を前記搬送方向に連続して記録させることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、第1制御部及び第2制御部を含み、
前記第1制御部は、
前記画像データに基づいて、前記複数の画像のそれぞれに対応する複数の記録データを生成する生成処理と、
前記複数の記録データを順次出力する出力処理と、を実行し、
前記第2制御部は、
前記第1制御部から順次出力された前記複数の記録データに基づいて、前記記録部に前記1枚のシート状媒体に対して前記複数の画像を前記搬送方向に並べて記録させることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記制御部は、第1制御部及び第2制御部を含み、
前記第1制御部は、
前記画像データに基づいて、前記搬送方向に並ぶ前記複数の画像に関する記録データを生成する生成処理と、
前記記録データを出力する出力処理と、を実行し、
前記第2制御部は、
前記第1制御部から出力された前記記録データに基づいて、前記記録部に前記1枚のシート状媒体に対して前記複数の画像を前記搬送方向に並べて記録させることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項7】
一時記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記画像データに基づく記録データを前記一時記憶部に書き込む第1制御部と、前記一時記憶部から読みだされた前記記録データに基づいて記録処理を実行する第2制御部と、を含み、
前記制御部は、前記一時記憶部の空き容量が所定量以上であるか否かを判断する第2判断処理を実行し、
前記第2判断処理において前記一時記憶部の空き容量が前記所定量以上でないと判断された場合、前記第1制御部は、前記複数の画像のそれぞれに対応する複数の前記記録データを前記一時記憶部に順次書き込み、前記第2制御部は、前記一時記憶部から順次読み出された前記複数の記録データに基づいて記録処理を実行し、
前記第2判断処理において前記一時記憶部の空き容量が前記所定量以上であると判断された場合、前記第1制御部は、前記搬送方向に並ぶ前記複数の画像に関する前記記録データを前記一時記憶部に書き込み、前記第2制御部は、前記一時記憶部から読み出された前記記録データに基づいて記録処理を実行することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記結合記録において結合すべき画像の数が入力される入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記受信処理において受信された前記画像データに含まれる画像の数が前記入力部に入力された画像の数よりも多い場合、前記受信処理において受信された前記画像データに含まれる画像の数が前記入力部に入力された画像の数よりも多いことを報知する報知処理を実行することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記報知処理において、前記入力部への再入力を促し、
前記入力部に再入力された画像の数に基づいて、前記結合記録処理を実行することを特徴とする請求項8に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記結合記録において結合すべき画像の数が入力される入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記受信処理において受信された前記画像データに含まれる画像の数が前記入力部に入力された画像の数よりも少ない場合、前記受信処理において受信された前記画像データに基づいて前記結合記録処理を実行することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項11】
シート状媒体がロール状に巻回されたロール体を収容可能な第1収容部と、
複数のシート状媒体を積層した状態で収容可能な第2収容部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記受信処理において1つの画像を含む画像データが受信された場合、前記搬送機構に前記第2収容部に収容されたシート状媒体を搬送させることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項12】
シート状媒体がロール状に巻回されたロール体を収容可能な第1収容部と、
複数のシート状媒体を積層した状態で収容可能な第2収容部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記受信処理において複数の画像を含む画像データが受信され、かつ、前記第1判断処理において前記結合記録を行わないと判断された場合、前記搬送機構に前記第2収容部に収容されたシート状媒体を順次搬送させることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項13】
シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置を制御する制御方法であって、
それぞれが1ページに記録される1又は複数の画像を含む画像データを外部装置から受信する受信処理と、
複数の画像を前記搬送方向に並べて1枚のシート状媒体に記録する結合記録を行うか否かを判断する第1判断処理と、
前記受信処理において複数の画像を含む画像データが受信され、かつ、前記第1判断処理において前記結合記録を行うと判断された場合、前記搬送機構に1枚のシート状媒体を搬送させ、前記記録部に前記1枚のシート状媒体に対して前記複数の画像を前記搬送方向に並べて記録させる結合記録処理と、
を実行することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置を、
それぞれが1ページに記録される1又は複数の画像を含む画像データを外部装置から受信する受信手段、
複数の画像を前記搬送方向に並べて1枚のシート状媒体に記録する結合記録を行うか否かを判断する第1判断手段、及び、
前記受信手段によって複数の画像を含む画像データが受信され、かつ、前記第1判断手段によって前記結合記録を行うと判断された場合、前記搬送機構に1枚のシート状媒体を搬送させ、前記記録部に前記1枚のシート状媒体に対して前記複数の画像を前記搬送方向に並べて記録させる結合記録手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状媒体に画像を記録する画像記録装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パーソナルコンピュータ等の上位装置に備えられたプリンタドライバがアプリケーションからの印刷出力を拡大する拡大処理を行うことにより、プリンタによる大判印刷を可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-004248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、パーソナルコンピュータ(外部装置)のプリンタドライバが拡大処理を行うことで、大判印刷(搬送方向に長尺な画像の記録)が可能となっている。しかしながら、このようなプリンタドライバが外部装置にインストールされておらず、汎用プリンタドライバのみが外部装置にインストールされている場合、搬送方向に長尺な画像の記録を実現し難い。
【0005】
本発明の目的は、外部装置にインストールされているドライバの種類によらず、搬送方向に長尺な画像の記録を実現可能な画像記録装置、その制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点によれば、シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、制御部と、を備え、前記制御部は、それぞれが1ページに記録される1又は複数の画像を含む画像データを外部装置から受信する受信処理と、複数の画像を前記搬送方向に並べて1枚のシート状媒体に記録する結合記録を行うか否かを判断する第1判断処理と、前記受信処理において複数の画像を含む画像データが受信され、かつ、前記第1判断処理において前記結合記録を行うと判断された場合、前記搬送機構に1枚のシート状媒体を搬送させ、前記記録部に前記1枚のシート状媒体に対して前記複数の画像を前記搬送方向に並べて記録させる結合記録処理と、を実行することを特徴とする画像記録装置が提供される。
【0007】
本発明の第2観点によれば、シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置を制御する制御方法であって、それぞれが1ページに記録される1又は複数の画像を含む画像データを外部装置から受信する受信処理と、複数の画像を前記搬送方向に並べて1枚のシート状媒体に記録する結合記録を行うか否かを判断する第1判断処理と、前記受信処理において複数の画像を含む画像データが受信され、かつ、前記第1判断処理において前記結合記録を行うと判断された場合、前記搬送機構に1枚のシート状媒体を搬送させ、前記記録部に前記1枚のシート状媒体に対して前記複数の画像を前記搬送方向に並べて記録させる結合記録処理と、を実行することを特徴とする制御方法が提供される。
【0008】
本発明の第3観点によれば、シート状媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、前記搬送機構により搬送されるシート状媒体に画像を記録する記録部と、を備えた画像記録装置を、それぞれが1ページに記録される1又は複数の画像を含む画像データを外部装置から受信する受信手段、複数の画像を前記搬送方向に並べて1枚のシート状媒体に記録する結合記録を行うか否かを判断する第1判断手段、及び、前記受信手段によって複数の画像を含む画像データが受信され、かつ、前記第1判断手段によって前記結合記録を行うと判断された場合、前記搬送機構に1枚のシート状媒体を搬送させ、前記記録部に前記1枚のシート状媒体に対して前記複数の画像を前記搬送方向に並べて記録させる結合記録手段、として機能させることを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像記録装置において、複数の画像を含む画像データが受信されかつ結合記録を行うと判断された場合、搬送機構に1枚のシート状媒体を搬送させ、記録部に1枚のシート状媒体に対して複数の画像を搬送方向に並べて記録させる結合記録処理が実行される。これにより、外部装置にインストールされているドライバの種類によらず、搬送方向に長尺な画像の記録を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るプリンタの内部構造を示す概略側面図であり、ロール体が収容された状態を示す概略側面図である。
図2図1のプリンタにカット紙が収容された状態を示す概略側面図である。
図3図1のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
図4】RIP部が実行する処理を示すフロー図である。
図5】画像処理部が実行する処理を示すフロー図である。
図6】3ページ分のデータを結合する処理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るプリンタ1(画像記録装置)は、図1及び図2に示すように、筐体1aと、筐体1aに対して着脱可能な給紙トレイ10,20と、排紙トレイ6とを備えている。給紙トレイ10が本発明の「第1収容部」に該当し、給紙トレイ20が本発明の「第2収容部」に該当する。
【0012】
給紙トレイ10,20は、上方に開口した箱形状を有し、筐体1aに対して前後方向に移動可能である。給紙トレイ10,20は、筐体1aに対して前方に移動されることで筐体1aから引き出され、筐体1aに対して後方に移動されることで筐体1aに装着される。給紙トレイ10,20は、筐体1aに装着される装着位置(図1及び図2参照)と、装着位置よりも前方の引出位置(図示略)とを取り得る。給紙トレイ10,20が装着位置にあるとき、給紙トレイ20は、給紙トレイ10と上下方向に重なり、給紙トレイ10の上方に配置されている。
【0013】
排紙トレイ6は、筐体1aの上部前方の側壁で構成されている。排紙トレイ6は、左右方向に沿った軸6aを中心として回動することで、筐体1aの開口1xを開く開位置(図示略)と、開口1xを閉じる閉位置(図1及び図2参照)とを取り得る。
【0014】
プリンタ1は、さらに、搬送機構3と、切断機構4と、ヘッド5と、制御装置100とを備えている。搬送機構3のうち後述のローラ14a,14bを除く要素と、切断機構4と、ヘッド5と、制御装置100とは、筐体1aに支持されている。
【0015】
搬送機構3は、給紙トレイ10,20から選択的に用紙Pを搬送するように構成されており、ローラ14a,14bと、ローラ32,35及びアーム33,36と、ローラ対37a,37b,38,39と、上記各ローラを駆動するための搬送モータ30(図3参照)とを含む。
【0016】
用紙Pは、ロール紙Pr(図1参照)及びカット紙Pc(図2参照)を総称したものであり、本発明の「シート状媒体」に該当する。カット紙Pcは、ロール紙Prよりも搬送方向(搬送機構3により用紙Pが搬送される方向)の長さが短い。
【0017】
搬送機構3において、ローラ14a,14bと、ローラ35及びアーム36と、ローラ対37a,37b,38,39とは、給紙トレイ10からヘッド5の下方を通って排紙トレイ6へとロール紙Prが搬送される搬送経路T1を構成する(図1参照)。搬送機構3において、ローラ32及びアーム33と、ローラ対37a,38,39とは、給紙トレイ20からヘッド5の下方を通って排紙トレイ6へとカット紙Pcが搬送される搬送経路T2を構成する(図2参照)。搬送経路T1,T2においてローラ対37aから排紙トレイ6までの部分は共通している。
【0018】
給紙トレイ10は、図1に示すように、ロール体Rを収容可能である。ロール体Rは、円筒状の芯部材Rcの外周面に長尺のロール紙Prがロール状に巻回されたものである。ロール体Rは、その回転軸Rx(芯部材Rcの中心軸)が左右方向に沿った状態で、給紙トレイ10に収容される。
【0019】
給紙トレイ10の底部に、ローラ14a,14bが配置されている。ローラ14a,14bは、左右方向に沿った軸を中心として回転可能である。ロール体Rは、給紙トレイ10に収容されたとき、その下側部分の外周面がローラ14a,14bに支持される。
【0020】
ロール体Rをセットする際には、ロール体Rを手動で図1の反時計回り方向に回転させ、ロール体Rからロール紙Prを巻き解く。そしてロール紙Prの先端をローラ35と給紙トレイ10の底壁11との間に挟持させる。この状態で、制御装置100の制御により搬送モータ30(図3参照)が駆動されると、ローラ14a,14b,35が回転し、ロール紙Prが後方に給送される。給紙トレイ10からローラ35により給送されたロール紙Prは、給紙トレイ10の後方の側壁12と接触し、側壁12に沿って移動して、切断機構4へと案内される。
【0021】
ローラ35は、アーム36の一端に支持されている。アーム36の他端は、左右方向に沿った軸36aを介して筐体1aに支持されている。アーム36は、軸36aを中心として回動可能である。アーム36は、付勢部材(図示略)によりローラ35が底壁11に近づくように付勢されている。
【0022】
切断機構4は、カッター4aと、切断モータ40(図3参照)とを含む。カッター4aは、給紙トレイ10の後方の側壁12の上方かつローラ対37bの下方に配置されている。カッター4aは、例えば円板状の回転刃と従動刃とからなる。或いは、カッター4aは、回転刃と固定刃とからなってもよい。制御装置100の制御により切断モータ40が駆動されると、回転刃は、回転しながら、左右方向に往復移動する。ロール紙Prは、カッター4aにより左右方向に切断される。
【0023】
給紙トレイ20は、図2に示すように、複数のカット紙Pcを上下方向に積層した状態で収容可能である。カット紙Pcは、給紙トレイ20の底壁21の上面に支持される。
【0024】
給紙トレイ20が筐体1aに装着された状態において、給紙トレイ20にカット紙Pcが収容されていないとき、ローラ32は、底壁21に接触する(図1参照)。給紙トレイ20が筐体1aに装着された状態において、給紙トレイ20にカット紙Pcが収容されているとき、ローラ32は、最上層のカット紙Pcと接触する(図2参照)。この状態で、制御装置100の制御により搬送モータ30(図3参照)が駆動されると、ローラ32が回転し、カット紙Pcが後方に給送される。
【0025】
ローラ32は、アーム33の一端に支持されている。アーム33の他端は、左右方向に沿った軸33aを介して筐体1aに支持されている。アーム33は、軸33aを中心として回動可能である(図1及び図2参照)。アーム33は、付勢部材(図示略)によりローラ32が底壁21に近づくように付勢されている。
【0026】
ヘッド5(本発明の「記録部」に該当する。)は、インクジェット方式であり、下面に形成された複数のノズル(図示略)を有する。搬送機構3によって搬送された用紙Pがヘッド5の下面と対向する位置を通過するときに、制御装置100の制御によりドライバIC50(図3参照)が駆動されることで、ノズルからインクが吐出され、用紙Pにインクが着弾し、用紙Pに画像が記録される。なお、ヘッド5は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、左右方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。
【0027】
制御装置100は、図3に示すように、内部バス(図示略)を介して、入力部150、報知部160、搬送モータ30、ドライバIC50及び切断モータ40と接続されている。入力部150は、プリンタ1のユーザが入力を行うための要素であり、例えば、ユーザが押下可能なスイッチやボタンで構成される。報知部160は、ユーザへの報知を行うための要素であり、例えば、画像出力を行うディスプレイや音声出力を行うスピーカで構成される。
【0028】
制御装置100は、さらに、PC(Personal Computer)200(本発明の「外部装置」に該当する。)と通信可能に接続されている。PC200には、汎用プリンタドライバ(例えば、アプリケーションソフトから受信した画像データをPDL(Page Description Language)で表現されたベクタ形式の画像データに変換して出力可能なプリンタドライバ)がインストールされている。PDLは、例えば、PCLXL、PCL5、PostScript、PDF、XPS等である。
【0029】
制御装置100は、PC200から受信した記録指令(画像データを含む。)及び入力部150から入力されたデータに基づいて、搬送モータ30及びドライバIC50(さらに、ロール紙Prに記録を行う場合は切断モータ40)を制御し、用紙Pに画像を記録する記録処理を実行する。
【0030】
制御装置100は、2つのRAM(Random Access Memory)101,102と、ROM(Read Only Memory)103と、RIP(Raster Image Processor)部111と、画像処理部112とを含む。RIP部111及び画像処理部112は本発明の「制御部」に該当し、特にRIP部111は本発明の「第1制御部」に該当し、画像処理部112は本発明の「第2制御部」に該当する。第2RAM102は本発明の「一時記憶部」に該当する。
【0031】
第1RAM101は、PC200から受信した記録指令を一時的に記憶する。
【0032】
RIP部111は、第1RAM101から記録指令を読み出し、記録指令に含まれる画像データ(PDL(Page Description Language)で表現されたベクタ形式の画像データ)に基づいて、記録データ(ラスタ形式(ビットマップ形式)のRGB各色の濃度データ)を生成する。RIP部111は、生成した記録データを第2RAM102に書き込む。
【0033】
画像処理部112は、第2RAM102から記録データを読み出し、当該記録データ(即ち、RIP部111から出力されたRGB各色の濃度データ)を吐出データ(ノズル毎の各吐出周期における吐出量を示すデータ)に変換し、吐出データに基づいて記録処理を実行する。
【0034】
ROM103は、RIP部111及び画像処理部112が各種制御を行うためのプログラムやデータを格納している。
【0035】
RIP部111は、例えば、CPU上で動作するプログラムを主体とするソフトウェアで構成される。或いは、RIP部111は、ASIC等のハードウェアで構成されてよい。また或いは、RIP部111は、ソフトウェアによる処理とハードウェアによる処理とを併用して動作する構成であってもよい。
【0036】
画像処理部112も、RIP部111と同様、CPU上で動作するプログラムを主体とするソフトウェアで構成されてもよいし、ASIC等のハードウェアで構成されてもよいし、ソフトウェアによる処理とハードウェアによる処理とを併用して動作する構成であってもよい。
【0037】
次いで、図4を参照し、RIP部111が実行する処理について説明する。
【0038】
RIP部111は、先ず、PC200から記録指令を受信したか否かを判断する(S1)。
【0039】
PC200から記録指令を受信する処理は、本発明の「受信処理」に該当する。記録指令は、上述のとおり画像データを含む。当該画像データは、それぞれが1ページに記録される1又は複数の画像を含む。1ページに1つの画像が含まれる。PC200から受信した記録指令は、第1RAM101に記憶される。
【0040】
PC200から記録指令を受信していないと判断した場合(S1:NO)、RIP部111は、S1の処理を繰り返す。
【0041】
PC200から記録指令を受信したと判断した場合(S1:YES)、RIP部111は、第1RAM101から記録指令を読み出し、当該記録指令に含まれる画像データが複数の画像を含むか否かを判断する(S2)。
【0042】
記録指令に含まれる画像データが複数の画像を含むと判断した場合(S2:YES)、RIP部111は、結合記録を行うか否かを判断する(S3:第1判断処理)。結合記録とは、複数の画像を搬送方向に並べて1枚の用紙Pに記録することをいう。プリンタ1のユーザは、入力部150に対し、結合記録を行うか否かの入力、及び、結合記録において結合すべき画像の数の入力を行うことができる。入力部150は、ユーザの入力に基づき、結合記録を行うか否かを示すデータ、結合すべき画像の数を示すデータ等を制御装置100に送信する。RIP部111は、入力部150から受信したデータに基づいてS3の判断を行う。
【0043】
結合記録を行うと判断した場合(S3:YES)、RIP部111は、記録対象としてロール紙Prを選択することを示す選択データを生成する(S4)。当該選択データは第2RAM102に書き込まれる。
【0044】
一方、記録指令に含まれる画像データが複数の画像を含まない(即ち、画像データが1つの画像を含む)と判断した場合(S2:NO)や、結合記録を行わないと判断した場合(S3:NO)、RIP部111は、記録対象としてカット紙Pcを選択することを示す選択データを生成する(S5)。当該選択データは第2RAM102に書き込まれる。
【0045】
S4の後、RIP部111は、画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数(ユーザが指示した結合すべき画像の数)よりも多いか否かを判断する(S6)。
【0046】
画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数よりも多い場合(S6:YES)、RIP部111は、報知部160(図3参照)を介して、画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数よりも多いことを報知する報知処理を実行する(S7)。さらに、S7において、RIP部111は、報知部160(図3参照)を介してユーザに入力部150への再入力を促す。
【0047】
S7において、RIP部111は、報知部160を構成するディスプレイに上記の旨を示す画像出力を行わせたり、報知部160を構成するスピーカに上記の旨を示す音声出力を行わせたりしてよい。
【0048】
S7の後、RIP部111は、当該ルーチンを終了する。入力部150への再入力がなされた場合、RIP部111は、図4に示すルーチンを再開する。
【0049】
画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数よりも多くない場合(S6:NO)、即ち、画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数と同じ場合、又は、画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数よりも少ない場合、RIP部111は、第2RAM102の空き容量が所定量X以上であるか否かを判断する(S8:第2判断処理)。
【0050】
第2RAM102の空き容量が所定量X以上であると判断した場合(S8:YES)、RIP部111は、記録指令に含まれる画像データに基づいて、搬送方向に並ぶ複数の画像に関する記録データを生成し(生成処理)、生成した記録データを第2RAM102に書き込む(出力処理)。このとき、RIP部111は、ベクタ形式の画像データをラスタ形式の記録データに変換すると共に、複数ページ分の記録データを1ページのデータとして第2RAM102に書き込む(S9)。
【0051】
第2RAM102の空き容量が所定量X以上でないと判断した場合(S8:NO)、RIP部111は、記録指令に含まれる画像データに基づいて、複数の画像のそれぞれに対応する複数の記録データを生成し(生成処理)、生成した複数の記録データを順次第2RAM102に書き込む(出力処理)。このとき、RIP部111は、ベクタ形式の画像データをラスタ形式の記録データに変換すると共に、ページ毎の記録データを順次第2RAM102に書き込む(S10)。
【0052】
S5の後、RIP部111は、S10と同様、ベクタ形式の画像データをラスタ形式の記録データに変換すると共に、ページ毎の記録データを第2RAM102に書き込む(S11)。
【0053】
S9、S10又はS11の後、RIP部111は、画像処理部112に、記録処理の実行を指示する指示信号を送信する(S12、S13又はS14)。S12の指示信号には、データ結合不要の通知が含まれる。S13の指示信号には、データ結合必要の通知が含まれる。S12、S13又はS14の後、RIP部111は、当該ルーチンを終了する。
【0054】
次いで、図5を参照し、画像処理部112が実行する処理について説明する。
【0055】
画像処理部112は、先ず、RIP部111から指示信号を受信したか否かを判断する(S11)。
【0056】
RIP部111から指示信号を受信していないと判断した場合(S21:NO)、画像処理部112は、S21の処理を繰り返す。
【0057】
RIP部111から指示信号を受信したと判断した場合(S21:YES)、画像処理部112は、第2RAM102からデータ(選択データ、記録データ等)を読み出す(S22)。
【0058】
S22の後、画像処理部112は、S22で読みだした選択データがロール紙Prを選択することを示すか否かを判断する(S23)。
【0059】
選択データがロール紙Prを選択することを示さない(即ち、カット紙Pcを選択することを示す)と判断した場合(S23:NO)、画像処理部112は、第2RAM102から読み出された記録データ(RIP部111から出力されたRGB各色の濃度データ)を吐出データ(ノズル毎の各吐出周期における吐出量を示すデータ)に変換し、吐出データに基づいて搬送モータ30及びドライバIC50を制御する。これにより、搬送機構3にカット紙Pcを給紙トレイ20から搬送経路T2に沿って搬送させ(図2参照)、ヘッド5にカット紙Pc上にインクを吐出させることで、カット紙Pcに画像を記録する(S24)。画像データが複数の画像を含む場合、画像処理部112は、搬送機構3に複数のカット紙Pcを順次搬送させ、ヘッド5に各カット紙Pcに1つの画像を記録させる。
【0060】
選択データがロール紙Prを選択することを示すと判断した場合(S23:YES)、指示信号に含まれる通知がデータ結合必要の通知であるか否かを判断する(S25)。
【0061】
指示信号に含まれる通知がデータ結合必要の通知でない(即ち、データ結合不要の通知である)と判断した場合(S25:NO)、画像処理部112は、第2RAM102から読み出された記録データを(後述するデータ結合を行うことなく)吐出データに変換し、吐出データに基づいて搬送モータ30、ドライバIC50及び切断モータ40を制御する。これにより、ロール紙Prに対して結合記録を行う(S26:結合記録処理)。
【0062】
指示信号に含まれる通知がデータ結合必要の通知であると判断した場合(S25:YES)、画像処理部112は、第2RAM102から順次読み出された記録データについて後述するデータ結合を行うと共に、当該データを吐出データに変換し、搬送モータ30、ドライバIC50及び切断モータ40を制御する。これにより、ロール紙Prに対して結合記録を行う(S27:結合記録処理)。
【0063】
S26,S27において、画像処理部112は、搬送機構3にロール紙Prを給紙トレイ10から搬送経路T1に沿って搬送させ(図1参照)、ヘッド5にロール紙Prに対して複数の画像を搬送方向に並べて連続して記録させ、かつ、切断機構4にロール紙Prを所定長さに切断させる。
【0064】
データ結合とは、複数ページ分の記録データを1ページのデータとすることをいう。ここで、図6を参照し、データ結合について説明する。図6は、画像データが3つの画像Iを含む場合を例示している。PC200から受信した記録指令に含まれる画像データは、図6(a)に示すように、3ページP1~P3のそれぞれに画像Iを含む3ページ分のデータである。RIP部111は、図6(a)の画像データ(PDL(Page Description Language)で表現されたベクタ形式の画像データ)に基づいて、記録データ(ラスタ形式(ビットマップ形式)のデータ)を生成する。このとき、RIP部111は、先ず、ページP1~P3毎の記録データを生成し(図6(b)参照)、次に、隣り合う2つのページP1~P3にそれぞれ含まれる複数の画像I間の余白Aを削除する(図6(c)参照)。本例では、第1ページ(搬送方向最下流のページ)P1における搬送方向上流端の余白Aと、第2ページ(搬送方向最下流又は最上流以外のページ)P2における搬送方向上流端及び下流端の余白Aと、第3ページ(搬送方向最下流のページ)P3における搬送方向下流端の余白Aとを削除する。その後、第2RAM102の空き容量が所定量X以上の場合は(S8:YES)、RIP部111が、3ページP1~P3分の記録データを1ページのデータとするデータ結合を行う(図6(d)参照)。第2RAM102の空き容量が所定量X未満の場合は(S8:NO)、画像処理部112が、3ページP1~P3分の記録データを1ページのデータとするデータ結合を行う(図6(d)参照)。
【0065】
以上に述べたように、本実施形態によれば、プリンタ1において、複数の画像を含む画像データが受信され(S2:YES)かつ結合記録を行う(S3:YES)と判断された場合、搬送機構3に1枚のロール紙Prを搬送させ、ヘッド5に当該1枚のロール紙Prに対して複数の画像を搬送方向に並べて記録させる結合記録処理(S26,S27)が実行される。これにより、PC200にインストールされているプリンタドライバの種類によらず、搬送方向に長尺な画像の記録を実現できる(図6参照)。
【0066】
プリンタ1は、結合記録処理において、複数の画像Iを搬送方向に連続して記録させる(図6参照)。これにより、搬送方向に長尺な画像を、間に余白Aがない状態で、1枚のロール紙Prに記録することができる。
【0067】
プリンタ1は、隣り合う2つのページP1~P3にそれぞれ含まれる複数の画像I間の余白Aを削除する(図6(b),(c)参照)ことで、複数の画像Iを搬送方向に連続して記録させる(図6(d)参照)。当該構成は、ヘッド5がインクジェット方式の場合に特に好ましい。
【0068】
プリンタ1は、RIP部111及び画像処理部112を含む(図3参照)。RIP部111は、画像データに基づいて、複数の画像のそれぞれに対応する複数の記録データを生成する生成処理と、複数の記録データを順次出力する出力処理と、を実行する(S10)。画像処理部112は、RIP部111から順次出力された複数の記録データに基づいて、ヘッド5に1枚のロール紙Prに対して複数の画像を搬送方向に並べて記録させる(S27)。この場合、複数の画像に対応する記録データがまとめて出力される場合(S9,S26)に比べ、早いタイミングで記録を開始することができる。
【0069】
プリンタ1は、RIP部111及び画像処理部112を含む(図3参照)。RIP部111は、画像データに基づいて、搬送方向に並ぶ複数の画像I(図6(d)参照)に関する記録データを生成する生成処理と、生成した記録データを出力する出力処理と、を実行する(S9)。画像処理部112は、RIP部111から出力された複数の記録データに基づいて、ヘッド5に1枚のロール紙Prに対して複数の画像を搬送方向に並べて記録させる(S26)。この場合、画像処理部112は、RIP部111から出力された記録データに基づいて(データ結合を行うことなく)記録処理を行えばよいため、良好な記録品質が得られる。
【0070】
第2RAM102の空き容量が所定量X以上でない場合(S8:NO)、RIP部111は、複数の記録データを順次第2RAM102に書き込み(S10)、画像処理部112は、第2RAM102から順次読み出された記録データについて記録処理を実行する(S27)。一方、第2RAM102の空き容量が所定量X以上である場合(S8:YES)、RIP部111は、搬送方向に並ぶ複数の画像I(図6(d)参照)に関する記録データを第2RAM102に書き込み(S9)、画像処理部112は、第2RAM102から読み出された記録データについて記録処理を実行する(S26)。この場合、第2RAM102の空き容量に応じて適切な処理を実行できる。
【0071】
画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数よりも多い場合(S6:YES)、RIP部111は、画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数よりも多いことを報知する報知処理を実行する(S7)。この場合、ユーザは、画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力した数よりも多いことを知ることができ、適宜対応することができる。これにより、ユーザ所望の記録が実現できないことを抑制できる。
【0072】
S7において、RIP部111は、報知部160(図3参照)を介してユーザに入力部150への再入力を促す。入力部150への再入力がなされた場合、RIP部111は、図4に示すルーチンを再開する。そして、入力部150に再入力された画像の数に基づいて、結合記録処理(S26,S27)が実行される。この場合、ユーザ所望の記録を実現できる。
【0073】
画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数よりも少ない場合(S6:NO)、受信処理において受信された画像データに基づいて結合記録処理(S26,S27)が実行される。画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力した数よりも少ない場合は、報知処理(S7)を行わなくとも、ユーザ所望の記録を実現し易い。
【0074】
1つの画像を含む画像データが受信された場合(S2:NO)、画像処理部112は、搬送機構3に給紙トレイ20に収容されたカット紙Pcを搬送させる(S5→S23:NO→S24)。この場合、ロール紙Prの浪費を抑制できる。
【0075】
複数つの画像を含む画像データが受信され(S2:YES)、かつ、結合記録を行わないと判断された場合(S3:NO)、画像処理部112は、搬送機構3に給紙トレイ20に収容されたカット紙Pcを順次搬送させる(S5→S23:NO→S24)。この場合、ロール紙Prの浪費を抑制できる。
【0076】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るプリンタ(画像記録装置)は、ヘッド5がインクジェット方式ではなくレーザー方式である点において、第1実施形態と異なる。
【0077】
第1実施形態では、隣り合う2つのページP1~P3にそれぞれ含まれる複数の画像I間の余白Aを削除する(図6(b),(c)参照)ことで、複数の画像Iを搬送方向に連続して記録させる(図6(d)参照)。
【0078】
一方、第2実施形態では、複数の画像Iのうちの1つ以上の画像Iの、対応するページP1~P3内における搬送方向の位置をずらすことで、複数の画像Iを搬送方向に連続して記録させる(図6(d)参照)。例えば、図6(b)において、第1ページ(搬送方向最下流のページ)P1における画像Iを搬送方向上流側にずらし、第2ページ(搬送方向最下流又は最上流以外のページ)P2における画像Iを搬送方向下流側にずらし、第3ページ(搬送方向最下流のページ)P3における画像Iを搬送方向下流側にずらす。
【0079】
本実施形態の構成は、トナーの出力位置を搬送方向に調整すればよく、ヘッド5がレーザー方式の場合に好ましい。なお、画像Iの搬送方向の位置をずらすことで、第3ページP3の搬送方向下流端に大きな余白Aが生じる場合は、切断機構4による切断位置を調整すればよい。
【0080】
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0081】
結合記録において結合すべき画像の数は、上述の実施形態ではユーザの入力に基づいて決定されるが、これに限定されない。例えば、制御部が、外部装置から受信した画像データに基づいて、演算等により結合すべき画像の数を決定してもよい。
【0082】
結合すべき画像の数に上限を設け(例えば、ロール紙Prの搬送方向の長さをA4サイズの搬送方向の長さで除した値を上限とし)、上限を超えた場合にエラー報知を行ってもよい。
【0083】
画像データに含まれる画像の数が入力部150に入力された画像の数よりも多い場合に(S6:YES)、報知処理(S7)を行わず、入力部150に入力された画像の数に基づいて強制的に結合記録処理を実行してもよい。
【0084】
或いは、画像データに含まれる画像の数Mが入力部150に入力された画像の数Nよりも多い場合に(S6:YES)、S7において、再入力を促す代わりに、「Mページ分の結合をしますか?」等の報知を行い、YESであればMページ分の結合記録処理を実行し、NOであれば(M-N)ページ分を結合せずに1ページ単位で記録処理を実行してもよい。
【0085】
上述の実施形態では、結合記録処理において、複数の画像Iを搬送方向に連続して(即ち、間に余白Aがない状態で)記録させるが、これに限定されず、間に余白Aがある状態であってもよい。
【0086】
シート状媒体は、紙に限定されず、布やプラスチックフィルムであってもよい。即ち、シート状媒体は、シート状である限り、任意の材料で構成されてよい。
【0087】
記録部は、液体吐出方式の場合に、インク以外の液体(例えば、インク中の成分を凝集又は析出させる処理液等)を吐出してもよい。また、記録部は、液体吐出方式やレーザー方式に限定されず、熱転写方式等であってもよい。
【0088】
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。
【0089】
本発明に係るプログラムは、フレキシブルディスク等のリムーバブル型記録媒体やハードディスク等の固定型記録媒体に記録して配布可能である他、通信回線を介して配布可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 プリンタ(画像記録装置)
3 搬送機構
5 ヘッド(記録部)
10 給紙トレイ(第1収容部)
20 給紙トレイ(第2収容部)
100 制御装置
102 第2RAM(一時記憶部)
111 RIP部(制御部,第1制御部)
112 画像処理部(制御部,第2制御部)
150 入力部
160 報知部
200 PC(外部装置)
A 余白
I 画像
P 用紙(シート状媒体)
P1~P3 ページ
R ロール体
図1
図2
図3
図4
図5
図6