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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162612
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/30 20060101AFI20231101BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231101BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231101BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231101BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231101BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231101BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20231101BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B41J5/30 B
H04N1/00 C
G03G21/00 386
B41J29/42 F
B41J29/00 Z
B41J29/38 201
G07G1/06 B
G07G1/12 351A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073057
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
(72)【発明者】
【氏名】松尾 恵美子
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
2H270
3E142
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ23
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HN15
2C187AC06
2C187AD14
2C187BF60
2C187BG36
2C187CC03
2C187DB09
2C187DB10
2H270KA57
2H270KA59
2H270MH16
2H270NC20
2H270ND03
2H270QA05
2H270QA31
2H270QA41
2H270QA43
2H270QB11
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
2H270ZD00
3E142DA01
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB35
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC30
(57)【要約】
【課題】領収証に同じ取引内容に印刷される場合でも適切な長さの領収証を出力することができ、領収証が床面に接地して汚れたり破損したりすることを防止することを課題とする。
【解決手段】ユーザーによって選択された機能を実行する機能実行部と、機能実行部によって、費用の発生を伴う取引項目の機能が実行された後、領収証の印刷に関する設定情報を選択可能に表示する表示部と、表示された設定情報において、領収証を印刷することが選択された場合に、実行された機能の取引数に対応した適切な長さの印刷用紙の枚数を設定し、各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成する領収証情報生成部と、生成された領収証印刷情報を利用して領収証を印刷する領収証印刷実行部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによって選択された機能を実行する機能実行部と、
前記機能実行部によって、費用の発生を伴う取引項目の機能が実行された後、領収証の印刷に関する設定情報を選択可能に表示する表示部と、
前記表示された設定情報において、領収証を印刷することが選択された場合に、前記実行された機能の取引数に対応した適切な長さの印刷用紙の枚数を設定し、各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成する領収証情報生成部と、
前記生成された領収証印刷情報を利用して、領収証を印刷する領収証印刷実行部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
情報を選択入力する操作部をさらに備え、
前記表示部に表示される設定情報に、領収証の印刷の可否が含まれ、
前記操作部によって、前記領収証の印刷の可否のうち、領収証を印刷することが選択された場合には、領収証を印刷し、
領収証を印刷しないことが選択された場合には、領収証を印刷しないで取引処理を終了することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示部に表示される設定情報に、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることの同設定利用可否が含まれ、
前記操作部によって、前記同設定利用可否のうち、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることが選択された場合には、前記機能実行部によって、同じ設定で同じ機能を実行させることができる状態になることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示部に表示される設定情報に、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることの同設定利用可否が含まれ、
前記同設定利用可否のうち、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることが選択されない場合には、前記操作部によって選択された前記領収証の印刷の可否に基づいて、前記領収証の印刷を実行するかしないかが判定されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作部によって選択入力された設定情報の設定内容を記憶する記憶部をさらに備え、
前記機能が実行された後に前記表示部に表示される領収証の印刷に関する設定情報は、前記記憶部に記憶されている設定内容が設定された状態で表示されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
領収証を複数枚の印刷用紙に分割して印刷するか否かを判定する分割印刷判定部をさらに備え、
前記同じ設定で同じ機能を継続して実行させることが選択された場合に、繰り返し実行される同じ機能の繰り返し回数を計測し、
前記分割印刷判定部が、前記繰り返し回数と、予め設定された分割印刷判定回数とを比較し、前記繰り返し回数が、前記分割印刷判定回数以上となった場合に、前記領収証を分割印刷すると判定し、
前記領収証情報生成部が、領収証を分割印刷する印刷用紙ごとに、記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成し、
前記領収証印刷実行部が、前記生成された領収証印刷情報を利用して、各印刷用紙への印刷を実行することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記領収証が印刷された印刷用紙が出力される用紙排出口を備え、
領収証が複数の印刷用紙に分割印刷される場合、領収証が印刷される各印刷用紙の長さであって、前記実行された機能の取引数に対応した適切な長さは、前記印刷用紙が出力される用紙排出口の位置の高さである印刷用紙出力高さよりも短いことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記分割印刷判定回数は、前記印刷用紙出力高さと、領収証に記載すべき取引項目ごとに割り当てられた領域の長さとから、計算されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を利用して電子化された領収証を生成する領収証電子化部と、
記憶部とをさらに備え、
前記表示部に表示される設定情報に、領収証の電子化の可否が含まれ、
前記操作部によって、前記領収証の電子化の可否のうち、領収証を電子化することが選択された場合には、
前記領収証電子化部によって生成された領収証を、前記記憶部の所定の保存領域に保存し、
前記領収証が保存されている保存領域を特定する保存先情報を生成し、
前記保存先情報、または、前記保存先情報を含む二次元コードを、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記表示部に表示される保存先情報と前記保存先情報を含む二次元コードは、前記ユーザーが所有する情報処理装置から、前記領収証が保存されている保存領域に接続可能な形態の情報であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
通信部をさらに備え、
前記電子化された領収証と、前記保存先情報のうち少なくともいずれか一方、または両方を、前記通信部によって、前記ユーザーが所有する情報処理装置に送信することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置の領収書印刷方法であって、
前記画像形成装置に備えられた制御部が、
ユーザーによって選択された機能を実行する機能実行ステップと、
前記機能実行ステップにおいて、費用の発生を伴う取引項目の機能が実行された後、領収証の印刷に関する設定情報を選択可能に表示する表示ステップと、
前記表示された設定情報において、領収証を印刷することが選択された場合に、前記実行された機能の取引数に対応した適切な長さの印刷用紙の枚数を設定し、各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成する領収証情報生成ステップと、
前記生成された領収証印刷情報を利用して、領収証を印刷する領収証印刷実行ステップとを実行させることを特徴とする画像形成装置の領収書印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、コピー機能等の取引処理をした場合に、その処理に対応して支払われた料金等を記載した領収書を発行する機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷機能、原稿読取機能、読取画像データの送信機能、FAX送受信機能、電子メールの送受信機能、画像データの取得機能、文字認識機能など、多数の機能を有する画像形成装置(複合機とも呼ぶ)が利用されている。
【0003】
コンビニエンスストア等の店舗に設置された画像形成装置においては、利用者が、コピーなどの特定の機能を実行させた場合に、その機能に対応する料金が徴収され、徴収した料金の明細を記載した領収書(以下、レシートとも呼ぶ)が、所定の用紙に印刷される。
同じ取引項目の機能(たとえば、コピー機能)が多数回実行された場合、1枚のレシートに印刷される内容が多くなるのを避けるため、同じ取引項目についてはまとめて印刷することが行われていた。
【0004】
また、特許文献1には、相当長いレシートは取り扱いが不便であることを考慮して、発行されるレシートの長さを特定する情報に相当する販売データ数と規定の閾値を比較し、販売データ数が閾値未満である場合に、取引明細等を印字した1枚のレシートを発行し、販売データ数が閾値以上である場合に、レシートの分割を希望する操作がされた場合、取引明細等を分割して印字した複数枚のレシートを発行させる商品販売データ処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-54105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、2023年10月に施行される新しいインボイス制度(適確請求書等保存方式)では、レシートに記載すべき事項が変更され、特に、繰り返し行った同じ取引内容の小計表記を、レシートに印刷することが必要となる。
たとえば、コピー機能を繰り返し10回実行した場合、レシートに、各コピーに対する取引内容(たとえば、コピーという項目とその料金)を、10回繰り返して、1枚の領収証に印刷する必要がある。
したがって、同じ取引内容が数十回繰り返し行われた場合、非常に長い1枚のレシートが出力されることになる。
たとえば、画像形成装置のレシート用紙の出力位置が1メートル程度の高さにある場合、同じ取引内容が50回程度以上繰り返し行われると、1メートル以上の長い1枚のレシートが印刷される場合があり、レシートが床面に接地して汚れる可能性があり、レシートが破損するおそれもあった。
【0007】
特許文献1では、1回の商取引で多数の取引が行われ、販売データ数が閾値以上である場合に、取引ごとの取引明細等を分割して印字した複数枚のレシートを発行することができる。
しかし、新しいインボイス制度は考慮されておらず、繰り返し行った同じ取引内容の小計表記をレシートに印刷する場合に、適切な長さのレシートに分割することが難しい。
【0008】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、新しいインボイス制度に対応したレシートを発行する場合において、同じ取引処理が繰り返し行われ、複数の同じ取引内容の情報がレシートに印刷される場合でも、適切な長さのレシートを出力することができ、それによって、レシートが床面に接地して汚れたり破損したりすることを防止し、さらに、利用者がレシートの印刷可否等を選択できるようにすることで、利用者の利便性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、ユーザーによって選択された機能を実行する機能実行部と、前記機能実行部によって、費用の発生を伴う取引項目の機能が実行された後、領収証の印刷に関する設定情報を選択可能に表示する表示部と、前記表示された設定情報において、領収証を印刷することが選択された場合に、前記実行された機能の取引数に対応した適切な長さの印刷用紙の枚数を設定し、各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成する領収証情報生成部と、前記生成された領収証印刷情報を利用して、領収証を印刷する領収証印刷実行部とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【0010】
また、情報を選択入力する操作部をさらに備え、前記表示部に表示される設定情報に、領収証の印刷の可否が含まれ、前記操作部によって、前記領収証の印刷の可否のうち、領収証を印刷することが選択された場合には、領収証を印刷し、領収証を印刷しないことが選択された場合には、領収証を印刷しないで取引処理を終了することを特徴とする。
【0011】
また、前記表示部に表示される設定情報に、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることの同設定利用可否が含まれ、前記操作部によって、前記同設定利用可否のうち、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることが選択された場合には、前記機能実行部によって、同じ設定で同じ機能を実行させることができる状態になることを特徴とする。
【0012】
また、前記表示部に表示される設定情報に、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることの同設定利用可否が含まれ、前記同設定利用可否のうち、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることが選択されない場合には、前記操作部によって選択された前記領収証の印刷の可否に基づいて、前記領収証の印刷を実行するかしないかが判定されることを特徴とする。
【0013】
また、前記操作部によって選択入力された設定情報の設定内容を記憶する記憶部をさらに備え、前記機能が実行された後に前記表示部に表示される領収証の印刷に関する設定情報は、前記記憶部に記憶されている設定内容が設定された状態で表示されることを特徴とする。
【0014】
また、領収証を複数枚の印刷用紙に分割して印刷するか否かを判定する分割印刷判定部をさらに備え、前記同じ設定で同じ機能を継続して実行させることが選択された場合に、繰り返し実行される同じ機能の繰り返し回数を計測し、前記分割印刷判定部が、前記繰り返し回数と、予め設定された分割印刷判定回数とを比較し、前記繰り返し回数が、前記分割印刷判定回数以上となった場合に、前記領収証を分割印刷すると判定し、前記領収証情報生成部が、領収証を分割印刷する印刷用紙ごとに、記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成し、前記領収証印刷実行部が、前記生成された領収証印刷情報を利用して、各印刷用紙への印刷を実行することを特徴とする。
【0015】
また、前記領収証が印刷された印刷用紙が出力される用紙排出口を備え、領収証が複数の印刷用紙に分割印刷される場合、領収証が印刷される各印刷用紙の長さであって、前記実行された機能の取引数に対応した適切な長さは、前記印刷用紙が出力される用紙排出口の位置の高さである印刷用紙出力高さよりも短いことを特徴とする。
【0016】
また、前記分割印刷判定回数は、前記印刷用紙出力高さと、領収証に記載すべき取引項目ごとに割り当てられた領域の長さとから、計算されることを特徴とする。
【0017】
また、前記各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を利用して電子化された領収証を生成する領収証電子化部と、記憶部とをさらに備え、前記表示部に表示される設定情報に、領収証の電子化の可否が含まれ、前記操作部によって、前記領収証の電子化の可否のうち、領収証を電子化することが選択された場合には、前記領収証電子化部によって生成された領収証を、前記記憶部の所定の保存領域に保存し、前記領収証が保存されている保存領域を特定する保存先情報を生成し、前記保存先情報、または、前記保存先情報を含む二次元コードを、前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0018】
また、前記表示部に表示される保存先情報と前記保存先情報を含む二次元コードは、前記ユーザーが所有する情報処理装置から、前記領収証が保存されている保存領域に接続可能な形態の情報であることを特徴とする。
【0019】
また、通信部をさらに備え、前記電子化された領収証と、前記保存先情報のうち少なくともいずれか一方、または両方を、前記通信部によって、前記ユーザーが所有する情報処理装置に送信することを特徴とする。
【0020】
また、この発明は、画像形成装置の領収書印刷方法であって、前記画像形成装置に備えられた制御部が、ユーザーによって選択された機能を実行する機能実行ステップと、前記機能実行ステップにおいて、費用の発生を伴う取引項目の機能が実行された後、領収証の印刷に関する設定情報を選択可能に表示する表示ステップと、前記表示された設定情報において、領収証を印刷することが選択された場合に、前記実行された機能の取引数に対応した適切な長さの印刷用紙の枚数を設定し、各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成する領収証情報生成ステップと、前記生成された領収証印刷情報を利用して、領収証を印刷する領収証印刷実行ステップとを実行させることを特徴とする画像形成装置の領収書印刷方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、費用の発生を伴う取引項目の機能が実行された後、領収証の印刷に関する設定情報を選択可能に表示させ、表示された設定情報において、領収証を印刷することが選択された場合に、実行された機能の取引数に対応した適切な長さの印刷用紙の枚数を設定し、各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成し、生成された領収証印刷情報を利用して、領収証を印刷するので、たとえば、同じ取引処理が繰り返し行われ複数の取引内容の情報が領収証に印刷される場合でも、適切な長さの領収証を出力することができる。
【0022】
特に、新しいインボイス制度に対応した領収証を発行する場合において、同じ取引処理が繰り返し行われ複数の同じ取引内容の情報が領収証に印刷させる必要がある場合でも、床面に届くほど長い領収証が出力されることを防止し、領収証が床面に接地して汚れたり破損したりすることを防止できる。
さらに、操作部によって選択入力された設定情報の設定内容を記憶させ、機能が実行された後に表示部に表示される領収証の印刷に関する設定情報は、すでに記憶されている設定内容が設定された状態で表示されるようにするので、同じ設定を使用する場合には、設定情報の内容を再度設定し直す必要がなく、利用者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】この発明の画像形成装置の一実施例の構成ブロック図である。
図2】この発明の画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。
図3】この発明の画像形成装置において、印刷される領収証の各印刷領域の一実施例の説明図である。
図4】この発明の画像形成装置において、1枚のみの領収証の各印刷領域に印刷される情報の一実施例の説明図である。
図5】この発明の画像形成装置において、分割印刷される領収証の各印刷領域に印刷される情報の一実施例の説明図である。
図6】この発明の画像形成装置において、分割印刷される領収証の各印刷領域に印刷される情報の一実施例の説明図である。
図7】この発明の画像形成装置において、分割印刷される領収証の各印刷領域に印刷される情報の一実施例の説明図である。
図8】この発明の画像形成装置において、分割印刷される領収証の各印刷領域に印刷される情報の一実施例の説明図である。
図9】この発明の画像形成装置において、同じ取引が繰り返される場合の取引数に対応した領収証の長さの一実施例の説明図である。
図10】この発明の画像形成装置において、同じ取引が繰り返される場合の取引数に対応し、2枚に分割印刷される領収証の長さの一実施例の説明図である。
図11】この発明の画像形成装置において、同じ取引が繰り返される場合の取引数に対応し、2枚に分割印刷される領収証の長さの一実施例の説明図である。
図12】この発明の画像形成装置において、同じ取引が繰り返される場合の取引数に対応し、3枚に分割印刷される領収証の長さの一実施例の説明図である。
図13】この発明の画像形成装置において、同じ取引が繰り返される場合の取引数ごとの領収証の印刷枚数と長さの一実施例の説明図である。
図14】この発明の画像形成装置の表示部に表示される画面(領収証印刷設定画面)の一実施例の説明図である。
図15】この発明の画像形成装置の表示部に表示される画面(領収証印刷警告画面)の一実施例の説明図である。
図16】この発明の画像形成装置の表示部に表示される画面(領収証印刷可否設定画面)の一実施例の説明図である。
図17】この発明の画像形成装置の表示部に表示される画面(領収証印刷可否設定画面)の一実施例の説明図である。
図18】この発明の電子化領収証に印刷される保存先情報の一実施例の説明図である。
図19】この発明の領収証印刷設定項目の条件の一実施例の説明図である。
図20】この発明の画像形成装置の領収証情報の初期設定処理の一実施例のフローチャートである。
図21】この発明の画像形成装置の領収証の生成と印刷処理の一実施例のフローチャートである。
図22】この発明の画像形成装置の領収証の生成と印刷処理の一実施例のフローチャートである。
図23】この発明の画像形成装置の領収証の生成と印刷処理の一実施例のフローチャートである。
図24】この発明の画像形成装置の領収証の生成と印刷処理の一実施例のフローチャートである。
図25】この発明の画像形成装置の領収証の生成と印刷処理の一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
【0025】
この発明の画像形成装置は、画像データを処理する装置であるが、特に、課金機能と、領収証発行機能を有し、利用者によって所望の取引処理が実行された場合に、その取引処理に対応して支払われた料金等を記載した領収書を発行する機能を有する。
たとえば、画像形成装置の有する機能のうち、コピー機能を実行しようとする場合、そのコピー機能に対応した料金が請求され、その料金が入金された場合に、コピー機能が実行可能となり、コピー機能の終了後に、入金額から実行したコピー機能に相当する料金が徴収され、実行したコピー機能の取引処理に対する領収書が発行される。
【0026】
領収書は、所定の印刷用紙に印刷されるが、領収書が印刷された印刷用紙が出力される用紙排出口が、画像形成装置の前面パネルの上部や、画像形成装置の本体に接続された課金ユニットの上部や、MMR(Multi Media Reader)、NFCカードリーダー等に備えられる。
用紙排出口から出力された印刷用紙は、用紙の重力のために、下方に垂れ下がるので、長い印刷用紙がなるべく床面に接触しないようにするためには、用紙排出口の位置は、高い位置にしたほうが好ましい。
【0027】
用紙排出口の位置の高さを、印刷用紙出力高さと呼び、用紙排出口の位置は、通常、画像形成装置ごとに固定されているので、印刷用紙出力高さは、予め、後述する印刷用紙出力高さ情報(H0)41として設定記憶しておくものとする。
特に、後述するように、領収証が複数の印刷用紙に分割印刷される場合、領収証が印刷される各印刷用紙の長さであって、実行された機能の取引数に対応した適切な長さは、印刷用紙が出力される用紙排出口の位置の高さである印刷用紙出力高さよりも短く設定されるものとする。
【0028】
また、この発明では、新しいインボイス制度(適確請求書等保存方式)に対応するために、原則として、繰り返し同じ取引処理が実行された場合、繰り返された同じ取引処理ごとの取引内容と料金が、それぞれ領収書に印刷されるものとする。
ただし、印刷用紙に印刷される領収書の出力の可否は、利用者が選択できるものとし、領収書を印刷しなくてもよく、あるいは、領収書の保存先に関する情報(たとえば、URL)を表示または印刷したり、電子化された領収証を発行して、利用者が所有する携帯端末等に電子化された領収証を送信したりしてもよい。
【0029】
なお、この発明は、画像形成装置に限定するものではなく、利用者に特定の取引サービスを提供し、利用者によって所望の取引処理が実行された場合に、その取引処理に対応して支払われた料金等を記載した領収書を発行する機能を有する電子機器にも適用することができ、たとえば、公共の場所に設置されたパソコン、MMK(Multi Media Kiosk)、自動販売機、行政サービス機などに適用することができる。
【0030】
<画像形成装置の構成>
図1に、この発明の画像形成装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
画像形成装置(MFP:Multifunction Peripheral)は、画像データを処理する装置であり、主に、画像データの入力、形成、出力、保存、転送等を行う。
画像形成装置1を、複合機、または単に、MFPとも呼ぶ。
また、画像形成装置1は、画像データを処理する機能、たとえば、複写(コピー)機能、印刷機能、原稿読取(スキャン)機能、原稿編集機能、原稿保存機能、原稿送受信(ファクス送受信、スキャナ原稿送信)機能、電子メール送受信機能、ファイル転送機能、通信機能などを備えた電子機器である。
【0031】
以下の実施例では、この発明の画像形成装置1は、特に、コピー機能、通信機能を備えるものとして説明するが、これ以外の機能を備えてもよい。
【0032】
図1において、この発明の画像形成装置(MFP)1は、主として、制御部11、操作部12、表示部13、画像処理部14、通信部15、機能実行部21、領収証印刷可否判定部22、同設定入力確認部23、領収証全長算出部24、分割印刷判定部25、印刷警告報知部26、継続利用確認部27、領収証情報生成部28、領収証印刷実行部29、領収証電子化部30、記憶部40を備える。
ここで、画像処理部14は、後述するように、主に、画像入力部、画像形成部、画像出力部から構成される。
【0033】
制御部11は、表示部13や画像処理部14などの各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
制御部11は、CPU等を利用して、機能実行ステップや領収証印刷実行ステップなどを実行させることによって、この画像形成装置の領収証印刷方法を実現する。
CPUは、ROM等の不揮発性メモリに予め格納された制御プログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の画像形成機能、領収証印刷機能などを実行する。
【0034】
また、上記構成要素のうち、領収証印刷可否判定部22、同設定入力確認部23、領収証全長算出部24、分割印刷判定部25、継続利用確認部27、領収証情報生成部28などは、CPUが、所定のプログラムに基づいてそれぞれの処理を実行する機能ブロックである。
【0035】
操作部12は、画像形成装置1のユーザーが所定の入力操作をするための入力装置である。
たとえば、文字などの情報の入力や、幾つかの選択肢の中から情報や機能を選択入力する部分であり、キーボード、マウス、タッチパネルなどが用いられる。
ユーザーが操作するキーとしては、動作開始キー、機能選択キー、設定キーなどがある。
ユーザーは、たとえば、タッチパネルや読み取り動作の開始キーを入力する操作をすることによって、原稿の読み取りを実行させたり、画像データ等の情報の送信を開始させる送信開始キーを入力する操作をすることによって、所定の宛先に情報を送信する動作を開始させたりする。
【0036】
表示部13は、情報を表示する部分であり、各機能の実行に必要な情報や、機能の実行の結果などを、利用者に知らせるために表示する。たとえば、LCD、有機ELディスプレイなどが用いられ、操作部12としてタッチパネルが用いられる場合は、表示部13とタッチパネルとが重ね合わせて配置される。
表示部13には、たとえば、画像形成装置の印刷等に利用する設定項目の設定内容や、原稿読取機能等を実行するのに必要な情報や、実行させる機能を選択する画面(機能選択画面)、選択した機能の操作画面、消耗品の交換要求画面などが、文字、記号、図形、画像、アイコン、アニメーション、動画等を用いて、表示される。
【0037】
また、この発明では、後述する機能実行部21によって、費用の発生を伴う取引項目の機能が実行された後、領収証の印刷に関する設定情報が選択可能に表示部13に表示される。
領収証の印刷に関する設定情報が表示部13に表示された状態で、ユーザーが所望の設定内容を選択した場合、操作部12によって選択入力された設定情報の設定内容が、記憶部40に記憶される。
たとえば、表示部13には、後述するような領収証の印刷設定画面、領収証の印刷警告画面、領収証の印刷可否設定画面などが表示される。
【0038】
また、画像形成装置を利用するユーザーの入力操作にかかる手間を省き、操作負担を軽減するために、記憶部40に、前回選択入力された設定情報の設定内容が記憶されている場合は、後述するように、機能が実行された後に表示部13に表示される領収証の印刷に関する設定情報は、現在、記憶部40に記憶されている設定内容が設定された状態で表示されることが好ましい。
【0039】
画像処理部14は、画像形成装置1の主要な機能である画像形成機能を実行する部分であり、主に、画像入力部、画像形成部、および、画像出力部からなる。
主として、画像入力部は、所定の画像データを入力する部分であり、画像形成部は、入力された画像データを印刷等することのできる情報に変換する部分であり、画像出力部は、形成された印刷情報等を印刷用紙等に出力する部分である。
【0040】
画像入力部は、印刷することを目的とした印刷データなど、画像や文字図形等が記載された原稿の画像データを入力する部分であり、たとえば、原稿台等に載置された原稿を読み取る部分である。
画像入力部としては、情報が記載された原稿を読み取るスキャナ(読取装置)を用いる。
画像形成装置1は、原稿を読み取るために、原稿が載置される原稿載置台(原稿台)と、原稿を抑える原稿カバーとを備える。
また、画像形成装置1は、複数枚の原稿を載置して、複数の原稿を1枚ずつ自動的に搬送して読み取る自動原稿送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)を備えてもよい。
【0041】
画像情報を入力する方法には種々の方法があるが、たとえば、画像等が記載された原稿をスキャナで読み取り、原稿の画像データ(以下、入力画像データと呼ぶ)を、記憶部40に記憶する。
【0042】
また、たとえば、USBメモリなどの外部の記憶媒体を接続するインターフェースが、画像入力部に該当する。
入力したい画像情報などの電子データファイルを、USBメモリなどの外部の記憶媒体に保存しておき、USBメモリ等をUSB端子などの入力インターフェースに接続し、操作部12で所定の入力操作を行うことによって、USBメモリ等に保存された所望の電子データファイルを読み出して、記憶部40に、入力画像データとして記憶してもよい。
【0043】
画像形成部は、たとえば、印刷データを記録媒体に印刷する場合、一般的に、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電、及び定着の各工程を連続的に実施して、印刷データを記録媒体に形成する。
現像工程では、トナーカートリッジからトナーを現像装置に補給し、帯電した感光体ドラムの表面に形成された静電潜像が現像され、静電潜像に対応したトナー像が形成される。感光体ドラムの表面に形成されたトナー像は転写装置によって記録媒体上に転写され、その後、定着装置によって加熱されることにより記録媒体上に定着させられる。また、画像形成部は、入力画像データを転送や表示できる形態の情報に変換する。
【0044】
画像出力部は、形成された入力画像データを出力する部分であり、たとえば、プリンターに相当する。
ただし、入力画像データの出力は、印刷に限るものではなく、スキャンされた原稿の入力画像データの記憶、スキャンされた原稿の入力画像データのFAX送信なども含まれる。
たとえば、読み取られた原稿の入力画像データをUSBメモリなどの外部の記憶媒体へ記憶すること、インターネットなどのネットワークを介して他の情報処理装置やサーバーへ入力画像データを送信すること、特定の保存フォルダに分類保存(ドキュメントファイリング)すること等も、画像出力に相当するものとする。
【0045】
通信部15は、ネットワークを介して、他の通信装置とデータ通信をする部分である。
ネットワークとしては、インターネットなどのWAN、LAN、電話回線、専用回線など、既存のあらゆる通信回線が利用できるものとする。
ネットワークとの接続形態は、既存のあらゆる通信形態を利用することができ、通信形態は、有線通信および無線通信のどちらを用いてもよい。
たとえば、画像形成装置(MFP)1は、ネットワークを介して、電子化された領収証の情報を、画像形成装置の利用者が所持する携帯端末等に送信する。
【0046】
機能実行部21は、画像形成装置が有する機能を実行する部分であり、ユーザーによって選択された機能が実行される。
たとえば、ユーザーによって、コピー機能が選択された場合、コピー機能が実行され、原稿台に載置された原稿が読み取られ、原稿に対応した画像データが生成されて、所定の印刷用紙に印刷され、原稿の内容が印刷された印刷用紙が排出トレイに出力される。
【0047】
領収証印刷可否判定部22は、主として、領収証を印刷するか否かを判定する部分である。
たとえば、ユーザーによって選択された機能(たとえば、コピー機能)の実行が終了した場合、その実行された機能に対する取引内容を記載した領収証を印刷するか否かを判定する。
領収証を印刷するか否かの判定は、後述する図14に示すような領収書印刷設定画面を表示させて、ユーザーによって選択入力された内容に基づいて判定する。
また、領収証を印刷するか否かの判定に加えて、領収証の電子化の可否の判定もするものとする。
【0048】
図14に示すような領収書印刷設定画面には、領収証を印刷するか否かを選択する表示領域の他に、電子化された領収証の発行を選択する表示領域と、直前に実行が終了した機能と同じ設定でその機能を継続利用することを選択する表示領域と、利用した機能を終了するための表示領域とが含まれている。
たとえば、ユーザーが、「領収証を印刷する」を選択した状態で、利用した機能を終了するための表示領域を選択入力した場合には、その後、領収証に印刷する取引内容を作成して、領収証が印刷される。
【0049】
また、ユーザーが、「領収証を印刷する」を選択した状態で、同じ設定でその機能を継続利用することを選択する表示領域を選択入力した場合には、その機能を実行させるための画面(たとえば、コピー機能実行選択画面)を表示させる。
【0050】
ユーザーが選択入力した項目の情報は、後述する領収証印刷可否情報44として記憶される。
たとえば、図14の領収書印刷設定画面で、「領収証を印刷しない」、「領収証の電子化」、「同じ設定で利用継続」が選択された場合、領収証印刷可否情報44には、「領収証を印刷しないこと」、「領収証の電子化をすること」、「同じ設定で利用継続すること」が記憶される。
【0051】
同設定入力確認部23は、同じ設定内容で、直前に実行が終了した機能と同じ機能を再度実行することを意味する入力操作がされたことを確認する部分である。
上記したように、図14の領収書印刷設定画面で、「同じ設定で利用継続」が選択された場合には、直前に実行が終了した機能と同じ機能を再度実行することを意味する入力操作がされたと判断する。
たとえば、ユーザーがコピー機能を実行させ、そのコピー機能が終了した後に、表示部13に表示される領収書印刷設定画面で、「同じ設定で利用継続」を選択入力し場合には、コピー機能を再度実行することを意味する入力操作がされたことが確認される。
【0052】
コピー機能を再度実行することを意味する入力操作がされたことを確認した場合、すぐにコピー機能を実行できるように、たとえば、表示画面が、所定のコピー機能実行選択画面に切り替わり、コピー枚数や解像度や印刷用紙サイズ等の各設定項目について設定されている前回のコピー機能と同じ設定で、コピー機能が実行できる状態になる。
【0053】
領収証全長算出部24は、ユーザーによって選択された機能の実行が終了し、領収書を印刷することが選択されている場合に、実行されたすべての取引内容の情報を領収証に印刷する場合に出力される領収証の長さを計算する部分である。
領収証に印刷される取引内容の情報には、たとえば、店舗名や、取引日時、合計金額、管理番号などの定型項目や定型文があり、これらの定型項目や定型文が印刷される領域の長さは、一般的に、固定長である。
一方、購入商品や取引内容の種類や取引数は、各取引によって異なるので、購入商品やその取引金額(単価など)が印刷される領域の長さは、可変長である。
1枚の領収証の長さは、原則として、固定長の領域の長さと、可変長の領域の長さの合計によって計算される。
計算された1枚の領収証の長さは、領収証全長情報(LA)として記憶される。
【0054】
ただし、この発明では、1枚の領収証の長さに上限を設定し、たとえば、出力された1枚の領収証の先端が床面に接触しないようにするために、領収証に利用する印刷用紙が出力される位置の高さ(印刷用紙出力高さ情報:H0)を、1枚の領収証の長さの上限値とする。
1枚の領収証の長さに上限を設定した場合、固定長の領域の長さと可変長の領域の長さの合計が、1枚の領収証の長さの上限値を超える場合には、上限値以下の長さの複数枚の領収証に分割して印刷する。
領収証が複数の印刷用紙に分割印刷される場合は、各印刷用紙に記載される内容には、共通して印刷される内容と、印刷用紙ごとに異なる印刷内容とがあり、取引内容の数によって、印刷用紙の長さや枚数も異なる。
領収証を分割印刷する場合の印刷内容と、各印刷用紙の長さ等の詳細については後述する。
【0055】
分割印刷判定部25は、領収証を複数枚の印刷用紙に分割して印刷するか否かを判定する部分である。
たとえば、「同じ設定で利用継続」が選択された場合、すなわち、同じ設定で同じ機能(取引項目)を継続して実行させることが選択された場合は、繰り返し実行される同じ機能(取引項目)の繰り返し回数が計測(カウント)される。
分割印刷判定部25は、この繰り返し回数が、所定の判定回数を超えるか否かをチェックする。
所定の判定回数は、後述する分割印刷判定回数(N0)に相当し、領収証を分割印刷するか否かを判定するための情報である。
【0056】
繰り返し実行される同じ機能(取引項目)の繰り返し回数をNとした場合、繰り返し回数Nと、予め設定された分割印刷判定回数N0とを比較し、繰り返し回数Nが、分割印刷判定回数N0以上となった場合に(N≧N0)、領収書を分割印刷すると判定する。
一方、N<N0の場合は、領収書を分割印刷しないと判定し、1枚の領収書にすべての取引項目の内容を印刷する。
【0057】
たとえば、後述するように、分割印刷判定回数N0に、39が設定されている場合は、繰り返し回数Nが、39以上の場合に、分割印刷すると判定する。
すなわち、同じ設定で同じ機能(取引項目)が、39回以上連続して繰り返し実行された場合に、2枚以上の領収書に分割して、取引項目の内容を印刷する。
一方、同じ機能(取引項目)の連続して繰り返し実行された回数が38回以下の場合は、1枚の領収書に、すべての取引項目の内容を印刷する。
【0058】
分割印刷判定回数N0は、予め固定的に設定してもよいが、後述するように、領収証に利用する印刷用紙が出力される位置の高さ(印刷用紙出力高さ情報:H0)と、領収証に記載すべき取引項目ごとに割り当てられた領域の長さとから、計算してもよい。
領域の長さは、たとえば、領域ごとに、後述するような領収証基本情報42として、予め設定記憶される。
【0059】
なお、以下の実施例では、繰り返し回数Nは、同じ機能(取引項目)についての2回目以降の実行回数を設定したものとし、最初の実行回数は含まないものとする。
すなわち、1回だけ実行した取引項目については、繰り返し回数Nはゼロであり、2回連続して同じ取引項目が実行された場合に、繰り返し回数Nに1が設定される。
同様に、k回連続して同じ取引項目が実行された場合は、繰り返し回数Nには、k-1が設定され、その連続して実行された取引項目の総数は、繰り返し回数N+1となる。
【0060】
印刷警告報知部26は、1枚の領収証に印刷可能な取引項目の個数が、所定数を超えたことを示す警告を報知する部分である。
たとえば、領収証を印刷した場合の警告情報を、表示部13に表示させる。
警告情報の実施例としては、後述する図15に示すように、領収証に印刷される項目数が一定数を超えたことや、領収証の長さが長くなることで領収書が床に着く可能性があることを注意喚起する表示をすればよい。
あるいは、この警告情報の内容を、音声で報知してもよい。
【0061】
警告情報の報知は必須ではないが、非常に長い領収証が印刷されることをユーザーに知らせるために行うことが好ましい。
また、領収証が分割印刷される場合、各印刷用紙の長さは、床に着くことのない長さに制限されるが、複数の印刷用紙が連続して出力される場合、ユーザーが順次出力される領収証を受け取らず放置していると、印刷用紙が床面に落ちてしまうので、警告情報を報知することが好ましい。
ただし、領収証が床面に落ちないように、1枚の用紙が完全に排出されてしまう前に排出口のところで一旦静止させてユーザーが静止した用紙を引っ張れば次の用紙の印刷が始まるようにする。
【0062】
継続利用確認部27は、所定の機能を継続して利用する場合に、領収書に関する設定内容を確認するための表示をする部分である。
特に、繰り返し回数Nが、所定の分割印刷判定回数N0以上の場合に(N≧N0)、ユーザーに、領収書に関する現在の設定内容の確認を要求するために、たとえば、後述する図16図17に示すような領収証印刷可否設定画面を表示させる。
すなわち、同じ設定で同じ機能(取引項目)の利用を継続する場合に、今後も同じ設定を利用するか否かの設定や、領収証の印刷可否や電子化の可否の設定をユーザーに見直してもらうために、各設定内容の確認画面を表示させる。
また、必要ならば、表示された確認画面を利用して、各設定内容を変更してもらう。
【0063】
領収証印刷可否設定画面には、たとえば、同じ設定の利用の可否と、領収証の印刷可否と、領収証の電子化の可否の設定項目を表示し、さらに、現在設定記憶されている項目内容が識別できるように表示する。
現在設定記憶されている項目内容は、上記した領収証印刷可否情報44を利用して、識別表示されるものとする。
現在設定記憶されている項目内容を識別表示することによって、項目内容を変更する必要のない場合は、単に目視で確認するだけでよく、上記した領収証印刷設定画面のように、すべての設定項目について再度設定内容を入力する必要がなくなり、ユーザーの設定入力操作の負担を軽減できる。
【0064】
また、領収証印刷可否設定画面には、ユーザーが現在の設定内容をそのまま確認したこと、あるいは、設定内容を変更したことの確認を意味する入力を受け付ける表示領域(確認領域)と、同じ機能(取引項目)の利用を継続せずに取引処理を終了する入力を受け付ける表示領域(終了領域)を表示する。
たとえば、終了領域を選択する入力操作がされた場合には、取引処理を終了し、領収証印刷可否情報に記憶された領収証の印刷可否と電子化の可否の情報に基づいて、領収証の印刷、あるいは、領収証の電子化や、電子化された領収証の送信が行われる。
また、確認領域を選択する入力操作がされた場合には、確認された現在の設定内容に基づいて、同じ機能(取引項目)の利用が継続される。
【0065】
領収証情報生成部28は、領収証に印刷すべき情報を生成する部分である。
領収証に印刷すべき情報は、領収証が印刷される各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む情報であり、後述する領収証印刷情報51に相当する。
たとえば、表示部13に表示された領収証の印刷に関する設定情報において、領収証を印刷することが選択された場合に、機能実行部21によって実行された機能の取引数に対応した適切な長さの印刷用紙の枚数を設定し、各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報を生成する。
印刷用紙に記載される取引内容には、実行された機能の取引項目の識別名(たとえば、コピー、原稿読取、ファックスなど)や、発生した利用料金(単価や合計金額)などの情報が含まれる。
【0066】
また、実行された機能の取引数が所定数よりも少なく、長さに制限のある1枚の領収証にすべての取引項目が収められる場合は、1枚の領収証に印刷する情報(領収証印刷情報51)が生成される。
一方、実行された機能の取引数が所定数以上あり、長さに制限のある1枚の領収証にすべての取引項目が収められない場合、すなわち、領収証を分割印刷すると判定された場合、複数の印刷用紙を用いた分割印刷をするために、各印刷用紙に記載すべき取引項目等の取引内容を含む領収証印刷情報51が生成される。
【0067】
領収証印刷実行部29は、領収証を所定の印刷用紙に印刷する部分である。
上記のように、領収証を印刷することが設定記憶されている場合に、生成された領収証印刷情報51を利用して、領収証を印刷する。
取引数が少ない場合は、1枚の領収証のみが印刷される。
ただし、取引数が所定数以上に多く、領収証を分割印刷すると判断された場合は、生成された領収証印刷情報51を利用して、各印刷用紙への印刷が実行され、複数枚の領収証が、順次出力される。
【0068】
領収証電子化部30は、電子化された領収証を生成する部分である。
上記のように、領収証を電子化することが設定記憶されている場合に、電子化された領収証は、各印刷用紙に記載すべき取引内容を含む領収証印刷情報51を利用して生成される。
たとえば、表示部13に表示される設定情報に、領収証の電子化の可否が含まれ、操作部12によって、領収証の電子化の可否のうち、領収証を電子化することが選択された場合に、領収証電子化部30が、領収証印刷情報51に含まれる情報を全て含む領収証ファイルを生成する。
【0069】
また、領収証電子化部30によって生成された領収証ファイルを、記憶部40の所定の保存領域に保存し、領収証ファイルが保存されている保存領域を特定する保存先情報を生成する。
保存先情報は、ユーザーが所有する情報処理装置(携帯端末など)から保存されている領収証ファイルにアクセスできるようにするために、生成される。
また、保存先情報を画像形成装置に接続可能なURLに含め、そのURLを、保存先情報として、画像形成装置を利用したユーザーごとに記憶してもよい。
保存先情報は、原則として、文字情報として保存されるが、その保存先情報を含む二次元コードに変換して保存してもよい。
【0070】
ここで、保存された保存先情報、URL、二次元コードを、たとえば、後述する図18に示すように、所定の印刷用紙に印刷してもよい。
ユーザーが、保存先情報等が印刷された印刷用紙を持ち帰ることで、いつでも、ユーザーが所有する情報処理装置などで、印刷された保存先情報等を読み取ることができ、画像形成装置に保存されている領収証ファイルにアクセスできるようになる。
【0071】
さらに、ユーザーが所有する情報処理装置などから保存されている領収証ファイルにアクセスできるようにするために、生成された保存先情報、または、保存先情報を含む二次元コードを、表示部13に表示させてもよい。
表示部13に表示される保存先情報と保存先情報を含む二次元コードは、ユーザーが所有する情報処理装置から、領収証が保存されている保存領域に接続可能な形態の情報であるが、画像形成装置を特定するURLの一部に、その保存先情報が含まれるような形態の情報であってもよい。
【0072】
従来から行われているが、ユーザーが所有する情報処理装置がカメラを備えている場合、画像形成装置の表示部13に表示された保存先情報や二次元コードをカメラで撮影し、撮影された画像データから保存先情報を取得することにより、画像形成装置に保存されている領収証ファイルにアクセスできるようになる。
【0073】
あるいは、ネットワークを介して、電子化された領収証と、保存先情報のうち少なくともいずれか一方、または両方を、画像形成装置の通信部15によって、ユーザーが所有する情報処理装置に送信するようにしてもよい。
領収証を送信する場合は、ユーザーが所有する携帯端末等のIPアドレスや、ユーザーのメールアドレスを、画像形成装置に予め記憶しておく。
ユーザーが所有する情報処理装置(携帯端末など)は、電子化された領収証を受信し、情報処理装置の記憶媒体に記憶しておくことにより、いつでも、領収証の取引内容を確認することができる。
また、保存先情報を受信した場合は、たとえば、受信した保存先情報を表示させ、表示された保存先情報を選択することにより、画像形成装置に接続し、領収証ファイルにアクセスできるようになり、領収証の取引内容を確認することができる。
【0074】
以上のように、画像形成装置のユーザーが、印刷または表示された保存先情報や二次元コードを、自己の携帯端末等を利用して読み取ることや、自己の携帯端末で保存先情報等を受信することにより、保存先情報を取得して、画像形成装置に記憶されている領収証ファイルを取り出すことが可能となる。
【0075】
記憶部40は、この発明の画像処理装置MFPの各機能を実行するために必要な情報やプログラムを記憶する部分であり、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子、HDD、SSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。
記憶部40には、たとえば、印刷用紙出力高さ情報41、領収証基本情報42、分割印刷判定回数43、領収証印刷可否情報44、繰り返し回数45、領収証全長情報46、分割用紙枚数47、最初用紙長48、中間用紙長49、最後用紙長50、領収証印刷情報51、電子化情報52などが記憶される。
図2に、画像形成装置の記憶部40に記憶される情報の一実施例の説明図を示す。
【0076】
印刷用紙出力高さ情報41は、上記したように、領収証に利用する印刷用紙が出力される位置の高さ(H0)であり、画像形成装置ごとに予め設定記憶される。
たとえば、図2に示すように、印刷用紙出力高さ情報(H0)41として、70センチメートルが設定される。
また、印刷用紙出力高さ情報(H0)41は、1枚の領収証の長さの上限値でもある。
【0077】
領収証基本情報42は、領収証をいくつかの領域に分割した場合に、領収証に記載する情報を印刷する各領域の長さを設定した情報であり、予め設定記憶される。
後述する図3に示すように、領収証を4つの領域に分割するとした場合、その4つの領域の長さが、それぞれ設定される。
4つの領域を、ヘッダー領域と、可変領域と、第1フッダー領域と、第2フッダー領域に分割した場合、たとえば、図2に示すように、ヘッダー領域の長さ(ヘッダー長:L1)を8cmに、第1フッダー領域の長さ(第1フッダー長:L3)を3cmに、第2フッダー領域の長さ(第2フッダー長:L4)を1cmに予め設定する。
【0078】
また、可変領域は、ユーザーが取引した購入商品や取引項目ごとの取引金額などの取引内容が印刷される領域であり、その長さは、可変長である。
そこで、1つの取引内容が印刷される長さを一定長の可変領域基本長L2として予め設定するものとする。
図2では、可変領域基本長L2として、1.5cmが予め設定されている。
可変領域に印刷される取引項目の個数がN個の場合、可変領域の長さは、1.5×Nとなり、たとえば、可変領域に印刷される取引項目の個数が10個の場合、可変領域の長さは、15cmとなる。
ただし、図2に示した領収証基本情報42の数値は、これに限るものではなく、領収証の形式的な仕様や記載すべき内容によって、異なる数値が設定される。
【0079】
分割印刷判定回数43は、上記したように、「同じ設定で利用継続」が選択された場合に、同じ設定で実行すべき機能(取引項目)の繰り返し回数Nが、所定の判定回数を超えるか否かを判定するために設定された閾値(N0)である。
繰り返し回数Nと分割印刷判定回数(N0)43との比較により、領収証を分割印刷するか否かを判定する。
図2では、分割印刷判定回数N0として、39回が設定されている。
ただし、分割印刷判定回数N0は、上記した印刷用紙出力高さ情報(H0)41と、領収証基本情報42とから、次に示すような計算式により、計算してもよい。
すなわち、分割印刷判定回数N0は、N0>(H0―(L1+L3+L4))/L2を満たす最小の整数値とする。
【0080】
たとえば、図2に示すように、印刷用紙出力高さ情報(H0)41と、領収証基本情報42の数値が予め設定されていた場合、(H0―(L1+L3+L4))/L2=(70-(8+3+1))/1.5=38.67であるので、分割印刷判定回数N0として、39が設定される。
この場合、繰り返し回数Nが、分割印刷判定回数N0の39回以上の場合(N≧N0)に、分割印刷をするものと判定される。
【0081】
領収証印刷可否情報44は、領収証の印刷に関する設定情報と、同じ機能の繰り返し設定に関する情報が設定されたものである。
この領収証の印刷に関する設定情報等は、選択可能に表示部13に表示される。
たとえば、図2に示すように、領収証印刷可否情報44には、領収証の印刷の可否、領収証の電子化の可否、同じ設定で利用継続すること(同設定利用)の可否が記憶される。
領収証印刷可否情報44の設定内容は、ユーザーが選択入力した内容により決まる。
この領収証印刷可否情報44の設定内容によって、領収証を印刷するかしないか、領収証の電子化をするかしないか、および、同じ設定で同じ機能を継続利用するかしないかが判断される。
【0082】
たとえば、表示部13に表示される設定情報に、領収証の印刷の可否が含まれ、操作部12によって、領収証の印刷の可否のうち、領収証を印刷することが選択された場合には、領収証が印刷され、領収証を印刷しないことが選択された場合には、領収証を印刷しないで取引処理が終了される。
【0083】
また、表示部13に表示される設定情報に、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることの同設定利用可否が含まれ、操作部12によって、同設定利用可否のうち、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることが選択された場合には、機能実行部21によって、同じ設定で同じ機能を実行させることができる状態になる。
【0084】
また、表示部13に表示される設定情報に、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることの同設定利用可否が含まれ、同設定利用可否のうち、同じ設定で同じ機能を継続して実行させることが選択されない場合には、機能の継続実行は行わずに、操作部12によって選択された領収証の印刷の可否に基づいて、領収証の印刷を実行するかしないかが判定される。
【0085】
繰り返し回数45は、上記したように、「同じ設定で利用継続」が選択された場合に実行される機能(取引項目)の繰り返しの実行回数Nである。
繰り返し回数Nには、最初の取引項目の実行回数は含まないものとし、同じ機能(取引項目)についての2回目以降の実行回数を設定したものとする。
また、領収証を分割印刷する場合、領収証の最初のページ内の取引項目の繰り返し回数Nは、上記した分割印刷判定回数N0を超えないものとする。
すなわち、0≦N<N0とする。
【0086】
領収証全長情報46は、1枚当たりの領収証の長さ(LA)である。
上記のように、領収証が、4つの領域(ヘッダー領域と、可変領域と、第1フッダー領域と、第2フッダー領域)からなるものとした場合、Nを繰り返し回数とすると、領収証全長情報LAは、LA=L1+L3+L4+L2×Nとなる。
ここで、図2に示したように、ヘッダー長L1が8cm、第1フッダー長L3が3cm、第2フッダー長L4が1cm、可変領域基本長L2が1.5cmの場合、領収証全長情報LA=12+1.5Nとなる。
繰り返し回数Nを0から38とすると、領収証全長情報LAは、最小値が12cmで、最大長が69cmとなる。
【0087】
分割用紙枚数47は、領収証を分割印刷する場合、領収証として出力される印刷用紙の枚数(BN)である。
たとえば、後述するように、取引数が1から39個で、繰り返し数Nが0から38回までの場合は、領収証は1枚だけ出力されるが、取引数が40から78個までの場合、領収証は分割印刷され、分割用紙枚数BNは、2枚となる。
【0088】
最初用紙長48は、領収証を分割印刷する場合の最初の領収書(1ページ目)の長さ(PL1)である。
中間用紙長49は、領収証を分割印刷する場合の最初と最後の領収書を除くページ(中間用紙)の長さ(PL2)である。
最後用紙長50は、領収証を分割印刷する場合の最後の領収書の長さ(PL3)である。
たとえば、領収証を2ページに分割印刷する場合は、最初の領収書に相当する1ページ目と、最後の領収書に相当する2ページ目とからなり、中間用紙に相当するページはない。
また、領収証を3ページに分割印刷する場合は、最初の領収書に相当する1ページ目と、中間の領収書に相当する2ページ目と、最後の領収書に相当する3ページ目とからなる。
【0089】
領収証を3ページに分割印刷する場合は、図2に示すように、最初の領収書(1ページ目)の最初用紙長PL1は、66cmとなり、1ページ目の繰り返し数N1は38である。
また、中間の領収書(2ページ目)の中間用紙長PL2は、66cmとなり、2ページ目の繰り返し数N2は38である。
また、最後の領収書(3ページ目)の最後用紙長PL3は、12cmから66cmとなり、3ページ目の繰り返し数N3は0から38である。
【0090】
領収証印刷情報51は、領収証に印刷される情報であり、上記した領収証情報生成部28によって生成される。
領収証印刷情報51には、領収証に印刷すべき取引項目や利用料金(単価や合計金額)が含まれ、実行された取引項目の内容に基づいて生成される。
また、領収証印刷情報51には、ヘッダー領域と、可変領域と、第1フッダー領域と、第2フッダー領域に印刷される内容も含まれ、予め定義された領収証の記載形式に基づいて、上記の情報を印刷する位置が決められているものとする。
たとえば、ヘッダー領域には、店舗名、住所、取引日時等が含まれ、各領収証の最初の領域(上方領域)に印刷されるものとする。
領収証を分割印刷する場合は、領収証のページごとに、印刷される情報が生成される。
【0091】
電子化情報52は、原則として、領収証情報生成部28によって生成される領収証印刷情報51と同じ情報であり、記憶部40に、1つの商取引ごとに、1つの領収書ファイルとして記憶される。
また、電子化情報52には、生成された領収証ファイルを記憶した場所を示す保存先情報も含まれる。
さらに、保存先情報は、画像形成装置に対して接続可能なURLに含めた形式で記憶してもよく、そのURLは、二次元コードの形式に変換して記憶してもよい。
【0092】
<領収証の印刷領域の説明>
図3に、印刷される領収証の各印刷領域の一実施例の説明図を示す。
図3には、分割印刷しない場合で、1枚の領収証に割り当てられた印刷領域の一実施例を示している。
印刷領域は、上記したように、ヘッダー領域HAと、可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2の4つの領域からなるものとする。
【0093】
また、ヘッダー領域HAと、可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2のそれぞれの長さを、ヘッダー長L1と、可変領域長LKと、第1フッダー長L3と、第2フッダー長L4とし、1枚の領収証の全長(領収証全長情報)をLAとした場合、LA=L1+L3+L4+LK=L1+L3+L4+L2×Nで表される。
ここで、可変領域長LK=L2×Nであり、Nは繰り返し数である。
【0094】
さらに、通常、領収証には、少なくとも1つの取引項目を含むので、ヘッダー領域HAには、1つの取引項目の取引内容を含むものとする。
また、分割印刷される場合、ヘッダー領域HAと、第2フッダー領域FA2は、全ての領収証ページに含むものとし、第1フッダー領域FA1は、最後に出力する領収証のページ(最終ページ)にのみ含まれるものとする。
なお、領収証の印刷領域は、図3に示した4つの領域からなる構成に限るものではなく、他の構成でもよい。
このような構成の領収証の各印刷領域に印刷される情報の実施例については、以下の図4から図8を利用して説明する。
【0095】
<領収証の印刷内容の説明>
(実施例1:分割印刷しない場合の1枚の領収証)
図4に、1枚のみの領収証の各印刷領域に印刷される情報の一実施例の説明図を示す。
ここでは、取引項目の個数が少なく、1枚の領収証に、すべての取引内容が印刷できる場合について示す。
また、説明を容易にするために、取引項目は、すべて、コピーとし、ユーザーが、コピー機能を、4回繰り返して実行したとする。
【0096】
上記したように、新しいインボイス制度(適確請求書等保存方式)では、繰り返し行った同じ取引内容の小計表記を、レシートに印刷するので、コピー機能を4回実行した場合には、コピーに関する取引内容が、4回繰り返して印刷される。
図4の領収証は、上記した4つの印刷領域からなり、ヘッダー領域HAには、1回目の取引項目(コピー)の取引内容が含まれ、可変領域KAには、残りの3回の取引項目(コピー)の取引内容が含まれる。
この場合、繰り返し数Nは3であり、1枚の領収証に印刷される取引数は4である。
領収証全長情報LAは、LA=L1+L3+L4+LK=L1+L3+L4+L2×3となる。
【0097】
また、図4の領収証のヘッダー領域HAには、1つの取引内容の他に、店舗名、その店舗の住所、電話番号、取引日時、合計金額が印刷されているが、この内容と記載順序に限るものではない。
さらに、図4の領収証の第1フッダー領域FA1には、「但し」から始まる定型文が印刷され、第2フッダー領域FA2には、領収証の管理番号が印刷されているが、いずれも、このような内容に限定するものではない。第2フッダー領域FA2に、ページ番号を印刷してもよい。
【0098】
図4の領収証では、可変領域KAには、3回の取引項目(コピー)の取引内容が印刷されているが、1枚だけの領収証が印刷されるのは、上記したように、1枚だけの領収証の長さLAが、印刷用紙出力高さ情報H0よりも短い場合である。
たとえば、図2に示すような印刷用紙出力高さ情報H0と領収証基本情報42が設定されている場合、1枚だけの領収証の長さLAを、H0よりも短くなるようにするためには、繰り返し数Nは38以下であり、1枚の領収証に印刷される取引数は39以下に制限される。
したがって、図4の領収証のように、取引数が4で繰り返し数Nが3の場合、領収証全長情報LAは、16.5cmとなるが、1枚だけの領収証の長さLAは、取引数が39(繰り返し数Nが38)の場合に最長の69cmとなる。
【0099】
(実施例2:2つに分割印刷する場合の領収証)
図5図6に、分割印刷される領収証の各印刷領域に印刷される情報の一実施例の説明図を示す。
ここでは、取引項目の個数が多くなり、1枚の領収証にすべての取引内容を印刷したとすると、その領収証の長さが、印刷用紙出力高さ情報H0を超えてしまう場合について示す。
すなわち、2枚の印刷用紙に、領収証を分割する場合について示す。
また、説明を容易にするために、取引項目は、すべて、コピーとし、ユーザーが、コピー機能を、42回繰り返して実行したとする。
【0100】
図5は、分割印刷した領収証の1枚目(1ページ目)であり、図6は、分割印刷した領収証の2枚目(2ページ目)である。
分割印刷した領収証の1枚目には、39個の取引項目の取引内容が印刷され、分割印刷した領収証の2枚目には、3個の取引項目の取引内容が印刷されている。
図5の領収証の1枚目においては、39個の取引項目(コピー)のうち、1番目の取引内容は、ヘッダー領域HAに印刷され、残りの38個の取引内容は、可変領域KAに印刷される。
この場合、領収証の1枚目では、印刷される取引数は39であり、繰り返し数Nは38であり、繰り返し数Nは、分割印刷判定回数N0(=39)よりも小さい最大整数値である。
したがって、可変領域KAの長さは、L2×N=1.5×38=57となる。
【0101】
また、領収証は分割印刷され、1枚目は最終ページでないので。1枚目には、第1フッダー領域FA1が含まれず、ヘッダー領域HAと、可変領域KAと、第2フッダー領域FA2とが含まれる。
よって、領収証の1枚目の長さLAは、図5に示すように、L1+L4+L2×Nであり、L1=8、L4=1、L2=1.5とすると、LA=66となる。
図5の1枚目の領収証の各領域(HA、KA、FA2)には、図4に示したのと同様の情報が印刷される。また、第2フッダー領域FA2には、1枚目であることを示す通し番号(1/2)が印刷されている。
【0102】
図6の領収証の2枚目は、最終ページなので、ヘッダー領域HAと、可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とが含まれる。
また、2枚目に印刷される3個の取引項目(コピー)のうち、2枚目の1番目の取引内容は、ヘッダー領域HAに印刷され、残りの2個の取引内容は、可変領域KAに印刷される。
図6の2枚目の領収証の各領域(HA、KA、FA1、FA2)には、図4に示したのと同様の情報が印刷され、第2フッダー領域FA2には、2枚目であることを示す通し番号(2/2)が印刷されている。
ただし、図6の2枚目のヘッダー領域HAには、図5の1枚目のヘッダー領域HAと同じ内容を印刷したものを示しているが、2枚目の領収証では、合計金額の欄の記載を省略してもよく、この場合には、2枚目の領収証の可変領域KAに、より多くの取引項目(コピー)を印刷することができる。
【0103】
図6の領収証の2枚目では、印刷される取引数は3であり、繰り返し数Nは2であるので、2枚目の可変領域KAの長さは、L2×N=1.5×2=3となる。
したがって、領収証の2枚目の長さLAは、図6に示すように、L1+L3+L4+L2×Nであり、L1=8、L3=3、L4=1、L2=1.5とすると、LA=15となる。
【0104】
(実施例3:3つに分割印刷する場合の領収証)
図7図8に、分割印刷される領収証の各印刷領域に印刷される情報の一実施例の説明図を示す。
ここでは、取引項目の個数が多くなり、1枚の領収証にすべての取引内容を印刷したとすると、その領収証の長さが、印刷用紙出力高さ情報H0を超えてしまい、3枚の印刷用紙に分割する必要がある場合について示す。
【0105】
また、説明を容易にするために、取引項目は、すべて、コピーとし、ユーザーが、コピー機能を、81回繰り返して実行したとする。
この場合、領収証の総ページ数は3となり、分割印刷した領収証の1枚目(1ページ目)には、39個の取引項目の取引内容が印刷され、分割印刷した領収証の2枚目(2ページ目)にも、39個の取引項目の取引内容が印刷され、分割印刷した領収証の3枚目(3ページ目)には、3個の取引項目の取引内容が印刷される。
【0106】
図7は、分割印刷した領収証の2枚目(2ページ目)であり、図8は、分割印刷した領収証の3枚目(3ページ目)である。
ただし、分割印刷した領収証の1枚目(1ページ目)は、図5と同様の内容の領収証となるので省略する。
分割印刷した領収証の1枚目(1ページ目)には、1番目から39番目までの合計39個の取引項目が印刷され、1枚目の領収証の長さLAは、66cmとなる。
【0107】
図7に示す領収証の2枚目(2ページ目)には、40番目から78番目までの取引項目が印刷され、40番目の取引項目が、ヘッダー領域HAに印刷され、残りの38個の取引内容は、可変領域KAに印刷される。
2枚目に印刷される取引数は39個であり、2枚目の繰り返し数Nは38である。
また、中間ページである領収証の2枚目も、最終ページでないので、第1フッダー領域FA1が含まれず、ヘッダー領域HAと、可変領域KAと、第2フッダー領域FA2とが含まれる。2枚目の第2フッダー領域FA2には、2枚目であることを示す通し番号(2/3)が印刷されている。
よって、領収証の2枚目の長さLAは、図7に示すように、L1+L4+L2×Nであり、L1=8、L4=1、L2=1.5とすると、LA=66となる。
この場合、領収証の2枚目の長さLAは、領収証の1枚目の長さと同じである。
【0108】
図8の領収証の3枚目は、最終ページなので、ヘッダー領域HAと、可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とが含まれる。
また、3枚目に印刷される3個の取引項目(コピー)のうち、3枚目の1番目の取引内容は、ヘッダー領域HAに印刷され、残りの2個の取引内容は、可変領域KAに印刷される。3枚目の第2フッダー領域FA2には、3枚目であることを示す通し番号(3/3)が印刷されている。
【0109】
この場合、図8の領収証の3枚目では、印刷される取引数は3であり、繰り返し数Nは2であるので、2枚目の可変領域KAの長さは、L2×N=1.5×2=3となる。
したがって、領収証の3枚目の長さLAは、図8に示すように、L1+L3+L4+L2×Nであり、L1=8、L3=3、L4=1、L2=1.5とすると、LA=15となる。
なお、図7の2枚目のヘッダー領域HAと、図8の3枚目のヘッダー領域HAには、図5の1枚目のヘッダー領域HAと同じ内容を印刷したものを示しているが、2枚目と3枚目の領収証では、合計金額の欄の記載を省略してもよく、この場合には、2枚目と3枚目の領収証の可変領域KAに、より多くの取引項目(コピー)を印刷することができる。
【0110】
<取引数に対応した領収証の長さの説明>
すでに説明しているが、ユーザーが実行させた機能の取引数に対応した領収証の長さを、出力される領収証の枚数に対応させて記載した実施例を、以下に示す。
【0111】
(1枚のみの場合の領収証の長さの説明)
図9に、同じ取引が繰り返される場合の取引数に対応した領収証の長さの一実施例の説明図を示す。
ここでは、領収証として出力される印刷用紙の枚数が1枚の場合について示す。
既に記載しているが、一実施例として、ヘッダー領域HAのヘッダー長L1を8cm、可変領域KAの可変領域長LKをL2×N、第1フッダー領域FA1の第1フッダー長L3を3cm、第2フッダー領域FA2の第2フッダー長L4を1cmとする。
ここで、可変領域基本長L2が1.5cmであり、Nは可変領域KAの繰り返し数である。
また、印刷用紙出力高さ情報H0を70cmとし、各ページの領収証全長情報LAは、LA<H0である。
【0112】
図9の(1)は、取引数(コピー回数)が1つの場合に、印刷用紙に印刷される領域を示している。
取引数(コピー回数)が1つの場合、図4に示したように、その1つの取引内容(コピーCP1)は、ヘッダー領域HAに含まれるので、繰り返し数Nはゼロであり、可変領域KAは無く、LK=0である。
すなわち、取引数(コピー回数)が1つの場合、1枚の領収証は、ヘッダー領域HAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+L3+L4=12cmとなる。
【0113】
図9の(2)は、取引数(コピー回数)が2つの場合に、印刷用紙に印刷される領域を示している。
取引数(コピー回数)が2つの場合、図4に示したように、1番目の取引内容(コピーCP1)は、ヘッダー領域HAに含まれるが、2番目の取引内容(コピーCP2)は可変領域KAに含まれる。
したがって、繰り返し数Nは1であり、可変領域KAの長さLKは、1.5cmである。
すなわち、取引数(コピー回数)が2つの場合、1枚の領収証は、ヘッダー領域HAと、1つの取引内容を含む可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+LK+L3+L4=13.5cmとなる。
【0114】
図9の(3)は、取引数(コピー回数)が38個の場合に、印刷用紙に印刷される領域を示している。
取引数(コピー回数)が38個の場合、1番目の取引内容(コピーCP1)は、ヘッダー領域HAに含まれるが、2番目から38番目の取引内容(コピーCP2からCP38)は可変領域KAに含まれる。
したがって、繰り返し数Nは37であり、可変領域KAの長さLKは、55.5cmとなる。
すなわち、取引数(コピー回数)が38個の場合、1枚の領収証は、ヘッダー領域HAと、37個の取引内容を含む可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+LK+L3+L4=67.5cmとなる。
【0115】
図9の(4)は、取引数(コピー回数)が39個の場合に、印刷用紙に印刷される領域を示している。
取引数(コピー回数)が39個の場合、1番目の取引内容(コピーCP1)は、ヘッダー領域HAに含まれるが、2番目から39番目の取引内容(コピーCP2からCP39)は可変領域KAに含まれる。
したがって、繰り返し数Nは38であり、可変領域KAの長さLKは、57cmとなる。
すなわち、取引数(コピー回数)が39個の場合、1枚の領収証は、ヘッダー領域HAと、38個の取引内容を含む可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+LK+L3+L4=69cmとなる。
【0116】
この領収証全長情報LA(=69)は、印刷用紙出力高さ情報H0(=70)よりも短いので、領収証は、1枚の印刷用紙で出力される。
以上より、取引数(コピー回数)が1から39までの場合は、1枚の印刷用紙の長さは、印刷用紙出力高さ情報H0(=70)よりも短く、床面に接触することがない。
また、以下に示すように、取引数(コピー回数)が40以上の場合は、領収証は分割印刷され、複数枚の印刷用紙で出力される。
【0117】
(2枚に分割印刷する場合の領収証の長さの説明)
図10図11に、同じ取引が繰り返される場合の取引数に対応し、2枚に分割印刷される領収証の長さの一実施例の説明図を示す。
ここでは、領収証として出力される印刷用紙の枚数が2枚であり、各印刷領域の長さや、可変領域基本長L2、印刷用紙出力高さ情報H0などは、図9に示したものと同じ数値とする。
【0118】
図10の(5)は、取引数(コピー回数)が40の場合に、印刷用紙に印刷される領域を示している。
領収証の1枚目には、取引項目の1番目から39番目までの39件の取引内容(コピーCP1からCP39)が印刷され、領収証の2枚目には、取引項目の40番目の1件の取引内容(コピーCP40)のみが印刷される。
したがって、1枚目の繰り返し数Nは38であり、可変領域KAの長さLKは、57cmとなる。
【0119】
ここで、領収証の1枚目は、最終ページではないので、第1フッダー領域FA1は含まれず、1番目の取引内容(コピーCP1)を含むヘッダー領域HAと、38個の取引内容を含む可変領域KAと、第2フッダー領域FA2とからなり、1枚目の領収証全長情報LAは、L1+LK+L4=66cmとなる。
すなわち、1枚目の領収証全長情報LAは、66cmであるので、1枚目の印刷用紙は、印刷用紙出力高さ情報H0(=70)よりも短い。
【0120】
領収証の2枚目には、ヘッダー領域HAに、取引項目の40番目の取引内容(コピーCP40)のみが印刷され、2枚目の繰り返し数Nはゼロであり、可変領域KAは無く、LK=0である。
また、領収証の2枚目は、最終ページなので、ヘッダー領域HAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+L3+L4=12cmとなる。
【0121】
図10の(6)は、取引数(コピー回数)が41の場合に、印刷用紙に印刷される領域を示している。
領収証の1枚目には、取引項目の1番目から39番目までの39件の取引内容(コピーCP1からCP39)が印刷され、領収証の2枚目には、取引項目の40番目と41番目の2件の取引内容(コピーCP40、CP41)のみが印刷される。
したがって、1枚目の繰り返し数Nは38であり、可変領域KAの長さLKは、57cmとなる。
【0122】
ここで、領収証の1枚目は、上記した図10の(5)の取引数(コピー回数)が40の場合と同様であり、第1フッダー領域FA1は含まれず、1番目の取引内容(コピーCP1)を含むヘッダー領域HAと、38個の取引内容を含む可変領域KAと、第2フッダー領域FA2とからなり、1枚目の領収証全長情報LAは、L1+LK+L4=66cmとなる。
【0123】
領収証の2枚目には、ヘッダー領域HAに、取引項目の40番目の取引内容(コピーCP40)が印刷され、2枚目の繰り返し数Nは1であり、可変領域KAには、41番目の取引内容(コピーCP41)が印刷され、LK=1.5cmとなる。
また、領収証の2枚目は、最終ページなので、40番目の取引内容(コピーCP40)を含むヘッダー領域HAと、41番目の取引内容(コピーCP41)を含む可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+LK+L3+L4=13.5cmとなる。
【0124】
図11の(7)は、取引数(コピー回数)が77の場合に、2枚の印刷用紙に印刷される領域を示している。
領収証の1枚目には、取引項目の1番目から39番目までの39件の取引内容(コピーCP1からCP39)が印刷され、領収証の2枚目には、取引項目の40番目から77番目までの38件の取引内容(コピーCP40からCP77)が印刷される。
したがって、1枚目の繰り返し数Nは38であり、可変領域KAの長さLKは、57cmとなる。
ここでも、領収証の1枚目は、上記した図10の(5)の取引数(コピー回数)が40の場合と同様であり、第1フッダー領域FA1は含まれず、1番目の取引内容(コピーCP1)を含むヘッダー領域HAと、38個の取引内容を含む可変領域KAと、第2フッダー領域FA2とからなり、1枚目の領収証全長情報LAは、L1+LK+L4=66cmとなる。
【0125】
領収証の2枚目には、ヘッダー領域HAに、取引項目の40番目の取引内容(コピーCP40)が印刷され、2枚目の繰り返し数Nは37であり、可変領域KAには、41番目から77番目までの取引内容(コピーCP41からCP77)が印刷され、LK=55.5cmとなる。
また、領収証の2枚目は、最終ページなので、40番目の取引内容(コピーCP40)を含むヘッダー領域HAと、41番目から77番目までの取引内容(コピーCP41―CP77)を含む可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+LK+L3+L4=67.5cmとなる。
【0126】
図11の(8)は、取引数(コピー回数)が78の場合に、2枚の印刷用紙に印刷される領域を示している。
領収証の1枚目には、取引項目の1番目から39番目までの39件の取引内容(コピーCP1からCP39)が印刷され、領収証の2枚目には、取引項目の40番目から78番目までの39件の取引内容(コピーCP40からCP78)が印刷される。
したがって、1枚目も2枚目も、繰り返し数Nは38であり、可変領域KAの長さLKは、57cmとなる。
領収証の1枚目は、上記した図10の(5)の取引数(コピー回数)が40の場合と同様であり、第1フッダー領域FA1は含まれず、1番目の取引内容(コピーCP1)を含むヘッダー領域HAと、38個の取引内容を含む可変領域KAと、第2フッダー領域FA2とからなり、1枚目の領収証全長情報LAは、L1+LK+L4=66cmとなる。
【0127】
領収証の2枚目には、ヘッダー領域HAに、取引項目の40番目の取引内容(コピーCP40)が印刷され、2枚目の繰り返し数Nは38であるので、可変領域KAには、41番目から78番目までの取引内容(コピーCP41からCP78)が印刷される。
また、領収証の2枚目は、最終ページなので、40番目の取引内容(コピーCP40)を含むヘッダー領域HAと、41番目から78番目までの取引内容(コピーCP41からCP78)を含む可変領域KAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+LK+L3+L4=69cmとなる。
【0128】
以上より、取引数(コピー回数)が40から78までの場合は、領収証は、2枚の印刷用紙に分割印刷されるが、1枚目と2枚目の領収証全長情報LAは、どちらも、印刷用紙出力高さ情報H0(=70)よりも短いので、2枚の印刷用紙は、床面に接触することがない。
ただし、以下に示すように、取引数(コピー回数)が79以上の場合は、領収証は、3枚以上の印刷用紙に分割印刷されて出力される。
【0129】
(3枚に分割印刷する場合の領収証の長さの説明)
図12に、同じ取引が繰り返される場合の取引数に対応し、3枚に分割印刷される領収証の長さの一実施例の説明図を示す。
ここでは、領収証として出力される印刷用紙の枚数が3枚であり、各印刷領域の長さや、可変領域基本長L2、印刷用紙出力高さ情報H0などは、図9に示したものと同じ数値とする。
【0130】
図12の(9)は、取引数(コピー回数)が79の場合に、3枚の印刷用紙に印刷される領域を示している。
領収証の1枚目には、取引項目の1番目から39番目までの39件の取引内容(コピーCP1からCP39)が印刷され、領収証の2枚目には、取引項目の40番目から78番目までの39件の取引内容(コピーCP40からCP78)が印刷され、領収証の3枚目には、取引項目の79番目の1件の取引内容(コピーCP79)のみが印刷される。
したがって、1枚目と2枚目の繰り返し数Nは38であり、どちらも、可変領域KAの長さLKは、57cmとなる。
【0131】
ここで、領収証の1枚目と2枚目は、最終ページではないので、第1フッダー領域FA1は含まれず、1つの取引内容(コピーCP1、またはCP40)を含むヘッダー領域HAと、38個の取引内容を含む可変領域KAと、第2フッダー領域FA2とからなり、1枚目と2枚目の領収証全長情報LAは、どちらも、L1+LK+L4=66cmとなる。
すなわち、1枚目と2枚目の領収証全長情報LAは、66cmであるので、1枚目と2枚目の印刷用紙は、印刷用紙出力高さ情報H0(=70)よりも短い。
【0132】
領収証の3枚目には、ヘッダー領域HAに、取引項目の79番目の取引内容(コピーCP79)のみが印刷され、3枚目の繰り返し数Nはゼロであり、可変領域KAは無く、LK=0である。
また、領収証の3枚目は、最終ページなので、ヘッダー領域HAと、第1フッダー領域FA1と、第2フッダー領域FA2とからなり、領収証全長情報LAは、L1+L3+L4=12cmとなる。
【0133】
以上のように、3枚以上の印刷用紙に分割印刷する場合、最終ページを除くページでは、第1フッダー領域FA1が含まれず、その領収証全長情報LAは、同じ長さ(LA=66cm)となる。
【0134】
(領収証の印刷枚数と各印刷用紙の長さと関係の説明)
図13に、同じ取引が繰り返される場合の取引数ごとの領収証の印刷枚数と、各印刷用紙の長さと関係をまとめた一実施例の説明図を示す。
図13に示すように、同じ設定で繰り返される機能の取引数によって、印刷用紙の枚数が決まり、各印刷用紙の長さ(領収証全長情報LA)が決まる。
【0135】
図13において、取引内容をコピーとした場合の取引数(コピー数)が、39件までの場合、印刷用紙の枚数は、1枚であり、その取引数に対応して、繰り返し総数が決まり、その1枚の印刷用紙に印刷される印刷件数と、印刷される取引内容と、印刷用紙の長さ(領収証全長情報LA)が決まる。
たとえば、すでに説明したが、取引数が1の場合は、印刷件数が1であり、印刷される取引内容がCP1であり、領収証全長情報LAは、12cmである。
また、取引数が39の場合は、印刷件数が39であり、印刷される取引内容がCP1-CP39であり、領収証全長情報LAは、69cmである。
【0136】
図13において、取引数(コピー数)が、40から78件までの場合、印刷用紙の枚数は、2枚となる。
この場合もすでに説明したように、たとえば、取引数が40の場合は、1枚目に印刷される印刷件数は39であり、印刷される取引内容がCP1-CP39であり、1枚目の領収証全長情報LAは、66cmである。
また、取引数が40の場合において、2枚目に印刷される印刷件数は1であり、印刷される取引内容がCP40であり、2枚目の領収証全長情報LAは、12cmである。
【0137】
さらに、取引数が41から78の場合も、1枚目に印刷される印刷件数は39であり、印刷される取引内容がCP1-CP39であり、1枚目の領収証全長情報LAは、取引数が40の場合と同じ(66cm)である。
取引数が41から78の場合は、2枚目に印刷される印刷件数と取引内容や、2枚目の領収証全長情報LAは、2枚目に印刷されるそれぞれの取引数に対応したものとなり、取引数が78の場合に、2枚目の領収証全長情報LAは、69cmとなる。
【0138】
図13において、取引数(コピー数)が、79から117件までの場合、印刷用紙の枚数は、3枚となる。
この場合もすでに説明したように、たとえば、取引数が79の場合は、1枚目に印刷される印刷件数は39であり、印刷される取引内容がCP1-CP39であり、1枚目の領収証全長情報LAは、66cmであり、2枚目に印刷される印刷件数も39であり、印刷される取引内容がCP40-CP78であり、2枚目の領収証全長情報LAは、66cmである。
また、取引数が79の場合において、3枚目に印刷される印刷件数は1であり、印刷される取引内容がCP79であり、3枚目の領収証全長情報LAは、12cmである。
【0139】
さらに、取引数が80から117の場合は、1枚目に印刷される印刷件数は39であり、印刷される取引内容がCP1-CP39であり、1枚目の領収証全長情報LAは、取引数が40の場合と同じ(66cm)であり、2枚目に印刷される印刷件数も39であり、印刷される取引内容がCP40-CP78であり、2枚目の領収証全長情報LAも、66cmである。
また、取引数が80から117の場合は、3枚目に印刷される印刷件数と取引内容や、3枚目の領収証全長情報LAは、3枚目に印刷されるそれぞれの取引数に対応したものとなり、取引数が117の場合に、3枚目の領収証全長情報LAは、69cmとなる。
【0140】
また、取引数が118の場合は、1枚目から3枚目に印刷される印刷件数は、それぞれ39であり、1枚目から3枚目の領収証全長情報LAは、いずれも、66cmであり、4枚目に印刷される印刷件数は1件であり、印刷される取引内容はCP118であり、4枚目の領収証全長情報LAは、12cmとなる。
上記のように、領収証を分割印刷することによって、領収証の各印刷用紙の長さは、印刷用紙出力高さ情報H0よりも短くなるので、領収証が床面に接触しないようにすることができる。
【0141】
<画像形成装置の領収証の生成と印刷処理の実施例>
(領収証情報の初期設定処理)
図20に、画像形成装置における領収証情報の初期設定処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここでは、領収証の分割印刷をするかしないかを決めるための情報を初期設定する。
初期設定される情報は、上記した印刷用紙出力高さ情報H0と、領収証基本情報42と、分割印刷判定回数N0とする。
また、領収証は、図3に示すように、ヘッダー領域と、可変領域と、第1フッダー領域と、第2フッダー領域の4つの領域からなるものとする。
【0142】
以下のフローチャートでは、印刷用紙出力高さ情報H0と、領収証基本情報42とを、画像形成装置の管理担当者等によって入力してもらい、分割印刷判定回数N0を、計算によって求める。
上記のような情報を初期設定するためには、たとえば、管理担当者等が所定の入力操作をすることによって、領収証情報の初期設定画面を表示させ、その画面を見ながら、管理担当者等が初期設定すればよい。
【0143】
図20のステップS1において、印刷用紙出力高さ情報H0が入力されたか否かをチェックする。
ステップS2において、印刷用紙出力高さ情報H0が入力された場合、ステップS3に進み、そうでない場合は、ステップS4に進む。
ステップS3において、入力された印刷用紙出力高さ情報H0を、記憶部40に記憶し、ステップS4に進む。
【0144】
ステップS4において、領収証基本情報42が入力されたか否かをチェックする。
ステップS5において、領収証基本情報42が入力された場合、ステップS6に進み、そうでない場合は、ステップS1に戻る。
領収証基本情報42は、図2に示したように、ヘッダー領域の長さ(ヘッダー長:L1)と、第1フッダー領域の長さ(第1フッダー長:L3)と、第2フッダー領域の長さ(第2フッダー長:L4)と、可変領域における可変領域基本長L2からなるものとする。
ステップS6において、入力された領収証基本情報(L1、L2、L3、L4)を、記憶部40に記憶する。
【0145】
ステップS7において、分割印刷判定回数N0を、次式により計算し、記憶部40に記憶する。
分割印刷判定回数N0は、次式を満たす最小の整数値とする。
N0>(H0―(L1+L3+L4))/L2
【0146】
分割印刷判定回数N0は、上記したように、領収証を分割印刷するか否かを判定する基準となる数値であり、入力される印刷用紙出力高さ情報H0と領収証基本情報42とによって異なる。
印刷用紙出力高さ情報H0は、領収証となる印刷用紙の出力位置によって異なり、また、画像形成装置の構成等によっても異なる。
領収証基本情報42は、領収証の仕様や、記載する項目数や記載内容によって異なる。
【0147】
(領収証の生成と印刷処理)
図21から図25に、画像形成装置における領収証の生成と印刷処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここでは、ユーザーが所望の機能の実行を終了した後に、領収証に記載すべき情報が生成され、ユーザーが設定入力した情報(領収証印刷可否情報44)に基づいて、生成された領収証の印刷や、領収証の保存先情報の生成と印刷または表示、電子化された領収証の送信などが行われるものとする。
また、同じ設定で同じ機能が連続して行われることがあることと、ユーザーの設定入力操作の負担を軽減することを考慮して、ユーザーが、同じ設定での利用を継続するか否かの設定入力もできるようにする。
上記のような初期設定処理で、分割印刷判定回数N0が、すでに設定記憶されているものとする。
【0148】
図21のステップS11において、ユーザーが所望の機能を実行させるために、所定の機能選択画面を表示させ、実行させる機能を選択する入力操作をしたとする。
ここでは、たとえば、ユーザーがコピー機能を実行させたい場合、ユーザーは、機能選択画面で、コピー機能を選択し、さらに、コピーに関する設定項目(たとえば、コピー枚数、解像度、印刷用紙サイズなど)の内容を設定入力する。
このとき、繰り返し回数Nを、ゼロに初期化する(N=0)。
【0149】
ステップS12において、ユーザーによって、設定項目の入力がされた後、機能の実行を開始させる入力操作がされた場合、選択された機能を、入力された設定項目の内容に基づいて、実行させる。
【0150】
ステップS13において、実行させた機能が終了した場合、表示部13に、領収証印刷設定画面を表示させる。
たとえば、コピー枚数が1枚に設定されたコピー機能が完了し、1枚の印刷用紙が出力された場合に、領収証印刷設定画面(G1)を表示させる。
【0151】
図14に、表示部13に表示される領収証印刷設定画面(G1)の一実施例の説明図を示す。
すでに説明したように、図14の領収書印刷設定画面には、領収証を印刷するか否かを選択する表示領域と、電子化された領収証の発行を選択する表示領域と、直前に実行が終了した機能と同じ設定でその機能を継続利用することを選択する表示領域と、利用した機能を終了するための表示領域とが含まれている。
この表示を確認したユーザーは、領収証の印刷可否、電子化の可否、同設定での利用継続の有無を選択入力することができる。
【0152】
図14の画面を確認したユーザーが、領収証を印刷用紙に印刷したい場合は、「印刷する」を選択し、領収証を印刷用紙に印刷したくない場合は、「印刷しない」を選択すればよい。
直前に実行が終了した機能と同じ設定でその機能を継続利用した場合は、「同じ設定で利用継続」を選択すればよい。
電子化された領収証の発行を希望する場合は、「電子化」の表示領域を選択すればよい。
「電子化」の表示領域が選択された場合、図示していないが、電子化された領収証の送信先の設定や、領収証の保存先情報(URLなど)が含まれる二次元コードの作成の有無、保存先情報の表示、印刷、または送信等が選択できるようにしてもよい。
【0153】
ユーザーが、利用した機能を終了したい場合は、図14の「OK(終了)」の表示領域を選択すればよい。
「OK(終了)」が選択入力された場合は、ユーザーの行った取引処理が終了し、領収証の印刷、または、電子化された領収証の発行が行われる。
あるいは、「印刷しない」が選択された場合は、領収証の印刷をしないで取引処理が終了される。
上記のように、領収書印刷設定画面に対して行われる選択入力の内容によって、その後の動作が異なる。
【0154】
図19に、領収証印刷設定項目の条件の一実施例の説明図を示す。
この領収証印刷設定項目の条件には、「同設定利用継続」、「領収証印刷設定」、「領収証電子化設定」が含まれるものとする。
「同設定利用継続」は、直前に実行が終了した機能と同じ設定でその機能を継続利用するか否かの設定に対応し、「領収証印刷設定」は、領収証を印刷するか否かの設定に対応し、「領収証電子化設定」は、電子化された領収証を発行するか否かの設定に対応する。
「同設定利用継続」の「しない」は、「OK(終了)」が選択入力された場合に相当するものとする。
【0155】
たとえば、1番目の設定状態は、ユーザーが、「印刷する」を選択し、さらに、「同じ設定で利用継続」を選択した場合に相当する。「電子化」は選択されていない。
この場合、領収証を「印刷する」ことが選択されているが、「同じ設定で利用継続」が選択されているので、まだ領収証の印刷は行われず、直前に実行が終了した機能と同じ設定でその機能を実行できる状態に戻る。
【0156】
2番目の設定状態は、ユーザーが、「印刷しない」を選択し、さらに、「同じ設定で利用継続」を選択し、「電子化」は選択されていない場合に相当する。
この場合、領収証を「印刷しない」ことが選択されているが、「同じ設定で利用継続」が選択されているので、領収証の印刷は行われずに、直前に実行が終了した機能と同じ設定でその機能を実行できる状態に戻る。
【0157】
3番目の設定状態は、ユーザーが、印刷の可否については選択しないで、「電子化」を選択し、さらに、「同じ設定で利用継続」を選択した場合に相当する。
この場合、領収証を電子化することが選択されているが、「同じ設定で利用継続」が選択されているので、まだ領収証の電子化は行われず、直前に実行が終了した機能と同じ設定でその機能を実行できる状態に戻る。
【0158】
4番目の設定状態は、ユーザーが、「印刷する」を選択し、さらに、利用した機能を終了することを意味する「OK(終了)」を選択した場合に相当する。
「電子化」と「同じ設定で利用継続」は選択されていない。
この場合、領収証を「印刷する」ことが選択され、かつ、「OK(終了)」が選択されているので、その後、領収証の印刷が行われ、取引処理が終了となる。
【0159】
5番目の設定状態は、ユーザーが、「印刷しない」を選択し、さらに、利用した機能を終了することを意味する「OK(終了)」を選択した場合に相当する。
「電子化」と「同じ設定で利用継続」は選択されていない。
この場合、領収証を「印刷しない」ことが選択され、かつ、「OK(終了)」が選択されているので、領収証の印刷が行われずに、取引処理が終了となる。
【0160】
6番目の設定状態は、ユーザーが、印刷の可否については選択しないで、「電子化」を選択し、さらに、「OK(終了)」を選択した場合に相当する。
この場合、領収証を電子化することが選択され、かつ、「OK(終了)」が選択されているので、領収証の電子化が行われ、取引処理が終了となる。
また、電子化された領収証の送信や、領収証の保存先情報の生成や二次元コード化と、保存先情報の表示、印刷、送信等が行われる。
【0161】
7番目の設定状態は、ユーザーが、1番目の設定状態と同様に、「印刷する」を選択し、「同じ設定で利用継続」を選択し、さらに、「電子化」を選択した場合に相当する。
この場合、領収証を「印刷する」ことと、「電子化」が選択されているが、「同じ設定で利用継続」が選択されているので、まだ領収証の印刷と電子化は行われず、直前に実行が終了した機能と同じ設定でその機能を実行できる状態に戻る。
【0162】
8番目の設定状態は、ユーザーが、4番目の設定状態と同様に、「印刷する」を選択し、利用した機能を終了することを意味する「OK(終了)」を選択し、さらに、「電子化」を選択した場合に相当する。
この場合、領収証を「印刷する」ことと「電子化」が選択され、かつ、「OK(終了)」が選択されているので、領収証の印刷と電子化の両方が行われ、取引処理が終了となる。
【0163】
なお、ユーザーが、領収証の印刷と電子化の両方を希望する可能性がある場合に、7番目と8番目の設定状態があり得る。
ただし、領収証を印刷した場合には電子化を行わないものとし、あるいは、領収証を電子化する場合には領収証の印刷を行わないものとする場合、すなわち、領収証の印刷と電子化とを択一的にどちらかが選択できるようにする場合は、7番目と8番目の設定状態はない。
【0164】
図21のステップS14において、領収証の印刷可否などについて、選択入力されたか否かをチェックする。すなわち、ユーザーの行った入力操作が、上記した設定状態のいずれに相当するかをチェックする。
ステップS15において、領収証の印刷可否と電子化についての選択入力があった場合は、ステップS16に進み、そうでない場合は、ステップS17に進む。
【0165】
ステップS16において、領収証印刷可否情報44に、選択入力された情報を設定記憶し、ステップS13に戻る。
ここでは、領収証印刷可否情報44の「印刷可否」に、選択入力されている印刷の可否(印刷する、またはしない)を記憶し、「電子化可否」に、領収証の電子化の可否(電子化する、またはしない)を記憶する。
【0166】
ステップS17において、「同じ設定で利用継続」(同設定利用継続)が選択されたか否かをチェックする。
ステップS18において、「同じ設定で利用継続」が選択された場合は、ステップS19に進み、そうでない場合は、ステップS20に進む。
ステップS19において、繰り返し回数Nに1を加算し(N=N+1)、ステップS12に戻る。
また、領収証印刷可否情報44において、同設定利用に「する」を記憶する。
【0167】
ステップS20において、繰り返し回数Nと、分割印刷判定回数N0を比較する。
また、領収証印刷可否情報44において、同設定利用に「しない」を記憶する。
ステップS21において、N≧N0の場合、図24のステップS61に進み、そうでない場合(N<N0)は、図22のステップS31に進む。
【0168】
図22のステップS31において、「OK(終了)」が選択されたか否かをチェックする。
ステップS32において、「OK(終了)」が選択された場合は、ステップS33に進み、そうでない場合は、図21のステップS13に戻る。
ステップS33に進む場合は、取引を終了することになる。
ステップS33において、領収証印刷可否情報44を呼び出し、その記憶内容をチェックする。
ここでは、特に、領収証印刷可否情報44の印刷可否と電子化可否をチェックする。
【0169】
ステップS34において、領収証印刷可否情報44の印刷可否に、「印刷しない」の設定が記憶されている場合、ステップS35に進み、そうでない場合は、ステップS36に進む。
ステップS35において、領収証の印刷をしないで、取引を終了する処理をする。
たとえば、「購入料金が支払われましたので、取引を終了します。ありがとうございました。」というように、取引が終了したことを示す画面(取引終了画面)を表示させ、一連の処理を終了する。
【0170】
ステップS36において、領収証印刷可否情報44の印刷可否に、「印刷する」の設定が記憶されている場合、ステップS38に進み、そうでない場合は、ステップS37に進む。
ステップS37において、領収証印刷可否情報44の電子化可否に、「電子化する」の設定が記憶されている場合、図23のステップS51に進み、そうでない場合は、図21のステップS13に戻る。
【0171】
ステップS38において、1枚の印刷用紙に印刷する領収証の情報(領収証印刷情報)を生成する。
ステップS21の判断において、繰り返し回数Nが分割印刷判定回数N0を超えていない状態で、ステップS38に進んだ場合は、繰り返された取引の数は、1枚の印刷用紙に印刷可能な取引数であるので、図4図9に示した領収証に相当し、1枚の印刷用紙からなる領収証が印刷される。
【0172】
ステップS39において、領収証の印刷が実行され、1枚の印刷用紙からなる領収証が出力される。
ステップS40において、たとえば、上記したステップS35と同様に、取引終了画面を表示させて、取引を終了する処理をする。
【0173】
図23のステップS51において、領収証の電子化方法の入力内容をチェックする。
たとえば、電子化された領収証を保存した後、領収証の保存先情報を生成するか、生成した保存先情報を二次元コードに変換するか、保存先情報または二次元コードを表示するかまたは印刷するか、その保存先情報(URL、または二次元コード)をユーザーの携帯端末に送信するか、電子化された領収証のファイルをユーザーの携帯端末に送信するか、ユーザーに選択入力をしてもらい、電子化方法を設定してもよい。
あるいは、電子化方法について予め設定記憶しておき、その記憶されている電子化方法に基づいて、領収証の保存先情報または二次元コードの表示、印刷または送信、あるいは、領収証ファイルの送信や保存先情報の送信を決めてもよい。
【0174】
このフローチャートでは、領収証の保存と領収証の送信のいずれかが選択入力されるものとする。
ステップS52において、「領収証の保存」が選択入力された場合は、ステップS53に進み、「領収証の送信」が選択入力された場合は、ステップS56に進む。
【0175】
ステップS53において、領収証が保存されている場所に関する情報(領収証保存先情報)が生成される。
領収証保存先情報は、たとえば、領収証が保存されている画像形成装置の記憶部40の特定のフォルダを示す情報であり、ユーザーの携帯端末等から領収証にアクセスできるようにするために、領収証保存先情報を含むURLを生成してもよい。
また、通常、URLは所定の形式で組み立てられた文字情報からなるが、そのURLを含む二次元コードを生成してもよい。
【0176】
ステップS54において、領収証保存先情報を、領収証に利用した所定の印刷用紙に印刷する。印刷用紙には、少なくとも、文字情報のURLと、二次元コードのどちらか一方を印刷すればよく、あるいは、URLと二次元コードの両方を印刷してもよい。
または、URLと二次元コードの少なくともどちらか一方を、表示部13に表示してもよい。
図18に、電子化された領収証の保存先情報を、所定の印刷用紙に印刷したものの一実施例の説明図を示す。
図18の印刷用紙には、店舗名や日時に加えて、領収証の保存先として、URLと二次元コードの両方を印刷している。
ステップS55において、ステップS40と同様に、取引終了画面を表示させて、取引を終了する処理をする。
【0177】
ステップS56において、「領収証の送信」が選択入力されているので、領収証印刷情報を、ユーザーが所持する携帯端末に送信する。
ただし、領収証印刷情報そのものを、携帯端末に送信するのではなく、ステップS53において生成した領収証保存先情報(URLまたは二次元コード)を、ユーザーが所持する携帯端末に送信してもよい。
ステップS57において、ステップS40と同様に、取引終了画面を表示させて、取引を終了する処理をする。
【0178】
図21のステップS21の判断において、繰り返し回数Nが分割印刷判定回数N0以上になっている状態で、図24のステップS61に進んだ場合は、繰り返された取引の数は、1枚の印刷用紙に印刷可能な数を越えているので、領収証は分割印刷される。
図24のステップS61において、領収証印刷警告画面を表示させる。
図15に、領収証印刷警告画面(G2)の一実施例の説明図を示す。
領収証印刷警告画面(G2)では、たとえば、実行された機能の取引数が1枚の領収証で印刷できる項目数を超えたことや、領収証が床に着く可能性があることや、領収証を印刷する場合は領収証が分割して印刷されることなどを、表示すればよい。
図15の領収証印刷警告画面G2に表示される「OK(確認)」の表示領域は、ユーザーがこの画面G2の記載内容を確認したことを入力するための領域である。
【0179】
ステップS62において、画面G2に表示された「OK(確認)」が入力された場合には、ステップS63に進み、そうでない場合は、ステップS61に戻る。
ステップS63において、記憶部40から、領収証印刷可否情報44を呼び出す。
すなわち、領収証印刷可否情報44の「印刷可否、電子化可否、同設定利用」に、現在設定されている内容を呼び出す。
【0180】
ステップS64において、呼び出した領収証印刷可否情報44を利用して、領収証印刷可否設定画面を表示させる。
図16に、領収証印刷可否設定画面(G3)の一実施例の説明図を示す。
図16には、「同じ設定を利用しない」場合に対応させた領収証の印刷可否と電子化可否の選択肢を表示している。
【0181】
図16の領収証印刷可否設定画面G3では、現在、「同設定利用」に同じ設定を利用しないことが設定されており、かつ、領収証の印刷をすることが設定されており、電子化することは設定されていない場合を示している。
すなわち、領収証印刷可否設定画面G3では、呼び出した領収証印刷可否情報44の現在の記憶内容(前回の設定入力内容)が反映された状態が表示される。
【0182】
領収証印刷可否情報44の現在の記憶内容は、ユーザーが、前回に設定入力した内容であり、前回の設定入力内容と同じ内容で処理を進める場合は、設定内容を再入力する必要がない。
すなわち、領収証印刷可否情報44の現在の記憶内容が反映されない状態で、領収証印刷可否設定画面G3表示される場合と比べると、現在の記憶内容(前回の設定入力内容)が表示されるので、前回の設定入力内容と同じ内容で処理を進める場合において、ユーザーの手間を省くことができ、ユーザーの入力操作の負担を軽減できる。
【0183】
また、図16の画面G3では、「OK(確認)」と、「終了」の表示領域が表示されている。
もし、ユーザーが、同じ設定内容で同じ機能を継続利用したい場合には、「OK(確認)」の表示領域を選択入力することによって、同じ設定内容で同じ機能が再開できる状態となる。
このステップS64の状態では、同じ機能を継続利用する場合は、まだ、領収証の印刷可否や電子化の可否は設定しなくてもよいので、図16の画面G3には、同じ設定を利用する場合に対応させた領収証の印刷可否と電子化可否の選択肢は表示させていない。
【0184】
また、図16の画面G3のように、「同設定利用」に、同じ設定を利用しないことが設定されている状態で、領収証の印刷可否と電子化可否の設定内容を変更したい場合は、ユーザーは所望の表示領域を選択すればよい。
たとえば、図16の画面G3の状態で、領収証の印刷可否を、現在の「印刷する」から、「印刷しない」に変更したい場合は、「印刷しない」の表示領域を選択入力すればよい。
「印刷しない」に変更した場合は、領収証印刷可否情報44も変更される。
【0185】
さらに、同じ設定内容で同じ機能を継続利用せずに、取引を終了する場合は、図16の画面G3の「終了」の表示領域を選択入力すればよい。
「終了」の表示領域を選択入力した場合には、領収証印刷可否情報44に現在設定されている領収証の印刷可否と電子化可否の設定内容に基づいて、印刷処理や電子化処理が行われる。
【0186】
図17に、図16とは異なる領収証印刷可否設定画面(G3)の他の実施例の説明図を示す。
図17の画面G3では、「同じ設定を利用しない」場合に対応させた領収証の印刷可否と電子化可否の選択肢に加えて、「同じ設定を利用する」場合に対応させた領収証の印刷可否と電子化可否の選択肢を表示させている。
【0187】
たとえば、現在、「同設定利用」に同じ設定を利用することが設定されており、かつ、領収証の印刷をすることが設定されており、電子化することは設定されていない場合に、図17の画面G3が表示される。
この図17の画面G3では、「同じ設定を利用する」場合でも、領収証の印刷可否と電子化可否の設定を変更することができる。
また、現在「同じ設定を利用する」ことが設定されているが、ユーザーが、同じ設定を利用しないで取引を終了したい場合には、「同じ設定を利用しない」に変更することができ、さらに、領収証の印刷可否と電子化可否の設定も変更することができる。
【0188】
また、図17の画面G3においても、同じ設定で利用を継続したい場合は、図16と同様に、「OK(確認)」の表示領域を選択入力することによって、同じ設定内容で同じ機能が再開できる状態となる。
さらに、取引を終了する場合は、図17の画面G3の「終了」の表示領域を選択入力すればよい。
【0189】
ステップS64の後、ステップS65において、ユーザーによって、表示された領収証印刷可否設定画面(G3)に対して、設定項目の内容を変更する入力があったか否かをチェックする。
ステップS66において、設定項目を変更する入力があった場合には、ステップS67に進み、そうでない場合は、ステップS68に進む。
ステップS67において、変更入力がされた設定項目について、領収証印刷可否情報44を更新し、ステップS68に進む。
【0190】
ステップS68において、領収証印刷可否設定画面G3の「OK(確認)」の表示領域が選択入力された場合、図21のステップS13に戻り、そうでない場合は、ステップS69に進む。
ステップS69において、領収証印刷可否設定画面G3の「終了」の表示領域が選択入力された場合、図25のステップS81に進み、そうでない場合は、ステップS65に戻る。
ステップS81に進む場合は、取引を終了することになる。
【0191】
図25のステップS81において、ステップS33と同様に、領収証印刷可否情報44を呼び出し、その記憶内容をチェックする。
ここでは、特に、領収証印刷可否情報44の印刷可否と電子化可否をチェックする。
【0192】
ステップS82において、領収証印刷可否情報44の印刷可否に、「印刷しない」の設定が記憶されている場合、ステップS83に進み、そうでない場合は、ステップS84に進む。
ステップS83において、ステップS35と同様に、領収証の印刷をしないで、たとえば、取引が終了したことを示す画面(取引終了画面)を表示させ、取引を終了する処理をする。
【0193】
ステップS84において、領収証印刷可否情報44の印刷可否に、「印刷する」の設定が記憶されている場合、ステップS85に進み、そうでない場合は、ステップS88に進む。
ステップS88において、領収証印刷可否情報44の電子化可否に、「電子化する」の設定が記憶されている場合、図23のステップS51に進み、そうでない場合は、図21のステップS13に戻る。
【0194】
ステップS85において、複数の印刷用紙に分割印刷する領収証の情報(領収証印刷情報)を生成する。
ステップS21の判断において、繰り返し回数Nが分割印刷判定回数N0以上の状態で、ステップS85に進んだ場合は、繰り返された取引の数は、1枚の印刷用紙に印刷可能な取引数を超えており、分割印刷すべきと判定されるので、図5図6図10から図12に示した領収証に相当し、複数の印刷用紙からなる領収証が印刷される。
分割印刷する場合、領収証基本情報や、繰り返し回数Nなどを利用して、分割用紙枚数BNが設定され、各ページの印刷内容が生成される。
たとえば、2枚の印刷用紙に分割印刷される場合、図5図6に示すような2枚の領収証の情報が生成される。
【0195】
ステップS86において、領収証の分割印刷が実行され、複数の印刷用紙からなる領収証が出力される。
複数の印刷用紙が連続して出力される場合は、印刷用紙が床面に接触しないようにするために、たとえば、出力される印刷用紙を受ける収納箱を、印刷用紙の出力位置の下方に取り付けて、その収納箱に、印刷用紙が収納されるようにすることが好ましい。
【0196】
あるいは、1枚の印刷用紙が印刷されるごとに、印刷終了時に印刷用紙が出力位置から排出されてしまわないように、印刷用紙の出力位置で印刷用紙が静止するようにし、ユーザーによってその静止した印刷用紙が除去されたことを検出した場合に、次の印刷用紙の印刷を開始するようにしてもよい。
すなわち、1枚の印刷用紙が印刷された後出力位置で静止させ、その印刷用紙を出力位置から除去されたことを検出した後に、順次、次の印刷用紙の印刷を開始するようにすることで、印刷用紙が床面に接触しないようにすることができる。
【0197】
ステップS87において、ステップS40やステップS83と同様に、取引終了画面を表示させて、取引を終了する処理をする。
以上のように、同じ設定で同じ機能が連続して実行される場合に、実行された取引数や繰り返し回数を考慮することによって、印刷される領収証を分割印刷するか否かが判定され、1枚でもあるいは複数枚でも、印刷用紙が床面に接触しない長さの領収証が出力されるので、出力される領収証が床面に接触しないようにすることができる。
【0198】
<他の実施形態1>
コピー機能を実行させる場合、コピー機能の設定項目として、コピー枚数が設定できる場合、コピー枚数を1ではなく、2以上に設定してコピーを実行させる場合がある。
たとえば、コピー枚数を10枚に設定した場合、一度のコピー機能の実行で、同じ原稿内容が印刷された印刷用紙が、連続して10枚出力される。
通常、コピーされた1枚の印刷用紙に対して課金額が設定され、コピーされた印刷用紙の出力枚数で、課金の合計金額が決まる。
上記の場合、ユーザーの行ったコピー機能の実行開始操作は、1回であるが、10枚分の印刷用紙に対して課金がされるので、取引数は10とカウントされ、繰り返し数Nは9としてカウントされ、領収証には、コピーに関する取引内容が、10回繰り返して印刷される。
【0199】
すなわち、ある機能の設定項目の中に、繰り返す実行回数Cの設定項目がある場合、その機能の実行開始操作が1回であっても、繰り返した実行回数Cに相当する課金がされ、繰り返した実行回数分の取引内容が、領収証に繰り返して印刷される。
したがって、領収証の分割印刷をするか否かの判断は、繰り返す実行回数Cの設定項目がある場合は、繰り返し回数Nだけでなく、その設定項目に設定された実行回数Cも考慮して行われる。
【0200】
<他の実施形態2>
上記した実施例では、同じ設定で同じ機能(取引項目)を連続して実行する場合に、繰り返し実行された同じ機能の取引数に基づいて、領収証を分割印刷する場合について説明した。
しかし、実際に、ユーザーが画像形成装置を利用する場合、1回の取引で、いくつかの異なる機能(取引項目)を混在させて実行する場合がある。
領収証を分割印刷するのは、同じ設定で同じ機能(取引項目)を連続して実行する場合に限るものではない。
【0201】
たとえば、課金額の異なるカラーコピーと、モノクロコピーと、原稿読み取り機能とが、混在されて、1回の取引で連続的に実行される場合がある。
また、カラーコピーやモノクロコピーをする場合でも、読取解像度や、印刷用紙のサイズが、コピーを実行するごとに変更され、コピーごとに課金額が異なり、領収証に印刷する印刷内容が異なる場合もある。
【0202】
このような場合は、同じ設定で1つの機能(取引項目)が連続して実行されなくても、領収証が床に接触しないようにするために、1回の取引で実行された各機能(取引項目)の取引の合計数によって、領収証を分割印刷するか否かを判断することが好ましい。
たとえば、A4サイズのカラーコピーが10回実行され、その後、B4サイズのモノクロコピーが20回実行され、さらに、A3サイズのカラーコピーが10回実行され、最後に、原稿の読取機能が10回実行されたような場合、全ての機能の取引数は合計50回となり、領収証に印刷される取引内容の個数も50個となる。
【0203】
このように、1回の取引で、異なる機能が連続的に実行され、実行された異なる機能の取引の合計数が、所定の判定回数(分割印刷判定回数N0)以上の場合には、領収証を分割印刷すると判定し、取引の合計数が、所定の判定回数(分割印刷判定回数N0)を超えない場合には、領収証を分割印刷せずに1枚の印刷用紙に印刷すると判定することが好ましい。
すなわち、同じ設定で同じ機能(取引項目)を連続して実行しなくても、1回の取引で、課金額が異なるような複数の異なる機能が実行された場合に、それらの機能の取引の合計数が、分割印刷判定回数N0以上の場合には、領収証を分割印刷すると判定する。
【符号の説明】
【0204】
1 画像形成装置、
11 制御部、
12 操作部、
13 表示部、
14 画像処理部、
15 通信部、
21 機能実行部、
22 領収証印刷可否判定部、
23 同設定入力確認部、
24 領収証全長算出部、
25 分割印刷判定部、
26 印刷警告報知部、
27 継続利用確認部、
28 領収証情報生成部、
29 領収証印刷実行部、
30 領収証電子化部、
40 記憶部、
41 印刷用紙出力高さ情報(H0)、
42 領収証基本情報、
43 分割印刷判定回数(N0)、
44 領収証印刷可否情報、
45 繰り返し回数(N)、
46 領収証全長情報(LA)、
47 分割用紙枚数(BN)、
48 最初用紙長(PL1)、
49 中間用紙長(PL2)、
50 最後用紙長(PL3)、
51 領収証印刷情報、
52 電子化情報
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