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特開2023-162617認証装置、認証方法および認証プログラム
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  • 特開-認証装置、認証方法および認証プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162617
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】認証装置、認証方法および認証プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/018 20230101AFI20231101BHJP
【FI】
G06Q30/00 340
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073066
(22)【出願日】2022-04-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】脇崎 正俊
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB26
5L049CC16
(57)【要約】
【課題】不正なデジタルコンテンツの出品を防止する認証装置を提供する。
【解決手段】第一受付部131は、デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける。第一計算部132は、第一受付部131によって受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する。作成部133は、第一計算部132により計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを作成する。第二受付部134は、出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける。第二計算部135は、第二受付部134により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する。判定部136は、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と第二計算部135により計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する。出力部137は、判定部136により一致すると判定された場合、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第一受付部と、
前記第一受付部により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第一計算部と、
前記第一計算部により計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む作成部と、
出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第二受付部と、
前記第二受付部により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第二計算部と、
前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と前記第二計算部により計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部により一致すると判定された場合には、前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する出力部と
を有することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記出力部により出力される出品対象に対して所定の表示を行う表示部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
出品対象の販売履歴をブロックチェーンネットワークに記憶されるノンファンジブルトークンに対応付けてトークンを発行する発行部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項4】
デジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する検出部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項5】
デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第一受付工程と、
前記第一受付工程により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第一計算工程と、
前記第一計算工程により計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む作成工程と、
出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第二受付工程と、
前記第二受付工程により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第二計算工程と、
前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と前記第二計算工程により計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により一致すると判定された場合には、前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する出力工程と
を含むことを特徴とする認証方法。
【請求項6】
デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第一受付ステップと、
前記第一受付ステップにより受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第一計算ステップと、
前記第一計算ステップにより計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む作成ステップと、
出品時に出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第二受付ステップと、
前記第二受付ステップにより受け付けたキーデータを用いて計算されたハッシュ値を計算する第二計算ステップと、
前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と第二計算ステップで計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより一致すると判定された場合には、前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させる認証プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置、認証方法および認証プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ECサイトを介して、静止画像、動画像、音声、その他デジタルコンテンツが販売されている。出品者は、販売するデジタルコンテンツのデータをアップロードすることにより出品を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-91102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、不正なデジタルコンテンツの出品を防止できない場合があるという課題がある。例えば、販売されるものがデジタルコンテンツゆえ、データのコピーが容易に行われる場合がある。さらに、ECサイトを介して販売されたオリジナルのデータと、それをもとにコピーして作られたデータとを区別することができない。そのため、正当なデジタルコンテンツをコピーして作られた商品の出品を防止することができない場合があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、不正なデジタルコンテンツの出品を防止する認証装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る認証装置は、デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第一受付部と、第一受付部により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第一計算部と、第一計算部により計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む作成部と、出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第二受付部と、第二受付部により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第二計算部と、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と第二計算部により計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定部と、判定部により一致すると判定された場合には、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する出力部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、不正なデジタルコンテンツの出品を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る認証処理の概要を説明するための図である。
図2図2は、実施形態に係る電子透かしの設定の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る出品処理の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る認証装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る認証装置が実行する認証処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、認証装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る認証装置、認証方法、および認証プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る認証装置、認証方法および認証プログラムが限定されるものではない。
【0010】
〔実施形態に係る認証処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る認証処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る認証処理の概要を説明するための図である。まず、図1(1)は、認証に用いられる電子透かしを設定する画面である。例えば、認証装置100は、デジタルコンテンツの出品を行う出品者による出品対象のデジタルコンテンツのアップロードと任意のキーデータの入力とを受け付けて、キーデータを用いて作成された電子透かしをデジタルコンテンツに埋め込む。電子透かしの設定については後述する。
【0011】
次に、図1(2)は、出品画面である。例えば、認証装置100は、出品するデジタルコンテンツのアップロードとキーデータの入力とを受け付ける。そして、認証装置100は、デジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしの情報と、図1(2)で受け付けたキーデータを用いて作成される情報とが一致しているかを判定する。つまり、認証装置100は、図1(1)と図1(2)とで入力されたキーデータとが一致しているかを判定する。そして、認証装置100は、図1(1)と図1(2)とで入力されたキーデータが一致していると判定した場合には、商品が正当な出品対象であるとして出品を行う。一方、認証装置100は、図1(1)と図1(2)とで入力されたキーデータが一致しないと判定した場合、商品が正当な出品対象でないとして出品を行わない。なお、認証装置100が出品を行う対象は、図1(1)と図1(2)とで入力されたキーデータが一致すると判定した商品に限らない。出品設定については後述する。
【0012】
そして、図1(3)は、販売中の商品を表示する画面である。例えば、認証装置100は、出品された商品の一覧を表示する。ここで、認証装置100が商品一覧で表示する商品は、正当な出品対象に限定されない。例えば、認証装置100は、図1(1)と図1(2)とで入力されたキーデータが一致すると判定した商品を正当な出品対象として表示する。一方で、認証装置100は、電子透かしのないデジタルコンテンツも出品対象として表示してもよい。この場合、認証装置100は、電子透かしのある商品と電子透かしのない商品とで区別がつくよう表示を変更する。
【0013】
〔実施形態に係る電子透かし設定〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る電子透かしの設定について説明する。図2は、実施形態に係る電子透かしの設定の一例を示す図である。まず、図2(1)は、認証に用いられる電子透かしを設定する画面である。例えば、認証装置100は、任意のキーデータの入力と出品対象となるデジタルコンテンツのアップロードとを受け付ける。
【0014】
次に、図2(2)は、図2(1)で受け付けたキーデータを用いて計算されたハッシュ値である。認証装置100は、図2(1)で受け付けたキーデータを入力として、ハッシュ関数によりハッシュ値を計算する。そして、図2(3)は、電子透かしを埋め込まれたデジタルコンテンツである。認証装置100は、図2(1)で受け付けたデジタルコンテンツに、図2(1)で計算されたハッシュ値の情報を加えることにより電子透かしを埋め込む。例えば、認証装置100は、デジタルコンテンツが画像である場合には、当該画像内に、ハッシュ値を記載することにより電子透かしを埋め込む。なお、認証装置100が埋め込む電子透かしは、人が知覚できる知覚可能型であってもよいし、人が知覚できない知覚困難型であってもよい。
【0015】
〔実施形態に係る出品処理〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る出品処理の設定について説明する。実施形態に係る出品処理の一例を示す図である。図3(1)~(3)は、商品が正当な出品対象と判定される例である。まず、図3(1)は、出品画面である。認証装置100は、キーデータと、出品するデジタルコンテンツとを受け付ける。認証装置100が受け付けるキーデータは、文字列、画像、音声、その他の情報であってもよい。また、認証装置100が受け付けるデジタルコンテンツは、静止画像、動画像、音声、その他デジタルコンテンツであってもよい。認証装置100が受け付けるデジタルコンテンツには、電子透かしが埋め込まれている。ここで、認証装置100が受け付けるデジタルコンテンツには、電子透かしが複数埋め込まれていてもよい。
【0016】
次に、図3(2)は、図3(1)で受け付けたキーデータを用いて計算されたハッシュ値である。認証装置100は、図3(1)で受け付けたキーデータを入力として、ハッシュ関数によりハッシュ値を計算する。そして、認証装置100は、図3(1)で受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれたハッシュ値と、図3(1)で受け付けたキーデータを用いて計算されたハッシュ値とが一致する場合には、図3(3)に示すように、商品が正当な出品対象であると判定する。
【0017】
一方、図3(4)~(6)は、商品が正当な対象でないと判定される例である。まず、図3(4)は、出品画面である。認証装置100は、キーデータと、出品するデジタルコンテンツとを受け付ける。次に、図3(5)は、図3(4)で受け付けたキーデータを用いて計算されたハッシュ値である。認証装置100は、図3(4)で受け付けたキーデータを入力として、ハッシュ関数によりハッシュ値を計算する。そして、認証装置100は、図3(4)で受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれたハッシュ値と、図3(4)で受け付けたキーデータを用いて計算されたハッシュ値とが一致しない場合には、図3(6)に示すように、商品が正当な出品対象でないと判定する。
【0018】
〔実施形態に係る認証装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る認証装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る認証装置100の構成を示すブロック図である。図4に示すように認証装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0019】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した外部の装置と制御部130との通信を可能とする。
【0020】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120が記憶する情報としては、例えば、デジタルコンテンツ、キーデータ、ハッシュ関数、ハッシュ値、出品者情報、購入者情報、商品情報、その他の情報などがある。なお、記憶部120が記憶する情報は上記に記載したものに限定されない。
【0021】
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、認証装置100の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。図4に示すように、制御部130は、第一受付部131と、第一計算部132と、作成部133と、第二受付部134と、第二計算部135と、判定部136と、出力部137と、表示部138と、発行部139と、検出部140とを有する。以下、制御部130が有する各部について説明する。
【0022】
第一受付部131は、デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける。例えば、第一受付部131は、電子透かしを埋め込むデジタルコンテンツと、埋め込む電子透かしの作成に用いるキーデータとを受け付ける。また、例えば、第一受付部131は、商品が販売されるたびにキーデータの再設定を受け付けてもよい。
【0023】
第一計算部132は、第一受付部131により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する。例えば、第一計算部132は、記憶部120が記憶するハッシュ関数の情報を用いて、第一受付部131で受け付けた「キーデータA」の入力からハッシュ値「IGKJBGAUYWKU786HA」を計算する。
【0024】
作成部133は、第一計算部132により計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む。例えば、作成部133は、第一計算部132により計算されたハッシュ値「IGKJBGAUYWKU786HA」を、第一受付部131により受け付けた画像のデジタルコンテンツに記載することにより電子透かしを埋め込む。
【0025】
第二受付部134は、出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける。例えば、第二受付部134は、出品対象である画像のデジタルコンテンツと、キーデータAとを受け付ける。ここで、第二受付部134は、商品が販売されるたびにキーデータの再設定を受け付けてもよい。
【0026】
第二計算部135は、第二受付部134により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する。例えば、第二計算部135は、記憶部120が記憶するハッシュ関数の情報を用いて、第二受付部134で受け付けた「キーデータA」の入力からハッシュ値「IGKJBGAUYWKU786HA」を計算する。
【0027】
判定部136は、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と第二計算部135で計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する。例えば、判定部136は、出品対象として受け付けた画像のデジタルコンテンツに埋め込まれたハッシュ値が「IGKJBGAUYWKU786HA」であり、第二計算部135で計算されたハッシュ値が「IGKJBGAUYWKU786HA」である場合には、一致すると判定する。また、例えば、判定部136は、出品対象として受け付けた画像のデジタルコンテンツに埋め込まれたハッシュ値が「IGKJBGAUYWKU786HA」であり、第二計算部135で計算されたハッシュ値が「GIDKC86K6GH0H6SGP1」である場合には、一致しないと判定する。
【0028】
出力部137は、判定部136により一致すると判定された場合には、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する。例えば、出力部137は、判定部136でデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と、第二計算部135で計算されたハッシュ値とが一致した場合には、受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する。
【0029】
また、例えば、出力部137は、判定部136でデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と、第二計算部135で計算されたハッシュ値とが一致しない場合には、受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象でないとして出力を行わない。
【0030】
表示部138は、出力部137により出力される出品対象に対して所定の表示を行う。例えば、表示部138は、正当な出品対象のデジタルコンテンツに対しては、公認マークや認証マークなどを表示し、電子透かしのないデジタルコンテンツに対しては、注意を喚起するマークを表示する。
【0031】
発行部139は、出品対象の販売履歴をブロックチェーンネットワークに記憶されるノンファンジブルトークンに対応付けてトークンを発行する。例えば、発行部139は、出品対象のデジタルコンテンツが販売された際に、その販売履歴をブロックチェーンネットワークに登録し、ノンファンジブルトークンに対応付けてトークンを発行する。ここで、販売履歴とは、過去の販売の情報およびこれに関連する情報を意味する。また、例えば、発行部139は、キーデータを用いて計算されたハッシュ値をブロックチェーンネットワークに登録し、ノンファンジブルトークンに対応付けてトークンを発行する。ここで、発行部139は、キーデータが再設定されるたびに、当該キーデータを用いて計算されたハッシュ値をブロックチェーンネットワークに登録し、ノンファンジブルトークンに対応付けてトークンを発行してもよい。
【0032】
検出部140は、デジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する。例えば、検出部140は、画像のデジタルコンテンツに埋め込まれた人間には知覚できない電子透かしを検出する。また、例えば、検出部140は、画像のデジタルコンテンツに埋め込まれた人間に知覚できる電子透かしを検出する。
【0033】
〔フローチャート〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る認証装置100による認証の手順について説明する。図5は、実施形態に係る認証の一例を示すフローチャートである。まず、認証装置100は、電子透かし設定時のキーデータからハッシュ値を計算する(ステップS11)。次に、認証装置100は、計算したハッシュ値を出品するデータに埋め込む(ステップS12)。それから、認証装置100は、第二受付部134が受け付けたキーデータからハッシュ値を計算する(ステップS13)。それから、認証装置100は、出品データに埋め込まれたハッシュ値と第二受付部134が受け付けたキーデータが一致するか否かを判定する(ステップS14)。
【0034】
ここで、出品データに埋め込まれたハッシュ値と第二受付部134が受け付けたキーデータが一致する場合には(ステップS14“YES”)、認証装置100は、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツが正当な出品対象であるとして出力する(ステップS15)。一方、出品データに埋め込まれたハッシュ値と第二受付部134が受け付けたキーデータが一致しない場合には(ステップS14“NO”)、認証装置100は、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力しない(ステップS16)。
【0035】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る認証装置100は、第一受付部131と、第一計算部132と、作成部133と、第二受付部134と、第二計算部135と、判定部136と、出力部137とを有する。第一受付部131は、デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける。第一計算部132は、第一受付部131によって受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する。作成部133は、第一計算部132により計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む。第二受付部134は、出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける。第二計算部135は、第二受付部134により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する。判定部136は、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と第二計算部135により計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する。出力部137は、判定部136により一致すると判定された場合には、出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する。
【0036】
この構成により、認証装置100は、ハッシュ値を用いて出品対象の認証を行い、正当なデジタルコンテンツと不正なデジタルコンテンツとを判定し、正当なデジタルコンテンツをコピーして作られた商品の出品を防止することができる。つまり、認証装置100は、コピー商品の販売という出品者の不利益を防止し、購入者が抱くコピー商品ではないかといった疑念を根本から解消することができる。
【0037】
また、実施形態に係る認証装置100は、出力部137により出力される出品対象に対して所定の表示を行う表示部138をさらに有する。この構成により認証装置100は、表示を見た者等による正当なデジタルコンテンツと不正なデジタルコンテンツとの判別を可能とする。
【0038】
また、実施形態に係る認証装置100は、出品対象の販売履歴をブロックチェーンネットワークに記憶されるノンファンジブルトークンに対応付けてトークンを発行する発行部139をさらに有する。この構成により、正当なデジタルコンテンツをコピーした商品が販売された際に、いつ、どこで販売されたものをコピーした商品であるか追跡を可能とする。
【0039】
また、実施形態に係る認証装置100は、デジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する検出部140をさらに有する。これにより、認証装置100は、より厳重なセキュリティ対策のために複数の電子透かしを埋め込まれたデジタルコンテンツの販売を可能とする。また、これにより認証装置100は、コピーデータとオリジナルのデータとの誤認を防ぐことができる。
【0040】
〔ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る認証装置100は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、認証装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0041】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0042】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が決定したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0043】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、決定したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0044】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0045】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る認証装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0046】
以上、本願の実施形態および変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0047】
〔その他〕
また、上記実施形態および変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0048】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0049】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0050】
100 認証装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 第一受付部
132 第一計算部
133 作成部
134 第二受付部
135 第二計算部
136 判定部
137 出力部
138 表示部
139 発行部
140 検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第一受付部と、
前記第一受付部により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第一計算部と、
前記第一計算部により計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む作成部と、
出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第二受付部と、
前記第二受付部により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第二計算部と、
前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と前記第二計算部により計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部により一致すると判定された場合には、前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する出力部と
を有することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記出力部により出力される出品対象に対して所定の表示を行う表示部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
出品対象の販売履歴をブロックチェーンネットワークに記憶されるノンファンジブルトークンに対応付けてトークンを発行する発行部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項4】
デジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしを検出する検出部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項5】
認証装置により実行される認証方法であって、
デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第一受付工程と、
前記第一受付工程により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第一計算工程と、
前記第一計算工程により計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む作成工程と、
出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第二受付工程と、
前記第二受付工程により受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第二計算工程と、
前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と前記第二計算工程により計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により一致すると判定された場合には、前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する出力工程と
を含むことを特徴とする認証方法。
【請求項6】
デジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第一受付ステップと、
前記第一受付ステップにより受け付けたキーデータを用いてハッシュ値を計算する第一計算ステップと、
前記第一計算ステップにより計算されたハッシュ値を用いて電子透かしを埋め込む作成ステップと、
出品時に出品対象のデジタルコンテンツとキーデータとを受け付ける第二受付ステップと、
前記第二受付ステップにより受け付けたキーデータを用いて計算されたハッシュ値を計算する第二計算ステップと、
前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツに埋め込まれた電子透かしのハッシュ値と第二計算ステップで計算されたハッシュ値とが一致するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより一致すると判定された場合には、前記出品対象として受け付けたデジタルコンテンツを正当な出品対象として出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させる認証プログラム。