(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162647
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】駆動制御方法、駆動制御システム、及び駆動制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 20/20 20160101AFI20231101BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20231101BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20231101BHJP
B60W 20/10 20160101ALI20231101BHJP
B60K 6/22 20071001ALI20231101BHJP
A01B 51/02 20060101ALI20231101BHJP
A01C 11/02 20060101ALI20231101BHJP
F02D 29/00 20060101ALI20231101BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20231101BHJP
【FI】
B60W20/20
B60W10/08 900
B60W10/06 900
B60W20/10 ZHV
B60K6/22
A01B51/02
A01C11/02 311T
F02D29/00 B
B60L50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073126
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭志
(72)【発明者】
【氏名】新熊 章浩
【テーマコード(参考)】
2B041
3D202
3G093
5H125
【Fターム(参考)】
2B041AA20
2B041AB05
2B041AC03
3D202AA00
3D202BB00
3D202BB01
3D202BB11
3D202CC14
3D202CC17
3D202CC23
3D202CC24
3D202DD00
3D202DD11
3D202DD24
3D202EE24
3G093AA09
3G093BA19
3G093DB18
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BE01
5H125CA09
5H125CC07
5H125EE27
5H125EE55
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】作業者の違いによる燃料消費の変化を抑制する。
【解決手段】駆動制御方法は、エンジン101と電動機102とを有し、圃場500内を移動する作業装置100の現在位置を取得することを含む。また、駆動制御方法は、現在位置に基づき、エンジン101と電動機102とのうち、作業装置100が使用する動力源を決定することを含む。駆動制御方法は、さらに、作業装置100が電動機102を動力源として利用する電動領域520を記憶することを含んでもよい。この場合、動力源を決定することは、現在位置が電動領域520に含まれるとき、電動機102を作業装置100が優先して使用する動力源として決定することを含んでもよい。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと電動機とを有し、圃場内を移動する作業装置の現在位置を取得することと、
前記現在位置に基づき、前記エンジンと前記電動機とのうち、前記作業装置が使用する動力源を決定することと、
を含む駆動制御方法。
【請求項2】
前記作業装置が前記電動機を前記動力源として利用する電動領域を記憶することを含み、
前記動力源を決定することは、
前記現在位置が前記電動領域に含まれるとき、前記電動機を前記作業装置が優先して使用する前記動力源として決定すること
を含む請求項1に記載の駆動制御方法。
【請求項3】
前記動力源を決定することは、
前記現在位置が前記電動領域に含まれ、かつ、前記電動機に入力される電力量が閾値以下のとき、前記エンジンを前記作業装置が使用する前記動力源として決定すること
を含む請求項2に記載の駆動制御方法。
【請求項4】
前記圃場において、前記圃場の輪郭線から予め決められた距離内の領域の少なくとも一部を前記電動領域として決定すること
を含む請求項2または3に記載の駆動制御方法。
【請求項5】
前記作業装置が前記圃場において旋回して移動する領域を含むように前記電動領域を決定すること
を含む請求項2に記載の駆動制御方法。
【請求項6】
前記作業装置が前記エンジンを前記動力源として利用するエンジン領域を記憶することを含み、
前記動力源を決定することは、
前記現在位置が前記エンジン領域に含まれないとき、前記電動機を前記作業装置が優先して使用する前記動力源として決定すること
を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動制御方法。
【請求項7】
前記動力源を決定することは、
前記現在位置が前記エンジン領域に含まれるとき、前記作業装置の状態によらず、前記エンジンを前記作業装置が使用する前記動力源として決定すること
を含む請求項6に記載の駆動制御方法。
【請求項8】
前記圃場において、前記圃場の輪郭線から予め決められた距離以上離れた領域の少なくとも一部を前記エンジン領域として決定すること
を含む請求項6に記載の駆動制御方法。
【請求項9】
前記作業装置が前記圃場において直線状に移動する領域を含むように前記エンジン領域を決定すること
を含む請求項6に記載の駆動制御方法。
【請求項10】
エンジンと電動機とを有し、圃場内を移動する作業装置の現在位置を取得する情報取得部と、
前記現在位置に基づき、前記エンジンと前記電動機とのうち、前記作業装置が使用する動力源を決定する動力源決定部と、
を備える駆動制御システム。
【請求項11】
エンジンと電動機とを有し、圃場内を移動する作業装置の現在位置を取得することと、
前記現在位置に基づき、前記エンジンと前記電動機とのうち、前記作業装置が使用する動力源を決定することと、
を演算装置に実行させる駆動制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動制御方法、駆動制御システム、及び駆動制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、農業機械においても脱炭素化が求められている。
【0003】
特許文献1には、エンジンと電動モータとを駆動して移動するハイブリッド農作業機が開示されている。このハイブリッド農作業機は、ハイブリッド農作業機の運転手がスイッチを操作することで、エンジン駆動と電気駆動とを切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運転手の操作によりエンジン駆動と電気駆動とが切り替えられるため、圃場において、電動駆動へのスイッチ操作の違いにより、燃料の消費を効率的に低減できない場合がある。また、一般の自動車においては、自動車の状態、例えば負荷状態に応じて、エンジン駆動と電気駆動とが切り替えられている。この場合、負荷が小さいとき、例えば作業機が上げられ、かつ、PTO(power take-off)が回転していないとき、電気駆動に切り替えられる。しかし、運転手の熟練度により、負荷が小さくなるタイミングが異なる。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、運転手の違いによる燃料の消費の変化を抑制し、燃料の消費を効率的に低減することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
上記目的を達成するための一実施の形態による駆動制御方法は、エンジン(101)と電動機(102)とを有し、圃場(500)内を移動する作業装置(100)の現在位置を取得することを含む。また、駆動制御方法は、現在位置に基づき、エンジン(101)と電動機(102)とのうち、作業装置(100)が使用する動力源を決定することを含む。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による駆動制御システム(1000)は、情報取得部(150)と、動力源決定部(160)とを備える。情報取得部(150)は、エンジン(101)と電動機(102)とを有し、圃場(500)内を移動する作業装置(100)の現在位置を取得することを含む。動力源決定部(160)は、現在位置に基づき、エンジン(101)と電動機(102)とのうち、作業装置(100)が使用する動力源を決定することを含む。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態による駆動制御プログラム(400)は、エンジン(101)と電動機(102)とを有し、圃場(500)内を移動する作業装置(100)の現在位置を取得することを演算装置(120、220、320)に実行させる。また、駆動制御プログラム(400)は、現在位置に基づき、エンジン(101)と電動機(102)とのうち、作業装置(100)が使用する動力源を決定することを演算装置(120、220、320)に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上記の形態によれば、作業者の違いによる燃料消費の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態における駆動制御システムの概略図である。
【
図2】一実施の形態における作業装置を説明するための図である。
【
図3】一実施の形態において、作業装置が圃場を移動するときの経路を説明するための図である。
【
図4】一実施の形態における作業装置の構成を説明するための図である。
【
図5】一実施の形態における駆動制御システムが実行する機能ブロックを表す図である。
【
図6】一実施の形態における領域記憶装置の構成を表す図である。
【
図7】一実施の形態における端末の構成を表す図である。
【
図8】一実施の形態における駆動制御システムにより、電動領域を設定するための処理を表すフローチャートである。
【
図9】一実施の形態における駆動制御システムにより、動力源を決定するための処理を表すフローチャートである。
【
図10】一実施の形態における駆動制御システムにより、電動領域を用いて動力源を決定するための処理を表すフローチャートである。
【
図11】一実施の形態における駆動制御システムにより、動力源を決定するための処理を表すフローチャートである。
【
図12】一実施の形態における駆動制御システムにより、エンジン領域を用いて動力源を決定するための処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による駆動制御システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、
図1に示すように、駆動制御システム1000は、作業装置100と、領域記憶装置200と、端末300とを備える。作業装置100は、圃場500内を移動して作業を行う。領域記憶装置200は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、作業装置100と、端末300とに通信可能に接続されている。
【0014】
作業装置100は、
図2に示すように、エンジン101と、電動機102とを備え、いわゆるハイブリッド方式の動力源を有する。例えば、エンジン101は、燃料を燃焼して発生した燃焼ガスを利用して動力を発生する。また、電動機102は、電力を利用して動力を発生する。エンジン101または電動機102により発生された動力は、走行部103、例えば車輪に伝達され作業装置100を移動させる。
【0015】
圃場500における作業装置100の移動は、作業を行いながらの移動と、方向転換のための作業を行わない移動とを有する。例えば、
図3に示すように、作業装置100は、経路600に沿って移動して作業を行う。この場合、作業装置100は、直線状に移動する直線経路601に沿って移動するとき作業を行い、進行方向を変更する旋回経路602に沿って移動するとき作業を行わない場合がある。このため、作業装置100は、圃場500の輪郭線510のうち、第1輪郭線分511-1と、第3輪郭線分511-3とから所定の距離に含まれる範囲を表す電動領域520において、電動機102を駆動する。作業装置100は、圃場500外を移動するとき、電動機102を駆動してもよい。
【0016】
これにより、作業装置100は、効率的に電動機102を利用することができる。例えば、作業者の技量によらず、電動機102を用いる領域が固定される。このため、電動機102を用いる割合が作業者の違いにより変化することが低減される。また、燃料の消費が作業者の違いにより変化することが低減される。
【0017】
なお、第1輪郭線分511-1と、第3輪郭線分511-3とは、圃場500の輪郭線510のうち、直線状の互いに異なる部分を表す。例えば、第1輪郭線分511-1と、第3輪郭線分511-3とは、互いに対向するように設けられている。また、圃場500の輪郭線510は、多角形、例えば矩形に形成されてもよい。例えば、輪郭線510は、第1輪郭線分511-1の一端と第3輪郭線分511-3の一端とをつなぐ第2輪郭線分511-2と、第1輪郭線分511-1の他端と第3輪郭線分511-3の他端とをつなぐ第4輪郭線分511-4とを有してもよい。
【0018】
(駆動制御システムの構成)
図1に示すように、駆動制御システム1000に含まれる作業装置100の構成を説明する。作業装置100は、
図2に示すように、エンジン101と、電動機102と、走行部103と、バッテリー104と、センサ105とを備える。エンジン101と、電動機102と、走行部103とは前述のとおりである。バッテリー104は、作業装置100内の機器、例えば電動機102に電力を供給する。
【0019】
センサ105は、作業装置100の稼働情報を取得する。稼働情報は、作業装置100の位置を表す位置情報を含む。センサ105は、作業装置100の各時刻における位置を測定する測位装置を含む。測位装置は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機である。
【0020】
また、稼働情報は、作業装置100の状態を表す状態情報、例えば作業装置100の速度、操舵角、エンジン回転数、各種クラッチのON/OFF状況などを含む。例えば、作業装置100が作業機械106を牽引する車両であるとき、状態情報は、作業機械106に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械106の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報を含んでもよい。この場合、センサ105は、各情報を測定する測定装置を含む。
【0021】
作業装置100は、作業機械106(例えばロータリー耕耘機、施肥散布機など)を牽引するトラクター、作業機械と一体に形成された田植え機、コンバインなどを含む。走行部103は、無限軌道、例えばクローラを含んでもよい。また、作業装置100は、走行部103の代わりにプロペラを備え、農薬を散布するドローンなどを含む。
【0022】
作業装置100は、
図4に示すように、切替スイッチ110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とをさらに備える。切替スイッチ110には、作業装置100の駆動方式に関する情報が入力される。例えば、切替スイッチ110には、エンジン101または電動機102での駆動を指示する指示情報が入力される。また、切替スイッチ110には、作業装置100の位置に応じた動力源の切替を指示する指示情報が入力される。さらに、切替スイッチ110は、作業装置100の状態、例えば負荷に応じた動力源の切替を指示する指示情報が入力されてもよい。入力された指示情報は、演算装置120に転送される。
【0023】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置130は、領域記憶装置200から取得する情報を演算装置120に転送する。また、通信装置130は、演算装置120が生成した信号を領域記憶装置200に転送する。通信装置130は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0024】
記憶装置140は、作業装置100が利用する動力源を決定するための様々なデータ、例えば駆動制御プログラム400を格納する。記憶装置140は、駆動制御プログラム400を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。駆動制御プログラム400は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0025】
演算装置120は、駆動制御プログラム400を記憶装置140から読み出し実行して、動力源を決定するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)、エンジンコントロールユニット(ECU;Engine Control Unit)などを含む。
【0026】
演算装置120は、駆動制御プログラム400を読み出し実行することで、
図5に示すように、情報取得部150と、動力源決定部160とを実現する。情報取得部150は、センサ105から測定された作業装置100の状態、例えば位置を表す状態情報を取得する。動力源決定部160は、作業装置100の状態、例えば位置に基づき、駆動する動力源を決定する。
【0027】
次に、
図1に示す領域記憶装置200の構成を説明する。領域記憶装置200は、
図6に示すように、入出力装置210と、演算装置220と、通信装置230と、記憶装置240とを備える。領域記憶装置200は、例えば、コンピュータである。入出力装置210には、演算装置220が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置210は、演算装置220が処理を実行した結果を出力する。入出力装置210は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置210は省略されてもよい。
【0028】
通信装置230は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置230は、作業装置100から取得する情報を演算装置220に転送する。また、演算装置220が生成した信号を端末300に転送する。通信装置230は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0029】
記憶装置240は、作業装置100が電動機102を駆動する電動領域520を表す情報を作業装置100に提供するための様々なデータ、例えば圃場データ410と、領域記憶プログラム420とを格納する。記憶装置240は、領域記憶プログラム420を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。領域記憶プログラム420は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0030】
圃場データ410は、作業装置100が作業を行う圃場500に含まれる電動領域520を表す情報を格納する。例えば、圃場データ410は、作業装置100により作業が行われる圃場500の一覧を格納し、圃場500に関連付けて電動領域520を表す情報を格納する。
【0031】
演算装置220は、領域記憶プログラム420を記憶装置240から読み出し実行して、電動領域520を表す情報を作業装置100に提供するための様々なデータ処理を行う。例えば、演算装置220は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0032】
演算装置220は、領域記憶プログラム420を読み出し実行することで、
図5に示すように、データ記憶部250を実現する。データ記憶部250は、圃場データ410を記憶して、圃場データ410に格納された情報を作業装置100の動力源決定部160に出力する。
【0033】
次に、
図1に示す端末300の構成を説明する。端末300は、
図7に示すように、入出力装置310と、演算装置320と、通信装置330と、記憶装置340とを備える。端末300は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置310には、演算装置320が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置310は、演算装置320が処理を実行した結果を出力する。入出力装置310は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0034】
通信装置330は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置330は、領域記憶装置200から取得する信号を演算装置320に転送する。また、演算装置320が生成した信号を領域記憶装置200に転送する。通信装置330は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラーネットワークなどの無線通信に用いられる送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0035】
記憶装置340は、圃場500における電動領域520を設定するための様々なデータ、例えば領域設定プログラム430を格納する。記憶装置340は、領域設定プログラム430を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。領域設定プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体3に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0036】
演算装置320は、領域設定プログラム430を読み出し実行することで、
図5に示すように、入出力装置310と協働して、領域設定部350を実現する。領域設定部350は、電動領域520を決定し、決定された領域を表す情報を領域記憶装置200に出力する。電動領域520を表す情報は、例えば、ユーザにより入力されてもよい。
【0037】
(駆動制御システムの動作)
駆動制御システム1000は、作業装置100の位置に応じた動力源を決定するために、
図3に示す電動領域520を設定する。例えば、ユーザにより、端末300の入出力装置310に電動領域520を設定するための操作が入力される。端末300の演算装置320は、ユーザによる操作が入力されると、領域設定プログラム430を読み出し実行する。領域設定プログラム430が読み出し実行されると、演算装置320は、駆動制御方法の一部である
図8に示す処理を開始する。
【0038】
ステップS110において、演算装置320により実現される領域設定部350は、領域記憶装置200から記憶された圃場500の一覧を取得する。例えば、領域設定部350は、圃場500の一覧を要求するための一覧要求情報を領域記憶装置200に出力する。領域記憶装置200のデータ記憶部250は、一覧要求情報に応じて、圃場データ410に記憶された圃場500の一覧を表す一覧情報を端末300に出力する。端末300の領域設定部350は、取得された一覧情報を入出力装置310に表示する。
【0039】
ステップS120において、領域設定部350は、電動領域520を表す情報を受け付ける。例えば、領域設定部350は、
図3に示すように、圃場500を地図上に表した画像を入出力装置310に表示する。ユーザは、入出力装置310に表示された画像において、電動領域520の範囲を表す情報を入力する。領域設定部350は、入出力装置310に入力された情報に基づき、電動領域520を決定する。決定された電動領域520を表す領域情報は、領域設定部350により、領域記憶装置200に出力される。
【0040】
ステップS130において、領域記憶装置200のデータ記憶部250は、取得された領域情報を対応する圃場500と関連付けて圃場データ410に記憶する。
【0041】
このように、駆動制御システム1000は、ユーザにより指定される電動領域520の範囲を圃場データ410に記憶する。同様の手順で、ユーザにより指定されるエンジン領域530が圃場データ410に記憶されてもよい。
【0042】
次に、作業装置100が起動されると、
図4に示す演算装置120は、駆動制御プログラム400を読み出し実行する。駆動制御プログラム400が読み出し実行されると、演算装置120は、駆動制御方法の一部である
図9に示す処理を開始する。
【0043】
ステップS210において、演算装置120により実現される動力源決定部160は、切替スイッチ110から取得される指示情報に、動力源が指定されているかを判定する。例えば、動力源決定部160は、指示情報がエンジン101または電動機102での駆動を指示しているかを判定する。動力源が指定されているとき、動力源決定部160は、ステップS220の処理を実行する。動力源が指定されていないとき、動力源決定部160は、ステップS230の処理を実行する。
【0044】
ステップS220において、動力源決定部160は、指示情報に基づき、動力源を決定する。例えば、指示情報がエンジン101による駆動を表すとき、動力源決定部160は、エンジン101を動力源として決定する。指示情報が電動機102による駆動を表すとき、動力源決定部160は、電動機102を動力源として決定する。動力源決定部160は、決定された動力源を駆動する。
【0045】
動力源が指定されていないとき、ステップS230において、動力源決定部160は、指示情報が作業装置100の状態、例えば作業機械106の姿勢による動力源の決定が指定されているかを判定する。作業装置100の状態による動力源の決定が指定されているとき、処理は、ステップS240に移行する。作業装置100の状態による動力源の決定が指定されていないとき、処理は、ステップS260に移行する。
【0046】
ステップS240において、情報取得部150は、センサ105から作業装置100の状態を表す状態情報を取得する。例えば、情報取得部150は、動力源を決定するために必要な情報をセンサ105から取得する。例えば、情報取得部150は、センサ105により測定されたヒッチ高さを表す情報を取得する。また、情報取得部150は、センサ105により測定されたPTO回転数を取得してもよい。
【0047】
ステップS250において、動力源決定部160は、情報取得部150により取得された作業装置100の状態情報に基づき、動力源を決定する。例えば、
図2に示す作業機械106の高さが閾値より高いとき、動力源決定部160は、電動機102を動力源として決定する。また、
図2に示す作業機械106の高さが閾値以下であるとき、動力源決定部160は、エンジン101を動力源として決定する。また、PTO回転数が閾値より小さいとき、例えば「ゼロ」であるとき、動力源決定部160は、電動機102を動力源として決定してもよい。また、動力源決定部160は、作業装置100の動力源に加えられる負荷に基づき、動力源を決定してもよい。動力源決定部160は、決定された動力源を駆動する。
【0048】
ステップS240とステップS250との処理は、切替スイッチ110への入力が変更されるまで繰り返されてもよい。また、ステップS240とステップS250との処理は、作業装置100が停止するまで繰り返されてもよい。
【0049】
作業装置100の状態による動力源の決定が指定されていないとき、ステップS260において、動力源決定部160は、作業装置100の位置に基づき、動力源を決定する。例えば、動力源決定部160は、
図10に示す処理を実行して、動力源を決定する。
【0050】
図10に示すステップS261において、情報取得部150は、センサ105から作業装置100の位置を表す位置情報を取得する。取得された位置情報は、領域記憶装置200に出力される。
【0051】
ステップS262において、領域記憶装置200のデータ記憶部250は、取得された位置情報に基づき、作業装置100により作業が行われる圃場500を決定する。例えば、データ記憶部250は、作業装置100の位置から最も近い圃場500を、圃場データ410から検索する。データ記憶部250は、検索された圃場500に含まれる電動領域520を圃場データ410から取得して、取得された電動領域520を表す領域情報を作業装置100に出力する。
【0052】
ステップS263において、作業装置100の情報取得部150は、センサ105から作業装置100の位置情報を取得する。例えば、センサ105に含まれる測位装置は、作業装置100の現在位置を測定し、測定された位置を表す位置情報を情報取得部150に出力する。
【0053】
ステップS264において、動力源決定部160は、作業装置100の位置情報に基づき、動力源を決定する。例えば、動力源決定部160は、作業装置100の現在位置が電動領域520に含まれるとき、電動機102を優先して使用する動力源として決定する。また、動力源決定部160は、作業装置100の現在位置が電動領域520に含まれないとき、エンジン101を動力源として決定する。動力源決定部160は、決定された動力源を駆動する。
【0054】
動力源決定部160は、作業装置100の現在位置が電動領域520に含まれるとき、電動機102に入力される電力量に基づき、動力源を決定してもよい。例えば、動力源決定部160は、作業装置100の現在位置が電動領域520に含まれ、かつ、電動機102に入力される電力量が閾値より大きいとき、電動機102を動力源として決定してもよい。例えば、動力源決定部160は、作業装置100の現在位置が電動領域520に含まれ、かつ、電動機102に入力される電力量が閾値以下のとき、エンジン101を動力源として決定してもよい。これにより、電動機102により発生される動力が負荷に対して小さくなることが低減される。
【0055】
なお、電動機102に入力される電力量を表す情報は、例えば、情報取得部150により取得される。例えば、センサ105は、電動機102に入力される電力量、例えばバッテリー104の出力電力、バッテリー104の残電力量などを測定し、測定された電力を表す情報を情報取得部150に出力する。
【0056】
ステップS263とステップS264との処理は、切替スイッチ110への入力が変更されるまで繰り返される。また、ステップS263とステップS264との処理は、作業装置100が停止するまで繰り返されてもよい。
【0057】
切替スイッチ110への入力が変更されると、処理は、一度終了し、
図9に示すステップS210に移行する。これにより、切替スイッチ110から新たに入力された指示情報に基づき、処理が開始される。
【0058】
このように、駆動制御システム1000は、切替スイッチ110に入力された駆動方式に基づき、作業装置100において用いられる動力源を決定する。切替スイッチ110において、作業装置100の位置に基づき動力源を決定することが指定されると、駆動制御システム1000は、予め設定された電動領域520において電動機102を駆動するように決定する。
【0059】
これにより、駆動制御システム1000は、電動機102を用いた作業の割合の作業者の違いによる変化を低減する。また、駆動制御システム1000は、作業者の違いによる燃料の消費の変化を低減する。
【0060】
(実施の形態2)
圃場データ410は、
図3に示すように、圃場500において、エンジン101を動力源として用いるエンジン領域530を記憶してもよい。この場合、動力源決定部160は、作業装置100の位置がエンジン領域530に含まれるとき、エンジン101を動力源として決定する。また、動力源決定部160は、圃場500において、作業装置100の位置がエンジン領域530に含まれないとき、電動機102を動力源として決定する。動力源決定部160は、圃場500外において、電動機102を動力源として決定してもよい。
【0061】
(駆動制御システムの構成)
駆動制御システム1000に含まれる作業装置100の構成は、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省力する。領域記憶装置200の構成は、
図6に示す圃場データ410が圃場500に関連付けてエンジン領域530を格納することを除き、実施の形態1と同様である。端末300の構成は、領域設定部350がエンジン領域530を決定することを除き、実施の形態1と同様である。
【0062】
(駆動制御システムの動作)
駆動制御システム1000は、作業装置100の位置に応じた動力源を決定するために、
図3に示すエンジン領域530を設定する。例えば、ユーザにより、端末300の入出力装置310にエンジン領域530を設定するための操作が入力される。端末300の演算装置320は、ユーザによる操作が入力されると、領域設定プログラム430を読み出し実行する。領域設定プログラム430が読み出し実行されると、演算装置320は、エンジン領域530を決定する処理を開始する。具体的には、電動領域520をエンジン領域530と読み替えた
図8に示す処理が開始される。
【0063】
次に、作業装置100が起動されると、
図4に示す演算装置120は、駆動制御プログラム400を読み出し実行する。駆動制御プログラム400が読み出し実行されると、演算装置120は、駆動制御方法の一部である
図11に示す処理を開始する。
【0064】
ステップS210からステップS250の処理は、実施の形態1と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0065】
ステップS260Bにおいて、動力源決定部160は、作業装置100の位置に基づき、動力源を決定する。例えば、動力源決定部160は、
図12に示す処理を実行して、動力源を決定する。ステップS261からステップS263の処理は、実施の形態1と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0066】
ステップS264Bにおいて、動力源決定部160は、作業装置100の位置情報に基づき、動力源を決定する。例えば、動力源決定部160は、作業装置100の現在位置がエンジン領域530に含まれるとき、エンジン101を動力源として決定する。また、動力源決定部160は、作業装置100の現在位置がエンジン領域530に含まれないとき、電動機102を優先して使用する動力源として決定する。動力源決定部160は、決定された動力源を駆動する。
【0067】
動力源決定部160は、作業装置100の現在位置がエンジン領域530に含まれないとき、電動機102に入力される電力量に基づき、動力源を決定してもよい。例えば、動力源決定部160は、作業装置100の現在位置がエンジン領域530に含まれず、かつ、電動機102に入力される電力量が閾値より大きいとき、電動機102を動力源として決定してもよい。これにより、電動機102により発生される動力が負荷に対して小さくなることが低減される。
【0068】
ステップS263とステップS264Bとの処理は、切替スイッチ110への入力が変更されるまで繰り返される。また、ステップS263とステップS264Bとの処理は、作業装置100が停止するまで繰り返されてもよい。
【0069】
切替スイッチ110への入力が変更されると、処理は、一度停止し、
図11に示すステップS210に移行する。これにより、切替スイッチ110から新たに入力された指示情報に基づき、処理が開始される。
【0070】
このように、駆動制御システム1000は、エンジン領域530を用いて動力源を決定して、効率的に電動機102を利用することもできる。
【0071】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、領域記憶装置200の圃場データ410は、
図3に示す電動領域520を表す情報と、エンジン領域530を表す情報との両方を格納してもよい。
【0072】
この場合、動力源決定部160は、
図10のステップS264において、作業装置100の現在位置が電動領域520に含まれるとき、電動機102を動力源として決定し、作業装置100の現在位置がエンジン領域530に含まれるとき、エンジン101を動力源として決定する。作業装置100の現在位置が電動領域520とエンジン領域530とのいずれにも含まれないとき、動力源決定部160は、電動機102を動力源として決定してもよく、エンジン101を動力源として決定してもよい。また、作業装置100の現在位置が電動領域520とエンジン領域530とのいずれにも含まれないとき、
図9に示すステップS250の処理と同様に、動力源決定部160は、作業装置100の状態に基づき、動力源を決定してもよい。
【0073】
電動領域520は、端末300の領域設定部350により自動で決定されてもよい。例えば、領域設定部350は、圃場500のうち、輪郭線510から予め決められた距離内の領域の少なくとも一部を電動領域520として決定してもよい。例えば、領域設定部350は、
図3に示す直線経路601の進行方向に基づき、電動領域520を決定してもよい。例えば、領域設定部350は、
図8に示すステップS120において、作業装置100が往復移動する直線経路601の進行方向を受け付ける。ユーザは、入出力装置310に直線経路601の進行方向を入力する。領域設定部350は、入力された進行方向に交差する輪郭線分511、例えば第1輪郭線分511-1と、第2輪郭線分511-2とを決定する。領域設定部350は、圃場500のうち、決定された輪郭線分511から予め決められた距離だけ離れた位置までの領域を電動領域520として決定する。ここで、予め決められた距離は、圃場500において作業を行う作業装置100の最小回転半径に基づき決定されてもよい。また、領域設定部350は、圃場500のうち、輪郭線510から予め決められた距離内の領域のすべてを電動領域520として決定してもよい。
【0074】
領域設定部350は、電動領域520と同様に、エンジン領域530を自動で決定してもよい。例えば、領域設定部350は、圃場500のうち、予め決められた距離以上、輪郭線510から離れた領域の少なくとも一部をエンジン領域530として決定してもよい。例えば、領域設定部350は、直線経路601の進行方向に基づき、エンジン領域530を決定してもよい。例えば、領域設定部350は、ユーザにより入力された直線経路601の進行方向に交差する輪郭線分511を決定する。領域設定部350は、決定された輪郭線分511から予め決められた距離以上、圃場500の内方に離れた領域をエンジン領域530として決定する。ここで、内方は、圃場500内の対象となる位置から圃場500の中心に向かう方向を表す。また、領域設定部350は、圃場500のうち、予め決められた距離以上、輪郭線510から離れた領域のすべてをエンジン領域530として決定してもよい。
【0075】
領域設定部350は、作業装置100が移動する経路600に基づき、電動領域520を決定してもよい。例えば、作業装置100の演算装置120は、予め設定された経路600に沿って、作業装置100が圃場500を移動するように動力源と走行部103とを制御する場合がある。この場合、領域設定部350は、予め設定された経路600に基づき、電動領域520を決定する。例えば、領域設定部350は、経路600のうち、旋回経路602を含む領域を電動領域520として決定する。例えば、領域設定部350は、旋回経路602と直線経路601との境界点を直線状の線分で接続し、接続された線分より外方の領域を電動領域520として決定する。ここで、外方は、圃場500の対象となる位置から、最も近い輪郭線510上の位置に向かう方向を表す。また、この場合、領域設定部350は、作業装置100の演算装置120により実現されてもよい。
【0076】
領域設定部350は、電動領域520と同様に、作業装置100が移動する経路600に基づき、エンジン領域530を決定してもよい。例えば、領域設定部350は、経路600のうち、直線経路601を含む領域をエンジン領域530として決定する。例えば、領域設定部350は、旋回経路602と直線経路601との境界点を直線状の線分で接続し、接続された線分より内方の領域を電動領域520として決定する。また、この場合、領域設定部350は、作業装置100の演算装置120により実現されてもよい。
【0077】
また、
図10に示すステップS261において、作業装置100が作業を行う圃場500がユーザにより入力されてもよい。例えば、作業装置100は、作業装置100により作業が行われる圃場500を表す情報を入力する入力装置を備える。作業装置100の情報取得部150は、ユーザにより入力された情報に基づき、作業が行われる圃場500を決定する。また、作業が行われる圃場500を表す情報は、端末300の入出力装置310に入力されてもよい。この場合、入力された情報は、端末300から領域記憶装置200を介して作業装置100に伝達される。
【0078】
動力源決定部160は、エンジン101を動力源として決定したとき、作業装置100の状態に基づき、動力源を電動機102に切り替えてもよい。例えば、
図2に示す作業機械106の高さが閾値より高いとき、動力源決定部160は、動力源をエンジン101から電動機102に切り替えてもよい。また、PTO回転数が閾値より小さいとき、例えば「ゼロ」であるとき、動力源決定部160は、動力源をエンジン101から電動機102に切り替えてもよい。また、動力源決定部160は、作業装置100の動力源に加えられる負荷に基づき、動力源をエンジン101から電動機102に切り替えてもよい。これにより、燃料の消費が低減される。
【0079】
動力源決定部160は、エンジン101を動力源として決定したとき、作業装置100の状態によらず、エンジン101を動力源としてもよい。この場合、動力源に加えられる負荷が急激に増大したときでも、作業装置100は、作業機械106の作業量、例えばロータリー耕耘機の爪の回転数の低下を抑制することができる。
【0080】
動力源決定部160は、電動機102を動力源として決定したとき、作業装置100の状態、例えばバッテリー104の出力電力によらず、電動機102を動力源としてもよい。これにより、燃料の消費が低減される場合がある。
【0081】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、領域記憶装置200の一部、または、すべての処理を作業装置100または端末300が実行してもよい。また、端末300の一部、または、すべての処理を作業装置100または領域記憶装置200が実行してもよい。また、作業装置100の一部の処理、例えば情報取得部150と、動力源決定部160とのいずれか一方、または両方を、領域記憶装置200または端末300が実行してもよい。例えば、情報取得部150が領域記憶装置200において実現されるとき、情報取得部150は、位置情報または/および状態情報を作業装置100から取得する。
【0082】
また、駆動制御プログラム400は、領域記憶プログラム420と領域設定プログラム430とを含んでもよい。また、駆動制御システム1000は、端末300を含まず、駆動制御システム1000に含まれない外部端末に経路情報と評価情報とを表示させてもよい。
【0083】
また、切替スイッチ110には、エンジン101または電動機102での駆動を指示する指示情報が入力できなくてもよい。また、切替スイッチ110には、作業装置100の状態に応じた動力源の切替を指示する指示情報が入力できなくてもよい。
【0084】
(付記)
各実施の形態で記載した駆動制御方法と、駆動制御システムと、駆動制御プログラムとは以下のように言うことができる。
【0085】
第1の態様に係る駆動制御方法は、
エンジンと電動機とを有し、圃場内を移動する作業装置の現在位置を取得することと、
前記現在位置に基づき、前記エンジンと前記電動機とのうち、前記作業装置が使用する動力源を決定することと、
を含む。
【0086】
第2の態様に係る駆動制御方法は、第1の態様に係る駆動制御方法であって、
前記作業装置が前記電動機を前記動力源として利用する電動領域を記憶することを含み、
前記動力源を決定することは、
前記現在位置が前記電動領域に含まれるとき、前記電動機を前記作業装置が優先して使用する前記動力源として決定すること
を含む。
【0087】
第3の態様に係る駆動制御方法は、第2の態様に係る駆動制御方法であって、
前記動力源を決定することは、
前記現在位置が前記電動領域に含まれ、かつ、前記電動機に入力される電力量が閾値以下のとき、前記エンジンを前記作業装置が使用する前記電力源として決定すること
を含む。
【0088】
第4の態様に係る駆動制御方法は、第2または第3の態様に係る駆動制御方法であって、
前記圃場において、前記圃場の輪郭線から予め決められた距離内の領域の少なくとも一部を前記電動領域として決定すること
を含む。
【0089】
第5の態様に係る駆動制御方法は、第2から第4の態様のいずれか1つに係る駆動制御方法であって、
前記作業装置が前記圃場において旋回して移動する領域を含むように前記電動領域を決定すること
を含む。
【0090】
第6の態様に係る駆動制御方法は、第1または第5の態様に係る駆動制御方法であって、
前記作業装置が前記エンジンを前記動力源として利用するエンジン領域を記憶することを含み、
前記動力源を決定することは、
前記現在位置が前記エンジン領域に含まれないとき、前記電動機を前記作業装置が優先して使用する前記動力源として決定すること
を含む。
【0091】
第7の態様に係る駆動制御方法は、第6の態様に係る駆動制御方法であって、
前記動力源を決定することは、
前記現在位置が前記エンジン領域に含まれるとき、前記作業装置の状態によらず、前記エンジンを前記作業装置が使用する前記動力源として決定すること
を含む。
【0092】
第8の態様に係る駆動制御方法は、第6または第7の態様に係る駆動制御方法であって、
前記圃場において、前記圃場の輪郭線から予め決められた距離以上離れた領域の少なくとも一部を前記エンジン領域として決定すること
を含む。
【0093】
第9の態様に係る駆動制御方法は、第6から第8の態様のいずれか1つに係る駆動制御方法であって、
前記作業装置が前記圃場において直線状に移動する領域を含むように前記エンジン領域を決定すること
を含む。
【0094】
第10の態様に係る駆動制御システムは、
エンジンと電動機とを有し、圃場内を移動する作業装置の現在位置を取得する情報取得部と、
前記現在位置に基づき、前記エンジンと前記電動機とのうち、前記作業装置が使用する動力源を決定する動力源決定部と、
を備える。
【0095】
第11の態様に係る駆動制御プログラムは、
エンジンと電動機とを有し、圃場内を移動する作業装置の現在位置を取得することと、
前記現在位置に基づき、前記エンジンと前記電動機とのうち、前記作業装置が使用する動力源を決定することと、
を演算装置に実行させる。
【符号の説明】
【0096】
1、2、3:記憶媒体
20 :ネットワーク
100 :作業装置
101 :エンジン
102 :電動機
103 :走行部
104 :バッテリー
105 :センサ
106 :作業機械
110 :切替スイッチ
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :情報取得部
160 :動力源決定部
200 :領域記憶装置
210 :入出力装置
220 :演算装置
230 :通信装置
240 :記憶装置
250 :データ記憶部
300 :端末
310 :入出力装置
320 :演算装置
330 :通信装置
340 :記憶装置
350 :領域設定部
400 :駆動制御プログラム
410 :圃場データ
420 :領域記憶プログラム
430 :領域設定プログラム
500 :圃場
510 :輪郭線
511 :輪郭線分
520 :電動領域
530 :エンジン領域
600 :経路
601 :直線経路
602 :旋回経路
1000 :駆動制御システム