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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162648
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】案内システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20231101BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073129
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉村 資巧
(72)【発明者】
【氏名】石原 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】ロン ディカールアントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー ファーマナー
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC16
2F129DD40
2F129EE02
2F129EE34
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE81
2F129EE90
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF60
2F129FF65
2F129FF80
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH24
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF38
5H181MB01
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって新鮮味のない施設が案内される可能性を低減するすることを目的とする。
【解決手段】施設の案内が行われる領域である案内領域におけるユーザへの案内対象となる施設である対象施設を取得する取得部と、前記ユーザが行っている連続するトリップである連続トリップにおいて前記ユーザが訪問済みの地域に由来するチェーン施設と異なる前記対象施設を案内する案内部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の案内が行われる領域である案内領域におけるユーザへの案内対象となる施設である対象施設を取得する取得部と、
前記ユーザが行っている連続するトリップである連続トリップにおいて前記ユーザが訪問済みの地域に由来するチェーン施設と異なる前記対象施設を案内する案内部と、
を備える案内システム。
【請求項2】
前記案内領域は、前記ユーザの現在地点の周囲の第1の領域と、前記ユーザの目的地点の周囲の第2の領域と、の少なくとも1つである請求項1に記載の案内システム。
【請求項3】
前記案内領域は、前記第1の領域を含み、
前記第1の領域における、前記ユーザの進行方向と前記ユーザの現在地点から見た前記目的地点の方向との少なくとも1つの方向の領域は、前記第1の領域における他の方向の領域よりも大きい請求項2に記載の案内システム。
【請求項4】
前記連続トリップとは、同日内に前記ユーザが行う複数のトリップ、又は、既定の期間閾値以下の間隔で前記ユーザが行う複数のトリップである請求項1乃至3の何れか1項に記載の案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに対してお薦めの施設(例えば、物品の販売店・飲食店等の店舗、観光施設、遊興施設等)を案内することが行われている。ユーザにおすすめの施設を案内する際に、ユーザにとって新鮮味のない施設を案内しないようにすることが要望される場合がある。特許文献1には、ユーザ由来領域に存在するチェーン店について、情報を提供しないようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-71190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザにとって新鮮味のない施設が案内されてしまう事態を更に低減する技術が要望されている。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、ユーザにとって新鮮味のない施設が案内される可能性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、案内システムは、施設の案内が行われる領域である案内領域におけるユーザへの案内対象となる施設である対象施設を取得する取得部と、前記ユーザが行っている連続するトリップである連続トリップにおいて前記ユーザが訪問済みの地域に由来するチェーン施設と異なる前記対象施設を案内する案内部と、を備える。
【0006】
すなわち、案内システムでは、ユーザが行っている連続トリップの途中で既に訪問した地域に由来するチェーン施設を案内しないようにする。ユーザは、実行中の連続トリップにおいて、訪問した地域を体験する。そしてユーザは、連続トリップの続きを続行する。訪問済みの地域において、ユーザは、この地域に由来するチェーン施設を確認したり、チェーン施設を利用したりすることで、この地域に由来するチェーン施設を把握する可能性がある。そのため、連続トリップ中で訪問済みの地域に由来するチェーン店は、ユーザにとって新鮮味のないものとなる可能性がある。そこで、案内システムは、連続トリップ中でユーザが既に訪問した地域に由来するチェーン施設を案内しないようにすることで、ユーザにとって新鮮味のない施設が案内される可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】案内システムの構成の一例を示す図である。
図2図2Aはコンテンツデータの一例を示す図であり、図2Bはチェーン施設データの一例を示す図であり、図2Cはユーザデータの一例を示す図である。
図3】表示される画面の一例を示す図である。
図4】案内処理の一例を示すフローチャートである。
図5】案内領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)案内システムの構成:
(2)案内処理:
(3)他の実施形態:
【0009】
(1)案内システムの構成:
図1は、本実施形態の案内システム10の構成を示す図である。本実施形態では、案内システム10は、クライアントとしてのナビゲーションシステム50のユーザに対して、施設(例えば、飲食店、販売店、遊興施設等)の案内を行う。本実施形態では、案内システム10は、施設として、飲食店の案内を行うとして説明するが、販売店等の他の施設を案内するとしてもよい。本実施形態では、案内システム10は、サーバコンピュータで構成されているとするが、パーソナルコンピュータ、タブレット装置等の他の装置で構成されるとしてもよい。
【0010】
案内システム10のクライアントであるナビゲーションシステム50は、複数存在しうるが、図1ではそのうちの1台を示している。本実施形態では、案内されるコンテンツは、ナビゲーションシステム50の目的地点等として設定可能な施設(POI(Point Of Interest))である。
【0011】
本実施形態では、案内システム10は、ナビゲーションシステム50と共に移動するユーザが行う連続するトリップの際に、施設の案内対象の領域におけるお薦めの施設を案内する。ここで、トリップとは、ナビゲーションシステム50を伴う移動の開始地点から、移動の終了地点(訪問先の地点)までの移動である。連続するトリップとは、ユーザによって連続して行われたとみなす複数のトリップであり、例えば、同日内にユーザが行う複数のトリップ、既定の期間閾値以下の間隔で行われる複数のトリップ等である。以下では、連続するトリップを連続トリップとする。本実施形態では、連続トリップは、同日内にユーザが行う複数のトリップである。連続トリップにおいて、あるトリップにおける終点は、次のトリップの開始始点となる。また、ユーザが行ったトリップの終点は、ユーザの訪問先となる。そのため、ユーザが行ったトリップの終点は、ユーザが訪問済みの地域となる。以下では、施設の案内対象となる領域を、案内領域とする。本実施形態では、案内領域は、ユーザの現在地点の周囲の領域であって、ユーザの現在地点を中心に既定の半径の領域と、ユーザの目的値の周囲の領域であって、ユーザの目的地点を中心に既定の半径の領域と、である。ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、第1の領域の一例である。ユーザの目的地点の周囲の案内領域は、第2の領域の一例である。
【0012】
案内システム10は、制御部20、記憶媒体30、通信部41を備えている。
制御部20は、プロセッサ、Random Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)等を備え、案内システム10を制御する。記憶媒体30は、施設データ30a、チェーン施設データ30b、ユーザデータ30c、ユーザ移動履歴データ30d等の各種データ、案内プログラム21等の各種プログラムを記憶する。
【0013】
施設データ30aは、案内対象の候補となる複数の施設それぞれの識別情報(施設ID)に、対応する施設に関する様々な情報が対応付けられたデータである。より具体的に、施設データ30aは、施設IDに対応付けられた、施設の名称、位置情報、住所、電話番号、施設の施設ジャンルの情報を含む。施設ジャンルとは、ジャンル分けした場合に施設が属するジャンルを示している。施設ジャンルは、階層構造になっていてもよい。なお、施設側が指定した施設のキーワードが予めコンテンツデータに含まれていてもよい。
【0014】
図2Aは、施設データ30aの一例を示している(位置、住所、電話番号等一部の項目の図示は省略している)。施設データ30aに含まれるレビューデータは、ユーザが施設について抱く感想等を示すデータであり、レビューを作成したユーザのユーザIDと対応付けたテキストデータとして保存されている。レビューデータは、ナビゲーションシステム50や、その他の各種情報端末からユーザIDと対応付けて案内システム10に向けて送信される。制御部20は、各施設のレビューデータから、この施設についてのキーワードを取得しておく。レビューデータにユーザ(レビュワ)が自らキーワードとして指定した単語(例えばハッシュタグ付きの単語等)が含まれる場合、制御部20は、この単語をキーワードとして取得する。また、施設の特徴を示す単語として予め決められた単語のうちのいずれかがレビューの文章内に含まれていた場合、制御部20はこの単語をキーワードとして取得する。なお、キーワードについては、表現が相違していても同様の意味を持つキーワードが予め分類されており(例えば、リーズナブル、低価格、安い等)、キーワードは分類毎に取得される。制御部20は、このようにして取得したキーワードを、施設IDに対応付けて施設データ30aに含ませることで記憶する。
【0015】
さらに、制御部20は、レビューデータを送信したユーザ数からレビューの総数をカウントし、施設IDに対応付けて、施設データ30aに含ませることで記憶する。なお、1ユーザが1施設に対して投稿できるレビューは1件であるとして説明を続ける。
【0016】
チェーン施設データ30bは、チェーン展開している施設(以下では、チェーン施設とする)を示すデータである。チェーン展開とは、同一ブランドで複数の施設(フランチャイズチェーン施設、レギュラーチェーン施設等)を運営・管理することである。図2Bに、チェーン施設データ30bの一例を示す。チェーン施設データ30bは、対応するブランドの識別情報(ブランドID)と、対応するブランドで運営・管理されている1つ以上のチェーン施設のID(施設ID)と、対応するブランドのチェーン施設が由来する地域(由来地域)と、が対応付けられた情報である。地域に由来するチェーン施設とは、この地域に根ざしたチェーン施設であり、例えば、この地域に主に分布しているチェーン施設、この地域に主要な施設(例えば、本店等の本部等)が存在するチェーン施設等である。ここで地域とは、区分された領域のことであり、例えば、区、市、町、村、県、州、省等の行政区画単位の場所等である。本実施形態では、各ブランドで運営・管理されているチェーン施設がどの地域に由来するかは、予め調査され、定められている。由来地域は、例えば、A県に由来するチェーン施設であることを示す「A県」、B県に由来するチェーン施設であることを示す「B県」、全国的にチェーン展開されているチェーン施設であることを示す「全国」等の値を項目値としてとりうる。本実施形態では、チェーン施設の本部が所在する地域に存在するチェーン施設の数が、この地域以外に存在するチェーン施設の数よりも多い場合、このチェーン施設は、この地域に由来するチェーン施設とする。また、チェーン施設の本部が所在する地域に存在するチェーン施設の数が、この地域以外に存在するチェーン施設の数以下の場合、このチェーン施設は、全国的にチェーン展開されているチェーン施設とする。例えば、あるブランドのチェーン施設の本部が「A県」に存在する場合、「A県」に存在するこのブランドのチェーン施設の数が50個であり、「A県」以外の地域に存在するこのブランドのチェーン施設の数が10個であるとする。この場合、本部のある「A県」に存在するチェーン施設の数の方が、他の地域に存在するチェーン施設の数よりも多いので、このブランドのチェーン施設は、「A県」に由来するチェーン施設となる。また、「由来地域」は、例えば、「A県」及び「B県」等のように複数の値を項目値としてとりうる。
【0017】
ユーザデータ30cは、ユーザIDに、ユーザに関する様々な情報が対応付けられたデータである。具体的に、ユーザデータは、ユーザの関心がある属性を示す関心属性と、ユーザの関心がある施設である関心施設と、ユーザが拠点とする地域である拠点地域と、を含む。関心属性は、ユーザ自身の関心がある(お気に入りの)施設ジャンルや、関心のあるキーワード等である。本実施形態において、関心属性は、ユーザの関心がある、施設ジャンルや、キーワードである。関心施設は、ユーザの関心がある個々の施設である。拠点地域は、ユーザが拠点とする地域であり、例えば、ユーザの住所が存在する地域、ユーザが頻繁に行く地域(例えば、職場、学校等がある地域)等である。本実施形態では、ユーザデータ30cは、予め記憶媒体に記憶されている。図2Cは、ユーザデータ30cの一例を示す図である。図2Cに示すように、ユーザデータ30cにおいては、ユーザ毎に、関心のある施設ジャンル、関心のあるキーワード、関心のある施設、拠点地域が記憶されている。
【0018】
ユーザ移動履歴データ30dは、ユーザが行ったトリップの履歴を示すデータである。制御部20は、ナビゲーションシステム50から、周期的にナビゲーションシステム50の位置情報を取得する。制御部20は、取得した位置情報が示す位置の時間的な推移から、ユーザが何時、どこからトリップを開始して、どのように移動し、何時、どこに到達することでトリップを終了したかを、ユーザのトリップの履歴として特定する。制御部20は、特定したトリップの履歴の情報をユーザ移動履歴データ30dとして記憶媒体30に記憶する。本実施形態では、処理開始前において行われたユーザのトリップについてのユーザ移動履歴データ30dは、予め制御部20により記憶媒体30に記憶されている。
【0019】
通信部41は、ナビゲーションシステム50等の外部の装置と通信を行う回路を備えている。制御部20は、通信部41を介して、ナビゲーションシステム50と通信を行うことが可能である。
【0020】
ナビゲーションシステム50は、目的地点までのナビゲーション機能を備えた装置である。ナビゲーションシステム50は、本実施形態では、車載装置で構成されているが、タブレットやスマートフォン等の可搬型の端末として構成されてもよい。本実施形態では、ユーザは、ナビゲーションシステム50が搭載された車両で移動を行う。本実施形態では、ナビゲーションシステム50は、ユーザから出発地点と目的地点との指定を受けつけて、出発地点から目的地点までのナビゲーションを行う。ナビゲーションシステム50は、通信部50aとGNSS受信部50bと制御部50cとユーザI/F部50dを備えている。制御部50cは、プロセッサ、RAM、ROM、記憶媒体を備え、ROMや記憶媒体に記録された様々なプログラムをプロセッサが実行可能である。
【0021】
通信部50aは、案内システム10等の他の装置と無線通信するための通信回路を含んでいる。制御部50cは、通信部50aにより、案内システム10と通信可能である。ユーザI/F部50dは、ユーザが指示を入力し、また、ユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部である。ユーザI/F部50dは、図示しないタッチパネル式のディスプレイやスイッチ、スピーカー等を備えている。すなわち、ユーザI/F部50dは、画像や音声の出力部およびユーザによる指示の入力部を備えている。
【0022】
GNSS受信部50bは、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置である。GNSS受信部50bは、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して、ナビゲーションシステム50の位置を算出するための信号を出力する。制御部50cは、この信号を取得してナビゲーションシステム50の位置を取得する。また、制御部50cは、図示しない計時部より時刻を取得する。制御部50cは、周期的に、GNSS受信部50bを介して自装置の位置を計測し、計測した位置と計測した時刻とを案内システム10に送信する。案内システム10の制御部20は、周期的に送信される位置と時刻とを取得し、取得した位置と時刻とに基づいて、ユーザの位置の時間的な推移を特定し、特定した推移からユーザが行ったトリップを特定し、特定したトリップの情報をユーザ移動履歴データ30dとして記憶する。
【0023】
なお、案内システム10の制御部20は、ナビゲーションシステム50から送信される位置と時刻とに基づいて、以下のようにして、ユーザの移動の開始(トリップの開始)、ユーザの移動の終了(トリップの終了)を特定する。すなわち、制御部20は、ナビゲーションシステム50が既定期間以上の間、既定範囲内に留まった後に、この範囲から外に出たことを検知した場合、ナビゲーションシステム50がこの範囲から外に出た時刻にトリップが開始したことを特定する。また、制御部20は、トリップの開始後に、ナビゲーションシステム50が既定期間以上の間、既定範囲内に留まったことを検知した場合、ナビゲーションシステム50が既定範囲内に既定期間以上留まった時刻にトリップが終了したことを特定する。ただし、制御部20は、他の方法でユーザによるトリップの開始、終了を検知してもよい。例えば、制御部20は、ナビゲーションシステム50においてユーザから出発地点と目的地点との指定がされている場合に、指定された出発地点からナビゲーションシステム50が移動した場合にトリップの開始を特定してもよいし、指定された目的地点にへのナビゲーションシステム50が到達した場合に、トリップの終了を特定してもよい。また、制御部20は、ナビゲーションシステム50が設置された車両のイグニッションがオンされた場合に、トリップの開始を検知してもよいし、ナビゲーションシステム50が設置された車両のイグニッションがオフされた場合に、トリップの終了を検知してもよい。また、制御部20は、ユーザが移動中の休憩等で一時的に停止する場合にトリップの終了を検知しないこととしてもよい。例えば、制御部20は、ナビゲーションシステム50が設置された車両のイグニッションがオフされた場合であっても、イグニッションがオフされてから、次に、オンされるまでの期間が、既定の期間閾値(例えば、10分等)以下であれば、トリップの終了を検知しないこととしてもよい。
【0024】
続いて、案内システム10の機能について説明する。
案内システム10の制御部20は、案内プログラム21を実行することで、取得部21aと、案内部21bと、して機能する。
【0025】
取得部21aは、案内領域におけるユーザへの案内対象となる施設を取得する機能である。以下では、ユーザへの案内対象となる施設を、対象施設とする。
制御部20は、取得部21aの機能により、ナビゲーションシステム50から施設の案内の要求を取得する。本実施形態では、ナビゲーションシステム50の制御部50cは、ユーザI/F部50dを介したユーザの操作に基づいて、施設の案内の要求とユーザの目的地点の情報とを案内システム10に送信する。
【0026】
制御部20は、ユーザデータ30cを参照し、施設の案内の要求の送信元のナビゲーションシステム50のユーザの関心属性を特定する。
制御部20は、ユーザデータ30cに基づいて、ユーザの関心属性と同一又は類似する関心属性を持つ他のユーザの関心施設を、案内対象の施設の候補として抽出する。すなわち、制御部20は、特定したユーザの関心属性と、同一の関心属性を持つ他のユーザを、ユーザデータ30cの各ユーザの関心属性を参照して抽出する。本実施形態では、関心属性には、施設ジャンルとキーワードが含まれる。施設ジャンルには、予め他の施設ジャンルとの類似度が定義されており、制御部20は、ユーザの関心がある施設ジャンルにとって類似度が高い順に既定種類の施設ジャンルを特定する。そして、制御部20は、特定した施設ジャンルを関心のある施設ジャンルとする他のユーザをユーザデータ30cの各ユーザの関心属性を参照して抽出する。また、制御部20は、ユーザの関心があるキーワードと同一のキーワードを関心属性として持つ他のユーザを、ユーザデータ30cの各ユーザの関心属性を参照して抽出する。キーワードについては、表現が相違していても同様の意味を持つキーワードが予め分類されており、制御部20は、ユーザの関心のあるキーワードが属する分類に属する他の表現のキーワードを関心属性として持つ他のユーザも抽出する。このような他のユーザは複数存在しうる。
【0027】
制御部20は、抽出した他のユーザの関心施設(関心のある施設)のうち、案内領域内に存在する施設を特定する。すなわち、制御部20は、ユーザの現在地点から既定の半径の領域内、及び、ユーザの目的地点から既定の半径の領域内に存在する施設を特定する。制御部20は、特定した施設を、対象施設として取得する。
【0028】
案内部21bは、ユーザが行っている連続トリップにおいてユーザが訪問済みの地域に由来するチェーン施設と異なる対象施設を案内する機能である。
制御部20は、案内部21bの機能により、取得部21aの機能によって取得された対象施設から、全国的にチェーン展開しているチェーン施設を除外する。より具体的には、制御部20は、対象施設に含まれる施設それぞれについて以下の処理を行う。すなわち、制御部20は、チェーン施設データ30bから、施設IDの項目値として、この施設の識別情報を含む行データを特定する。そして、制御部20は、特定した行データの由来地域の項目値が「全国」である場合、この施設を、対象施設から除外する。
【0029】
また、制御部20は、対象施設から、ユーザの拠点に由来するチェーン施設を除外する。より具体的には、制御部20は、ユーザデータ30cから、ユーザの拠点地域の項目値を特定することで、ユーザが拠点とする地域を取得する。
そして、制御部20は、対象施設に含まれる施設それぞれについて以下の処理を行う。すなわち、制御部20は、チェーン施設データ30bから、施設IDの項目値として、この施設の識別情報を含む行データを特定する。そして、制御部20は、特定した行データの由来地域の項目値が、「全国」でなく、取得した地域を含む地域である場合、この施設を、対象施設から除外する。例えば、ユーザの拠点とする地域が「A市」であり、特定した行データの由来地域の項目値が「A市」を含む「A県」である場合、制御部20は、対象施設からこの施設を除外する。
【0030】
また、制御部20は、ユーザ移動履歴データ30dから、ユーザの現在地点が存在する地域に、ユーザが来る頻度を特定する。より具体的には、制御部20は、ユーザ移動履歴データ30dから、既定の期間(例えば、現在時点(処理時点)直前の1ヶ月間等)に、ユーザの現在地点が存在する地域を終点とするトリップの回数をこの地域にユーザが来る頻度として求める。そして、制御部20は、求めた頻度が既定の閾値以上である場合、この地域にユーザが頻繁に訪れると判断する。制御部20は、この地域にユーザが頻繁に訪れると判断した場合、この地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外する。
【0031】
より具体的には、制御部20は、対象施設に含まれる施設それぞれについて以下の処理を行う。すなわち、制御部20は、チェーン施設データ30bから、施設IDの項目値として、この施設の識別情報を含む行データを特定する。そして、制御部20は、特定した行データの由来地域の項目値が、「全国」でなく、ユーザが頻繁に訪れると判断した地域を含む地域である場合、この施設を、対象施設から除外する。
【0032】
また、制御部20は、ユーザが行っている連続トリップにおいて、訪問済みの地域が存在し、かつ、訪問済みの地域がユーザの現在地点を含む地域でない場合、訪問済みの地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外する。より具体的には、制御部20は、ユーザ移動履歴データ30dから、現在時点と同日内に完了しているトリップを特定する。制御部20は、特定したトリップそれぞれについて以下の処理を行う。
【0033】
すなわち、制御部20は、ユーザ移動履歴データ30dから、特定したトリップにおける終点の地域を、ユーザが連続トリップにおいて訪問済みの地域として特定する。そして、制御部20は、対象施設に含まれる施設それぞれについて、以下の処理を行う。すなわち、制御部20は、チェーン施設データ30bから、施設IDの項目値として、この施設の識別情報を含む行データを特定する。そして、制御部20は、特定した行データの由来地域の項目値が、「全国」でなく、訪問済みの地域として特定した地域を含む地域であり、ユーザの現在地点を含む地域でない場合、この施設を、対象施設から除外する。例えば、ユーザが訪問済みの地域が「B県」であり、特定した行データの「由来地域」の項目値が「B県」である場合、制御部20は、対象施設からこの施設を除外する。
【0034】
制御部20は、以上の処理により、対象施設からユーザにとって新鮮味のない可能性がある施設を除外する。そして、制御部20は、以下のようにして、対象施設をユーザに案内する。すなわち、制御部20は、案内領域周辺の地図に、案内領域と、案内領域内の対象施設それぞれと、の情報を重畳した画像を生成する。そして、制御部20は、生成した画像をナビゲーションシステム50に送信し、ユーザI/F部50dに表示させる。図3に、ユーザI/F部50dに表示される画像の一例を示す。図3の領域R1は、ユーザの現在地点Cの周囲の案内領域である。また、領域R2は、ユーザの目的地点の周囲の案内領域である。図3の例では、制御部20は、案内領域内の対象施設を、星形のオブジェクトで示しており、対象施設の施設名を各星形オブジェクトの近傍に示している。これにより、ユーザに対象施設を案内できる。
【0035】
以上、本実施形態の構成により、案内システム10は、ユーザが行っている連続トリップの途中でユーザが訪問済みの地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外することで、訪問済みの地域に由来するチェーン施設と異なる施設を案内するようにする。ユーザは、実行中の連続トリップにおいて、訪問済み地域を体験し、この地位に由来するチェーン施設を確認したり、利用したりして把握する可能性がある。そのため、訪問済みの地域に由来するチェーン店は、ユーザにとって新鮮味のないものとなる可能性がある。そこで、案内システム10は、連続トリップ中でユーザが訪問済みの地域に由来するチェーン施設を案内しないようにすることで、ユーザにとって新鮮味のない施設が案内される可能性を低減することができる。
【0036】
また、本実施形態では、案内システム10は、ユーザが訪問済みの地域に由来するチェーン施設であっても、この地域がユーザの現在地点を含む地域である場合、この地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外しないようにする。ユーザは、訪問済みの地域であっても、その後に移動する際にこの地域にいる間は、この地域に特有の体験を行いたいと要望する場合がある。案内システム10は、ユーザが現在いる地域に由来するチェーン施設を案内対象から除外しないことで、ユーザが現在地点を含む地域特有の体験を得られる可能性を向上できる。
【0037】
また、本実施形態では、案内システム10は、全国的にチェーン展開しているチェーン施設を対象施設から除外することで、案内しないようにする。全国的にチェーン展開しているチェーン施設は、ユーザにとって新鮮味がない可能性が高い。そのため、制御部20は、全国的にチェーン展開している施設を案内対象から除外することで、ユーザにとって新鮮味のない施設が案内される事態を低減できる。
【0038】
また、本実施形態では、案内システム10は、ユーザが拠点とする地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外することで、案内しないようにする。ユーザが拠点とする地域に由来するチェーン施設は、ユーザにとって新鮮味がない可能性が高い。そのため、制御部20は、ユーザの拠点に由来するチェーン施設を案内対象から除外することで、ユーザにとって新鮮味のない施設が案内される事態を低減できる。
【0039】
また、本実施形態では、案内システム10は、ユーザが頻繁に訪れる地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外することで、案内しないようにする。ユーザが頻繁に訪れる地域に由来するチェーン施設は、ユーザにとって新鮮味がない可能性が高い。そのため、制御部20は、ユーザが頻繁に訪れる地域に由来するチェーン施設を案内対象から除外することで、ユーザにとって新鮮味のない施設が案内される事態を低減できる。
【0040】
また、本実施形態では、案内領域は、ユーザの現在地点の周囲の領域と、ユーザの目的地点の周囲の領域と、であるとした。案内システム10は、ユーザの現在地点の周囲の領域内の施設を案内することで、ユーザに対して周囲にどのような施設があるかを提示できる。また、案内システム10は、ユーザの目的地点の周囲の領域内の施設を案内することで、ユーザに対して目的地点の周囲にどのような施設があるかを提示できる。
【0041】
(2)案内処理:
図4を用いて、案内システム10が実行する案内処理を説明する。
案内システム10の制御部20は、ナビゲーションシステム50から施設の案内の要求を受信した場合、図4の処理を開始し、ナビゲーションシステム50から処理の終了指示があるまで、周期的に図4の処理を繰り返す。
【0042】
ステップS100において、制御部20は、取得部21aの機能により、ユーザデータ30cを参照し、施設の案内の要求の送信元のナビゲーションシステム50のユーザの関心属性を特定する。制御部20は、ユーザデータ30cに基づいて、ユーザの関心属性と同一又は類似する関心属性を持つ他のユーザの関心施設を、案内対象の施設の候補として抽出する。すなわち、制御部20は、特定したユーザの関心属性と、同一の関心属性を持つ他のユーザを、ユーザデータ30cの各ユーザの関心属性を参照して抽出する。また、制御部20は、ユーザの関心があるキーワードと同一のキーワードを関心属性として持つ他のユーザを、ユーザデータ30cの各ユーザの関心属性を参照して抽出する。
【0043】
制御部20は、抽出した他のユーザの関心施設のうち、案内領域内に存在する施設を特定する。より具体的には、制御部20は、ユーザの現在地点から既定の半径の領域内、及び、ユーザの目的地点から既定の半径の領域内に存在する施設を、対象施設として特定する。制御部20は、特定した施設を、対象施設として取得する。制御部20は、ステップS100の処理の完了後に、処理をステップS105に進める。
【0044】
ステップS105において、制御部20は、案内部21bの機能により、対象施設から、全国的にチェーン展開しているチェーン施設を除外する。より具体的には、制御部20は、対応する由来地域の項目値が、「全国」である施設を、対象施設から除外する。制御部20は、ステップS105の処理の完了後に、処理をステップS110に進める。
【0045】
ステップS110において、制御部20は、案内部21bの機能により、対象施設から、ユーザの拠点に由来するチェーン施設を除外する。より具体的には、制御部20は、対応する由来地域の項目値が、ユーザの拠点地域を含む地域である施設を、対象施設から除外する。制御部20は、ステップS110の処理の完了後に、処理をステップS115に進める。
【0046】
ステップS115において、制御部20は、案内部21bの機能により、ユーザ移動履歴データ30dから、既定の期間(例えば、現在時点(処理時点)直前の1ヶ月間等)に、ユーザの現在地点が存在する地域を終点とするトリップの回数をこの地域にユーザが来る頻度として求める。そして、制御部20は、求めた頻度が既定の閾値以上であるか否かを判定する。制御部20は、求めた頻度が既定の閾値以上であると判定した場合、処理をステップS120に進め、求めた頻度が既定の閾値未満であると判定した場合、処理をステップS125に進める。
【0047】
ステップS120において、制御部20は、案内部21bの機能により、ステップS115でユーザが頻繁に訪れると判断された地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外する。より具体的には、制御部20は、対応する由来地域の項目値が、ユーザが頻繁に訪れると判断された地域を含む地域である施設を、対象施設から除外する。制御部20は、ステップS120の処理の完了後に、処理をステップS125に進める。
【0048】
ステップS125において、制御部20は、案内部21bの機能により、ユーザが行っている連続トリップにおいて訪問済みの地域が存在するか否かを判定する。より具体的には、制御部20は、ユーザ移動履歴データ30dに、ユーザが行っている連続トリップにおいて完了しているトリップ(本実施形態では、現在時点と同日内に完了しているトリップ)の情報が存在する場合、訪問済みの地域が存在すると判定する。また、制御部20は、ユーザ移動履歴データ30dに、ユーザが行っている連続トリップにおいて完了しているトリップ(本実施形態では、現在時点と同日内に完了しているトリップ)の情報が存在しない場合、訪問済みの地域が存在しないと判定する。制御部20は、ユーザが行っている連続トリップにおいて訪問済みの地域が存在すると判定した場合、処理をステップS130に進める。また、制御部20は、ユーザが行っている連続トリップにおいて訪問済みの地域が存在しないと判定した場合、処理をステップS145に進める。
【0049】
ステップS130において、制御部20は、案内部21bの機能により、ユーザ移動履歴データ30dから、ユーザが行っている連続トリップにおいて完了しているトリップの情報を取得する。そして、制御部20は、取得した完了したトリップの情報から、完了したトリップそれぞれの終点(連続トリップにおけるユーザの訪問済みの地域)を特定する。制御部20は、特定した地域の中に、ユーザの現在地点を含む地域が存在するか否かを判定する。制御部20は、特定した地域の中に、ユーザの現在地点を含む地域が存在すると判定した場合、処理をステップS140に進める。また、制御部20は、特定した地域の中に、ユーザの現在地点を含む地域が存在しない場合、処理をステップS135に進める。
【0050】
ステップS135において、制御部20は、案内部21bの機能により、ステップS130で特定された連続トリップにおけるユーザの訪問済みの地域それぞれに由来するチェーン施設を対象施設から除外する。より具体的には、制御部20は、対象施設のうち、対応する由来地域の項目値が、訪問済みの地域を含む地域である施設を、対象施設から除外する。制御部20は、ステップS135の処理の完了後に、処理をステップS145に進める。
【0051】
ステップS140において、制御部20は、案内部21bの機能により、ステップS130で特定された連続トリップにおけるユーザの訪問済みの地域のうちユーザの現在地点を含む地域以外の地域それぞれに由来するチェーン施設を対象施設から除外する。より具体的には、制御部20は、対象施設のうち、対応する由来地域の項目値が、訪問済みの地域を含む地域である施設を、対象施設から除外する。制御部20は、ステップS135の処理の完了後に、処理をステップS145に進める。
【0052】
例えば、ユーザが連続トリップとして、A県からB県へのトリップ(第1トリップ)とB県からC件へのトリップ(第2トリップ)とを行うとする。ユーザが第2トリップを行っている場合、第1トリップは完了している。そのため、第1トリップの終点であるB県は、連続トリップにおけるユーザが訪問済みの地域となる。ユーザが第2トリップにおいてB県内で移動中の場合、訪問済みの地域であるB県とユーザの現在地点を含むB県とが同じである。そのため、制御部20は、ステップS130で、連続トリップにおけるユーザの訪問済みの地域(B県)に、ユーザの現在地点を含む地域(B県)が存在するため、処理をステップS140に進め、対象施設からB県に由来するチェーン施設について除外しない。また、ユーザが第2トリップにおいてB県を越えて移動中の場合、訪問済みの地域であるB県とユーザの現在地を含む地域とが異なる。そのため、制御部20は、ステップS130で、連続トリップにおけるユーザの訪問済みの地域(B県)に、ユーザの現在地点を含む地域が存在しないため、処理をステップS135に進め、対象施設からB県に由来するチェーン施設について除外する。
【0053】
ステップS145において、制御部20は、案内部21bの機能により、案内領域周辺の地図に、案内領域と、案内領域内の対象施設それぞれと、の情報を重畳した画像を生成する。そして、制御部20は、生成した画像をナビゲーションシステム50に送信し、ユーザI/F部50dに表示させる。
【0054】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、案内システム10は複数の装置(サーバ、クライアント等)で構成されていてもよい。また、案内システム10の各機能が、ナビゲーションシステム50に実装されることとしてもよい。すなわち、ナビゲーションシステム50が案内システム10として機能してもよい。上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。例えば、制御部20は、ステップS105と、ステップS110と、ステップS115~ステップS120と、ステップS125~ステップS140と、の処理の順番を変動させてもよい。
【0055】
上述の実施形態では、案内領域は、ユーザの現在地点の周囲の領域と、ユーザの目的地点の周囲の領域と、であるとした。ただし、案内領域は、ユーザの現在地点の周囲の領域と、ユーザの目的地点の周囲の領域と、の何れか1つであってもよい。
【0056】
また、上述の実施形態では、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの現在地点を中心に既定の半径の領域であるとした。ただし、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、異なる領域であってもよい。例えば、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの現在地点を含む矩形状の領域であってもよい。
【0057】
また、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの進行方向と、ユーザの現在地点から見た目的地点の方向と、の少なくとも1つの方向の領域が、他の方向の領域よりも大きい形状の領域であってもよい。
例えば、図5Aに示すように、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの進行方向に存在する半円状の領域と、この領域よりも小さい、ユーザの進行方向と逆方向に存在する半円状の領域と、を組み合わせた領域でもよい。図5Aにおいて、ユーザの現在地点の周囲の案内領域におけるユーザの進行方向の領域は、ユーザの現在地点を中心にした既定の半径の半円状の領域である。また、図5Aにおいて、ユーザの現在地点の周囲の案内領域におけるユーザの進行方向と逆方向の領域は、ユーザの現在地点を中心にした既定の半径であって、ユーザの進行方向の領域の半径よりも小さい半径の半円状の領域である。このような場合、制御部20は、ナビゲーションシステム50の位置の時間的な推移からユーザの進行方向を特定し、特定した進行方向の領域が他の方向の領域よりも大きい案内領域を、ユーザの現在地点の周囲に設定する。
【0058】
また、例えば、図5Bに示すように、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの現在地点から見た目的地点の方向に存在する半円状の領域と、この領域よりも小さい、この方向と逆方向に存在する半円状の領域と、を組み合わせた領域でもよい。図5Bにおいて、ユーザの現在地点の周囲の案内領域における目的地点の方向の領域は、ユーザの現在地点を中心にした既定の半径の半円状の領域である。また、図5Bにおいて、ユーザの現在地点の周囲の案内領域における目的地点と逆方向の領域は、ユーザの現在地点を中心にした既定の半径であって、ユーザの進行方向の領域の半径よりも小さい半径の半円状の領域である。
【0059】
また、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの進行方向に存在する領域と、この領域よりも小さい、ユーザの進行方向と逆方向に存在する領域と、目的地点の方向に存在する領域と、この領域よりも小さい、目的地点と逆方向に存在する領域と、を組み合わせた領域であってもよい。例えば、図5Cに示すように、案内領域は、図5Aに示す領域と、図5Bに示す領域と、を重ね合わせた領域であってもよい。
【0060】
また、例えば、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの進行方向に存在する矩形状の領域と、この領域よりも小さい、この方向と逆方向に存在する矩形状の領域と、を組み合わせた領域でもよい。また、例えば、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの現在地点から見た目的地点の方向に存在する矩形状の領域と、この領域よりも小さい、この方向と逆方向に存在する矩形状の領域と、を組み合わせた領域でもよい。また、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、ユーザの進行方向に存在する矩形状の領域と、この領域よりも小さい、この方向と逆方向に存在する矩形状の領域と、ユーザの現在地点から見た目的地点の方向に存在する矩形状の領域と、この領域よりも小さい、この方向と逆方向に存在する矩形状の領域と、を組み合わせた領域であってもよい。
【0061】
ユーザは目的地点に向かって進行しているため、進行方向の逆方向、目的地点と逆方向に存在する施設は、ユーザにとっては行きにくい施設となる。制御部20は、案内領域として、ユーザの進行方向と、ユーザの現在地点から見た目的地点の方向と、の少なくとも1つの方向の領域が、他の方向の領域よりも大きい形状の領域を用いることで、以下のようにすることができる。すなわち、制御部20は、ユーザにとって行きやすい施設よりも、ユーザにとって行きにくい施設が多く案内される可能性を低減できる。
【0062】
また、上述の実施形態では、ユーザの目的地点の周囲の案内領域は、ユーザの目的地点を中心に既定の半径の領域であるとした。ただし、ユーザの現在地点の周囲の案内領域は、異なる領域であってもよい。例えば、ユーザの目的地点の周囲の案内領域は、ユーザの目的地点を含む矩形状の領域であってもよい。
【0063】
また、上述の実施形態では、連続トリップは、同日内にユーザにより行われる複数のトリップであるとした。ただし、連続トリップは、異なるトリップであってもよい。例えば、連続トリップは、既定の期間閾値以下の間隔でユーザが行う複数のトリップであってもよい。この場合、制御部20は、ユーザ移動履歴データ30dから、ユーザが現在行っているトリップを含む、既定の期間閾値以下の間隔(トリップの開始時刻と直前のトリップの終了時刻との差分)で行われている複数のトリップを、連続トリップとして特定してもよい。そして、制御部20は、特定した連続トリップのうち、完了しているトリップの終点の地域を、連続トリップにおいてユーザが訪問済みの地域として特定してもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、各ブランドで運営・管理されているチェーン施設が由来する地域の情報は、記憶媒体30にチェーン施設データ30bに含まれる形で記憶媒体30に予め記憶されているとした。ただし、各ブランドで運営・管理されているチェーン施設が由来する地域の情報は、予め記憶媒体30に記憶されていないとしてもよい。例えば、制御部20は、各ブランドで運営・管理されているチェーン施設それぞれについて、本部の所在地域に存在するチェーン施設の数が、他の地域に存在するチェーン施設の数よりも多いか否かに基づいて、チェーン施設が本店の所在する地域に由来するか、全国的にチェーン展開されているかを決定してもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、チェーン施設の本部が所在する地域に存在するチェーン施設の数が、この地域以外に存在するチェーン施設の数よりも多い場合、このチェーン施設は、この地域に由来するチェーン施設とするとした。また、チェーン施設の本部が所在する地域に存在するチェーン施設の数が、この地域以外に存在するチェーン施設の数以下の場合、このチェーン施設は、全国的にチェーン展開されているチェーン施設とするとした。ある地域に由来するチェーン施設、全国的にチェーン展開されているチェーン施設は、それぞれ他の条件を満たす施設としてもよい。例えば、各ブランドで運営・管理されているチェーン施設が由来する地域は、チェーン施設の総数のうち、既定の閾値以上の割合のチェーン施設が集中している地域であってもよい。その場合、制御部20は、各ブランドで運営・管理されているチェーン施設が由来する地域を、例えば、同一のブランドで運営・管理されているチェーン施設の分布に基づいて、導出してもよい。例えば、制御部20は、同一のブランドで運営・管理されているチェーン施設の位置に基づいて、チェーン施設の分布を特定してもよい。そして、制御部20は、特定した分布から、既定の閾値(例えば、1つ、2つ、3つ等)以下の個数の地域に、既定の閾値(例えば、80%、90%等)以上の割合の施設が集中している場合、このブランドのチェーン施設が由来する地域を、この既定の閾値以下の個数の地域としてもよい。また、制御部20は、同一のブランドで運営・管理されているチェーン施設の主要な施設(例えば、本店等)が所在する地域を、このブランドで運営・管理されているチェーン施設が由来する地域としてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では、制御部20は、施設の案内要求の送信元のナビゲーションシステム50のユーザと同一又は類似の関心属性を持つ他のユーザの関心施設であって、案内領域に存在する施設を、対象施設として取得するとした。ただし、制御部20は、他の方法で、対象施設を取得してもよい。例えば、制御部20は、既定の種類のジャンル(例えば、「飲食店」、「イタリアン」、「フレンチ」、「食料販売店」、「衣服販売店」等)の施設であって、案内領域内に存在する施設を、対象施設として取得してもよい。また、制御部20は、ナビゲーションシステム50から、案内対象の施設のジャンル(例えば、「飲食店」、「イタリアン」、「フレンチ」、「食料販売店」、「衣服販売店」等)の指定を受け付けてもよい。そして、制御部20は、受け付けた指定が示すジャンルの施設であって、案内領域内に存在する施設を、対象施設として取得してもよい。
【0067】
また、上述の実施形態では、制御部20は、ユーザが頻繁に訪れる地域にユーザの現在地点が含まれると判断した場合、この地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外するとした。制御部20は、ユーザの現在地点を含む地域と異なるユーザが頻繁に訪れる地域についても、この地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外してもよい。例えば、制御部20は、ユーザ移動履歴データ30dから、既定の期間(例えば、現在時点直前の1か月間等)において、ユーザが既定の回数以上訪れた地域であって、ユーザの拠点地域と異なる地域を特定してもよい。そして、制御部20は、特定した地域に由来するチェーン施設を、対象施設から除外してもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、制御部20は、ユーザが行っている連続トリップにおいて訪問済みの地域であっても、現在地点を含む地域に由来するチェーン施設については、対象施設から除外しないとした。ただし、制御部20は、ユーザが行っている連続トリップにおいて訪問済みの地域が現在地点を含む地域である場合でも、この地域に由来するチェーン施設を対象施設から除外してもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、制御部20は、対象施設から、ユーザが行っている連続トリップで訪問済みの地域に由来するチェーン施設に加えて、全国的にチェーン展開しているチェーン施設、ユーザの拠点地域に由来するチェーン施設、ユーザが頻繁に行く地域に由来するチェーン施設についても除外するとした。ただし、制御部20は、対象施設から、少なくとも、ユーザが行っている連続トリップで訪問済みの地域に由来するチェーン施設を除外すれば、他のチェーン施設については、除外しないこととしてもよいし、一部を除外することとしてもよい。また、制御部20は、対象施設から、他の施設についても除外してもよい。例えば、制御部20は、現在時点直前の既定の期間(例えば、1か月等)にユーザが訪れた施設について、対象施設から除外してもよい。
【0070】
さらに、本発明の手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記憶媒体としても発明は成立する。むろん、そのプログラムの記憶媒体は、磁気記憶媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記憶媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0071】
10…案内システム、20…制御部、21…案内プログラム、21a…取得部、21b…案内部、30…記憶媒体、30a…施設データ、30b…チェーン施設データ、30c…ユーザデータ、30d…ユーザ移動履歴データ、41…通信部、50…ナビゲーションシステム、50a…通信部、50b…GNSS受信部、50c…制御部、50d…ユーザI/F部
図1
図2
図3
図4
図5