(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162658
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】塗布具付キャップ及び塗布容器
(51)【国際特許分類】
B65D 51/32 20060101AFI20231101BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B65D51/32 100
A45D34/04 515A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073146
(22)【出願日】2022-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】宮入 圭介
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084AB09
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084EA02
3E084EB02
3E084EC04
3E084EC05
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HB08
3E084HC03
3E084HD01
3E084HD04
3E084LB02
3E084LD30
3E084LG01
(57)【要約】
【課題】使い勝手に優れる塗布具付キャップ、及び塗布容器を提案する。
【解決手段】塗布具付キャップ12は、キャップ本体部に保持され、キャップ本体部を容器11に装着した際に口部の内側を延伸する軸部6と、軸部6の先端に設けられ内容液を塗布先に塗布する塗布具7とを備え、軸部6は、塗布具7を保持する保持部6bと、一端部が保持部6bに屈曲可能に連結して他端部がキャップ本体部に対して進退移動不能に保持される固定部6cと、固定部6cに対向し、一端部が保持部6bに屈曲可能に連結して他端部がキャップ本体部に対して進退移動可能に保持されるスライド部6dと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液を収容する容器の口部に装着されるキャップ本体部と、
前記キャップ本体部に保持され、前記キャップ本体部を前記容器に装着した際に前記口部の内側を延伸する軸部と、
前記軸部の先端に設けられ内容液を塗布先に塗布する塗布具と、を備える塗布具付キャップにおいて、
前記軸部は、
前記塗布具を保持する保持部と、
一端部が前記保持部に屈曲可能に連結して他端部が前記キャップ本体部に対して進退移動不能に保持される固定部と、
前記固定部に対向し、一端部が前記保持部に屈曲可能に連結して他端部が前記キャップ本体部に対して進退移動可能に保持されるスライド部と、を備える塗布具付キャップ。
【請求項2】
前記軸部は、前記スライド部の外周面から突出し、前記キャップ本体部を前記容器に対して着脱する際に前記口部に係合して該スライド部の他端部を前記キャップ本体部に対して進退移動させる突起部を有する請求項1に記載の塗布具付キャップ。
【請求項3】
前記キャップ本体部は、本体部側係合部を有し、
前記スライド部は、
前記スライド部が前記キャップ本体部に対して後退した際に前記本体部側係合部に係合して前記軸部を伸張状態で維持する軸部側第一係合部と、
前記スライド部が前記キャップ本体部に対して前進した際に前記本体部側係合部に係合して前記軸部を屈曲状態で維持する軸部側第二係合部と、を有する請求項1に記載の塗布具付キャップ。
【請求項4】
前記軸部は合成樹脂製であって、
成形時における前記固定部は、前記保持部に対して直交する向きに延伸した状態にあり、
成形時における前記スライド部は、前記固定部とは逆側に向かって延伸した状態にある、請求項1に記載の塗布具付キャップ。
【請求項5】
前記容器と、請求項1~4の何れか一項に記載の塗布具付キャップと、を備える塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容液を塗布するための塗布具を備える塗布具付キャップ、及び塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
リップグロスやマニキュア、マスカラ、アイライナー等の内容液を収容する容器に装着され、軸部の先端にブラシ状や筆状になる塗布具を備えた塗布具付キャップ、及び塗布具付キャップと容器で構成された塗布容器が既知である(例えば特許文献1参照)。このような塗布具付キャップは、容器に装着することによって塗布具に内容液を付着させることができるため、塗布具付キャップを取り外して内容液をすぐに塗布することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで特許文献1に示されているように、従来の塗布具付キャップにおいて、塗布具は軸部と同方向に延在している。そして鏡を見ながらマスカラやアイライナー等で化粧を行うにあたり、利き手(例えば右手)でキャップ部分を持って右目の睫毛や瞼に塗布具を当てる場合、右手は顔の外側付近に位置することになる。すなわちこの状態ではキャップ部分を持つ手で視界が遮られることが無い一方、左目の睫毛や瞼の化粧を行う場合は、キャップ部分を持つ右手が視界を遮ることがある。このため、視界を遮らないようにキャップ部分の持ち方を変えたり、利き手とは逆の手でキャップ部分を持ったりしなければならず、使い勝手の点で難がある。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決することを課題とするものであって、使い勝手に優れる塗布具付キャップ、及び塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内容液を収容する容器の口部に装着されるキャップ本体部と、
前記キャップ本体部に保持され、前記キャップ本体部を前記容器に装着した際に前記口部の内側を延伸する軸部と、
前記軸部の先端に設けられ内容液を塗布先に塗布する塗布具と、を備える塗布具付キャップにおいて、
前記軸部は、
前記塗布具を保持する保持部と、
一端部が前記保持部に屈曲可能に連結して他端部が前記キャップ本体部に対して進退移動不能に保持される固定部と、
前記固定部に対向し、一端部が前記保持部に屈曲可能に連結して他端部が前記キャップ本体部に対して進退移動可能に保持されるスライド部と、を備える塗布具付キャップである。
【0007】
前記軸部は、前記スライド部の外周面から突出し、前記キャップ本体部を前記容器に対して着脱する際に前記口部に係合して該スライド部の他端部を前記キャップ本体部に対して進退移動させる突起部を有することが好ましい。
【0008】
前記キャップ本体部は、本体部側係合部を有し、
前記スライド部は、
前記スライド部が前記キャップ本体部に対して後退した際に前記本体部側係合部に係合して前記軸部を伸張状態で維持する軸部側第一係合部と、
前記スライド部が前記キャップ本体部に対して前進した際に前記本体部側係合部に係合して前記軸部を屈曲状態で維持する軸部側第二係合部と、を有することが好ましい。
【0009】
前記軸部は合成樹脂製であって、
成形時における前記固定部は、前記保持部に対して直交する向きに延伸した状態にあり、
成形時における前記スライド部は、前記固定部とは逆側に向かって延伸した状態にあることが好ましい。
【0010】
また本発明は、前記容器と、前記塗布具付キャップとを備える塗布容器でもある。
【発明の効果】
【0011】
本発明の塗布具付キャップ、及び塗布容器によれば、キャップ本体部に対して進退移動不能に保持される固定部に対し、スライド部はキャップ本体部に対して進退移動させることができるため、固定部及びスライド部に対して保持部を屈曲させることができる。すなわち、本発明の塗布具付キャップ、及び塗布容器は、先端に塗布具を備える軸部を途中で屈曲させた状態にすることが可能であり、例えば鏡を見ながらマスカラ等で化粧を行う際に、キャップ本体部を持つ手は利き手のままで視界を遮ること無く化粧を行うことができるため、使い勝手に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る塗布容器の一実施形態を示す側面視での断面図である。
【
図2】
図1に示した軸部の成形時における状態を示した図である。
【
図3】容器から塗布具付キャップを取り外す途中の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明に係る塗布容器の一実施形態(塗布容器10)について説明する。なお便宜上、
図1に示すように塗布容器10を正立姿勢にした状態の向きで説明する。また図示した軸線Oは、以下で説明する容器本体の中心軸線である。そして上下方向とは、軸線Oに沿う方向であり、径方向とは、軸線Oに対して垂直な面内で軸線Oと直交する方向であり、周方向とは、この面内で軸線Oを中心として周回する方向である。
【0014】
本実施形態の塗布容器10は、容器本体1としごき部材2を備えていて、これらによって容器11を構成している。また塗布容器10は、外筒3、ホルダー4、シール部材5、軸部材6、及び塗布具7を備えていて、これらによって塗布具付キャップ12を構成している。容器11と塗布具付キャップ12を構成する各部材は、何れも
図1に示すように軸線Oを中心とする形状で形作られている。また各部材を形成するための素材に特に限定はないが、以下で材質について記載したものを除いて基本的に合成樹脂により形成されている。なお、外筒3、ホルダー4、及びシール部材5は、本明細書等における「キャップ本体部」に相当し、軸部材6は、本明細書等における「軸部」に相当する。
【0015】
容器本体1は、有底筒状をなすように形作られている。具体的には、円板状をなす底部1aと、底部1aの縁部から上方に向けて延在する円筒状の胴部1bと、胴部1bの上端から径方向内側に向けて延在する肩部1cと、肩部1cの内縁部から上方に向けて延在する円筒状の口頸部1dと、口頸部1dの外周面に設けられた雄ねじ部1eとを備えるものである。また底部1a、胴部1b、肩部1c、及び口頸部1dの内側には、空間(収容空間)Sが区画されていて、この収容空間Sには、例えばマスカラ、アイライナー等の内容液が収容される。
【0016】
しごき部材2は、例えばゴムやエラストマー、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の比較的軟質の部材によって形成されていて、弾性変形させることが可能である。本実施形態のしごき部材2は、口頸部1dの内側に挿入される円筒状の筒状部2aと、筒状部2aの上部外周面から径方向外側に向けて延在して口頸部1dの上端に接する外向きフランジ部2bと、筒状部2aの下部外周面から径方向内側に向けて延在するしごき部2cが設けられている。
【0017】
なお、本明細書等における「容器の口部」は、本実施形態では口頸部1dとしごき部材2の組み合わせに相当する。
【0018】
外筒3は、円筒状をなしていて口頸部1dを取り囲む周壁3aを備えている。周壁3aの下部内周面には、雌ねじ部3bが設けられている。また周壁3aにおける雌ねじ部3bの上方には、径方向内側に向かって延在する内向きフランジ部3cが設けられている。
【0019】
ホルダー4は、周壁3aの上方に位置する円板状の天壁4aを備えている。天壁4aの下面には、中空状になる内周壁4bが設けられている。内周壁4bは、周壁3aに挿入された際に周壁3aに嵌合して、回転不能に保持される。また内周壁4bの内周面には、径方向内側に向かって突出する係合部(本体部側係合部4c)が設けられている。
【0020】
シール部材5は、例えばゴムやエラストマー、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の比較的軟質の部材によって形成されていて、弾性変形させることが可能である。シール部材5は、内向きフランジ部3cと内周壁4bで抜け止めされるリング状の上壁部5aを備えている。上壁部5aの内縁部には、下方に向けて延在する円筒状の筒壁部5bが設けられている。
【0021】
軸部材6は、塗布具付キャップ12として組み立てられた際に、
図1に示す形態となるものである。軸部材6は、下方から上方に向けて延在する嵌合穴6aが中心部に設けられた円柱状の保持部6bを備えている。また軸部材6は、横断面形状が半円状であって、下端部が保持部6bの上面に一体的に連結する長尺状の固定部6cと、横断面形状が半円状であって固定部6cに対向するように設けられ、下端部が保持部6bの上面に一体的に連結する長尺状のスライド部6dとを備えている。固定部6cとスライド部6dの下端部はともに薄肉状であって、保持部6bに対して固定部6cとスライド部6dは、屈曲可能である。なお、軸部材6における固定部6cとスライド部6dが対向した状態でのこれらの外径は、しごき部2cの内径よりも若干大きくなっていて、
図1に示すように容器11に塗布具付キャップ12を装着した状態において、しごき部2cの内縁部は固定部6cとスライド部6dの外周面に接触している。
【0022】
図1に示すように軸部材6は、塗布具付キャップ12として組み立てた際、シール部材5とホルダー4に挿通される。軸部材6をシール部材5に挿通させた際、筒壁部5bの内周面(より詳細にはその内周面における上端部と下端部)は、固定部6cとスライド部6dの外周面に接触していて、固定部6cやスライド部6dの外周面に付着した内容液がホルダー4の内側に浸入するのを防止している。
【0023】
固定部6cの上端部は、固定部6cの上下方向中間部よりも大径であって、
図1に示すように組み立てた際、固定部6cの上端部はホルダー4に嵌合保持される。すなわち固定部6cの上端部は、ホルダー4に対して軸線Oに沿う向きに進退移動不能に保持される。一方、スライド部6dの上端部は薄肉状であり、径方向内側に向けて弾性変形可能であって、ホルダー4に対して軸線Oに沿う向きに進退移動可能である。そしてスライド部6dの上端部における外周面には、凹状をなしていてシール部材5の上壁部5a寄りに位置する(下側に位置する)軸部側第一係合部6eと、凹状をなしていてホルダー4の天壁4a寄りに位置する(上側に位置する)軸部側第二係合部6fが設けられている。
図1に示す状態において、本体部側係合部4cは軸部側第一係合部6eに係合している。
【0024】
またスライド部6dの下部における外周面には、径方向外側に向けて突出する突起部6gが設けられている。なお突起部6gは、しごき部2cの内縁部よりも径方向外側に位置している。
【0025】
本実施形態の軸部材6は、成形時には
図2に示した形態になる。すなわち成形時における固定部6cは、保持部6bに対して直交する向きに延伸した状態にあり、成形時におけるスライド部6dは、固定部6cとは逆側に向かって延伸した状態にある。成形時の形態を
図2のようにすることにより、軸部材6を成形するための金型は、
図2において下側に位置する部分(円形状になる保持部6bの外周面や半円状になる固定部6c及びスライド部6dの外周面等を形作る部分)と、
図2において上側に位置する部分(塗布具付キャップ12として組み立てた際に対向する固定部6cとスライド部6dの平面状の部位等を形作る部分)との2分割構造になるため、金型構造が簡単になるという点で利点がある。なお、固定部6cが保持部6bに対して直交する向きに延伸した状態とは、図示したように固定部6cと保持部6bのなす角度が直角になる場合に限定されず、保持部6bに対して固定部6cが傾く場合も含む。
【0026】
塗布具7は、円柱状をなしていて嵌合穴6aに挿入されて軸部材6に嵌合保持される嵌合軸7aと、嵌合軸7aの周囲に設けられた塗布部7bとを備えている。塗布部7bは、用途に応じて種々の形態が採用可能であって、例えばブラシ状、櫛状、筆状などでもよい。また塗布部7bの素材も種々のものが採用可能である。
【0027】
このような構成になる塗布容器10は、
図1に示すように雄ねじ部1eと雌ねじ部3bを螺合させることによって、容器11に塗布具付キャップ12を装着することができる。この状態において、外向きフランジ部2bは、口頸部1dの上面と内向きフランジ部3cの下面で挟持されるため、収容空間Sへの外気の侵入、及び収容空間Sに収容した内容液の揮発を防止することができる。
【0028】
収容空間Sに収容した内容液を塗布具7で塗布するにあたっては、
図1に示す状態から外筒3を回転させて雄ねじ部1eと雌ねじ部3bとの螺合を解除し、そのまま外筒3を引き上げる。上述したように、容器11に塗布具付キャップ12を装着した状態において、しごき部2cの内縁部は固定部6cとスライド部6dの外周面に接触しているため、外筒3を引き上げることにより、固定部6cとスライド部6dの外周面に付着した内容液をしごき部2cで掻き落とすことができる。
【0029】
そして外筒3の引き上げを継続していくと、
図3に示すように突起部6gがしごき部2cに引っ掛かるため、スライド部6dには下方に向かう力が作用する。ここでスライド部6dの上端部は、上述したように径方向内側に向けて弾性変形可能である。すなわち
図1に示す状態において、本体部側係合部4cが軸部側第一係合部6eに係合していたスライド部6dの上端部は、
図3に示すように径方向内側に向けて弾性変形するため、スライド部6dは、ホルダー4に対して下方に移動する。その結果、固定部6cの下端部とスライド部6dの下端部は屈曲していくため、図示したように軸部材6は、固定部6cとスライド部6dが延在する向きに対して保持部6bが折れ曲がるように変形していく。
【0030】
更に外筒3の引き上げを継続すると、接触する突起部6gによってしごき部2cが弾性変形し、
図4に示すように突起部6gがしごき部2cを乗り越えるため、容器11から塗布具付キャップ12を取り外すことができる。またスライド部6dが下方に移動していくと、本体部側係合部4cが軸部側第二係合部6fに係合するため、保持部6bは、固定部6cとスライド部6dが延在する向きに対して屈曲した状態で維持される。
【0031】
このように本実施形態の塗布具付キャップ12は、先端に塗布具7を備える軸部材6を途中で屈曲させた状態にすることができるため、例えば右手で外筒3を持って左目の睫毛や瞼の化粧を行う場合、外筒3を持つ右手によって視界が遮られる不具合が生じにくくなる。
【0032】
ところで内容液を塗布する部位によっては、軸部材6を伸張状態のままにした方が作業が行いやすいことがある。この場合は、一旦取り外した塗布具付キャップ12を、
図5に示すように塗布具7からしごき部材2に挿入する。そして、塗布具付キャップ12を下方に移動させて突起部6gがしごき部2cに引っ掛かると、スライド部6dには上方に向かう力が作用する。これにより、スライド部6dの上端部が径方向内側に向けて弾性変形し、本体部側係合部4cと軸部側第二係合部6fとの係合が解除されるため、スライド部6dは、ホルダー4に対して上方に移動する。その結果、図示したように軸部材6を伸張状態にすることができる。なお、この状態で本体部側係合部4cは軸部側第一係合部6eに係合していて、軸部材6を伸張状態で維持することができる。
【0033】
このように本実施形態の塗布具付キャップ12によれば、軸部材6を屈曲状態にすることも伸張状態にすることもできるため、特許文献1の如き塗布具が軸部と同方向に延在していた従来の塗布具付キャップに比して使い勝手に優れる。
【0034】
なお使用後に塗布具付キャップ12を容器11に装着するにあたっては、塗布具7からしごき部材2に挿入し、そのまま塗布具付キャップ12を下方に向けて移動させると、接触する突起部6gによってしごき部2cが弾性変形し、突起部6gはしごき部2cを乗り越える。その後は外筒3を回転させて雄ねじ部1eと雌ねじ部3bとを螺合させることにより、
図1に示すように容器11に塗布具付キャップ12を装着することができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0036】
例えば上述した突起部6gは、スライド部6dを進退移動させるものとして有効であるが、例えば突起部6gを省略してスライド部6dを指等で直接進退移動させるようにしてもよい。また本体部側係合部4c、軸部側第一係合部6e、及び軸部側第二係合部6fは、軸部材6を屈曲状態で維持したり伸張状態で維持したりするのに有効であるが、このような状態を維持する必要が無い場合、本体部側係合部4c等は省略してもよい。
【0037】
また本実施形態は、本体部側係合部4cは突起状であって、軸部側第一係合部6eと軸部側第二係合部6fは凹状であったが、本体部側係合部4cを凹状にして軸部側第一係合部6eと軸部側第二係合部6fを突起状にしてもよい。
【0038】
また、軸部側第一係合部6eや軸部側第二係合部6fに相当するものを上下方向に間隔をあけて更に追加し、本体部側係合部4cと係合する部位を増やすことによって、軸部材6の屈曲角度を変更できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1:容器本体
1a:底部
1b:胴部
1c:肩部
1d:口頸部(口部)
1e:雄ねじ部
2:しごき部材(口部)
2a:筒状部
2b:外向きフランジ部
2c:しごき部
3:外筒
3a:周壁
3b:雌ねじ部
3c:内向きフランジ部
4:ホルダー
4a:天壁
4b:内周壁
4c:本体部側係合部
5:シール部材
5a:上壁部
5b:筒壁部
6:軸部材(軸部)
6a:嵌合穴
6b:保持部
6c:固定部
6d:スライド部
6e:軸部側第一係合部
6f:軸部側第二係合部
6g:突起部
7:塗布具
7a:嵌合軸
7b:塗布部
10:塗布容器
11:容器
12:塗布具付キャップ
O:軸線
S:収容空間