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特開2023-16266画像センサシステムおよびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016266
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】画像センサシステムおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230126BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20230126BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021120474
(22)【出願日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】峯邑 隆司
(72)【発明者】
【氏名】榎原 孝明
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】メンテナンス作業を効率的かつ的確に行えるように支援することが可能な画像センサシステムおよびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 実施形態のコンピュータプログラムは、滞在者位置検出部とメンテナンス情報作成部を備える。滞在者位置検出部は、メンテナンス作業の対象空間を撮影した撮像データに基づいて、対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する。メンテナンス情報作成部は、滞在者位置検出部が検出した滞在者の位置に基づいて、メンテナンスが必要な位置を示すメンテナンス情報を作成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
メンテナンス作業の対象空間を撮影した撮像データに基づいて、前記対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する滞在者位置検出部と、
前記滞在者位置検出部が検出した滞在者の位置に基づいて、メンテナンスが必要な位置を示すメンテナンス情報を作成するメンテナンス情報作成部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記メンテナンス情報作成部は、前記滞在者位置検出部が検出した滞在者の位置に基づいて、メンテナンスが必要な位置を示すメンテナンス情報を作成するものであって、前記メンテナンス情報は、前記対象空間内のメンテナンスが必要な位置を示したマップである、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
メンテナンス作業の対象空間を撮影した撮像データに基づいて、前記対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する滞在者位置検出部と、
前記対象空間を撮影した撮像データに基づいて、メンテナンス作業を行う作業者が前記対象空間内に滞在した位置を検出する作業者位置検出部と、
前記滞在者位置検出部が検出した位置と、前記作業者位置検出部が検出した位置とを、前記対象空間内を示すマップ上に示した進捗画像を生成する進捗情報生成部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
メンテナンス作業の対象空間を撮影した撮像データに基づいて、前記対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する滞在者位置検出部と、
前記対象空間を撮影した撮像データに基づいて、メンテナンス作業を行う作業者が前記対象空間内に滞在した位置を検出する作業者位置検出部と、
前記滞在者位置検出部が検出した位置と、前記作業者位置検出部が検出した位置に基づいて、メンテナンス作業の進捗を判定する進捗判定部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項5】
さらに、前記滞在者位置検出部が検出した滞在者の位置に基づいて、メンテナンスが必要な位置を示すメンテナンス情報を作成するメンテナンス情報作成部を備え、前記メンテナンス情報は、前記対象空間内のメンテナンスが必要な位置を示したマップである、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
さらに、前記作業者位置検出部が検出した作業者の位置に基づいて、メンテナンスが行われた位置を示すメンテナンス実施情報を作成するメンテナンス実施情報作成部を備え、前記メンテナンス実施情報は、前記対象空間内のメンテナンスが行われた位置を示したマップである、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記マップは、検出頻度に応じた度合いを濃淡もしくは色彩の少なくとも一方により視覚的に示す、
請求項2,3または5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記作業者位置検出部は、前記対象空間を撮影した撮像データに基づく画像を色分解し、特定の紫外線波長に基づいて、メンテナンス作業を行う作業者が前記対象空間内に滞在した位置を検出する、
請求項3乃至6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
さらに、前記マップのデータを、前記マップを視覚的に表示可能な複数の外部機器に送信する送信部と
して機能させるための請求項2,3,5または6に記載のプログラム。
【請求項10】
メンテナンス作業の対象空間を撮影して撮像データを得る画像センサと、
前記撮像データに基づいて、前記対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する滞在者位置検出部と、
前記滞在者位置検出部が検出した滞在者の位置に基づいて、メンテナンスが必要な位置を示すメンテナンス情報を作成するメンテナンス情報作成部と、
を備える画像センサシステム。
【請求項11】
メンテナンス作業の対象空間を撮影して撮像データを得る画像センサと、
前記撮像データに基づいて、前記対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する滞在者位置検出部と、
前記撮像データに基づいて、メンテナンス作業を行う作業者が前記対象空間内に滞在した位置を検出する作業者位置検出部と、
前記滞在者位置検出部が検出した位置と、前記作業者位置検出部が検出した位置とを、前記対象空間内を示すマップ上に示した進捗画像を生成する進捗情報生成部と、
を備える画像センサシステム。
【請求項12】
メンテナンス作業の対象空間を撮影して撮像データを得る画像センサと、
前記撮像データに基づいて、前記対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する滞在者位置検出部と、
前記撮像データに基づいて、メンテナンス作業を行う作業者が前記対象空間内に滞在した位置を検出する作業者位置検出部と、
前記滞在者位置検出部が検出した位置と、前記作業者位置検出部が検出した位置に基づいて、メンテナンス作業の進捗を判定する進捗判定部と、
を備える画像センサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、画像センサシステムおよびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、ビル・施設などにおける人々の活動は、それらの維持管理上、清掃や消毒、クリーニング、各種整備など種々のメンテナンス作業を発生させる。例えば、人から什器、機器に付着した菌やウイルスは一定の期間、活性を保っているため、人が直接手で触れる距離、飛沫の届く距離にある物品に対して、清掃や消毒をきちんと行うことが公衆衛生上必要とされる。また利用者は、清掃や消毒をきちんとしているのかという心理的な不安があり、清掃や消毒についての強い要望がある。
【0003】
このため、清掃や消毒などのメンテナンス作業は、一般に、ビル・施設などの単位で全体として効率化されたルーチンが組まれており、仮に誰も使っていない機器や利用されていない空間であっても、確実にメンテナンス作業を行うためにメンテナンスの対象とされる。
【0004】
一方、近年、人が集まり混雑することを避けるため、在宅勤務や時間差出勤が推奨されている。その結果、出社して勤務する人数が実質的に減り、また出社時間帯が分散するなどの状況になっている。このため、ビル・施設内の一部の什器や機器については、前回行われたメンテナンス作業から、誰も利用をしていないまま、次のメンテナンス作業を迎えるなど、不必要なメンテナンス作業の割合が増えている。
【0005】
このように、什器や機器に付着した菌やウイルスの清掃や消毒が強く求められる一方で、不必要なメンテナンス作業が増える傾向にあるという課題が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許6222703号公報
【特許文献2】特許6156665号公報
【特許文献3】特許6481400号公報
【特許文献4】国際公開第2020/105241号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、メンテナンス作業を効率的かつ的確に行えるように支援することが可能な画像センサシステムおよびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータを、滞在者位置検出部とメンテナンス情報作成部として機能させる。滞在者位置検出部は、メンテナンス作業の対象空間を撮影した撮像データに基づいて、対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する。メンテナンス情報作成部は、滞在者位置検出部が検出した滞在者の位置に基づいて、メンテナンスが必要な位置を示すメンテナンス情報を作成する。
【0009】
また実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータを、滞在者位置検出部、作業者位置検出部、進捗情報生成部として機能させる。滞在者位置検出部は、メンテナンス作業の対象空間を撮影した撮像データに基づいて、対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する。作業者位置検出部は、対象空間を撮影した撮像データに基づいて、メンテナンス作業を行う作業者が対象空間内に滞在した位置を検出する。進捗情報生成部は、滞在者位置検出部が検出した位置と、作業者位置検出部が検出した位置とを、対象空間内を示すマップ上に示した進捗画像を生成する。
【0010】
また実施形態のコンピュータプログラムは、コンピュータを、滞在者位置検出部、作業者位置検出部、進捗判定部として機能させる。滞在者位置検出部は、メンテナンス作業の対象空間を撮影した撮像データに基づいて、対象空間内に滞在した滞在者の位置を検出する。作業者位置検出部は、対象空間を撮影した撮像データに基づいて、メンテナンス作業を行う作業者が対象空間内に滞在した位置を検出する。進捗判定部は、滞在者位置検出部が検出した位置と、作業者位置検出部が検出した位置に基づいて、メンテナンス作業の進捗を判定する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明に係わる画像センサシステムの構成例を示す図。
図2図1に示した画像センサが設置される場所のレイアウト図。
図3図1に示した画像センサが設置される場所の透視図。
図4図1に示した画像センサの動作を説明するためのフローチャート。
図5図1に示したメンテナンス支援サーバの動作を説明するためのフローチャート。
図6図1に示した画像センサによる撮像画像の例。
図7図6に例示した撮像画像に基づくヒートマップの一例の画像。
図8図7に例示したヒートマップに基づくメンテナンスマップ作成過程を例示した図。
図9図7に例示したヒートマップに基づくメンテナンスマップ作成過程を例示した図。
図10図7に例示したヒートマップに基づくメンテナンスマップ作成過程を例示した図。
図11図1に示したメンテナンス支援サーバの動作を説明するためのフローチャート。
図12】メンテナンス実施マップ作成過程を例示した図。
図13】作業者やマネージャの間で行われる情報共有のイメージを示した図。
図14】紫外線照射器による照射前の波長の強度分布を示す図。
図15】紫外線照射器による照射時の波長の強度分布を示す図。
図16】紫外線照射器による照射前の3色の波長の強度分布を示す図。
図17】紫外線照射器による照射時の3色の波長の強度分布を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係わる画像センサシステムおよびコンピュータプログラムを含む情報処理システムの構成を示すものである。なお、以下の説明では、上記画像センサシステムおよびコンピュータプログラムを、メンテナンスの対象として、オフィスに適用した場合を例に挙げて説明する。
【0013】
(構成)
この画像センサシステムは、図1に示すように、画像センサ10a~10d、通信部11a~11d、中継器20、メンテナンス支援サーバ30を備える。またメンテナンス支援サーバ30は、操作部32と表示部33を備え、ネットワークNWを通じて、外部サーバSVと通信したり、ネットワークNWに収容されるアクセスポイントAPを通じて、携帯情報機器100a、バーチャルグラス100b、HMD(Head Mounted Display)100cと通信する。
【0014】
画像センサ10a~10dは、デジタルカメラを内蔵した画像処理装置であって、メンテナンスの対象となる空間(この例では、オフィス)の天井などに設けられ、天井から空間(オフィス)内を撮影する。撮影のためのレンズとしては、広角レンズや魚眼レンズが用いられ、天井からオフィス内を広範囲で撮影する。
【0015】
なお、上記デジタルカメラは、複数枚のレンズやこれらのレンズ間の距離を可変するズーム機構などを備えた光学系と、例えばCMOS(Complementary MOS)などのイメージセンサを備えた撮像部と、撮像部によって得られた撮像信号から所定の形式(例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group))の撮像データを生成する信号処理部とを備える。
【0016】
また、得られた撮像データには、撮影した日時や場所(カメラの識別情報)、撮影条件(シャッター速度や絞り値、画角など)を示す付加情報(例えば、Exif(Exchangeable image file format)データ)が付加されて記録される。
【0017】
また、画像センサ10a~10dは、デジタルカメラの撮影により得た撮像データに対して画像処理を行って、オフィス内に滞在する人物などを検知し、その位置や滞在時間などを検出する検出機能を備える。滞在する人物などの検知は、複数の画像間の差分を取るなどの周知技術を適用することによって検知できる。
【0018】
図2に、メンテナンスの対象となるオフィスを天井から見たレイアウト図を例示する。このオフィスは、一般的なものであって、ロッカー、執務机、椅子などの什器が整然と並べられており、これらの什器によって、人が通る通路などが形成されている。図2において、10は、画像センサ10a~10dを設置する天井の位置を示している。
【0019】
図3に、メンテナンス対象となるオフィスを斜め上方から見た場合の透視図を例示する。この例では、オフィスは、室内Rを4つの空間、すなわち執務エリアAa~Adに分けたものであって、各執務エリアAa~Adの天井に、画像センサ10a~10dが1つずつ設けた場合を例示している。
【0020】
画像センサ10a~10dは、オフィス内の各エリアの天井から各エリアを上方から撮影し、人物などの存在を画像分析により検知する。なお、図3に示すオフィスでは、図2と同様に様々な什器7が点在しているとともに、通路エリアAeが存在する。
【0021】
なお、画像センサ10a~10dは、プロセッサとメモリを備え、メモリが記憶するOSやアプリケーションソフトウェアをプロセッサが実行することにより、上述した撮像、画像処理、人物検出などの種々の機能を実現する。人物検出の機能については、後述するメンテナンス支援サーバ30が撮像データに基づいて行うようにしてもよい。
【0022】
通信部11aは、イーサネット(登録商標)などを通じて通信を行うネットワーク通信機器であって、画像センサ10aの検出結果や撮像データを中継器20に送信する。同様に、通信部11b~11dは、それぞれ対応する画像センサ10b~10dの検出結果や撮像データを中継器20に送信する。
【0023】
中継器20は、例えば、ハブなどの集線装置であって、通信部11a~11dからそれぞれ送られるデータをメンテナンス支援サーバ30に伝送する中継装置である。
【0024】
メンテナンス支援サーバ30は、当該システムが提供するサービスの中枢をなすものであって、画像センサ10a~10dが撮影した撮像データや検出結果に基づいて、検出、分析、データの生成などを行って、オフィス内でメンテナンス作業を行う作業者に支援情報を提供する。
【0025】
また、メンテナンス支援サーバ30は、具体的な構成として、画像センサ通信部31a、ネットワーク通信部31b、操作部32、表示部33、撮像データ記憶部34、施設情報記憶部35、マップ情報記憶部36、制御部300を備える。
【0026】
画像センサ通信部31aは、中継器20を通じて、通信部11a~11dとそれぞれ通信する通信インタフェースであって、例えば、画像センサ10a~10dを遠隔で制御するための指示を送信したり、画像センサ10a~10dが撮影した撮像データや検出結果を受信する。
【0027】
ネットワーク通信部31bは、ネットワークNWを通じて外部サーバSVと通信したり、あるいは、ネットワークNWおよびアクセスポイントAPを通じて携帯情報機器100a、バーチャルグラス100b、HMD100cと通信する。
【0028】
なお、ネットワークNWは、インターネットなどの公衆網であってもよいし、ある組織内や建物内で運用されるプライベートネットワーク(VPNを含む)であってもよく、あるいはこれらのネットワークの組み合わせであってもよい。
【0029】
またアクセスポイントAPと、携帯情報機器100a、バーチャルグラス100b、HMD100cとの間の無線通信は、無線LANやローカル5G(第5世代移動通信システム)などの高速通信が考えられる。
【0030】
携帯情報機器100aは、スマートフォンやタブレット型端末、ラップトップ型のパーソナルコンピュータなど、無線通信機能を備えた情報処理装置であって、メンテナンス支援サーバ30から送られる情報を視覚的に表示することができる。
【0031】
バーチャルグラス100bやHMD100cは、メンテナンスを行う作業者やその管理者が身につけるウェアラブル端末であり、無線通信機能を備えた情報処理装置であって、メンテナンス支援サーバ30から送られる情報を表示して、装着者に情報を視覚的に提供することができる。
【0032】
操作部32は、キーボードやマウスなどの入力デバイスであって、オペレータが初期設定の情報入力を行ったり、あるいは、システムの運用状況に応じた個別の指示などを入力するものである。
【0033】
表示部33は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを用いた表示装置であって、画像センサ10a~10dが撮影した撮像データに基づく画像、この画像に基づく検出結果や分析結果、作成した種々のマップなどを表示することができる。
【0034】
撮像データ記憶部34、施設情報記憶部35、マップ情報記憶部36は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などのフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)などの記録デバイスがデータの特性に合わせて、適宜、組み合わせて設けられる。1つの記憶デバイスを用いて、記憶ディレクトリを分割して構成するようにしてもよい。
【0035】
撮像データ記憶部34は、画像センサ10a~10dが撮影した撮像データや検出結果を記憶する。
施設情報記憶部35は、メンテナンスの対象となる施設の情報を記憶する。例えば、画像センサ10a~10dの配置や、画像センサ10a~10dの間で撮影範囲が重なる部分などの情報を記憶する。
マップ情報記憶部36は、後述する制御部300によって生成される種々のマップを記憶する。
【0036】
制御部300は、当該メンテナンス支援サーバ30の各部を統括して制御するものであって、プロセッサとメモリを備え、メモリが記憶するOSやアプリケーションソフトウェアをプロセッサが実行することにより、種々の機能を実現する。具体的な機能としては、マップ生成部300a、メンテナンス監視部300b、マップ情報提供部300c、通信制御部300dを備える。
【0037】
マップ生成部300aは、画像センサ10a~10dが撮影した撮像データや検出結果に基づいて、ヒートマップ、メンテナンスマップ、メンテナンス実施マップなどを生成する。すなわち、マップ生成部300aは、滞在者位置検出部およびメンテナンス情報作成部の一例である。
【0038】
ヒートマップは、メンテナンスの対象となる空間(オフィス)内をおおよそ水平面でマップ化した情報であって、オフィスの利用者が滞在した位置をその滞在した時間の長さに応じた色彩や濃淡で視覚的に示したマップである。すなわち、ヒートマップは、メンテナンスの対象となる空間をマップ化し、マップ上の位置毎に、滞在者の滞在時間の長さ(例えば、検出頻度)に応じた度合いを視覚的に色彩や濃淡で示したものである。
【0039】
メンテナンスマップは、上記ヒートマップと同様に、メンテナンスの対象となる空間(オフィス)内をおおよそ水平面でマップ化した情報であって、上記ヒートマップに基づいて、メンテナンスが必要な位置を示したマップである。すなわち、メンテナンスマップは、メンテナンス情報の一例である。
【0040】
メンテナンス実施マップは、上記メンテナンスマップと同様に、メンテナンスの対象となる空間(オフィス)内をおおよそ水平面でマップ化した情報であって、上記メンテナンスマップで示される位置のうち、メンテナンスが実施された位置を示すマップである。すなわち、メンテナンス実施マップは、メンテナンス実施情報の一例である。
【0041】
メンテナンス監視部300bは、画像センサ10a~10dが撮影した撮像データや検出結果に基づいて、メンテナンスマップで示される位置のうち、メンテナンスが施された位置をメンテナンス実施マップに反映させる処理を行う。すなわち、メンテナンス監視部300bは、作業者位置検出部、進捗情報生成部、進捗判定部およびメンテナンス実施情報作成部の一例である。
【0042】
マップ情報提供部300cは、マップ生成部300aやメンテナンス監視部300bで生成されたマップの情報を、携帯情報機器100a、バーチャルグラス100b、HMD100cで表示可能なデータに変換して提供する処理を行う。
【0043】
通信制御部300dは、画像センサ通信部31aやネットワーク通信部31bを制御して、外部の機器と通信を行うための制御を実施する。
【0044】
(動作)
次に、上記構成の画像センサシステムの動作について説明する。
はじめに、図4を参照して、画像センサ10a~10dの動作について説明する。画像センサ10a~10dは互いに同じ構成であって、それぞれが設置される場所で同様の動作を行うことより、以下の説明では、「画像センサ10」と表記して説明する。
【0045】
すなわち、以下の説明において、画像センサ10とは、画像センサ10a~10dのいずれであってもよい。同様に、通信部11a~11dも通信部11として説明する。すなわち、通信部11は、画像センサ10に対応付けられて接続された通信部11a~11dのいずれかである。
【0046】
まず、ステップS401において画像センサ10のプロセッサは、メモリから初期設定のデータを読み出し、ステップS402に移行する。以下、上記プロセッサは、初期設定のデータにしたがって動作する。初期設定では、撮像の周期などが設定される。つまり、撮影を例えば、1秒間隔で行うか、10秒間隔で行うかなどが設定される。
【0047】
ステップS402においてプロセッサは、デジタルカメラを制御して、対象エリア(オフィス)内を撮像し、撮像データを得て、ステップS403に移行する。
【0048】
ステップS403においてプロセッサは、ステップS402で得た撮像データの画像を解析し、撮影範囲のオフィス内(画像内)に、滞在者(オフィス利用者)がいるか否かを判定する。すなわち、ここでは、滞在者の検出を行う。滞在者の検出は、例えば、複数の画像間の差分を取るなどの画像の変化を検知したり、パターン認識などの周知技術を適用することによって検知できる。滞在者が存在する場合には、ステップS404に移行し、一方、滞在者が存在しない場合には、ステップS405に移行する。
【0049】
ステップS404においてプロセッサは、滞在者を検出した撮像データを通信部11に出力し、ステップS405に移行する。これにより通信部11は、画像センサ10から出力された撮像データをメンテナンス支援サーバ30に宛てて送信する。
【0050】
ステップS405においてプロセッサは、ステップS402で実施した撮像から所定の時間が経過したか否か、すなわち、次の撮像タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、次の撮像タイミングが到来した場合には、ステップS402に移行し、一方、まだ撮像タイミングが到来していない場合には、再びステップS405に移行して撮像タイミングの到来を待機する。
【0051】
次に、メンテナンス支援サーバ30の動作について説明する。メンテナンス支援サーバ30の動作には、マップデータを作成するマップ作成処理と、メンテナンスの作業を集計するメンテナンス集計処理がある。
図5は、メンテナンス支援サーバ30のマップ作成処理を説明するためのフローチャートである。
【0052】
まず、ステップS501において制御部300は、通信制御部300dが画像センサ通信部31aを制御して、画像センサ10から送信された撮像データを受信し、ステップS502に移行する。受信された撮像データは、撮像データ記憶部34に記憶される。
【0053】
ステップS502において制御部300は、現在の時刻と撮像データ記憶部34に記憶された撮像データに含まれる時刻情報に基づいて、予め設定された時間帯(例えば、オフィスの利用時間(午前8時~午後8時)など)についての撮像データの収集が完了したか否かを判定する。ここで、撮像データの収集が完了した場合には、ステップS503に移行し、一方、完了していない場合には、ステップS501に移行して、収集を継続する。
【0054】
ステップS503において制御部300は、予め設定された初期設定情報(あるいは、操作部32を通じた指示)に基づいて、ヒートマップを作成するか否かを判断する。ここで、ヒートマップを作成しない場合には、ステップS504に移行し、一方、ヒートマップを作成する場合には、ステップS505に移行する。
【0055】
ステップS504において制御部300は、マップ生成部300aが予め設定された簡易設定情報に基づいて、簡易版のメンテナンスマップを作成し、ステップS507に移行する。簡易設定情報には、予めメンテナンスをすべき位置(例えば、使用頻度の高い共用の什器が設置される位置)やメンテナンスが不要な位置などを示す情報が含まれており、この情報に基づいて、メンテナンスをすべき位置(メンテナンスが必要な位置)を示すメンテナンスマップを作成する。
【0056】
なお、ここでは、メンテナンスマップを作成する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、メンテナンスをすべき位置をテキストでリスト化して記載した情報を作成し、その情報内で、位置毎に使用頻度などを示す数値や、使用頻度をレベル(高、中、低)で示し、この情報を提供して作業者に通知するようにしてもよい。
【0057】
ステップS505において制御部300は、マップ生成部300aが撮像データ記憶部34に記憶された撮像データに基づいて、ヒートマップを作成し、ステップS506に移行する。すなわち、マップ生成部300aは、オフィスを撮影した撮像データに基づいて、オフィスの利用者の位置を検出する。
【0058】
ここで、ヒートマップの作成例について説明する。
撮像データが、例えば図6(a)に示すようなものであった場合を例に挙げて説明する。この撮像データは、図6(b)に示すようなレイアウトの室内を天井から魚眼レンズで撮影した場合のものである。
【0059】
まず、マップ生成部300aは、撮像データ記憶部34に記憶された、予め設定された時間帯に撮影された撮像データに基づいて、その映像からオフィス利用者を検出し、その存在する位置を検出する。さらに、マップ生成部300aは、検出した位置に基づいて、位置毎に検出頻度(滞在時間)を求め、この頻度をマップ上に表現したヒートマップのデータを生成する。
【0060】
図7は、ヒートマップの一例であって、この例では、所定のブロックサイズの位置毎に、検出頻度に合わせて、頻度の高い位置を濃く、頻度の低い位置を薄く、検出がない部分を透明で(原画像のままに)示したものである。なお、検出の頻度を示す場合に、濃淡ではなく、色彩で示すようにしてもよい。図7の例では、ヒートマップは、オフィス内を疑似的な水平面でマップ化している。
【0061】
また位置の検出や頻度の集計は、画像センサ10で行い、その検出結果をマップ生成部300aが用いてヒートマップを作成するようにしてもよい。
【0062】
ステップS506において制御部300は、マップ生成部300aが、ステップS505で作成したヒートマップに基づいて、メンテナンスをすべき位置(メンテナンスが必要な位置)を示すメンテナンスマップを作成し、ステップS507に移行する。すなわち、マップ生成部300aが、オフィス利用者の検出位置に基づいて、メンテナンスが必要な位置を検出する。
【0063】
ここで、メンテナンスマップの作成例について説明する。
マップ生成部300aは、例えば、図7に示すような撮像データの場合、図8に示すように、ヒートマップの領域を格子状に分割し、格子を構成する各マス目に座標を割り当てる。
【0064】
そして、マップ生成部300aは、ステップS505で作成したヒートマップで示される検出頻度に基づいて、図9に示すように、検出頻度が所定値以上の位置を、メンテナンスが必要な位置(以下、要メンテナンス位置と称する)として検出し、図10に示すように、要メンテナンス位置をマップ上に表現したメンテナンスマップのデータを生成する。この例でメンテナンスマップは、オフィス内を疑似的な水平面でマップ化している。
【0065】
またこの例のメンテナンスマップでは、検出頻度が所定値以上の位置と、この位置に隣接する位置の両方を、要メンテナンス位置としてもよい。これにより、検出頻度が所定値以上の位置とそれに隣接する位置が、メンテナンスと必要とする位置として、メンテナンスマップで示されることになる。
【0066】
ステップS507において制御部300は、マップ生成部300aが、ステップS504あるいはステップS506で作成したメンテナンスマップに基づいて、メンテナンスが実施された位置を集計(記録)するためのメンテナンス実施マップを作成し、当該処理を終了する。
【0067】
次に、メンテナンス支援サーバ30のメンテナンス集計処理について説明する。
図11は、メンテナンス支援サーバ30のメンテナンス集計処理を説明するためのフローチャートである。
【0068】
まず、ステップS1101において制御部300は、メンテナンス監視部300bが現在時刻を検出し、予め設定されたメンテナンスを開始する時刻が到来したか否かを判定する。
【0069】
ここで、メンテナンスの開始時刻が到来した場合には、ステップS1102に移行し、一方、開始時刻が到来していない場合には、継続してステップS1101にて開始時刻の到来を監視する。
【0070】
ステップS1102において制御部300は、通信制御部300dが画像センサ通信部31aを制御して、画像センサ10から出力された撮像データの受信を開始し、ステップS1103に移行する。以後、受信された撮像データは、順次、撮像データ記憶部34に記憶される。
【0071】
ステップS1103において制御部300は、メンテナンス監視部300bが撮像データを解析し、この解析結果からメンテナンス作業が開始されたか否かを判定する。メンテナンス作業の開始の判定は、例えば、メンテナンスを行う作業者が撮像データの画像に写っているか否かで判定する。
【0072】
具体的には、例えば、作業者の服装を特定する情報(作業服の色)を予め初期設定として記憶しておくことや、服装のパターン認識、特定の波長の光のサイン(例えば、紫外線殺菌灯の点灯)などで行う。あるいは、作業者は、作業開始を示す通知を携帯情報機器100aなどからメンテナンス支援サーバ30に発信するようにしてもよい。
【0073】
ここで、メンテナンス作業の開始を検出した場合には、ステップS1104に移行し、一方、作業開始を検出しない場合には、継続してステップS1103にて作業開始を監視する。
【0074】
ステップS1104において制御部300は、メンテナンス監視部300bが撮像データ記憶部34に記憶される撮像データを解析し、この解析結果をメンテナンス実施マップに反映させて、ステップS1105に移行する。すなわち、メンテナンス監視部300bがオフィスを撮影した撮像データに基づいて、作業者の位置を検出する。
【0075】
具体的には、メンテナンス監視部300bが撮像データを解析し、作業者の位置や、位置毎の作業者の滞在時間を検出し、所定時間以上の滞在があった位置について、メンテナンス作業が実施されたと判定する。そして、メンテナンス作業が実施された位置について、作業完了を示す情報をメンテナンス実施マップに記録する。
【0076】
ステップS1105において制御部300は、メンテナンス監視部300bがメンテナンス実施マップに基づいて、メンテナンス作業の進捗を示す進捗画像データを作成し、ステップS1106に移行する。なお、後で説明するように、進捗画像データは、メンテナンスが必要な位置(オフィス利用者が滞在した位置とほぼ一致)と作業者が滞在した位置を合わせて示したものであって、作業の進捗を示す画像データである。
【0077】
ステップS1106において制御部300は、マップ情報提供部300cがステップS1105で生成した進捗画像データに基づく画像を表示部33に表示して、ステップS1107に移行する。
【0078】
図12に、進捗画像データに基づく画像の一例を示す。この図に示すように、メンテナンスを必要とする領域(図10参照)に対して、メンテナンスが施されたと判定された位置のマス目を異なるハッチングで示している。この画像を見た作業者などは、メンテナンス作業の進捗や、メンテナンス作業が残っている位置などを把握することができる。
【0079】
なお、表示部33だけでなく、図13に示すように、携帯情報機器100a、バーチャルグラス100bおよびHMD100cに進捗画像データをそれぞれ送信して、各機器において進捗状況を示す画像を表示するようにしてもよい。
【0080】
この場合、複数の作業者Op1、Op2や作業者を管理するマネージャMにも、同じ進捗画像データが配信されることになる。このため、作業者Op1とOp2との間や、作業者Op1(Op2)とマネージャMとの間で、メンテナンスの進捗について情報を共有することできるので、作業効率の向上に寄与する。すなわち、作業が不足する位置の情報を共有して手分け作業をしたり、重複した作業を避けることができる。
【0081】
ステップS1107において制御部300は、メンテナンス監視部300bがメンテナンス実施マップに基づいて、メンテナンス作業が終了したか否か、すなわちメンテナンス作業の進捗を判定する。メンテナンス作業の終了の判定は、例えば、メンテナンス実施マップで示されるメンテナンスが必要とされる位置に対するメンテナンスが施された位置の占める割合が一定の比率以上となった場合に、終了と判定する。
【0082】
その他、メンテナンス監視部300bが撮像データを解析し、メンテナンス作業が終了したか否かを判定するようにしてもよい。この場合、メンテナンス作業の終了の判定は、例えば、メンテナンスを行う作業者が撮像データの画像に写っていない状態が一定時間以上継続したか否かで判定する。
【0083】
具体的には、例えば、作業者の服装を特定する情報(作業服の色)を予め初期設定として記憶しておくことや、服装のパターン認識などで行う。あるいは、作業者は、作業終了を示す通知を携帯情報機器100aなどからメンテナンス支援サーバ30に発信するようにしてもよい。
【0084】
ここで、メンテナンス作業の終了を検出した場合には、ステップS1108に移行し、一方、作業終了を検出しない場合には、ステップS1104に移行して、メンテナンスの実施状況の集計を継続する。
【0085】
ステップS1108において制御部300は、メンテナンス監視部300bがメンテナンス作業が完了した旨を示す表示を表示部33に行い、当該処理を終了する。
【0086】
なお、表示部33だけでなく、携帯情報機器100a、バーチャルグラス100bあるいはHMD100cに進捗画像データを送信して、各機器において作業完了を示す画像を表示するようにしてもよい。これによれば、マネージャMは、作業の完了を認識できる。
【0087】
(まとめ)
以上のように、上記構成の画像センサシステムでは、画像センサ10が撮像した撮像データに基づいて、マップ生成部300aが、オフィス利用者の滞在した位置を検出し、滞在した位置をメンテナンスが必要な位置としてメンテナンスマップを作成する。そして、画像センサ10がメンテナンスを行う作業者を撮像した画像データに基づいて、メンテナンス監視部300bが、メンテナンスが行われた位置を検出し、メンテナンス実施マップに集計するようにしている。
【0088】
したがって、上記構成の画像センサシステムによれば、清掃などのメンテナンスが必要な位置と、メンテナンスが施された位置を把握することができ、メンテナンス作業を効率的かつ的確に行えるように支援することができる。これにより、メンテナンス作業に必要とされる様々なリソースを、必要なところに重点的に振り分けるという効率化を図ることが可能になり、例えば公衆衛生的にもいっそうの効果が期待できる。
【0089】
またメンテナンスが必要な位置をメンテナンスマップとして、各種機器にて表示することが可能であり、また、メンテナンスが施された位置をメンテナンス実施マップとして、各種機器にて表示することが可能なので、視覚的な情報の提供により、的確な情報提供を行うことができる。
【0090】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0091】
例えば、上記実施の形態では、作業者の位置を検出し、メンテナンスの進捗を集計するようにしたが、これに限定されるものではない。近時、紫外線照射器を用いて室内消毒を行うことがある。画像センサ10の画像について、RGB色を分解しない場合、図14に示すような紫外線照射器がOFFの状態と、図15に示すような紫外線照射器をONにした状態で、差を見いだすことは難しい。
【0092】
しかしながら、画像センサ10の画像について、RGBの各色に分解した場合、図16に示すような紫外線照射器がOFFの状態と、図17に示すような紫外線照射器をONにした状態で比較すると、図17に示すように、赤(R)の波長と、青(B)の波長において、強い値が表れる特徴があり、これに基づいて、紫外線照射器による消毒作業が行われたか否か、すなわち作業者の有無を判定することができる。
【0093】
この特徴に着目し、メンテナンス監視部300bが紫外線照射器を用いた室内消毒の実施位置(作業者の位置)を検出し、メンテナンス実施マップを作成するようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0094】
10…画像センサ、10a~10d…画像センサ、11…通信部、11a~11d…通信部、20…中継器、30…メンテナンス支援サーバ、31a…画像センサ通信部、31b…ネットワーク通信部、32…操作部、33…表示部、34…撮像データ記憶部、35…施設情報記憶部、36…マップ情報記憶部、100a…携帯情報機器、100b…バーチャルグラス、300…制御部、300a…マップ生成部、300b…メンテナンス監視部、300c…マップ情報提供部、300d…通信制御部、Aa~Ad…執務エリア、Op1、Op2…作業者、M…マネージャ。
図1
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