(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023162660
(43)【公開日】2023-11-09
(54)【発明の名称】天板付き什器及び拡張天板
(51)【国際特許分類】
A47B 1/04 20060101AFI20231101BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
A47B1/04 Z
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073149
(22)【出願日】2022-04-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)公開日 : 令和3年12月1日~令和4年1月31日 公開先 : 東京学芸大学付属世田谷小学校 公開場所: 東京学芸大学付属世田谷小学校(東京都世田谷区深沢4丁目10番1号) 公開者 : コクヨ株式会社 (2)公開日 : 令和4年2月21日他公開日、公開先、公開場所(別紙)を参照 公開先 : 大田区教育委員会他公開日、公開先、公開場所(別紙)を参照 公開場所: 大田区役所他公開日、公開先、公開場所(別紙)を参照 公開者 : コクヨ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】松尾 泰久
(72)【発明者】
【氏名】谷川原 結衣
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053CA01
3B053NP04
3B053NQ03
3B053NQ06
3B053NQ10
(57)【要約】
【課題】天板本体の端部に拡張天板を着脱可能に装着するにあたって、天板本体の下面に押付跡が残ったり傷がついたりし易いという問題を解消する。
【解決手段】天板本体3と、この天板本体3の端部に緊締機構Kを用いて固定される拡張天板4とを具備してなる天板付き什器であるデスクにおいて、拡張天板4が、天板本体3の上面3aに添接する上面側部材41と、天板本体3の下面3bに対面する下面側部材42とを備えたものであり、緊締機構Kが、天板本体3の下面3bと拡張天板4の下面側部材42との間に圧入される楔部材5を備える構成を採用する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板本体と、この天板本体の端部に緊締機構を用いて固定される拡張天板とを具備してなる天板付き什器であって、
前記拡張天板が、前記天板本体の上面に添接する上面側部材と、前記天板本体の下面に対面する下面側部材とを備えたものであり、
前記緊締機構が、前記天板本体の下面と前記拡張天板の下面側部材との間に圧入される楔部材を備えたものである天板付き什器。
【請求項2】
前記緊締機構が、前記楔部材と、この楔部材を螺合進退させる送りねじと、この送りねじを回転操作して前記楔部材を圧入方向又は離脱方向に移動させる操作部とを備えたものである請求項1記載の天板付き什器。
【請求項3】
前記操作部が、天板の使用端側からは操作し難い位置に配されている請求項2記載の天板付き什器。
【請求項4】
前記拡張天板の下面側部材が、楔部材の圧入方向に向かって漸次高くなる傾斜面を備えたものであり、
前記楔部材が、前記傾斜面に摺動可能に添接する傾斜下面と、前記天板本体の下面に平行に対面する水平上面とを備えたものである請求項1記載の天板付き什器。
【請求項5】
前記緊締機構が、一端に前記操作部を設けた前記送りねじを備えたものであり、その送りねじを前記楔部材に設けられた雌ねじ孔に直接螺合させている請求項2、3又は4記載の天板付き什器。
【請求項6】
天板本体の端部に緊締機構を用いて固定される拡張天板であって、
天板本体の上面に添接する上面側部材と、天板本体の下面に対面する下面側部材とを備えてなり、
前記緊締機構が、前記天板本体の下面と前記下面側部材との間に圧入される楔部材を備えたものである拡張天板。
【請求項7】
前記緊締機構が、前記楔部材と、この楔部材を螺合進退させる送りねじと、この送りねじを回転操作して前記楔部材を圧入方向又は離脱方向に移動させる操作部とを備えたものである請求項6記載の拡張天板。
【請求項8】
前記下面側部材が、楔部材の圧入方向に向かって漸次高くなる傾斜面を備えたものであり、
前記楔部材が、前記傾斜面に摺動可能に添接する傾斜下面と、前記天板本体の下面に平行に対面する水平上面とを備えたものである請求項6記載の拡張天板。
【請求項9】
前記緊締機構が、一端に前記操作部を設けた前記送りねじを備えたものであり、その送りねじを前記楔部材に設けられた雌ねじ孔に直接螺合させている請求項6記載の拡張天板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学童机等の天板付き什器、及びその什器に使用される拡張天板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、学童机等の天板付き什器においては、脚体に支持された天板本体の反使用端部に拡張天板を着脱可能に装着したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかして、かかる天板付き什器においては、拡張天板に上下進退可能に螺着された複数本のボルトと、これらボルトの上端に設けられた押圧子とを備えた緊締機構により当該拡張天板を天板本体に固定するようにしているのが一般的である。
【0004】
ところが、このような構成のものでは、各押圧子を均等に天板本体の下面に押し付けるのが難しく、特定の押圧子が異常に強く押し付けられて天板本体の下面に押付跡が残ったり傷がついたりし易いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上に着目してなされたもので、天板本体の端部に拡張天板を着脱可能に装着するにあたって、天板本体の下面に押付跡が残ったり傷がついたりし易いという問題を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係る天板付き什器は、天板本体と、この天板本体の端部に緊締機構を用いて固定される拡張天板とを具備してなる天板付き什器であって、前記拡張天板が、前記天板本体の上面に添接する上面側部材と、前記天板本体の下面に対面する下面側部材とを備えたものであり、前記緊締機構が、前記天板本体の下面と前記拡張天板の下面側部材との間に圧入される楔部材を備えたものである。
【0008】
請求項2記載の発明に係る天板付き什器は、前記緊締機構が、前記楔部材と、この楔部材を螺合進退させる送りねじと、この送りねじを回転操作して前記楔部材を圧入方向又は離脱方向に移動させる操作部とを備えた請求項1記載のものである。
【0009】
請求項3記載の発明に係る天板付き什器は、前記操作部が、天板の使用端側からは操作し難い位置に配されている請求項2記載のものである。
【0010】
請求項4記載の発明に係る天板付き什器は、前記拡張天板の下面側部材が、楔部材の圧入方向に向かって漸次高くなる傾斜面を備えたものであり、前記楔部材が、前記傾斜面に摺動可能に添接する傾斜下面と、前記天板本体の下面に平行に対面する水平上面とを備えた請求項1記載のものである。
【0011】
請求項5記載の発明に係る天板付き什器は、前記緊締機構が、一端に前記操作部を設けた前記送りねじを備えたものであり、その送りねじを前記楔部材に設けられた雌ねじ孔に直接螺合させている請求項2、3又は4記載のものである。
【0012】
請求項6記載の発明に係る拡張天板は、天板本体の端部に緊締機構を用いて固定される拡張天板であって、天板本体の上面に添接する上面側部材と、天板本体の下面に対面する下面側部材とを備えてなり、前記緊締機構が、前記天板本体の下面と前記下面側部材との間に圧入される楔部材を備えたものである。
【0013】
請求項7記載の発明に係る拡張天板は、前記緊締機構が、前記楔部材と、この楔部材を螺合進退させる送りねじと、この送りねじを回転操作して前記楔部材を圧入方向又は離脱方向に移動させる操作部とを備えた請求項6記載のものである。
【0014】
請求項8記載の発明に係る拡張天板は、前記下面側部材が、楔部材の圧入方向に向かって漸次高くなる傾斜面を備えたものであり、前記楔部材が、前記傾斜面に摺動可能に添接する傾斜下面と、前記天板本体の下面に平行に対面する水平上面とを備えた請求項6記載のものである。
【0015】
請求項9記載の発明に係る拡張天板は、前記緊締機構が、一端に前記操作部を設けた前記送りねじを備えたものであり、その送りねじを前記楔部材に設けられた雌ねじ孔に直接螺合させている請求項6記載のものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、天板本体の反使用端部に拡張天板を着脱可能に装着するにあたって、天板本体の下面に押付跡が残ったり傷がついたりし易いという問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るデスクを示す全体斜視図。
【
図7】同実施形態に係る拡張天板を示す全体斜視図。
【
図13】同実施形態に係る拡張天板を示す分解斜視図。
【
図14】本発明の他の実施形態に係る拡張天板を示す平面図。
【
図15】本発明の他の実施形態に係る拡張天板を示す全体斜視図。
【
図16】本発明の他の実施形態に係る拡張天板を示す全体斜視図。
【
図17】本発明の他の実施形態に係る拡張天板の要部を示す分解斜視図。
【
図18】本発明の他の実施形態に係る拡張天板の要部を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態は、本発明を天板付き什器である学童机等のデスクDに適用したものである。
【0019】
このデスクDは、
図1~
図6に示すように、天板1を脚体2により支持してなる。なお、この実施形態では、天板1の反使用端1a側を「前」、使用端側1bを「後」として説明する。
【0020】
天板1は、
図1~
図6に示すように、脚体2に支持された天板本体3と、この天板本体3の端部に緊締機構Kを用いて固定される拡張天板4とを具備してなる。そして、拡張天板4は、天板本体3の上面3aに添接する上面側部材41と、天板本体3の下面3bに対面する下面側部材42とを備えたものであり、緊締機構Kは、
図7及び
図10~
図12に示すように、天板本体3の下面3bと拡張天板4の下面側部材42との間に圧入される楔部材5を備えたものである。
【0021】
詳述すれば、天板本体3は、例えば平面視長方形状をなす木材製のものであり、
図1~
図3、
図5及び
図6に示すように、脚体2の上端に止着されている。天板本体3の下面3bには、少なくとも使用端1b側に開放された小物収納棚31などが設けられている。そして、この天板本体3の反使用端側1aの端部に拡張天板4が着脱可能に装着されている。
【0022】
拡張天板4は、
図7~
図13に示すように、上面41aが僅かな段部を介して天板本体3の上面3aに連続し左右両端部の下面41b及び中間部の後縁部分の下面41cが天板本体3の上面3aに添設する上面側部材41と、天板本体3の下面3bに対面する下面側部材42とを備えたもので、合成樹脂等により一体に成型されている。
【0023】
上面側部材41は、
図8及び
図10~
図13に示すように、左右両端部が使用端1b方向に延出する平板状のものであり、
図9及び
図13に示すように、中間領域に後述するように上方に開放された溝Mが形成されている。上面側部材41は、前縁部から垂下する第1、第2の前縁垂下壁411、412と、後縁近傍部から垂下する後縁垂下壁413と、左右両側縁から垂下する側縁垂下壁414とを一体に備えている。そして、前記溝Mは、第2の前縁垂下壁412と、後縁垂下壁413と、左右の側壁415と、第1、第2の底壁416、417とによって形成されている。溝Mは、底部に相互に形態が異なった前、後2種類の区画部分M1、M2を備えたものであり、後述するように第1の底壁416は前の区画部分M1に対応し、第2の底壁417は後の区画部分M2に対応している。
【0024】
下面側部材42は、
図8及び
図10~
図13に示すように、左、右の側縁垂下壁414の内面に一体に形成されたもので、天板本体3の下面3bに対向可能な傾斜面を有する傾斜壁421と、この傾斜壁421の前端に交叉状態で設けられた交叉壁422とを備えてなる。交叉壁422は前述した後縁垂下壁413と連続するように位置付けて上面側部材41に一体化されている。
【0025】
なお、41rは、第1、第2の前縁垂下壁411、412を連結するリブである。41sは、側縁垂下壁414と溝Mの側壁415とを連結するリブである。41tは、上面側部材の左右両側端部において第1の前縁垂下壁411と後縁垂下壁413とを連結するリブである。42rは、傾斜壁421を補強するためのリブである。
【0026】
緊締機構Kは、
図12及び
図13に示すように、楔部材5と、この楔部材5を螺合進退させる送りねじ6と、この送りねじ6を回転操作して楔部材5を圧入方向又は離脱方向に移動させる操作部7とを備えたものであり、その操作部7は、天板1の使用端1b側からは操作し難い位置に配されている。具体的には、天板1の使用端1bに対面着座している使用者側からは操作できないだけでなく視認することすらできないような位置に配されている。すなわち、この操作部7は、天板1の反使用端1a側に回り込まないと操作することができないように下面側部材42の交叉壁422の前面に配置されている。なお、本実施形態では操作部7が、当該操作部7を直接把持して送りねじ6の回転操作を行うことができるように構成されたグリップ状のものとなっている。
【0027】
前述した拡張天板4の下面側部材42は、
図10~
図13に示すように、楔部材5の圧入方向(前方)に向かって漸次高くなる傾斜面42aを備えたものであり、楔部材5は、その傾斜面42aに摺動可能に添接する傾斜下面5aと、天板本体3の下面3bに平行に対面する水平上面5bとを備えたものである。また、この実施形態では、下面側部材42の楔部材5に対応する箇所の下面に手掛け部42kを設けており、拡張天板A4を取り付けた状態の什器が把持し易くなっている。
【0028】
詳述すれば、緊締機構Kは、
図12及び
図13に示すように、一端に操作部7を設けた送りねじ6を備えたものであり、その送りねじ6を楔部材5に設けられた雌ねじ孔5hに直接螺合させている。すなわち、下面側部材42には、傾斜壁421と交叉壁422とを斜めに貫通するねじ挿通孔42hが設けられている。そして、交叉壁422側から挿入した送りねじ6を傾斜壁421の傾斜面42a(上面)に露出させて楔部材5の雌ねじ孔5hに螺合させている。ねじ挿通孔42hは、送りねじ6が上下方向に平行移動し得るような断面長孔状をなしており、送りねじ6の回転により楔部材5が傾斜面42aに沿って進退する際に、その送りねじ6が上下方向にも平行移動し得るように構成されている。なお、下面側部材42と楔部材5との間には、楔部材5の進退方向を案内すべく、下面側部材42に設けた前後方向に伸びる案内溝42mと、楔部材5の下面から突出し案内溝42mに摺動可能に係合する突起51とを係合させてなる案内部が設けられている。
【0029】
しかして、この緊締機構Kの作動を説明すれば、次のとおりである。まず、操作部7を操作して楔部材5を使用端1b方向に後退させておく。これにより楔部材5は傾斜面42aに沿って下降し、楔部材5の上面と上面側部材41の下面との間には、天板本体3の厚み寸法以上の隙間が形成される。その隙間に天板本体3の反使用端1a近傍の部分を挿入した上で、操作部7を操作して楔部材5を圧入方向に前進させると、その楔部材5の上面が天板本体3の下面3bに押し付けられ、楔作用によって拡張天板4と天板本体3とが強く結合されることになる。
【0030】
拡張天板4は、以上説明したような緊締機構Kを用いて天板本体3の反使用端1bに着脱可能に装着されているが、この拡張天板4には書籍やタブレット等を起立状態で保持することができる溝Mが形成されている。
【0031】
すなわち、このデスクDは、
図1、
図4、
図6、
図8及び
図11に示すように、天板1の反使用端1aに沿った部位に上方に開放された溝Mを形成してなるものであって、その溝Mは、底部に相互に形態が異なった複数種類の区画部分を備えたものである。詳述すれば、溝Mは、高低差を形成する段部を介して前の区画部分M1と後の区画部分M2とを隣接配置したものであり、前の区画部分M1が、後の区画部分M2よりも低位に設定されている。そして、後の区画部分M2の左右方向寸法が、前の区画部分M1の左右方向寸法よりも小さく設定されている。
【0032】
具体的に説明すれば、溝Mは、
図1、
図4、
図6、
図8及び
図11に示すように、拡張天板4の上面側部材41の中間領域を下方に陥没させた横方向に細長い形態をなしている。しかして、この溝Mは、上面側部材41の前縁部から垂下させた第2の前縁垂下壁412と、上面側部材41の後縁近傍部から垂下させた後縁垂下壁413との間に形成されたもので、左右両端は側壁415により塞がれ、下端は第1の底壁416と第2の底壁417により閉塞されている。左右の側壁415は、上方に向かうにつれ互いに離間するよう傾斜している。第1の底壁416と第2の底壁417とは高低差を形成する段部418を介して前後に隣接しており、前述した前の区画部分M1と後の区画部分M2とが形成されている。この実施形態の場合には、前の区画部分M1が後の区画部分M2よりも低位に設定されており、前の区画部分M1を形成する第1の底壁416には、ごみを排出するための排出孔416aが形成されている。溝Mの内部に存在する入隅は全て滑らかな面取り形状をなしており、ごみが内部に残留しないように工夫されている。なお、溝Mの前側に位置する第1の前縁垂下壁411と第2の前縁垂下壁415の上端接続部分は、上面側部材41の上面41aよりも上方に隆起する隆起部419が形成してあり、この隆起部419により溝Mに立てた書籍や書類等を受止めて前方に転倒するのを抑制することができるようになっている。
【0033】
以上説明した天板1を支持する脚体2は、通常のパイプ材製のもので、
図1~
図3、
図5及び
図6に示すように、前脚柱21と後脚柱22とを前後に連結する天板支持フレーム23に天板1が止着されている。また、前脚柱21と後脚柱22とを下端近傍において前、後に連結する縦フレーム24と、左、右の前脚柱21同士を連結する横フレーム25とを備えており、それら縦フレーム24及び横フレーム25は、例えば、1本のパイプ素材に曲げ加工を施すことによって一体に構成されている。
【0034】
ここで、
図1は、本実施形態に係るデスクDを示す全体斜視図である。
図2は、同正面図(使用端1bに対面着座している使用者側から見た図)である。
図3は、同背面図である。
図4は、同平面図である。
図5は、同右側面図である。
図6は、天板本体3への拡張天板4の取り付け態様を示す分解斜視図である。
図7は、本実施形態に係る拡張天板4を示す全体斜視図である。
図8は、同平面図である。
図9は、同左側面図である。
図10は、
図8におけるA-A線に沿った断面図である。
図11は、
図8におけるB-B線に沿った断面図である。
図12は、
図8におけるC-C線に沿った断面図である。なお、
図10~
図12では、わかりやすくするために拡張天板4の上側を上、拡張天板4の下側を下にして示している。また、
図11及び
図12中には、天板本体3を想像線で示している。
図13は、拡張天板4の緊締機構Kを示す分解斜視図である。
図13では、楔部材5の形状をわかりやすく示すべく、楔部材5を90度回転させた姿勢で示している。
【0035】
このような構成のデスクDであれば、天板本体3に拡張天板4を着脱させることによって、天板1の有効面積を必要に応じて変更することができる。しかも、拡張天板4を天板本体3に固定するための緊締機構Kが、楔部材5の楔作用を利用したものであるため、楔部材5の広い面積を天板本体3の下面3bに均等に押し付けて拡張天板4を固定することができる。そのため、強く緊締しても天板本体3の下面に傷がつきにくいという利点がある。しかも、楔作用を利用しているので、振動を受けた際にも緩みにくいという利点もある。
【0036】
特にこの実施形態では、楔部材5を送りねじ6により螺合進退させるようにしているため、楔部材5を所定箇所に強力に食い込ませることが可能となり、拡張天板4の確実な固定が可能となる。
【0037】
また、この緊締機構Kを操作するための操作部7は、天板1の使用端1b側からは操作し難い位置に配されているため、デスクDを使用しているものがなにげなく操作部7を操作して拡張天板4が外れてしまうような不具合を防止することができる。
【0038】
さらに、この緊締機構Kは、操作部7により回転操作される送りねじ6を楔部材5に設けられた雌ねじ孔5hに直接螺合させたものであるため、部品点数を最小限に止めることができる。その上、本実施形態では操作部7を直接把持して送りねじ6の回転操作を行うことができるようになっているので、特殊な工具を用いることなく楔部材5の緊締操作を行うことができる。
【0039】
なお、本発明は、必ずしも以上の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0040】
例えば、拡張天板は必ずしも溝を有するものに限られないのは勿論であり、天板本体の上面に略連続する上面のみを有するもの等であってもよい。
【0041】
また、楔部材を圧入方向に緊締する緊締機構も前記実施形態のものに限られないが、前記実施形態のようにすれば、部品点数を削減して構成の簡略化を図ることができる。
【0042】
さらに、本発明の天板付き什器は、学童用のデスクに限らず、種々の什器に適用が可能である。
【0043】
種々の什器に適用するにあたり、拡張天板を天板本体の反使用端ではなく側端などに装着できるようにしてもよい。その際にも同様な楔作用を利用した緊締が可能である。
【0044】
加えて、前述した実施形態に示した拡張天板4及び緊締機構Kに代えて、
図14~
図17を参照して以下に示すような態様の拡張天板A4及び緊締機構KKを採用してもよい。これら拡張天板A4及び緊締機構KKは、構造的な強度等を考慮して具体的に設計されたもので、前述した実施形態におけるものと同一または相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
この態様の拡張天板A4は、下面側部材42の内方端部を内方に延出した形状のものにし、当該下面側部材42と上面側部材41の後縁垂下壁413との接合領域を拡大している。また、この態様の緊締機構KKでは、楔部材5の水平上面5bをリブの上縁により形成し、強度が低下しない範囲で摺動摩擦の低減を図っている。さらに、この態様では、上面側部材41の側縁垂下壁414を外壁414aと内壁414bとを補強リブ414cを介して一体化したものにし、その内壁414bに下面側部材42を一体に設けている。
【0046】
このような拡張天板A4及び緊締機構KKを用いたものであっても、本発明に係る効果を得ることができる。
【0047】
また、楔部材の構成も、前述した実施形態のものに限定されるものでなく、例えば、天板本体の下面に摺接する上面に滑り止め部材を設けてもよい。
図18に示す拡張天板B4は、
図14~
図17を参照しつつ示した拡張天板A4の楔部材5に代えて以下に示すような楔部材B5を採用したものである。この楔部材B5は、その上面5bに凹陥部B5xを設け、この凹陥部B5xに樹脂製の滑り止め部材52を装着したものである。なお、
図18に示す実施形態において、楔部材B5以外は
図14~
図17を参照しつつ前述したものと同様の構成を有するので、対応する箇所に同一の符号を付して説明を省略する。また、滑り止め部材は、楔部材の上面略全域に添接するようなものであってもよい。このような滑り止め部材を設けておけば、緊締前の仮装着時に楔部材が滑り落ちるのを防止ないし抑制することができる。
【0048】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0049】
D…天板付き什器(デスク)
1…天板
1b…使用端
3…天板本体
3a…天板本体の上面
3b…天板本体の下面
4、A4…拡張天板
41…上面側部材
42…下面側部材
42a…傾斜面
5…楔部材
5a…傾斜下面
5b…水平上面
5h…雌ねじ孔
6…送りねじ
7…操作部
K、KK…緊締機構